画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
【課題】 演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことを可能とする。
【解決手段】 判定処理部3044は、視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定し、調整部3047は、判定された所定のオブジェクトデータに該当する背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させ、オブジェクトデータ生成部3045は、微少変化された位置に該当する背景の二次元画像データを用いて、所定のオブジェクトデータを生成する。
【解決手段】 判定処理部3044は、視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定し、調整部3047は、判定された所定のオブジェクトデータに該当する背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させ、オブジェクトデータ生成部3045は、微少変化された位置に該当する背景の二次元画像データを用いて、所定のオブジェクトデータを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に適用可能な画像演出のための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のスロットマシン等の遊技機においては、複数のポリゴンで構成される三次元画像のオブジェクトを仮想的な三次元空間内に配置する等の画像演出を行い、二次元画像よりも更にリアリティのある演出が利用されていく傾向にある(例えば、特許文献1参照)。このような三次元画像は、画像処理装置においてリアルタイムで算出されて表示画面上に表示されるものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001−112985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような三次元画像を用いた画像演出技術において、或るオブジェクトを視覚的に透明化し、光学的にカモフラージュする、いわゆる光学迷彩演出や、オブジェクトの表面が鏡面の如く反射像を映しだす、いわゆる鏡面効果演出等、光学的な要素を含めた演出技術が採用できれば演出のバリエーションを更に増やし、遊技者の興味をより一層惹くことができる。
【0005】
ここで、上記のような光学的な画像演出を行うために、オブジェクトの奥に存在する画像や反射像となる画像等をオブジェクトの表面に貼り付けたものを予め用意しておく方法が考えられる。しかしながら、このような手法では、予め用意した分しか光学的な演出ができないといった制限や、その制限を増やすためにはメモリ資源を大幅に消費するといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像処理装置の第1の態様は、リアルタイムで動画像を表示するための画像処理を行う画像処理装置であって、背景の二次元画像データをメモリに描画する描画手段と、視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定する判定手段と、前記判定手段により判定された前記所定のオブジェクトデータに該当する前記背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させる調整手段と、前記調整手段により微少変化された位置に該当する前記背景の二次元画像データを用いて、前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成手段と、前記オブジェクトデータ生成手段により生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する変換手段と、前記背景の二次元画像データとともに、前記変換手段により二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
上記のように、本発明においては、所定のオブジェクトデータが背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定し、判定した位置を所定の方向へ微少変化させた位置に該当する背景の二次元画像データを用いて、所定のオブジェクトデータを生成するように構成したので、当該所定のオブジェクトデータの表面には背景画像が張り付けられ、視覚的にオブジェクトが透明化したような、いわゆる光学迷彩演出を行うことが可能となる。また、本発明においては、光学迷彩の演出を行うために背景画像をオブジェクトに貼り付けたものを予め用意しておく必要がないために、例えば任意の背景が透過して見える光学迷彩の演出を行うことが可能となり、演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことができる。
【0009】
本発明の画像処理装置の第1の態様は、仮想的な三次元空間内における前記所定のオブジェクトデータの各頂点座標を、前記視点を原点とする三次元座標系内の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段により変換された前記各頂点座標と前記視点とを結ぶ直線と、前記三次元空間内において所定の位置に配置され、前記メモリ上における描画内容の表示領域に対応する平面スクリーンとの交点座標を算出する交点座標算出手段とを更に有し、前記判定手段は、前記交点座標算出手段により算出された前記交点座標に基づいて、前記所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定することを特徴とする。
【0010】
上記のように、各ポリゴンがメモリ上に描画される二次元画像データの何れの位置に該当するかを判断する際には、仮想的な三次元空間内における各ポリゴンの各頂点座標を視点を原点とする三次元座標系内の座標に変換し、その変換された各頂点座標と視点とを結ぶ直線と平面スクリーンとの交点座標を求めることが好ましい。
【0011】
本発明の画像処理装置の第1の態様においては、前記オブジェクトデータ生成手段は、半透明な前記オブジェクトデータを生成することを特徴とする。
【0012】
上記のように、透明迷彩を施すオブジェクトデータを半透明とすることでよりリアリティのある演出を行うことが可能となる。
【0013】
本発明の画像処理装置の第2の態様は、リアルタイムで動画像を表示するための画像処理を行う画像処理装置であって、第1の背景からみた背景の二次元画像データをメモリに描画する描画手段と、前記第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換する第1の変換手段と、前記他の背景の二次元画像データを用いて前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成手段と、前記オブジェクトデータ生成手段により生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する第2の変換手段と、前記背景の二次元画像データとともに、前記第2の変換手段により二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
上記のように、本発明においては、第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換し、その他の背景の二次元画像データを用いて所定のオブジェクトデータを生成するように構成したので、当該所定のオブジェクトデータの表面には、第2の視点からみた他の背景が張り付けられ、第1の視点からみて視覚的にオブジェクト表面に反射像が映っているようにみえ、いわゆる鏡面効果演出を行うことが可能となる。また、本発明においては、鏡面効果の演出を行うために反射像をオブジェクトに貼り付けたものを予め用意しておく必要がないために、例えば任意の反射像がオブジェクト表面に映る鏡面効果演出を行うことが可能となり、演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことができる。
【0015】
本発明の画像処理装置の第2の態様においては、前記他の背景は、前記第2の視点から前記第1の視点の方向へみた背景であることを特徴とする。
【0016】
上記のように、本発明においては、第2の視点から第1の視点の方向へみた背景の二次元画像データをオブジェクトデータの生成に利用することにより、オブジェクト表面に映し出される画像を鏡面の反射像らしくすることが可能となる。
【0017】
本発明の画像処理装置の第2の態様は、前記所定のオブジェクトデータを構成する各ポリゴンの法線情報を解析する法線情報解析手段を更に有し、前記オブジェクトデータ生成手段は、前記法線情報解析手段による解析結果に基づいて、前記ポリゴンに割り当てる前記他の背景の二次元画像データを前記ポリゴン毎に選択することを特徴とする。
【0018】
上記のように、本発明においては、ポリゴンの向きを示す法線情報を解析して、ポリゴンに割り当てる他の背景の二次元画像データを選択するように構成したので、ポリゴンの向きを考慮した二次元画像データを選択することが可能となり、よりリアリティのある演出を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。なお、以下の説明において、「遊技」とはメダルの投入からストップスイッチの操作を経た次のメダルの投入前までの一連の動作をいう。
【0021】
(スロットマシン10)
本実施形態に係るスロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられ、このフロントパネル20には、透明な表示窓21が設けられている。一方、筐体内部であって表示窓21の後方には、3つのリール(回胴)が配置されている。遊技者から見て左側から、左リール31L、中リール31C、右リール31Rが配置されている。リール31L、31C及び31Rはリング状体であり、その外周面には複数の入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが貼られている。1つのリールには、例えば21個の複数種類の図柄が等間隔で配列されている。但し、図柄の配列はリールごとに異なっている。そして、表示窓21内から、リール31L、31C及び31Rの上下方向で連続する3つの図柄が見えるようになっている。
【0022】
また、リール31L、31C及び31Rの中心部には、ステッピングモータ(図示せず)が連結されており、このステッピングモータの駆動によってリール31L、31C及び31Rが回転する。従って、遊技者の立場からすると、リール31L、31C及び31Rの図柄が表示窓21内で上下に移動しているように見える。更に、リール31L、31C及び31Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに3個ずつ配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄の夫々に対応するようにして、リール31L、31C及び31Rの内側に配置されている。また、リール31L、31C及び31Rは透光性を有する材料から形成されており、バックランプの点灯によりリール31L、31C及び31Rに付された図柄が照光されるように構成されている。
【0023】
フロントパネル20の表示窓21を含む部分には、有効ライン22a、22b及び22cからなる有効ライン群22が設定されている。有効ライン群22は、水平方向の中段の有効ライン22aと、水平方向の上段及び下段の2本の有効ライン22bと、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本の有効ライン22cとから構成されている。そして、リール31L、31C及び31Rに付された図柄は、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群22上に位置するような間隔で配置されている。
【0024】
フロントパネル20の右下側にはメダル投入口23が設けられており、ここから遊技者によってメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて有効ライン22a、22b及び22cの1ライン乃至5ラインが有効になり、有効ラインランプ24が点灯する。投入されたメダルが1枚のときは1つの有効ライン22aが有効になり、2枚のときは水平方向の3つの有効ライン22a及び22bが有効になり、3枚のときはさらに加えて斜め方向の2つの有効ライン22cを含む総計で5つの有効ライン22a〜22cが有効になる。この制御は、後述のメインCPU51(図2参照)により行われる。例えば3枚のメダルが投入されている場合には、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、少なくとも1つの有効ライン22a〜22cに特定の図柄の組み合わせが停止していれば、その組み合わせに応じた役に入賞したこととなる。
【0025】
更に、フロントパネル20の表示窓21の下方には、クレジット数表示部25、ゲーム数表示部26及び払い出し数表示部27が設けられている。クレジット数表示部25には、クレジットされているメダルの枚数が表示される。ゲーム数表示部26には、特別遊技等において、所定の遊技の残り数や既に行った遊技の数等が表示される。払い出し数表示部27には、メダルが払い出される際に、その枚数が表示される。
【0026】
フロントパネル20の表示窓21の上側には、カラー画像を表示する液晶表示パネル等の演出表示装置40が遊技者に対して目視可能に設けられている。演出表示装置40は、遊技中の演出を行うときに各種の画像を表示する。また、筐体の前面部には、遊技者が遊技を進行する上で操作する各種の操作スイッチが設けられている。例えば、本実施形態では、スタートスイッチ41、ストップスイッチ群42及びベットスイッチ群43が設けられている。更に、演出表示装置40の左右及びフロントパネル20の下部(メダル払い出し口の近傍)にスピーカ71が設けられている。
【0027】
スタートスイッチ41は、リール31L、31C及び31Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばレバーである。ストップスイッチ群42は、左リール31Lを停止させるときに操作する左ストップスイッチ42Lと、中リール31Cを停止させるときに操作する中ストップスイッチ42Cと、右リール31Rを停止させるときに操作する右ストップスイッチ42Rとから構成されている。これらのストップスイッチ42L、42C及び42Rは、例えばボタンとして並設されている。ベットスイッチ群43は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット枚数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ43a及びMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43bから構成されている。これらのベットスイッチ43a及び43bも、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ43aが操作される度に、ベット枚数が1枚と2枚との間で切り替えられ、MAXベットスイッチ43bが操作されると、ベット枚数が3枚となる。ベットスイッチ43a及び43bの上方には、クレジット数表示部28が設けられており、ベットスイッチ43a及び43bの操作やメダル投入口23からのメダルの投入に応じて、クレジット数表示部28にメダルの投入枚数が表示される。
【0028】
詳細は後述するが、通常ゲームでは、遊技者がメダル投入口23からメダルを投入するか、ベットスイッチ群43を操作すると、有効ライン22a〜22cがベット枚数に応じて有効化される。更に、遊技者がスタートスイッチ41を操作すると、役の抽選が行われると共に、リール31L、31C及び31Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ42L、42C及び42Rを操作すると、操作されたボタンに応じてリール31L、31C及び31Rの回転が停止し、有効化されている有効ライン上に並んだ図柄の組み合わせが予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせと一致するときは入賞となり、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。但し、リール31L、31C及び31Rの回転の停止に際しては、役の抽選結果に基づいた制御が行われる。
【0029】
また、遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、演出表示装置40を用いた画像表示及びスピーカ71からの音声の出力等が行われる。更に、このような演出として、役の当選可能性の告知演出が行われることもある。
【0030】
次に、スロットマシン10の内部構成等のシステム構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン10のシステム構成を示すブロック図である。スロットマシン10の筐体内部には、メイン制御基板50、並びにこのメイン制御基板50に接続されたサブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13が配置されている。
