説明

画像処理装置、印刷システム、印刷方法、およびコンピュータプログラム

【課題】ドキュメントへのパスワードの付与を従来よりも好適に行う。
【解決手段】画像形成装置1に次の手段を設ける。ユーザが指定した入力パスワード3Aの堅牢性を表わすユーザレベル3LAを判定する判定部102。ドキュメント50を機密にすべき度合いを表わす文書セキュリティレベル3LBを判定する判定部104。ユーザレベル3LAおよび文書セキュリティレベル3LBに基づいて、入力パスワード3Aの適否を判定する判定部105。適切でない場合に、候補パスワードを1つまたは複数、生成する、生成部106。生成された候補パスワードを表示する受付部107。入力パスワード3Aが適切である場合は、入力パスワード3Aに対応する地紋画像51とともにドキュメント50を印刷させ、適切でない場合は、ユーザが選択した候補パスワードに対応する地紋画像51とともにドキュメント50を印刷させる、制御部109。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置と連携してドキュメントを印刷する画像処理装置および印刷方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる、コピー機能、スキャナ機能、ファックス機能、およびネットワークプリンティング機能などの様々な機能を備えた画像形成装置が、会社または役所などのオフィス、学校または研究所などの学術機関、コンビニエンスストアなどの商店、その他様々な場所に普及し、誰でも気軽に使用することができるようになった。また、最近は、小型で廉価な画像形成装置が販売されるようになり、家庭にも普及し始めている。
【0003】
画像形成装置の普及に伴って、ユーザは、紙に記されている文章、図表、写真、またはイラストなどからなるドキュメントの画像を電子データ化して画像形成装置のハードディスクまたはサーバなどに保存したり別の用紙に複写(コピー)したりする作業を簡単に行うようになった。
【0004】
また、近年、機密情報の管理が重要視されるようになった。特に最近は、上に述べたようにドキュメントを容易に電子データ化したり別の用紙に複写したりすることができるようになったので、機密にしておくべきドキュメントが不特定多数の者に漏洩しやすくなった。原本のコピーを改ざんしこれを原本として流通させる不正も、行いやすくなった。
【0005】
そこで、ドキュメントのセキュリティを守る方法として、例えば特許文献1〜3に記載されるような技術が提案されている。
【0006】
特許文献1に記載される画像処理装置は、機密文書検知にかかる初期パラメータ設定手段と、画像の背景画像に埋め込まれた地紋パターンを、前記画像から抽出する地紋パターン抽出手段と、出力禁止用地紋パターンを記憶する記憶手段と、地紋パターン抽出手段により抽出した地紋パターンを出力禁止用地紋パターンと比較し、両パターンの一致を検出するパターン一致検出手段と、前記両パターンの一致が検出されたときは、出力手段による画像データの出力処理を禁止する出力処理禁止手段と、当該出力禁止状態を提示する出力状態提示手段と、出力禁止状態の解除を受け付ける出力禁止状態解除受付け手段と、前記出力禁止状態の解除の受付けがあったときは、前記出力禁止状態を解除する出力禁止状態解除手段とを備える。
【0007】
特許文献2に記載される機密文書管理システムは、読取手段によって読み取られた原稿の画像情報を画像形成装置内外に設けた蓄積手段に蓄積し、この蓄積手段に蓄積された画像情報を印刷出力する際に、機密文書である画像情報にはパスワードを付加する。
【0008】
特許文献3に記載される画像形成装置は、複数の領域に画像が印字された原稿の画像を読み取る読取手段と、読み取られた原稿の画像データを用紙に印字する印字手段と、原稿
の複数の領域のそれぞれに付加されたセキュリティコードを検出する検出手段と、複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に付加されたパスワードを検出する検出手段を備える。そして、検出されたパスワードの入力を要求し、適正なパスワードが入力されたか否かを判別し、判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの印字内容を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−201069号公報
【特許文献2】特開2003−316552号公報
【特許文献3】特開2008−118215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の通り、原本の画像に地紋画像を付加することによって、コピーや改ざんの防止を図ることができる。
【0011】
ところが、地紋画像に対応するパスワードが簡単なものであれば、せっかく地紋画像を付加しても、容易にコピーや改ざんが行われるおそれが高くなる。しかし、パスワードが長すぎたり複雑すぎたりすると、使い勝手が悪くなってしまう。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑み、ドキュメントへのパスワードの付与を従来よりも好適に行うことを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一形態に係る画像処理装置は、ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定する第一のレベル判定手段と、印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定する第二のレベル判定手段と、前記第一のレベルと前記第二のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定する適否判定手段と、前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数、生成する、パスワード生成手段と、生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示する提示手段と、前記第一のパスワードが適切であると判定された場合は、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように印刷装置を制御し、適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように前記印刷装置を制御する、印刷制御手段と、を有する。
【0014】
好ましくは、前記対象ドキュメントは複数のページによって構成されており、前記印刷制御手段は、前記ページごとに前記第一の地紋画像または前記第二の地紋画像が共通に印刷されるように前記印刷装置を制御する。または、前記第二のレベル判定手段は、前記ページごとに前記第二のレベルを判定し、前記適否判定手段は、前記ページごとに、前記第一のパスワードが当該ページのパスワードとして適切であるか否かを判定し、前記パスワード生成手段は、前記ページのうちの前記第一のパスワードが適切でないと判定されたページごとに、前記第二のパスワードを生成し、前記提示手段は、前記ページのうちの前記第一のパスワードが適切でないと判定されたページごとに、生成された前記第二のパスワードを提示し、前記印刷手段は、前記ページのうちの、前記第一のパスワードが適切であると判定されたページは、前記第一の地紋画像とともに印刷されるように前記印刷装置を制御し、適切でないと判定されたページは、前記ユーザによって選択された前記第二の地紋画像とともに印刷されるように前記印刷装置を制御する。
【0015】
または、前記第一のレベル判定手段は、前記第一のレベルを、前記第一のパスワードの長さおよび複雑さに基づいて判定し、前記第二のレベル判定手段は、前記第二のレベルを、前記対象ドキュメントまたは前記ページに含まれる所定のキーワードの個数に基づいて判定する。
【0016】
または、前記印刷制御手段は、前記ユーザが機密印刷およびパンチ穴仕上げの両方を選択した場合または前記ユーザが地紋印刷のモードを選択した場合に、前記対象ドキュメントが前記第一の地紋画像または前記第二の地紋画像とともに印刷されるように前記印刷装置を制御する。
【0017】
または、前記パスワード生成手段は、前記第一のパスワードに含まれる大文字を小文字に変更し、小文字を大文字に変更し、数字を加え、または記号を加えることによって、前記第二のパスワードを生成する。
【0018】
本発明の他の一形態に係る画像処理装置は、ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定する第一のレベル判定手段と、ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定する第二のレベル判定手段と、前記第二のレベルごとに、用紙の種類それぞれの、前記ドキュメントを印刷する際に過去に指定された回数を記憶する、実績記憶手段と、今回の印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントについて指定された前記種類についての、前記第二のレベルのうちの前記回数が最も多いものを第三のレベルに決定する、第三のレベル決定手段と、前記第一のレベルと前記第三のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定する適否判定手段と、前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数、生成する、パスワード生成手段と、生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示する提示手段と、前記第一のパスワードが適切であると判定された場合は、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように印刷装置を制御し、適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように前記印刷装置を制御する、印刷制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、ドキュメントへのパスワードの付与を従来よりも好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】画像形成装置を含むネットワークシステムの例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】画像形成装置の機能的構成の例を示す図である。
【図4】ドキュメントおよび地紋入画像52の例を示す図である。
【図5】印刷条件設定画面の例を示す図である。
【図6】パスワード入力画面の例を示す図である。
【図7】DES用判定テーブルの例を示す図である。
【図8】AES用判定テーブルの例を示す図である。
【図9】ユーザレベル判定処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図10】文書セキュリティレベル判定処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図11】キーワードの抽出の結果の例を示す図である。
【図12】レベル判定用テーブルの例を示す図である。
