画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、記録媒体及び画像形成装置
【課題】合成画像を形成する画像データ間の画素位置ずれを回避して、合成画像データの表示、印刷時に生じる文字のガタツキと文字領域・非文字領域の色のずれを解消する。
【解決手段】画像サイズ調整部77は、複数の画像データを一枚の画像に合成するに際して、画像の縦横方向それぞれについて複数の画像データの解像度の比率の最小公倍数で入力画像データの縦横画素数を除したときの余りを算出する。そして、この余りの算出結果を用いて複数の画像データの解像度の比率の最小公倍数で入力画像データの縦横画素数を除したときの余りが0となるように、当該入力画像データを加工する。
【解決手段】画像サイズ調整部77は、複数の画像データを一枚の画像に合成するに際して、画像の縦横方向それぞれについて複数の画像データの解像度の比率の最小公倍数で入力画像データの縦横画素数を除したときの余りを算出する。そして、この余りの算出結果を用いて複数の画像データの解像度の比率の最小公倍数で入力画像データの縦横画素数を除したときの余りが0となるように、当該入力画像データを加工する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、さらに詳しくは、複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばjpgファイルのような非可逆圧縮を行う圧縮は、圧縮率が非常に高く小さなファイルを作ることが可能である。これは絵柄に対して有効であるが、文字画像のように2値的な画像に対しては、文字のエッジがボケてしまい文字の判読性がよくない。
そのため、特許文献1、2に開示のように、1つのファイルに2枚の画像データ、すなわち圧縮率の高い画像データと可逆圧縮の解像度の高い2値データとを備え、2枚の画像データを解像度の高い2値データ(文字領域)で選択的に切り換えることにより、文字のエッジは2値の解像で出力することで文字の解像度は高いままにして、圧縮の高い画像ファイルを作成することを可能とした技術が提案されている。
このような方法で作成したファイルをユーザが使用するときは、複数の圧縮された画像データを展開し、合成したものをモニタ上にアプリケーションで表示し、あるいは、展開して合成したものをプリンタ等で印刷出力することになる。
しかし、このような合成を行う場合、解像度が違うことに起因するいろいろな問題が生じる。以下の特許文献3、4には、次のように説明されている。
特許文献3には、文字部、非文字部を選択するデータと、それとは解像度の異なる絵柄を含む画像を合成するときの問題について言及されている。すなわち、絵柄を含む画像には、選択される画素と選択されない画素があり、選択されない画素はどんな画素値でもよい。選択される画素を有効画素・選択されない画素を無効画素と呼ぶ。絵柄を含む画像を選択データよりも低い解像度に落としてファイルにすると、合成時には、絵柄を含む画像は拡大することになる。拡大時には、バイリニア法などの補間アルゴリズムを用いることが多い。画像を拡大するときには、拡大後の有効画素と無効画素の境界部は、有効画素と無効画素の中間値となる。この結果、境界部ではぼけることになる。このぼけを回避するために、有効画素を太らせて中間値を取っても、無効画素の画素値の影響が入らないようにしている。
特許文献4には、1つの画像データを、3つの画像データにて表現する点について開示されている。その3つの画像データの1つは、元画像に二値化を行った画像に対して縮小処理(画素密度変換)を施したものになっている。縮小処理を行う際、元画像と縮小処理後の画像データとの解像度差における位置ずれに関しても言及されている。
【特許文献1】特開2002−368986公報
【特許文献2】特許第3193086号
【特許文献3】特開平11−261833号公報
【特許文献4】特開2003−219187公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
合成した画像を表示・印刷するときに、合成画像を構成する画像データの解像度が異なると、合成画像において、画像間の画素位置にずれが生じ、これが視覚的に文字部のガタツキや色のずれとなって表れるケースがある。この問題を、以下に詳細に説明する。
合成する画像データは、黒文字画像・文字画像・二値画像・背景画像の4つとする。黒文字画像とは、元画像から黒い文字を抽出した画像であり、文字画像とは元画像の黒い文字以外の文字の色を抽出した画像であり、二値画像とは色のついた文字を抽出した画像であり、背景画像とは元画像における文字以外の部分を抽出した画像である。
各画像データの解像度は、元画像の解像度に対し、黒文字画像・背景画像が1/2、文字画像が1/4、二値画像が1倍の解像度とする。このとき、図9に示したように、合成するときには、黒文字画像・背景画像を2倍、文字画像を4倍、二値画像を1倍にして重ね合わせることになる。
まず、画像データを作成することを考える。元画像が300dpiであり、横画素数が3003画素であるものとする。生成した4つの画像データの横画素数は、画像データを作るときの解像度の倍率を掛ければよいので、以下のような計算をすればよい。
黒文字画像・背景画像の横画素数=3003/2=1501.5
文字画像の横画素数=3003/4=750.75
二値画像の横画素数=3003/1=3003
画素数は1以上の整数なので、黒文字画像・背景画像・文字画像では、切り上げるか切り捨てるしかない。ここでは、切り捨てるものとする。すると、各画像データは以下の横画素数を持つ。
黒文字画像・背景画像の横画素数=3001/2=1501
文字画像の横画素数=3000/4=750
二値画像の横画素数=3003/1=3003
【0004】
次に、4つの画像データを合成することを考える。合成時には図9で示したような、解像度の倍率をかければよいので、横画素数は以下のようになる。
黒文字画像・背景画像の横画素数=1501×2=3002
文字画像の横画素数=750×4=3000
二値画像の横画素数=3003×1=3003
このように、各画像データの横画素数は等しくならない。合成画像を、元画像と同等の横画素数で表すためには、すべての画像データを同じ画素数にする必要がある。すべての画像データを3003画素に等倍・拡大することを考えると、各画像データは図10に示した倍率で拡大することが必要となる。計算式は以下の通りである。
黒文字画像・背景画像の拡大倍率=3003/1501
文字画像の拡大倍率=3003/750
二値画像の拡大倍率=3003/3003
黒文字画像・背景画像・文字画像においては、画像データを生成するときの縮小倍率と、合成時の拡大倍率の積が1とならず、1より大きくなっている。これは、図11に示したように、各画像データを生成する際に、画素数の小数点以下を切り捨てたが、拡大するときには切り捨てた画素数分だけ拡大するのではなく切り捨て前の画素数に拡大する必要があるためである。
これが拡大後の画像の画質にどのように影響を及ぼすかは拡大のアルゴリズムによるが、これは元画像と拡大した後の画像データを重ね合わせたときに、画素位置にずれが生じることを意味する。さらに、各画像データの拡大後の画像を合成したときには、各画像間の画素位置にずれが生じることになる。
この画素位置ずれは、合成画像の表示・印刷時に、文字のガタツキや色のずれとなって表れる。この現象を詳細に説明する。図12は、黒文字画像と二値画像の解像度の違いで生じる文字のずれを説明した図である。黒文字画像のデータが1倍より大きく拡大されることで、画像の一部において、黒文字部分が拡大されて、本来は黒文字部分ではない部分が、黒画素として処理されることがある。
【0005】
また、図13は、二値画像と文字画像との解像度の違いで生じる文字領域の色ずれを説明した図である。二値画像に対して、文字領域と非文字領域が拡大されることが影響して、画像の一部で色が本来の色とずれることがありうる。なお、同図の説明は、便宜的に文字画像を150dpiであるとしている。
このように、画像データ間の画素位置がずれることで、文字のガタツキや色ずれが生じる。このずれの生じ方は、拡大のアルゴリズムに依存する。
この問題が起きる条件は、縦横方向それぞれにおいて、各画像データの解像度の、比率の公倍数で縦横画素数を序したときの余りがある場合である。余りが0のときは、この問題は生じない。
そして、合成画像を生成する前述の従来技術では、この問題に関しては言及していない。特許文献3の技術は、前述したように補間アルゴリズムによる境界部のぼけを回避するものであり、この問題を解決する技術手段についてはなんら提示されていない。
特許文献4では、先述したように元画像と縮小処理後の画像データとの解像度差における位置ずれに関しては触れているが、構成する画像データ同士の解像度の違いから生じる問題については何も示唆されていない。