【0031】
(メイン制御基板50)
メイン制御基板50には、メインCPU51、ROM52、RAM53及びインタフェース回路(I/F回路)54が設けられており、これらはバス55を介して互いに接続されている。
【0032】
メインCPU51は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU51は、ROM52に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン10全体の制御を行う。
【0033】
ROM52には、メインCPU51に、後述の図6に示す処理及びその他の遊技の制御に必要なプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM53は、メインCPU51が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
【0034】
I/F回路54は、メイン制御基板50と、サブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13との間で行われる信号の送受信の際に、タイミングの制御等を行う。但し、メイン制御基板50とサブ制御基板60との間では、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。
【0035】
(サブ制御基板60)
サブ制御基板60には、サブCPU61、ROM62、RAM63、画像制御プロセッサ64、画像データROM65、メモリ66、音源回路67、アンプ68及びインタフェース回路(I/F回路)69が設けられている。サブCPU61、ROM62、制御用RAM63、画像制御プロセッサ64、音源回路67及びI/F回路69はバス70を介して互いに接続されている。また、画像データROM65及びメモリ66は画像制御プロセッサ64に接続され、アンプ68は音源回路67に接続されている。
【0036】
サブCPU61は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、サブCPU61は、ROM62に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、サブ制御基板60全体の制御、特に遊技者に対する演出の制御を行う。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0037】
ROM62には、サブCPU61に、後述の図7又は図9に示す処理及びその他の遊技中の演出に必要なプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
【0038】
これらのサブCPU61、ROM62及びRAM63は、夫々メイン制御基板50に設けられたメインCPU51、ROM52及びRAM53と同様の機能を有するものである。なお、ROM62及びRAM63は、夫々ROM52及びRAM53と同一のものを用いても良いが、これらよりも容量の大きいものを用いても良い。
【0039】
上述の演出表示装置40は画像制御プロセッサ64に接続されている。画像データROM65には、演出表示装置40に表示されるオブジェクト及び背景等の画像データが記憶されている。また、メモリ66は、画像制御プロセッサ64が演出表示装置40に表示しようとする画像を作成する時に用いられ、画像データROM65から読み出したデータ等に基づき表示すべき画像データがメモリ66に展開される。
【0040】
更に、本実施形態には、演出用周辺機器として、演出表示装置40の他にスピーカ71、上述のバックランプ等が設けられている。スピーカ71はアンプ68に接続されている。これらの演出用周辺機器は、遊技中の演出(役の当選可能性の告知演出等)の出力を行うものであり、サブ制御基板60にのみ接続されており、メイン制御基板50には接続されていない。
【0041】
I/F回路69は、メイン制御基板50からの信号の受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、上述のように、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。即ち、一方向の送信のみが可能となっている。
【0042】
(リール基板11)
リール基板11には、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rを駆動するためのステッピングモータ(図示せず)が接続されている。これらのリール31L、31C及び31Rの動作の制御は、リール基板11を介してメインCPU51によって行われる。
【0043】
(中央表示基板12)
中央表示基板12は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。中央表示基板12には、セレクタ81、1ベット・2ベットスイッチ43a、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43b、スタートスイッチ(レバー)41、左ストップスイッチ(ボタン)42L、中ストップスイッチ(ボタン)42C、右ストップスイッチ(ボタン)42R、設定表示部82及び設定変更スイッチ83が接続されている。
【0044】
セレクタ81は、メダル投入口23から投入されたメダルが正規のものであるか識別し、不正なメダルを排除する。設定表示部82は、フロントパネル20の裏側から見えるように配置されており、確率や払い出しに関する設定(例えば、設定1〜設定6)等が表示される。設定変更スイッチ83は、確率や払い出しに関する設定等を変更する際に操作されるスイッチである。
【0045】
(電源装置基板13)
電源装置基板13には、設定変更有効化スイッチ91、電源スイッチ92、ホッパ装置93及び電源装置94が接続されている。設定変更有効化スイッチ91は、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチである。即ち、設定変更有効化スイッチ91がオンの状態になっているときに限り、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更が可能になる。電源スイッチ92は、電源装置94のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。ホッパ装置93は、メダルの貯蔵及び払い出しを行う装置であり、電源装置基板13を介したメインCPU51からの指示に基づいて、予め貯蔵しておいたメダルから所定枚数のメダルを遊技者に払い出す。
【0046】
次に、メイン制御基板50の機能的な構成について説明する。図3は、メイン制御基板50の機能的な構成を示す機能ブロック図である。本実施形態においては、例えばメインCPU51及びROM52内に記録されるプログラムから、以下の各部101、103、106、107、108及び109が構成され、例えばRAM53に、以下のフラグ情報記憶部105が備えられ、例えばROM52に、以下の抽選テーブル102のデータが記憶されている。
【0047】
(役抽選部103)
役抽選部103は、役(特別役、小役、リプレイ等)の抽選を行う。ここで、特別役とは、通常遊技とは異なる遊技であって遊技者に有利な複数回の特別遊技に移行させるための役である。小役とは、その小役の種類に応じて枚数のメダルを遊技者に払い出す役である。リプレイとは、前の遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技を行う権利を遊技者に与える役である。
【0048】
また、役抽選部103は、遊技毎に、内部で乱数を発生させた後に一の乱数を取得し、ROM52に記憶されている抽選テーブル102を参照し、取得した乱数が属する領域に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する。
【0049】
即ち、役抽選部103は、例えば所定の領域(10進法で0〜65535)の乱数を発生させ、例えばスタートスイッチ41が操作されたとき等、所定の条件が満たされたときに一の乱数値を取得する。抽選テーブル102には、役抽選部103が取得可能な乱数値に対して、特別役当選領域、小役当選領域、リプレイ当選領域、及び非当選(ハズレ)領域等が、所定の割合で設定されている。
【0050】
そして、役抽選部103は、取得した乱数値を抽選テーブル102と照らし合わせることにより、その乱数値が属する領域を判定し、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が特別役当選領域に属する場合には、特別役の当選と決定し、非当選領域に属する場合は、ハズレと判定する。そして、何らかの役が当選した場合には、その役に対するフラグをオンにする。
【0051】
(制御部101)
制御部101は、役抽選部103や、後述のリール制御部106及び入賞判定部107等の動作タイミングを制御する。例えば、制御部101は、スタートスイッチ41が操作されたことを条件として、役抽選部103に役の抽選を行わせると共に、リール制御部106にリール群31の回転を開始させ、また、ストップスイッチ群42が操作されたことを条件として、リール制御部106にリール群31の停止制御を行わせ、更に、リール群31が停止したことを条件として、入賞判定部107に入賞判定を行わせる。なお、制御部101の動作はこれらに限定されるものではない。
【0052】
(フラグ情報記憶部105)
フラグ情報記憶部105は、役抽選部103の抽選結果によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。
【0053】
(リール制御部106)
リール制御部106は、制御部101からの指示に基づいて、リール群31(リール31L、31C及び31R)の回転及び停止の制御を行う。より詳細には、リール制御部106は、遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選部103による抽選の結果、並びにストップスイッチ群42(ストップスイッチ42L、42C及び42R)が操作されたタイミング等に基づいて、リール31L、31C及び31Rの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置でリール31L、31C及び31Rの回転を停止させる。
【0054】
例えば、役抽選部103による抽選の結果、いずれの役にも当選していないときは、有効になっている有効ライン上にどの役の図柄の組合せも停止しないように、各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定める。一方、何らかの役に当選している場合には、有効になっている有効ライン上に当選した役の図柄の組合せが停止するように、各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定める。
【0055】
特に、当該遊技で特別役に当選している場合には、有効になっている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止するように、リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲内(例えば、4図柄以内)でできる限り特別役に係る図柄が揃うような引き込み制御を行う。但し、特別役が当選している場合であっても、小役やリプレイに当選したときには、有効化されている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止しないように、リール31L、31C及び31Rの停止位置を定める。なお、このようなリール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
【0056】
(入賞判定部107)
入賞判定部107は、有効ライン群22のうち、有効になっている有効ラインのいずれかに役の図柄の組合せが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役に入賞したと判定する。このとき、入賞判定部106は、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ラインに位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の入賞の有無を判定する。なお、リール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール31L、31C及び31Rが実際に停止してから入賞判定部107が図柄の組合せを判定するのではなく、リール制御部106によってテーブルを用いてリール群31の停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組合せを判別するようにしてもよい。
【0057】
(特別遊技制御部108)
特別遊技制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、特別役に入賞していた場合に、次遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間、特別遊技の制御を行う。例えば、特別遊技制御部108は、特別遊技中における役抽選部103の抽選結果に応じて、リール制御部106に特別遊技用のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。
【0058】
(払出制御部109)
払出制御部109は、入賞判定部107による判定の結果、入賞している役に応じたメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる。
【0059】
次に、サブ制御基板60の機能的な構成について説明する。図4は、サブ制御基板60の機能的な構成を示す機能ブロック図である。本実施形態においては、例えば、サブCPU61及びROM62内に記録されるプログラムから演出パターン選択部201が構成され、サブCPU61及びROM62内に記録されるプログラム、並びに、画像制御プロセッサ64及び画像データROM64内に記録されるプログラム等から演出制御部202が構成される。
【0060】
(演出パターン選択部201)
演出パターン選択部201は、遊技状態に応じて演出のパターンを選択する。具体的には、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50の役抽選部103からの信号を受けて、当選役等に応じた演出パターンを選択したり、メイン制御基板50の入賞判定部107及び特別役遊技制御部108からの信号を受けて、入賞役や遊技状態に応じた演出パターンを選択したりする。
【0061】
(演出制御部202)
演出制御部202は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに基づく演出の制御を行う。即ち、演出制御部202は、演出パターンに基づいて画像データROM65から三次元画像データを読み出し、それを二次元画像データに変換してメモリ66上に展開し、演出表示装置40上に表示させる。また、演出制御部202は音源回路67を制御することにより、音源回路67によって音信号が生成され、アンプ68によって増幅された後、スピーカ71から出力される。
【0062】
次に、演出制御部202の構成について詳細に説明する。図5は、演出制御部202の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
【0063】
演出制御部202は、画像制御部301、音制御部302、画像データ生成部304及び表示制御部305から構成される。また、画像データ生成部304には、描画処理部3041、座標変換部3042、交点座標算出部3043、判定処理部3044、調整部3047、オブジェクトデータ生成部3045及び変換部3046が機能構成として含まれる。
【0064】
(画像制御部301)
図5において、301は、画像制御部であり、演出パターン選択部201が選択した演出パターンに応じた画像データを生成するように画像データ生成部304に対して指示する。
【0065】
(音制御部302)
302は、音制御部であり、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに応じた音を発生するように音源回路67を制御する。
【0066】
(画像データ生成部304)
304は、画像データ生成部であり、画像制御部301の指示に応じて、画像データROM65から必要なオブジェクトの三次元画像データを読み出し、それを二次元画像データに変換してメモリ66上に展開する。
【0067】
(表示制御部305)
305は、表示制御部であり、メモリ66上に展開された画像データを演出表示装置40上に表示させるように制御する。
【0068】
(描画処理部3041)
3041は、描画処理部であり、演出パターン選択部201から「光学迷彩の演出パターン」が選択され、画像制御部301からその演出パターンに応じた画像データを生成するように指示された場合、例えば背景の画像データを後述するメモリ66内のテクスチャ領域に展開する。当該背景が映像表示装置40上で現在表示されている場合には、既に表示されている背景の画像データは二次元画像データであるため、そのデータをテクスチャ領域に展開すればよく、当該背景が新たに表示するものであれば、画像データROM65からその三次元画像データを読み込み、それを二次元画像データに変換してテクスチャ領域に展開すればよい。
