説明

画像処理装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】利用者に対して利用を促したい機能が他の機能に比べて操作しやすく、簡単に利用可能な画像処理装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、表示装置120を備える装置であって、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように表示装置120への操作画面の表示を制御する画面制御手段10と、制御され表示された操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、所定の記憶領域に保持される蓄積ジョブのうち、印刷実行指示を受け付けた際に選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する設定変更手段20と、変更された印刷設定に従って、印刷データのモノクロ印刷又はカラー印刷を実行する印刷制御手段30と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置の蓄積ジョブを印刷する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、利用者からカラー印刷のジョブを受信すると、印刷設定を変更し、モノクロ印刷する印刷制御技術が開示されている。この技術は、印刷時のランニングコストを抑制することを目的とした技術である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の印刷制御では、本当にカラー印刷を行いたい場合であっても、印刷ジョブが強制的にモノクロ印刷されてしまう問題がある。
【0004】
実業務において画像処理装置で印刷されるジョブには、例えば、顧客への提案資料などがある。このような提案資料は、提案内容を視覚的に分かりやすく表すため、業務上、カラー印刷を行いたい。しかし、従来では、このような印刷ジョブであっても、強制的にモノクロ印刷されてしまう。そのため、利用者にとって利便性が悪い。
【0005】
このようなことから、印刷時のランニングコストを抑制しながら、カラー印刷を所望する利用者の利便性を損なうことのない印刷機能を提供することが望ましい。具体的には、利用者に対して通常時のモノクロ印刷の利用を促し、必要なときのみカラー印刷が行える環境の実現が望まれる。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、利用者に対して利用を促したい機能が他の機能に比べて操作しやすく、簡単に利用可能な画像処理装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、表示装置を備える画像処理装置であって、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように前記表示装置への操作画面の表示を制御する画面制御手段と、前記画面制御手段により制御され表示された操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、所定の記憶領域に保持される蓄積ジョブのうち、印刷実行指示を受け付けた際に選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する設定変更手段と、前記設定変更手段により変更された印刷設定に従って、前記印刷データのモノクロ印刷又はカラー印刷を実行する印刷制御手段と、を有している。
【0008】
このような構成によって、本発明に係る画像処理装置は、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように、当該装置が備える表示装置への操作画面の表示を制御する。画像処理装置は、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する。画像処理装置は、変更した印刷設定に従って、モノクロ印刷又はカラー印刷を実行する。
【0009】
これによって、利用者には、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作が複雑な印刷操作環境が提供され、通常、モノクロ印刷を利用するように心理的な影響を与える。その結果、利用者に対して通常時のモノクロ印刷の利用を促し、必要なときのみカラー印刷が行える環境が実現される。つまり、本発明に係る画像処理装置では、利用者に対して利用を促したい機能が他の機能に比べて操作しやすく、簡単に利用できる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷制御方法は、表示装置を備える画像処理装置における印刷制御方法であって、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように前記表示装置への操作画面の表示を制御する画面制御工程と、前記画面制御工程により制御され表示された操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、所定の記憶領域に保持される蓄積ジョブのうち、印刷実行指示を受け付けた際に選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する設定変更工程と、前記設定変更工程により変更された印刷設定に従って、前記印刷データのモノクロ印刷又はカラー印刷を実行する印刷制御工程と、を有している。
【0011】
このような手順によって、本発明に係る印刷制御方法は、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように、当該装置が備える表示装置への操作画面の表示を制御し、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定をモノクロ又はカラーに変更し、変更した印刷設定に従って、モノクロ印刷又はカラー印刷を実行するという動作を実現する。
【0012】
これによって、本発明に係る印刷制御方法では、利用者に対して利用を促したい機能が他の機能に比べて操作しやすく、簡単に利用可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように操作画面の表示を制御し、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定をモノクロ又はカラーに変更し、変更した印刷設定に従って、モノクロ印刷又はカラー印刷を実行することで、利用者に対して利用を促したい機能が他の機能に比べて操作しやすく、簡単に利用可能な画像処理装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るジョブ情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御の処理手順例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る印刷制御時の動作例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る利用制限情報のデータ例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御の処理手順例(その1)を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御時の動作例(その1)を示す図である。
【図11】本発明の変形例に係る印刷制御の処理手順例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御の処理手順例(その2)を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御時の動作例(その2)を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る定義情報のデータ例を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る印刷制御の処理手順例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る印刷制御時の動作例を示す図である。
【図18】本発明の変形例に係る印刷制御システムの構成例を示す図である。
【図19】本発明の変形例に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る印刷制御システム1の構成例を示す図である。
図1には、1又は複数の画像処理装置100〜100(以降総称する場合「画像処理装置100」という)と、1又は複数の情報処理装置200〜200(以降総称する場合「情報処理装置200」という)とが、ネットワークなどのデータ伝送路N(例えば「LAN:Local Area Network」)で接続されるシステム構成例が示されている。
【0017】
画像処理装置100は、印刷機能を含む画像処理機能を有する機器であり、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)やLP(Laser Printer)などである。情報処理装置200は、情報処理機能を有する機器であり、例えば、PC(Personal Computer)などである。
【0018】
本実施形態に係る印刷制御システム1では、利用者に対して、次のような印刷サービスが提供される。例えば、情報処理装置200から画像処理装置100に対して、印刷ジョブが送信されると、画像処理装置100は、受信した印刷ジョブのデータ(以下「印刷データ」という)を所定の記憶領域に格納し蓄積する。その後、画像処理装置100は、操作画面を介して、利用者から蓄積された印刷ジョブ(以下「蓄積ジョブ」という)の選択指定及び実行指示を受け付ける。このとき、画像処理装置100は、受け付けた実行指示に基づき、モノクロ印刷の実行か、カラー印刷への設定変更かを判断する。その結果、画像処理装置100は、モノクロ印刷の実行指示の場合、所定の記憶領域から、選択指定された蓄積ジョブの該当データを取得し、実行指示に基づき、取得したデータをモノクロ印刷する。一方、画像処理装置100は、カラー印刷への設定変更指示の場合、カラー印刷の実行指示を受け付ける操作画面を表示し、利用者からカラー印刷の実行指示を受け付ける。その結果、画像処理装置100は、所定の記憶領域から、選択指定された蓄積ジョブの該当データを取得し、実行指示に基づき、取得したデータをカラー印刷する。
【0019】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御システム1では、上記印刷サービス(蓄積印刷機能)を提供することができる。
【0020】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。なお、図2には、画像処理装置100がMFPであった場合の例が示されている。
図2に示すように、画像処理装置100は、コントローラ110、操作パネル120、プロッタ130、及びスキャナ140などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0021】
