説明

画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム

【課題】ユーザ操作の負担にならずにセキュリティ機能を維持することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】MFPは、読取られた原稿の画像を取得すると、その中に埋め込まれたコピーを許可する条件である、画像が読取られる状態の情報(原稿の向きなど)、または複写に対するパラメータの設定(倍率など)を取得する。画像が読取られた状態、または画像の複写に対する設定が、画像内に埋め込まれた許可条件と一致するときにのみ、コピーが許可される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムに関し、特にユーザ操作の負担にならずにセキュリティ機能を維持することができる画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)、複写機、プリンタなど画像形成装置の分野に
おいて、原稿の不正コピーを防止するセキュリティ機能の要望が高まっている。
【0003】
セキュリティ機能を高める技術の1つとして、プリントアウト時に何らかのセキュリティ情報を原稿に埋め込み、コピー時にそのセキュリティ情報が読取られるとコピーを禁止するものがある。このように、読取り原稿内のコピー禁止情報を検出して、コピーを禁止する技術が知られている。
【0004】
また、コピーを禁止する原稿である場合において、パスワードを入力する事でコピーを許可する技術が知られている。
【0005】
下記特許文献1は、複写機において機密文書等の複写を管理する複写管理方法を開示している。この方法では、複写機において画像をデジタル的に読取る。複写機は、その内部に不揮発性メモリを持ち、複写操作時に、操作する人のパスワードあるいは識別番号(ID番号)、さらにこの文書の配布予定者の識別番号を要求する。
【0006】
要求が満たされたとき、複写機は文書の読取りを開始する。複写機は、文書中に存在する特定のパターンからそのID番号を読取り、上記メモリ上に記憶してあるパスワードと文書ID番号と配布者のID番号の組を検索する。検索の結果、配布者ID番号と文書ID番号の双方がメモリ上に既に記憶されている場合には、信号を発信し、複写の機能を制限する。
【特許文献1】特開平7−49645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、コピーを許可する方法としては、操作パネルを使用してのパスワード入力等が考えられる。しかしながら、そのようにパスワードを入力させると、ユーザにとって操作が煩わしいという問題がある。
【0008】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ユーザ操作の負担にならずにセキュリティ機能を維持することができる画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像処理装置は、読取られた原稿の画像を取得する取得手段と、読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別手段と、読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別手段と、画像が読取られた状態を検出する検出手段と、読取られた画像内に第1のパターン判別手段により複写禁止パターンがあると判別された場合において、検出手段による検出が、読取られた画像内の第2のパターン判別手段により判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御手段とを備える。
【0010】
この発明の他の局面に従うと、画像処理装置は、読取られた原稿の画像を取得する取得手段と、読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別手段と、読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別手段と、画像の複写に対するパラメータの設定を検出する検出手段と、読取られた画像内に第1のパターン判別手段により複写禁止パターンがあると判別された場合において、検出手段による検出が、読取られた画像内の第2のパターン判別手段により判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御手段とを備える。
【0011】
好ましくは、読取られた画像をプリントするプリント手段をさらに備え、制御手段は、プリント手段によるプリントを許可または禁止する。
【0012】
この発明の他の局面に従うと、画像処理装置は、画像データを格納するための画像メモリと、画像処理装置における画像データの処理を許可する条件である、画像が読取られる状態を設定するための許可条件設定部と、許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換部と、画像データとパターンとを合成した画像を生成するパターン合成部と、パターン合成部での合成画像をプリントする画像出力部とを備える。
【0013】
この発明の他の局面に従うと、画像処理装置は、画像データを格納するための画像メモリと、画像処理装置における画像データの処理を許可する条件である、複写に対するパラメータの設定を設定するための許可条件設定部と、許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換部と、画像データとパターンとを合成した画像を生成するパターン合成部と、パターン合成部での合成画像をプリントする画像出力部とを備える。
【0014】
この発明の他の局面に従うと、画像処理方法は、読取られた原稿の画像を取得する取得ステップと、読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別ステップと、読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別ステップと、画像が読取られた状態を検出する検出ステップと、読取られた画像内に第1のパターン判別ステップにより複写禁止パターンがあると判別された場合において、検出ステップによる検出が、読取られた画像内の第2のパターン判別ステップにより判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御ステップとを備える。
【0015】
