説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理システムおよびプログラム

【課題】画像処理装置、画像処理方法、画像処理システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】上位コンピュータが作製した印刷データを取得するFTPサーバ220と、印刷データを格納するメモリ装置250と、メモリ装置250に格納された印刷データの文字コード、外字およびフォームイメージごとに画像処理装置120が解釈可能なデータへの変換を制御するマネージャ手段222と、マネージャ手段222により呼出され、文字コードおよび外字を画像処理装置120が解釈可能なデータ体系に変換し、フォームイメージを取得させ、文字コードおよび外字をフォームイメージにオーバーレイしてオーバーレイデータを作製するコンポーザ手段(224、226、228)と、印刷データを出力するため、画像形成手段ごとに提供され、それぞれ異なるポートが割当てられたドライバ手段を管理するドライバ管理手段240とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理技術に関し、より詳細には、データ体系を変換し、効率的に印刷処理を実行するための画像処理装置、画像処理方法、画像処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業用途では、請求書、納品書、その他の帳票を高速かつ大量に印刷することが必要とされている。従来、高速で大量の帳票印刷を実行するためには、メインフレームコンピュータ(以下、単にメインフレームとして参照する。)を含む上位コンピュータが使用される。上位コンピュータは、帳票出力するべきデータを処理し、ラインプリンタなどの出力型式であるラインデータなどの形式で帳票印刷物として出力する場合が多い。
【0003】
上述したメインフレームを含む上位コンピュータからの印刷データを出力する場合に、ラインプリンタを使用する技術は、高速印刷性を提供する。しかしながら、ラインプリンタによる出力は、印字品質に制限があり、また多種多様の帳票データへの対応性が制限されるという問題点があった。
【0004】
一方、近年では、いわゆる電子写真法といった画像形成技術を使用したページプリンタの性能は、情報処理技術の進歩やネットワーク基盤の高速・大容量化にともなって改善されてきている。このため、従来からも上述した専用のラインプリンタの代わりに、電子写真法を使用した画像形成装置であるページプリンタを上位コンピュータからの出力のために利用することができる。この様なページプリンタとしては、ネットワーク機能を備え、要求に応じてイーサネット(登録商標)などを介してデータの送受信を行い、インターネットなどを介してデータ転送が可能な、いわゆる多機能複写機(MFP: Multi-Function Peripheral)として参照されるページプリンタを挙げることができる。また、ページプリンタとしては、高速でページ印刷が可能な印刷機グレードのものまで市販されるようになっており、その出力性能は、ラインプリンタまでには至らないものの、充分に高速・大容量印刷が可能とされている。
【0005】
上位コンピュータからのラインデータを、画像形成装置が処理できるシステムとしては種々想定することができる。第1のシステムは、メインフレームが直接画像形成装置が解釈可能なデータ体系のデータを出力させ、画像形成装置が直接帳票印刷するシステムである。上位コンピュータのうち、特にメインフレームは、メインフレーム専門のメーカ、いわゆるメインフレーマが独自のOSを実装し、COBOL、PL−1、FORTRAN、PASCAL、C、C++、Java(登録商標)などのプログラミング言語で記述された業務アプリケーションを実行することにより、帳票データなどを作製し、ラインプリンタに対して出力する仕様とされている。メインフレームからの出力をページプリンタに出力させることを目的として、メインフレーム自体の実装内容を修正することは、コストもかかり、またそのためのメンテナンス中、基幹業務が停止するというリスクを発生させる可能性がある。
【0006】
このような点から、メインフレームと画像形成装置との間のデータ体系変換を実行する画像処理サーバを使用する第2のシステムが提案されている。第2のシステムでは、メインフレームからの出力は、メインフレームのプログラミング構成を修正することなく、現在メインフレームが保有している出力API(Application Program Interface)をそのまま使用する。画像処理サーバは、メインフレームからのラインデータを受領して画像形成装置が解釈できるデータ体系に変換した後、画像形成装置に渡し、印刷を実行させる。
【0007】
従来の画像処理サーバは、多くの場合、ラインデータを処理するに実績のあるUNIX(登録商標)などのオペレーティングシステム(以下、OSとして参照する。)を使用し、特定の画像形成装置のためのエミュレーションプログラムを実装するサーバを使用するものであり、高コストとなることが多い。
【0008】
この結果、画像形成装置は、メインフレーム専用のページプリンタとされ、画像形成装置の汎用性も損なわれることになる。また、ページプリンタを、メインフレーム用に専有化させる場合、専用ページプリンタのメンテナンス中にも業務を停止させることがないように、ユーザは、バックアップ用のプリンタを準備しておかなくてはならない。
【0009】
バックアップ用のプリンタもサーバを使用せざるを得ないので、ユーザは、ほぼ機能の同等の高コスト出力システムを冗長配置させる必要が有る。この結果、バックアッププリンタは、その稼働効率が低下し、メインフレームからのより効率的な出力を可能とするものではない。さらに、メインフレームからの出力がない場合や、充分に能力を残しているページプリンタがある場合でも、専用プリンタのみが印刷を実行するのでは、ページプリンタ間でジョブ分散ができず、この結果、コストおよび業務支援性の点で柔軟性に欠けるという問題もあった。
【0010】
例えば、上述した第2のシステムを構成するための技術として、例えば特開2004−178383号公報(特許文献1)、特開2004−054832号公報(特許文献2)および特開2003−280857号公報(特許文献3)を挙げることができる。特許文献1〜3は、いずれもメインフレームやホストコンピュータからの帳票データをページプリンタに出力することを開示する。しかしながら、特許文献1〜3は、ホストコンピュータから送付された印刷データをページプリンタが出力可能なフォーマットのエミュレーションする点について開示するものの、メインフレームから受信した印刷データを、ジョブ負荷を分散させながら、さらに効率的にページプリンタで印刷する技術について、開示するものではない。
【特許文献1】特開2004−178383号公報
【特許文献2】特開2004−054832号公報
【特許文献3】特開2003−280857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明は、上位コンピュータから送付された印刷データを、ページプリンタを使用してさらに効率的に印刷する、画像処理装置、画像処理方法、画像処理システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明では、上位コンピュータが作製した印刷データをネットワークを介して出力するための画像処理装置、画像処理方法、画像処理システムおよびプログラムが提供される。
【0013】
画像処理装置は、
上位コンピュータが作製した印刷データを取得する印刷データ取得手段と、
印刷データを、当該印刷データの転送元に対応して格納するメモリ手段と、
メモリ手段に格納された印刷データの文字コード、外字およびフォームイメージごとに画像処理装置が解釈可能なデータへの変換を制御するマネージャ手段と、
マネージャ手段により呼出され、文字コードおよび外字を画像処理装置が解釈可能なデータ体系に変換し、フォームイメージを取得して、文字コードおよび外字をフォームイメージにオーバーレイしてオーバーレイデータを作製するコンポーザ手段と、
