説明

画像処理システム、画像処理方法、画像処理装置及びコンピュータプログラム

【課題】 複数の画像処理を一連の画像処理として登録し、一度の指示で行わせることを可能とするとともに、一連の画像処理に含まれるそれぞれの画像処理を何れの装置で行わせるかを指定可能とする技術を提供すること。
【解決手段】 画像データに対して実行する画像処理を複数設定したスキャンチケットを作成する。そして、画像処理装置でスキャンチケットに定義された処理の実行命令を受け付けると、スキャナを用いて作成した電子画像データに対して、画像処理装置で行うと定義された画像処理を実行する。そして、スキャンチケットにサーバ装置で実行する処理が定義されている場合には、作成した電子画像データをサーバ装置に送信し、サーバ装置で、スキャンチケットにサーバ装置で実行すると定義された画像処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置での画像処理技術に関し、特に複数の関連する処理を、一連の処理として設定可能な画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機等の画像処理装置は、スキャナ等の原稿の読取機構を備え、当該読取機構を用いて読み取った画像データの印刷処理やFAX送信処理を行ったり、画像データから指定の形式のファイルを生成し、予め指定されたコンピュータ上のフォルダに送信したりすることが可能である。
【0003】
しかし、1つの原稿に関して上記した処理のうち複数の処理を実行する場合には、それぞれの処理を行う度に原稿の読み取り処理を行わなくてはならず、非効率であった。そこで、特許文献1に記載の発明では、一度の原稿読み取り処理の後、USBメモリ等に記憶された複数の処理を画像処理装置に実行させることについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−22107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されている発明では、一連の処理を全て画像処理装置で行うことになる。しかし、これでは画像処理装置の処理負荷が増してしまう。たとえば、特定の処理を画像処理装置で行い、その他の処理をサーバ装置で行うような構成を採用したほうが、負荷分散の観点からは好ましい。
【0006】
さらに、一連の画像処理のうち、一部、または全部の画像処理をサーバ装置で行うようにすることで、画像処理装置が有していない画像処理を一連の画像処理に含ませることが可能になる。
【0007】
そこで、本発明は、複数の画像処理を一連の画像処理として登録し、一度の指示で行わせることを可能とするとともに、一連の画像処理に含まれるそれぞれの画像処理を何れの装置で行わせるかを指定可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明の画像処理システムは、
画像処理装置で実行する処理を定義するスキャンチケットを作成するサーバ装置と、前記スキャンチケットに定義された処理を実行する画像処理装置を備える画像処理システムであって、
前記サーバ装置は、
クライアント装置から、スキャンチケットに定義する処理、及び当該処理を実行する装置に関する情報を含むスキャンチケット作成情報を受信する第1の受信手段と、
前記受信したスキャンチケット作成情報に従って、スキャンチケットを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成されたスキャンチケットを記憶する記憶手段と、
前記画像処理装置からスキャンチケットの要求を受け付けた場合に、当該画像処理装置にスキャンチケットを送信する第1の送信手段と
を備え、
前記画像処理装置は、
前記サーバ装置に対して、スキャンチケットを要求する要求手段と、
前記要求手段での要求に応じて前記サーバ装置の第1の送信手段により送信されるスキャンチケットを受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段で受信したスキャンチケットを指定可能に表示する表示手段と、
前記表示手段で表示されたスキャンチケットの指定を受け付ける受付手段と、
原稿を読み取ることにより、電子画像データを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成された電子画像データに対して、前記受付手段で受け付けたスキャンチケットに定義された処理を実行する第1の実行手段と、
前記スキャンチケットに前記サーバ装置で実行する処理が定義されているかを判定する判定手段と、
前記判定手段で、前記サーバ装置で実行する処理が定義されていると判定した場合に、前記サーバ装置に対して前記電子画像データを送信する第2の送信手段を備え、
前記サーバ装置はさらに、前記画像処理装置から受信した電子画像データに対して、当該画像処理装置で指定を受け付けたスキャンチケットに定義されている処理のうち、サーバ装置が実行すると定義されている処理を実行する第2の実行手段
を備えることを特徴とする。
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明の画像処理方法は、
画像処理装置で実行する処理を定義するスキャンチケットを作成するサーバ装置と、前記スキャンチケットに定義された処理を実行する画像処理装置を備える画像処理システムによって行われる画像処理方法であって、
前記サーバ装置の第1の受信手段が、クライアント装置から、スキャンチケットに定義する処理、及び当該処理を実行する装置に関する情報を含むスキャンチケット作成情報を受信する第1の受信工程と、
前記サーバ装置の作成手段が、前記受信したスキャンチケット作成情報に従って、スキャンチケットを作成する作成工程と、
前記サーバ装置の記憶手段が、前記作成工程で作成されたスキャンチケットを記憶装置に記憶する記憶工程と、
前記サーバ装置の第1の送信手段が、前記画像処理装置からスキャンチケットの要求を受け付けた場合に、当該画像処理装置にスキャンチケットを送信する第1の送信工程と、
前記画像処理装置の要求手段が、前記サーバ装置に対して、スキャンチケットを要求する要求工程と、
前記画像処理装置の第2の受信手段が、前記要求工程での要求に応じて前記サーバ装置の第1の送信手段により送信されるスキャンチケットを受信する第2の受信工程と、