操作パネル120は、表示部及び入力部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種ユーザ操作を受け付けたりする。プロッタ130は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。出力画像を形成する方式には、例えば、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ140は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0022】
コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)111、記憶装置112、ネットワークI/F113、及び外部記憶I/F114などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0023】
CPU111は、プログラムを実行することで装置全体を制御する。また、記憶装置112は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。記憶装置212には、例えば、揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)、及び大容量の記憶領域を備えたHDD(Hard Disk Drive)などがある。RAMは、CPU111のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置100では、CPU111がROMに格納されたプログラムをRAM上に読み出し、プログラムを実行する。
【0024】
ネットワークI/F113は、画像処理装置100をネットワークなどの所定のデータ伝送路Nに接続するためのインタフェースである。これにより、画像処理装置100は、ネットワークI/F113を介して、印刷制御装置200とデータ通信を行うことができる。
【0025】
外部記憶I/F114は、外部記憶装置にあたる記録媒体114aを接続するためのインタフェースである。記録媒体114aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。これにより、画像処理装置100は、外部記憶I/F114を介して、記録媒体114aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0026】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100では、上記ハードウェア構成により、印刷機能を含む画像処理サービス(画像処理機能)を提供することができる。
【0027】
<印刷制御機能>
本実施形態に係る印刷制御機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように、当該装置100が備える操作パネル120への操作画面の表示を制御する。画像処理装置100は、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する。画像処理装置100は、変更した印刷設定に従って、モノクロ印刷又はカラー印刷を実行する。本実施形態に係る画像処理装置100は、このような印刷制御機能を有している。
【0028】
従来の印刷制御では、本当にカラー印刷を行いたい場合であっても、ランニングコストを抑制するために、印刷ジョブが強制的にモノクロ印刷されてしまい、利用者にとって利便性が悪い。
【0029】
そこで、本実施形態に係る画像処理装置100では、印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように操作画面の表示を制御し、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定をモノクロ又はカラーに変更し、変更した印刷設定に従って、モノクロ印刷又はカラー印刷を実行する仕組みとした。
【0030】
これにより、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者への利用促進機能(モノクロ印刷)が他の機能(カラー印刷)に比べて操作しやすく、簡単に利用できる。その結果、利用者に対して、通常印刷を行う際は、操作手順が少なく簡単に利用できるモノクロ印刷を利用し、必要なときのみカラー印刷を利用するよう促す効果が期待できる。そのため、本実施形態に係る画像処理装置100では、印刷時のランニングコストを抑制でき、かつ、カラー印刷を所望する利用者の利便性も損なわない。
【0031】
以下に、本実施形態に係る印刷制御機能の構成とその動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る印刷制御機能は、画面制御部10、印刷設定変更部20、印刷制御部30、及びジョブ情報保持部90などを有している。これらの機能部は、画像処理装置100で動作する。
【0032】
ジョブ情報保持部90は、印刷ジョブに関する情報(以下「ジョブ情報」という)を保持する機能部である。ジョブ情報保持部90は、画像処理装置100が備える記憶装置112(例えば「HDD」)の所定の記憶領域にあたる。
【0033】
ここで、ジョブ情報について説明する。
図4は、本実施形態に係るジョブ情報90Dのデータ例を示す図である。
図4に示すように、ジョブ情報90Dは、[ジョブ識別]、[利用者識別]、[ジョブ名]、[ページ数]、[カラー/モノクロ]、[両面/片面]、及び[部数]などの情報項目が、印刷ジョブ単位で対応づけられ、ジョブ情報保持部90に保持される。
【0034】
[ジョブ識別]項目は、印刷ジョブを識別する情報(以下「ジョブ識別情報」という)を保持する項目であり、項目値には、印刷ジョブごとに発行されるID値などがある。[利用者識別]項目は、印刷ジョブのオーナにあたる利用者を識別する情報(以下「利用者識別情報」という)を保持する項目であり、項目値には、利用者ごとに発行されるID値や利用者名の文字列などがある。[ジョブ名]項目は、印刷ジョブの名前を示す情報(以下「ジョブ名情報」という)を保持する項目であり、項目値には、印刷データ名(ファイル名)を示す文字列などがある。[ページ数]項目は、印刷ジョブのページ数を示す情報(以下「ページ数情報」という)を保持する項目であり、項目値には、ページ数を示す値などがある。
【0035】
また、[カラー/モノクロ]項目は、印刷条件として設定されるカラー又はモノクロを示す情報(以下「カラー/モノクロ設定情報」という)を保持する項目であり、項目値には、"カラー"又は"モノクロ"の設定値などがある。[両面/片面]項目は、印刷条件として設定される両面又は片面を示す情報(以下「両面/片面設定情報」という)を保持する項目であり、項目値には、"両面"又は"片面"の設定値などがある。[部数]項目は、印刷条件として設定される部数を示す情報(以下「部数設定情報」という)を保持する項目であり、項目値には、部数を示す設定値などがある。なお、以降の説明では、便宜上、上記「印刷条件の設定」を単に「印刷設定」という。
【0036】
上記情報項目の項目値は、例えば、情報処理装置100から受信した印刷データに含まれる書誌情報や印刷条件情報などから取得できる。具体的には、印刷データであるPDLデータ(Page Description Language data)のヘッダ部にあたるPJLデータ(Printer Job Language data)を解析することで取得できる。なお、[ジョブ識別]、[利用者識別]、[ジョブ名]、及び[ページ数]項目の項目値は、書誌情報から取得でき、[カラー/モノクロ]、[両面/片面]、及び[部数]項目の項目値は、印刷条件情報から取得できる。
【0037】
その後、取得された項目値は、受信した印刷データに紐づいて保持される。具体的には、受信した印刷データを所定の記憶領域に格納し蓄積する際に発行されるジョブ識別情報に基づき紐づけられる。
【0038】
図3の説明に戻る。画面制御部10は、印刷時の操作画面を制御する機能部である。画面制御部10は、主に、操作画面を生成する画面生成部11と操作画面からの入力を受け付ける入力受付部12などを有している。画面生成部11は、予め用意しておいた表示部品を用いて、所定のレイアウト情報に基づき、操作画面を生成する。上記表示部品は、例えば、画面上のGUI(Graphical User Interface)を形成するグラフィックデータや表示内容を表すテキストデータなどである。また、上記レイアウト情報は、例えば、画面座標に従った表示部品の配置データなどである。
【0039】
画面生成部11は、画面制御部10からの生成指示に従って、次のような操作画面を生成する。印刷時の操作画面には、ジョブ選択時の操作画面(以下「ジョブ一覧画面」という)と印刷設定変更時の操作画面(以下「印刷設定画面」という)がある。ジョブ一覧画面は、例えば、蓄積ジョブのジョブ情報90Dが一覧表示され、表示された蓄積ジョブの一覧の中から、印刷を実行するジョブを選択指定する[ジョブ選択指定]ボタン、印刷設定を変更する操作画面への遷移を指示する[印刷設定]ボタン、及びモノクロ印刷の実行を指示する[印刷]ボタンなどを有している。また、印刷設定画面は、例えば、カラー印刷の実行を指示する[カラー印刷]ボタン、部数指定に従った印刷の実行を指示する[部数変更印刷]ボタン、及び形式変換指定や保存先(転送先)指定に従った保存印刷の実行を指示する[保存印刷]ボタンなどを有している。画面制御部10は、画面生成部11により生成された上記操作画面を、画像処理装置100が備える操作パネル120に表示する。
【0040】
入力受付部12は、画面操作による操作イベントに基づき、操作画面からの入力を受け付ける。上記操作イベントは、例えば、ボタン押下やキー入力などの操作に応じて発行される入力信号などである。また、受け付ける入力は、入力信号から判別した処理の実行指示、処理対象の選択指定、操作画面の遷移指示、及びキー入力データなどがある。
【0041】
入力受付部12は、画面制御部10に対し、次のような画面操作入力を受け渡す。上記操作画面を介して受け付ける入力には、モノクロ、カラー、部数変更、保存などの各種印刷の実行指示、蓄積ジョブの選択指定、及び印刷設定変更の操作画面への遷移指示などがある。画面制御部10は、入力受付部12で受け付けた画面操作入力に基づき、操作画面の表示を制御する。
【0042】
画面制御部10は、まず、利用者からジョブ一覧画面の表示要求を受け付けると、ジョブ情報保持部90にアクセスし、蓄積ジョブのジョブ情報90Dを取得し、取得したジョブ情報90Dを画面生成部11に渡し、画面生成を指示する。これにより、操作パネル120には、ジョブ選択可能なジョブ一覧画面が表示される。このとき、操作画面上で[ジョブ選択指定]ボタンが押下された後に[印刷]ボタンが押下された場合、画面制御部10は、入力受付部12で、蓄積ジョブの選択指定及びモノクロ印刷の実行指示を受け付ける。その結果、画面制御部10は、選択指定された蓄積ジョブのジョブ識別情報を、後述する印刷設定変更部20に渡し、モノクロ印刷(モノクロ強制印刷)の実行を指示する。つまり、本実施形態では、ジョブ選択後の1アクション(1回のボタン押下)で、モノクロ印刷が実行される。
【0043】
