説明

画像処理装置、ヘルプ文書生成方法およびヘルプ文書生成プログラム

【課題】 ユーザに分かりやすいヘルプ文書を提示すること。
【解決手段】 MFPは、複数の処理を実行可能であり、複数の処理の少なくとも1つの指定を受け付ける処理指定受付部(S02)と、受け付けられた少なくとも1つの処理を定義するワークフロー定義データを生成するワークフロー生成部(S04〜S08)と、生成されたワークフローに対応するヘルプ文書を生成するヘルプ文書生成部(S09〜S23)と、を備え、ヘルプ文書生成部は、対応するワークフロー定義データで定義される少なくとも1つの処理それぞれを識別するための処理名称を列挙した概要ページを生成する概要ページ生成部(S09)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置、ヘルプ文書生成方法およびヘルプ文書生成プログラムに関し、特にワークフローのヘルプ文書を自動生成可能な画像処理装置、ヘルプ文書生成方法およびヘルプ文書生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スキャナ装置、プリンタ装置、コピー装置およびファクシミリ装置の機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)と呼ばれる複合機が登場している。このMFPにおいては、複数の処理を組み合わせたワークフローを定義することが可能となっている。
【0003】
また、特開平5−165591号公報(特許文献1)には、操作ごとのヘルプ内容を記憶しておき、処理の選択時、選択された処理に必要な操作の操作内容の説明を組合せて、選択された処理に対応する操作マニュアルを生成する技術が記載されている。
【0004】
しかしながら、特開平5−165591号公報の技術は、処理ごとに操作マニュアルが生成されるため、複数の処理を組み合わせたワークフローにおいては、複数の処理の数だけ操作マニュアルが生成される。このため、操作マニュアルが複雑となり、所望の操作マニュアルを閲覧するのが困難になるといった問題がある。
【特許文献1】特開平5−165591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、ユーザに分かりやすいヘルプ文書を提示することが可能な画像処理装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、ユーザに分かりやすいヘルプ文書を生成することが可能なヘルプ文書生成方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、ユーザに分かりやすいヘルプ文書を生成することが可能なヘルプ文書生成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像処理装置は、複数の処理を実行可能な画像処理装置であって、複数の処理の少なくとも1つの指定を受け付ける処理指定受付手段と、受け付けられた少なくとも1つの処理を定義するワークフローを生成するワークフロー生成手段と、生成されたワークフローに対応するヘルプ文書を生成するヘルプ文書生成手段と、を備え、ヘルプ文書生成手段は、対応するワークフローで定義される少なくとも1つの処理それぞれを識別するための識別情報を列挙した概要ページを生成する概要ページ生成手段を含む。
【0009】
この局面によれば、予め定められた複数の処理の少なくとも1つが受け付けられると、受け付けられた少なくとも1つの処理を定義するワークフローが生成され、生成されたワークフローに対応するヘルプ文書が生成される。ヘルプ文書は、ワークフローで定義される少なくとも1つの処理それぞれを識別するための識別情報を列挙した概要ページを含むので、概要ページを見ればそのワークフローで定義されている処理を一度に見ることができる。その結果、ユーザに分かりやすいヘルプ文書を提示することが可能な画像処理装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、複数の処理ごとにヘルプ情報を記憶するヘルプ情報記憶手段をさらに備え、ヘルプ文書生成手段は、生成されたワークフローで定義される少なくとも1つの処理にそれぞれ対応する少なくとも1つのヘルプ情報を読み出し、読み出した少なくとも1つのヘルプ情報をそれぞれ含む少なくとも1つの詳細ページを生成する詳細ページ生成手段と、をさらに含む。
【0011】
好ましくは、ヘルプ文書生成手段は、概要ページに含まれる少なくとも1つの処理それぞれの識別情報を、生成された少なくとも1つの詳細ページにそれぞれ関連付ける関連付手段をさらに含み、関連付手段は、関連付けを概要ページに組み込む。
【0012】
好ましくは、概要ページと少なくとも1つの詳細ページとを含むヘルプ文書を記憶するヘルプ文書記憶手段をさらに備える。
【0013】
好ましくは、概要ページは、少なくとも1つの詳細ページの前に配置される。
【0014】
好ましくは、ワークフロー生成手段は、受け付けられた少なくとも1つの処理を実行するための設定値を受け付ける設定値受付手段と、ワークフローで定義された少なくとも1つの処理ごとに受け付けられた設定値を関連付ける設定値関連付手段と、をさらに備え、ヘルプ文書生成手段は、少なくとも1つの処理のうち設定値が関連付けられている処理に対して該設定値を含み、少なくとも1つの処理のうち設定値が関連付けられていない処理に対して予め定められた説明を含む準備ページを生成する準備ページ生成手段を、さらに含む。
【0015】
好ましくは、生成されたワークフローで定義されている少なくとも1つの処理を実行する処理実行手段と、処理実行手段により実行された処理の履歴を記憶する履歴記憶手段と、処理実行手段によりワークフローにより定義される少なくとも1つの処理のすべてが実行されることなく実行が中断された場合、ワークフローに対応するヘルプ文書を、履歴記憶手段に記憶されている履歴に基づいて変更する変更手段と、を含む。
【0016】
好ましくは、変更手段は、概要ページに含まれる少なくとも1つの処理それぞれの識別情報のうち処理実行手段により実行された処理の識別情報に、実行されたことを示す印を付す。
【0017】
好ましくは、ワークフロー生成手段は、受け付けられた少なくとも1つの処理を実行するための設定値を受け付ける設定値受付手段と、ワークフローで定義された少なくとも1つの処理ごとに受け付けられた設定値を関連付ける設定値関連付手段と、をさらに備え、ヘルプ文書生成手段は、少なくとも1つの処理のうち設定値が関連付けられている処理に対して該設定値を含み、少なくとも1つの処理のうち設定値が関連付けられていない処理に対して予め定められた説明を含む準備ページを生成する準備ページ生成手段を、さらに含み、変更手段は、準備ページに含まれる少なくとも1つの処理に対する設定値または説明のうち処理実行手段により実行された処理に対する設定値または説明を準備ページから削除する。
【0018】
好ましくは、複数の処理ごとにヘルプ情報を記憶するヘルプ情報記憶手段をさらに備え、ヘルプ文書生成手段は、少なくとも1つの処理それぞれに対応する少なくとも1つのヘルプ情報を読み出し、読み出した少なくとも1つのヘルプ情報をそれぞれ含む少なくとも1つの詳細ページを生成する詳細ページ生成手段と、概要ページに含まれる少なくとも1つの処理それぞれの識別情報を、生成された少なくとも1つの詳細ページにそれぞれ関連付ける詳細ページ関連付手段と、をさらに含み、変更手段は、少なくとも1つの詳細ページのうち処理実行手段により実行された処理に対応する詳細ページを削除する。
【0019】
この発明の他の局面によれば、ヘルプ文書生成方法は、複数の処理を実行可能な画像処理装置で実行されるヘルプ文書生成方法あって、複数の処理の少なくとも1つの指定を受け付けるステップと、受け付けられた少なくとも1つの処理を定義するワークフローを生成するステップと、生成されたワークフローで定義される少なくとも1つの処理それぞれを識別するための識別情報を列挙した概要ページを生成するステップと、を含む。
【0020】
この局面に従えば、ユーザに分かりやすいヘルプ文書を生成することが可能なヘルプ文書生成方法を提供することができる。
【0021】
この発明のさらに他の局面によれば、ヘルプ文書生成プログラムは、複数の処理を実行可能な画像処理装置を制御するコンピュータに、複数の処理の少なくとも1つを受け付けるステップと、受け付けられた少なくとも1つの処理を定義するワークフローを生成するステップと、生成されたワークフローで定義される少なくとも1つの処理それぞれを識別するための識別情報を列挙した概要ページを生成するステップと、を実行させる。
【0022】
この局面に従えば、ユーザに分かりやすいヘルプ文書を生成することが可能なヘルプ文書生成プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0024】
図1は、本発明の画像処理装置の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。図1を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、を含む。ADF10は、原稿台11に搭載された複数枚の原稿をさばいて1枚ずつ順に、画像読取部20に搬送する。画像読取部20は、写真、文字、絵等の画像情報を原稿から光学的に読み取って画像データを取得する。
【0025】