【図13】候補パスワード生成処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図14】候補パスワード生成処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図15】候補パスワード選択画面の例を示す図である。
【図16】第一の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図17】第一の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図18】画像形成装置の機能的構成の変形例を示す図である。
【図19】ページセキュリティレベル判定処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図20】レベル判定用テーブルの例を示す図である。
【図21】第二の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図22】第二の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図23】画像形成装置の機能的構成の変形例を示す図である。
【図24】第三の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図25】第三の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図26】画像形成装置の機能的構成の変形例を示す図である。
【図27】第四の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図28】第四の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図29】画像形成装置の機能的構成の変形例を示す図である。
【図30】用紙使用実績データの例を示す図である。
【図31】第五の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図32】第五の実施形態における画像形成装置の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第一の実施形態〕
図1は、画像形成装置1を含むネットワークシステムの例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、画像形成装置1の機能的構成の例を示す図である。
【0022】
図1に示す画像形成装置1は、一般に複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる装置であって、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファックス、スキャナ、およびボックスなどの機能を集約した装置である。
【0023】
ボックス機能は、ユーザごとに「ボックス」または「パーソナルボックス」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザが自分の記憶領域によって画像データなどのデータを保存し管理するための機能である。ボックスは、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。
【0024】
ネットワークプリンティング機能は、画像データをパーソナルコンピュータから受信して画像を用紙に印刷する機能である。「ネットワークプリンタ機能」または「PCプリント機能」などと呼ばれることもある。
【0025】
さらに、画像形成装置1には、ネットワークプリンティング機能の拡張機能の1つとして、機密印刷の機能を備えている。この機能によると、画像形成装置1は、パーソナルコンピュータから印刷のコマンドを受けても、直ちには印刷を行わない。印刷のコマンド後、ユーザが正しいパスワードを入力したら印刷を開始する。
【0026】
画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)、公衆回線、またはインターネットなどの通信回線4Tを介してパーソナルコンピュータ4Aなどの装置と画像データのやり取りを行うことができる。
【0027】
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、ADF(Auto Document Feeder)10e、スキャンユニット10f、給紙ユニット10g、プリントユニット10h、操作パネル10i、NIC(Network Interface Card)10j、モデム10k、およびフィニッシャユニット10nなどによって構成される。
【0028】
NIC10jは、通信回線4Tを介してパーソナルコンピュータ4Aなどの他の装置とTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルによって通信を行う。
【0029】
モデム10kは、固定電話網を介して他のファックス端末との間でG3などのプロトコルによって画像データをやり取りする。
【0030】
操作パネル10iは、タッチパネルディスプレイおよびキーボードなどを備えたマンマシンインタフェースの装置である。
【0031】
タッチパネルディスプレイは、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが処理のコマンドおよび条件を入力するための画面、およびCPU10aの処理の結果を示す画面などを表示する。また、ユーザが指で触れた位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU10aに送信する。
【0032】
キーボードは、スタートキー、ストップキー、およびテンキーなどからなり、押されたキーを示す信号をCPU10aに通知する。
【0033】
ADF10eは、読取りの対象の画像が記された用紙を1枚ずつスキャンユニット10fへ送り出す。
【0034】
スキャンユニット10fは、ADF10eから送られてきた用紙の原稿面を光学的に読み取って画像データを生成する。
【0035】
給紙ユニット10gは、画像を印刷する用紙(いわゆるコピー用紙)を1枚ずつプリントユニット10hへ送り出す。
【0036】
プリントユニット10hは、給紙ユニット10gから送られてきた用紙に、スキャンユニット10fによって生成された画像データまたはパーソナルコンピュータ4Aから送信されてきた画像データなどに基づいて画像を印刷する。画像が印刷された用紙(印刷物)は、排出口10mから排出される(図1参照)。
【0037】
フィニッシャユニット10nは、プリントユニット10hによって生成された印刷物に対して、パンチ穴仕上げまたはステープル仕上げを行う。「パンチ穴仕上げ」とは、印刷物の上下左右いずれかの端部にパンチ穴を開ける処理である。「ステープル仕上げ」とは、印刷物の上下左右いずれかの端部をステープルで綴じる処理である。
【0038】
ROM10cまたは大容量記憶装置10dには、OS(Operating System)、ファームウェア、およびアプリケーションなどのプログラムが記憶されている。さらに、ROM10cまたは大容量記憶装置10dには、地紋画像付加プログラム1FPが記憶されている。また、大容量記憶装置10dには、ユーザごとのボックス、管理者用のボックス、および機密ドキュメント用のボックスが設けられている。そして、ボックスには、ジョブのデータ、履歴のデータ、および統計のデータなどが保存される。
【0039】
地紋画像付加プログラム1FPは、用紙に印刷する画像に地紋画像を付加する処理を行うためのプログラムである。地紋画像付加プログラム1FPによると、図3に示す印刷条件受付部101、ユーザレベル判定部102、画像データ取得制御部103、文書セキュリティレベル判定部104、パスワード適否判定部105、候補パスワード生成部106、候補パスワード選択受付部107、地紋画像データ生成部108、および地紋入画像印刷制御部109などの機能が実現される。
【0040】
これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。大容量記憶装置10dとして、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどが用いられる。
【0041】
図4は、ドキュメント50および地紋入画像52の例を示す図である。図5は、印刷条件設定画面61の例を示す図である。図6は、パスワード入力画面62の例を示す図である。図7は、DES用判定テーブルTL1の例を示す図である。図8は、AES用判定テーブルTL2の例を示す図である。図9は、ユーザレベル判定処理の流れの例を説明するフローチャートである。図10は、文書セキュリティレベル判定処理の流れの例を説明するフローチャートである。図11は、キーワードの抽出の結果の例を示す図である。図12は、レベル判定用テーブルTL3の例を示す図である。図13および図14は、候補パスワード生成処理の流れの例を説明するフローチャートである。図15は、候補パスワード選択画面63の例を示す図である。
【0042】
次に、図4(A)に示すように複数のページ50a、50b、50c、…からなるドキュメント50を、図4(B)に示すようにパスワードを表わす地紋画像51とともに用紙に印刷する場合を例に、図3に示す各部の処理について詳細に説明する。
【0043】
ユーザは、ドキュメント50が記された用紙をADF10eにセットするとともに、操作パネル10iを操作し印刷コマンドを入力する。
【0044】
すると、印刷条件受付部101は、ドキュメント50を印刷する際の条件を受け付けるための処理を、例えば次のように実行する。
【0045】
印刷条件受付部101は、図5に示す印刷条件設定画面61を操作パネル10iのタッチパネルディスプレイに表示させる。ここで、ユーザは、ドキュメント50の印刷の条件を指定する。特に、ドキュメント50を、地紋画像51を付して印刷したい場合は、「パスワード地紋付オリジナル原稿モード」をオンに指定する。そして、「OK」ボタンを押す。すると、印刷条件受付部101は、入力された内容を受け付ける。
【0046】
パスワード地紋付オリジナル原稿モードがオンである場合は、印刷条件受付部101は、さらに、図6に示すパスワード入力画面62を表示させる。ここで、ユーザは、ドキュメント50に地紋画像51として付加したいパスワードを入力する。さらに、このパスワードの暗号化のアルゴリズムを選択する。本実施形態では、DES(Data Encryption Standard)およびAES(Advanced Encryption Standard)のうちのいずれか1つを選択する。そして、「実行」ボタンを押す。すると、印刷条件受付部101は、パスワードおよび暗号化のアルゴリズムを受け付ける。以下、ユーザがパスワード入力画面62に入力したパスワードを「ユーザ入力パスワード3A」と記載する。
【0047】
ユーザレベル判定部102は、ユーザ入力パスワード3Aの堅牢性のレベルを、例えば次のような方法で判定する。
【0048】
ユーザレベル判定部102は、DES用判定テーブルTL1およびAES用判定テーブルTL2を記憶している。
【0049】
DES用判定テーブルTL1には、ユーザ入力パスワード3AがDESのパスワードとして用いられる場合の堅牢性のレベルを判定するためのデータが格納されている。具体的には、図7のように、パスワードを構成する符号の組合せのパターンおよび長さごとの堅牢性のレベルが定められている。
【0050】