【0069】
(座標変換部3042)
3042は、座標変換部であり、画像制御部301から「光学迷彩の演出パターン」に応じた画像データの生成が指示された場合、光学迷彩を行う対象となるオブジェクトデータを画像データROM65から読み出し、本来の三次元座標系(第1の三次元座標系)における光学迷彩用のオブジェクトデータを構成するポリゴンの各頂点座標を、視点を原点とする第2の三次元座標系の座標に変換する。なお、第1の三次元座標系は、仮想的な三次元空間内においてオブジェクトの配置位置等を定めるための座標系である。第2の三次元座標系は、光学迷彩用のオブジェクトデータを生成するための座標系であり、視点を原点とし、当該視点の視線方向をZ軸方向、例えば仮想的な三次元空間内における水平方向、鉛直方向を夫々、X軸方向、Y軸方向とする。
【0070】
(交点座標算出部3043)
3043は、交点座標算出部であり、座標変換部3042によって変換されたポリゴンの各頂点座標と視点とを結ぶ直線と、第2の三次元座標系内における視線方向上の所定の位置に配置され、メモリ66のテクスチャ領域での画像データの展開領域、即ち画像データの表示領域に対応する平面スクリーンとの交点座標を算出する。なお、平面スクリーンは、演出表示装置40上での表示領域を仮想的な三次元空間内で設定したものである。また、テクスチャ領域で画像データが展開された領域と平面スクリーンとのスケールは一致させる必要はなく、テクスチャ領域に展開された画像データに拡大や縮小処理を施すことにより実際の演出表示装置40上での表示スケールと整合性をとることができる。
【0071】
(判定処理部3044)
3044は、判定処理部であり、交点座標算出部3043によって算出された各交点座標から、視点からみて各ポリゴンが平面スクリーンの表示領域、即ちテクスチャ領域に展開された画像領域上のどの位置に該当するかを判定する。
【0072】
(調整部3047)
3047は、調整部であり、判定処理部3044によって判定された画像領域の位置を所定の方向に微少変化させる。
【0073】
(オブジェクトデータ生成部3045)
3045は、オブジェクトデータ生成部であり、調整部3047における調整後のテクスチャ領域上の夫々該当する位置の二次元画像データを光学迷彩用の各ポリゴンに対して割り当て、光学迷彩用のオブジェクトの三次元画像データを生成する。
【0074】
(変換部3046)
3046は、変換部であり、オブジェクトデータ生成部3045によって生成された三次元の光学迷彩用のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する。次に、図17に示すように、変換部3046は、判定処理部3045によって判定された光学迷彩用のオブジェクトの配置位置に該当するテクスチャ領域1701の範囲に当該二次元画像データを上書きした後、テクスチャ領域1701に描画された二次元画像データを読み出し、同じくメモリ66内のフレームバッファ領域1702に描画する。このフレームバッファ領域1702内に描画された二次元画像データが表示制御部305の制御に基づいて演出表示装置40上で表示されることになる。
【0075】
次に、上述のように構成された本実施形態に係るスロットマシン10の動作について説明する。図6は、メイン制御基板50による制御を示すフローチャートであり、図7は、サブ制御基板60による制御を示すフローチャートである。
【0076】
図6において、遊技者によってメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されると、制御部101は、スタートスイッチ41がオンになったことを検知し、役抽選部103は役の抽選処理を行う(ステップS101/YES、ステップS102)。一方、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されず、制御部101がスタートスイッチ41がオンとなったことを検知できなかった場合は、スタートスイッチ41がオンとなったことを検知するまでステップS101の処理を繰り返し実行する。
【0077】
ステップS102の役抽選処理においては、役抽選部103は、乱数を取得し、取得した乱数と抽選テーブルとを照らし合わせて役の抽選処理を行う。抽選の結果、何らかの役の当選があった場合、フラグ情報記憶部105内において当該役のフラグをオンにさせる。役抽選部103による抽選結果は、当選役情報としてI/F回路54を介してサブ制御基板60に送信される(ステップS103)。
【0078】
リール制御部106は、ストップスイッチ群42の何れか1個が操作されたか否かを判断する(ステップS104)。何れか1個のストップスイッチが操作されると(ステップS104/YES)、当選役が入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を停止させる(ステップS105)。なお、ステップS102の役抽選処理において何れの役にも当選していなかった場合は(ハズレに当選した場合)、リール制御部106は、ステップS105において何れの役にも当選しなかった場合に対応するリール制御を行う。
【0079】
続いて、リール制御部106は、全てのストップスイッチが操作され、全リールが停止したか否かを判断する(ステップS106)。全リールが未だ停止していない場合には(ステップS106/NO)、ステップS104におけるストップスイッチ操作の有無の検出処理からの処理を繰り返す。
【0080】
全てのリールが停止すると(ステップS106/YES)、入賞判定部107は、有効化された有効ライン上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞の有無を判断する(ステップS107)。この結果、何らかの入賞がある場合には(ステップS107/YES)、入賞した役に対応する入賞処理が実行される(ステップS108)。即ち、入賞役が特別役である場合、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間特別遊技を実行するための移行処理を特別役特別遊技制御部108が行う。一方、ステップS107において、何も入賞がないと判断された場合には(ステップS107/NO)、処理はステップS101に戻る。続いて、特別遊技制御部108は、特別役遊技中において、特別役であるビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームに応じた遊技状態を遊技者に提供するよう、リール制御部106に特別遊技中のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。ビックボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームの規定回数の遊技を終えると、通常遊技に移行する処理を行う。
【0081】
入賞役が特別役でない場合、フラグ情報記憶部105において特別役のフラグがオンの状態で記憶されていれば、フラグ情報記憶部105でのそのフラグの記憶状態は次遊技に持ち越される。
【0082】
また、入賞役がリプレイである場合、入賞判定部107は、制御部101に対して当該遊技でのベット(賭数)を次遊技に持ち越させる。一方、入賞役が特別役でもリプレイでもない場合には、払出制御部109が入賞役に応じた枚数のメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる。
【0083】
次に、本実施形態におけるサブ制御基板60の動作について図5、図7、図10乃至図12を用いて説明する。ここでは、演出パターン選択部201が「光学迷彩の演出パターン」を選択し、画像制御部301によって「光学迷彩の演出パターン」に応じた画像データの生成が指示された場合の画像データ生成部304の動作についてのみ説明するが、本実施形態のサブ制御基板60は、演出のための他の基本的な制御動作を行い得る構成を有している。
【0084】
描画処理部3041は、背景の画像データをメモリ66内のテクスチャ領域1701に二次元画像データで展開する(ステップS701)。
【0085】
続いて、座標変換部3042は、図10に示すように、光学迷彩用のオブジェクトデータ1001を画像データROM65から読み込んだ後、それを仮想的な三次元空間内における所定の位置に配置した場合の各ポリゴンの頂点座標(X,Y,Z)を求める。次に、座標変換部3042は、それらの頂点座標を視点を原点とする第2の三次元座標系内の座標(x,y,z)に変換する(ステップS702)。
【0086】
続いて、交点座標算出部3043は、変換後の各ポリゴンの頂点座標(x,y,z)と視点1003(第2の三次元座標系の原点)とを結ぶ直線と、平面スクリーン1002との交点座標(U,V)を算出する(ステップS703)。ここで使用する交点座標(U,V)は、平面スクリーン1002上での位置を表す二次元座標系の座標である。
【0087】
続いて、判定処理部3044は、交点座標算出部3043によって算出された各交点座標(U,V)から、視点1003からみて各ポリゴンが平面スクリーン1002上のどの位置に該当するかを判定する(ステップS704)。例えば、図11に示すように、ポリゴン1について4つの交点座標(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)が求められた場合、これらの4点で囲まれた領域(図11の斜線部分)が平面スクリーン1002上においてポリゴン1の該当する位置として判定される。
【0088】
続いて、調整部3047は、判定処理部3044によって判定された位置を所定の方向へ微少変化させる。図11に示す例では、U方向に位置を微少変化させている(ステップS705)。例えば、ポリゴン1については、(0.3−ΔU,0.25)、(0.6−ΔU,0.25)、(0.25−ΔU,0.35)、(0.55−ΔU,0.35)の位置(図11のドット部分)に変化する。
【0089】
続いて、オブジェクトデータ生成部3045は、調整部3047による調整後の位置に該当する平面スクリーン1002(テクスチャ領域1701)上の背景の二次元画像データを各ポリゴンに対して割り当て、光学迷彩用のオブジェクトの三次元画像データを生成する(ステップS706)。
【0090】
続いて、変換部3046は、オブジェクトデータ生成部3045によって生成された三次元の光学迷彩用のオブジェクトデータを二次元画像データに変換し(ステップS707)、図12に示すように、テクスチャ領域1701における光学迷彩用のオブジェクトの配置位置1201に上書きする(ステップS708)。
【0091】
次に、変換部3046は、テクスチャ領域1701に描画された二次元画像データを読み出し、フレームバッファ領域1702に描画する(ステップS709)。フレームバッファ領域1702に描画された画像データは、表示制御部305によって読み出され、演出表示装置40上で表示される。これにより、図12に示すテクスチャ領域1701内の描画内容と同じ画像が演出表示装置40で表示されることになる。なお、上述した処理は、ステップS710の判断処理によって他の演出パターンに応じた画像データの生成指示があったと判断されるまで繰り返される。
【0092】
上記のように、本実施形態においては、視点1003からみて光学迷彩用のオブジェクト1001の各ポリゴンがテクスチャ領域1701上に描画された背景の二次元画像データのどの位置に該当するかを判定し、それらの位置を微少変化させた位置の二次元画像データが各ポリゴンに対して割り当てることにより、三次元の光学迷彩用のオブジェクトデータを生成することを可能としている。このようにすることで、光学迷彩の演出を行うために光学迷彩用のオブジェクトデータを幾つか予め用意しておく必要がなくなり、光学迷彩用のオブジェクトを仮想的な三次元空間内のどの位置に配置しても、その奥の背景が透過したような画像がオブジェクト内に映し出され、演出の制限を受けることがなくなるとともに、メモリの大量消費を回避することが可能となる。
【0093】
また、本実施形態においては、光学迷彩用のオブジェクトデータを半透明化することによって、よりリアリティのある光学迷彩の演出を行うことが可能となる。
【0094】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、上述した実施形態における演出制御部202内の画像データ生成部304の構成と動作のみが異なるため、その構成についてのみ説明するものとし、他の構成等については説明を省略する。
【0095】
図8は、本発明の他の実施形態における演出制御装置202の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
【0096】
本実施形態における画像データ生成部804は、描画処理部8041、座標変換部8042、交点座標変換部8043、判定処理部8044、第1の変換部8048、オブジェクトデータ生成部8045及び第2の変換部8049が機能構成として含まれる。
【0097】
(描画処理部8041)
図8において、8041は、描画処理部であり、演出パターン選択部201から「鏡面効果演出パターン」が選択され、画像制御部301からその演出パターンに応じた画像データを生成することが指示された場合、第1の視点からみた背景の画像データを後述するメモリ66内の第1のテクスチャ領域に展開する。当該背景が映像表示装置40上で現在表示されている場合には、既に表示されている背景の画像データは二次元画像データであるため、そのデータを第1のテクスチャ領域に展開すればよく、当該背景が新たに表示するものであれば、画像データROM65からその三次元画像データを読み込み、それを二次元画像データに変換して第1のテクスチャ領域に展開すればよい。
【0098】
(座標変換部8042)
8042は、座標変換部であり、画像制御部301から「鏡面効果演出パターン」に応じた画像データの生成が指示された場合、鏡面効果を持たせる所定のオブジェクトデータ(以下、単に所定のオブジェクトデータと称す)を画像データROM65から読み出し、本来の三次元座標系(第1の三次元座標系)における所定のオブジェクトデータを構成する各ポリゴンの頂点座標を、第1の視点を原点とする第2の三次元座標系の座標に変換する。なお、ここでいう第1の三次元座標系及び第2の三次元座標系は、第1の実施形態で述べたものと同様である。
【0099】
(交点座標算出部8043)
8043は、交点座標算出部であり、座標変換部8042によって変換されたポリゴンの各頂点座標と第1の視点とを結ぶ直線と、第2の三次元座標系内における第1の視点の視線方向上の所定の位置に配置され、第1のテクスチャ領域での画像データの展開領域、即ち画像データの表示領域に対応する第1の平面スクリーンとの交点座標を算出する。なお、第1の平面スクリーンは、演出表示装置40上での表示領域を仮想的な三次元空間内で設定したものである。また、第1のテクスチャ領域で画像データが展開された領域と第1の平面スクリーンとのスケールは一致させる必要はなく、第1のテクスチャ領域に展開された画像データに拡大や縮小処理を施すことにより実際の演出表示装置40上での表示スケールと整合性をとることができる。
【0100】
(判定処理部8044)
8044は、判定処理部であり、交点座標算出部8043によって算出された各交点座標から、第1の視点からみて各ポリゴンが第1の平面スクリーンの表示領域、即ち第1のテクスチャ領域に展開された画像領域上のどの位置に該当するかを判定する。
【0101】
(第1の変換部8048)
8048は、第1の変換部であり、上記第1の視点からみて所定のオブジェクトの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを画像データROM65から読み出し、二次元画像データに変換する。変換された二次元画像データは、後述する第2のテクスチャ領域に記録される。なお、第2の視点からみた他の背景は、所定のオブジェクトに鏡面効果を持たせる上で、第2の視点から第1の視点の方向にみた場合の背景であることが好ましい。
【0102】
(オブジェクトデータ生成部8045)
8045は、オブジェクトデータ生成部であり、判定処理部8044により判定された第1のテクスチャ領域上の位置に対応する第2のテクスチャ領域の位置の二次元画像データを、該当するポリゴンに対して割り当て、所定のオブジェクトの三次元画像データを生成する。
【0103】
(第2の変換部8049)
8049は、第2の変換部であり、オブジェクトデータ生成部8045によって生成された三次元の所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する。次に、第2の変換部8049は、判定処理部8044によって判定された所定のオブジェクトデータの配置位置に該当する第1のテクスチャ領域の範囲に、当該二次元画像データを上書きする。続いて、第2の変換部8049は、第1のテクスチャ領域に描画した二次元画像データを読み出し、同じくメモリ66内のフレームバッファ領域に描画する。このフレームバッファ領域802内に描画された二次元画像データが表示制御部305の制御に基づいて演出表示装置40上で表示されることになる。
【0104】
次に、本実施形態におけるサブ制御基板60の動作について図8、図9、図13乃至図16及び図18を用いて説明する。ここでは、演出パターン選択部201が「鏡面効果演出パターン」を選択し、画像制御部301によって「鏡面効果演出パターン」に応じた画像データの生成が指示された場合の画像データ生成部304の動作についてのみ説明するが、本実施形態のサブ制御基板60は、演出のための基本的な制御動作を行い得る構成を有している。