画像形成部30は、画像データが入力されると、画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。画像形成部30は、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーを用いてカラーの画像を形成する、また、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのいずれか1色のトナーを用いてモノクロの画像を形成する。給紙部40は、用紙を格納しており、格納した用紙を1枚ずつ画像形成部30に供給する。MFP100は、その上面に操作パネル9を備える。
【0026】
図2は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路101を含み、メイン回路101は、ファクシミリ部50と、ADF10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と接続される。メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのEEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、を含む。CPU111は、表示部114、操作部115、HDD116およびデータ通信制御部117とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部50、ADF10、画像読取部20、画像形成部30および給紙部40と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0027】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイであり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。表示部114と操作部115とで、操作パネル9が構成される。
【0028】
データ通信制御部117は、TCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子118と、シリアル通信するためのシリアルインターフェース端子119とを有する。データ通信制御部117は、CPU111からの指示に従って、LAN端子118またはシリアルインターフェース端子119に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
【0029】
LAN端子118に、ネットワーク2に接続するためのLANケーブルが接続される場合、データ通信制御部117は、LAN端子118を介して他のコンピュータと通信することが可能である。
【0030】
また、CPU111は、データ通信制御部117を制御して、メモリカード119AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM112に記憶し、実行する。なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード119Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electronically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD116に記憶する、または、インターネットに接続されたコンピュータがプログラムをHDD116に書込みするようにして、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0031】
ファクシミリ部50は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部50は、受信したファクシミリデータをHDD116に記憶する、または画像形成部30でファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部50は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置または他のMFPに出力する。これにより、HDD116に記憶されたデータをファクシミリ装置または他のMFPに出力することができる。
【0032】
図3は、操作パネルの一例を示す平面図である。図3を参照して、操作パネル9は、表示部114と、操作部115とを含む。操作部115は、テンキー115Aと、スタートキー115Bと、入力内容をキャンセルするためのクリアキー115Cと、コピー処理を実行するためのコピーモードにMFP100を遷移させるためのコピーキー115Dと、スキャン処理を実行するためのスキャンモードにMFP100を遷移させるためのスキャンキー115Eと、データ送信処理を実行するためのデータ送信モードにMFP100を遷移させるためのBOXキー115Fと、ヘルプ文書の表示を指示するためのヘルプキー115Gと、を含む。
【0033】
図4は、CPUの機能の一例をEEPROMに記憶されるデータとともに示す機能ブロック図である。図4を参照して、CPU111は、ワークフローに定義するための処理の指定を受け付けるための処理指定受付部51と、ワークフローを生成するためのワークフロー生成部53と、処理を実行するための処理実行部57と、ヘルプ文書を生成するためのヘルプ文書生成部63と、ヘルプ文書を変更するための変更部59と、表示部114を制御するための表示制御部61と、ヘルプ文書をカスタマイズするためのカスタマイズ部73と、を含む。
【0034】
処理指定受付部51は、ワークフローに登録する処理として、MFP100が実行可能な処理のうちから少なくとも1つの指定を、操作部115から受け付ける。具体的には、MFP100のユーザが、MFP100に処理を実行させるための操作を操作部115に入力すると、操作部115から操作に対応する処理の指定を受け付ける。例えば、MFP100にコピーを実行させる処理をワークフローとして登録する場合、コピー処理をMFP100に実行させるための操作として、コピーキー115Dを押下すれば、コピー処理の指定を受け付ける。処理指定受付部51は、受け付けた処理の指定をワークフロー生成部53に出力する。
【0035】
ワークフロー生成部53は、処理指定受付部51から入力される処理の指定に基づいてワークフロー定義データを生成し、EEPROM113に記憶する。これによりEEPROM113にワークフロー定義データ81が記憶される。
【0036】
ワークフロー生成部53は、設定値受付部55を含む。設定値受付部55は、操作に対応する処理を実行するための設定値を受け付ける。ワークフロー生成部53は、設定値受付部55により受け付けられた設定値に従って、ワークフロー定義データ81を生成する。例えば、処理指定受付部51によりコピーキー115Dの押下が検出されると、設定値受付部55は、コピー処理のための設定値としてデフォルトで設定されている値を受け付ける。また、ユーザがコピー処理のためにデフォルトで設定されている値を変更すると、設定値受付部55は、変更後の設定値を受け付ける。
【0037】
処理指定受付部51は、ワークフローに登録するための複数の処理の指定を受け付けることが可能である。複数の処理の指定を受け付ける場合、処理指定受付部51は、複数の処理それぞれを実行する順番とともにそれらの指定を受け付ける。ワークフロー生成部53は、処理指定受付部51により受け付けられた処理の指定と、その処理を実行する順番とが入力される。ワークフロー生成部53は、処理指定受付部51により受け付けられた処理の指定と、その処理を実行する順番と、設定値受付部55により受け付けられた設定値と、に基づきワークフロー定義データを生成し、EEPROM113に記憶する。
【0038】
ここでワークフロー定義データについて説明する。図5(A)は、ワークフロー定義データ一覧の一例を示す図である。ワークフロー定義データ一覧は、ワークフローを識別するためのワークフローNo.と、ワークフローに付された登録名と、ワークフロー定義データ名と、ヘルプ文書名と、を関連付ける。例えば、ワークフローNo.が「1」のワークフローは、登録名として「DRの配布資料作成」が、ワークフロー定義データ名として「ワークフロー定義データ1」が、ヘルプ文書名として「ヘルプ文書1」が関連付けられており、ワークフローNo.が「2」のワークフローは、登録名として「パテント説明書作成」が、ワークフロー定義データ名として「ワークフロー定義データ2」が、ヘルプ文書名として「ヘルプ文書2」が関連付けられている。
【0039】
図5(B)は、ワークフロー定義データの一例を示す第1の図である。図5(B)は、ワークフロー定義名が「ワークフロー定義データ1」のワークフロー定義データを示す。図5(B)を参照して、ワークフロー定義データは、ワークフローにおける複数の処理それぞれの順番と、実行するアプリケーションプログラム名と、処理IDと、設定値と、を含む。処理IDは、MFP100が実行可能な処理を識別するための識別情報である。第1番目の手順としては、BOXのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「InputBOX」の処理が定義されている。設定値は何も設定されていない。
【0040】
第2番目の手順としては、BOXのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「BoxToFTP」の処理が定義されている。設定値は、FTPサーバのURLと、送信するデータのファイル形式が設定されている。
【0041】
