説明

画像処理装置、画像処理プログラム

【課題】試し印刷の結果としての印刷物を有効活用することのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、複数の頁の印刷データに対応して設定される試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得する取得手段と、取得手段によって取得された情報に基づき前記試し印刷すべき頁の印刷データについて試し印刷するよう制御する第1の制御手段と、前記試し印刷が実施された後の本印刷のときは前記複数の頁の印刷データから前記試し印刷すべき頁の印刷データを除いた印刷データについて本印刷するよう制御する第2の制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタには、複数の頁の印刷データの一部の頁の印刷データについて試し印刷(サンプルプリント)を実施し、その試し印刷の結果に応じてユーザによって印刷継続の指示が行われた場合に、本印刷を実行するものがある。
【0003】
例えば、試し印刷を実施するに際し、複数の頁の印刷データの1頁分のみ試し印刷を実施するもの(例えば、特許文献1参照。)、複数の頁の印刷データのうち全頁ではない複数の頁分について試し印刷を実施するもの(例えば、特許文献2参照。)、複数の頁の印刷データのうち任意の頁について試し印刷を実施するもの(例えば、特許文献3参照。)、が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−187375号公報
【特許文献2】特開2004−032704号公報
【特許文献3】特開2005−190208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、試し印刷の結果としての印刷物を有効活用することのできる画像処理装置、画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像処理装置は、複数の頁の印刷データに対応して設定される試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された情報に基づき前記試し印刷すべき頁の印刷データについて試し印刷するよう制御する第1の制御手段と、前記試し印刷が実施された後の本印刷のときは前記複数の頁の印刷データから前記試し印刷すべき頁の印刷データを除いた印刷データについて本印刷するよう制御する第2の制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記第2の制御手段は、前記試し印刷すべき頁にかかわる最終の頁の次の頁の印刷データから本印刷を開始するよう制御する、ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記第2の制御手段は、前記試し印刷すべき頁にかかわる最終の頁の次の頁の印刷データから前記複数の頁の印刷データにかかわる最終の頁の印刷データまでを順次、本印刷するよう制御するとともに、前記複数の頁の印刷データにかかわる最初の頁の印刷データから前記試し印刷すべき頁にかかわる最初の頁の直前の頁の印刷データまでを順次、本印刷するよう制御する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記第2の制御手段は、前記試し印刷すべき頁にかかわる最初の頁の直前の頁の印刷データについての本印刷が実行されたときは、当該印刷データに対応する画像が印刷された記録媒体が排出された後に本印刷を一時停止するよう制御する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記第2の制御手段は、前記試し印刷すべき頁の次の頁の印刷データに対応する画像が印刷される記録媒体については、前回に排出された記録媒体の排出状態とは異なる状態で排出されるよう制御する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、供給される記録媒体に対し印刷データに基づく画像を形成する形成手段と、前記形成手段から搬送される記録媒体を収容する収容手段と、記録媒体を収容するとともに当該記録媒体を前記形成手段に向けて供給する供給手段と、を更に有し、前記供給手段は、前記試し印刷すべき頁の印刷データに基づき試し印刷された結果としての試し印刷済みの記録媒体を収容し、前記第2の制御手段は、今回印刷すべき頁が前記試し印刷すべき頁に該当するときは、前記供給手段に対し、収容している前記試し印刷済みの記録媒体を前記形成手段に向けて供給するよう制御するとともに、前記形成手段に対し、今回供給される記録媒体に対する画像形成は実施しないよう制御する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記取得手段は、前記複数の頁の印刷データに対応して設定される記録媒体の両面に印刷すべき旨、試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得し、前記第1の制御手段は、前記取得手段によって取得された情報に基づき、記録媒体の両面のうち一方の面にのみ前記試し印刷すべき頁が対応するときは、当該記録媒体の他方の面に対し本印刷のときに印刷されるべき頁についても試し印刷を実行するよう制御する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、上記請求項7に記載の発明において、供給される記録媒体に対し印刷データに基づく画像を形成する形成手段と、前記形成手段から搬送される記録媒体を収容する収容手段と、記録媒体を収容するとともに当該記録媒体を前記形成手段に向けて供給する供給手段と、を更に有し、前記供給手段は、両面に試し印刷が施された試し印刷済みの記録媒体を収容し、前記第2の制御手段は、本印刷での今回の記録媒体の両面に印刷すべき頁が前記試し印刷が実施された頁に該当するときは、前記供給手段に対し、収容している前記試し印刷済みの記録媒体を前記形成手段に向けて供給するよう制御するとともに、前記形成手段に対し、今回供給される記録媒体の両面に対する画像形成は実施しないよう制御する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、上記請求項6に記載の発明において、前記取得手段は、前記複数の頁の印刷データに対応して設定される記録媒体の両面に印刷すべき旨、試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得し、前記供給手段は、前記試し印刷すべき頁の印刷データに基づき試し印刷された結果としての試し印刷済みの記録媒体を収容し、前記第2の制御手段は、記録媒体の両面のうち一方の面に対応して前記試し印刷済みの頁が存在し、他方の面に対応して本印刷すべき頁が存在するときは、前記供給手段に対し、当該試し印刷済みの頁が存在し収容している記録媒体を前記形成手段に向けて供給するよう制御するとともに、前記形成手段に対し、今回供給される記録媒体の他方の面に当該本印刷すべき頁について画像形成するよう制御する、ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するため、請求項10に記載の本発明の画像処理プログラムは、複数の頁の印刷データに対応して設定される試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得する取得処理過程と、前記取得処理過程により取得された情報に基づき前記試し印刷すべき頁の印刷データについて試し印刷するよう制御する第1の制御処理過程と、前記試し印刷が実施された後の本印刷のときは前記複数の頁の印刷データから前記試し印刷すべき頁の印刷データを除いた印刷データについて本印刷するよう制御する第2の制御処理過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、試し印刷の結果としての印刷物を有効活用することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、ユーザは本印刷の結果としての印刷物における試し印刷の結果としての印刷物を挿入する位置を容易に認識することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、ユーザは本印刷の結果としての印刷物における試し印刷の結果としての印刷物を挿入する位置を容易に認識することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、ユーザは本印刷の結果としての印刷物における試し印刷の結果としての印刷物を挿入する位置を容易に認識することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、ユーザは本印刷の結果としての印刷物における試し印刷の結果としての印刷物を挿入する位置を容易に認識することができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、本印刷が終了した時点で印刷対象の複数の頁の印刷データに対応して頁順に揃った全ての印刷物を得ることができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、両面印刷のときに一方の面に対応して試し印刷すべき頁が設定されている場合であっても、試し印刷の結果として両面印刷された印刷物が得られ、試し印刷の結果としての印刷物を有効活用することができる。