説明

画像処理装置、撮像装置、画像処理プログラム、および、記録媒体

【課題】画像処理における設定値をユーザの好みに合わせて変更することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置が、画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する第1の設定値生成部と、対象画像データに対して、第1の設定値生成部により生成された設定値に基づいて画像処理する画像処理部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理プログラム、および、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像処理を実行する場合、画像処理の順序を変更することができる画像処理制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−138435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す画像処理制御装置にあっては、画像処理の順序を変更することはできるものの、それぞれの画像処理における設定値をユーザの好みに合わせて変更することは出来ないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、画像処理における設定値をユーザの好みに合わせて変更することができる画像処理装置、撮像装置、画像処理プログラム、および、記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、この発明は、画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する第1の設定値生成部と、対象画像データに対して、前記第1の設定値生成部により生成された設定値に基づいて画像処理する画像処理部と、を備えていることを特徴とする画像処理装置である。
【0007】
また、この発明は、上記に記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする撮像装置である。
【0008】
また、この発明は、画像処理装置としてのコンピュータに、画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する第1の設定値生成手順と、対象画像データに対して、前記第1の設定値生成手順により生成された設定値に基づいて画像処理する画像処理手順と、を実行させるための画像処理プログラムである。
【0009】
また、この発明は、画像処理装置としてのコンピュータに、画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する第1の設定値生成手順と、対象画像データに対して、前記第1の設定値生成手順により生成された設定値に基づいて画像処理する画像処理手順と、を実行させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、画像処理における設定値をユーザの好みに合わせて変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の第1実施形態による画像処理装置を備えている撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の第2実施形態による画像処理装置を備えている撮像装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の第1実施形態による画像処理装置を備えている撮像装置100の構成を示す概略ブロック図である。
【0013】
この図1に示されるように、本実施形態に係る撮像装置100は、撮像部110と、CPU(Central processing unit)190と、操作部180、画像処理部140と、表示部150と、記憶部160と、バッファメモリ部130と、通信部170と、バス300とを備えている。
【0014】
撮像部110は、複数のレンズを備える光学系111と、撮像素子119と、A/D変換部120とを備えている。この撮像部110は、設定された撮像条件(例えば絞り値、露出値等)に基づいてCPU190により制御され、光学系111を介した光学像を撮像素子119に結像させ、A/D変換部120によりデジタル信号に変換された当該光学像に基づく画像データを生成する。
【0015】
なお、上述した光学系111は、撮像装置100に取り付けられて一体とされていてもよいし、撮像装置100に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0016】
撮像素子119は、例えば、受光面に結像した光学像を電気信号に変換して、A/D変換部120に出力する。
【0017】
また、撮像素子119は、操作部180を介して撮影指示を受け付けた際に得られる画像データを、撮影された静止画の撮影画像データとして、A/D変換部120や画像処理部140を介して、記憶媒体200に記憶させる。
【0018】
また、撮像素子119は、たとえば、操作部180を介して撮像指示を受け付けていない状態において、連続的に得られる画像データをスルー画(スルー画データ)として、A/D変換部120や画像処理部140を介して、表示部150に連続的に出力する。
【0019】
A/D変換部120は、撮像素子119によって変換された電子信号をアナログ/デジタル変換し、この変換したデジタル信号である画像データを出力する。
【0020】
操作部180は、例えば、電源スイッチ、シャッターボタン、十字キー、確定ボタン、および、その他の操作キーを含み、ユーザによって操作されることでユーザの操作入力を受け付け、CPU190に出力する。
【0021】
画像処理部140は、記憶部160に記憶されている画像処理条件に基づいて、バッファメモリ130に記憶されている画像データに対して画像処理を実行する。ここでいうバッファメモリ130に記憶されている画像データとは、画像処理部140に入力される画像データのことであり、たとえば、上述した撮影画像データ、スルー画、または、記憶媒体200から読み出された撮影画像データのことである。
