説明

画像作成装置、画像作成方法および画像作成プログラム

【課題】多色画像を構成する基本色の混合割合を変化させた場合に、作成する単色画像の輝度が著しく低下することなく、視認性が維持される画像作成装置を提供する。
【解決手段】画像作成装置5は、多色画像が入力される画像入力部30と、複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力される第1混合割合入力部34と、前記入力された第1の混合割合に基づき、それぞれの総和が一定になるように第2の混合割合を色成分毎に算出する第2混合割合算出部36と、前記多色画像の色成分を前記算出された第2の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成する単色画像作成部38と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像のような多色画像から、モノクロ画像のような単色画像を作成する画像作成装置、画像作成方法および画像作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像からモノクロ画像を作成する従来の装置では、例えば、Adobe Systems Incorporated社の画像編集ソフトウェア「PHOTOSHOP(登録商標)」のチャンネルミキサ機能を使用することで、ユーザは対話形式により、カラー画像が構成される基本色を所望する割合で混合し、カラー画像からモノクロ画像を生成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記のような装置では、色成分の混合割合を設定してモノクロ画像を作成する場合、作成されるモノクロ画像の輝度は、各基本色の混合量の総和に依存した。従って、色成分ごとに混合割合を独立して変更すると、総和が小さくなりすぎたり、逆に大きくなりすぎたりして、画像が潰れて視認が困難になるため、画像を視認しつつ各基本色の混合割合を調整することは難しいかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記した課題を解決するために、本発明の画像作成装置は、多色画像が入力される画像入力部と、複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力される混合割合入力部と、前記入力された第1の混合割合に基づき、それぞれの色成分の総和が略一定になるように第2の混合割合を算出する算出部と、前記多色画像の色成分を前記算出された第2の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成する作成部と、を備えることを特徴とする。
【0005】
この発明によれば、多色画像が入力されると共に、複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力され、この第1の混合割合に基づいて、それぞれの総和が略一定になるように第2の混合割合が算出され、この第2の混合割合に基づいて色成分が混合されて単色画像が作成される。従って、各混合割合の総和が維持されることから、一方の基本色の混合割合を減少させても、残りの基本色の混合割合の和が、減少した分だけ増加され、画像の輝度が大きく低下することなく、画像の視認性が維持される。従って、設定した混合割合により生じる画像の潰れが抑制され、各基本色の混合割合を視認して調整できる。
【0006】
本発明の画像作成装置では、前記作成部は、更に、前記多色画像の色成分を前記入力された第1の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成すると共に、前記作成部で作成する単色画像を、前記第1の混合割合に応じて作成するか、または前記第2の混合割合に応じて作成するかを選択するための選択部を更に備えることが好ましい。
【0007】
この発明によれば、各色成分の混合割合の総和を一定にした単色画像と、入力された各基本色の混合割合に応じた単色画像とを選択して作成できるため、単色画像の作成の自由度が増加する。
【0008】
本発明の画像作成装置では、前記複数の色成分は3色から成り、RGBおよびCMYのように複数色のデータのパラメータにより明度が定まるものに適用しても良い。
【0009】
本発明の画像作成装置では、前記算出部は、前記第2の混合割合のうち前記複数の色成分の1つが連続して増減した場合、前記第2の混合割合のうち他の色成分をそれぞれ等しく連続して減増させ、前記第2の混合割合のそれぞれの色成分の総和を略一定に維持することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、1つの色成分の混合割合が連続して増減する場合、他の色成分の混合割合も連続して減増され、第2の混合割合の総和が略一定に維持されるため、作成される画像が連続して滑らかに変化するため、ユーザの意図に沿う単色画像を作成できる。
