説明

画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラム

【課題】ホワイトバランス処理において、色温度に関する意図を画像に反映させる際の精度を向上する。
【解決手段】画像処理装置は、画像のホワイトバランスの補正値を求める第1の計算手段と、第1の軸と第1の軸に直交する第2の軸とを有する色度図における黒体放射カーブに沿った方向に補正値を調整するための指定値を受け付ける指定手段と、複数の指定値とそれぞれ第1の軸に沿った複数の第1の調整量とが対応付けられた調整情報を記憶する記憶手段と、指定手段により受け付けられた指定値と調整情報とにより前記第1の軸に沿った第1の調整量を決定し、色度図における補正値の黒体放射カーブからの距離が一定に保たれるように補正値と第1の調整量とに応じて第2の調整量を決定し、第1の調整量と第2の調整量とに応じて補正値を黒体放射カーブに沿った方向に調整し、調整された補正値に応じて前記画像のホワイトバランスを補正する補正手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどの撮像装置では、撮像センサが被写体の画像に応じた画像信号を生成し、制御用の回路が、撮像センサから出力された画像信号に対して、画像のホワイトバランスを自動的に補正するオートホワイトバランス(AWB)処理を行う。具体的には、AWB処理において、撮像センサから出力された画像信号がAD変換によってデジタル化され複数のブロックに分割される。そのブロック信号はR、G、Bを含む色信号で構成されており、そのブロックの色評価値として次の式(1)、(2)で示す値が算出される。
【0003】
Cx[i]=(R[i]−B[i])/Y[i]×1024・・・(1)
Cy[i]=(R[i]+B[i]−2G[i])/Y[i]×1024・・・(2)
ただし、式(1)、(2)において、
Y[i]=R[i]+2G[i]+B[i]・・・(3)
である。AWB処理では、予め設定した白検出範囲に色評価値(Cx[i]、Cy[i])が含まれる場合、そのブロックが白であると判定する。そして、白検出範囲に入った色画素の積分値SumR、SumG、SumBを算出して、次の式(4)〜(6)のようにホワイトバランス係数を算出する。
【0004】
WBCo_R=SumY×1024/SumR・・・(4)
WBCo_G=SumY×1024/SumG・・・(5)
WBCo_B=SumY×1024/SumB・・・(6)
ただし、式(4)〜(6)において、
SumY=(SumR+2×SumG+SumB)/4・・・(7)
である。
【0005】
このようなAWB処理では、特殊光源や複数の光源色の混在しているMix光源などの被写体に追従できず、ユーザの意図に反して、処理後の画像に色残りが生じてしまう場合がある。また、AWB処理では、光源などの被写体に追従できても、処理後の画像がユーザの意図したものと異なることがある。
【0006】
特許文献1には、撮像装置が、手動設定モードにおいて、R(赤)及びB(青)のホワイトバランス(WB)ゲインの可変範囲を現設定値とともに表示することが記載されている。具体的には、特許文献1の図3に示すように、現設定値表示画像200内に、R(赤)に対するWBゲインの可変範囲を示すRレベルゲージ201と、B(青)に対するWBゲインの可変範囲を示すBレベルゲージ202と、現設定値マーク203とが表示される。これにより、特許文献1によれば、手動モード設定時にR(赤)及びB(青)のWBゲインの関係が一目で分かるので、WBゲインの手動設定時での操作性を向上することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許04028358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、ユーザは、画像を単純に適正な色に調整するのではなく、被写体の色温度に関して微調整したいと意図することがある。例えば、ユーザは、低色温度光源の雰囲気を残したいと意図することがある。特許文献1には、色温度に関するユーザの意図を画像に反映させる際における精度をどのようにして向上させるのかについて記載がない。
【0009】
本発明の目的は、ホワイトバランス処理において、色温度に関するユーザの意図を画像に反映させる際における精度を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの側面に係る画像処理装置は、画像のホワイトバランスの補正値を求める第1の計算手段と、第1の軸と前記第1の軸に直交する第2の軸とを有する色度図における黒体放射カーブに沿った方向に前記補正値を調整するための指定値を受け付ける指定手段と、複数の指定値とそれぞれ前記第1の軸に沿った複数の第1の調整量とが対応付けられた調整情報を記憶する記憶手段と、前記指定手段により受け付けられた指定値と前記調整情報とに応じて前記第1の軸に沿った第1の調整量を決定し、前記色度図における補正値の黒体放射カーブからの距離が一定に保たれるように前記補正値と前記第1の調整量とに応じて前記第2の軸に沿った第2の調整量を決定し、前記第1の調整量と前記第2の調整量とに応じて前記補正値を黒体放射カーブに沿った方向に調整し、調整された補正値に応じて前記画像のホワイトバランスを補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホワイトバランス処理において、色温度に関するユーザの意図を画像に反映させる際における精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態に係る撮像装置の構成を示す図。
