説明

画像データの色変換装置、画像データの色変換方法およびそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】 色空間イメージに一致した画像データの色変換装置を提供する。
【解決手段】 表色平面上に3つ以上の色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみ502〜507を配したユーザーインターフェース(U-I/F)と、U‐I/F上の操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手段と、画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手段(ステップ802)と、操作つまみの設定前と設定後のU‐I/F上における移動量および設定後の相隣る操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、第1の算出手段が算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手段(ステップ803〜805)と、該変換手段によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手段(ステップ806)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、操作者がパーソナルコンピューターなどに表示される操作画面を操作して画像データの色成分を変換することができる画像データの色変換装置、画像データの色変換方法およびその色変換方法のプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理ソフトウェアなどで扱われる画像データの色変換の操作方法について、図27を用いて説明する。
図27は、パーソナルコンピューターなどのディスプレイ画面に表示される色変換用の操作画面の一部であり、操作者が画像データの色変換の操作を行うときに操作画面に表示されるユーザーインターフェースの一例を示したものである。
図27において、2701は色系統選択手段、2702は色相設定手段、2703は彩度設定手段、2704は明度設定手段である。
【0003】
次に、従来の色変換の操作手順について説明する。
操作者は、画像処理ソフトウェアでパーソナルコンピューターなどのディスプレイ画面に表される画像データ(図示せず)を再現した色彩像を見て、変更したい色の系統を選択し、変更を加える量を指定する。
パーソナルコンピューター(単に、コンピュータとも称す)に対して操作者が色変換の指示をすると、画像処理ソフトウェアは、元の画像を構成している画素のうち、変更したい対象の色系統に属する色成分を有する画素すべてに対して、指定されただけの変更を加える。
例えば、夕焼けの風景を表わす色彩像の赤みを強くしたいときは、対象とする色系統は赤の色系統である。どの画素がどの色系統に属するかは、次のような分けかたをする。
すなわち、ある画素のRGB形式で表わされる色成分の値を見たときに、R成分がG成分、B成分に比べて大きい値を有する場合、その画素を赤系統の画素としている。
G成分が他の2成分に比べて大きい値を有する画素を緑系統の画素とし、B成分の値が他の2成分に比べて大きい画素は青系統の画素としている。
【0004】
具体的な色系統変換の手順はつぎのようになる。
図27に示すユーザーインターフェースによる操作方法で、操作者はまず色系統選択手段2701により、変更したい色系統を選択する。
色系統選択手段2701はメニュー形式になっており、色系統選択手段2701をクリックすることによりメニューが表示される。
色系統選択手段2701には、赤(R)、緑(G)、青(B)の色系統が予めメニューとして登録されており、登録されている色系統の中から所望の色系統を選択する。
【0005】
次に、選択した色系統の色相、彩度、明度を変更し、色を変換する。色相、彩度、明度の変更は、色相設定手段2702、彩度設定手段2703、明度設定手段2704を操作して行う。
なお、色相、彩度、明度は、一般的に「色の3属性」と言われている。
各設定手段は、スライドバー方式となっており、それぞれのスライドバーのつまみ2705、2706および2707は、初期値として設定値は、色相、彩度、明度の増減が0であることを示すセンター位置に設定されている。
操作者は色相、彩度、明度のスライドバーを、マウスポインタのドラッグによって左右にスライドさせ、設定値を増減することにより色変換が行われる。
図27では、つまみ2706とつまみ2707が初期値よりスライドした状態で図示されている。
【0006】
前述の如く操作者が、画像処理ソフトウェアでディスプレイ画面に表示される色彩像を見て、赤系統の色をもっと彩度の高い色に変換したいと考え、操作を行う場合、操作者はマウスなどを用いて、色系統選択手段2701によって赤系統(R)を選択する。
その後、赤系統の色の彩度を高くするため、彩度設定手段2703のスライドバーのつまみ2706をマウスによりクリックして、プラス側(変化の強度を強くする方向)にスライドさせ、所望の位置でマウスのクリックボタンを離す。
【0007】
画像処理ソフトウェアは、マウスのクリックボタンが離されたのを検知し、色変換処理を行う。
画像処理ソフトウェアは、対象となる画像データを画像データの保存されている記憶装置から1画素分読み出し、読み出した画素が処理の対象となる赤系統の画素であるかを判断する。
赤系統の画素であるかどうかの判断は、前述のように、RGB形式の画素で構成される画像データの内、R成分が他のG成分、B成分に比べて大きい値を有する画素を赤系統の画素とする、というように行う。
【0008】
彩度設定手段2703のつまみ2706の位置の変化量を、変換処理の対象となる赤系統の画素の各色成分の値に対して反映させるには、HSI6角錐カラーモデルによる変換、またはHSI双6角錐カラーモデルによる変換(参照:東京大学出版会、新編画像解析ハンドブック、P1187、2004年9月10日発行)によって色空間変換を行い、画素の赤(R)、緑(G)、青(B)の色成分値から色相(H)、彩度(S)、明度(I)で表わしたHSI形式の色成分に変換する。
操作者がマウスのクリックボタンを離したときに、色相設定手段2702、彩度設定手段2703、明度設定手段2704によって設定されている設定値をよみとり、その設定値に応じてHSIの各成分値を増減させる。操作者が、例えば彩度を10%強く設定している場合は、対象画素の彩度成分値に1.1を乗じる。
増減後のHSI形式の画素の成分値は、前述のHSI6角錐カラーモデルによる変換、またはHSI双6角錐カラーモデルによる変換の逆変換を用いて、HSI形式からRGB形式に変換する。
【0009】
色変換された画素は、画像データの保存されている記憶装置に対して書き戻される。
画像処理ソフトウェアは、画像データの全ての画素に対して同様の処理を行い、色変換処理を終了する。
操作者は同じ系統の色について色変換を行いたい場合は、続けて色相設定手段2702、彩度設定手段2703、明度設定手段2704を操作して変換処理を行う。
別の色系統について色変換を行いたい場合は、色系統選択手段2701により変換を行いたい色系統を選択し、色相設定手段2702、彩度設定手段2703、明度設定手段2704を操作して変換処理を行う。
【0010】
操作者は、画像処理ソフトウェアでディスプレイに表される画像データを再現した色彩像の対象部分が、所望の色になるまで色変換の操作を繰り返す。
従来の画像データの色変換方法は以上のように構成されているので、変換したい色系統を選択する場合、メニューから選ばなければならず、一つの色系統を選ぶと他の色系統の色相、彩度、明度に対して実施された設定の状態を同一ウィンドウ上で確かめることができない。そのため、他の色系統の設定値を見るためには、再度メニューから色系統を選ぶことが必要で、操作が煩わしいという問題があった。
また、色変換のための変更量の設定はスライドバーで行うが、元来色彩は、色相、彩度、明度が立体的に配置されている3次元的な色空間において定義されているため、スライドバーのつまみの一次元的移動により、該当画素が色空間でどのような軌跡を描いて移動させられるのかが操作者にとって直感的に把握し難いという不都合な問題があった。
【0011】
