説明

画像データ保存システム及び該システムを利用した画像データ保存方法

【課題】モダリティが取得した画像データを保存するに当たり、画像データを取得したモダリティ以外のモダリティにバーンの代行を依頼し実行してもらうことにより、バーンを行うことによる待ち時間を軽減して操作性の向上を図るとともに、他のモダリティを利用することで画像データを保存するための専用ファイルサーバを不要として経済性に優れた画像データ保存システム及び該システムを利用した画像データ保存方法を提供する。
【解決手段】画像データを取得した第1のモダリティ3Aと、第1のモダリティ3Aから画像データの保存の代行を依頼された第2のモダリティ3Cと、画像データを一時的に保存する画像データベース4と、画像データを保存するストレージを複数備えるストレージチェンジャ5と、第1及び第2のモダリティ3A、3Cを含む複数のモダリティ3と画像データベース4とストレージチェンジャ5とを互いに接続するネットワーク2とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モダリティが取得した画像データの保存システム及び該システム利用した画像データ保存方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、例えば、X線診断装置やCT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)装置、超音波診断装置、磁気共鳴診断装置、及びガンマカメラやPET(positron-emission tomography:ポジトロン放出断層撮影)等の医用診断装置(以下、これらの医用診断装置を「モダリティ」という。)が普及し、多くの医療機関に導入されるようになっている。
【0003】
これらのモダリティでは、検査結果を画像データとして取得し、この画像データを基にして医師等が診察等を行う。この画像データの保存に当たっては、データ容量が大きいことに鑑み、専用のデータベースを設置して保存したり、CD−RやDVD−R等の光メディア等の記録メディアを用いて保存している。
【0004】
記録メディアに画像データを保存する場合には、画像データを取得したモダリティ自身に直接接続されている、或いはモダリティが内蔵している光メディドライブを利用して光メディアへの画像データの保存を行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画像データのデータ容量は大きく、モダリティが記録メディアへの画像データの保存(以下、この記録メディアへの画像データを保存することを「バーン」という。)を実行するとCPUへの負荷が大きい。そのため、本来モダリティが行わなければならない検査業務等を一旦中断しなければならなかったり、また、バーンが終了するまでモダリティの他の操作を行うことができなくなる等の不都合が生じることが多かった。特に、DVD−R等、記録メディアの記録容量が増えるに従ってバーンにかかる時間(バーン終了まで待たされる時間)も長くなる傾向にあり、上述した不都合が生じる機会が増えてきた。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、モダリティが取得した画像データを保存するに当たって、画像データを取得したモダリティではなくネットワークで接続された他のモダリティにバーンの代行を依頼し実行してもらうことにより、バーンを行うことによる待ち時間を軽減しすぐに次の操作を行えるようにして操作性の向上を図るとともに、他のモダリティを利用することで画像データを保存するための専用ファイルサーバを不要として経済性に優れた画像データ保存システム及び該システムを利用した画像データ保存方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、画像データ保存システムにおいて、検査を行うことにより画像データを取得した第1のモダリティと、第1のモダリティから画像データの保存の代行を依頼された第2のモダリティと、画像データを一時的に保存する画像データベースと、画像データを保存するストレージを複数備えるストレージチェンジャと、第1のモダリティ及び第2のモダリティを含む複数のモダリティと画像データベースとストレージチェンジャとを互いに接続するネットワークとを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、画像データ保存方法において、検査を行った第1のモダリティが取得した画像データを画像データベースに保存するステップと、第1のモダリティが、ネットワークを介して接続されている他のモダリティに対して画像データのバーンの代行が可能か否かの確認の問い合わせを行うステップと、第1のモダリティが、代行確認の問い合わせに対する他のモダリティからの返信を受けるステップと、第1のモダリティが依頼元となり返信結果から代行可能な