印刷データを出力するため、画像形成手段ごとに提供されたドライバ手段を管理し、印刷データを出力する画像形成手段のためのドライバ手段を指定してオーバーレイデータから前記画像形成手段が解釈可能なプリントデータを生成させるドライバ管理手段と
を含む。
【0014】
上述したコンポーザ手段は、さらに文字コードおよび外字を画像処理装置が解釈可能に変換する文字処理手段と、印刷データのフォーム記述言語で記述されたフォーム識別値を参照してフォームイメージを取得するフォームイメージ取得手段と、文字コードおよび外字を、フォームイメージにオーバーレイさせるオーバーレイ処理手段とを含む構成とすることができる。
【0015】
画像処理装置は、オーバーレイデータを処理するドライバ手段を、ドライバ手段を固有に識別する値を参照して複数のドライバ手段から選択するための出力制御手段を含んでおり、出力制御手段は、複数の前記画像形成手段の処理能力を参照して印刷するべきデータのサイズと前記処理能力とにより指定される前記画像形成手段を固有に識別する値を設定することにより、印刷出力させるべき画像形成手段を変更することができる。
【0016】
さらに、上述したコンポーザ手段は、描画コンポーネントを実装し、印刷データを画像メタファイルとしてドライバ手段に渡し、ドライバ手段は、画像形成手段を制御するためのページ記述言語コマンドを追加して画像処理装置の固有フォーマットとしてプリントデータを作製し、画像処理装置の外部に送付することができる。
【0017】
本発明では、さらに、上記構成の画像処理装置が実行する画像処理方法、画像処理システムおよびプログラムが提供される。
【0018】
本発明によれば、上位コンピュータが使用するデータ体系をより汎用的な画像形成装置が解釈可能なデータ体系に変換することで、画像形成装置に接続性に対して高い柔軟性を提供し、複数の画像形成装置間で負荷分散を行いながら上位コンピュータの出力を印刷する画像形成技術が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施携帯の画像処理システム100のハードウェアブロックを示す。画像処理システム100は、例示的な上位コンピュータとして機能する、メインフレーム110と、サーバ120と、複数のページプリンタ140、150、160とを含んで構成されている。メインフレーム110は、帳票作成などを実行するためのリレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベースといったデータベースアプリケーションおよび帳票作成などの業務アプリケーションを実装し、クライアントからデータを受領する。
【0020】
メインフレーム110は、さらにクライアントからの要求に応答して、リレーショナルデータベースに登録されたデータを、請求書、見積書、注文書などの帳票を印刷するための印刷データを出力する。メインフレーム110が出力する印刷データは、ラインデータであり、そのままではページプリンタによって出力できる形式ではない。
【0021】
このため、本実施形態では、メインフレーム110は、作製した印刷データをファイル転送プロトコルを使用してサーバ120に送付する。画像処理サーバ120は、ラインデータとして送付される印刷データを解析し、印刷データからページプリンタが解釈可能なプリントデータを生成する。画像処理サーバ120は、図1に示した実施形態では、プリントデータを一旦プリンタリンカ130に送付する。プリンタリンカ130は、受領したプリントデータをページプリンタ140〜160によって出力する場合のユーティリティーを向上させる機能を提供し、オープンな環境で例えば後述する端末コンピュータ190からアクセスされる。プリンタリンカ130は、画像処理サーバ120から受領したプリンタデータの転送を可能とし、さらにユーザが指定したオプション設定やプリントデータが含む各種データを使用して、コメント追加処理、ステープル処理、丁合処理、地紋処理などのための制御を実行する。
【0022】
プリンタリンカ130は、図1に示す実施形態では、画像処理サーバ120とは別体のモジュールとして構成されており、図1の実施形態では、プリンタリンカ130は、ワークステーションやサーバとして構成することができる。また、他の実施形態では、画像処理サーバ120の1機能モジュールとして実装することもできる。
【0023】
プリンタリンカ130は、上述したオプション処理のための設定が終了した後、プリントデータを各ページプリンタ140〜160に転送し、メインフレームがラインデータとして作製した印刷データを、ページプリンタから帳票印刷物として出力させている。プリンタリンカ130については、これ以上の詳細説明は省略するが、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバなどシステム構成の特定の要求に応じて、これまで知られたプリンタサーバなどの機能を使用して実装することができる。
【0024】
さらに本実施形態の画像処理システム100の他の実施形態では、画像処理サーバ120が直接複数のページプリンタ140〜160を、USB(Universal Serial Bus)を使用し、USB−HUBなどを使用して直接ページプリンタ140〜160を制御していてもよい。
【0025】
図1に示した実施形態のページプリンタ140〜160は、いわゆる電子写真法を使用して画像形成を行う形式の画像形成装置として構成されている。なお、本実施形態では、ページプリンタ140〜160として高速印刷専用のページプリンタ140、150を採用することができる。さらに本実施形態では、プリントデータのデータ量や印刷枚数が許容する範囲で、いわゆるMFP(Multi-Function Peripheral)として参照される、ファクシミリ、イメージリーダなどの機能を搭載した多機能複写機160を、印刷データの出力先のページプリンタとして設定することができる。
【0026】
メインフレーム110については、本実施形態の要旨とするものではないので詳細な説明は省略するが、メインフレーム110は、専用OS上で、PL−1、COBOL、PROLOG、FORTRAN、C、C++、JAVA(登録商標)などのプログラムにより記述された業務アプリケーションを実行させ、リレーショナルデータベースなどに記録されたデータを使用して帳票印刷などのための印刷データを生成する。印刷データは、メインフレーム110が印刷ジョブのジョブ記述言語およびフォーム記述言語を含む専用記述言語により、メインフレーマ各社の規格にしたがって記述されている。
【0027】
一方、画像処理サーバ120は、本実施形態では、OSとしてWIndows(登録商標)Server200Xなどを使用して実装され、アセンブラ、C、C++、Java(登録商標)などのプログラミング言語で記述されたサーバプログラムを実行し、メインフレーム110からの印刷データを、ページプリンタ140〜160が解釈可能な、例えば、ページ記述言語(Page Description Language:PDL)コマンドが追加されたプリントデータに変換する。その他、本実施形態では、UNIX(登録商標)またはLINUX(登録商標)などをOSとして実装するサーバも利用することができるが、Windows(登録商標)環境における、WYSWYG環境の提供、プリンタドライバの移植性、NETBEUI、TCP/IP、UDP/IPなどのネットワーク層レベルでの多プロトコル対応性、およびプリント品質の観点から、Winwods(登録商標)ServerシリーズのOSを実装することが好ましい。
【0028】
さらに、図1に示した実施形態では、画像処理サーバ120にはパーソナルコンピュータまたはワークステーションなどとして実装される端末コンピュータ190が接続されている。画像処理サーバ120は、メインフレーム110以外にも、端末コンピュータ190からのプリントデータを受領して、ページプリンタ140〜160に印刷を実行させている。印刷要求を受領した各ページプリンタ140〜160は、指定された印刷条件にしたがってプリントデータを印刷物170a〜170cとして出力する。