更には、図27に示したスライダーを用いた操作方法とは別に、スライダーを使用せず二次元的な表示方法によるユーザーインターフェースを用いて色変換をおこなう方法が別途開示(例えば、特開2000−13628号公報参照)されている。
しかし、図27の例に見られるように、色系統の分割ルールが固定的で柔軟性が無く、色変換の対象となる画像の種類によっては、微妙な色域の補正を行うための色系統としてどの色系統を選択するのかを把握しにくい場合もあり、操作者が色変換を行う際のトライ・アンド・エラーの回数がかさみがちであった。
【非特許文献1】エクスメディア著「PhotoshopCS for Windows(登録商標) & Macintosh MENU MASTER」P399 株式会社エクスメディア2004年3月8日初版発行
【特許文献1】特開2000−13628号公報(図2、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、複数の色系統に対する色変換の操作を同一のユーザーインターフェースを用いて実行できること、また、色彩が定義される色空間との対応関係を視覚的にわかりやすくして容易に色変換操作ができる画像データの色変換装置、画像データの色変換方法を提供することを目的とする。
また、該画像データの色変換方法のプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る画像データの色変換装置は、画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換装置であって、円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手段と、上記ユーザーインターフェース上における上記操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手段と、画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手段と、上記操作つまみの設定前と設定後の上記ユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および上記操作つまみの設定後の相隣る操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、上記第1の算出手段が算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手段と、上記変換手段によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手段を備えたものである。
【0014】
また、この発明に係る画像データの色変換方法は、画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換方法であって、円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手順と、上記ユーザーインターフェース上における上記操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手順と、画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手順と、上記操作つまみの設定前と設定後の上記ユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および上記操作つまみの設定後の相隣る上記操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、上記第1の算出手順によって算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手順と、上記変換手順によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手順を有したものである。
【0015】
また、この発明に係る記録媒体は、画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換方法を提供するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手順と、上記ユーザーインターフェース上における上記操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手順と、画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手順と、上記操作つまみの設定前と設定後の上記ユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および上記操作つまみの設定後の相隣る上記操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、上記第1の算出手順によって算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手順と、上記変換手順によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手順とを実行させるプログラムを記録したものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明による画像データの色変換装置あるいは色変換方法によれば、操作者は、複数の色系統に対する色変換の操作を同一のユーザーインターフェースを用いて実行できるとともに、色彩が定義される色空間との対応関係を視覚的にわかりやすくして色変換操作ができる。
すなわち、操作者が色空間のイメージどおりに操作可能なユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分を提供できるので、操作者は直感的に操作がしやすく、操作が早く行えるので、操作時間が短くて済むという効果がある。
また、この発明による記録媒体は、本発明による画像データの色変換方法のプログラムを記録しているので、その記録媒体を任意の場所に運搬して、そこに設置されたコンピュータ(例えば、パーソナルコンピューター)でプログラムを実行すれば、どこででも本発明による画像データの色変換方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施の形態1.
本発明の一実施の形態を、図を用いて説明する。
図1は、本発明の画像データの色変換方法が適用される色変換装置の概略構成を示す図である。
本実施の形態による色変換装置は、例えば図1に示すように、パーソナルコンピューター1とデジタルカメラ2およびディスプレイ3などの外部装置から構成されている。
パーソナルコンピューター1は、プログラムを動作させるCPU4と、データやプログラムを一時的に格納するメモリ5、画像データを保存するハードディスク6から構成されている。
ハードディスク6には、予めプログラムを実行させるためのオペレーティングシステムと、本発明による色変換方法を搭載した色変換プログラムが保存されているものとする。
また、デジタルカメラ2は、パーソナルコンピューター1に常時接続されている必要は無く、デジタルカメラ2で撮影した画像データをパーソナルコンピューター1に取り込む際に接続していればよく、それ以外の時は切り離されていてもよい。
【0018】
図2は、本発明による色変換方法を搭載した色変換プログラムの操作画面の一例を示す概略図である。
なお、操作画面21は、図1に示したパーソナルコンピューター1のディスプレイ3に表示される。
操作画面21には、画像データを再現した色彩像を表示する画像ウィンドウ22と、画像データの色変換量を操作する操作パネル23、画像データをハードディスク6からメモリ5に読み込み画像ウィンドウ22に表示させる開くボタン24、操作パネル23による色変換量の設定に基づき色変換を実行する実行ボタン25、色変換を行った画像データをハードディスク6に保存する保存ボタン26が配置されている。また、色変換の操作終了を指示する終了ボタン27が配置されている。
【0019】
色変換プログラムの動作の概略を、図3のフローチャートを用いて説明する。
