説明

画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

【課題】記憶されているオーバーレイ画像であって背景画像との論理演算処理が指定されているオーバーレイ画像を用いて出力画像を生成する場合においても、意図と異なる印刷結果が出力されることを防止し、正常な印刷結果を得ることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置上では、画像処理プログラム30が動作している。画像処理プログラム30は、オーバーレイ画像を記憶するデータ保存部38と、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画データ生成部36とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像処理装置は、予め描画されたオーバーレイ画像を記憶しておき、印刷データを受信すると、記憶されているオーバーレイ画像を用いて出力画像を生成する。したがって、オーバーレイ画像の描画処理が省略されるので、出力画像は、より高速に生成される。
【0003】
特許文献1では、オーバーレイデータをページ用ビットマップに直接描画する第1描画処理と、オーバーレイ用ビットマップに展開した上でページ用ビットマップにコピーする第2描画処理とを条件によって切り替えて印刷データを描画する手法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−67423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、記憶されているオーバーレイ画像を用いて生成される出力画像と、このオーバーレイ画像を用いずに生成される出力画像とが異なってしまうことがある。
【0006】
本発明は、記憶されているオーバーレイ画像であって背景画像との論理演算処理が指定されているオーバーレイ画像を用いて出力画像を生成する場合においても、意図と異なる印刷結果が出力されることを防止し、正常な印刷結果を得ることができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の画像処理装置は、オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画手段とを有する。本発明によれば、記憶されているオーバーレイ画像であって背景画像との論理演算処理が指定されているオーバーレイ画像を用いて出力画像を生成する場合においても、意図と異なる印刷結果が出力されることを防止し、正常な印刷結果を得ることができる。
【0008】
好適には、前記描画手段は、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であり、かつ、当該オーバーレイ画像がページに最初に描画される場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画する。本発明によれば、記憶されているオーバーレイ画像が使用される機会が増加するので、性能を向上することができる。
【0009】
好適には、前記描画手段は、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であり、かつ、当該オーバーレイ画像が重ねて描画される領域に画像が描画されていない場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画する。本発明によれば、記憶されているオーバーレイ画像が使用される機会が増加するので、性能を向上することができる。
【0010】
好適には、前記描画手段は、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であり、かつ、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではない場合、当該オーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画する。本発明によれば、記憶されているオーバーレイ画像の少なくとも一部を用いて出力画像が描画されるので、性能を向上することができる。
【0011】
本発明に係る第2の画像処理装置は、オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像である場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではなく、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画し、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではなく、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画手段とを有する。本発明によれば、記憶されているオーバーレイ画像であって背景画像との論理演算処理が指定されているオーバーレイ画像を用いて出力画像を生成する場合においても、記憶されているオーバーレイ画像が使用される機会を増加することにより性能を向上しつつ、意図と異なる印刷結果が出力されることを防止し、正常な印刷結果を得ることができる。
【0012】
本発明に係る第1の画像処理方法は、オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段を有する画像処理装置において、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であるか否かを判定し、前記判定により、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う。
【0013】
本発明に係る第2の画像処理方法は、オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段を有する画像処理装置において、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であるか否かを判定し、前記判定により、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではないと判定され、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではないと判定され、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う。
【0014】