【図2】第1のWB補正算出処理を示すフローチャート。
【図3】第2のWB補正算出処理を示すフローチャート。
【図4】白検出範囲を示す図。
【図5】撮像装置の表示部を示す図。
【図6】ユーザーが手動設定する指定値と補正量の関係を示すテーブル。
【図7】第1実施形態におけるWB補正の概念図。
【図8】B−A補正とG−M補正の補正方向の関係を示した図。
【図9】第2実施形態におけるWB補正の概念図。
【図10】第2実施形態におけるG−M補正した際のCx方向補正に関するテーブル。
【図11】色温度とCxの関係図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1実施形態に係る撮像装置100を、図1を用いて説明する。撮像装置100は、光学系115、撮像センサ(撮像手段)101、及び画像処理装置119を備える。
【0014】
光学系115は、シャッター、レンズ、及び絞りを含む。シャッターは、光路上においてレンズの手前に設けられ、露出を制御する。レンズは、入射した光を屈折させて、撮像センサ101の撮像面に被写体の像を形成する。レンズは、光路に沿って駆動可能なフォーカスレンズを含む。絞りは、光路上においてレンズと撮像センサ101との間に設けられ、レンズを通過後に撮像センサ101へ導かれる光の量を調節する。
【0015】
撮像センサ101は、画素配列(撮像面)に形成された被写体の像を画像信号に変換する。その撮像面は、例えばベイヤー配列のようなRGBカラーフィルタにより覆われ、カラー撮影が可能な構成となっている。撮像センサ101は、その画像信号を画素配列から読み出して出力する。撮像センサ101は、例えば、CCDイメージセンサ、又はCMOSイメージセンサである。
【0016】
画像処理装置119は、撮像センサ101により取得された画像を処理する。画像処理装置119は、以下の構成要素を備える。
【0017】
メモリ102は、撮像センサ101から出力された画像信号を一時的に記憶する。そして、メモリ102は、記憶している画像信号をホワイトバランス(WB)制御部103へ供給する。
【0018】
WB制御部103は、メモリ102から供給された画像信号に基づいて、AWB(自動ホワイトバランス)処理を行い、画像のホワイトバランスの補正値を求める。また、WB制御部103は、求めた補正値を用いて画像のホワイトバランスを補正する。WB制御部103は、求めた補正値と補正した画像の画像信号とを表示制御部117へ供給する。
【0019】
表示制御部117は、補正値を調整するためのウィンドウを補正値を示すアイコンとともに表示部118に表示させる。また、表示制御部117は、補正した画像も表示部118に表示させる。
【0020】
指定部116は、表示部118を閲覧しているユーザから、補正値を調整するための後述の指定値を受け付ける。指定部116は、受け付けた指定値をWB制御部103へ供給する。
【0021】
WB制御部103は、求めた補正値を指定値に応じて調整し、調整された補正値を用いて画像のホワイトバランスを再び補正する。WB制御部103は、補正後の画像信号を、CPU114と色変換マトリックス(MTX)回路104と輝度信号(Y)生成回路111とへ供給する。なお、このWB制御部103の詳細構成およびWB補正値の算出方法については、後述する。
【0022】
CPU114は、画像信号に基づいて、AF(自動焦点調節)処理、AE(自動露出制御)処理を行う。
【0023】
例えば、CPU114は、AF処理において、合焦領域内にある被写体に合焦するようにフォーカスレンズの駆動量を計算して制御回路113へ供給する。これにより、制御回路113は、計算された駆動量でフォーカスレンズが駆動されるように、光学系115を制御する。
【0024】
例えば、CPU114は、AE処理において、適正な露出値(明るさ)が得られるように、シャッター速度及び絞り値を計算して制御回路113へ供給する。これにより、制御回路113は、計算されたシャッター速度で撮像センサ101の画素配列における各画素が電荷蓄積動作(露光動作)を行うように、光学系115内のシャッターと撮像センサ101とを制御する。
【0025】
色変換MTX回路104は、WB制御部103によりWB補正された画像信号が適正な色で再現されるように画像信号に対して色ゲインをかけることにより、画像信号を色差信号R-Y、B-Yに変換する。色変換MTX回路104は、変換後の色差信号R-Y、B-Yをローパスフィルタ(LPF)回路105へ供給する。
【0026】