ハードディスク6に保存されている色変換プログラムは、図1の概略図には示していないが、キーボードやマウスなどの入力デバイスにより、オペレーティングシステムを介して起動させられる。
色変換プログラムの起動後、色変換プログラムは、ステップ301で、図1に示されるディスプレイ3に図2で示される操作画面21を表示する。
色変換プログラムは、キーボードやマウスによって終了ボタン27が押されたことによる終了指示をステップ302で判定、または、開くボタン24、実行ボタン25、保存ボタン26が押されたことによる操作指示をステップ303で判定するまで入力を待ち続ける待機状態になる。
【0020】
操作者が終了ボタン27により終了指示を与えた場合は、ステップ302で終了の判定を行い色変換プログラムは終了する。
開くボタン24、実行ボタン25、保存ボタン26のいずれかのボタンが押された場合は、押されたボタンの種類に応じた処理を行う。
開くボタン24の場合はステップ304の開く処理、実行ボタン25の場合はステップ305の実行処理、保存ボタン26の場合はステップ306の保存処理が行われる。
各処理が終了すると、再び終了ボタン27、開くボタン24、実行ボタン25、保存ボタン26のいずれかのボタンが押されるのを判定する待機状態に入る。色変換プログラムは、終了ボタン27による終了指示が与えられるまで上記動作を繰り返す。
【0021】
次に、図3のステップ304の開く処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
色変換プログラムは、開くボタン24が押されると、操作者がデジタルカメラ2で撮影し、予めパーソナルコンピューター1のハードディスク6に、オペレーティングシステムの機能によりファイルとして保存されている画像データの中から、開く画像データのファイルを選択するため、ステップ401にてファイル選択画面を表示する。
ファイル選択画面にはハードディスク6内のファイル名が表示されるので、操作者は色変換を行うファイルをマウスなどで選択する。
色変換プログラムはステップ402で選択されたファイル名を取得し、ファイル選択画面を閉じる。
色変換プログラムはステップ403でCPU4を制御してハードディスク6からメモリ5に選択したファイルをオペレーティングシステムの機能によりオープンし、画像データを読み込み、さらにステップ404で操作画面21の画像ウィンドウ22に選択したファイルの画像データを色彩像として表示する。
以上で開く処理は終了し、図3のステップ302に戻る。
【0022】
操作者は、画像ウィンドウ22に表示された画像データを再現した色彩像を見て、色彩の変更を検討し、所望の色系統に対する色変換の変換量を操作画面21の操作パネル23を用いて設定する。
ここで、色変換の設定値の設定方法について説明する。
図5は、本発明の色変換方法による操作パネル23の概略図である。
操作パネル23は、操作エリアや操作方向を示す4段階の同心円と同心円の中心から6つの方向に伸びた放射状の線による操作ガイドライン501と、色変更の変更量の設定、すなわち色変換の強度設定を行うためのイエロー(Y)の操作つまみ502、レッド(R)の操作つまみ503、マゼンタ(M)の操作つまみ504、ブルー(B)の操作つまみ505、シアン(C)の操作つまみ506、グリーン(G)の操作つまみ507、操作つまみと操作つまみを接続し操作つまみを見やすくするとともに色彩の状態を把握しやすくするための6つの連結線508から構成されている。
操作つまみは、円周方向509および半径方向510に移動可能である。
【0023】
色彩は、一般的に、色相、彩度、明度の3属性(色の3属性)で表現されることが多く、色彩関連の知識があるユーザーが色彩を操作する場合は、3属性による色立体空間をイメージして操作できることが望ましい。
しかし、コンピュータのソフトウェア画面で操作する場合は、表示のためのディスプレイが2次元平面であるため、色立体空間を平面に投影し、3属性のうち、2つの属性について表現した方が、ユーザーの操作は、キーボードやマウスなど通常の入力デバイスでは操作しやすい。
3属性の中からの2属性の選択は、色相と彩度、色相と明度、彩度と明度がある。
本実施の形態では、図5に示される円周方向509に色相を、半径方向510に彩度を対応させた色変換のユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分を示す。
【0024】
図5では円周方向に等角度で、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の6色の色相を配置した場合の例を示しているが、さらに6色の間に中間色を1色ずつ配置し12色にしてもよく、必要であればそれ以上に増やしても良い。円周方向509の色相には、JISZ8729で示されるL*a*b*色空間のa*b*平面の色相を対応させている。
よって、操作つまみの円周方向509、半径方向510の移動は、L*a*b*色空間のa*b*平面での移動と一致している。
図6に示されるように、操作つまみ(図では、エリアGYとエリアYRとの境界にあるつまみ)のa*b*平面での位置は、a*軸正方向0度からの円周方向の角度すなわち色相値θと、中心から半径方向の距離すなわち彩度値rの、2つの値(すなわち、θおよびr)で表すことが出来る。
なお、L*、a*、b*は、CIE(国際照明委員会)が制定した表色空間の3座標軸を表している。
【0025】
色変換ソフトウェアは、操作パネル23の図5で示される操作つまみのグラフィック上の位置から、色相値θ、彩度値rの設定値を取得する。
操作つまみの位置は、操作パネル23の中心Oから、横方向をx、縦方向をyとすれば、グラフィックを構成するx、yのドット数で表現することが出来る。
よって、色変換ソフトウェアは、操作つまみの位置から、その設定値を取得する場合、操作パネルの中心からのx、yのドット数から、式(1)によって色相値θを、式(2)によって彩度値rを求めることにより取得する。
θ=tan−1(y/x) ・・・ (1)
r=√(x+y) ・・・ (2)
【0026】
次に、図5を用いて操作つまみの円周方向509の設定機能について説明する。
例えば、イエロー(Y)の操作つまみ502の色相値θを30度とし、グリーン(G)の操作つまみ507の色相値θを90度、レッド(R)の操作つまみ503の色相値θを330度とすると、イエロー(Y)の操作つまみ502はグリーン(G)の操作つまみ507側、レッド(R)の操作つまみ503側にそれぞれ60度の範囲で強度設定可能であるようにする。
すなわち、イエロー(Y)の操作つまみ502は、グリーン(G)の操作つまみ507と中心を結ぶ線、ならびにレッド(R)の操作つまみ503と中心を結ぶ線を越えたエリアでは強度設定手段として有効でなくなるようにする。
他の操作つまみも同様に隣接するふたつの操作つまみと中心点とを結ぶ線で構成される扇形領域の中で設定可能としている。
【0027】
次に、図5を用いて操作つまみの半径方向の設定機能について説明する。
操作つまみは初期設定としてガイドラインの中心Oと最外周の間であればどこにおいても良い。
半径方向の移動によって変更させられる変更前の彩度値rは中心Oから操作つまみの初期設定の位置までの距離r1と、中心Oから移動後の操作つまみの位置までの距離r2の比によって変更後の彩度値r´の値が決定する。
すなわち、変更後のr´=r×r2/r1となる。
また、操作つまみは、ガイドラインの最外周までしか移動できないが、初期設定を調整し中心Oから操作つまみの初期設定の位置までの距離r1を変更すれば、r2/r1の値を自由に設定できる。
【0028】
たとえば、図5の操作ガイドライン501の同心円群の中心と最外周の円の中間(ガイドラインの中心から2つめの同心円)を初期値1として中心Oを0、最外周2とすれば、操作つまみを、操作ガイドライン501の中心から最外周まで移動させることにより、彩度値rは0倍から2倍までの範囲で設定可能となる。
また、図5の操作ガイドライン501の同心円群の中心から1つめの同心円を初期値0.5として中心Oを0、最外周2とすれば、操作つまみを、操作ガイドライン501の中心から最外周まで移動させることにより、彩度値rは0倍から4倍までの範囲で強度設定可能となる。
【0029】
以上のように設計された操作パネル23は、ディスプレイ上に色変換ソフトウェアによって描画されている。