そこで、本発明の目的は、上記問題を鑑みて、合成画像を形成する画像データ間の画素位置ずれを回避して、合成画像データの表示、印刷時に生じる文字のガタツキと文字領域、非文字領域の色のずれを解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理装置であって、入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する前記複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整部を備え、前記画像サイズ調整部は、前記複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、該比率の最大値により前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出手段と、該余り算出手段により算出された余りに基づいて、該余りが0となるように前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、該縦方向の余りの画素数に相当するライン数を削除し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、該横方向の余りに相当する画素数を削除することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数を追加し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該横方向の余りの画素数を減算した値に相当する画素数を追加することを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦横方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数又は画素数を追加した画素値を白色に相当する値とすることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理方法であって、入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する前記複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整ステップを備え、前記画像サイズ調整ステップは、前記複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、該比率の最大値により前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出テップと、該余り算出テップにより算出された余りに基づいて、該余りが0となるように前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整テップと、を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、該縦方向の余りの画素数に相当するライン数を削除し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、該横方向の余りに相当する画素数を削除することを特徴とする。
【0008】
請求項7に記載の発明は、前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数を追加し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該横方向の余りの画素数を減算した値に相当する画素数を追加することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦横方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数又は画素数を追加した画素値を白色に相当する値とすることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項5乃至8の何れか一項に記載の画像処理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像処理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整部を備え、画像サイズ調整部は、複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、この比率の最大値により入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出手段と、この余り算出手段により算出された余りに基づいて、この余りが0となるように入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整手段と、を備えたので、圧縮後のファイルを構成する画像データ間の画素位置ずれを回避できる。さらに、合成画像を作成する際に、文字のガタツキ・文字領域・非文字領域の色のずれが抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るデジタル式のカラー複写機の概略構成を示したブロック図であり、このカラー複写機は本発明の画像形成装置を実施するものである。図1を参照して、カラー複写機1において、スキャナ11は原稿から画像データを読み取り、当該画像データ(アナログ信号)をデジタルデータに変換して出力する。スキャナ補正部12は、後で述べるように、スキャナ11で読み取った画像データ(デジタルデータ)について、画像領域を文字・線画や写真などに分類したり、原稿画像のRGBデータをフィルタ処理などの画像処理を施したりする。圧縮処理部13は、スキャナ補正部12で処理後のRGB各8bit画像データとエッジ文字領域信号(1bit)、色領域信号(1bit)を圧縮処理して、汎用バス14にデータを送出する。圧縮後の画像データは汎用バス14を通って、コントローラ15に送られる。コントローラ15はHDD16を備え、送られたデータを蓄積する。蓄積データには、書誌情報として画像サイズや読み取った原稿の種類も記録する。なお、ここでは圧縮処理部13で画像データに対し圧縮を施すとしたが、汎用バス14の帯域が十分に広く、蓄積するHDD16の容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。
【0011】
次にコントローラ15は、HDD16の画像データを、汎用バス14を介して伸張処理部17に送出する。伸張処理部17は圧縮処理されていた画像データを元のRGB各8bitデータとエッジ文字領域信号(1bit)、色領域信号(1bit)に伸張し、プリンタ補正部18に送出する。プリンタ補正部18では、RGB画像データをYMCBkデータに変換して、エッジ文字領域信号であり色領域信号でない部分は、黒文字としてBkの単色データに置き換える。さらにγ補正処理、中間調処理などが行われ、プロッタ19の明暗特性の補正処理や階調数変換処理を行う。ここでの階調数変換処理では、誤差拡散やディザ処理を用いて各色8bitから2bitへと画像データの変換を行う。プロッタ19はレーザービーム書き込みプロセスを用いた転写紙印字ユニットで、2bitの画像データを感光体に潜像として描画し、トナーによる作像/転写処理後、転写紙にコピー画像を形成する、電子写真方式により画像形成を行う。
カラー複写機1が、ネットワークを介してPCに画像データを配信する配信スキャナとして動作する場合は、画像データは汎用バスを通って、コントローラ15に送られる。コントローラ15では、色変換処理、フォーマット処理などが行われる。階調処理では配信スキャナ動作時のモードに従った階調変換処理を行う。フォーマット処理では、JPEGやTIFF形式への汎用画像フォーマット変換などを行う。その後、画像データはNIC(ネットワーク・インタフェース・コントローラ)20を介して外部PC端末21に配信される。
また、カラー複写機1が、ネットワークを介して、PCからプリントアウトするプリンタとして動作する場合、NIC20よりデータから、画像及びプリント指示するコマンドを解析し、画像データとして、印刷できる状態にビットマップ展開して、展開したデータを圧縮してデータを蓄積する。蓄積されたデータはHDD16に書き込まれる。画像データを蓄積する時に、後述する書誌情報もHDD16に書き込む。
【0012】
次にコントローラ15は、HDD16の画像データを、汎用バス14を介して伸張処理部17に送出する。伸張処理部17は圧縮処理されていた画像データを元の8bitデータに伸張し、プリンタ補正部18に送出する。プリンタ補正部18では、RGB入力ならば、YMCBkデータに変換をする。次に、YMCBkそれぞれ独立にγ補正処理、中間調処理などが行われ、プロッタ19の明暗特性の補正処理や階調数変換処理を行う。ここでの階調数変換処理では、誤差拡散やディザ処理を用いて8bitから2bitへと画像データの変換を行う。プロッタ19はレーザービーム書き込みプロセスを用いた転写紙印字ユニットで、2bitの画像データを感光体に潜像として描画し、トナーによる作像/転写処理後、転写紙にコピー画像を形成する。
デジタル複写機においては、一般に原稿をスキャナにより読み取り、画像データをデジタルデータに変換するとともに、原稿の画像領域(像域)を、異なる特徴を有する領域に分類(像域分離)する。注目画素がそのいずれの領域に属するものか、判定された結果に従い、画像データに対して種々の画像処理を施す。これにより、出力画像の画像品質が大きく向上する。
【0013】
次に、スキャナ補正部12について、詳細に説明する。図2に示すように、スキャナ補正部12は、スキャナ11から入力した画像データimg(反射率リニア)に基づき、像域分離を行う。本例では、特開2003−259115号公報に開示されている技術で用いられている像域分離の方法で、像域分離部31により、黒エッジ文字領域、色エッジ文字領域、その他(写真領域)の3つの領域に分離する。像域分離することにより、画像データに像域分離信号(エッジ文字領域、色領域)を画素毎に付与される。像域分離信号から黒エッジ文字領域(エッジ文字領域であり色領域でない)、色エッジ文字領域(エッジ文字領域であり色領域である)、写真領域に分類する(前記以外)。
スキャナγ部32では、画像データを反射率リニアから濃度リニアのデータに変換する。
フィルタ処理部33では、像域分離信号によりフィルタ処理を切り換える。すなわち、エッジ文字領域(黒エッジ文字と色エッジ文字)では、判読性を重視して鮮鋭化処理を行う。写真領域では、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として、エッジ量に応じて平滑化処理や鮮鋭化処理を行う。急峻なエッジを鮮鋭化するのは、絵の中の文字を判読しやすくするためである。