前記画像処理装置の表示手段が、前記第2の受信工程で受信したスキャンチケットを指定可能に表示部に表示する表示工程と、
前記画像処理装置の受付手段が、前記表示部に表示されたスキャンチケットの指定を受け付ける受付工程と、
前記画像処理装置の作成手段が、原稿を読み取ることにより、電子画像データを作成する作成工程と、
前記画像処理装置の第1の実行手段が、前記作成手段で作成された電子画像データに対して、前記受付手段で受け付けたスキャンチケットに定義された処理を実行する第1の実行工程と、
前記画像処理装置の判定手段が、前記スキャンチケットに前記サーバ装置で実行する処理が定義されているかを判定する判定工程と、
前記画像処理装置の第2の送信手段が、前記判定工程で、前記サーバ装置で実行する処理が定義されていると判定した場合に、前記サーバ装置に対して前記電子画像データを送信する第2の送信工程と、
前記サーバ装置の第2の実行手段が、前記画像処理装置から受信した電子画像データに対して、前記画像処理装置で指定を受け付けたスキャンチケットに定義されている処理のうち、サーバ装置が実行すると定義されている処理を実行する第2の実行工程と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の画像処理を一連の画像処理として登録し、一度の指示で行わせることを可能とするとともに、一連の画像処理に含まれるそれぞれの画像処理を何れの装置で行わせるかを指定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の画像処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】図1のサーバ装置101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図1の複合機103のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】サーバ装置101によって行われる処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS402の新規スキャンチケット作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図4のステップS404のスキャンチケットを用いた処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図4のステップS406のスキャンチケット実行処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】新規スキャンチケット作成処理で用いられる画面の一例を示す図である。
【図9】画像処理装置のLCD表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図10】サーバ装置101の外部メモリに保存されるスキャンチケットデータの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例を説明する。
【0013】
図1は本発明の画像処理システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示すように、本発明の画像処理システムは、サーバ装置101、クライアント装置102−1、102−2(以下まとめてクライアント装置102とする)、複合機103−1、103−2(以下まとめて複合機103とする)、LAN(Local Area Network)等のネットワーク104を備えて構成される。
【0014】
サーバ装置101は、クライアント装置102からの要求に応じてスキャンチケットを作成する機能、複合機103からの要求に応じて、スキャンチケットを複合機に送信する機能、複合機103から送信された画像データ対してスキャンチケットに設定された画像処理を実行する機能を有している装置である。スキャンチケットとは、複合機で原稿を読み取る際の解像度、カラー/モノクロ設定や、読取処理を行うことによって作成された画像データを用いて実行する各種の処理等を定義した情報である。スキャンチケットの構成については、図10を参照して後述することにする。
【0015】
クライアント装置102は、スキャンチケットの作成をサーバ装置101に要求するために用いられる装置である。
【0016】
複合機103は、スキャンチケットに基づいた原稿の読取処理や、読取処理を行うことにより作成された画像データを用いてスキャンチケットで定義された処理を実行する装置である。複合機103は、プリント機能、コピー機能、FAX送信機能、スキャナ機能、ファイル送信機能、メール送信機能等を備えている。
【0017】
ネットワーク104は、上記した各装置を相互に通信可能に接続するためのネットワークである。その接続形態は有線/無線を問わない。以上が、本発明の画像処理システムの構成の一例の説明である。
【0018】
次に、図2を参照して、図1のサーバ装置101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0019】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0020】
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードして、ロードした該当プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0021】
また、205は入力コントローラで、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置209からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ装置210等の表示器への表示を制御する。これらは必要に応じて操作者が使用するものである。
【0022】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0023】
208は通信I/F(インタフェース)コントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN104)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0024】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0025】
