説明

画像入出力システム

【課題】外部機器からスキャン指示を受け付けリモートモードで動作中において、原稿が載置されるまでは、動作モードをローカルモードに切り換えるための割り込み指示を受け付け可能にし得る画像入出力システムを提供する。
【解決手段】画像入出力装置は、原稿載置の有無を検出する原稿検出部と、上位装置からスキャナ要求を受信後、入力部からスキャナ要求が指示された場合において、検出結果が原稿有りであると割り込み不可と判定し、検出結果が原稿無しであると割り込み可能と判定する割り込み可否判定部と、割り込み可能と判定された場合、その後検出部が原稿有りを検出し、かつ入力部から原稿読み取り開始が指示されると、スキャナ部が原稿読み取りを行う制御部とを備え、割り込み不可と判定された場合、通信部は上位装置に対し読取準備完了の通知を送信し、上位装置はその通知を受けると、ドライバはスキャナ部が原稿読み取りを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器とネットワークを介して接続するためのインタフェースを有し、かつ載置部に載置された原稿を読み取って画像データを生成するためのスキャン機能を有する画像入出力装置を備える画像入出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像入出力装置は、例えば特許文献に開示されているように、リモートモード(プリンタ処理など、ネットワークを介して接続された外部機器からの指示に基づく処理を行うモード)と、ローカルモード(印刷処理など、装置本体に備えられた操作部からの指示に基づく処理を行うモード)と、アイドルモード(リモートモード及びローカルモードのいずれかのモードへの移行待ちモード)と、の3つの動作モードを有している。
【0003】
上記装置は、アイドルモード時に外部機器からプリンタ指示(印刷データ添付)を受けると、動作モードをリモートモードに切り換え、該印刷データを印刷処理可能な画像データに変換し、該画像データに基づくプリンタ処理を開始する。そして、上記装置は、上記リモートモードでのプリンタ処理中に、印刷を所望するユーザにより上記操作部に備えられた「割り込みキー」が押下されると、該印刷処理を中断し、動作モードをローカルモードに切り換える。次に、上記装置は、上記ユーザにより「印刷ボタン」が選択され、かつ「スタートボタン」が押下されると、スキャン機能を用いて載置部に載置された原稿を読み取って画像データを生成し、該データに基づく印刷処理を開始する。その後、上記装置は、上記ローカルモードでの印刷処理を終了すると、動作モードをリモートモードに切り換え、上記中断したプリンタ処理を再開する。このように、上記装置では、ユーザの使い勝手を考慮し、リモートモードでの処理中にユーザが動作モードをローカルモードに切り換えるべく操作部から指示するための割り込み指示機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−131582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記装置では、ローカルモードでの各種処理時において、スキャン機能を用いて載置部に載置された原稿を読み取る処理が必ず行われる。そのため、上記装置では、リモートモードにおいてスキャン機能を用いるような、例えば外部機器からスキャン指示を受け付けた場合、印刷を所望する他のユーザにより「割り込みキー」が押下されると、両モードによるスキャン機能の競合が生じるため、該割り込み指示を受け付けなかった。
【0006】
しかしながら、上記装置では、上記状況において、例えば上記装置と、外部機器とが離れた場所に設置されていると、該機器の操作者でありスキャンを所望するユーザが該装置に赴き原稿を載置するまでに時間がかかり、その間、他のユーザが該装置をローカルモードに切り換えて使用することができず、ユーザの使い勝手が悪いという問題があった。
【0007】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、外部機器からスキャン指示を受け付けリモートモードで動作中の場合において、載置部に原稿が載置されるまでは、動作モードをローカルモードに切り換えるための割り込み指示を受け付け可能にし得る画像入出力装置を備える画像入出力システムを提供することにある。

【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
<構成>
本発明の画像入出力システムは、載置部に載置された原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部と、スキャナ部に対しスキャナ要求を指示するための入力部と、外部からスキャナ要求を受け付け、かつ生成した画像データを外部に送信する通信部とを備える画像入出力装置と、画像入出力装置に対しスキャナ要求を指示し、かつスキャナ部による原稿読み取り、通信部による画像データの送信を制御するドライバが格納部に格納された上位装置とが通信可能に接続されている画像入出力システムであって、画像入出力装置は、載置部における原稿載置の有無を検出する原稿検出部と、上位装置からスキャナ要求を受信後、入力部からスキャナ要求が指示された場合において、検出結果が原稿載置有りであると割り込み不可と判定し、検出結果が原稿載置無しであると割り込み可能と判定する割り込み可否判定部と、割り込み可能と判定された場合、その後検出部が原稿載置有りを検出し、かつ入力部から原稿読み取り開始が指示されると、スキャナ部が原稿読み取りを行うべく制御する制御部とを備え、割り込み不可と判定された場合、通信部は、上位装置に対し読取準備完了の通知を送信し、上位装置は、読取準備完了の通知を受信するための上位通信部を備え、読取準備完了の通知を受けると、ドライバは、スキャナ部が原稿読み取りを行うべく制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複合機100がユーザ端末300から「スキャン要求」コマンド61を受信しリモートモードで動作中において、原稿載置有無監視部108が原稿載置部17に原稿が載置されたことを検知するまでは、「COPY」ボタン41(割り込みキー)が押下されると、動作モードをローカルモードに切り換えることができるので、リモートモードとローカルモードとでスキャナ部19の使用の競合が生じる場合において、割り込み指示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の制御構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る実施例1の複合機100の入力表示部13の構成を示す図である。
【図4】本発明に係る実施例1の複合機100におけるスキャン設定画面50の表示例を示す図である。
【図5】本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000で用いる各種コマンドの構成を示す図である。
【図6】本発明に係る実施例1のユーザ端末300におけるスキャン指示画面70の表示例を示す図である。
【図7】本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の動作を示すシーケンス図(その1)である。
【図8】本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の動作を示すシーケンス図(その2)である。
【図9】本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の動作を示すシーケンス図(その3)である。
【図10】本発明に係る実施例2の画像入出力システム1000aの制御構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る実施例2の画像入出力システム1000aの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る実施例2の複合機100aにおけるユーザID入力画面80の表示例を示す図である。
【図13】本発明に係る実施例2の画像入出力システム1000aで用いる各種コマンドの構成を示す図である。
【図14】本発明に係る実施例2の画像入出力システム1000aの特徴となる動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。ここでは、画像入出力装置が印刷機能及びスキャン機能を有する複合機であり、上位装置がPC(Personal Computer)又はホストコンピュータ等のユーザ端末であることを例に、説明を行う。ここで、上記複合機及びユーザ端末は、オフィス等に導入される。
【実施例1】
【0012】
<実施例1の構成>
図2は、本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の構成を示すブロック図である。
画像入出力システム1000は、図2に示すように、複合機100と、該複合機100とネットワーク200を介して接続されているユーザ端末300とから構成される。ところで、説明を簡便に行うべく、図2には複合機100及びユーザ端末300が1台づつ示されているが、ネットワーク200には該ユーザ端末300と同様の機能を有する多数のユーザ端末が接続されている。
【0013】
次に、複合機100の構成について、図2を用いて説明する。
複合機100は、図2に示すように、CPU11と、I/F12と、入力表示部13と、RAM14と、ROM15と、HDD16と、原稿載置部17と、原稿検知部18と、スキャナ部19と、印刷部20とを備える。この複合機100が有する各部は、バス10を介して互いに接続されている。
【0014】
CPU(Central Processing Unit)11は、装置全体を制御する制御部である。
I/F(Interface)12は、ネットワーク200を介して接続するユーザ端末300と通信を行う部分である。このI/F12は、複数のチャネルを持ち、1台のユーザ端末300だけでなく、複数台のユーザ端末との間で通信を行う場合において、各種コマンドの送信と受信とを平行して行うことが可能である。
【0015】
図3は、本発明に係る実施例1の複合機100の入力表示部13の構成を示す図である。
入力表示部13は、図3に示すように、タッチパネルディスプレイ131と、各種ボタン群132と、表示ランプ群133と、「スタート」ボタン134と、「キャンセル」ボタン135とから構成される。
タッチパネルディスプレイ131は、図3に示すように、入力表示部13を操作するユーザから各種指示の入力を受け付ける、又はユーザに対する各種通知を表示するための部分である。
【0016】
以下に、タッチパネルディスプレイ131に表示される各種画面について、詳細に説明する。
そして、タッチパネルディスプレイ131は、複合機100の図示しない電源スイッチがONにされると、CPU11によるROM15に格納されている後述する制御プログラムの実行に基づいて、図3に示すような基本画面40を表示する。
基本画面40には、図3に示すように、ローカルモードでの印刷処理の指示を受け付けるための「COPY」ボタン41が表示される。この「COPY」ボタン41は、複合機100がリモートモードでの処理を実行中に押下されると、動作モードをローカルモードに切り換えるべく割り込み指示するための「割り込みキー」として機能する。