一方、操作画面上で[ジョブ選択指定]ボタンが押下された後に[印刷設定]ボタンが押下された場合、画面制御部10は、入力受付部12で、蓄積ジョブの選択指定及び印刷設定変更の操作画面への遷移指示を受け付ける。その結果、画面制御部10は、画面生成部11に対し、画面生成を指示する。これにより、操作パネル120には、設定変更可能な印刷設定画面が表示される。このとき、操作画面上で[カラー印刷]ボタンが押下された場合、画面制御部10は、入力受付部12で、カラー印刷の実行指示を受け付ける。その結果、画面制御部10は、選択指定された蓄積ジョブのジョブ識別情報を、後述する印刷設定変更部20に渡し、カラー印刷の実行を指示する。つまり、本実施形態では、ジョブ選択後の2アクション(2回のボタン押下)で、カラー印刷が実行される。
【0044】
このように、画像処理装置100では、カラー印刷を行えるようにするために、ジョブ一覧画面上に、[カラー印刷]ボタンを配置するのではない。画像処理装置100では、印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように操作画面の表示が制御される。その結果、利用者は、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多いため、必要なとき以外はモノクロ印刷を行おうとする。
【0045】
印刷設定変更部20は、印刷設定を変更する機能部である。また、印刷制御部30は、印刷の実行を制御する機能部である。
【0046】
印刷設定変更部20は、画面制御部10で受け付けた各種印刷の実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷設定を変更する。印刷設定変更部20は、ジョブ情報保持部90にアクセスし、画面制御部10からのジョブ識別情報に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データを取得する。上述したように、印刷データには、印刷条件情報が含まれている。印刷設定変更部20は、この印刷条件情報の値を実行指示に応じた値に変更し、変更した印刷データを印刷制御部30に渡し、印刷の実行を指示する。
【0047】
印刷設定変更部20は、例えば、画面制御部10が、印刷条件情報に"カラー"が設定された印刷データに対して、モノクロ印刷の実行指示を受け付けた場合、印刷条件情報の設定値を実行指示に応じた値("カラー"設定から"モノクロ"設定)に変更する。また、印刷設定変更部20は、例えば、画面制御部10が、印刷条件情報に"1部"が設定された印刷データに対して、10部の部数変更印刷の実行指示を受け付けた場合、印刷条件情報の設定値を実行指示に応じた値("1部"設定を"10部"設定)に変更する。印刷設定変更部20は、このようにして印刷条件情報を変更した印刷データを印刷制御部30に渡す。
【0048】
その結果、印刷制御部30は、印刷設定変更部20からの印刷データを解析処理し、印刷条件情報に基づきラスタイメージ(ビットマップイメージ)を生成するとともに、印刷条件情報の値をプロッタ130に設定する。つまり、印刷制御部30は、例えば、PDLパーサなどで実現される機能である。これにより、プロッタ130では、生成されたラスタイメージが設定された印刷条件に従って印刷される。
【0049】
このように、画像処理装置100では、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定がモノクロ又はカラーに変更され、変更された印刷設定に従って、モノクロ印刷又はカラー印刷が実行される。
【0050】
以上のように、本実施形態に係る印刷制御機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、画像処理装置100に搭載(インストール)されるプログラム(印刷制御機能を実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置112上に読み出され(例えば「HDDやROMからRAM上に読み出され」)、以下の処理が実行されることで実現される。
【0051】
本実施形態に係る印刷制御機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0052】
《印刷制御処理》
図5は、本実施形態に係る印刷制御の処理手順例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、画像処理装置100において、利用者からジョブ一覧画面の表示要求を受け付けると実行される。
【0053】
図5に示すように、画面制御部10は、ジョブ情報保持部90にアクセスし、蓄積ジョブのジョブ情報90Dを取得する(ステップS101)。
【0054】
画面制御部10(画面生成部)は、取得したジョブ情報90Dに基づき、ジョブ選択可能なジョブ一覧画面を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS102)。
【0055】
なお、画面制御部10は、利用者ログイン時に利用者識別情報を受け取る場合、利用者識別情報に基づき、蓄積ジョブのジョブ情報90Dを取得し、画面生成部11に対し、利用者ごとのジョブ一覧画面の生成を指示するようにしてもよい。
【0056】
画面制御部10(入力受付部)は、ジョブ一覧画面から、印刷を実行する蓄積ジョブの選択指定、印刷の実行指示又は印刷設定画面への遷移指示を受け付ける(ステップS103)。このとき、入力受付部12は、[ジョブ選択指定]ボタン押下による操作イベントに基づき、蓄積ジョブの選択指定を受け付け、[印刷]ボタン又は[印刷設定]ボタンのどちらか一方の押下による操作イベントに基づき、印刷の実行指示又は印刷設定画面への遷移指示を受け付ける。
【0057】
画面制御部10は、印刷の実行指示又は印刷設定画面への遷移指示のどちらを受け付けたかを判定する(ステップS105)。
【0058】
画面制御部10は、印刷の実行指示を受け付けたと判定した場合(ステップS105:[印刷実行])、印刷設定変更部20に対し、選択指定された蓄積ジョブのモノクロ印刷の実行を指示する。このとき、画面制御部10は、選択指定された蓄積ジョブのジョブ識別情報を印刷設定変更部20に渡す。
【0059】
これを受けて、印刷設定変更部20は、ジョブ情報保持部90にアクセスし、ジョブ識別情報に基づき、選択指定された蓄積ジョブを取得する(ステップS106)。このとき、印刷設定変更部20は、選択指定された蓄積ジョブの印刷データを取得する。
【0060】
印刷設定変更部20は、取得した印刷データの印刷条件をモノクロ設定に変更する(ステップS107)。印刷設定変更部20は、変更した印刷データを印刷制御部30に渡し、モノクロ印刷の実行を指示する。
【0061】
これを受けて、印刷制御部30は、印刷データを解析処理し、印刷条件(モノクロ設定)に基づきラスタイメージを生成し、印刷条件をプロッタ130に設定し、印刷(モノクロ強制印刷)を実行する(ステップS108)。
【0062】
一方、画面制御部10は、印刷設定画面への遷移指示を受け付けたと判定した場合(ステップS105:[画面遷移])、印刷設定画面を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS109)。
【0063】
画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面から、カラー印刷の実行指示を受け付ける(ステップS110)。このとき、入力受付部12は、[カラー印刷]ボタンの押下による操作イベントに基づき、カラー印刷の実行指示を受け付ける。また、画面制御部10は、選択指定された蓄積ジョブのジョブ識別情報を印刷設定変更部20に渡し、カラー印刷の実行を指示する。
【0064】
これを受けて、印刷設定変更部20は、ジョブ情報保持部90にアクセスし、ジョブ識別情報に基づき、選択指定された蓄積ジョブを取得する(ステップS111)。このとき、印刷設定変更部20は、選択指定された蓄積ジョブの印刷データを取得する。
【0065】
印刷設定変更部20は、取得した印刷データの印刷条件をカラー設定に変更する(ステップS112)。印刷設定変更部20は、変更した印刷データを印刷制御部30に渡し、カラー印刷の実行を指示する。
【0066】
これを受けて、印刷制御部30は、印刷データを解析処理し、印刷条件(カラー設定)に基づきラスタイメージを生成し、印刷条件をプロッタ130に設定し、印刷を実行する(ステップS108)。
【0067】
なお、画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面で[カラー印刷]ボタン以外のボタン([部数変更印刷]ボタンや[保存印刷]ボタンなど)が押下された場合、印刷設定変更部20に対し、受け付けた印刷設定の変更及びモノクロ印刷(モノクロ強制印刷)の実行を指示する。これにより、画像処理装置100では、変更された部数や保存先に従ったモノクロ強制印刷が行われる。
【0068】
《印刷制御時の動作例》
図6は、本実施形態に係る印刷制御時の動作例を示す図である。図6には、画像処理装置100において、図5の処理が実行された場合の画面表示及び印刷の動作例が示されている。
【0069】
まず、画像処理装置100では、操作パネル120にジョブ一覧画面W1が表示される。このとき、画像処理装置100では、ジョブ一覧画面W1上で[印刷]ボタンが押下された場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がモノクロ設定に変更され、変更された印刷設定に従って、モノクロ印刷(モノクロ強制印刷)が実行される。
【0070】
一方、画像処理装置100では、ジョブ一覧画面W1上で[印刷設定]ボタンが押下された場合、受け付けた画面遷移指示に基づき、操作パネル120に印刷設定画面W2が表示される。その後、画像処理装置100では、印刷設定画面W2上で[カラー印刷]ボタンが押下された場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がカラー設定に変更され、変更された印刷設定に従って、カラー印刷が実行される。
【0071】
このように、画像処理装置100では、印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように操作画面の表示が制御され、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定がモノクロ又はカラーに変更され、変更された印刷設定に従って、モノクロ印刷又はカラー印刷が実行される。
【0072】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、画面制御部10が、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように、当該装置100が備える操作パネル120への操作画面の表示を制御する。画像処理装置100は、印刷設定変更部20が、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する。画像処理装置100は、印刷制御部30が、変更した印刷設定に従って、モノクロ印刷又はカラー印刷を実行する。