本発明を実現するための後述するフローチャートに示す各ステップの処理は、コンピュータで読み取り実行可能なプログラムにより実行され、そのプログラムは外部メモリ211に記録されている。そして、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0026】
尚、図1のクライアント装置102もサーバ装置101と同様のハードウェア構成を有しているので、詳細な説明は割愛する。
【0027】
次に、図3を参照して、図1の複合機103のハードウェア構成について説明する。図3は、図1の複合機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN104)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0029】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0030】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
【0031】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0032】
305はネットワークインタフェース(ネットワークI/F)で、LAN104等のネットワークに接続し、データの入出力を行う。306はモデムで、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0033】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においてはユーザの認証を行う際に必要となる非接触ICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0034】
320はイメージバスインタフェース(イメージバスI/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0035】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0036】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行ったりする。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。そして、この画像処理部317は、スキャナ部314を駆動して画像読み取りされた画像データを画像処理して、ファイル出力可能な形式(例えば、PDF形式ファイル)に変換し、CPU301と連携して、ネットワークI/F305を介して、外部装置に画像データのファイルを送
信することができる。
【0037】
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0038】
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0039】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0040】
尚、表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタによって本発明は構成されている。
【0041】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0042】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、非接触ICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0043】
以上のような構成によって、プリンタ312は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN104上に送信したり、LAN104から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力したりすることができる。
【0044】
また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力したりすることができる。
【0045】
次に、図4を参照して、サーバ装置101によって実行される処理の概要について説明する。この処理をサーバ装置101のCPU201に行わせるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、必要に応じてCPU201は当該プログラムをRAM202にダウンロードし、その制御に従って本処理を行うことになる。
【0046】
サーバ装置101のCPU201は、本図に示す処理において、クライアント装置102からの新規スキャンチケットの作成要求を受け付けたか(ステップS401)、複合機103からのスキャンチケット要求を受け付けたか(ステップS403)、スキャンチケットに定義された処理を実行するか(ステップS405)を判定することになる。
【0047】
まず、クライアント装置102から新規スキャンチケットの作成要求を受け付けた(ステップS401でYES)と判定した場合には、処理をステップS402に進め、新規スキャンチケット作成処理を行う。この処理の詳細については、図5を参照して後述することにする。
【0048】
複合機103からのスキャンチケット要求を受け付けた(ステップS403でYES)と判定した場合には、処理をステップS404に進め、スキャンチケットを用いた処理を行う。この処理の詳細については、図6を参照して後述することにする。
【0049】
また、複合機103からスキャンチケットに対応付けられた画像データを受信した場合等に行うこととなる、スキャンチケットに定義された処理を実行する(ステップS405でYES)と判定した場合には、処理をステップS406に進め、スキャンチケット実行処理を行う。この処理の詳細については、図7を参照して後述することにする。
【0050】