本実施例では、複合機100に対するローカルモードでの処理機能として、印刷機能のみを有する構成にしたが、これに限らずFAX機能も有する構成にしてもよい。この場合、基本画面40上には、FAX機能に対応する「FAX」ボタンが表示される。
【0017】
また、基本画面40には、図3に示すように、リモートモードでのスキャン処理に対応する「SCAN」ボタン42が表示される。
本実施例では、複合機100に対するリモートモードでの処理機能として、スキャン機能のみを有する構成にしたが、これに限らずプリンタ機能及びFAX機能も有する構成にしてもよい。この場合、基本画面40上には、プリンタ機能に対応する「PRINTER」ボタンが更に表示される。
【0018】
これら「COPY」ボタン41、「SCAN」ボタン42は、複合機100が実行中の処理に対応する当該ボタンをアクティブ状態にすることで、実行中の処理名を画面通知するためにも用いられる。
【0019】
更に、基本画面40には、図3に示すように、複合機100にエラーが生じた場合、どの箇所にエラーが生じたかを示すための自機状態図43が表示される。
【0020】
図4は、本発明に係る実施例1の複合機100におけるスキャン設定画面50の表示例を示す図である。
タッチパネルディスプレイ131を操作するユーザにより、図3に示す基本画面40に表示された「COPY」ボタン41が押下されると、図4に示すように、スキャナ部19が原稿を読み取って生成する画像データの解像度、サイズ、色調整等を詳細設定するためのスキャン設定画面50が表示される。
スキャン設定画面50には、図4に示すように、上記解像度を詳細設定するための「解像度」ボタン51と、上記サイズを詳細設定するための「サイズ」ボタン52と、上記色調整を詳細設定するための「色調整」ボタン53とが表示される。
ユーザが上記各ボタンを各々押下すると、タッチパネルディスプレイ131上には、押下した当該ボタンに対応する「解像度」、「サイズ」、「色調整」を詳細設定するための各種設定画面が表示される。
【0021】
各種ボタン群132は、図3及び4に示すように、ユーザから印刷枚数、印刷部数等を受け付けるための0〜9までの各数字に対応する複数のボタンから成る。
【0022】
表示ランプ群133は、図3及び4に示すように、複合機100の動作モードをユーザに通知するための2つのLED(Light Emitting Diode)から構成される。この表示ランプ群133は、図3及び4に示すように、上側のランプ1331のみが点灯している場合には、リモートモードで動作していることを示し、下側のランプ1332のみが点灯している場合には、ローカルモードで動作していることを示す。また、上記両ランプがいずれも非点灯の場合には、アイドルモードであることを示す。本実施例では、両ランプが点灯する構成を前提としていないが、両ランプがいずれも点灯している場合には、複合機100にエラーが発生していることを示す、という構成にしてもよい。
【0023】
「スタート」ボタン134は、ローカルモードでの動作時において、スキャナ部19に対する原稿載置部17に載置された原稿の読み取りを指示するためのボタンである。
【0024】
「キャンセル」ボタン135は、ローカルモードでの動作時において、該ローカルモードでの処理の取り消しを指示するためのボタンである。
【0025】
RAM(Random Access Memory)14は、各種情報を一時的に記憶する記憶部である。また、RAM14は、後述する制御プログラムを展開するためのワークメモリである。
ROM(Read Only Memory)15は、CPU11により実行される制御プログラムが記憶されている記憶部である。
HDD(Hard Disk Drive)16は、RAM14に記憶された各種情報を退避させるための領域を持ち、該領域がRAM14のデータ容量より十分大きいデータ容量を有する。
【0026】
原稿載置部17は、図2に示すように、複合機100に備えられた図示しないガラス板からなる原稿載置台171と、手差しトレイ172とから構成される。
この手差しトレイ172は、例えば原稿載置台171を覆う図示しないカバーの上面(原稿載置台171と当接する面とは逆の面)と一体形成され、該カバーが原稿載置台171を覆った状態において原稿を載置可能にするために用いられる。
また、手差しトレイ172は、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)を有する構成である。上記ADFは、突起を持つ機械的なスイッチを有し、手差しトレイ172に原稿が載置された際に該スイッチが押されることにより、原稿を原稿載置台171方向に自動的に搬送する。
【0027】
原稿検知部18は、図2に示すように、原稿載置台171に原稿が載置されたか否かを検知するための原稿検知センサ181と、手差しトレイ172に原稿が載置されたか否かを検知するための原稿検知スイッチ182とから構成される。
原稿検知センサ181は、発光素子と受光素子とから構成され、例えば複合機100の上記カバーが開閉されると、該開閉を検知するセンサから信号に基づき発光素子が原稿載置台171に光を照射し、受光素子が該照射した光の反射光(又は透過光)を受光し、該受光量に基づいて原稿が載置されたか否かを検知する。
原稿検知スイッチ182は、上記自動原稿送り装置に備えられた上記スイッチであり、該スイッチが押下されるか否かに基づいて原稿が載置されたか否かを検知する。
【0028】
スキャナ部19は、原稿載置台171上の原稿を光学的に読み取って画像データを生成する部分である。
即ち、スキャナ部19は、原稿載置台171に載置された、又は手差しトレイ172から原稿載置台171に搬送された原稿を走査して画像データを生成する。
ここで、スキャナ部19は、フラットベッドスキャナであり、原稿載置台171上の原稿は、白色の押え板(上記カバーの裏面に形成される)により該原稿載置台171に押え付けられる。
このスキャナ部19における画像データの生成は周知であるため、詳細な説明を割愛する。
【0029】
印刷部20は、プリンタエンジンから構成され、ローカルモードで動作中において、スキャナ部19で生成された画像データに基づく印刷処理を行う部分である。
即ち、印刷部20は、複合機100の図示しない用紙トレイ(又は手差しトレイ172とは異なる他の手差しトレイ)に積載された用紙を搬送し、該搬送した用紙に対しスキャナ部19で生成された画像データに基づく画像を形成する。
この印刷部20における印刷処理は周知であるため、詳細な説明を割愛する。
本実施例では、印刷部20は、スキャナ部19で生成された画像データに基づく印刷処理のみを行う構成として説明したが、これに限らず、リモートモードで動作中において、ユーザ端末300からプリンタ要求と共に受信した印刷データを図示しない画像処理部で印刷可能なデータ形式に変換して生成した画像データに基づく印刷処理を行うこともできる。
【0030】
次に、ユーザ端末300の構成について、図2を用いて詳細説明する。
ユーザ端末300は、図2に示すように、端末CPU31と、端末I/F32と、表示部33と、入力部34と、端末RAM35と、端末ROM36と、端末HDD37とを備える。ユーザ端末300が有するこれら各部は、バス30を介して互いに接続されている。
【0031】
端末CPU31は、端末全体を制御する制御部である。
端末I/F32は、ネットワーク200を介して接続する複合機100と通信を行う部分である。この端末I/F32は、複数のチャネルを持ち、複合機100だけでなく、図示しない他のユーザ端末との間で、各種コマンド及び各種データの送信と受信とを平行して行うことが可能である。
【0032】
表示部33は、ユーザ端末300に備えられた液晶等のディスプレイから成る。
入力部34は、ユーザ端末300を操作するユーザが複合機100へのスキャン要求の指示等、各種指示を入力するためのキーボード及びマウス等から成る。
本実施例では、入力部34は、各種指示を入力するために用いるとして説明したが、これに限らず、複合機100にプリントさせるための印刷データを作成する際に、各文字等を入力するために用いることもできる。
【0033】
端末RAM35は、各種情報を一時的に記憶する記憶部である。また、端末RAM35は、後述する端末用制御プログラム及びスキャナドライバを展開するためのワークメモリである。
端末ROM36は、端末CPU31により実行される、ユーザ端末300を制御するための端末用制御プログラムと、複合機100のスキャナ部19を制御するためのスキャナドライバとが記憶されている記憶部である。
端末HDD37は、端末RAM35に記憶された各種情報を退避させるための領域を持ち、該領域が端末RAM35のデータ容量より十分大きいデータ容量を有する。また、端末HDD37は、後述する複合機100から送信された画像データを記憶する記憶部である。
本実施例では、端末HDD37は、上記画像データを記憶するために用いるとして説明したが、これに限らず、上記生成した印刷データを記憶するために用いることもできる。
【0034】
図1は、実施例1の画像入出力システム1000の制御構成を示す図である。
以下に、本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の制御構成について、図1を用いて説明する。
先ず、複合機100の制御構成について、図1を用いて説明する。
複合機100は、図1に示すように、複合機全体を制御するための制御部101と、通信制御部102と、コマンド処理部103と、コマンド記憶部104と、コマンド管理部105と、動作モード記憶部106と、動作モード切換部107と、原稿載置有無監視部108と、原稿送り制御部109と、スキャナ制御部110と、スキャナページバッファ111と、画像データ記憶部112と、画像データ管理部113と、入力表示制御部114と、ローカル指示受付可否判定部115と、印刷制御部116とを備える。
ここで、図1に示す複合機100の各制御機能は、複合機100の図示しない電源スイッチがONにされ、CPU11がROM15に格納された制御プログラムを実行することにより、形成される。
【0035】
通信制御部102は、ユーザ端末300との間で、各種コマンドの送信と受信とを並行して行うために、複数のチャネルを有するI/F12を制御する部分である。
【0036】
図5は、本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000で用いる各種コマンドの構成を示す図である。
図5(a)〜(g)を用いて、ユーザ端末300からのスキャン要求に基づき、複合機100と該端末との間で送受信する各種コマンドの構成について説明する。
図5(a)に示すように、ユーザ端末300から複合機100に送信される「スキャン要求」コマンド61は、要求の種類を示すREQパート(01)と、コマンドの種類を示すCMDパート(01)と、要求元であるユーザ端末300のアドレス(IPアドレス等)を示すADDRパート(192.168.100.200)と、ジョブ番号を示すJOBパート(1234)と、解像度、スキャンサイズ、ガンマ値等のスキャンパラメータを示すDATパート(Resolution=300、Size=A4、Gamma=2.2)とから構成される。
【0037】
図5(b)に示すように、上記「スキャン要求」コマンド61に対する返答として複合機100からユーザ端末300へ送信される、複合機100の原稿載置部17に原稿が載置された(原稿が用意された)ことを示す「スキャンReady」コマンド62は、REQパート(01)と、CMDパート(02)と、ADDRパート(192.168.100.200)と、JOBパート(1234)とから構成される。
【0038】