【0029】
なお、図1に示した実施形態の画像処理システム100は、メインフレーム110、画像処理サーバ120、プリンタリンカ130、ページプリンタ140〜160の間がイーサネット(登録商標)といったネットワークで相互接続されている。ネットワークを構成する通信基盤としては、電気通信、光通信、無線通信など、これまで知られたいかなる通信基盤を使用することができ、使用するネットワーク基盤に対応し、物理層レベルで各種の通信プロトコルを使用することができる。
【0030】
図1に示す実施形態で使用するネットワークプロトコルとしては、フレーム(OSI基本参照モデルにおけるデータリンク層レベル)、トランスポート層レベル以上のプロトコルを提供するNETBEUI、TCP/IP、NETBEUI over TCP/IP、UDP/IPなどを使用することができる。本実施形態で、複数のページプリンタ140〜160の負荷分散を考慮しながら、ページプリンタの相互のバックアップ処理を実行するためには、ネットワークプロトコルとして、トランスポート層以上の高次プロトコルを提供するネットワークを使用して、画像処理システム100を実装することが好ましい。
【0031】
また、データ転送プロトコルとしては、FTP、HTTPなどのデータ転送プロトコルを使用することができ、セキュリティレベルの要請に応じて、FTPS、HTTPSなどのセキュアプロトコルを適宜採用することができる。
【0032】
図2は、図1に示した画像形成システム100のソフトウェアブロック図200を示す。図2では、メインフレーム110につき、本実施形態に関連するモジュールのみを示す。メインフレーム110は、業務アプリケーション210を実装しており、クライアントからの要求に応じて印刷データを作製し、作製した印刷データをプリントキュー212に格納する。プリントキュー212に格納された印刷データは、先入れ・先出し方式でFTPクライアント214に渡され、FTPプロトコルを使用して画像処理サーバ120へと印刷データを転送している。
【0033】
図2に示すように、画像処理サーバ120は、(1)FTPサーバ、(2)エミュレータ、(3)出力コントローラとしての機能を実装する。以下、画像処理サーバ120の機能ブロックについてより詳細に説明する。画像処理サーバ120は、上記(1)〜(3)の機能を情報処理装置上に実現するため、FTPサーバ220と、エミュレーション制御部222と、出力制御部230と、ドライバ管理部240とを含んで構成される。上述したFTPサーバ220、エミュレーション制御部222、出力制御部230およびドライバ管理部240は、画像処理サーバ120が含むRAMなどが提供する記憶空間に実行形式のプログラムおよびデータを展開し、中央処理装置(CPU)がプログラムを実行することにより各機能手段として実現されている。
【0034】
FTPサーバ220は、本実施形態の印刷データ受領手段として機能する。FTPサーバ220は、RFC959などに規定されるFTP転送プロトコルを使用して画像処理サーバ120に実装されていて、メインフレーム110から印刷データをファイル転送プロトコルを使用して受領する。
【0035】
なお、メインフレーム110は、印刷データの送付以前に、RFC854で規定されるTelnetプロトコルを使用して、アクセス認証を実行し、セキュリティ性を確保している。なお、他の実施形態で、よりセキュアなファイル転送を実行する場合、FTPサーバ220に代えて、RFC2228、RFC4217で規定されるFTPSプロトコルを使用するFTPSサーバを実装することができる。
【0036】
FTPサーバ220は、印刷データの転送を受け付けると、転送パケットを検査して印刷データの格納先をパス指定値などから判断する。FTPサーバ220は、受領した印刷データがメインフレーム110から送付されたものであるか、または他の端末コンピュータ190からのエミュレーション無しにページプリンタに送付可能なデータであるか否かに応答して、受領した転送パケットに対して異なる処理を実行する。
【0037】
FTPサーバ220は、端末コンピュータ190から転送パケットを受領した場合、エミュレーション制御部222を介することなく、FIFOバッファなどにデータをバッファリングした後、転送パケットのペイロードを送付し、描画コンポーネントの実施形態として例示される、GDI(Graphics Display Interface)やDDI(Device Driver Interface)を呼出して、OSに準拠した画像処理を実行し、ペイロードの内容から、EMF(Enhanced Meta-File)を作製し、ドライバ管理部240に渡す。ドライバ管理部240は、ユーザ指定されたプリントドライバがある場合、ユーザ指定されたプリントドライバを呼出してRAWデータを作製し、スプーラ、ポートモニタを経由して指定されたページプリンタに出力を依頼する。なお、端末コンピュータ190からの処理は、通常のプリンタサーバの機能と同等であるので、さらに詳細な説明は省略する。
【0038】
出力制御部230は、ページプリンタ140〜160の処理状態を、印刷するべきデータの受領と同期、または非同期にモニタし、端末コンピュータ190のユーザが指令した条件に該当するページプリンタまたはその時点で印刷するべきデータのサイズを処理するに適切な範囲の指標値である「Load」を与えるページプリンタを決定し、ページプリンタ指定変数に出力するべきページプリンタを固有に識別する識別値を設定する。なお、出力制御部230は、種々のプロトコルを使用してページプリンタ140〜160の状態を検出することができ、このためには、SNMP(Simple Network Management Protocol)を使用し、ページプリンタのMIBに記述されたデータを回収し、ページプリンタ140〜160の状態を認識するように実装することができる。
【0039】
なお、出力制御部230は、ページプリンタ140〜160の状態をモニタするに際し、印刷データの受領と非同期に定期的にポーリングして、後述するドライバ管理部240に対するデータ送付以前に予め使用するべきページプリンタを指定しておくことができる。また、出力制御部230は、ページプリンタの印刷出力状態も管理しており、SNMPプロトコルなどを使用して例えばデータ受信エラーや印刷エラーなどを検出している。
【0040】
ドライバ管理部240は、複数のページプリンタ140〜160を制御するため、複数のプリンタドライバを管理する。好ましい実施形態では、ドライバ管理部240は、複数のプリンタドライバ機能を実行することができる仮想プリンタドライバとして画像処理サーバ120に実装される。この際、ドライバ管理部240は、仮想プリンタドライバのための専用のポートおよび出力先IPアドレス、より具体的にはプリンタリンカ130のIPアドレスを割当てて画像処理サーバ120に実装される。
【0041】
ドライバ管理部240は、印刷するべきデータを受領すると、ユーザが指定したページプリンタがあれば、ユーザ指定に対応するプリンタドライバを起動して、画像メタファイルの例示できる、例えばEMFファイルとして受領したデータに対してページ記述言語(PDL:Page Description Language)コマンドを追加し、さらに汎用プリンタが使用する固有フォーマットであるRAWデータとした後、プリンタリンカ130を経由してRAWデータを指定されたページプリンタ140〜160に送付し、印刷出力を実行させる。
【0042】
一方、FTPサーバ220は、転送パケットを検査し、転送ファイルの格納先を指定するパス値が、エミュレーション処理が必要なことを示す格納領域であると判断した場合、転送パケットのペイロードから印刷データを取得し、例えば、FIFOバッファとして構成したメモリ装置250に取得した印刷データ1、2、3、…を先入れ・先出し方式で登録する。
【0043】