第3番目の手順としては、BOXのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「BoxToEmail」の処理を実行することが定義されている。設定値は、配信先の電子メールアドレスと、電子メールに添付するデータのファイル形式が設定されている。
【0042】
第4番目の手順としては、BOXのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「BoxToPrint」の処理を実行することが定義されている。設定値は、プリントするための部数と後処理としてのステープル処理を施す位置とが設定されている。
【0043】
第5番目の手順としては、BOXのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「ArrangeBox」の処理を実行することが定義されている。設定値は何も設定されていない。
【0044】
図5(C)は、ワークフロー定義データの一例を示す第2の図である。図5(C)は、ワークフロー定義名が「ワークフロー定義データ2」のワークフロー定義データを示す。図5(C)を参照して、第1番目の手順としては、BOXのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「BoxToPrint」の処理を実行することが定義されている。設定値としては、スタンプページに「1/5,2/5,3/5,4/5,5/5」の形式でページ数を右上に印字するための値が設定される。
【0045】
第2番目の手順としては、BOXのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「BoxToPrint」の処理を実行することが定義されている。設定値は、プリントの対象となるデータを特定するための値として、保存先BOX「Pat Format」でファイル名「発明等届出書」が設定されている。
【0046】
第3番目の手順としては、コピーのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「Copy」の処理を実行することが定義されている。設定値は、コピー処理のために1部をブラックのカラーで画像を形成することが設定されている。
【0047】
第4番目の手順としては、スキャンのアプリケーションプログラムに含まれる処理IDが「ScanToFTP」の処理を実行することが定義されている。設定値は、FTPサーバのURLと、送信するデータのファイル形式と、スキャンするための解像度とが設定されている。
【0048】
図4に戻って、処理実行部57は、ワークフロー定義データ81に従って処理を実行する。処理実行部57は、ワークフロー定義データ一覧を表示部114に表示し、表示されたワークフロー定義データ名のいずれかが、ユーザにより操作部115に指示されると、そのワークフロー定義データ名で特定されるワークフロー定義データ81をEEPROM113から読出し、実行する。より具体的には、ワークフロー定義データ81で定義されている手順に従って、実行するアプリケーションプログラムを決定し、処理IDで特定される処理を、設定値に設定された値に従って実行する。設定値が設定されていない場合には、その設定値がユーザにより操作部115に入力されるまで待機し、ユーザにより設定値が入力されると、処理を実行する。
【0049】
ヘルプ文書生成部63は、ワークフロー定義データ81およびヘルプ情報85に基づいてヘルプ文書を生成し、生成したヘルプ文書をEEPROM113に記憶する。ヘルプ情報85は、EEPROM113に予め記憶された情報であって、MFP100が実行可能な処理についての説明と、その処理を実行するための設定値に関する説明としての準備事項とを含む。
【0050】
図6は、ヘルプ情報の一例を示す図である。図6を参照して、ヘルプ情報85は、処理IDごとに、処理を識別するための識別情報としての処理名称と、処理説明と、準備事項とを関連付ける。
【0051】
図4に戻って、ヘルプ文書生成部63は、概要ページを生成するための概要ページ生成部65と、詳細ページを生成するための詳細ページ生成部69と、詳細ページと概要ページとを関連付けるための関連付部67と、準備ページを生成するための準備ページ生成部71と、を含む。
【0052】
概要ページ生成部65は、ワークフロー定義データ81に定義されているすべての処理IDそれぞれに対応する処理名称をヘルプ情報85から取得し、処理名称をワークフロー定義データ81で定義された手順に従って列挙することにより概要ページを生成する。そして、概要ページ生成部65は、生成した概要ページをヘルプ文書の第1ページに設定する。
【0053】
準備ページ生成部71は、ワークフロー定義データ81に設定値が定義されている場合には、その設定値をそれが定義されている手順に対応付けた準備事項を含む準備ページを生成する。また、準備ページ生成部71は、ワークフロー定義データ81に定義されているすべての処理IDそれぞれに対応する準備事項をヘルプ情報85から取得し、準備事項をワークフロー定義データ81で定義された手順に従って列挙することにより準備ページを生成する。そして、準備ページ生成部71は、ワークフロー定義データ81に設定値が定義されている場合には、その設定値が定義されている手順に対応する準備事項に、その設定値を含めるように準備事項を変更する。準備ページ生成部71は、生成した準備ページをヘルプ文書の第2ページに設定する。
【0054】
詳細ページ生成部69は、ヘルプ情報85のうちからワークフロー定義データ81に定義されている処理IDに対応する処理説明を読出し、処理説明を含む詳細ページを生成し、ヘルプ文書の第3ページ以降に設定する。詳細ページ生成部69は、ワークフロー定義データ81に定義されている手順ごとに1ページの詳細ページを生成し、生成した詳細ページを第3ページ以降に設定する。
【0055】
関連付部67は、概要ページに含まれる処理IDに、該処理IDの処理の説明を含む詳細ページを関連付ける。例えば、ワークフロー定義データ81において第1番目の手順に処理ID「InputBox」が定義されていれば、概要ページの第1番目に「BOX登録」の処理名称が含まれる。関連付部67は、概要ページの第1番目に設定されている処理名称「BOX登録」に、処理ID「InputBox」に対応する該3ページ目の詳細ページを関連付ける。関連付けは、概要ページの第1番目に設定されている処理名称「BOX登録に、第3ページ目のポインタを関連付けるようにすればよい。
【0056】
ヘルプ文書生成部63は、生成された概要ページ、準備ページおよび詳細ページを含むヘルプ文書をEEPROM113に記憶する。これにより、EEPROM113にヘルプ文書91が記憶される。
【0057】
図7(A)〜図7(G)は、ヘルプ文書の一例を示す図である。図7(A)は、概要ページの一例を示す。図7(A)に示す概要ページは、図5(B)に示したワークフロー定義データ1に対応するヘルプ文書の概要ページを示している。図7(A)を参照して、概要ページ93は、作業一覧として、第1番目の手順として処理名称「Box登録」を、第2番目の手順として処理名称「ファイル送信(FTP)」を、第3番目の手順として処理名称「ファイル送信(Email)」を、第4番目の手順として処理名称「印刷」の処理を、第5番目の手順として処理名称「文書整理」を、それぞれ含む。また、5つの処理名称の右隣に示す数字は、それぞれに対応する詳細ページのページ番号を示している。例えば、第1番目の手順としての処理名称「Box登録」の右隣に示される「3/7」は、ヘルプ文書91が有する全7ページのうちの第3ページが、処理名称「Box登録」に対応する詳細ページであることを示している。
【0058】
図7(B)は、ヘルプ文書の準備ページの一例を示す図である。図7(B)に示す準備ページは、図5(B)に示したワークフロー定義データ1に対応するヘルプ文書の準備ページを示している。図7(B)を参照して、準備ページは、第1番目の手順としての処理名称「Box登録」に対応する準備事項として「原稿を用意ください。」が示される。この準備事項は、図6に示したヘルプ情報85の処理名称「Box登録」に対応する準備事項として定義されている準備事項である。
【0059】
第2番目の手順としての処理名称「ファイル送信(FTP)」に対応する準備事項として「FTPサーバアドレス、次のアドレスでよいですか? Ftp://aaa.bbb.dr/」が示される。この準備事項は、図6に示したヘルプ情報85の処理名称「ファイル送信(FTP)」に対応する準備事項の値と、図5(B)に示した手順2の設定値として定義されているFTPサーバのURLの値とを含む。
【0060】
第3番目の手順としての処理名称「ファイル送信(Email)」に対応する準備事項として「Emailアドレス、次のアドレスでよいですか? dr@aaa.bbb」が示される。この準備事項は、図6に示したヘルプ情報85の処理名称「ファイル送信(Email)」に対応する準備事項の値と、図5(B)に示した手順3の設定値として定義されている配信先の電子メールアドレスとを含む。
【0061】
第4番目および第5番目の手順としての処理名称「印刷」および「文書整理」それぞれに対応する準備事項は、示されない。図6に示したヘルプ情報85の処理名称「印刷」および「文書整理」に対応する準備事項の値が設定されていないからである。
【0062】