【0022】
表示部150は、例えば液晶ディスプレイであって、撮像部110によって得られた画像データや、操作画面等を表示する。記憶部160には、CPU190によってシーン判定の際に参照される判定条件や、撮像条件等が記憶されている。バッファメモリ部130は、撮像部110によって撮像された画像データを、一時的に記憶する。
【0023】
通信部170は、カードメモリ等の取り外しが可能な記憶媒体200と接続され、この記憶媒体200への撮影画像データの書込み、読み出し、または消去を行う。記憶媒体200は、撮像装置100に対して着脱可能に接続される記憶部であり、例えば、撮像部110によって生成された撮影画像データを記憶する。
【0024】
CPU190は、撮像装置100が備える各構成を制御する。バス300は、撮像部110と、CPU190と、操作部180と、画像処理部140と、表示部150と、記憶部160と、バッファメモリ部130と、通信部170とに接続され、各部から出力された画像データや制御信号等を転送する。
【0025】
なお、記憶部160は、設定値記憶部161を備えている。この設定値記憶部161には、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値が記憶される。画像の特徴を示す特徴量とは、たとえば、画像データにおける人物の画像サイズや、色味や、ノイズの度合いや、白とびなどのことである。
【0026】
また、CPU190は、第1の設定値生成部191と、選択部195とを備えている。
第1の設定値生成部191は、画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する。ここでいう「画像データ記憶部」とは、たとえば、記憶媒体200である。
【0027】
この第1の設定値生成部191は、生成した設定値を、設定値記憶部161に記憶させる。画像処理部140は、対象画像データに対して、第1の設定値生成部191により生成された設定値であって、記憶部160から読み出した設定値に基づいて画像処理する。
【0028】
ここで、一般に記憶媒体200などの画像データ記憶部には、ユーザの好みの画像データが記憶されている。そのため、本実施形態においては第1の設定値生成部191により、画像データ記憶部から読み出した画像データに基づいて、特徴量に対しての設定値を生成する。これにより、ユーザは、自ら特徴量の設定値を設定することなしに、自分の好みの画像データを画像データ記憶部に記憶しておくのみで、特徴量の設定値を設定することができる。そして、画像処理部140により、対象画像データに対して特徴量の設定値を変更するように画像処理することにより、対象画像データを自分の好みに変更することができる。
【0029】
選択部195は、複数の画像処理を示す情報を表示し、当該表示した情報の中からいずれかを選択することを示す選択情報が入力されたことに応じて、複数の画像処理の中から、入力された選択情報に対応する画像処理を選択する。なお、選択部195は、複数の画像処理を示す情報を表示する場合、複数の画像処理の優先順位に基づいて、複数の画像処理を示す情報を表示してもよい。この画像処理の優先順位は、ユーザの好みの画像処理、画像処理の履歴、および、撮像シーンに対応する画像処理などに基づいて定められてもよい。そして、画像処理部140は、選択部195により選択された画像処理を実行する。
【0030】
たとえば、選択部195は、複数の画像処理を示す情報を表示部150に表示する。次に、ユーザの操作部180を介した操作により、表示部150に表示した情報の中からいずれかを選択することを示す選択情報が、操作部180から選択部195に入力される。この選択情報が入力されたことに応じて、選択部195は、複数の画像処理の中から、入力された選択情報に対応する画像処理を選択する。そして、画像処理部140は、選択部195により選択された画像処理を実行する。
【0031】
一例としては、選択部195により選択された画像処理が、画像処理部140により実行される場合、第1の設定値生成部191は、選択部195により選択された画像処理に対応する設定値を生成する。そして、画像処理部140は、このようにして第1の設定値生成部191により生成された設定値に基づいて、選択部195により選択された画像処理を実行する。これにより、選択された画像処理に対応した設定値に基づいて、画像処理部140は、画像処理を実行することができる。よって、本実施形態による画像処理装置は、対象画像データに対して、ユーザの好みに応じて、適切に画像処理することができる。
【0032】
なお、画像処理部140は、たとえば、画像データが削除される場合、当該削除される画像データを対象画像データとして画像処理してもよい。ここでいう「画像データが削除される場合」とは、たとえば、ユーザの操作により操作部180を介して、画像を削除することを示す制御信号がCPU190に入力される。そして、当該制御信号の入力に応じて、CPU190が、通信部170を介して記憶媒体200に記憶されている画像データを削除する場合のことである。
【0033】
また、第1の設定値生成部191は、画像処理部140により画像処理が実行される場合、画像データが削除される場合において、または、任意のタイミングにおいて、設定値を生成してもよい。この「任意のタイミング」とは、たとえば、CPU100がアイドル時であってもよい。そして、第1の設定値生成部191は、生成した設定値を、設定値記憶部161に記憶しておいてもよい。
【0034】
これにより、画像処理部140により画像処理が実行される場合、または、画像データが削除される場合において、第1の設定値生成部191により設定値を再度生成することなく、画像処理部140は画像処理を実行することができる。これにより画像処理部140は、第1の設定値生成部191により設定値を生成する時間と処理の分だけ、画像処理を早く実行することができる。
【0035】