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、両面印刷のときに本印刷が終了した時点で印刷対象の複数の頁の印刷データに対応して頁順に揃った全ての印刷物を得ることができる。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、両面印刷のときに本印刷が終了した時点で印刷対象の複数の頁の印刷データに対応して頁順に揃った全ての印刷物を得ることができる。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、試し印刷の結果としての印刷物を有効活用させるソフトウェアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態に係わる画像形成システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係わるプリンタの制御部の詳細な機能構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係わるプリンタの試し印刷および本印刷を含む印刷処理(全体の印刷処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態に係わるプリンタの印刷処理(全体の印刷処理)における指定ページ印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係わるプリンタの本印刷処理におけるサンプル以外のみの出力処理(第1の出力処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係わるプリンタの本印刷処理におけるサンプル以外のみの出力処理(第2の出力処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態に係わるプリンタの本印刷処理におけるサンプル以外のみの出力処理(第3の出力処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係わるプリンタの試し印刷および本印刷を含む印刷処理の一例を説明する図である。
【図9】実施の形態に係わるプリンタの試し印刷および本印刷を含む印刷処理の他の例を説明する図である。
【図10】実施の形態に係わるプリンタの両面印刷のときのサンプル出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態に係わるプリンタの両面印刷のときのサンプル出力処理における指定シート両面印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係わるプリンタの両面印刷処理での本印刷処理におけるサンプル以外のみの出力処理(第4の出力処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態に係わるプリンタの両面印刷処理での本印刷処理におけるサンプル以外のみの出力処理(第5の出力処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態に係わるプリンタの両面印刷処理での本印刷処理におけるサンプル以外のみの出力処理(第6の出力処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態に係わるプリンタの両面印刷処理での本印刷処理におけるサンプル以外のみの出力処理(第7の出力処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態に係わるプリンタの両面印刷での試し印刷および本印刷を含む印刷処理の一例を説明する図である。
【図17】実施の形態に係わるプリンタのハードウェア構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0028】
実施の形態に係わる画像形成システムについて説明する。
【0029】
画像形成システム10は、図1に示すように、コンピュータ100とプリンタ200とが通信回線20を介して接続されている。
【0030】
通信回線20としては、ローカルエリアネットワーク(LAN=Local Area Network)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、これらの通信回線を組み合わせたもの、さらにはUSBインターフェース(USB通信ケーブル)などが挙げられる。実施の形態では、通信回線20はネットワークを採用するものとする。
【0031】
情報処理装置としてのコンピュータ100は、図1に示すように、印刷データをプリンタ200に向けて送信し印刷要求を行うものであり、アプリケーション110、ドライバ120およびインターフェース130を有している。
【0032】
アプリケーション110は、印刷機能を有する一般的なソフトウェアである。
【0033】
ドライバ120は、アプリケーション110からの描画コマンドを解析してプリントデータに加工する描画コマンド解析部121、前記プリントデータを格納するプリントデータメモリ122、ユーザの意図する印刷設定を行うためのユーザインターフェース(印刷設定画面ななど)の機能を有する印刷設定UI123、および印刷設定UI123によって設定された印刷設定情報を格納するパラメータメモリ124を有している。
【0034】
インターフェース130は、コンピュータ100とプリンタ200とを接続するコンピュータ100側のインターフェースであり、その種類は特に限定しない。たとえば、インターフェース130としては、USBポートやネットワークポートが挙げられる。
【0035】
画像処理装置としてのプリンタ200は、画像形成装置の機能を果たし、コンピュータ100からの印刷データを基に試し印刷を実行するとともに本印刷を実行し、これらの印刷の結果としての印刷物を出力する。
【0036】
プリンタ200は、図1に示すように、インターフェース210、設定情報抽出部220、パラメータメモリ130、レンダリング部240、画像データメモリ250、印刷部260、パネル270、および制御部280を有している。
【0037】
インターフェース210は、コンピュータ100とプリンタ200とを接続するプリンタ200側のインターフェースであり、その種類は特に限定しない。たとえば、インターフェース210としては、USBポートやネットワークポートが挙げられる。
【0038】
設定情報抽出部220は、インターフェース210で受信したプリントデータから印刷設定情報を抽出する機能を有する。
【0039】
パラメータメモリ230は、印刷設定情報を格納する機能を有する。この印刷設定情報には、例えばカラーモード、用紙サイズ、部数、サンプルプリント機能(試し印刷する旨)、サンプルとして出力するページ(試し印刷すべき頁)が含まれる。試し印刷すべき頁は、単数の頁または複数の頁(連続または不連続の頁)である。
【0040】
レンダリング部240は、プリントデータを画像データ(ページ単位の画像データ)に変換する機能を有する。
【0041】
画像データメモリ250は、ページ毎の画像データを格納する機能を有する。
【0042】
印刷部260は、給紙トレイ261、手差しトレイ262、描画部263、両面印刷機構264、排出トレイ265、およびオフセット排出機構266を有している。
【0043】
給紙トレイ261は、内部に格納された記録媒体を給紙して描画部263に向けて搬送する機能を有する。
【0044】
実施の形態では、記録媒体は用紙を想定しているので、記録媒体を用紙と表記する。
【0045】
手差しトレイ262は、セットされた用紙を給紙して描画部263に向けて搬送する機能を有する。
【0046】
すなわち、手差しトレイ262は、供給手段の機能を有し、用紙を収容するとともに当該用紙を描画部263に向けて供給する。また、手差しトレイ262は、試し印刷すべき頁の印刷データに基づき試し印刷された結果としての片面に試し印刷が施された試し印刷済みの用紙あるいは両面に試し印刷が施された試し印刷済みの用紙を収容する。
【0047】
描画部263は、搬送されてきた用紙に画像を描画(印刷)する機能を有する。描画部263は、ゼログラフィ方式あるいはインクジェット方式などの画像形成方式で描画する。その画像形成方式は問わない。
【0048】
すなわち、描画部263は、形成手段の機能を有し、供給される用紙に印刷データに基づく画像を形成する。
【0049】
両面印刷機構264は、用紙の両面に画像を描画(印刷)させるために用紙を反転(用紙の表裏を反転)させる機能を有している。
【0050】
排出トレイ265には、描画部263によって印刷された結果としての用紙(印刷物)が排出される。
【0051】
すなわち、排出トレイ265は、収容手段の機能を有し、描画部263から搬送される用紙(記録媒体)つまり画像が印刷された用紙を収容する。
【0052】
オフセット排出機構266は、排出トレイ265に排出される用紙の位置を、例えばその用紙の搬送方向(排出方向)に対し垂直方向にずらす機能を有する。
【0053】
パネル270は、メッセージ等の表示情報を表示する機能(表示機能)と、本印刷を実施する旨や印刷を中止する旨などの指示情報を含む入力情報を受け付ける機能(入力機能)とを有する。
【0054】
制御部280は、パラメータメモリ230に記憶されているパラメータに従って、試し印刷を制御するとともに本印刷を制御する。
【0055】
制御部280は、図2に示すように、第1の制御部281、第2の制御部282および取得部283を有している。
【0056】