原稿種判定部34では、特開2000−324338公報に記載のある原稿判定ブロックを用いて原稿種の判定を行う。具体的には、文字あり原稿判定、有彩原稿判定、印画紙写真判定、印刷写真判定の4つの特徴量で、文字のみ原稿とカラー原稿であるかどうかの判定を行う。この結果は画像を蓄積する時に、書誌情報として記録する。表1に示すように、文字のみ原稿とは、上述した判定条件で文字あり原稿(あり)、印画紙写真原稿(なし)、印刷写真原稿(なし)の条件の時である。カラー原稿は、有限原稿(あり)の時である。文字のみ原稿とは、原稿のなかに文字しか存在しない原稿である。ここで、複写原稿やインクジェット原稿などの絵柄は階調処理を施しており、印画紙写真か印刷写真原稿のどちらかに分類される。
【表1】
【0014】
プリンタ補正部18は、図3に示すように、圧縮処理部13及び伸張処理部17を経た画像データに対して、RGB入力をYMCBkデータに変換をする色補正処理部41と、プロッタのγ特性に応じてγ補正を行うγ補正部42と、ディザ処理・誤差拡散処理などの量子化を行い、階調補正を行う中間調処理部43と、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として検出するエッジ量検出部44と、を備えている。
より具体的に、色補正処理部41は、黒エッジ文字領域以外では、R、G、Bデータを一次濃度マスキング法等でC、M、Yデータに変換する。画像データの色再現を向上させるために、C、M、Yデータの共通部分をUCR(加色除去)処理してBkデータを生成し、C、M、Y、Bkデータを出力する。ここで、黒エッジ文字領域は、スキャナのRGB読み取り位置ずれで原稿の黒文字に色が付き、あるいは、プロッタのYMCBkのプリンタする時の重ね位置ずれがあると、判読性がよくないので、黒文字領域のみ輝度に相当する信号でBk単色データ(C、M、Yは、プリントアウトしてないデータ)にて出力する。
γ補正部42は、γの周波数特性に応じて処理する。また、中間調処理部43は、プロッタの階調特性やエッジ量に応じて、ディザ処理等の量子化を行う。量子化処理をする際に黒文字信号(後述する黒文字抽出の処理)を行って、黒文字のコントラスト強調することも可能である。このことにより、文字の判読性が向上する。
コントローラ15は、図4に示すように、ページメモリ51、圧縮伸張処理部52、出力フォーマット変換部53、入力フォーマット変換部54、データi/f部55からなる。
【0015】
画像データを外部機器に出力する際のデータの流れを説明する。ページメモリ51にある圧縮処理されていた画像データを圧縮伸張処理部52は、元の各色8bitデータに伸張し、出力フォーマット変換部53に出力する。出力フォーット変換部53では、RGBデータを標準色空間であるsRGBデータに色変換を行うと同時に、JPEGやTIFF形式への汎用画像フォーマット変換などを行う。データi/f部55では、出力フォーマット変換部のデータをNIC20に出力する。
外部機器からの画像データをプロッタ19に出力する際のデータの流れについて説明する。外部から指示するコマンドは図示せぬCPUがコマンドを解析し、ページメモリ51に書き込む。データi/f部55は、画像データを入力フォーマット変換部54で、ビットマップデータに展開して、圧縮伸張処理部52で圧縮を行い、圧縮後のデータをページメモリ51に書き込む。入力フォーマットデータは、展開する画像は、jpgやtiffの自然画像である。
次に、出力フォーマット変換部53について図5を参照して説明する。出力フォーマット変換部53は、本発明の画像処理装置を実施するもので、色変換部61、解像度変換部62、TIFフォーマット生成部63、jpgフォーマット生成部64、圧縮フォーマット生成部65、データi/f部66からなる。
色変換部61では、RGBデータをsRGBデータにデータ変換を行う。sRGBに変換したデータは解像度変換部62で300dpi、200dpiなどの画素密度変換を行う。本実施例では300dpiで変換した場合の画素密度で説明する。
解像度変換した画像は、各フォーマット生成部で(TIFフォーマット生成部63、jpgフォーマット生成部64、圧縮フォーマット生成部65)、各フォーマットに変換する。データi/f66では、NIC20に出力すべきフォーマットを出力する。
【0016】
次に、圧縮フォーマット生成部65について説明する。
圧縮フォーマット生成部65は、二値化部71、黒画像生成部72、二値画像生成部73、背景画像生成部74、文字画像生成部75、画像ファイル合成部76、画像サイズ調整部77、解像度変換部78a、78b、78cからなる。解像度変換部78aは、背景画像生成部の入力画像を生成し、解像度変換部78bは、文字画像生成部の入力画像を生成し、解像度変換部78cは、黒文字画像生成部の入力画像を生成する。
二値化部71では、画像濃度の明暗を基本に文字領域と非文字領域の二値データと黒文字データを出力する。二値画像生成部73では、二値データを可逆変換であるMMR圧縮を行う。
余り算出手段となる画像サイズ調整部77では、まず画像の縦横方向それぞれにおいて、入力画像データの画素数を、黒文字画像、背景画像、二値画像、文字画像の解像度の比率の最大値にて除算を行った余りを算出する。
【0017】
以下に具体例を挙げて説明する。入力画像データの縦横の画素数が縦横それぞれ、3003画素、2000画素だとする。そして、入力が300dpiの画像データだとし、黒文字画像、背景画像を150dpiだとし、文字画像を75dpiだとすると、以下のような計算を行う。
“二値画像生成部の解像度:黒画像生成部の解像度:背景画像生成部の解像度:文字画像生成部の解像度=300:150:150:75=4:2:1:1”
上記解像度の比率の最大値=4
縦方向の余り算出=縦方向の画素数/解像度の比率の最大値=3003/4=3
横方向の余り算出=横方向の画素数/解像度の比率の最大値=2000/4=0
ここで、各画像データの解像度は、黒文字画像、背景画像:入力画像の1/2、文字画像:入力画像の1/4、二値画像:1/1というように、入力画像に対する倍率があらかじめ決まっているものとする。
次に、加工手段となる画像サイズ調整部77では、縦横それぞれについて、余りの画素数分のラインを下端、右端から削除する。なお、ここでは下端、右端から削除を行うとしたが、上端、左端でもよい。
前述の具体例では、縦方向の余り値=3、横方向の余り値=0であるため、入力画像データの下端3ライン分の画素を削除し、右端からは削除を行わない。右端から削除を行わないのは、余りが0であるためである。また、ここでは下端、右端から削除を行うとしたが、上端、左端でもよい。
このように、本例では余りが0となるような大きさにラインの削除を行っているため、処理する画像、出力する画像は、入力画像よりも大きくはならないことが保証される。
【0018】
また、画像サイズ調整部77が実行する処理の別の例について説明する。
画像サイズ調整部77では、画像の縦横それぞれについて、解像度の比率の最大値から余りの画素数を引いた分だけのラインを下端、右端に追加してもよい。追加するラインの画素値は、特に問わないが、不定とするよりも、追加するラインに接する画素値と同じ色になるように、追加する先頭ラインの左及び上の画素値をコピーするのが望ましい。
また、ここでは下端、右端に追加するとしたが、上端、左端でもかまわない。この場合は、追加する先頭ラインの下、右の画素値をコピーするのが望ましい。
例えば、前述の具体例では、縦方向の余り値=3、横方向の余り値=0であるため、入力画像データの下端に1ライン分の画素を追加し、右端へ追加を行わないようにする。右端に追加を行わないのは、余りが0であるためである。
本例では、余りが0となるような大きさにラインの付加を行っているため、処理する画像・出力する画像は、入力画像よりも小さい画像にはならないことが保証される。
この例では、追加するラインの画素値を、追加するラインに接する画素値と同じ値にしているが、これだと、現実の画像とは異なる画像データを追加することになる。
【0019】
しかし、一般的に、印刷する用紙は白色であることが多い。また、画像を表示するモニタにおいても、表示する画像の外側は、白色である場合が多い。このことから、合成画像を使用する場面の多くで、白色に相当する値にすることにより、画像の外側の色と区別がつかないようにすることが可能である。
そこで、二値画像の追加するラインの全画素を非文字領域とし、背景画像の追加するラインの全画素を白色に相当する色とすることが望ましい。また、黒文字画像の追加するラインの全画素は、白色に相当する色とすることが望ましい。
これにより、追加するラインの各位置においては、背景画像と文字画像のうち、背景画像から白色が選択され、黒文字画素ではないために、合成時には白色となる。文字画像の追加するラインの画素値は、いずれでも良いことになるが、圧縮率が下がる値とした方がよい。文字画像の圧縮方法がJpgであるとし、追加するラインの画素と追加するラインに接する画素の両方を含むJpg圧縮時の8×8のブロックにおいては、追加するラインに接するライン上の画素値の値を入れた方が望ましい。それ以外の場合は、0を入れたほうが圧縮率を下げることができる。
前述の具体例では、縦方向の余り値=3、横方向の余り値=0であるため、入力画像データの下端に3ライン分の画素を追加し、右端へ追加を行わない。右端に追加を行わないのは、余りが0であるためである。
余りが0となるような大きさにラインの付加を行っているため、処理する画像・出力する画像は、入力画像よりも小さい画像にはならないことが保証される。
【0020】
次に、解像度変換部78a、78b、78cでは、所定の解像度に解像度変換を行う。解像度変換部78aは、背景画像の入力画像データを生成するので、解像度を1/2に落とす。解像度変換部78bでは、文字画像の入力画像データを生成するので、解像度を1/4に落とす。解像度変換部78cでは、黒文字画像の入力画像データを生成するので、解像度を1/2に落とす。