また、第1の設定値生成部191は、画像処理毎に設定値を生成し、当該画像処理に対して生成した設定値を、画像処理の種類を示す情報と関連付けて、設定値記憶部161に記憶させる。このようにして、設定値記憶部161には、設定値が画像処理と関連付けて予め記憶されていてもよい。そして、画像処理部140は、予め設定されている複数の画像処理の中から画像処理が選択された場合、当該選択された画像処理と関連付けられている設定値を、設定値記憶部161から読み出し、当該読み出した設定値と選択された画像処理とに基づいて画像処理する。
【0036】
これにより、画像データが削除される場合において、第1の設定値生成部191により設定値を再度生成することなく、画像処理部140は、画像処理の種類毎に画像処理を実行することができる。
【0037】
なお、上記に説明した図2において、記憶部160の設定値記憶部161、CPU190の第1の設定値生成部191と選択部195、および、画像処理部140が、画像処理装置400に対応する。
【0038】
<第1実施形態の動作>
次に、図2を用いて、本実施形態による画像処理装置400が画像処理する場合の動作の一例について説明する。ここでは、画像データが削除される場合に、この削除される画像データが対象画像データとして、画像処理装置400により画像処理される場合について説明する。
【0039】
また、ここでは、複数の画像処理として、個人認証して個人に対しての画像サイズを変更する画像処理(以下、個人サイズ変更画像処理とする)、色味を変更する画像処理(以下、色味変更画像処理とする)、ノイズを低減させる画像処理(以下、ノイズ低減画像処理とする)、白とびを低減させる画像処理(以下、白とび低減画像処理とする)、・・・がある場合について説明する。また、これらの画像処理の優先順序として、個人サイズ変更画像処理、色味変更画像処理、ノイズ低減画像処理、白とび低減画像処理、・・・と、予め定められている場合について説明する。
【0040】
また、ここでは、設定値記憶部161には、画像処理と関連付けて、その設定値が予め記憶されているものとする。たとえば、設定値記憶部161には、個人サイズ変更画像処理とその設定値、色味変更画像処理とその設定値、ノイズ低減画像処理とその設定値、および、白とび低減画像処理とその設定値が、関連付けられて予め記憶されているものとする。そして、画像が削除される場合、画像処理部140は、設定値記憶部161から読み出した設定値であって、画像処理に対応する設定値に基づいて画像処理するものとして説明する。
【0041】
まず、ユーザは画像を削除しようとして、操作部180を操作する。たとえば、表示部150に画像が表示されており、その画像を削除するために、ユーザは操作部180を介して削除ボタンを押下する。削除ボタンを押下されたことに応じて、CPU190には、画像を削除することを示す制御信号が操作部180から入力される。これにより、CPU190は、図2のフローチャートに示される処理を開始する。
【0042】
画像を削除することを示す制御信号が操作部180から入力されたことに応じて、CPU190の選択部195は、複数の画像処理を示す情報を表示部150に、優先順位に基づいて順に表示する。たとえば、CPU190の選択部195は、削除しようとしている画像に対して、個人認証するか否か(個人認証し、当該個人に対して画像サイズを調整するか否か)を選択させる画面を、表示部150に表示する。これにより、CPU190の選択部195は、個人サイズ変更画像処理を実行するか否かをユーザに選択させる(ステップS101)。
【0043】
ステップS101において、ユーザの操作部180を介した操作により、個人認証することを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190の制御により画像処理部140は、個人サイズ変更画像処理と関連付けられている設定値を、設定値記憶部161から読み出す(ステップS102)。たとえば、CPU190は、CPU190が有する個人認証機能により、削除される画像データに撮像されている人物を特定する。次に、CPU190は、特定した人物と関連付けられている画像サイズを示す情報である設定値を、設定値記憶部161から読み出す。なお、ここでは設定値記憶部161には、個人サイズ変更画像処理と関連付けられている設定値として、撮像データにおける人物の画像サイズを示す設定値が、人物を示す情報と関連付けて予め記憶されているものとする。
【0044】
次に、画像処理部140は、読み出した画像サイズを示す設定値に基づいて、個人サイズ変更画像処理としてのトリミングを、削除される画像データに対して実行する(ステップS103)。これにより画像処理装置400は、削除される画像データに撮像されている人物の画像サイズが、設定値記憶部161に記憶されている画像サイズと同様の値とすることができる。
【0045】
このようにして、ユーザが、たとえば、画像に撮像されている特定の個人に対して画像サイズが好みでないために、この画像を削除するような場合に、画像処理装置400は、ステップS101からステップS103の処理により、特定の個人に対して画像サイズをユーザ好みに変更することができる。
【0046】
その後、画像処理した画像データを保存するか否かを、CPU190は表示部150に表示する(ステップS104)。ステップS104において、ユーザの操作部180を介した操作により、画像処理した画像データを保存することを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190は、画像処理した画像データを、たとえば記憶媒体200に保存し(ステップS105)、処理を終了する。
【0047】
なお、CPU190はステップS105において、画像処理した画像データを、たとえば記憶媒体200に保存する場合に、削除される画像データを画像処理した画像データにより上書きしてもよい。これにより、画像処理装置400は、削除される画像データを、画像処理した画像データにより置き換えることができる。
【0048】