LPF回路105は、色差信号R-Y、B-Yの帯域を閾値以下の成分に制限する。すなわち、LPF回路105は、色差信号R-Y、B-Yのうち閾値以下の空間周波数を有した成分を選択的に通過させる。LPF回路105は、通過させた色差信号R-Y、B-YをCSUP(Chroma Supress)回路106へ供給する。
【0027】
CSUP回路106は、LPF回路105で帯域制限された色差信号R-Y、B-Yのうち飽和部分の偽色信号を抑圧する処理を行う。CSUP回路106は、処理後の色差信号R-Y、B-YをRGB変換回路107へ供給する。
【0028】
一方、Y生成回路111は、WB制御部103によりWB補正された画像信号に基づいて輝度信号Yを生成する。Y生成回路111は、生成した輝度信号Yをエッジ強調回路112へ供給する。
【0029】
エッジ強調回路112は、輝度信号Yに応じた画像におけるエッジ検出を行い、検出されたエッジ部分を強調するエッジ強調処理を施す。エッジ強調回路112は、処理後の輝度信号Y(に応じた画像)をRGB変換回路107へ供給する。
【0030】
RGB変換回路107は、CSUP回路106から供給された色差信号R-Y、B-Yと、エッジ強調回路112から供給された輝度信号Yとを合成し、合成後の信号をRGB信号に変換する。RGB変換回路107は、変換後のRGB信号をガンマ(γ)補正回路108へ供給する。
【0031】
γ補正回路108は、RGB信号に対して階調補正を施す。γ補正回路108は、補正後のRGB信号を色輝度変換回路109へ供給する。
【0032】
色輝度変換回路109は、RGB信号をYUV信号に変換する。色輝度変換回路109は、YUV信号を圧縮回路110へ供給する。
【0033】
圧縮回路110は、YUV信号を所定の圧縮方式(例えば、JPEG方式)で圧縮して圧縮画像信号を生成する。圧縮回路110は、圧縮画像信号を外部記録媒体(図示せず)又は内部記録媒体(図示せず)に記録する。外部記録媒体は、撮像装置100に着脱可能に接続され、内部記録媒体は、撮像装置100に内蔵されている。外部記録媒体は、例えば、光磁気ディスク、又はメモリカードである。内部記録媒体は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)である。
【0034】
次に、WB制御部103の詳細構成を、図1を用いて説明する。
【0035】
WB制御部103は、第1の計算部103a、記憶部103b、第2の計算部103c、及び補正部103dを含む。
【0036】
第1の計算部103aは、メモリ102から供給された画像信号に基づいて、AWB(自動ホワイトバランス)処理を行い、画像のホワイトバランスの補正値を求める。また、第1の計算部103aは、求めた補正値を用いて画像のホワイトバランスを補正する。第1の計算部103aは、求めた補正値と補正後の画像の画像信号とを表示制御部117へ供給する。表示制御部117は、補正値を調整するためのウィンドウを補正値を示すアイコンとともに表示部118に表示させる。表示部118は、図5に示すディスプレイ501を含む。ディスプレイ501は、例えば、補正値を調整するためのウィンドウ502と、補正値を示すアイコン503とを表示する。ウィンドウ502は、B(ブルー)−A(アンバ)方向と、G(グリーン)−M(マゼンタ)方向とを2つの軸とする。
【0037】
B−A方向は、色度図(図4、図7参照)における黒体放射カーブ302に沿った方向であり、色温度を変化させる色温度方向である。B−A方向の軸は、黒体放射軸、又は色温度軸とも呼ばれる。色度図は、例えば、図4又は図7に示すように、Cx軸(第1の軸)と、Cx軸に直交するCy軸(第2の軸)とを有する。Cx軸方向(第1の軸方向)の座標は、数式(1)により求めた色評価値である。Cy軸方向(第2の軸方向)の座標は、数式(2)により求めた色評価値である。また、G−M方向は、色度図における黒体放射カーブ302に直交する方向であり、色温度方向と直交する蛍光灯方向である。ウィンドウ502では、AWB処理により求められた補正値を示すアイコン503が原点として表示されている。また、ディスプレイ501は、EVF(Electronic View Finder)としての機能も有しており、AWB処理により補正された画像も表示する。
【0038】
これに応じて、指定部116は、表示部118を閲覧しているユーザから、B−A方向に補正値を調整するためのB−A指定値と、G−M方向に補正値を調整するためのG−M指定値(第2の指定値)とを受け付ける。指定部116は、受け付けたB−A指定値とG−M指定値とを表示制御部117へ供給する。表示制御部117は、ウィンドウ502における補正値B−A指定値とG−M指定値とに応じたB−A方向及びG−M方向の座標位置を決定する。表示制御部117は、決定した座標位置に応じて、指定された調整量に応じた補正値を示すアイコンを表示部118にさらに表示させる。表示部118のディスプレイ501は、例えば、ウィンドウ502内に、指定された調整量に応じた補正値を示すアイコン504をさらに表示する。ウィンドウ502では、AWB処理により求められた補正値を示すアイコン503が原点として表示されているので、アイコン504の座標がB−A方向及びG−M方向それぞれの調整量を示している。また、指定部116は、受け付けたB−A指定値とG−M指定値とを補正部103dへも供給する。