操作者は、図5で示される操作パネル23の操作つまみを、マウスでドラッグして移動させたり、キーボードの方向キーにより例えば左右の方向キーで円周方向509に、上下の方向キーで半径方向510に移動させることによって、円周方向509および、半径方向510に移動させる。
操作つまみの移動は、操作者が操作つまみを例えばマウスをクリックして移動させ、操作者が所望の位置まで移動させた後、クリックを離す。クリックが離されたのを検知した色変換ソフトウェアは、操作つまみが移動した状態の操作パネル23をディスプレイ上に再描画する。
操作者は、キーボードやマウスなどを用いて図2の操作パネル23によって、色変換の設定を行ったあと、実行ボタン25を押し、画像データの色変換を実行する。
色変換プログラムは、実行ボタン25が押されたのを検知し、図3のステップ305の実行処理を行う。
【0030】
次に、図3のステップ305の実行処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。実行処理が開始されると、図7のステップ701の操作つまみ位置検出にて色変換プログラムは、各操作つまみのa*b*平面での色相値θ、彩度値rの初期値と現在値を取得する。
本実施の形態による色変換プログラムでは、図6に示すように色変換を行う空間を各操作つまみと中心点を結ぶ6つの線によって6つのエリア(エリアGY、YR、RM、MB、BC、CG)に分割している。
6つのエリアは、それぞれの境界線上に位置する2つの操作つまみのうち一方でも操作者の設定により移動した場合、エリア操作つまみの移動とともに境界線も移動してその形状(ふたつの境界線が挟む角度)が変形する。
色変換はこの変形したエリア(色相域)に属する画素に対して行う。
【0031】
検出した操作つまみの初期値と現在値から、エリアGY、YR、RM、MB、BC、CGの6つのエリア毎にステップ702、ステップ705、ステップ708、ステップ711、ステップ714、ステップ717で操作つまみの現在の設定値と初期の設定値を比較し、操作つまみが初期値から動いているか否かを判定する。
そして、操作つまみが動いていない場合はそのエリアに属する画素に対して色変換を行わず、操作つまみが動いている場合は色変換を行う。
【0032】
図7において、ステップ702では、エリアGYの端の境界にあるグリーン(G)の操作つまみ507もしくはイエロー(Y)の操作つまみ502が動かされたかどうか判定する。同様にステップ705ではエリアYRに対応する操作つまみが、ステップ708ではエリアRMに対応する操作つまみが、ステップ711ではエリアMBに対応する操作つまみが、ステップ714ではエリアBCに対応する操作つまみが、ステップ717では、エリアCGに対応する操作つまみがそれぞれ動かされたかどうかを判定する。
ステップ703、ステップ706、ステップ709、ステップ712、ステップ715、ステップ718で、エリアの境界線上にある操作つまみの色相値および彩度値の初期値をθ1、r1、θ2、r2、現在値をθ1´、r1´、θ2´、r2´として取得し、ステップ704、ステップ707、ステップ710、ステップ713、ステップ716、ステップ719で色相彩度処理によりメモリ5の画像データに対して色変換を行う。
エリア毎に処理を行うか行わないかを判断し、全ての処理を必要なエリアについて行ったあと、ステップ720でメモリ5の色変換後の画像データを、ディスプレイ3に表示されている操作画面21の画像ウィンドウ22に画像データを再現した色彩像として表示し実行処理を終了する。
【0033】
次に、図7のステップ704、ステップ707、ステップ710、ステップ713、ステップ716、ステップ719の色相彩度処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。
色変換プログラムは、ステップ801にてCPU4を制御してメモリ5から、RGB形式の画像データを1画素分読み出す。
読み出した1画素は本発明による色変換で使用する色空間のデータ形式に変換する必要がある。RGB形式からXYZ形式へ3行3列の変換行列により変換を行う。
さらにL*a*b*形式へは、JISZ8729で定められるXYZ形式からL*a*b*形式への変換式により変換する。
ステップ802では、以上のように、RGB形式からL*a*b*形式に画像データの形式変換を行う。
【0034】
図9で示されるように、横軸にa*値、縦軸にb*値をとれば、1画素のa*b*の色成分はa*b*平面上の任意の点pと表せ、点pはa*軸からの位相角である色相値θpと、中心からの距離である彩度値rpで表せる。a*値、b*値から、色相値θp、彩度値rpへは式(3)、式(4)によりに変換できる。
θp=tan−1(b*/a*) ・・・ (3)
rp=√(a*+b*) ・・・ (4)
以上よりステップ803では、式3、式4により、L*a*b*形式の画像データからrp、θpを求める。
【0035】
次に、図8のステップ804で示される、求めたrp、θpから操作つまみの設定値により色変換後のrp´、θp´を求める処理を説明する。
例えば操作者が、図5で示されるイエロー(Y)の操作つまみ502を、彩度を強くし、次に色相を赤に近づける操作を行った場合、図10で示されるように、イエロー(Y)の操作つまみ1001を操作ガイドの外側へ移動させて彩度設定を強くした後、図11で示されるように、イエロー(Y)の操作つまみ1101をレッド(R)の操作つまみ1102に近づけ、黄色系統の色相を赤の色相に近づける。
【0036】
イエロー(Y)の操作つまみ302の設定は、a*b*平面では図9に示されるようにYからY´への移動となり、図6で示されるエリアGYおよびエリアYRが色変換の対象空間となる。図6で示されるエリアGYの色変換を、色相と彩度を直交座標系で表わした図12および図13を用いて説明する。
図12において、エリアGYの任意の点をPとすると、点Pはイエロー操作つまみの図12で示されるYから図13で示されるY´とグリーン操作つまみの図12で示されるGから図13で示されるG´への移動により、図13で示される点P´へ、移動する。
図12における移動前の点Pの色相値をθp、彩度値をrp、図13における移動後の点P´の色相値をθp´、彩度値をrp´とする。
【0037】
更に、図7のステップ703で、操作つまみGの初期値がθ1、r1、現在値がθ1´、r1´、操作つまみYの初期値がθ2、r2、現在値がθ2´、r2´に設定されていれば、移動後の点P´の色相値θp´は式(5)より、移動後の彩度値rp´は式(6)より求められる。
θp´=θ1´+(θp−θ1)×((θ2´−θ1´)/(θ2−θ1))
・・・(5)
rp´=rp×((r1´/r1+(r2´/r2−r1´/r1)
×((θp−θ1)/(θ2−θ1)))) ・・・(6)
以上より、ステップ804では、式(5)、式(6)により、θp、rp、θ1、r1、θ2、r2、θ1´、r1´、θ2´、r2´からθp´、rp´を求める。
【0038】
ステップ805では求めた色相値θp´と彩度値rp´から、L*a*b*形式による画像データのa*値、b*値をa*´、b*´として式(7)、式(8)より求める。
a*´=rp´cosθp´ ・・・ (7)
b*´=rp´sinθp´ ・・・ (8)
ステップ806では、パーソナルコンピューターで表示可能なRGB形式の画像データに変換するため、前述のRGB形式からL*a*b*形式への変換手順の逆を行う。
JISZ8729で定められるXYZ形式からL*a*b*形式への変換式の逆計算によりXYZ形式の画像データを求め、さらに、RGB形式からXYZ形式への3行3列の変換行列の逆行列によってXYZ形式からRGB形式の画像データに変換する。
【0039】
ステップ807では、RGB形式の画像データを再びメモリ5に書き戻す。ステップ808では、ステップ801からステップ807までの処理を全画素に対して行ったかを判定し、まだ全画素終了していなければ、ステップ801に戻り処理を続ける。全画素終了すれば色相彩度処理は終了となる。
操作者は、実行処理の最終段階(ステップ720)において画像ウィンドウ22に表示される色変換後の画像データを再現した色彩像を見て、所望の色変換が行われたかを確認する。
確認後、色変換された内容と操作者の希望する色変換の内容とが一致していれば、操作画面21の保存ボタン26を、マウスまたはキーボード等で押し、色変換プログラムに保存の指示を行う。保存ボタン26が押されたのを検知した色変換プログラムは、保存処理を開始する。
