画像処理システム、サーバー、表示方法、および表示プログラム
【課題】ジョブを処理させる画像処理装置を容易に選択することができる画像処理システムを提供する。
【解決手段】サーバーAは、携帯端末およびMFPと通信可能であって、当該MFPの位置を記憶しており、携帯端末の位置および向きを取得し(S13)、携帯端末の撮影範囲にあるMFPを検索し(S31)、検索されたMFPに対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する(S32)。MFPからプレビュー画像が得られると、当該画像を含むタグ情報を生成し(S33)、携帯端末に送信する(S34)。携帯端末は、タグ情報に基づいて、プレビュー画像を撮影画像に重ねて表示する(S14)。
【解決手段】サーバーAは、携帯端末およびMFPと通信可能であって、当該MFPの位置を記憶しており、携帯端末の位置および向きを取得し(S13)、携帯端末の撮影範囲にあるMFPを検索し(S31)、検索されたMFPに対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する(S32)。MFPからプレビュー画像が得られると、当該画像を含むタグ情報を生成し(S33)、携帯端末に送信する(S34)。携帯端末は、タグ情報に基づいて、プレビュー画像を撮影画像に重ねて表示する(S14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理システム、サーバー、表示方法、および表示プログラムに関し、特に、情報処理装置からのジョブをサーバーで管理して画像処理装置にて処理する画像処理システム、サーバー、表示方法および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバー等にプリントデーターなどのジョブを登録し、コピー機、プリンター、これらの複合機であるMFP(Multi-Functional Peripherals)等の画像形成装置にサーバー等からジョブを送信して処理させる機能がある。ジョブの処理がプリントである場合、この機能はプルプリントなどとも称される。
【0003】
ジョブ処理を行なわせる画像処理装置は、たとえばジョブを発行したPC(パーソナルコンピューター等)の情報処理装置や、画像処理装置から行なうことができる。
【0004】
このとき、実際に印刷用紙に印刷するよりも前に、印刷結果をプレビュー表示させる機能を有するプリンタードライバーや画像処理装置がある。たとえば、特開平7−325693号公報(以下、特許文献1)は、プリンタードライバーでプレビュー表示させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−325693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、たとえば特許文献1で開示されているような従来のプレビュー技術を用いる場合、情報処理装置で処理対象の画像処理装置を指定するか、画像処理装置を操作して処理対象のジョブを指定するか、の操作が必要となる。
【0007】
ここで、昨今では、オフィス環境などにおいて、複数台の画像形成装置を含む画像処理システムが構築される場合が多くある。前者の場合、プリンタードライバーで対象とする画像処理装置を選択してプレビュー表示を行なわせたとしても、その画像処理装置が実際にどの画像処理装置かを特定することが難しい、という問題があった。
【0008】
また、後者の場合、複数台の画像形成装置それぞれのプレビュー表示を確認したい場合には、複数台の画像形成装置それぞれの操作が必要となり、操作が煩雑となる、という問題があった。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、ジョブを処理させる画像処理装置を容易に選択することができる画像処理システム、サーバー、表示方法、および表示プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理システムは、撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、画像処理装置と、携帯端末および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備える。サーバーは、画像処理装置の位置を記憶するための記憶手段と、携帯端末および画像処理装置と通信するための通信手段と、携帯端末からの要求に応じて画像データーを含む情報を生成し、送信する処理を行なうための処理手段とを備える。処理手段は、携帯端末の位置および向きを取得し、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定する処理と、特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する処理と、画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、携帯端末に送信する処理とを実行し、携帯端末は、サーバーから送信された表示用のデーターに基づいて、プレビュー画像を、撮影手段での撮影画像に重ねて表示する処理を行なう。
【0011】
好ましくは、サーバーは、特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターの格納場所を通知することでプレビュー画像を要求し、画像処理装置は、格納場所から処理対象のデーターを取得してデーターのプレビュー画像を生成する。
【0012】
好ましくは、携帯端末では、表示用のデーターに基づいて撮影画像に重ねて表示された画像の選択を受け付けることで、画像処理装置を処理対象のデーターを処理する画像処理装置として特定する。
【0013】
好ましくは、表示用のデーターには、処理対象のデーターを画像処理装置で処理した場合の処理時間に関する情報が含まれる。
【0014】
好ましくは、表示用のデーターには、画像処理装置の処理対象のデーターの処理に関わる機能に関する情報が含まれる。
【0015】
好ましくは、画像処理装置は、処理対象のデーターの処理ができないマシンステータスである場合に、サーバーの要求に対してその旨を通知し、サーバーは、通知に応じて、マシンステータスに応じた表示用のデーターを生成する。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、サーバーは、撮影手段と表示手段とを含む携帯端末、および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーであって、画像処理装置の位置を記憶するための記憶手段と、携帯端末および画像処理装置と通信するための通信手段と、携帯端末からの要求に応じて画像データーを含む情報を生成し、送信する処理を行なうための処理手段とを備える。処理手段は、携帯端末の位置および向きを取得し、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定する処理と、特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する処理と、画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、携帯端末に送信する処理とを実行する。
【0017】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示方法は、撮影手段および表示手段を有する携帯端末に処理対象のデーターのプレビュー画像を表示する方法であって、処理対象のデーターが指定された後に撮影手段での撮影がなされると、撮影時の位置および向きを携帯端末からサーバーに対して送信するステップと、画像処理装置の位置を記憶しているサーバーにおいて、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求するステップと、特定された画像処理装置においてプレビュー画像を生成し、サーバーに対して送信するステップと、サーバーにおいて、画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、携帯端末に送信するステップと、携帯端末において、サーバーから送信された表示用のデーターに基づいて、プレビュー画像を、撮影手段での撮影画像に重ねて表示するステップとを備える。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示プログラムは、撮影手段および表示手段を有する携帯端末に処理対象のデーターのプレビュー画像を表示する処理を実行させるプログラムであって、処理対象のデーターが指定された後に撮影手段での撮影がなされると、撮影時の位置および向きを携帯端末からサーバーに対して送信するステップと、サーバーにおいて生成された、携帯端末の撮影範囲内にある画像処理装置での処理対象のデーターのプレビュー画像を含む表示用のデーターをサーバーより受信し、表示用のデーターに基づいて、プレビュー画像を、撮影手段での撮影画像に重ねて表示するステップとを携帯端末に実行させる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、直感的で容易な操作で、画像処理装置でのプレビューを携帯端末において確認することができるため、画像処理システムにおいて、ジョブを処理させる画像処理装置を容易に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像処理システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【図6】画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