なお、本実施形態では、「符号」として、アルファベット(文字)および数字のほか、「#」、「+」、および「%」などの記号が用いられる。また、アルファベットの大文字および小文字は異なる符号として扱われる。したがって、例えば「A」と「a」とは、異なる符号である。
【0051】
一方、AES用判定テーブルTL2には、図8のように、ユーザ入力パスワード3AがAESのパスワードとして用いられる場合の堅牢性のレベルを判定するためのデータが格納されている。
【0052】
ユーザレベル判定部102は、DES用判定テーブルTL1またはAES用判定テーブルTL2を用いて、図9に示す手順でユーザ入力パスワード3Aの堅牢性のレベルを判別する。
【0053】
ユーザレベル判定部102は、印刷条件受付部101によって受け付けられた暗号化のアルゴリズムに応じて、DES用判定テーブルTL1およびAES用判定テーブルTL2のうちのいずれか一方を選択する(図9の#701)。すなわち、暗号化のアルゴリズムとしてDESが受け付けられた場合はDES用判定テーブルTL1を選択し、AESが受け付けられた場合はAES用判定テーブルTL2を選択する。
【0054】
ユーザレベル判定部102は、ユーザ入力パスワード3Aの長さを判定するとともに、ユーザ入力パスワード3Aを構成する符号の組合せのパターンを判定する(#702、#703)。
【0055】
そして、ユーザレベル判定部102は、選択したDES用判定テーブルTL1またはAES用判定テーブルTL2の中から、判定した長さおよび組合せのパターンに対応するレベルを検索し、このレベルをユーザ入力パスワード3Aの堅牢性のレベルに決定する(#704)。以下、パスワードの堅牢性のレベルを「ユーザレベル3LA」と記載する。
【0056】
図3に戻って、画像データ取得制御部103は、印刷コマンドが押されたら、印刷条件受付部101およびユーザレベル判定部102による処理と前後してまたは並行して、ドキュメント50の画像データ70を取得するためにADF10eおよびスキャンユニット10fを次のように制御する。画像データ取得制御部103は、セットされた用紙を1枚ずつスキャンユニット10fへ送り出すように、ADF10eを制御する。そして、送られてきた用紙の原稿面をスキャンし画像データ70を生成するようにスキャンユニット10fを制御する。
【0057】
文書セキュリティレベル判定部104は、画像データ取得制御部103によって得られた画像データ70に基づいて、ドキュメント50を機密にすべき度合いのレベルを判定する。以下、このレベルを「文書セキュリティレベル3LB」と記載する。文書セキュリティレベル3LBは、図10に示す手順で判定される。
【0058】
文書セキュリティレベル判定部104は、予め指定されたキーワードを記憶している(図11参照)。また、キーワードごとにカウンタKTを1つずつ有している。さらに、キーワードごとに、「セキュリティレベルポイント」という点数を記憶している。そのほか、レベル判定用テーブルTL3を記憶している(図12参照)。
【0059】
文書セキュリティレベル判定部104は、各キーワードのカウンタKTをすべてゼロにリセットする(図10の#711)。
【0060】
文書セキュリティレベル判定部104は、ドキュメント50に対してOCR(Optical Character Reader)処理を行う(#712)。符号(文字、数字、または記号)が検知できたら(#713でYes)、検知した1つまたは複数の符号からなる単語と各キーワードと比較する(#714)。この単語がいずれかのキーワードと一致する場合は(#715でYes)、一致したキーワードのカウンタKTに「1」を加算する(#716)。複数の単語が検知できた場合は、それぞれについて、上述の通り、キーワードとの比較を行い、一致したキーワードのカウンタKTのカウントアップを行う。
【0061】
文書セキュリティレベル判定部104は、ドキュメント50の全領域へのOCRの処理が終わり単語が検出できなくなったら(#713でNo)、OCR処理を終了し、各キーワードのカウンタKTの値に各キーワードのセキュリティレベルポイントを掛け、それらの積の合計を算出する(#717)。
【0062】
例えば、図11に示すように、文書セキュリティレベル判定部104が「最重要」、「重要」、「秘密」、「社外秘」、および「機密」の5つのキーワードを記憶し、各キーワードのセキュリティレベルポイントとして「3」、「2」、「1」、「3」、および「2」を記憶しているとする。そして、各キーワードのカウンタKTが「2」、「0」、「1」、「0」、および「1」になったとする。これらの場合は、合計は、3×2+2×0+1×1+3×0+2×1=9、になる。
【0063】
そして、文書セキュリティレベル判定部104は、図12のレベル判定用テーブルTL3に示される3つの範囲の中から、算出した合計の属する範囲を選出し、選出した範囲に対応するレベルを、ドキュメント50の文書セキュリティレベル3LBに決定する(#718)。
【0064】
図3に戻って、パスワード適否判定部105は、ユーザレベル判定部102によって判定されたユーザレベル3LAが、文書セキュリティレベル判定部104によって判定された文書セキュリティレベル3LBよりも高ければ、ユーザ入力パスワード3Aが地紋画像51に示すパスワードとして適切であると判定し、低ければ、ユーザ入力パスワード3Aが不適切であると判定する。なお、両者が同じである場合は、適切であると判定してもよいし、不適切であると判定してもよい。どちらに判定するのかは、予め決められている。
【0065】
候補パスワード生成部106は、ユーザ入力パスワード3Aが不適切であるとパスワード適否判定部105によって判定された場合に、地紋画像51に示すパスワードとして好ましいパスワード(以下、「候補パスワード」と記載する。)を、例えば図13および図14に示す手順で生成する。
【0066】
候補パスワード生成部106は、DES用判定テーブルTL1およびAES用判定テーブルTL2のうちのいずれか一方を、候補パスワード生成用テーブルとして選択する(図13の#721)。
【0067】
ユーザ入力パスワード3Aを構成する符号がすべて大文字のアルファベットである場合は(#722でYes)、候補パスワード生成部106は、任意の一部の符号を小文字に変更する(#723)。例えば、ユーザ入力パスワード3Aが「ABCDE」である場合は、「AbCDE」に変更する。
【0068】
候補パスワード生成部106は、選択した候補パスワード生成用テーブルに基づいて、変更後のユーザ入力パスワード3Aのユーザレベル3LAを判定し直し、ユーザレベル3LAと文書セキュリティレベル3LBとを比較することによって、変更後のユーザ入力パスワード3Aの適否を判定し直す(#724)。
【0069】
なお、ユーザレベル3LAの判定の方法は、ユーザレベル判定部102における判定の方法と同様であり、前に説明した通りである。また、ユーザ入力パスワード3Aの適否の判定の方法は、パスワード適否判定部105における判定の方法と同様であり、前に説明した通りである。
【0070】
そして、候補パスワード生成部106は、変更後のユーザ入力パスワード3Aが地紋画像51に示すパスワードとして適切であれば(#725でYes)、この変更後のユーザ入力パスワード3Aを、候補パスワードの1つに確定する(#739)。
【0071】
または、ユーザ入力パスワード3Aを構成する符号がすべて小文字のアルファベットである場合は(#726でYes)、候補パスワード生成部106は、任意の一部の符号を大文字に変更する(#727)。そして、ステップ#724と同様に、ユーザ入力パスワード3Aの適否を判定し直し(#728)、変更後のユーザ入力パスワード3Aが適切であれば(#729でYes)、この変更後のユーザ入力パスワード3Aを、候補パスワードの1つに確定する(#739)。
【0072】
一方、ユーザ入力パスワード3Aが大文字のみでも小文字のみでもない場合は(#726でNo)、ユーザ入力パスワード3Aに任意の数字を付加する(#730)。例えば、ユーザ入力パスワード3Aが「AbCDE」である場合は、「AbCDE8」に変更する。
【0073】
ステップ#723、#727の処理を行っても適切にならない場合も(#725でNoまたは#729でNo)、候補パスワード生成部106は、変更後のユーザ入力パスワード3Aに、さらに、任意の数字を付加する(#730)。
【0074】
そして、ステップ#724と同様に、数字を付加したユーザ入力パスワード3Aの適否を判定し直し(#731)、適切であると判定できれば(図14の#732でYes)、数字を付加したユーザ入力パスワード3Aを、候補パスワードの1つに確定する(#739)。
【0075】
適切であると判定できなかった場合は(#732でNo)、候補パスワード生成部106は、数字を付加したユーザ入力パスワード3Aに、例えば「Ab=CDE8」のように、さらに任意の記号を付加する(#733)。そして、ステップ#724と同様に、記号を付加したユーザ入力パスワード3Aの適否を判定し直し(#734)、適切であると判定できれば(#735でYes)、記号を付加したユーザ入力パスワード3Aを、候補パスワードの1つに確定する(#739)。
【0076】
適切であると判定できなかった場合は(#735でNo)、候補パスワード生成部106は、記号を付加したユーザ入力パスワード3Aに、例えば「Ab=CDE8X」のように、さらに任意の文字を付加する(#736)。そして、ステップ#724と同様に、文字を付加したユーザ入力パスワード3Aの適否を判定し直し(#737)、適切であると判定できれば(#738でYes)、文字を付加したユーザ入力パスワード3Aを、候補パスワードの1つに確定する(#739)。
【0077】
以上の処理を行っても適切にならない場合は(#738でNo)、候補パスワード生成部106は、適切になるまで、ステップ#730、#733、#736の処理を順次、繰り返し実行する。
【0078】
候補パスワード生成部106は、DES用判定テーブルTL1およびAES用判定テーブルTL2のそれぞれに基づいて、所定の個数の候補パスワードを生成する。例えば、DES用判定テーブルTL1に基づいて2つの候補パスワードを生成し、AES用判定テーブルTL2に基づいて3つの候補パスワードを生成する。この際に、候補パスワード生成部106は、適宜、候補パスワード生成用テーブルを切り換えて(#741)、ステップ#722からの処理を実行する。
【0079】
図3に戻って、候補パスワード選択受付部107は、候補パスワード生成部106によって生成された候補パスワードをユーザに選択させるための処理を、次のように実行する。
【0080】
候補パスワード選択受付部107は、候補パスワード選択画面63を表示させる。候補パスワード選択画面63には、図15のように、候補パスワード生成部106によって生成された候補パスワードと、生成の際の適否の判定に用いた候補パスワード生成用テーブルに係る暗号化のアルゴリズムとが、示される。さらに、ユーザがパスワード入力画面62に入力したパスワードが弱いのでドキュメント50のパスワードとして好ましくない旨を警告するメッセージが示される。
【0081】
ここで、ユーザは、候補パスワードを1つ任意に選択し、「OK」ボタンを押す。すると、候補パスワード選択受付部107は、選択された候補パスワードを、地紋画像51に示すパスワードとして受け付ける。
【0082】
地紋画像データ生成部108は、地紋画像51の画像データ71を次のように生成する。
【0083】