【0040】
保存処理の動作を、図14のフローチャートを用いて説明する。
色変換プログラムは保存処理開始後、ステップ1401によってファイル保存画面を表示する。
ファイル保存画面は、図示はしていないが、保存するファイルのファイル名とハードディスク内の保存するディレクトリを指定するようになっている一般的なアプリケーションソフトウェアと同等なものである。
ステップ1402でユーザーが入力したファイル名とステップ1403でユーザーが入力した保存場所を取得し、ステップ1404でメモリ5から画像データを読み出し、ユーザーが入力したファイル名でユーザーが入力したハードディスク6のディレクトリにオペレーションシステムの機能を利用してファイルとして書き込み保存する。
以上によりユーザーは画像データの色変換を行うことが出来る。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態による画像データの色変換装置は、画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換装置であって、円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手段と、ユーザーインターフェース上における操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手段と、画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手段と、操作つまみの設定前と設定後の上記ユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および操作つまみの設定後の相隣る操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、第1の算出手段が算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手段と、該変換手段によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手段を備えている。
【0042】
また、本実施の形態による画像データの色変換方法は、画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換方法であって、円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手順と、ユーザーインターフェース上における操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手順と、画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手順と、操作つまみの設定前と設定後のユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および操作つまみの設定後の相隣る操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、第1の算出手順によって算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手順と、変換手順によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手順を有している。
【0043】
従って、本実施の形態による画像データの色変換装置あるいは色変換方法によれば、操作者は、複数の色系統に対する色変換の操作を同一のユーザーインターフェースを用いて実行できるとともに、色彩が定義される色空間との対応関係を視覚的にわかりやすくして色変換操作ができる。
すなわち、操作者が色空間のイメージどおりに操作可能なユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分を提供できるので、操作者は直感的に操作がしやすく、操作が早く行えるので、操作時間が短くて済むという効果がある。
【0044】
なお、ここで、本発明の構成要件に関係する重要な用語について、実施の形態に対応させた具体的な説明を補充しておく。
まず、「表色平面」とは、図5に示すように、例えば、4つの同心円と60°毎に引いた半径方向の線で構成されたダイアル盤状のもので、6本の半径方向の線の先端に色相名(R、Y、G、C、B、M)を表示した円形座標面のことであり、この「表色平面」は、図2に示した操作パネル23に表示される。
「表色平面」上の同心円(図5の例では4つ)と半径方向の線(図5の例では6本)は、色変換操作時の目盛りの役割をはたしている。
そのため、これらの線の集合を操作ガイドライン(図5の501)と名付けている。
なお、図5では、全ての線に符号を付すのは省略している。
本実施の形態の場合、図5に示すように、円周方向に色相、半径方向に彩度を割り当てた円形の表色平面になっている。
従って、明度一定のある色の色相と彩度は、この表色平面上の1つの点で表される。
【0045】
また、「入力手段」とは、図5の符号502、503、504、505、506、507であらわす黒丸(操作つまみと呼ぶ)を前述した表色平面上に表示して、この黒丸(操作つまみ)にマウスポインタをあわせてドラッグすることにより、色相・彩度に変化を加えること(すなわち、色変換)ができる仕組みのことである。
すなわち、本実施の形態の場合、操作ガイドラインの線で表した円形目盛り(表色平面)上の6つの黒丸(操作つまみ)が初期位置からどの位置まで動かされたかにより、入力値が決定される仕組みにしているので、モニタ(ディスプレイ)に表示される6つの黒丸(操作つまみ)で構成されるグラフィカルなユーザーインターフェースが色変換の「入力手段」になっている。
なお、プログラムが入力値(操作つまみの移動量)を取り込むのは、マウスボタンから指を離したタイミングで行われる。
【0046】
また、図5の符号502、503、504、505、506、507で示した操作つまみを動かすと、それぞれの操作つまみの位置が変わり、操作つまみを連結している6本の連結線508が形作る六角形が初期形状(例えば、正六角形)から歪んだ六角形に変形するように、色変換量の設定状態(色変換の強度設定状態)を可視化できる仕組みにしてあり、この仕組みのことを「表示手段」という。
本実施の形態の場合、6つの操作つまみと、それぞれの操作つまみを連結する連結線により表現される円形目盛り上の六角形を表示(すなわち可視化)する仕組みのことを指している。
操作つまみの配置による六角形の変形状態により(図10、図11参照)、色変換状態を表している。
【0047】
また、「第1の算出手段」とは、図8に示したステップ802において、“RGBからL*a*b*”を算出する手段のことを指している。
画像データは、RGB形式のデータで構成されているが、RGB形式のままでは計算がし難いので、L*a*b*形式に変換している。
RGBからL*a*b*への計算は、“RGBからXYZへの変換”と、“XYZからL*a*b*の算出”の2段階により行っている。
また、「線形変換」とは、図8のステップ804における処理のことを指す。
図12の“Y”から図13の“Y´”への移動による点Pの移動は、点Pを含むG、Y、θ1、θ2による四角形の変形により、それぞれの辺の比例計算により求められる。
従って、点Pは、式(5)および式(6)による線形変換の式により求められる。
【0048】
また、「変換手段」とは、図8のステップ803〜ステップ805における変換処理を行なわせる手段のことを指している。
本実施の形態では、L*a*b*形式のままでは線形変換を行い難いため、図8のステップ803で、一旦、中心角θと中心からの距離rによる極座標に変換し、ステップ804で線形変換を行った後、図8のステップ805で、再びL*a*b*形式に戻している。
「変換手段」とは、このような変換処理を行わせる手段のことを指している。
また、「第2の算出手段」とは、図8のステップ806におけるL*a*b*形式からRGB形式を算出する手段のことを指している。
前述のRGB形式からL*a*b*形式に変換するのとは逆であり、L*a*b*から、一旦XYZを求め、求めたXYZからさらにRGBを求めている。
【0049】
実施の形態2.
