画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体
【課題】ユーザが期待する画像形成時間と画像品質の両立が可能な画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、情報取得手段により取得された記録媒体情報及び環境情報と画像形成条件設定手段により設定された画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段と、を備える。
【解決手段】記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、情報取得手段により取得された記録媒体情報及び環境情報と画像形成条件設定手段により設定された画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ自身が画像品質、乾燥時間及び全画像形成時間の設定と確認を同時にすることができるような手段を備える画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データを処理する画像処理装置として、パーソナルコンピュータやワークステーションなどがある。このような画像処理装置において動作するアプリケーションソフトにより、種々のオブジェクト(文字や線、塗り、写真)からなる画像データが形成される。
【0003】
この画像データを画像として形成出力する画像形成装置として、プリンタやファクシミリ、複写装置、また、これらの装置により構成される複合機などがある。画像形成方法としては、例えば、インクジェット記録方式や電子写真方式などがあり、記録液(インク)やトナーなどの画像形成材を使用し画像を形成する。画像形成装置の多くは両面記録に対応している。
【0004】
このような画像形成装置では、画像形成の画像品質及び画像形成の速度が重要であり、両面記録においてもその重要度は変わらない。また、品質と速度の両立はユーザが当然期待することでもある。
【0005】
例として、インクジェット記録方式について説明する。この方式では液滴を吐出して画像形成するため、(1)インクが記録媒体へ浸透することによる裏写り、(2)未乾燥状態のインクが記録媒体搬送機構に転写し、それが記録媒体にさらに転写する、意図しない転写、(3)インクが記録媒体へ付着することによるシワ(コックリング)、などが発生する。これらの現象は、インクの未乾燥や記録媒体のインク浸透による変形が原因である。
【0006】
そこでこれらの現象に対して、両面記録の際には、以下の対策がとられている。
(対策1)表面の印刷と裏面の印刷の間に乾燥時間を設ける。
(対策2)単位面積あたりのインク付着量を少なくする。
【0007】
しかし、これらの対策には短所もある。
(対策1の短所)乾燥時間の分だけ両面の画像形成が完了するまでの時間が長くなる。
(対策2の短所)片面記録の際よりも画像が薄くなり、画像品質が悪くなる。
【0008】
両面記録時にはこれらの対策が必ず必要となるが、これらの対策をそのまま適用するだけでは画像品質および画像形成の速度を両立させることができない。このような両面記録時の品質や速度に対する課題について、次の方法が提案されている。
【0009】
両面記録時の品質と速度を両立させる方法としては、特許文献1と特許文献2の発明が開示されている。特許文献1では、色剤に加えて処理剤を使用することで両面記録の品質と速度を両立させている。特許文献2では、色剤に加えて処理剤を使用し、さらに、記録媒体裏表で重なる部分の色剤使用量を減少させている。
【0010】
両面記録時の品質を向上させる方法としては、特許文献3、特許文献4及び特許文献5の発明が開示されている。特許文献3では、記録する面の順を変更することにより、記録媒体に発生するシワによる搬送不良や印刷ヘッドとの干渉による記録媒体汚れを回避する。特許文献4では、裏写り対策として、裏写りが起きた部分をあらかじめ測定しておき、その測定に応じて色剤制限をする。特許文献5では、両面記録時において、文字の品質(可読性)を確保しつつ、色剤使用量を低減させるために、文字輪郭部分とそれ以外の部分とで色剤使用量低減の度合いを異ならせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の方法では、色剤に加え、処理剤を使用することが前提となっている。このため、これらの方法は処理剤を使用できない場合には適用できない。
【0012】
また、特許文献3、特許文献4及び特許文献5の方法では、印刷する画像によっては、ユーザが満足できる品質を確保できない場合がある。
【0013】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ユーザが期待する画像形成時間と画像品質の両立が可能な画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明における画像処理装置は、記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明における画像処理方法は、記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得ステップと、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定ステップと、前記情報取得ステップにより取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定ステップにより設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明におけるプログラムは、画像処理装置を、記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明における記憶媒体は、画像処理装置を、記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段として機能させることを特徴とするプログラムを記録し、コンピュータ読み取り可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、ユーザが期待する画像形成時間と画像品質の両立をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の機構部の概略構成図である。
【図2】シリアルヘッド方式とラインヘッド方式のインクジェット記録装置の要部平面説明図である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッドユニット構成を説明する斜視説明図である。
【図4】インクジェット記録装置の搬送ベルトの一例を説明する説明図である。
【図5】インクジェット記録装置による記録動作を説明する説明図である。
【図6】同装置の制御部の概要を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像処理装置におけるプリンタドライバの構成の一例を機能的に説明するブロック図である。
【図8】画像形成装置における本発明の一実施例における処理の流れを説明する図である。
【図9】画像処理装置における本発明に係る実施形態にかかわる画像形成時間推定の一例を説明する図である。
【図10】画像処理装置における本発明の画像形成時間および各オブジェクトの画像品質水準の設定および表示の一例を説明する図である。
【図11】インクジェット記録方式について説明した図である。
【図12】電子写真記録方式について説明した図である。
【図13】熱転写記録方式について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
まず、本発明に係る画像形成装置のインクジェット記録装置の一例について図1〜4を参照して説明する。図1は当該記録装置の機構部全体の概略構成図、図2は当該記録装置の要部平面説明図、図3は当該記録装置のヘッド構成を説明する斜視説明図、図4は当該記録装置の搬送ベルトの模式的断面説明図である。
【0022】
このインクジェット記録装置は、装置本体1の内部に画像形成部2等を有し、装置本体1の下方側に多数枚の記録媒体(以下「用紙」という。)3を積載可能な給紙トレイ4を備え、この給紙トレイ4から給紙される用紙3を取り込み、搬送機構5によって用紙3を搬送しながら画像形成部2によって所要の画像を記録した後、装置本体1の側方に装着された排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
【0023】
また、このインクジェット記録装置は、装置本体1に対して着脱可能な両面ユニット7を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構5によって用紙3を逆方向に搬送しながら両面ユニット7内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構5に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
【0024】
ここで、画像形成部2は、ガイドシャフト11、12にキャリッジ13を摺動可能に保持し、図示しない主走査モータでキャリッジ13を用紙3の搬送方向と直交する方向に移動(主走査)させる。キャリッジ13には、液滴を吐出する複数の吐出口であるノズル孔14n(図3参照)を配列した液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド14を搭載し、また、記録ヘッド14に液体を供給するインクカートリッジ15を着脱自在に搭載している。なお、インクカートリッジ15に代えてサブタンクを搭載し、メインタンクからインクをサブタンクに補充供給する構成とすることもできる。
【0025】
ここで、記録ヘッド14としては、例えば、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドである独立した4個のインクジェットヘッド14y、14m、14c、14kとしているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。なお、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
【0026】
記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータや発熱抵抗体などの電熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどがインクを吐出するためのエネルギー発生手段として使用できる。