【0039】
記憶部103bは、図6(a)に示すような、複数のB−A指定値と複数の第1の調整量とが対応付けられた調整情報を記憶する。複数のB−A指定値は、それぞれ、指定部116が受け付けるべきB−A指定値の候補となる値である。複数の第1の調整量は、それぞれ、Cx軸に沿った調整量であり、B−A方向の調整量がウィンドウ502内に示されるべきB−A方向の調整量に対応するように予め求められた量である。この調整情報を参照することにより、補正部103dは、後述のように、指定部116により受け付けられたB−A指定値に対応した第1の調整量を決定することができる。
【0040】
また、記憶部103bは、図6(b)に示すような、複数のG−M指定値と複数の第3の調整量とが対応付けられた第2の調整情報を記憶する。複数のG−M指定値は、それぞれ、指定部116が受け付けるべきG−M指定値の候補となる値である。複数の第3の調整量は、それぞれ、Cy軸に沿った調整量であり、G−M方向の調整量がウィンドウ502内に示されるべきG−M方向の調整量に対応するように予め求められた量である。この第2の調整情報を参照することにより、補正部103dは、後述のように、指定部116により受け付けられたG−M指定値に対応した第3の調整量を決定することができる。
【0041】
第2の計算部103cは、色度図(図7参照)における補正値(Cx0,Cy0)の黒体放射カーブ302からのCy軸に沿った距離DisCyを求める。補正値(Cx0,Cy0)は、第1の計算部103aによるAWB処理で求められた補正値である。第2の計算部103cは、求めた距離DisCyの情報を補正部103dへ供給する。
【0042】
補正部103dは、指定部116からB−A指定値が供給されたことに応じて、記憶部103bにアクセスして調整情報(図6(a)参照)を参照する。補正部103dは、指定部116により受け付けられたB−A指定値と調整情報とに応じてCx軸に沿った第1の調整量ΔCxを決定する。また、補正部103dは、第2の計算部103cにより求められた距離が一定に保たれるように、AWB処理で求められた補正値(Cx0,Cy0)と上記の決定した第1の調整量ΔCxとに応じてCy軸に沿った第2の調整量ΔCx_yを決定する。そして、補正部103dは、第1の調整量ΔCxと第2の調整量ΔCx_yとに応じて補正値(Cx0,Cy0)を黒体放射カーブ302に沿った方向に調整し、調整された補正値(Cx’,Cy’)を得る。
【0043】
また、補正部103dは、指定部116からG−M指定値が供給されたことに応じて、記憶部103bにアクセスして第2の調整情報(図6(b)参照)を参照する。補正部103dは、指定部116により受け付けられたG−M指定値と第2の調整情報とに応じてCy軸に沿った第3の調整量ΔCyを決定する。そして、補正部103dは、第3の調整量ΔCyに応じて補正値(Cx0,Cy0)を黒体放射カーブ302に直交する方向にさらに調整する。すなわち、補正部103dは、第3の調整量ΔCyに応じて、調整された補正値(Cx’,Cy’)を黒体放射カーブ302に直交する方向にさらに調整し、調整された補正値(Cx’,Cy”)を得る。補正部103dは、調整された補正値(Cx’,Cy”)を用いて画像のホワイトバランスを補正する。
【0044】
このように、AWB処理で求められた補正値を、指定部116により受け付けられたB−A指定値に対応した調整量で黒体放射カーブからの距離を保ちながら調整する。これにより、ホワイトバランスの補正値を、色温度方向のユーザの意図に追従した値へ調整できる。また、ホワイトバランスの補正値を、ウィンドウ502内におけるアイコン504(図5参照)のB−A方向の座標に対応した調整量で調整することができる。すなわち、ホワイトバランス処理において、色温度に関するユーザの意図を画像に反映させる際における精度を向上することができる。
【0045】
さらに、調整された補正値を、指定部116により受け付けられたG−M指定値に対応した調整量で調整する。これにより、ホワイトバランスの補正値を、色温度方向と直交する方向のユーザの意図に追従した値へ調整できる。また、ホワイトバランスの補正値を、ウィンドウ502内におけるアイコン504(図5参照)のG−M方向の座標に対応した調整量で調整することができる。すなわち、この点からも、ホワイトバランス処理において、色温度に関するユーザの意図を画像に反映させる際における精度を向上することができる。
【0046】
次に、WB制御部103におけるWB補正値算出方法について、図2を用いて説明する。
【0047】
図2に示すS201では、第1の計算部103aが、AWB処理を行い、画像のホワイトバランスの補正値を求める。また、第1の計算部103aは、求めた補正値を用いて画像のホワイトバランスを補正する。第1の計算部103aは、求めた補正値と補正後の画像の画像信号とを表示制御部117へ供給する。具体的には、第1の計算部103aが、図3に示すAWB処理を行う。