エミュレーション制御部222は、文字処理部224、フォームイメージ取得部226、オーバーレイ処理部228を管理している。エミュレーション制御部222は、メモリ装置250に印刷データが正常に格納されたことを確認された後に画像処理サーバ120により呼出され、さらに、エミュレーションを実行するための文字処理部224、フォームイメージ取得部226、およびオーバーレイ処理部228を呼出し、メモリ装置250の印刷データを読出し、それぞれの処理を実行させる。
【0044】
文字処理部224は、メインフレームが使用するフォントデータを、画像処理サーバ120およびページプリンタ140〜160が解釈可能なフォントデータ、例えばJIS、SJISなどの画像処理サーバ120およびページプリンタ140〜160が解釈可能なデータ体系へと、文字コード対応付けリストなどをルックアップして対応付けを実行する。
【0045】
また、文字処理部224は、メインフレームからの印刷データにロゴや外字が含まれていると判断した場合、ビットマップ変換を実行し、イメージデータとして適切なメモリ領域にバッファリングする。
【0046】
また、フォームイメージ取得部226は、印刷データに記述されたフォーム識別値を検査し、フォームイメージ識別値で指定されるフォームイメージを適切な記憶装置、例えば、ハードディスク装置に構成されたフォームイメージ格納部260から読込んで、適切なメモリ領域にバッファリングする。なお、フォームイメージは、画像処理サーバ120が最初に印刷データを受領した段階で、フォーム記述言語(FSL)などを解釈してPostScript(登録商標)やページプリンタのベンダ固有のページ記述言語などを使用してエミュレーション制御部222が作製し、PDF(Portable Document Format)、ビットマップ、JPEG、TIFF、GIF、PNGなどのイメージデータとしてハードディスク装置に格納させることができる。
【0047】
また、予めフォーム種類が知られている場合には、適切なエディタアプリケーションを使用してフォームを作製し、上述したフォーマットのイメージデータとしてハードディスク装置にフォーム識別値に対応付けて登録しておくことができる。
【0048】
オーバーレイ処理部228は、文字データおよびフォームイメージを統合してオーバーレイデータを作製する処理を実行する。オーバーレイ処理部228は、文字処理部224がコンバートした文字データ、外字、ロゴに対応するように作製したビットマップイメージを取得する。また、オーバーレイ処理部228は、フォームイメージ取得部226が取得したフォームイメージをバッファリング先から読出す。そして、オーバーレイ処理部228は、文字データおよびビットマップイメージをフォームイメージに重ね合わせ、データとしてマージすることにより、オーバーレイデータとして統合する処理を実行する。
【0049】
オーバーレイ処理は、より詳細に説明すると、印刷データが指定する用紙サイズ、左右上下マージンにより指定される領域にフォームイメージを展開し、フォームイメージに対して割当てられた記入位置に対応する文字データを配置する処理によって実行される。上述したオーバーレイ処理のためには、Windows(登録商標)などで標準実装されているGDIモジュールを使用することができる。なお、図2に示したエミュレーション制御部222は、画像処理を管理するマネージャ手段として機能し、文字処理部224、フォームイメージ取得部226オーバーレイ処理部228がコンポーザ手段として機能する。
【0050】
オーバーレイ処理部228は、説明する実施形態では、オーバーレイデータをEMFファイルとして作製する。オーバーレイ処理部228は、作製したEMFファイルを仮想プリンタドライバとして登録されたドライバ管理部240に送付する。なお、この時点でEMPファイルは、固有フォーマットに変換された後、ドライバ管理部240によりPDLコマンドが追加され、RAWデータとされて、プリントデータとされる。
【0051】
メインフレーム110から送付された印刷データから、ページプリンタ140〜160が出力可能なプリントデータをRAWデータとして出力するため、ドライバ管理部240は、複数の実装形態から選択して構成することができる。ドライバ制御部240の第1実施形態では、ドライバ管理部240は、オーバーレイデータを受領した後、出力制御部230が設定したプリンタドライバ240a〜240cの起動判断処理の期間、オーバーレイデータをバッファリングし、起動されたプリンタドライバにオーバーレイデータを供給する処理を担当する。
【0052】
当該実施形態の場合、ドライバ管理部240は、出力制御部230が予め登録するページプリンタ識別変数に登録されたページプリンタの固有識別値の値を取得し、当該固有識別値で指定されるプリンタドライバを関数呼出しし、処理を実行させる。
【0053】
ドライバ管理部240は、呼出すべきプリンタドライバを決定した後、呼出したプリンタドライバにオーバーレイデータを渡してPDLコマンドの追加およびRAWデータへの変換処理を実行させ、プリントデータを作製する。作製されたプリントデータは、スプーラおよびポートモニタを介してプリンタリンカに送付される。
【0054】
プリンタリンカ130は、送付されたPDLを解釈し、ユーザオンデマンドのプリント条件などを判断し、さらにユーザ指定されたオプション機能などのためのPDLコマンドを追加し、ページプリンタ140にプリントデータを転送して、設定されたプリント条件での印刷物170aを作製させる。なお、本実施形態で使用することができる、PDLコマンドとしてはPostScript(登録商標)、その他画像形成装置にベンダの独自言語を採用することができる。また、プリンタリンカ130が使用する転送プロトコルは、FTPプロトコルでもよいし、FTPSプロトコルでもよい。また、他の実施形態では、プリンタリンカ130からページプリンタ140〜160への転送範囲がLAN内で局在化できる場合には、データリンク層レベルでの転送を行うこともできる。
【0055】
ドライバ管理部240の当該実施形態の場合、ドライバ管理部240は、単一のプリンタドライバとして画像処理サーバ120が認識し、オーバーレイ処理部228から出力されるオーバーレイデータを受領してバッファリングする。
【0056】
その後、ドライバ管理部240は、出力制御部230が設定したページプリンタ指定変数の値を参照して印刷を依頼するべきプリンタドライバの関数名を取得する。その後、ドライバ管理部240は、取得した関数名を使用してプリンタドライバをドライバ管理部240の関数として呼出して、ページプリンタに適応した処理を実行させる。
【0057】
ドライバ管理部240は、例えばC、C++、C#などのプログラミング言語で記述され、さらに好ましい実施形態では、C言語で記述されたプリンタドライバの関数呼出しを実行する。関数呼出しで起動されたプリンタドライバは、バッファリングされたオーバーレイデータを読出して、PDLコマンドの追加などの処理を実行した後、プリントプロセッサによりWindows(登録商標)非準拠プリンタが使用することができるRAWデータを生成させ、画像処理サーバ120の外部に出力する。
【0058】
作製されたプリントデータは、プリンタリンカ130を経由して対応付けられるページプリンタ140〜160に送付される。また、他の実施形態では、端末コンピュータ190からの印刷要求の場合などにおいては、ドライバ管理部240とは別にプリンタドライバを登録しておき、プリンタリンカ130を介することなく、画像処理サーバ120から直接指定されたページプリンタのIPアドレスへとプリントデータを送付することができる。
【0059】
図3は、本実施形態の画像処理サーバ120が実行する画像処理方法の実施形態を示す。図3の処理は、ステップS300から開始し、ステップS301で、FTPサーバ220が印刷するべきデータを含む転送ファイルを受領する。ステップS302では、転送ファイルの格納先パス名を検査し、格納先パス名から、転送元がメインフレーム110か、端末コンピュータ190かを判断する。ステップS302で、転送元が端末コンピュータ190であると判断され、メインフレーム110からの転送ファイルではないと判断された場合(no)処理をステップS309に分岐させ、ユーザ指定のプリンタドライバの固有識別値を使用して該当するプリンタドライバを呼び出し、処理を開始させ、ステップS310で処理を終了する。