【0105】
描画処理部8041は、第1の視点からみた背景の画像データをメモリ66内の第1のテクスチャ領域に二次元画像データで展開する(ステップS901)。なお、図18に示すように、第1のテクスチャ領域1801aとは、メモリ66のテクスチャ領域1801内における所定の部分領域である。
【0106】
続いて、座標変換部8042は、図13に示すように、所定のオブジェクトデータ1301を画像データROM65から読み込んだ後、それを仮想的な三次元空間内における所定の位置に配置した場合の各ポリゴンの頂点座標(X,Y,Z)を求める。次に、座標変換部8042は、それらの頂点座標を第1の視点1303を原点とする第2の三次元座標系内の座標(x,y,z)に変換する(ステップS902)。
【0107】
続いて、交点座標算出部8043は、変換後の各ポリゴンの頂点座標(x,y,z)と第1の視点(第2の三次元座標系の原点)1303とを結ぶ直線と、第1の平面スクリーン1302との交点座標(U,V)を算出する(ステップS903)。ここで使用する交点座標(U,V)は、第1の平面スクリーン1302上での位置を表す二次元座標系の座標である。
【0108】
続いて、判定処理部8044は、交点座標算出部8043によって算出された各交点座標(U,V)から、第1の視点1303からみて各ポリゴンが第1の平面スクリーン1302上のどの位置に該当するかを判定する(ステップS904)。例えば、図14に示すように、ポリゴン1について4つの交点座標(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)が求められた場合、これらの4点が囲まれた領域(図14の斜線部分)が第1の平面スクリーン1302上、即ち第1のテクスチャ領域1801a上におけるポリゴン1の該当する位置として判定される。
【0109】
続いて、第1の変換部8048は、第1の視点1303からみて所定のオブジェクト1301の奥の位置に配置される第2の視点1304からみた他の背景の三次元画像データを画像データROM65から読み出し、二次元画像データに変換する(ステップS905、S906)。そして、図15に示すように、第1の変換部8048は変換した二次元画像データを第2のテクスチャ領域1801bに記録する(ステップS907)。
【0110】
なお、第2のテクスチャ領域1801bとは、図18に示すように、メモリ66のテクスチャ領域1801内における第1のテクスチャ領域1801aとは異なる所定の部分領域であり、図13の1305に示す第2の平面スクリーン1305の表示領域に対応するものである。第2の平面スクリーン1305は、第2の視点1304からみた場合における映像表示装置40上の表示領域を仮想的な三次元空間内に設定したものである。また、本実施形態においては、第1のテクスチャ領域1801aと第2のテクスチャ領域1801bとのスケールを一致させているが、一方に記録される画像データを拡大又は縮小して他方のスケールに合わせるようにすれば、必ずしも互いのスケールを一致させる必要はない。
【0111】
続いて、オブジェクトデータ生成部8045は、判定処理部8044により判定された第1のテクスチャ領域1801a上の位置に対応する第2のテクスチャ領域1801bの位置の二次元画像データを、該当するポリゴンに対して割り当てる。例えば、上述したポリゴン1については、判定処理部8044によって第1のテクスチャ領域1801a上の座標系において(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)に囲まれた領域がポリゴン1に該当すると判断されているため、図15に示すように、その領域に対応する、第2のテクスチャ領域1801b上の座標系において同じく(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)に囲まれた領域内の二次元画像データがポリゴン1に対して割り当てられる。このように所定のオブジェクトを構成する全ポリゴンに第2のテクスチャ領域1801b内の二次元画像データを割り当てることにより、所定のオブジェクトの三次元画像データを生成する(ステップS908)。
【0112】
続いて、第2の変換部8049は、オブジェクトデータ生成部8045によって生成された三次元の所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換し、図16に示すように、第1のテクスチャ領域における所定のオブジェクトの配置位置1601に上書きする(ステップS909、S910)。
【0113】
次に、第2の変換部8049は、第1のテクスチャ領域に描画された二次元画像データを読み出し、フレームバッファ領域(図18の1802)に描画する(ステップS911)。フレームバッファ領域1802に描画された画像データは、表示制御部305によって読み出され、演出表示装置40上で表示される。これにより、第1のテクスチャ領域1801a内の描画内容と同じ画像が演出表示装置40で表示されることになる。なお、上述した処理は、ステップS912の判断処理によって他の演出パターンに応じた画像データの生成指示があったと判断されるまで繰り返される。
【0114】
上記のように、本実施形態においては、例えば第2の視点1304から第1の視点1303の方向にみた背景の二次元画像データを用いて、所定のオブジェクト1301の三次元画像データを生成するように構成しているので、第1の視点からみた映像、即ち映像表示装置40上で表示される画像上では、視覚的に所定のオブジェクト1301表面に反射像が映っているようにみえ、所定のオブジェクト1301に対していわゆる鏡面効果を与えることが可能となる。
【0115】
また、本実施形態では、鏡面効果の演出を行うために反射像を所定のオブジェクト1301に貼り付けたものを予め用意しておく必要がないために、任意の反射像が所定のオブジェクト1301表面に映すことが可能となる。つまり、所定のオブジェクト1301を仮想的な三次元空間内のどの位置に配置しても、その位置に対応する反射像が所定のオブジェクト1301内に映し出され、演出の制限を受けることがなくなるとともに、メモリの大量消費を回避することが可能となる。
【0116】
また、本実施形態では、所定のオブジェクト1301を構成する各ポリゴンの属性情報に含まれる法線情報を解析し、その解析結果に基づいて各ポリゴンに対して割り当てる二次元画像データを選択することにより、よりリアリティのある鏡面効果演出を行うことが可能となる。例えば、図14の例を挙げて説明すると、ポリゴン1の法線情報が、第1の視点1301から第2の視点1304に向かってポリゴン1が上側を向いていることを示している場合、第1のテクスチャ領域上において(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)に囲まれた範囲がポリゴン1に該当すると判定された場合、上側への傾きを加味したΔVを求め、第2のテクスチャ領域内の(0.3,0.25+ΔV)、(0.6,0.25+ΔV)、(0.25,0.35+ΔV)、(0.55,0.35+ΔV)に囲まれた範囲の二次元画像データをポリゴン1に対して割り当てると、ポリゴンの傾きによる光学的な反射角度も採り入れた鏡面効果演出を行うことができ、よりリアリティのある演出が可能となる。
【0117】
なお、上述した画像処理方法は、スロットマシン以外にもパチンコ機等の遊技機にも適用可能である。
【0118】
上記実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段は、プログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体やプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体であってもよい。以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】メイン制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図4】サブ制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図5】演出制御部の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
【図6】メイン制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図7】サブ制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図8】他の実施形態におけるサブ制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図9】他の実施形態におけるサブ制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図10】光学迷彩用のオブジェクト、平面スクリーン及び視点等の仮想的な三次元空間内における配置関係を概略的に示す図である。
【図11】テクスチャ領域上での各ポリゴンの該当する位置を微少移動させる様子を示す図である。
【図12】最終的にテクスチャ領域に描画される画像データを示す図である。
【図13】鏡面効果用オブジェクト、第1及び第2の視点並びに第1及び第2の平面スクリーン等の仮想的な三次元空間内における配置関係を概略的に示す図である。
【図14】第1のテクスチャ領域上での画像データの描画例を示す図である。
【図15】第2のテクスチャ領域上での画像データの描画例を示す図である。
【図16】最終的に第1のテクスチャ領域上に描画される画像データを示す図である。
【図17】メモリ内の構成を示す図である。
【図18】第1及び第2のテクスチャ領域を含むメモリ内の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
10:スロットマシン
11:リール基板
12:中央表示基板
13:電源装置基板
21:表示窓
22a、22b、22c:有効ライン
23:メダル投入口
31L、31C、31R:リール
40:映像表示装置
41:スタートスイッチ
42L、42C、42R:ストップスイッチ
43a、43b:ベットスイッチ
50:メイン制御基板
51:メインCPU
52、62:ROM
53、63:RAM
54、69:I/F回路
60:サブ制御基板
66:メモリ
67:音源回路
68:アンプ
71:スピーカ
101:制御部
102:抽選テーブル
103:役抽選部
105:フラグ情報記憶部
106:リール制御部
107:入賞判定部
108:特別遊技制御部
109:払出制御部
201:演出パターン選択部
202:演出制御部
301:画像制御部
302:音制御部
304:画像データ生成部
305:表示制御部
3041、8041:描画処理部
3042、8042:座標変換部
3043、8043:交点座標算出部
3044、8044:判定処理部
3045、8045:オブジェクトデータ生成部
3046:変換部
8048:第1の変換部
8049:第2の変換部
1001:光学迷彩用のオブジェクト
1002:平面スクリーン
1003:視点
1301:鏡面効果用のオブジェクト
1302:第1の平面スクリーン
1303:第1の視点
1304:第2の視点
1305:第2の平面スクリーン
1701、1801:テクスチャ領域
1702、1802:フレームバッファ領域
1801a:第1のテクスチャ領域
1801b:第2のテクスチャ領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン等の遊技機に適用可能な画像演出のための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のスロットマシン等の遊技機においては、複数のポリゴンで構成される三次元画像のオブジェクトを仮想的な三次元空間内に配置する等の画像演出を行い、二次元画像よりも更にリアリティのある演出が利用されていく傾向にある(例えば、特許文献1参照)。このような三次元画像は、画像処理装置においてリアルタイムで算出されて表示画面上に表示されるものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001−112985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような三次元画像を用いた画像演出技術において、或るオブジェクトを視覚的に透明化し、光学的にカモフラージュする、いわゆる光学迷彩演出や、オブジェクトの表面が鏡面の如く反射像を映しだす、いわゆる鏡面効果演出等、光学的な要素を含めた演出技術が採用できれば演出のバリエーションを更に増やし、遊技者の興味をより一層惹くことができる。
【0005】
ここで、上記のような光学的な画像演出を行うために、オブジェクトの奥に存在する画像や反射像となる画像等をオブジェクトの表面に貼り付けたものを予め用意しておく方法が考えられる。しかしながら、このような手法では、予め用意した分しか光学的な演出ができないといった制限や、その制限を増やすためにはメモリ資源を大幅に消費するといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像処理装置の第1の態様は、リアルタイムで動画像を表示するための画像処理を行う画像処理装置であって、背景の二次元画像データをメモリに描画する描画手段と、視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定する判定手段と、前記判定手段により判定された前記所定のオブジェクトデータに該当する前記背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させる調整手段と、前記調整手段により微少変化された位置に該当する前記背景の二次元画像データを用いて、前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成手段と、前記オブジェクトデータ生成手段により生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する変換手段と、前記背景の二次元画像データとともに、前記変換手段により二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
上記のように、本発明においては、所定のオブジェクトデータが背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定し、判定した位置を所定の方向へ微少変化させた位置に該当する背景の二次元画像データを用いて、所定のオブジェクトデータを生成するように構成したので、当該所定のオブジェクトデータの表面には背景画像が張り付けられ、視覚的にオブジェクトが透明化したような、いわゆる光学迷彩演出を行うことが可能となる。また、本発明においては、光学迷彩の演出を行うために背景画像をオブジェクトに貼り付けたものを予め用意しておく必要がないために、例えば任意の背景が透過して見える光学迷彩の演出を行うことが可能となり、演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことができる。
【0009】
本発明の画像処理装置の第1の態様は、仮想的な三次元空間内における前記所定のオブジェクトデータの各頂点座標を、前記視点を原点とする三次元座標系内の座標に変換する座標変換手段と、前記座標変換手段により変換された前記各頂点座標と前記視点とを結ぶ直線と、前記三次元空間内において所定の位置に配置され、前記メモリ上における描画内容の表示領域に対応する平面スクリーンとの交点座標を算出する交点座標算出手段とを更に有し、前記判定手段は、前記交点座標算出手段により算出された前記交点座標に基づいて、前記所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定することを特徴とする。
【0010】
上記のように、各ポリゴンがメモリ上に描画される二次元画像データの何れの位置に該当するかを判断する際には、仮想的な三次元空間内における各ポリゴンの各頂点座標を視点を原点とする三次元座標系内の座標に変換し、その変換された各頂点座標と視点とを結ぶ直線と平面スクリーンとの交点座標を求めることが好ましい。
【0011】
本発明の画像処理装置の第1の態様においては、前記オブジェクトデータ生成手段は、半透明な前記オブジェクトデータを生成することを特徴とする。
【0012】
上記のように、透明迷彩を施すオブジェクトデータを半透明とすることでよりリアリティのある演出を行うことが可能となる。
【0013】
本発明の画像処理装置の第2の態様は、リアルタイムで動画像を表示するための画像処理を行う画像処理装置であって、第1の背景からみた背景の二次元画像データをメモリに描画する描画手段と、前記第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換する第1の変換手段と、前記他の背景の二次元画像データを用いて前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成手段と、前記オブジェクトデータ生成手段により生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する第2の変換手段と、前記背景の二次元画像データとともに、前記第2の変換手段により二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