実施の形態1において、図5で示される操作パネルの半径方向510の変化を、明度の変化に対応させれば、図15に示されるように円周方向1504に色相を、半径方向1505に明度を対応させて操作可能な本発明におけるユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分を実現することが出来る。
また、色変換では、実施の形態1の図7で示される、ステップ704、707、710、713、716、719の色相彩度処理が、図16のステップ1604、1607、1610、1613、1616、1619の色相明度処理に置き換わる。
【0050】
色相明度処理では、図17のステップ1703で示される、L*a*b*形式の画像データからrp、θpを求める変換式は、実施の形態1で示した式(3)と下記の式(9)になる。
rp=L* ・・・(9)
また、図17のステップ1705で示される、rp´、θp´からL*a*b*形式の画像データへの変換式は、実施の形態1で示した式(7)、式(8)と下記の式(10)になる。
L*=rp´ ・・・(10)
なお、図17におけるその他のステップ(すなわち、ステップ801、802、804、806、807、808)は、図8に示したステップ801、802、804、806、807、808と同じものである。
その他の処理については、実施の形態1の場合と同様に行えば、色相と明度を同時に操作可能なユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分を持つ色変換装置を実現できる。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザーインターフェースは、円周方向の角度が色相を表わし、半径方向の位置が明度を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配しているので、色相と明度を同時に操作することが可能な画像データの色変換装置を実現できる。
【0052】
実施の形態3.
実施の形態1において図5で示されるユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分と、実施の形態2において図15で示されるユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分の両方を備えれば、色相、彩度、明度の3つの要素を同時に操作可能である。
図18は、両方のユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分を搭載した、色変換プログラムの操作画面の一例である。なお、符号1801は操作画面、符号1802は画像ウインドウである。
符号1803で示した操作パネル1の部分には、図5で示される色相と彩度の設定用操作パネルが、符号1804で示される操作パネル2の部分には、図15で示される色相と明度の設定用操作パネルが設けられている。
【0053】
また、両方のユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分には色相が含まれているため、両方の色相を同期させるように、本実施の形態による色変換プログラムでは、操作者が一方の操作つまみを操作した場合、色変換プログラムは操作を検知し、他方の同一色相の操作つまみも色相方向において、操作者が設定する移動量と同一の移動量を設定し、操作つまみを移動させるようプログラミングされている。
すなわち、一方の操作パネルのいずれかの操作つまみを移動させ、操作パネルの円周方向の位置を示す色相値θが変化し、色相値θ´になった場合、もう一方の操作パネルの同一色相の操作つまみも色相値θ´とし、両方の操作パネルをディスプレイ上に再描画すれば、あたかも、2つの操作パネルの操作つまみが同期して動いているように見える。
【0054】
また、色変換においては、操作者は、図18で示される実行ボタン1806を押し、それをプログラムが検知し、実施の形態1で示される色相と彩度の色変換と、実施の形態2で示される色相と明度の色変換を続けて行う。
実行処理の最終段階で画像ウィンドウ1802に色変換後の画像データを表示し、操作者が色相、彩度、明度を同時に変更することの効果を確認出来る。
【0055】
本実施の形態での実行処理を、図19を用いて説明する。
例えば、操作者が操作パネル1(1803)または操作パネル2(1804)の操作つまみを操作した場合は、ステップ1901で操作パネル1(1803)および操作パネル2(1804)の全ての操作つまみの位置を検出した後、ステップ1902で操作パネル1(1803)および操作パネル2(1804)の設定が変更されていないか検出し、変更されていればステップ1903で対応するエリアの両端の操作つまみの色相値、彩度値を色相彩度処理および色相明度処理で使用する、操作つまみの値に設定する。
その後、実施の形態1による色相彩度処理を行った後、実施の形態2による色相明度処理を行い、対応するエリアの色変換を終了する。
さらに、他のエリアについても同様の処理を行い、ステップ1926で変換後の画像データをディスプレイに表示し、実行処理を終了する。
その他の処理については実施の形態1と同様に行えばよい。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ユーザーインターフェースは、円周方向の角度が色相を表わし、半径方向の位置が彩度を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配した第1のユーザーインターフェース(すなわち、実施の形態1におけるユーザーインターフェース)と、円周方向の角度が色相を表わし、半径方向の位置が明度を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配した第2のユーザーインターフェース(すなわち、実施の形態2におけるユーザーインターフェース)からなるので、色相、彩度、明度の3つの要素(色の3属性)を同時に操作可能な画像データの色変換装置を実現することができる。
【0057】
実施の形態4.