この発明の他の局面に従うと、画像処理方法は、読取られた原稿の画像を取得する取得ステップと、読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別ステップと、読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別ステップと、画像の複写に対するパラメータの設定を検出する検出ステップと、読取られた画像内に第1のパターン判別ステップにより複写禁止パターンがあると判別された場合において、検出ステップによる検出が、読取られた画像内の第2のパターン判別ステップにより判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御ステップとを備える。
【0016】
この発明の他の局面に従うと、画像処理方法は、画像データを格納する画像格納ステップと、画像処理装置における画像データの処理を許可する条件である、画像が読取られる状態を設定するための許可条件設定ステップと、許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換ステップと、画像データとパターンとを合成した画像を生成するパターン合成ステップと、パターン合成ステップでの合成画像をプリントする画像出力ステップとを備える。
【0017】
この発明の他の局面に従うと、画像処理方法は、画像データを格納する画像格納ステップと、画像処理装置における画像データの処理を許可する条件である、複写に対するパラメータの設定を設定するための許可条件設定ステップと、許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換ステップと、画像データとパターンとを合成した画像を生成するパターン合成ステップと、パターン合成ステップでの合成画像をプリントする画像出力ステップとを備える。
【0018】
この発明の他の局面に従うと、画像処理プログラムは、読取られた原稿の画像を取得する取得ステップと、読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別ステップと、読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別ステップと、画像が読取られた状態を検出する検出ステップと、読取られた画像内に第1のパターン判別ステップにより複写禁止パターンがあると判別された場合において、検出ステップによる検出が、読取られた画像内の第2のパターン判別ステップにより判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【0019】
この発明の他の局面に従うと、画像処理プログラムは、読取られた原稿の画像を取得する取得ステップと、読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別ステップと、読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別ステップと、画像の複写に対するパラメータの設定を検出する検出ステップと、読取られた画像内に第1のパターン判別ステップにより複写禁止パターンがあると判別された場合において、検出ステップによる検出が、読取られた画像内の第2のパターン判別ステップにより判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【0020】
この発明の他の局面に従うと、画像処理プログラムは、画像データを格納する画像格納ステップと、画像処理装置における画像データの処理を許可する条件である、画像が読取られる状態を設定するための許可条件設定ステップと、許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換ステップと、画像データとパターンとを合成した画像を生成するパターン合成ステップと、パターン合成ステップでの合成画像をプリントする画像出力ステップとをコンピュータに実行させる。
【0021】
この発明の他の局面に従うと、画像処理プログラムは、画像データを格納する画像格納ステップと、画像処理装置における画像データの処理を許可する条件である、複写に対するパラメータの設定を設定するための許可条件設定ステップと、許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換ステップと、画像データとパターンとを合成した画像を生成するパターン合成ステップと、パターン合成ステップでの合成画像をプリントする画像出力ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
これら発明に従うと、画像が読取られた状態、または画像の複写に対するパラメータの設定の少なくとも一方を検出し、その検出結果に基づいて、装置の動作の少なくとも一部を許可または禁止することができる。これにより、ユーザ操作の負担にならずにセキュリティ機能を維持することができる画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像処理装置を含んだデジタル複写機(MFP)の全体構成を示す図である。
【0024】
図を参照して、複写機1は原稿を読取って画像信号に変換するための走査系10、走査系10から送られる画像信号を処理するための画像信号処理部20、画像信号処理部20から送信された画像データを記憶し、印字処理部40に対して送信するためのメモリユニット部30、メモリユニット部30から送信された画像データに基づいて半導体レーザ61を駆動するための印字処理部40、半導体レーザ61からのレーザ光を感光体ドラム71上の露光位置に導くためのレーザ光学系60、レーザ光によって感光体ドラム71上に形成された潜像を現像し、記録紙上に画像を形成する作像系70、複写機1の上面に設けられた不図示の操作パネル、および原稿を読取部2へ搬送し、読取完了後の原稿を読取位置から排出し必要に応じて表裏の反転を行なう原稿搬送部500を含む。
【0025】
なお、読取部2は、走査系10および画像信号処理部20を含み、プリント部3は印字処理部40、レーザ光学系60、および作像系70を含む。
【0026】
読取部2は、原稿ガラス19上に読取面が下向きに載置された原稿の画像を読取り、その原稿の画像の各画素に対応する画像データを生成する。露光ランプ12および第1ミラー13aを含む第1スキャナ11と第2ミラー13bおよび第3ミラー13cを含む第2スキャナ14とは、スキャンモータ18の駆動により矢印b,b′方向(副走査方向)に移動される。露光ランプ12の光は原稿ガラス19上の原稿によって反射され、ミラー13a,13b,13c、および集光レンズ15を介してラインセンサ16に照射される。ラインセンサ16は、図1の紙面に直交する方向(主走査方向)に多数の光電変換素子をライン上に配置したものであり、たとえば、400dpiで画像を読取り、各画素に対応する画像データを出力する。また、上述したように第1スキャナ11と第2スキャナ14とが矢印b,b′方向に移動することにより、ラインセンサ16は原稿の画像を副走査することができる。センサ17は、第1スキャナ11がホームポジションにあることを検出するためのものである。