【図7】携帯端末での表示画面の具体例を示す図である。
【図8】サーバーに記憶されるMFP情報の具体例を示す図である。
【図9】携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
【図10】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図11】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図12】サーバーでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図13】携帯端末での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図14】携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置としての、複数のMFP(Multi-Functional Peripheral)100A,100Bと、携帯端末200と、装置情報を記憶するためのサーバーであるサーバー300Aと、プリントデーターを管理するためのサーバーであるサーバー300Bとを含む。複数のMFP100A,100Bを代表させて、MFP100と称する。
【0024】
画像処理装置はMFPに限定されず、プリンターやファクシミリ送受信機やコピー機などのその他の装置であってもよい。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0025】
携帯端末200は、たとえば携帯電話機などが該当し、少なくともカメラ機能と、指示入力機能と、通信機能とを備えていれば、他の装置であってもよい。
【0026】
サーバー300A,100Bは、一般的なパーソナルコンピューターなどから構成されるものであればよい。
【0027】
以下の説明では、図1に示されたように、サーバー300A,300Bがそれぞれ異なる装置であるものとしているが、これらは1つのサーバーとして構成されてもよい。また、サーバー300A,300BはいずれもMFP100とは別の装置として構成されるものとしているが、サーバー300A,300Bの少なくとも一方がMFP100に含まれ、MFP100がサーバーとして機能してもよい。
【0028】
MFP100、携帯端末200、およびサーバー300A,300Bは互いに通信可能であり、情報をやり取りする。この通信は、有線、無線を問わず、いずれの通信形態であってもよい。本実施の形態にかかる画像処理システムはオフィス環境で用いられることが想定されるため、一例として、図1に表わされたように、有線、または無線のLAN(Local Area Network)にこれら装置が接続され、該ネットワークを介して情報をやり取りする通信形態が挙げられる。
【0029】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0030】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、LANを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100の状態を検出するためのセンサー18とを含む。
【0031】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0032】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量を検出するためのセンサーや、各部のジャム(紙詰まり)や温度異常や動作異常等を検出するためのセンサーや、各部品の装着の有無を検知するためのセンサーなどが該当する。
【0033】
図3は、携帯端末200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、携帯端末200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、磁気センサーを含んで当該携帯端末200の向きを検出するための電子コンパス23と、GPS(Global Positioning System)信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー24と、情報を表示したり当該携帯端末200に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル25と、カメラ26と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー27と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー28とを含む。
【0034】
操作パネル25は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0035】
CPU200は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0036】
また、電子コンパス23およびGPSコントローラー24は、取得した当該携帯端末200の向きや位置情報を示す信号をCPU20に入力する。
【0037】
図4は、サーバー300Aのハードウェア構成の具体例を示す図である。サーバー300Bも同様であるため、図4では、これらをまとめてサーバー300として、その構成を示す。
【0038】
図4を参照して、サーバー300は上述のように一般的なコンピュータ等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、MFP情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)33と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー34とを含む。
【0039】
サーバー300AのHD33には、MFP情報としてMFP100の位置情報が記憶されている。MFP100の位置情報は、図示しない入力装置などから入力されることで記憶されてもよいし、MFP100から送信されることで記憶されてもよい。MFP100では、操作パネル15から入力されるものであってもよいし、図示しないGPSコントローラーを有する場合には該コントローラーによって取得されてもよい。
【0040】
<動作概要>
図5は、実施の形態にかかる画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【0041】
図5を参照して、携帯端末200は、撮影時の位置および方向と、プリント対象としてユーザーによって指定されたプリントデーターを特定するための情報であるプリントデーター情報とをサーバー300Aに対して送信する。プリントデーター情報としては、プリントデーター自体の識別情報(たとえばデーター名等)と、当該データーの格納場所を特定する情報とが含まれる。
【0042】
サーバー300Aは、MFP100に対してプリントデーター情報を送信する。MFP100は、該プリントデーター情報に基づいて当該プリントデーターを格納するサーバー300Bに対してプリントデーターを要求し、サーバー300Bからプリントデーターを受け取る。
【0043】
MFP100は、受け取ったプリントデーターに基づいてプレビュー画像を生成して、生成されたプレビュー画像をプリント情報と共にサーバー300Aに対して送信する。プリント情報とは、当該プリントデーターを印刷する場合の情報であって、待ち時間や印刷時間などが含まれる。また、当該MFPの機能に関する情報が含まれていてもよい。機能に関する情報としては、たとえば、いわゆるNin1印刷とよばれる集約印刷機能や、カラー/モノクロの機能などが該当する。
【0044】
サーバー300Aは、MFP100から受け取った情報に基づいてタグ情報を生成し、携帯端末200に対して送信する。
【0045】
ここで、タグ情報とは、携帯端末200での撮影画像に合成することで付加される画像であるタグを表示させるための情報を指す。タグ情報には、MFP100を特定する情報をタグとして表示するための情報が含まれる。
【0046】
図6は、画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
図6を参照して、携帯端末で処理用のアプリケーションを起動して、ユーザーは、当該アプリケーションに従って表示されるプリントデーター一覧などから、MFPに印刷させるプリントデーターを選択する。
【0047】
図7は、携帯端末での表示画面の具体例を示す図である。図7に示されるように、アプリケーションを起動してプリントデーター一覧を表示させることで、当該携帯端末からの指示で印刷可能なプリントデーターの一覧が携帯端末の操作パネルに表示される。この画面は、一例として、アプリケーションに従って携帯端末がプリントデーターを管理するためのサーバーにアクセスして印刷可能なプリントデーターを特定する情報を取得することで、表示させることができる。
【0048】
たとえば、この画面で表示されているプリントデーター名をタッチする、などの方法で、ユーザーは印刷対象のプリントデーターを選択することができる。
【0049】
その後、ユーザーから撮影指示を受け付けると、携帯端末では撮影動作(ステップS11)が行なわれると共に、そのときの位置および向きが測定される(ステップS12)。そして、携帯端末から、選択されたプリントデーターについての上述のプリントデーター情報が測定された位置および方向と共に装置情報を記憶するためのサーバー(サーバーA)に送信され、タグ情報が要求される(ステップS13)。
【0050】
