説明

画像処理装置、及び読み取り画像処理方法

【課題】画像読取装置によるカラー/モノクロの画像データのモノクロ画像の読み取り時に読み取り速度が低下せずに色ずれの影響を極力抑制でき、大記憶容量を必要とせずに迅速な転送を可能にして画像処理の管理が容易な画像処理装置を提供する。
【解決手段】この画像処理装置において、画像読取装置33により、原稿から読み取ったカラー/モノクロの画像データを各色別に分けた読み取り画像データが画像入出力制御部10の読取制御部11を介して順次同時に転送された画像処理部20の入力画像処理部21では、各色別の読み取り画像データをRGB版情報に基づいてカラー/モノクロ判定し、読み取り画像データがモノクロ画像であれば、無彩色データをHDD25に蓄積して保持すると共に、読み込んだRGB版情報を破棄し、モノクロ画像でなくカラー画像であれば、読み込んだRGB版情報をHDD25に蓄積して保持すると共に、無彩色データを破棄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置により原稿から読み取ったカラー画像のRGB版情報、並びにモノクロ画像のK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが入力された際、各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを判定するカラー/モノクロ判定機能を持つ画像処理装置、及び読み取り画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラーコピー機やカラーファクシミリ装置に代表されるような画像処理装置に備えられる画像読取装置(スキャナ)等では、原稿から読み取られる画像データについて、カラー画像のRGB版情報とモノクロ画像のK版情報とを合わせ持たせる機能が必要とされている。
【0003】
このような機能に係る周知技術としては、例えば被読み取り対象(原稿)から白黒画像情報を高解像度で高速に読み取ることができると共に、同時にカラー画像情報を低解像度でも階調性を確保して精度良く読み取ることができるようにした「画像読み取り装置」(特許文献1参照)や、原稿の状態に応じてカラー部と白黒部とを自動的に識別し、最適なデータに変換することによりデータ容量を低減させた「カラースキャナ」(特許文献2参照)が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の画像読み取り装置に係る技術では、1つ原稿からカラー画像情報をRラインセンサ、Gラインセンサ、Bラインセンサにより読み取り、同時に白黒画像情報を白黒ラインセンサにより読み取るものであり、読み取った画像データをHDD等の大容量記憶装置に蓄積した後、蓄積画像を印刷出力する動作の段階で出力画像データに色情報を含むか否かの判定を行い、カラー画像又はモノクロ画像の何れを出力したかの判断を行っている。
【0005】
こうした場合、読み取り画像データのRGB版情報はそれぞれ独立したセンサで検出するため、読みとり位置や読み取った画像濃度に誤差を含んでおり、読み取り時に誤差が或る一定の範囲内であれば、無彩色の画素と判断しているが、このような処理では画像エッジの色情報発生を防止できるものの、色ずれの範囲で画像端に僅かながら濃度データが発生することにより、モノクロ画像の文字データ等を読み込んだ際に画像のエッジ鮮鋭度が低下してしまうという問題がある。
【0006】
また、特許文献2のカラースキャナに係る技術では、画像読取装置側で無彩色判定を行い、無彩色画像と判定された場合はモノクロ画像のK版情報のみを転送する機能であり、読み取り原稿の最後まで無彩色であることが確認終了されないとモノクロ画像を転送することができないため、画像読取装置側に読み取り原稿分の画像データを格納するメモリが必要になるだけでなく、読み取り完了とモノクロ/カラー判定後に転送開始となるために転送時間がかかってしまうという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、画像読取装置によるカラー/モノクロの画像データに係るモノクロ画像の読み取り時に読み取り速度が低下せずに色ずれの影響を極力抑制でき、しかも大記憶容量を必要とせずに迅速な転送を可能にして画像処理の管理が容易な画像処理装置、及び読み取り画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決するため、本発明の第1の手段は、画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて入力されると共に、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定機能を有する画像処理手段を備えた画像処理装置において、画像処理手段は、K版情報より3原色が同一濃度となる無彩色データを生成してカラー/モノクロ判定に供し、当該カラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだページの読み取り画像データがモノクロ画像であれば、無彩色データを記憶手段に蓄積して保持すると共に、読み込んだRGB版情報を破棄し、当該モノクロ画像でなくカラー画像であれば、読み込んだ当該RGB版情報を当該記憶手段に蓄積して保持すると共に、当該無彩色データを破棄する入力画像処理手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の手段は、画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて入力されると共に、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定機能を有する画像処理手段を備えた画像処理装置において、画像処理手段は、カラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだページの読み取り画像データがモノクロ画像であれば、RGB版情報を破棄すると共に、K版情報を記憶手段に蓄積して保持し、当該モノクロ画像でなくカラー画像であれば、当該K版情報を破棄すると共に、当該RGB版情報を当該記憶手段に蓄積して保持する入力画像処理手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の手段は、画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて入力されると共に、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて画素毎に判定するカラー/モノクロ判定機能を有する画像処理手段を備えた画像処理装置において、画像処理手段は、画素毎のカラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだ画素毎の読み取り画像データがモノクロ画素であれば、K版情報の画素濃度より3原色が同一濃度となる無彩色データを生成してRGB版情報を置き換えるようにして全画素について判定済み後、当該RGB版情報を記憶手段に蓄積して保持する入力画像処理手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の手段は、画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて画像処理装置に入力された際、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定を含む読み取り画像処理方法において、K版情報より3原色が同一濃度となる無彩色データを生成してカラー/モノクロ判定に供し、当該カラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだページの読み取り画像データがモノクロ画像であれば、無彩色データを記憶手段に蓄積して保持すると共に、読み込んだRGB版情報を破棄し、当該モノクロ画像でなくカラー画像であれば、読み込んだ当該RGB版情報を当該記憶手段に蓄積して保持すると共に、当該無彩色データを破棄する入力画像処理を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明の第5の手段は、画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて画像処理装置に入力された際、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定を含む読み取り画像処理方法において、カラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだページの読み取り画像データがモノクロ画像であれば、RGB版情報を破棄すると共に、K版情報を記憶手段に蓄積して保持し、当該モノクロ画像でなくカラー画像であれば、当該K版情報を破棄すると共に、当該RGB版情報を当該記憶手段に蓄積して保持する入力画像処理を行うことを特徴とする。
【0013】
本発明の第6の手段は、画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて画像処理装置に入力された際、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて画素毎に判定するカラー/モノクロ判定を行う読み取り画像処理方法において、画素毎のカラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだ画素毎の読み取り画像データがモノクロ画素であれば、K版情報の画素濃度より3原色が同一濃度となる無彩色データを生成してRGB版情報を置き換えるようにして全画素について判定済み後、当該RGB版情報を記憶手段に蓄積して保持する入力画像処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像読取装置によるカラー/モノクロの画像データに係るモノクロ画像の読み取り時に読み取り速度が低下せずに色ずれの影響を極力抑制でき、しかも大記憶容量を必要とせずに迅速な転送を可能にして画像処理の管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1に係る画像処理装置に用いられる画像読取装置の要部構成を示した概略図である。
【図2】図1に示す画像読取装置に備えられる画像読取部におけるCCDの受光部の概略構成を示した図である。
【図3】本発明の実施例1に係る画像処理装置の基本構成を使用環境下での周辺装置を含めて示した機能ブロック図である。
【図4】図3に示す画像処理装置の動作処理を示したフローチャートである。
【図5】図3に示す画像処理装置に備えられる入力画像処理部の細部構成を示した回路ブロック図である。
【図6】本発明の実施例2に係る画像処理装置の動作処理を示したフローチャートである。
【図7】図6に示す画像処理装置に備えられる入力画像処理部の細部構成を示した回路ブロック図である。
【図8】本発明の実施例3に係る画像処理装置の動作処理を示したフローチャートである。
【図9】図8に示す画像処理装置に備えられる入力画像処理部の細部構成を示した回路ブロック図である。
【図10】本発明の実施例4に係る画像処理装置の基本機能を説明するために既存の画像読取装置の画像読取部におけるCCDの受光部の概略構成を示した図である。
【図11】図10で説明したCCDの受光部を有する画像読取装置で原稿の読み取りを行った場合の元画像に対する色版毎の読み取りによるページ単位で成立する色版別の面順次画像を示した模式図である。
【図12】図11で説明した色版別の面順次画像における1ライン単位で成立する色版別の線順次画像を示した模式図である。
【図13】図12で説明した色版別の線順次画像をカラー1画素の情報とした場合の画素順次画像を示した模式図である。
【図14】本発明の実施例4に係る画像処理装置で適用されるRGB版情報が有彩色であるか無彩色であるかを示すフラグの情報を付加した場合のフラグ付き画素順次画像を示した模式図である。
【図15】図14で説明したフラグ付き画素順次画像における1画素データの総ビット数とフラグの領域区分での用途とを説明した模式図である。
【図16】本発明の実施例4に係る画像処理装置の画像処理部に備えられる入力画像処理部の細部構成を示した回路ブロック図である。
【図17】本発明の実施例5に係る画像処理装置の動作処理を示したフローチャートである。
【図18】図15で説明したフラグの領域区分での用途を拡張させた場合の様子を説明した模式図である。
【図19】図18に示す拡張させたフラグを実施例5に係る画像処理装置に適用させたときの動作処理を示したフローチャートである。
【図20】本発明の実施例6に係る画像処理装置の基本機能を説明するために周知の読み取り画像データについて画像編集した場合の元画像に対する90度回転画像を示した模式図である。
【図21】図20で説明した回転処理後のデータを1画素データ毎に不連続なアドレスに書き込むときに必要な記憶手段のアクセス単位に変換するデータ配列を例示した模式図である。
【図22】図21で説明した記憶手段のアクセス単位に変換するデータ配列の周知技術を例示した模式図である。
【図23】本発明の実施例6に係る画像処理装置で適用されるモノクロ読み取り情報を加えて記憶手段のアクセス単位に変換するデータ配列を例示した模式図である。
【図24】図23で説明したモノクロ読み取り情報を付加した場合のRGB+Kの画素順次画像を示した模式図である。