図7(C)〜図7(G)は、詳細ページの一例を示す図である。図7(C)は、第1番目の手順としての処理名称「Box登録」に対応する詳細ページを示し、ヘルプ文書91の第3ページ目である。第3ページ目の詳細ページは、図6に示したヘルプ情報85の処理名称「Box登録」に対応する処理説明を含む。
【0063】
図7(D)は、第2番目の手順としての処理名称「ファイル送信(FTP)」に対応する詳細ページを示し、ヘルプ文書91の第4ページ目である。第4ページ目の詳細ページは、図6に示したヘルプ情報85の処理名称「ファイル送信(FTP)」に対応する処理説明を含む。
【0064】
図7(E)は、第3番目の手順としての処理名称「ファイル送信(Email)」に対応する詳細ページを示し、ヘルプ文書91の第5ページ目である。第5ページ目の詳細ページは、図6に示したヘルプ情報85の処理名称「ファイル送信(Email)」に対応する処理説明を含む。
【0065】
図7(F)は、第4番目の手順としての処理名称「印刷」に対応する詳細ページを示し、ヘルプ文書91の第6ページ目である。第6ページ目の詳細ページは、図6に示したヘルプ情報85の処理名称「印刷」に対応する処理説明を含む。
【0066】
図7(G)は、第5番目の手順としての処理名称「文書整理」に対応する詳細ページを示し、ヘルプ文書91の第7ページ目である。第7ページ目の詳細ページは、図6に示したヘルプ情報85の処理名称「文書整理」に対応する処理説明を含む。
【0067】
図4に戻って、ヘルプ文書生成部63は、ワークフロー定義データ81がEEPROM113に記憶されると、自動的にヘルプ文書91を生成し、EEPROM113に記憶する。カスタマイズ部73は、ヘルプ文書生成部63により自動的に生成されたヘルプ文書91を、ユーザが入力する操作に従って変更する。例えば、ユーザが、ヘルプ文書生成部63により自動的に生成されたヘルプ文書91とは別に処理説明をさらに詳細にすることを望む場合がある。このように、ユーザが望む場合には、カスタマイズ部73は、ユーザが操作部115に入力する説明を受け付け、ヘルプ文書91に含まれる概要ページ、準備ページおよび詳細ページの記載それぞれを受け付けた説明で変更する。これにより、ヘルプ文書91をユーザの好みに応じて変更することができる。図8(A)〜図8(G)に、図7(A)〜図7(G)のヘルプ文書91を基にカスタマイズされたヘルプ文書の一例を示す。
【0068】
表示制御部61は、ヘルプ文書91をEEPROM113から読出し、表示部114に表示させる。表示制御部61は、ユーザが操作部115にワークフロー定義データ81のいずれかを指定する指示を入力した後、操作部115のヘルプキー115Gを押下すると、指定されたワークフロー定義データ81に対応するヘルプ文書91をEEPROM113から読み出し、読出したヘルプ文書91の概要ページを表示部114に表示する。そして、ユーザがページを送る指示を入力すると、表示部114に表示するページを順に切換える。また、ヘルプ文書91の第1ページの概要ページが表示されているときに、処理名称が指示されると、指示された処理名称に関連付けられている詳細ページを表示する。
【0069】
また、処理実行部57は、ユーザが操作部115に処理の実行を中断するための指示を入力すると、ワークフロー定義データ81で定義されたすべての処理を実行していなくても、処理の実行を中断する。処理実行部57は、処理の実行を中断すると、履歴情報83をEEPROM113に記憶するとともに、中断信号を変更部59に出力する。
【0070】
図9は、履歴情報の一例を示す図である。図9を参照して、履歴情報83は、ワークフロー定義データ81に従った処理の実行を指示したユーザを識別するためのユーザID(Identification)と、処理実行部57により中断されたワークフロー定義データ81を識別するためのワークフローNo.と、そのワークフロー定義データ81で定義されている複数の処理のうち未実行の処理の最初の処理の手順番号と、を含む。
【0071】
変更部59は、処理実行部57から中断信号が入力されると、履歴情報83に基づいてヘルプ文書91を変更する。具体的には、処理実行部57は、中断信号を変更部59に出力する場合、履歴情報83をEEPROM113に記憶するので、変更部59は中断信号が入力されると、処理実行部57により記憶された履歴情報83をEEPROM113から読み出す。そして、変更部59は、履歴情報83に含まれるワークフローNo.で特定されるワークフロー定義データ81に対応するヘルプ文書91の複製を生成し、複製した新たなヘルプ文書をEEPROM113に記憶する。そして、新たなヘルプ文書91を履歴情報83に従って変更する。まず、新たなヘルプ文書91の概要ページに列挙されている処理名称のうち、履歴情報83の再開手順番号より前の手順の処理名称に処理が終了したことを示す印を付す。例えば、「済」の文字を処理名称の左に追加する。
【0072】
さらに、新たなヘルプ文書91の準備ページに列挙されている準備事項のうち、履歴情報83の再開手順番号より前の手順の処理に対応する準備事項を削除する。さらに、詳細ページのうち履歴情報83の再開手順番号より前の手順の処理に対応するものを削除する。ワークフロー定義データ81で定義された処理の実行が処理実行部57により中断された後、再度再開される場合があり、その場合に複製された新たなヘルプ文書91が表示制御部61により読み出される。この場合、既に実行された処理を再度実行する必要はなく、さらに既に実行された処理の説明等を表示する必要がないからである。
【0073】
変更部59は、履歴情報83に従って変更した新たなヘルプ文書91を履歴情報83と関連付ける。具体的には、新たなヘルプ文書91を変更する基になった、履歴情報83のワークフローNo.を新たなヘルプ文書91に付加する。
【0074】
図10(A)〜図10(F)は、新たなヘルプ文書の一例を示す図である。図10(A)〜図10(F)は、図5(B)に示したワークフロー定義データ1で定義される処理が処理実行部57により実行され、第1番目の処理手順である処理名称「BOX登録」の処理が終了した時点で、中断された場合に生成される新たなヘルプ文書91を示している。図10(A)〜図10(F)は、図8(A)〜図8(G)に示したヘルプ文書91を変更した新たなヘルプ文書を示す。
【0075】
図10(A)は、新たなヘルプ文書91の概要ページを示す。第1番目の処理名称が「済 DR原稿をBox登録」に変更されている。また、図10(B)は、新たなヘルプ文書91の準備ページを示す。第1番目の処理に対応する準備事項が削除されている。さらに、図8(C)に示した第1番目の処理に対応する詳細ページが削除され、新たなヘルプ文書のページ数が6ページに減少している。
【0076】
処理実行部57は、履歴情報83のワークフローNo.が指定されると、その履歴情報83のワークフローNo.で特定されるワークフロー定義データ81をEEPROM113から読出し、履歴情報83の再開手順番号で特定される処理手順から処理を実行する。また、表示制御部61は、ワークフローNo.が付された新たなヘルプ文書91をEEPROM113から読出し、表示部114に表示させる。
【0077】
図11は、ワークフロー生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。ワークフロー生成処理は、CPU111がEEPROM113に記憶されたワークフロー生成プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ワークフロー生成プログラムは、ヘルプ文書生成プログラムの一部である。
【0078】
図11を参照して、CPU111は、ワークフローの登録名を受け付ける(ステップS01)。例えば、表示部114にワークフロー登録画面を表示し、ワークフロー登録画面に従ってユーザが入力する登録名を受け付ける。そして、手順番号の指定を受け付けたか否かを判断する(ステップS02)。表示部114に手順設定画面を表示し、手順番号の指定を受け付ける。CPU111は、手順番号の指定を受け付けるまで待機状態となり、手順番号の指定を受け付けたならば処理をステップS03に進める。ステップS03においては、設定画面を表示する。設定画面は、MFP100にデフォルトで設定された設定画面を表示する。例えば、コピー処理を実行させる操作を入力するための設定画面を表示する。そして、操作部115に入力される操作に従って、設定画面を変更するなどし、処理IDと設定値とを受け付ける(ステップS04)。ユーザがMFP100に実行させる操作を入力すると、入力された操作で定まる処理IDと、その処理IDで特定される処理を実行するための設定値とを受け付ける。
【0079】
図12は、ワークフロー登録画面の一例を示す図である。図12を参照して、ワークフロー登録画面201は、ワークフロー登録の文字が表されたボタン203と、登録名を入力するための領域207と、新規登録の文字が表されたボタン205とを含む。ユーザがボタン203を指示すれば、領域207が表示される。ユーザが領域207にワークフローの登録名を入力し、ボタン205を指示すれば、CPU111は、領域207に入力された登録名を受け付ける。そして、CPU111は、ワークフロー登録画面に代えて、手順登録画面を表示部114に表示する。
【0080】
図13は、手順登録画面の一例を示す図である。図13を参照して、手順登録画面210は、手順1、手順2および手順3を選択するためのボタン211,213,215と、手順登録実行の文字が表された手順登録キー217と、登録完了の文字が表された登録完了キー219とを含む。また、手順登録画面210の右側には設定画面220が表示される。
【0081】
