説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、入力される読み取り画像データの向き及び傾きを簡単かつ高精度に検出する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】画像処理装置1は、紙原稿から読み取られた画像データを画像データ取得部で取得し、シンボル特定機能部12が、取得された該斜度検出対象画像データに含まれているシンボル画像を抽出して該シンボル画像の所定の角部を特定角部として取得し、検知機能部14が、シンボル特定機能部12の取得した角部で特定されるシンボル画像の複数の角部の座標を検知して、斜度計算機能部16が、検知機能部14の検知した複数の角部の座標に基づいて該シンボル画像の斜度を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、入力される読み取り画像データの向き及び傾きを簡単かつ高精度に補正する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スキャナ装置、複写装置、複合装置、プリンタ装置、コンピュータ等の画像処理装置の普及に伴って、画像や文書等の各種紙文書を主走査及び副走査して読み取って電子化することが行われるようになってきており、また、ネットワーク化の普及に伴って、同様に紙文書を読み取った画像データを、そのまま、または、所定のデータ形式に変換するデータ変換処理を施した電子データを、ネットワークを介して配信するデータ配信処理が行われるようになってきている。このデータ配信処理では、紙文書を読み取る画像処理装置自体が備えていて、読み取った紙文書のデータをデータ配信処理したり、紙文書を読み取る画像処理装置の接続されているネットワークに配信サーバを接続して、画像処理装置で読み取った紙文書の画像データまたはデータ変換した電子データを配信サーバに配信先を指定した配信要求とともに送信して配信サーバが電子データを配信処理することが行われるようになってきている。さらに、画像処理装置においては、画像読み取り部で紙文書を読み取って電子化した電子データをハードディスク等の記憶装置に保管するスキャンデータ保管処理が行われている。
【0003】
このような紙文書を画像読み取り部で主走査及び副走査して読み取って画像データを取得したり、または、既に読み取られて記憶装置に保管されている画像データを受け取る等によって画像データを取得する場合、画像データが傾いていたり、上下が反転している等の正規の向きから異なった向きとなっていることがある。
【0004】
例えば、画像読み取り部で紙原稿(紙文書)を読み取る場合、画像読み取り部のコンタクトガラス上に原稿をセットし、コンタクトガラス上の紙原稿を主走査及び副走査して該紙原稿の画像を読み取る。また、ADF(Auto Document Feeder)を利用する場合には、ADFの原稿トレイに複数枚の紙原稿をセットし、ADFによって紙原稿を搬送しつつ搬送される紙原稿の画像を読み取ったり、または、ADFによって紙原稿をコンタクトガラス上に搬送して、該コンタクトガラス上にセットした紙原稿を走査することで紙原稿の画像を読み取る。
【0005】
このような紙原稿の読み取りにおいて、紙原稿を、コンタクトガラスやADFにセットする際やADFによって紙原稿を搬送する際に、紙原稿のセット方向の間違いや傾いたセット等によって読み取り画像データが、90度や180度回転した状態であったり、微妙に斜め方向に傾いていたりする場合がある。
【0006】
そこで、従来から、画像データに対して、画像データの向き及び傾きを補正するソフトウェアがあり、このソフトウェアとしては、画像データの向き及び傾きの補正処理を全て自動的に行う全自動補正ソフトウェアと、ユーザが補正に必要な情報を指定して該指定内容に基づいて画像データの向き及び傾きを自動で補正する半自動補正ソフトウェアとがある。
【0007】
そして、全自動補正ソフトウェアは、OCR(光学文字認識)技術等の認識技術を利用して、上下左右の向き及び傾きを判断して補正処理を行っている(特許文献1参照)。
【0008】
また、半自動補正ソフトウェアは、基準点の設定入力等の補正に必要な情報の指定に応じて画像データの向き及び傾きの補正を行っている(特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来技術にあっては、画像データの向き及び傾きの補正における操作性及び正確性を安価に向上させる上で、改良の必要があった。
【0010】
すなわち、全自動補正ソフトウェアは、OCR等の認識技術を用いて画像データの向き及び傾きを判断しているため、認識技術の精度によって画像データの向き及び傾きの認識精度が影響され、認識技術の精度を向上させるためには、価格が高くついたり、処理対象のデータ量が多くなって処理速度が遅くなるという問題があった。
【0011】
また、半自動補正ソフトウェアは、画像データのページ毎にユーザが補正に必要な情報を指定操作するため、画像データの向き及び傾きの補正に用いるユーザによる指定情報が多いほど画像データの向き及び傾きの補正精度を向上させることができるが、ユーザの操作数が増え、また、補正対象の画像データの数が増えると、その分ユーザの操作数が増え、ユーザに対する負担が増加して、操作性を向上させる上で、改良の必要があった。