【0073】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者への利用促進機能(モノクロ印刷)が他の機能(カラー印刷)に比べて操作しやすく、簡単に利用できる。その結果、利用者に対して、通常印刷を行う際は、操作手順が少なく簡単に利用できるモノクロ印刷を利用し、必要なときのみカラー印刷を利用するよう促す効果が期待できる。つまり、本実施形態では、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作を複雑にすることで、通常、利用者がモノクロ印刷を利用するように心理的な影響を与える。このようなことから、本実施形態に係る画像処理装置100では、印刷時のランニングコストを抑制でき、かつ、カラー印刷が行える(利用者の利便性を損なわない)。
【0074】
[第2の実施形態]
本実施形態では、印刷時の操作画面の表示を制御し、利用制限に従って利用許可された利用者(利用制限非適用者)により変更された印刷設定に従って印刷制御を行う技術を提案する。なお、以降には、第1の実施形態と異なる事項についてのみ説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0075】
<印刷制御機能>
図7は、本実施形態に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
図7に示すように、本実施形態と第1の実施形態との違いは、変更可否判定部40及び利用制限情報保持部80などを有する点である。これらの機能部も、画像処理装置100で動作する。
【0076】
利用制限情報保持部80は、印刷機能の利用を制限するための情報(以下「利用制限情報」という)を保持する機能部である。利用制限情報保持部80は、画像処理装置100が備える記憶装置112の所定の記憶領域にあたる。
【0077】
ここで、利用制限情報について説明する。
図8は、本実施形態に係る利用制限情報80Dのデータ例を示す図である。
図8に示すように、利用制限情報80Dは、[利用者識別]、[利用上限]、及び[利用状況]などの情報項目が、利用者単位で対応づけられ、利用制限情報保持部80に保持される。
【0078】
[利用者識別]項目は、利用者識別情報が設定される項目であり、項目値(設定値)には、利用者ごとに発行されるID値や利用者名の文字列などがある。[利用上限]項目は、利用上限(利用制限の閾値)を示す情報(以下「利用上限情報」という)が設定される項目であり、項目値には、利用上限回数などがある。[利用状況]項目は、印刷機能の利用状況(利用制限の制御値)を示す情報(以下「利用状況情報」という)が記録される項目であり、項目値には、現在の利用回数などである。
【0079】
なお、本実施形態では、利用回数による利用制限情報80Dの例を示したが、この限りでない。例えば、利用枚数などによる利用制限情報80Dであってもよい。
【0080】
上記情報項目のうち、[利用者識別]及び[利用上限]の項目値は、例えば、管理者が、所定のツールを用いて予め設定しておくことができる。また、[利用状況]項目の項目値には、例えば、印刷機能のカウンタ値に基づく算出値が、利用者識別情報に基づき記録され、機能利用時に更新される。
【0081】
なお、本実施形態では、[利用上限]及び[利用状況]の各項目の利用回数をカラー印刷時の利用回数とする。
【0082】
図7の説明に戻る。変更可否判定部40は、蓄積ジョブの印刷を所望する利用者が印刷設定を変更できるか否かを判定する機能部である。変更可否判定部40は、利用者が選択指定した蓄積ジョブの印刷データの印刷条件をカラー設定に変更できるか否かを判定する。本実施形態では、上記変更可否判定を、利用者の利用制限情報80Dに基づき行う。具体的には、次の通りである。
【0083】
変更可否判定部40は、利用制限情報保持部80にアクセスし、利用者識別情報に基づき、変更可否判定を行う利用者の利用制限情報80Dを取得する。変更可否判定部40は、取得した利用制限情報80Dの利用状況情報の値(利用回数)と利用上限情報の値(利用上限回数)とを比較し、比較結果に基づき、利用制限の要否を判定する。例えば、利用状況情報の利用回数が利用上限情報の利用上限値以上である比較結果を得た場合、蓄積ジョブの印刷を所望する利用者に対し、利用制限を行う必要があると判定される。変更可否判定部40は、上記制限要否判定の結果に基づき、上記変更可否判定を行う。変更可否判定部40は、利用制限を行う必要があると判定した場合、利用者が印刷条件をカラー設定に変更できないと判定し、利用制限を行う必要がないと判定した場合、利用者が印刷条件をカラー設定に変更できると判定する。
【0084】
なお、本実施形態では、利用上限値の条件に基づき上記変更可否判定を行う例を示したが、この限りでない。例えば、利用者ごとに設定された権限情報や印刷部数などの条件に基づき判定してもよい。印刷部数の条件に基づき判定を行う場合には、次のように行う。大量部数印刷の場合には、業務用の印刷である(カラー印刷を必要としている)可能性が高いため、利用者が印刷条件をカラー設定に変更可能と判定する。一方、一部印刷の場合には、個人用の印刷である可能性が高いため、利用者が印刷条件をカラー設定に変更不可能と判定する。
【0085】
本実施形態では、印刷制御における上記変更可否判定の動作タイミングを2通り提案する。1つ目の動作タイミングは、ジョブ一覧画面W1上で[印刷設定]ボタンが押下された際に、画面制御部10からの動作指示に従って、変更可否判定部40が上記変更可否判定を行うものである。なお、判定結果は、変更可否判定部40から画面制御部10へと返される。これにより、画面制御部10は、判定結果に基づき、遷移後の印刷設定画面W2上の[カラー印刷]ボタンを機能させるか否かを制御する。本実施形態では、上記ボタン機能の制御を、画面生成部11が、操作画面上のGUIボタンの表示態様を制御することで実現する。ここでいう「表示態様」とは、例えば、GUIボタンの表示又は半輝度表示(又は非表示)などである。
【0086】
また、2つ目の動作タイミングは、印刷設定画面W2上で[カラー印刷]ボタンが押下された際に、画面制御部10からの動作指示に従って、変更可否判定部40が上記変更可否判定を行うものである。これにより、画面制御部10は、判定結果に基づき、設定変更後にカラー印刷を実行するか、利用者に対して印刷実行の最終確認を促す操作画面(以下「実行確認画面」という)を表示するか、を制御する。
【0087】
画面制御部10は、利用者がカラー設定変更可能と判定された場合、印刷設定変更部20に対し、印刷設定変更によるカラー印刷の実行を指示する。一方、画面制御部10は、利用者がカラー設定変更不可能と判定された場合、画面生成部11に対し、実行確認画面の生成を指示する。実行確認画面は、例えば、カラー印刷が行えない旨が表示され、モノクロ印刷による継続実行を指示する[継続]ボタンなどを有している。画面制御部10は、画面生成部11により生成された上記実行確認画面を操作パネル120に表示する。画面制御部10は、入力受付部12により、継続実行指示を受け付けると、印刷設定変更部20に対し、印刷設定変更によるモノクロ印刷の実行を指示する。
【0088】
このように、画像処理装置100では、印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように操作画面の表示が制御され、操作画面を介して、利用制限を行う必要がないと判定された利用者(利用制限非適用者)から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定がカラーに変更され、変更された印刷設定に従ってカラー印刷が実行される。
【0089】
以下に、本実施形態に係る印刷制御機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下には、第1の実施形態において説明した処理と同様の処理については、その対応関係を明らかにし、異なる処理についてのみ説明する。
【0090】
《印刷制御処理:その1》
図9は、本実施形態に係る印刷制御の処理手順例(その1)を示すフローチャートである。図9に示す処理は、画像処理装置100において、印刷制御における変更可否判定処理が、上述した1つ目の動作タイミングで実行される場合である。また、図9に示す処理のうち、ステップS201−S208の処理は、図5に示したステップS101−S108の処理と同様である。よって、ステップS209−S214の処理について説明する。
【0091】
図9に示すように、画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面W2への遷移指示を受け付けたと判定した場合(ステップS205:[画面遷移])、変更可否判定部40に対し、利用者の印刷設定の変更可否判定を指示する。このとき、画面制御部10は、利用者ログイン時の利用者識別情報を変更可否判定部40に渡す。
【0092】
これを受けて、変更可否判定部40は、利用者が選択指定した蓄積ジョブの印刷データの印刷条件をカラー設定に変更できるか否かを判定する(ステップS209)。このとき、変更可否判定部40は、利用制限情報保持部80にアクセスし、利用者識別情報に基づき取得した利用制限情報80Dの利用状況情報の利用回数が利用上限情報の利用上限回数以上であるか否かを判定する。その結果、変更可否判定部40は、利用回数が利用上限値以上であった場合、利用者に対し、利用制限を行う必要があると判定し、利用者が印刷条件をカラー設定に変更できないと判定する。一方、変更可否判定部40は、利用回数が利用上限値未満であった場合、利用者に対し、利用制限を行う必要がないと判定し、利用者が印刷条件をカラー設定に変更できると判定する。変更可否判定部40は、変更可否の判定結果を画面制御部10に渡す。
【0093】
変更可否判定部40が、利用者がカラー設定変更できると判定した場合(ステップS209:YES)、画面制御部10(画面生成部)は、[カラー印刷]ボタンが機能する(表示される)印刷設定画面W2を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS210)。
【0094】
画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面W2から、カラー印刷の実行指示を受け付ける(ステップS211)。このとき、入力受付部12は、[カラー印刷]ボタンの押下による操作イベントに基づき、カラー印刷の実行指示を受け付ける。また、画面制御部10は、選択指定された蓄積ジョブのジョブ識別情報を印刷設定変更部20に渡し、カラー印刷の実行を指示する。
【0095】
これを受けて、印刷設定変更部20は、ジョブ情報保持部90にアクセスし、ジョブ識別情報に基づき、選択指定された蓄積ジョブを取得する(ステップS212)。このとき、印刷設定変更部20は、選択指定された蓄積ジョブの印刷データを取得する。
【0096】
印刷設定変更部20は、取得した印刷データの印刷条件をカラー設定に変更する(ステップS213)。印刷設定変更部20は、変更した印刷データを印刷制御部30に渡し、カラー印刷の実行を指示する。
【0097】
これを受けて、印刷制御部30は、印刷データを解析処理し、印刷条件(カラー設定)に基づきラスタイメージを生成し、印刷条件をプロッタ130に設定し、印刷を実行する(ステップS208)。
【0098】
一方、変更可否判定部40が、利用者がカラー設定変更できないと判定した場合(ステップS209:NO)、画面制御部10(画面生成部)は、[カラー印刷]ボタンが機能しない(表示されない又は半輝度とされる)印刷設定画面W2を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS214)。