【0048】
図3に示すS101では、第1の計算部103aが、メモリ102に記憶された画像信号を読み出し、そのフレームを複数(例えばm個)のブロックに分割する。第1の計算部103aは、複数のブロックから処理対象(例えば、i番目)のブロックを選択する。
【0049】
S102では、第1の計算部103aが、処理対象(例えば、i番目)のブロックにおいて、画素値を各色で加算平均して色平均値(R[i]、G[i]、B[i]、)を算出し、式(8)、(9)を用いて色評価値(Cx[i]、Cy[i])を算出する。
【0050】
Cx[i]=(R[i]−B[i])/Y[i]×1024・・・(8)
Cy[i]=(R[i]+B[i]−2G[i])/Y[i]×1024・・・(9)
ただし、式(8)、(9)において、
Y[i]=R[i]+2G[i]+B[i]・・・(10)
である。
【0051】
S103では、第1の計算部103aが、S102で算出したi番目のブロックの色評価値(Cx[i]、Cy[i])が、予め設定した白検出範囲301(図4参照)に含まれるかどうかを判断する。白検出範囲301は、予め異なる光源下で白色物体を撮影し、算出した色評価値をプロットしたものである。図4の色度図におけるx座標(Cx)の負方向が高色温度被写体の白を撮影したときの色評価値、正方向が低色温度被写体の白を撮影したときの色評価値である。またy座標(Cy)は光源の緑成分の度合いを意味しており、負方向になるにつれGreen成分が大きくなり、つまり蛍光灯であることを示している。
【0052】
第1の計算部103aは、算出した色評価値(Cx[i]、Cy[i])が白検出範囲301に含まれると判断した場合(S103でYES)、処理をS104へ進める。第1の計算部103aは、算出した色評価値(Cx[i]、Cy[i])が白検出範囲301に含まれないと判断した場合(S103でNO)、処理をS105へ進める。
【0053】
S104では、第1の計算部103aが、そのブロックが白色であると判断して、そのブロックの色平均値(R[i]、G[i]、B[i])を積算していく。この処理は、式(11)〜(13)により表すことができる
SumR=Σi=0Sw[i]×R[i]・・・(11)
SumG=i=0ΣSw[i]×G[i]・・・(12)
SumB=i=0ΣSw[i]×B[i]・・・(13)
式(11)〜(13)において、色評価値(Cx[i]、Cy[i])が白検出範囲(図4の301)に含まれる場合はSw[i]を1に、含まれない場合にはSw[i]を0とすることにより、S103の判断により色評価値(R[i]、G[i]、B[i])加算を行うか、行わないかの処理を実質的に行っている。
【0054】
S105では、第1の計算部103aが、すべてのブロックについて上記処理を行ったかどうかを判断する。第1の計算部103aは、未処理のブロックがあると判断した場合、未処理のブロックから処理対象のブロックを選択して処理をS102に戻す。第1の計算部103aは、未処理のブロックがないと判断した場合、処理をS106へ進める。
【0055】
S106では、第1の計算部103aが、得られた色評価値の積分値(SumR、SumG、SumB)から、以下の式(14)〜を用いて、WB補正値(WBCo_R、WBCo_G、WBCo_B)を算出する。
【0056】
WBCo_R=SumY×1024/SumR・・・(14)
WBCo_G=SumY×1024/SumG・・・(15)
WBCo_B=SumY×1024/SumB・・・(16)
ただし、式(14)〜(16)において、
SumY=(SumR+2×SumG+SumB)/4・・・(17)
である。
【0057】
図2に示すS202では、補正部103dが、ユーザーがWB補正値を指定したか否かを判断する。具体的には、補正部103dは、指定部116からB−A指定値及びG−M指定値が供給されたことに応じて、ユーザーがWB補正値を指定したと判断する。補正部103dは、所定時間経過しても指定部116からB−A指定値及びG−M指定値が供給されなかったことに応じて、ユーザーがWB補正値を指定しなかったと判断する。補正部103dは、ユーザーがWB補正値を指定したと判断した場合、処理をS203へ進め、ユーザーがWB補正値を指定しなかったと判断した場合、処理をS206へ進める。
【0058】
S203では、補正部103dが、記憶部103bにアクセスして調整情報(図6(a)参照)を参照する。補正部103dは、指定部116により受け付けられたB−A指定値と調整情報とに応じてCx軸に沿った第1の調整量ΔCxを決定する。補正部103dは、補正値のx座標Cx0に第1の調整量ΔCxを加算して、調整された補正値のx座標
Cx’=Cx0+ΔCx・・・(18)
を得る。
【0059】
一方、第2の計算部103cは、色度図(図7参照)における補正値(Cx0,Cy0)の黒体放射カーブ302からのCy軸に沿った距離DisCyを算出する。具体的には、第2の計算部103cは、黒体放射カーブ302における補正値(Cx0,Cy0)に対応した部分を点AB間に決定する。第2の計算部103cは、点A(Cx_A,Cy_A)と点B(Cx_B,Cy_B)との間を結ぶ直線の傾き