【0012】
そこで、本発明は、取得した画像データの向き及び傾きを、操作性を向上させつつ、高精度にかつ安価に検出する画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために、紙原稿から読み取られた画像データを画像データ取得手段で取得し、特定情報取得手段が、該画像データ取得手段の取得した前記画像データに含まれ該画像データの傾斜角度を検出可能な位置情報を提供する複数の特徴画像部分を含んでいる角度検出用画像を抽出して該角度検出用画像における所定の特徴画像部分の位置情報を特定情報として取得し、特徴検知手段が、該特定情報取得手段の取得した前記特定情報で特定される前記角度検出用画像における複数の前記特徴画像部分の前記位置情報を検知して、傾斜角度検出手段が、該特徴検知手段の検知した複数の前記特徴画像部分の前記位置情報に基づいて前記角度検出用画像の傾斜角度を検出することを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、前記特定情報取得手段が、前記画像データに前記角度検出用画像が複数含まれていると、複数の該角度検出用画像から1つの角度検出用画像を選択する角度検出用画像選択手段を備え、前記角度検出用画像選択手段で選択された角度検出用画像の前記特定情報を取得し、前記特徴検知手段が、前記画像データに含まれている複数の前記角度検出用画像がそれぞれ有する全ての前記特徴画像部分の前記位置情報を検知する全特徴検知手段と、前記全特徴検知手段の検知した全ての前記角度検出用画像における全ての前記特徴画像部分の前記位置情報から、前記角度検出用画像選択手段で選択され前記角度検出用画像から前記特定情報取得手段が取得した前記特徴画像部分の前記位置情報と一致する位置情報の特徴画像部分を有する角度検出用画像を検索する一致画像検索手段と、を備え、前記傾斜角度検出手段が、前記一致画像検索手段が検索した前記角度検出用画像の前記特徴画像部分の前記位置情報に基づいて前記角度検出用画像の傾斜角度を検出することを特徴としてもよい。
【0015】
さらに、本発明は、前記画像データのうち、前記特定情報取得手段の取得した前記特定情報の示す位置に周囲所定領域部分の画像データを部分画像データとして抽出する部分画像抽出手段を備え、前記特徴検知手段が、前記部分画像抽出手段の抽出した前記部分画像データから前記特定情報で特定される前記角度検出用画像における所定数の前記特徴画像部分の前記位置情報を検知することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、取得した画像データの向き及び傾きを、操作性を向上させつつ、高精度にかつ安価に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施例を適用した画像処理装置の要部ブロック構成及び補正処理手順の説明図。
【図2】補正処理手順におけるシンボル指定画面の一例を示す図。
【図3】シンボルの一例を示す図。
【図4】傾きを有する場合のシンボルの一例を示す図。
【図5】本発明の第2実施例を適用した画像処理装置の概略構成及び補正処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0019】
図1〜図4は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の第1実施例を適用した画像処理装置1の要部機能ブロック及び斜度検出処理手順を示す図である。
【0020】
図1において、画像処理装置1は、スキャナ装置、複写装置及び複合装置等の紙原稿を主走査及び副走査して該紙原稿の画像を読み取る画像読み取り部を画像データ取得部(画像データ取得手段)として備えた画像処理装置、あるいは、画像読み取り部を備えた画像処理装置の読み取った画像データをネットワーク等を介して受信するインターフェイスを画像データ取得部として備えたプリンタ装置、コンピュータ及び配信サーバ等の画像処理装置等である。画像処理装置1は、図示しないが、各部の制御を行う制御部、画像データ取得部、画像データ取得部の取得した画像データに対して各種画像処理やデータ変換を行う画像処理部、画像処理部の処理した電子データを出力するデータ出力部、各種処理命令を入力する操作入力部、各種操作画面やその他の情報を表示する表示部等を備えている。本実施例の画像処理装置1は、表示部にタッチパネルが設けられており、表示部に表示する操作画面に機能ボタンを表示して、該機能ボタンのタッチ操作によって該機能ボタンに割り付けている機能のオン/オフ操作を行えるようにしている。画像データ取得部は、紙原稿の画像を読み取る画像読み取り部、ネットワークに接続して該ネットワーク上の画像読み取り部を備えた他の画像処理装置等から画像データを受信するネットワークインターフェイス、外部メモリから画像データを読み取る外部インターフェイス等のうち少なくとも1つから構成されており、画像データを取得する。画像処理部は、画像データ取得部の取得した画像データに各種画像処理やRGB画像データとCMYK画像データとの変換処理、RGB画像データのPDF(Portable Document Format)データへの変換及び画像データの傾き補正処理等を行う。データ出力部は、画像データに基づいて用紙に画像を記録出力するプリンタ部、ネットワークを介してデータの配信を行うネットワークインターフェイス部、外部メモリにデータを保管出力する外部インターフェイス等である。
