説明

画像データ検索方法・画像データ検索装置及びプログラム

【課題】 テーマパークなどで来場者に写真撮影サービスを提供する。
【解決手段】 来場者が携帯端末を携帯し携帯端末の移動した位置と時刻を記憶する。撮影装置は撮影した画像を撮影時刻とともに記憶する。撮影装置の設置位置と携帯端末に記憶されている位置情報、携帯端末に記憶されている時刻情報、画像データとともに記憶されている時刻情報から、携帯端末を携帯している来場者の写っている画像を取り出し提示する検索手段をもつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を撮影し、撮影画像を蓄積し、蓄積された画像から所望の画像を取得する画像撮影・管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テーマパークや遊園地において、来園者を撮影し、撮影した画像を被写体となった来場者に提示するシステムに関する技術は従来多く提案されてきている。
【0003】
来場者に発信機を所持させ、その発信機を操作して撮影装置を制御し撮影を行ない、発信機のもつ識別情報を撮影された画像とともにサーバに蓄積し、蓄積された画像の中から発信機の識別情報をキーにして来場者の写っている画像を検索し取得するシステムが開示されている(〔特許文献1〕参照)。
【0004】
特定場所に設置された撮影装置が自動的かつ間欠的に画像を撮影し、撮影した画像を撮影装置とは異なる場所にあってネットワークによって接続されたサーバに蓄積し、蓄積された画像を表示して被写体となった来園者に提示し、来園者が指定した画像をプリント出力するシステムが開示されている(〔特許文献2〕参照)。
【0005】
来場者に電子タグを所持させ、決められた場所に設置された撮影装置が、電子タグが近づいたことを検知して撮影を行ない、撮影した画像を電子タグのタグ番号とともサーバによって記憶し、タグ番号をキーにして画像を検索して取得するシステムが開示されている(〔特許文献3〕参照)。
【0006】
撮影装置と撮影された画像を蓄積するサーバとからなるシステムで、被写体となる来園者に携帯端末を所持させ、撮影装置は携帯端末が近づいたことを検知して撮影したり、携帯端末の指示により撮影したりするシステムが開示されている(〔特許文献4〕参照)。
【0007】
撮影装置が来場者に所持している電子機器から発信された識別信号を取得し、撮影時に近傍に存在する電子機器の識別情報を撮影画像とともに記憶し、電子機器の識別情報をキーにして画像を選択し表示するシステムが開示されている(〔特許文献5〕参照)。
【0008】
来園者に携帯端末を保持させ、撮影装置に携帯端末が近づいたときに携帯端末に対して近くに撮影装置が存在することを通知し、携帯端末によって撮影操作が指示されたときに撮影を行ない、携帯端末の持つ識別情報とともに画像を記憶し、識別情報をキーにして画像を検索取得するシステムが開示されている(〔特許文献6〕参照)。
【0009】
撮影装置であるカメラが移動する場合に、撮影した場所の位置情報と撮影した時間を取得し、画像データとともに位置情報・時間情報をサーバに記憶し、時間・位置情報から電子アルバムを作成するシステムが開示されている(〔特許文献7〕参照)。
【特許文献1】特開平10−224773号公報
【特許文献2】特開平11−136607号公報
【特許文献3】特開2002−41703号公報
【特許文献4】特開2002−51281号公報
【特許文献5】特開2002−112074号公報
【特許文献6】特開2003−78804号公報
【特許文献7】特開2003−183742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の技術には次のような問題点が存在する。
【0011】
(1)画像の検索が困難
特開平11−136607号公報により開示されているシステムでは、撮影した全ての画像が来園者に提示される。例えば、1分間隔で6時間撮影したと仮定した場合、その撮影装置だけで360枚もの画像を見なければならない。数十箇所撮影装置が存在しているテーマパークでは来園者の写っている画像を探し出すことは不可能に近いという問題が存在する。
【0012】
(2)複数の被写体に対処できない
来場者の持つ携帯端末の識別情報と画像を結びつけて覚えるシステムで、特に携帯端末と画像が一対一の関係になるようなシステム(特開平10‐224773号公報、特開2002−41703号公報、特開2002−51281号公報、特開2003−78804号公報)においては、携帯端末を保持する来園者が複数写っている画像を、画像と結びつけて記憶されている識別番号とは異なる番号の携帯端末を保持している来園者が、自身が写っているにもかかわらずその画像を検索することができないと言う問題が存在する。