サーバーAには、予め各MFPの位置情報が記憶されている。図8は、サーバーAに記憶されるMFP情報の具体例を示す図である。図8を参照して、サーバーAには、一例として、MFPごとの位置情報と、ネットワーク上の位置情報に相当するIPアドレスとが記憶されている。
【0051】
サーバーAは、各MFPの位置情報を参照して、受信した携帯端末の位置および向きで特定される当該携帯端末の撮影範囲にあるMFPを検索する(ステップS31)。そして、検索されたMFPに対して受信したプリントデーター情報を渡して、プレビュー画像とプリント情報とをMFPに要求する(ステップS32)。複数のMFPが検索された場合には、それらすべてのMFPに対してプレビュー画像とプリント情報とを要求する。
【0052】
MFPは、受信したプリントデーター情報から当該プリントデーターの格納先であるサーバー(サーバーB)を特定し、当該プリントデーターを要求する。そして、サーバーBからプリントデーターを取得すると(ステップS51)、MFPはそのデーターを用いてプレビュー処理を行なって、プレビュー画像を生成する(ステップS52)。
【0053】
このとき生成されるプレビュー画像は、カラー印刷が可能な場合にはカラー画像で、モノクロ印刷のみが可能な場合にはモノクロ画像として生成されることが好ましい。
【0054】
また、このとき、MFPは、たとえば当該プリントデーターを印刷する場合の待ち時間や印刷時間や完了時間なども算出して、プリント情報を生成する。また、プリントデーターのサイズに応じた消費電力のテーブルなどを予め記憶しておくことで、当該プリントデーターを印刷する場合の消費電力も算出するようにしてもよい。そして、プレビュー画像とプリント情報とをサーバーAに対して送信する(ステップS53)。このとき、集約印刷機能の有無などの当該MFPの機能に関する情報も併せて送信するようにしてもよい。
【0055】
なお、MFPがマシントラブルなどによって印刷ができない状態である場合には、上記ステップS53では、上記情報に替えて、印刷不可を表わす情報をサーバー300Aに送信するようにしてもよい。
【0056】
サーバーAは、受信したこれら情報を用いてタグ情報を生成する(ステップS33)。タグ情報には、一例として、プレビュー画像、MFPを特定する情報としての当該MFPのホスト名、当該プリントデーターを印刷する場合の待ち時間、印刷時間、完了時間、および消費電力などを表わす画像データーが含まれる。また、上述のように、当該画像データーでは集約印刷機能の有無など、MFPの機能に関する情報が表わされてもよい。なお、MFP情報として上述の機能に関する情報も記憶している場合には、この情報を参照してタグ情報を生成するようにしてもよい。
【0057】
また、上述のように印刷不可を示す情報がMFPから返された場合、サーバーAは、それを表わす画像データーを含んだタグ情報や、印刷不可であることに対応付けられた色でタグを表示する画像データーを含んだタグ情報を生成するようにしてもよい。
【0058】
生成したタグ情報は、サーバーAから携帯端末に対して送信される(ステップS34)。
【0059】
携帯端末では、上記ステップS11での撮影画面に、サーバーBからのタグ情報に基づくタグが重ねて表示される(ステップS14)。
【0060】
図9は、上記ステップS14での携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
図9の例では、当該携帯端末において印刷対象のプリントデーターとして「PrintData_901」が選択され、撮影範囲に「MFP_A」と「MFP_B」との2台のMFPが存在する例が示されている。この場合、携帯端末ではサーバーAからのタグ情報に基づいて、これら2台のMFPのそれぞれについてのプレビュー画像と当該プリントデーターを印刷した場合の完了時間、待ち時間、および印刷時間を表わすタグが、撮影された各MFPの近傍に重ねて表示される。
【0061】
この付加画像であるタグは、タッチパネルである操作パネル25において選択可能に表示されるものであってもよい。この場合、いずれかのタグに対するタッチを受け付けることで、選択されたタグに対応したMFPが印刷を実行させるMFPと特定される。すなわち、この選択を受け付けると、携帯端末は選択されたMFPを特定する情報をサーバーAに対して送信し、サーバーAは該当するMFPに対して印刷指示を送信する。これにより、当該プリントデーターが選択されたMFPで印刷されることになる。つまり、ユーザーは撮影画像に重ねて表示されたタグでプレビュー画像や印刷された場合の情報を確認してから印刷を実行させるMFPを、直感的な操作で選択することができる。
【0062】
<機能構成>
図10は、上述の動作を実現するための携帯端末200の機能構成の具体例を示すブロック図である。図10に示される各機能は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行することで、主にCPU20に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0063】
図10を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末200は、操作パネル25からの指示入力を受け付けるための指示入力部205と、操作パネル25からの撮影指示に応じてGPSコントローラー24から得られた信号より当該携帯端末200の位置を取得するための位置取得部206と、操作パネル25からの撮影指示に応じて電子コンパス23から得られた信号より当該携帯端末200の向きを取得するための向き取得部207と、操作パネル25からの撮影指示に応じてカメラ26による撮影を実行して撮影された画像データーを取得するための画像取得部208と、取得された位置と向きとを表わす情報と、図7のプリントデーター一覧から印刷対象として選択されたプリントデーターを特定する情報とをネットワークコントローラー27を介してサーバー300Aに対して送信するための送信部203と、ネットワークコントローラー27を介してサーバー300Aから送信されたタグ情報の入力を受け付けるためのタグ情報入力部204と、撮影画像とタグ情報とから画面を生成するための生成部210と、生成された画面を操作パネル25に表示する処理を実行するための表示処理部211とを含む。
【0064】
図11は、上述の動作を実現するためのサーバー300Aの機能構成の具体例を示すブロック図である。図11に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0065】
図11を参照して、HD33には、図8に示されたようなMFP情報を記憶するための記憶領域であるMFP情報記憶部331が含まれる。
【0066】
さらに図11を参照して、上記動作を実現するための機能としてサーバー300Aは、ネットワークコントローラー34を介して携帯端末200から携帯端末の位置および向きとプリントデーター情報とを受信して、該当するMFPについてのタグ情報の要求を受け付けるための要求入力部301と、受信した携帯端末の位置および向きに基づいて携帯端末200の撮影範囲内にあるMFPを検索するための検索部302と、ネットワークコントローラー34を介して検索されたMFPに対してプリントデーター情報を送信し、プレビュー画像とプリント情報とを要求するための要求部303と、ネットワークコントローラー34を介してMFPからプレビュー画像とプリント情報とを受け取るためのプレビュー入力部304と、プレビュー画像とプリント情報とを用いてタグ情報を生成するための生成部305と、生成されたタグ情報をネットワークコントローラー34を介して携帯端末200に対して送信するための送信部306とを含む。
【0067】
なお、図示しないものの、MFP100のCPU10は、サーバーAからの要求に応じて受信したプリントデーター情報に基づいてプリントデーターをサーバーBから取得するための機能、当該プリントデーターを用いてプレビュー処理を行なってプレビュー画像を生成すると共に、当該プリントデーターを印刷した場合の完了時間、待ち時間、および印刷時間を算出してプリント情報を得るための機能と、これらプレビュー画像とプリント情報とをサーバーAに対して送信するための機能とを含む。
【0068】
<動作フロー>
図12は、サーバー300Aでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図12のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図11に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0069】
図12を参照して、サーバー300AのCPU30は、携帯端末からタグ情報の要求を受け付けると(ステップS101でYES)、ステップS103で、MFP情報に含まれる各MFPの位置を参照して、携帯端末の位置および方向から特定される撮影範囲に存在するMFPを検索する。そして、ステップS105で検索されたMFPに対して、プリントデーター情報を送信して、プレビュー画像およびプリント情報を要求する。
【0070】
上記要求に応じてMFPからプレビュー画像およびプリント情報を受信すると(ステップS107でYES)、ステップS109でCPU30は、これら情報に基づいてタグ情報を生成し、携帯端末に対して送信する。
【0071】
なお、MFPからマシントラブルなどによって印刷不可であることを表わす情報がサーバー300Aに送信された場合、CPU30は、予め記憶している、印刷不可を表わすタグを表示するためのタグ情報や、印刷不可である状態に対応付けられた色でタグを表示するためのタグ情報を生成するようにしてもよい。
【0072】
CPU30は、以上の一連の動作を繰り返す。