黒画像生成部72では、黒文字データを可逆変換であるMMR圧縮を行う。さらに背景画像生成部74では二値化部71で文字領域となった領域の画像データを白に相当とする一定の値の画像データに書き換え非可逆圧縮のjpg圧縮を行う。さらに、文字画像生成部75は、文字背景領域となった領域の画像データを一定の値の画像データに書き換え非可逆圧縮のjpg圧縮を行う。背景画像に対しては文字部を一定の値のデータにするのは、一定の値にすることより圧縮が向上するからである。文字画像に関しても、背景画像を一定の値にするのも圧縮の向上のためである。解像度変換部78a、78b、78cは、文字画像と背景画像では、文字画像は背景画像ほど解像度がいらないが解像度が高いほうがより精確にはなるので、150dpi程度にしてもよい。書誌情報に、文字のみ原稿である時は、背景画像と文字画像の両方を75dpiの解像度でjpgファイルを作成する。文字に関して解像度を落とすのは、文字の解像度はMMRの解像度で保証しているので、jpg画像の解像度を落としても階調劣化するが問題とならない。解像度を落とすことによりファイルサイズを小さくすることが可能になる。蓄積データに書誌情報として文字のみ原稿ありなしの記載があるので、蓄積データ後の画像データに対して、文字のみ原稿に対して圧縮率を高くすることが可能となっている。
画像ファイル合成部76では、二値画像生成部73の出力(MMR)、黒画像生成部72の出力(MMR)、背景画像生成部の出力(jpg)、文字画像生成部の出力(jpg)の4つの画像を合成してひとつのファイルにする。このときのファイル形式は、汎用フォーマット(PDFファイルなど)を用いても構わない。
【0021】
次に、入力フォーマット変換部54について図6を参照して説明する。入力フォーマット変換部54は、TIFフォーマット展開部71、Jpgフォーマット展開部72、圧縮フォーマット展開部73、出力選択部74から成る。TIFフォーマット展開部71、Jpgフォーマット展開部72、圧縮フォーマット展開部73は、各フォーマットをbitマップに展開する機能を持ち、出力選択部74は3つのフォーマットのうちのひとつを選択して出力と同時にRGBデータをYMCBkにデータを変換する。
入力画像データがTIFフォーマットであれば、TIFフォーマット展開部71にてbitマップデータで展開する。Jpgフォーマットであれば、Jpgフォーマット展開部72にてbitマップデータで展開する。さらに、圧縮フォーマットであれば、圧縮フォーマット展開部73にて展開する。
圧縮フォーマット展開部73について説明する。圧縮フォーマット展開部73は、画像ファイル展開部81、黒画像展開部82、二値画像展開部83、背景画像展開部84、文字画像展開部85、ファイル合成部86からなる。
画像ファイル展開部81では、図5の圧縮フォーマット生成部65にて生成したファイルの中の4つファイルを後段の黒画像展開部82、二値画像展開部83、背景画像展開部84、文字画像展開部85にそれぞれ対応した画像データを出力する。
二値画像展開部83では、MMRを伸張してbitマップに展開し、黒画像展開部82では、MMRを伸張してbitマップに、背景画像展開部84では背景画像のJPGをbitマップに、文字画像展開部85では文字画像のJPGをbitマップに、それぞれ展開する。
4つの展開したbitマップデータは、画像ファイル合成部86にて1枚のbitマップデータに合成する。
各画像展開部では、二値画像展開部83の出力が文字領域であれば、文字画像展開部85の出力である画像データを出力し、二値画像展開部83の出力が非文字領域であれば、背景画像展開部84の出力である画像データを出力する。さらに、黒画像展開部82の出力が黒文字であれば、黒で出力する。これにより1枚の画像を生成する。文字と非文字の解像度は2値画像の解像度となる。
図7に入力画像、ファイル画像、出力画像のイメージ図を示す。合成された画像データは、データi/f部66を介して外部に出力されるが、複数の画像データが、合成した画像の意図した領域と対応するようになり、出力された画像データをモニタ上に表示、あるいは印刷をしても、文字のガタツキと文字領域・非文字領域の色がずれることはない。
【0022】
別の実施の形態について説明する。
図8は、本実施形態であるコンピュータの電気的な接続を示すブロック図である。コンピュータ101はPCなどであり、CPU102と、各種ROM、RAMからなるメモリ103とがバス110で接続されている。バス103には、磁気記憶装置(HDD)104、キーボード、メモリなどの入力装置105、LCDなどの表示装置106、インタネットなどのネットワーク107と通信を行う通信制御装置107、記録媒体111の記憶データを読み取る読取装置109が接続されている。読取装置109は、光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブルディスクなどの記録媒体108の種類に応じて光ディスクドライブ装置、光磁気ディスクドライブ装置、フレキシブルディスクドライブ装置などが使用される。
コンピュータ101は、読取装置109により記録媒体111に記録されているプログラムを読み取り、HDD104にインストールすることにより、所定の処理を実行可能となる。記録媒体108、及び記録媒体108に記録されていてHDD104にインストールされるプログラムは、それぞれ本発明の記録媒体及びプログラムを実施するものである。このプログラムは所定のOS上で動作するものであってもよい。
このプログラムが実行する処理は、前述の出力フォーマット変換部53が実行する処理と同様であり、詳細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタル式のカラー複写機の概略構成を示したブロック図である。
【図2】スキャナ補正部を説明するブロック図である。
【図3】プリンタ補正部を説明するブロック図である。
【図4】コントローラを説明するブロック図である。
【図5】出力フォーマット変換部を説明するブロック図である。
【図6】入力フォーマット変換部を説明するブロック図である。
【図7】入力画像、ファイル画像、出力画像のイメージ図である。
【図8】本発明の別の実施形態であるコンピュータの電気的な接続のブロック図である。
【図9】本発明の課題を説明する説明図である。
【図10】本発明の課題を説明する説明図である。
【図11】本発明の課題を説明する説明図である。
【図12】本発明の課題を説明する説明図である。
【図13】本発明の課題を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 画像形成装置
77 画像処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、さらに詳しくは、複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばjpgファイルのような非可逆圧縮を行う圧縮は、圧縮率が非常に高く小さなファイルを作ることが可能である。これは絵柄に対して有効であるが、文字画像のように2値的な画像に対しては、文字のエッジがボケてしまい文字の判読性がよくない。
そのため、特許文献1、2に開示のように、1つのファイルに2枚の画像データ、すなわち圧縮率の高い画像データと可逆圧縮の解像度の高い2値データとを備え、2枚の画像データを解像度の高い2値データ(文字領域)で選択的に切り換えることにより、文字のエッジは2値の解像で出力することで文字の解像度は高いままにして、圧縮の高い画像ファイルを作成することを可能とした技術が提案されている。
このような方法で作成したファイルをユーザが使用するときは、複数の圧縮された画像データを展開し、合成したものをモニタ上にアプリケーションで表示し、あるいは、展開して合成したものをプリンタ等で印刷出力することになる。
しかし、このような合成を行う場合、解像度が違うことに起因するいろいろな問題が生じる。以下の特許文献3、4には、次のように説明されている。
特許文献3には、文字部、非文字部を選択するデータと、それとは解像度の異なる絵柄を含む画像を合成するときの問題について言及されている。すなわち、絵柄を含む画像には、選択される画素と選択されない画素があり、選択されない画素はどんな画素値でもよい。選択される画素を有効画素・選択されない画素を無効画素と呼ぶ。絵柄を含む画像を選択データよりも低い解像度に落としてファイルにすると、合成時には、絵柄を含む画像は拡大することになる。拡大時には、バイリニア法などの補間アルゴリズムを用いることが多い。画像を拡大するときには、拡大後の有効画素と無効画素の境界部は、有効画素と無効画素の中間値となる。この結果、境界部ではぼけることになる。このぼけを回避するために、有効画素を太らせて中間値を取っても、無効画素の画素値の影響が入らないようにしている。
特許文献4には、1つの画像データを、3つの画像データにて表現する点について開示されている。その3つの画像データの1つは、元画像に二値化を行った画像に対して縮小処理(画素密度変換)を施したものになっている。縮小処理を行う際、元画像と縮小処理後の画像データとの解像度差における位置ずれに関しても言及されている。
【特許文献1】特開2002−368986公報
【特許文献2】特許第3193086号
【特許文献3】特開平11−261833号公報
【特許文献4】特開2003−219187公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
合成した画像を表示・印刷するときに、合成画像を構成する画像データの解像度が異なると、合成画像において、画像間の画素位置にずれが生じ、これが視覚的に文字部のガタツキや色のずれとなって表れるケースがある。この問題を、以下に詳細に説明する。
合成する画像データは、黒文字画像・文字画像・二値画像・背景画像の4つとする。黒文字画像とは、元画像から黒い文字を抽出した画像であり、文字画像とは元画像の黒い文字以外の文字の色を抽出した画像であり、二値画像とは色のついた文字を抽出した画像であり、背景画像とは元画像における文字以外の部分を抽出した画像である。
各画像データの解像度は、元画像の解像度に対し、黒文字画像・背景画像が1/2、文字画像が1/4、二値画像が1倍の解像度とする。このとき、図9に示したように、合成するときには、黒文字画像・背景画像を2倍、文字画像を4倍、二値画像を1倍にして重ね合わせることになる。