上記のように、本発明においては、第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換し、その他の背景の二次元画像データを用いて所定のオブジェクトデータを生成するように構成したので、当該所定のオブジェクトデータの表面には、第2の視点からみた他の背景が張り付けられ、第1の視点からみて視覚的にオブジェクト表面に反射像が映っているようにみえ、いわゆる鏡面効果演出を行うことが可能となる。また、本発明においては、鏡面効果の演出を行うために反射像をオブジェクトに貼り付けたものを予め用意しておく必要がないために、例えば任意の反射像がオブジェクト表面に映る鏡面効果演出を行うことが可能となり、演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことができる。
【0015】
本発明の画像処理装置の第2の態様においては、前記他の背景は、前記第2の視点から前記第1の視点の方向へみた背景であることを特徴とする。
【0016】
上記のように、本発明においては、第2の視点から第1の視点の方向へみた背景の二次元画像データをオブジェクトデータの生成に利用することにより、オブジェクト表面に映し出される画像を鏡面の反射像らしくすることが可能となる。
【0017】
本発明の画像処理装置の第2の態様は、前記所定のオブジェクトデータを構成する各ポリゴンの法線情報を解析する法線情報解析手段を更に有し、前記オブジェクトデータ生成手段は、前記法線情報解析手段による解析結果に基づいて、前記ポリゴンに割り当てる前記他の背景の二次元画像データを前記ポリゴン毎に選択することを特徴とする。
【0018】
上記のように、本発明においては、ポリゴンの向きを示す法線情報を解析して、ポリゴンに割り当てる他の背景の二次元画像データを選択するように構成したので、ポリゴンの向きを考慮した二次元画像データを選択することが可能となり、よりリアリティのある演出を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、演出の制限を受けず、且つメモリの大量消費を回避しつつ光学的な演出を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン(遊技機)の外観を示す正面図である。なお、以下の説明において、「遊技」とはメダルの投入からストップスイッチの操作を経た次のメダルの投入前までの一連の動作をいう。
【0021】
(スロットマシン10)
本実施形態に係るスロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられ、このフロントパネル20には、透明な表示窓21が設けられている。一方、筐体内部であって表示窓21の後方には、3つのリール(回胴)が配置されている。遊技者から見て左側から、左リール31L、中リール31C、右リール31Rが配置されている。リール31L、31C及び31Rはリング状体であり、その外周面には複数の入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが貼られている。1つのリールには、例えば21個の複数種類の図柄が等間隔で配列されている。但し、図柄の配列はリールごとに異なっている。そして、表示窓21内から、リール31L、31C及び31Rの上下方向で連続する3つの図柄が見えるようになっている。
【0022】
また、リール31L、31C及び31Rの中心部には、ステッピングモータ(図示せず)が連結されており、このステッピングモータの駆動によってリール31L、31C及び31Rが回転する。従って、遊技者の立場からすると、リール31L、31C及び31Rの図柄が表示窓21内で上下に移動しているように見える。更に、リール31L、31C及び31Rの内側には、バックランプ(図示せず)が設けられている。バックランプはリールごとに3個ずつ配置されており、リールが停止した時に表示窓21から見える総計で9個の図柄の夫々に対応するようにして、リール31L、31C及び31Rの内側に配置されている。また、リール31L、31C及び31Rは透光性を有する材料から形成されており、バックランプの点灯によりリール31L、31C及び31Rに付された図柄が照光されるように構成されている。
【0023】
フロントパネル20の表示窓21を含む部分には、有効ライン22a、22b及び22cからなる有効ライン群22が設定されている。有効ライン群22は、水平方向の中段の有効ライン22aと、水平方向の上段及び下段の2本の有効ライン22bと、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本の有効ライン22cとから構成されている。そして、リール31L、31C及び31Rに付された図柄は、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、表示窓21から見える9個の図柄が全てこれらの有効ライン群22上に位置するような間隔で配置されている。
【0024】
フロントパネル20の右下側にはメダル投入口23が設けられており、ここから遊技者によってメダルが投入されると、投入されたメダル枚数に応じて有効ライン22a、22b及び22cの1ライン乃至5ラインが有効になり、有効ラインランプ24が点灯する。投入されたメダルが1枚のときは1つの有効ライン22aが有効になり、2枚のときは水平方向の3つの有効ライン22a及び22bが有効になり、3枚のときはさらに加えて斜め方向の2つの有効ライン22cを含む総計で5つの有効ライン22a〜22cが有効になる。この制御は、後述のメインCPU51(図2参照)により行われる。例えば3枚のメダルが投入されている場合には、リール31L、31C及び31Rが停止した時に、少なくとも1つの有効ライン22a〜22cに特定の図柄の組み合わせが停止していれば、その組み合わせに応じた役に入賞したこととなる。
【0025】
更に、フロントパネル20の表示窓21の下方には、クレジット数表示部25、ゲーム数表示部26及び払い出し数表示部27が設けられている。クレジット数表示部25には、クレジットされているメダルの枚数が表示される。ゲーム数表示部26には、特別遊技等において、所定の遊技の残り数や既に行った遊技の数等が表示される。払い出し数表示部27には、メダルが払い出される際に、その枚数が表示される。
【0026】
フロントパネル20の表示窓21の上側には、カラー画像を表示する液晶表示パネル等の演出表示装置40が遊技者に対して目視可能に設けられている。演出表示装置40は、遊技中の演出を行うときに各種の画像を表示する。また、筐体の前面部には、遊技者が遊技を進行する上で操作する各種の操作スイッチが設けられている。例えば、本実施形態では、スタートスイッチ41、ストップスイッチ群42及びベットスイッチ群43が設けられている。更に、演出表示装置40の左右及びフロントパネル20の下部(メダル払い出し口の近傍)にスピーカ71が設けられている。
【0027】
スタートスイッチ41は、リール31L、31C及び31Rの回転をスタートさせるときに遊技者が操作するスイッチ、例えばレバーである。ストップスイッチ群42は、左リール31Lを停止させるときに操作する左ストップスイッチ42Lと、中リール31Cを停止させるときに操作する中ストップスイッチ42Cと、右リール31Rを停止させるときに操作する右ストップスイッチ42Rとから構成されている。これらのストップスイッチ42L、42C及び42Rは、例えばボタンとして並設されている。ベットスイッチ群43は、遊技者がクレジット内のメダルを投入する際にベット枚数(賭数)を指定するスイッチ群であり、1ベット・2ベットスイッチ43a及びMAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43bから構成されている。これらのベットスイッチ43a及び43bも、例えばボタンとして配置されている。1ベット・2ベットスイッチ43aが操作される度に、ベット枚数が1枚と2枚との間で切り替えられ、MAXベットスイッチ43bが操作されると、ベット枚数が3枚となる。ベットスイッチ43a及び43bの上方には、クレジット数表示部28が設けられており、ベットスイッチ43a及び43bの操作やメダル投入口23からのメダルの投入に応じて、クレジット数表示部28にメダルの投入枚数が表示される。
【0028】
詳細は後述するが、通常ゲームでは、遊技者がメダル投入口23からメダルを投入するか、ベットスイッチ群43を操作すると、有効ライン22a〜22cがベット枚数に応じて有効化される。更に、遊技者がスタートスイッチ41を操作すると、役の抽選が行われると共に、リール31L、31C及び31Rが回転し始める。そして、遊技者がストップスイッチ42L、42C及び42Rを操作すると、操作されたボタンに応じてリール31L、31C及び31Rの回転が停止し、有効化されている有効ライン上に並んだ図柄の組み合わせが予め定められた何らかの役の図柄の組み合わせと一致するときは入賞となり、その入賞役に応じたメダルの払い出し等が行われる。但し、リール31L、31C及び31Rの回転の停止に際しては、役の抽選結果に基づいた制御が行われる。
【0029】
また、遊技(ゲーム)中には、種々の演出、例えばバックランプの点灯、演出表示装置40を用いた画像表示及びスピーカ71からの音声の出力等が行われる。更に、このような演出として、役の当選可能性の告知演出が行われることもある。
【0030】
次に、スロットマシン10の内部構成等のシステム構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシン10のシステム構成を示すブロック図である。スロットマシン10の筐体内部には、メイン制御基板50、並びにこのメイン制御基板50に接続されたサブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13が配置されている。
【0031】
(メイン制御基板50)
メイン制御基板50には、メインCPU51、ROM52、RAM53及びインタフェース回路(I/F回路)54が設けられており、これらはバス55を介して互いに接続されている。
【0032】
メインCPU51は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、メインCPU51は、ROM52に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、これらに基づいてスロットマシン10全体の制御を行う。
【0033】
ROM52には、メインCPU51に、後述の図6に示す処理及びその他の遊技の制御に必要なプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM53は、メインCPU51が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
【0034】
I/F回路54は、メイン制御基板50と、サブ制御基板60、リール基板11、中央表示基板12及び電源装置基板13との間で行われる信号の送受信の際に、タイミングの制御等を行う。但し、メイン制御基板50とサブ制御基板60との間では、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。
【0035】
(サブ制御基板60)
サブ制御基板60には、サブCPU61、ROM62、RAM63、画像制御プロセッサ64、画像データROM65、メモリ66、音源回路67、アンプ68及びインタフェース回路(I/F回路)69が設けられている。サブCPU61、ROM62、制御用RAM63、画像制御プロセッサ64、音源回路67及びI/F回路69はバス70を介して互いに接続されている。また、画像データROM65及びメモリ66は画像制御プロセッサ64に接続され、アンプ68は音源回路67に接続されている。
【0036】
サブCPU61は、プログラムを構成する命令の読み出し(フェッチ)、解釈(デコード)及び実行を行う。そして、サブCPU61は、ROM62に記憶されているプログラム及びデータ等を読み出し、サブ制御基板60全体の制御、特に遊技者に対する演出の制御を行う。なお、サブCPU61の処理能力や開発言語等には、何らの制約もない。
【0037】
ROM62には、サブCPU61に、後述の図7又は図9に示す処理及びその他の遊技中の演出に必要なプログラム及びデータ等が記憶されている。また、RAM63は、サブCPU61が各種の制御を行う時に用いられ、データ等を一時的に記憶する。
【0038】
これらのサブCPU61、ROM62及びRAM63は、夫々メイン制御基板50に設けられたメインCPU51、ROM52及びRAM53と同様の機能を有するものである。なお、ROM62及びRAM63は、夫々ROM52及びRAM53と同一のものを用いても良いが、これらよりも容量の大きいものを用いても良い。
【0039】
上述の演出表示装置40は画像制御プロセッサ64に接続されている。画像データROM65には、演出表示装置40に表示されるオブジェクト及び背景等の画像データが記憶されている。また、メモリ66は、画像制御プロセッサ64が演出表示装置40に表示しようとする画像を作成する時に用いられ、画像データROM65から読み出したデータ等に基づき表示すべき画像データがメモリ66に展開される。
【0040】
更に、本実施形態には、演出用周辺機器として、演出表示装置40の他にスピーカ71、上述のバックランプ等が設けられている。スピーカ71はアンプ68に接続されている。これらの演出用周辺機器は、遊技中の演出(役の当選可能性の告知演出等)の出力を行うものであり、サブ制御基板60にのみ接続されており、メイン制御基板50には接続されていない。
【0041】
I/F回路69は、メイン制御基板50からの信号の受信の際に、タイミングの制御等を行う。なお、上述のように、メイン制御基板50からサブ制御基板60への信号の送信は行われるが、サブ制御基板60からメイン制御基板50への信号の送信は行われない。即ち、一方向の送信のみが可能となっている。
【0042】
(リール基板11)
リール基板11には、左リール31L、中リール31C及び右リール31Rを駆動するためのステッピングモータ(図示せず)が接続されている。これらのリール31L、31C及び31Rの動作の制御は、リール基板11を介してメインCPU51によって行われる。
【0043】
(中央表示基板12)
中央表示基板12は、例えばフロントパネル20の裏側の中央部に取り付けられる。中央表示基板12には、セレクタ81、1ベット・2ベットスイッチ43a、MAXベットスイッチ(3ベットスイッチ)43b、スタートスイッチ(レバー)41、左ストップスイッチ(ボタン)42L、中ストップスイッチ(ボタン)42C、右ストップスイッチ(ボタン)42R、設定表示部82及び設定変更スイッチ83が接続されている。
【0044】
セレクタ81は、メダル投入口23から投入されたメダルが正規のものであるか識別し、不正なメダルを排除する。設定表示部82は、フロントパネル20の裏側から見えるように配置されており、確率や払い出しに関する設定(例えば、設定1〜設定6)等が表示される。設定変更スイッチ83は、確率や払い出しに関する設定等を変更する際に操作されるスイッチである。
【0045】
(電源装置基板13)
電源装置基板13には、設定変更有効化スイッチ91、電源スイッチ92、ホッパ装置93及び電源装置94が接続されている。設定変更有効化スイッチ91は、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更を可能な状態にする際に操作するスイッチである。即ち、設定変更有効化スイッチ91がオンの状態になっているときに限り、設定変更スイッチ83を用いた設定の変更が可能になる。電源スイッチ92は、電源装置94のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。ホッパ装置93は、メダルの貯蔵及び払い出しを行う装置であり、電源装置基板13を介したメインCPU51からの指示に基づいて、予め貯蔵しておいたメダルから所定枚数のメダルを遊技者に払い出す。
【0046】
次に、メイン制御基板50の機能的な構成について説明する。図3は、メイン制御基板50の機能的な構成を示す機能ブロック図である。本実施形態においては、例えばメインCPU51及びROM52内に記録されるプログラムから、以下の各部101、103、106、107、108及び109が構成され、例えばRAM53に、以下のフラグ情報記憶部105が備えられ、例えばROM52に、以下の抽選テーブル102のデータが記憶されている。
【0047】
(役抽選部103)
役抽選部103は、役(特別役、小役、リプレイ等)の抽選を行う。ここで、特別役とは、通常遊技とは異なる遊技であって遊技者に有利な複数回の特別遊技に移行させるための役である。小役とは、その小役の種類に応じて枚数のメダルを遊技者に払い出す役である。リプレイとは、前の遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技を行う権利を遊技者に与える役である。
【0048】
また、役抽選部103は、遊技毎に、内部で乱数を発生させた後に一の乱数を取得し、ROM52に記憶されている抽選テーブル102を参照し、取得した乱数が属する領域に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する。
【0049】