【0021】
画像処理装置1は、本発明の画像データの向き及び傾き角度を検出する画像処理方法を実行する画像処理プログラムが導入されることで、図1に示す機能ブロックを備えた本発明の画像処理装置として構築されている。
【0022】
すなわち、画像処理装置1は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像データの向き及び傾きを検出する画像処理方法を実行する画像処理プログラムを読み込んでROMやハードディスク等に導入することで、図1に示す機能ブロックを備え、後述する画像データの向き及び傾きを検出する画像処理方法を実行する画像処理装置として構築されている。この画像処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0023】
そして、画像処理装置1は、画像処理プログラムが導入され、制御部で実行することによって、図1に示すように、クライアント機構部2及び斜度検出機構部10が構築され、斜度検出機構部10として、メイン制御機能部11、シンボル特定機能部12、入出力機能部13、検知機能部14、座標一致判断機能部15及び斜度計算機能部16が構築される。
【0024】
上記画像データ取得部が取得する画像データには、1つ以上のシンボル画像(角度検出用画像)が、予め組み込まれており、シンボル画像は、画像データの斜度(向き及び傾き)を検出する検出可能な位置情報を提供する複数の角部(特徴画像部分)を有する角形状を有するとともに、所定の画像内容を有する画像である。このシンボル画像は、例えば、四角形の1次元バーコード、2次元バーコード、電子透かし等が用いることができる。
【0025】
クライアント部2は、画像処理装置1の画像データ取得部、操作入力部、ネットワークインターフェイス及び制御部等によって実現され、画像データ取得部の取得した画像データと該画像データ(以下、斜度検出の対象となる画像データを斜度検出対象画像データという。)の斜度検出依頼を斜度検出機能部10のメイン制御機能部11に出力する。
【0026】
メイン制御機能部11は、クライアント機能部2からの斜度検出依頼に応じて斜度検出機能部10の各機能部を制御して、斜度検出対象画像データに対する斜度検出処理を行う。
【0027】
シンボル特定機能部(特定情報取得手段)12は、斜度検出対象画像データから該斜度検出対象画像データに予め組み込まれているシンボル画像を特定して、該シンボル画像を一意に特定するシンボル特定情報(特定情報)をメイン機能部11に出力する。このシンボル特定情報は、本実施例では、シンボル画像の特定角部の座標である特定座標(x、y)である。シンボル特定機能部12は、斜度検出対象画像データに複数のシンボル画像が含まれているときには、複数の該シンボル画像のうち斜度検出に用いる1つのシンボル画像を特定する。
【0028】
入出力機能部13は、上記操作入力部や表示部で機能構成され、シンボル特定機能部12が複数のシンボル画像から1つのシンボル画像を特定する際に、該複数のシンボル画像から1つのシンボル画像をユーザに選択させるのに使用される。入出力機能部13は、複数のシンボル画像のうち、1つのシンボル画像が選択指定されると、指定されたシンボル画像を特定する情報として、例えば、指定された角部を有するシンボル画像の1つの角部の座標を指定シンボル画像座標(x、y)としてシンボル特定機能部12に渡す。
【0029】
すなわち、シンボル特定機能部12は、斜度検出対象画像データに複数のシンボル画像が含まれているときに、予め設定されている特定処理方法で自動的に斜度検出に用いる1つのシンボル画像を特定してもよいし、入出力機能部13によってユーザに選択された1つのシンボル画像を斜度検出に用いるシンボル画像として特定してもよい。
【0030】
そして、シンボル特定機能部12は、斜度検出画像データに用いるシンボル画像を特定すると、特定シンボル画像を特定する特定情報として、例えば、特定したシンボル画像における1つの角部の特定シンボル画像座標(x、y)を、メイン制御機能部11に渡す。したがって、シンボル特定機能部12及び入出力機能部13は、全体として角度検出用画像選択手段として機能している。
【0031】
検知機能部(特徴検知手段、全特徴検知手段)14は、メイン制御機能部11からのシンボル検知依頼と斜度検出対象画像データを受け取って、斜度検出対象画像データに含まれている全てのシンボル画像の画像情報(シンボル画像情報)を検知して、メイン制御機能部11に返す。このシンボル画像情報は、シンボル画像の画像内容及び該シンボル画像の全角部(特徴画像部分)の位置情報である座標(x、y)からなる。
【0032】
座標一致判断機能部(一致画像検出手段)15は、メイン制御機能部11からシンボル特定機能部12が特定した特定シンボル画像を特定する特定情報である特定座標(x、y)と検知機能部14の検知した全てのシンボル画像における全角部の座標(x、y)及び座標一致判断依頼を受け取り、特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が、検知機能部14の検知したシンボル画像に存在するか判断して、判断結果をメイン制御機能部11に渡す。座標一致判断機能部15は、特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が存在するときには、一致シンボル画像有りの結果と一致するシンボル画像を特定する情報をメイン制御機能部11に渡し、特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が存在しないときには、一致シンボル画像無しの判断結果をメイン制御機能部11に渡す。