取得部283は、取得手段の機能を有し、パラメータメモリ230から、複数の頁の印刷データに対応して設定される試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁、あるいは記録媒体の両面に印刷すべき旨、試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得する。
【0057】
第1の制御部281は、第1の制御手段の機能を有し、取得部283によって取得された情報に基づき、画像データメモリ250から試し印刷すべき頁の印刷データ(ページ単位の画像データ)を読み出すとともに、印刷部260に対し、前記読み出した試し印刷すべき頁の印刷データ(ページ単位の画像データ)を出力して試し印刷するよう制御する。
【0058】
なお、画像データメモリ250から読み出されるデータ(画像データ)はページ単位の画像データであるので、試し印刷すべき頁の印刷データを試し印刷すべき頁の画像データ(あるいはページ単位の画像データ)という。
【0059】
また、第1の制御部281は、取得部283によって取得された情報に基づき、画像データメモリ250から試し印刷すべき頁の画像データを読み出すとともに、用紙の両面のうち一方の面にのみ試し印刷すべき頁が対応するときは、画像データメモリ250から当該用紙の他方の面に対し本印刷のときに印刷されるべき頁の画像データを読み出す。そして、第1の制御部281は、印刷部260に対し、前記読み出した用紙の両面に印刷すべき頁の画像データを出力して試し印刷するよう制御する。
【0060】
すなわち、第1の制御部281は、取得部283によって取得された情報に基づき、用紙の両面のうち一方の面にのみ試し印刷すべき頁が対応するときは、当該用紙の他方の面に対し本印刷のときに印刷されるべき頁についても試し印刷を実行するよう制御する。
【0061】
第2の制御部282は、第2の制御手段の機能を有し、試し印刷が実施された後の本印刷のときは複数の頁の画像データ(ページ単位の画像データ)から試し印刷すべき頁の画像データ(ページ単位の画像データ)を除いたページ単位の画像データを画像データメモリ250から読み出すとともに、印刷部260に対し、前記読み出したページ単位の画像データを出力して本印刷するよう制御する。
【0062】
第2の制御部282は、試し印刷すべき頁にかかわる最終の頁の次の頁の画像データから本印刷を開始するよう制御する。
【0063】
第2の制御部282は、試し印刷すべき頁にかかわる最終の頁の次の頁の画像データから複数の頁の画像データにかかわる最終の頁の画像データまでを順次、本印刷するよう制御するとともに、当該複数の頁の画像データにかかわる最初の頁の画像データから試し印刷すべき頁にかかわる最初の頁の直前の頁の画像データまでを順次、本印刷するよう制御する。
【0064】
第2の制御部282は、試し印刷すべき頁にかかわる最初の頁の直前の頁の画像データについての本印刷が実行されたときは、当該画像データに対応する画像が印刷された記録媒体が排出された後に本印刷を一時停止するよう制御する。
【0065】
第2の制御部282は、試し印刷すべき頁の次の頁の画像データに対応する画像が印刷される記録媒体については、前回に排出された記録媒体の排出状態とは異なる状態で排出されるよう制御する。
【0066】
第2の制御部282は、今回印刷すべき頁が試し印刷すべき頁に該当するときは、印刷部260の手差しトレイ(供給手段)262に対し、収容している試し印刷済みの用紙を描画部(形成手段)263に向けて供給するよう制御するとともに、描画部(形成手段)263に対し、今回供給される用紙に対する画像形成は実施しないよう制御する。
【0067】
第2の制御部282は、本印刷での今回の用紙の両面に印刷すべき頁が試し印刷が実施された頁に該当するときは、手差しトレイ262に対し、収容している試し印刷済みの用紙を描画部263に向けて供給するよう制御するとともに、描画部263に対し、今回供給される用紙の両面に対する画像形成は実施しないよう制御する。
【0068】
第2の制御部282は、用紙の両面のうち一方の面に対応して試し印刷済みの頁が存在し、他方の面に対応して本印刷すべき頁が存在するときは、手差しトレイ262に対し、当該試し印刷済みの頁が存在し収容している用紙を描画部263に向けて供給するよう制御するとともに、描画部263に対し、今回供給される用紙の他方の面に当該本印刷すべき頁について画像形成するよう制御する。
【0069】
次に、画像形成システム10による印刷処理について説明する。
【0070】
コンピュータ100内のアプリケーション110は、ドライバ120に対し、描画コマンドを送信して印刷指示を行う。
【0071】
ドライバ120では、描画コマンド解析部120は、受け付けた描画コマンドを解析し、この解析した結果を基に描画コマンドをプリントデータ(印刷データ)に加工し、このプリントデータをプリントデータメモリ122に保存する。
【0072】
ユーザは、印刷設定UI123に対してユーザの意図する印刷設定を施すようにする。この印刷設定には、上述したように、通常の印刷時に使用される例えばカラーモード、用紙サイズ、部数などとともに、サンプルプリント機能(試し印刷する旨)、サンプルとして出力するページ(試し印刷すべき頁、単数の頁または複数の頁)などが含まれる。
【0073】
なお、ユーザによる印刷設定UI123の操作は、印刷指示の際にアプリケーション110から実施しても良い。また、印刷設定UI123に対する印刷設定の内容と同じ内容を、あらかじめドライバ120の初期設定を変更することで設定するようにしてもよい。
【0074】
上述したようにして印刷設定UI123に設定された印刷設定情報はパラメータメモリ124に格納される。プリントデータの印刷設定による加工では、プリントデータに印刷設定情報を付加する。この場合、例えばPJL(Printer Job Language:プリンタジョブ言語)により印刷設定情報をプリンタデータに付加する。
【0075】
プリントデータは印刷設定により加工された後に、インターフェース130を通じてプリンタ200に向けて送付される。
【0076】
プリンタ200は、インターフェース210を通じてプリントデータを受信する。
【0077】
設定情報抽出部220は、インターフェース210を通じて受け取ったプリントデータから印刷設定情報を抽出してパラメータメモリ230に格納する。また、設定情報抽出部220は、上記受け取ったプリントデータをレンダリング部240に渡す。
【0078】
レンダリング部240は、渡されたプリントデータを、パラメータメモリ230内の印刷設定情報に従って、ページ毎の画像データとして画像データメモリ250に格納する。
【0079】
制御部280は、パラメータメモリ230の中の印刷設定情報を基に、サンプルプリント(試し印刷すべき旨)が指示されていなかった場合には、通常の印刷処理を実施するべく制御を行い、これに対しサンプルプリント(試し印刷すべき旨)が指示されている場合は、サンプル出力処理(試し印刷処理)を実施するべく制御を行う。
【0080】
次に、プリンタの印刷処理(全体の印刷処理)について、図3を参照して説明する。
【0081】
実施の形態では、パラメータメモリ230の中の印刷設定情報の「サンプルとして出力するページ」の設定値のことを「サンプル出力ページ」と表記する。
【0082】
プリンタ200では、印刷部260は、制御部280の第1の制御部281の制御に従って、詳細は後述するサンプル出力処理を実施する(ステップS101)。このサンプル出力処理では、サンプル出力ページのページそれぞれについて、指定ページ印刷処理が実施される。
【0083】
ここで、指定ページ印刷処理について図4を参照して説明する。
【0084】
制御部280では、取得部283は、パラメータメモリ230からサンプル出力ページを取得し、これを第1の制御部281に渡す。第1の制御部281は、図4に示すように、渡されたサンプル出力ページを基に、指定されたページに相当する画像データを画像データメモリ250から読み出して印刷部260へ出力する(ステップS201)。
【0085】
また、第1の制御部281は、試し印刷すべき頁つまりサンプル出力ページの全ての画像データを印刷部260へ出力した場合(あるいは試し印刷処理が終了した場合)、取得部283から渡されているサンプル出力ページを第2の制御部282へ出力する。
【0086】
印刷部260では、給紙トレイ261が未使用の用紙を描画部263に向けて給紙すると(ステップS202)、描画部263は、給紙されてきた用紙上に、第1の制御部281からの画像データに基づく画像を描画(印刷)する(ステップS203)。このようにして画像が描画(印刷)された用紙は、排出トレイ265に出力(排出)される(ステップS204)。これにより排出トレイ265には、ユーザによって指定されたサンプル出力の結果としての印刷物が排出されることになる。
【0087】
このようにしてサンプル出力処理つまり指定ページ印刷処理が実施されることで、ユーザは、指定したページの部数1のサンプル出力の結果(印刷物)を得て、これを確認することで所望の印刷結果が得られたかを判断する。
【0088】
再度、図3を参照して説明する。プリンタ200では、上述したようにしてサンプル出力処理を終了した場合、制御部280は、パネル270に、本印刷を実施するのか、あるいは印刷中止かを選択するための画面(選択画面)を表示し(ステップS102)、その選択画面に対して指示される内容を基に本印刷を実施するのか否かを判断する(ステップS103)。
【0089】
ここで、ユーザは、所望の印刷結果が得られなかった場合にはパネル270の選択画面に対して印刷中止を指示し、これに対し、所望の印刷結果が得られた場合はパネル270の選択画面に対して本印刷を実施する旨を指示する。