本発明に係る第1のプログラムは、コンピュータと、オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置において、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定により、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画ステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【0015】
本発明に係る第2のプログラムは、コンピュータと、オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置において、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であるか否かを判定する判定ステップと、前記判定により、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではないと判定され、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではないと判定され、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画ステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像処理装置によれば、記憶されているオーバーレイ画像であって背景画像との論理演算処理が指定されているオーバーレイ画像を用いて出力画像を生成する場合においても、意図と異なる印刷結果が出力されることを防止し、正常な印刷結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
まず、本発明の背景を説明する。
画像処理装置は、まず、オーバーレイ画像を描画し、次に、可変のページデータを描画して、出力画像を生成することが多い。画像処理装置は、ページ内で複数のオーバーレイ画像を用いることもあるし、ページデータを描画した後にこのページデータに対応するオーバーレイ画像を用いることもある。したがって、可変のページデータとオーバーレイ画像とが、又はオーバーレイ画像同士が重なることがある。
【0018】
図1は、記憶されているオーバーレイ画像と、可変のページデータに基づくページ画像とを用いて生成された出力結果を例示する図である。
図1(A)は、1ページ分の出力画像を生成するために用いられるオーバーレイ画像1〜4及びページ画像を例示する図である。図1(A)に示すように、オーバーレイ画像1は、ハッチングされた下地画像であり、オーバーレイ画像2は、表の罫線画像であり、オーバーレイ画像3,4は、広告画像である。ここで、オーバーレイ画像2の枠内は、白指定がされていない画像領域であり、オーバーレイ画像3は、白指定がされている画像であり、オーバーレイ画像4は、所定の色で描画された画像である。ページ画像は、可変のページデータに基づいて描画される画像である。
【0019】
出力画像には、オーバーレイ画像1が最初に重ねて合成され、ページ画像が次に重ねて描画される。ページ画像が描画された後、さらに、オーバーレイ画像2〜4が、順不同で重ねて合成される。
【0020】
図1(B)〜図1(D)は、生成された出力結果1〜3を示す。図1(B)に示される出力結果1は、正しい出力結果である。図1(B)に示すように、オーバーレイ画像2の枠内には数値等の文字情報が描画され、オーバーレイ画像3,4は、正しい色で描画されている。
【0021】
図1(C)に示される出力結果2は、オーバーレイ画像1〜4が上書き貼り付け方式で重ねて合成された出力結果を示す。図1(C)に示すように、出力結果2では、オーバーレイ画像2が上書きで重ねられたことにより、ページ画像に含まれる文字情報が消えている。このように、オーバーレイ画像が上書きで重ねられる場合、上書きされた領域に存在した情報は消えてしまう。
【0022】
図1(D)に示される出力結果3は、オーバーレイ画像1〜4が透過貼り付け方式で重ねて合成された出力結果を示す。図1(D)に示すように、出力結果3では、オーバーレイ画像3,4が透かして重ねられたことにより、オーバーレイ画像3の画像領域では、背景色が白抜き部分にかぶっており、オーバーレイ画像4の画像領域では、背景色により広告画像の色が変わっている。このように、オーバーレイ画像が透かして重ねられる場合、重ねられた領域に存在した情報が消えることはない一方、背景色とオーバーレイ画像の色とが混合してしまう。
【0023】
また、印刷データには、ROP(Rater Operation)指定が含まれていることがある。ROP指定が含まれている場合、2以上の描画オブジェクトが重ね合わされる際に、論理演算処理が行われる。例えば、背景画像とオーバーレイ画像との間で、AND、OR、NOT、XOR等の論理演算処理が行われる。
【0024】
図2は、背景画像と記憶されているオーバーレイ画像とが論理演算されて生成された画像を例示する図であって、図2(A)は、背景画像が黒である場合を示し、図2(B)は、背景画像が白である場合を示し、図2(C)は、背景画像が赤である場合を示す。なお、論理演算は、排他的論理和(XOR)演算である。また、色空間は、RGB色空間であり、オーバーレイ画像は、黄色の下地に赤で文字「A」が描かれた画像である。
【0025】
図2(A)に示すように、背景画像(黒)とオーバーレイ画像との間でXOR演算が行われた場合、出力結果において、オーバーレイ画像が論理演算された画像部分の色は、演算前のオーバーレイ画像の色と変わらない。
【0026】
図2(B)に示すように、背景画像(白)とオーバーレイ画像との間でXOR演算が行われた場合、出力画像において、当該画像部分の色は、演算前のオーバーレイ画像の色とは異なる色に変わってしまう。具体的には、当該画像部分の下地の色は青に、文字Aの色は水色に変わる。
【0027】
図2(C)に示すように、背景画像(赤)とオーバーレイ画像との間でXOR演算が行われた場合もまた、出力画像において、当該画像部分の色は、演算前のオーバーレイ画像の色とは異なる色に変わってしまう。具体的には、当該画像部分の下地の色は緑に、文字Aの色は黒に変わる。
【0028】
このように、印刷データ内にROP指定がある場合、出力結果は、新たに書き込まれるオブジェクトの背景にどのようなデータが存在するかによって異なる。したがって、ROP指定が、背景データとの論理演算が必要となるものであり、印刷データ内に含まれる場合、オーバーレイ画像が展開される画像領域内に存在する描画データの有無によって、オーバーレイ画像が展開された出力結果が異なってしまう。このため、このようなROP指定がなされている場合、描画済みのオーバーレイ画像は用いられることができず、再描画が必要となる。