【0013】
(3)被写体が写っていない画像が検索される可能性がある
上記(2)の問題は、画像と近傍に存在する複数の携帯端末の識別番号を記憶するシステム(特開2002−112074号公報)においては回避することが可能であるが、近傍に存在していたと言うだけで画像とともに記憶されてしまうため、撮影装置の背面に居たり、撮影装置との間に木などの障害物が存在して写っていなかったりした場合でも、写っているものとして検索されてしまう可能性があるという問題が存在する。
【0014】
本発明は、以上の問題点鑑みなされたものであり、携帯端末携帯者を撮影し、携帯端末携帯者が撮影されている画像データを効率よく検索し提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するため、本発明による画像データ検索方法は以下の構成を備える。即ち、撮影装置が撮影した画像データを検索する方法であって、それぞれ識別可能な被写体の位置情報を記録する記録工程と、前記被写体を撮影した画像データを保持手段に保持する保持工程と、前記記録された被写体の位置情報と撮影装置の位置情報とに基づいて条件を満たす前記保持手段に保持された画像データを検索する検索工程。
【0016】
上記の課題を解決するため、本発明による画像データ検索装置は以下の構成を備える。即ち、撮影装置が撮影した画像データを検索する装置であって、それぞれ識別可能な被写体の位置情報を記録する記録手段と、前記被写体を撮影した画像データを保持する保持手段と、前記記録された被写体の位置情報と撮影装置の位置情報とに基づいて条件を満たす前記保持手段に保持された画像データを検索する検索手段。
【0017】
上記の課題を解決するため、本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、撮影装置が撮影した画像データを検索するプログラムであって、それぞれ識別可能な被写体の位置情報を記録する記録手順と、前記被写体を撮影した画像データを保持手段に保持する保持手順と、前記記録された被写体の位置情報と撮影装置の位置情報とに基づいて条件を満たす前記保持手段に保持された画像データを検索する検索手順。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、携帯端末の位置を条件として画像を検索するため、表示して実際に見る画像データの数を絞り込むことができる。
また、携帯端末ごとに検索を行なえるため、携帯端末を携帯する来園者が複数写っている画像であっても来園者毎に過不足なく来園者の写っている画像データを提示することができる。
【0019】
さらに、撮影装置の向きを考慮することにより、さらに写っている画像データを的確に検索することができるようになる。
【0020】
また、位置情報の取得、または画像データの撮影を必要なときに限定することにより、記憶すべき情報量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明を実施した形態を実施例1として説明する。
【0022】
図1は実施例1の全体構成を示した図である。同図において1010は来場者が携帯しGPS衛星から電波を受信し存在する位置を取得する携帯端末、1020は画像を撮影する撮影装置、1030は画像データ等を伝送するネットワーク、1040は画像データを記憶・蓄積する画像サーバ、1050は画像を検索して表示するための検索装置である。
【0023】
図2は携帯端末1010の構成図である。同図において、2010はGPS衛星から電波を受信し位置情報を取得するGPS受信部、2020は携帯端末1010全体を制御する制御部、2030はGPS受信部2010で受信した位置情報等を記憶するための記憶部、2040は携帯端末1010と検索装置1050を接続する検索装置接続部、2050は携帯端末1010内の各部を接続するためのバスである。
【0024】
図3は撮影装置1020の構成図である。同図において、3010は画像を撮影し電子データとして画像データを取り出す撮影部、3020撮影装置1020全体を制御する制御部、3030はネットワーク1030に接続してデータ通信を行なうためのネットワーク部、3050は撮影装置1020内の各部を接合するためのバスである。
【0025】
図4は画像サーバ1040の構成図である。同図において、4010は撮影装置1020からネットワーク1030を経由して送られてくる画像データを、データベースを構成して格納するための記憶部、4020は画像サーバ全体を制御するための制御部、4030はネットワークに接続して画像データを受信するためのネットワーク部、4040は画像サーバ1040内の各部を接続するためのバスである。