第2のモダリティに対してバーンの代行依頼を行うステップと、第2のモダリティが、画像データを保存するストレージを複数備えるストレージチェンジャを使用して、第1のモダリティが画像データベースに保存した画像データのバーンを行うステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モダリティが取得した画像データを保存するに当たって、画像データを取得したモダリティではなくネットワークで接続された他のモダリティにバーンの代行を依頼し、実行してもらうことにより、バーンを行うことによる待ち時間を軽減しすぐに次の操作を行えるようにして操作性の向上を図るとともに、他のモダリティを利用することで画像データを保存するための専用ファイルサーバを不要として経済性に優れた画像データ保存システム及び該システムを利用した画像データ保存方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る画像データ保存システム1は、ネットワーク2を介して患者の検査等を行う複数のモダリティ3と、モダリティ3にて撮影された画像データを一時的に保存する画像データベース4と、この画像データベース4に保存されていた画像データを光ディスク等の記録メディアに記録する(バーンを行う)ストレージチェンジャ5から構成される。
【0012】
モダリティ3は、ここでは検査の結果を画像データとして取得することが可能な装置を指しており、例えば、上述したCT(Computed Tomography)装置(コンピュータ断層撮影装置)やPET(positron-emission tomography:ポジトロン放出断層撮影)等が該当する。図1においては、モダリティ3として3台のモダリティ3Aないし3C(以下、適宜「モダリティ3」とまとめて表わす。)を示しているが、ネットワーク2に接続されるモダリティ3は複数であれば何台接続されていても良い。
【0013】
画像データベース4は、モダリティ3において撮影された画像データを保存する。但し、後述するストレージチェンジャ5等を利用して最終的には全ての画像データを記録メディアにバーンして保存することになるため、この画像データベース4は、画像データを一時的に保存するために用いられる。なお、記録メディアに保存された後は、この画像データベース4に保存されていた画像データは削除されるが、削除されずにそのまま保存するようにされていても良い。
【0014】
ストレージチェンジャ5は、バーンの代行を行うモダリティ3の指示により、画像データベース4に保存されている画像データを記録メディアに記録するための機器であり、ネットワーク2に接続されている。画像データベース4とストレージチェンジャ5を同じネットワークにマウントすることで、バーンの代行依頼を行うにあたって依頼元のモダリティから依頼先のモダリティへ画像データを転送する必要がない。
【0015】
本発明の実施の形態においては、記録メディアとしてCD−RやDVD−R等の光メディアを利用している。また、画像データの容量によっては1枚の記録メディアに保存することができないこともあることから、この場合は複数の記録メディアにバーンが行われる。そのため、ストレージチェンジャ5内には何のデータも記録されていない複数枚の記録メディアが格納されており、バーンの対象となる画像データの容量と1枚の記録メディアの容量との関係で複数枚の記録メディアが必要とされる場合には、ストレージチェンジャ5のチェンジャ機能を利用して自動的に画像データを保存する記録メディアを交換する。
【0016】
図2に示すモダリティ3は、CPU(Central Processing Unit)3aと、ROM(Read Only Memory)3bと、RAM(Random Access Memory)3c及び入出力インターフェイス3dがバス3eを介して接続されている。入出力インターフェイス3dには、入力手段3fと、表示手段3gと、通信制御手段3hと、記憶手段3iと、リムーバブルディスク3jと、駆動部制御手段3kとが接続されており、駆動部制御手段3kによってモダリティ3の各駆動部3lが制御される。
【0017】
CPU3aは、入力手段3fからの入力信号に基づいてROM3bからモダリティ3を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶手段3iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。さらにCPU3aは、入力手段3fや入出力インターフェイス3dを介して、図2においては図示していない外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行ったり、RAM3cや記憶手段3i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM3cにロードするとともに、RAM3cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データの計算または加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