【図25】本発明の実施例6に係る画像処理装置の画像処理部に備えられる入力画像処理部の細部構成を示した回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の画像処理装置、及び読み取り画像処理方法について、幾つかの実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例1に係る画像処理装置に用いられる画像読取装置の要部構成を示した概略図である。この画像読取装置は、原稿が載置されるコンタクトガラス201と、原稿をコンタクトガラス201上に押圧する圧板202と、露光照明ユニットであるハロゲンランプ203、第1ミラー204、第2ミラー206、及び第3ミラー207で一体構成されたスキャナ208と、フィルタ209、レンズ210、及びCCD212で一体構成された画像読取部213と、CCD212から出力された画像信号を入力して所定の信号処理を施すための各種回路等が実装されたスキャナ基板214とが筐体内に収容されて構成されている。
【0018】
その他の構成部分について、参照符号の215はシェーディング板(白基準板)であり、216、217は冷却ファンであり、218は結露防止ヒータであり、219は原稿サイズ検知器219である。
【0019】
図2は、上述した画像読取部213におけるCCD212の受光部の概略構成を示した図である。CCD212の受光部は、セラミックパッケージ311に配備されると共に、カラー画像の読み取りのためのR、G、Bの3原色に対応する受光素子列であるRラインセンサ、Gラインセンサ、Bラインセンサと白黒(モノクロ)画像の読み取ための受光素子列であるKラインセンサとを原稿の主走査方向に沿って配列して成るセンサラインユニット312(図2中では上から順にBラインセンサ、Gラインセンサ、Rラインセンサ、Kラインセンサが配列される)の表面をガラス板313で覆って構成されている。
【0020】
図3は、本発明の実施例1に係る画像処理装置の基本構成を使用環境下での周辺装置を含めて示した機能ブロック図である。この画像処理装置は、原稿から画像データを読み取る画像読取装置(スキャナ)33と、画像読取装置33で読み取られた読み取り画像データの画像処理に際しての入出力制御を行う画像入出力制御部(エンジン制御部)10と、読み取り画像データの画像処理を行う画像処理部(コントローラ部)20と、から構成される。なお、画像読取装置33は、図1及び図2で説明した機能構成を持つもの(センサラインユニット312の構成は特許文献1で開示されたものと同様)である。
【0021】
画像入出力制御部10は、読取制御部11及び出力制御部16に対してエンジンCPU12、NVRAM13、ROM14、RAM15、通信I/F(インターフェース)17が接続されて構成されており、出力制御部16には画像出力装置(プロッタ)34が接続されている。
【0022】
また、画像処理部20は、画像入出力制御部10の読取制御部11に接続されたACS(Auto Color Select:自動色選択)の機能を持つ入力画像処理部21、及び画像入出力制御部10の出力制御部16に接続された画素数カウンタ機能を持つ出力画像処理部30に対して、コントローラCPU22、操作部I/F23、HDDI/F24、ネットワークI/F26、NVRAM27、RAM28、ROM29、通信I/F31が接続されて構成されている。このうち、操作部I/F23には操作パネル32が接続され、HDDI/F24にはHDD25が接続され、ネットワークI/F26には他の端末装置やコンピュータ等が接続され、通信I/F31には画像入出力制御部10の通信I/F17が接続されている。
【0023】
この画像処理装置では、画像読取装置33により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが画像入出力制御部10の読取制御部11を介して画像処理部20に順次同時に転送され、画像処理部20では画像出力、蓄積、配信等に適した所定の画像処理を行う。画像処理部20における入力画像処理部21では、ACS機能により入力された各色別の読み取り画像データを対象として、RGB版情報に基づいて有彩色(カラー画像)であるか、無彩色(モノクロ画像)であるかを判定するカラー/モノクロ判定を行う。ACS機能で有彩色、無彩色を判定する手段は、例えば特開2002−165101号公報に開示された原稿色識別回路等の周知技術を適用できる。
【0024】
実施例1に係る画像処理装置では、画像読取装置33で読み取られたRGB版情報、並びにK版情報を含む色別な読み取り画像データのページについて、K版情報より3原色が同一濃度となる無彩色データを画像処理部20の入力画像処理部21が生成してカラー/モノクロ判定に供する。
【0025】
図4は、実施例1に係る画像処理装置の動作処理を示したフローチャートである。この動作処理では、画像読取装置33が原稿から1ページ分の画像データを読み取ることにより、画像(画像データ)をR/G/B/K版に分けて読み取り(ステップS1)が行われ、各色別の読み取り画像データが画像入出力制御部10の読取制御部11を介して画像処理部20の入力画像処理部21−1に転送される。入力画像処理部21−1では、入力された各色別の読み取り画像データについて、K版情報より無彩色(モノクロ画像)データとなるRGB'版情報を生成(ステップS2)した後、RGB版情報よりモノクロ/カラー判定(ステップS3)を行う設定とし、読み込み画像(画像データ)はモノクロページであるか否かの判定(ステップS4)を行う。この判定の結果、モノクロページであれば、生成したRGB'版情報をHDD25に蓄積(ステップS5)して保持させた後、読み込んだRGB版情報を破棄(ステップS6)してから動作処理を終了するが、モノクロページでなければ(カラーページであれば)、読み込んだRGB版情報をHDD25に蓄積(ステップS7)して保持させた後、生成したRGB'版情報を破棄(ステップS8)してから動作処理を終了する。
【0026】
要するに、実施例1に係る入力画像処理部21−1では、読み取り画像データのページが色情報を含まないモノクロ画像と判定すると、K版情報より生成されたR=G=Bの濃度となる無彩色のRGB'版情報を生成してHDD25に格納し、読み取り時のRGB版情報の破棄を実行する。また、モノクロ画像ではなく色情報を含むカラー画像と判定すると、読み取ったRGB版情報をHDD25に蓄積し、生成した無彩色のRGB'版情報については破棄する。ここでの動作処理を実行した後は、読み取り画像データがカラー画像であるか、或いはモノクロ画像であるかに拘わらずRGB画像フォーマットで管理する。
【0027】
図5は、実施例1に係る入力画像処理部21−1の細部構成を示した回路ブロック図である。入力画像処理部21−1は、画像読取装置33からのRGBK版情報の読み取り画像データについて、カラー画像分のRGB版情報に対して画像補正を行うカラー画像補正部と、モノクロ画像分のK版情報に対して画像補正を行うモノクロ画像補正部と、を備えて構成される。
【0028】