【0090】
また、本印刷を実施する旨を指示する場合は、サンプルで出力されたページを本印刷に組み込むためのケースとしての詳細については後述するケース(A)、ケース(C)およびケース(D)のうち何れかを指示する。なお、何れのケースも指示されない場合は、デフォルトとしてケース(A)が指定されるようになっている。
【0091】
パネル270の選択画面に対してユーザによって指示された内容は制御部280に与えられる。
【0092】
制御部280は、ステップS103において、所望の印刷結果が得られていないことに起因して本印刷の印刷中止の指示を受け付けたことで、本印刷を実施しないと判断した場合は、この印刷処理を中止し、この処理を終了する。その後、ユーザは、印刷設定の内容を変更して、一連の処理を再度、実施する。
【0093】
制御部280は、ステップS103において、所望の印刷結果が得られたことに起因して本印刷を実施する指示を受け付けたことで、本印刷を実施すると判断した場合は、制御部280の第2の制御部282は、1部目としてサンプル出力ページ以外のページのみをサンプルとして印刷するべく制御を実施する。すなわち詳細については後述する「サンプル以外のもの出力処理」が実施される(ステップS104)。
【0094】
このサンプル以外のみの出力処理においては、第2の制御部282は、第1の制御部281からのサンプル出力ページを基に、全てのページから、このサンプル出力ページを除いたページの画像データを画像データメモリ250から読み出して印刷部260へ出力することになる。
【0095】
上記ステップS104が終了した場合、第2の制御部282は、「指定部数−1」を演算した結果(部数)を残部数と定義し(ステップS105)、「残部数>0」の関係式が成立するか否かを判断する(ステップS106)。
【0096】
第2の制御部282が、ステップS106において、「残部数>0」の関係式が成立すると判断した場合は、全ページについて指定ページ印刷処理(図4参照)が実施される(ステップS107)。この指定ページ印刷処理においては、第2の制御部282は、画像データメモリ250から全てのページの画像データすなわちサンプル出力ページを含む全てのページの画像データを読み出して、印刷部260へ出力する。
【0097】
上記ステップS107が終了した場合、第2の制御部282は、「指定部数−1」を演算した結果(部数)を残部数と再定義し(ステップS108)、その後、上記ステップS106に戻る。
【0098】
第2の制御部282は、ステップS106において、「残部数>0」の関係式が不成立であると判断した場合は、この処理を終了する。
【0099】
以上の説明で、サンプル出力(試し印刷)の結果(印刷物)と重複のない印刷結果(印刷物)が得られる本印刷の処理が完了する。
【0100】
次に、本印刷での1部目としてサンプル出力ページ以外のページのみを印刷する処理(以下「サンプル以外のみの出力処理」という。)について説明する。
【0101】
実施の形態では、サンプルで出力されたページを本印刷に組み込むためのケースに応じた本印刷の処理が実施されるようになっている。
ケース(A):何もしない(図8(A)および図9(A)参照)。
ケース(B):本印刷は、サンプルで出力されたページの次から開始して、最後のページが終了したら、先頭のページに戻る(図8(B)参照)。
ケース(C):本印刷では、サンプルで出力されたページを挿入すべきところで、出力を一時停止し、再開指示を待つ(図8(C)および図9(C)参照)。
ケース(D):本印刷では、サンプルで出力されたページを挿入すべきところで、オフセットする(図8(D)および図9(D)参照)。
ケース(E):本印刷時には、サンプルで出力されたページを手差しトレイにセットしておき、適切な位置に挿入して出力する(図8(E)および図9(E)参照)。
【0102】
最初に、本印刷での1部目としてサンプル以外のみの出力処理(第1の出力処理)について、図5を参照して説明する。
【0103】
この例では、サンプル以外のみの第1の出力処理は、上記ケース(A)、上記ケース(C)および上記ケース(D)の場合についての処理である。
【0104】
プリンタ200の制御部280では、第2の制御部282は、「PAGE=最初のページ」と定義し(ステップS301)、第1の制御部281からのサンプル出力ページを基に、PAGEがサンプル出力済みであるか否かを判断する(ステップS302)。
【0105】
第2の制御部282が、ステップS302において、PAGEがサンプル出力済みではないと判断した場合は、指定ページ印刷処理が実施される(ステップS303)。
【0106】
この指定ページ印刷処理においては、第2の制御部282は、第1の制御部281からのサンプル出力ページ以外のページの画像データを画像データメモリ250から読み出して印刷部260へ出力することになる。
【0107】
なお、ケース(A)、ケース(C)およびケース(D)の何れの場合も、サンプル出力ページ以外のページであって、最初に出現するページから順番に画像データが画像データメモリ250から読み出される(図8(A),(C),(D)、および図9(A),(C),(D)参照)。
【0108】
ステップS303が終了した場合、第2の制御部282は、「PAGE=最後のページ」であるか否かを判断し(ステップS304)、この判断した結果、「PAGE=最後のページ」ではない場合、「PAGE=PAGE+1」と再定義し(ステップS305)、その後、ステップS302に戻る。
【0109】
ステップS304において「PAGE=最後のページ」であると判断された場合は、この処理を終了する。
【0110】
第2の制御部282は、ステップS302において、PAGEがサンプル出力済みであると判断した場合は、図3に示した印刷処理(全体の印刷処理)での本印刷を実施する旨の指示とともに指示されるケース(A)、ケース(C)およびケース(D)のうちの何れかのケースに従った処理を実施するための制御を行う(ステップS306)。
【0111】
このステップS306を終了した第2の制御部282は、ステップS304に移行する。
【0112】
具体例を挙げて説明する。ページ1からページ5の5ページの文書のうちサンプルとしてページ2(p2)およびページ3(p3)が指定された場合の出力例を図8に示し、ページ1からページ5の5ページの文書のうちサンプルとしてページ2(p2)およびページ4(p4)が指定された場合の出力例を図9に示す。
【0113】
ケース(A)の場合では、全ページ(この例では5ページ分)についてサンプル出力ページであるか否かが判定される。
【0114】
サンプル出力ページではないと判定されたページつまりサンプル出力されなかったページ(本印刷処理するページ)は、指定ページ印刷処理に従った印刷処理が実施される。
【0115】
サンプル出力ページであると判定されたページつまりサンプル出力されたページについては何もしない。
【0116】
上述した処理(図5の第1の出力処理も含む)によるケース(A)の場合の出力例を、図8(A)および図9(A)に示す。
【0117】
これにより、サンプルで出力されたページを除いたページが本印刷の処理で得られる。すなわち、サンプルで出力されたページの印刷物(2ページ分の出力文書)と本印刷で出力されたページの印刷物(3ページ分の出力文書)とで、5ページ分の印刷物(出力文書)が得られるので、サンプルとして出力されたページの印刷物は、無駄にされることなく有効に活用される。
【0118】
ケース(C)の場合では、ケース(A)の場合と同様に、全ページ(この例では5ページ分)についてサンプル出力ページであるか否かが判定される。
【0119】
サンプル出力ページではないと判定されたページつまりサンプル出力されなかったページ(本印刷処理するページ)は、指定ページ印刷処理に従った印刷処理が実施される。
【0120】
サンプル出力ページであると判定されたページつまりサンプル出力されたページのときは、印刷部260は制御部280の制御により本印刷が一時停止される。
【0121】
一時停止したときには、プリンタ200のパネル270に一時停止のメッセージが出力され、パネル270に対してのユーザによる例えば印刷を再開する旨の指示により本印刷が再開される。
【0122】
上述した処理(図5の第1の出力処理も含む)によるケース(C)の場合の出力例を、図8(C)および図9(C)に示す。
【0123】
これにより、本印刷の出力結果(印刷物)の中にサンプルで出力されたページの印刷物を挿入する箇所が明示されるので、ユーザは、本印刷の出力結果の中にサンプルで出力されたページの印刷物を挿入する作業が補助され、例えば5ページの文書をページ順に揃える作業負担が軽減される。
【0124】
ケース(D)では、ケース(A)の場合と同様に、全ページ(この例では5ページ分)についてサンプル出力ページであるか否かが判定される。サンプル出力ページではないと判定されたページつまりサンプル出力されなかったページは、指定ページ印刷処理に従った印刷処理が実施される。
【0125】
サンプル出力ページであると判定されたページつまりサンプル出力されたページのときは、そのページの次の本印刷すべきページ(サンプル出力されなかったページ)にかかわる描画部263による描画処理が施された後の排出の際に、オフセット排出機構266によって排出位置がオフセットされる。
【0126】
上述した処理(図5の第1の出力処理も含む)によるケース(D)の場合の出力例を、図8(D)および図9(D)に示す。
【0127】
これにより、本印刷の出力結果(印刷物)の中にサンプルで出力されたページの印刷物を挿入する箇所が明示されるので、ユーザは、本印刷の出力結果の中にサンプルで出力されたページの印刷物を挿入する作業が補助され、例えば5ページの文書をページ順に揃える作業負担が軽減される。