【0011】
本発明の画像作成装置では、前記算出部は、前記第1の混合割合のそれぞれが等しい場合、前記第2の混合割合もそれぞれ等しくなるように算出することが好ましい。
【0012】
この発明によれば、単色画像は、色成分の混合割合の配合バランスが均等に維持されて作成されるため、ユーザの意図に沿う単色画像を作成できる。
【0013】
本発明の画像作成装置では、前記単色画像は、白黒画像であっても良い。
【0014】
本発明の画像作成装置では、前記算出部は、前記第2の混合割合の算出に際して、
b’R=bR/(bR+bG+bB)+k
b’G=bG/(bR+bG+bB)+k
b’B=bB/(bR+bG+bB)+k
bR,bG,bB:各基本色の第1の混合割合
b’R,b’G,b’B:各基本色の第2の混合割合
k:所定の定数
で示される演算式を用いても良い。
【0015】
更に、前記算出部は、
bR+bG+bB=0
で示される関係となる場合、(bR+bG+bB)の値を0以外の所定の値に置換しても良い。
【0016】
また、本発明の画像作成装置では、前記算出部は、前記第2の混合割合の算出に際して、
b’R=bR−(αbR+βbG+γbB)/(α+β+γ)+k
b’G=bG−(γbR+αbG+βbB)/(α+β+γ)+k
b’B=bB−(βbR+γbG+αbB)/(α+β+γ)+k
bR,bG,bB:各基本色の第1の混合割合
b’R,b’G,b’B:各基本色の第2の混合割合
α、β、γ、k:所定の定数
で示される演算式を用いても良い。
【0017】
上記した課題を解決するために、本発明の画像作成方法は、多色画像が入力される画像入力工程と、複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力される混合割合入力工程と、前記入力された第1の混合割合に基づき、それぞれの色成分の総和が略一定になるように第2の混合割合を算出する算出工程と、前記多色画像の色成分を前記算出された第2の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成する作成工程と、を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、多色画像が入力されると共に、複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力され、この第1の混合割合に基づいて、それぞれの総和が略一定になるように第2の混合割合が算出され、この第2の混合割合に基づいて色成分が混合されて単色画像が作成される。従って、各混合割合の総和が維持されることから、一方の基本色の混合割合を減少させても、残りの基本色の混合割合の和が、減少した分だけ増加され、画像の輝度が大きく低下することなく、画像の視認性が維持される。従って、設定した混合割合により生じる画像の潰れが抑制され、各基本色の混合割合を視認して調整できる。
【0019】
上記した課題を解決するために、本発明の画像作成プログラムは、多色画像が入力される画像入力手順と、複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力される混合割合入力手順と、前記入力された第1の混合割合に基づき、それぞれの色成分の総和が略一定になるように第2の混合割合を算出する算出手順と、前記多色画像の色成分を前記算出された第2の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成する作成手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、多色画像が入力されると共に、複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力され、この第1の混合割合に基づいて、それぞれの総和が略一定になるように第2の混合割合が算出され、この第2の混合割合に基づいて色成分が混合されて単色画像が作成される。従って、各混合割合の総和が維持されることから、一方の基本色の混合割合を減少させても、残りの基本色の混合割合の和が、減少した分だけ増加され、画像の輝度が大きく低下することなく、画像の視認性が維持される。従って、設定した混合割合により生じる画像の潰れが抑制され、各基本色の混合割合を視認して調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る画像作成装置を適用した画像処理装置の構成を示す図。
【図2】画像処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】ディスプレイの表示画面上に表示されるメインウィンドウを示す図。
【図4】画像作成装置の機能を設定する単色画像作成ウィンドウを示す図。
【図5】モノクロ画像が作成される処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施形態)