即ち、役抽選部103は、例えば所定の領域(10進法で0〜65535)の乱数を発生させ、例えばスタートスイッチ41が操作されたとき等、所定の条件が満たされたときに一の乱数値を取得する。抽選テーブル102には、役抽選部103が取得可能な乱数値に対して、特別役当選領域、小役当選領域、リプレイ当選領域、及び非当選(ハズレ)領域等が、所定の割合で設定されている。
【0050】
そして、役抽選部103は、取得した乱数値を抽選テーブル102と照らし合わせることにより、その乱数値が属する領域を判定し、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が特別役当選領域に属する場合には、特別役の当選と決定し、非当選領域に属する場合は、ハズレと判定する。そして、何らかの役が当選した場合には、その役に対するフラグをオンにする。
【0051】
(制御部101)
制御部101は、役抽選部103や、後述のリール制御部106及び入賞判定部107等の動作タイミングを制御する。例えば、制御部101は、スタートスイッチ41が操作されたことを条件として、役抽選部103に役の抽選を行わせると共に、リール制御部106にリール群31の回転を開始させ、また、ストップスイッチ群42が操作されたことを条件として、リール制御部106にリール群31の停止制御を行わせ、更に、リール群31が停止したことを条件として、入賞判定部107に入賞判定を行わせる。なお、制御部101の動作はこれらに限定されるものではない。
【0052】
(フラグ情報記憶部105)
フラグ情報記憶部105は、役抽選部103の抽選結果によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。
【0053】
(リール制御部106)
リール制御部106は、制御部101からの指示に基づいて、リール群31(リール31L、31C及び31R)の回転及び停止の制御を行う。より詳細には、リール制御部106は、遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選部103による抽選の結果、並びにストップスイッチ群42(ストップスイッチ42L、42C及び42R)が操作されたタイミング等に基づいて、リール31L、31C及び31Rの停止位置を決定すると共に、ステッピングモータの駆動を制御して、その決定した位置でリール31L、31C及び31Rの回転を停止させる。
【0054】
例えば、役抽選部103による抽選の結果、いずれの役にも当選していないときは、有効になっている有効ライン上にどの役の図柄の組合せも停止しないように、各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定める。一方、何らかの役に当選している場合には、有効になっている有効ライン上に当選した役の図柄の組合せが停止するように、各リール31L、31C及び31Rの停止位置を定める。
【0055】
特に、当該遊技で特別役に当選している場合には、有効になっている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止するように、リール31L、31C及び31Rの停止制御の範囲内(例えば、4図柄以内)でできる限り特別役に係る図柄が揃うような引き込み制御を行う。但し、特別役が当選している場合であっても、小役やリプレイに当選したときには、有効化されている有効ライン上に特別役の図柄の組合せが停止しないように、リール31L、31C及び31Rの停止位置を定める。なお、このようなリール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
【0056】
(入賞判定部107)
入賞判定部107は、有効ライン群22のうち、有効になっている有効ラインのいずれかに役の図柄の組合せが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役に入賞したと判定する。このとき、入賞判定部106は、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ラインに位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の入賞の有無を判定する。なお、リール31L、31C及び31Rを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール31L、31C及び31Rが実際に停止してから入賞判定部107が図柄の組合せを判定するのではなく、リール制御部106によってテーブルを用いてリール群31の停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組合せを判別するようにしてもよい。
【0057】
(特別遊技制御部108)
特別遊技制御部108は、入賞判定部107による判定の結果、特別役に入賞していた場合に、次遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間、特別遊技の制御を行う。例えば、特別遊技制御部108は、特別遊技中における役抽選部103の抽選結果に応じて、リール制御部106に特別遊技用のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。
【0058】
(払出制御部109)
払出制御部109は、入賞判定部107による判定の結果、入賞している役に応じたメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる。
【0059】
次に、サブ制御基板60の機能的な構成について説明する。図4は、サブ制御基板60の機能的な構成を示す機能ブロック図である。本実施形態においては、例えば、サブCPU61及びROM62内に記録されるプログラムから演出パターン選択部201が構成され、サブCPU61及びROM62内に記録されるプログラム、並びに、画像制御プロセッサ64及び画像データROM64内に記録されるプログラム等から演出制御部202が構成される。
【0060】
(演出パターン選択部201)
演出パターン選択部201は、遊技状態に応じて演出のパターンを選択する。具体的には、演出パターン選択部201は、メイン制御基板50の役抽選部103からの信号を受けて、当選役等に応じた演出パターンを選択したり、メイン制御基板50の入賞判定部107及び特別役遊技制御部108からの信号を受けて、入賞役や遊技状態に応じた演出パターンを選択したりする。
【0061】
(演出制御部202)
演出制御部202は、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに基づく演出の制御を行う。即ち、演出制御部202は、演出パターンに基づいて画像データROM65から三次元画像データを読み出し、それを二次元画像データに変換してメモリ66上に展開し、演出表示装置40上に表示させる。また、演出制御部202は音源回路67を制御することにより、音源回路67によって音信号が生成され、アンプ68によって増幅された後、スピーカ71から出力される。
【0062】
次に、演出制御部202の構成について詳細に説明する。図5は、演出制御部202の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
【0063】
演出制御部202は、画像制御部301、音制御部302、画像データ生成部304及び表示制御部305から構成される。また、画像データ生成部304には、描画処理部3041、座標変換部3042、交点座標算出部3043、判定処理部3044、調整部3047、オブジェクトデータ生成部3045及び変換部3046が機能構成として含まれる。
【0064】
(画像制御部301)
図5において、301は、画像制御部であり、演出パターン選択部201が選択した演出パターンに応じた画像データを生成するように画像データ生成部304に対して指示する。
【0065】
(音制御部302)
302は、音制御部であり、演出パターン選択部201によって選択された演出パターンに応じた音を発生するように音源回路67を制御する。
【0066】
(画像データ生成部304)
304は、画像データ生成部であり、画像制御部301の指示に応じて、画像データROM65から必要なオブジェクトの三次元画像データを読み出し、それを二次元画像データに変換してメモリ66上に展開する。
【0067】
(表示制御部305)
305は、表示制御部であり、メモリ66上に展開された画像データを演出表示装置40上に表示させるように制御する。
【0068】
(描画処理部3041)
3041は、描画処理部であり、演出パターン選択部201から「光学迷彩の演出パターン」が選択され、画像制御部301からその演出パターンに応じた画像データを生成するように指示された場合、例えば背景の画像データを後述するメモリ66内のテクスチャ領域に展開する。当該背景が映像表示装置40上で現在表示されている場合には、既に表示されている背景の画像データは二次元画像データであるため、そのデータをテクスチャ領域に展開すればよく、当該背景が新たに表示するものであれば、画像データROM65からその三次元画像データを読み込み、それを二次元画像データに変換してテクスチャ領域に展開すればよい。
【0069】
(座標変換部3042)
3042は、座標変換部であり、画像制御部301から「光学迷彩の演出パターン」に応じた画像データの生成が指示された場合、光学迷彩を行う対象となるオブジェクトデータを画像データROM65から読み出し、本来の三次元座標系(第1の三次元座標系)における光学迷彩用のオブジェクトデータを構成するポリゴンの各頂点座標を、視点を原点とする第2の三次元座標系の座標に変換する。なお、第1の三次元座標系は、仮想的な三次元空間内においてオブジェクトの配置位置等を定めるための座標系である。第2の三次元座標系は、光学迷彩用のオブジェクトデータを生成するための座標系であり、視点を原点とし、当該視点の視線方向をZ軸方向、例えば仮想的な三次元空間内における水平方向、鉛直方向を夫々、X軸方向、Y軸方向とする。
【0070】
(交点座標算出部3043)
3043は、交点座標算出部であり、座標変換部3042によって変換されたポリゴンの各頂点座標と視点とを結ぶ直線と、第2の三次元座標系内における視線方向上の所定の位置に配置され、メモリ66のテクスチャ領域での画像データの展開領域、即ち画像データの表示領域に対応する平面スクリーンとの交点座標を算出する。なお、平面スクリーンは、演出表示装置40上での表示領域を仮想的な三次元空間内で設定したものである。また、テクスチャ領域で画像データが展開された領域と平面スクリーンとのスケールは一致させる必要はなく、テクスチャ領域に展開された画像データに拡大や縮小処理を施すことにより実際の演出表示装置40上での表示スケールと整合性をとることができる。
【0071】
(判定処理部3044)
3044は、判定処理部であり、交点座標算出部3043によって算出された各交点座標から、視点からみて各ポリゴンが平面スクリーンの表示領域、即ちテクスチャ領域に展開された画像領域上のどの位置に該当するかを判定する。
【0072】
(調整部3047)
3047は、調整部であり、判定処理部3044によって判定された画像領域の位置を所定の方向に微少変化させる。
【0073】
(オブジェクトデータ生成部3045)
3045は、オブジェクトデータ生成部であり、調整部3047における調整後のテクスチャ領域上の夫々該当する位置の二次元画像データを光学迷彩用の各ポリゴンに対して割り当て、光学迷彩用のオブジェクトの三次元画像データを生成する。
【0074】
(変換部3046)
3046は、変換部であり、オブジェクトデータ生成部3045によって生成された三次元の光学迷彩用のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する。次に、図17に示すように、変換部3046は、判定処理部3045によって判定された光学迷彩用のオブジェクトの配置位置に該当するテクスチャ領域1701の範囲に当該二次元画像データを上書きした後、テクスチャ領域1701に描画された二次元画像データを読み出し、同じくメモリ66内のフレームバッファ領域1702に描画する。このフレームバッファ領域1702内に描画された二次元画像データが表示制御部305の制御に基づいて演出表示装置40上で表示されることになる。
【0075】
次に、上述のように構成された本実施形態に係るスロットマシン10の動作について説明する。図6は、メイン制御基板50による制御を示すフローチャートであり、図7は、サブ制御基板60による制御を示すフローチャートである。
【0076】
図6において、遊技者によってメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されると、制御部101は、スタートスイッチ41がオンになったことを検知し、役抽選部103は役の抽選処理を行う(ステップS101/YES、ステップS102)。一方、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されず、制御部101がスタートスイッチ41がオンとなったことを検知できなかった場合は、スタートスイッチ41がオンとなったことを検知するまでステップS101の処理を繰り返し実行する。
【0077】
ステップS102の役抽選処理においては、役抽選部103は、乱数を取得し、取得した乱数と抽選テーブルとを照らし合わせて役の抽選処理を行う。抽選の結果、何らかの役の当選があった場合、フラグ情報記憶部105内において当該役のフラグをオンにさせる。役抽選部103による抽選結果は、当選役情報としてI/F回路54を介してサブ制御基板60に送信される(ステップS103)。
【0078】
リール制御部106は、ストップスイッチ群42の何れか1個が操作されたか否かを判断する(ステップS104)。何れか1個のストップスイッチが操作されると(ステップS104/YES)、当選役が入賞可能となるようなリール制御を行って、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を停止させる(ステップS105)。なお、ステップS102の役抽選処理において何れの役にも当選していなかった場合は(ハズレに当選した場合)、リール制御部106は、ステップS105において何れの役にも当選しなかった場合に対応するリール制御を行う。
【0079】
続いて、リール制御部106は、全てのストップスイッチが操作され、全リールが停止したか否かを判断する(ステップS106)。全リールが未だ停止していない場合には(ステップS106/NO)、ステップS104におけるストップスイッチ操作の有無の検出処理からの処理を繰り返す。
【0080】
全てのリールが停止すると(ステップS106/YES)、入賞判定部107は、有効化された有効ライン上に並んでいる図柄の組合せに基づいて入賞の有無を判断する(ステップS107)。この結果、何らかの入賞がある場合には(ステップS107/YES)、入賞した役に対応する入賞処理が実行される(ステップS108)。即ち、入賞役が特別役である場合、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまでの間特別遊技を実行するための移行処理を特別役特別遊技制御部108が行う。一方、ステップS107において、何も入賞がないと判断された場合には(ステップS107/NO)、処理はステップS101に戻る。続いて、特別遊技制御部108は、特別役遊技中において、特別役であるビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームに応じた遊技状態を遊技者に提供するよう、リール制御部106に特別遊技中のリール制御を行わせたり、サブ制御基板60に特別遊技用の演出を行わせたりする。ビックボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームの規定回数の遊技を終えると、通常遊技に移行する処理を行う。
【0081】
入賞役が特別役でない場合、フラグ情報記憶部105において特別役のフラグがオンの状態で記憶されていれば、フラグ情報記憶部105でのそのフラグの記憶状態は次遊技に持ち越される。
【0082】
また、入賞役がリプレイである場合、入賞判定部107は、制御部101に対して当該遊技でのベット(賭数)を次遊技に持ち越させる。一方、入賞役が特別役でもリプレイでもない場合には、払出制御部109が入賞役に応じた枚数のメダルの払い出しをホッパ装置93に行わせる。
【0083】
次に、本実施形態におけるサブ制御基板60の動作について図5、図7、図10乃至図12を用いて説明する。ここでは、演出パターン選択部201が「光学迷彩の演出パターン」を選択し、画像制御部301によって「光学迷彩の演出パターン」に応じた画像データの生成が指示された場合の画像データ生成部304の動作についてのみ説明するが、本実施形態のサブ制御基板60は、演出のための他の基本的な制御動作を行い得る構成を有している。
【0084】
描画処理部3041は、背景の画像データをメモリ66内のテクスチャ領域1701に二次元画像データで展開する(ステップS701)。
【0085】
続いて、座標変換部3042は、図10に示すように、光学迷彩用のオブジェクトデータ1001を画像データROM65から読み込んだ後、それを仮想的な三次元空間内における所定の位置に配置した場合の各ポリゴンの頂点座標(X,Y,Z)を求める。次に、座標変換部3042は、それらの頂点座標を視点を原点とする第2の三次元座標系内の座標(x,y,z)に変換する(ステップS702)。
【0086】