【0018】
入力手段3fは、モダリティ3の操作者が各種の操作を入力するキーボード、マウス等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス3eを介してCPU3aに送信される。また、モダリティ3には、キーボード等だけでなく専用の操作パネルが設けられており、その操作パネル上の入力デバイスを介して操作画面に対する操作を行うこともできる。表示手段3gは、例えば液晶ディスプレイであり、例えばCPU3aからバス3eを介して出力信号を受信し、CPU3aの処理結果等を表示する手段である。
【0019】
通信制御手段3hは、LANカードやモデム等の手段であり、モダリティ3をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする手段である。通信制御手段3hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス3d及びバス3eを介してCPU3aに送受信される。
【0020】
記憶手段3iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU3aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。リムーバブルディスク3jは、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス3d及びバス3eを介してCPU3aに送受信される。このリムーバブルディスク3jに画像データをバーンするためのディスクドライブは、モダリティ3内に設けられていても入出力インターフェイス3dを介して外部機器として接続されていても良い。また、モダリティ3が画像データを自機のディスクドライブを利用してリムーバブルディスク3jに記録できるのはもちろんである。
【0021】
本発明の実施の形態におけるモダリティ3の記憶手段3iには、例えば、検査等により画像データ取得したモダリティ3から他のモダリティ3に対してバーンの代行依頼等を行うためのプログラムや自機の検査スケジュール等データが記憶される。また、バーンプログラム等がモダリティ3のCPU3aに読み込まれ実行されることにより、バーン手段30がモダリティ3に実装される。
【0022】
なお、以下においては、バーンプログラム等が記憶手段3iに記憶されている場合を例にとって説明するが、このバーンプログラム等はリムーバブルディスク3jに格納されていても良い。
【0023】
図3に示すように、バーン手段30は、受信手段31と、判断手段32と、依頼作成手段33と、送信手段34とから構成される。
【0024】
このバーン手段30は、モダリティ3が検査等によって画像データを取得した場合に、記録メディアへのバーンを行うためにCPU3aに実装されるものである。判断手段32は、自機が検査等によって画像データを取得したとの信号を受信手段31を通して受け取った場合には、取得した画像データを自機でバーンするか否か、或いは、バーンの代行を他のモダリティ3に依頼するか等の判断を行う。その判断にあたっては、バーンの依頼を行う優先順位等を記憶している記憶手段3iとの間で情報のやり取りを行う。
【0025】
依頼作成手段33は、バーンの代行の問い合わせやバーンの代行依頼を他のモダリティ3に行う際の依頼内容を作成し、送信手段34から他のモダリティ3へ送信する。例えば、他のモダリティ3に対してバーンの代行ができる否かの問い合わせを行う際には、バーンの対象となる画像データの容量やその検査ID等のデータを一つの依頼にまとめる。
【0026】
次にモダリティ3がバーンの代行を他のモダリティ3に対して依頼する流れを図4のフローチャートを利用して説明する。
【0027】
まず、モダリティ3が検査を行って、その検査で撮影した画像データを取得する(ST1)。この画像データを自機でバーンするか、他のモダリティにバーンを依頼するか否かに拘わらず、ひとまず取得した画像データは画像データベース4に送信し保存する(ST2)。
【0028】
その後に、画像データを取得したモダリティ3のCPU3aに実装されたバーン手段30内の判断手段32は、自機がその画像データのバーンを行うか否かを判断する(ST3)。判断手段32は、記憶手段3iにアクセスして記憶手段3iに格納されている自機の検査スケジュール等との関係から取得した画像データのバーンを行うことができるか否かの判断する。自機でバーンを行うことができる場合には(ST3のY)、バーンを実行する(ST4)。このバーンを行うに当たっては、ストレージチェンジャ5を利用しても自機に搭載、或いは接続されているディスクドライブを利用しても良い。