カラー画像補正部、モノクロ画像補正部では、画像補正としてスキャナγ1、スキャナγ2でRGB版情報、K版情報の何れについても読み取り濃度情報に応じた補正係数をかけて読み取り濃度のばらつきをリニアな特性とする補正を行い、後段のフィルタ1、フィルタ2の濾波処理によりノイズ情報を除去する処理を行う。
【0029】
その後、カラー画像補正部では、RGB版情報について色再現性を精度良く再生することを目的に色補正係数を考慮した色補正を行うと共に、出力γ1で装置毎の特性に合わせ画像全体の濃度レベルを調整する補正を実施してRGB信号を出力する。また、フィルタ1の後段に接続されたACSでは、RGB版情報よりカラー判定を行い、入力された読み取り画像データにカラー情報を含む場合にはカラー検出信号を出力して画像処理部20における後段のコントローラCPU22に通知する。
【0030】
モノクロ画像補正部では、カラー画像補正部のような色情報補正を行わない代わりに無彩色RGB生成でK版情報(K色)の濃度情報によりR=K、G=K、B=KのRGB'情報を生成する。RGB'版情報はR、G、Bの各色濃度に差異がないために色情報を含まず、画像の明るさのみを表わす情報となる。その後、出力γ2でカラー画像補正部で補正した画像と濃度差が生じないよう濃度レベルを調整する補正を実施してRGB'信号を出力する。
【0031】
ACSで読み取り画像データに色情報を含むカラー画像と判断された場合にはRGB版情報をHDD25等の大容量記憶装置手段に蓄積保持すると共に、無彩色のRGB'版情報を破棄し、色情報を含まないモノクロ画像と判断された場合には無彩色のRGB'版情報を同様にHDD25等に蓄積保持すると共に、読み取ったRGB版情報を破棄する。
【0032】
実施例1に係る画像処理装置では、RGBK版情報の読み取り画像データは読み取り処理が終わった画像ラインから直ちに画像入出力制御部10の読取制御部11を介して画像処理部20の入力画像処理部21−1に転送され、入力画像処理部21−1でモノクロ/カラー判定が行われるため、読み取り速度を向上させることができると共に、特許文献2で必要とされた画像読取装置33側での画像メモリを不要にすることができる。
【0033】
実施例1に係る画像処理装置によれば、読み取り画像データが無彩色と判定された場合、RGB版情報に色情報を含まないように補正処理を加えて蓄積保持することで、蓄積画像データの出力時に画像エッジ部分の色ずれによるにじみ等を生じる画像鮮鋭性の低下を十分に防止でき、モノクロ画像をカラー画像として誤判定することによる誤課金動作の防止機能についても具現できる。また、蓄積画像のフォーマットがRGBに統一されることで画像データの蓄積の際にモノクロ/カラーの区分が不要になり、画像データ(画像処理)の管理が容易になる。
【0034】
上述した実施例1に係る画像処理装置の技術は、画像読取装置33により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて画像処理装置に入力された際、入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかをRGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定を含む読み取り画像処理方法として換言することができる。こうした場合の読み取り画像処理方法の特徴は、K版情報より3原色が同一濃度となる無彩色データを生成してカラー/モノクロ判定に供し、カラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだページの読み取り画像データがモノクロ画像であれば、無彩色データを記憶手段(例えばHDD25)に蓄積して保持すると共に、読み込んだRGB版情報を破棄し、モノクロ画像でなくカラー画像であれば、読み込んだRGB版情報を記憶手段(例えばHDD25)に蓄積して保持すると共に、無彩色データを破棄する入力画像処理を行うものである。
【実施例2】
【0035】
実施例2に係る画像処理装置は、実施例1の装置が備える入力画像処理部21−1と比べて、入力画像処理部21−2の処理機能が異なる。
【0036】
図6は、本発明の実施例2に係る画像処理装置の動作処理を示したフローチャートである。この動作処理では、画像読取装置33が原稿から1ページ分の画像データを読み取ることにより、画像(画像データ)をR/G/B/K版に分けて読み取り(ステップS11)が行われ、各色別の読み取り画像データが画像入出力制御部10の読取制御部11を介して画像処理部20の入力画像処理部21−2に転送される。入力画像処理部21−2では、RGB版情報よりモノクロ/カラー判定(ステップS12)を行う設定とし、読み込み画像(画像データ)はモノクロページであるか否かの判定(ステップS13)を行う。この判定の結果、モノクロページであれば、RGB版情報を破棄(ステップS14)した後、K版情報をHDD25に蓄積(ステップS5)して保持させてから動作処理を終了するが、モノクロページでなければ(カラーページであれば)、K版情報を破棄(ステップS16)した後、RGB版情報をHDD25に蓄積(ステップS17)して保持させてから動作処理を終了する。
【0037】
要するに、実施例2の入力画像処理部21−2では、読み取り画像データのRGB版情報が無彩色(モノクロ画像)と判定すると、RGB版情報の破棄を実行してK版情報のみをHDD25に格納する。また、有彩色(カラー画像)と判定すると、K版情報を破棄してRGB版情報のみをHDD25に格納する。ここでの動作処理を実行した後は、カラー画像とモノクロ画像とが別フォーマットで管理される。
【0038】
図7は、実施例2に係る入力画像処理部21−2の細部構成を示した回路ブロック図である。入力画像処理部21−2は、実施例1に係る入力画像処理部21−1の構成と比べると、モノクロ画像補正部における構成が無彩色RGB生成を行わず、出力γ2に変えた出力γ3でK版情報のみを処理するため1色分のγ補正回路を持つ構成であり、K信号を出力する点が相違している。
【0039】
実施例2に係る画像処理装置によれば、読み取り画像データのモノクロ/カラー判定により蓄積画像データのフォーマットを変えているため、色情報のない画像データ量を削減することが可能になる。
【0040】
上述した実施例2に係る画像処理装置の技術は、実施例1で説明した場合と同様な条件下の読み取り画像処理方法として換言することができる。こうした場合の読み取り画像処理方法の特徴は、カラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだページの読み取り画像データがモノクロ画像であれば、RGB版情報を破棄すると共に、K版情報を記憶手段(例えばHDD42)に蓄積して保持し、モノクロ画像でなくカラー画像であれば、K版情報を破棄すると共に、RGB版情報を記憶手段(例えばHDD42)に蓄積して保持する入力画像処理を行うものである。
【実施例3】
【0041】