【0027】
電熱変換素子には、低い電圧が加わっても抵抗値が変化しにくく、一定以上の電圧が加わった際に抵抗値が大きく変化する非線形な特性を有する電熱変換素子を用いることができる。
【0028】
線形な特性を有する電熱変換素子では、複数の発熱手段を選択的に駆動する際に、非選択の発熱手段にノイズ電圧が加わりエネルギーを浪費したり、駆動電圧に影響を与えてインクの吐出量が変化し、記録画像に影響を与えてしまう恐れがある。特に、複数の縦配線と複数の横配線とに電圧を印加して、縦配線と横配線との交点にマトリクス状に配置された発熱手段を選択的に駆動するインクジェット記録ヘッドでは、駆動の過程で非選択の発熱手段に駆動電圧より低い電圧が印加される恐れがあり、この電圧が順方向である場合には、非選択の発熱手段に不要な発熱が生じることになる。不必要な発熱が生じて熱が蓄積されると、いざ吐出される際に加熱すると規定以上に発熱してしまい、その結果必要以上の量のインクが吐出されてしまう。このため、ノズルごとのインク吐出量にばらつきが生じてしまう。
【0029】
ところが、非線形な特性を有する電熱変換素子を用いれば、ノイズなどの駆動電圧よりも低い電圧が発熱手段に加わっても不要な発熱が生じないため、インクの吐出量のばらつきが抑制でき、印刷物の粒状性、階調性が良好となる。また、不必要な発熱を防ぐことができるため、エネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0030】
さらに、サーマル方式の記録ヘッドを用いる場合、電熱変換素子(吐出エネルギー発生体)に保護層を設けても良い。保護層を設けることで、インクによる浸食、コゲーション(インク成分の焦げ付き)やキャビテーション(気泡収縮時の衝撃による破壊)が直接電熱変換素子に作用しなくなる。電熱変換素子を痛めつけることがないので、電熱変換素子の寿命を長くすることができる。
【0031】
給紙トレイ4の用紙3は、給紙コロ(半月コロ)21と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体1内に給紙され、搬送機構5に送り込まれる。
【0032】
搬送機構5は、給紙された用紙3をガイド面23aに沿って上方にガイドし、また両面ユニット7から送り込まれる用紙3をガイド面23bに沿ってガイドする搬送ガイド部23と、用紙3を搬送する搬送ローラ24と、搬送ローラ24に対して用紙3を押し付ける加圧コロ25と、用紙3を搬送ローラ24側にガイドするガイド部材26と、両面印刷時に戻される用紙3を両面ユニット7に案内するガイド部材27と、搬送ローラ24から送り出す用紙3を押圧する押し付けコロ28とを有している。
【0033】
さらに、搬送機構5は、記録ヘッド14で用紙3の平面性を維持したまま搬送するために、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に掛け渡した搬送ベルト33と、搬送ベルト33を帯電させるための帯電ローラ34と、この帯電ローラ34に対向するガイドローラ35と、図示しないが、搬送ベルト33を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)と、搬送ベルト33に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
【0034】
ここで、搬送ベルト33は、無端状ベルトであり、駆動ローラ31と従動ローラ(テンションローラ)32との間に掛け渡されて、図1の矢示方向A(用紙搬送方向)に周回するように構成している。
【0035】
この搬送ベルト33は、単層構成、又は図4に示すように第1層(最表層)33aと第2層(裏層)33bの2層構成あるいは3層以上の構成とすることができる。例えば、この搬送ベルト33は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とで構成する。
【0036】
帯電ローラ34は、搬送ベルト33の表層に接触し、搬送ベルト33の回動に従動して回転するように配置されている。帯電ローラ34には図示しない高圧回路(高圧電源)から高電圧が所定のパターンで印加される。
【0037】
また、搬送機構5から下流側には画像が記録された用紙3を排紙トレイ6に送り出すための排紙ローラ38を備えている。
【0038】
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト33は矢示方向に周回し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ34と接触することで正に帯電される。この場合、帯電ローラ34からは所定の時間間隔で極性を切り替えることによって、所定の帯電ピッチで帯電させる。
【0039】
ここで、この高電位に帯電した搬送ベルト33上に用紙3が給送されると、用紙3内部が分極状態になり、搬送ベルト33上の電荷と逆極性の電荷が用紙3のベルト33と接触している面に誘電され、ベルト33上の電荷と搬送される用紙3上に誘電された電荷同士が互いに静電的に引っ張り合い、用紙3は搬送ベルト33に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト33に強力に吸着した用紙3は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
【0040】
そこで、搬送ベルト33を周回させて用紙3を移動させ、キャリッジ13を片方向又は双方向に移動走査しながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動し、図5(a)、(b)に示すように、記録ヘッド14から液滴14iを吐出(噴射)させて、停止している用紙3に液滴であるインク滴を着弾させてドットDiを形成することにより、1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了する。なお、図5(b)は図5(a)のドットDi形成部分を拡大したものである。
【0041】
このようにして、画像が記録された用紙3は排紙ローラ38によって排紙トレイ6に排紙される。
【0042】
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック図である。この制御部100は、装置全体の制御を司るCPU101と、CPU101が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM102と、画像データ等を一時格納するRAM103と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)104と、各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC105とを備えている。
【0043】
また、制御部100は、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置であるホスト90側とのデータや信号の送受を行うためのI/F106と記録ヘッド14を駆動制御するためのヘッド駆動制御部107及びヘッドドライバ108、主走査モータ110を駆動するための主走査モータ駆動部111、副走査モータ112を駆動するための副走査モータ駆動部123、サブシステム71のモータを駆動するためのサブシステム駆動部294、環境温度及び/又は環境湿度を検出する環境センサ118、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O116などを備えている。
【0044】
また、制御部100には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル117が接続されている。さらに、制御部100は、帯電ローラ34に対する高電圧を印加する高圧回路(高圧電源)114のオン/オフの切り替え及び出力極性の切り替え制御を行う。
【0045】
ここで、制御部100は、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト90側からの画像データを含む印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F106で受信する。なお、この制御部100に対する印刷データの生成出力は、ホスト90側の本発明に係るプリンタドライバ91によって行うようにしている。
【0046】
そして、CPU101は、I/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC105にてデータの並び替え処理等を行ってヘッド駆動制御部107に画像データを転送する。なお、画像出力するための印刷データのビットマップデータへの変換は、前述したようにホスト90側のプリンタドライバ91で画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしているが、例えばROM102にフォントデータを格納して行っても良い。
【0047】
ヘッド駆動制御部107は、記録ヘッド14の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を受け取ると、この1行分のドットパターンデータを、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ108にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ108に送出する。
【0048】
ヘッド駆動制御部107は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROM(ROM102で構成することもできる。)と、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路及びアンプ等で構成される駆動波形発生回路を含む。
【0049】
また、ヘッドドライバ108は、ヘッド駆動制御部107からのクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値をヘッド駆動制御部107からのラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動波形を選択的に記録ヘッド14のアクチュエータ手段に印加してヘッドを駆動する。
【0050】
また、本発明では記録媒体の少なくとも一部の縁部に対して余白を設けないで印刷を行うこともできる。
【0051】