図5(c)に示すように、「スキャンReady」コマンド62に対する返答として、ユーザ端末300から複合機100へ送信される、スキャナ部19に対する原稿読み取り開始の指示を示す「スキャン開始」コマンド63は、REQパート(01)と、CMDパート(03)と、ADDRパート(192.168.100.200)と、JOBパート(1234)とから構成される。
【0039】
図5(d)に示すように、「スキャン開始」コマンド63に対する返答として、複合機100からユーザ端末300へ送信される、スキャナ部19が原稿を読み取って生成した画像データを示す「画像データ」コマンド64は、REQパート(01)と、CMDパート(04)と、ADDRパート(192.168.100.200)と、JOBパート(1234)と、画像データのデータ長を示すLENパート(1024)と、画像データを示すDATパート(20,00,01,08,32,・・・,02,04,20,22,00)とから構成される。上記したように、「画像データ」コマンド64のみにLENパートの構成が含まれる。また、上記したように、「スキャン要求」コマンド61及び「画像データ」コマンド64のみにDATパートの構成が含まれる。
【0040】
図5(e)に示すように、「画像データ」コマンド64を送信し終えると、複合機100からユーザ端末300へ送信される、全ての画像データの送信が終了したことを示す「画像データ終了」コマンド65は、REQパート(01)と、CMDパート(05)と、ADDRパート(192.168.100.200)と、JOBパート(1234)とから構成される。
【0041】
図5(f)に示すように、「画像データ終了」コマンド65の返答として、ユーザ端末300から複合機100へ送信される、スキャナ部19への原稿読み取り終了の指示を示す「スキャン終了」コマンド66は、REQパート(01)と、CMDパート(06)と、ADDRパート(192.168.100.200)と、JOBパート(1234)とから構成される。
【0042】
図5(g)に示すように、ユーザ端末300からの指示、又は後述するタイムアウトにより、ユーザ端末300から複合機100へ送信される、スキャン要求のキャンセル指示を示す「スキャンCancel」コマンド67は、REQパート(01)と、CMDパート(07)と、ADDRパート(192.168.100.200)と、JOBパート(1234)とから構成される。
【0043】
コマンド処理部103は、通信制御部102の制御によりユーザ端末300から受信した各種コマンドを解析し、かつユーザ端末300に送信する各種コマンドを生成する部分である。
先ず、コマンド処理部103におけるコマンド解析処理について説明する。
コマンド処理部103は、通信制御部102のI/F12の制御によりユーザ端末300から各種コマンドを受信すると、該受信したコマンドを解析し、上記REQパートの値に基づいて、要求処理の種類を判定する。
ここで、REQパートが「01」の場合には、図5に示すように、ユーザ端末300から「スキャン処理」に関するコマンドを受信したと判定する。
本実施例では、コマンド処理部103が「スキャン処理」に関するコマンドのみを解析する構成として説明するが、これに限らず、「プリント処理」及び「FAX処理」に関するコマンドを解析する構成にしてもよい。
この場合、例えば解析したコマンドのREQパートが「02」の場合には「プリンタ処理」に関するコマンドを受信したと判定し、REQパートが「03」の場合には「FAX処理」に関するコマンドを受信したと判定する。
【0044】
そして、コマンド処理部103は、CMDパートの値に基づいて、コマンド(命令)の種類を判定する。
ここで、REQパートが「01:スキャン処理」の場合において、図5に示すように、CMDパートが「01」の場合には、スキャン処理の要求を示す「スキャン要求」コマンド61を受信したと判定する。
また、CMDパートが「03」の場合には、スキャン処理の開始指示示す「スキャン開始」コマンド63を受信したと判定する。
更に、CMDパートが「06」の場合には、スキャン処理の終了指示を示す「スキャン終了」コマンド66を受信したと判定する。
そして、CMDパートが「07」の場合には、スキャン要求のキャンセル指示を示す「スキャンCancel」コマンド67を受信したと判定する。
【0045】
また、コマンド処理部103は、ADDRパートのユーザ端末300のアドレス値(IPアドレス等)に基づいて、要求元であるユーザ端末300を識別する。通信制御部102は、各コマンドのADDRパートのユーザ端末300のアドレス値(IPアドレス等)に基づいて、該コマンドの送信を制御する。
更に、コマンド処理部103は、JOBパートのJOB番号に基づいて、要求元であるユーザ端末300からのジョブを識別する。
【0046】
そして、コマンド処理部103は、取得したコマンドが「スキャン要求」コマンド61の場合には、更にDATパートのスキャンパラメータに基づいて、スキャン処理に関する解像度、スキャンサイズ、ガンマ値等のパラメータを識別する。
【0047】
コマンド処理部103が各コマンドを解析する毎に、制御部101は、コマンド管理部105に各コマンドを転送する。
【0048】
次に、コマンド処理部103におけるコマンド生成処理について説明する。
コマンド処理部103は、後述する「スキャンReady」コマンド生成の指示を受けると、「スキャン要求」コマンド61に含まれるREQパート、ADDRパート及びJOBパートの値と、予め設定されたReadyを示すCMDパート「02」とを用いて、図5(b)に示す各パートで構成された「スキャンReady」コマンド62を生成する。
【0049】
そして、コマンド処理部103は、後述する「画像データ」コマンド生成の指示と共に、画像データを受けると、「スキャン要求」コマンド61に含まれるREQパート、ADDRパート及びJOBパートの値と、該画像データ(DATパート)及び該画像データのデータ長(LENパート)と、予め設定された画像データを示すCMDパート「04」とを用いて、図5(d)に示す各パートで構成された「画像データ」コマンド64を生成する。
【0050】
また、コマンド処理部103は、後述する「画像データ終了」コマンドの生成の指示を受けると、「スキャン要求」コマンド61に含まれるREQパート、ADDRパート及びJOBパートの値と、予め設定された画像データ終了を示すCMDパート「05」とを用いて、図5(e)に示す「画像データ終了」コマンド65を生成する。
【0051】
コマンド処理部103が各コマンドを生成する毎に、通信制御部102は、I/F12を制御して各コマンドをユーザ端末300に送信する。各コマンドがユーザ端末300に送信される毎に、制御部101は、コマンド管理部105に各コマンドを転送する。
【0052】
コマンド記憶部104は、複合機100とユーザ端末300との間で送受信する各種コマンドを記憶する部分である。
コマンド管理部105は、コマンド記憶部104への各コマンドの記憶と、該記憶部に記憶された各コマンドの削除等を行う部分である。
即ち、コマンド管理部105は、各コマンドを受けると、該コマンドをコマンド記憶部104記憶する。
【0053】
また、コマンド管理部105は、後述するコマンド削除の指示を受けると、コマンド記憶部104に記憶された全コマンドを削除する。
【0054】
制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャン要求」コマンド61が記憶されると、動作モード切換部107に「リモートモード」への切り換えを指示する。
【0055】
一方、制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャン終了」コマンド66、又は「スキャンCancel」コマンド67が記憶されると、コマンド管理部105に「コマンド削除」を指示する。その後、制御部101は、コマンド記憶部104から全てのコマンドが削除されると、動作モード切換部107に「アイドルモード」への切り換えを指示する。
【0056】
動作モード記憶部106は、複合機100の現行動作に対応する動作モード名を記憶するための記憶部である。
この動作モード記憶部106には、「リモートモード」、「ローカルモード」、「アイドルモード」のいずれかの動作モード名が記憶される。
ここで、複合機100の図示しない電源がONにされ、該機の各部に電源が供給される初期状態においては、動作モード記憶部106には、初期値として「アイドルモード」が記憶される。
【0057】
動作モード切換部107は、制御部101の制御に基づき動作モード記憶部106に記憶された動作モード名を切り換える部分である。
即ち、動作モード切換部107は、制御部101から「リモートモード」への切り換えの指示を受けると、動作モード記憶部106に記憶された動作モード名を「リモートモード」に切り換える。
【0058】
一方、動作モード切換部107は、制御部101から「アイドルモード」への切り換えの指示を受けると、上記動作モード名を「アイドルモード」へ切り換える。
【0059】
また、動作モード切換部107は、制御部101から後述する「ローカルモード」への切り換えの指示を受けると、上記動作モードを「ローカルモード」へ切り換える。
【0060】
原稿載置有無監視部108は、原稿載置台171に原稿が載置されたか否かを検知する原稿検知センサ181と、手差しトレイ172に原稿が載置されたか否かを検知する原稿検知スイッチ182との検知結果を常時監視する部分である。
即ち、原稿載置有無監視部108は、原稿検知センサ181が原稿載置台171に原稿が載置されたことを検知すると、台載置検知信号を出力する。
【0061】
また、原稿載置有無監視部108は、原稿検知スイッチ182が手差しトレイ172に原稿が載置されたことを検知すると、トレイ載置検知信号を出力する。
【0062】
制御部101は、上記台載置検知信号、又はトレイ載置検知信号を受けると、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されている場合には、コマンド処理部103に対し、スキャン要求に対応する原稿が載置(準備)されたことを示す「スキャンReady」コマンドの生成を指示する。
その後、制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャン開始」コマンド63が記憶されると、上記台載置検知信号を受信している場合には、スキャナ制御部110に画像読み取り開始を指示する。
一方、制御部101は、上記トレイ載置検知信号を受信している場合には、原稿送り制御部109に原稿送りを指示すると共に、スキャナ制御部110に画像読み取り開始を指示する。
【0063】
また、制御部101は、上記台載置検知信号、又は上記トレイ載置検知信号を受けると、動作モード記憶部106に「ローカルモード」が記憶されている場合には、既に「COPY」ボタン41が押下されているので、入力表示制御部114に対しスタートボタン押下指示画面の表示を指示する。
その後、制御部101は、入力表示制御部114の制御により「スタート」ボタン134が押下されたことを検知すると、上記台載置検知信号を受信している場合には、スキャナ制御部110に画像読み取り開始を指示する。
一方、制御部101は、上記トレイ載置検知信号を受信している場合には、原稿送り制御部109に原稿送りを指示すると共に、スキャナ制御部110に画像読み取り開始を指示する。
【0064】
更に、制御部101は、上記台載置検知信号、又は上記トレイ載置検知信号を受けると、動作モード記憶部106に「アイドルモード」が記憶されている場合には、入力表示制御部114に対しCOPYボタン押下指示画面の表示を指示する。