まず、画像データを作成することを考える。元画像が300dpiであり、横画素数が3003画素であるものとする。生成した4つの画像データの横画素数は、画像データを作るときの解像度の倍率を掛ければよいので、以下のような計算をすればよい。
黒文字画像・背景画像の横画素数=3003/2=1501.5
文字画像の横画素数=3003/4=750.75
二値画像の横画素数=3003/1=3003
画素数は1以上の整数なので、黒文字画像・背景画像・文字画像では、切り上げるか切り捨てるしかない。ここでは、切り捨てるものとする。すると、各画像データは以下の横画素数を持つ。
黒文字画像・背景画像の横画素数=3001/2=1501
文字画像の横画素数=3000/4=750
二値画像の横画素数=3003/1=3003
【0004】
次に、4つの画像データを合成することを考える。合成時には図9で示したような、解像度の倍率をかければよいので、横画素数は以下のようになる。
黒文字画像・背景画像の横画素数=1501×2=3002
文字画像の横画素数=750×4=3000
二値画像の横画素数=3003×1=3003
このように、各画像データの横画素数は等しくならない。合成画像を、元画像と同等の横画素数で表すためには、すべての画像データを同じ画素数にする必要がある。すべての画像データを3003画素に等倍・拡大することを考えると、各画像データは図10に示した倍率で拡大することが必要となる。計算式は以下の通りである。
黒文字画像・背景画像の拡大倍率=3003/1501
文字画像の拡大倍率=3003/750
二値画像の拡大倍率=3003/3003
黒文字画像・背景画像・文字画像においては、画像データを生成するときの縮小倍率と、合成時の拡大倍率の積が1とならず、1より大きくなっている。これは、図11に示したように、各画像データを生成する際に、画素数の小数点以下を切り捨てたが、拡大するときには切り捨てた画素数分だけ拡大するのではなく切り捨て前の画素数に拡大する必要があるためである。
これが拡大後の画像の画質にどのように影響を及ぼすかは拡大のアルゴリズムによるが、これは元画像と拡大した後の画像データを重ね合わせたときに、画素位置にずれが生じることを意味する。さらに、各画像データの拡大後の画像を合成したときには、各画像間の画素位置にずれが生じることになる。
この画素位置ずれは、合成画像の表示・印刷時に、文字のガタツキや色のずれとなって表れる。この現象を詳細に説明する。図12は、黒文字画像と二値画像の解像度の違いで生じる文字のずれを説明した図である。黒文字画像のデータが1倍より大きく拡大されることで、画像の一部において、黒文字部分が拡大されて、本来は黒文字部分ではない部分が、黒画素として処理されることがある。
【0005】
また、図13は、二値画像と文字画像との解像度の違いで生じる文字領域の色ずれを説明した図である。二値画像に対して、文字領域と非文字領域が拡大されることが影響して、画像の一部で色が本来の色とずれることがありうる。なお、同図の説明は、便宜的に文字画像を150dpiであるとしている。
このように、画像データ間の画素位置がずれることで、文字のガタツキや色ずれが生じる。このずれの生じ方は、拡大のアルゴリズムに依存する。
この問題が起きる条件は、縦横方向それぞれにおいて、各画像データの解像度の、比率の公倍数で縦横画素数を序したときの余りがある場合である。余りが0のときは、この問題は生じない。
そして、合成画像を生成する前述の従来技術では、この問題に関しては言及していない。特許文献3の技術は、前述したように補間アルゴリズムによる境界部のぼけを回避するものであり、この問題を解決する技術手段についてはなんら提示されていない。
特許文献4では、先述したように元画像と縮小処理後の画像データとの解像度差における位置ずれに関しては触れているが、構成する画像データ同士の解像度の違いから生じる問題については何も示唆されていない。
そこで、本発明の目的は、上記問題を鑑みて、合成画像を形成する画像データ間の画素位置ずれを回避して、合成画像データの表示、印刷時に生じる文字のガタツキと文字領域、非文字領域の色のずれを解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理装置であって、入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する前記複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整部を備え、前記画像サイズ調整部は、前記複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、該比率の最大値により前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出手段と、該余り算出手段により算出された余りに基づいて、該余りが0となるように前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、該縦方向の余りの画素数に相当するライン数を削除し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、該横方向の余りに相当する画素数を削除することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数を追加し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該横方向の余りの画素数を減算した値に相当する画素数を追加することを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦横方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数又は画素数を追加した画素値を白色に相当する値とすることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理方法であって、入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する前記複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整ステップを備え、前記画像サイズ調整ステップは、前記複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、該比率の最大値により前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出テップと、該余り算出テップにより算出された余りに基づいて、該余りが0となるように前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整テップと、を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、該縦方向の余りの画素数に相当するライン数を削除し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、該横方向の余りに相当する画素数を削除することを特徴とする。
【0008】
請求項7に記載の発明は、前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数を追加し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該横方向の余りの画素数を減算した値に相当する画素数を追加することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦横方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数又は画素数を追加した画素値を白色に相当する値とすることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項5乃至8の何れか一項に記載の画像処理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像処理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整部を備え、画像サイズ調整部は、複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、この比率の最大値により入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出手段と、この余り算出手段により算出された余りに基づいて、この余りが0となるように入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整手段と、を備えたので、圧縮後のファイルを構成する画像データ間の画素位置ずれを回避できる。さらに、合成画像を作成する際に、文字のガタツキ・文字領域・非文字領域の色のずれが抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るデジタル式のカラー複写機の概略構成を示したブロック図であり、このカラー複写機は本発明の画像形成装置を実施するものである。図1を参照して、カラー複写機1において、スキャナ11は原稿から画像データを読み取り、当該画像データ(アナログ信号)をデジタルデータに変換して出力する。スキャナ補正部12は、後で述べるように、スキャナ11で読み取った画像データ(デジタルデータ)について、画像領域を文字・線画や写真などに分類したり、原稿画像のRGBデータをフィルタ処理などの画像処理を施したりする。圧縮処理部13は、スキャナ補正部12で処理後のRGB各8bit画像データとエッジ文字領域信号(1bit)、色領域信号(1bit)を圧縮処理して、汎用バス14にデータを送出する。圧縮後の画像データは汎用バス14を通って、コントローラ15に送られる。コントローラ15はHDD16を備え、送られたデータを蓄積する。蓄積データには、書誌情報として画像サイズや読み取った原稿の種類も記録する。なお、ここでは圧縮処理部13で画像データに対し圧縮を施すとしたが、汎用バス14の帯域が十分に広く、蓄積するHDD16の容量が大きければ、非圧縮の状態でデータを扱っても良い。