図13は、携帯端末200での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図13のフローチャートに示される動作は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行し、図10に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0073】
図13を参照して、携帯端末200のCPU20は、撮影指示を受け付けると(ステップS201でYES)、ステップS203でCPU20はカメラ26での撮影を行なうと共に、ステップS205でそのときの位置および向きを測定する。そして、ステップS207で、測定された位置および向きをサーバー300Aに送信して、タグ情報を要求する。
【0074】
当該要求に応じてサーバー300Aからタグ情報を受信すると(ステップS209でYES)、ステップS211でCPU20は、受信したタグ情報に基づく画像であるタグを上記ステップS203で得られた撮影画像に合成して表示する。これにより、図9の画面が表示される。
【0075】
CPU20は、以上の一連の動作を繰り返す。
<実施の形態の効果>
本実施の形態にかかる画像処理システムにおいて以上の動作が行なわれることで、携帯端末を用いて印刷対象とするプリントデーターを指定し、その後、MFPの方向を向けて撮影を行なうという容易な操作によって、図9に表わされたように、その撮影画像内にあるMFPにおいて当該プリントデーターを印刷した場合のプレビュー画像を携帯端末上で確認することができる。また、そのとき、図9に表わされたように完了時間や待ち時間等の情報も併せて表示されることで、それら情報を容易な操作で確認することができる。
【0076】
このようにすることで、ユーザーは、たとえMFPそれぞれの設置位置を把握していない場合であっても、各方向に向けて撮影を行なうという直感的で容易な操作で、設置位置ごとのMFPの情報を携帯端末で確認することができる。
【0077】
また、ユーザーは、各MFPまで行って操作することなくそれぞれのプレビュー画像等を確認することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0078】
なお、上述のように、MFPがマシントラブル等で印刷不可の状態である場合にはその旨が表示される。または、そのとき、図14に示されたように、プレビュー画像と共に印刷不可であることがタグで表示されてもよい。
【0079】
このようにすることで、ユーザーは直感的で容易な操作で、各MFPでの仕上がりを事前に確認することができ、指定したプリントデーターを印刷させるMFPを容易に選択することができる。
【0080】
なお、上の例では、プリントデーターを指定する装置とタグを表示する装置とが共に携帯端末であるものとしているが、プリントデーターの指定は、図示しないPC(パーソナルコンピューター)等の情報処理装置でなされ、その後に携帯端末で撮影されることで撮影画像にタグが重ねて表示されるようにしてもよい。
【0081】
さらに、上述したように、図9や図14に示されたタグが表示された画面において、当該タグをタッチすることで印刷させるMFPの指定ができるようにしてもよい。このようにすることで、指定したプリントデーターを印刷させるMFPをより容易に選択することができる。
【0082】
さらに、上述の動作を携帯端末200およびサーバー300Aに実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0083】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0084】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0085】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0087】
10,20,30 CPU、13 スキャナー、14 プリンター、15,25 操作パネル、16,28 メモリー、17,27,34 ネットワークコントローラー、18 センサー、21,31 ROM、22,32 RAM、23 電子コンパス、24 GPSコントローラー、26 カメラ、33 HD、100 MFP、200 携帯端末、203,306 送信部、204 タグ情報入力部、205 指示入力部、206 位置取得部、207 向き取得部、208 画像取得部、210,305 生成部、211 表示処理部、300,300A,100B サーバー、301 要求入力部、302 検索部、303 要求部、304 プレビュー入力部、331 情報記憶部。
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理システム、サーバー、表示方法、および表示プログラムに関し、特に、情報処理装置からのジョブをサーバーで管理して画像処理装置にて処理する画像処理システム、サーバー、表示方法および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバー等にプリントデーターなどのジョブを登録し、コピー機、プリンター、これらの複合機であるMFP(Multi-Functional Peripherals)等の画像形成装置にサーバー等からジョブを送信して処理させる機能がある。ジョブの処理がプリントである場合、この機能はプルプリントなどとも称される。
【0003】
ジョブ処理を行なわせる画像処理装置は、たとえばジョブを発行したPC(パーソナルコンピューター等)の情報処理装置や、画像処理装置から行なうことができる。
【0004】
このとき、実際に印刷用紙に印刷するよりも前に、印刷結果をプレビュー表示させる機能を有するプリンタードライバーや画像処理装置がある。たとえば、特開平7−325693号公報(以下、特許文献1)は、プリンタードライバーでプレビュー表示させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−325693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、たとえば特許文献1で開示されているような従来のプレビュー技術を用いる場合、情報処理装置で処理対象の画像処理装置を指定するか、画像処理装置を操作して処理対象のジョブを指定するか、の操作が必要となる。
【0007】
ここで、昨今では、オフィス環境などにおいて、複数台の画像形成装置を含む画像処理システムが構築される場合が多くある。前者の場合、プリンタードライバーで対象とする画像処理装置を選択してプレビュー表示を行なわせたとしても、その画像処理装置が実際にどの画像処理装置かを特定することが難しい、という問題があった。
【0008】
また、後者の場合、複数台の画像形成装置それぞれのプレビュー表示を確認したい場合には、複数台の画像形成装置それぞれの操作が必要となり、操作が煩雑となる、という問題があった。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、ジョブを処理させる画像処理装置を容易に選択することができる画像処理システム、サーバー、表示方法、および表示プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理システムは、撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、画像処理装置と、携帯端末および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備える。サーバーは、画像処理装置の位置を記憶するための記憶手段と、携帯端末および画像処理装置と通信するための通信手段と、携帯端末からの要求に応じて画像データーを含む情報を生成し、送信する処理を行なうための処理手段とを備える。処理手段は、携帯端末の位置および向きを取得し、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定する処理と、特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する処理と、画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、携帯端末に送信する処理とを実行し、携帯端末は、サーバーから送信された表示用のデーターに基づいて、プレビュー画像を、撮影手段での撮影画像に重ねて表示する処理を行なう。
【0011】
好ましくは、サーバーは、特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターの格納場所を通知することでプレビュー画像を要求し、画像処理装置は、格納場所から処理対象のデーターを取得してデーターのプレビュー画像を生成する。
【0012】
好ましくは、携帯端末では、表示用のデーターに基づいて撮影画像に重ねて表示された画像の選択を受け付けることで、画像処理装置を処理対象のデーターを処理する画像処理装置として特定する。
【0013】
好ましくは、表示用のデーターには、処理対象のデーターを画像処理装置で処理した場合の処理時間に関する情報が含まれる。
【0014】
好ましくは、表示用のデーターには、画像処理装置の処理対象のデーターの処理に関わる機能に関する情報が含まれる。
【0015】
好ましくは、画像処理装置は、処理対象のデーターの処理ができないマシンステータスである場合に、サーバーの要求に対してその旨を通知し、サーバーは、通知に応じて、マシンステータスに応じた表示用のデーターを生成する。
【0016】