【0060】
なお、ステップS309で呼出されるプリンタドライバは、ドライバ管理部240によって管理されているプリンタドライバであってもよいし、ドライバ管理部240とは別に画像処理サーバ120に登録されたプリンタドライバであってもよい。
【0061】
ステップS302で、転送ファイルがメインフレームから送付されたものと判断された場合(yes)、ステップS303でエミュレーション制御部222を起動してメインフレームからの印刷データのエミュレーションを開始する。エミュレーションの開始は、文字処理部224およびフォームイメージ取得部226を呼出して並列処理を実行させる。
【0062】
ステップS304では、文字データがロゴや外字を含むか否かの判断を行い、ロゴ、外字を含む場合、当該ロゴや外字をビットマップなどのイメージに変換する。ステップS305では、その他の文字データを、ページプリンタが解釈可能なコードにコンバートし、当該文字データをバッファリングする。一方、ステップS305では、フォームイメージのフォーム識別値を検査し、フォーム識別値で指定されるフォームイメージを取得してバッファリングする。ステップS306では、オーバーレイ処理部228を呼出し、文字データ、ビットマップ、およびフォームイメージをそれぞれバッファメモリから読込んで文字データ、ビットマップをフォームイメージにオーバーレイして統合し、EMFファイルを作製しドライバ管理部240が管理するバッファメモリに格納させる。
【0063】
ステップS307でドライバ管理部240がページプリンタ指定変数の値を検査する。ステップS308では、検査の結果を参照し、ページプリンタ指定変数に設定された固有識別値に対応するプリンタドライバを関数呼出して処理を開始させ、ステップS310で処理を終了させる。
【0064】
なお、ページプリンタ指定変数値に登録された固有識別値は、出力制御部230が設定する。ページプリンタ指定変数の値は、ページプリンタの残能力が新たな印刷データの処理に不充分であると判断された場合やページプリンタ自体の、用紙無し、トナー残量不足、その他の障害発生、メンテナンス中などの理由で、その時点で適切な処理能力を有するものとして推奨すべきページプリンタを固有に識別する固有識別値が設定される。
【0065】
図3に示した処理を実装することでEMFファイルを受領した処理担当のプリンタドライバは、EMFファイルをRAWデータに変換し、さらにPDLコマンドなどを追加することによりプリントデータを作製し、画像処理サーバ120の外部へとプリントデータを送出する。
【0066】
また、図3に示した処理を採用することにより、メインフレーム110および端末コンピュータ190の両方からの印刷要求に対応して最適な印刷処理を実行することが可能となる。また、メインフレーム110からの印刷データに対してはその時点で印刷するべきデータ量、印刷要求の発行元に対応し、最適な処理能力を有するページプリンタを自動割当てして印刷出力を依頼することができるので、印刷効率を向上させることができ、好ましい実施形態である。
【0067】
なお、上述した実施形態の他、ドライバ管理部240に対してプリンタドライバをデフォルト設定しておき、プリンタドライバ自身が印刷するべきEMFファイルの受領に対応してデフォルト設定のプリンタドライバで処理するか、または他のプリンタドライバに処理をスイッチングするかを判断させる第2の実施形態も可能である。
【0068】
当該ドライバ管理部240の他の実施形態では、画像処理サーバ120に実装する各プリンタドライバに対し、個別的にプリンタドライバとしての適切性を判断する処理コードをプリンタに対して追加することが必要となり、既存のプリンタドライバの適合性および修正するべきプログラミングコード数も増加する。しかしながら、メインフレーム110および端末コンピュータ190からの印刷要求を効率的に処理することは可能であり、特定の用途やユーザの要求に応じて、ドライバ管理部240の実装形式は適宜選択して採用することができる。
【0069】
第2の実施形態は、プリンタリンカ130を介さずに画像処理サーバ120がUSB−HUBなどを使用して複数のページプリンタを直接管理する場合に好ましい実施形態ということができる。
【0070】
図4は、出力制御部230が実行するページプリンタ指定変数の設定処理のフローチャートを示す。図4の処理は、出力制御部230がMIBなどのデータを使用して実行することができる。図4の処理は、ステップS400から開始し、ステップS401で、次回に印刷するべきデータのサイズ(RAWデータ換算)を計算する。ステップS402では、ページプリンタの能力状態を、MIBなどから回収したメモリ残容量、印刷出力状態(印刷中で小さく、印刷待機中で大きくなるように設定される異なる値Printを与える)、ページプリンタのPPMなどの規格能力および次回に印刷するべきデータのサイズなどを使用して計算する。
【0071】
計算に際しては、処理能力が最大のページプリンタのみに過度に印刷ジョブが転送されないように、例えば指標値としてLoad=(データのサイズ)/(メモリ残容量+PPM値+Print)が適切な範囲の値を与え、かつ、印刷実行中ではないページプリンタを優先して選択するように設定することができる。この実施形態では印刷中または待機中を含めたページプリンタの処理能力を考慮してページプリンタを切り替えることができる。
【0072】
また、他の実施形態では、印刷するべきデータのサイズと、当該データのサイズを担当するページプリンタとを、ページプリンタの処理能力ごとに割当てた割当てテーブルを作製し、当該割当てテーブルをルックアップして最適なページプリンタを推奨するべきページプリンタとして決定することができる。この実施形態では、ページプリンタのその時点での稼働状態は反映されないが、印刷するべきデータのサイズに最適なページプリンタを確実に指定することが可能となり、より適切な負荷分散を行うことができる。
【0073】
ステップS403では、計算結果を参照し、デフォルト設定されたページプリンタよりその時点で印刷するべき印刷データについてさらに適切なページプリンタがあるか否かを判断する。
【0074】
ステップS403の判断で、さらに適切なページプリンタがある場合(yes)、ステップS405で出力制御部230が管理するプリンタリストを参照し、より処理能力の高いページプリンタのページプリンタ識別値、IPアドレス、割当てポート番号、ドライバファイル名、ドライバ関数名など、ページプリンタを固有に識別する値を取得する。その後、取得したページプリンタの固有識別値をページプリンタ指定変数に設定した後、ステップS406で処理を終了させる。
【0075】
一方、デフォルト設定のページプリンタが充分な残り能力を有していると判断された場合(no)、ステップS404で、デフォルト設定のページプリンタのプリンタ名、IPアドレス、割当てポート番号、ドライバファイル名、ドライバ関数名などをページプリンタ指定変数に設定した後、ステップS406で処理を終了させる。
【0076】
図5は、図4の処理で使用するプリンタリスト500の実施形態を示す。プリンタリスト500は、ページプリンタ識別値を登録するフィールド510、ページプリンタのIPアドレス(固定)を登録するフィールド520、画像処理サーバ120がプリンタドライバに割当てた割当てポートの値を登録するフィールド530、および当該ポートに割当てたプリンタドライバ名などの値を登録したフィールド540を含んだ構成とすることができる。
【0077】
画像処理サーバ120は、ページプリンタを選択する場合、印刷するべきデータのサイズをページプリンタの処理能力と比較し、最適な範囲の指標値を有するページプリンタを、固有に識別するページプリンタ識別値、IPアドレス、割当てポート番号などを参照し、オーバーレイデータを処理するためのプリンタドライバを指定するためのページプリンタ指定変数に設定する。ページプリンタ指定変数に設定されたプリンタドライバは、オーバーレイデータを受領してPDLコマンドなどを追加して、さらにプリントプロセッサおよびスプーラを介してEMFファイルをRAWデータに変換してプリントデータを作製させる。