実施例3に係る画像処理装置は、実施例1の装置が備える入力画像処理部21−1や実施例2の装置が備える入力画像処理部21−2と比べて、入力画像処理部21−3の処理機能が異なる。
【0042】
図8は、本発明の実施例3に係る画像処理装置の動作処理を示したフローチャートである。この動作処理では、画像読取装置33が原稿から1ページ分の画像データを読み取ることにより、画像(画像データ)をR/G/B/K版に分けて読み取り(ステップS21)が行われ、各色別の読み取り画像データが画像入出力制御部10の読取制御部11を介して画像処理部20の入力画像処理部21−3に転送される。入力画像処理部21−3では、RGB版情報より画素毎にモノクロ/カラー判定(ステップS22)を行う設定とし、対象画素はモノクロ画素であるか否かの判定(ステップS23)を行う。この判定の結果、モノクロ画素であれば、K版の画素濃度(K版情報)よりR=G=Bの濃度(無彩色のRGB'版情報)を生成して読み取ったRGB版情報(画素データ)を置き換え(ステップS24)する処理を行った後、全画素判定済みであるか否かの判定(ステップS25)を行う。また、モノクロ画素でなければ(カラー画素であれば)、その後も同様に全画素判定済みであるか否かの判定(ステップS25)を行う。この判定の結果、全画素判定済みでなければ、RGB版情報により画素毎にモノクロ/カラー判定(ステップS22)を行う処理の前にリターンするが、全画素判定済みであれば、RGB版情報をHDD25に蓄積(ステップS26)してから動作処理を終了する。
【0043】
要するに、実施例3の入力画像処理部21−3では、読み取り画像データのRGB版情報に対してモノクロ/カラー判定を読み取った全画素に対して画素毎に判定した結果、無彩色と判定された画素についてはRGB版情報と同時に読み取ったK版情報よりR=G=Bの濃度となる無彩色のRGB'版情報の生成を行い、読み取ったRGB版情報(画素データ)と置き換える。実施例2に係る入力画像処理部21−2では、読み取り画像データの分類分けの読み取り完了後に不要データの破棄を実施するため、カラー/モノクロ判定が完了するまでは双方の画像データ(カラー画像、モノクロ画像)を蓄積保持しておく必要があるが、実施例3に係る入力画像処理部21−3では入力された読み取り画像データに対して画素毎に直ちにカラー/モノクロ判定を実施するため、読み取り画像1面をすべて蓄積保持するための記憶手段(メモリ)が不要になる。ここでの動作処理を実行した後は、実施例1の場合と同様に読み取り画像データがカラー画像であるか、或いはモノクロ画像であるかに拘わらずRGB画像フォーマットで管理する。
【0044】
図9は、実施例3に係る入力画像処理部21−3の細部構成を示した回路ブロック図である。入力画像処理部21−3は、実施例1に係る入力画像処理部21−1の構成と比べると、カラー画像補正部、ACS、モノクロ画像補正部から出力されるRGB信号、カラー検出信号、RGB'信号を入力して選択的にRGB信号として出力するデータセレクタが配備された点が相違する。但し、実際の回路機能では、入力された読み取り画像データの画素毎に色判定を行い、色情報と判定された場合はRGB版情報から生成されたRGB画素を、色情報がないと判定された場合はK版情報から生成されたRGB'画素を出力する構成となる。
【0045】
実施例3に係る画像処理装置によれば、画素毎にカラー/モノクロ判定と無彩色時の色成分除去処理とを実施するため、蓄積された読み取り画像データの一部を切り出して出力する際、切り出し部分に色情報を含む画像が入っているか否かの判定が容易になる。また、実施例3によれば、先の実施例1、実施例2の処理動作のように読み取り画像データをRGBKで各色1ページ分を保持する必要がないため、画像処理装置のメモリ量を削減することが可能になる。
【0046】
上述した実施例3に係る画像処理装置の技術は、画像読取装置33により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて画像処理装置に入力された際、入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかをRGB版情報に基づいて画素毎に判定するカラー/モノクロ判定を行う読み取り画像処理方法として換言することができる。こうした場合の読み取り画像処理方法の特徴は、画素毎のカラー/モノクロ判定として、原稿から読み込んだ画素毎の読み取り画像データがモノクロ画素であれば、K版情報の画素濃度より3原色が同一濃度となる無彩色データを生成してRGB版情報を置き換えるようにして全画素について判定済み後、RGB版情報を記憶手段(例えばHDD25)に蓄積して保持する入力画像処理を行うものである。
【実施例4】
【0047】
実施例4に係る画像処理装置は、実施例1の装置が備える入力画像処理部21−1、実施例2の装置が備える入力画像処理部21−2、及び実施例3の装置が備える入力画像処理部21−3と比べて、入力画像処理部21−4の処理機能が異なる。
【0048】
図10は、本発明の実施例4に係る画像処理装置の基本機能を説明するために既存の画像読取装置の画像読取部におけるCCDの受光部の概略構成を示した図である。図10を参照すれば、この画像読取部におけるCCDの受光部は、図2で説明した構成と比べ、センサラインユニット312'がRGBの3原色に対応する受光素子列であるRラインセンサ、Gラインセンサ、Bラインセンサを原稿の主走査方向に沿って配列して成る(図10中では上から順にBラインセンサ、Gラインセンサ、Rラインセンサが配列される)。
【0049】
このような構成の受光部を備えた画像読取装置で原稿の画像データを読み取ると、R、G、Bの色版毎に分けて色別ラインセンサがそれぞれ読み取りを行うため、元画像の読み取り後の画像データは、図11に示されるように色版毎の読み取りによるページ単位(1ページ分)で成立する色版別の面順次画像として取り込まれ、各色のR、G、Bの画像データにおける1画素分のデータは図12に示される色版別の面順次画像における1ライン単位で成立する色版別の線順次画像において8ビットで表現される。また、色情報はR、G、Bの3原色で表わすことが可能なため、通常のカラー1画素の情報は図13の画素順次画像中に示されるようにRn=8ビット、Gn=8ビット、Bn=8ビットによる24ビットの情報となる。
【0050】
そこで、実施例4に係る画像処理装置では、実施例3の装置の動作処理で実施した画素毎の色判定結果について、実施例4に係る入力画像処理部21−4より図14のフラグ付き画素順次画像中に示されるように、RGB版情報が有彩色であるか無彩色であるかを示す色情報フラグF0〜Fnを各画素毎に付加すると共に、RGB画素情報とRGB画素情報が色情報を含むか否かを示す色情報フラグFとにより1画素データを生成する。この結果、1画素データの総ビット数は、図15に示されるように、フラグの8ビット分を合わせた32ビットとなる。因みに、フラグの先頭の1ビット分の領域は無彩色を示す0、有彩色を示す1が割り当てられ、その他の7ビット分は予約領域として用いられる。