【0011】
次にコントローラ15は、HDD16の画像データを、汎用バス14を介して伸張処理部17に送出する。伸張処理部17は圧縮処理されていた画像データを元のRGB各8bitデータとエッジ文字領域信号(1bit)、色領域信号(1bit)に伸張し、プリンタ補正部18に送出する。プリンタ補正部18では、RGB画像データをYMCBkデータに変換して、エッジ文字領域信号であり色領域信号でない部分は、黒文字としてBkの単色データに置き換える。さらにγ補正処理、中間調処理などが行われ、プロッタ19の明暗特性の補正処理や階調数変換処理を行う。ここでの階調数変換処理では、誤差拡散やディザ処理を用いて各色8bitから2bitへと画像データの変換を行う。プロッタ19はレーザービーム書き込みプロセスを用いた転写紙印字ユニットで、2bitの画像データを感光体に潜像として描画し、トナーによる作像/転写処理後、転写紙にコピー画像を形成する、電子写真方式により画像形成を行う。
カラー複写機1が、ネットワークを介してPCに画像データを配信する配信スキャナとして動作する場合は、画像データは汎用バスを通って、コントローラ15に送られる。コントローラ15では、色変換処理、フォーマット処理などが行われる。階調処理では配信スキャナ動作時のモードに従った階調変換処理を行う。フォーマット処理では、JPEGやTIFF形式への汎用画像フォーマット変換などを行う。その後、画像データはNIC(ネットワーク・インタフェース・コントローラ)20を介して外部PC端末21に配信される。
また、カラー複写機1が、ネットワークを介して、PCからプリントアウトするプリンタとして動作する場合、NIC20よりデータから、画像及びプリント指示するコマンドを解析し、画像データとして、印刷できる状態にビットマップ展開して、展開したデータを圧縮してデータを蓄積する。蓄積されたデータはHDD16に書き込まれる。画像データを蓄積する時に、後述する書誌情報もHDD16に書き込む。
【0012】
次にコントローラ15は、HDD16の画像データを、汎用バス14を介して伸張処理部17に送出する。伸張処理部17は圧縮処理されていた画像データを元の8bitデータに伸張し、プリンタ補正部18に送出する。プリンタ補正部18では、RGB入力ならば、YMCBkデータに変換をする。次に、YMCBkそれぞれ独立にγ補正処理、中間調処理などが行われ、プロッタ19の明暗特性の補正処理や階調数変換処理を行う。ここでの階調数変換処理では、誤差拡散やディザ処理を用いて8bitから2bitへと画像データの変換を行う。プロッタ19はレーザービーム書き込みプロセスを用いた転写紙印字ユニットで、2bitの画像データを感光体に潜像として描画し、トナーによる作像/転写処理後、転写紙にコピー画像を形成する。
デジタル複写機においては、一般に原稿をスキャナにより読み取り、画像データをデジタルデータに変換するとともに、原稿の画像領域(像域)を、異なる特徴を有する領域に分類(像域分離)する。注目画素がそのいずれの領域に属するものか、判定された結果に従い、画像データに対して種々の画像処理を施す。これにより、出力画像の画像品質が大きく向上する。
【0013】
次に、スキャナ補正部12について、詳細に説明する。図2に示すように、スキャナ補正部12は、スキャナ11から入力した画像データimg(反射率リニア)に基づき、像域分離を行う。本例では、特開2003−259115号公報に開示されている技術で用いられている像域分離の方法で、像域分離部31により、黒エッジ文字領域、色エッジ文字領域、その他(写真領域)の3つの領域に分離する。像域分離することにより、画像データに像域分離信号(エッジ文字領域、色領域)を画素毎に付与される。像域分離信号から黒エッジ文字領域(エッジ文字領域であり色領域でない)、色エッジ文字領域(エッジ文字領域であり色領域である)、写真領域に分類する(前記以外)。
スキャナγ部32では、画像データを反射率リニアから濃度リニアのデータに変換する。
フィルタ処理部33では、像域分離信号によりフィルタ処理を切り換える。すなわち、エッジ文字領域(黒エッジ文字と色エッジ文字)では、判読性を重視して鮮鋭化処理を行う。写真領域では、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として、エッジ量に応じて平滑化処理や鮮鋭化処理を行う。急峻なエッジを鮮鋭化するのは、絵の中の文字を判読しやすくするためである。
原稿種判定部34では、特開2000−324338公報に記載のある原稿判定ブロックを用いて原稿種の判定を行う。具体的には、文字あり原稿判定、有彩原稿判定、印画紙写真判定、印刷写真判定の4つの特徴量で、文字のみ原稿とカラー原稿であるかどうかの判定を行う。この結果は画像を蓄積する時に、書誌情報として記録する。表1に示すように、文字のみ原稿とは、上述した判定条件で文字あり原稿(あり)、印画紙写真原稿(なし)、印刷写真原稿(なし)の条件の時である。カラー原稿は、有限原稿(あり)の時である。文字のみ原稿とは、原稿のなかに文字しか存在しない原稿である。ここで、複写原稿やインクジェット原稿などの絵柄は階調処理を施しており、印画紙写真か印刷写真原稿のどちらかに分類される。
【表1】
【0014】
プリンタ補正部18は、図3に示すように、圧縮処理部13及び伸張処理部17を経た画像データに対して、RGB入力をYMCBkデータに変換をする色補正処理部41と、プロッタのγ特性に応じてγ補正を行うγ補正部42と、ディザ処理・誤差拡散処理などの量子化を行い、階調補正を行う中間調処理部43と、画像データ内の急峻な濃度変化をエッジ量として検出するエッジ量検出部44と、を備えている。
より具体的に、色補正処理部41は、黒エッジ文字領域以外では、R、G、Bデータを一次濃度マスキング法等でC、M、Yデータに変換する。画像データの色再現を向上させるために、C、M、Yデータの共通部分をUCR(加色除去)処理してBkデータを生成し、C、M、Y、Bkデータを出力する。ここで、黒エッジ文字領域は、スキャナのRGB読み取り位置ずれで原稿の黒文字に色が付き、あるいは、プロッタのYMCBkのプリンタする時の重ね位置ずれがあると、判読性がよくないので、黒文字領域のみ輝度に相当する信号でBk単色データ(C、M、Yは、プリントアウトしてないデータ)にて出力する。
γ補正部42は、γの周波数特性に応じて処理する。また、中間調処理部43は、プロッタの階調特性やエッジ量に応じて、ディザ処理等の量子化を行う。量子化処理をする際に黒文字信号(後述する黒文字抽出の処理)を行って、黒文字のコントラスト強調することも可能である。このことにより、文字の判読性が向上する。
コントローラ15は、図4に示すように、ページメモリ51、圧縮伸張処理部52、出力フォーマット変換部53、入力フォーマット変換部54、データi/f部55からなる。
【0015】
画像データを外部機器に出力する際のデータの流れを説明する。ページメモリ51にある圧縮処理されていた画像データを圧縮伸張処理部52は、元の各色8bitデータに伸張し、出力フォーマット変換部53に出力する。出力フォーット変換部53では、RGBデータを標準色空間であるsRGBデータに色変換を行うと同時に、JPEGやTIFF形式への汎用画像フォーマット変換などを行う。データi/f部55では、出力フォーマット変換部のデータをNIC20に出力する。
外部機器からの画像データをプロッタ19に出力する際のデータの流れについて説明する。外部から指示するコマンドは図示せぬCPUがコマンドを解析し、ページメモリ51に書き込む。データi/f部55は、画像データを入力フォーマット変換部54で、ビットマップデータに展開して、圧縮伸張処理部52で圧縮を行い、圧縮後のデータをページメモリ51に書き込む。入力フォーマットデータは、展開する画像は、jpgやtiffの自然画像である。
次に、出力フォーマット変換部53について図5を参照して説明する。出力フォーマット変換部53は、本発明の画像処理装置を実施するもので、色変換部61、解像度変換部62、TIFフォーマット生成部63、jpgフォーマット生成部64、圧縮フォーマット生成部65、データi/f部66からなる。
色変換部61では、RGBデータをsRGBデータにデータ変換を行う。sRGBに変換したデータは解像度変換部62で300dpi、200dpiなどの画素密度変換を行う。本実施例では300dpiで変換した場合の画素密度で説明する。
解像度変換した画像は、各フォーマット生成部で(TIFフォーマット生成部63、jpgフォーマット生成部64、圧縮フォーマット生成部65)、各フォーマットに変換する。データi/f66では、NIC20に出力すべきフォーマットを出力する。
【0016】
次に、圧縮フォーマット生成部65について説明する。
圧縮フォーマット生成部65は、二値化部71、黒画像生成部72、二値画像生成部73、背景画像生成部74、文字画像生成部75、画像ファイル合成部76、画像サイズ調整部77、解像度変換部78a、78b、78cからなる。解像度変換部78aは、背景画像生成部の入力画像を生成し、解像度変換部78bは、文字画像生成部の入力画像を生成し、解像度変換部78cは、黒文字画像生成部の入力画像を生成する。
二値化部71では、画像濃度の明暗を基本に文字領域と非文字領域の二値データと黒文字データを出力する。二値画像生成部73では、二値データを可逆変換であるMMR圧縮を行う。
余り算出手段となる画像サイズ調整部77では、まず画像の縦横方向それぞれにおいて、入力画像データの画素数を、黒文字画像、背景画像、二値画像、文字画像の解像度の比率の最大値にて除算を行った余りを算出する。
【0017】
以下に具体例を挙げて説明する。入力画像データの縦横の画素数が縦横それぞれ、3003画素、2000画素だとする。そして、入力が300dpiの画像データだとし、黒文字画像、背景画像を150dpiだとし、文字画像を75dpiだとすると、以下のような計算を行う。