ボタン211,213,215はいずれか1つが選択可能であり、選択されたボタンが反転表示され、選択されていることが示される。図13においては、ボタン211が反転表示され、手順1が選択されていることを示す。ボタン211,213,215のうち選択されているボタンに対応する手順に対して、設定画面220において設定された処理IDおよび設定値が割り当てられる。なお、ここでは、ボタン211,213,215それぞれに、手順1,手順2,手順3をそれぞれ対応付けたが、その下に下方向の矢印で示される送りボタンを指示すれば、ボタン211,213,215それぞれに、手順4,手順5,手順6がそれぞれ対応付けられる。さらに、送りボタンを指示すれば、次の手順がそれぞれ対応付けられる。また、上方向の矢印で示される戻るボタンを指示すれば、ボタン211,213,215に、先にそれぞれに対応付けられていた手順に戻る。
【0082】
具体的には、操作部115(図3参照)のコピーキー115Dが押下されたならばコピー処理を受け付け、操作部115のスキャンキー115Eが押下されたならばスキャン処理を受け付け、操作部115のBOXキー115Fが押下されたならばBOX処理を受け付ける。コピー処理、スキャン処理およびBOX処理は、コピー、スキャンおよびBOXのアプリケーションプログラムがそれぞれ実行される処理である。さらに、受け付けられた処理に対して予め定められた設定画面において、設定される処理によって処理IDが受け付けられる。例えば、BOXキー115Fが押下された後、BOX設定画面が表示されるが、さらに、BOXで指定されたデータを出力する方法の設定が入力されると、処理IDが設定される。出力方法にFTPが設定されると処理IDにBoxToFTPが設定され、電子メール送信が設定されると処理IDにBoxToEmailが設定され、プリントが設定されると処理IDにBoxToPrintが設定される。
【0083】
さらに、設定画面に含まれる設定項目ごとに予め定められている設定値を、受け付ける。設定項目は、例えば、処理IDがBoxToFTPの場合は、FTPサーバのURLと送信するデータのファイル形式であり、処理IDがBoxToEmailの場合は、電子メールの配信先の電子メールアドレスと送信するデータのファイル形式であり、処理IDがBoxToPrintの場合は、プリントするための部数と、後処理としてのステープル処理する位置である。
【0084】
設定画面に含まれる設定項目ごとに予めで定められている設定値を受け付けた後、ユーザが設定項目に設定されている設定値を変更すると、変更後の設定値を受け付ける。また、予め設定値が定められていない設定項目については、ユーザにより設定値が設定されなければ、その設定項目には何も設定されない。なお、予め定められた設定値を最初に設定することなく、設定項目それぞれにユーザが設定する設定値を受け付けるようにしてもよい。
【0085】
手順登録画面において手順登録キー217が指示されると、ボタン211,213,215のうち選択されているボタンに対応する手順に対して、設定画面220において設定された処理IDおよび設定値が決定される。また、登録完了キー219が指示されると、その時点で処理IDおよび設定値が決定されている手順のすべてを含むワークフロー定義データが決定される。
【0086】
図11に戻って、CPU111は、手順登録画面210において手順登録キー217が指示されたか否かを判断する(ステップS05)。手順登録キー217が指示されたならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理をステップS04に戻し、設定値の受け付けを継続する。
【0087】
ステップS06においては、手順番号に対応する処理IDと設定値とをワークフロー定義データに設定する。そして、登録完了キー219が指示されたか否かを判断する(ステップS07)。登録完了キー219が指示されたならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS02に戻し、継続して設定値を受け付ける。ステップS08においては、手順番号ごとに処理IDと設定値とが設定されたワークフロー定義データをEEPROM113に記憶する。ワークフロー定義データは、ステップS01で受け付けられた登録名が付されてEEPROM113に記憶される。なお、ワークフロー定義データは、アプリケーションプログラム名を含むが、アプリケーションプログラム名は、処理IDに対応するアプリケーションプログラム名が設定される。
【0088】
次のステップS09以降の処理については、ステップS08までに生成されたワークフロー定義データを処理対象とし、そのワークフロー定義データに対応するヘルプ文書を生成する処理を実行する。ステップS09においては、ワークフロー定義データに含まれる処理IDそれぞれの処理名称を、ワークフロー定義データにより定められる手順番号順に列挙した概要ページを生成し、生成した概要ページをヘルプ文書の第1ページに設定する。処理名称は、ヘルプ情報85を参照して、処理IDに対応する処理名称を取得する。
【0089】
次のステップS10〜ステップS17において、準備ページを生成する。まず、ステップS10において変数Nに「1」を設定する。変数Nは、処理手順の順番を示す値である。そして、手順番号がNの処理IDに対して設定値が設定されているか否かを判断する(ステップS11)。手順番号がNの処理IDに設定値が設定されているならば処理をステップS12に進め、設定値が設定されていなければ処理をステップS13に進める。
【0090】
ステップS12においては、ワークフロー定義データにおいて手順番号がNの処理IDに対して設定されている設定値を取得する。そして、ステップS13においては、手順番号がNの処理IDに対応する準備事項を取得する。具体的には、EEPROM113に記憶されているヘルプ情報85を読出し、手順Nの処理IDに対して予め定められた準備事項を読み出す。
【0091】
そして、ステップS14において、準備事項を準備ページに書込み、処理をステップS15に進める。準備ページに書き込む準備事項は、ステップS12で設定値が取得された場合は、ステップS13において取得された準備事項にステップS12において取得された設定値を含めた準備事項であり、ステップS12で設定値が取得されない場合はステップS13において取得された準備事項に設定値を含めない準備事項である。
【0092】
ステップS15においては、変数Nに「1」を加算し、処理をステップS16に進める。ステップS16においては、次の処理手順が存在するか否かを判断する。ワークフロー定義データが未処理の処理手順を含んでいれば、処理をステップS11に戻し、そうでなければ処理をステップS17に進める。ステップS17においては、生成した準備ページをヘルプ文書の第2ページに設定する。
【0093】
次のステップS18〜ステップS22において、手順ごとの詳細ページを生成する。まず、ステップS17において変数Nに1を設定する。変数Nは、処理手順の順番を示す値である。そして、手順Nの処理説明を取得する(ステップS19)。具体的には、EEPROM113に記憶されているヘルプ情報85のうちから手順Nの処理IDに対して予め定められている処理説明を読み出す。そして、手順Nの詳細ページを生成し、第(N+2)ページに設定する(ステップS20)。具体的には、ステップS18において読み出した処理説明を含む詳細ページを生成し、生成した詳細ページをヘルプ文書の第(N+2)ページに設定する。ヘルプ文書には、既に第1ページには概要ページが、第2ページには準備ページが割り当てられているため、第3ページ以降に詳細ページを割り当てる。
【0094】
ステップS21においては、変数Nに「1」を加算し、処理をステップS21に進める。ステップS21においては、次の処理手順が存在するか否かを判断する。ワークフロー定義データが未処理の処理手順を含んでいれば、処理をステップS19に戻し、そうでなければ処理をステップS23に進める。ステップS23においては、ヘルプ文書をEEPROM113に記憶し、処理を終了する。
【0095】
図14は、ヘルプ表示画面の一例を示す図である。図14を参照して、ヘルプ表示画面230は、準備ページを表示する例を示している。準備ページは、ワークフローの登録名として「DRの配布資料作成」を含み、準備事項として処理手順の順に、準備事項を表示する。ここでは、準備ページは、第1番目の処理手順に対する準備事項として、「DR資料の原稿を用意ください。」の文字列を含み、第2番目の処理手順に対する準備事項として、「FTPサーバアドレス Ftp://aaa.bbb/dr/」の文字列を含み、第3番目の処理手順に対する準備事項として、「E−mailアドレス dr@aaa.bbb 上記アドレス以外は追加で設定して下さい。」の文字列を含む。さらに、ヘルプ表示画面230は、ヘルプ文書のうちの準備ページの位置を示すためのページ数「2/7」と、ヘルプ文書のページを送るボタンと、ページを戻すボタンとを含む。
【0096】
図15は、カスタマイズ処理の流れの一例を示すフローチャートである。カスタマイズ処理は、CPU111がEEPROM113に記憶されたカスタマイズプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。カスタマイズプログラムは、ヘルプ文書生成プログラムの一部である。
【0097】