その後、制御部101は、入力表示制御部114の制御により「COPY」ボタン41の押下を検知すると、動作モード切換部107にローカルモードへの切り換えを指示する。
【0065】
原稿送り制御部109は、手差しトレイ172に載置された原稿をスキャナ部19が原稿を読み取るべく原稿載置台171へ順次送り、読み取り済みの原稿を複合機100の図示しないスタッカ上に積載させるべく順次送る、原稿送りの制御を行う部分である。
即ち、原稿送り制御部109は、制御部101から原稿送りの指示を受けると、手差しトレイ172に載置された原稿を順次原稿載置台171を経由して上記スタッカ方向へ送り出すべく制御する。
【0066】
スキャナ制御部110は、スキャナ部19における原稿読み取り処理を制御する部分である。
即ち、スキャナ制御部110は、原稿読み取り開始の指示を受けると、スキャナ部19を駆動させ、該スキャナ部19が原稿載置台171に載置された原稿を走査し光学的に読み取って画像データを生成すべく制御する。
【0067】
また、スキャナ制御部110は、後述する原稿読み取り終了の指示を受けると、スキャナ部19が駆動を停止させるべく制御する。
【0068】
スキャナページバッファ111は、スキャナ部19が読み取り可能な最大の原稿サイズ、最大解像度で読み取った際に、少なくとも1ページ分の画像データを格納可能な一時記憶部である。
即ち、スキャナ部19が1ページ分の原稿に相当する各画像データを生成する毎に、スキャナ制御部110の制御により、該画像データがスキャナページバッファ111に記憶される。
そして、スキャナページバッファ111に画像データが記憶される毎に、制御部101は、画像データ管理部113に該画像データを転送する。
【0069】
画像データ記憶部112は、スキャナ部19が生成した画像データを記憶するための記憶部である。
【0070】
画像データ管理部113は、画像データ記憶部112への画像データの記憶、又は該記憶部から画像データを削除する等を行う部分である。
即ち、画像データ管理部113は、画像データを受ける毎に、画像データ記憶部112に該画像データを記憶する。
【0071】
また、画像データ管理部113は、後述する画像データの削除の指示を受けると、画像データ記憶部112に記憶された全ての画像データを削除する。
【0072】
制御部101は、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されている場合、画像データ記憶部112に画像データが記憶される毎に、コマンド処理部103に「画像データ」コマンドの生成を指示すると共に、該画像データを転送する。
そして、制御部101は、画像データ記憶部112に記憶された全ての画像データの転送を終えると、コマンド処理部103に「画像データ終了」コマンドの生成を指示する。
【0073】
一方、制御部101は、動作モード記憶部106に「ローカルモード」が記憶されている場合、画像データ記憶部112に画像データが記憶される毎に、印刷制御部116に印刷処理を指示すると共に、該画像データを転送する。
【0074】
コマンド記憶部104に「スキャン終了」コマンド66が記憶されると、制御部101は、スキャナ制御部110に画像読み取り終了を指示すると共に、コマンド管理部105にコマンド削除を指示し、画像データ管理部113に画像データの削除を指示する。
【0075】
制御部101は、コマンド記憶部104から全てのコマンド情報が削除されると、動作モード切換部107に「アイドルモード」への切り換えを指示する。
【0076】
入力表示制御部114は、各種ボタン、表示ランプ群133及びタッチパネルディスプレイ131等から成る入力表示部13に対する入力及び表示の制御を行う部分である。この入力表示制御部114は、ユーザに対し、リモートモードで処理を行っているのか、又はローカルモードで処理を行っているのか、又はアイドルモードであるのかを示すために、上記表示ランプ群を構成する各LEDが点灯、非点灯すべく制御する。ここで、入力表示制御部114は、動作モード記憶部106に記憶された各モードに基づいて、表示ランプ群の表示を制御する。
【0077】
そして、入力表示制御部114は、入力表示部13が有するタッチパネルディスプレイ131、又は各種ボタン群132の操作に基づく各種要求の受け付けを制御する。
また、入力表示制御部114は、タッチパネルディスプレイ131上に各種画面を表示すべく制御を行う。
即ち、入力表示制御部114は、上記COPYボタン押下指示画面の表示指示を受けると、ユーザに対し「COPY」ボタン41の押下を促すために、図示しないメモリに予め設定された「COPYボタン押下指示画面」をタッチパネルディスプレイ131上に表示する。
【0078】
また、入力表示制御部114は、上記スタートボタン押下指示画面の表示指示を受けると、ユーザに対し「スタート」ボタン134の押下を促すために、図示しないメモリに予め設定された「スタートボタン押下指示画面」をタッチパネルディスプレイ131上に表示する。
【0079】
更に、入力表示制御部114は、後述する基本画面の表示指示を受けると、図3に示す基本画面40をタッチパネルディスプレイ131上に表示する。
【0080】
ローカル指示受付可否判定部115は、「COPY」ボタン41の押下に基づき、ローカルモードでの処理の指示を受け付け可能か否かを判定する部分である。
即ち、ローカル指示受付可否判定部115は、「COPY」ボタン41が押下されると、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されている場合には、コマンド記憶部104に「スキャン要求」コマンド61のみが記憶されていると、スキャン要求に対応する原稿が未載置のため、「ローカル指示受付可」と判定する。
【0081】
一方、ローカル指示受付可否判定部115は、コマンド記憶部104に「スキャン要求」コマンド61及び「スキャンReady」コマンド62が記憶されていると、スキャン要求に対応する原稿が載置済みのため、「ローカル指示受付不可」と判定する。このように、例えばユーザ端末300から移動した端末ユーザが原稿を載置した際に、誤って「COPY」ボタン41を押下した場合、該押下は無効とされる。
【0082】
また、ローカル指示受付可否判定部115は、動作モード記憶部106に「アイドルモード」が記憶されている場合には、「ローカル指示受付可」と判定する。
【0083】
更に、ローカル指示受付可否判定部115は、動作モード記憶部106に「ローカルモード」が記憶されている場合には、「ローカル指示受付不可」と判定する。このように、例えばローカルモードでの動作中に印刷を所望するユーザが「COPY」ボタン41を間違えて再び押下した場合、該押下は無効とされる。
【0084】
ローカル指示受付可否判定部115が「ローカル指示受付可」と判定すると、制御部101は、動作モード切換部107に「ローカルモード」への切り換えを指示する。
【0085】
印刷制御部116は、印刷部20に画像データに基づく印刷処理を行わせるべく制御する部分である。
即ち、印刷制御部116は、印刷処理の指示と共に、画像データを受けると、印刷部20を制御して該画像データに基づく印刷処理を行う。印刷処理済みの原稿は、原稿送り制御部109の制御により、複合機100の図示しないスタッカ上に積載される。
【0086】
印刷制御部116が該当する全ての画像データに基づく印刷制御を終了すると、制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャン要求」コマンド61が記憶されていると、動作モード切換部107に「リモートモード」への切り換えを指示する。これにより、複合機100では、「スキャン要求」コマンド61を受信後、割り込みが発生して印刷処理を行った場合、該印刷処理を終了すると、再びスキャン要求に基づく処理を行うことが可能である。
【0087】
一方、制御部101は、コマンド記憶部104にコマンドが記憶されていない場合には、動作モード切換部107に「アイドルモード」への切り換えを指示する。
【0088】
次に、ユーザ端末300の制御構成について、図1を用いて詳細説明する。
ユーザ端末300は、図1に示すように、端末全体を制御するための端末制御部301と、複合機100とネットワーク200を介してコマンドの送受信を行うための端末通信制御部302と、UI(User Interface)処理部303と、複合機能力情報記憶部304と、データアクセス部305と、能力判定部306と、スキャン主処理部307と、画像処理部308と、端末画像データ記憶部309とから構成される。
【0089】
端末制御部301は、ユーザ端末300を操作するユーザから入力部34を介してスキャナドライバを起動するための指示が入力され、端末ROM36に記憶されたスキャナドライバが起動されることにより、上記各制御構成を形成する。
【0090】
端末通信制御部302は、端末通信制御部302と複合機100との間で、各種コマンドの送信と受信とを並行して行うために、複数のチャネルを有する端末I/F32を制御する制御部である。
【0091】
図6は、本発明に係る実施例1のユーザ端末300におけるスキャン指示画面70の表示例を示す図である。
UI処理部303は、上記スキャナドライバの起動に基づき、表示部33上に図6に示すように、スキャン要求を受け付けるためスキャン指示画面70を表示させ、かつ該画面上の各リストの選択、及び各ボタンの押下を受け付けるなど、ユーザとのインタフェースを処理する部分である。
このスキャン指示画面70には、図6に示すように、解像度やサイズ、ガンマ値等のスキャン処理に関する各種設定リスト71、「スキャン開始」ボタン72、「スキャンCancel」ボタン73、「スキャン終了」ボタン74、スキャンデータ保存先リスト75等が表示される。
【0092】
「スキャン開始」ボタン72は、スキャン要求の指示を受け付けるために用いられる。
「スキャンCancel」ボタン73は、スキャン要求のキャンセル指示を受け付けるために用いられる。
「スキャン終了」ボタン74は、スキャナドライバの起動終了を指示するために用いられる。
【0093】
スキャンデータ保存先リスト75は、複合機100から受信した「画像データ」コマンド64に含まれる画像データ(スキャンデータ)の格納先を指定するために用いられる。
【0094】
端末ユーザによりスキャン指示画面70上に表示された各種設定リスト71から解像度やサイズ、ガンマ値等の各種設定が行われ、スキャンデータ保存先リスト75から画像データの格納先が指定され、その後「スキャン開始」ボタン72が押下されると、UI処理部303は、上記各設定を示すスキャン設定情報を出力する。
【0095】
一方、UI処理部303は、入力部34を介して上記「スキャンCancel」ボタン73が押下されると、キャンセル指示検知信号を出力する。
【0096】
また、UI処理部303は、入力部34を介して上記「スキャン終了」ボタン74が押下されると、表示部33に表示されたスキャン指示画面70の表示を終了する。
【0097】
端末制御部301は、上記スキャン設定情報を受けると、能力判定部306にスキャナパラメータの判定を指示すると共に、該スキャン設定情報を転送する。
【0098】
一方、端末制御部301は、上記キャンセル指示検知信号を受けると、スキャナ主処理部307に「スキャンCancel」コマンドの生成を指示する。
【0099】