【0078】
その後、さらに処理中のプリンタドライバは、プリンタリスト500からページプリンタのプリンタ名またはIPアドレスを取得し、説明する実施形態では、例えばプリンタリンカのIPアドレスに宛てて、プリントデータおよびページプリンタのIPアドレスをペイロードに含むパケットまたはフレームを送付して、印刷処理を依頼する。プリンタリンカ130は、当該パケットを受領してプリントデータに対するオプション処理のためのPDLなどを追加し、スプーラに送付した後、取得したページプリンタに宛ててプリントデータを送付し、印刷を実行させている。なお、図5に示したプリンタリスト500で、割当てポートを登録するフィールド530は、オプションフィールドであり、割当てポートを処理上使用せずともよい場合、設ける必要はない。
【0079】
図6は、本実施形態の画像処理システムが実行する処理のシーケンス図を示す。メインフレーム110は、FTPクライアントとして機能しており、印刷データを出力する場合に、ステップS600でFTPサーバ220に対してTelnetプロトコルを使用してユーザID、パスワードなどを送付し、認証を要求する。認証要求を受領すると、FTPサーバ220は、当該要求を処理するスレッドを生成し、ステップS601で受領した認証パケットのペイロードから取得したユーザID、パスワードを要求認証部600に送付し、認証を要求する。なお、要求認証部600は、画像処理サーバ120の機能モジュールとして実装することもできるし、他の認証サーバなどのモジュールとすることができる。
【0080】
ステップS602では、FTPサーバ220は、要求認証部600からの認証結果を受領する。以下、認証結果がtrueの値を返したものとして説明する。認証結果を受領したFTPサーバ220は、ステップS603で、メインフレーム110に対してデータ送付許可を発行する。メインフレーム110は、データ送付許可を受領すると、ステップS604で、印刷データをプリントキューから先入れ・先出し方式で読み出し、FTPサーバ220にファイル転送する。ステップS605では、印刷データの格納先を判断し、エミュレーション処理が必要か否かを判断する。説明する実施形態ではエミュレーション処理が必要と判断される。
【0081】
この間、メインフレーム110は、ステップS606で転送パケットの送付を係属する。FTPサーバ220は、メインフレーム110からの転送ファイルのEOF、ファイル終了を示すデリミタなどを検出し、受領したデータの検査が終了すると、ステップS607でファイル転送完了をメインフレーム110に通知する。メインフレーム110のFTPクライアント214は、ステップS607の通知を受領すると、処理を終了する。またメインフレーム110は、プリントキュー212に印刷データが残っている場合、ステップS624で再度認証要求を発行し、ステップS625でFTPサーバ220による認証処理が繰返される。
【0082】
一方、FTPサーバ220は、ステップS605で、エミュレーション処理が必要と判断し、ステップS608でエミュレーション制御部222を呼出して処理を開始させる。エミュレーション制御部222は、ファイル転送が完了すると、ステップS609で文字処理部226を呼出して印刷データが含む文字コードのコンバート処理およびビットマップ変換を実行する。同時に、エミュレーション制御部222は、フォームイメージ取得部224を呼出して印刷データが含むフォーム識別値を参照にハードディスク装置などからフォームイメージを取得してバッファリングする。
【0083】
ステップS613では、文字データが外字、ロゴを含んでいるか否かを判断し、ビットマップへの変換メソッドを呼出し、処理を実行する。文字処理部226の処理が完了し、文字データおよびロゴなどを生成し終えると、ステップS614で文字処理部226は、エミュレーション制御部222に通知する。エミュレーション制御部222は、ステップS615でオーバーレイ処理部228を呼出して文字データ、ビットマップ、およびフォームイメージの合成処理を依頼する。
【0084】
オーバーレイ制御部228は、エミュレーション制御部222から呼出されると、ステップS616で文字データ、ビットマップ、およびフォームイメージを印刷サイズに展開してオーバーレイ処理を実行し、オーバーレイデータを生成する。オーバーレイデータは、オーバーレイ処理部228により、さらにEMFファイルに変換され、以下の処理を実行するために適切なバッファメモリに格納される。
【0085】
オーバレイ処理部228は、EMFファイルの作製が終了すると、ステップS617で、エミュレーション制御部222にEMFファイル作製終了を通知する。当該通知を受領したエミュレーション制御部222は、ステップS618でドライバ管理部240に対してページプリンタの能力状態を通知するように指令する。ドライバ管理部240は、ステップS619で、能力計算処理を実行し、ページプリンタ指定変数にページプリンタを固有に識別する値を設定する。さらにドライバ管理部240は、ステップS620でページプリンタ指定変数の更新が終了したことをエミュレーション制御部222に通知する。
【0086】
エミュレーション通知部222は、ステップS621でオーバーレイ処理部228に対し、オーバーレイデータを送付するように指令する。その後、オーバーレイ処理部228は、ステップS622でドライバ管理部240に対してオーバーレイデータを送付することにより、プリントデータをRAWデータとしての作製を依頼する。ドライバ管理部240は、プリントデータに対して各種印刷設定を行うためのPDLコマンドなどを追加した後、ステップS623でプリントプロセッサおよびスプーラへとPDLコマンドを追加したオーバーレイデータを送付して、RAWデータを作製させ、ポートモニタを介して画像処理サーバ120の外部へとプリントデータを送付する。
【0087】
なお、出力制御部230が印刷データの受領と非同期で、ページプリンタ設定変数の値を更新している場合には、オーバーレイ処理部228からオーバーレイデータを受領した段階で、印刷処理を依頼するべきページプリンタ指定変数の値が確定されている。この実施形態を採用する場合、ステップS618〜ステップS620のシーケンスは省略することができ、直ちにステップS621のシーケンスに遷移させ、プリンタドライバの呼出を実行することができる。この様な実施形態は、出力制御部230が、印刷データの処理とは非同期にページプリンタ140〜160の能力状態をポーリングしMIBなどを使用して情報を蓄積する実施形態で有効である。
【0088】
図6の処理シーケンスは、メインフレーム110のプリントキュー212に印刷データが無くなるまで継続され、ページプリンタの処理負荷を分散させながら効率的な印刷資源の利用を可能とする。
【0089】
また、ユーザ指令によりページプリンタを指定できる実施形態では、ユーザの環境に応じた出力先を指定することができ、メインフレーム110に出力データをより容易に利用可能とする。また、本実施形態では、上述したように、エミュレーション制御部222は、専用のページプリンタではなく複数のページプリンタへの接続を可能とするAPI(Application Program Interface)を提供できるので、メインフレーム110を含む画像処理システムに対して高い拡張性を提供することが可能となる。
【0090】
図7は、本実施形態の画像処理システムにおけるデータフロー700の実施形態を示した図である。メインフレーム110が実装する業務アプリケーション710が、リレーショナルデータベースまたはオブジェクト指向データベースなどのデータをSQL(Structured Query Language)文やオブジェクト操作言語(OML:Object