【0128】
次に、本印刷での1部目としてサンプル以外のみの出力処理(第2の出力処理)について、図6を参照して説明する。
【0129】
この例では、サンプル以外のみの第2の出力処理は、上記ケース(B)の場合についての処理である。
【0130】
プリンタ200の制御部280では、第2の制御部282は、「PAGE=次のページ」と定義する(ステップS401)。その後、指定ページ印刷処理が実施される(ステップS402)。
【0131】
この指定ページ印刷処理においては、第2の制御部282は、第1の制御部281からのサンプル出力ページ以外のページの画像データを画像データメモリ250から読み出して印刷部260へ出力することになる。
【0132】
なお、ケース(B)の場合は、サンプル出力ページ以外のページであって、サンプル出力ページの最後のページの次のページから印刷対象のデータ(印刷すべき全てのページ画像データ)の最終のページまで順番に画像データが画像データメモリ250から読み出されるとともに、最終のページが読み出された後、印刷対象のデータ(印刷すべき全てのページ画像データ)の最初のページに戻り、この最初のページからサンプル出力ページの最初のページの前のページまで順番に画像データが画像データメモリ250から読み出される(図8(B)参照)。
【0133】
ステップS402が終了した場合、第2の制御部282は、「PAGE=最後のページ」であるか否かを判断し(ステップS403)、この判断した結果、「PAGE=最後のページ」ではない場合、「PAGE=PAGE+1」と再定義する(ステップS404)。
【0134】
ステップS404が終了した場合は、ステップS402に移行する。
【0135】
第2の制御部282は、ステップS403において、「PAGE=最後のページ」であると判断した場合は、「PAGE=最初のページ」と再定義する(ステップS405)。その後、指定ページ印刷処理が実施される(ステップS406)。
【0136】
ステップS406が終了した場合、第2の制御部282は、「PAGE=サンプル出力ページの直前のページ」であるか否かを判断し(ステップS407)、この判断した結果、「PAGE=サンプル出力ページの直前のページ」ではない場合、「PAGE=PAGE+1」と再定義する(ステップS408)。
【0137】
ステップS408が終了した場合は、ステップS406に移行する。
【0138】
ステップS407において、「PAGE=サンプル出力ページの直前のページ」であると判断された場合は、この処理を終了する。
【0139】
具体例を挙げて説明する。ケース(B)の場合では、サンプルにて出力された最後のページ(この例ではページ3)の次のページ(この例ではページ4)から指定ページ印刷処理にて出力する。
【0140】
次に、印刷すべき全てのページ(この例では5ページ)の最終ページ(この例ではページ5)まで出力されたら、印刷すべき全てのページ(この例では5ページ)の最初のページ(この例ではページ1)に戻り、サンプルにて出力された最初のページ(この例ではページ2)の前まで指定ページ印刷処理にて出力する。
【0141】
上述した処理(図6の第2の出力処理も含む)によるケース(B)の場合の出力例を、図8(B)に示す。
【0142】
これにより、ユーザは、サンプル印刷出力の結果を本印刷出力の結果の最初または最後に追加した後で、1ページ目の前のところで分割して並び替えることで、文書を全て並べ替えられ、例えば5ページの文書をページ順に揃える作業負担が軽減される。
【0143】
ちなみに、文書の1ページ目は、表紙であったりタイトルが大きく表示されていたりして、他のページと一見して区別され易いことが多い。そのため、ケース(B)の場合は、本印刷処理の結果の中からサンプルを挿入する場所を直接探す場合に比較して、有効である。ただし、このケース(B)での処理は、サンプルで指定されたページが連続しているときに限って有効である。
【0144】
次に、本印刷での1部目としてサンプル以外のみの出力処理(第3の出力処理)について、図7を参照して説明する。
【0145】
この例では、サンプル以外のみの第3の出力処理は、上記ケース(E)の場合についての処理である。
【0146】
ユーザは、サンプルで出力された用紙(印刷物)をそのサンプルで出力された順番に手差しトレイ262にセットする。すると、図示しないセンサなどの検知手段が、手差しトレイ262に用紙(印刷物)がセットされたことを検知し、この検知情報を制御部280へ出力する。
【0147】
制御部280では、第2の制御部282は、図示しないセンサなどの検知手段からの検知情報を取得すると(ステップS501)、「PAGE=最初のページ」と定義し(ステップS502)、第1の制御部281からのサンプル出力ページを基に、PAGEがサンプル出力済みであるか否かを判断する(ステップS503)。
【0148】
第2の制御部282が、ステップS503において、PAGEがサンプル出力済みではないと判断した場合は、指定ページ印刷処理が実施される(ステップS504)。
【0149】
この指定ページ印刷処理においては、第2の制御部282は、第1の制御部281からのサンプル出力ページ以外のページの画像データを画像データメモリ250から読み出して印刷部260へ出力することになる。
【0150】
なお、ケース(E)場合は、サンプル出力ページ以外のページであって、最初に出現するページから順番に画像データが画像データメモリ250から読み出される(図8(E)、および図9(E))参照)。
【0151】
ステップS504が終了した場合、第2の制御部282は、「PAGE=最後のページ」であるか否かを判断し(ステップS505)、この判断した結果、「PAGE=最後のページ」ではない場合、「PAGE=PAGE+1」と再定義し(ステップS506)、その後、ステップS503に戻る。
【0152】
ステップS505において「PAGE=最後のページ」であると判断された場合は、この処理を終了する。
【0153】
第2の制御部282は、ステップS503において、PAGEがサンプル出力済みであると判断した場合は、手差しトレイ262に対しセットされている用紙を送り出すよう制御(用紙をフィードするよう制御)するとともに(ステップS507)、描画部263に対し描画処理を実施しないよう制御する(ステップS508)。
【0154】
このような第2の制御部282の制御により、手差しトレイ262にセットされたサンプル出力された用紙(印刷物)は、通常の印刷の用紙搬送路を搬送され、描画部263に向けて供給されるものの、描画部263では描画処理が実施されずに、排出トレイ265に向けて搬送され、排出トレイ265に排出される(ステップS509)。
【0155】
ステップS509が終了した場合は、ステップS505に移行する。
【0156】
具体例を挙げて説明する。ユーザは、サンプルで出力されたページの印刷物を手差しトレイ262にセットする。ケース(E)の場合では、ケース(A)の場合と同様に、全ページについてサンプル出力ページであるか否かが判定される。
【0157】
サンプル出力ページではないと判定されたページつまりサンプル出力されなかったページは、指定ページ印刷処理に従って印刷処理が実施される。
【0158】
サンプル出力ページであると判定されたページつまりサンプル出力されたページの印刷物については、手差しトレイ262からフィードされ(送り出され)、通常の印刷の用紙経路を搬送され、描画部263に到達するものの描画処理は実施されずにさらに搬送され、最終的に排出トレイ265に排出される。
【0159】
上述した処理(図7の第3の出力処理も含む)によるケース(E)の場合の出力例を、図8(E)および図9(E)に示す。
【0160】
これにより、本印刷処理の出力結果(印刷物)の中にサンプルで出力されたページの印刷物を挿入する処理が自動化される。
【0161】
次に、プリンタの両面印刷時のサンプル出力処理について、図10を参照して説明する。
【0162】
このサンプル出力処理は、上述したケース(A)、ケース(B)、ケース(C)、ケース(D)およびケース(E)のそれぞれの場合の両面印刷のときに適用される。
【0163】
すなわち、上述したケース(A)、ケース(B)、ケース(C)、ケース(D)およびケース(E)での両面印刷のときに、サンプル出力では指定されなかった裏面も印刷する場合についての処理である。ここでは、この両面印刷のサンプル出力処理を、それぞれケース(A’)、ケース(B’)、ケース(C’)、ケース(D’)およびケース(E’)と表記する。
【0164】
プリンタ200の制御部280は、「SHEET=最初の用紙」と定義し(ステップS601)、両面ともサンプル出力ページの指定なしであるか否かを判断する(ステップS602)。
【0165】
制御部280は、ステップS602において、両面ともサンプル出力ページの指定なしではないと判断した場合、片面がサンプル出力ページでない場合であるか否かを判断する(ステップS603)。
【0166】
ステップS603において片面がサンプル出力ページでない場合ではないと判断された場合(両面がサンプル出力ページであると判断された場合)は、指定シート両面印刷処理(図11参照)が実施される。
【0167】
ステップS603が終了した場合、制御部280は、「SHEET=最後の用紙」であるか否かを判断し(ステップS605)、この判断した結果、「SHEET=最後の用紙」ではない場合、「SHEET=SHEET+1」と再定義し(ステップS606)、その後、ステップS602に戻る。
【0168】
ステップS605において「SHEET=最後の用紙」であると判断された場合は、この処理を終了する。