また、CPU190はステップS105において、画像処理した画像データを、たとえば記憶媒体200に保存する場合に、削除される画像データと関連付けて画像処理した画像データを記憶させてもよい。この場合、削除される画像データは、たとえば記憶媒体200から削除されずに、削除される画像データには、削除することを示す記号が付けられてもよい。その後、CPU190は、たとえば、削除することを示す記号が付けられている画像データを表示する場合には、当該画像データと関連付けられている画像データであって、画像処理した画像データを表示する。これにより、画像処理装置400は、削除される画像データを削除することなしに、削除される画像データを、画像処理した画像データにより置き換えることができる。このようにすると、たとえば、削除される画像データそのものを、ユーザが再度利用することが可能となる。
【0049】
一方、ステップS104において、ユーザの操作部180を介した操作により、画像処理した画像データを保存しないことを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190は、処理を継続する(ステップS106)。なお、処理を継続する場合において、対象画像データに対して既に画像処理が実行されている場合、CPU190は、この既に画像処理された対象画像データに対して、以降の処理を継続させる。これにより、画像処理装置400は、対象画像データに対して順に画像処理することができる。
【0050】
なお、ステップS106において処理を継続する場合、CPU190は、画像処理の優先順位において、直近に実行した画像処理の次の画像処理に対応するステップに処理を進めてもよいし、優先順位の先頭となる画像処理に対応するステップに処理を戻してもよい。たとえば、ステップS101からS103の画像処理(個人サイズ変更画像処理)を実行した後に、ステップS106の処理になった場合、CPU190は、処理をステップS111に進めてもよいし、処理をステップS101に戻してもよい。処理をステップS111に進める場合には、ユーザは順に画像処理をするか否かを決定することができる。また、処理をステップS101に戻す場合には、ユーザは、いずれの画像処理を実行するか否かを、最初から再度検討することができる。ステップS106において処理を継続する場合に、CPU190が、いずれのステップに処理を進めるかは、予め設定されていてもよいし、ユーザにより選択されるようになっていてもよい。
【0051】
一方、ステップS101において、ユーザの操作部180を介した操作により、個人認証しないことを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190の選択部195は、削除しようとしている画像に対して、色味が嫌であるか否かを選択させる画面を、表示部150に表示する。これにより、CPU190の選択部195は、色味変更画像処理を実行するか否かを、ユーザに選択させる(ステップS111)。
【0052】
ステップS111において、ユーザの操作部180を介した操作により、色味が嫌であることを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190の制御により画像処理部140は、ステップS102の場合と同様に、色味変更画像処理と関連付けられている設定値を、設定値記憶部161から読み出す(ステップS112)。
【0053】
次に、画像処理部140は、読み出した色味を示す設定値に基づいて、色味変更画像処理として色味を変更する画像処理(色補正処理)を、削除される画像データに対して実行する(ステップS113)。これにより画像処理装置400は、削除される画像データに対して、色味の値を設定値記憶部161に記憶されている色味と同様の値とすることができる。
【0054】
このようにして、ユーザが、たとえば、画像に撮像されている色味が好みでないために、この画像を削除するような場合に、画像処理部装置は、ステップS111からステップS113の処理により、色味をユーザ好みに変更することができる。
【0055】
一方、ステップS111において、ユーザの操作部180を介した操作により、色味が嫌でないことを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190の選択部195は、削除しようとしている画像に対して、ノイズが嫌であるか否かを選択させる画面を、表示部150に表示する。これにより、CPU190の選択部195は、ノイズ低減画像処理を実行するか否かを、ユーザに選択させる(ステップS121)。
【0056】
ステップS121において、ユーザの操作部180を介した操作により、ノイズが嫌であることを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190の制御により画像処理部140は、ステップS102またはステップS112の場合と同様に、ノイズ低減画像処理と関連付けられている設定値(ノイズまたはISO)を、設定値記憶部161から読み出す(ステップS122)。
【0057】
次に、CPU190の選択部195は、このノイズ低減画像処理の場合、対象画像データを小サイズに変更するか否かを選択する画面を、表示部150に表示する。これにより、CPU190の選択部195は、画像サイズを小さくする画像変更処理を実行するか否かを、ユーザに選択させる(ステップS123)。
【0058】
ステップS123において、ユーザの操作部180を介した操作により、画像サイズを小さくする画像変更処理を実行することを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190の制御により画像処理部140は、ステップS122において読み出した設定値に基づいて、削除しようとしている画像に対して、画像サイズを小さく変更する(リサイズ)する(ステップS124)。
【0059】
一方、ステップS123において、ユーザの操作部180を介した操作により、画像サイズを小さくする画像変更処理を実行しないことを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190の制御により画像処理部140は、ステップS122において読み出した設定値に基づいて、削除しようとしている画像に対して、ノイズを低減する画像処理(Noise Reduction 処理)を実行するする(ステップS125)。
【0060】