その際、縁部を印刷するにはどうしても記録媒体外にもインクを吐出することになる。これは記録媒体の縁部ギリギリちょうどまで印刷するようにインクを噴射しても、実際には記録媒体の搬送系の送り誤差、キャリッジの駆動誤差等により理想とする着弾位置にインクを着弾させることができない場合が多々あり、余白を作ってしまう。そのため、印刷位置の誤差を加味して理想より広めに印刷することとなり、どうしても記録媒体外にもインクを吐出することになる。
【0052】
このとき、記録媒体からはみ出すインクは記録に寄与しないため、無駄なインク消費である。そのため、はみ出しインクを極力減らしたい。
【0053】
はみ出しインクを減らす方法として、例えば、記録媒体の搬送精度を上げる方法がある。搬送精度を高めて想定するはみ出し領域を小さくすることで、無駄なはみ出しインクを減らす。具体的には、記録媒体端部を印刷する際には、記録媒体の送りを微小にして、搬送精度を高めることが挙げられる。
【0054】
次に、この画像形成装置により画像を形成するために、画像データを転送するホスト側となるプリンタドライバを含む画像処理装置の例について図7を参照して説明する。データ処理装置のプリンタドライバ91は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データ130をモニター表示用の色空間から記録装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行うCMM(Color Management Module)処理部131、CMYの値から黒生成/下色除去を行うBG/UCR(Black Generation/Under Color Removal)処理部132、記録装置の特性やユーザの嗜好を反映した入出力補正を行うγ補正部133、記録装置の解像度に合わせて拡大処理を行うズーミング(Zooming)部134、画像データを記録装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部135を含んでいる。
【0055】
本発明に係る画像処理装置の実施例における処理の流れを図8に示す。画像形成するための画像データ130が決まると、オブジェクト画像品質水準設定部202において、オブジェクト(例えば、文字や線、塗り、写真など)ごとに画像品質水準を設定する。ここでの設定はオブジェクトそれぞれに対して、設定するようにしても良いし、画像で重要なオブジェクトを指定したときに、重要なオブジェクトは高い画像品質水準に設定され、他のオブジェクトの画像品質水準は重要なオブジェクトより低い水準に自動的に設定されるようにしても良い。または別にそれぞれのオブジェクトに重要度指標を指定しておき、その重要度指標により自動的にオブジェクトそれぞれの画像品質水準が設定されるようにしても良い。また、この画像品質水準の設定はページごとに行っても良いし、すべてのページ同じ設定でも良い。また、ページごとにそのページを構成するオブジェクトの比率に基づいて自動的に設定しても良いし、ユーザがページごとにそれぞれのオブジェクトに対して設定しても良い。例えば、文章が中心のページは文字の画像品質水準を高く、それ以外のオブジェクトは画像品質水準を低く設定するようにしても良い。
【0056】
これにより、画像品質水準を低くしたオブジェクト部分については、記録密度を疎とし、記録速度を速くし、記録階調変換処理によりドット発生を抑制させ、単位面積あたりの色剤付着量を抑えることができる。これにより、少ない乾燥時間であっても、両面印刷時の不具合(記録媒体のシワ、裏抜けなど)を抑えることができる。逆に、画像品質水準を高くしたオブジェクト部分は記録密度を密とし、記録速度を遅くし、記録階調変換処理変更によりドット発生の抑制を低減させ、画像品質を高めることができる。ただし、このときは、乾燥時間を多く取らなければならない。
【0057】
また、各オブジェクトの画像品質水準を印刷中に固定するかどうかを選択できるようにしても良い。例えば、文字中心のページで、文字の画像品質を高品質に固定したい場合などは画像品質固定設定を有効にする。この設定の例を図10に示す。
【0058】
次に、オブジェクト画像水準設定部202においてオブジェクトごとに設定された画像品質水準に基づき、オブジェクト画像設定部203において、オブジェクトごとの画像形成条件、つまり、記録密度および記録速度、記録階調処理(ドット配置パターンを生成する処理)などを設定する。ページごとに画像品質水準が設定されているときは、その画像品質水準に基づき、ページごとに画像形成条件を設定する。
【0059】
オブジェクト画像設定部において設定された画像形成条件に基づき、画像形成時間推定部204において、画像形成時間の推定値が算出される。記録媒体や環境(温度や湿度など)の違いにより色剤乾燥時間や記録媒体のシワの程度が異なるため、記録媒体や環境により乾燥するのに必要な時間が異なってくる。また、記録媒体に付着する色剤量によっても乾燥するのに必要な時間は変わってくる。そこで、画像形成時間推定部204において、記録媒体情報、環境情報及び画像形成条件に基づき、画像に不具合が発生しない乾燥時間が算出される。そして、画像形成時間及び乾燥時間に、給紙等にかかる時間も合わせて、画像形成全体が完了するまでにかかる全画像形成時間の推定値も算出される。つまり、ここでは、記録媒体情報、環境情報、画像形成条件により乾燥時間と全画像形成時間の推定値が算出される。
【0060】
ページごと、オブジェクトごとに設定された記録密度などの画像形成条件や、ページごと、オブジェクトごとに設定された画像品質水準、予測される乾燥時間、全画像形成時間などをユーザにより確認できるようにするために、これらを画像形成条件表示部205により表示する。この画像形成条件表示部は、例えば、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト90(図6)に接続された表示装置に相当する。表示の例を図10に示す。
【0061】
ユーザはこの表示を見ながら、画像形成時間設定部201において、乾燥時間や画像形成時間、全画像形成時間、画像品質水準などを変更することにより全画像形成時間と画像品質水準を調整する。この調整の際に使用するユーザインターフェイスの例を図10に示す。
【0062】
画像形成時間設定部201での調整が行われ、乾燥時間や画像形成時間、全画像形成時間がユーザにより変更された場合(図8の207、Yes)は、オブジェクト画像品質水準設定部202において、この変更された時間と媒体情報、環境情報により画像品質水準が算出され、画像形成時間推定部204において、再度、全画像形成時間と乾燥時間が算出される。画像品質水準をユーザが変更した場合(図8の207、Yes)は、オブジェクト画像品質設定部203、画像形成時間推定部204を通して、媒体情報、環境情報とこの変更された画像品質水準とにより全画像形成時間が算出される。
【0063】
この画像形成条件表示部205と画像形成時間設定部201により、ユーザが全画像形成時間を確認しながら、乾燥時間や画像品質などを設定することができるようになり、ユーザの期待する全画像形成時間及び画像品質を両立することができるようになる。さらに、記録媒体および環境情報を取得することにより、ユーザ望む画像品質水準と全画像形成時間が決まれば、乾燥時間の調整を自動化することもできるようになる。
【0064】
ただし、前述したようにオブジェクトの画像品質固定設定が有効の場合には、乾燥時間等を変更しても、そのオブジェクトの記録密度などの画像形成条件は固定となるようにする。
【0065】
画像形成前に画像品質をユーザが確認できるようにするために、任意の複数ページを選択することを可能にし、選択したページ全体あるいは一部を設定された画像形成条件により画像形成することができるようにすることが好ましい。
【0066】
または、設定された画像形成条件による画像品質を示す画像を表示できるようにしても良い。これを行う方法としては、例えば、様々な画像形成条件で画像を印刷し、それらをスキャナなどであらかじめデータとして取り込んでおき、表示できるようにしておくというものが考えられる。
【0067】
設定された画像形成条件、及び画像データが画像処理部203に伝わる。この画像処理部203においては図7で説明した処理を実行する。最後に、制御部100は、画像処理部203からドット配置データと画像形成条件を受け取り、これらに基づき画像形成を実行する。
【0068】
ここでは、オブジェクト単位で画像品質水準を設定する例を示したが、個々に画像品質水準を設定する領域の特定の仕方として、オブジェクト単位とは違う基準で特定しても良い。例えば、記録領域ごとに画像品質水準を設定するという方法もある。これは、例えば、まず、(1)記録領域と非記録領域とに分割し、(2) ある記録領域を選択し、(3) その選択領域から一定距離(例えば、1mm)以内を同一領域と判断し、(4)ページ内にまだ(3)の処理がおこなわれていない記録領域あれば、その領域を選択し、(3)の処理を行い、ページ内のすべての領域に対して(3)の処理が行われたら終了する、という手順で行うことができる。このように領域を分割し、1つの領域を1つのオブジェクトとして扱い、それぞれの領域に対して画像品質水準を設定する。これにより、記録領域の面積に応じて品質調整(色剤量調整)ができるようになり、記録媒体のシワなどの品質低下を抑えることができる。
【0069】
次に、全画像形成時間の推定について説明する。画像形成時間推定部204において、全画像形成時間の推定が行われる。精度の低い全画像形成時間の推定の例としては、画像形成枚数(両面印刷を2枚行う場合は、画像形成枚数は4となる)とPPM値(1分間に規定の画像を画像形成できる枚数の平均値)とを乗じた値を全画像形成時間の推定値とするというものがある。
【0070】
図9により、より高精度な画像形成時間推定の例を説明する。図9の縦方向は時間を表し、矢印は画像形成に関する処理時間を表す。図9には2ページ分の画像を記録媒体の両面に形成する場合を示している。
【0071】
ユーザが画像形成命令を指示すると画像形成時間推定部204で全画像形成時間の推定値の算出が開始される。推定全画像形成時間308は、この例では待機時間・他者使用時間300(画像形成装置の待機時間からの復帰時間及び他者の使用の終了までの時間)と給紙302、画像形成時間(前面)303、反転動作時間304、乾燥時間305、画像形成時間(背面)306、排紙307からなる。前述したように、画像形成時間(前面)303、乾燥時間305、画像形成時間(裏面)は記録媒体情報や環境情報、画像形成条件により画像形成時間推定部204おいて推定値が算出される。この例では、画像形成命令から排紙終了までを推定全画像形成時間308としている。
【0072】