【0169】
制御部280は、ステップS603において、片面がサンプル出力ページでない場合であると判断した場合(片面のみがサンプル出力ページであると判断した場合)は、サンプル出力ページでない面もサンプル出力ページに設定する(ステップS607)。
【0170】
ステップS607が終了した場合、ステップS604に移行する。
【0171】
制御部280は、ステップS602において、両面ともサンプル出力ページの指定なしであると判断した場合、ステップS605に進む。
【0172】
次に、指定シート両面印刷処理について、図11を参照して説明する。
【0173】
給紙トレイ261は、収容している未使用の用紙を描画部263に向けて給紙するとともに(ステップS701)、制御部280は、画像データメモリ250から裏面指定ページの画像データを読み出して描画部263へ出力する。
【0174】
描画部263は、給紙されてきた用紙上に制御部280からの裏面指定ページの画像データに基づく画像を描画(印刷)する(ステップS702)。
【0175】
両面印刷機構部264は、描画部263から搬送されてくる用紙を反転する(ステップS703)。
【0176】
制御部280は、画像データメモリ250から表面指定ページの画像データを読み出して描画部263へ出力する。
【0177】
描画部263は、両面印刷機構部264によって反転された用紙上に制御部280からの表面指定ページの画像データに基づく画像を描画(印刷)する(ステップS704)。
【0178】
ステップS704での描画部263による描画(印刷)処理が終了した用紙は、排出トレイ705に排出される(ステップS705)。
【0179】
次に、両面印刷時のサンプル出力処理(第4の出力処理)について、図12を参照して説明する。
【0180】
この例では、サンプル以外のみの第4の出力処理は、上記ケース(A’)、上記ケース(C’)および上記ケース(D’)の場合についての処理である。
【0181】
プリンタ200の制御部280は、「SHEET=最初の用紙」と定義し(ステップS801)、SHEETがサンプル出力済みであるか否かを判断する(ステップS802)。
【0182】
制御部280が、ステップS802において、SHEETがサンプル出力済みではないと判断した場合は、指定シート両面印刷処理(図11参照)が実施される(ステップS803)。
【0183】
ステップS803が終了した場合、制御部280は、「SHEET=最後の用紙」であるか否かを判断し(ステップS804)、この判断した結果、「SHEET=最後の用紙」ではない場合、「SHEET=SHEET+1」と再定義し(ステップS805)、その後、ステップS802に戻る。
【0184】
ステップS804において「SHEET=最後の用紙」であると判断された場合は、この処理を終了する。
【0185】
制御部280は、ステップS802において、SHEETがサンプル出力済みであると判断した場合は、図3に示した印刷処理(全体の印刷処理)での本印刷を実施する旨の指示とともに指示されるケース(A’)、ケース(C’)およびケース(D’)のうちの何れかのケースに従った処理を実施するための制御を行う(ステップS806)。
【0186】
このステップS806を終了した制御部280は、ステップS804に移行する。
【0187】
具体例を挙げて説明する。ページ1からページ5の5ページの文書の両面印刷において、サンプルとしてページ3(p3)が指定された場合のケース(A’)での例について説明する(図16(A’)参照)。
【0188】
サンプル出力処理(図10参照)においては、ケース(A’)では、全シート(この例では5シート分)について、両面ともサンプル出力ページの指定がないかが判定される。
【0189】
両面ともサンプル出力ページの指定がないと判定された場合、そのシートについては、印刷は実施されない。
【0190】
次に、片面だけがサンプル出力ページでない場合であるかが判定される。片面のみがサンプル出力ページでない場合であると判定された場合は、サンプル出力ページでない面もサンプル出力ページとして設定される(設定し直される)。このシートは、指定シート両面印刷処理に従って、両面印刷機構264を用いて両面に印刷処理が施される。
【0191】
これにより、指定されたページ3(p3)だけではなくその裏に相当するページ4(p4)もサンプルとして用紙の両面に出力される。
【0192】
本印刷時のサンプル以外のみの出力処理(図12参照)においては、ケース(A’)では、全シート(この例では5シート分)について、サンプル出力済みであるか否かが判定される。
【0193】
サンプル出力されなかったシートは、指定シート両面印刷処理に従って両面に画像が描画(印刷)される。
【0194】
サンプル出力されたシートについては何もしない。
【0195】
上述した処理によるケース(A’)の場合の出力例を図16(A’)に示す。
【0196】
これにより、サンプルとして出力されたページの印刷物は、無駄にされることなく有効に活用される。
【0197】
なお、ケース(C’)およびケース(D’)の場合も、ケース(A’)の場合と同様であるので、ここではその説明については省略する。
【0198】
次に、両面印刷時のサンプル出力処理(第5の出力処理)について、図13を参照して説明する。
【0199】
この例では、サンプル以外のみの第5の出力処理は、上記ケース(B’)の場合についての処理である。
【0200】
プリンタ200の制御部280は、「SHEET=サンプルの次の用紙」と定義する(ステップS901)。その後、指定シート両面印刷処理(図11参照)が実施される(ステップS902)。
【0201】
ステップS902が終了した場合、制御部280は、「SHEET=最後の用紙」であるか否かを判断し(ステップS903)、この判断した結果、「SHEET=最後の用紙」ではない場合、「SHEET=SHEET+1」と再定義する(ステップS904)。
【0202】
ステップS904が終了した場合は、ステップS902に移行する。
【0203】
制御部280は、ステップS903において、「SHEET=最後の用紙」であると判断した場合は、「SHEET=最初の用紙」と再定義する(ステップS905)。その後、指定シート両面印刷処理が実施される(ステップS906)。
【0204】
ステップS906が終了した場合、制御部280は、「両面=サンプルの直前の用紙」であるか否かを判断し(ステップS907)、この判断した結果、「両面=サンプルの直前の用紙」ではない場合、「SHEET=SHEET+1」と再定義する(ステップS908)。
【0205】
ステップS908が終了した場合は、ステップS906に移行する。
【0206】
ステップS907において、「「両面=サンプルの直前の用紙」であると判断された場合は、この処理を終了する。
【0207】
具体例を挙げて説明する。ページ1からページ5の5ページの文書の両面印刷において、サンプルとしてページ3(p3)が指定された場合のケース(B’)での例について説明する。
【0208】
ケース(B’)では、サンプル出力処理は、ケースA(A’)の場合のサンプル出力処理(図10参照)と同様である。
【0209】
本印刷時のサンプル以外のみの出力処理(図13参照)においては、ケース(B’)では、サンプルにて出力された最後のシートの次のシートから指定シート両面印刷処理に従って印刷処理が実施される。最終のシートまで出力された場合、最初のシートに戻り、この最初のシートからサンプルにて出力された最初のシートの前のシートまで、指定シート両面印刷処理に従って印刷処理が実施される。
【0210】
これにより、ユーザは、サンプル印刷出力の結果を本印刷出力の結果の最初または最後に追加した後で、1シート目の前のところで分割して並び替えることで、文書を全て並べ替えられ、例えば5ページの文書をページ順に揃える作業負担が軽減される。ただし、このケース(B’)での処理は、サンプルで指定されたページが連続しているときに限って有効である。
【0211】
次に、両面印刷時のサンプル出力処理(第6の出力処理)について、図14を参照して説明する。
【0212】
この例では、サンプル以外のみの第6の出力処理は、上記ケース(E’)の場合についての処理である。すなわち、指定されたページ3(p3)だけではなくその裏に相当するページ4(p4)もサンプルとして用紙の両面に出力される。
【0213】
ユーザは、サンプルで出力された用紙(印刷物)をそのサンプルで出力された順番に手差しトレイ262にセットする。すると、図示しないセンサなどの検知手段が、手差しトレイ262に用紙(印刷物)がセットされたことを検知し、この検知情報を制御部280へ出力する。
【0214】
制御部280は、図示しないセンサなどの検知手段からの検知情報を取得すると(ステップS1001)、「SHEET=最初の用紙」と定義し(ステップS1002)、SHEETがサンプル出力済みであるか否かを判断する(ステップS1003)。
【0215】
制御部280が、ステップS1003において、SHEETがサンプル出力済みではないと判断した場合は、指定シート両面印刷処理(図11参照)が実施される(ステップS1004)。
【0216】
ステップS1004が終了した場合、制御部280は、「SHEET=最後の用紙」であるか否かを判断し(ステップS1005)、この判断した結果、「SHEET=最後の用紙」ではない場合、「SHEET=SHEET+1」と再定義し(ステップS1006)、その後、ステップS1003に戻る。
【0217】
ステップS1005において「SHEET=最後の用紙」であると判断された場合は、この処理を終了する。
【0218】