このようにして、ユーザが、たとえば、画像のノイズが好みでないために、この画像を削除するような場合に、画像処理装置400は、ステップS121からステップS125の処理により、ノイズをユーザ好みに変更することができる。なお、このステップS121からステップS125において説明したように、選択部195は、ユーザにより選択された画像処理において、たとえばステップS123のように、更に、画像処理における何らからの選択をユーザにさせてもよい。
【0061】
一方、ステップS121において、ユーザの操作部180を介した操作により、ノイズが嫌でないことを示す制御信号がCPU190に入力された場合、CPU190の選択部195は、削除しようとしている画像に対して、白とびが嫌であるか否かを選択させる画面を、表示部150に表示する。これにより、CPU190の選択部195は、白とび低減画像処理を実行するか否かを、ユーザに選択させる(ステップS131)。この場合も、画像処理装置400は、白とび低減画像処理についてもステップS101,S111、S121において説明した個人サイズ変更画像処理、色味変更画像処理、または、ノイズ低減画像処理の場合と同様に処理を実行する。
【0062】
以降ステップステップS101、S111、および、S121の場合と同様に、選択部195は、複数の画像処理を示す情報を、画像処理の優先順位に基づいて順に表示する。このようにして、画像処理装置400は、ユーザが画像データを削除しようとする場合、その画像データをユーザが削除する理由に応じて、画像処理における設定値をユーザの好みに合わせて変更することができる。また、画像処理装置400は、ユーザが必要と判定した画像処理のみについて、画像処理することができる。
【0063】
この図2を用いて説明したように、被写体認証機能がある場合、画像処理装置400は、過去に特定の人物が撮像された画像に占める画像サイズ(面積)を設定値として、設定値記憶部161にデータベース化しておく。これにより、画像処理装置400は、その特定の人物を撮像する場合に、ユーザにとって好ましい画像サイズを特定することができる。
【0064】
そのため、被写体認証機能がある場合、その特定の人物が画像データ内に撮像されている場合にも関わらず、画像データが削除されようとしているとき、画像処理装置400は、ユーザにその特定人物が過去のデータベースにある画像サイズの大きさにトリミングして表示を行い、その状態で保存しなおすかを促すことができる。そして、ユーザに保存するように選択されると、画像処理装置400は、せっかくユーザが撮像した撮像データであって、特定の人物が撮像されている撮像データを、画像処理してユーザの好みに合わせた上で、残すことができる(図2のステップS101からS105を参照)。
【0065】
たとえば、削除される画像データは、画像全体としては特定の人物が小さく写ってしまっているために、ユーザにとって好ましくない構図の写真であったかもしれない。このような場合であっても、画像処理装置400が、削除される画像データに対して、トリミングをユーザの好みであるデータベースの画像サイズと同様に変更する。これにより、画像処理装置400は、たとえば貴重な一瞬が撮像されている画像データを削除して捨てることなく、かつ、必用な部分である特定の人物の部分を中心として画像データを変更して、保存することができる。
【0066】
ところで、画像処理装置400によりトリミングをし、そのままトリミングした画像データを保存してしまうと、解像度が低くなってしまう可能性がある。そこで、画像処理装置400は、トリミングした後、更に、解像度を元の画像と同程度まで高める画像処理をしてから、この画像データを保存してもよい。
【0067】
なお、画像処理装置400は、ユーザに選択肢を提示(図2のステップS111、S121、および、S131を参照)して、削除理由を選ばせた上で、削除理由に対応する画像処理を実行する場合も、特定の人物の画像サイズが小さい場合(図2のステップS101からS105を参照)と同様に、ユーザの好みに合うように変更して、残すことができる。
【0068】
なお、ここでは、特定の人物の画像サイズについてのみ説明したが、これに限られるものではなく、設定値記憶部161には、画像サイズ、特定の人物の画像における位置、および、特定の人物の画像における向きを、特定の人物を示す情報と関連付けて記憶しておいてもよい。そして、画像処理装置400は、対象画像データにおける特定の人物の画像サイズ、特定の人物の画像における位置、および、特定の人物の画像における向きが、設定値記憶部161に記憶されている特定の人物の画像サイズ、特定の人物の画像における位置、および、特定の人物の画像における向きに近くなるように、対象画像データに対してトリミングなどの画像処理を実行する。
【0069】
このようにして、図2を用いて説明したように、本実施形態による画像処理装置400は、削除される対象となっている画像データの特徴量を、削除されない画像データの特徴量と同じように変更する。このようにして、画像処理装置400は、削除される対象となっている画像データを、ユーザの好みに合わせて、再利用可能に変更することができる。
【0070】
なお、この図2においては、選択部195は、複数の画像処理を示す情報を、画像処理の優先順位に基づいて順に表示したが、これに限られるものではない。たとえば、選択部195は、複数の画像処理のそれぞれに対応するチェックボックスを表示し、ユーザは、実行したい画像処理に対応するチェックボックスを、操作部180を介してチェック(チェックボックスの設定を実行することを示すように変更)する。そして、CPU190の制御により画像処理部140は、チェックされたチェックボックスに対応する画像処理を、削除される画像データに対して実行してもよい。この場合も、図2の場合と同様に、画像処理装置400は、ユーザが画像データを削除しようとする場合、その画像データをユーザが削除する理由に応じて、画像処理における設定値をユーザの好みに合わせて変更することができる。
【0071】