【0027】
ラインセンサ16から出力された画像データは、画像信号処理部20で処理された後、
メモリユニット部30へ送信される。メモリユニット部30は、画像信号処理部20から受信した画像データを圧縮して一旦記憶した後、プリントの際に圧縮された画像データに対して伸長処理を行なってプリント部3へ送信する。その際、必要に応じて回転編集処理等が施される。
【0028】
プリント部3内の印字処理部40は、メモリユニット部30から受信した画像データに基づいてレーザ光学系60を制御する。レーザ光学系60は、印字処理部40によって変調(オン/オフ)制御されるレーザビームを放射する半導体レーザ61と、半導体レーザ61から放射されたレーザビームを反射して感光体ドラム71上を走査させるためのポリゴンミラー62、fθレンズ63、ミラー64aおよび64bを含む。
【0029】
回転駆動される感光体ドラム71の周辺には、その回転方向に沿って、感光体を帯電させるための帯電チャージャ72、露光によって形成された潜像を現像するための現像器73、画像を記録紙上に転写するための転写チャージャ74、記録紙を感光体ドラム71から分離するための分離チャージャ75、感光体ドラム71の残留トナーを除去するためのクリーナ76、および感光体の残留電位を除去するためのイレーサランプ77が配置されており、周知の電子写真プロセスによってトナー画像を形成し、用紙上に転写する。用紙は、給紙カセット81aまたは81bから給紙ローラ82aまたは82bにより、用紙搬送通路83およびタイミングローラ84を介して転写チャージャ74と感光体ドラム71が対向する位置である転写位置へ搬送される。転写位置でトナー画像が転写された用紙は、搬送ベルト85、定着器86、排出ローラ87を介して、排紙トレイ621上へ排出される。排出ローラ87および感光体ドラム71は、メインモータ78によって駆動される。また、給紙カセット81aおよび81bの近傍には、各カセットに収容されている用紙の残量を検出するための用紙残量検出センサ89aおよび89bが設置されている。
【0030】
原稿搬送部500は、原稿給紙トレイ510上にセットされた原稿を自動的に原稿ガラス19上の読取位置に搬送し、走査系10によって原稿が画像信号に変換された後、原稿を読取位置から原稿排紙部511に排出する。
【0031】
通常は、1枚または複数枚の原稿を、読取るべき面を上に向けて原稿給紙トレイ510にセットし、サイド規制板を原稿の幅に合わせる。そして、セットされた原稿の最下部の原稿から順に給紙ローラ501によって搬送され、捌きローラ502と捌きパッド503とによって捌かれながら、1枚ずつ読取位置へ搬送される。搬送された原稿は中間ローラ504を通り、レジストセンサ512および幅サイズセンサ513により原稿が検出された後、レジストローラ505によって斜行が補正される。原稿の後端が原稿スケール521の左端を通過した直後に、原稿搬送ベルト506はわずかに逆転して停止する。
【0032】
これにより、原稿の右端は原稿スケール521の端縁に当接し、原稿は原稿ガラス19上の読取位置に設置される。このとき、次の原稿の先端はレジストローラ505に達しており、次の原稿の搬送時間を短縮するようになっている。
【0033】
原稿が原稿ガラス19上の読取位置に設置されると、走査系10による原稿の読取走査が行なわれる。原稿の読取が終了すると、原稿が原稿搬送ベルト506により左方に搬送され、反転ローラ507で搬送方向が変更され、切換爪508の上方を通過して排紙トレイ511上に排出される。
【0034】
また、両面原稿の場合は、第1面の読取動作が終了するとその原稿は一旦原稿搬送ベルト506により左方に搬送され、反転ローラ507で原稿の向きを一旦反転した後、再び原稿が原稿ガラス19上に送り出されるように切換爪508の左端部が上方へ移動し、原稿搬送ベルト506が反転することにより原稿の第2面(裏面)が読取位置に設定される
。第2面の読取が終了した原稿は、原稿搬送ベルト506により左方に搬送され、反転ローラ507、切換爪508、および排出ローラ509を経て排紙トレイ511上に排出される。
【0035】
再給紙ユニット600は、両面コピーを自動化するための付加装置としてプリント部3の側面に設置されており、排出ローラ87により複写機1本体から排出された用紙を一旦収納し、スイッチバック搬送を行なってプリント部3に送り返す機能を有している。
【0036】
片面コピーモードにおいては、用紙は再給紙ユニット600を素通りして排紙トレイ621上に排出される。これに対して、両面コピーモードにおいては、図示しないソレノイドによって切換爪601の左端部が上方へ移動し、排出ローラ87から排出された用紙は、搬送ローラ602を通って正反転ローラ603に到達する。用紙後端が用紙センサ604に到達すると、正反転ローラ603が反転を開始する。これによって、用紙は、プリント部3へ戻される。戻された用紙は、水平搬送ローラ88a,88b、および88cを通ってタイミングローラ84へ搬送されて待機する。ここで、複数枚の用紙が連続給紙された場合は、各用紙が互いに重ならないような所定の用紙間隔を設けて、次々に搬送されて再給紙ユニット600に送り込まれる。用紙の搬送経路長は一定であるので、再給紙ユニット600および水平搬送ローラ88a〜88cによる1循環の用紙枚数(最多循環枚数)は、用紙サイズに依存することになる。
【0037】
また、複写機1にはネットワーク接続部90が設けられ、これによりネットワークとの間で情報の授受を行なうことが可能である。
【0038】
複写機1は、原稿の読取条件(読取られる状態)または複写設定をコピーの許可条件とし、コピー時の原稿の読取条件などが設定された許可条件と一致した場合にのみ、コピーを許可する。すなわち、原稿の読取条件などがセキュリティ情報とされる。
【0039】
図2は、図1のデジタル複写機1に接続されるPC(Personal Computer)のハードウ
ェア構成を示すブロック図である。
【0040】
図を参照して、PCは、装置全体の制御を行なうCPU101と、ディスプレイ105と、ネットワークに接続したり外部と通信を行なうためのLAN(ローカルエリアネットワーク)カード107(またはモデムカード)と、キーボードやマウスなどにより構成される入力装置109と、フレキシブルディスクドライブ111と、CD−ROMドライブ113と、ハードディスクドライブ115と、RAM117と、ROM119とを備えている。