一般の画像データでは、全ての色相が均等に含まれている場合は稀であり、数種類の色相で構成されている場合が多い。
例えば、図20で示されるように人物が撮影された画像データの場合、肌2001、髪2002、服2003、背景2004などの色が大部分をしめる。
画像データの色を操作する場合は、画像データに含まれる色を操作するのが一般的であるため、実施の形態1や実施の形態2における操作つまみをR、G、B、Y、M、Cなど一般的な色成分ではなく画像の代表的な色成分に対応させて配置すれば、操作する色成分と画像データの色成分が一致しているため、より高精度な色の操作が可能になる。
【0058】
操作パネルの色相設定のため、画像データから代表的な色成分の抽出を行う方法を説明する。
色変換プログラムは、実施の形態1の場合と同様に、RGB形式による画像データからL*a*b*形式による画像データに変換後、実施の形態1の式(3)により色相値θpを求める。
求めた色相値θp毎に画像データの全画素の出現頻度をカウントすると、例えば図21に示すように、色相値を横軸にとり縦軸に該当する色相の全画素の出現頻度をとった場合、元画像データが図20の画像のものであれば、肌2001、髪2002、服2003、背景2004に対応する色相の画素の出現頻度が最も多くなる筈である。
色変換プログラムでは、色相毎の画素数の分布勾配から分布のピークが、例えば4箇所あることを判断し、4つの色相を図22で示されるように操作パネルの色相に設定し表示する。
【0059】
本実施の形態での実行処理を、図23を用いて説明する。
実行処理開始後、ステップ2301によって肌2001、髪2002、服2003、背景2004に対応する図22の操作つまみの位置を検出した後、ステップ2302にて肌2001と髪2002に対応する操作つまみが変更されていないかを検出し、変更されていれば、対応するエリアについて色相彩度処理を行う。
その他のエリアについても同様に処理を行い、ステップ2314で変換後の画像データをディスプレイに表示されている操作画面21の画像ウィンドウ22に画像データを再現した色彩像として表示し、実行処理を終了する。
その他の処理については実施の形態1と同様に行えば、画像データの特徴的な色相に対応して操作可能なユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分を持つ色変換装置を実現できる。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態によれば、表色平面上の色相領域は、画像データの画素が有する色相成分のうち、出現頻度の多い色成分に対応して分割されているので、取り扱う画像の色彩成分分布に応じた、色変換操作が更に容易な画像データの色変換装置を実現することができる。
【0061】
実施の形態5.
実施の形態1における画像データの色変換装置は、色成分の内、色相と彩度が操作可能である。
色成分を操作する場合、複数の明度域でそれぞれ色相と彩度を操作できれば、より高精度に色彩を操作できる。
そこで、明度を複数の段階に分割し、それぞれの段階に実施の形態1で示される、色相毎に操作つまみを円状に配置し連結線でつないだ色成分の強度設定手段を同心円状に配置すれば、明度に対してより細かな色変更が可能になる。
例えば明度を3段階に分割する場合は、図24に示されるように、操作つまみを同心円状に3重に配置する。最も内側を低明度2401、中央を中明度2402、最も外側を高明度2403に設定すれば、それぞれの明度に対応し、色相、彩度を操作つまみ毎に操作が可能になる。
【0062】
色変換では、例えば明度をL*a*b*におけるL*の値によって低明度、中明度、高明度の3段階に分割する場合、低明度と中明度に分割するL*値をL1、中明度と高明度に分割するL*値をL2、とすると、画像データをRGBから実施の形態1と同様に一旦、L*a*b*に変換し、変換したL*値に基づき、L*<L1の低明度グループ、L1≦L*≦L2の中明度グループ、L2<L*の高明度グループに分割する。
分割したグループ毎にそれぞれ対応した操作つまみの設定値によって、実施の形態1と同様に色変換を行う。
【0063】
本実施の形態による実行処理を、図25を用いて示す。
実行処理開始後、ステップ2501にて、図24で示される各明度段階の全ての操作つまみについて位置を検出する。
その後、ステップ2502にて各明度段階の同一色相の操作つまみと同心円群の中心を結ぶ線によって分割されるエリア毎に、そのエリアの両端の操作つまみが変更されていないか検出し、ステップ2503にて両端の操作つまみの色相値、彩度値をステップ2504の色相彩度処理で使用する色相値、彩度値に設定し、ステップ2504で色相彩度処理を実行する。
さらに、他のエリアについても同様の処理を行い、ステップ2520で変換後の画像データをディスプレイに表示されている操作画面21の画像ウィンドウ22に画像データを再現した色彩像として表示し、実行処理を終了する。
【0064】
次に、本実施の形態での図25におけるステップ2604の色相彩度処理を、図26を用いて説明する。
対応するエリアの各明度段階の操作つまみの色相値、彩度値を受け取った後、実施の形態1と同様にステップ801でメモリ5から1画素読み出し、ステップ802でL*a*b*形式に変換し、ステップ803でθp、rpを求める。
その後、ステップ802で求めたL*の値により、ステップ2601で、L*<L1の低明度、L1≦L*≦L2の中明度、L2<L*の高明度に分岐し、ステップ2602、ステップ2603、ステップ2604で、分岐した各明度段階の操作つまみの色相値、彩度値を選択し、ステップ804で、θp´、rp´を求める。
その後、ステップ805でL*a*b*形式に変換後、ステップ806でRGB形式に変換し、ステップ807でメモリ5に書き戻す。
以上の処理をステップ808で全画素終了したか判定し、全画素終了すれば色相彩度処理を終了する。
なお、図26におけるステップ801〜ステップ808は、図8に示したステップ801〜ステップ808と同じものである。
その他の処理については実施の形態1と同様に行えば、複数の明度段階と色相と彩度が操作可能なユーザーインターフェースのディスプレイ画面表示部分を持つ色変換装置を実現できる。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態によれば、明度段階に応じて、実施の形態1によるユーザーインターフェースを同心円状に複数配置するので、複数の明度域でそれぞれ色相と彩度を操作することが可能となり、より高精度に色彩を操作できる画像データの色変換装置を実現できる。
【0066】
実施の形態6.