以下、本発明の実施形態に係る画像処理装置を説明する。
【0029】
まず、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る画像処理装置12を含む画像形成装置10のハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、画像形成装置10は、画像処理装置12と、この画像処理装置12により生成された画像を印刷する印刷部28とを有する。画像処理装置12は、CPU14、メモリ16、ハードディスク駆動装置等の記憶装置18、ユーザインタフェース(UI)装置20、通信インタフェース(IF)22及び印刷IF24を有する。これらの構成要素は、バス26を介して接続されている。
【0030】
UI装置20は、例えば、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)等の表示装置と、キーボード、マウス等の入力装置とを含む。UI装置20は、タッチパネルにより構成されてもよい。通信IF22は、図示しないネットワークを介して外部のコンピュータとデータの通信を行う。印刷IF24は、印刷部28に対して、画像データを出力する。
【0031】
印刷部28は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色成分に対応する印刷手段を有する。印刷手段は、電子写真方式により実現されてもよいし、インクジェット方式により実現されてもよい。
【0032】
図4は、本発明の実施形態に係る画像処理装置12による画像処理方法を実現し、CPU14上で動作する画像処理プログラム30の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、画像処理プログラム30は、受信部32、データ配信部34、描画データ生成部36C,36M,36Y,36K、及びデータ保存部38C,38M,38Y,38Kを有する。なお、画像処理プログラム30の全部又は一部の機能は、画像処理装置12に設けられたハードウェアにより実現されてもよい。
【0033】
画像処理プログラム30において、受信部32は、図示しない外部のホストコンピュータから送信される印刷データを、通信IF22を介して受信する。印刷データは、文字、図形、イメージ等が所定のページ記述言語(PDL; Page Description Language)等により記載されている。受信部32は、受信された印刷データを、データ配信部34に対して出力する。なお、受信部32は、CD、DVD等の記録媒体を介して読み込まれた印刷データを受け付けてもよい。
【0034】
印刷データには、リソースデータ及びページデータの少なくともいずれかが含まれている。リソースデータは、オーバーレイ画像など再利用可能な画像を描画するためのデータである。リソースデータには、ROP指定が含まれていることがある。ページデータは、例えば、数値、文字、記号等、各ページ画像を描画するための可変データである。
【0035】
データ配信部34は、印刷データを、描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kに対して配信する。
【0036】
描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kは、印刷データに基づいて、各色成分の2値画像を描画し、2値画像データを生成する。例えば、描画データ生成部36Cは、シアンに関する2値画像データを生成する。描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kは、生成した2値画像データを、1ページ毎、印刷部28C,28M,28Y,28Kに対して出力する。また、描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kは、リソースデータに基づいて生成された2値画像(オーバーレイ画像)を、データ保存部38C,38M,38Y,38Kに保存する。
【0037】
なお、描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kについては、後で詳述する。また、以降、描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kなど、複数ある構成要素のいずれかを特定せずに示す場合には、単に描画データ生成部36と略記することがある。
【0038】
データ保存部38C,38M,38Y,38Kは、描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kにより生成された各色成分の2値画像データを記憶する。より具体的には、データ保存部38は、オーバーレイ画像を記憶する。データ保存部38は、メモリ16及び記憶装置18の少なくともいずれかにより実現される。
【0039】
図5は、描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kの詳細な構成を示すブロック図である。
図5に示すように、描画データ生成部36は、データ受付部360、描画制御部362、判定部364、オーバーレイ管理テーブル366及び一時記憶部368を有する。
描画データ生成部36において、データ受付部360は、データ配信部34により配信された印刷データを受け付けて、描画制御部362に対して出力する。
【0040】
オーバーレイ管理テーブル366は、オーバーレイ画像を管理するための情報が保存されるテーブルである。オーバーレイ管理テーブル366は、メモリ16及び記憶装置18の少なくともいずれかに記憶される。なお、オーバーレイ管理テーブル366については、後で詳述する。
【0041】
一時記憶部368は、後述する描画制御部362により描画される過程における2値画像を記憶する。例えば、一時記憶部368には、生成中のオーバーレイ画像、出力画像等が記憶される。なお、一時記憶部368に記憶される2値画像は、所定の契機で削除される。
【0042】
判定部364は、記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像であるか否かを判定する。本実施形態では、判定部364は、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像であるか否かを判定する。具体的には、判定部364は、オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像ではないと判定し、オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像であると判定する。記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像である場合、オーバーレイ画像は、出力画像に影響を及ぼすことなく用いられることが可能である。