a1=(Cy_B−Cy_A)/(Cx_B−Cx_A)・・・(19)
とy切片
b1=Cy_A−a1×Cx_A・・・(20)
とを求める。そして、第2の計算部103cは、その直線の傾きa1とy切片b1とを用いて、Cy軸に沿った距離
DisCy=a1×Cx0+b1−Cy0・・・(21)
を求める。第2の計算部103cは、求めた距離DisCyの情報を補正部103dへ供給する。
【0060】
そして、補正部103dは、第2の計算部103cにより求められた距離が一定に保たれるように、AWB処理で求められた補正値(Cx0,Cy0)と上記の決定した第1の調整量ΔCxとに応じてCy軸に沿った第2の調整量ΔCx_yを決定する。具体的には、補正部103dは、黒体放射カーブ302における調整された補正値のx座標Cx’に対応した部分を点BC間に決定する。補正部103dは、点B(Cx_B,Cy_B)と点C(Cx_C,Cy_C)との間を結ぶ直線の傾き
a2=(Cy_C−Cy_B)/(Cx_C−Cx_B)・・・(22)
とy切片
b2=Cy_B−a2×Cx_B・・・(23)
とを求める。そして、補正部103dは、その直線の傾きa2とy切片b2と上記の距離DisCyとを用いて、調整された補正値のy座標
Cy’=a2×Cx’+b2−DisCy・・・(24)
を得る。ここで、式(24)に式(21)を代入すると、
Cy’=a2×Cx’+b2−(a1×Cx0+b1−Cy0)
=Cy0+(a2×Cx’+b2−a1×Cx0−b1)
=Cy0+ΔCx_y・・・(25)
となる。すなわち、式(24)に示されるように、補正部103dは、補正値のy座標Cy0と第2の調整量ΔCx_yとを加算して、調整された補正値のy座標Cy’を得る。
【0061】
このように、補正部103dは、第1の調整量ΔCxと第2の調整量ΔCx_yとに応じて補正値(Cx0,Cy0)を黒体放射カーブ302に沿った方向に調整し、調整された補正値(Cx’,Cy’)を得る。
【0062】
S204では、補正部103dが、記憶部103bにアクセスして第2の調整情報(図6(b)参照)を参照する。補正部103dは、指定部116により受け付けられたG−M指定値と第2の調整情報とに応じてCy軸に沿った第3の調整量ΔCyを決定する。補正部103dは、調整された補正値のy座標Cy’に第3の調整量ΔCyを加算して、さらに調整された補正値のy座標
Cy”=Cy’+ΔCy・・・(26)
を得る。このように、補正部103dは、第3の調整量ΔCyに応じて、調整された補正値(Cx’,Cy’)を黒体放射カーブ302に直交する方向にさらに調整し、調整された補正値(Cx’,Cy”)を得る。
【0063】
S205では、補正部103dが、調整された補正値(Cx’,Cy”)を用いて画像のホワイトバランスを補正する。
【0064】
S206では、補正部103dが、AWB処理で求められた補正値(Cx0,Cy0)を用いて画像のホワイトバランスを補正する。
【0065】
次に、本発明の第2実施形態に係る撮像装置を、図8〜図10を用いて説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0066】
第2実施形態では、図8に示すように、G−M方向の補正において黒体放射カーブ302の傾きに応じてCx方向の補正量を調節する。
【0067】
ここで、黒体放射カーブの傾きが急峻な場合には、図10(a)のようにB−A方向の調整量とG−M方向の調整量との直交性が低下する。すなわち、図5に示すように、ディスプレイ501は、ウィンドウ502内にB−A方向の軸とG−M方向の軸とを直交させた形態で表示している。そして、ディスプレイ501は、ウィンドウ502内におけるアイコン504のB−A方向の座標でB−A方向の調整量を示し、アイコン504のG−M方向の座標でG−M方向の調整量を示している。そのため、B−A方向の調整量とG−M方向の調整量との直交性が低下すると、それらの実際の調整量が、ウィンドウ502内におけるアイコン504で示されたものと対応しなくなる可能性がある。
【0068】
それに対して、本実施形態では、記憶部103bが、図9に示すように、複数のG−M指定値と複数の傾きと複数の第4の調整量とが対応付けられた第3の調整情報をさらに記憶する。複数の第4の調整量は、それぞれ、Cx軸に沿った調整量であり、G−M方向の調整量がウィンドウ502内に示されるべきG−M方向の調整量に対応するように、すなわちB−A方向との間の直交性が向上するように予め求められた量である。
【0069】
補正部103dは、指定部116により受け付けられたG−M指定値と第2の計算部103cにより求められた傾きa2(式(22)参照)と第3の調整情報とに応じてCx軸に沿った第4の調整量ΔCx_yを決定する。補正部103dは、調整された補正値のx座標Cx’に第4の調整量ΔCx_yを加算して、調整された補正値のx座標
Cx”=Cx’+ΔCx_y・・・(27)