本発明の他の局面に従うと、サーバーは、撮影手段と表示手段とを含む携帯端末、および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーであって、画像処理装置の位置を記憶するための記憶手段と、携帯端末および画像処理装置と通信するための通信手段と、携帯端末からの要求に応じて画像データーを含む情報を生成し、送信する処理を行なうための処理手段とを備える。処理手段は、携帯端末の位置および向きを取得し、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定する処理と、特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する処理と、画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、携帯端末に送信する処理とを実行する。
【0017】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示方法は、撮影手段および表示手段を有する携帯端末に処理対象のデーターのプレビュー画像を表示する方法であって、処理対象のデーターが指定された後に撮影手段での撮影がなされると、撮影時の位置および向きを携帯端末からサーバーに対して送信するステップと、画像処理装置の位置を記憶しているサーバーにおいて、携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求するステップと、特定された画像処理装置においてプレビュー画像を生成し、サーバーに対して送信するステップと、サーバーにおいて、画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、携帯端末に送信するステップと、携帯端末において、サーバーから送信された表示用のデーターに基づいて、プレビュー画像を、撮影手段での撮影画像に重ねて表示するステップとを備える。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示プログラムは、撮影手段および表示手段を有する携帯端末に処理対象のデーターのプレビュー画像を表示する処理を実行させるプログラムであって、処理対象のデーターが指定された後に撮影手段での撮影がなされると、撮影時の位置および向きを携帯端末からサーバーに対して送信するステップと、サーバーにおいて生成された、携帯端末の撮影範囲内にある画像処理装置での処理対象のデーターのプレビュー画像を含む表示用のデーターをサーバーより受信し、表示用のデーターに基づいて、プレビュー画像を、撮影手段での撮影画像に重ねて表示するステップとを携帯端末に実行させる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、直感的で容易な操作で、画像処理装置でのプレビューを携帯端末において確認することができるため、画像処理システムにおいて、ジョブを処理させる画像処理装置を容易に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像処理システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【図6】画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
【図7】携帯端末での表示画面の具体例を示す図である。
【図8】サーバーに記憶されるMFP情報の具体例を示す図である。
【図9】携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
【図10】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図11】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図12】サーバーでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図13】携帯端末での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図14】携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0023】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置としての、複数のMFP(Multi-Functional Peripheral)100A,100Bと、携帯端末200と、装置情報を記憶するためのサーバーであるサーバー300Aと、プリントデーターを管理するためのサーバーであるサーバー300Bとを含む。複数のMFP100A,100Bを代表させて、MFP100と称する。
【0024】
画像処理装置はMFPに限定されず、プリンターやファクシミリ送受信機やコピー機などのその他の装置であってもよい。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0025】
携帯端末200は、たとえば携帯電話機などが該当し、少なくともカメラ機能と、指示入力機能と、通信機能とを備えていれば、他の装置であってもよい。
【0026】
サーバー300A,100Bは、一般的なパーソナルコンピューターなどから構成されるものであればよい。
【0027】
以下の説明では、図1に示されたように、サーバー300A,300Bがそれぞれ異なる装置であるものとしているが、これらは1つのサーバーとして構成されてもよい。また、サーバー300A,300BはいずれもMFP100とは別の装置として構成されるものとしているが、サーバー300A,300Bの少なくとも一方がMFP100に含まれ、MFP100がサーバーとして機能してもよい。
【0028】
MFP100、携帯端末200、およびサーバー300A,300Bは互いに通信可能であり、情報をやり取りする。この通信は、有線、無線を問わず、いずれの通信形態であってもよい。本実施の形態にかかる画像処理システムはオフィス環境で用いられることが想定されるため、一例として、図1に表わされたように、有線、または無線のLAN(Local Area Network)にこれら装置が接続され、該ネットワークを介して情報をやり取りする通信形態が挙げられる。
【0029】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0030】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、LANを介した通信を制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100の状態を検出するためのセンサー18とを含む。
【0031】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0032】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量を検出するためのセンサーや、各部のジャム(紙詰まり)や温度異常や動作異常等を検出するためのセンサーや、各部品の装着の有無を検知するためのセンサーなどが該当する。
【0033】
図3は、携帯端末200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、携帯端末200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、磁気センサーを含んで当該携帯端末200の向きを検出するための電子コンパス23と、GPS(Global Positioning System)信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー24と、情報を表示したり当該携帯端末200に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル25と、カメラ26と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー27と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー28とを含む。
【0034】
操作パネル25は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0035】
CPU200は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0036】
また、電子コンパス23およびGPSコントローラー24は、取得した当該携帯端末200の向きや位置情報を示す信号をCPU20に入力する。
【0037】
図4は、サーバー300Aのハードウェア構成の具体例を示す図である。サーバー300Bも同様であるため、図4では、これらをまとめてサーバー300として、その構成を示す。
【0038】
図4を参照して、サーバー300は上述のように一般的なコンピュータ等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、MFP情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)33と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー34とを含む。
【0039】
サーバー300AのHD33には、MFP情報としてMFP100の位置情報が記憶されている。MFP100の位置情報は、図示しない入力装置などから入力されることで記憶されてもよいし、MFP100から送信されることで記憶されてもよい。MFP100では、操作パネル15から入力されるものであってもよいし、図示しないGPSコントローラーを有する場合には該コントローラーによって取得されてもよい。
【0040】
<動作概要>
図5は、実施の形態にかかる画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【0041】