【0043】
判定部364は、記憶されているオーバーレイ画像がページに最初に描画されるものであるか否かをさらに判定することにより、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像であるか否かを判定してもよい。具体的には、判定部364は、記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であり、かつ、当該オーバーレイ画像がページに最初に描画されるものである場合、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像であると判定する。例えば、判定部364は、当該ページについて、オーバーレイ展開指示以外の描画指示・命令が処理されていない場合、オーバーレイ画像がページに最初に描画されると判定する。
【0044】
描画制御部362は、描画データ生成部36に含まれる他の構成要素を制御し、データ受付部360により受け付けられた印刷データに基づいて画像を描画する。より具体的には、描画制御部362は、印刷データにリソースデータが含まれている場合、リソースデータに基づいてオーバーレイ画像を描画し、データ保存部38に保存する。また、描画制御部362は、このオーバーレイ画像にオーバーレイIDを付与し、オーバーレイ画像を管理するためのデータをオーバーレイ管理テーブル366に登録する。
【0045】
描画制御部362は、印刷データにページデータが含まれている場合、ページデータに基づいてページ画像を描画し、出力画像を生成し、1ページ毎、出力画像データを印刷部28に対して出力する。ここで、描画制御部362は、印刷データに含まれる指示・命令を、逐次、解析して、出力画像を生成する。
【0046】
描画制御部362は、オーバーレイ展開指示が印刷データに含まれている場合、上記の判定処理を判定部364に実行させ、判定結果を受け付ける。描画制御部362は、記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像である旨の結果を受け付けた場合、オーバーレイ管理テーブル366を参照し、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像を読み出し、このオーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画する。ここで、描画制御部362は、オーバーレイ画像を、上書き貼り付け方式で重ねてもよいし、透過貼り付け方式で重ねてもよい。
【0047】
一方、記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像ではない旨の結果を受け付けた場合、描画制御部362は、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う。より具体的には、描画制御部362は、描画制御部362は、データ保存部38に記憶されている当該オーバーレイ画像に対応するリソースデータを読み出し、オーバーレイ画像を再描画して出力画像を描画する。
【0048】
図6は、オーバーレイ管理テーブル366に記憶される内容を示す図である。
図6に示すように、オーバーレイ管理テーブル366には、オーバーレイ画像を識別する識別子(オーバーレイID)と、このオーバーレイIDに対応する2値画像(オーバーレイ画像)データの保存先アドレスと、この2値画像データに対応するリソースデータの保存先アドレスと、ROPフラグとを含むデータが記憶されている。
【0049】
本実施形態では、ROPフラグは、オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像であるか否かを示すものである。例えば、ROPフラグが0である場合、オーバーレイ画像は、背景画像と論理演算されずに用いられる画像である。また例えば、ROPフラグが1である場合、オーバーレイ画像は、背景画像と論理演算されて用いられる画像である。
【0050】
次に、本発明の実施形態に係る画像処理装置12の動作を説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る画像処理装置12がリソースデータを受信した場合に実行される画像処理(S10)のフローチャートを示す。
図7に示すように、ステップ100(S100)において、画像処理プログラム30の受信部32は、送信されたリソースデータを、通信IF22を介して受信する。
ステップ102(S102)において、データ配信部34は、リソースデータを、描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kに対して配信する。
【0051】
ステップ104(S104)において、描画データ生成部36のデータ受付部360は、リソースデータを受け付け、描画制御部362は、リソースデータに含まれる指示・命令を解釈し、描画対象の画像がオーバーレイ画像であるか否かを判定する。描画対象の画像がオーバーレイ画像である場合、描画制御部362は、S106の処理に進む。一方、描画対象の画像がオーバーレイ画像でない場合、描画制御部362は、所定の処理を行って画像処理を終了する。
【0052】
ステップ106(S106)において、描画制御部362は、ROPフラグを初期化する。具体的には、描画制御部362は、ROPフラグを0にする。
【0053】
ステップ108(S108)において、描画制御部362は、リソースデータを、データ保存部38に保存する。
ステップ110(S110)において、描画制御部362は、リソースデータに含まれる指示・命令がオーバーレイ終了データか否かを判定する。描画制御部362は、指示・命令がオーバーレイ終了データである場合にはS118の処理に進み、そうでない場合にはS112の処理に進む。
【0054】
ステップ112(S112)において、描画制御部362は、リソースデータに基づいてRIP(Raster Image Processor)処理を行ってオーバーレイ画像を描画する。具体的には、描画制御部362は、リソースデータを解釈して、画像のビットマップ展開を行う。
【0055】
ステップ114(S114)において、描画制御部362は、背景データと論理演算処理を行うためのROP指定が含まれているか否かを判定する。描画制御部362は、ROP指定が含まれている場合にはS116の処理に進み、そうでない場合にはS108の処理に戻る。
【0056】