複合機能力情報記憶部304は、複合機100の通信能力、該機のスキャナ部19のスキャン能力などを示す複合機能力情報を予め記憶するための部分である。
データアクセス部305は、複合機能力情報記憶部304に記憶された複合機能力情報の読み出しを行うための部分である。
【0100】
能力判定部306は、上記スキャン設定情報と、上記複合機能力情報に含まれるスキャン能力とから、複合機100のスキャナ部19に対する適切なスキャナパラメータを判定する部分である。
即ち、能力判定部306は、スキャナパラメータの判定の指示と共に、上記スキャン設定情報を受けると、データアクセス部305を介して複合機能力情報記憶部304に記憶された複合機能力情報に含まれるスキャン能力を読み出し、該スキャナ能力情報と、該スキャン設定情報とから適切なスキャナパラメータを判定する。
【0101】
能力判定部306がスキャナパラメータを判定すると、端末制御部301は、スキャン主処理部307にスキャン指示発生を通知すると共に、該スキャナパラメータを転送する。
【0102】
スキャン主処理部307は、複合機100と送受信するコマンドの生成及び解析を行うなど、スキャンに関連する一連の処理を制御する部分である。
即ち、スキャン主処理部307は、スキャン指示発生の通知と共に、スキャナパラメータを受けると、該スキャナパラメータを用いて「スキャン要求」コマンド61を生成する。
ここで、スキャン主処理部307は、図示しないメモリに予め設定されているユーザ端末300のIPアドレスの値をADDRパートに格納する。
また、スキャン主処理部307は、該スキャン要求に対応するジョブ番号をJOBパートに格納する。
【0103】
スキャン主処理部307が各コマンドを生成する毎に、端末通信制御部302は、各コマンドを複合機100に送信する。
【0104】
スキャン主処理部307は、図1に示すように、タイマカウンタ3071を有する。
端末通信制御部302が端末I/F32を制御して「スキャン要求」コマンド61を送信すると、スキャン主処理部307は、タイマカウンタ3071を用いて所定時間の計測(タイマカウント)を開始し、複合機100からの「スキャンReady」コマンド62待ち状態に移行する。ここで、所定時間は、例えば1分と設定する。
【0105】
そして、スキャン主処理部307は、タイマカウントを開始してから所定時間が経過する(タイムアウト)前に、端末通信制御部302の端末I/F32の制御により複合機100から「スキャンReady」コマンド62を受信すると、複合機100のスキャナ部19にスキャン開始を指示するための「スキャン開始」コマンド63を生成する。ここで、スキャン主処理部307は、複合機100から受信した各コマンドを解析することにより、各コマンドの種類を判定する。
【0106】
一方、スキャン主処理部307は、「スキャンReady」コマンド62を受信する前に、タイムアウトすると、スキャン要求をキャンセルするための「スキャンCancel」コマンド67を生成する。
【0107】
また、スキャン主処理部307は、上記キャンセル指示検知信号を受けると、「スキャンCnacel」コマンド67を生成する。
【0108】
スキャン主処理部307は、端末通信制御部302の端末I/F32の制御により複合機100から「画像データ」コマンド64を受信すると、該コマンドのDATパートに含まれる画像データを画像処理部308に転送する。
【0109】
その後、スキャン主処理部307は、端末通信制御部302の端末I/F32の制御により複合機100から「画像データ終了」コマンド65を受けると、複合機100のスキャナ部19におけるスキャン処理を終了させるべく、「スキャン終了」コマンド66を生成する。
【0110】
画像処理部308は、複合機100から受信した画像データをビットマップ形式のデータ(印刷データ)に変換処理する部分である。
即ち、画像処理部308は、画像データを受ける毎に、該画像データをビットマップ形式のデータ(印刷データ)に変換する。
【0111】
画像処理部308が画像データを上記印刷データに変換する毎に、端末制御部301は、該印刷データを上記各設定情報に含まれるデータ格納先に基づいて、該設定記憶領域である端末画像データ記憶部309に順次記憶する。
【0112】
<実施例1の動作>
図7は、本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の動作を示すシーケンス図(その1)である。
次に、ユーザ端末300からのスキャン要求に基づき、複合機100に該要求に対応する原稿が原稿載置部17に載置された場合の画像入出力システム1000の動作について、図7を用いて詳細に説明する。
【0113】
複合機100の図示しない電源スイッチがONにされると、該機のタッチパネルディスプレイ131は、CPU11によるROM15に格納されている制御プログラムの実行に基づいて、図3に示すような基本画面40を表示する。
【0114】
ユーザ端末300を操作する端末ユーザから入力部34を介してスキャナドライバが起動されると、UI処理部303は、表示部33上に図6に示すようなスキャン指示画面70を表示する。
【0115】
端末ユーザが入力部34を介してスキャン指示画面70上に表示された各種設定リスト71から解像度やサイズ、ガンマ値等の各種設定を行い、スキャンデータ保存先リスト75から画像データの格納先の指定を行い、その後「スキャン開始」ボタン72を押下すると、UI処理部303は、上記各設定を示すスキャン設定情報を出力する。
【0116】
端末制御部301は、上記スキャン設定情報を受けると、能力判定部306にスキャナパラメータの判定を指示すると共に、該スキャン設定情報を転送する。
【0117】
能力判定部306は、スキャナパラメータの判定の指示と共に、上記スキャン設定情報を受けると、データアクセス部305を介して複合機能力情報記憶部304に記憶された複合機能力情報に含まれるスキャン能力を読み出し、該スキャナ能力情報と、該スキャン設定情報とから適切なスキャナパラメータを判定する。
【0118】
能力判定部306がスキャナパラメータを判定すると、端末制御部301は、スキャン主処理部307にスキャン指示発生を通知すると共に、該スキャナパラメータを転送する。
【0119】
スキャン主処理部307は、スキャン指示発生の通知と共に、スキャナパラメータを受けると、該スキャナパラメータを用いて「スキャン要求」コマンド61を生成する。
【0120】
スキャン主処理部307が「スキャン要求」コマンド61を生成すると、端末通信制御部302は、端末I/F32を制御して該「スキャン要求」コマンド61を複合機100に送信する(ステップS101)。端末通信制御部302が端末I/F32を制御して「スキャン要求」コマンド61を送信すると、スキャン主処理部307は、タイマカウンタ3071を用いて所定時間(1分)の計測(タイマカウント)を開始し、複合機100からの「スキャンReady」コマンド62待ち状態に移行する。
【0121】
複合機100の通信制御部102は、I/F12を制御してユーザ端末300から「スキャン要求」コマンド61を受信する。コマンド処理部103は、コマンド解析処理に基づき「スキャン要求」コマンド61を受信したと判定する。
【0122】
コマンド処理部103が「スキャン要求」コマンド61を解析すると、制御部101は、コマンド管理部105に該コマンドを転送する。コマンド管理部105は、「スキャン要求」コマンド61を受けると、該コマンドをコマンド記憶部104記憶する。
【0123】
制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャン要求」コマンド61が記憶されると、動作モード切換部107に「リモートモード」への切り換えを指示する。
【0124】
動作モード切換部107は、制御部101から「リモートモード」への切り換えの指示を受けると、動作モード記憶部106に記憶された動作モード名を「リモートモード」に切り換える。
【0125】
上記端末ユーザは、複合機100に赴き、手差しトレイ172にスキャン要求に対応する原稿を載置する。
この時、手差しトレイ172に原稿が載置されると、該手差しトレイ172が有する自動原稿送り装置の突起を持つ機械的な構成から成る原稿検知スイッチ182は、該原稿により押下される。そして、原稿検知スイッチ182は、該スイッチが押下されると、原稿が載置されたことを検知する。
原稿載置有無監視部108は、原稿検知スイッチ182が手差しトレイ172に原稿が載置されたことを検知すると、トレイ載置検知信号を出力する(ステップS102)。
【0126】
制御部101は、上記トレイ載置検知信号を受けると、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されているので、コマンド処理部103に対し、スキャン要求に対応する原稿が準備されたことを示す「スキャンReady」コマンドの生成を指示する。
【0127】
コマンド処理部103は、「スキャンReady」コマンド生成の指示を受けると、図5(b)に示す「スキャンReady」コマンド62を生成する。
【0128】
コマンド処理部103が「スキャンReady」コマンド62を生成すると、通信制御部102は、I/F12を制御して該コマンドをユーザ端末300に送信する(ステップS103)。「スキャンReady」コマンド62がユーザ端末300に送信されると、制御部101は、コマンド管理部105に該コマンドを転送する。コマンド管理部105は、「スキャンReady」コマンド62を受けると、該コマンドをコマンド記憶部104に記憶する。
【0129】
ユーザ端末300のスキャン主処理部307は、タイマカウントを開始してから所定時間(1分)が経過する(タイムアウト)前に、端末通信制御部302の端末I/F32の制御により複合機100から「スキャンReady」コマンド62を受信すると、図5(c)に示す「スキャン開始」コマンド63を生成する。
【0130】
スキャン主処理部307が「スキャン開始」コマンド63を生成すると、端末通信制御部302は、端末I/F32を制御して該コマンドを複合機100に送信する(ステップS104)。
【0131】
複合機100の通信制御部102は、I/F12を制御して「スキャン開始」コマンド63を受信する。コマンド処理部103は、コマンド解析処理に基づき「スキャン開始」コマンド63を受信したと判定する。
【0132】
コマンド処理部103が「スキャン開始」コマンド63を解析すると、制御部101は、コマンド管理部105に該コマンドを転送する。コマンド管理部105は、「スキャン開始」コマンド63を受けると、該コマンドをコマンド記憶部104に記憶する。
【0133】
制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャン開始」コマンド63が記憶されると、上記トレイ載置検知信号を受信しているので、原稿送り制御部109に原稿送りを指示すると共に、スキャナ制御部110に画像読み取り開始を指示する。
【0134】
原稿送り制御部109は、制御部101から原稿送りの指示を受けると、手差しトレイ172に載置された原稿を順次原稿載置台171を経由して上記スタッカ方向へ送り出すべく制御する。
【0135】
スキャナ制御部110は、原稿読み取り開始の指示を受けると、スキャナ部19を駆動させ、該スキャナ部19が原稿載置台171に載置された原稿を走査し光学的に読み取って画像データを生成すべく制御する(ステップS105)。
【0136】
スキャナ部19が1ページ分の原稿に相当する各画像データを生成する毎に、スキャナ制御部110の制御により、該画像データがスキャナページバッファ111に記憶される。スキャナページバッファ111に画像データが記憶される毎に、制御部101は、画像データ管理部113に該画像データを転送する。