そして上記の処理を例えば本プログラムが終了するまで(ステップS407でYESと判定)行うことになる。以上が、サーバ装置101によって行われる処理の概要である。
【0051】
次に、図5を参照して図4のステップS402の新規スキャンチケット作成処理の詳細について説明する。この処理は、クライアント装置102のCPU201及びサーバ装置101のCPU201によって行われる処理である。
【0052】
クライアント装置102のCPU201に図5のステップS501〜S507の処理を実行させるためのプログラムは、クライアント装置102の外部メモリ211等に記憶されており、本処理実行に際し、クライアント装置102のCPU201は、当該プログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従ってこれら処理を行う。
【0053】
また、サーバ装置101のCPU201に図5のステップS511〜S515の処理を実行させるためのプログラムは、サーバ装置101の外部メモリ211等に記憶されており、本処理実行の際に、サーバ装置101のCPU201は、当該プログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従ってこれら処理を行う。
【0054】
まず、クライアント装置102のCPU201は、サーバ装置101に対して新規スキャンチケットの作成要求を送信する(ステップS501)。そして、サーバ装置101はクライアント装置102からの新規スキャンチケットの作成要求を受信すると(ステップS511)、新規スキャンチケット作成画面の画面情報を送信する(ステップS512)。
【0055】
サーバ装置101から送信された画面情報を受信すると(ステップS502)、受信した画面情報に基づいてディスプレイ装置210に新規スキャンチケット作成画面を表示する。ここでディスプレイ装置210に表示される新規スキャンチケット作成画面は図8に示すような画面である。
【0056】
ここで、図8を参照して、クライアント装置102のディスプレイ装置210に表示される新規スキャンチケット作成画面800の構成について説明する。
【0057】
新規スキャンチケット作成画面800は、スキャンチケット名入力部801、使用可能ユーザ指定部802、実行する処理指定部803、処理詳細設定入力部804、処理主体選択部805、追加ボタン806、定義済み処理表示部807、作成ボタン808、キャンセルボタン809等を備えて構成されている。
【0058】
スキャンチケット名入力部801は、これから作成するスキャンチケットの名称の入力を受け付ける入力部である。使用可能ユーザ指定部802は、子の新規スキャンチケット作成画面800に入力された項目により作成されるスキャンチケットを使用可能なユーザを指定する指定部である。例えば、全ユーザ、作成者のみ、作成者と同じ課のユーザ、任意のユーザ、任意のグループ等を指定することが可能である。
【0059】
実行する処理指定部803は、当該スキャンチケットが指定された場合に実行する処理を指定する指定部である。例えば、ファイル送信処理、コピー処理、メール送信処理、といった複合機103が有する機能によって実行可能な処理のほか、サーバ装置101の外部メモリ211に保存されているアプリケーションプログラムによって実行可能な、OCR処理や翻訳処理等を指定することが可能である。
【0060】
処理詳細設定入力部804は、実行する処理指定部803で指定された処理を実行するために必要な詳細情報を入力する入力部である。図8では、指定された処理がメール送信の場合に処理詳細設定入力部804の表示例を示している。
【0061】
指定された処理がメール送信である場合には、処理詳細設定入力部804には、メールの件名情報の入力を行うための件名入力欄804−1、送信者(FROM)情報の入力を行うためのFROM入力欄804−2、宛先(TO)情報の入力を行うためのTO入力欄804−3、CC情報の入力を行うためのCC入力欄804−4、BCC情報の入力を行うためのBCC入力欄804−5、本文の入力を行うための本文入力欄804−6、添付ファイルの作成方法を指定するための添付ファイル作成方法入力欄804−7等がこの処理詳細設定入力部804に設定されることになる。尚、添付ファイル作成方法入力欄804−7には、ファイル形式指定欄804−71、解像度指定欄804−72、カラー/モノクロ指定欄804−63が設定される。これらで指定された情報は、複合機103でのスキャン時の設定に反映されることになる。
【0062】
処理主体選択部805は、実行する処理指定部803で指定された処理をサーバ装置101で行うか、それとも複合機103で行うかの選択を受け付ける選択部である。尚、実行する処理指定部803で指定された処理が、複合機103で実行不可能な処理である場合には、複合機103を選択できないよう表示制御がなされる。
【0063】
追加ボタン806は、実行する処理指定部803、処理詳細設定入力部804及び処理主体選択部805に対する処理によって特定される処理を当該スキャンチケットが選択された場合に行う処理として追加するために用いるボタンである。
【0064】
定義済み処理表示部807は、既に作成中のスキャンチケットに定義済みの処理を表示するための表示部であり、詳細確認ボタン807−1、削除ボタン807−2を備えている。詳細確認ボタン807−1は定義済みの処理の詳細を表示するために用いられるボタンであって、詳細確認ボタン807−1に対する押下指示を受け付けると、不図示の詳細確認画面を表示することで、ユーザが設定情報の確認可能にする。削除ボタン807−2に対する押下指示を受け付けると、その行に表示されている定義済みの処理を削除する。
【0065】
作成ボタン808は、この新規スキャンチケット作成画面800を介して入力された各種の情報に従ったスキャンチケットの作成をサーバ装置101に要求するために用いられるボタンである。キャンセルボタン809はスキャンチケットの作成要求を行うことなく本画面を用いた処理を終了するために用いるボタンである。以上が、図8の新規スキャンチケット作成画面の説明である。
【0066】
図5の説明に戻る。ステップS503で新規スキャンチケット作成画面800を表示後、新規スキャンチケット作成画面800を介してスキャンチケット作成情報の入力を受け付ける(ステップ504)。その後、新規スキャンチケット作成画面800の作成ボタン808に対する押下指示がなされることにより入力される作成指示を受け付けたと判断した場合には(ステップS505でYES)、処理をステップS506に進め新規スキャンチケット作成画面800を介して入力されたスキャンチケット作成情報を、サーバ装置101に対して送信する。