【0023】
図1は、本発明の画像作成装置5(図2)を適用した画像処理装置10の構成を示す。この画像処理装置10は、外観視、画像処理装置10を制御するプログラムを実行するコンピュータ12と、コンピュータ12から出力される情報を表示するディスプレイ14と、コンピュータ12から出力される情報を印刷するプリンタ24と、この画像処理装置10の使用者からコンピュータ12に対して指示が入力されるキーボード16およびマウス18とを備える。更に、デジタルカメラ20およびスキャナ22は、画像を読み込む手段の一例として、コンピュータ12と接続される。
【0024】
このコンピュータ12は、図示は略すが、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)や、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),フラッシュメモリ等のメモリや、ハードディスクや着脱可能なメモリカード等の記憶装置をハードウェアとして備える。これらのハードウェアは、バスを介してそれぞれの信号が授受可能に接続され、メモリやハードディスクに記憶されるプログラムに基づき、種々の情報の処理が実行される。
【0025】
図2は、画像処理装置10の機能構成を示すブロック図である。この画像処理装置10には、画像作成装置5が適用されている。この画像作成装置5は、画像入力部30と、混合割合選択部32と、第1混合割合入力部34と、第2混合割合算出部36と、単色画像作成部38と、単色画像出力部40とを備え、入力された多色(カラー)の画像に対して、基本色毎の所望する割合に応じた単色画像を作成して出力する。ここで、単色画像は、無彩色でグレーを含む白黒(モノクロ)画像や、所定の色のみで表示する画像が想定できるが、以降の説明および理解を容易にすべく、単色画像としてモノクロ画像を想定する。画像処理装置10は、ユーザにより画像が選択される画像選択部50と、画像を印刷する画像印刷部52と、画像をレイアウトする画像レイアウト部54と、画像データを取得する画像取得部56と、画像データを保存する画像保存部58と、画像表示部60を備える。これらの機能部の各機能は、前記したハードウェアとソフトウェアとが有機的に協働することにより実現される。
【0026】
最初に、画像作成装置5の各機能部について説明する。画像入力部30は、複数の色成分から成る画素で構成される多色画像のデータが入力される。本実施形態では、この多色画像のデータは、画像保存部58に保存され、画像選択部50で選択可能な画像の中から、ユーザにより選択される。ここで入力された多色画像のデータは、単色画像作成部38に送られる。
【0027】
第1混合割合入力部34は、複数の基本色のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合がそれぞれ入力される。本実施形態では、色成分を構成する基本色は、赤(R)、緑(G)および青(B)の光の三原色を採用するが、これに限定されず、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の3色の組合せも採用できる。更に、基本色は3色に限定するものでは無く、ブラック(K)やホワイト(W)等を加えても良い。また、混合割合は、百分率(%)で表示され、それぞれの基本色に対する第1の混合割合は、ユーザにより入力される。ここで入力された第1の混合割合は、第2混合割合算出部36に送られる。
【0028】
第2混合割合算出部36は、第1混合割合入力部34で入力されたそれぞれの第1の混合割合に基づき、それぞれの総和が一定になるように第2の混合割合を基本色毎に算出し、算出された第2の混合割合は、単色画像作成部38に送られる。より具体的には、第2混合割合算出部36は、第2の混合割合のうち、1つの基本色の混合割合が連続して増減された場合、他の基本色の混合割合をそれぞれ等しく連続して増減させることにより、第2の混合割合のそれぞれの総和の一定を維持する。また、第2混合割合算出部36は、第1の混合割合のそれぞれが等しい場合、第2の混合割合もそれぞれ等しくなるように算出する。ここで、カラー画像からモノクロ画像を作成する場合、モノクロ画像の任意の領域において、それぞれの基本色(R,G,B)の輝度値は、それぞれ等しくなり、各基本色の輝度値をKとすると、次のような関係式で表示できる。
【0029】
r2×R+g2×G+b2×B+N=K・・・(式1)
【0030】
この中で、R,G,Bは、それぞれ赤、緑および青の画素成分(プレーン)の混合量(ブレンド量)を示し、r2,g2およびb2は、それぞれのプレーンに対する混合割合(%)を示す。更に、Nは、対象とする画像の下地の色を示す所定値を示し、例えば、画像がポジ画像の場合は0になり、画像がネガ(反転)画像の場合は、256となる。ここで、本発明においては、輝度の低下を抑制して画像の視認性を維持すべく、第2の混合割合の各混合割合の総和を一定に保つため、次のような関係が維持される。