次に、推定全画像形成時間を構成する、それぞれの時間について説明していく。まず、待機時間・他者使用時間300について説明をする。待機時間は、省電力状態などからの復帰時間であり、所定の値が使われる。また、他者使用時間はネットワークなどを介して他者の使用状況を取得することで予測することができる。または、1画像形成命令あたりの平均画像装置使用時間を利用しても良い。あるいは、他者使用時間を考慮しないで、画像形成装置が使用中であり、画像形成に時間がかかることをユーザに通知するなどの方法でも良い。
【0073】
画像データ変換時間301について説明する。この時間は画像処理装置や画像形成装置の記録容量や処理速度、画像データの種類などによって変動する。ただし、近年の機器の処理速度や記憶容量を考慮すると、この時間の推定値はユーザには気にはならない程度である。画像データ変換時間の算出に時間がかかる場合には、最も処理時間のかかる画像データ条件をユーザの画像処理装置と画像形成装置の環境においてあらかじめ計算しておき、それを利用しても良い。
【0074】
給紙時間及び排紙時間について説明する。これらの時間は用紙によって変動するが、その値は固定値である。よって、これらの時間は固定値としてあらかじめ計算しておき、その値を利用すれば良い。
【0075】
画像形成時間について説明する。この時間は用紙上に画像を形成するために必要な時間である。これは記録走査速度と記録走査距離とにより変動する。記録走査速度は解像度やヘッド駆動条件により所定の速度に設定される。記録走査距離は走査回数や用紙のサイズ、画像上におけるデータの有無などにより決まる。画像形成時間は記録走査速度と記録走査距離から算出できる。例えば、表面において走査速度V_a、走査距離L_aで走査し、裏面において走査速度V_b、走査距離L_bで走査して画像形成する場合、画像形成時間はL_a/V_a+V_b/L_bとなる。
【0076】
乾燥時間について説明する。画像形成中に、この乾燥時間を設ける理由は、記録媒体に付着した色剤の乾燥状態によって発生する画像不具合(裏抜け、記録媒体シワによる機構衝突で発生する汚れ、未乾燥部が機構に転写しそれが記録媒体へ再転写する現象など)を回避するためである。色剤の乾燥にかかる時間や記録媒体のシワの程度は、(1)記録媒体の種類、(2)環境(温度や湿度)、(3)画像形成条件(記録密度、記録速度、記録面積、色剤付着量など)などに応じて変わってくる。そのため、これらの条件により最低限必要な乾燥時間が変わってくる。これらの条件(1)、(2)、(3)により決まる最適な乾燥時間は、前述の画像形成時間推定部204において算出される。
【0077】
以上のように、全画像形成時間の推定値を算出できる。
【0078】
以上に示した画像処理は、記録装置に格納し、必要なときに記録装置へ接続することもできる。また、記録装置を含む記録システムとして実現することもできる。また、プログラムとして実現し、PCなどでプログラムを実行し、命令を記録装置に送信することで実現することもできる。また、前述のプログラムを記録媒体へ記録することもできる。
【0079】
ここまでの説明において具体的な記録手段について言及はしてこなかったが、本発明における色剤使用量低減手段は、特定の記録手段に限定されるものでは無く、例えば、図11のインクジェット記録、図12の電子写真記録、図13の熱転写記録等、様々な記録手段に対して適用可能である。
【0080】
以上のように、ユーザ自身が画像品質水準、乾燥時間、全画像形成時間の設定を同時に確認できるようにすることで全画像形成時間の短縮と画像品質の向上を両立させることができる。
【0081】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0082】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像形成要素ごとの前記画像形成条件がユーザにより入力される画像形成条件入力手段を有し、前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記画像形成条件入力手段により入力された前記画像形成条件であるようにしても良い。
【0083】
また、本発明における画像処理装置は、前記乾燥時間がユーザにより入力される乾燥時間入力手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記乾燥時間入力手段により入力された前記乾燥時間とにより前記画像形成条件を算出する第1画像形成条件算出手段と、を有し、前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記第1画像形成条件算出手段により算出された前記画像形成条件であるようにしても良い。
【0084】
また、本発明における画像処理装置は、前記全画像形成時間がユーザにより入力される全画像形成時間入力手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記全画像形成時間入力手段により入力された前記全画像形成時間とにより前記画像形成条件を算出する第2画像形成条件算出手段と、を有し、前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記第2画像形成条件算出手段により算出された前記画像形成条件であるようにしても良い。
【0085】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像形成条件設定手段は、文字、線画、塗り画、写真のそれぞれに対して前記画像形成条件を設定するようにしても良い。
【0086】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像形成条件は、記録密度、記録速度、記録階調変換処理から構成されるようにしても良い。
【0087】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像形成条件により設定された前記画像形成条件と、前記全画像形成時間算出手段により算出された前記乾燥時間及び前記全画像形成時間と、を表示する表示手段を有するようにしても良い。
【符号の説明】
【0088】
1 インクジェット画像形成装置
2 画像形成部
3 用紙
5 搬送機構部
7 両面ユニット
14 記録ヘッド
33 搬送ベルト
130 画像データ
201 画像形成時間設定部
202 オブジェクト画像品質水準設定部
203 オブジェクト画像品質設定部
204 画像形成時間推定部
205 画像形成時間設定部
303 画像形成時間(前面)
305 給紙乾燥時間
306 画像形成時間(後面)
308 推定全画像形成時間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【特許文献1】特開2008−018664号公報
【特許文献2】特開2004−188656号公報
【特許文献3】特開2007−144963号公報
【特許文献4】特開2007−130924号公報
【特許文献5】特開2006−168096号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ自身が画像品質、乾燥時間及び全画像形成時間の設定と確認を同時にすることができるような手段を備える画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データを処理する画像処理装置として、パーソナルコンピュータやワークステーションなどがある。このような画像処理装置において動作するアプリケーションソフトにより、種々のオブジェクト(文字や線、塗り、写真)からなる画像データが形成される。
【0003】
この画像データを画像として形成出力する画像形成装置として、プリンタやファクシミリ、複写装置、また、これらの装置により構成される複合機などがある。画像形成方法としては、例えば、インクジェット記録方式や電子写真方式などがあり、記録液(インク)やトナーなどの画像形成材を使用し画像を形成する。画像形成装置の多くは両面記録に対応している。
【0004】
このような画像形成装置では、画像形成の画像品質及び画像形成の速度が重要であり、両面記録においてもその重要度は変わらない。また、品質と速度の両立はユーザが当然期待することでもある。
【0005】
例として、インクジェット記録方式について説明する。この方式では液滴を吐出して画像形成するため、(1)インクが記録媒体へ浸透することによる裏写り、(2)未乾燥状態のインクが記録媒体搬送機構に転写し、それが記録媒体にさらに転写する、意図しない転写、(3)インクが記録媒体へ付着することによるシワ(コックリング)、などが発生する。これらの現象は、インクの未乾燥や記録媒体のインク浸透による変形が原因である。
【0006】
そこでこれらの現象に対して、両面記録の際には、以下の対策がとられている。
(対策1)表面の印刷と裏面の印刷の間に乾燥時間を設ける。
(対策2)単位面積あたりのインク付着量を少なくする。
【0007】
しかし、これらの対策には短所もある。
(対策1の短所)乾燥時間の分だけ両面の画像形成が完了するまでの時間が長くなる。
(対策2の短所)片面記録の際よりも画像が薄くなり、画像品質が悪くなる。
【0008】
両面記録時にはこれらの対策が必ず必要となるが、これらの対策をそのまま適用するだけでは画像品質および画像形成の速度を両立させることができない。このような両面記録時の品質や速度に対する課題について、次の方法が提案されている。
【0009】
両面記録時の品質と速度を両立させる方法としては、特許文献1と特許文献2の発明が開示されている。特許文献1では、色剤に加えて処理剤を使用することで両面記録の品質と速度を両立させている。特許文献2では、色剤に加えて処理剤を使用し、さらに、記録媒体裏表で重なる部分の色剤使用量を減少させている。
【0010】
両面記録時の品質を向上させる方法としては、特許文献3、特許文献4及び特許文献5の発明が開示されている。特許文献3では、記録する面の順を変更することにより、記録媒体に発生するシワによる搬送不良や印刷ヘッドとの干渉による記録媒体汚れを回避する。特許文献4では、裏写り対策として、裏写りが起きた部分をあらかじめ測定しておき、その測定に応じて色剤制限をする。特許文献5では、両面記録時において、文字の品質(可読性)を確保しつつ、色剤使用量を低減させるために、文字輪郭部分とそれ以外の部分とで色剤使用量低減の度合いを異ならせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の方法では、色剤に加え、処理剤を使用することが前提となっている。このため、これらの方法は処理剤を使用できない場合には適用できない。