【0041】
フレキシブルディスクドライブ111により、フレキシブルディスクFに記録されたプログラムなどのデータを読取ることが可能であり、CD−ROMドライブ113により、CD−ROM113aに記録されたプログラムなどのデータを読取ることが可能である。
【0042】
図3は、複写機1の有するセキュリティ機能を説明するための図である。
本実施の形態においては、セキュリティ機能を実現するために、地紋パターン付きの画像を用紙にプリントする処理と、それをスキャナで読込む処理とが実行される。
【0043】
処理の概要としては、ステップS101においてセキュリティ情報を生成し、ステップS103においてプリントの対象となる画像データとセキュリティ情報を合成する。ステップS105においてセキュリティ情報付きプリントデータが得られ、それに基づいてプリントが行なわれることでプリント物が得られる。このステップS101〜S105の処理が、セキュリティ情報付き原稿を作成する処理に該当する。ステップS107以降は、
ステップS101〜S105で作成された原稿をコピーする時に行なわれる処理を示している。
【0044】
また、ステップS107において、ステップS105で得られたプリント物のスキャンが行なわれることでセキュリティ情報付き画像の読込みが行なわれる。ステップS109において、セキュリティ情報が画像から抽出され、ステップS111においてセキュリティ情報に基づくMFPの動作の制限が行なわれる。
【0045】
より詳しくは、図3の右に示されるようにプリントすべき元の画像データがD1であったとすると、ステップS201で、埋め込む情報が入力される。ここでは、「コピー禁止」の情報と、コピーを許可する条件である許可条件が埋め込まれるものとする。ステップS203において、それらの埋め込まれる情報がコード化される。ステップS205において、コード化された情報が地紋のパターンとされることで、ドットによるセキュリティ情報が生成される。
【0046】
ステップS207において、画像データD1とステップS205で生成されたパターンとが合成され、これによりセキュリティ情報付きプリントデータD2が得られる。ステップS209において、セキュリティ情報付きプリントデータD2が用紙にプリントされる。なお、ドットとして埋め込まれた情報が示す内容は、肉眼では認識することができない。
【0047】
ステップS251において、上記セキュリティ情報付きプリントデータD2がプリントされた用紙がスキャンされると、その画像データが得られる。ステップS253において、画像データから地紋パターン(セキュリティパターン)が抽出される。ステップS255において、地紋パターンからコードが復元され、ステップS257で情報が解析される。
【0048】
ステップS259で、セキュリティ情報付きプリントデータD2がプリントされた用紙の読取条件(スキャン条件)や複写設定が、ステップS201で入力された許可条件と一致しないときには、コピーが禁止される。逆に、セキュリティ情報付きプリントデータD2がプリントされた用紙の読取条件や複写設定が、ステップS201で入力された許可条件と一致するときには、コピーが許可される。
【0049】
なお、上述の処理は説明の判りやすさのため連続して記載しているが、原稿作成処理とコピー時の処理が連続して行なわれる必要はない。
【0050】
図4は、図1のデジタル複写機の機能構成を示すブロック図である。
図を参照してデジタル複写機は、スキャナ201(図1における読取部2に相当)と、画像メモリ203と、パターン抽出部205と、CPU207と、操作パネル209と、情報メモリ211と、パターン変換部213と、画像編集部215と、パターン合成部217と、画像出力部219(図1におけるプリント部3に相当)とを備える。
【0051】
以下、セキュリティ情報付き原稿のスキャン時の動作とプリント時の動作とについて説明する。
【0052】
<スキャン動作>
操作パネル209は、原稿の読取条件を設定したり複写設定を行なう。スキャナ201は、原稿を読取りそれを画像データに変換する。画像メモリ203は、その画像データを格納する。パターン抽出部205は、画像データから地紋パターンを抽出する。CPU207は、地紋パターンを分析し、それからセキュリティ情報を抽出する。
【0053】
また、CPU207は、セキュリティ情報抽出結果と、操作パネル209などにより設定された読取条件などを比較し、コピーの許可/禁止を制御する。
【0054】
<プリント動作>
画像メモリ203は、プリントアウトされる画像データを格納する。コピーの場合には、スキャナ201からの画像データが格納され、PCプリントの場合にはPCから送信されたプリントデータが格納される。
【0055】
情報メモリ211は、原稿に埋め込むセキュリティ情報を格納する。コピー禁止情報やコピー許可条件情報等がそれにあたる。CPU207は、画像メモリ203および情報メモリ211の制御を行なう。画像編集部215は、必要であれば画像データの編集を行なう。
【0056】
パターン変換部213は、情報メモリ211内のデータを地紋パターンに変換する。パターン合成部217は、画像データと地紋パターンとを合成する。画像出力部219は、合成後のデータをプリントアウトする。
【0057】
以下、図5の構成を用いて情報の埋め込み動作について説明する。
図5は、図2のPCおよび画像形成装置の構成を示す図である。
【0058】
図を参照して画像形成装置は、PC100と、スキャナ301と、画像メモリ303と、CPU307と、キーや液晶表示装置などにより構成される許可条件設定部309と、パターン変換部313と、パターン合成部317と、画像出力部319とを備える。
【0059】
PC100以外の機能は、プリンタやMFPなどにより構成することが可能である。
PC100は、PCプリント時に画像データを画像メモリ303に出力する。スキャナ301は、コピー時に原稿画像を読込んで画像データを画像メモリ303に出力する。画像メモリ303は、画像データを格納し、CPU307の制御に従い画像データをパターン合成部317に出力する。許可条件設定部309は、コピー許可条件を設定する。
【0060】
パターン変換部313は、コピー禁止の情報や許可条件の設定を地紋パターンに変換し、CPU307の制御に従い地紋パターンをパターン合成部317に出力する。パターン合成部317は、画像データと地紋パターンを合成する。画像出力部319は、合成されたデータをプリントアウトする。
【0061】
次に、セキュリティ情報の埋め込み技術の概要を説明する。
図6は、許可条件と地紋パターンとして埋め込まれる情報との関係を示す図である。