【0031】
r2+g2+b2≒100(%)・・・(式2)
【0032】
ここで、第1混合割合入力部34でユーザにより入力された各基本色(R,G,B)の混合割合を、r1,g1およびb1(いずれも%単位)とすると、各基本色の第2の混合割合は、次式(式3)を用いて算出できる。
r2=r1−(r1+g1+b1)/3+k(%) ・・・(式3)
g2=g1−(r1+g1+b1)/3+k(%) ・・・(式3)
b2=b1−(r1+g1+b1)/3+k(%) ・・・(式3)
【0033】
尚、本実施形態では、画像処理装置10が起動された状態では、r1,g1およびb1が全て0に設定されているため、初期状態では、上記した式が示すように、r2,g2およびb2が全て33%となる。尚、上記した式のkは、(r1+g1+b1)が正の値又は0の場合は、正値(+33)を採用し、(r1+g1+b1)が負の値の場合は、負値(−33)を採用する。ここで、例えば、赤のプレーンの割合のみが、q%加算された場合、各基本色の混合割合は、次式(式4)のような関係になり、各基本色の混合割合が変化しても、それぞれの基本色のブレンド量の総和が略同一に保たれるため、モノクロ画像の輝度が維持される。
【0034】
r2:g2:b2=(33+2×q/3):(33−q/3):(33−q/3)・・・(式4)
【0035】
また、各基本色の第2の混合割合は、上記した式に限定されるものでは無く、各割合の関係を維持すべく、次式(式5)も採用できる。
【0036】
r2=r1/(r1+g1+b1)+k(%) ・・・(式5)
g2=g1/(r1+g1+b1)+k(%) ・・・(式5)
b2=b1/(r1+g1+b1)+k(%) ・・・(式5)
【0037】
ここで、(r1+g1+b1)が0の値になる場合、第2混合割合算出部36は、0以外の所定の値、例えばr1、g1、b1の組合せ毎に予め決めた値に置換する。更に、a,bおよびcを所定の定数として示した次式(式6)も採用できる。
【0038】
r2=r1−(a×r1+b×g1+c×b1)/(a+b+c)+k(%) ・・・(式6)
g2=g1−(c×r1+a×g1+b×b1)/(a+b+c)+k(%) ・・・(式6)
b2=b1−(b×r1+c×g1+a×b1)/(a+b+c)+k(%) ・・・(式6)
【0039】
混合割合選択部32は、単色画像作成部38で作成する単色画像を、第1の混合割合に基づき作成するか、または第2の混合割合に基づき作成するかがユーザにより選択される。ここで選択された情報は、単色画像作成部38に送られる。
【0040】
単色画像作成部38は、混合割合選択部32で選択された混合割合に基づき、画像入力部30から送られる多色画像のデータから、モノクロ画像を作成する。ここで作成されたモノクロ画像のデータは、単色画像出力部40を経て、画像保存部58に送られて保存されたり、画像表示部60に送られて表示されたりする。このようにして作成されて保存された単色画像のデータは、画像選択部50で必要に応じてユーザに選択された後、画像レイアウト部54でレイアウトされたり、画像印刷部52で印刷されたりする。
【0041】
尚、本実施形態では、上記した各機能の中で、使用者からの指示で動作する機能は、ディスプレイ14に表示され、使用者からの指示を受け入れ可能なユーザインターフェイスを備えるウィンドウを介して実現される。図3は、ディスプレイ14の表示画面上に表示されるメインウィンドウ140を示す。このメインウィンドウ140は、画像処理装置10を制御するプログラムが起動された場合、ディスプレイ14に表示される。このメインウィンドウ140は、ブラウズ処理に関するブラウズ処理領域150、レイアウト処理に関するレイアウト処理領域160、および印刷処理に関するプリント処理領域170を有する。
【0042】
ブラウズ処理領域150は、画像選択部50の機能を有し、画像保存部58に保存されている選択可能な画像152が所定の順序に従い、選択可能に表示される。また、レイアウト処理領域160は、テンプレートを選択する定型画像選択領域162と、選択された画像166をテンプレートに流し込んだ合成画像表示領域164とが表示される。更に、プリント処理領域170は、画像印刷部52の機能を有し、印刷するプリンタ24等を選択するプリンタ選択領域172と、このプリンタ選択領域172で選択されたプリンタ24により印刷されるプリントイメージ領域174とが表示される。
【0043】