【0099】
画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面W2から1つ前の操作画面に戻る遷移指示を受け付けると、ステップS202の処理に移行し、ジョブ一覧画面W1を表示する。
【0100】
《印刷制御時の動作例:その1》
図10は、本実施形態に係る印刷制御時の動作例(その1)を示す図である。図10には、画像処理装置100において、図9の処理が実行された場合の画面表示及び印刷の動作例が示されている。
【0101】
まず、画像処理装置100では、操作パネル120にジョブ一覧画面W1が表示される。このとき、画像処理装置100では、ジョブ一覧画面W1上で[印刷]ボタンが押下された場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がモノクロ設定に変更され、変更された印刷設定に従って、モノクロ印刷が実行される。
【0102】
一方、画像処理装置100では、ジョブ一覧画面W1上で[印刷設定]ボタンが押下された場合、利用者がカラー設定に変更可能か否かが判定される。
【0103】
画像処理装置100では、利用者がカラー設定に変更可能な場合、受け付けた画面遷移指示に基づき、操作パネル120に印刷設定画面W21([カラー印刷]ボタンが機能する操作画面)が表示される。その後、画像処理装置100では、印刷設定画面W21上で[カラー印刷]ボタンが押下された場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がカラー設定に変更され、変更された印刷設定に従って、カラー印刷が実行される。
【0104】
一方、画像処理装置100では、利用者がカラー設定に変更不可能な場合、受け付けた画面遷移指示に基づき、操作パネル120に印刷設定画面W22([カラー印刷]ボタンが半輝度表示で機能しない操作画面)が表示される。その後、画像処理装置100では、印刷設定画面W22上で[戻る]ボタンが押下された場合、受け付けた画面遷移指示に基づき、操作パネル120にジョブ一覧画面W1が表示される。
【0105】
なお、図10には、[カラー印刷]ボタンを半輝度表示した印刷設定画面W22の例を示したが、この限りでない。画面上で[カラー印刷]ボタンが機能しないようにすればよく、例えば、非表示としてもよい。
【0106】
《印刷制御処理:変形例》
ここで、図10に示した処理の変形例を示す。本変形例は、画像処理装置100において、利用者により選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がカラー設定の場合、変更可否判定部40が、利用者の印刷設定の変更可否判定を行うものである。
【0107】
図11は、本変形例に係る印刷制御の処理手順例を示すフローチャートである。図11に示す処理と図10に示す処理との違いは、ステップS209,S209の処理である。
【0108】
図11に示すように、画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面W2への遷移指示を受け付けたと判定した場合(ステップS205:[画面遷移])、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がカラー設定か否かを判定する(ステップS209)。このとき、画面制御部10は、選択指定された蓄積ジョブのジョブ識別情報に基づき、先に(ステップS201で)取得したジョブ情報90Dの中から該当情報を特定する。画面制御部10は、特定したジョブ情報90Dのカラー/モノクロ設定情報に基づき、印刷条件がカラー設定か否かを判定する。
【0109】
画面制御部10は、印刷条件がカラー設定であると判定した場合(ステップS209:YES)、変更可否判定部40に対し、利用者の印刷設定の変更可否判定を指示する。このとき、画面制御部10は、利用者ログイン時の利用者識別情報を変更可否判定部40に渡す。
【0110】
これを受けて、変更可否判定部40は、利用者が選択指定した蓄積ジョブの印刷データの印刷条件をカラー設定に変更できるか否かを判定する(ステップS209)。
【0111】
一方、画面制御部10は、印刷条件がモノクロ設定であると判定した場合(ステップS209:NO)、画面生成部11で、[カラー印刷]ボタンが機能しない(表示されない又は半輝度とされる)印刷設定画面W2を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS214)。
【0112】
このように、本変形例では、利用者により選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がモノクロ設定の場合、ジョブ一覧画面W1上で[印刷設定]ボタンが押下されても、画面遷移後の印刷設定画面W2上で[カラー印刷]ボタンを機能させない。なぜなら、印刷条件がモノクロ設定の蓄積ジョブは、本来、設定通りにモノクロ印刷を行うことが望ましく、ランニングコストを抑制するという観点から、利用者に対してカラー印刷の変更を許可する印刷制御は好ましくない。
【0113】
《印刷制御処理:その2》
図12は、本実施形態に係る印刷制御の処理手順例(その2)を示すフローチャートである。図12に示す処理は、画像処理装置100において、印刷制御における変更可否判定処理が、上述した2つ目の動作タイミングで実行される場合である。また、図12に示す処理のうち、ステップS301−S308の処理は、図5に示したステップS101−S108の処理と同様である。よって、ステップS309−S316の処理について説明する。
【0114】
図12に示すように、画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面W2への遷移指示を受け付けたと判定した場合(ステップS305:[画面遷移])、画面生成部11で、印刷設定画面W2を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS309)。
【0115】
画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面W2から、カラー印刷の実行指示を受け付ける(ステップS310)。このとき、入力受付部12は、[カラー印刷]ボタンの押下による操作イベントに基づき、カラー印刷の実行指示を受け付ける。また、画面制御部10は、選択指定された蓄積ジョブのジョブ識別情報を印刷設定変更部20に渡し、変更可否判定部40に対し、利用者の印刷設定の変更可否判定を指示する。このとき、画面制御部10は、利用者ログイン時の利用者識別情報を変更可否判定部40に渡す。
【0116】
これを受けて、変更可否判定部40は、利用者が選択指定した蓄積ジョブの印刷データの印刷条件をカラー設定に変更できるか否かを判定する(ステップS311)。このとき、変更可否判定部40は、カラー設定の変更可否の判定結果を画面制御部10に渡す。
【0117】
変更可否判定部40が、利用者がカラー設定変更できると判定した場合(ステップS311:YES)、画面制御部10は、印刷設定変更部20に対し、カラー印刷の実行を指示する。
【0118】
これを受けて、印刷設定変更部20は、ジョブ情報保持部90にアクセスし、ジョブ識別情報に基づき、選択指定された蓄積ジョブを取得する(ステップS312)。このとき、印刷設定変更部20は、選択指定された蓄積ジョブの印刷データを取得する。
【0119】
印刷設定変更部20は、取得した印刷データの印刷条件をカラー設定に変更する(ステップS313)。印刷設定変更部20は、変更した印刷データを印刷制御部30に渡し、カラー印刷の実行を指示する。
【0120】
これを受けて、印刷制御部30は、印刷データを解析処理し、印刷条件(カラー設定)に基づきラスタイメージを生成し、印刷条件をプロッタ130に設定し、印刷を実行する(ステップS308)。
【0121】
一方、変更可否判定部40が、利用者がカラー設定変更できないと判定した場合(ステップS311:NO)、画面制御部10(画面生成部)は、実行確認画面を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS314)。
【0122】
画面制御部10(入力受付部)は、実行確認画面から、印刷の継続実行指示又は印刷設定画面W2への遷移指示を受け付ける(ステップS315)。このとき、入力受付部12は、[継続]ボタン又は[戻る]ボタンのどちらか一方の押下による操作イベントに基づき、印刷の継続実行指示又は印刷設定画面W2への遷移指示を受け付ける。
【0123】
画面制御部10は、印刷の継続実行指示又は印刷設定画面W2への遷移指示のどちらを受け付けたかを判定する(ステップS316)。
【0124】
画面制御部10は、印刷の継続実行指示を受け付けたと判定した場合(ステップS316:[継続印刷実行])、ステップS306の処理に移行し、印刷設定変更部20に対し、モノクロ印刷による継続実行を指示する。
【0125】
一方、画面制御部10は、印刷設定画面W2への遷移指示を受け付けたと判定した場合(ステップS316:[画面遷移])、ステップS309の処理に移行し、印刷設定画面W2を表示する。
【0126】
《印刷制御時の動作例:その2》
図13は、本実施形態に係る印刷制御時の動作例(その2)を示す図である。図13には、画像処理装置100において、図12の処理が実行された場合の画面表示及び印刷の動作例が示されている。
【0127】
まず、画像処理装置100では、操作パネル120にジョブ一覧画面W1が表示される。このとき、画像処理装置100では、ジョブ一覧画面W1上で[印刷]ボタンが押下された場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がモノクロ設定に変更され、変更された印刷設定に従って、モノクロ印刷が実行される。
【0128】
一方、画像処理装置100では、ジョブ一覧画面W1上で[印刷設定]ボタンが押下された場合、受け付けた画面遷移指示に基づき、操作パネル120に印刷設定画面W2が表示される。その後、画像処理装置100では、印刷設定画面W21上で[カラー印刷]ボタンが押下された場合、利用者がカラー設定に変更可能か否かが判定される。
【0129】
画像処理装置100では、利用者がカラー設定に変更可能な場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がカラー設定に変更され、変更された印刷設定に従って、カラー印刷が実行される。
【0130】
一方、画像処理装置100では、利用者がカラー設定に変更不可能な場合、操作パネル120に実行確認画面W3が表示される。その後、画像処理装置100では、実行確認画面W3上で[継続]ボタンが押下された場合、受け付けた印刷継続実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がモノクロ設定に変更され、変更された印刷設定に従って、モノクロ印刷が実行される。また、画像処理装置100では、実行確認画面W3上で[戻る]ボタンが押下された場合、受け付けた画面遷移指示に基づき、操作パネル120に印刷設定画面W2が表示される。