【0012】
また、特許文献3、特許文献4及び特許文献5の方法では、印刷する画像によっては、ユーザが満足できる品質を確保できない場合がある。
【0013】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ユーザが期待する画像形成時間と画像品質の両立が可能な画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明における画像処理装置は、記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明における画像処理方法は、記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得ステップと、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定ステップと、前記情報取得ステップにより取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定ステップにより設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明におけるプログラムは、画像処理装置を、記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明における記憶媒体は、画像処理装置を、記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段として機能させることを特徴とするプログラムを記録し、コンピュータ読み取り可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、ユーザが期待する画像形成時間と画像品質の両立をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の機構部の概略構成図である。
【図2】シリアルヘッド方式とラインヘッド方式のインクジェット記録装置の要部平面説明図である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッドユニット構成を説明する斜視説明図である。
【図4】インクジェット記録装置の搬送ベルトの一例を説明する説明図である。
【図5】インクジェット記録装置による記録動作を説明する説明図である。
【図6】同装置の制御部の概要を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像処理装置におけるプリンタドライバの構成の一例を機能的に説明するブロック図である。
【図8】画像形成装置における本発明の一実施例における処理の流れを説明する図である。
【図9】画像処理装置における本発明に係る実施形態にかかわる画像形成時間推定の一例を説明する図である。
【図10】画像処理装置における本発明の画像形成時間および各オブジェクトの画像品質水準の設定および表示の一例を説明する図である。
【図11】インクジェット記録方式について説明した図である。
【図12】電子写真記録方式について説明した図である。
【図13】熱転写記録方式について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
まず、本発明に係る画像形成装置のインクジェット記録装置の一例について図1〜4を参照して説明する。図1は当該記録装置の機構部全体の概略構成図、図2は当該記録装置の要部平面説明図、図3は当該記録装置のヘッド構成を説明する斜視説明図、図4は当該記録装置の搬送ベルトの模式的断面説明図である。
【0022】
このインクジェット記録装置は、装置本体1の内部に画像形成部2等を有し、装置本体1の下方側に多数枚の記録媒体(以下「用紙」という。)3を積載可能な給紙トレイ4を備え、この給紙トレイ4から給紙される用紙3を取り込み、搬送機構5によって用紙3を搬送しながら画像形成部2によって所要の画像を記録した後、装置本体1の側方に装着された排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
【0023】
また、このインクジェット記録装置は、装置本体1に対して着脱可能な両面ユニット7を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構5によって用紙3を逆方向に搬送しながら両面ユニット7内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構5に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
【0024】
ここで、画像形成部2は、ガイドシャフト11、12にキャリッジ13を摺動可能に保持し、図示しない主走査モータでキャリッジ13を用紙3の搬送方向と直交する方向に移動(主走査)させる。キャリッジ13には、液滴を吐出する複数の吐出口であるノズル孔14n(図3参照)を配列した液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド14を搭載し、また、記録ヘッド14に液体を供給するインクカートリッジ15を着脱自在に搭載している。なお、インクカートリッジ15に代えてサブタンクを搭載し、メインタンクからインクをサブタンクに補充供給する構成とすることもできる。
【0025】
ここで、記録ヘッド14としては、例えば、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドである独立した4個のインクジェットヘッド14y、14m、14c、14kとしているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。なお、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
【0026】
記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータや発熱抵抗体などの電熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどがインクを吐出するためのエネルギー発生手段として使用できる。
【0027】
電熱変換素子には、低い電圧が加わっても抵抗値が変化しにくく、一定以上の電圧が加わった際に抵抗値が大きく変化する非線形な特性を有する電熱変換素子を用いることができる。
【0028】
線形な特性を有する電熱変換素子では、複数の発熱手段を選択的に駆動する際に、非選択の発熱手段にノイズ電圧が加わりエネルギーを浪費したり、駆動電圧に影響を与えてインクの吐出量が変化し、記録画像に影響を与えてしまう恐れがある。特に、複数の縦配線と複数の横配線とに電圧を印加して、縦配線と横配線との交点にマトリクス状に配置された発熱手段を選択的に駆動するインクジェット記録ヘッドでは、駆動の過程で非選択の発熱手段に駆動電圧より低い電圧が印加される恐れがあり、この電圧が順方向である場合には、非選択の発熱手段に不要な発熱が生じることになる。不必要な発熱が生じて熱が蓄積されると、いざ吐出される際に加熱すると規定以上に発熱してしまい、その結果必要以上の量のインクが吐出されてしまう。このため、ノズルごとのインク吐出量にばらつきが生じてしまう。
【0029】
ところが、非線形な特性を有する電熱変換素子を用いれば、ノイズなどの駆動電圧よりも低い電圧が発熱手段に加わっても不要な発熱が生じないため、インクの吐出量のばらつきが抑制でき、印刷物の粒状性、階調性が良好となる。また、不必要な発熱を防ぐことができるため、エネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0030】
さらに、サーマル方式の記録ヘッドを用いる場合、電熱変換素子(吐出エネルギー発生体)に保護層を設けても良い。保護層を設けることで、インクによる浸食、コゲーション(インク成分の焦げ付き)やキャビテーション(気泡収縮時の衝撃による破壊)が直接電熱変換素子に作用しなくなる。電熱変換素子を痛めつけることがないので、電熱変換素子の寿命を長くすることができる。
【0031】
給紙トレイ4の用紙3は、給紙コロ(半月コロ)21と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体1内に給紙され、搬送機構5に送り込まれる。
【0032】
搬送機構5は、給紙された用紙3をガイド面23aに沿って上方にガイドし、また両面ユニット7から送り込まれる用紙3をガイド面23bに沿ってガイドする搬送ガイド部23と、用紙3を搬送する搬送ローラ24と、搬送ローラ24に対して用紙3を押し付ける加圧コロ25と、用紙3を搬送ローラ24側にガイドするガイド部材26と、両面印刷時に戻される用紙3を両面ユニット7に案内するガイド部材27と、搬送ローラ24から送り出す用紙3を押圧する押し付けコロ28とを有している。
【0033】
さらに、搬送機構5は、記録ヘッド14で用紙3の平面性を維持したまま搬送するために、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に掛け渡した搬送ベルト33と、搬送ベルト33を帯電させるための帯電ローラ34と、この帯電ローラ34に対向するガイドローラ35と、図示しないが、搬送ベルト33を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)と、搬送ベルト33に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
【0034】
ここで、搬送ベルト33は、無端状ベルトであり、駆動ローラ31と従動ローラ(テンションローラ)32との間に掛け渡されて、図1の矢示方向A(用紙搬送方向)に周回するように構成している。
【0035】
この搬送ベルト33は、単層構成、又は図4に示すように第1層(最表層)33aと第2層(裏層)33bの2層構成あるいは3層以上の構成とすることができる。例えば、この搬送ベルト33は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とで構成する。
【0036】
帯電ローラ34は、搬送ベルト33の表層に接触し、搬送ベルト33の回動に従動して回転するように配置されている。帯電ローラ34には図示しない高圧回路(高圧電源)から高電圧が所定のパターンで印加される。
【0037】
また、搬送機構5から下流側には画像が記録された用紙3を排紙トレイ6に送り出すための排紙ローラ38を備えている。
【0038】