図4は、画像作成装置5の機能を設定可能な単色画像作成ウィンドウ100を示す図である。この単色画像作成ウィンドウ100は、ブラウズ処理領域150において選択可能に表示される画像をマウス18等によりダブルクリックされることでディスプレイ14の表示画面上に表示される。更に、図示は略すが、ディスプレイ14の表示画面上において、この単色画像作成ウィンドウ100と並んで、画像表示部60が表示される。この単色画像作成ウィンドウ100は、単色モード選択領域102と、第1混合割合入力部34の機能を有するチャンネルミキサ110と、混合割合選択部32の機能を有する輝度維持選択領域112とが表示される。このチャンネルミキサ110は、第1の混合割合の中で赤の混合割合を設定する領域104と、第1の混合割合の中で緑の混合割合を設定する領域106と、第1の混合割合の中で青の混合割合を設定する領域108とを有する。これらの領域(104,106,108)は、それぞれスライダで構成され、ユーザは、それぞれの基本色毎に所望する混合割合を設定できる。尚、これらの領域(104,106,108)での設定した値の総和が負の場合は、ネガ画像が作成され、正の場合は、ポジ画像が作成される。
【0044】
また、輝度維持選択領域112は、チェックボックスを備え、ユーザがチェックした場合は、第2混合割合算出部36で算出された第2の混合割合に基づいて単色画像が作成され、他方でユーザがチェックを外した場合は、第1混合割合入力部34で入力された第1の混合割合に基づいて単色画像が作成される。尚、単色モード選択領域102は、モノクロモード以外に、カラー画像に対して、各基本色のバランスを調整するためのカラーモードも選択できる。
【0045】
図5は、画像作成装置5により、モノクロ画像が作成される処理の流れを示すフローチャートである。この処理が実行されると、最初に、画像選択部50で選択されたカラー画像のデータが画像入力部30に入力される(ステップS200)。
【0046】
入力されたデータが示すカラー画像は、単色画像作成部38に送られ、画像表示部60に表示されると共に、この画像を見るユーザにより、各基本色の混合割合が第1混合割合入力部34から入力される(ステップS202)。
【0047】
次に、輝度を維持するモード、即ち、第2の混合割合に基づいてモノクロ画像を作成するべく、ユーザにより指示されたか、否か判定され(ステップS204)、輝度を維持するモードが選択されない場合(ステップS204でNo)、第1混合割合入力部34で入力された各基本色の混合割合に基づき、式1に従い単色画像作成部38によりモノクロ画像が作成される(ステップS210)。続いて、作成された画像が出力されて(ステップS212)、一連の処理が終了する。
【0048】
他方で、輝度を維持するモードが選択された場合(ステップS204でYes)、第2混合割合算出部36により、第2の混合割合が式3に従い算出される(ステップS206)。続いて、算出された第2の混合割合に基づき、式1に従い単色画像作成部38によりモノクロ画像が作成され(ステップS208)、作成された画像が出力されて(ステップS212)、一連の処理が終了する。
【0049】
以上述べた実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)上記した演算やデータ処理をコンピュータ12に実行させるため、多色画像から単色画像の作成を迅速にできる。また、作成された単色画像のデータは、コンピュータ12に保存できるため、単色画像の観賞に留まらず、画像の分析や調査等に適用できる。
【0050】
以上、本発明を図示した実施形態に基づいて説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、以下に述べるような変形例も想定できる。
画像作成装置5は、本実施形態で述べた様態に限定されるものでは無く、例えば、画像作成装置5の各機能が電子回路として集積化され、集積回路のようにチップ化された様態でも良い。
【符号の説明】
【0051】
5…画像作成装置、10…画像処理装置、12…コンピュータ、14…ディスプレイ、16…キーボード、18…マウス、20…デジタルカメラ、22…スキャナ、24…プリンタ、30…画像入力部、32…混合割合選択部、34…第1混合割合入力部、36…第2混合割合算出部、38…単色画像作成部、40…単色画像出力部、50…画像選択部、52…画像印刷部、54…画像レイアウト部、56…画像取得部、58…画像保存部、60…画像表示部、100…単色画像作成ウィンドウ、102…単色モード選択領域、104…赤の混合割合を設定する領域、106…緑の混合割合を設定する領域、108…青の混合割合を設定する領域、110…チャンネルミキサ、112…輝度維持選択領域、140…メインウィンドウ、150…ブラウズ処理領域、152…選択可能な画像、160…レイアウト処理領域、162…定型画像選択領域、164…合成画像表示領域、166…選択された画像、170…プリント処理領域、172…プリンタ選択領域、174…プリントイメージ領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多色画像が入力される画像入力部と、
複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力される混合割合入力部と、