図15を参照して、CPU111は、編集の対象となるヘルプ文書が指定されたか否かを判断する(ステップS31)。EEPROM113に記憶されているヘルプ文書のファイル名の一覧を表示部114に表示し、ファイル名の一覧から指示されたファイル名のヘルプ文書の指定を受け付ける。ヘルプ文書が指定されるまで待機状態となり(ステップS31でNO)、ヘルプ文書が指定されたならば(ステップS31でYES)、処理をステップS32に進める。
【0098】
ステップS32においては、ヘルプ文書をEEPROM113から読み出す。そして、指定されたページを表示部114に表示する(ステップS33)。表示部114に表示された画面に含まれるページ送りボタンまたはページ戻しボタンを、ユーザが操作部115に指示することにより、ページの指定を受け付け、受け付けられたページを表示部114に表示する。
【0099】
そして、表示部114にキーボードを表示する(ステップS34)。図16に、カスタマイズ画面の一例を示す。図16を参照して、カスタマイズ画面240は、五十音それぞれに対応するキーと、句読点および所定の記号が付された複数のキーとを含むキーボードと、編集対象を表示する領域241と、を含む。ユーザは、表示された複数のキーを指示することにより、そのキーに割り当てられた文字または記号がCPU111により受け付けられる。このため、ユーザは、キーボードを用いて文章を入力することができる。
【0100】
図15に戻って、CPU111は、変更を受け付ける(ステップS35)。まず、変更の対象となるヘルプ文書の部分を指示すれば、その指示された部分が編集対象として選択され、カスタマイズ画面240の領域241に表示される。不要部分を指示して削除キーを指示すれば不要部分が削除され、追加するべき位置を指示して、文字を指示すれば追加するべき位置に指示された文字が入力される。
【0101】
そして、編集完了キーが指示されたか否かを判断する(ステップS36)。変更カスタマイズ画面の「編集完了」の文字が表された編集完了キー243が指示されたか否かを判断する。編集完了キー243が指示されたならば処理をステップS37に進め、そうでなければ処理をステップS33に戻す。
【0102】
ステップS37においては、ヘルプ文書を更新する。EEPROM113に記憶されているヘルプ文書91を、編集されたヘルプ文書で上書きする。
【0103】
図17は、ワークフロー中断処理の流れの一例を示す図である。ワークフロー中断処理は、CPU111がEEPROM113に記憶されたワークフロー中断プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ワークフロー中断プログラムは、ヘルプ文書生成プログラムの一部である。
【0104】
図17を参照して、CPU111は、ワークフロー処理を実行する(ステップS41)。図11に示したワークフロー生成プログラムがCPU111により実行されると、EEPROM113にワークフロー定義データ81が記憶される。CPU111は、表示部114にワークフロー定義データ一覧を表示し、ユーザがワークフロー定義データ一覧のうちからいずれかのワークフロー定義データを選択する指示を操作部115に入力すると、そのワークフロー定義データ81をEEPROM113から読み出す。そして、読み出したワークフロー定義データ81に含まれる少なくとも1つの処理を処理手順に従って実行する。CPU111は、ワークフロー定義データ81に従って処理を実行中は、ワークフロー実行中画面を表示部114に表示する。
【0105】
図18は、ワークフロー実行中画面の一例を示す図である。図18を参照して、ワークフロー実行中画面250は、ワークフローを実行中であることを通知するための「ワークフロー実行」の文字列の表示と、実行している処理手順を通知するための「手順2」の文字列の表示と、「ワークフロー中断」の文字列が表されたワークフロー中断キー251とを含む。図18に示すワークフロー実行中画面250は、ワークフロー定義データ81に従って第2番目の処理手順を実行するための処理IDと設定値との設定中であることを示す。ワークフロー実行中画面250の右隣には、第2番目の処理手順の処理IDと設定値とを設定するための設定画面220が表示さる。ワークフロー中断キー251は、ワークフロー定義データ81に従った処理の中止を指示するためのキーである。
【0106】
図17に戻って、CPU111は、ワークフロー定義データ81に従った処理を実行中に、ワークフロー中断キー251が押下されたか否かを判断する(ステップS42)。ワークフロー中断キー251が押下されたならば処理をステップS43に進めるが、そうでなければ処理をステップS41に戻し処理を継続する。
【0107】
ステップS43においては、中断確認画面を表示する。図19は、中断確認画面の一例を示す図である。図19を参照して、中断確認画面260は、「ワークフローの処理を中断します。ワークフローの状態を記憶しますか?」のメッセージと、ワークフローの実行を指示したユーザを識別するためのユーザIDと、ワークフロー定義データの登録名と、実行途中の処理手順番号とを表示する領域を含む。さらに、中断確認画面260は、「はい」と「いいえ」の文字がそれぞれ表されたキー261,263とを含む。
【0108】
図17に戻って、ステップS44においては、ワークフロー処理を中断するか否かを判断する。中断確認画面260に含まれる「はい」の文字が表されたキー261の指示が操作部115により検出されると、ワークフロー処理を中断すると判断するが、「いいえ」の文字が表されたキー263の指示が操作部115により検出されると、ワークフロー処理を中断しないと判断する。ワークフロー処理を中断すると判断したならば処理をステップS45に進め、中断しないと判断したならば処理をそのまま終了する。
【0109】
ステップS45においては、履歴情報をEEPROM113に記憶する。ここでは、図9に示した、履歴情報83の第1番目のレコードをEEPROM113に記憶する。すなわち、履歴情報83に追加されるレコードは、ワークフロー定義データ81に従った処理の実行を指示したユーザを識別するためのユーザIDとして「User_A」と、中断されたワークフロー定義データ81を識別するためのワークフローNo.として「1」と、そのワークフロー定義データ81で定義されている複数の処理のうち未実行の処理の最初の処理の手順番号として「2」を含む。
【0110】
CPU111は、中断したワークフローを再開することが可能である。図20は、ワークフロー再開処理の流れの一例を示すフローチャートである。ワークフロー再開処理は、CPU111がワークフロー再開プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ワークフロー再開プログラムは、ヘルプ文書生成プログラムの一部である。
【0111】
図20を参照して、CPU111は、ユーザのログインを検出するまで待機状態となり(ステップS51でNO)、ユーザのログインを検出すると処理をステップS52に進める。ユーザのログインの検出により、ログインしたユーザを識別するためのユーザIDを取得する。
【0112】
ステップS52においては、履歴情報83をEEPROM113から読み出す。そして、読み出した履歴情報83のうちにステップS51において取得したログインユーザのユーザIDと一致するユーザIDを含むものが存在するか否かを判断する。ログインユーザのユーザIDを含む履歴情報83が存在すれば、ユーザIDを含む履歴情報83のレコードをすべて抽出し、処理をステップS55に進める。ログインユーザのユーザIDを含む履歴情報83が存在しなければ処理を終了する。
【0113】
ステップS54においては、再開確認画面を表示部114に表示する。図21は、再開確認画面の一例を示す図である。図21を参照して、再開確認画面270は、「中断しているワークフローがあります。再開しますか?」のメッセージと、中断しているワークフロー処理の登録名の一覧と、中断しているワークフロー処理の処理手順とを表示する領域を含む。CPU111は、ステップS53において履歴情報83から抽出されたレコードそれぞれに含まれる中断したワークフローNo.を取得し、取得したワークフローNo.に対応する登録名を図5(A)に示したワークフロー定義データ一覧から取得し、再開確認画面270に表示する。中断しているワークフロー処理の処理手順は、履歴情報83の再開手順番号である。さらに、再開確認画面270は、「はい」と「いいえ」の文字がそれぞれ表されたキー271,273とを含む。
【0114】
ステップS55においては、中断したワークフロー処理を再開するか否かを判断する。再開確認画面270に一覧表示された中断したワークフロー処理の登録名のいずれかが指示され、かつ、「はい」の文字が表されたキー271の指示が操作部115により検出されると、指示された登録名のワークフロー処理を再開すると判断するが、「いいえ」の文字が表されたキー273の指示が操作部115により検出されると、ワークフロー処理を再開しないと判断する。ワークフロー処理を再開すると判断したならば、処理をステップS56に進め、再開しないと判断したならば処理をステップS58に進める。処理をステップS56に進める場合、再開確認画面270に一覧表示された中断したワークフロー処理の登録名のうちユーザにより指示された登録名に対応する履歴情報83のレコードを特定する。
【0115】
ステップS56においては、ワークフロー処理を再開する。具体的には、履歴情報83のうちでステップS55においてユーザにより再開することが指示された登録名に対応する履歴情報83のレコードを特定する。そして、特定されたレコードに含まれるワークフローNo.で特定されるワークフロー定義データ81を読出し、ワークフロー定義データ81で定義された処理を、特定されたレコードに含まれる再開手順番号から実行する。