【0137】
画像データ管理部113は、画像データを受ける毎に、画像データ記憶部112に該画像データを記憶する。
【0138】
制御部101は、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されているので、画像データ記憶部112に画像データが記憶される毎に、コマンド処理部103に「画像データ」コマンドの生成を指示すると共に、該画像データを転送する。
【0139】
コマンド処理部103は、「画像データ」コマンド生成の指示と共に、画像データを受けると、図5(d)に示す「画像データ」コマンド64を生成する。
【0140】
コマンド処理部103が「画像データ」コマンド64を生成する毎と、通信制御部102は、I/F12を制御して生成した該コマンドをユーザ端末300に送信する(ステップS106)。
【0141】
ユーザ端末300のスキャン主処理部307は、端末通信制御部302の制御により複合機100から「画像データ」コマンド64を受ける毎に該コマンドを解析し、該コマンドのDATパートに含まれる画像データを画像処理部308に転送する。
【0142】
画像処理部308は、画像データを受ける毎に、該画像データをビットマップ形式のデータ(印刷データ)に変換する。画像処理部308が画像データを上記印刷データに変換する毎に、端末制御部301は、該印刷データを上記各設定情報に含まれるデータ格納先に基づいて、該設定記憶領域である端末画像データ記憶部309に順次記憶する。
【0143】
そして、制御部101は、画像データ記憶部112に記憶された全ての画像データをコマンド処理部103に転送し終えると、該コマンド処理部103に画像データ終了コマンドの生成を指示する。
【0144】
コマンド処理部103は、画像データ終了コマンドの生成の指示を受けると、図5(e)に示す「画像データ終了」コマンド65を生成する。
【0145】
コマンド処理部103が「画像データ終了」コマンド65を生成すると、通信制御部102は、I/F12を制御して該コマンドをユーザ端末300に送信する(ステップS107)。
【0146】
ユーザ端末300のスキャン主処理部307は、端末通信制御部302の制御により複合機100から「画像データ終了」コマンド65を受信すると、複合機100のスキャナ部19におけるスキャン処理を終了させるべく、図5(f)に示す「スキャン終了」コマンド66を生成する。
【0147】
スキャン主処理部307が「スキャン終了」コマンド66を生成すると、端末通信制御部302は、端末I/F32を制御して該コマンドを複合機100に送信する(ステップS108)。
【0148】
複合機100の通信制御部102は、I/F12を制御して「スキャン終了」コマンド66を受信する。コマンド処理部103は、コマンド解析処理に基づき「スキャン終了」コマンド66を受信したと判定する。
【0149】
コマンド処理部103が「スキャン終了」コマンド66を解析すると、制御部101は、コマンド管理部105に該コマンドを転送する。コマンド管理部105は、「スキャン終了」コマンド66を受けると、該コマンドをコマンド記憶部104に記憶する。
【0150】
制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャン終了」コマンド66が記憶されると、スキャナ制御部110に画像読み取りの終了を指示すると共に、コマンド管理部105にコマンド削除を指示し、画像データ管理部113に画像データの削除を指示する。
【0151】
スキャナ制御部110は、画像読み取り終了の指示を受けると、スキャナ部19が駆動を停止させるべく制御する。
【0152】
コマンド管理部105は、コマンド削除の指示を受けると、コマンド記憶部104に記憶された全コマンドを削除する。
【0153】
画像データ管理部113は、画像データの削除の指示を受けると、画像データ記憶部112に記憶された全ての画像データを削除する。
【0154】
制御部101は、コマンド記憶部104から全てのコマンド情報が削除されると、動作モード切換部107に「アイドルモード」への切り換えを指示する。
【0155】
動作モード切換部107は、「アイドルモード」への切り換えの指示を受けると、動作モード記憶部106に記憶された動作モードを「アイドルモード」に切り換える。これにより、複合機100は、リモートモードでの処理を終了する。
【0156】
図8は、本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の動作を示すシーケンス図(その2)である。
次に、ユーザ端末300から複合機100に「スキャン要求」コマンド61が送信された後、複合機100の原稿載置部17に該指示に対応する原稿が載置される前に、「COPY」ボタン41が押下された場合の画像入出力システム1000の動作について、図8を用いて詳細に説明する。
【0157】
図8のステップS201の動作は、図7のステップS101の動作と同じである。
【0158】
複合機100のローカル指示受付可否判定部115は、印刷処理を所望するユーザにより「COPY」ボタン41が押下されると(ステップS202)、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されているが、コマンド記憶部104に「スキャン要求」コマンド61のみが記憶されているので、スキャン要求に対応する原稿が未載置のため、「ローカル指示受付可」と判定する。
【0159】
ローカル指示受付可否判定部115が「ローカル要求受付可」と判定すると、制御部101は、動作モード切換部107に「ローカルモード」への切り換えを指示する。
【0160】
動作モード切換部107は、ローカルモードへの切り換えの指示を受けると、動作モード記憶部106に記憶された動作モード「リモートモード」を「ローカルモード」に切り換える。
【0161】
その後、上記ユーザにより手差しトレイ172に原稿を載置され、原稿載置有無監視部108がトレイ載置検知信号を出力すると(ステップS203)、制御部101は、入力表示制御部114に対しスタートボタン押下指示画面の表示を指示する。
【0162】
入力表示制御部114は、上記スタートボタン押下指示画面の表示指示を受けると、ユーザに対し「スタート」ボタン134の押下を促すために、図示しないメモリに予め設定された「スタートボタン押下指示画面」をタッチパネルディスプレイ131上に表示する。
【0163】
そして、上記ユーザにより「スタート」ボタン134が押下されると、制御部101は、原稿送り制御部109に原稿の送りを指示すると共に、スキャナ制御部110に画像読み取りを指示する。
【0164】
図8のステップS204の動作は、図7のステップS105の動作と同じである。
【0165】
制御部101は、動作モード記憶部106に「ローカルモード」が記憶されているので、画像データ記憶部112に画像データが記憶される毎に、印刷制御部116に印刷処理を指示すると共に、該画像データを転送する。
【0166】
印刷制御部116は、印刷処理の指示と共に、画像データを受けると、印刷部20を制御して該画像データに基づく印刷処理を行う(ステップS205)。
この時、印刷部20は、複合機100の図示しない用紙トレイに積載された用紙を搬送し、該搬送した用紙に対し上記画像データに基づく画像を形成する。この印刷処理により生成された印刷物は、複合機100の図示しない排出口から排出され、該複合機100の図示しない排出スタッカ上に積載される。
また、印刷処理済みの原稿は、原稿送り制御部109の制御により、複合機100の図示しないスタッカ上に積載される。
【0167】
印刷制御部116が該当する全ての画像データに基づく印刷制御を終了すると、制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャン要求」コマンド61が記憶されていると、動作モード切換部107に「リモートモード」への切り換えを指示する。
【0168】
動作モード切換部107は、リモートモードへの切り換えの指示を受けると、動作モード記憶部106に記憶された動作モード「ローカルモード」を「リモートモード」に切り換える。
【0169】
上記ユーザが複合機100から出力された印刷物と原稿とを持ちながら該機から去ると、印刷処理が終わるのを待っていた上記端末ユーザは、複合機100の手差しトレイ172に原稿を載置する。
【0170】
原稿載置有無監視部108は、原稿検知スイッチ182が手差しトレイ172に原稿が載置されたことを検知すると、トレイ載置検知信号を出力する(ステップS206)。
【0171】
制御部101は、上記トレイ載置検知信号を受けると、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されているので、コマンド処理部103に対し、スキャン要求に対応する原稿が準備されたことを示す「スキャンReady」コマンドの生成を指示する。
【0172】
図8のステップS207〜S212の動作は、図7のステップS103〜S108の動作と同じである。
【0173】
図9は、本発明に係る実施例1の画像入出力システム1000の動作を示すシーケンス図(その3)である。
次に、ユーザ端末300から複合機100に「スキャン要求」コマンド61が送信された後、端末ユーザからユーザ端末300の入力部34を介して「スキャンCancel」ボタン73が押下された場合の画像入出力システム1000の動作について、図9を用いて詳細に説明する。
【0174】
図9のステップS301の動作は、図7のステップS101の動作と同じである。
図9のステップS302の動作は、図8のステップS202の動作と同じである。
【0175】
ユーザ端末300のUI処理部303は、入力部34を介してスキャン指示画面70上に表示された「スキャンCancel」ボタン73が押下されると、キャンセル指示検知信号を出力する。
【0176】
端末制御部301は、上記キャンセル指示検知信号を受けると、スキャナ主処理部307に「スキャンCancel」コマンドの生成を指示する。
【0177】
スキャン主処理部307は、上記キャンセル指示検知信号を受けると、図5(g)に示す「スキャンCnacel」コマンド67を生成する。
【0178】
スキャン主処理部307が「スキャンCanel」コマンド67を生成すると、端末通信制御部302は、端末I/F32を制御して該コマンドを複合機100に送信する(ステップS303)。
【0179】
複合機100の通信制御部102は、I/F12を制御して「スキャンCancel」コマンド67を受信する。コマンド処理部103は、コマンド解析処理に基づき「スキャンCancel」コマンド67を受信したと判定する。
【0180】
コマンド処理部103が「スキャンCancel」コマンド67を解析すると、制御部101は、コマンド管理部105に該コマンドを転送する。コマンド管理部105は、「スキャンCancel」コマンド67を受けると、該コマンドをコマンド記憶部104記憶する。
【0181】
制御部101は、コマンド記憶部104に「スキャンCancel」コマンド67が記憶されると、コマンド管理部105に「コマンド削除」を指示する。
【0182】
コマンド管理部105は、コマンド削除の指示を受けると、コマンド記憶部104に記憶された全てのコマンドを削除する。制御部101は、コマンド記憶部104から全てのコマンドが削除されると、動作モード切換部107に「アイドルモード」への切り換えを指示する。