を得る。補正部103dは、調整された補正値(Cx”,Cy”)を用いて画像のホワイトバランスを補正する。すなわち、補正部103dは、G−M方向の補正において、第3の調整量ΔCyと第4の調整量ΔCx_yとに応じて、調整された補正値(Cx’,Cy’)を黒体放射カーブ302に直交する方向にさらに調整し、調整された補正値(Cx”,Cy”)を得る。補正部103dは、調整された補正値(Cx”,Cy”)を用いて画像のホワイトバランスを補正する。
【0070】
このように、AWB処理で求められた補正値を、G−M方向の補正において、B−A方向との間の直交性が向上するように、指定部116により受け付けられたG−M指定値に対応した調整量で調整する。これにより、ホワイトバランスの補正値を、色温度方向と直交する方向のユーザの意図に追従した値へ調整できる。また、ホワイトバランスの補正値を、ウィンドウ502内におけるアイコン504(図5参照)のG−M方向の座標に対応した調整量で調整することができる。すなわち、ホワイトバランス処理において、色温度に関するユーザの意図を画像に反映させる際における精度をさらに向上することができる。
【0071】
なお、補正部103dは、第2の計算部103cにより求められた傾きが、図9で示す傾きの間の値をとる場合、線形補間により第4の調整量ΔCx_yを算出してもよい。
【0072】
次に、本発明の第3実施形態に係る撮像装置を、図11を用いて説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0073】
第1の実施形態では、B−A方向に補正する場合、ユーザーが設定したB−A指定値と第1の調整量ΔCxとを対応付けている。
【0074】
本実施形態では、B−A方向に補正する場合、ユーザーが設定したB−A指定値とミレッド(色温度変換フィルターの濃度を表す時などに使用される色温度単位。ミレッド=10の6乗/色温度)と色温度とで対応付けした形態である。
【0075】
具体的には、記憶部103bが、図11に示すように、複数の色温度とそれぞれCx軸を基準とした複数の座標(例えば、Cx1〜Cx6)とが対応付けられた対応情報を記憶する。補正部103dは、記憶部103bにアクセスして対応情報を参照し、その対応情報を用いて、AWB処理で求めた補正値のx座標Cx0を色温度Tに変換する。Cxと色温度との対応付けられた対応情報は、予め代表的な色温度の光源とCxとをプロットすることで取得されたものである。ここで算出された色温度Tを式(28)によりミレッド値Mに変換する。
【0076】
M=10/T・・・(28)
そして、ユーザーが指定するB−A指定値の1刻みの幅をΔMミレッドと定義してユーザーが指定した補正強度nに応じて式(28)により求めたミレッドを調整する。例えば、調整されたミレッド値をM’とすると、B−A方向におけるB(Blue)方向に補正したい場合、
M’=M+n×ΔM・・・(29)
とし、B−A方向におけるA(Amber)方向に補正した場合、
M’=M−n×ΔM・・・(30)
とする。すなわち、補正部103dは、B−A指定値からミレッド値の調整量を決定し、決定した調整量(n×ΔM、又は−n×ΔM)に応じてミレッド値Mを調整する。そして、補正部103dは、式(31)により、調整されたミレッド値M’を、調整された色温度T’に変換する。
【0077】
T’=10/M’・・・(31)
さらに、補正部103dは、図11に示す対応情報に応じて、調整された色温度T’を調整された補正値の座標Cx’に変換する。そして、補正部103dは、調整された補正値の座標Cx’に応じた補正値(Cx’,Cy’)を用いて、画像のホワイトバランスを補正する。
【0078】
このように、AWB処理で求めた補正値の座標を、人間の視覚における色の認識に近くほぼ比例関係にあるとみなせるミレッド値に変換するので、その比例関係を用いてB−A指定値からミレッド値の調整量を決定することができる。したがって、このような方法によっても、ホワイトバランスの補正値を、色温度方向のユーザの意図に追従した値へ調整できる。
【0079】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像のホワイトバランスの補正値を求める第1の計算手段と、
第1の軸と前記第1の軸に直交する第2の軸とを有する色度図における黒体放射カーブに沿った方向に前記補正値を調整するための指定値を受け付ける指定手段と、
複数の指定値とそれぞれ前記第1の軸に沿った複数の第1の調整量とが対応付けられた調整情報を記憶する記憶手段と、
前記指定手段により受け付けられた指定値と前記調整情報とに応じて前記第1の軸に沿った第1の調整量を決定し、前記色度図における補正値の黒体放射カーブからの距離が一定に保たれるように前記補正値と前記第1の調整量とに応じて前記第2の軸に沿った第2の調整量を決定し、前記第1の調整量と前記第2の調整量とに応じて前記補正値を黒体放射カーブに沿った方向に調整し、調整された補正値に応じて前記画像のホワイトバランスを補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記指定手段は、前記色度図における黒体放射カーブに直交する方向に前記補正値を調整するための第2の指定値をさらに受け付け、