Manipulation Language)などを使用して抽出し、枠、罫線などを含むフォームデータとともに請求書、納品書、発注書などの帳票データとして印刷データを作製する。帳票データは、ラインデータとして作製され、メインフレーム110の出力モジュールなどに実装されるプリントキュー212に格納される。
【0091】
プリントキュー212内の印刷データは、メインフレームが実装するFTPクライアント214から画像処理サーバ120に対し、FTPまたはFTPSプロトコルを使用して転送される。図7には、転送された印刷データ720の概略的な構成を示す。メインフレーム110から送付される印刷データは、JSLおよびFSLを使用して作製されている。JSLがジョブ制御のためにメインフレームが使用する制御言語であり、FSLがフォームを記述するための記述言語である。印刷データ720は、画像処理サーバ120によって受領されるとFIFOバッファなどのメモリ装置250に格納され、先入れ・先出し方式で、読込まれるのを待機する。
【0092】
エミュレーション制御部222は、メモリ装置250に格納された印刷データを、文字処理部224およびフォームイメージ取得部226に渡し印刷データのコンバートおよびフォームデータの抽出などの処理を実行させ、FSLで記述されたフォームデータおよび文字データなどを別々に処理し、展開してデータ構造730を作製する。データ構造730の文字コードは、文字処理部224により、ページプリンタが処理可能なSJIS、JIS、ASCIIなどの汎用コードに変換されている。また、各文字データは、JSLで記述されたページフォーマットでページング処理されている。
【0093】
一方、フォームイメージ取得部226は、印刷データ720からDJDEとして抽出されたデータのうちのFORM=AAAの値「AAA」を取得し、値「AAA」で指定されるフォームイメージ750を読出す。オーバーレイ処理部228は、データ構造730に対してページ単位でフォームイメージ750をオーバーレイ処理し、オーバーレイデータ740を作製する。
【0094】
作製されたオーバーレイデータは、オーバーレイ処理部228においてEMFファイルに変換され、ドライバ管理部240に渡される。ドライバ管理部240は、適切なプリンタドライバを起動して、EMFファイルを渡してPDLなどのプリンタ制御言語などを追加し、さらに非Windows(登録商標)プリンタ以外が使用するRAWフォーマットのプリントデータとした後にページプリンタ140に印刷処理させるためにプリントデータを送付する。プリントデータの送付先は、本実施形態では、プリンタリンカ130とされるが、他の実施形態では、直接ページプリンタ140〜160に送付することもできる。プリンタリンカ130の機能を利用するか否かについては、画像形成システム100のユーザの要求や特定の用途などを考慮して適宜設定することができる。
【0095】
例えば、ページプリンタ140に直接プリントデータを送付する場合、TCP/IPパケットのペイロードにプリントデータを記述し、ペイロードではなく、宛先アドレスにページプリンタ140のIPアドレスを記述し、イーサネット(登録商標)などを通してLANなどのネットワーク180に送出し、ページプリンタ140にプリントデータを送付する。なお、プリントデータの転送プロトコルとしては、NetBIOS over TCP/IPを使用し、プリンタ名などを使用してプリントデータの転送を実行することもできる。
【0096】
さらに、本実施形態で、画像形成サーバを、プリンタリンカ130またはページプリンタ140〜160に対するFTPクライアントとし、プリンタリンカ130またはページプリンタ140〜160をFTPサーバとしてカスケード式に機能させることもできる。この実施形態の場合、画像形成サーバ120からページプリンタ140〜160までの間をFTPSプロトコルでファイル転送を実行することにより、メインフレーム110からページプリンタ140〜160までの間を暗号化ベースのセキュアなファイル転送で構成することができ、より高い信頼性を提供することが可能となる。これに加えて、ページプリンタ側でのアクセス制御を組み合わせて画像形成システム100を構成することにより、さらに信頼性を向上させることができ、メインフレーム110の印刷出力の効率化および高信頼性を達成することができる。
【0097】
図8は、本実施形態で作製された帳票印刷物800の実施形態を示す。図8に示した帳票印刷物は、フォームイメージ810に対して文字データが適切な位置にオーバーレイされて生成されたプリントデータを、ページプリンタが出力して生成されている。図8に示した帳票印刷物800は、フォームイメージ810内には、罫線により規定されたフィールド820が形成され、各フィールド内に、項目属性830および数値データなどが記入されて作製されている。
【0098】
本実施形態では、メインフレーム110からの出力を、より汎用性の高いネットワークを介してページプリンタといった画像形成装置に出力させることが可能となり、メインフレーム110を含む画像形成システム100の物理的構成に対してより柔軟性を提供することが可能となる。また、本実施形態では、メインフレーム110に対して複数の画像形成装置をユーザによる指定や画像形成装置の残能力を考慮して出力先を最適化することが可能となり、より効率的な帳票印刷が可能となる。
【0099】
なお、さらに他の実施形態では、ページプリンタなどの画像形成装置が柔軟に選択されることに対応し、画像形成装置は、ユーザID/パスワード認証、ICカードによる認証、指紋または掌紋によるアクセス認証などにより正当なユーザであることが認証されるまで、印刷物として出力させず、プリントデータをハードディスク装置などの記憶装置に格納しておくことができる。
【0100】
当該他の実施形態によれば、専用のプリンタルームに設置された画像形成装置以外にも、例えば通常のオフィスフロアに設置された画像形成装置についてもその残能力を考慮して出力先と指定することができ、メインフレーム110の出力に対するアクセス性を改善することができる。なお、本発明につき、説明を具体的に行う目的で上位コンピュータをメインフレームコンピュータとして説明した。本発明は、ライン出力データを送付することができる上位コンピュータであれば、適宜データフォーマットを最適化することにより、いかなる上位コンピュータにでも適用することができる。
【0101】
本実施形態の上記機能は、アセンブラ、C、C++、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、当該プログラムは、ハードディスク装置、CD−ROM、MO、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0102】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本実施携帯の画像処理システム100のハードウェアブロック100を示した図。
【図2】図1に示した画像処理システム100のソフトウェアブロック図200を示した図。
【図3】本実施形態の画像処理サーバ120が実行する画像処理方法の実施形態を示す。
【図4】図3のステップS310の処理のフローチャート。
【図5】図4の処理で使用するプリンタリスト500の実施形態を示した図。
【図6】本実施形態の画像処理システムが実行する処理のシーケンス図。
【図7】本実施形態の画像処理システムにおけるデータフロー700の実施形態を示した図。
【図8】本実施形態で作製された帳票印刷物800の実施形態を示した図。
【符号の説明】
【0104】
100…画像処理システム、110…メインフレーム、120…画像処理サーバ、130…プリンタリンカ、140〜160…ページプリンタ、170a〜170c…印刷物、180…ネットワーク、190…端末コンピュータ、210…業務アプリケーション、212…プリントキュー、214…FTPクライアント、220…FTPサーバ、222…エミュレーション制御部、224…文字処理部、226…フォームイメージ取得部、228…オーバーレイ処理部、230…出力制御部、240…ドライバ管理部、250…メモリ装置、260…フォームイメージ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位コンピュータが作製した印刷データをネットワークを介して出力するための画像処理装置であって、前記画像処理装置は、