【0062】
原稿の向きが許可条件とされる場合は、地紋パターンとしてコピーを許可する条件である原稿の向きが埋め込まれる。
【0063】
原稿置き位置が許可条件とされる場合は、地紋パターンとしてコピーを許可する条件である原稿置き位置が埋め込まれる。
【0064】
原稿読取情報が許可条件とされる場合は、地紋パターンとしてコピーを許可する条件である、原稿の読取方法がADF(Automatic Document Feeder)を用いた読取であるか手
置きでの読取であるかが埋め込まれる。
【0065】
ページ順が許可条件とされる場合は、地紋パターンとしてコピーを許可する条件である
原稿のページ順と、各ページ毎にページ番号が埋め込まれる。
【0066】
原稿向きの組合せが許可条件とされる場合は、地紋パターンとしてコピーを許可する条件である各ページ毎の原稿向きと、各ページ毎にページ番号が埋め込まれる。
【0067】
画像編集条件が許可条件とされる場合は、地紋パターンとしてコピーを許可する条件である画像編集条件(倍率、2in1、色彩、濃度等)が埋め込まれる。
【0068】
図7〜9は、地紋パターンを構成する埋め込みパターンの最小単位を示す図である。
埋め込みパターンは図7〜9の3種類のビットセルからなり、それぞれがBit0、Bit1、特殊Bit(TopBit)を示している。
【0069】
Bit0、Bit1は情報Bitであり、TopBitは情報Bitが集合したブロックを検出するための位置決め用として使用される。
【0070】
14×14個のビットセルによって「ブロックセル」が構成される。ブロックセルによって、埋め込み情報であるコード化された許可条件などが記述される。プリントアウト時には、ブロックセルが繰返してプリントされる。
【0071】
次に、地紋パターン抽出技術の概要を説明する。地紋パターン抽出は、下記の5つの処理に分類できる。
【0072】
(1) ドット検出
(2) 傾き検出
(3) 方向検出
(4) Bit判定
(5) 情報抽出
以下において、それぞれの処理を説明する。
【0073】
図10は、ドット検出処理を示す図である。
ドット検出においては、元画像に対し、MAXフィルタ(注目画素とその周りを含めた9個の点の中で最も値の大きなものを出力するフィルタ)とMINフィルタ(注目画素とその周りを含めた9個の点の中で最も値の小さなものを出力するフィルタ)を順番にかけることにより、ドットのみを除去する。その画像と元画像との差分により、ドットのみを検出する事ができる。
【0074】
図11は、傾き検出処理を示す図である。
原稿は常に一定の角度に読取られるとは限らないため、セキュリティ情報を正確に検出するためには、原稿の傾きを検出する必要がある。
【0075】
ドット検出処理で検出されたドット画像はビットセルで構成されるため、ビットセルのドット間隔の成分を多く持つ。そこで、図11のように、ビットセルのドット間隔を持つフィルタを少しずつ傾けたものを並列に設置し、検出度数の最も多い傾きを読取原稿の傾きとして検出する。
【0076】
図12は、方向検出処理を示す図である。
上記傾き検出処理では、90度以下の傾きは検出できるが、方向性(0度/90度/180度/270度)は検出できない。そこで、ビットセルのドットの偏りから方向を判別するため、図12のようなフィルタを用いる。
【0077】
図13は、Bit判定処理を示す図である。
検出した方向に対して、図13のようなフィルタ処理を行なう事で、Bit情報を抽出する。抽出されたBit情報を基に、セキュリティ情報の抽出処理が行なわれる。
【0078】
本実施の形態においては、画像にセキュリティ情報として「原稿横置きでのみコピー許可」との情報を埋め込むものとする。その原稿をコピーするときには、横置きにしないと(横置きで画像を読取らないと)コピーできない。
【0079】
図14および図15は、原稿ガラス19の平面図であり、図14は原稿が縦置きの状態を示す図であり、図15は原稿が横置きの状態を示す図である。
【0080】
図中、ハッチングで示される部分が原稿である。縦置きとは原稿の長辺がユーザから見て縦方向にセットされる状態を示し(図14)、横置きとは原稿の長辺がユーザから見て横方向にセットされる状態を示す(図15)。
【0081】
図16は、第1の実施の形態における画像形成装置の実行する処理を示すフローチャートである。
【0082】
図を参照して、ステップS301において、コピー禁止の情報と、許可条件である「原稿横置きでのみコピー許可」という情報とを埋め込み情報(セキュリティ情報)として設定し、ステップS303でその情報に基づいてプリントアウトを行なう。
【0083】
ステップS305で、ステップS303でプリントされた原稿の読込みを行なう。このとき、ステップS307で埋め込まれた地紋パターンの情報を抽出し、ステップS309で原稿読込みの向きを検出する。
【0084】
ステップS311において、コピー禁止の情報が埋め込まれていたかを判定し、YESであればステップS313で原稿が横置きであるかを判定する。ステップS313でNOであれば、ステップS317でコピーを禁止する。ステップS311でNO、またはステップS313でYESであれば、つまり、原稿の載置された向きが許可条件を満たす場合、ステップS315でコピーを許可する。
【0085】
なお、これらの処理は説明の判りやすさのため連続して記載しているが、原稿作成処理(ステップS301,S303)とコピー時の処理(ステップS305〜S317)が連続して行なわれる必要はない。
【0086】
以上のように本実施の形態によると、コピーにおいて原稿の読取条件がパスワードの代わりとなるため、ユーザに煩わしいパスワードのキー入力などを要求することなく、特定者にのみコピーを許可することができる。これにより、セキュリティ機能を維持することができる。
【0087】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰返さない。
【0088】
本実施の形態においても、原稿の読取条件をパスワード代わりに使用する。たとえば、10ページの文書のコピーを作成する場合に、セキュリティ情報として「9ページ目と10ページ目の原稿順を入換えた場合にのみコピー許可」との情報を埋め込む。その原稿をコピーするときには、図17のように9ページ目と10ページ目の原稿を入換えないとコピーできない。
【0089】
図18は、第2の実施の形態における画像形成装置の実行する処理を示すフローチャートである。
【0090】
図を参照して、ステップS401において、コピー禁止の情報と、許可条件である「9ページと10ページの原稿順が逆」という情報と、各画像に対してページ番号の情報とを埋め込み情報として設定し、ステップS403でその情報に基づいてプリントアウトを行なう。