【0026】
図5は検索装置1050の構成図である。同図において、5010は携帯端末1010を接続するための携帯端末接続部、5020は検索装置1050全体を制御する制御部、5030はネットワーク1030に接続して画像サーバ1040から画像データを取得するためのネットワーク部、5040は画像データを表示してユーザに示すための表示部、5050はユーザが操作を行なうための入力部、5060は画像データをプリントアウトするための印刷部、5070は検索装置1050内の各部を接続するためのバスである。
【0027】
なお、本実施例では携帯端末1010の位置情報を取得するためにGPS(Global Positioning System)を使用して構成されているが、テーマパーク内に位置を情報を発信する発信機を数箇所設置し、それらからの電波を受信して位置を特定するなどの、位置情報が得られる他の技術を利用しても良い。また、本実施例では携帯端末1010と検索装置1050を接続するためにUSB(Universal Serial Bus)を用いるようにして説明を行なうが、別の方式で置き換えて構成できることは言うまでも無い。
【0028】
以下、図を用いながら本実施例の処理を説明する。本実施例を実施したシステムをテーマパーク内で使用することを想定している。
【0029】
まず、テーマパークの入口で、携帯端末1010が来場者に貸与される。貸与する際に携帯端末1010のスイッチが入れられ携帯端末1010が稼動し始める。
【0030】
稼動すると制御部2020は初期化され、制御部2020内に存在するタイマーによって1分程度の定期的な間隔で制御部2020内の位置記憶ルーチンを起動する。位置記憶ルーチンではGPS受信部2010によって受信された位置情報(緯度、経度)と同時に取得される時刻情報を図6に示すような表形式で記憶部2030に記憶していく。この表のインデックスは位置記憶ルーチンが呼び出されるたびに1づつインクリメントされる。
【0031】
撮影装置1020は、テーマパーク内のあらかじめ定められた場所に設置され、定められた方向をむいており、開園と同時にスイッチが入れられ稼動し始める。撮影装置1020が起動すると、制御部3020が初期化され、制御部3020内に存在するタイマーによって1分間隔程度の一定間隔で制御部3020内の撮影ルーチンが呼び出される。撮影ルーチンは、撮影部3010を使用して撮影装置1020の前面を撮影する。撮影したデータは電子データとして撮影部3010からネットワーク部に送られ、制御部3020で取得された撮影時の時刻情報と、あらかじめ撮影装置ごとに付与されたカメラIDを付加されてネットワーク1030を経由して画像サーバ1040に送られる。
【0032】
画像サーバ1040は、撮影装置1020から画像データをネットワーク部4030によって受け取ると、受け取ったデータから画像データ、時刻データ、カメラIDを分離し、記憶部4010に存在する次に示すSQLで生成されるデータベースのテーブルに記憶する。ここで、camera_id、time、photoはそれぞれカメラID、時刻データ、画像データである。
CREATE TABLE photos

camera_id INTEGER NOT NULL,
time TIME NOT NULL,
photo BLOB NOT NULL
);
テーマパーク内に存在する全ての撮影装置1020は、その存在する位置を図7に示すようなテーマパークの中心を原点とし北をY軸の正の方向とする平面座標上の点(X座標、Y座標)として、また撮影装置1020の向いている方向を東(X軸の正の方向)を0度とする水平角度として、撮影装置1020に付与されたカメラIDとともに、画像サーバ1040の記憶部4010に存在する次に示すSQLで生成されるデータベースのテーブルに記憶されている。ここで、camera_id、x_pos、y_pos、horizontal_angleはそれぞれカメラID、X座標、Y座標、カメラの向きである。
CREATE TABLE CAMERAS

camera_id INTEGER PRIMARY KEY,
x_pos FLOAT NOT NULL,
y_pos FLOAT NOT NULL,
horizontal_angle FLOAT NOT NULL
);
来園者は、携帯端末1010を所持してテーマパーク内を歩き回り、撮影装置1020の前を通りかかる。そのときに撮影装置1020がちょうど撮影処理を行なった場合に来園者が撮影されることになる。このように撮影された画像を来園者が見たいときには、検索装置1050を使用する。