前記上位コンピュータが作製した印刷データを取得する印刷データ取得手段と、
前記印刷データを、前記印刷データの転送元に対応して格納するメモリ手段と、
前記メモリ手段に格納された前記印刷データの文字コード、外字およびフォームイメージごとに前記画像処理装置が解釈可能なデータへの変換を制御するマネージャ手段と、
前記マネージャ手段により呼出され、前記文字コードおよび前記外字を前記画像処理装置が解釈可能なデータ体系に変換し、前記フォームイメージを取得して、前記文字コードおよび前記外字を前記フォームイメージにオーバーレイしてオーバーレイデータを作製するコンポーザ手段と、
前記印刷データを出力するため、画像形成手段ごとに提供されたドライバ手段を管理し、前記印刷データを出力する前記画像形成手段のためのドライバ手段を指定して前記オーバーレイデータから前記画像形成手段が解釈可能なプリントデータを生成させるドライバ管理手段と、
を含む画像処理装置。
【請求項2】
前記コンポーザ手段は、前記文字コードおよび前記外字を前記画像処理装置が解釈可能に変換する文字処理手段と、前記印刷データのフォーム記述言語で記述されたフォーム識別値を参照して前記フォームイメージを取得するフォームイメージ取得手段と、前記文字コードおよび前記外字を、前記フォームイメージにオーバーレイさせるオーバーレイ処理手段と、を含む請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理装置は、前記オーバーレイデータを処理する前記ドライバ手段を、前記ドライバ手段を固有に識別する値を参照して複数の前記ドライバ手段から選択するための出力制御手段を含み、前記出力制御手段は、複数の前記画像形成手段の処理能力を参照して印刷するべきデータのサイズと前記処理能力とにより指定される前記画像形成手段を固有に識別する値を設定することにより、印刷出力させるべき前記画像形成手段を指定する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記コンポーザ手段は、描画コンポーネントを実装し、前記印刷データを画像メタファイルとして前記ドライバ手段に渡し、前記ドライバ手段は、前記画像形成手段を制御するためのページ記述言語コマンドを追加して前記画像形成装置の固有フォーマットとしてプリントデータを作製し、前記画像処理装置の外部に送付する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置と前記画像形成手段とは、TCP/IPプロトコルを使用するネットワークで相互接続される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上位コンピュータが作製した印刷データをネットワークを介して出力するための画像処理装置が実行する画像処理方法であって、前記画像処理装置が、
前記上位コンピュータが作製した印刷データを取得するステップと、
前記印刷データを、前記印刷データの転送元に対応してメモリ手段に格納するステップと、
前記メモリ手段に格納された前記印刷データの文字コード、外字およびフォームイメージごとに前記画像処理装置が解釈可能なデータ体系への変換を制御するステップと、
前記データ体系への変換に際して呼出され、前記文字コードおよび前記外字を前記画像処理装置が解釈可能に変換し、前記フォームイメージを取得して、前記文字コードおよび前記外字を前記フォームイメージにオーバーレイしてオーバーレイデータを作製するステップと、
前記印刷データを出力するため、画像形成手段ごとに提供されたドライバ手段であって、前記印刷データを出力する前記画像形成手段のためのドライバ手段を指定して前記オーバーレイデータから前記画像形成手段が解釈可能なプリントデータを生成させるステップと
を実行する、画像処理方法。
【請求項7】
前記オーバーレイデータを作製するステップは、描画コンポーネントを起動して前記印刷データを画像メタファイルとして前記ドライバ手段に渡すステップを含む、請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記ドライバ手段は、前記画像形成手段を制御するためのページ記述言語コマンドを追加するステップと、前記画像メタファイルを前記画像形成手段の固有フォーマットとしてプリントデータを作製し前記画像処理装置の外部に送付するステップとを実行する、請求項6または7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記複数の前記ドライバ手段を選択するステップは、複数の前記画像形成手段の処理能力を参照して印刷するべきデータのサイズと前記処理能力とにより指定される前記画像形成手段を固有に識別する値を設定することにより、印刷出力させるべき前記画像形成手段を指定し、前記画像処理装置と前記画像形成手段とは、TCP/IPプロトコルを使用するネットワークで相互接続される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像処理方法。
【請求項10】
上位コンピュータが作製した印刷データをネットワークを介して出力するための画像処理システムであって、前記画像処理システムは、
前記上位コンピュータから印刷データを受領して画像形成手段が解釈可能なデータ体系に変換する画像処理装置と、
前記画像処理装置と前記画像処理手段との間を、TCP/IPプロトコルにより相互接続するネットワークとを含み、前記画像処理装置は、
前記上位コンピュータが作製した印刷データを取得する印刷データ取得手段と、
前記印刷データを、前記印刷データの転送元に対応して格納するメモリ手段と、
前記メモリ手段に格納された前記印刷データの文字コード、外字およびフォームイメージごとに前記画像処理装置が解釈可能なデータへの変換を制御するマネージャ手段と、
前記マネージャ手段により呼出され、前記文字コードおよび前記外字を前記画像処理装置が解釈可能に変換し、前記フォームイメージを取得して、前記文字コードおよび前記外字を前記フォームイメージにオーバーレイしてオーバーレイデータを作製するコンポーザ手段と、
前記印刷データを出力するため、画像形成手段ごとに提供されたドライバ手段を管理し、前記印刷データを出力する前記画像形成手段のためのドライバ手段を指定して前記オーバーレイデータから前記画像形成手段が解釈可能なプリントデータを生成させるドライバ管理手段と
を含み、前記ドライバ手段は、前記画像形成手段を制御するためのページ記述言語コマンドを追加し、前記画像形成手段の固有フォーマットとしてプリントデータを作製して前記画像処理装置の外部に送付する、画像処理システム。
【請求項11】
前記画像処理装置は、前記オーバーレイデータを処理する前記ドライバ手段を、前記ドライバ手段を固有に識別する値を参照して複数の前記ドライバ手段から選択するための出力制御手段を含み、前記出力制御手段は、複数の前記画像形成手段の処理能力を参照して印刷するべきデータのサイズと前記処理能力とにより指定される前記画像形成手段を固有に識別する値を設定することにより、印刷出力させるべき前記画像形成手段を変更する、請求項10に記載の画像処理システム。
【請求項12】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の機能手段として情報処理装置を機能させるための情報処理装実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−72778(P2010−72778A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237368(P2008−237368)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】