【0029】
自機でバーンを行わない場合は(ST3のN)、判断手段32から依頼作成手段33に対して、ネットワーク2に接続されている他のモダリティ3に対して自機に代わってバーンを行うことができるか否かの問い合わせを作成するように指示が出される。作成された問い合わせは、画像データを取得したモダリティ3以外のモダリティ3に対して送信される(ST5)。ここで、以下では、画像データを取得して自機ではバーンを行うことができないモダリティをモダリティ3Aとし、その他のモダリティをモダリティ3B、モダリティ3Cとして説明を行う。
【0030】
モダリティ3Aからのバーンの代行可否についての問い合わせを受けたモダリティ3B、3Cは、問い合わせの内容からバーンの代行を行うことができるか否か判断する(ST6)。この判断は、特に、問い合わせの中に含まれているバーンの対象となっている画像データの容量からバーンにかかる時間を割り出して、この時間を自機の検査スケジュール等との関係でバーンの代行に割くことができるかを基にして行われる。
【0031】
モダリティ3B、3Cは、バーンの代行可否についての判断結果を問い合わせ元であるモダリティ3Aに返信する(ST7)。モダリティ3Aは、問い合わせ先のモダリティ3から返信された回答を基にどのモダリティ3(本発明の実施の形態においてはモダリティ3B、3Cのいずれか)にバーンの代行を依頼するかを判断する。
【0032】
まず、複数のモダリティ3から代行可能である旨の回答が返信されてきたか否かを判断する(ST8)。代行可能である旨の回答が複数ではなかった場合には(ST8のN)、さらに回答の中に代行可能である旨の回答が含まれているか否かを判断する(ST9)。いずれのモダリティ3からも代行可能である旨の回答が返信されてこなかった場合には(ST9のN)、取得した画像データのバーンの代行を他のモダリティ3に対して依頼することができないため、モダリティ3Aは暫時取得した画像データのバーンを見合わせてそのまま待機する(ST10)。待機中は任意に定めることのできる所定の時間おきに代行可否の問い合わせを行うようにしても良い。なお、この待機は、バーンを行うということについての待機であり、モダリティ3Aは自機の検査スケジュールに従って検査等を続行する。
【0033】
代行可能である旨の回答が複数ではなかった場合のもう一つの態様として、問い合わせを行ったモダリティ3のうちの1つが代行可能である旨の回答を返信した場合が考えられる(ST9のY)。この場合は、そのモダリティ3にバーンの代行の依頼を行うことになる(ST11)。例えば、モダリティ3Cのみが代行可能である旨の回答を返信してきた場合には、モダリティ3Aはモダリティ3Cを選択してバーンの代行を依頼する(ST13)。
【0034】
代行可能である旨の回答が複数モダリティ3Aに返信された場合には、いずれかのモダリティ3を優先順位に従って選択し(ST12)、代行の依頼を行う(ST13)。このような場合に、その中の複数のモダリティ3に対してバーンの代行依頼を行うと、1つの画像データを複数のモダリティ3が分担してバーンを行うことになってしまい、バーンが終了した後の管理が複雑になる。また、バーンを依頼する画像データが複数ある場合にも、それらの画像データはまとめて1つのモダリティ3に対してバーンの代行依頼が行われる。バーンを必要とする画像データが複数ある場合に、複数のモダリティ3に分配してバーンの代行依頼を行うと、上述したように管理が複雑化するからである。従って、代行可能である旨の回答が複数返信された場合には、必ずその中の一つのモダリティ3を優先順位に従って選択してそのモダリティ3に対してバーンの代行依頼を行う。
【0035】
本発明の実施の形態においては、予め記憶手段3i内に代行可能である旨の回答が複数返信された場合のために、どのモダリティ3に対してバーンの代行依頼を行うかの優先順位を定めたリストを記憶させている。モダリティ3Aはこのリストに基づいてバーンの代行依頼を行うモダリティ3を選択する。例えば、モダリティ3Bとモダリティ3Cのいずれからもバーンの代行が可能である旨の回答が返信されてきた場合であって、モダリティ3Cがモダリティ3Bよりも優先順位が上位にある場合には、モダリティ3Aはモダリティ3Cに対して自機が取得した画像データのバーンの代行を依頼する。
【0036】
バーンの代行依頼を受けたモダリティ3Cは、依頼内容に含まれていたバーンの対象となる画像データを特定する情報を基に画像データベース4からその画像データを入手して(ST14)、さらにバーンをどのディスクドライブで行うかを選択する(ST15)。本発明の実施の形態においては、ストレージチェンジャ5、或いはモダリティ3Cに搭載されているディスクドライブが使用できるようにされている。そしてモダリティ3Cがモダリティ3Aの依頼に基づいてバーンを代行して行う(ST16)。
【0037】