【0033】
検索装置1050の携帯端末接続部5010に携帯端末1010の検索装置接続部2040を用いて携帯端末1010を接続する。携帯端末接続部5010と検索装置接続部2040はUSBを用いて構成されているため、携帯端末1010が検索装置1050に接続されたことを制御部5020が検出することができる。制御部5020では、携帯端末1010が接続されたことを検出すると、携帯端末接続部5010に指令を送って、携帯端末1010の記憶部2030の中から図6で示される位置情報テーブルを取得する。取得された位置情報テーブルは、ネットワーク部5030を経由して画像サーバ1040に画像取得要求として送られる。
【0034】
ネットワーク部4030によって検索装置1050から画像取得要求として位置情報テーブルを送られた画像サーバは、図8に示すフローチャートにしたがって処理を行ない、来園者が写っている可能性のある画像を記憶部4010に格納されている画像データの中から選択する。
【0035】
フローチャートを使用して処理を説明する。
【0036】
ステップS8010において、位置情報テーブルから緯度、経度の位置情報を取り出す。緯度経度から図7の平面座標系に変換し、X座標、Y座標をそれぞれXm、Ymとする。
【0037】
ステップS8020において、画像サーバ1040内のデータベースのテーブルであるCAMERASの中から図10に示す式の値が一定範囲内のものを問い合わせる。この問い合わせは以下のようなSQL文によって行なう。この式で、Cdは許容範囲の距離を表す定数である。
SELECT camera_id FROM CAMERAS
WHERE SQRT(POWER(Xm−x_pos,2)+POWER(Ym−y_pos,2))<Cd
このSQLによってカメラIDからなるテーブルが取得できない、もしくはテーブルの要素が無い場合はステップS8050に進み、そうでなければステップS8030に進む。
【0038】
ステップS8030では、ステップS8020にて取り出されたカメラID(Cid)を持つ撮影装置1020の向きを次のSQLにて取り出す。
SELECT horizontal_angle FROM CAMERAS WHERE camera_id=Cid;
このようにして得られた水平角度から撮影装置1020の向いている方向を知り、撮影装置1020の画角から位置情報に存在するものが撮影装置1020で撮影可能かを判断する。図9はこの判断を行なう方式を図に示したものである。撮影装置1020の位置(Xc,Yc)から、位置情報が示す位置(Xm,Ym)の相対的な角度(東、すなわちX軸の正の方向を0度とする)を図9に示した式にて計算する(ここではθmとする)。画像サーバから得た撮影装置の向きの角度とこのθmとの差の絶対値を計算し、その値が画角の半分より小さい場合には撮影装置1020は位置情報で得られた位置を向いているものと判断する。向いていない場合はステップS8050に進み、向いている場合はステップS8040に進む。
【0039】
ステップS8040では、位置情報と一緒に記憶されていた時刻情報と、画像サーバのデータベースのphotosテーブルに格納されている画像のうち、同じカメラID(Cid)の画像の時刻情報の差が所定の範囲内である場合は、その画像を候補として取り出す。
【0040】
この画像データの選択は以下のSQLによって行なう。
SELECT photo FROM photos WHERE camera_id=Cid AND ABS(time−Tm)<Tcnst;
得られた画像データはリストに追加され、ステップS8050に進む。
【0041】
ステップS8050ではステップS8010で取得した位置情報テーブルの要素が残っているかを調べる。残っている場合はステップS8010に進み、そうでない場合はステップS8060へ進む。
【0042】
ステップS8060では、リストに入れられている画像データを検索装置1050の検索要求への戻り値として検索装置1050へ返す。
【0043】
画像サーバから得られた画像を受け取った検索装置1050では、表示部5040によって得られた画像データを表示し来園者に提示する。来園者は入力部5050を使用して表示部5040に表示された画像を選択し、印刷部5060によって選択された画像をプリントアウトするように制御部5020に指示すると、制御部5020は印刷部5060に選択された画像をプリントアウトする。
【0044】