ユーザ入力パスワード3Aが適切であるとユーザレベル判定部102によって判定された場合は、地紋画像データ生成部108は、特定の暗号鍵を用いて、ユーザが指定したアルゴリズムで、ユーザ入力パスワード3Aを暗号化する。そして、暗号化したユーザ入力パスワード3Aを示す地紋画像51の画像データを画像データ71として生成する。特定の暗号鍵として、例えば、画像形成装置1に予め設定された暗号鍵が用いられる。
【0084】
一方、ユーザ入力パスワード3Aが不適切であると判定された場合は、地紋画像データ生成部108は、ユーザ入力パスワード3Aの代わりに、ユーザが選択した候補パスワードを暗号化する。特定の暗号鍵を用い、ユーザが指定したアルゴリズムで暗号化する点は、同様である。そして、暗号化した候補パスワードを示す地紋画像51の画像データを生成する。
【0085】
地紋入画像印刷制御部109は、ドキュメント50の各ページ50a、50b、50c、…に地紋画像51を付加した画像(以下、「地紋入画像52」と記載する。)が用紙に印刷されるように、次のような処理を行う。
【0086】
地紋入画像印刷制御部109は、画像データ70および画像データ71に基づいて、各ページ50a、50b、50c、…の所定の位置に地紋画像51を配置した画像のデータを生成する。このデータが、画像データ72である。そして、この画像データ72を、印刷のコマンドとともにプリントユニット10hへ送出する。さらに、特定の用紙がプリントユニット10hへ供給されるように、給紙ユニット10gを制御する。
【0087】
その後、プリントユニット10hは、画像データ72に基づいて、給紙ユニット10gから送られてきた用紙に各ページ50a、50b、50c、…の地紋入画像52を次々に印刷する。
【0088】
図16および図17は、第一の実施形態における画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0089】
次に、地紋画像51を付けてドキュメント50を印刷する全体的な処理の流れの例を、図16および図17のフローチャートを参照しながら説明する。
【0090】
画像形成装置1は、図5の印刷条件設定画面61を表示し(図16の#511)、印刷の条件を受け付ける(#512)。
【0091】
パスワード地紋付オリジナル原稿モードが指定されていない場合は(#513でNo)地紋画像51を付加することなく、ドキュメント50を印刷する処理を行う(#514)。
【0092】
一方、パスワード地紋付オリジナル原稿モードが指定されている場合は(#513でYes)、画像形成装置1は、図6のパスワード入力画面62を表示し(#515)、入力がなされるのを待つ(#516)。
【0093】
符号が入力されると(#517でNo、#518でYes)、画像形成装置1は、それらの符号を記憶し、次の入力がなされるのを待つ(#516)。
【0094】
「実行」ボタンでも符号のキーでもないオブジェクトが操作されると(#518でNo)、画像形成装置1は、今回の印刷のジョブを破棄する(#519)。
【0095】
「実行」ボタンが押されると(#517でYes)、画像形成装置1は、これまでに入力された符号からなる文字列をユーザ入力パスワード3Aとして受け付け、このユーザ入力パスワード3Aのユーザレベル3LAを判定する(#520)。判定の方法は、前に図9で説明した通りである。
【0096】
ステップ#520の処理と前後してまたは並行して、画像形成装置1は、ADF10eにセットされた用紙を次々に読み取り(#522〜#524)、ドキュメント50の文書セキュリティレベル3LBを判定する(#525)。判定の方法は、前に図10で説明した通りである。
【0097】
画像形成装置1は、ユーザレベル3LAと文書セキュリティレベル3LBとを比較する(#526)。
【0098】
文書セキュリティレベル3LBのほうがユーザレベル3LAよりも高い場合は(#527でYes)、画像形成装置1は、候補パスワードを生成する(#528)。生成の方法は、前に図13および図15で説明した通りである。そして、生成した候補パスワードを示す候補パスワード選択画面63を表示する(#529)。
【0099】
ユーザが候補パスワードを1つ選択すると、画像形成装置1は、選択された候補パスワードを受け付ける(#530)。選択された候補パスワードを暗号化し、これを示す地紋画像51を生成する(#531)。そして、ドキュメント50の各ページ50a、50b、50c、…を、地紋画像51とともに用紙に印刷する(#532)。
【0100】
そうでない場合は(#527でNo)、画像形成装置1は、ユーザ入力パスワード3Aを暗号化し、これを示す地紋画像51を生成する(#533)。そして、ドキュメント50の各ページ50a、50b、50c、…を、地紋画像51とともに用紙に印刷する(#534)。
【0101】
〔第二の実施形態〕
図18は、画像形成装置1の機能的構成の変形例を示す図である。図19は、ページセキュリティレベル判定処理の流れの例を説明するフローチャートである。図20は、レベル判定用テーブルTL4の例を示す図である。
【0102】
第一の実施形態では、ドキュメント50全体の文書セキュリティレベル3LBを判定し、ページ50a、50b、50c、…のすべてに同一の地紋画像51を付加した。
【0103】
第二の実施形態では、ページ50a、50b、50c、…ごとにページセキュリティレベル3LCを判定し、それぞれのページセキュリティレベル3LCに応じて地紋画像51を付加する。
【0104】
第二の実施形態における画像形成装置1のハードウェア構成は、第一の実施形態の場合と同様であり、前に図1および図2で説明した通りである。ただし、ROM10cおよび大容量記憶装置10dには、地紋画像付加プログラム1FPの代わりに、地紋画像付加プログラム1FQが記憶されている。
【0105】
地紋画像付加プログラム1FQによると、図18に示す印刷条件受付部121、ユーザレベル判定部122、画像データ取得制御部123、ページセキュリティレベル判定部124、パスワード適否判定部125、候補パスワード生成部126、候補パスワード選択受付部127、地紋画像データ生成部128、および地紋入画像印刷制御部129などの機能が実現される。
【0106】
以下、図18に示す各部の処理内容などについて説明する。第一の実施形態と重複する点は、説明を省略する。
【0107】
印刷条件受付部121、ユーザレベル判定部122、および画像データ取得制御部123は、それぞれ、第一の実施形態の印刷条件受付部101、ユーザレベル判定部102、および画像データ取得制御部103(図3参照)と同様の処理を行う。
【0108】
つまり、印刷条件受付部121は、ドキュメント50を印刷する際の条件を受け付ける処理を行う。ユーザレベル判定部122は、印刷条件受付部121によって受け付けられたユーザ入力パスワード3Aの堅牢性のレベル(ユーザレベル3LA)を判定する。画像データ取得制御部123は、ドキュメント50の画像データ70が取得されるようにADF10eおよびスキャンユニット10fを制御する。
【0109】
ページセキュリティレベル判定部124は、画像データ取得制御部123によって得られた画像データ70に基づいて、ドキュメント50のページごとに、機密にすべき度合いのレベルを判定する。このレベルが上述の「ページセキュリティレベル3LC」である。ページセキュリティレベル3LCは、図19に示す手順で判定される。ここで、ページ50aのページセキュリティレベル3LCを判定する場合を例に説明する。
【0110】
文書セキュリティレベル判定部104と同様に、ページセキュリティレベル判定部124は、予め指定されたキーワードを記憶している。キーワードごとにカウンタKTを1つずつ有している。さらに、キーワードごとに、「セキュリティレベルポイント」という点数を記憶している。そのほか、レベル判定用テーブルTL4を記憶している。レベル判定用テーブルTL4の構成は、第一の実施形態のレベル判定用テーブルTL3と同じであり、図12に示した通りである。ただし、「高」、「中」、および「低」の範囲は、レベル判定用テーブルTL3と同じであってもよいし、図20に示すように異なっていてもよい。
【0111】
ページセキュリティレベル判定部124は、各キーワードのカウンタKTをすべてゼロにリセットする(図19の#751)。
【0112】
ページセキュリティレベル判定部124は、ページ50aに対してOCR(Optical Character Reader)処理を行う(#752)。符号が検知できたら(#753でYes)、検知した1つまたは複数の符号からなる単語と各キーワードと比較する(#754)。この単語がいずれかのキーワードと一致する場合は(#755でYes)、一致したキーワードのカウンタKTに「1」を加算する(#756)。複数の単語が検知できた場合は、それぞれについて、上述の通り、キーワードとの比較を行い、一致したキーワードのカウンタKTのカウントアップを行う。
【0113】
ページセキュリティレベル判定部124は、ページ50aの全領域へのOCRの処理が終わり単語が検出できなくなったら(#753でNo)、OCR処理を終了し、各キーワードのカウンタKTの値に各キーワードのセキュリティレベルポイントを掛け、それらの積の合計を算出する(#757)。
【0114】
そして、ページセキュリティレベル判定部124は、レベル判定用テーブルTL4に示される3つの範囲の中から、算出した合計の属する範囲を選出し、選出した範囲に対応するレベルを、ページ50aのページセキュリティレベル3LCに決定する(#758)。
【0115】
図18に戻って、パスワード適否判定部125は、ドキュメント50のページごとに、ユーザが入力したユーザ入力パスワード3Aを地紋画像51として付加することが適切であるか否かを判定する。
【0116】
例えば、ユーザレベル判定部122によって判定されたユーザレベル3LAが、ページセキュリティレベル判定部124によって判定されたページ50aのページセキュリティレベル3LCよりも高ければ、ユーザ入力パスワード3Aがページ50aに対しては適切であると判定し、低ければ、不適切であると判定する。なお、両者が同じである場合は、適切であると判定してもよいし、不適切であると判定してもよい。どちらに判定するのかは、予め決められている。
【0117】
候補パスワード生成部126は、ユーザ入力パスワード3Aが不適切であるとパスワード適否判定部125によって判定されたページごとに、地紋画像51に示すパスワードの候補つまり候補パスワードを生成する。生成する方法は、候補パスワード生成部106によるパスワードの生成方法と同じであり、基本的に、前に図13および図14で説明した通りである。
【0118】
なお、ステップ#724、#728、#731、#734、および#737におけるユーザレベル3LAの判定の方法は、ユーザレベル判定部122における判定の方法と同様である。また、ユーザ入力パスワード3Aの適否の判定の方法は、パスワード適否判定部125における判定の方法と同様である。
【0119】
候補パスワード選択受付部127は、ユーザ入力パスワード3Aが不適切であるとパスワード適否判定部125によって判定されたページごとに、候補パスワード生成部126によって生成された候補パスワードをユーザに選択させる処理を行う。この処理は、候補パスワード選択受付部107における処理と同様、図15の候補パスワード選択画面63のような、候補パスワードの一覧を配置した画面を操作パネル10iのタッチパネルディスプレイに表示することによって、行われる。
【0120】