【0033】
斜度計算機能部(傾斜角度検出手段)16は、座標一致判断機能部15が特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が存在すると判断したときに、メイン制御機能部11から渡される該特定シンボル画像の特徴情報である全角部の座標(x、y)から該シンボル画像の向き及び傾きである斜度(傾斜角度)を算出し、算出した斜度をメイン制御機能部11に渡す。
【0034】
そして、メイン制御機能部11は、座標一致判断機能部15が特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が存在すると判断して、斜度計算機能部16がシンボル画像の斜度を算出すると、該斜度を斜度検出対象画像データの斜度としてクライアント機能部2に渡し、座標一致判断機能部15が特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が存在しないと判断すると、斜度検出エラーをクライアント機能部2に渡す。
【0035】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像処理装置1は、取り込んだ画像データの斜度を操作性を向上させつつ高精度にかつ安価に検出する。
【0036】
すなわち、画像処理装置1は、画像読み取り部、ネットワークインターフェイス、外部インターフェイス等の画像データ取得部が取得した画像データに対して操作入力部等であるクライアント機能部2からメイン制御機能部11に斜度検出対象画像データと斜度算出依頼要求があると、メイン制御機能部11は、斜度検出対象データをシンボル特定機能部12に渡すとともに、該斜度検出対象データ内に存在するシンボル画像の特定を依頼するシンボル特定依頼をシンボル特定機能部12に行う。
【0037】
シンボル特定機能部12は、メイン制御機能部11から受け取った斜度検出対象画像データから該斜度検出対象画像データに予め組み込まれているシンボル画像を特定して、該シンボル画像を一意に特定するシンボル特定情報、本実施例では、特定座標(x、y)をメイン機能部11に出力し、また、斜度検出対象画像データに複数のシンボル画像が含まれているときには、複数の該シンボル画像のうち斜度検出に用いる1つのシンボル画像を特定する。シンボル特定機能部12は、斜度検出対象画像データに複数のシンボル画像が含まれているときに、予め設定されている特定処理方法で自動的に斜度検出に用いる1つのシンボル画像を特定してもよいし、入出力機能部13を利用してユーザの選択に応じてシンボル画像を特定してもよい。ユーザの選択に応じてシンボル画像を特定する場合には、シンボル特定機能部12は、入出力機能部13に、例えば、図2に示すような斜度検出に用いるシンボル画像をユーザに選択させる特定シンボル問い合わせ画面Gを表示させる。この場合、入出力機能部13は、例えば、タッチパネルを備えた表示部に、図2に示すように、斜度検出対象画像を、該斜度検出対象画像内に存在する複数のシンボル画像から斜度検出に使用するシンボル画像の選択を要請するメッセージとともに表示する。なお、図2では、特定シンボル問い合わせ画面Gに、4つのシンボル画像SG1〜SG4が組み込まれている斜度検出対象画像KGとシンボル画像選択要請メッセージが表示されている。入出力機能部13は、特定シンボル問い合わせ画面Gに応じてユーザによって斜度検出対象画像データの斜度検出に使用するシンボル画像SG1〜SG4の1つが、タッチパネルへのタッチ操作等によって選択指定操作されると、該選択指定されたシンボル画像SG1〜SG4を特定する特定情報、本実施例では、例えば、指定されたシンボル画像における1つの角部の座標を指定シンボル画像座標(x、y)としてシンボル特定機能部12に渡す。
【0038】
シンボル特定機能部12は、斜度検出画像データの斜度検出に用いるシンボル画像が特定されると、特定シンボル画像を特定する特定情報として、特定したシンボル画像における1つの角部の座標を特定シンボル画像座標(x、y)としてメイン制御機能部11に渡す。
【0039】
メイン制御機能部11は、特定シンボル画像座標(x、y)を受け取ると、斜度検出対象画像データを検知機能部14に渡して、斜度検出対象画像データに含まれている全てのシンボル画像SG1〜SG4の検知依頼を検知機能部14に行い、検知機能部14は、受け取った斜度検出対象画像データに含まれている全てのシンボル画像SG1〜SG4の画像情報(シンボル画像情報)を検知して、メイン制御機能部11に返す。このシンボル画像情報は、シンボル画像の画像内容及び該シンボル画像の特徴情報である全角部の座標(x、y)からなる。
【0040】
メイン制御機能部11は、検知機能部14からシンボル画像情報を受け取ると、該全てのシンボル画像SG1〜SG4におけるシンボル画像情報の座標(x、y)と前記シンボル特定機能部12から受け取った特定シンボル画像の特定情報である特定シンボル画像座標(x、y)を座標一致判断機能部15に渡して、特定シンボル座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像SG1〜SG4が有るか否かの一致判断を依頼する。