本実施例では、撮影装置1020はあらかじめ決められた一定間隔で撮影を行なうように構成されているが、携帯端末1010が、到達距離が数メートルから十数メートルの識別信号を発信し、識別信号を撮影装置1020が受信できるように構成し、信号を受信しないときは撮影を行なわないようにも構成することができる。逆に、撮影装置1020が識別信号を送信し、携帯端末1010がそれを受信できるように構成して、携帯端末1010が撮影装置1020の近傍に居るときのみ位置情報を記憶するように構成することも可能である。同様に、撮影装置1020の位置をあらかじめ携帯端末1010に記憶させておき、記憶されている撮影装置1020が近くにあることを携帯端末1010が検出した自身の位置から算出し、近くにあるときのみ位置を記憶するよう構成することも可能である。さらに、撮影装置1020が撮影を行なうときに撮影を行なうことを示す信号を発信し、携帯端末1010がその信号を受信したときに位置情報を記憶するよう構成することも可能である。また、携帯端末1010が携帯端末1010の存在する位置を示す信号を送信し、撮影装置1020がそれを受信して撮影装置1020が携帯端末1010の位置が撮影可能であるかを判断し、撮影可能である場合に撮影行なうことを示す信号を発信して携帯端末1010がそれを契機に位置情報を記憶することもできる。
【0045】
また、本実施例では位置情報を携帯端末1010内に記憶するよう構成されているが、携帯端末1010をネットワーク1030に接続し、位置情報を携帯端末1010を識別するための携帯端末識別情報とともにネットワーク1030によって画像サーバ1040に送り画像サーバ1040で記憶、検索装置1050において携帯端末1010を接続したときに携帯端末識別情報により、携帯端末1010で取得された位置情報を検索できるよう構成することもできる。
【0046】
なお、本実施例では被写体の自然な姿を撮影するため、撮影装置1020が撮影を行なう際に撮影することを被写体である来園者に伝えることはしていないが、撮影装置1020に発光装置もしくは音声発生装置を付加して、撮影することを音もしくは光にて来園者に通知するよう構成することもできる。
【0047】
<実施例2>
本実施例は全体構成は実施例1と同じであり、図1で示される構成である。実施例1においては、撮影装置1020は固定されており、その位置及び向いている方向は変わらないものとしていたが、本実施例では撮影装置1020も移動するものとする。
【0048】
携帯端末1010、画像サーバ1040、検索装置1050の構成は各々図2、図4、図5で示される実施例1の場合と同じである。
【0049】
図10は本実施例に用いる撮影装置1020の構成図である。同図において、撮影部3010、制御部3020、ネットワーク部3030、バス3050は実施例1の撮影装置1020の対応する構成と同じであり、さらに、10010はGPS信号を受信し撮影装置1020の位置を測定するためのGPS受信部であり、10020は撮影装置1020が向いている方向を検出するための姿勢検出部である。
【0050】
携帯端末1010が位置を検出する方法は実施例1と同様である。撮影装置1020は、撮影した画像データとともにGPS受信部10010によって得た位置情報と、姿勢検出部10020によって得られた方向(東を0度とした角度)データを画像サーバに送る。
【0051】
画像サーバ1040では、次のSQLで生成されるデータベースのテーブルに撮影装置1020から送られてきた画像データ、位置、向きを記憶する。ここで、photo、time、x_pos、y_pos、angleは各々画像データ、時刻、X座標、Y座標、カメラの向きである。
CREATE TABLE photos (
photo BLOB NOT NULL,
time TIME NOT NULL,
x_pos FLOAT NOT NULL,
y_pos FLOAT NOT NULL,
angle FLOAT NOT NULL
);
検索装置1050に携帯端末1010を接続して画像を検索する際の処理について、実施例1と異なるところのみ説明する。
【0052】
実施例1では、図8の処理フローのステップS8020からステップS8040で行なっていた処理を以下のように行なう。
【0053】
次のSQLにて、位置情報の位置からの距離が所定の距離以内で、時刻の差も所定の範囲内の画像データと撮影装置1020の位置及び向きを取得する。
SELECT photo,x_pos,y_pos,angle FROM photos
WHERE(SQRT(POWER(Xm−x_pos,2)+POWER(Ym−y_pos,2))<Cd)
AND(ABS(time−Tm)<Tcnst);
このように取得した画像データのうち、実施例1と同様に撮影装置1020の向きから携帯端末1010をもっている来場者が写っているかを判断し、写っている可能性のある画像をリストに登録する。
【0054】