“二値画像生成部の解像度:黒画像生成部の解像度:背景画像生成部の解像度:文字画像生成部の解像度=300:150:150:75=4:2:1:1”
上記解像度の比率の最大値=4
縦方向の余り算出=縦方向の画素数/解像度の比率の最大値=3003/4=3
横方向の余り算出=横方向の画素数/解像度の比率の最大値=2000/4=0
ここで、各画像データの解像度は、黒文字画像、背景画像:入力画像の1/2、文字画像:入力画像の1/4、二値画像:1/1というように、入力画像に対する倍率があらかじめ決まっているものとする。
次に、加工手段となる画像サイズ調整部77では、縦横それぞれについて、余りの画素数分のラインを下端、右端から削除する。なお、ここでは下端、右端から削除を行うとしたが、上端、左端でもよい。
前述の具体例では、縦方向の余り値=3、横方向の余り値=0であるため、入力画像データの下端3ライン分の画素を削除し、右端からは削除を行わない。右端から削除を行わないのは、余りが0であるためである。また、ここでは下端、右端から削除を行うとしたが、上端、左端でもよい。
このように、本例では余りが0となるような大きさにラインの削除を行っているため、処理する画像、出力する画像は、入力画像よりも大きくはならないことが保証される。
【0018】
また、画像サイズ調整部77が実行する処理の別の例について説明する。
画像サイズ調整部77では、画像の縦横それぞれについて、解像度の比率の最大値から余りの画素数を引いた分だけのラインを下端、右端に追加してもよい。追加するラインの画素値は、特に問わないが、不定とするよりも、追加するラインに接する画素値と同じ色になるように、追加する先頭ラインの左及び上の画素値をコピーするのが望ましい。
また、ここでは下端、右端に追加するとしたが、上端、左端でもかまわない。この場合は、追加する先頭ラインの下、右の画素値をコピーするのが望ましい。
例えば、前述の具体例では、縦方向の余り値=3、横方向の余り値=0であるため、入力画像データの下端に1ライン分の画素を追加し、右端へ追加を行わないようにする。右端に追加を行わないのは、余りが0であるためである。
本例では、余りが0となるような大きさにラインの付加を行っているため、処理する画像・出力する画像は、入力画像よりも小さい画像にはならないことが保証される。
この例では、追加するラインの画素値を、追加するラインに接する画素値と同じ値にしているが、これだと、現実の画像とは異なる画像データを追加することになる。
【0019】
しかし、一般的に、印刷する用紙は白色であることが多い。また、画像を表示するモニタにおいても、表示する画像の外側は、白色である場合が多い。このことから、合成画像を使用する場面の多くで、白色に相当する値にすることにより、画像の外側の色と区別がつかないようにすることが可能である。
そこで、二値画像の追加するラインの全画素を非文字領域とし、背景画像の追加するラインの全画素を白色に相当する色とすることが望ましい。また、黒文字画像の追加するラインの全画素は、白色に相当する色とすることが望ましい。
これにより、追加するラインの各位置においては、背景画像と文字画像のうち、背景画像から白色が選択され、黒文字画素ではないために、合成時には白色となる。文字画像の追加するラインの画素値は、いずれでも良いことになるが、圧縮率が下がる値とした方がよい。文字画像の圧縮方法がJpgであるとし、追加するラインの画素と追加するラインに接する画素の両方を含むJpg圧縮時の8×8のブロックにおいては、追加するラインに接するライン上の画素値の値を入れた方が望ましい。それ以外の場合は、0を入れたほうが圧縮率を下げることができる。
前述の具体例では、縦方向の余り値=3、横方向の余り値=0であるため、入力画像データの下端に3ライン分の画素を追加し、右端へ追加を行わない。右端に追加を行わないのは、余りが0であるためである。
余りが0となるような大きさにラインの付加を行っているため、処理する画像・出力する画像は、入力画像よりも小さい画像にはならないことが保証される。
【0020】
次に、解像度変換部78a、78b、78cでは、所定の解像度に解像度変換を行う。解像度変換部78aは、背景画像の入力画像データを生成するので、解像度を1/2に落とす。解像度変換部78bでは、文字画像の入力画像データを生成するので、解像度を1/4に落とす。解像度変換部78cでは、黒文字画像の入力画像データを生成するので、解像度を1/2に落とす。
黒画像生成部72では、黒文字データを可逆変換であるMMR圧縮を行う。さらに背景画像生成部74では二値化部71で文字領域となった領域の画像データを白に相当とする一定の値の画像データに書き換え非可逆圧縮のjpg圧縮を行う。さらに、文字画像生成部75は、文字背景領域となった領域の画像データを一定の値の画像データに書き換え非可逆圧縮のjpg圧縮を行う。背景画像に対しては文字部を一定の値のデータにするのは、一定の値にすることより圧縮が向上するからである。文字画像に関しても、背景画像を一定の値にするのも圧縮の向上のためである。解像度変換部78a、78b、78cは、文字画像と背景画像では、文字画像は背景画像ほど解像度がいらないが解像度が高いほうがより精確にはなるので、150dpi程度にしてもよい。書誌情報に、文字のみ原稿である時は、背景画像と文字画像の両方を75dpiの解像度でjpgファイルを作成する。文字に関して解像度を落とすのは、文字の解像度はMMRの解像度で保証しているので、jpg画像の解像度を落としても階調劣化するが問題とならない。解像度を落とすことによりファイルサイズを小さくすることが可能になる。蓄積データに書誌情報として文字のみ原稿ありなしの記載があるので、蓄積データ後の画像データに対して、文字のみ原稿に対して圧縮率を高くすることが可能となっている。
画像ファイル合成部76では、二値画像生成部73の出力(MMR)、黒画像生成部72の出力(MMR)、背景画像生成部の出力(jpg)、文字画像生成部の出力(jpg)の4つの画像を合成してひとつのファイルにする。このときのファイル形式は、汎用フォーマット(PDFファイルなど)を用いても構わない。
【0021】
次に、入力フォーマット変換部54について図6を参照して説明する。入力フォーマット変換部54は、TIFフォーマット展開部71、Jpgフォーマット展開部72、圧縮フォーマット展開部73、出力選択部74から成る。TIFフォーマット展開部71、Jpgフォーマット展開部72、圧縮フォーマット展開部73は、各フォーマットをbitマップに展開する機能を持ち、出力選択部74は3つのフォーマットのうちのひとつを選択して出力と同時にRGBデータをYMCBkにデータを変換する。
入力画像データがTIFフォーマットであれば、TIFフォーマット展開部71にてbitマップデータで展開する。Jpgフォーマットであれば、Jpgフォーマット展開部72にてbitマップデータで展開する。さらに、圧縮フォーマットであれば、圧縮フォーマット展開部73にて展開する。
圧縮フォーマット展開部73について説明する。圧縮フォーマット展開部73は、画像ファイル展開部81、黒画像展開部82、二値画像展開部83、背景画像展開部84、文字画像展開部85、ファイル合成部86からなる。
画像ファイル展開部81では、図5の圧縮フォーマット生成部65にて生成したファイルの中の4つファイルを後段の黒画像展開部82、二値画像展開部83、背景画像展開部84、文字画像展開部85にそれぞれ対応した画像データを出力する。
二値画像展開部83では、MMRを伸張してbitマップに展開し、黒画像展開部82では、MMRを伸張してbitマップに、背景画像展開部84では背景画像のJPGをbitマップに、文字画像展開部85では文字画像のJPGをbitマップに、それぞれ展開する。
4つの展開したbitマップデータは、画像ファイル合成部86にて1枚のbitマップデータに合成する。
各画像展開部では、二値画像展開部83の出力が文字領域であれば、文字画像展開部85の出力である画像データを出力し、二値画像展開部83の出力が非文字領域であれば、背景画像展開部84の出力である画像データを出力する。さらに、黒画像展開部82の出力が黒文字であれば、黒で出力する。これにより1枚の画像を生成する。文字と非文字の解像度は2値画像の解像度となる。
図7に入力画像、ファイル画像、出力画像のイメージ図を示す。合成された画像データは、データi/f部66を介して外部に出力されるが、複数の画像データが、合成した画像の意図した領域と対応するようになり、出力された画像データをモニタ上に表示、あるいは印刷をしても、文字のガタツキと文字領域・非文字領域の色がずれることはない。
【0022】
別の実施の形態について説明する。
図8は、本実施形態であるコンピュータの電気的な接続を示すブロック図である。コンピュータ101はPCなどであり、CPU102と、各種ROM、RAMからなるメモリ103とがバス110で接続されている。バス103には、磁気記憶装置(HDD)104、キーボード、メモリなどの入力装置105、LCDなどの表示装置106、インタネットなどのネットワーク107と通信を行う通信制御装置107、記録媒体111の記憶データを読み取る読取装置109が接続されている。読取装置109は、光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブルディスクなどの記録媒体108の種類に応じて光ディスクドライブ装置、光磁気ディスクドライブ装置、フレキシブルディスクドライブ装置などが使用される。
コンピュータ101は、読取装置109により記録媒体111に記録されているプログラムを読み取り、HDD104にインストールすることにより、所定の処理を実行可能となる。記録媒体108、及び記録媒体108に記録されていてHDD104にインストールされるプログラムは、それぞれ本発明の記録媒体及びプログラムを実施するものである。このプログラムは所定のOS上で動作するものであってもよい。