図5を参照して、携帯端末200は、撮影時の位置および方向と、プリント対象としてユーザーによって指定されたプリントデーターを特定するための情報であるプリントデーター情報とをサーバー300Aに対して送信する。プリントデーター情報としては、プリントデーター自体の識別情報(たとえばデーター名等)と、当該データーの格納場所を特定する情報とが含まれる。
【0042】
サーバー300Aは、MFP100に対してプリントデーター情報を送信する。MFP100は、該プリントデーター情報に基づいて当該プリントデーターを格納するサーバー300Bに対してプリントデーターを要求し、サーバー300Bからプリントデーターを受け取る。
【0043】
MFP100は、受け取ったプリントデーターに基づいてプレビュー画像を生成して、生成されたプレビュー画像をプリント情報と共にサーバー300Aに対して送信する。プリント情報とは、当該プリントデーターを印刷する場合の情報であって、待ち時間や印刷時間などが含まれる。また、当該MFPの機能に関する情報が含まれていてもよい。機能に関する情報としては、たとえば、いわゆるNin1印刷とよばれる集約印刷機能や、カラー/モノクロの機能などが該当する。
【0044】
サーバー300Aは、MFP100から受け取った情報に基づいてタグ情報を生成し、携帯端末200に対して送信する。
【0045】
ここで、タグ情報とは、携帯端末200での撮影画像に合成することで付加される画像であるタグを表示させるための情報を指す。タグ情報には、MFP100を特定する情報をタグとして表示するための情報が含まれる。
【0046】
図6は、画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
図6を参照して、携帯端末で処理用のアプリケーションを起動して、ユーザーは、当該アプリケーションに従って表示されるプリントデーター一覧などから、MFPに印刷させるプリントデーターを選択する。
【0047】
図7は、携帯端末での表示画面の具体例を示す図である。図7に示されるように、アプリケーションを起動してプリントデーター一覧を表示させることで、当該携帯端末からの指示で印刷可能なプリントデーターの一覧が携帯端末の操作パネルに表示される。この画面は、一例として、アプリケーションに従って携帯端末がプリントデーターを管理するためのサーバーにアクセスして印刷可能なプリントデーターを特定する情報を取得することで、表示させることができる。
【0048】
たとえば、この画面で表示されているプリントデーター名をタッチする、などの方法で、ユーザーは印刷対象のプリントデーターを選択することができる。
【0049】
その後、ユーザーから撮影指示を受け付けると、携帯端末では撮影動作(ステップS11)が行なわれると共に、そのときの位置および向きが測定される(ステップS12)。そして、携帯端末から、選択されたプリントデーターについての上述のプリントデーター情報が測定された位置および方向と共に装置情報を記憶するためのサーバー(サーバーA)に送信され、タグ情報が要求される(ステップS13)。
【0050】
サーバーAには、予め各MFPの位置情報が記憶されている。図8は、サーバーAに記憶されるMFP情報の具体例を示す図である。図8を参照して、サーバーAには、一例として、MFPごとの位置情報と、ネットワーク上の位置情報に相当するIPアドレスとが記憶されている。
【0051】
サーバーAは、各MFPの位置情報を参照して、受信した携帯端末の位置および向きで特定される当該携帯端末の撮影範囲にあるMFPを検索する(ステップS31)。そして、検索されたMFPに対して受信したプリントデーター情報を渡して、プレビュー画像とプリント情報とをMFPに要求する(ステップS32)。複数のMFPが検索された場合には、それらすべてのMFPに対してプレビュー画像とプリント情報とを要求する。
【0052】
MFPは、受信したプリントデーター情報から当該プリントデーターの格納先であるサーバー(サーバーB)を特定し、当該プリントデーターを要求する。そして、サーバーBからプリントデーターを取得すると(ステップS51)、MFPはそのデーターを用いてプレビュー処理を行なって、プレビュー画像を生成する(ステップS52)。
【0053】
このとき生成されるプレビュー画像は、カラー印刷が可能な場合にはカラー画像で、モノクロ印刷のみが可能な場合にはモノクロ画像として生成されることが好ましい。
【0054】
また、このとき、MFPは、たとえば当該プリントデーターを印刷する場合の待ち時間や印刷時間や完了時間なども算出して、プリント情報を生成する。また、プリントデーターのサイズに応じた消費電力のテーブルなどを予め記憶しておくことで、当該プリントデーターを印刷する場合の消費電力も算出するようにしてもよい。そして、プレビュー画像とプリント情報とをサーバーAに対して送信する(ステップS53)。このとき、集約印刷機能の有無などの当該MFPの機能に関する情報も併せて送信するようにしてもよい。
【0055】
なお、MFPがマシントラブルなどによって印刷ができない状態である場合には、上記ステップS53では、上記情報に替えて、印刷不可を表わす情報をサーバー300Aに送信するようにしてもよい。
【0056】
サーバーAは、受信したこれら情報を用いてタグ情報を生成する(ステップS33)。タグ情報には、一例として、プレビュー画像、MFPを特定する情報としての当該MFPのホスト名、当該プリントデーターを印刷する場合の待ち時間、印刷時間、完了時間、および消費電力などを表わす画像データーが含まれる。また、上述のように、当該画像データーでは集約印刷機能の有無など、MFPの機能に関する情報が表わされてもよい。なお、MFP情報として上述の機能に関する情報も記憶している場合には、この情報を参照してタグ情報を生成するようにしてもよい。
【0057】
また、上述のように印刷不可を示す情報がMFPから返された場合、サーバーAは、それを表わす画像データーを含んだタグ情報や、印刷不可であることに対応付けられた色でタグを表示する画像データーを含んだタグ情報を生成するようにしてもよい。
【0058】
生成したタグ情報は、サーバーAから携帯端末に対して送信される(ステップS34)。
【0059】
携帯端末では、上記ステップS11での撮影画面に、サーバーBからのタグ情報に基づくタグが重ねて表示される(ステップS14)。
【0060】
図9は、上記ステップS14での携帯端末の表示画面の具体例を示す図である。
図9の例では、当該携帯端末において印刷対象のプリントデーターとして「PrintData_901」が選択され、撮影範囲に「MFP_A」と「MFP_B」との2台のMFPが存在する例が示されている。この場合、携帯端末ではサーバーAからのタグ情報に基づいて、これら2台のMFPのそれぞれについてのプレビュー画像と当該プリントデーターを印刷した場合の完了時間、待ち時間、および印刷時間を表わすタグが、撮影された各MFPの近傍に重ねて表示される。
【0061】
この付加画像であるタグは、タッチパネルである操作パネル25において選択可能に表示されるものであってもよい。この場合、いずれかのタグに対するタッチを受け付けることで、選択されたタグに対応したMFPが印刷を実行させるMFPと特定される。すなわち、この選択を受け付けると、携帯端末は選択されたMFPを特定する情報をサーバーAに対して送信し、サーバーAは該当するMFPに対して印刷指示を送信する。これにより、当該プリントデーターが選択されたMFPで印刷されることになる。つまり、ユーザーは撮影画像に重ねて表示されたタグでプレビュー画像や印刷された場合の情報を確認してから印刷を実行させるMFPを、直感的な操作で選択することができる。
【0062】
<機能構成>
図10は、上述の動作を実現するための携帯端末200の機能構成の具体例を示すブロック図である。図10に示される各機能は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行することで、主にCPU20に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0063】
図10を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末200は、操作パネル25からの指示入力を受け付けるための指示入力部205と、操作パネル25からの撮影指示に応じてGPSコントローラー24から得られた信号より当該携帯端末200の位置を取得するための位置取得部206と、操作パネル25からの撮影指示に応じて電子コンパス23から得られた信号より当該携帯端末200の向きを取得するための向き取得部207と、操作パネル25からの撮影指示に応じてカメラ26による撮影を実行して撮影された画像データーを取得するための画像取得部208と、取得された位置と向きとを表わす情報と、図7のプリントデーター一覧から印刷対象として選択されたプリントデーターを特定する情報とをネットワークコントローラー27を介してサーバー300Aに対して送信するための送信部203と、ネットワークコントローラー27を介してサーバー300Aから送信されたタグ情報の入力を受け付けるためのタグ情報入力部204と、撮影画像とタグ情報とから画面を生成するための生成部210と、生成された画面を操作パネル25に表示する処理を実行するための表示処理部211とを含む。
【0064】
図11は、上述の動作を実現するためのサーバー300Aの機能構成の具体例を示すブロック図である。図11に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0065】
図11を参照して、HD33には、図8に示されたようなMFP情報を記憶するための記憶領域であるMFP情報記憶部331が含まれる。
【0066】