制御部280は、ステップS1003において、SHEETがサンプル出力済みであると判断した場合は、手差しトレイ262に対しセットされている用紙を送り出すよう制御(用紙をフィードするよう制御)するとともに(ステップS1007)、描画部263に対し描画処理を実施しないよう制御する(ステップS1008)。
【0219】
このような制御部280の制御により、手差しトレイ262にセットされたサンプル出力された用紙(印刷物)は、通常の両面印刷の用紙経路を搬送され、描画部263に向けて供給されるものの、描画部263では描画処理が実施されずに、排出トレイ265に向けて搬送され、排出トレイ265に排出される(ステップS1009)。
【0220】
ステップS1009が終了した場合は、ステップS1005に移行する。
【0221】
具体例を挙げて説明する。ページ1からページ5の5ページの文書の両面印刷において、サンプルとしてページ3(p3)が指定された場合のケース(E’)での例について説明する(図16(E’)参照)。
【0222】
ケース(E’)では、サンプル出力処理は、ケースA(A’)の場合のサンプル出力処理(図10参照)と同様である。すなわち、指定されたページ3(p3)だけではなくその裏に相当するページ4(p4)もサンプルとして用紙の両面に出力される。
【0223】
本印刷時のサンプル以外のみの出力処理(図14参照)においては、ケース(E’)では、ユーザは、サンプルで出力されたシートを手差しトレイ262にセットする。
【0224】
全シート(この例では5シート分)について、サンプル出力済みであるか否かが判定される。
【0225】
サンプル出力されなかったシートは、指定シート両面印刷処理に従って両面に画像が描画(印刷)される。この場合、前記シートは、両面印刷機構264を用いて反転されることで、その両面に画像が描画される。
【0226】
サンプル出力されたシートについては、手差しトレイ262よりフィードされ、通常の両面印刷の用紙経路を搬送され、描画部263に向けて供給されるものの、描画部263では描画処理が実施されずに、排出トレイ265に向けて搬送され、排出トレイ265に排出される。
【0227】
上述した処理によるケース(E’)の場合の出力例を図16(E’)に示す。
【0228】
これにより、本印刷処理の出力結果(印刷物)の中にサンプルで出力されたシート(印刷物)を挿入する処理が自動化される。
【0229】
次に、両面印刷時のサンプル出力処理(第7の出力処理)について、図15を参照して説明する。
【0230】
この例では、サンプル以外のみの第7の出力処理は、両面印刷時には、サンプル出力では指定されなかった裏面は印刷せず、本印刷時にサンプルを手差しトレイから挿入する際に裏面を印刷する場合についての処理である。ここでは、この両面印刷のサンプル出力処理をケース(E”)と表記する。
【0231】
ユーザは、サンプルで出力された用紙(印刷物)をそのサンプルで出力された順番に手差しトレイ262にセットする。すると、図示しないセンサなどの検知手段が、手差しトレイ262に用紙(印刷物)がセットされたことを検知し、この検知情報を制御部280へ出力する。
【0232】
プリンタ200の制御部280は、図示しないセンサなどの検知手段からの検知情報を取得すると(ステップS1101)、「SHEET=最初の用紙」と定義し(ステップS1102)、両面ともサンプル出力なしであるか否かを判断する(ステップS1103)。
【0233】
制御部280は、ステップS1103において、両面ともサンプル出力なしではないと判断した場合、両面ともサンプル出力済みであるか否かを判断する(ステップS1104)。
【0234】
制御部280は、ステップS1104において、両面ともサンプル出力済みではないと判断した場合は、手差しトレイ262に対しセットされている用紙を送り出すよう制御(用紙をフィードするよう制御)するとともに(ステップS1105)、描画部263に対しサンプルで印刷(描画)しなかった面のみ描画処理を実施するよう制御する(ステップS1106)。
【0235】
このような制御部280の制御により、手差しトレイ262にセットされたサンプル出力された用紙(印刷物)は、通常の両面印刷の用紙経路を搬送され、描画部263に向けて供給され、描画部263によって上述した描画処理が実施され、その後、排出トレイ265に向けて搬送され、さらに排出トレイ265に排出される(ステップS1107)。
【0236】
ステップS1107が終了した場合、制御部280は、「SHEET=最後の用紙」であるか否かを判断し(ステップS1108)、この判断した結果、「SHEET=最後の用紙」ではない場合、「SHEET=SHEET+1」と再定義し(ステップS1109)、その後、ステップS1103に戻る。
【0237】
ステップS1108において「SHEET=最後の用紙」であると判断された場合は、この処理を終了する。
【0238】
制御部280は、ステップS1104において、両面ともサンプル出力済みであると判断した場合は、差しトレイ262に対しセットされている用紙を送り出すよう制御(用紙をフィードするよう制御)するとともに(ステップS1110)、描画部263に対し描画処理を実施しないよう制御する(ステップS1111)。
【0239】
このような制御部280の制御により、手差しトレイ262にセットされたサンプル出力された用紙(印刷物)は、通常の両面印刷の用紙経路を搬送され、描画部263に向けて供給されるものの、描画部263では描画処理が実施されずに、排出トレイ265に向けて搬送され、排出トレイ265に排出される(ステップS1112)。
【0240】
ステップS1112が終了した場合は、ステップS1108に移行する。
【0241】
制御部280が、ステップS1103において、両面ともサンプル出力なしであると判断した場合、SHEETの各面について指定ページの印刷処理が実施される(ステップS1113)。
【0242】
ステップS1113が終了した場合は、ステップS1108に移行する。
【0243】
具体例を挙げて説明する。ページ1からページ5の5ページの文書の両面印刷において、サンプルとしてページ3(p3)が指定された場合のケース(E”)での例について説明する(図16(E”)参照)。
【0244】
サンプル出力処理(図10参照)においては、ケース(E”)では、指定されたページ3(p3)のみが印刷される。
【0245】
本印刷時おサンプル以外のみの出力処理(図15参照)においては、ケース(E”)では、ユーザは、サンプルで出力された用紙を手差しトレイ262にセットする。
【0246】
用紙の両面ともにサンプルとして指示されなかった用紙については、指定ページ印刷処理に従って両面印刷機構264を用いて両面に画像が印刷(描画)される。
【0247】
用紙の両面ともにサンプルで出力された用紙は、手差しトレイ262よりフィードされ、通常の両面印刷の用紙経路を搬送され、描画部263に向けて供給されるものの、描画部263では描画処理が実施されずに、排出トレイ265に向けて搬送され、排出トレイ265に排出される
【0248】
用紙の片面のみサンプル出力された用紙は、手差しトレイ262よりフィードされ、通常の両面印刷の用紙経路を搬送され、描画部263において、サンプル出力された面(ページ)は印刷(描画)されず、サンプル出力されなかった面(ページ)は印刷(描画)され、排出トレイ265に向けて搬送され、排出トレイ265に排出される。
【0249】
上述した処理によるケース(E”)の場合の出力例を図16(E”)に示す。
【0250】
これにより、本印刷処理の出力結果(印刷物)の中にサンプルで出力されたシート(印刷物)を挿入する処理が自動化される。また、サンプル出力のときは、指定されたページの出力のみとなり、指定されなかったページの出力が抑制される。すなわちサンプル出力された結果が所望の印刷結果とは異なり、そのサンプル出力された結果が破棄されることになった場合に、無駄となる記録材の消費量が抑制される。
【0251】
次に、画像処理装置としてのプリンタのハードウェア構成について、図17を参照して説明する
【0252】
図17に示すように、プリンタ200は、CPU201、記憶装置202、ROM203、RAM204、インターフェース205,206、通信I/F207、インターフェー205に接続された操作パネル208、インターフェース506に接続されたプリンタエンジン209を有している。これら各構成要素201〜207はシステムバス21に接続されている。
【0253】
記憶装置202は、例えばハードディスクであり、図2に示した制御部280(第1の制御部281、第2の制御部282および取得部283)、図1に示した設定情報抽出部220およびレンダリング部240の各機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、画像処理プログラム202Aなどインストールされた各種のプログラムを記憶している。
【0254】
画像処理プログラム502Aは、取得処理過程、第1の制御処理過程および第2の制御処理過程を含んでいる。取得部283は取得処理過程を実行し、第1の制御部281は第1の制御処理過程を実行し、第2の制御部282は第2の制御処理過程を実行する。
【0255】
ROM203は、読み出し専用メモリであり、外部の装置とのデータ通信を行うための通信プロトコル情報を記憶している。
【0256】
RAM504は、随時書き込み読み出しメモリであり、記憶装置202から読み込まれた画像処理プログラム202Aを含むプログラムやデータ、ROM203から読み込まれた通信プロトコル情報などを記憶する。
【0257】
RAM204は、図1に示したパラメータメモリ230および画像データメモリ250の機能を果たし、印刷設定情報(パラメータ)やページ単位の画像データを記憶する。