【0116】
次のステップS57においては、再開時ヘルプ文書生成処理を実行し、処理を終了する。再開時ヘルプ文書生成処理については後述する。
【0117】
一方、ステップS58においては、削除確認画面を表示部114に表示する。図22は、削除確認画面の一例を示す図である。図22を参照して、削除確認画面280は、「中断しているワークフローの状態を削除しますか?」のメッセージと、中断しているワークフロー処理の登録名の一覧と、中断しているワークフロー処理の処理手順とを表示する領域を含む。CPU111は、ステップS53において履歴情報83から抽出されたレコードそれぞれに含まれる中断したワークフローNo.を取得し、取得したワークフローNo.に対応する登録名を図5(A)に示したワークフロー定義データ一覧から取得し、削除確認画面280に表示する。中断しているワークフロー処理の処理手順は、履歴情報83の再開手順番号である。さらに、削除確認画面280は、「はい」と「いいえ」の文字がそれぞれ表されたキー281,283とを含む。
【0118】
ステップS59においては、中断したワークフロー処理を削除するか否かを判断する。削除確認画面280に一覧表示された中断したワークフロー処理の登録名のいずれかが指示され、かつ、「はい」の文字が表されたキー281の指示が操作部115により検出されると、指示された登録名のワークフロー処理を削除すると判断するが、「いいえ」の文字が表されたキー283の指示が操作部115により検出されると、ワークフロー処理を削除しないと判断する。ワークフロー処理を1つでも削除すると判断したならば、処理をステップS59に進め、1つも削除しないと判断したならば処理を終了する。処理をステップS60に進める場合、削除確認画面280に一覧表示された中断したワークフロー処理の登録名のうちユーザにより指示された登録名に対応する履歴情報83のレコードを特定する。
【0119】
ステップS60においては、履歴情報83のうち指定されたワークフロー処理のレコードを削除し、処理を終了する。具体的には、削除確認画面280に一覧表示された中断したワークフロー処理の登録名のうちユーザにより指示された登録名に対応する履歴情報83のレコードを削除する。
【0120】
図23は、再開時ヘルプ文書生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。再開時ヘルプ文書生成処理は、図20のステップS57において実行される処理である。図23を参照して、CPU111は、再開するワークフローのヘルプ文書を読出し、別文書として保存する(ステップS71)。再開確認画面270において、ユーザにより再開するワークフローの登録名が指示されるが、履歴情報83のうち指示された登録名に対応するレコードが特定される。この特定された履歴情報83のレコードに含まれるワークフローNo.によりワークフロー定義データ81が特定され、特定されたワークフロー定義データ81に対応するヘルプ文書91が特定される。この特定されたヘルプ文書が、再開するワークフローのヘルプ文書である。以下、別文書として保存した再開するワークフローのヘルプ文書を、再開用ヘルプ文書という。
【0121】
次に、履歴情報83を読出し、再開手順番号を取得する(ステップS72)。履歴情報83のうち再開確認画面270においてユーザにより指示された登録名に対応するレコードに含まれる再開手順番号を取得する。
【0122】
そして、ワークフロー定義データ81により含まれる処理IDのうちに処理が完了しているものがあるか否かを判断する(ステップS73)。処理が完了しているものがあれば処理をステップS74に進め、処理が完了しているものがなければ処理をステップS77に進める。具体的には、ステップS72において取得した再開手順番号が「1」でなければ完了している処理が存在すると判断し、再開手順番号が「1」ならば完了している処理が存在しないと判断する。ステップS74〜ステップS76においては、再開用ヘルプ文書を、履歴情報83に基づいて変更する。
【0123】
ステップS74においては、ヘルプ文書の概要ページにおいて完了している処理の手順番号の直後に「済」の文字を挿入する。次のステップS75においては、準備ページから完了している処理の記述を削除する。さらに、ステップS76においては、完了している処理の詳細ページを削除し、処理をステップS77に進める。
【0124】
ステップS77においては、ヘルプキー115G(図3参照)が押下されたか否かを判断する。ヘルプキー115Gの押下を検出したならば処理をステップS78に進め、そうでなければ処理をステップS79に進める。ステップS78においては、再開用ヘルプ文書を読出し、表示部114に表示し、処理をステップS79に進める。まず、概要ページを表示し、ページ送りボタンまたは戻しボタンの押下に従って該当ページを表示する。また、概要ページにおいて処理名称が指示されると、その処理名称に関連付けられた詳細ページを表示する。
【0125】
図24は、再開用ヘルプ文書を表示するヘルプ表示画面の一例を示す図である。図24を参照して、ヘルプ表示画面230は、再開用ヘルプ文書の概要ページが表示されている。第1番目の処理手順の後に「済」の文字が追加されており、第1番目の処理手順の処理が完了していることが分かる。
【0126】
図23に戻って、ステップS79においては、ワークフローで定義されている全処理が完了したか否かを判断する。すべての処理を完了したならば処理をステップS80に進め、そうでなければ処理をステップS77に戻す。ステップS80においては、再開用ヘルプ文書をEEPROM113から削除する。中断したワークフロー処理のすべてを終了した場合には、再開用ヘルプ文書が必要なくなるからである。不要なデータがEEPROM113に記憶されたままとなるのを防止し、記憶資源を有効に利用することができる。
【0127】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、MFP100が実行可能な複数の処理の少なくとも1つが受け付けられると、受け付けられた少なくとも1つの処理を定義するワークフロー定義データ81が生成され、ワークフロー定義データ81に対応するヘルプ文書91が生成される。ヘルプ文書91は、ワークフロー定義データで定義される処理IDを識別するための処理名称を列挙した概要ページ93を含む。ヘルプ文書91が表示部114に表示されると、第1ページ目に概要ページが表示される。概要ページを見ればそのワークフロー定義データで定義されている処理IDの処理名称を一度に見ることができるので、ユーザに分かりやすいヘルプ文書を提示することができる。
【0128】
また、概要ページに含まれる処理名称を、詳細ページにそれぞれ関連付けるので、ユーザは所望の処理に対応する処理の説明を容易に確認することができる。
【0129】
また、処理を実行するための設定値が受け付けられると、ワークフロー定義データで定義された処理IDのうち設定値が関連付けられている処理に対してその設定値を含み、ワークフロー定義データで定義された処理IDのうち設定値が関連付けられていない処理に対して予め定められた説明を含む準備ページが生成される。このため、ワークフロー定義データで処理IDに対応する設定値を予め設定することができるので、設定値の入力が容易である。
【0130】
また、ワークフロー定義データにより定義される処理のすべてが実行されることなく実行が中断された場合、ワークフロー定義データに対応するヘルプ文書が、中断された処理の履歴に基づいて変更される。具体的には、概要ページに含まれる処理名称のうち実行された処理の処理名称に、実行されたことを示す印が付される。このため、中断したワークフローのうちで既に実行された処理をユーザに知らせることができる。
【0131】
また、概要ページに含まれる処理名称のうち実行された処理に対する設定値または説明が準備ページから削除される。このため、既に実行された処理に関連する情報が削除されるので、不要な情報をユーザに知らせないようにすることができる。
【0132】
また、ヘルプ文書91の詳細ページ97A〜97Eのうち実行された処理に対応する詳細ページ97Aが削除されるので、既に実行された処理に関連する詳細ページを削除して、不要な情報をユーザに知らせないようにすることができる。
【0133】
なお、本実施の形態においては、画像処理装置の一例としてMFP100について説明したが、図11、図15、図17、図20および図23に示した処理を実行するためのヘルプ文書生成方法または、ヘルプ文書生成方法をコンピュータに実行させるためのヘルプ文書生成プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。また、画像処理装置は、MFP100に限定されず、複写機、プリンタ、ファクシミリ等であってもよい。
【0134】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。
【図2】MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】操作パネルの一例を示す平面図である。
【図4】CPUの機能の一例をEEPROMに記憶されるデータとともに示す機能ブロック図である。
【図5】(A)はワークフロー定義データ一覧の一例を示す図であり、(B)および(C)はワークフロー定義データの一例を示す図である。
【図6】ヘルプ情報の一例を示す図である。
【図7】(A)〜(G)は、ヘルプ文書の一例を示す図である。