地紋画像データ生成部128は、地紋画像51の画像データ71を生成する。生成の方法は、基本的に地紋画像データ生成部108における画像データ71の生成方法と同様である。ただし、地紋画像データ生成部128は、ページごとに画像データ71を生成する。
【0121】
つまり、地紋画像データ生成部128は、ユーザ入力パスワード3Aが適切であると判定されたページについては、ユーザ入力パスワード3Aを暗号化し、画像データ71を生成する。一方、ユーザ入力パスワード3Aが不適切であると判定されたページについては、ユーザが選択した候補パスワードを暗号化し、画像データ71を生成する。
【0122】
地紋入画像印刷制御部129は、ドキュメント50の各ページ50a、50b、50c、…に、各ページのために生成された画像データ71に基づいて、地紋画像51を付加した画像つまり地紋入画像52が用紙に印刷されるように、給紙ユニット10gおよびプリントユニット10hなどを制御する。全ページに共通の画像データ71を用いずに、ページごとの画像データ71を用いる点が、第一の実施形態とは異なるが、それ以外の点は、基本的に第一の実施形態と同様である。
【0123】
図21および図22は、第二の実施形態における画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0124】
次に、地紋画像51を付けてドキュメント50を印刷する全体的な処理の流れの例を、図21および図22に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0125】
画像形成装置1は、図5の印刷条件設定画面61を表示し(図21の#541)、印刷の条件を受け付ける(#542)。
【0126】
パスワード地紋付オリジナル原稿モードが指定されていない場合は(#543でNo)地紋画像51を付加することなく、ドキュメント50を印刷する処理を行う(#544)。
【0127】
一方、パスワード地紋付オリジナル原稿モードが指定されている場合は(#543でYes)、画像形成装置1は、図6のパスワード入力画面62を表示し(#545)、入力がなされるのを待つ(#546)。
【0128】
符号が入力されると(#47でNo、#48でYes)、画像形成装置1は、それらの符号を記憶し、次の入力がなされるのを待つ(#546)。
【0129】
「実行」ボタンでも符号のキーでもないオブジェクトが操作されると(#548でNo)、画像形成装置1は、今回の印刷のジョブを破棄する(#549)。
【0130】
「実行」ボタンが押されると(#547でYes)、画像形成装置1は、これまでに入力された符号をユーザ入力パスワード3Aとして受け付け、このユーザ入力パスワード3Aのユーザレベル3LAを判定する(#550)。
【0131】
画像形成装置1は、ADF10eにセットされた第1ページを読み取り(#552)、第1ページのページセキュリティレベル3LCを判定する(#553)。判定の方法は、前に図19で説明した通りである。
【0132】
画像形成装置1は、ユーザレベル3LAとページセキュリティレベル3LCとを比較する(#554)、
ページセキュリティレベル3LCのほうがユーザレベル3LAよりも高い場合は(#555でYes)、画像形成装置1は、候補パスワードを生成し(#556)、候補パスワードを示す画面を表示する(#557)。
【0133】
ユーザが候補パスワードを1つ選択すると、画像形成装置1は、選択された候補パスワードを受け付ける(#558)。選択された候補パスワードを暗号化し、これを示す地紋画像51を生成する(#559)。そして、第1ページを、生成した地紋画像51とともに用紙に印刷する(#560)。
【0134】
そうでない場合は(#555でNo)、画像形成装置1は、ユーザ入力パスワード3Aを暗号化し、これを示す地紋画像51を生成する(#561)。そして、第1ページを、地紋画像51とともに用紙に印刷する(#562)。
【0135】
画像形成装置1は、第2ページ以降についても同様に、ステップ#552〜#562の処理を適宜、行う。なお、ステップ#561の処理、つまり、ユーザ入力パスワード3Aを暗号化して地紋画像51を生成する処理を既に行った場合は、この地紋画像51を使い回し、ステップ#561をスキップしてもよい。
【0136】
〔第三の実施形態〕
図23は、画像形成装置1の機能的構成の変形例を示す図である。
【0137】
第一の実施形態では、画像形成装置1は、用紙をスキャンすることによって画像データ70を取得し、共通の地紋画像51を付加してドキュメント50の各ページを印刷した。つまり、ドキュメント50を、各ページに共通の地紋画像51を付加して複写(コピー)した。
【0138】
画像形成装置1は、用紙をスキャンすることによって画像データ70を取得する代わりに、パーソナルコンピュータ4Aから取得してもよい。
【0139】
この場合は、ユーザは、パーソナルコンピュータ4Aにインストールされているアプリケーションでドキュメント50を作成することによって画像データ70を用意する。そして、画像形成装置1のプリンタドライバに対して、印刷コマンドを入力する。この際に、地紋画像51を付加して印刷したいのであればパスワード地紋付オリジナル原稿モードをオンに指定する。
【0140】
すると、画像形成装置1は、図16および図17で説明した手順で、ドキュメント50を印刷する処理を行う。
【0141】
ただし、ユーザインタフェースとして、操作パネル10iの代わりにパーソナルコンピュータ4Aが用いられる。
【0142】
したがって、ステップ#511の処理は、パーソナルコンピュータ4Aが印刷条件設定画面61に相当する画面をパーソナルコンピュータ4A自身のディスプレイに表示することによって、行われる。ステップ#515、#529の、パスワード入力画面62および候補パスワード選択画面63それぞれに相当する画面を表示する処理も、同様である。また、画像形成装置1は、ステップ#512、#530において、ユーザによる操作の内容を、それを示すデータをパーソナルコンピュータ4Aから受信することによって、受け付ける。
【0143】
また、従来、ユーザは、印刷および仕上げの条件として、機密印刷およびパンチ穴仕上げを指定することができる。第三の実施形態では、画像形成装置1は、機密印刷およびパンチ穴仕上げが指定された場合に後述する処理を行うように、構成されている。
【0144】
第三の実施形態における画像形成装置1のハードウェア構成は、第一の実施形態および第二の実施形態の場合と同様であり、前に図1および図2で説明した通りである。ただし、ROM10cおよび大容量記憶装置10dには、地紋画像付加プログラム1FP、1FQの代わりに、地紋画像付加プログラム1FRが記憶されている。
【0145】
地紋画像付加プログラム1FRによると、図23に示す印刷条件等受付部131、ユーザレベル判定部132、文書セキュリティレベル判定部133、パスワード適否判定部134、候補パスワード生成部135、候補パスワード選択受付部136、地紋画像データ生成部137、地紋入画像データ生成部138、および画像印刷制御部139などの機能が実現される。
【0146】
以下、パーソナルコンピュータ4Aおよび図23に示す各部の処理内容などについて説明する。第一の実施形態または第二の実施形態と重複する点は、説明を省略する。
【0147】
ユーザは、パーソナルコンピュータ4Aにドキュメント50の画像データ70を用意し、プリンタドライバを呼び出す。すると、パーソナルコンピュータ4Aは、印刷および仕上げ等の条件を指定するための画面を表示する。
【0148】
ここで、ユーザは、機密印刷およびパンチ穴仕上げを印刷等の条件として指定する。機密印刷が指定されると、パーソナルコンピュータ4Aは、図6のパスワード入力画面62に相当する画面を表示する。ここで、ユーザは、パスワードを指定する。また、パンチ穴仕上げが指定されると、パンチ穴を開ける位置を指定するための画面を表示する。ここで、ユーザは、その位置を指定する。
【0149】
そして、パーソナルコンピュータ4Aは、画像データ70を、指定された内容(印刷等の条件およびパスワード)を示す条件データ73とともに画像形成装置1へ送信する。
【0150】
印刷条件等受付部131は、パーソナルコンピュータ4Aから画像データ70および条件データ73を受け付ける。
【0151】
ユーザレベル判定部132は、条件データ73に示されるパスワードのユーザレベル3LAを判定する。判定の方法は、第一の実施形態および第二の実施形態におけるユーザ入力パスワード3Aのユーザレベル3LAの判定の方法と同じであり、前に図9で説明した通りである。
【0152】
文書セキュリティレベル判定部133は、画像データ70に基づいて、ドキュメント50の文書セキュリティレベル3LBを判定する。判定の方法は、第一の実施形態の文書セキュリティレベル判定部104による判定の方法と同様であり、前に図10で説明した通りである。
【0153】
パスワード適否判定部134は、ユーザレベル判定部132によって判定されたユーザレベル3LAと文書セキュリティレベル判定部133によって判定された文書セキュリティレベル3LBとを比較することによって、条件データ73に示されるパスワードの適否を判定する。判定の方法は、第一の実施形態のパスワード適否判定部105による判定の方法と同様である。
【0154】
候補パスワード生成部135は、条件データ73に示されるパスワードが不適切であるとパスワード適否判定部134によって判定された場合に、候補パスワードを生成する。生成の方法は、第一の実施形態の候補パスワード生成部106による生成の方法と同様であり、図13および図14で説明した通りである。
【0155】
候補パスワード選択受付部136は、候補パスワード生成部135によって生成された候補パスワードをユーザに選択させるための処理を、次のように実行する。
【0156】
候補パスワード選択受付部136は、候補パスワードをパーソナルコンピュータ4Aへ通知する。すると、パーソナルコンピュータ4Aは、図15の候補パスワード選択画面63に相当する画面を表示する。ここで、ユーザは、候補パスワードを1つ選択する。そして、パーソナルコンピュータ4Aは、選択された候補パスワードを画像形成装置1へ通知し、候補パスワード選択受付部136は、それを受け付ける。
【0157】
地紋画像データ生成部137は、候補パスワード選択受付部136によって受け付けられた、ユーザが選択した候補パスワードを示す地紋画像51の画像データ71を生成する。
【0158】
地紋入画像データ生成部138は、画像データ70および画像データ71に基づいて、各ページ50a、50b、50c、…の所定の位置に地紋画像51を配置した画像(地紋入画像52)のデータ、つまり、画像データ72を生成する。画像データ72は、所定のボックスに記憶される。
【0159】
画像印刷制御部139は、条件データ73に示されるパスワードがパスワード適否判定部134によって適切であると判定された場合に、従来通り、機密印刷の機能によって、画像データ72に基づいて、地紋画像51が付加されたドキュメント50が用紙に印刷されるように、給紙ユニット10gおよびプリントユニット10hを制御する。つまり、画像形成装置1のところに訪れたユーザにパスワードを入力させ、入力されたパスワードと条件データ73に示されるパスワードとが一致すれば、印刷のための制御を行う。
【0160】
さらに、画像印刷制御部139は、印刷物の、条件データ73に示される位置に、パンチ穴を開けるように、フィニッシャユニット10nを制御する。
【0161】