このプログラムが実行する処理は、前述の出力フォーマット変換部53が実行する処理と同様であり、詳細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタル式のカラー複写機の概略構成を示したブロック図である。
【図2】スキャナ補正部を説明するブロック図である。
【図3】プリンタ補正部を説明するブロック図である。
【図4】コントローラを説明するブロック図である。
【図5】出力フォーマット変換部を説明するブロック図である。
【図6】入力フォーマット変換部を説明するブロック図である。
【図7】入力画像、ファイル画像、出力画像のイメージ図である。
【図8】本発明の別の実施形態であるコンピュータの電気的な接続のブロック図である。
【図9】本発明の課題を説明する説明図である。
【図10】本発明の課題を説明する説明図である。
【図11】本発明の課題を説明する説明図である。
【図12】本発明の課題を説明する説明図である。
【図13】本発明の課題を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 画像形成装置
77 画像処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理装置であって、
入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する前記複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整部を備え、
前記画像サイズ調整部は、前記複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、該比率の最大値により前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出手段と、該余り算出手段により算出された余りに基づいて、該余りが0となるように前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、該縦方向の余りの画素数に相当するライン数を削除し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、該横方向の余りに相当する画素数を削除することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数を追加し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該横方向の余りの画素数を減算した値に相当する画素数を追加することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦横方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数又は画素数を追加した画素値を白色に相当する値とすることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理方法であって、
入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する前記複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整ステップを備え、
前記画像サイズ調整ステップは、前記複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、該比率の最大値により前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出テップと、該余り算出テップにより算出された余りに基づいて、該余りが0となるように前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整テップと、を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、該縦方向の余りの画素数に相当するライン数を削除し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、該横方向の余りに相当する画素数を削除することを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数を追加し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該横方向の余りの画素数を減算した値に相当する画素数を追加することを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦横方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数又は画素数を追加した画素値を白色に相当する値とすることを特徴とする請求項7記載の画像処理方法。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れか一項に記載の画像処理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項11】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理装置であって、
入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する前記複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整部を備え、
前記画像サイズ調整部は、前記複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、該比率の最大値により前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出手段と、該余り算出手段により算出された余りに基づいて、該余りが0となるように前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、該縦方向の余りの画素数に相当するライン数を削除し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、該横方向の余りに相当する画素数を削除することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数を追加し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該横方向の余りの画素数を減算した値に相当する画素数を追加することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記サイズ調整手段は、前記余り算出手段により前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦横方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数又は画素数を追加した画素値を白色に相当する値とすることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の画像データを一枚の画像に合成する画像処理方法であって、
入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を、合成画像を構成する前記複数の画像データの解像度の比率の最大値により除算を行なって画像サイズを調整する画像サイズ調整ステップを備え、
前記画像サイズ調整ステップは、前記複数の画像データの夫々の解像度から比率を求め、該比率の最大値により前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を除算した余りを算出する余り算出テップと、該余り算出テップにより算出された余りに基づいて、該余りが0となるように前記入力画像データの縦横方向の夫々の画素数を調整するサイズ調整テップと、を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、該縦方向の余りの画素数に相当するライン数を削除し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、該横方向の余りに相当する画素数を削除することを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数を追加し、前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該横方向の余りの画素数を減算した値に相当する画素数を追加することを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記サイズ調整ステップは、前記余り算出ステップにより前記入力画像データの縦横方向の余りを求めた結果、該余りが縦横方向に存在する場合は、前記比率の最大値から該縦横方向の余りの画素数を減算した値に相当するライン数又は画素数を追加した画素値を白色に相当する値とすることを特徴とする請求項7記載の画像処理方法。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れか一項に記載の画像処理方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項11】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−158952(P2007−158952A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353808(P2005−353808)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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