本実施の形態による記録媒体は、上述した実施の形態1〜5による画像データの色変換装置(あるいは色変換方法)において説明した色変換のプログラムを、CD−ROM、フレキシブルディスクなどの記録媒体に記録(格納)したものである。
すなわち、本実施の形態による記録媒体は、画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換方法を提供するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手順と、ユーザーインターフェース上における操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手順と、画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手順と、操作つまみの設定前と設定後のユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および操作つまみの設定後の相隣る操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、第1の算出手順によって算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手順と、該変換手順によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手順とを実行させるプログラムを記録したものである。
本実施の形態による記録媒体は、本発明による画像データの色変換方法のプログラムを記録しているので、その記録媒体を任意の場所に運搬し、そこに設置されたコンピュータでプログラムを実行すれば、どこででも本発明による画像データの色変換方法を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、デジタルカメラなどで撮影した画像の色を操作者が容易に補正(色変換)する用途に最適であるが、デジタルカメラの撮影画像のみならず、スキャナで取得した画像やドローソフトで描画したものをラスター画像に変換した画像など、あらゆるソースから得られたビットマップ画像の色変換に利用でき、印刷用画像、ウエッブ用画像のファイルデータの色補正の作業等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態1による色変換方法が適用される色変換装置の概略の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1による色変換プログラムの操作画面を示す図である。
【図3】実施の形態1による色変換プログラムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】実施の形態1による色変換プログラムの開く処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】実施の形態1による色変換方法における操作パネルの概略図である。
【図6】施の形態1による色変換方法において、操作つまみと色相値、彩度値の設定状態を示す図である。
【図7】実施の形態1による色変換プログラムの実行処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施の形態1による色変換プログラムの色相彩度処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施の形態1による色変換方法において、a*b*平面上の画素と色相値、彩度値の関係を示す図である。
【図10】図5の操作パネルから彩度の強度を増加した時の操作パネルを示す図である。
【図11】図10の操作パネルから色相を赤に近づけた時の操作パネルを示す図である。
【図12】実施の形態1による色変換方法において、色相値、彩度値と操作つまみによる操作との関係を示す図である。
【図13】実施の形態1による色変換方法において、彩度の強度を増加し、色相を赤に近づける操作を行った場合の色相値、彩度値と操作つまみによる操作との関係を示す図である。
【図14】実施の形態1による色変換プログラムの保存処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】実施の形態2による色変換方法において、色相と明度を操作する場合の色変換プログラムの操作パネルを示す図である。
【図16】実施の形態2による色変換方法において、色相と明度を操作する場合の色変換プログラムの実行処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】実施の形態2による色変換方法において、色相と明度を操作する場合の色変換プログラムの色相明度処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】実施の形態3による色変換方法において、色相、彩度、明度を操作可能な色変換プログラムの操作画面を示す図である。
【図19】実施の形態3による色変換方法において、色相と彩度と明度を操作する場合の色変換プログラムの実行処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】実施の形態4による色変換方法を説明するための人物撮影の概略画像サンプルである。
【図21】図20に示した画像の画素を色相毎に出現頻度を示したグラフである。
【図22】図20に示した画像の場合の操作パネルを示す図である。
【図23】実施の形態4による色変換方法において、画像の特徴色を操作する場合の色変換プログラムの実行処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図24】実施の形態5による色変換方法における操作パネルの概略図である。
【図25】実施の形態5による色変換方法において、強度設定の操作つまみを複数明度段階に配置した場合の色変換プログラムの実行処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図26】実施の形態5による色変換方法において、強度設定の操作つまみを複数明度段階に配置した場合の色変換プログラムの色相明度処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図27】従来の画像データ色変換用のユーザーインターフェースの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0069】
1 パーソナルコンピューター 2 デジタルカメラ
3 ディスプレイ 4 CPU
5 メモリ 6 ハードディスク
21 操作画面 22 画像ウィンドウ
23 操作パネル 24 開くボタン
25 実行ボタン 26 保存ボタン
27 終了ボタン
501 操作ガイドライン 502 イエロー(Y)の操作つまみ
503 レッド(R)の操作つまみ 504 マゼンタ(M)の操作つまみ
505 ブルー(B)の操作つまみ 506 シアン(C)の操作つまみ
507 グリーン(G)の操作つまみ 508 操作つまみの連結線
509 円周方向(色相) 510 半径方向(彩度)
1001 彩度を強くしたイエロー操作つまみ
1101 彩度を強くし色相をレッドに近づけたイエロー操作つまみ
1102 レッド(R)の操作つまみ
1501 操作ガイドライン 1502 操作つまみ
1503 操作つまみの連結線 1504 円周方向(色相)
1505 半径方向(明度)
1801 操作画面 1802 画像ウィンドウ
1803 操作パネル1 1804 操作パネル2
1805 開くボタン 1806 実行ボタン
1807 保存ボタン 1808 終了ボタン
2001 画像の肌の部分 2002 画像の髪の部分
2003 画像の服の部分 2004 画像の背景の部分
2401 低明度の操作つまみ 2402 中明度の操作つまみ
2403 高明度の操作つまみ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換装置であって、
円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手段と、
上記ユーザーインターフェース上における上記操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手段と、
画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手段と、
上記操作つまみの設定前と設定後の上記ユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および上記操作つまみの設定後の相隣る操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、上記第1の算出手段が算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手段と、
上記変換手段によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手段を備えたことを特徴とする画像データの色変換装置。
【請求項2】
上記ユーザーインターフェースは、円周方向の角度が色相を表わし、半径方向の位置が彩度を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したことを特徴とする請求項1に記載の画像データの色変換装置。
【請求項3】
上記ユーザーインターフェースは、円周方向の角度が色相を表わし、半径方向の位置が明度を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したことを特徴とする請求項1に記載の画像データの色変換装置。
【請求項4】
上記ユーザーインターフェースは、円周方向の角度が色相を表わし、半径方向の位置が彩度を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配した第1のユーザーインターフェースと、円周方向の角度が色相を表わし、半径方向の位置が明度を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配した第2のユーザーインターフェースからなることを特徴とする請求項1に記載の画像データの色変換装置。
【請求項5】
上記表色平面上の色相領域は、画像データの画素が有する色相成分のうち、出現頻度の多い色成分に対応して分割されることを特徴とする請求項1に記載の画像データの色変換装置。
【請求項6】
明度段階に応じて、請求項2に記載のユーザーインターフェースを同心円状に複数配置することを特徴とする画像データの色変換装置。
【請求項7】
画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換方法であって、
円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手順と、
上記ユーザーインターフェース上における上記操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手順と、
画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手順と、
上記操作つまみの設定前と設定後の上記ユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および上記操作つまみの設定後の相隣る上記操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、上記第1の算出手順によって算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手順と、
上記変換手順によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手順を有したことを特徴とする画像データの色変換方法。
【請求項8】
画像データを画素毎に色変換する画像データの色変換方法を提供するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
円周方向の角度が色の3属性のうちの色相を表わし、半径方向の位置が残り2つの属性のうちの1つの属性を表わす表色平面上に、3つ以上の異なる色相領域を設け、該領域のそれぞれに色変換の強度設定用の操作つまみを配したユーザーインターフェースを用いて色変換の強度設定を行う入力手順と、上記ユーザーインターフェース上における上記操作つまみの配置状態により色空間の変換状態を示す表示手順と、画像データから個々の画素の色相と彩度と明度の値を算出する第1の算出手順と、上記操作つまみの設定前と設定後の上記ユーザーインターフェース上におけるそれぞれの移動量および上記操作つまみの設定後の相隣る上記操作つまみ間の位置関係より算出した設定強度値に応じて、上記第1の算出手順によって算出した色相と彩度と明度の値を線形変換する変換手順と、上記変換手順によって得られた色相と彩度と明度の値から変換後の画像データを算出する第2の算出手順とを実行させるプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2006−121421(P2006−121421A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−307010(P2004−307010)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Macintosh
【出願人】(395013603)三菱電機マイコン機器ソフトウエア株式会社 (8)
【Fターム(参考)】