図24および図25は、第三の実施形態における画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0162】
次に、地紋画像51を付けてドキュメント50を印刷する全体的な処理の流れの例を、図24および図25に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0163】
ユーザは、パーソナルコンピュータ4Aに画像データ70を用意し、処理の条件等を指定、印刷コマンドを入力する。すると、パーソナルコンピュータ4Aは、画像データ70および条件データ73を画像形成装置1へ送信する。なお、処理の条件等には、機密印刷およびパンチ穴仕上げを行うことおよびパスワードが含まれている。
【0164】
画像形成装置1は、画像データ70および条件データ73を受信する(図24の#571)。
【0165】
機密印刷およびパンチ穴仕上げが条件データ73に示されない場合は(#572でNo)、画像形成装置1は、従前通りに、画像データ70および条件データ73に基づいてドキュメント50の印刷を行う(#573)。
【0166】
一方、機密印刷およびパンチ穴仕上げが条件データ73に示される場合は(#572でYes)、画像形成装置1は、条件データ73に示されるパスワードのユーザレベル3LAを判定する(#574)。
【0167】
ユーザレベル3LAの判定の処理と前後してまたは並行して、画像形成装置1は、ドキュメント50の全ページの内容をテキスト化し(#575〜#578)、ドキュメント50の文書セキュリティレベル3LBを判定する(#579)。
【0168】
画像形成装置1は、ユーザレベル3LAと文書セキュリティレベル3LBとを比較する(#580)。
【0169】
文書セキュリティレベル3LBのほうがユーザレベル3LAよりも高い場合は(#581でYes)、画像形成装置1は、候補パスワードを生成する(#582)。そして、生成した候補パスワードをパーソナルコンピュータ4Aへ通知する(図25の#583)。
【0170】
すると、パーソナルコンピュータ4Aは、通知された候補パスワードの一覧を表示する。ユーザは、いずれか1つの候補パスワードを選択する。そして、パーソナルコンピュータ4Aは、選択された候補パスワードを画像形成装置1へ通知する。
【0171】
画像形成装置1は、パーソナルコンピュータ4Aから通知された候補パスワードを受信する(#584)。この候補パスワードを暗号化し、これを示す地紋画像51を生成する(#585)。そして、ドキュメント50の各ページ50a、50b、50c、…に地紋画像51を付加した地紋入画像52の画像データ72を生成し(#586)、所定のボックス(例えば、機密ドキュメント用のボックス)に保存する(#587)。
【0172】
そうでない場合は(#581でNo)、ユーザが操作パネル10iを操作して正しいパスワードを入力すれば、画像形成装置1は、ドキュメント50の各ページを印刷し(#588)、印刷物にパンチ穴を開ける(#589)。なお、ステップ#588において、暗号化したユーザ入力パスワード3Aを示す地紋画像51を付加してドキュメント50の各ページを印刷してもよい。
【0173】
なお、画像形成装置1は、ユーザの指令に応じて、機密ドキュメント用のボックスに記憶された画像データ72に基づいて地紋入画像52を印刷する。ただし、地紋入画像52に含まれる地紋画像51に対応するパスワードが正しく入力された場合に印刷する。次に説明する第四の実施形態においても、同様である。
【0174】
〔第四の実施形態〕
図26は、画像形成装置1の機能的構成の変形例を示す図である。
【0175】
第二の実施形態では、画像形成装置1は、用紙をスキャンすることによって画像データ70を取得し、ページごとのページセキュリティレベル3LCに応じた地紋画像51を各ページに付加して印刷を行った。画像形成装置1は、パーソナルコンピュータ4Aから画像データ70を取得する場合も、ページごとのページセキュリティレベル3LCに応じた地紋画像51を各ページに付加して印刷を行ってもよい。
【0176】
具体的には、画像形成装置1は、図21および図22で説明した手順で、ドキュメント50を印刷する処理を行う。
【0177】
ただし、ユーザインタフェースとして、操作パネル10iの代わりにパーソナルコンピュータ4Aが用いられる。
【0178】
したがって、ステップ#541、#545、および#557の各処理は、パーソナルコンピュータ4Aが画面をパーソナルコンピュータ4A自身のディスプレイに表示することによって、行われる。また、画像形成装置1は、ステップ#542、#558において、ユーザによる操作の内容を、それを示すデータをパーソナルコンピュータ4Aから受信することによって、受け付ける。
【0179】
また、従来、ユーザは、印刷および仕上げの条件として、機密印刷およびパンチ穴仕上げを指定することができる。第四の実施形態では、画像形成装置1は、機密印刷およびパンチ穴仕上げが指定された場合に後述する処理を行うように、構成されている。
【0180】
第四の実施形態における画像形成装置1のハードウェア構成は、第一の実施形態ないし第三の実施形態の場合と同様であり、前に図1および図2で説明した通りである。ただし、ROM10cおよび大容量記憶装置10dには、地紋画像付加プログラム1FP、1FQ、1FRの代わりに、地紋画像付加プログラム1FSが記憶されている。
【0181】
地紋画像付加プログラム1FSによると、図26に示す印刷条件等受付部141、ユーザレベル判定部142、ページセキュリティレベル判定部143、パスワード適否判定部144、候補パスワード生成部145、候補パスワード選択受付部146、地紋画像データ生成部147、および地紋入画像データ生成部148などの機能が実現される。
【0182】
以下、パーソナルコンピュータ4Aおよび図26に示す各部の処理内容などについて説明する。第一の実施形態、第二の実施形態、または第三の実施形態と重複する点は、説明を省略する。
【0183】
印刷条件等受付部141およびユーザレベル判定部142は、第三の実施形態の印刷条件等受付部131およびユーザレベル判定部132と同様に機能する。つまり、印刷条件等受付部141は、パーソナルコンピュータ4Aから画像データ70および条件データ73を受け付ける。ユーザレベル判定部142は、条件データ73に示されるパスワードのユーザレベル3LAを判定する。
【0184】
ページセキュリティレベル判定部143は、画像データ70に基づいて、ドキュメント50の各ページのページセキュリティレベル3LCを判定する。ページセキュリティレベル3LCの判定の方法は、前に図19で説明した通りである。
【0185】
パスワード適否判定部144は、ドキュメント50のページごとに、ユーザレベル判定部142によって判定されたユーザレベル3LAとページセキュリティレベル判定部143によって判定されたページセキュリティレベル3LCとを比較することによって、条件データ73に示されるパスワードの適否を判定する。判定の方法は、第二の実施形態のパスワード適否判定部125による判定の方法と同様である。
【0186】
候補パスワード生成部145は、条件データ73に示されるパスワードが不適切であるとパスワード適否判定部144によって判定されたページごとに、地紋画像51に示すパスワードの候補つまり候補パスワードを生成する。生成する方法は、候補パスワード生成部126によるパスワードの生成方法と同様である。
【0187】
候補パスワード選択受付部146は、候補パスワード生成部145によって生成された候補パスワードをユーザに選択させるための処理を行う。この処理の方法は、候補パスワード選択受付部136による処理の方法と同様である。
【0188】
地紋画像データ生成部147は、地紋画像51の画像データ71を生成する。生成の方法は、第二の実施形態の候補パスワード選択受付部127による画像データ71の生成の方法と同様である。
【0189】
地紋入画像データ生成部148は、ドキュメント50の各ページ50a、50b、50c、…にそれぞれの地紋画像51を付加した地紋入画像52の画像データ72を生成する。
【0190】
図27および図28は、第四の実施形態における画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0191】
次に、地紋画像51を付けてドキュメント50を印刷する全体的な処理の流れの例を、図27および図28に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0192】
画像形成装置1は、パーソナルコンピュータ4Aから画像データ70および条件データ73を受信する(図27の#601)。
【0193】
機密印刷およびパンチ穴仕上げが条件データ73に示されない場合は(#602でNo)、画像形成装置1は、従前通りに、画像データ70および条件データ73に基づいてドキュメント50の印刷を行う(#603)。
【0194】
一方、機密印刷およびパンチ穴仕上げが条件データ73に示される場合は(#602でYes)、画像形成装置1は、条件データ73に示されるパスワードのユーザレベル3LAを判定する(#604)。
【0195】
ユーザレベル3LAの判定の処理と前後してまたは並行して、画像形成装置1は、第1ページのページセキュリティレベル3LC判定する(#606)。
【0196】
画像形成装置1は、ユーザレベル3LAとページセキュリティレベル3LCとを比較する(#607)。
【0197】
ページセキュリティレベル3LCのほうがユーザレベル3LAよりも高い場合は(#608でYes)、画像形成装置1は、候補パスワードを生成する(#609)。そして、生成した候補パスワードをパーソナルコンピュータ4Aへ通知する(#610)。
【0198】
画像形成装置1は、ユーザが選択した候補パスワードをパーソナルコンピュータ4Aから受信する(#611)。この候補パスワードを暗号化し、これを示す地紋画像51を生成して第1ページに付加する(#612)。
【0199】
そうでない場合は(#608でNo)、画像形成装置1は、条件データ73に示されるパスワードを暗号化し、これを示す地紋画像51を生成して第1ページに付加する(#613)。
【0200】
画像形成装置1は、第2ページ以降についても同様に、ステップ#606〜#613の処理を適宜、行う。
【0201】
そして、画像形成装置1は、各ページに地紋画像51が付加された地紋入画像52の画像データ72を機密ドキュメント用のボックスなど所定のボックスに保存する(図28の#616)。
【0202】
〔第五の実施形態〕
図29は、画像形成装置1の機能的構成の変形例を示す図である。図30は、用紙使用実績データ7Rの例を示す図である。
【0203】
第一の実施形態および第二の実施形態では、ユーザがパスワード地紋付オリジナル原稿モードを選択した場合に、地紋画像51を付加してドキュメント50を印刷した。また、第三の実施形態および第四の実施形態では、機密印刷およびパンチ穴仕上げの両方が指定されている場合に、地紋画像51を付加してドキュメント50を印刷した。
【0204】
第五の実施形態では、ドキュメント50を印刷する用紙の種類に応じて、適宜、地紋画像51を付加する。
【0205】
第五の実施形態における画像形成装置1のハードウェア構成は、第一の実施形態ないし第四の実施形態の場合と同様であり、前に図1および図2で説明した通りである。ただし、ROM10cおよび大容量記憶装置10dには、地紋画像付加プログラム1FP、1FQ、1FR、1FSの代わりに、地紋画像付加プログラム1FTが記憶されている。
【0206】