【0041】
座標一致判断機能部15は、特定シンボル座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像SG1〜SG4が存在するか否かをシンボル画像SG1〜SG4毎に順次判断して、その判断結果をメイン制御機能部11に渡す。すなわち、座標一致判断機能部15は、特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が存在するときには、一致シンボル画像有りの判断結果情報をメイン制御機能部11に渡し、特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が存在しないときには、一致シンボル画像無しの判断結果情報をメイン制御機能部11に渡す。
【0042】
メイン制御機能部11は、座標一致判断機能部15から一致シンボル画像有りの判断結果情報を受け取ると、該特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像における全ての角部の座標(x、y)を斜度計算機能部10に渡して、斜度計算を依頼し、斜度計算機能部10は、メイン制御機能部11から渡される該特定シンボル画像の特徴情報である複数の角部の座標(x、y)から該シンボル画像の向き及び傾きである斜度を算出し、算出した斜度をメイン制御機能部11に渡す。
【0043】
すなわち、シンボル画像SG1〜SG4が、例えば、図3に示すように、4つの角部を有する4角形の1次元バーコードBCである場合、角部の座標は、(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)、(x4、y4)である。
【0044】
そこで、斜度計算機能部10は、特定シンボル画像SG1〜SG4の4つの角部の座標(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)、(x4、y4)のうち、予め設定されている2つの座標等のように特定の2座標、例えば、図4に示すように、座標(x2、y2)と座標(x3、y3)から該特定シンボル画像SG1〜SG4の斜度(傾斜角度)θを、次式により求める。
【0045】
tanθ=(y2−y3)/(x2−x3)・・・(1)
この場合、例えば、図3及び図4では、座標(x2、y2)を基点座標として設定してtanθを算出すると、該基点座標を中心としてシンボル画像SG1〜SG4が傾いている傾きの大きさ(傾き角度)と傾き方向を、式(1)で算出した斜度θの大きさと±の符号に求めることができる。
【0046】
すなわち、2つの角部の座標(x2、y2)と座標(x3、y3)によって特定シンボル画像SG1〜SG4の斜度θが一意に決定される。なお、斜度θを算出するのに用いる角部としては、上記2つの座標(x2、y2)と座標(x3、y3)に限るものではなく、他の2つの座標、例えば、座標(x1、y1)と座標(x3、y3)等を適宜採用することができ、また、斜度θの算出に用いる座標の数としては、2つの座標に限るものではなく、4つまたは4つの座標を用いて斜度を算出してもよい。この場合においても、基点座標を設定し、該基点座標におけるシンボル画像の傾き角度と傾き方向をθの大きさと符号によって求める。
【0047】
メイン制御機能部11は、斜度計算機能部16から算出結果の斜度θを受け取ると、斜度検出対象画像データの斜度算出結果として、該斜度θをクライアント機能部2に渡す。
【0048】
クライアント機能部2は、斜度θを受け取ると、例えば、画像処理装置1の制御部に渡し、制御部が、画像処理部等を制御して、斜度θに基づいて、斜度検出対象画像データの向きや傾きを補正する。画像処理装置1は、斜度補正を行うと、画像データを補正した旨等の補正情報を表示部に表示する等の方法でユーザに通知してもよい。
【0049】
一方、メイン制御機能部11は、上記座標一致判断機能部15が特定シンボル画像の特定座標(x、y)と一致する角部の座標(x、y)を有するシンボル画像が存在しないと判断すると、斜度検出エラーをクライアント機能部2に渡す。この場合、画像処理装置1は、斜度補正を行えなかった旨等のエラー情報を表示部に表示する等の方法でユーザに通知してもよい。なお、画像処理装置1の制御部は、斜度計算機能部10の計算した斜度に基づいて、画像処理を制御して、画像データの角度補正を行わせてもよいし、該画像データを他の装置に配信等する場合には、角度補正を行わないで、傾斜したままの画像データと斜度の情報を配信して、配信先の装置が、必要に応じて斜度の情報に基づいて画像データの角度補正を行ってもよい。
【0050】
このように、本実施例の画像処理装置1は、紙原稿から読み取られた画像データを画像データ取得部で取得し、シンボル特定機能部12が、画像データ取得部の取得した斜度検出対象画像データに含まれ該画像データの斜度(傾斜角度)を検出可能な座標(位置情報)を提供する複数の角部(特徴画像部分)を含んでいるシンボル画像(角度検出用画像)を抽出して該シンボル画像における所定の角部の位置情報を特定情報として取得し、検知機能部14が、シンボル特定機能部12の取得した特定情報で特定されるシンボル画像における複数の角部の座標を検知して、斜度計算機能部16が、検知機能部14の検知した複数の角部の座標に基づいて該シンボル画像の斜度を算出(検出)している。