このようにすることで、モダリティが取得した画像データを保存するに当たって、画像データを取得したモダリティではなくネットワークで接続された他のモダリティにバーンの代行を依頼し実行してもらうことにより、バーンを行うことによる待ち時間を軽減しすぐに次の操作を行えるようにして操作性の向上を図るとともに、他のモダリティを利用することで画像データを保存するための専用ファイルサーバを不要として経済性に優れた画像データ保存システム及び該システムを利用した画像データ保存方法を提供することができる。
【0038】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0039】
第2の実施の形態においては、図5に示すように、第1の実施の形態における画像データ保存システムにサーバ6が付加された構成となっている。このサーバ6は、ネットワーク2上に複数存在するモダリティ3の利用スケジュールを管理している。
【0040】
サーバ6は、受信手段6aと、判断手段6bと、スケジュール管理データベース6cと、送信手段6dとから構成されている。受信手段6aを介して画像データを取得したモダリティ3からのバーンの代行可否についての問い合わせに対して、判断手段6bは、ネットワーク2上に存在するどのモダリティ3がバーンの代行ができるか否かをスケジュール管理データベース6c内に記憶されている各モダリティ3のスケジュールと比較して判断する。
【0041】
具体的には、図7のフローチャートに示すように、以下に説明する流れに従ってバーンの代行依頼がなされる。なお、第1の実施の形態同様、バーンの対象となる画像データを取得したモダリティ3はモダリティ3Aであって、モダリティ3Aから代行依頼を受けてバーンの代行を行うのはモダリティ3Cであることを前提とする。
【0042】
例えば、モダリティ3Aが検査を行って画像データを取得し、画像データベース4に保存し、自機でバーンを行うか否かの判断を行うまでは第1の実施の形態と同じである(ST1ないしST4)。一方、第1の実施の形態においては、バーンを自機で行わない場合のバーンの代行可否についての問い合わせを行う先は自機以外の複数のモダリティ3であるのに対して、第2の実施の形態においては、問い合わせ先がサーバ6である(ST31)。
【0043】
モダリティ3Aからの代行可否の問い合わせを受けたサーバ6は、スケジュール管理データベース6c内に記憶されている各モダリティ3のスケジュールを確認する(ST32)。このスケジュールは、例えば図8に示すような状態でスケジュール管理データベース6c内に記憶されている。サーバ6内の判断手段6bは、代行可否の問い合わせの中に含まれているバーンの対象となる画像データの容量からバーンにかかる時間を割り出す。そして、スケジュール管理データベース6c内の各モダリティ3のスケジュールと比較してバーンの代行が可能なモダリティ3(第2の実施の形態においては、モダリティ3C)を選択し(ST33)、そのモダリティ3Cをモダリティ3Aに回答する(ST34)。
【0044】
例えば、モダリティ3Aにおいて15時から16時までにHさんの検査が行われ、この検査によって取得した画像データをモダリティ3A以外のモダリティ3においてバーンを行うことを考える。この場合、モダリティ3Bでは16時からKさんの検査が入っておりモダリティ3Aに代行してバーンを行うことはできない。一方、モダリティ3Cではモダリティ3Aと同じ時間にIさんの検査を行った後は検査の予定は入っていない。従って、この場合サーバ6は、モダリティ3Aからのバーンの代行可否の問い合わせに対して、モダリティ3Cが代行可能である旨の判断を行い、その旨回答する。
【0045】
サーバ6からの代行可否についての回答が返信されてからバーンがモダリティ3Cによってバーンの実行がなされるまでは上記本発明の第1の実施の形態と同様である。なお、第2の実施の形態においては、いずれのモダリティ3からも代行可能との返信がなかった場合の対応について、第1の実施の形態同様、モダリティ3Aがバーンを実行することを待機しても良いし、サーバ6に対してバーンの予約を行うようにしても良い。
【0046】
このようにすることで、モダリティが取得した画像データを保存するに当たって、画像データを取得したモダリティではなくネットワークで接続された他のモダリティにバーンの代行を依頼し実行してもらうことにより、バーンを行うことによる待ち時間を軽減しすぐに次の操作を行えるようにして操作性の向上を図るとともに、他のモダリティを利用することで画像データを保存するための専用ファイルサーバを不要として経済性に優れた画像データ保存システム及び該システムを利用した画像データ保存方法を提供することができる。
【0047】
特に、ネットワークに接続された複数のモダリティのそれぞれのスケジュールを把握しているサーバに対して一括してバーンの代行可否の問い合わせを行うことで、複数のモダリティに個別に問い合わせるよりも効率的に回答を得ることができ、結果的に画像データ保存システムを効率的に運用することができる。