地紋画像付加プログラム1FTによると、図29に示す印刷条件受付部151、ユーザレベル判定部152、画像データ取得制御部153、文書セキュリティレベル判定部154、パスワード適否判定部155、候補パスワード生成部156、候補パスワード選択受付部157、地紋画像データ生成部158、地紋入画像印刷制御部159、用紙種類レベル判定部15A、用紙使用実績記憶部15B、および用紙使用実績データ更新部15Cなどの機能が実現される。
【0207】
以下、図29に示す各部の処理内容などについて説明する。第一の実施形態、第二の実施形態、第三の実施形態、または第四の実施形態と重複する点は、説明を省略する。
【0208】
印刷条件受付部151、ユーザレベル判定部152、画像データ取得制御部153、および文書セキュリティレベル判定部154は、それぞれ、第一の実施形態の印刷条件受付部101、ユーザレベル判定部102、画像データ取得制御部103、および文書セキュリティレベル判定部104(図3参照)と同様の処理を行う。
【0209】
用紙使用実績記憶部15Bは、図30のように、用紙の種類ごとに用紙使用実績データ7Rを記憶する。用紙使用実績データ7Rには、「高」、「中」、および「低」の3つのフィールドが設けられている。各フィールドのデフォルトの値は「0」である。用紙使用実績データ7Rは、パスワード地紋付オリジナル原稿モードが指定されて印刷が行われるごとに、用紙使用実績データ更新部15Cによって次のように更新される。
【0210】
用紙使用実績データ更新部15Cは、ユーザが指定した用紙の種類の用紙使用実績データ7Rを用紙使用実績記憶部15Bの中から検索する。そして、検索した用紙使用実績データ7Rのフィールドのうちのユーザレベル判定部152によって判定されたレベルのフィールドを、「1」を加算することによって更新する。
【0211】
用紙種類レベル判定部15Aは、ドキュメント50を印刷する用紙の用紙セキュリティレベル3LDを判定する。「用紙セキュリティレベル3LD」は、その用紙に印刷されるドキュメント50の、機密にすべき度合いのレベルを意味する。用紙セキュリティレベル3LDは、次のように判定される。
【0212】
用紙種類レベル判定部15Aは、ユーザが指定した用紙の種類の用紙使用実績データ7Rを用紙使用実績記憶部15Bの中から検索する。そして、3つのフィールドのうちの最も大きな値(回数)を示すフィールドのレベルを、用紙セキュリティレベル3LDに決定する。なお、最も大きな値が複数ある場合は、より高い方のレベルを用紙セキュリティレベル3LDに決定する。
【0213】
パスワード適否判定部155は、用紙種類レベル判定部15Aによって判定された用紙セキュリティレベル3LDが、文書セキュリティレベル判定部154によって判定された文書セキュリティレベル3LBよりも高ければ、ユーザ入力パスワード3Aが地紋画像51に示すパスワードとして適切であると判定し、低ければ、ユーザ入力パスワード3Aが不適切であると判定する。なお、両者が同じである場合は、適切であると判定してもよいし、不適切であると判定してもよい。どちらに判定するのかは、予め決められている。
【0214】
候補パスワード生成部156、候補パスワード選択受付部157、地紋画像データ生成部158、および地紋入画像印刷制御部159は、それぞれ、第一の実施形態の候補パスワード生成部106、候補パスワード選択受付部107、地紋画像データ生成部108、および地紋入画像印刷制御部109と同様の処理を行う。
【0215】
図31および図32は、第五の実施形態における画像形成装置1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0216】
次に、地紋画像51を付けてドキュメント50を印刷する全体的な処理の流れの例を、図31および図32のフローチャートを参照しながら説明する。
【0217】
ユーザは、第一の実施形態の場合と同様に、ドキュメント50の画像データ70を用意し、印刷の条件およびパスワードを指定する。さらに、ドキュメント50を印刷する用紙の種類を指定する。
【0218】
図31のステップ#621〜#630の処理は、図16で説明した#511〜#520の処理と同様である。
【0219】
画像形成装置1は、ユーザが指定した用紙の種類の用紙使用実績データ7Rの、ステップ#630で判定したユーザレベル3LAのフィールドに「1」を加算する(#631)。この処理と並行してまたは前後して、ユーザが指定した用紙の種類の用紙セキュリティレベル3LDを判定する(#632)。
【0220】
さらに、ステップ#631、#632の処理と並行してまたは前後して、画像形成装置1は、ADF10eにセットされた用紙を次々に読み取り(#633〜#636)、ドキュメント50の文書セキュリティレベル3LBを判定する(#637)。
【0221】
画像形成装置1は、文書セキュリティレベル3LBと用紙セキュリティレベル3LDとを比較する(#638)。
【0222】
文書セキュリティレベル3LBのほうが用紙セキュリティレベル3LDよりも高い場合は(#639でYes)、画像形成装置1は、図17のステップ#528〜#532と同様の処理を行う。すなわち、候補パスワードを幾つか生成し(#640)、その中からユーザが選択した候補パスワードを暗号化して地紋画像51を生成し(#641〜#643)、地紋画像51をドキュメント50の各ページに付加して印刷する(#644)。
【0223】
そうでない場合は(#639でNo)、画像形成装置1は、図17のステップ#533、#534と同様の処理を行う。すなわち、ユーザ入力パスワード3Aを暗号化し、これを示す地紋画像51を生成する(#645)。そして、各ページに地紋画像51を付加して印刷する(#646)。
【0224】
第一の実施形態ないし第五の実施形態によると、ドキュメント50へのパスワードの付与を従来よりも好適に行うことができる。
【0225】
画像形成装置1がパーソナルコンピュータ4Aから画像データ70を取得する場合は、画像形成装置1として、MFPのような多機能タイプの装置だけでなく、いわゆるプリント専用機(パーソナルコンピュータの周辺器であるプリンタ)を用いることもできる。
【0226】
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データベースの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0227】
1 画像形成装置(画像処理装置、印刷システム)
102 ユーザレベル判定部(第一のレベル判定手段)
104 文書セキュリティレベル判定部(第二のレベル判定手段)
105 パスワード適否判定部(適否判定手段)
106 候補パスワード生成部(パスワード生成手段)
107 候補パスワード選択受付部(提示手段)
109 地紋入画像印刷制御部(印刷制御手段)
122 ユーザレベル判定部(第一のレベル判定手段)
124 ページセキュリティレベル判定部(第二のレベル判定手段)
125 パスワード適否判定部(適否判定手段)
126 候補パスワード生成部(パスワード生成手段)
127 候補パスワード選択受付部(提示手段)
129 地紋入画像印刷制御部(印刷制御手段)
132 ユーザレベル判定部(第一のレベル判定手段)
133 文書セキュリティレベル判定部(第二のレベル判定手段)
134 パスワード適否判定部(適否判定手段)
135 候補パスワード生成部(パスワード生成手段)
136 候補パスワード選択受付部(提示手段)
139 画像印刷制御部(印刷制御手段)
142 ユーザレベル判定部(第一のレベル判定手段)
143 ページセキュリティレベル判定部(第二のレベル判定手段)
144 パスワード適否判定部(適否判定手段)
145 候補パスワード生成部(パスワード生成手段)
146 候補パスワード選択受付部(提示手段)
149 画像印刷制御部(印刷制御手段)
152 ユーザレベル判定部(第一のレベル判定手段)
154 文書セキュリティレベル判定部(第二のレベル判定手段)
155 パスワード適否判定部(適否判定手段)
156 候補パスワード生成部(パスワード生成手段)
157 候補パスワード選択受付部(提示手段)
15A 用紙種類レベル判定部(第三のレベル決定手段)
15B 用紙使用実績記憶部(実績記憶手段)
159 地紋入画像印刷制御部(印刷制御手段)
3LA ユーザレベル(第一のレベル)
3LB 文書セキュリティレベル(第二のレベル)
3LC ページセキュリティレベル(第二のレベル)
3LD 用紙セキュリティレベル(第三のレベル)
4A パーソナルコンピュータ(提示手段)
50 ドキュメント
51 地紋画像
52 地紋入画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定する第一のレベル判定手段と、
印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定する第二のレベル判定手段と、
前記第一のレベルと前記第二のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定する適否判定手段と、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数、生成する、パスワード生成手段と、
生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示する提示手段と、
前記第一のパスワードが適切であると判定された場合は、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように印刷装置を制御し、適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように前記印刷装置を制御する、印刷制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記対象ドキュメントは複数のページによって構成されており、
前記印刷制御手段は、前記ページごとに前記第一の地紋画像または前記第二の地紋画像が共通に印刷されるように前記印刷装置を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記対象ドキュメントは複数のページによって構成されており、
前記第二のレベル判定手段は、前記ページごとに前記第二のレベルを判定し、
前記適否判定手段は、前記ページごとに、前記第一のパスワードが当該ページのパスワードとして適切であるか否かを判定し、
前記パスワード生成手段は、前記ページのうちの前記第一のパスワードが適切でないと判定されたページごとに、前記第二のパスワードを生成し、
前記提示手段は、前記ページのうちの前記第一のパスワードが適切でないと判定されたページごとに、生成された前記第二のパスワードを提示し、
前記印刷手段は、前記ページのうちの、前記第一のパスワードが適切であると判定されたページは、前記第一の地紋画像とともに印刷されるように前記印刷装置を制御し、適切でないと判定されたページは、前記ユーザによって選択された前記第二の地紋画像とともに印刷されるように前記印刷装置を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第一のレベル判定手段は、前記第一のレベルを、前記第一のパスワードの長さおよび複雑さに基づいて判定し、