【0131】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、画面制御部10が、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように、当該装置100が備える操作パネル120への操作画面の表示を制御する。画像処理装置100は、変更可否判定部40が、利用者ごとに設定された利用制限情報80Dに基づき、画面操作を行った利用者の利用制限の要否判定を行い、要否判定結果に基づき、利用者が印刷設定を変更可能か否かを判定する。画像処理装置100は、利用者が印刷設定を変更可能な場合、印刷設定変更部20が、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定をカラーに変更する。画像処理装置100は、印刷制御部30が、変更した印刷設定に従って、カラー印刷を実行する。
【0132】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者への利用促進機能(モノクロ印刷)が他の機能(カラー印刷)に比べて操作しやすく、簡単に利用できる。また、本実施形態の場合、利用者は、自身の機能利用状況が利用制限内でなければ、カラー印刷を行うことができない。さらに、自身の機能利用状況が利用制限内であっても、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多いため、利用者に対して、通常印刷を行う際は、操作手順が少なく簡単に実行できるモノクロ印刷を利用し、必要なときのみカラー印刷を利用するよう促す効果が期待できる。このようなことから、本実施形態に係る画像処理装置100では、印刷時のランニングコストを抑制でき、かつ、予め設定しておいた利用制限の範囲内であれば、カラー印刷が行える(利用者の利便性を損なわない)。
【0133】
なお、上記実施形態では、利用者ごとの利用制限情報80Dを用いて、利用者の変更可否判定を行う構成について説明を行ったが、この限りでない。例えば、利用上限情報及び利用状況情報を機器単位や利用者が属するグループ単位で管理する利用制限情報80Dを用いて、変更可否判定を行うようにしてもよい。
【0134】
[第3の実施形態]
本実施形態では、所定の条件に基づき、印刷時の操作手順を決定し、決定した操作手順となるように操作画面の表示を制御し、操作画面を介して変更された印刷設定に従って印刷制御を行う技術を提案する。なお、以降には、第1の実施形態と異なる事項についてのみ説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0135】
<印刷制御機能>
図14は、本実施形態に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
図14に示すように、本実施形態と第1の実施形態との違いは、操作手順決定部50及び定義情報保持部70などを有する点である。これらの機能部も、画像処理装置100で動作する。
【0136】
定義情報保持部70は、印刷時の操作手順が定義された情報(以下「定義情報」という)を保持する機能部である。定義情報保持部70は、画像処理装置100が備える記憶装置112の所定の記憶領域にあたる。
【0137】
ここで、定義情報について説明する。
図15は、本実施形態に係る定義情報70Dのデータ例を示す図である。
図15に示すように、定義情報70Dは、[決定条件]及び[操作手順]などの情報項目が、操作手順を決定する条件単位で対応づけられ、定義情報保持部70に保持される。
【0138】
[決定条件]項目は、操作手順を決定するための判断条件に関する情報(以下「判断条件情報」という)が設定される項目であり、項目値(設定値)には、蓄積ジョブの印刷データから取得可能なページ数などに基づく操作手順の決定を判断する不等式などがある。[操作手順]項目は、印刷時の操作手順を示す情報(以下「操作手順情報」という)が設定される項目であり、項目値には、GUIボタンの押下や数値又は文字列の入力などの印刷時の操作が順に定義された定義データなどがある。
【0139】
上記情報項目の項目値は、例えば、管理者が、所定のツールを用いて予め設定しておくことができる。
【0140】
図14の説明に戻る。操作手順決定部50は、所定の条件に基づき、印刷時の操作手順を決定する機能部である。操作手順決定部50は、操作手順の決定を判断する条件に基づき、利用者が選択指定した蓄積ジョブの印刷データをカラー印刷する際の画面操作の順序を決定する。本実施形態では、上記操作手順決定の判断を、定義情報70Dに基づき行う。具体的には、次の通りである。
【0141】
操作手順決定部50は、定義情報保持部70にアクセスし、設定された操作手順決定の判断を行う定義情報70Dを取得する。操作手順決定部50は、取得した定義情報70Dの判断条件情報の条件式(不等式)に蓄積ジョブの印刷データから取得した値(ページ数)を代入し、判断条件が満たされた条件式を特定する。なお、ページ数などの値は、書誌情報であることから、蓄積ジョブのジョブ情報90Dからも取得できる。操作手順決定部50は、特定した条件式に基づき、該当判断条件情報に対応づけられた操作手順情報を特定する。操作手順決定部50は、特定した操作手順情報に基づき、印刷時の操作手順を決定する。例えば、操作手順決定部50が、図15に示す定義情報70Dに基づき、操作手順決定の判断を行うとする。このとき、選択指定された蓄積ジョブが1ページの場合、[カラー印刷]ボタン押下の画面操作を、カラー印刷時の操作手順として決定する。一方、選択指定された蓄積ジョブが50ページの場合、[カラー印刷]ボタン押下後に、さらに利用者IDなどの利用者識別情報の入力する画面操作を、カラー印刷時の操作手順として決定する。これにより、画面制御部10は、決定された操作手順となるように、操作画面の表示を制御する。
【0142】
画面制御部10は、決定された操作手順に新たな操作画面での操作が含まれていない場合、印刷設定変更部20に対し、印刷設定変更によるカラー印刷の実行を指示する。一方、画面制御部10は、決定された操作手順に新たな操作画面での操作が含まれている場合、画面生成部11に対し、操作画面の生成を指示する。図15に示す定義情報70Dでは、新たな操作画面として、利用者ID(利用者情報)又は管理者パスワード(管理者情報)の入力画面の例が示されている。入力画面は、例えば、情報入力を受け付けるテキストボックス、入力情報(テキストボックスの入力値)の照合実行を指示する[OK]ボタン、及び情報入力の取消(キャンセル)を指示する[取消]ボタンなどを有している。画面制御部10は、画面生成部11により生成された上記入力画面を操作パネル120に表示する。画面制御部10は、入力受付部12により、照合実行指示を受け付けると、入力情報を当該画像処理装置100で保持する利用者情報又は管理者情報と照合し、一致した場合、印刷設定変更部20に対し、印刷設定変更によるカラー印刷の実行を指示する。
【0143】
このように、画像処理装置100では、所定の条件に基づき決定した操作手順に従い、印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように操作画面の表示が制御され、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定がカラーに変更され、変更された印刷設定に従ってカラー印刷が実行される。
【0144】
以下に、本実施形態に係る印刷制御機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下には、第1の実施形態において説明した処理と同様の処理については、その対応関係を明らかにし、異なる処理についてのみ説明する。
【0145】
《印刷制御処理》
図16は、本実施形態に係る印刷制御の処理手順例を示すフローチャートである。
図16に示す処理は、画像処理装置100において、印刷制御における上記操作手順決定の判断処理が実行される場合である。また、図16に示す処理のうち、ステップS401−S408の処理は、図5に示したステップS101−S108の処理と同様である。よって、ステップS409−S423の処理について説明する。
【0146】
図16に示すように、画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面W2への遷移指示を受け付けたと判定した場合(ステップS405:[画面遷移])、画面生成部11で、印刷設定画面W2を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS409)。
【0147】
画面制御部10(入力受付部)は、印刷設定画面W2から、カラー印刷の実行指示を受け付ける(ステップS410)。このとき、入力受付部12は、[カラー印刷]ボタンの押下による操作イベントに基づき、カラー印刷の実行指示を受け付ける。また、画面制御部10は、選択指定された蓄積ジョブのジョブ識別情報を操作手順決定部50に渡し、操作手順決定部50に対し、以降の操作手順決定の判断を指示する。
【0148】
これを受けて、操作手順決定部50は、選択指定された蓄積ジョブの印刷データから取得可能なページ数が、定義情報70Dに設定される判断条件どの条件を満たしているかを判定する(ステップS411)。このとき、操作手順決定部50は、定義情報保持部70にアクセスし、取得した定義情報70Dの判断条件情報の条件式(X:ページ数,不等式[X==1],[1<X≦100],[X>100])に蓄積ジョブの印刷データから取得したページ数を代入し、判断条件が満たされた条件式を特定する。操作手順決定部50は、特定した条件式に基づき、該当判断条件情報に対応づけられた操作手順情報(([カラー印刷]ボタン押下),([カラー印刷]ボタン押下,利用者ID入力),([カラー印刷]ボタン押下,管理者ID入力)のいずれか1つ)を特定し、特定した操作手順情報に基づき、印刷時の操作手順を決定する。
【0149】
操作手順決定部50は、蓄積ジョブが1ページの場合、判断条件[X==1]を満たしていると判定し(ステップS411:[X==1])、該当判断条件に対応する"[カラー印刷]ボタン押下"を操作手順として決定する(ステップS412)。これにより、画面制御部10は、印刷設定変更部20に対し、カラー印刷の実行を指示する。
【0150】
これを受けて、印刷設定変更部20は、ジョブ情報保持部90にアクセスし、ジョブ識別情報に基づき、選択指定された蓄積ジョブを取得する(ステップS413)。このとき、印刷設定変更部20は、選択指定された蓄積ジョブの印刷データを取得する。
【0151】
印刷設定変更部20は、取得した印刷データの印刷条件をカラー設定に変更する(ステップS414)。印刷設定変更部20は、変更した印刷データを印刷制御部30に渡し、カラー印刷の実行を指示する。
【0152】
これを受けて、印刷制御部30は、印刷データを解析処理し、印刷条件(カラー設定)に基づきラスタイメージを生成し、印刷条件をプロッタ130に設定し、印刷を実行する(ステップS408)。
【0153】
また、操作手順決定部50は、蓄積ジョブが1ページより多く、かつ、100ページ以下の場合、判断条件[1<X≦100]を満たしていると判定し(ステップS411:[1<X≦100])、該当判断条件に対応する"[カラー印刷]ボタン押下","利用者ID入力"を操作手順として決定する(ステップS415)。これにより、画面制御部10(画面生成部)は、利用者IDの入力を要求する利用者情報入力画面を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS416)。