なお、図2を用いた説明においては、画像データが削除される場合に、この削除される画像データを対象画像データとして、画像処理装置400が画像処理する場合について説明した。しかし、これに限られるものではなく、画像処理装置400は、任意の画像データを対象画像データとして、図2の場合と同様に画像処理してもよい。これによりユーザは、画像データを削除する場合でなくとも、任意の画像データに対して、画像処理における設定値をユーザの好みに合わせて変更することができる。
【0072】
なお、画像処理装置400は、対象画像データとして、JPEG形式などの圧縮された画像データしか記憶部160に記憶されていない場合には、JPEG形式から伸張した画像データに対して、画像処理を実行する。しかし、対象画像データとして、RAW形式などの圧縮されていない画像データも記憶部160に記憶されている場合には、画像処理装置400は、RAW形式などの圧縮されていない画像データに対して、画像処理を実行し、画像処理した画像データをJPEG形式に変換して、記憶部160に記憶してもよい。これにより、ユーザは、自分好みの画像を得ることができるとともに、より高画質の画像を得ることができる。
【0073】
<第2実施形態>
次に、図3を用いて、この発明の第2実施形態による画像処理装置を備えている撮像装置100の構成について説明する。なお、図1に示した第1実施形態による画像処理装置400と同様の構成には同一の符号を付け、その説明を省略し、相違点のみについて説明する。
【0074】
記憶部160は、操作情報記憶部162と、画像処理シーン履歴記憶部163と、画像処理履歴記憶部164とを備えている。また、CPU190は、第2の設定値生成部192と、設定部193と、撮像シーン判定部196とを備えている。
【0075】
操作情報記憶部162には、画像データ記憶部(たとえば、記憶媒体200)から画像データが読み出された回数を含む操作情報が、画像データと関連付けられて記憶されている。そして、第1の設定値生成部191は、画像データ記憶部から読み出した画像データに対して特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて設定値を生成する場合、操作情報記憶部162から読み出した操作情報であって、当該特徴量が抽出された画像データと関連付けられている操作情報に基づいた重みを、抽出された特徴量に付けて設定値を生成する。
【0076】
たとえばユーザは、一般に、より自分が好きな画像データに対して、表示やプリントアウトをする。すなわち、表示回数やプリントアウトした回数が多い画像データほど、ユーザの好みである可能性が高い。そのため、表示回数やプリントアウトした回数と、画像データ記憶部から画像データが読み出された回数とは、比例関係がある。よって、第1の設定値生成部191は、画像データ記憶部から画像データが読み出された回数が多くなる画像データほど、より設定値を生成する場合の画像データとして反映されるように重み付けをして、設定値を生成する。これにより、第1の設定値生成部191は、よりユーザの好みの設定値を生成することができる。そして、このようにして生成された設定値に基づいて、画像処理部140は画像処理する。これにより、画像処理装置400は、対象画像データを、よりユーザの好みに合わせて変更することができる。
【0077】
画像処理シーン履歴記憶部163には、画像処理部により実行された画像処理と、当該画像処理された画像に対しての撮像シーンとが関連付けられて記憶されている。この撮像シーンとは、たとえば、ポートレート撮影、風景撮影、または、夜景撮影などの撮影条件や、撮像対象が人物、ペットなどの動物、または、風景などの撮像対象を示す情報である。
【0078】
ここでいう「画像処理部」とは、撮像装置100が備える画像処理部140であってもよいし、撮像装置100とは異なる他の装置が備える画像処理部であってもよい。すなわち、ここでいう「画像処理部」とは、ユーザの好みに応じた設定値に基づいて、画像処理を実行する画像処理部であればよい。これは、ユーザが、画像処理部を備える装置を複数有している場合に好適である。
【0079】
なお、ユーザが、画像処理部などを含む画像処理装置400に対応する装置を複数有している場合、ユーザは自身の設定値などを記録媒体200などに記録しておき、画像処理を実行する装置に、設定値を記録媒体200から読込ませてもよい。これにより、ユーザは、画像処理部などを含む画像処理装置400に対応する装置を複数有している場合、いずれの装置においても、対象画像データに対しての特徴量を、ユーザ好みに変更する画像処理を実行することができる。
【0080】
撮像シーン判定部196は、対象画像データに対しての撮像シーンを判定する。この撮像シーン判定部196は、たとえば、対象画像データと関連付けられている撮像シーンを示す情報に基づいて撮像シーンを判定してもよいし、対象画像データを画像解析することにより撮像シーンを判定してもよい。なお、撮像シーンを示す情報は、当該対象画像データが撮像される場合に、撮像装置により、撮像シーンを示す情報が対象画像データに含められてもよい。
【0081】
そして、選択部195は、複数の画像処理を示す情報を表示する場合、撮像シーン判定部196により判定された撮像シーンと関連付けて記憶されている画像処理を、画像処理シーン履歴記憶部163から読み出し、当該読み出した画像処理に基づいて、複数の画像処理を示す情報を表示する。
【0082】
これにより、選択部195は、複数の画像処理を示す情報を表示する場合、撮像シーンに適した画像処理を優先的に表示する。そのため、ユーザは、撮像シーンに適した画像処理を優先的に選択することができ、より自分の好みに適したように対象画像データに対して画像処理することができる。よって、ユーザは、より対象画像データを自分好みに合わせて変更することができる。
【0083】
また、選択部195は、複数の画像処理を示す情報を表示する場合、画像処理部140により複数の画像処理が実行された履歴に基づいて、複数の画像処理を示す情報を表示してもよい。
【0084】
たとえば、記憶部160が、画像処理履歴記憶部164を備えている。この画像処理履歴記憶部164には、画像処理部140により実行された画像処理の履歴が記憶されている。そして選択部195は、複数の画像処理を示す情報を表示する場合、画像処理履歴記憶部164から読み出した履歴に基づいて、複数の画像処理を示す情報を表示する。