前記第二のレベル判定手段は、前記第二のレベルを、前記対象ドキュメントまたは前記ページに含まれる所定のキーワードの個数に基づいて判定する、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記印刷制御手段は、前記ユーザが機密印刷およびパンチ穴仕上げの両方を選択した場合または前記ユーザが地紋印刷のモードを選択した場合に、前記対象ドキュメントが前記第一の地紋画像または前記第二の地紋画像とともに印刷されるように前記印刷装置を制御する、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記パスワード生成手段は、前記第一のパスワードに含まれる大文字を小文字に変更し、小文字を大文字に変更し、数字を加え、または記号を加えることによって、前記第二のパスワードを生成する、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定する第一のレベル判定手段と、
ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定する第二のレベル判定手段と、
前記第二のレベルごとに、用紙の種類それぞれの、前記ドキュメントを印刷する際に過去に指定された回数を記憶する、実績記憶手段と、
今回の印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントについて指定された前記種類についての、前記第二のレベルのうちの前記回数が最も多いものを第三のレベルに決定する、第三のレベル決定手段と、
前記第一のレベルと前記第三のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定する適否判定手段と、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数、生成する、パスワード生成手段と、
生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示する提示手段と、
前記第一のパスワードが適切であると判定された場合は、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように印刷装置を制御し、適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように前記印刷装置を制御する、印刷制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定する第一のレベル判定手段と、
印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定する第二のレベル判定手段と、
前記第一のレベルと前記第二のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定する適否判定手段と、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数、生成する、パスワード生成手段と、
生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示する提示手段と、
前記第一のパスワードが適切であると判定された場合は、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントを印刷し、適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントを印刷する、印刷手段と、
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項9】
ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定する第一のレベル判定手段と、
ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定する第二のレベル判定手段と、
前記第二のレベルごとに、用紙の種類それぞれの、前記ドキュメントを印刷する際に過去に指定された回数を記憶する、実績記憶手段と、
今回の印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントについて指定された前記種類についての、前記第二のレベルのうちの前記回数が最も多いものを第三のレベルに決定する、第三のレベル決定手段と、
前記第一のレベルと前記第三のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定する適否判定手段と、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数、生成する、パスワード生成手段と、
生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示する提示手段と、
前記第一のパスワードが適切であると判定された場合は、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントを印刷し、適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントを印刷する、印刷手段と、
を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項10】
ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定し、
印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定し、
前記第一のレベルと前記第二のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定し、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数、生成し、
生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示し、
前記第一のパスワードが適切であると判定された場合は、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントを印刷し、適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントを印刷する、
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項11】
ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定し、
ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定し、
前記第二のレベルごとに、用紙の種類それぞれの、前記ドキュメントを印刷する際に過去に指定された回数を記録し、
今回の印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントについて指定された前記種類についての、前記第二のレベルのうちの前記回数が最も多いものを第三のレベルに決定し、
前記第一のレベルと前記第三のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定し、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数、生成し、
生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示し、
前記第一のパスワードが適切であると判定された場合は、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントを印刷し、適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントを印刷する、
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項12】
印刷装置を制御するコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定する処理を実行させ、
印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定する処理を実行させ、
前記第一のレベルと前記第二のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定する処理を実行させ、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数生成する処理を実行させ、
生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示する処理を実行させ、
前記第一のパスワードが適切であると判定された場合に、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように前記印刷装置を制御する処理を実行させ、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように前記印刷装置を制御する処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項13】
印刷装置を制御するコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザが指定した第一のパスワードの堅牢性を表わす第一のレベルを判定する処理を実行させ、
ドキュメントを機密にすべき度合いを表わす第二のレベルを判定する処理を実行させ、
前記第二のレベルごとに、用紙の種類それぞれの、前記ドキュメントを印刷する際に過去に指定された回数を記録する処理を実行させ、
今回の印刷の対象のドキュメントである対象ドキュメントについて指定された前記種類についての、前記第二のレベルのうちの前記回数が最も多いものを第三のレベルに決定する処理を実行させ、
前記第一のレベルと前記第三のレベルとを比較することによって、前記第一のパスワードが前記対象ドキュメントのパスワードとして適切であるか否かを判定する処理を実行させ、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合に、前記対象ドキュメントのパスワードとして適切な第二のパスワードを1つまたは複数生成する処理を実行させ、
生成された前記第二のパスワードのうちのいずれかを選択させるためにユーザに対して提示する処理を実行させ、
前記第一のパスワードが適切であると判定された場合に、前記第一のパスワードに対応する第一の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように前記印刷装置を制御する処理を実行させ、
前記第一のパスワードが適切でないと判定された場合は、前記ユーザによって選択された前記第二のパスワードに対応する第二の地紋画像とともに前記対象ドキュメントが印刷されるように前記印刷装置を制御する処理を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−161059(P2012−161059A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21394(P2011−21394)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】