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト33は矢示方向に周回し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ34と接触することで正に帯電される。この場合、帯電ローラ34からは所定の時間間隔で極性を切り替えることによって、所定の帯電ピッチで帯電させる。
【0039】
ここで、この高電位に帯電した搬送ベルト33上に用紙3が給送されると、用紙3内部が分極状態になり、搬送ベルト33上の電荷と逆極性の電荷が用紙3のベルト33と接触している面に誘電され、ベルト33上の電荷と搬送される用紙3上に誘電された電荷同士が互いに静電的に引っ張り合い、用紙3は搬送ベルト33に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト33に強力に吸着した用紙3は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
【0040】
そこで、搬送ベルト33を周回させて用紙3を移動させ、キャリッジ13を片方向又は双方向に移動走査しながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動し、図5(a)、(b)に示すように、記録ヘッド14から液滴14iを吐出(噴射)させて、停止している用紙3に液滴であるインク滴を着弾させてドットDiを形成することにより、1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了する。なお、図5(b)は図5(a)のドットDi形成部分を拡大したものである。
【0041】
このようにして、画像が記録された用紙3は排紙ローラ38によって排紙トレイ6に排紙される。
【0042】
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック図である。この制御部100は、装置全体の制御を司るCPU101と、CPU101が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM102と、画像データ等を一時格納するRAM103と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)104と、各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC105とを備えている。
【0043】
また、制御部100は、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置であるホスト90側とのデータや信号の送受を行うためのI/F106と記録ヘッド14を駆動制御するためのヘッド駆動制御部107及びヘッドドライバ108、主走査モータ110を駆動するための主走査モータ駆動部111、副走査モータ112を駆動するための副走査モータ駆動部123、サブシステム71のモータを駆動するためのサブシステム駆動部294、環境温度及び/又は環境湿度を検出する環境センサ118、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O116などを備えている。
【0044】
また、制御部100には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル117が接続されている。さらに、制御部100は、帯電ローラ34に対する高電圧を印加する高圧回路(高圧電源)114のオン/オフの切り替え及び出力極性の切り替え制御を行う。
【0045】
ここで、制御部100は、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト90側からの画像データを含む印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F106で受信する。なお、この制御部100に対する印刷データの生成出力は、ホスト90側の本発明に係るプリンタドライバ91によって行うようにしている。
【0046】
そして、CPU101は、I/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC105にてデータの並び替え処理等を行ってヘッド駆動制御部107に画像データを転送する。なお、画像出力するための印刷データのビットマップデータへの変換は、前述したようにホスト90側のプリンタドライバ91で画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしているが、例えばROM102にフォントデータを格納して行っても良い。
【0047】
ヘッド駆動制御部107は、記録ヘッド14の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を受け取ると、この1行分のドットパターンデータを、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ108にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ108に送出する。
【0048】
ヘッド駆動制御部107は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROM(ROM102で構成することもできる。)と、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路及びアンプ等で構成される駆動波形発生回路を含む。
【0049】
また、ヘッドドライバ108は、ヘッド駆動制御部107からのクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値をヘッド駆動制御部107からのラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動波形を選択的に記録ヘッド14のアクチュエータ手段に印加してヘッドを駆動する。
【0050】
また、本発明では記録媒体の少なくとも一部の縁部に対して余白を設けないで印刷を行うこともできる。
【0051】
その際、縁部を印刷するにはどうしても記録媒体外にもインクを吐出することになる。これは記録媒体の縁部ギリギリちょうどまで印刷するようにインクを噴射しても、実際には記録媒体の搬送系の送り誤差、キャリッジの駆動誤差等により理想とする着弾位置にインクを着弾させることができない場合が多々あり、余白を作ってしまう。そのため、印刷位置の誤差を加味して理想より広めに印刷することとなり、どうしても記録媒体外にもインクを吐出することになる。
【0052】
このとき、記録媒体からはみ出すインクは記録に寄与しないため、無駄なインク消費である。そのため、はみ出しインクを極力減らしたい。
【0053】
はみ出しインクを減らす方法として、例えば、記録媒体の搬送精度を上げる方法がある。搬送精度を高めて想定するはみ出し領域を小さくすることで、無駄なはみ出しインクを減らす。具体的には、記録媒体端部を印刷する際には、記録媒体の送りを微小にして、搬送精度を高めることが挙げられる。
【0054】
次に、この画像形成装置により画像を形成するために、画像データを転送するホスト側となるプリンタドライバを含む画像処理装置の例について図7を参照して説明する。データ処理装置のプリンタドライバ91は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データ130をモニター表示用の色空間から記録装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行うCMM(Color Management Module)処理部131、CMYの値から黒生成/下色除去を行うBG/UCR(Black Generation/Under Color Removal)処理部132、記録装置の特性やユーザの嗜好を反映した入出力補正を行うγ補正部133、記録装置の解像度に合わせて拡大処理を行うズーミング(Zooming)部134、画像データを記録装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部135を含んでいる。
【0055】
本発明に係る画像処理装置の実施例における処理の流れを図8に示す。画像形成するための画像データ130が決まると、オブジェクト画像品質水準設定部202において、オブジェクト(例えば、文字や線、塗り、写真など)ごとに画像品質水準を設定する。ここでの設定はオブジェクトそれぞれに対して、設定するようにしても良いし、画像で重要なオブジェクトを指定したときに、重要なオブジェクトは高い画像品質水準に設定され、他のオブジェクトの画像品質水準は重要なオブジェクトより低い水準に自動的に設定されるようにしても良い。または別にそれぞれのオブジェクトに重要度指標を指定しておき、その重要度指標により自動的にオブジェクトそれぞれの画像品質水準が設定されるようにしても良い。また、この画像品質水準の設定はページごとに行っても良いし、すべてのページ同じ設定でも良い。また、ページごとにそのページを構成するオブジェクトの比率に基づいて自動的に設定しても良いし、ユーザがページごとにそれぞれのオブジェクトに対して設定しても良い。例えば、文章が中心のページは文字の画像品質水準を高く、それ以外のオブジェクトは画像品質水準を低く設定するようにしても良い。
【0056】
これにより、画像品質水準を低くしたオブジェクト部分については、記録密度を疎とし、記録速度を速くし、記録階調変換処理によりドット発生を抑制させ、単位面積あたりの色剤付着量を抑えることができる。これにより、少ない乾燥時間であっても、両面印刷時の不具合(記録媒体のシワ、裏抜けなど)を抑えることができる。逆に、画像品質水準を高くしたオブジェクト部分は記録密度を密とし、記録速度を遅くし、記録階調変換処理変更によりドット発生の抑制を低減させ、画像品質を高めることができる。ただし、このときは、乾燥時間を多く取らなければならない。
【0057】
また、各オブジェクトの画像品質水準を印刷中に固定するかどうかを選択できるようにしても良い。例えば、文字中心のページで、文字の画像品質を高品質に固定したい場合などは画像品質固定設定を有効にする。この設定の例を図10に示す。
【0058】
次に、オブジェクト画像水準設定部202においてオブジェクトごとに設定された画像品質水準に基づき、オブジェクト画像設定部203において、オブジェクトごとの画像形成条件、つまり、記録密度および記録速度、記録階調処理(ドット配置パターンを生成する処理)などを設定する。ページごとに画像品質水準が設定されているときは、その画像品質水準に基づき、ページごとに画像形成条件を設定する。