前記入力された第1の混合割合に基づき、それぞれの色成分の総和が略一定になるように第2の混合割合を算出する算出部と、前記多色画像の色成分を前記算出された第2の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成する作成部と、
を備えることを特徴とする画像作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像作成装置において、
前記作成部は、更に、
前記多色画像の色成分を前記入力された第1の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成すると共に、
前記作成部で作成する単色画像を、前記第1の混合割合に応じて作成するか、または前記第2の混合割合に応じて作成するかを選択するための選択部を更に備えることを特徴とする画像作成装置。
【請求項3】
請求項1乃至2に記載の画像作成装置において、
前記複数の色成分は3色から成り、RGBおよびCMYの何れかであることを特徴とする画像作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像作成装置において、前記算出部は、前記第2の混合割合のうち前記複数の色成分の1つが連続して増減した場合、前記第2の混合割合のうち他の色成分をそれぞれ等しく連続して減増させ、前記第2の混合割合のそれぞれの色成分の総和を略一定に維持することを特徴とする画像作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像作成装置において、
前記算出部は、前記第1の混合割合のそれぞれが等しい場合、前記第2の混合割合もそれぞれ等しくなるように算出することを特徴とする画像作成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像作成装置において、
前記単色画像は、白黒画像であることを特徴とする画像作成装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれか1項に記載の画像作成装置において、
前記算出部は、前記第2の混合割合の算出に際して、
b’R=bR/(bR+bG+bB)+k
b’G=bG/(bR+bG+bB)+k
b’B=bB/(bR+bG+bB)+k
bR,bG,bB:各基本色の第1の混合割合
b’R,b’G,b’B:各基本色の第2の混合割合
k:所定の定数
で示される演算式を用いることを特徴とする画像作成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像作成装置において、
bR+bG+bB=0
で示される関係となる場合、(bR+bG+bB)の値を0以外の所定の値に置換することを特徴とする画像作成装置。
【請求項9】
請求項3乃至6のいずれか1項に記載の画像作成装置において、
前記算出部は、前記第2の混合割合の算出に際して、
b’R=bR−(αbR+βbG+γbB)/(α+β+γ)+k
b’G=bG−(γbR+αbG+βbB)/(α+β+γ)+k
b’B=bB−(βbR+γbG+αbB)/(α+β+γ)+k
bR,bG,bB:各基本色の第1の混合割合
b’R,b’G,b’B:各基本色の第2の混合割合
α、β、γ、k:所定の定数
で示される演算式を用いることを特徴とする画像作成装置。
【請求項10】
多色画像が入力される画像入力工程と、
複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力される混合割合入力工程と、
前記入力された第1の混合割合に基づき、それぞれの色成分の総和が略一定になるように第2の混合割合を算出する算出工程と、
前記多色画像の色成分を前記算出された第2の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成する作成工程と、
を備えることを特徴とする画像作成方法。
【請求項11】
多色画像が入力される画像入力手順と、
複数の色成分のそれぞれを混合する割合を示す第1の混合割合が入力される混合割合入力手順と、
前記入力された第1の混合割合に基づき、それぞれの色成分の総和が略一定になるように第2の混合割合を算出する算出手順と、
前記多色画像の色成分を前記算出された第2の混合割合に応じて混合することで単色画像を作成する作成手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−130510(P2011−130510A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69830(P2011−69830)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【分割の表示】特願2006−174940(P2006−174940)の分割
【原出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】