【0051】
図16は、実施例4に係る入力画像処理部21−4の細部構成を示した回路ブロック図である。入力画像処理部21−4は、実施例1に係る入力画像処理部21−1の構成と比べると、モノクロ画像補正部を持たず、ACSから出力されるカラー検出信号に基づいて色情報フラグ生成により色情報フラグFの信号を出力させ、更にカラー画像補正部から出力されるRGB信号と色情報フラグFの信号とをフラグ情報付加によりRGB+Fの信号として出力させる点で相違する。
【0052】
実施例4の画像処理装置では、RGB画素情報と色情報フラグFとからなる画素情報を印刷出力する動作で、RGB画素を印刷用のCMYKデータに変換する際、有彩色のカラー画素を示す色情報フラグF(F=1)を付加された画素に対してはRGB画素情報を印刷出力用のCMYKデータに変換する。また、無彩色のモノクロ画素を示す色情報フラグF(F=0)を付加された画素に対しては、RGB画素情報からCMYKデータへの変換時の誤差によりCMYの色成分が発生しないように、CMY成分を0とし、モノクロのK版情報(K色)のみで画像データを生成する処理を実施する。
【0053】
実施例4の画像処理装置によれば、RGB画素情報が有彩色であるか無彩色であるかを示す色情報フラグを読み取り時に画素毎に付加するため、印刷出力時の処理で無彩色画素に色成分が混入するのを防止することができ、モノクロ出力画像の再現性が向上する。
【0054】
上述した実施例4の画像処理装置の技術は、上述した実施例3に係る読み取り画像処理方法において、画素毎のカラー/モノクロ判定結果について、RGB版情報が有彩色であるか無彩色であるかを示す色情報フラグFを各画素毎に付加すると共に、RGB画素情報とRGB画素情報が色情報を含むか否かを示す色情報フラグZFとにより1画素データを生成するものと換言することができる。
【実施例5】
【0055】
実施例5に係る画像処理装置は、実施例4の装置で説明したRGB+Fの信号におけるRGB画素情報と色情報フラグFとを実施例3の装置に適用させて分離し、有彩色画素数をカウントして課金する機能を構築したものである。
【0056】
図17は、本発明の実施例5に係る画像処理装置の動作処理を示したフローチャートである。この動作処理では、まず画像処理部20の出力画像制御部30に備えられる画素数カウンタを零に設定する画素数カウンタ=0(ステップS31)とし、入力画像処理部でRGB画素情報と色情報フラグFとを分離(ステップS32)した後、色情報フラグFより画素毎にモノクロ/カラー判定(ステップS33)を行う設定とし、対象画素(画像データ)は有彩色画素(カラー画素)であるか否かの判定(ステップS34)を行う。この判定の結果、有彩色画素であれば、出力画像処理部30の画素数カウンタの値を+1として課金する画素数カウンタ+1(ステップS35)の処理を行った後、全画素判定済みであるか否かの判定(ステップS36)を行う。また、有彩色画素でなければ(無彩色画素であれば)、その後も同様に全画素判定済みであるか否かの判定(ステップS36)を行う。この判定の結果、全画素判定済みでなければ、色情報フラグFより画素毎にモノクロ/カラー判定(ステップS33)を行う処理の前にリターンするが、全画素判定済みであれば、有彩色画素数情報をコントローラCPU22へ通知(ステップS37)してから動作処理を終了する。
【0057】
要するに、実施例5に係る画像処理装置は、実施例3の装置の動作処理で画像処理部20の出力画像処理部30から画像入出力制御部10の出力制御部16を経由して蓄積画像である出力(印刷)画像データを画像出力装置34へ伝送して印刷出力動作を実行する際、画像処理部20の出力画像処理部30でRGB画素情報からCMYKデータへの色変換を行って出力画像データに変換する処理と、この処理と同時にRGB画素情報に付加された色情報フラグFより有彩色の画素数をカウントし、印刷出力ページ内の有彩色画素数に基づくカラー出力動作の課金カウントを行うものである。このような処理により、画像の一部分のみを印刷出力するような指定があった場合でも、画素毎に有彩色か否かを判定済みであるため、印刷出力範囲の画像に色情報を含むか否かの判定が容易となる。
【0058】
また、実施例4で説明した色情報フラグFを拡張し、図18に示されるように最初のビットに続く2番目のビットに画素情報なしの場合に0を割当て、画素情報ありの場合に1を割当て、「画素情報」を追加して応用的な動作処理を行わせることもできる。
【0059】
図19は、係る拡張させたフラグを実施例5の画像処理装置に適用させたときの動作処理を示したフローチャートである。
【0060】
こうした場合の動作処理では、まず画像処理部20の出力画像制御部30に備えられる画素数カウンタを零に設定する画素数カウンタ=0(ステップS41)とし、入力画像処理部でRGB画素情報と色情報フラグFとを分離(ステップS42)した後、画素情報があるか否かを出力画像のC、M、Y、Kの濃度が0となる条件、即ち各色8ビットのRGB画像でR=G=B=255(=0×FF)であるか否かの判定(ステップS43)により行う。この判定は、白色の用紙に文字や画像が記載された原稿で、用紙の地肌の色である白データを読み取った場合に「画素情報なし」と判定し、白以外の濃度情報を読み取った場合に「画素情報あり」と判定するものである。この判定の結果、画素が白以外で画素情報があれば、色情報フラグFにより画素毎にモノクロ/カラー判定(ステップS44)を行うものとして、対象画素(画像データ)は有彩色画素(カラー画素)であるか否かの判定(ステップS45)を行う。この判定の結果、有彩色画素であれば、出力画像処理部30の画素数カウンタの有彩色(カラー)画素数カウンタ+1(ステップS46)とする処理を行い、有彩色画素なければ(無彩色画素であれば)、無彩色(モノクロ)画素数カウンタ+1(ステップS47)とする処理を行い、何れもその後は未判定画素があるか否かの判定(ステップS48)を行う。また、画素が白で画素情報がなければ、その後も同様に未判定画素があるか否かの判定(ステップS48)を行う。この判定の結果、未判定画素があれば、R=G=B=255(=0×FF)であるか否かの判定(ステップS43)を行う処理の前にリターンするが、未判定画素がなければ、有彩色、無彩色の画素数情報をコントローラCPU22へ通知(ステップS49)してから動作処理を終了する。
【0061】
要するに、こうした場合の画像処理装置は、印刷出力動作時の出力画像処理部30の画素数カウンタで画素情報があって有彩色である場合と画素情報があって無彩色である場合とについて、場合分けして画素数をカウントし、印刷出力時のカラー画像、モノクロ画像のデータ量を正しく算出してコントローラCPU22へ通知し、課金情報へ反映することができる。
【0062】