さらに図11を参照して、上記動作を実現するための機能としてサーバー300Aは、ネットワークコントローラー34を介して携帯端末200から携帯端末の位置および向きとプリントデーター情報とを受信して、該当するMFPについてのタグ情報の要求を受け付けるための要求入力部301と、受信した携帯端末の位置および向きに基づいて携帯端末200の撮影範囲内にあるMFPを検索するための検索部302と、ネットワークコントローラー34を介して検索されたMFPに対してプリントデーター情報を送信し、プレビュー画像とプリント情報とを要求するための要求部303と、ネットワークコントローラー34を介してMFPからプレビュー画像とプリント情報とを受け取るためのプレビュー入力部304と、プレビュー画像とプリント情報とを用いてタグ情報を生成するための生成部305と、生成されたタグ情報をネットワークコントローラー34を介して携帯端末200に対して送信するための送信部306とを含む。
【0067】
なお、図示しないものの、MFP100のCPU10は、サーバーAからの要求に応じて受信したプリントデーター情報に基づいてプリントデーターをサーバーBから取得するための機能、当該プリントデーターを用いてプレビュー処理を行なってプレビュー画像を生成すると共に、当該プリントデーターを印刷した場合の完了時間、待ち時間、および印刷時間を算出してプリント情報を得るための機能と、これらプレビュー画像とプリント情報とをサーバーAに対して送信するための機能とを含む。
【0068】
<動作フロー>
図12は、サーバー300Aでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図12のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図11に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0069】
図12を参照して、サーバー300AのCPU30は、携帯端末からタグ情報の要求を受け付けると(ステップS101でYES)、ステップS103で、MFP情報に含まれる各MFPの位置を参照して、携帯端末の位置および方向から特定される撮影範囲に存在するMFPを検索する。そして、ステップS105で検索されたMFPに対して、プリントデーター情報を送信して、プレビュー画像およびプリント情報を要求する。
【0070】
上記要求に応じてMFPからプレビュー画像およびプリント情報を受信すると(ステップS107でYES)、ステップS109でCPU30は、これら情報に基づいてタグ情報を生成し、携帯端末に対して送信する。
【0071】
なお、MFPからマシントラブルなどによって印刷不可であることを表わす情報がサーバー300Aに送信された場合、CPU30は、予め記憶している、印刷不可を表わすタグを表示するためのタグ情報や、印刷不可である状態に対応付けられた色でタグを表示するためのタグ情報を生成するようにしてもよい。
【0072】
CPU30は、以上の一連の動作を繰り返す。
図13は、携帯端末200での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図13のフローチャートに示される動作は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行し、図10に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0073】
図13を参照して、携帯端末200のCPU20は、撮影指示を受け付けると(ステップS201でYES)、ステップS203でCPU20はカメラ26での撮影を行なうと共に、ステップS205でそのときの位置および向きを測定する。そして、ステップS207で、測定された位置および向きをサーバー300Aに送信して、タグ情報を要求する。
【0074】
当該要求に応じてサーバー300Aからタグ情報を受信すると(ステップS209でYES)、ステップS211でCPU20は、受信したタグ情報に基づく画像であるタグを上記ステップS203で得られた撮影画像に合成して表示する。これにより、図9の画面が表示される。
【0075】
CPU20は、以上の一連の動作を繰り返す。
<実施の形態の効果>
本実施の形態にかかる画像処理システムにおいて以上の動作が行なわれることで、携帯端末を用いて印刷対象とするプリントデーターを指定し、その後、MFPの方向を向けて撮影を行なうという容易な操作によって、図9に表わされたように、その撮影画像内にあるMFPにおいて当該プリントデーターを印刷した場合のプレビュー画像を携帯端末上で確認することができる。また、そのとき、図9に表わされたように完了時間や待ち時間等の情報も併せて表示されることで、それら情報を容易な操作で確認することができる。
【0076】
このようにすることで、ユーザーは、たとえMFPそれぞれの設置位置を把握していない場合であっても、各方向に向けて撮影を行なうという直感的で容易な操作で、設置位置ごとのMFPの情報を携帯端末で確認することができる。
【0077】
また、ユーザーは、各MFPまで行って操作することなくそれぞれのプレビュー画像等を確認することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0078】
なお、上述のように、MFPがマシントラブル等で印刷不可の状態である場合にはその旨が表示される。または、そのとき、図14に示されたように、プレビュー画像と共に印刷不可であることがタグで表示されてもよい。
【0079】
このようにすることで、ユーザーは直感的で容易な操作で、各MFPでの仕上がりを事前に確認することができ、指定したプリントデーターを印刷させるMFPを容易に選択することができる。
【0080】
なお、上の例では、プリントデーターを指定する装置とタグを表示する装置とが共に携帯端末であるものとしているが、プリントデーターの指定は、図示しないPC(パーソナルコンピューター)等の情報処理装置でなされ、その後に携帯端末で撮影されることで撮影画像にタグが重ねて表示されるようにしてもよい。
【0081】
さらに、上述したように、図9や図14に示されたタグが表示された画面において、当該タグをタッチすることで印刷させるMFPの指定ができるようにしてもよい。このようにすることで、指定したプリントデーターを印刷させるMFPをより容易に選択することができる。
【0082】
さらに、上述の動作を携帯端末200およびサーバー300Aに実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0083】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0084】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0085】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0087】
10,20,30 CPU、13 スキャナー、14 プリンター、15,25 操作パネル、16,28 メモリー、17,27,34 ネットワークコントローラー、18 センサー、21,31 ROM、22,32 RAM、23 電子コンパス、24 GPSコントローラー、26 カメラ、33 HD、100 MFP、200 携帯端末、203,306 送信部、204 タグ情報入力部、205 指示入力部、206 位置取得部、207 向き取得部、208 画像取得部、210,305 生成部、211 表示処理部、300,300A,100B サーバー、301 要求入力部、302 検索部、303 要求部、304 プレビュー入力部、331 情報記憶部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、
画像処理装置と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備え、
前記サーバーは、
前記画像処理装置の位置を記憶するための記憶手段と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と通信するための通信手段と、
前記携帯端末からの要求に応じて画像データーを含む情報を生成し、送信する処理を行なうための処理手段とを備え、
前記処理手段は、
前記携帯端末の位置および向きを取得し、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定する処理と、
前記特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する処理と、
前記画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、前記携帯端末に送信する処理とを実行し、
前記携帯端末は、前記サーバーから送信された表示用のデーターに基づいて、前記プレビュー画像を、前記撮影手段での撮影画像に重ねて表示する処理を行なう、画像処理システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記特定された画像処理装置に対して、前記処理対象のデーターの格納場所を通知することで前記プレビュー画像を要求し、
前記画像処理装置は、前記格納場所から前記処理対象のデーターを取得して前記データーのプレビュー画像を生成する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記携帯端末では、前記表示用のデーターに基づいて前記撮影画像に重ねて表示された画像の選択を受け付けることで、前記画像処理装置を前記処理対象のデーターを処理する画像処理装置として特定する、請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記表示用のデーターには、前記処理対象のデーターを前記画像処理装置で処理した場合の処理時間に関する情報が含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記表示用のデーターには、前記画像処理装置の前記処理対象のデーターの処理に関わる機能に関する情報が含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記画像処理装置は、前記処理対象のデーターの処理ができないマシンステータスである場合に、前記サーバーの前記要求に対してその旨を通知し、