このようにして、撮影装置1020が移動しても携帯端末1010を携帯している来場者の写っている画像データを検索することができる。
【0055】
さらに、画像サーバ1040内に園内の建物や木などの配置図を記憶しておき、撮影装置1020から携帯端末1010の間に遮蔽物があるかを計算し、携帯端末1010が遮蔽物の陰になっている場合はリストに登録しないようにして来場者が写っているかどうかの判断を行なうことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1の全体構成図
【図2】図1の携帯端末の構成図
【図3】図1の撮影装置の構成図
【図4】図1の画像サーバの構成図
【図5】図1の検索装置の構成図
【図6】携帯端末で使用する位置情報を記憶するテーブル
【図7】テーマパーク内の位置情報を表現する座標系
【図8】画像サーバで行なわれる検索処理の処理フロー
【図9】撮影装置が携帯端末の方向を向いているかを調べる方式の概念図
【図10】実施例2の撮影装置の構成図
【符号の説明】
【0057】
1010 携帯端末
1020 撮影装置
1030 ネットワーク
1040 画像サーバ
1050 検索装置
2010 GPS受信部
2020 携帯端末の制御部
2030 携帯端末の記憶部
2040 検索装置接続部
2050 携帯端末のバス
3010 撮影部
3020 撮影装置の制御部
3030 撮影装置のネットワーク部
3050 撮影装置のバス
4010 画像サーバの記憶部
4020 画像サーバの制御部
4030 画像サーバのネットワーク部
4040 画像サーバのバス
5010 携帯端末接続部
5020 検索装置の制御部
5030 検索装置のネットワーク部
5040 表示部
5050 入力部
5060 印刷部
5070 検索装置のバス
10010 撮影装置のGPS受信部
10020 姿勢検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置が撮影した画像データを検索する方法であって、
それぞれ識別可能な被写体の位置情報を記録する記録工程と、
前記被写体を撮影した画像データを保持手段に保持する保持工程と、
前記記録された被写体の位置情報と撮影装置の位置情報とに基づいて条件を満たす前記保持手段に保持された画像データを検索する検索工程とを備えることを特徴とする画像データ検索方法。
【請求項2】
前記位置情報を、任意の時間間隔で記録することを特徴とする請求項1記載の画像データ検索方法。
【請求項3】
前記検索工程では、撮影装置の撮影可能範囲情報を考慮して検索することを特徴とする請求項1記載の画像データ検索方法。
【請求項4】
前記被写体の位置情報は、被写体が携帯する携帯端末により検出することを特徴とする請求項1記載の画像データ検索方法。
【請求項5】
前記記録工程では、位置情報を記録した時刻情報を記録することを特徴とする請求項1記載の画像データ検索方法。
【請求項6】
前記記録工程では、前記携帯端末が前記撮影装置の撮影可能範囲に存在することを検知した場合に前記携帯端末を携帯する被写体の位置情報を記録することを特徴とする請求項1または4記載の画像データ検索方法。
【請求項7】
前記携帯端末が前記撮影装置の撮影可能範囲情報を記憶していることを特徴とする請求項6記載の画像データ検索方法。
【請求項8】
撮影装置が撮影した画像データを検索する装置であって、
それぞれ識別可能な被写体の位置情報を記録する記録手段と、
前記被写体を撮影した画像データを保持する保持手段と、
前記記録された被写体の位置情報と撮影装置の位置情報とに基づいて条件を満たす前記保持手段に保持された画像データを検索する検索手段とを備えることを特徴とする画像データ検索装置。
【請求項9】
撮影装置が撮影した画像データを検索するプログラムであって、
それぞれ識別可能な被写体の位置情報を記録する記録手順と、
前記被写体を撮影した画像データを保持手段に保持する保持手順と、
前記記録された被写体の位置情報と撮影装置の位置情報とに基づいて条件を満たす前記保持手段に保持された画像データを検索する検索手順とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを格納するコンピュータ可読メモリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−195786(P2006−195786A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7483(P2005−7483)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】