【0154】
画面制御部10(入力受付部)は、利用者情報入力画面から、利用者情報の入力値(利用者ID)及び照合実行指示を受け付ける(ステップS417)。このとき、入力受付部12は、[OK]ボタンの押下による操作イベントに基づき、入力された利用者情報の照合実行指示を受け付ける。
【0155】
画面制御部10は、入力された利用者情報が正しいか否かを判定する(ステップS418)。このとき、画面制御部10は、入力された利用者情報を当該画像処理装置100で保持する利用者情報と照合し、一致するか否かを判定する。画面制御部10は、一致した場合、入力された利用者情報が正しいと判定する。
【0156】
画面制御部10は、入力された利用者情報が正しいと判定した場合(ステップS418:YES)、ステップS413の処理に移行し、印刷設定変更部20に対し、カラー印刷による実行を指示する。
【0157】
また、操作手順決定部50は、蓄積ジョブが100ページより多い場合、判断条件[X>100]を満たしていると判定し(ステップS411:[X>100])、該当判断条件に対応する"[カラー印刷]ボタン押下","管理者ID入力"を操作手順として決定する(ステップS419)。これにより、画面制御部10(画面生成部)は、管理者IDの入力を要求する管理者情報入力画面を生成し、操作パネル120に表示する(ステップS420)。
【0158】
画面制御部10(入力受付部)は、管理者情報入力画面から、管理者情報の入力値(管理者ID)及び照合実行指示を受け付ける(ステップS421)。このとき、入力受付部12は、[OK]ボタンの押下による操作イベントに基づき、入力された管理者情報の照合実行指示を受け付ける。
【0159】
画面制御部10は、入力された管理者情報が正しいか否かを判定する(ステップS422)。このとき、画面制御部10は、入力された管理者情報を当該画像処理装置100で保持する管理者情報と照合し、一致するか否かを判定する。画面制御部10は、一致した場合、入力された管理者情報が正しいと判定する。
【0160】
画面制御部10は、入力された管理者情報が正しいと判定した場合(ステップS422:YES)、ステップS413の処理に移行し、印刷設定変更部20に対し、カラー印刷による実行を指示する。
【0161】
《印刷制御時の動作例》
図17は、本実施形態に係る印刷制御時の動作例を示す図である。図17には、画像処理装置100において、図16の処理が実行された場合の画面表示及び印刷の動作例が示されている。
【0162】
まず、画像処理装置100では、操作パネル120にジョブ一覧画面W1が表示される。このとき、画像処理装置100では、ジョブ一覧画面W1上で[印刷]ボタンが押下された場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がモノクロ設定に変更され、変更された印刷設定に従って、モノクロ印刷が実行される。
【0163】
一方、画像処理装置100では、ジョブ一覧画面W1上で[印刷設定]ボタンが押下された場合、受け付けた画面遷移指示に基づき、操作パネル120に印刷設定画面W2が表示される。その後、画像処理装置100では、印刷設定画面W21上で[カラー印刷]ボタンが押下された場合、予め設定された判断条件に対応する操作手順の定義に従って、以降の操作手順が決定される。
【0164】
画像処理装置100では、蓄積ジョブが1ページの場合、条件が満たされた判断条件[ページ数:X==1]に対応する"[カラー印刷]ボタン押下"が操作手順として決定される。これにより、画像処理装置100では、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がカラー設定に変更され、変更された印刷設定に従って、カラー印刷が実行される。
【0165】
また、画像処理装置100では、蓄積ジョブが1ページより多く、かつ、100ページ以下の場合、条件が満たされた判断条件[1<ページ数:X≦100]に対応する"[カラー印刷]ボタン押下","利用者ID入力"が操作手順として決定される。これにより、画像処理装置100では、操作パネル120に利用者情報入力画面W41が表示される。その後、画像処理装置100では、利用者情報入力画面W41上で利用者IDが入力され、[OK]ボタンが押下された場合、入力された利用者IDが照合される。その結果、画像処理装置100では、利用者IDが正しいと判定された場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がカラー設定に変更され、変更された印刷設定に従って、カラー印刷が実行される。
【0166】
また、画像処理装置100では、蓄積ジョブが100ページより多い場合、条件が満たされた判断条件[ページ数:X>100]に対応する"[カラー印刷]ボタン押下","管理者ID入力"が操作手順として決定される。これにより、画像処理装置100では、操作パネル120に管理者情報入力画面W42が表示される。その後、画像処理装置100では、管理者情報入力画面W42上で管理者パスワードが入力され、[OK]ボタンが押下された場合、入力された管理者パスワードが照合される。その結果、画像処理装置100では、管理者パスワードが正しいと判定された場合、受け付けた印刷実行指示に基づき、選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷条件がカラー設定に変更され、変更された印刷設定に従って、カラー印刷が実行される。
【0167】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、画面制御部10が、定義情報70Dに設定される判断条件に基づき、操作手順決定の判断を行い、同情報70Dに定義される操作手順の中から、印刷時の操作手順を決定する。画像処理装置100は、画面制御部10が、決定した操作手順に従い、利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように、当該装置100が備える操作パネル120への操作画面の表示を制御する。画像処理装置100は、印刷設定変更部20が、操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、印刷設定をカラーに変更する。画像処理装置100は、印刷制御部30が、変更した印刷設定に従って、カラー印刷を実行する。
【0168】
これによって、本実施形態に係る画像処理装置100では、利用者への利用促進機能(モノクロ印刷)が他の機能(カラー印刷)に比べて操作しやすく、簡単に利用できる。また、本実施形態の場合、利用者は、印刷する蓄積ジョブに応じて、所定の条件に従い決定された操作手順によりカラー印刷を行える。しかし、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多いため、利用者に対して、通常印刷を行う際は、操作手順が少なく簡単に実行できるモノクロ印刷を利用し、必要なときのみカラー印刷を利用するよう促す効果が期待できる。このようなことから、本実施形態に係る画像処理装置100では、印刷時のランニングコストを抑制でき、かつ、印刷する蓄積ジョブが所定の条件を満たしていれば、カラー印刷が行える(利用者の利便性を損なわない)。
【0169】
なお、上記実施形態では、蓄積ジョブのページ数に基づく判断条件が設定された定義情報70Dを用いて、操作手順決定の判断を行う構成について説明を行ったが、この限りでない。
【0170】
例えば、利用者又は機器に基づく判断条件が設定された定義情報70Dを用いて、操作手順決定の判断を行うようにしてもよい。これにより、画像処理装置100では、例えば、特定利用者又は特定機器では、カラー印刷時の操作が複雑になるような操作手順を決定し、カラー印刷時の操作画面を制御できる。
【0171】
また、利用者又は機器単位の利用回数に基づく判断条件が設定された定義情報70Dを用いて、操作手順決定の判断を行うようにしてもよい。これにより、画像処理装置100では、例えば、利用回数が多い場合には、カラー印刷時の操作が複雑になるような操作手順を決定し、カラー印刷時の操作画面を制御できる。
【0172】
また、利用者又は機器単位の印刷部数に基づく判断条件が設定された定義情報70Dを用いて、操作手順決定の判断を行うようにしてもよい。これにより、画像処理装置100では、例えば、一部印刷の場合には、個人用の印刷である可能性が高いため、カラー印刷時の操作が複雑になるような操作手順を決定し、カラー印刷時の操作画面を制御できる。
【0173】
また、印刷機能の利用時間帯に基づき判断条件が設定された定義情報70Dを用いて、操作手順決定の判断を行うようにしてもよい。これにより、画像処理装置100では、例えば、使用頻度の高い時間帯では、カラー印刷時の操作が複雑になるような操作手順を決定し、カラー印刷時の操作画面を制御できる。
【0174】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「印刷制御機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、画像処理装置100が備える演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
【0175】
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体114aに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、外部記憶I/F114を介して、画像処理装置100にインストールすることができる。また、画像処理装置100は、ネットワークI/F113を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0176】
<変形例>
また、上記実施形態では、画像処理装置100が情報処理装置200から受信した印刷ジョブを蓄積する印刷制御システム1について説明を行ったが、この限りでない。例えば、図18に示すような、印刷処理システム1であってもよい。
【0177】
図18は、本変形例に係る印刷制御システム1の構成例を示す図である。
図18には、画像処理装置100及び情報処理装置200に加えて、印刷制御装置300が、ネットワークなどのデータ伝送路Nで接続されるシステム構成例が示されている。
【0178】
印刷制御装置300は、情報処理装置200から受信した印刷ジョブを所定の記憶領域に保持し、印刷実行要求に応じて、該当印刷データを画像処理装置100に送信する印刷制御機能を有するサーバ機器(プルプリントサーバ)であり、例えば、PCなどの情報処理装置である。
【0179】
本実施形態に係る印刷制御システム1では、利用者に対して、次のような印刷サービスが提供される。例えば、情報処理装置200から印刷制御装置300に対して、印刷ジョブが送信されると、印刷制御装置300は、受信した印刷ジョブを所定の記憶領域に格納し蓄積する。一方、画像処理装置100は、印刷制御装置300から取得したジョブ情報90Dに基づき、ジョブ一覧画面W1を表示し、利用者からジョブ選択指定及び印刷実行要求を受け付けると、印刷制御装置300から、選択指定された蓄積ジョブの該当印刷データを取得し、取得データの印刷を実行する。これにより、利用者は、所望する印刷結果を得る。