【0059】
オブジェクト画像設定部において設定された画像形成条件に基づき、画像形成時間推定部204において、画像形成時間の推定値が算出される。記録媒体や環境(温度や湿度など)の違いにより色剤乾燥時間や記録媒体のシワの程度が異なるため、記録媒体や環境により乾燥するのに必要な時間が異なってくる。また、記録媒体に付着する色剤量によっても乾燥するのに必要な時間は変わってくる。そこで、画像形成時間推定部204において、記録媒体情報、環境情報及び画像形成条件に基づき、画像に不具合が発生しない乾燥時間が算出される。そして、画像形成時間及び乾燥時間に、給紙等にかかる時間も合わせて、画像形成全体が完了するまでにかかる全画像形成時間の推定値も算出される。つまり、ここでは、記録媒体情報、環境情報、画像形成条件により乾燥時間と全画像形成時間の推定値が算出される。
【0060】
ページごと、オブジェクトごとに設定された記録密度などの画像形成条件や、ページごと、オブジェクトごとに設定された画像品質水準、予測される乾燥時間、全画像形成時間などをユーザにより確認できるようにするために、これらを画像形成条件表示部205により表示する。この画像形成条件表示部は、例えば、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト90(図6)に接続された表示装置に相当する。表示の例を図10に示す。
【0061】
ユーザはこの表示を見ながら、画像形成時間設定部201において、乾燥時間や画像形成時間、全画像形成時間、画像品質水準などを変更することにより全画像形成時間と画像品質水準を調整する。この調整の際に使用するユーザインターフェイスの例を図10に示す。
【0062】
画像形成時間設定部201での調整が行われ、乾燥時間や画像形成時間、全画像形成時間がユーザにより変更された場合(図8の207、Yes)は、オブジェクト画像品質水準設定部202において、この変更された時間と媒体情報、環境情報により画像品質水準が算出され、画像形成時間推定部204において、再度、全画像形成時間と乾燥時間が算出される。画像品質水準をユーザが変更した場合(図8の207、Yes)は、オブジェクト画像品質設定部203、画像形成時間推定部204を通して、媒体情報、環境情報とこの変更された画像品質水準とにより全画像形成時間が算出される。
【0063】
この画像形成条件表示部205と画像形成時間設定部201により、ユーザが全画像形成時間を確認しながら、乾燥時間や画像品質などを設定することができるようになり、ユーザの期待する全画像形成時間及び画像品質を両立することができるようになる。さらに、記録媒体および環境情報を取得することにより、ユーザ望む画像品質水準と全画像形成時間が決まれば、乾燥時間の調整を自動化することもできるようになる。
【0064】
ただし、前述したようにオブジェクトの画像品質固定設定が有効の場合には、乾燥時間等を変更しても、そのオブジェクトの記録密度などの画像形成条件は固定となるようにする。
【0065】
画像形成前に画像品質をユーザが確認できるようにするために、任意の複数ページを選択することを可能にし、選択したページ全体あるいは一部を設定された画像形成条件により画像形成することができるようにすることが好ましい。
【0066】
または、設定された画像形成条件による画像品質を示す画像を表示できるようにしても良い。これを行う方法としては、例えば、様々な画像形成条件で画像を印刷し、それらをスキャナなどであらかじめデータとして取り込んでおき、表示できるようにしておくというものが考えられる。
【0067】
設定された画像形成条件、及び画像データが画像処理部203に伝わる。この画像処理部203においては図7で説明した処理を実行する。最後に、制御部100は、画像処理部203からドット配置データと画像形成条件を受け取り、これらに基づき画像形成を実行する。
【0068】
ここでは、オブジェクト単位で画像品質水準を設定する例を示したが、個々に画像品質水準を設定する領域の特定の仕方として、オブジェクト単位とは違う基準で特定しても良い。例えば、記録領域ごとに画像品質水準を設定するという方法もある。これは、例えば、まず、(1)記録領域と非記録領域とに分割し、(2) ある記録領域を選択し、(3) その選択領域から一定距離(例えば、1mm)以内を同一領域と判断し、(4)ページ内にまだ(3)の処理がおこなわれていない記録領域あれば、その領域を選択し、(3)の処理を行い、ページ内のすべての領域に対して(3)の処理が行われたら終了する、という手順で行うことができる。このように領域を分割し、1つの領域を1つのオブジェクトとして扱い、それぞれの領域に対して画像品質水準を設定する。これにより、記録領域の面積に応じて品質調整(色剤量調整)ができるようになり、記録媒体のシワなどの品質低下を抑えることができる。
【0069】
次に、全画像形成時間の推定について説明する。画像形成時間推定部204において、全画像形成時間の推定が行われる。精度の低い全画像形成時間の推定の例としては、画像形成枚数(両面印刷を2枚行う場合は、画像形成枚数は4となる)とPPM値(1分間に規定の画像を画像形成できる枚数の平均値)とを乗じた値を全画像形成時間の推定値とするというものがある。
【0070】
図9により、より高精度な画像形成時間推定の例を説明する。図9の縦方向は時間を表し、矢印は画像形成に関する処理時間を表す。図9には2ページ分の画像を記録媒体の両面に形成する場合を示している。
【0071】
ユーザが画像形成命令を指示すると画像形成時間推定部204で全画像形成時間の推定値の算出が開始される。推定全画像形成時間308は、この例では待機時間・他者使用時間300(画像形成装置の待機時間からの復帰時間及び他者の使用の終了までの時間)と給紙302、画像形成時間(前面)303、反転動作時間304、乾燥時間305、画像形成時間(背面)306、排紙307からなる。前述したように、画像形成時間(前面)303、乾燥時間305、画像形成時間(裏面)は記録媒体情報や環境情報、画像形成条件により画像形成時間推定部204おいて推定値が算出される。この例では、画像形成命令から排紙終了までを推定全画像形成時間308としている。
【0072】
次に、推定全画像形成時間を構成する、それぞれの時間について説明していく。まず、待機時間・他者使用時間300について説明をする。待機時間は、省電力状態などからの復帰時間であり、所定の値が使われる。また、他者使用時間はネットワークなどを介して他者の使用状況を取得することで予測することができる。または、1画像形成命令あたりの平均画像装置使用時間を利用しても良い。あるいは、他者使用時間を考慮しないで、画像形成装置が使用中であり、画像形成に時間がかかることをユーザに通知するなどの方法でも良い。
【0073】
画像データ変換時間301について説明する。この時間は画像処理装置や画像形成装置の記録容量や処理速度、画像データの種類などによって変動する。ただし、近年の機器の処理速度や記憶容量を考慮すると、この時間の推定値はユーザには気にはならない程度である。画像データ変換時間の算出に時間がかかる場合には、最も処理時間のかかる画像データ条件をユーザの画像処理装置と画像形成装置の環境においてあらかじめ計算しておき、それを利用しても良い。
【0074】
給紙時間及び排紙時間について説明する。これらの時間は用紙によって変動するが、その値は固定値である。よって、これらの時間は固定値としてあらかじめ計算しておき、その値を利用すれば良い。
【0075】
画像形成時間について説明する。この時間は用紙上に画像を形成するために必要な時間である。これは記録走査速度と記録走査距離とにより変動する。記録走査速度は解像度やヘッド駆動条件により所定の速度に設定される。記録走査距離は走査回数や用紙のサイズ、画像上におけるデータの有無などにより決まる。画像形成時間は記録走査速度と記録走査距離から算出できる。例えば、表面において走査速度V_a、走査距離L_aで走査し、裏面において走査速度V_b、走査距離L_bで走査して画像形成する場合、画像形成時間はL_a/V_a+V_b/L_bとなる。
【0076】
乾燥時間について説明する。画像形成中に、この乾燥時間を設ける理由は、記録媒体に付着した色剤の乾燥状態によって発生する画像不具合(裏抜け、記録媒体シワによる機構衝突で発生する汚れ、未乾燥部が機構に転写しそれが記録媒体へ再転写する現象など)を回避するためである。色剤の乾燥にかかる時間や記録媒体のシワの程度は、(1)記録媒体の種類、(2)環境(温度や湿度)、(3)画像形成条件(記録密度、記録速度、記録面積、色剤付着量など)などに応じて変わってくる。そのため、これらの条件により最低限必要な乾燥時間が変わってくる。これらの条件(1)、(2)、(3)により決まる最適な乾燥時間は、前述の画像形成時間推定部204において算出される。
【0077】
以上のように、全画像形成時間の推定値を算出できる。
【0078】
以上に示した画像処理は、記録装置に格納し、必要なときに記録装置へ接続することもできる。また、記録装置を含む記録システムとして実現することもできる。また、プログラムとして実現し、PCなどでプログラムを実行し、命令を記録装置に送信することで実現することもできる。また、前述のプログラムを記録媒体へ記録することもできる。
【0079】
ここまでの説明において具体的な記録手段について言及はしてこなかったが、本発明における色剤使用量低減手段は、特定の記録手段に限定されるものでは無く、例えば、図11のインクジェット記録、図12の電子写真記録、図13の熱転写記録等、様々な記録手段に対して適用可能である。
【0080】
以上のように、ユーザ自身が画像品質水準、乾燥時間、全画像形成時間の設定を同時に確認できるようにすることで全画像形成時間の短縮と画像品質の向上を両立させることができる。
【0081】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0082】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像形成要素ごとの前記画像形成条件がユーザにより入力される画像形成条件入力手段を有し、前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記画像形成条件入力手段により入力された前記画像形成条件であるようにしても良い。
【0083】