続いて、交点座標算出部3043は、変換後の各ポリゴンの頂点座標(x,y,z)と視点1003(第2の三次元座標系の原点)とを結ぶ直線と、平面スクリーン1002との交点座標(U,V)を算出する(ステップS703)。ここで使用する交点座標(U,V)は、平面スクリーン1002上での位置を表す二次元座標系の座標である。
【0087】
続いて、判定処理部3044は、交点座標算出部3043によって算出された各交点座標(U,V)から、視点1003からみて各ポリゴンが平面スクリーン1002上のどの位置に該当するかを判定する(ステップS704)。例えば、図11に示すように、ポリゴン1について4つの交点座標(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)が求められた場合、これらの4点で囲まれた領域(図11の斜線部分)が平面スクリーン1002上においてポリゴン1の該当する位置として判定される。
【0088】
続いて、調整部3047は、判定処理部3044によって判定された位置を所定の方向へ微少変化させる。図11に示す例では、U方向に位置を微少変化させている(ステップS705)。例えば、ポリゴン1については、(0.3−ΔU,0.25)、(0.6−ΔU,0.25)、(0.25−ΔU,0.35)、(0.55−ΔU,0.35)の位置(図11のドット部分)に変化する。
【0089】
続いて、オブジェクトデータ生成部3045は、調整部3047による調整後の位置に該当する平面スクリーン1002(テクスチャ領域1701)上の背景の二次元画像データを各ポリゴンに対して割り当て、光学迷彩用のオブジェクトの三次元画像データを生成する(ステップS706)。
【0090】
続いて、変換部3046は、オブジェクトデータ生成部3045によって生成された三次元の光学迷彩用のオブジェクトデータを二次元画像データに変換し(ステップS707)、図12に示すように、テクスチャ領域1701における光学迷彩用のオブジェクトの配置位置1201に上書きする(ステップS708)。
【0091】
次に、変換部3046は、テクスチャ領域1701に描画された二次元画像データを読み出し、フレームバッファ領域1702に描画する(ステップS709)。フレームバッファ領域1702に描画された画像データは、表示制御部305によって読み出され、演出表示装置40上で表示される。これにより、図12に示すテクスチャ領域1701内の描画内容と同じ画像が演出表示装置40で表示されることになる。なお、上述した処理は、ステップS710の判断処理によって他の演出パターンに応じた画像データの生成指示があったと判断されるまで繰り返される。
【0092】
上記のように、本実施形態においては、視点1003からみて光学迷彩用のオブジェクト1001の各ポリゴンがテクスチャ領域1701上に描画された背景の二次元画像データのどの位置に該当するかを判定し、それらの位置を微少変化させた位置の二次元画像データが各ポリゴンに対して割り当てることにより、三次元の光学迷彩用のオブジェクトデータを生成することを可能としている。このようにすることで、光学迷彩の演出を行うために光学迷彩用のオブジェクトデータを幾つか予め用意しておく必要がなくなり、光学迷彩用のオブジェクトを仮想的な三次元空間内のどの位置に配置しても、その奥の背景が透過したような画像がオブジェクト内に映し出され、演出の制限を受けることがなくなるとともに、メモリの大量消費を回避することが可能となる。
【0093】
また、本実施形態においては、光学迷彩用のオブジェクトデータを半透明化することによって、よりリアリティのある光学迷彩の演出を行うことが可能となる。
【0094】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、上述した実施形態における演出制御部202内の画像データ生成部304の構成と動作のみが異なるため、その構成についてのみ説明するものとし、他の構成等については説明を省略する。
【0095】
図8は、本発明の他の実施形態における演出制御装置202の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
【0096】
本実施形態における画像データ生成部804は、描画処理部8041、座標変換部8042、交点座標変換部8043、判定処理部8044、第1の変換部8048、オブジェクトデータ生成部8045及び第2の変換部8049が機能構成として含まれる。
【0097】
(描画処理部8041)
図8において、8041は、描画処理部であり、演出パターン選択部201から「鏡面効果演出パターン」が選択され、画像制御部301からその演出パターンに応じた画像データを生成することが指示された場合、第1の視点からみた背景の画像データを後述するメモリ66内の第1のテクスチャ領域に展開する。当該背景が映像表示装置40上で現在表示されている場合には、既に表示されている背景の画像データは二次元画像データであるため、そのデータを第1のテクスチャ領域に展開すればよく、当該背景が新たに表示するものであれば、画像データROM65からその三次元画像データを読み込み、それを二次元画像データに変換して第1のテクスチャ領域に展開すればよい。
【0098】
(座標変換部8042)
8042は、座標変換部であり、画像制御部301から「鏡面効果演出パターン」に応じた画像データの生成が指示された場合、鏡面効果を持たせる所定のオブジェクトデータ(以下、単に所定のオブジェクトデータと称す)を画像データROM65から読み出し、本来の三次元座標系(第1の三次元座標系)における所定のオブジェクトデータを構成する各ポリゴンの頂点座標を、第1の視点を原点とする第2の三次元座標系の座標に変換する。なお、ここでいう第1の三次元座標系及び第2の三次元座標系は、第1の実施形態で述べたものと同様である。
【0099】
(交点座標算出部8043)
8043は、交点座標算出部であり、座標変換部8042によって変換されたポリゴンの各頂点座標と第1の視点とを結ぶ直線と、第2の三次元座標系内における第1の視点の視線方向上の所定の位置に配置され、第1のテクスチャ領域での画像データの展開領域、即ち画像データの表示領域に対応する第1の平面スクリーンとの交点座標を算出する。なお、第1の平面スクリーンは、演出表示装置40上での表示領域を仮想的な三次元空間内で設定したものである。また、第1のテクスチャ領域で画像データが展開された領域と第1の平面スクリーンとのスケールは一致させる必要はなく、第1のテクスチャ領域に展開された画像データに拡大や縮小処理を施すことにより実際の演出表示装置40上での表示スケールと整合性をとることができる。
【0100】
(判定処理部8044)
8044は、判定処理部であり、交点座標算出部8043によって算出された各交点座標から、第1の視点からみて各ポリゴンが第1の平面スクリーンの表示領域、即ち第1のテクスチャ領域に展開された画像領域上のどの位置に該当するかを判定する。
【0101】
(第1の変換部8048)
8048は、第1の変換部であり、上記第1の視点からみて所定のオブジェクトの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを画像データROM65から読み出し、二次元画像データに変換する。変換された二次元画像データは、後述する第2のテクスチャ領域に記録される。なお、第2の視点からみた他の背景は、所定のオブジェクトに鏡面効果を持たせる上で、第2の視点から第1の視点の方向にみた場合の背景であることが好ましい。
【0102】
(オブジェクトデータ生成部8045)
8045は、オブジェクトデータ生成部であり、判定処理部8044により判定された第1のテクスチャ領域上の位置に対応する第2のテクスチャ領域の位置の二次元画像データを、該当するポリゴンに対して割り当て、所定のオブジェクトの三次元画像データを生成する。
【0103】
(第2の変換部8049)
8049は、第2の変換部であり、オブジェクトデータ生成部8045によって生成された三次元の所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する。次に、第2の変換部8049は、判定処理部8044によって判定された所定のオブジェクトデータの配置位置に該当する第1のテクスチャ領域の範囲に、当該二次元画像データを上書きする。続いて、第2の変換部8049は、第1のテクスチャ領域に描画した二次元画像データを読み出し、同じくメモリ66内のフレームバッファ領域に描画する。このフレームバッファ領域802内に描画された二次元画像データが表示制御部305の制御に基づいて演出表示装置40上で表示されることになる。
【0104】
次に、本実施形態におけるサブ制御基板60の動作について図8、図9、図13乃至図16及び図18を用いて説明する。ここでは、演出パターン選択部201が「鏡面効果演出パターン」を選択し、画像制御部301によって「鏡面効果演出パターン」に応じた画像データの生成が指示された場合の画像データ生成部304の動作についてのみ説明するが、本実施形態のサブ制御基板60は、演出のための基本的な制御動作を行い得る構成を有している。
【0105】
描画処理部8041は、第1の視点からみた背景の画像データをメモリ66内の第1のテクスチャ領域に二次元画像データで展開する(ステップS901)。なお、図18に示すように、第1のテクスチャ領域1801aとは、メモリ66のテクスチャ領域1801内における所定の部分領域である。
【0106】
続いて、座標変換部8042は、図13に示すように、所定のオブジェクトデータ1301を画像データROM65から読み込んだ後、それを仮想的な三次元空間内における所定の位置に配置した場合の各ポリゴンの頂点座標(X,Y,Z)を求める。次に、座標変換部8042は、それらの頂点座標を第1の視点1303を原点とする第2の三次元座標系内の座標(x,y,z)に変換する(ステップS902)。
【0107】
続いて、交点座標算出部8043は、変換後の各ポリゴンの頂点座標(x,y,z)と第1の視点(第2の三次元座標系の原点)1303とを結ぶ直線と、第1の平面スクリーン1302との交点座標(U,V)を算出する(ステップS903)。ここで使用する交点座標(U,V)は、第1の平面スクリーン1302上での位置を表す二次元座標系の座標である。
【0108】
続いて、判定処理部8044は、交点座標算出部8043によって算出された各交点座標(U,V)から、第1の視点1303からみて各ポリゴンが第1の平面スクリーン1302上のどの位置に該当するかを判定する(ステップS904)。例えば、図14に示すように、ポリゴン1について4つの交点座標(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)が求められた場合、これらの4点が囲まれた領域(図14の斜線部分)が第1の平面スクリーン1302上、即ち第1のテクスチャ領域1801a上におけるポリゴン1の該当する位置として判定される。
【0109】
続いて、第1の変換部8048は、第1の視点1303からみて所定のオブジェクト1301の奥の位置に配置される第2の視点1304からみた他の背景の三次元画像データを画像データROM65から読み出し、二次元画像データに変換する(ステップS905、S906)。そして、図15に示すように、第1の変換部8048は変換した二次元画像データを第2のテクスチャ領域1801bに記録する(ステップS907)。
【0110】
なお、第2のテクスチャ領域1801bとは、図18に示すように、メモリ66のテクスチャ領域1801内における第1のテクスチャ領域1801aとは異なる所定の部分領域であり、図13の1305に示す第2の平面スクリーン1305の表示領域に対応するものである。第2の平面スクリーン1305は、第2の視点1304からみた場合における映像表示装置40上の表示領域を仮想的な三次元空間内に設定したものである。また、本実施形態においては、第1のテクスチャ領域1801aと第2のテクスチャ領域1801bとのスケールを一致させているが、一方に記録される画像データを拡大又は縮小して他方のスケールに合わせるようにすれば、必ずしも互いのスケールを一致させる必要はない。
【0111】
続いて、オブジェクトデータ生成部8045は、判定処理部8044により判定された第1のテクスチャ領域1801a上の位置に対応する第2のテクスチャ領域1801bの位置の二次元画像データを、該当するポリゴンに対して割り当てる。例えば、上述したポリゴン1については、判定処理部8044によって第1のテクスチャ領域1801a上の座標系において(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)に囲まれた領域がポリゴン1に該当すると判断されているため、図15に示すように、その領域に対応する、第2のテクスチャ領域1801b上の座標系において同じく(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)に囲まれた領域内の二次元画像データがポリゴン1に対して割り当てられる。このように所定のオブジェクトを構成する全ポリゴンに第2のテクスチャ領域1801b内の二次元画像データを割り当てることにより、所定のオブジェクトの三次元画像データを生成する(ステップS908)。
【0112】
続いて、第2の変換部8049は、オブジェクトデータ生成部8045によって生成された三次元の所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換し、図16に示すように、第1のテクスチャ領域における所定のオブジェクトの配置位置1601に上書きする(ステップS909、S910)。
【0113】
次に、第2の変換部8049は、第1のテクスチャ領域に描画された二次元画像データを読み出し、フレームバッファ領域(図18の1802)に描画する(ステップS911)。フレームバッファ領域1802に描画された画像データは、表示制御部305によって読み出され、演出表示装置40上で表示される。これにより、第1のテクスチャ領域1801a内の描画内容と同じ画像が演出表示装置40で表示されることになる。なお、上述した処理は、ステップS912の判断処理によって他の演出パターンに応じた画像データの生成指示があったと判断されるまで繰り返される。
【0114】
上記のように、本実施形態においては、例えば第2の視点1304から第1の視点1303の方向にみた背景の二次元画像データを用いて、所定のオブジェクト1301の三次元画像データを生成するように構成しているので、第1の視点からみた映像、即ち映像表示装置40上で表示される画像上では、視覚的に所定のオブジェクト1301表面に反射像が映っているようにみえ、所定のオブジェクト1301に対していわゆる鏡面効果を与えることが可能となる。
【0115】
また、本実施形態では、鏡面効果の演出を行うために反射像を所定のオブジェクト1301に貼り付けたものを予め用意しておく必要がないために、任意の反射像が所定のオブジェクト1301表面に映すことが可能となる。つまり、所定のオブジェクト1301を仮想的な三次元空間内のどの位置に配置しても、その位置に対応する反射像が所定のオブジェクト1301内に映し出され、演出の制限を受けることがなくなるとともに、メモリの大量消費を回避することが可能となる。
【0116】
また、本実施形態では、所定のオブジェクト1301を構成する各ポリゴンの属性情報に含まれる法線情報を解析し、その解析結果に基づいて各ポリゴンに対して割り当てる二次元画像データを選択することにより、よりリアリティのある鏡面効果演出を行うことが可能となる。例えば、図14の例を挙げて説明すると、ポリゴン1の法線情報が、第1の視点1301から第2の視点1304に向かってポリゴン1が上側を向いていることを示している場合、第1のテクスチャ領域上において(0.3,0.25)、(0.6,0.25)、(0.25,0.35)、(0.55,0.35)に囲まれた範囲がポリゴン1に該当すると判定された場合、上側への傾きを加味したΔVを求め、第2のテクスチャ領域内の(0.3,0.25+ΔV)、(0.6,0.25+ΔV)、(0.25,0.35+ΔV)、(0.55,0.35+ΔV)に囲まれた範囲の二次元画像データをポリゴン1に対して割り当てると、ポリゴンの傾きによる光学的な反射角度も採り入れた鏡面効果演出を行うことができ、よりリアリティのある演出が可能となる。
【0117】
なお、上述した画像処理方法は、スロットマシン以外にもパチンコ機等の遊技機にも適用可能である。
【0118】
上記実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段は、プログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体やプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体であってもよい。以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】メイン制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図4】サブ制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図5】演出制御部の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