【0180】
図19は、本変形例に係る印刷制御の機能構成例を示す図である。
図19に示すように、本変形例に係る印刷制御機能では、印刷制御装置300がジョブ情報保持部90を有する。よって、画像処理装置100では、画面制御部10が用いるジョブ情報90Dや印刷設定変更部20が用いる印刷データなどを、印刷制御装置300から受信する。なおこの場合、画像処理装置100では、印刷制御装置300にアクセスするためのネットワーク設定情報(例えば「IPアドレス:Internet Protocol address」やデータへの「URI:Uniform Resource Identifier」など)を保持しているものとする。
【0181】
このように、本変形例では、ジョブ情報90Dや印刷データなどが外部装置に保持されているだけであり、本変形例に係る画像処理装置100でも、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0182】
上記実施形態では、ランニングコストを抑制するためのモノクロ印刷と利用者の利便性を考慮したカラー印刷とを制御する印刷制御機能について説明を行ったが、この限りでない。例えば、印刷制御において、片面印刷と両面印刷とを制御したり、集約あり印刷と集約なし印刷とを制御したりしてもよい。つまり、両面強制印刷又は集約強制印刷により、ランニングコストを抑制する印刷制御システム1において、両面強制印刷又は集約強制印刷時に比べて片面印刷又は集約なし印刷時の操作手順を多くし、印刷の実行を可能とするようにしてもよい。
【0183】
また、上記実施形態で説明を行った操作画面の表示制御については、印刷機能などの画像処理機能への適用に限るものではない。例えば、管理者が利用者に対して利用を促したい機能又は設定に係る操作手順に比べて、その他の機能又は設定に係る操作手順が多くなるように操作画面の表示を制御してもよい。つまり、利用者に利用を促したい機能又は設定を、他の機能又は設定より簡単に利用可能な環境を提供するシステムであれば適用できる。
【0184】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨を損なわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0185】
1 印刷制御システム
10 画面制御部
11 画面生成部
12 入力受付部
20 印刷設定変更部
30 印刷制御部
40 変更可否判定部
50 操作手順決定部
70 定義情報保持部(D:定義情報)
80 利用制限情報保持部(D:利用制限情報)
90 ジョブ情報保持部(D:ジョブ情報)
100 画像処理装置
110 コントローラ(制御基板)
111 CPU(処理装置)
112 記憶装置(揮発性・不揮発性の半導体メモリ、大容量記憶装置など)
113 ネットワークI/F(NIC:Network I/F Card)
114 外部記憶I/F(a:記録媒体)
120 操作パネル(表示装置)
130 プロッタ
140 スキャナ
200 情報処理装置
300 印刷制御装置(サーバ)
B バス
N データ伝送路(ネットワーク)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0186】
【特許文献1】特開2010−108470号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置を備える画像処理装置であって、
利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように前記表示装置への操作画面の表示を制御する画面制御手段と、
前記画面制御手段により制御され表示された操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、所定の記憶領域に保持される蓄積ジョブのうち、印刷実行指示を受け付けた際に選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する設定変更手段と、
前記設定変更手段により変更された印刷設定に従って、前記印刷データのモノクロ印刷又はカラー印刷を実行する印刷制御手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画面制御手段は、
前記蓄積ジョブのジョブ情報に基づき、前記蓄積ジョブのジョブ一覧画面を表示し、
前記ジョブ一覧画面から印刷実行指示を受け付けると、前記設定変更手段に対し、前記印刷設定をモノクロに変更した後の印刷実行を指示し、
一方、前記ジョブ一覧画面から印刷設定画面への遷移指示を受け付けると、前記印刷設定画面を表示し、前記印刷設定画面から印刷実行指示を受け付けると、前記設定変更手段に対し、前記印刷設定をカラーに変更した後の印刷実行を指示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
利用上限値により機能の利用制限を行うための利用制限情報に基づき、前記利用制限の適用による前記印刷設定の変更可否を判定する判定手段を有し、
前記画面制御手段は、
前記ジョブ一覧画面から印刷設定画面への遷移指示を受け付けると、前記判定手段による判定結果に基づき、前記印刷設定画面上における印刷実行指示を受け付ける表示部品の表示を異なる表示態様とすることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画面制御手段は、
前記判定手段が前記印刷設定が変更可能と判定した場合、前記印刷設定画面上における印刷実行指示を受け付ける表示部品を表示し、
一方、前記判定手段が前記利用制限の適用により前記印刷設定が変更不可能と判定した場合、前記印刷設定画面上における印刷実行指示を受け付ける表示部品を非表示又は半輝度表示とすることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記判定手段は、
印刷実行指示を受け付けた際に選択指定された蓄積ジョブがカラー設定の場合、前記印刷設定の変更可否を判定し、
前記画面制御手段は、
印刷実行指示を受け付けた際に選択指定された蓄積ジョブがモノクロ設定の場合、前記印刷設定画面上における印刷実行指示を受け付ける表示部品を非表示又は半輝度表示とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画面制御手段は、
前記ジョブ一覧画面から印刷設定画面への遷移指示を受け付けると、前記印刷設定画面を表示し、前記印刷設定画面から印刷実行指示を受け付けると、前記判定手段による判定結果に基づき、受け付けた印刷実行指示に従ったカラー印刷の実行又は印刷実行の確認を促す実行確認画面への画面遷移を制御することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画面制御手段は、
前記判定手段が前記印刷設定が変更可能と判定した場合、前記設定変更手段に対し、前記印刷設定をカラーに変更した後の印刷実行を指示し、
一方、前記判定手段が前記利用制限の適用により前記印刷設定が変更不可能と判定した場合、前記実行確認画面を表示し、前記実行確認画面から継続実行指示を受け付けると、前記設定変更手段に対し、前記印刷設定をモノクロに変更した後の印刷実行を指示することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記判定手段は、
前記利用制限情報に設定された機能の利用上限回数と現在の利用回数とを比較し、前記利用回数が前記利用上限回数未満の場合、前記印刷設定が変更可能と判定し、
一方、前記利用回数が前記利用上限回数以上の場合、前記利用制限の適用により前記印刷設定が変更不可能と判定することを特徴とする請求項3ないし7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記印刷操作の手順が定義された定義情報に基づき、印刷時の操作手順を決定する決定手段を有し、
前記画面制御手段は、
前記決定手段により決定された操作手順となるように、前記表示装置への操作画面の表示を制御することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記決定手段は、
前記蓄積ジョブの印刷データ又は前記ジョブ情報からの取得値を前記定義情報に設定された条件式に代入し、条件が満たされた条件式に対応する前記定義情報に定義された操作手順情報に基づき、印刷時の操作手順を決定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記画面制御手段は、
前記ジョブ一覧画面から印刷設定画面への遷移指示を受け付けると、前記印刷設定画面を表示し、前記印刷設定画面から印刷実行指示を受け付けると、前記決定手段により決定された操作手順となるように、利用者情報又は管理者情報の入力画面を表示し、前記入力画面からの入力情報を予め所定の記憶領域に保持される前記利用者情報又は前記管理者情報と照合し、照合結果が一致の場合、前記設定変更手段に対し、前記印刷設定をカラーに変更した後の印刷実行を指示することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
表示装置を備える画像処理装置における印刷制御方法であって、
利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように前記表示装置への操作画面の表示を制御する画面制御工程と、
前記画面制御工程により制御され表示された操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、所定の記憶領域に保持される蓄積ジョブのうち、印刷実行指示を受け付けた際に選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する設定変更工程と、
前記設定変更工程により変更された印刷設定に従って、前記印刷データのモノクロ印刷又はカラー印刷を実行する印刷制御工程と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項13】
表示装置を備える画像処理装置における印刷制御プログラムであって、
コンピュータを
利用者による印刷操作において、モノクロ印刷時に比べてカラー印刷時の操作手順が多くなるように前記表示装置への操作画面の表示を制御する画面制御手段と、
前記画面制御手段により制御され表示された操作画面から受け付けた印刷実行指示に基づき、所定の記憶領域に保持される蓄積ジョブのうち、印刷実行指示を受け付けた際に選択指定された蓄積ジョブの印刷データの印刷設定をモノクロ又はカラーに変更する設定変更手段と、
前記設定変更手段により変更された印刷設定に従って、前記印刷データのモノクロ印刷又はカラー印刷を実行する印刷制御手段として機能させる印刷制御プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−223891(P2012−223891A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90717(P2011−90717)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】