【0091】
ステップS405で、ステップS403でプリントされた原稿の読込みを行なう。このとき、ステップS407で埋め込まれた地紋パターンの情報を抽出する。
【0092】
ステップS409において、コピー禁止の情報が埋め込まれていたかを判定し、YESであればステップS411で、原稿の読取ページが9ページまたは10ページであるかを判定する。NOであれば原稿の読取ページが原稿に埋め込まれたページ情報の数と等しいかを判定する。ステップS413でYESであれば、ステップS415へ進む。
【0093】
また、ステップS411でYESであればステップS419で9ページと10ページの原稿が入れ替わっているかを判定し、NOであればステップS421でコピーを禁止し、YESであれば、つまり9ページ目と10ページ目の原稿が入れ替わっていた場合、ステップS415へ進む。
【0094】
ステップS413でNOであれば、ステップS421へ進む。
ステップS415でNOであれば、ステップS411に戻り、次の読取ページの処理を行なう。また、ステップS415で全ページを読取ったかを判定しYESであれば、10ページのうち9ページと10ページのみが入れ替わっていることを示すため、ステップS417でコピーを許可する。ステップS409でNOであれば、ステップS417へ進む。
【0095】
以上の処理により、本実施の形態においては、コピーにおいて原稿の読取条件である原稿の順序がパスワードの代わりとなる。このため、ユーザに煩わしいパスワードのキー入力などを要求することなく、特定者にのみコピーを許可することができ、セキュリティ機能を維持することができる。
【0096】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰返さない。
【0097】
本実施の形態においても、原稿の読取条件をパスワード代わりに使用する。たとえば、10ページの文書のコピーを作成する場合に、セキュリティ情報として「5ページ目と10ページ目が横向きである場合にのみコピー許可」との情報を埋め込む。その原稿をコピーするときには、図19のように5ページ目と10ページ目の原稿を横向きにしないとコピーできない。
【0098】
なお、ここで「横向き」とは、図15に示されるように原稿がセットされることを示す。
【0099】
図20は、第3の実施の形態における画像形成装置の実行する処理を示すフローチャートである。
【0100】
図を参照して、ステップS501において、コピー禁止の情報と、許可条件である「5ページと10ページの原稿が横向き」という情報と、各画像に対してページ番号の情報とを埋め込み情報として設定し、ステップS503でその情報に基づいてプリントアウトを行なう。
【0101】
ステップS505で、ステップS503でプリントされた原稿の読込みを行なう。このとき、ステップS507で埋め込まれた地紋パターンの情報を抽出する。また、ステップS509で原稿の向きの情報を検出する。
【0102】
ステップS511において、コピー禁止の情報が埋め込まれていたかを判定し、YESであればステップS513で、原稿の読取ページが5ページまたは10ページであるかを判定する。NOであればステップS515で、原稿の向きが縦向きであるかを判定する。ステップS515でYESであれば、ステップS517へ進む。
【0103】
また、ステップS513でYESであればステップS521で原稿が横向きかを判定し、NOであればステップS523でコピーを禁止し、YESであればステップS517へ進む。
【0104】
ステップS517でNOであれば、ステップS513に戻り、次の読取ページの処理を行なう。ステップS517において全てのページの処理が終了したかを判定し、YESであれば、10ページのうち5ページと10ページのみが横向きであることを示すため、ステップS519でコピーを許可する。ステップS511でNOであれば、ステップS519へ進む。
【0105】
ステップS515でNOであれば、ステップS523へ進む。
以上の処理により、本実施の形態においては、コピーにおいて原稿の読取条件である原稿のページと向き(原稿の向きの組合せ)がパスワードの代わりとなる。このため、ユーザに煩わしいパスワードのキー入力などを要求することなく、特定者にのみコピーを許可することができ、セキュリティ機能を維持することができる。
【0106】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるため、ここでの説明を繰返さない。
【0107】
本実施の形態においては、原稿のコピー条件(複写設定)をパスワード代わりに使用する。たとえば、文書のコピーを作成する場合に、セキュリティ情報として「設定倍率が0.5倍である場合にのみコピー許可」との情報を埋め込む。その原稿をコピーするときには、複写の倍率を0.5倍に設定しないとコピーできない。
【0108】
図21は、第4の実施の形態における画像形成装置の実行する処理を示すフローチャートである。
【0109】
図を参照して、ステップS601において、コピー禁止の情報と、許可条件である「倍率設定が0.5倍であること」という情報を埋め込み情報として設定し、ステップS603でその情報に基づいてプリントアウトを行なう。
【0110】
ステップS605で、ステップS603でプリントされた原稿の読込みを行なう。このとき、ステップS607で埋め込まれた地紋パターンの情報を抽出する。
【0111】
ステップS609において、コピー禁止の情報が埋め込まれていたかを判定し、YES
であればステップS611で、設定された倍率が0.5倍であるかを判定する。YESであればステップS613でコピーを許可する。このとき、0.5倍という設定はパスワードに代わる入力であるため、実際に画像を0.5倍する処理は行なわない(倍率の設定を無視する)。
【0112】
また、ステップS611でNOであれば、ステップS615でコピーを禁止する。
ステップS609でNOであれば、ステップS617で、設定されたとおりに0.5倍の画像の変倍を行ない、ステップS613へ進む。
【0113】
以上の処理により、本実施の形態においては、原稿のコピー条件がパスワードの代わりとなる。このため、特定者にのみコピーを許可することができ、セキュリティ機能を維持することができる。
【0114】
[その他]
なお、第1〜第3の実施の形態において原稿の向きやページの順を特定の状態にした場合にのみコピーを許可することとしたが、コピー時には原稿の向きやページ順を元の状態に変更するようにしてもよい。すなわち、図17のようにセットされた原稿をプリントする時には、9ページ目と10ページ目とを入れ替えてプリントすることで本来の順にプリントするものである。また、図19のようにセットされた原稿をプリントする時には、5ページ目と10ページ目との向きを変更して、本来の形体でプリントするものである。