実施例5の画像処理装置によれば、従来装置の動作処理では、印刷ページ内にカラー情報を含む場合にそのデータ量に拘わらずページ全体をカラー印刷として課金処理を行う機能であるのに対し、カラー画像出力を行った画素数、モノクロ画像出力を行った画素数を詳しく算出するため、カラー/モノクロの画像出力時に加算される課金情報の精度が向上する。また画素毎の判定結果により色情報を持つ画素を容易に確認することができるため、画像の一部分のみを印刷出力する場合でも正しい課金情報を反映することができる。
【0063】
上述した実施例5の画像処理装置の技術は、上述した実施例4に係る読み取り画像処理方法において、入力画像処理では、RGB画素情報と色情報フラグFとを分離して色情報フラグより画素毎のカラー/モノクロ判定として、画素毎の読み取り画像データが有彩色画素であるときに画素数カウントに供するようにして全画素について判定済み後、有彩色画素数情報を通知するものとして換言することができる。
【実施例6】
【0064】
実施例6に係る画像処理装置は、実施例2の装置での入力画像処理部21−2を各色別の読み取り画像データについてRGB版情報に基づいて画素毎に判定する実施例3の装置のカラー/モノクロ判定機能に適用させ、画像編集時に画素毎の読み取り画像データから1画素データとして、RGB版情報のビット数にK版情報のビット数を加えることによりK版情報を付加して画素順次画像に変換する機能を構築したものである。
【0065】
図20は、本発明の実施例6に係る画像処理装置の基本機能を説明するために周知の読み取り画像データについて画像編集した場合の元画像に対する90度回転画像を示した模式図である。ここでは、画像編集として、HDD25等の記憶手段上に保持した画像データを回転処理したとき、連続したアドレスで読み出した場合には回転処理後のデータを1画素データ毎に不連続なアドレスに書き込む必要があることを示している。例えば、記憶手段のアクセス単位と異なる24ビットのようなサイズで書き込む場合には、図21に示されるように次の画素データを予め取得して、記憶手段のアクセス単位に変換してから書き込む等の処理が必要になる。これに対し、周知技術(比較)として、特開平8−305840号公報には図22に示されるように、1画素分のRGB画素情報の前又は後に8ビットの無効データを付加することで記憶手段のアクセス単位に変換する手法が知られている。
【0066】
図22に示したような無効データ(ダミーデータ)を付加する技術では、DMACを使用したデータ転送、画像データの回転処理等で記憶手段のアクセス効率が良くなるが、蓄積している情報がRGB(カラー)版情報のみであるため、モノクロ出力が選択された場合にはRGB情報からK(モノクロ)版情報を生成する処理が必要になる。ところが、RGB版情報は、画像読取装置の画像読取部(センサ)が移動することによる読み取り位置の誤差やRGBの各ラインセンサ間で読み取り濃度がばらつくことによる画素濃度の誤差を含むため、K情報のみで読み取った場合のデータと比べて読み取り精度や画像濃度の再現性で劣る場合がある。
【0067】
そこで、実施例6では、図23に示されるようにRGBの24ビットにモノクロ読み取り情報Kの8ビットを加えるようにし、図24のRGB+Kによる画素順次画像中に示されるように32ビットで1画素データを表わす構成とする。即ち、実施例6の画像処理装置では、入力画像処理部21−5が画像編集時に画素毎の読み取り画像データから1画素データとして、RGB版情報のビット数にK版情報のビット数を加えることによりK版情報を付加して画素順次画像に変換する。これにより、画像編集時には読み取り画像データの1画素データをRGB+Kの情報として蓄積して保持し、蓄積画像をモノクロ画像出力する動作において、読み取り時に白黒情報のみで読み取ったK色データを出力することが可能なため、モノクロ画像の再現性が向上する。
【0068】
図25は、実施例6に係る入力画像処理部21−5の細部構成を示した回路ブロック図である。入力画像処理部21−5は、実施例2に係る入力画像処理部21−2の構成と比べると、ACSを持たず、カラー画像補正部から出力されるRGB信号とモノクロ画像補正部から出力されるK信号とをK版情報付加によりRGBK信号として出力させる点で相違する。
【0069】
実施例6の画像処理装置によれば、カラー画像のRGB版情報とモノクロ画像のK版情報との4色分の画像データを1ファイルで管理することが可能となり、4色分の画像データで1画素情報を表現するためにカラー画像の画素順次画像で画素データの転送処理のアクセス効率が向上すると同時にモノクロ専用の画像情報を保持するためにモノクロ画像の印刷出力の品質向上も可能となる。
【0070】
上述した実施例6の画像処理装置の技術は、上述した実施例3に係る読み取り画像処理方法において、入力画像処理では、画像編集時に画素毎の読み取り画像データから1画素データとして、RGB版情報のビット数にK版情報のビット数を加えることによりK版情報を付加して画素順次画像に変換する旨として換言することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 画像入出力制御部
11 読取制御部
12 エンジンCPU
13、27 NVRAM
14、29 ROM
15、28 RAM
16 出力制御部
17、31 通信I/F
20 画像処理部
21、21−1〜21−5 入力画像処理部
22 コントローラCPU
23 操作部I/F
26 ネットワークI/F
30 出力画像処理部
31 ベーン底
32 操作パネル
33 画像読取装置
34 画像出力装置
201 コンタクトガラス
202 圧板
203 ハロゲンランプ
204、206、207 ミラー
208 スキャナ
209 フィルタ
210 レンズ
212 CCD
213 画像読取部
214 スキャナ基板
215 シェーディング板(白基準板)
216、217 冷却ファン
218 結露防止ヒータ
219 原稿サイズ検知器
311 セラミックパッケージ
312、312' ラインセンサユニット
313 ガラス板
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2001−144900号公報
【特許文献2】特開2001−61070号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて入力されると共に、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定機能を有する画像処理手段を備えた画像処理装置において、
前記画像処理手段は、前記K版情報より前記3原色が同一濃度となる無彩色データを生成して前記カラー/モノクロ判定に供し、当該カラー/モノクロ判定として、前記原稿から読み込んだページの前記読み取り画像データが前記モノクロ画像であれば、前記無彩色データを記憶手段に蓄積して保持すると共に、読み込んだ前記RGB版情報を破棄し、当該モノクロ画像でなく前記カラー画像であれば、読み込んだ当該RGB版情報を当該記憶手段に蓄積して保持すると共に、当該無彩色データを破棄する入力画像処理手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて入力されると共に、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定機能を有する画像処理手段を備えた画像処理装置において、