【0085】
一例としては、選択部195は、画像処理履歴記憶部164から読み出した履歴に基づいて、実行された回数が多い画像処理が優先して表示されるようにして、画像処理を表示する。また、選択部195は、画像処理履歴記憶部164から読み出した履歴に基づいて、直近に実行された画像処理がより優先して表示されるようにして、画像処理を表示する。
【0086】
これにより、選択部195は、ユーザが実行した画像処理の履歴に基づいて、画像処理を示す情報を表示することができる。よって、ユーザは、より自分好みの画像処理を選択することが容易にできる。
【0087】
なお、上記の説明においては、画像処理部140は、対象画像データに対して特徴量の値を、第1の設定値生成部191により生成された設定値に基づいて、変更するものとして説明した。しかし、これに限られるものではなく、たとえば、CPU190は、特徴量に対しての設定値を設定する設定部193を備えていてもよい。また、CPU190は、第1の設定値生成部191により生成された設定値を、操作部180をユーザに操作させることにより、ユーザに変更させる設定部193を備えていてもよい。
【0088】
このようにCPU190が設定部193を備えることにより、画像処理部140は、ユーザにより設定された設定値に基づいて、対象画像データに対して特徴量の値を変更することができる。よって、画像処理装置400は、よりユーザの好みに、対象画像データを変更することができる。
【0089】
また、CPU190は、画像データに対して画像処理した場合に変更された特徴量に基づいて設定値を生成する第2の設定値生成部192を備えていてもよい。そして、画像処理部140は、対象画像データに対して、第2の設定値生成部192により生成された設定値に基づいて画像処理してもよい。
【0090】
たとえば、上記に説明したような第1の設定値生成部191により生成された特徴量の設定値、または、設定部193により設定された特徴量の設定値を、CPU190は、設定値記憶部161に記憶させる。第2の設定値生成部192は、画像データに対して画像処理する場合、設定値記憶部161から読み出した設定値であって、画像データに対して画像処理した場合に変更された特徴量を読み出す。そして、画像処理部140は、この第2の設定値生成部192により読み出された設定値に基づいて、画像データに対して画像処理する。このようにして、画像処理装置400は、ユーザの過去に画像処理した場合に変更した設定値に基づいて、画像処理することができる。
【0091】
なお、図2の説明においては、選択部195は、画像処理を実行するか否かを、画像処理1つずつユーザに提示した。しかし、これに限られるものではなく、選択部195は、複数の画像処理を組み合わせて1つのセットとして、複数のセットの中から、いずれかのセットをユーザに操作部180を介して選択させてもよい。そして、画像処理部140は、選択されたセットに含まれている画像処理を実行する。このようにすることにより、ユーザは、1つずつ画像処理を選択することなく、複数の画像処理が組み合わせられているセットを選択することにより、複数の画像処理に対応した特徴量を自分好みに変更することができる。なお、この複数の画像処理を組み合わせられたセットは、ユーザが予め設定してもよいし、CPU190が、ユーザが選択した画像処理の履歴に基づいて生成してもよい。
【0092】
なお、上記の説明においては、第1の設定値生成部191は、画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する。ここでいう「画像データ記憶部」とは、たとえば、記憶媒体200であるものとして説明した。
【0093】
しかし、これに限られるものではなく、「画像データ記憶部」とは、撮像装置100に対して着脱可能な複数の記憶媒体200であってもよい。また、「画像データ記憶部」とは、撮像装置100に着脱されない記憶部であってもよい。たとえば、「画像データ記憶部」とは、パソコンや携帯端末が備える記憶部であって、画像データが記憶されている記憶部であってもよい。また、ネットワーク上に設置されているサーバ装置が備える記憶部であって、画像データが記憶されている記憶部であってもよい。このように、「画像データ記憶部」とは、ユーザが撮像した画像データが撮像されている記憶部であってもよい。また、「画像データ記憶部」とは、ユーザが撮像した画像データに限らず、ユーザが好みとする画像データが記憶されている記憶部であってもよい。このようにすることにより、第1の設定値生成部191は、画像データに対する特徴量を、よりユーザ好みに生成することができる。
【0094】
以上、図1から図3を用いて説明したように、本実施形態の画像処理装置400によれば、第1の設定値生成部191が、画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する。この第1の設定値生成部191により生成された設定値は、画像データ記憶部に記憶されている画像データに基づいているため、ユーザの好みに合致している。そして、画像処理部140は、対象画像データに対して、前記第1の設定値生成部により生成された設定値に基づいて画像処理する。すなわち、画像処理部140は、対象画像データに対して、ユーザの好みに合致している設定値に基づいて画像処理する。そのために、本実施形態による画像処理装置400は、画像処理における設定値をユーザの好みに合わせて変更することができる。
【0095】
なお、記憶部160、および、この記憶部160が備えている設定値記憶部161、操作情報記憶部162、画像処理シーン履歴記憶部163、または、画像処理履歴記憶部164は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
【0096】
また、図1における第1の設定値生成部191、第2の設定値生成部192、設定部193、選択部195、撮像シーン判定部196、または、画像処理部140の各構成は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この各構成はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各構成の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0097】