【0115】
また、原稿の読取条件として、原稿の向き(縦か横か)を例に挙げたが、原稿の位置(中央基準か端基準か)、原稿読取方法(手置きかADFを用いたか)などを原稿の読取条件としてパスワードの代わりとしてもよい。
【0116】
また、コピー条件(画像編集条件)としては、倍率設定を例に挙げたが、濃度設定、色彩設定、2IN1設定、ステープルの設定、パンチの設定など、原稿と出力の形状を替えるものであれば、コピー条件に用いることができる。
【0117】
さらに、上記実施の形態ではコピーの許可条件を画像に埋め込み、これに基づきコピーの制御を行なうこととしたが、これに代えて画像形成装置の特定の機能を制御するための条件を埋め込み、それに基づいて装置の制御を行なうようにしてもよい。たとえば、画像の読込みやデータ出力などを、許可条件が満たされたときのみ実行するなどである。
【0118】
なお、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアにより行なってもよいし、ハードウエア回路を用いて行なってもよい。
【0119】
また、コピーの許可条件は画像に埋め込むこととしたが、これに代えて画像処理装置内で保持するようにしてもよい。
【0120】
また、上述の実施の形態におけるフローチャートの処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0121】
また、本発明はネットワークに接続されたシステムにおいても、ネットワーク環境に接続されていないシステムにも適用することができる。
【0122】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えら
れるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるデジタル複写機(MFP)の全体構成を示す図である。
【図2】図1のデジタル複写機1に接続されるPC(Personal Computer)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】複写機1の有するセキュリティ機能を説明するための図である。
【図4】図1のデジタル複写機の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図2のPCを用いた画像形成装置の構成を示す図である。
【図6】許可条件とパターンとして埋め込まれる情報との関係を示す図である。
【図7】地紋パターンを構成する埋め込みパターンの最小単位を示す図である。
【図8】地紋パターンを構成する埋め込みパターンの最小単位を示す図である。
【図9】地紋パターンを構成する埋め込みパターンの最小単位を示す図である。
【図10】ドット検出処理を示す図である。
【図11】傾き検出処理を示す図である。
【図12】方向検出処理を示す図である。
【図13】Bit判定処理を示す図である。
【図14】原稿が縦置きの状態を示す図である。
【図15】原稿が横置きの状態を示す図である。
【図16】第1の実施の形態における画像形成装置の実行する処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態における画像形成装置の動作を説明するための図である。
【図18】第2の実施の形態における画像形成装置の実行する処理を示すフローチャートである。
【図19】第3の実施の形態における画像形成装置の動作を説明するための図である。
【図20】第3の実施の形態における画像形成装置の実行する処理を示すフローチャートである。
【図21】第4の実施の形態における画像形成装置の実行する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0124】
201 スキャナ、203 画像メモリ、205 パターン抽出部、209 操作パネル、211 情報メモリ、213 パターン変換部、215 画像編集部、217 パターン合成部、219 画像出力部、301 スキャナ、303 画像メモリ、309 許可条件設定部、313 パターン変換部、317 パターン合成部、319 画像出力部、D1 画像データ、D2 プリントデータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取られた原稿の画像を取得する取得手段と、
前記読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別手段と、
前記読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別手段と、
前記画像が読取られた状態を検出する検出手段と、
前記読取られた画像内に第1のパターン判別手段により複写禁止パターンがあると判別された場合において、前記検出手段による検出が、前記読取られた画像内の第2のパターン判別手段により判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御手段とを備えた、画像処理装置。
【請求項2】
読取られた原稿の画像を取得する取得手段と、
前記読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別手段と、
前記読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別手段と、
前記画像の複写に対するパラメータの設定を検出する検出手段と、
前記読取られた画像内に第1のパターン判別手段により複写禁止パターンがあると判別された場合において、前記検出手段による検出が、前記読取られた画像内の第2のパターン判別手段により判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御手段とを備えた、画像処理装置。
【請求項3】
前記読取られた画像をプリントするプリント手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記プリント手段によるプリントを許可または禁止する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像データを格納するための画像メモリと、
画像処理装置における前記画像データの処理を許可する条件である、画像が読取られる状態を設定するための許可条件設定部と、
前記許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換部と、