【0067】
サーバ装置101のCPU201は、クライアント装置102から送信されたスキャンチケット作成情報を受信すると(ステップS513)、スキャンチケット作成情報に従ってスキャンチケットの作成を行う(ステップS514)。作成されるスキャンチケットは、図10に示すような構成を有している。
【0068】
図10は、図5のステップS514でサーバ装置101のCPU201によって作成されるスキャンチケットのデータ構成を示している。
【0069】
図10に示すように、スキャンチケットは、スキャンチケットデータ1000と処理詳細データ1010〜1030で構成されている。尚、処理詳細データ1010〜1030は、実行する処理毎に作成されることになり、1010はメール送信処理詳細データ、1020はファイル送信処理詳細データ、1030はFAX送信処理詳細データを示している。
【0070】
スキャンチケットデータ1000には、スキャンチケットID1001、スキャンチケット名1002、使用可能ユーザ1003、処理数1004、処理詳細1005、解像度1006、モノクロ/カラー1007がデータ項目として設定されている。
【0071】
スキャンチケットID1001はスキャンチケットデータを一意に識別するための識別情報を登録するデータ項目である。
【0072】
スキャンチケット名1002は、図8のスキャンチケット名入力部801に入力されたスキャンチケット名を登録するデータ項目である。使用可能ユーザ1003は、図8の使用可能ユーザ指定部802で指定された当該スキャンチケットの使用可能ユーザの情報を登録するデータ項目である。処理数は、当該スキャンチケットを指定した処理で実行される処理数が登録されるデータ項目であり、定義済み処理表示部807に表示されている処理の数が登録されることになる。
【0073】
処理詳細1005は、当該スキャンチケットを用いて行われる処理の詳細データに関する情報が登録されるデータ項目であり、処理種別1005−1、処理ID1005−2、処理主体1005−3が詳細データとして登録される。
【0074】
処理種別1005−1は、処理種別を示すデータが登録されるデータ項目であり、例えば、メール送信、FAX送信、ファイル送信等、図8の実行する処理指定部803で指定された処理が登録される。処理IDは、詳細処理データを特定するための識別情報が登録される項目であり、この処理の詳細データを登録している詳細データの識別情報が登録される。処理主体1005−3は、この処理をサーバ装置101、複合機103のどちらが行うかを示す情報が登録されるデータ項目であり、図8の処理主体選択部805で選択された情報が登録される。
【0075】
解像度1006は、複合機103で原稿の読取処理(スキャン処理)を実行する際に設定される解像度情報が登録されるデータ項目である。モノクロ/カラーは複合機103で原稿の読み取り処理を行う際に設定されるモノクロ/カラー指定が登録される。これらの情報は、例えば、メール送信処理の際に設定される添付ファイルの解像度、モノクロ/カラー設定等に基づいて決定され登録されることになる。
【0076】
処理詳細データ1010〜1030は、複合機103またはサーバ装置101が行うことになる各種の処理の詳細情報を登録するデータ項目であり、メール送信処理詳細データ1010であれば、処理ID1011、FROM1012、TO1013、CC1014、BSS1015、件名1016、本文1017、添付ファイル1018等のデータ項目が設定されており、添付ファイル1018には更にファイル形式1018−1、解像度1018−2、モノクロ/カラー1018−3が設定される。
【0077】
ファイル送信処理詳細データ1020には、処理ID1021、ファイル送信先フォルダ1022、ID1023、パスワード1024、送信ファイル1025等のデータ項目が設定されており、送信ファイル1025には更にファイル形式1025−1、解像度1025−2、モノクロ/カラー1025−3が設定される。尚、ID1023、パスワード1024には、ファイル送信先フォルダ1022に登録されたフォルダにアクセスする際に用いるユーザID情報、パスワード情報をそれぞれ登録することになる。
【0078】
FAX送信処理詳細データ1030には、処理ID1031、FAX送信先1032等のデータ項目が設定されている。以上がスキャンチケットのデータ構成の説明である。
【0079】
図5の説明に戻る。ステップS514でのスキャンチケットデータの作成処理終了後、サーバ装置101のCPU201は、その処理結果情報をスキャンチケットの作成要求を行ったクライアント装置102に対して送信する(ステップS515)、そして、クライアント装置102はその処理結果情報を受信し(ステップS507)、その情報にもとづき、処理結果をディスプレイ装置210に表示する。以上が図4のステップS402の新規スキャンチケット作成処理の詳細の説明である。
【0080】
次に、図6を参照して、図4のステップS404のスキャンチケットを用いた処理の詳細について説明する。この処理は複合機103のCPU201及びサーバ装置101のCPU201によって行われる処理である。
【0081】
複合機103のCPU301にステップS601〜ステップS614に示す処理を実行させるためのプログラムはHDD304等に記憶されており、CPU301は本処理を実行するに際して、当該プログラムをRAM302にロードし、ロードしたプログラムの制御に従って本処理を実行することになる。
【0082】
また、サーバ装置101のCPU201にステップS621〜ステップS624に示す処理を実行させるためのプログラムは外部メモリ211等に記憶されており、本処理を実行するに際して、当該プログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムの制御に従って本処理を実行することになる。
【0083】
複合機103のCPU301は、複合機を使用するユーザの認証処理を行う(ステップS601)。このユーザ認証処理では、ユーザID及びパスワードや、生体情報、ICカード情報などをユーザ認証情報として入力させ、当該ユーザ認証情報に関連づいているユーザを、複合機103を使用するユーザとして特定する処理を行う。