また、この各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各構成による処理を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0098】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0099】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0100】
100…撮像装置、191…第1の設定値生成部、192…第2の設定値生成部、195…選択部、196…撮像シーン判定部、161…設定値記憶部、162…操作情報記憶部、163…画像処理シーン履歴記憶部、164…画像処理履歴記憶部、400…画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する第1の設定値生成部と、
対象画像データに対して、前記第1の設定値生成部により生成された設定値に基づいて画像処理する画像処理部と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の設定値生成部は、
前記画像データ記憶部から読み出した画像データに対して特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて前記設定値を生成する場合、
前記画像データ記憶部から前記画像データが読み出された回数を含む操作情報が、前記画像データと関連付けられて記憶されている操作情報記憶部から読み出した操作情報であって、当該特徴量が抽出された画像データと関連付けられている操作情報に基づいた重みを、前記抽出された特徴量に付けて前記設定値を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
画像データに対して画像処理した場合に変更された特徴量に基づいて前記設定値を生成する第2の設定値生成部、
を備えており、
前記画像処理部は、
対象画像データに対して、前記第2の設定値生成部により生成された設定値に基づいて画像処理する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、
予め設定されている複数の画像処理の中から画像処理が選択された場合、
当該選択された画像処理と関連付けられている設定値を、前記設定値が画像処理と関連付けて予め記憶されている設定値記憶部から読み出し、当該読み出した設定値と前記選択された画像処理とに基づいて画像処理する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記複数の画像処理を示す情報を表示し、当該表示した情報の中からいずれかを選択することを示す選択情報が入力されたことに応じて、前記複数の画像処理の中から、前記入力された選択情報に対応する画像処理を選択する選択部、
を備えていることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記選択部は、
前記複数の画像処理を示す情報を表示する場合、
前記複数の画像処理の優先順位に基づいて、前記複数の画像処理を示す情報を表示する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記対象画像データに対しての撮像シーンを判定する撮像シーン判定部、
を備えており、
前記選択部は、
前記複数の画像処理を示す情報を表示する場合、
前記撮像シーン判定部により判定された撮像シーンと関連付けて記憶されている画像処理を、画像処理部により実行された画像処理と、当該画像処理された画像に対しての撮像シーンとが関連付けられて記憶されている画像処理シーン履歴記憶部から読み出し、当該読み出した画像処理に基づいて、前記複数の画像処理を示す情報を表示する、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記選択部は、
前記複数の画像処理を示す情報を表示する場合、
前記画像処理部により前記複数の画像処理が実行された履歴に基づいて、前記複数の画像処理を示す情報を表示する、
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像処理部は、
画像データが削除される場合、
当該削除される画像データを前記対象画像データとして画像処理する、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の画像処理装置
を備えていることを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
画像処理装置としてのコンピュータに、
画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する第1の設定値生成手順と、
対象画像データに対して、前記第1の設定値生成手順により生成された設定値に基づいて画像処理する画像処理手順と、
を実行させるための画像処理プログラム。
【請求項12】
画像処理装置としてのコンピュータに、
画像データが予め記憶されている画像データ記憶部から読み出した画像データから特徴量を抽出し、当該抽出した特徴量に基づいて、画像の特徴を示す特徴量に対しての設定値を生成する第1の設定値生成手順と、
対象画像データに対して、前記第1の設定値生成手順により生成された設定値に基づいて画像処理する画像処理手順と、
を実行させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−42333(P2013−42333A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177566(P2011−177566)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】