【0258】
インターフェース205は、データ通信を実行するCPU(中央演算処理装置)を備えており、操作パネル208との通信を行う。操作パネル208は、図1に示したパネル270の機能を果たす。
【0259】
インターフェース206は、データ通信を実行するCPU(中央演算処理装置)を備えており、プリンタエンジン209の通信を行う。プリンタエンジン209は、図1に示した印刷部260の機能を果たす。
【0260】
通信I/F207は、データ通信を実行するCPU(中央演算処理装置)を備えており、図1に示したインターフェース210の機能を果たす。このような通信I/F207は、ROM203からRAM204へプロトコル情報を読み込んで実行することにより、通信回線20を介して例えば通信先のコンピュータ100とのデータ通信を行う。
【0261】
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶装置202からRAM204へ、画像処理プログラム202Aを含むプログラムを読み込んで実行することにより、上述した制御部102(第1の制御部281、第2の制御部282および取得部283)、設定情報抽出部220、レンダリング部240の各機能を実現するとともに、画像処理プログラム202Aに対応する処理機能を実現する。また、CPU201はプリンタ(画像処理装置)全体を制御する。
【0262】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0263】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納して提供してもよい。
【0264】
すなわち、画像処理プログラムを含むプログラムをハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該プログラムを次のようにして提供してもよい。
【0265】
たとえば、プログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0266】
また、上記プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取りされる記憶媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0267】
さらには、画像処理装置(プリンタ)等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記プログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記憶媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0268】
本発明の画像処理装置は、モノクロ印刷およびカラー印刷のうち少なくとも一方の印刷を実行する画像形成装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0269】
10 画像形成システム
20 通信回線
100 コンピュータ
200 プリンタ
220 設定情報抽出部
230 パラメータメモリ
240 レンダリング部
250 画像データメモリ
260 印刷部
262 手差しトレイ
263 描画部
265 排出トレイ
266 オフセット排出機構
280 制御部
281 第1の制御部
282 第2の制御部
283 取得部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の頁の印刷データに対応して設定される試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された情報に基づき前記試し印刷すべき頁の印刷データについて試し印刷するよう制御する第1の制御手段と、
前記試し印刷が実施された後の本印刷のときは前記複数の頁の印刷データから前記試し印刷すべき頁の印刷データを除いた印刷データについて本印刷するよう制御する第2の制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2の制御手段は、
前記試し印刷すべき頁にかかわる最終の頁の次の頁の印刷データから本印刷を開始するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の制御手段は、
前記試し印刷すべき頁にかかわる最終の頁の次の頁の印刷データから前記複数の頁の印刷データにかかわる最終の頁の印刷データまでを順次、本印刷するよう制御するとともに、前記複数の頁の印刷データにかかわる最初の頁の印刷データから前記試し印刷すべき頁にかかわる最初の頁の直前の頁の印刷データまでを順次、本印刷するよう制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の制御手段は、
前記試し印刷すべき頁にかかわる最初の頁の直前の頁の印刷データについての本印刷が実行されたときは、当該印刷データに対応する画像が印刷された記録媒体が排出された後に本印刷を一時停止するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2の制御手段は、
前記試し印刷すべき頁の次の頁の印刷データに対応する画像が印刷される記録媒体については、前回に排出された記録媒体の排出状態とは異なる状態で排出されるよう制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
供給される記録媒体に対し印刷データに基づく画像を形成する形成手段と、
前記形成手段から搬送される記録媒体を収容する収容手段と、
記録媒体を収容するとともに当該記録媒体を前記形成手段に向けて供給する供給手段と、
を更に有し、
前記供給手段は、
前記試し印刷すべき頁の印刷データに基づき試し印刷された結果としての試し印刷済みの記録媒体を収容し、
前記第2の制御手段は、
今回印刷すべき頁が前記試し印刷すべき頁に該当するときは、前記供給手段に対し、収容している前記試し印刷済みの記録媒体を前記形成手段に向けて供給するよう制御するとともに、前記形成手段に対し、今回供給される記録媒体に対する画像形成は実施しないよう制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記取得手段は、
前記複数の頁の印刷データに対応して設定される記録媒体の両面に印刷すべき旨、試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得し、
前記第1の制御手段は、
前記取得手段によって取得された情報に基づき、記録媒体の両面のうち一方の面にのみ前記試し印刷すべき頁が対応するときは、当該記録媒体の他方の面に対し本印刷のときに印刷されるべき頁についても試し印刷を実行するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
供給される記録媒体に対し印刷データに基づく画像を形成する形成手段と、
前記形成手段から搬送される記録媒体を収容する収容手段と、
記録媒体を収容するとともに当該記録媒体を前記形成手段に向けて供給する供給手段と、
を更に有し、
前記供給手段は、
両面に試し印刷が施された試し印刷済みの記録媒体を収容し、
前記第2の制御手段は、
本印刷での今回の記録媒体の両面に印刷すべき頁が前記試し印刷が実施された頁に該当するときは、前記供給手段に対し、収容している前記試し印刷済みの記録媒体を前記形成手段に向けて供給するよう制御するとともに、前記形成手段に対し、今回供給される記録媒体の両面に対する画像形成は実施しないよう制御する、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記取得手段は、
前記複数の頁の印刷データに対応して設定される記録媒体の両面に印刷すべき旨、試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得し、
前記供給手段は、
前記試し印刷すべき頁の印刷データに基づき試し印刷された結果としての試し印刷済みの記録媒体を収容し、
前記第2の制御手段は、
記録媒体の両面のうち一方の面に対応して前記試し印刷済みの頁が存在し、他方の面に対応して本印刷すべき頁が存在するときは、前記供給手段に対し、当該試し印刷済みの頁が存在し収容している記録媒体を前記形成手段に向けて供給するよう制御するとともに、前記形成手段に対し、今回供給される記録媒体の他方の面に当該本印刷すべき頁について画像形成するよう制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項10】
複数の頁の印刷データに対応して設定される試し印刷すべき旨および試し印刷すべき頁を取得する取得処理過程と、
前記取得処理過程により取得された情報に基づき前記試し印刷すべき頁の印刷データについて試し印刷するよう制御する第1の制御処理過程と、
前記試し印刷が実施された後の本印刷のときは前記複数の頁の印刷データから前記試し印刷すべき頁の印刷データを除いた印刷データについて本印刷するよう制御する第2の制御処理過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−81444(P2011−81444A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230769(P2009−230769)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】