前記サーバーは、前記通知に応じて、前記マシンステータスに応じた表示用のデーターを生成する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
撮影手段と表示手段とを含む携帯端末、および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーであって、
前記画像処理装置の位置を記憶するための記憶手段と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と通信するための通信手段と、
前記携帯端末からの要求に応じて画像データーを含む情報を生成し、送信する処理を行なうための処理手段とを備え、
前記処理手段は、
前記携帯端末の位置および向きを取得し、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定する処理と、
前記特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する処理と、
前記画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、前記携帯端末に送信する処理とを実行する、サーバー。
【請求項8】
撮影手段および表示手段を有する携帯端末に処理対象のデーターのプレビュー画像を表示する方法であって、
前記処理対象のデーターが指定された後に前記撮影手段での撮影がなされると、撮影時の位置および向きを前記携帯端末からサーバーに対して送信するステップと、
画像処理装置の位置を記憶しているサーバーにおいて、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置に対して、前記処理対象のデーターのプレビュー画像を要求するステップと、
前記特定された画像処理装置において前記プレビュー画像を生成し、前記サーバーに対して送信するステップと、
前記サーバーにおいて、前記画像処理装置から得られた前記プレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末において、前記サーバーから送信された表示用のデーターに基づいて、前記プレビュー画像を、前記撮影手段での撮影画像に重ねて表示するステップとを備える、表示方法。
【請求項9】
撮影手段および表示手段を有する携帯端末に処理対象のデーターのプレビュー画像を表示する処理を実行させるプログラムであって、
前記処理対象のデーターが指定された後に前記撮影手段での撮影がなされると、撮影時の位置および向きを前記携帯端末からサーバーに対して送信するステップと、
サーバーにおいて生成された、前記携帯端末の撮影範囲内にある画像処理装置での前記処理対象のデーターのプレビュー画像を含む表示用のデーターを前記サーバーより受信し、前記表示用のデーターに基づいて、前記プレビュー画像を、前記撮影手段での撮影画像に重ねて表示するステップとを前記携帯端末に実行させる、表示プログラム。
【請求項1】
撮影手段および表示手段を含む携帯端末と、
画像処理装置と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備え、
前記サーバーは、
前記画像処理装置の位置を記憶するための記憶手段と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と通信するための通信手段と、
前記携帯端末からの要求に応じて画像データーを含む情報を生成し、送信する処理を行なうための処理手段とを備え、
前記処理手段は、
前記携帯端末の位置および向きを取得し、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定する処理と、
前記特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する処理と、
前記画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、前記携帯端末に送信する処理とを実行し、
前記携帯端末は、前記サーバーから送信された表示用のデーターに基づいて、前記プレビュー画像を、前記撮影手段での撮影画像に重ねて表示する処理を行なう、画像処理システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記特定された画像処理装置に対して、前記処理対象のデーターの格納場所を通知することで前記プレビュー画像を要求し、
前記画像処理装置は、前記格納場所から前記処理対象のデーターを取得して前記データーのプレビュー画像を生成する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記携帯端末では、前記表示用のデーターに基づいて前記撮影画像に重ねて表示された画像の選択を受け付けることで、前記画像処理装置を前記処理対象のデーターを処理する画像処理装置として特定する、請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記表示用のデーターには、前記処理対象のデーターを前記画像処理装置で処理した場合の処理時間に関する情報が含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記表示用のデーターには、前記画像処理装置の前記処理対象のデーターの処理に関わる機能に関する情報が含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記画像処理装置は、前記処理対象のデーターの処理ができないマシンステータスである場合に、前記サーバーの前記要求に対してその旨を通知し、
前記サーバーは、前記通知に応じて、前記マシンステータスに応じた表示用のデーターを生成する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
撮影手段と表示手段とを含む携帯端末、および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーであって、
前記画像処理装置の位置を記憶するための記憶手段と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と通信するための通信手段と、
前記携帯端末からの要求に応じて画像データーを含む情報を生成し、送信する処理を行なうための処理手段とを備え、
前記処理手段は、
前記携帯端末の位置および向きを取得し、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定する処理と、
前記特定された画像処理装置に対して、処理対象のデーターのプレビュー画像を要求する処理と、
前記画像処理装置から得られたプレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、前記携帯端末に送信する処理とを実行する、サーバー。
【請求項8】
撮影手段および表示手段を有する携帯端末に処理対象のデーターのプレビュー画像を表示する方法であって、
前記処理対象のデーターが指定された後に前記撮影手段での撮影がなされると、撮影時の位置および向きを前記携帯端末からサーバーに対して送信するステップと、
画像処理装置の位置を記憶しているサーバーにおいて、前記携帯端末の撮影範囲にある画像処理装置を特定し、特定された画像処理装置に対して、前記処理対象のデーターのプレビュー画像を要求するステップと、
前記特定された画像処理装置において前記プレビュー画像を生成し、前記サーバーに対して送信するステップと、
前記サーバーにおいて、前記画像処理装置から得られた前記プレビュー画像を含む表示用のデーターを生成し、前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末において、前記サーバーから送信された表示用のデーターに基づいて、前記プレビュー画像を、前記撮影手段での撮影画像に重ねて表示するステップとを備える、表示方法。
【請求項9】
撮影手段および表示手段を有する携帯端末に処理対象のデーターのプレビュー画像を表示する処理を実行させるプログラムであって、
前記処理対象のデーターが指定された後に前記撮影手段での撮影がなされると、撮影時の位置および向きを前記携帯端末からサーバーに対して送信するステップと、
サーバーにおいて生成された、前記携帯端末の撮影範囲内にある画像処理装置での前記処理対象のデーターのプレビュー画像を含む表示用のデーターを前記サーバーより受信し、前記表示用のデーターに基づいて、前記プレビュー画像を、前記撮影手段での撮影画像に重ねて表示するステップとを前記携帯端末に実行させる、表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−70144(P2013−70144A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205876(P2011−205876)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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