【0051】
したがって、ユーザが斜度を求めるのに必要な各種操作を行うことなく、読み取り画像データの斜度を高精度に検出することができ、画像データの向き及び傾きを、操作性を向上させつつ、安価にかつ高精度に補正することができる。
【0052】
また、本実施例の画像処理装置1は、シンボル特定機能部12が、斜度検出対象画像データにシンボル画像が複数含まれていると、複数のシンボル画像から1つのシンボル画像を入出力機能部13によって選択して、選択したシンボル画像の特定情報を取得し、検知機能部14が、斜度検出対象画像データに含まれている複数のシンボル画像がそれぞれ有する全ての角部の座標を検知して、この検知した全てのシンボル画像における全ての角部の座標から、入出力機能部13によって選択されたシンボル画像からシンボル特定機能部12が取得した特定情報の示す座標と一致する座標の角部を有するシンボル画像を座標一致判断機能部15で検索し、斜度計算機能部16が、検索された該シンボル画像の角部の座標に基づいて該シンボル画像の斜度を算出(検出)している。
【0053】
したがって、斜度検出対象画像データに複数のシンボル画像が含まれている場合にも、ユーザの指定等によって選択したシンボル画像に基づいて読み取り画像データの斜度を安価にかつ高精度に検出することができる。
【0054】
さらに、本実施例の画像処理装置1は、角度検出用画像であるシンボル画像として、複数(4つ)の角部を有する1次元バーコード、2次元バーコードあるいは電子透かしを用いている。
【0055】
したがって、簡単かつ容易に斜度検出対象画像データにシンボル画像を組み込んで、斜度検出対象画像データの斜度を簡単かつ高精度に検出することができる。
【0056】
また、本実施例の画像処理装置1は、斜度計算機能部16が、斜度検出対象画像データを所定の座標空間に位置させたときの該座標空間におけるシンボル画像が有する2つ以上の角部の座標に基づいて該シンボル画像の斜度(傾斜角度)を算出している。
【0057】
したがって、読み取り画像データの斜度をより一層高精度に検出することができ、画像データの向き及び傾きを操作性を向上させつつ、より一層高精度に補正することができる。
【実施例2】
【0058】
図5は、本発明の画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の第2実施例を適用した画像処理装置20の要部機能ブロック及び斜度検出処理手順を示す図である。
【0059】
なお、本実施例は、上記第1実施例の画像処理装置1と同様の画像処理装置に適用したものであり、本実施例の説明においては、上記第1実施例の画像処理装置1と同様の構成部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0060】
本実施例の画像処理装置20は、第1実施例の画像処理装置1と同様に、スキャナ装置、複写装置及び複合装置等の紙原稿を主走査及び副走査して該紙原稿の画像を読み取る画像読み取り部(画像データ取得手段)を備えた画像処理装置、プリンタ装置、コンピュータ及び配信サーバ等の画像読み取り部を備えた画像処理装置の読み取った画像データを、ネットワーク等を介して受信する画像処理装置等であり、図示しないが、各部の制御を行う制御部、画像データ取得部、画像データ取得部の取得した画像データに対して各種画像処理やデータ変換を行う画像処理部、画像処理部の処理した電子データを出力するデータ出力部、各種処理命令を入力する操作入力部、各種操作画面やその他の情報を表示する表示部等を備えている。
【0061】
画像処理装置20は、本発明の画像データの向き及び傾き角度を検出して補正する画像処理方法を実行する画像処理プログラムが導入されることで、図5に示す機能ブロックを備えた本発明の画像処理装置として構築されており、クライアント機構部2及び斜度検出機構部30が構築される。斜度検出機構部30は、第1実施例の斜度検出機能部10と同様のメイン制御機能部11、シンボル特定機能部12、入出力機能部13、検知機能部14及び斜度計算機能部16が構築されるとともに、部分画像抽出機能部31が構築される。
【0062】
部分画像抽出機能部31は、メイン制御機能部11から斜度検出対象画像データと特定シンボル画像座標(x、y)及び部分画像抽出依頼を受け取り、受け取った検出対象画像データから該特定シンボル画像座標(x、y)を中心とする部分画像データを抽出して、抽出した部分画像データをメイン制御機能部11に渡す。この抽出部分画像データは、斜度検出対象画像データのうち、特定シンボル画像が含まれる範囲の部分画像データであるとともに、できる限り狭い範囲の部分画像データである。
【0063】
メイン制御機能部11は、部分画像抽出機能部31から受け取った部分画像データを検知機能部14に渡してシンボル検知依頼を行い、検知機能部14は、受け取った部分画像データからシンボル画像の画像情報(シンボル画像情報)を検知して、メイン制御機能部11に返す。このシンボル画像情報は、シンボル画像の画像内容及び該シンボル画像の特徴情報である全角部の座標(x、y)からなる。