【0183】
動作モード切換部107は、アイドルモードへの切り換えの指示を受けると、動作モード記憶部106の動作モードを「リモートモード」から「アイドルモード」に切り換える。これにより、複合機100は、ジョブ待ち状態(アイドルモード)に移行する。
【0184】
<実施例1の効果>
実施例1の画像入出力システム1000では、複合機100がユーザ端末300から「スキャン要求」コマンド61を受信してリモートモードで動作中において、原稿載置有無監視部108が原稿が載置されたことを検知するまでは、「COPY」ボタン41(割り込みキー)が押下されると、動作モードをローカルモードに切り換えるので、リモートモードとローカルモードとでスキャナ部19の使用を競合する場合において、ローカルモードでの処理の割り込みを可能とする。これにより、複合機100をローカルモードで使用するユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0185】
また、実施例1の画像入出力システム1000では、複合機100が上記割り込みに基づくローカルモードでの処理を行った後、コマンド記憶部104に「スキャン要求」コマンド61が記憶されていると、該スキャン要求に基づくリモートモードでの処理を再開するので、ユーザ端末300を操作する端末ユーザの使い勝手も向上させることができる。
【実施例2】
【0186】
<実施例2の構成>
本発明の実施例2の画像入出力システム1000aは、実施例1の画像入出力システム1000に対し、ユーザ端末300aのログイン時等に入力された端末ユーザのユーザIDを記憶するユーザ情報記憶部310を有する構成に変更したものである(図10参照)。
また、画像入出力システム1000aは、複合機100aとユーザ端末300aとの間で送受信する各種コマンドに端末ユーザのIDを示すIDパートを追加した構成に変更したものである(図10参照)。
【0187】
更に、画像入出力システム1000aは、複合機100aの原稿載置部17に原稿が載置されたことを原稿検知部18が検知する毎に、各ユーザにユーザIDの入力を促すユーザID入力画面を入力表示部13上に表示する構成に変更したものである(図10参照)。
なお、本実施例において、実施例1と同一の構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0188】
図11は、本発明に係る実施例2の画像入出力システム1000aの構成を示すブロック図である。
画像入出力システム1000aは、実施例1の画像入出力システム1000に対し、図11に示すように、複合機100aのROM15aに第2制御プログラムを記憶し、かつユーザ端末300aの端末ROM36aに第2スキャナドライバを記憶する構成に変更している。
尚、画像入出力システム1000aの他の構成は、実施例1の画像入出力システム1000の構成と同じである。
【0189】
図10は、本発明に係る実施例2の画像入出力システム1000aの制御構成を示すブロック図である。
以下に、実施例2の画像入出力システム1000aの制御構成について、図10を用いて説明する。
先ず、複合機100aの制御構成について、図10を用いて説明する。
複合機100aは、図10に示すように、複合機全体を制御するための制御部101aと、通信制御部102と、コマンド処理部103aと、コマンド記憶部104aと、コマンド管理部105aと、動作モード記憶部106と、動作モード切換部107と、原稿載置有無監視部108と、原稿送り制御部109と、スキャナ制御部110と、スキャナページバッファ111と、画像データ記憶部112と、画像データ管理部113と、入力表示制御部114aと、ローカル指示受付可否判定部115と、印刷制御部116と、スキャン要求ユーザ情報記憶部117と、スキャン要求ユーザ情報管理部118と、スキャン要求ユーザ照合判定部119とを備える。
ここで、図10に示す複合機100aの各制御機能は、複合機100aの図示しない電源スイッチがONにされ、CPU11がROM15aに格納された第2制御プログラムを実行することにより、形成される。
【0190】
図13は、本発明に係る実施例2の画像入出力システム1000aで用いる各種コマンドの構成を示す図である。
図13(a)〜(g)を用いて、ユーザ端末300aからのスキャン要求に基づき、複合機100aと該端末との間で送受信する各種コマンドの構成について説明する。
図13(a)に示すように、ユーザ端末300aから複合機100aに送信される「スキャン要求」コマンド61aは、要求の種類を示すREQパート(01)と、コマンドの種類を示すCMDパート(01)と、要求元であるユーザ端末300aのアドレスを示すADDRパート(192.168.100.200)と、ジョブ番号を示すJOBパート(1234)と、解像度、スキャンサイズ、ガンマ値等のスキャンパラメータを示すDATパート(Resolution=300、Size=A4、Gamma=2.2)と、端末ユーザのユーザIDを示すIDパート(9999)とから構成される。
上記「スキャン要求」コマンド61aは、実施例1の「スキャン要求」コマンド61に対し、IDパートが追加された構成である。
尚、その他各種コマンド62〜67については、図13(b)〜(g)に示すように、実施例1の図5(b)〜(g)に示す他の各種コマンド62〜67と同じである。
【0191】
コマンド処理部103aは、通信制御部102のI/F12の制御によりユーザ端末300aからコマンドを受信すると、該コマンドを解析し、上記REQパートが「01:スキャン処理」で、かつCMDパートが「01」の場合には、スキャン処理の要求を示す「スキャン要求」コマンド61aを受信したと判定する。
【0192】
そして、コマンド処理部103aは、「スキャン要求」コマンド61aのIDパートの値に基づいて、ユーザ端末300aを操作するユーザのユーザIDを識別する。
【0193】
コマンド処理部103aが各コマンドを解析する毎に、制御部101aは、コマンド管理部105aに各コマンドを転送する。
また、制御部101aは、コマンド処理部103aが「スキャン要求」コマンド61aを解析すると、該コマンドに含まれるIDパートの値(ユーザID)をスキャン要求ユーザ情報管理部118に転送する。
【0194】
スキャン要求ユーザ情報記憶部117は、スキャン要求の送信元であるユーザ端末300aを操作するユーザのユーザIDを記憶する部分である。このスキャン要求ユーザ情報記憶部117にユーザIDが記憶されていない場合には、該記憶部は、NULLが記憶されている。
【0195】
スキャン要求ユーザ情報管理部118は、スキャン要求ユーザ情報記憶部117へのユーザIDの記憶、又は該ユーザIDの削除等を行う部分である。
即ち、スキャン要求ユーザ情報管理部118は、ユーザIDを受けると、該ユーザIDをスキャン要求ユーザ情報としてスキャン要求ユーザ情報記憶部117に記憶する。
【0196】
また、スキャン要求ユーザ情報管理部118は、後述するスキャン要求ユーザ情報削除の指示を受けると、スキャン要求ユーザ情報記憶部117に記憶されたスキャン要求ユーザ情報を削除する。
【0197】
制御部101aは、原稿載置有無監視部108から上記台載置検知信号、又は上記トレイ載置検知信号を受けると、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されている場合には、入力表示制御部114aにユーザID入力画面の表示を指示する。
一方、制御部101aは、動作モード記憶部106に「ローカルモード」が記憶されている場合には、入力表示制御部114aに上記スタートボタン押下指示画面の表示を指示する。
また、制御部101aは、動作モード記憶部106に「アイドルモード」が記憶されている場合には、入力表示制御部114aに上記COPYボタン押下指示画面の表示を指示する。
【0198】
図12は、本発明に係る実施例2の複合機100aにおけるユーザID入力画面80の表示例を示す図である。
入力表示制御部114aは、ユーザID入力画面の表示の指示を受けると、図12に示すように、ユーザに対しユーザIDの入力を指示するためのユーザID入力画面80を表示する。
このユーザID入力画面80は、図12に示すように、各種ボタン群132を介して入力されたユーザIDを表示するためのユーザIDボックス81と、入力したユーザIDを設定するための「OK」ボタン82と、入力したユーザIDをキャンセルするための「キャンセル」ボタン83とから構成される。
【0199】
ユーザが各種ボタン群132を介してユーザIDを入力し、「OK」ボタン82を押下すると、入力表示制御部114aは、該ユーザIDボックス81に表示された入力ユーザIDを出力する。
【0200】
制御部101aは、入力ユーザIDを受けると、スキャン要求ユーザ照合判定部119に該入力ユーザIDを転送する。
【0201】
スキャン要求ユーザ照合判定部119は、ユーザ端末300aから受信した「スキャン要求」コマンド61aのIDパートの値(ユーザID)と、入力表示部13を介して入力された入力ユーザIDとを照合して一致、不一致を判定する部分である。
即ち、スキャン要求ユーザ照合判定部119は、入力ユーザIDを受けると、スキャン要求ユーザ情報記憶部117に記憶されたユーザIDと、該入力IDとを照合して一致、不一致を判定する。
【0202】
スキャン要求ユーザ照合判定部119が照合一致と判定すると、制御部101aは、コマンド処理部103aに対し、スキャン要求に対応する原稿が準備されたことを示す「スキャンReady」コマンドの生成を指示する。
【0203】
一方、スキャン要求ユーザ照合判定部119が照合不一致と判定すると、制御部101aは、複合機100aを操作するユーザがスキャン要求ユーザでないと判断し、上記COPYボタン押下指示画面の表示を指示する。
【0204】
制御部101aは、コマンド記憶部104aに「スキャン終了」コマンド66、又は「スキャンCancel」コマンド67が記憶されると、スキャン要求ユーザ情報管理部118にスキャン要求ユーザ情報の削除を指示する。
【0205】
尚、複合機100aのその他の制御構成については、実施例1の複合機100の制御構成と同じである。
【0206】
次に、ユーザ端末300aの制御構成について、図10を用いて詳細説明する。
ユーザ端末300aは、図10に示すように、端末全体を制御するための端末制御部301aと、複合機100aとネットワーク200を介してコマンドの送受信を行うための端末通信制御部302と、UI処理部303と、複合機能力情報記憶部304と、データアクセス部305と、能力判定部306と、スキャン主処理部307aと、画像処理部308と、端末画像データ記憶部309と、ユーザ情報記憶部310とから構成される。
【0207】
端末制御部301aは、ユーザ端末300aを操作するユーザから入力部34を介してスキャナドライバを起動するための指示が入力され、端末ROM36aに記憶された第2スキャナドライバが起動されることにより、上記各制御構成を形成する。
【0208】
ユーザ情報記憶部310は、端末制御部301aの制御に基づき、ユーザ端末300aのログイン時等に該端末を操作する端末ユーザから入力された該ユーザのユーザIDを記憶する部分である。
【0209】
スキャン主処理部307aは、複合機100aと送受信するコマンドの生成及び解析を行うなど、スキャンに関連する一連の処理を制御する部分である。
即ち、スキャン主処理部307aは、上記スキャン指示発生の通知と共に、スキャナパラメータを受けると、該スキャナパラメータを用いて図13(a)に示す「スキャン要求」コマンド61aを生成する。