【0084】
ユーザ認証処理終了後、ユーザから受付けた処理内容がスキャンチケットを用いた処理要求をユーザの操作指示に従って受け付けたかを判定する(ステップS602)。この判定処理でスキャンチケットを用いたスキャン処理以外の処理要求を受け付けた(ステップS602でNO)と判定した場合には、処理をステップS603に進め、ユーザから要求があった処理(例えばコピー処理、FAX送信、プリント処理)を実行することになる。
【0085】
一方、ステップS602の判定処理でスキャンチケットを用いた処理の要求を受け付けた(ステップS602でYES)と複合機103のCPU301が判定した場合には、処理をステップS604に進め、ステップS601で特定されたユーザが使用可能なスキャンチケットをサーバ装置101に対して要求する。
【0086】
複合機103からのスキャンチケット要求を受信すると(ステップS621)、外部メモリ211に記憶されているスキャンチケットの中から複合機103を使用中のユーザが使用できるスキャンチケットをスキャンチケットデータの使用可能ユーザ1003に登録されている情報に従って取得し(ステップS622)、取得したスキャンチケットを複合機103に対して送信する(ステップS623)。この時、スキャンチケットデータ及び処理主体が複合機103となっている処理の詳細データを少なくとも複合機103に送信することになる。
【0087】
サーバ装置101から送信されたユーザが使用可能なスキャンチケットを受信した(ステップS605)後、図9に示すスキャンチケット選択画面を操作部308のLCD表示部に表示する(ステップS606)。
【0088】
ここで、図9を参照して、図6のステップS606で複合機103の操作部308のLCD表示部に表示されるスキャンチケット選択画面900の一例について説明する。
【0089】
図9に示すようにスキャンチケット選択画面900には、ユーザ情報表示部901、操作メニュー表示部902、スキャンチケット一覧表示部903、詳細ボタン904、実行ボタン905等を備えて構成されている。
【0090】
ユーザ情報表示部901は、複合機103を使用中のユーザのユーザ情報を表示する表示欄である。操作メニュー表示部902は、複合機103に対して各種処理の実行要求を入力させるために用いられるボタンを表示する表示部であり、例えばスキャンチケットボタン902−1に対する押下指示を行うことで、複合機103のCPU301に対してスキャンチケットを用いた処理の実行要求を入力することができる。
【0091】
スキャンチケット一覧表示部903はサーバ装置101から取得したスキャンチケットの一覧を表示する表示部であって、スキャンチケット名、処理数、解像度、カラー/モノクロ設定情報等の表示を行う。また、このスキャンチケット一覧表示部903に表示されているスキャンチケットに対する選択処理を受け付けることにより、実際に処理に使用するスキャンチケットを選択する。選択されたスキャンチケットは、例えば903−1に示すように背景色を変える等、他のスキャンチケットの表示と異ならせることで、いずれのスキャンチケットが選択状態であるかをユーザが認識できるようにする。
【0092】
詳細ボタン904は、スキャンチケット一覧表示部903で選択状態になっているスキャンチケットの詳細を表示するために用いられるボタンである。実行ボタン905は、スキャンチケット一覧表示部903で選択状態になっているスキャンチケットに定義された処理を実行する指示を複合機103に入力するために用いられるボタンである。以上がスキャンチケット選択画面の構成の一例の説明である。
【0093】
図6の説明に戻る。そして、ステップS606でスキャンチケット選択画面900を表示した後、スキャンチケット一覧表示部903に対する操作によるスキャンチケットの選択を受け付ける(ステップS607)。
【0094】
その後、実行ボタン905が押下指示を受け付けることで入力される処理実行指示を受け付けたと(ステップS608でYES)判定した場合には、処理をステップS609に進め、ステップS607で選択されたスキャンチケットに設定された解像度設定やカラーモノクロ設定等に従ってスキャン処理を実行する(ステップS609)。この処理ではスキャンチケットの設定に従ってスキャン処理を実行することになるので、ユーザが逐一スキャンに係る設定の入力を行う必要がない。
【0095】
その後、ステップS609でのスキャン処理により作成された画像データを用いて、スキャンチケットに設定された各種の処理(メール送信、ファイル送信等)を行うことになる。
【0096】
複合機103は、スキャンチケットに定義されている全ての処理詳細について、当該処理を複合機103で行うか否かを処理主体1005−3に従って判定し(ステップS610)、複合機103で行う処理である(ステップS610でYES)と判定した場合には、その処理の詳細設定データに定義された処理を実行する(ステップS611)。
【0097】
選択したスキャンチケットに定義された処理のうち、複合機103が処理を行う処理をすべて実行後、当該スキャンチケットにサーバ装置101で行う処理が定義されているかを判定する(ステップS612)。この判定処理でサーバ装置101で行う処理が定義されている(YES)と判定した場合には、処理をステップS613に進め、スキャン処理によって作成された画像データと、スキャンチケットデータ(少なくともスキャンチケットID)をサーバ装置101の所定のフォルダに送信する。
【0098】
その後、ユーザのログアウト処理が行われるなど、本処理を終了する(ステップS614でYES)と判定するまで、本図に示す処理を繰り返す。以上が図4のステップS404のスキャンチケットを用いた処理の詳細な説明である。
【0099】
次に、図7を参照して、図4のステップS406のサーバ装置101によるスキャンチケット実行処理の詳細について説明する。サーバ装置101に本図に示す処理を実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、本処理を実行する際に当該プログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。例えばこの処理は、図6のステップS624で複合機103から受付けた場合、又は所定の時間周期等で行うことになる。