【図6】メイン制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図7】サブ制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図8】他の実施形態におけるサブ制御基板の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図9】他の実施形態におけるサブ制御基板による制御を示すフローチャートである。
【図10】光学迷彩用のオブジェクト、平面スクリーン及び視点等の仮想的な三次元空間内における配置関係を概略的に示す図である。
【図11】テクスチャ領域上での各ポリゴンの該当する位置を微少移動させる様子を示す図である。
【図12】最終的にテクスチャ領域に描画される画像データを示す図である。
【図13】鏡面効果用オブジェクト、第1及び第2の視点並びに第1及び第2の平面スクリーン等の仮想的な三次元空間内における配置関係を概略的に示す図である。
【図14】第1のテクスチャ領域上での画像データの描画例を示す図である。
【図15】第2のテクスチャ領域上での画像データの描画例を示す図である。
【図16】最終的に第1のテクスチャ領域上に描画される画像データを示す図である。
【図17】メモリ内の構成を示す図である。
【図18】第1及び第2のテクスチャ領域を含むメモリ内の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
10:スロットマシン
11:リール基板
12:中央表示基板
13:電源装置基板
21:表示窓
22a、22b、22c:有効ライン
23:メダル投入口
31L、31C、31R:リール
40:映像表示装置
41:スタートスイッチ
42L、42C、42R:ストップスイッチ
43a、43b:ベットスイッチ
50:メイン制御基板
51:メインCPU
52、62:ROM
53、63:RAM
54、69:I/F回路
60:サブ制御基板
66:メモリ
67:音源回路
68:アンプ
71:スピーカ
101:制御部
102:抽選テーブル
103:役抽選部
105:フラグ情報記憶部
106:リール制御部
107:入賞判定部
108:特別遊技制御部
109:払出制御部
201:演出パターン選択部
202:演出制御部
301:画像制御部
302:音制御部
304:画像データ生成部
305:表示制御部
3041、8041:描画処理部
3042、8042:座標変換部
3043、8043:交点座標算出部
3044、8044:判定処理部
3045、8045:オブジェクトデータ生成部
3046:変換部
8048:第1の変換部
8049:第2の変換部
1001:光学迷彩用のオブジェクト
1002:平面スクリーン
1003:視点
1301:鏡面効果用のオブジェクト
1302:第1の平面スクリーン
1303:第1の視点
1304:第2の視点
1305:第2の平面スクリーン
1701、1801:テクスチャ領域
1702、1802:フレームバッファ領域
1801a:第1のテクスチャ領域
1801b:第2のテクスチャ領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理を行う画像処理装置であって、
背景の二次元画像データをメモリに描画する描画手段と、
視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記所定のオブジェクトデータに該当する前記背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させる調整手段と、
前記調整手段により微少変化された位置に該当する前記背景の二次元画像データを用いて、前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成手段と、
前記オブジェクトデータ生成手段により生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する変換手段と、
前記背景の二次元画像データとともに、前記変換手段により二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
仮想的な三次元空間内における前記所定のオブジェクトデータの各頂点座標を、前記視点を原点とする三次元座標系内の座標に変換する座標変換手段と、
前記座標変換手段により変換された前記各頂点座標と前記視点とを結ぶ直線と、前記三次元空間内において所定の位置に配置され、前記メモリ上における描画内容の表示領域に対応する平面スクリーンとの交点座標を算出する交点座標算出手段とを更に有し、
前記判定手段は、前記交点座標算出手段により算出された前記交点座標に基づいて、前記所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記オブジェクトデータ生成手段は、半透明な前記オブジェクトデータを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理を行う画像処理装置であって、
第1の背景からみた背景の二次元画像データをメモリに描画する描画手段と、
前記第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換する第1の変換手段と、
前記他の背景の二次元画像データを用いて前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成手段と、
前記オブジェクトデータ生成手段により生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する第2の変換手段と、
前記背景の二次元画像データとともに、前記第2の変換手段により二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記他の背景は、前記第2の視点から前記第1の視点の方向へみた背景であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記所定のオブジェクトデータを構成する各ポリゴンの法線情報を解析する法線情報解析手段を更に有し、
前記オブジェクトデータ生成手段は、前記法線情報解析手段による解析結果に基づいて、前記ポリゴンに割り当てる前記他の背景の二次元画像データを前記ポリゴン毎に選択することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理方法であって、
背景の二次元画像データをメモリに描画する描画ステップと、
視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより判定された前記所定のオブジェクトデータに該当する前記背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させる調整ステップと、
前記調整ステップにより微少変化された位置に該当する前記背景の二次元画像データを用いて、前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成ステップと、
前記オブジェクトデータ生成ステップにより生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する変換ステップと、
前記背景の二次元画像データとともに、前記変換ステップにより二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理方法であって、
第1の視点からみた背景の二次元画像データをメモリに描画する描画ステップと、
前記第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換する第1の変換ステップと、
前記他の背景の二次元画像データを用いて前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成ステップと、
前記オブジェクトデータ生成ステップにより生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する第2の変換ステップと、
前記背景の二次元画像データとともに、前記第2の変換ステップにより二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
背景の二次元画像データをメモリに描画する描画ステップと、
視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより判定された前記所定のオブジェクトデータに該当する前記背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させる調整ステップと、
前記調整ステップにより微少変化された位置に該当する前記背景の二次元画像データを用いて、前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成ステップと、
前記オブジェクトデータ生成ステップにより生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する変換ステップと、
前記背景の二次元画像データとともに、前記変換ステップにより二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
第1の視点からみた背景の二次元画像データをメモリに描画する描画ステップと、
前記第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換する第1の変換ステップと、
前記他の背景の二次元画像データを用いて前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成ステップと、
前記オブジェクトデータ生成ステップにより生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する第2の変換ステップと、
前記背景の二次元画像データとともに、前記第2の変換ステップにより二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理を行う画像処理装置であって、
背景の二次元画像データをメモリに描画する描画手段と、
視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記所定のオブジェクトデータに該当する前記背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させる調整手段と、
前記調整手段により微少変化された位置に該当する前記背景の二次元画像データを用いて、前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成手段と、
前記オブジェクトデータ生成手段により生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する変換手段と、
前記背景の二次元画像データとともに、前記変換手段により二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
仮想的な三次元空間内における前記所定のオブジェクトデータの各頂点座標を、前記視点を原点とする三次元座標系内の座標に変換する座標変換手段と、
前記座標変換手段により変換された前記各頂点座標と前記視点とを結ぶ直線と、前記三次元空間内において所定の位置に配置され、前記メモリ上における描画内容の表示領域に対応する平面スクリーンとの交点座標を算出する交点座標算出手段とを更に有し、
前記判定手段は、前記交点座標算出手段により算出された前記交点座標に基づいて、前記所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記オブジェクトデータ生成手段は、半透明な前記オブジェクトデータを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理を行う画像処理装置であって、
第1の背景からみた背景の二次元画像データをメモリに描画する描画手段と、
前記第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換する第1の変換手段と、
前記他の背景の二次元画像データを用いて前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成手段と、
前記オブジェクトデータ生成手段により生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する第2の変換手段と、
前記背景の二次元画像データとともに、前記第2の変換手段により二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記他の背景は、前記第2の視点から前記第1の視点の方向へみた背景であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記所定のオブジェクトデータを構成する各ポリゴンの法線情報を解析する法線情報解析手段を更に有し、
前記オブジェクトデータ生成手段は、前記法線情報解析手段による解析結果に基づいて、前記ポリゴンに割り当てる前記他の背景の二次元画像データを前記ポリゴン毎に選択することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理方法であって、
背景の二次元画像データをメモリに描画する描画ステップと、
視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより判定された前記所定のオブジェクトデータに該当する前記背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させる調整ステップと、
前記調整ステップにより微少変化された位置に該当する前記背景の二次元画像データを用いて、前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成ステップと、
前記オブジェクトデータ生成ステップにより生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する変換ステップと、
前記背景の二次元画像データとともに、前記変換ステップにより二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理方法であって、
第1の視点からみた背景の二次元画像データをメモリに描画する描画ステップと、
前記第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換する第1の変換ステップと、
前記他の背景の二次元画像データを用いて前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成ステップと、
前記オブジェクトデータ生成ステップにより生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する第2の変換ステップと、
前記背景の二次元画像データとともに、前記第2の変換ステップにより二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
背景の二次元画像データをメモリに描画する描画ステップと、
視点からみて、所定のオブジェクトデータが前記背景の二次元画像データ上の何れの位置に該当するかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより判定された前記所定のオブジェクトデータに該当する前記背景の二次元画像データ上の位置を所定の方向へ微少変化させる調整ステップと、
前記調整ステップにより微少変化された位置に該当する前記背景の二次元画像データを用いて、前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成ステップと、
前記オブジェクトデータ生成ステップにより生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する変換ステップと、
前記背景の二次元画像データとともに、前記変換ステップにより二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
リアルタイムで動画像を表示するための画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
第1の視点からみた背景の二次元画像データをメモリに描画する描画ステップと、
前記第1の視点からみて所定のオブジェクトデータの奥の位置に配置される第2の視点からみた他の背景の三次元画像データを二次元画像データに変換する第1の変換ステップと、
前記他の背景の二次元画像データを用いて前記所定のオブジェクトデータを生成するオブジェクトデータ生成ステップと、
前記オブジェクトデータ生成ステップにより生成された前記所定のオブジェクトデータを二次元画像データに変換する第2の変換ステップと、
前記背景の二次元画像データとともに、前記第2の変換ステップにより二次元画像データに変換された前記所定のオブジェクトデータを表示手段上に表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−244167(P2006−244167A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59324(P2005−59324)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
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