【図8】(A)〜(G)は、カスタマイズされたヘルプ文書の一例を示す図である。
【図9】履歴情報の一例を示す図である。
【図10】(A)〜(F)は、新たなヘルプ文書の一例を示す図である。
【図11】ワークフロー生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】ワークフロー登録画面の一例を示す図である。
【図13】手順登録画面の一例を示す図である。
【図14】ヘルプ表示画面の一例を示す図である。
【図15】カスタマイズ処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】カスタマイズ画面の一例を示す図である。
【図17】ワークフロー中断処理の流れの一例を示す図である。
【図18】ワークフロー実行中画面の一例を示す図である。
【図19】中断確認画面の一例を示す図である。
【図20】ワークフロー再開処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図21】再開確認画面の一例を示す図である。
【図22】削除確認画面の一例を示す図である。
【図23】再開時ヘルプ文書生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図24】再開用ヘルプ文書を表示するヘルプ表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0136】
10 ADF、20 画像読取部、30 画像形成部、40 給紙部、50 ファクシミリ部、51 処理指定受付部、53 ワークフロー生成部、55 設定値受付部、57 処理実行部、59 変更部、61 表示制御部、63 ヘルプ文書生成部、65 概要ページ生成部、67 関連付部、69 詳細ページ生成部、71 準備ページ生成部、73 カスタマイズ部、81 ワークフロー定義データ、83 履歴情報、85 ヘルプ情報、91 ヘルプ文書、100 MFP、101 メイン回路、111 CPU、112 RAM、113 EEPROM、114 表示部、115 操作部、115A テンキー、115B スタートキー、115C クリアキー、115D コピーキー、115E スキャンキー、115F BOXキー、115G ヘルプキー、116 HDD、117 データ通信制御部、119A メモリカード、210 手順登録画面、217 手順登録キー、219 登録完了キー、220 設定画面、230 ヘルプ表示画面、240 カスタマイズ画面、243 編集完了キー、250 ワークフロー実行中画面、251 ワークフロー中断キー、260 中断確認画面、270 再開確認画面、280 削除確認画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理を実行可能な画像処理装置であって、
前記複数の処理の少なくとも1つの指定を受け付ける処理指定受付手段と、
受け付けられた前記少なくとも1つの処理を定義するワークフローを生成するワークフロー生成手段と、
生成された前記ワークフローに対応するヘルプ文書を生成するヘルプ文書生成手段と、を備え、
前記ヘルプ文書生成手段は、対応する前記ワークフローで定義される前記少なくとも1つの処理それぞれを識別するための識別情報を列挙した概要ページを生成する概要ページ生成手段を含む、画像処理装置。
【請求項2】
前記複数の処理ごとにヘルプ情報を記憶するヘルプ情報記憶手段をさらに備え、
前記ヘルプ文書生成手段は、生成された前記ワークフローで定義される前記少なくとも1つの処理にそれぞれ対応する少なくとも1つのヘルプ情報を読み出し、読み出した前記少なくとも1つのヘルプ情報をそれぞれ含む少なくとも1つの詳細ページを生成する詳細ページ生成手段と、をさらに含む請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ヘルプ文書生成手段は、前記概要ページに含まれる前記少なくとも1つの処理それぞれの識別情報を、生成された前記少なくとも1つの詳細ページにそれぞれ関連付ける関連付手段をさらに含み、
前記関連付手段は、前記関連付けを前記概要ページに組み込む、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記概要ページと前記少なくとも1つの詳細ページとを含むヘルプ文書を記憶するヘルプ文書記憶手段をさらに備えた、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記概要ページは、前記少なくとも1つの詳細ページの前に配置される、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ワークフロー生成手段は、受け付けられた前記少なくとも1つの処理を実行するための設定値を受け付ける設定値受付手段と、
前記ワークフローで定義された前記少なくとも1つの処理ごとに受け付けられた前記設定値を関連付ける設定値関連付手段と、をさらに備え、
前記ヘルプ文書生成手段は、前記少なくとも1つの処理のうち前記設定値が関連付けられている処理に対して該設定値を含み、前記少なくとも1つの処理のうち前記設定値が関連付けられていない処理に対して予め定められた説明を含む準備ページを生成する準備ページ生成手段を、さらに含む請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
生成された前記ワークフローで定義されている前記少なくとも1つの処理を実行する処理実行手段と、
前記処理実行手段により実行された処理の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記処理実行手段により前記ワークフローにより定義される前記少なくとも1つの処理のすべてが実行されることなく実行が中断された後、再開される場合、前記ワークフローに対応する前記ヘルプ文書を、前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴に基づいて変更する変更手段と、を含む請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記変更手段は、前記概要ページに含まれる前記少なくとも1つの処理それぞれの識別情報のうち前記処理実行手段により実行された処理の識別情報に、実行されたことを示す印を付す、請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記ワークフロー生成手段は、受け付けられた前記少なくとも1つの処理を実行するための設定値を受け付ける設定値受付手段と、
前記ワークフローで定義された前記少なくとも1つの処理ごとに受け付けられた前記設定値を関連付ける設定値関連付手段と、をさらに備え、
前記ヘルプ文書生成手段は、前記少なくとも1つの処理のうち前記設定値が関連付けられている処理に対して該設定値を含み、前記少なくとも1つの処理のうち前記設定値が関連付けられていない処理に対して予め定められた説明を含む準備ページを生成する準備ページ生成手段を、さらに含み、
前記変更手段は、前記準備ページに含まれる前記少なくとも1つの処理に対する設定値または説明のうち前記処理実行手段により実行された処理に対する設定値または説明を前記準備ページから削除する、請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記複数の処理ごとにヘルプ情報を記憶するヘルプ情報記憶手段をさらに備え、
前記ヘルプ文書生成手段は、前記少なくとも1つの処理それぞれに対応する少なくとも1つのヘルプ情報を読み出し、読み出した前記少なくとも1つのヘルプ情報をそれぞれ含む少なくとも1つの詳細ページを生成する詳細ページ生成手段と、前記概要ページに含まれる前記少なくとも1つの処理それぞれの識別情報を、生成された前記少なくとも1つの詳細ページにそれぞれ関連付ける詳細ページ関連付手段と、をさらに含み、
前記変更手段は、前記少なくとも1つの詳細ページのうち前記処理実行手段により実行された処理に対応する詳細ページを削除する、請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項11】
複数の処理を実行可能な画像処理装置で実行されるヘルプ文書生成方法あって、
前記複数の処理の少なくとも1つの指定を受け付けるステップと、
受け付けられた前記少なくとも1つの処理を定義するワークフローを生成するステップと、
生成された前記ワークフローで定義される前記少なくとも1つの処理それぞれを識別するための識別情報を列挙した概要ページを生成するステップと、を含むヘルプ文書生成方法。
【請求項12】
複数の処理を実行可能な画像処理装置を制御するコンピュータに、
前記複数の処理の少なくとも1つの指定を受け付けるステップと、
受け付けられた前記少なくとも1つの処理を定義するワークフローを生成するステップと、
生成された前記ワークフローで定義される前記少なくとも1つの処理それぞれを識別するための識別情報を列挙した概要ページを生成するステップと、を実行させるヘルプ文書生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−44478(P2009−44478A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207505(P2007−207505)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】