また、本発明における画像処理装置は、前記乾燥時間がユーザにより入力される乾燥時間入力手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記乾燥時間入力手段により入力された前記乾燥時間とにより前記画像形成条件を算出する第1画像形成条件算出手段と、を有し、前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記第1画像形成条件算出手段により算出された前記画像形成条件であるようにしても良い。
【0084】
また、本発明における画像処理装置は、前記全画像形成時間がユーザにより入力される全画像形成時間入力手段と、前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記全画像形成時間入力手段により入力された前記全画像形成時間とにより前記画像形成条件を算出する第2画像形成条件算出手段と、を有し、前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記第2画像形成条件算出手段により算出された前記画像形成条件であるようにしても良い。
【0085】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像形成条件設定手段は、文字、線画、塗り画、写真のそれぞれに対して前記画像形成条件を設定するようにしても良い。
【0086】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像形成条件は、記録密度、記録速度、記録階調変換処理から構成されるようにしても良い。
【0087】
また、本発明における画像処理装置は、前記画像形成条件により設定された前記画像形成条件と、前記全画像形成時間算出手段により算出された前記乾燥時間及び前記全画像形成時間と、を表示する表示手段を有するようにしても良い。
【符号の説明】
【0088】
1 インクジェット画像形成装置
2 画像形成部
3 用紙
5 搬送機構部
7 両面ユニット
14 記録ヘッド
33 搬送ベルト
130 画像データ
201 画像形成時間設定部
202 オブジェクト画像品質水準設定部
203 オブジェクト画像品質設定部
204 画像形成時間推定部
205 画像形成時間設定部
303 画像形成時間(前面)
305 給紙乾燥時間
306 画像形成時間(後面)
308 推定全画像形成時間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【特許文献1】特開2008−018664号公報
【特許文献2】特開2004−188656号公報
【特許文献3】特開2007−144963号公報
【特許文献4】特開2007−130924号公報
【特許文献5】特開2006−168096号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、
画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像形成要素ごとの前記画像形成条件がユーザにより入力される画像形成条件入力手段を有し、
前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記画像形成条件入力手段により入力された前記画像形成条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記乾燥時間がユーザにより入力される乾燥時間入力手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記乾燥時間入力手段により入力された前記乾燥時間とにより前記画像形成条件を算出する第1画像形成条件算出手段と、を有し、
前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記第1画像形成条件算出手段により算出された前記画像形成条件であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記全画像形成時間がユーザにより入力される全画像形成時間入力手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記全画像形成時間入力手段により入力された前記全画像形成時間とにより前記画像形成条件を算出する第2画像形成条件算出手段と、を有し、
前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記第2画像形成条件算出手段により算出された前記画像形成条件であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像形成条件設定手段は、文字、線画、塗り画、写真のそれぞれに対して前記画像形成条件を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像形成条件は、記録密度、記録速度、記録階調変換処理から構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれ1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像形成条件により設定された前記画像形成条件と、前記全画像形成時間算出手段により算出された前記乾燥時間及び前記全画像形成時間と、を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得ステップと、
画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定ステップと、
前記情報取得ステップにより取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定ステップにより設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
画像処理装置を、
記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、
画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
画像処理装置を、
記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、
画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段として機能させることを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、
画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像形成要素ごとの前記画像形成条件がユーザにより入力される画像形成条件入力手段を有し、
前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記画像形成条件入力手段により入力された前記画像形成条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記乾燥時間がユーザにより入力される乾燥時間入力手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記乾燥時間入力手段により入力された前記乾燥時間とにより前記画像形成条件を算出する第1画像形成条件算出手段と、を有し、
前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記第1画像形成条件算出手段により算出された前記画像形成条件であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記全画像形成時間がユーザにより入力される全画像形成時間入力手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記全画像形成時間入力手段により入力された前記全画像形成時間とにより前記画像形成条件を算出する第2画像形成条件算出手段と、を有し、
前記画像形成条件設定手段により設定される前記画像形成条件は、前記第2画像形成条件算出手段により算出された前記画像形成条件であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像形成条件設定手段は、文字、線画、塗り画、写真のそれぞれに対して前記画像形成条件を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像形成条件は、記録密度、記録速度、記録階調変換処理から構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれ1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像形成条件により設定された前記画像形成条件と、前記全画像形成時間算出手段により算出された前記乾燥時間及び前記全画像形成時間と、を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得ステップと、
画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定ステップと、
前記情報取得ステップにより取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定ステップにより設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
画像処理装置を、
記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、
画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
画像処理装置を、
記録媒体情報及び環境情報を取得する情報取得手段と、
画像形成条件を画像形成要素ごとに設定する画像形成条件設定手段と、
前記情報取得手段により取得された前記記録媒体情報及び前記環境情報と前記画像形成条件設定手段により設定された前記画像形成条件とにより乾燥時間と全画像形成時間を算出する全画像形成時間算出手段として機能させることを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−173306(P2010−173306A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21684(P2009−21684)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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