【0100】
まず、サーバ装置101のCPU201は、画像処理装置から所定のフォルダに画像データを受け付けているかを判定する(ステップS701)。そして、ステップS701でYESと判定した場合には、当該画像データにスキャンチケットが関連付けられているかを判定する(ステップS702)。
【0101】
ステップS702でYESと判定した場合には、画像データに関連付けられているスキャンチケットに定義されている処理のうち、処理主体がサーバ装置101となっている処理をすべて実行することになる。
【0102】
まずスキャンチケットに定義されている処理詳細データを取得し、その処理主体がサーバ装置101となっているかを判定する(ステップS703)。この判定処理でYESと判定した場合には、処理をステップS704に進め、当該詳細処理データの処理種別、処理IDで特定される処理詳細データを取得し、この処理詳細データに定義されている処理を実行する(ステップS705)。
【0103】
以上、ステップS703〜ステップS705の処理を画像データに関連付けられているスキャンチケットに含まれるすべての処理詳細データ対して実行した場合、本処理を終了する。
【0104】
本発明では、上記のような構成をとることで、画像処理装置でのスキャン処理を伴う一連の複数の処理を、予め定義しておき、定義された処理を画像処理装置に実行させることで、同一の原稿を複数回スキャン処理させることなく、複数の処理を実行することが可能となる。
【0105】
また、一連の複数の処理を画像処理装置に実行させるか、それともサーバ装置に実行させるかを指定することが可能であるため、処理の負荷分散をさせることが可能になるとともに、画像処理装置が実行できない処理をサーバ装置101に行わせることが可能となる。その際のユーザの処理もスキャンチケットを選択し、処理を実行させるというとても簡単なものである。
【0106】
前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0107】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0108】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0109】
また、システムあるいは装置のコンピュータが、読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0112】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0113】
また上記のソフトウェアで実現する各処理を、ファームウェアやハードウェア構成にして、各処理を各手段として実現することも可能であり、本発明の技術的範囲はこのようなファームウェアやハードウェア構成による実現も含むものである。
【符号の説明】
【0114】
101 サーバ装置
102−1、102−2 クライアント装置
103−1、103−2 複合機
104 ネットワーク
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/F(インタフェース)コントローラ
209 入力装置
210 ディスプレイ装置
211 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置で実行する処理を定義するスキャンチケットを作成するサーバ装置と、前記スキャンチケットに定義された処理を実行する画像処理装置を備える画像処理システムであって、
前記サーバ装置は、
クライアント装置から、スキャンチケットに定義する処理、及び当該処理を実行する装置に関する情報を含むスキャンチケット作成情報を受信する第1の受信手段と、
前記受信したスキャンチケット作成情報に従って、スキャンチケットを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成されたスキャンチケットを記憶する記憶手段と、
前記画像処理装置からスキャンチケットの要求を受け付けた場合に、当該画像処理装置にスキャンチケットを送信する第1の送信手段と
を備え、
前記画像処理装置は、
前記サーバ装置に対して、スキャンチケットを要求する要求手段と、
前記要求手段での要求に応じて前記サーバ装置の第1の送信手段により送信されるスキャンチケットを受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段で受信したスキャンチケットを指定可能に表示する表示手段と、
前記表示手段で表示されたスキャンチケットの指定を受け付ける受付手段と、
原稿を読み取ることにより、電子画像データを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成された電子画像データに対して、前記受付手段で受け付けたスキャンチケットに定義された処理を実行する第1の実行手段と、
前記スキャンチケットに前記サーバ装置で実行する処理が定義されているかを判定する判定手段と、
前記判定手段で、前記サーバ装置で実行する処理が定義されていると判定した場合に、前記サーバ装置に対して前記電子画像データを送信する第2の送信手段を備え、
前記サーバ装置はさらに、前記画像処理装置から受信した電子画像データに対して、当該画像処理装置で指定を受け付けたスキャンチケットに定義されている処理のうち、サーバ装置が実行すると定義されている処理を実行する第2の実行手段
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記記憶手段には、スキャンチケットには、スキャンチケットを利用可能なユーザに関する情報が更に記憶されており、
前記画像処理装置は、当該画像形成装置を使用するユーザを特定する特定手段を更に備え、
前記要求手段は、前記特定手段で特定されたユーザが利用可能なスキャンチケットを前記サーバ装置に対して要求すること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記スキャンチケットに設定される処理には、FAX送信処理、電子メール送信処理、及びファイル送信処理のうち少なくとも1つが含まれること
を特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