【0048】
なお、本発明の第2の実施の形態においては、サーバ6が代行可能なモダリティ3を選択した上で代行依頼元のモダリティ3Aに通知し、この通知に基づいてモダリティ3Aは代行を依頼するモダリティ3を選択している例を説明しているが、サーバ6が代行可能なモダリティ3を選択した上で直接そのモダリティ3に代行を依頼することも可能である。但し、この場合にはどのモダリティ3がバーンの代行を行うのか、代行依頼元のモダリティ3Aに通知する。
【0049】
また、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像データ保存システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるモダリティの内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるバーン手段の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるバーンの代行依頼の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態における画像データ保存システムの全体構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるバーンの代行依頼の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるスケジュール管理データベース内に記憶されている各モダリティの利用スケジュールの一例を表わす説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1 画像データ保存システム
2 ネットワーク
3 モダリティ
4 画像データベース
5 ストレージチェンジャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査を行うことにより画像データを取得した第1のモダリティと、
前記第1のモダリティから前記画像データの保存の代行を依頼された第2のモダリティと、
前記画像データを一時的に保存する画像データベースと、
前記画像データを保存するストレージを複数備えるストレージチェンジャと、
前記第1のモダリティ及び前記第2のモダリティを含む複数のモダリティと前記画像データベースと前記ストレージチェンジャとを互いに接続するネットワークと
を備えることを特徴とする画像データ保存システム。
【請求項2】
前記ネットワーク上に、前記複数のモダリティのスケジュールリストを備えるサーバをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像データ保存システム。
【請求項3】
検査を行った第1のモダリティが取得した画像データを画像データベースに保存するステップと、
前記第1のモダリティが、ネットワークを介して接続されている他のモダリティに対して前記画像データのバーンの代行が可能か否かの確認の問い合わせを行うステップと、
前記第1のモダリティが、前記代行確認の問い合わせに対する他のモダリティからの返信を受けるステップと、
前記第1のモダリティが依頼元となり返信結果から代行可能な第2のモダリティに対してバーンの代行依頼を行うステップと、
前記第2のモダリティが、画像データを保存するストレージを複数備えるストレージチェンジャを使用して、前記第1のモダリティが前記画像データベースに保存した画像データのバーンを行うステップと、
を備えることを特徴とする画像データ保存方法。
【請求項4】
検査を行った第1のモダリティが取得した画像データを画像データベースに保存するステップと、
前記第1のモダリティが、ネットワークを介して接続されているサーバに対して、他のモダリティが前記画像データのバーンの代行が可能か否かの確認の問い合わせを行うステップと、
前記第1のモダリティが、前記代行確認の問い合わせに対する前記サーバからの返信を受けるステップと、
前記第1のモダリティが依頼元となり返信結果から代行可能な第2のモダリティに対してバーンの代行依頼を行うステップと、
前記第2のモダリティが、画像データを保存するストレージを複数備えるストレージチェンジャを使用して、前記第1のモダリティが前記画像データベースに保存した画像データのバーンを行うステップと、
を備えることを特徴とする画像データ保存方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−36340(P2008−36340A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218220(P2006−218220)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】