ここで、スキャン主処理部307aは、ユーザ情報記憶部310に記憶されているユーザIDの値をIDパートに格納する。
【0210】
スキャン主処理部307aが「スキャン要求」コマンド61aを生成すると、端末通信制御部302は、端末I/F32を制御して該コマンドを複合機100aに送信する。
【0211】
尚、ユーザ端末300aのその他の制御構成については、実施例1のユーザ端末300の制御構成と同じである。
【0212】
<実施例2の動作>
図14は、本発明に係る実施例2の画像入出力システム1000aの特徴となる動作を示すシーケンス図である。
次に、画像入出力システム1000aの特徴となる動作について、図14を用いて詳細に説明する。
【0213】
ユーザ端末300aのユーザ情報記憶部310は、端末制御部301aの制御に基づき、ユーザ端末300aのログイン時等に端末ユーザから入力された該ユーザのユーザIDを記憶する。
【0214】
スキャン主処理部307aは、実施例1で説明した上記スキャン指示発生の通知と共に、スキャナパラメータを受けると、該スキャナパラメータを用いて図13(a)に示す「スキャン要求」コマンド61aを生成する。
この時、スキャン主処理部307aは、ユーザ情報記憶部310に記憶されているユーザIDの値「9999」をIDパートに格納する。
【0215】
スキャン主処理部307aが「スキャン要求」コマンド61aを生成すると、端末通信制御部302は、該コマンドを端末I/F32を制御して複合機100aに送信する(ステップS401)。
【0216】
複合機100aのコマンド処理部103aは、通信制御部102のI/F12の制御によりユーザ端末300aからコマンドを受信すると、該コマンドを解析し、上記REQパートが「01:スキャン処理」で、かつCMDパートが「01」の場合には、スキャン処理の要求を示す「スキャン要求」コマンド61aを受信したと判定する。
【0217】
そして、コマンド処理部103aは、「スキャン要求」コマンド61aのIDパートの値「9999」に基づいて、ユーザ端末300aを操作するユーザのユーザID「9999」を識別する。
【0218】
コマンド処理部103aが「スキャン要求」コマンド61aを解析すると、制御部101aは、コマンド管理部105aに該コマンドを転送する。
また、制御部101aは、コマンド処理部103aが「スキャン要求」コマンド61aを解析すると、該コマンドに含まれるIDパートの値(ユーザID:9999)をスキャン要求ユーザ情報管理部118に転送する。
【0219】
スキャン要求ユーザ情報管理部118は、ユーザID「9999」を受けると、該ユーザIDをスキャン要求ユーザ情報としてスキャン要求ユーザ情報記憶部117に記憶する。
【0220】
制御部101aは、原稿載置有無監視部108から上記台載置検知信号、又は上記トレイ載置検知信号を受けると(ステップS402)、動作モード記憶部106に「リモートモード」が記憶されているので、入力表示制御部114aにユーザID入力画面の表示を指示する。
【0221】
入力表示制御部114aは、ユーザID入力画面の表示の指示を受けると、図12に示すように、ユーザに対しユーザIDの入力を指示するためのユーザID入力画面80を表示する(ステップS403)。
【0222】
ユーザが各種ボタン群132を介してユーザID「9999」を入力し、「OK」ボタン82を押下すると(ステップS404)、入力表示制御部114aは、該ユーザIDボックス81に表示された入力ユーザID「9999」を出力する。
【0223】
制御部101aは、入力ユーザID「9999」を受けると、スキャン要求ユーザ照合判定部119に該入力ユーザIDを転送する。
【0224】
スキャン要求ユーザ照合判定部119は、入力ユーザID「9999」を受けると、スキャン要求ユーザ情報記憶部117に記憶されたユーザID「9999」と、該入力ID「9999」とを照合して(ステップS405)一致と判定する(ステップS406)。そして、スキャン要求ユーザ照合判定部119が照合一致と判定すると、制御部101aは、コマンド処理部103aに対し、スキャン要求に対応する原稿が準備されたことを示す「スキャンReady」コマンドの生成を指示する。
この時、例えば印刷を所望するユーザが例えば自己のユーザID「1234」を各種ボタン群132を介して入力すると、スキャン要求ユーザ照合判定部119が照合不一致と判定するので、制御部101aは、複合機100aを操作するユーザがスキャン要求ユーザでないと判断し、上記COPYボタン押下指示画面の表示を指示する。
【0225】
図14のステップS407〜S412の動作は、図7のステップS103〜S108の動作と同じである。
【0226】
その後、制御部101aは、コマンド記憶部104aに「スキャン終了」コマンド66、又は「スキャンCancel」コマンド67が記憶されると、スキャン要求ユーザ情報管理部118にスキャン要求ユーザ情報の削除を指示する。
【0227】
スキャン要求ユーザ情報管理部118は、上記スキャン要求ユーザ情報削除の指示を受けると、スキャン要求ユーザ情報記憶部117に記憶されたスキャン要求ユーザ情報を削除する。
【0228】
<実施例2の効果>
実施例2の画像入出力システム1000aでは、ユーザ端末300aから複合機100aに送信される「スキャン要求」コマンド61aに該端末を操作する端末ユーザのユーザIDを付与し、該ユーザIDを複合機100aのスキャン要求ユーザ情報記憶部117に記憶させる構成にした。そして、画像入出力システム1000aでは、複合機100aが「スキャン要求」コマンド61aを受信してリモートモードで動作中において、原稿載置有無監視部108が原稿が載置されたことを検知すると、入力表示制御部114aにタッチパネルディスプレイ131上にユーザID入力画面80を表示させ、ユーザIDの入力を促す構成にした。これにより、画像入出力システム1000aでは、スキャン要求ユーザ照合判定部119が「スキャン要求」コマンド61aを送信した端末ユーザと、原稿を載置したユーザとをユーザIDに基づき照合して一致不一致を判定し、照合一致と判定した場合のみ「スキャンReady」コマンド62をユーザ端末300aに送信することができる。よって、画像入出力システム1000aでは、原稿載置部17に載置された放置原稿や印刷処理を所望するユーザにより「COPY」ボタン41を押下前に載置された原稿をスキャン要求に対応する原稿であると誤って原稿読み取り、該原稿に基づく画像データをユーザ端末300aに送信することを防止できるので、ユーザの利便性を更に向上することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0229】
前記した実施例では、本発明の画像入出力装置を印刷機能及びスキャナ機能を有する複合機として説明したが、これに限る必要はなく、例えばプリンタ機能、ファクシミリ機能の少なくともいずれか一方の機能をも有する複合機にも適用可能である。
【0230】
また、本実施例では、本発明の画像入出力装置と、外部機器との接続形態を、ネットワークとして説明したが、これに限る必要はなく、例えば複数の接続ポートを持つ形態であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0231】
17 原稿載置部
171 原稿載置台
172 手差しトレイ
18 原稿検知部
181 原稿検知センサ
182 原稿検知スイッチ
100 複合機
101 制御部
102 通信制御部
103 コマンド処理部
104 コマンド記憶部
105 コマンド管理部
106 動作モード記憶部
107 動作モード切換部
108 原稿載置有無監視部
109 原稿送り制御部
110 スキャナ制御部
111 スキャナページバッファ
112 画像データ記憶部
113 画像データ管理部
114 入力表示制御部
115 ローカル指示受付可否判定部
116 印刷制御部
117 スキャン要求ユーザ情報記憶部
118 スキャン要求ユーザ情報管理部
119 スキャン要求ユーザ照合判定部
200 ネットワーク
300 ユーザ端末
301 端末制御部
302 端末通信制御部
303 UI処理部
304 複合機能力情報記憶部
305 データアクセス部
306 能力判定部
307 スキャン主処理部
3071 タイマカウンタ
308 画像処理部
309 端末画像データ記憶部
310 ユーザ情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部に載置された原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部と、前記スキャナ部に対しスキャナ要求を指示するための入力部と、外部からスキャナ要求を受け付け、かつ前記生成した画像データを外部に送信する通信部とを備える画像入出力装置と、前記画像入出力装置に対しスキャナ要求を指示し、かつ前記スキャナ部による原稿読み取り、前記通信部による画像データの送信を制御するドライバが格納部に格納された上位装置とが通信可能に接続されている画像入出力システムであって、
前記画像入出力装置は、
前記載置部における原稿載置の有無を検出する原稿検出部と、
前記上位装置からスキャナ要求を受信後、前記入力部からスキャナ要求が指示された場合において、前記検出結果が原稿載置有りであると割り込み不可と判定し、前記検出結果が原稿載置無しであると割り込み可能と判定する割り込み可否判定部と、
割り込み可能と判定された場合、その後前記検出部が原稿載置有りを検出し、かつ前記入力部から原稿読み取り開始が指示されると、前記スキャナ部が原稿読み取りを行うべく制御する制御部とを備え、
割り込み不可と判定された場合、前記通信部は、前記上位装置に対し読取準備完了の通知を送信し、
前記上位装置は、
前記読取準備完了の通知を受信するための上位通信部を備え、
前記読取準備完了の通知を受けると、前記ドライバは、前記スキャナ部が原稿読み取りを行うべく制御することを特徴とする画像入出力システム。
【請求項2】
前記上位装置において、前記ドライバは、前記画像入出力装置に対しスキャナ要求を指示した際に、該要求に対する前記読取準備完了の通知を受信するまでの時間を計測するタイマカウンタを有し、該通知を受信する前に該計測時間が所定時間を超えると、前記画像入出力装置に対し、該要求のキャンセルを指示することを特徴とする請求項1に記載の画像入出力システム。
【請求項3】
前記上位装置において、前記ドライバは、前記画像入出力装置に対し前記スキャナ要求にID情報を付与して指示し、
前記画像入出力装置は、
前記スキャナ要求を受けると、該要求に付与されたID情報を記憶する記憶部と、
前記上位装置からスキャナ要求を受信後、前記原稿検出部が原稿載置有りを検出すると、ID情報の入力指示を通知する通知部と、
前記入力部からID情報が入力されると、該入力されたID情報と、前記記憶部に記憶されたID情報とを照合して一致不一致を判定する照合判定部とを更に備え、
前記通信部は、前記照合結果が一致であると、前記上位装置に対し読取準備完了の通知を送信することを特徴とする請求項1に記載の画像入出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−41129(P2011−41129A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188504(P2009−188504)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】