前記記憶手段は、複数の第2の指定値とそれぞれ前記第2の軸に沿った複数の第3の調整量とが対応付けられた第2の調整情報をさらに記憶し、
前記補正手段は、前記指定手段により受け付けられた第2の指定値と前記第2の調整情報とに応じて前記第2の軸に沿った第3の調整量を決定し、前記第3の調整量に応じて前記補正値を黒体放射カーブに直交する方向に調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記色度図における黒体放射カーブの前記補正値と前記第1の調整量とに対応した部分の傾きを求める第2の計算手段をさらに備え、
前記記憶手段は、複数の第2の指定値と複数の傾きとそれぞれ前記第1の軸に沿った複数の第4の調整量とが対応付けられた第3の調整情報をさらに記憶し、
前記補正手段は、前記指定手段により受け付けられた第2の指定値と前記第2の計算手段により求められた傾きと前記第3の調整情報とに応じて前記第1の軸に沿った第4の調整量を決定し、前記第3の調整量と前記第4の調整量とに応じて前記補正値を黒体放射カーブに直交する方向に調整する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
黒体放射カーブに沿った方向と黒体放射カーブに直交する方向とを2つの軸とするウィンドウを前記補正値を示すアイコンとともに表示手段に表示させる表示制御手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像のホワイトバランスの補正値を求める第1の計算手段と、
第1の軸と前記第1の軸に直交する第2の軸とを有する色度図における黒体放射カーブに沿った方向に前記補正値を調整するための指定値を受け付ける指定手段と、
前記色度図における前記補正値の前記第1の軸方向の座標を求める第2の計算手段と、
複数の色温度とそれぞれ複数の前記第1の軸方向の座標とが対応付けられた対応情報を記憶する記憶手段と、
前記対応情報に応じて前記補正値の前記第1の軸方向の座標を色温度に変換し、前記色温度をミレッド値にさらに変換した後、前記指定手段により受け付けられた指定値に応じて前記ミレッド値に対する調整量を決定し、前記調整量に応じて前記ミレッド値を調整し、調整されたミレッド値を調整された色温度に変換し、前記対応情報に応じて前記調整された色温度を調整された補正値の座標に変換した後、調整された補正値の前記第1の軸方向の座標に応じて前記画像のホワイトバランスを補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
撮像手段と、
前記撮像手段により取得された画像を処理する請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
第1の計算手段が、画像のホワイトバランスの補正値を求める第1の計算工程と、
指定手段が、第1の軸と前記第1の軸に直交する第2の軸とを有する色度図における黒体放射カーブに沿った方向に前記補正値を調整するための指定値を受け付ける指定工程と、
記憶手段が、複数の指定値とそれぞれ前記第1の軸に沿った複数の第1の調整量とが対応付けられた調整情報を記憶する記憶工程と、
補正手段が、前記指定手段により受け付けられた指定値と前記調整情報とに応じて前記第1の軸に沿った第1の調整量を決定し、前記色度図における補正値の黒体放射カーブからの距離が一定に保たれるように前記補正値と前記第1の調整量とに応じて前記第2の軸に沿った第2の調整量を決定し、前記第1の調整量と前記第2の調整量とに応じて前記補正値を黒体放射カーブに沿った方向に調整し、調整された補正値を用いて前記画像のホワイトバランスを補正する補正工程と、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
画像のホワイトバランスの補正値を求める第1の計算手段と、
第1の軸と前記第1の軸に直交する第2の軸とを有する色度図における黒体放射カーブに沿った方向に前記補正値を調整するための指定値を受け付ける指定手段と、
複数の指定値とそれぞれ前記第1の軸に沿った複数の第1の調整量とが対応付けられた調整情報を記憶する記憶手段と、
前記指定手段により受け付けられた指定値と前記調整情報とに応じて前記第1の軸に沿った第1の調整量を決定し、前記色度図における補正値の黒体放射カーブからの距離が一定に保たれるように前記補正値と前記第1の調整量とに応じて前記第2の軸に沿った第2の調整量を決定し、前記第1の調整量と前記第2の調整量とに応じて前記補正値を黒体放射カーブに沿った方向に調整し、調整された補正値を用いて前記画像のホワイトバランスを補正する補正手段と、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−40975(P2011−40975A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186154(P2009−186154)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】