画像処理装置で実行する処理を定義するスキャンチケットを作成するサーバ装置と、前記スキャンチケットに定義された処理を実行する画像処理装置を備える画像処理システムによって行われる画像処理方法であって、
前記サーバ装置の第1の受信手段が、クライアント装置から、スキャンチケットに定義する処理、及び当該処理を実行する装置に関する情報を含むスキャンチケット作成情報を受信する第1の受信工程と、
前記サーバ装置の作成手段が、前記受信したスキャンチケット作成情報に従って、スキャンチケットを作成する作成工程と、
前記サーバ装置の記憶手段が、前記作成工程で作成されたスキャンチケットを記憶装置に記憶する記憶工程と、
前記サーバ装置の第1の送信手段が、前記画像処理装置からスキャンチケットの要求を受け付けた場合に、当該画像処理装置にスキャンチケットを送信する第1の送信工程と、
前記画像処理装置の要求手段が、前記サーバ装置に対して、スキャンチケットを要求する要求工程と、
前記画像処理装置の第2の受信手段が、前記要求工程での要求に応じて前記サーバ装置の第1の送信手段により送信されるスキャンチケットを受信する第2の受信工程と、
前記画像処理装置の表示手段が、前記第2の受信工程で受信したスキャンチケットを指定可能に表示部に表示する表示工程と、
前記画像処理装置の受付手段が、前記表示部に表示されたスキャンチケットの指定を受け付ける受付工程と、
前記画像処理装置の作成手段が、原稿を読み取ることにより、電子画像データを作成する作成工程と、
前記画像処理装置の第1の実行手段が、前記作成手段で作成された電子画像データに対して、前記受付手段で受け付けたスキャンチケットに定義された処理を実行する第1の実行工程と、
前記画像処理装置の判定手段が、前記スキャンチケットに前記サーバ装置で実行する処理が定義されているかを判定する判定工程と、
前記画像処理装置の第2の送信手段が、前記判定工程で、前記サーバ装置で実行する処理が定義されていると判定した場合に、前記サーバ装置に対して前記電子画像データを送信する第2の送信工程と、
前記サーバ装置の第2の実行手段が、前記画像処理装置から受信した電子画像データに対して、前記画像処理装置で指定を受け付けたスキャンチケットに定義されている処理のうち、サーバ装置が実行すると定義されている処理を実行する第2の実行工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
原稿読み取り機構を備え、当該原稿読み取り機構を用いて原稿を読み取ることにより作成される電子画像データに対する画像処理を実行する画像処理装置であって、
サーバ装置に対して、前記原稿読み取り機構で作成される電子画像データに対して実行する処理が定義されたスキャンチケットを要求する要求手段と、
前記要求手段での要求に応じて前記サーバ装置より送信されるスキャンチケットを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信したスキャンチケットを指定可能に表示する表示手段と、
前記表示手段で表示されたスキャンチケットの指定を受け付ける受付手段と、
原稿を前記原稿読み取り機構で読み取ることにより、電子画像データを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成された電子画像データに対して、前記受付手段で受け付けたスキャンチケットに定義された処理を実行する実行手段と、
前記スキャンチケットに前記サーバ装置で実行する処理が定義されているかを判定する判定手段と、
前記判定手段で、前記サーバ装置で実行する処理が定義されていると判定した場合に、前記サーバ装置に対して前記電子画像データを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置で実行する処理を定義するスキャンチケットを作成するサーバ装置と、前記スキャンチケットに定義された処理を実行する画像処理装置を備える画像処理システムで実行されるコンピュータプログラムであって
前記サーバ装置を、
クライアント装置から、スキャンチケットに定義する処理、及び当該処理を実行する装置に関する情報を含むスキャンチケット作成情報を受信する第1の受信手段と、
前記受信したスキャンチケット作成情報に従って、スキャンチケットを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成されたスキャンチケットを記憶する記憶手段と、
前記画像処理装置からスキャンチケットの要求を受け付けた場合に、当該画像処理装置にスキャンチケットを送信する第1の送信手段
として機能させ、
前記画像処理装置を、
前記サーバ装置に対して、スキャンチケットを要求する要求手段と、
前記要求手段での要求に応じて前記サーバ装置の第1の送信手段により送信されるスキャンチケットを受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段で受信したスキャンチケットを指定可能に表示する表示手段と、
前記表示手段で表示されたスキャンチケットの指定を受け付ける受付手段と、
原稿を読み取ることにより、電子画像データを作成する作成手段と、
前記作成手段で作成された電子画像データに対して、前記受付手段で受け付けたスキャンチケットに定義された処理を実行する第1の実行手段と、
前記スキャンチケットに前記サーバ装置で実行する処理が定義されているかを判定する判定手段と、
前記判定手段で、前記サーバ装置で実行する処理が定義されていると判定した場合に、前記サーバ装置に対して前記電子画像データを送信する第2の送信手段
として機能させ、
前記サーバ装置をさらに、前記画像処理装置から電子画像データを受信した場合に、当該画像処理装置で指定を受け付けたスキャンチケットに定義されている処理のうち、サーバ装置が実行すると定義されている処理を実行する第2の実行手段
をとして機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−120114(P2012−120114A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270626(P2010−270626)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】