前記画像処理手段は、前記カラー/モノクロ判定として、前記原稿から読み込んだページの前記読み取り画像データが前記モノクロ画像であれば、前記RGB版情報を破棄すると共に、前記K版情報を記憶手段に蓄積して保持し、当該モノクロ画像でなく前記カラー画像であれば、当該K版情報を破棄すると共に、当該RGB版情報を当該記憶手段に蓄積して保持する入力画像処理手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて入力されると共に、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて画素毎に判定するカラー/モノクロ判定機能を有する画像処理手段を備えた画像処理装置において、
前記画像処理手段は、前記画素毎のカラー/モノクロ判定として、前記原稿から読み込んだ画素毎の前記読み取り画像データがモノクロ画素であれば、K版情報の画素濃度より前記3原色が同一濃度となる無彩色データを生成して前記RGB版情報を置き換えるようにして全画素について判定済み後、当該RGB版情報を記憶手段に蓄積して保持する入力画像処理手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像処理装置において、前記入力画像処理手段は、前記画素毎のカラー/モノクロ判定結果について、前記RGB版情報が有彩色であるか無彩色であるかを示す色情報フラグを各画素毎に付加すると共に、RGB画素情報と当該RGB画素情報が色情報を含むか否かを示す当該色情報フラグとにより1画素データを生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像処理装置において、前記1画素データに含まれる前記RGB画素情報に対する画素数カウント機能を持つ出力画像処理手段を備え、前記入力画像処理手段は、前記RGB画素情報と前記色情報フラグとを分離して当該色情報フラグより前記画素毎のカラー/モノクロ判定として、前記画素毎の前記読み取り画像データが有彩色画素であるときに前記画素数カウント機能による画素数カウントに供するようにして全画素について判定済み後、当該有彩色画素数情報を通知する機能を持つことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項3記載の画像処理装置において、前記入力画像処理手段は、画像編集時に前記画素毎の前記読み取り画像データから1画素データとして、前記RGB版情報のビット数に前記K版情報のビット数を加えることにより当該K版情報を付加して画素順次画像に変換することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて画像処理装置に入力された際、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定を含む読み取り画像処理方法において、
前記K版情報より前記3原色が同一濃度となる無彩色データを生成して前記カラー/モノクロ判定に供し、当該カラー/モノクロ判定として、前記原稿から読み込んだページの前記読み取り画像データが前記モノクロ画像であれば、前記無彩色データを記憶手段に蓄積して保持すると共に、読み込んだ前記RGB版情報を破棄し、当該モノクロ画像でなく前記カラー画像であれば、読み込んだ当該RGB版情報を当該記憶手段に蓄積して保持すると共に、当該無彩色データを破棄する入力画像処理を行うことを特徴とする読み取り画像処理方法。
【請求項8】
画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて画像処理装置に入力された際、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて判定するカラー/モノクロ判定を含む読み取り画像処理方法において、
前記カラー/モノクロ判定として、前記原稿から読み込んだページの前記読み取り画像データが前記モノクロ画像であれば、前記RGB版情報を破棄すると共に、前記K版情報を記憶手段に蓄積して保持し、当該モノクロ画像でなく前記カラー画像であれば、当該K版情報を破棄すると共に、当該RGB版情報を当該記憶手段に蓄積して保持する入力画像処理を行うことを特徴とする読み取り画像処理方法。
【請求項9】
画像読取装置により、原稿から読み取ったカラー画像に係る3原色のRGB版情報、並びにモノクロ画像の単一色に係るK版情報を含む画像データを各色別に分けた読み取り画像データが同時に順次転送されて画像処理装置に入力された際、当該入力された各色別の読み取り画像データについて有彩色であるか、無彩色であるかを当該RGB版情報に基づいて画素毎に判定するカラー/モノクロ判定を行う読み取り画像処理方法において、
前記画素毎のカラー/モノクロ判定として、前記原稿から読み込んだ画素毎の前記読み取り画像データがモノクロ画素であれば、K版情報の画素濃度より前記3原色が同一濃度となる無彩色データを生成して前記RGB版情報を置き換えるようにして全画素について判定済み後、当該RGB版情報を記憶手段に蓄積して保持する入力画像処理を行うことを特徴とする読み取り画像処理方法。
【請求項10】
請求項9記載の読み取り画像処理方法において、前記画素毎のカラー/モノクロ判定結果について、前記RGB版情報が有彩色であるか無彩色であるかを示す色情報フラグを各画素毎に付加すると共に、RGB画素情報と当該RGB画素情報が色情報を含むか否かを示す当該色情報フラグとにより1画素データを生成し、前記入力画像処理では、前記RGB画素情報と前記色情報フラグとを分離して当該色情報フラグより前記画素毎のカラー/モノクロ判定として、前記画素毎の前記読み取り画像データが有彩色画素であるときに画素数カウントに供するようにして全画素について判定済み後、当該有彩色画素数情報を通知するか、或いは前記入力画像処理では、画像編集時に画素毎の読み取り画像データから1画素データとして、前記RGB版情報のビット数に前記K版情報のビット数を加えることにより当該K版情報を付加して画素順次画像に変換することを特徴とする読み取り画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−227874(P2012−227874A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96089(P2011−96089)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】