【0064】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像処理装置1は、取り込んだ画像データの斜度を、該画像データのシンボル画像の存在する部分の部分画像データを抽出して、該部分画像データに含まれているシンボル画像に基づいて、操作性を向上させつつ、高速、安価かつ高精度に検出する。
【0065】
すなわち、画像処理装置1は、画像読み取り部、ネットワークインターフェイス、外部インターフェイス等の画像データ取得部が取得した画像データに対して操作入力部等であるクライアント機能部2からメイン制御機能部11に斜度検出対象画像データと斜度算出依頼要求が渡されると、メイン制御機能部11は、斜度検出対象データをシンボル特定機能部12に渡すとともに、該斜度検出対象データ内に存在するシンボル画像の特定を依頼するシンボル特定依頼をシンボル特定機能部12に行う。
【0066】
シンボル特定機能部12は、メイン制御機能部11から受け取った斜度検出対象画像データから該斜度検出対象画像データに予め組み込まれているシンボル画像を特定して、該シンボル画像を一意に特定するシンボル特定情報である特定座標(x、y)をメイン機能部11に出力し、また、斜度検出対象画像データに複数のシンボル画像が含まれているときには、複数の該シンボル画像のうち斜度検出に用いる1つのシンボル画像を特定する。シンボル特定機能部12は、斜度検出対象画像データに複数のシンボル画像が含まれているときには、第1実施例と同様に、入出力機能部13に、図2に示したような特定シンボル問い合わせ画面Gを表示させて、ユーザによる指定に応じてシンボル画像を特定して、該特定シンボル画像を特定する特定情報として、該シンボル画像における1つの角部の座標を特定シンボル画像座標(x、y)としてメイン制御機能部11に渡す。
【0067】
メイン制御機能部11は、特定シンボル画像座標(x、y)を受け取ると、斜度検出対象画像データと特定シンボル画像座標(x、y)及び部分画像抽出依頼を部分画像抽出機能部31に渡し、部分画像抽出機能部31は、受け取った検出対象画像データから該特定シンボル画像座標(x、y)を中心とする部分画像データを抽出して、抽出した部分画像データをメイン制御機能部11に渡す。
【0068】
メイン制御機能部11は、部分画像抽出機能部31から受け取った部分画像データを検知機能部14に渡してシンボル検知依頼を行い、検知機能部14は、受け取った部分画像データからシンボル画像の画像情報(シンボル画像情報)であるシンボル画像の画像内容及びシンボル画像の特徴情報である全角部の座標(x、y)を検知して、メイン制御機能部11に渡す。
【0069】
メイン制御機能部11は、検知機能部14からシンボル画像情報を受け取ると、該シンボル画像情報で特定される特定シンボル画像における全ての角部の座標(x、y)を斜度計算機能部10に渡して斜度計算を依頼し、斜度計算機能部10は、メイン制御機能部11から渡される該特定シンボル画像の全角部の座標(x、y)から該シンボル画像の向き及び傾きである斜度を上記同様に算出して、算出した斜度をメイン制御機能部11に渡す。
【0070】
メイン制御機能部11は、斜度計算機能部16から算出結果の斜度を受け取ると、斜度検出対象画像データの斜度として、該斜度をクライアント機能部2に渡す。
【0071】
クライアント機能部2は、斜度を受け取ると、例えば、画像処理装置1の制御部に渡し、制御部が、画像処理部等を制御して、斜度に基づいて、斜度検出対象画像データの向きや傾きを補正する。画像処理装置1は、斜度補正を行うと、画像データを補正した旨等の補正情報を表示部に表示する等の方法でユーザに通知してもよい。
【0072】
このように、本実施例の画像処理装置1は、斜度検出対象画像データのうち、シンボル特定機能部12が取得した特定角部の座標を中心として周囲所定領域部分の画像データを部分画像データとして部分画像抽出機能部31で抽出し、検出機能部14が、部分画像抽出機能部31の抽出した部分画像データからシンボル画像における全ての角部の座標を検知して、斜度計算機能部16がこのシンボル画像における複数の角部の座標に基づいて該シンボル画像の斜度を算出している。
【0073】
したがって、読み取り画像データの向き及び傾きの検出処理を、操作性を向上させつつ、安価、高速かつ高精度に行うことができ、特に、複数のシンボル画像が斜度検出対象画像データに含まれている場合に、シンボル画像の斜度算出に必要な情報である角部の座標を簡単かつ高速に得ることができる。その結果、ユーザが斜度を求めるのに必要な各種操作を行うことなく、読み取り画像データの斜度を高速にかつ高精度に検出することができる。
【0074】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、スキャナ装置、複合装置、複写装置、プリンタ装置、コンピュータ等の読み取り画像データを取り込んで配信出力、印刷出力、保管出力等を行う画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 画像処理装置
2 クライアント機構部
10 斜度検出機構部
11 メイン制御機能部
12 シンボル特定機能部
13 入出力機能部
14 検知機能部
15 座標一致判断機能部
16 斜度計算機能部
G 特定シンボル問い合わせ画面
SG1〜SG4 シンボル画像
20 画像処理装置
30 斜度検出機構部