前記画像データと前記パターンとを合成した画像を生成するパターン合成部と、
前記パターン合成部での合成画像をプリントする画像出力部とを備えた、画像処理装置。
【請求項5】
画像データを格納するための画像メモリと、
画像処理装置における前記画像データの処理を許可する条件である、複写に対するパラメータの設定を設定するための許可条件設定部と、
前記許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換部と、
前記画像データと前記パターンとを合成した画像を生成するパターン合成部と、
前記パターン合成部での合成画像をプリントする画像出力部とを備えた、画像処理装置。
【請求項6】
読取られた原稿の画像を取得する取得ステップと、
前記読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別ステップと、
前記読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別ステップと、
前記画像が読取られた状態を検出する検出ステップと、
前記読取られた画像内に第1のパターン判別ステップにより複写禁止パターンがあると判別された場合において、前記検出ステップによる検出が、前記読取られた画像内の第2のパターン判別ステップにより判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御ステップとを備えた、画像処理方法。
【請求項7】
読取られた原稿の画像を取得する取得ステップと、
前記読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別ステップと、
前記読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別ステップと、
前記画像の複写に対するパラメータの設定を検出する検出ステップと、
前記読取られた画像内に第1のパターン判別ステップにより複写禁止パターンがあると判別された場合において、前記検出ステップによる検出が、前記読取られた画像内の第2のパターン判別ステップにより判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御ステップとを備えた、画像処理方法。
【請求項8】
画像データを格納する画像格納ステップと、
画像処理装置における前記画像データの処理を許可する条件である、画像が読取られる状態を設定するための許可条件設定ステップと、
前記許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換ステップと、
前記画像データと前記パターンとを合成した画像を生成するパターン合成ステップと、
前記パターン合成ステップでの合成画像をプリントする画像出力ステップとを備えた、画像処理方法。
【請求項9】
画像データを格納する画像格納ステップと、
画像処理装置における前記画像データの処理を許可する条件である、複写に対するパラメータの設定を設定するための許可条件設定ステップと、
前記許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換ステップと、
前記画像データと前記パターンとを合成した画像を生成するパターン合成ステップと、
前記パターン合成ステップでの合成画像をプリントする画像出力ステップとを備えた、画像処理方法。
【請求項10】
読取られた原稿の画像を取得する取得ステップと、
前記読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別ステップと、
前記読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別ステップと、
前記画像が読取られた状態を検出する検出ステップと、
前記読取られた画像内に第1のパターン判別ステップにより複写禁止パターンがあると判別された場合において、前記検出ステップによる検出が、前記読取られた画像内の第2のパターン判別ステップにより判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御ステップとをコンピュータに実行させる、画像処理プログラム。
【請求項11】
読取られた原稿の画像を取得する取得ステップと、
前記読取られた画像内に、複写禁止パターンがあるか否かを判別する第1のパターン判別ステップと、
前記読取られた画像内の、許可条件を判別する第2のパターン判別ステップと、
前記画像の複写に対するパラメータの設定を検出する検出ステップと、
前記読取られた画像内に第1のパターン判別ステップにより複写禁止パターンがあると判別された場合において、前記検出ステップによる検出が、前記読取られた画像内の第2のパターン判別ステップにより判別された許可条件と一致するときにのみ、装置の動作の少なくとも一部を許可する制御ステップとをコンピュータに実行させる、画像処理プログラム。
【請求項12】
画像データを格納する画像格納ステップと、
画像処理装置における前記画像データの処理を許可する条件である、画像が読取られる状態を設定するための許可条件設定ステップと、
前記許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換ステップと、
前記画像データと前記パターンとを合成した画像を生成するパターン合成ステップと、
前記パターン合成ステップでの合成画像をプリントする画像出力ステップとをコンピュータに実行させる、画像処理プログラム。
【請求項13】
画像データを格納する画像格納ステップと、
画像処理装置における前記画像データの処理を許可する条件である、複写に対するパラメータの設定を設定するための許可条件設定ステップと、
前記許可条件および複写禁止の情報を、原稿読取時に検出可能なパターンへと変換するパターン変換ステップと、
前記画像データと前記パターンとを合成した画像を生成するパターン合成ステップと、
前記パターン合成ステップでの合成画像をプリントする画像出力ステップとをコンピュータに実行させる、画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−206196(P2008−206196A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123006(P2008−123006)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【分割の表示】特願2006−116027(P2006−116027)の分割
【原出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】