31 部分画像抽出機能部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2003−85529号公報
【特許文献2】特開2004−46637号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙原稿から読み取られた画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段の取得した前記画像データに含まれ該画像データの傾斜角度を検出可能な位置情報を提供する複数の特徴画像部分を含んでいる角度検出用画像を抽出して該角度検出用画像の所定の特徴画像部分の位置情報を特定情報として取得する特定情報取得手段と、
前記特定情報取得手段の取得した前記特定情報で特定される前記角度検出用画像の複数の前記特徴画像部分の前記位置情報を検知する特徴検知手段と、
前記特徴検知手段の検知した複数の前記特徴画像部分の前記位置情報に基づいて前記角度検出用画像の傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記特定情報取得手段は、前記画像データに前記角度検出用画像が複数含まれていると、複数の該角度検出用画像から1つの角度検出用画像を選択する角度検出用画像選択手段を備え、前記角度検出用画像選択手段で選択された角度検出用画像の前記特定情報を取得し、
前記特徴検知手段は、前記画像データに含まれている複数の前記角度検出用画像がそれぞれ有する全ての前記特徴画像部分の前記位置情報を検知する全特徴検知手段と、前記全特徴検知手段の検知した全ての前記角度検出用画像における全ての前記特徴画像部分の前記位置情報から、前記角度検出用画像選択手段で選択され前記角度検出用画像から前記特定情報取得手段が取得した前記特定情報と一致する位置情報の特徴画像部分を有する角度検出用画像を検索する一致画像検索手段と、を備え、
前記傾斜角度検出手段は、前記一致画像検索手段が検索した前記角度検出用画像の前記特徴画像部分の前記位置情報に基づいて前記角度検出用画像の傾斜角度を検出することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理装置は、前記画像データのうち、前記特定情報取得手段の取得した前記特定情報の示す位置の周囲所定領域部分の画像データを部分画像データとして抽出する部分画像抽出手段を備え、
前記特徴検知手段は、前記部分画像抽出手段の抽出した前記部分画像データから前記特定情報で特定される前記角度検出用画像における所定数の前記特徴画像部分の前記位置情報を検知することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記角度検出用画像は、前記特徴画像部分として複数の角部を有する1次元バーコード、2次元バーコードあるいは電子透かしであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記特徴画像部分の前記位置情報は、前記画像データを所定の座標空間に位置させたときの該座標空間における該特徴画像部分の座標位置情報であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
紙原稿から読み取られた画像データを取得する画像データ取得処理ステップと、
前記画像データ取得処理ステップで取得された前記画像データに含まれ該画像データの傾斜角度を検出可能な位置情報を提供する複数の特徴画像部分を含んでいる角度検出用画像を抽出して該角度検出用画像の所定の特徴画像部分の位置情報を特定情報として取得する特定情報取得処理ステップと、
前記特定情報取得処理ステップで取得された前記特定情報で特定される前記角度検出用画像の複数の前記特徴画像部分の前記位置情報を検知する特徴検知処理ステップと、
前記特徴検知処理ステップで検知された複数の前記特徴画像部分の前記位置情報に基づいて前記角度検出用画像の傾斜角度を検出する傾斜角度検出処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
紙原稿から読み取られた画像データを取得する画像データ取得処理と、
前記画像データ取得処理で取得された前記画像データに含まれ該画像データの傾斜角度を検出可能な位置情報を提供する複数の特徴画像部分を含んでいる角度検出用画像を抽出して該角度検出用画像の所定の特徴画像部分の位置情報を特定情報として取得する特定情報取得処理と、
前記特定情報取得処理で取得された前記特定情報で特定される前記角度検出用画像の複数の前記特徴画像部分の前記位置情報を検知する特徴検知処理と、
前記特徴検知処理で検知された複数の前記特徴画像部分の前記位置情報に基づいて前記角度検出用画像の傾斜角度を検出する傾斜角度検出処理と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
請求項7記載の画像処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−219704(P2010−219704A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62092(P2009−62092)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】