ステップ116(S116)において、描画制御部362は、ROPフラグを立てる。具体的には、描画制御部362は、ROPフラグを1にする。その後、描画制御部362は、S108の処理に戻る。
【0057】
ステップ118(S118)において、描画制御部362は、描画されたオーバーレイ画像をデータ保存部38に保存する。
ステップ120(S120)において、描画制御部362は、描画されたオーバーレイ画像に関するデータ、このオーバーレイ画像に対応するリソースデータに関するデータ及びROPフラグを、オーバーレイ管理テーブル366に登録する。
【0058】
図8は、本発明の実施形態に係る画像処理装置12がページデータを受信した場合に実行される画像処理(S20)のフローチャートを示す。
図8に示すように、ステップ200(S200)において、画像処理プログラム30の受信部32は、送信されたページデータを、通信IF22を介して受信する。
ステップ202(S202)において、データ配信部34は、ページデータを、描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kに対して配信する。
【0059】
ステップ204(S204)において、描画データ生成部36のデータ受付部360は、ページデータを受け付け、描画制御部362は、ページデータに含まれる指示・命令を解釈し、指示・命令がオーバーレイ展開指示であるか否かを判定する。指示命令がオーバーレイ展開指示である場合、描画制御部362は、後述するオーバーレイ展開処理(S30)を行って出力画像を描画し、S208の処理に進む。一方、指示・命令がオーバーレイ展開指示でない場合、描画制御部362は、S206の処理に進む。
【0060】
ステップ206(S206)において、描画制御部362は、ページデータに基づいてRIP処理を行って出力画像を描画する。
ステップ208(S208)において、描画制御部362は、ページデータを解釈し、1ページ分の出力画像の生成を終了したか否かを判定する。描画制御部362は、1ページ分の出力画像の生成を終了した場合にはS210の処理に進み、そうでない場合にはS204の処理に戻る。
【0061】
ステップ210(S210)において、描画制御部362は、生成した1ページ分の出力画像データを、印刷部28に対して出力する。印刷部28C,28M,28Y,28Kは、出力画像データに基づいて、各色成分に対応する出力画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0062】
ステップ212(S212)において、描画制御部362は、ページデータに含まれる全ページ分の出力画像の生成を終了したか否かを判定する。描画制御部362は、全ページ分の出力画像の生成を終了した場合には処理を終了し、そうでない場合にはS204の処理に戻って、次のページに関する処理を行う。
【0063】
図9は、本実施形態におけるオーバーレイ展開処理(S30)のフローチャートを示す。
図9に示すように、ステップ300(S300)において、描画データ生成部36の判定部364は、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であるか否かを判定する。具体的には、判定部364は、オーバーレイ管理テーブル366を参照し、当該オーバーレイ画像のROPフラグが0であるか否かを判定する。描画データ生成部36は、ROPフラグが0である場合にはS302の処理に進み、ROPフラグが1である場合にはS306の処理に進んでS304の処理とは異なる処理を行う。
【0064】
ステップ302(S302)において、描画データ生成部36の判定部364は、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像がページに最初に描画される画像であるか否かを判定する。描画データ生成部36は、当該オーバーレイ画像がページに最初に描画されるものである場合にはS304の処理に進み、そうでない場合にはS306の処理に進んでS304の処理とは異なる処理を行う。
【0065】
ステップ304(S304)において、描画制御部362は、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像を読み出し、出力画像において重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域に、当該オーバーレイ画像を貼り付けて合成し、処理を終了する。
【0066】
ステップ306(S306)において、描画制御部362は、データ保存部38に記憶されているリソースデータの読み出しを開始する。
ステップ308(S308)において、描画制御部362は、記憶されているリソースデータの読み込む。
【0067】
ステップ310(S310)において、描画制御部362は、リソースデータに基づいてRIP処理を行ってオーバーレイ画像を出力画像に描画する。
ステップ312(S312)において、描画制御部362は、オーバーレイ画像の描画を終了したか否かを判定し、描画を終了した場合には処理を終了し、そうでない場合にはS308の処理に戻る。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置12を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置12は、出力画像においてオーバーレイ画像の重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域に画像が既に描画されているか否かをさらに判定する点で、第1の実施形態に係る画像処理装置12とは異なる。
【0069】
本実施形態では、画像処理プログラム30の描画データ生成部36において、判定部364は、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像が重ねて描画される領域に画像が描画されているか否かをさらに判定することにより、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像であるか否かを判定する。具体的には、判定部364は、記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であり、当該オーバーレイ画像がページに最初に描画されるものではない場合であっても、当該オーバーレイ画像が重ねて描画される領域に画像が描画されていない場合、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像であると判定する。
【0070】
図10は、本実施形態におけるオーバーレイ展開処理(S40)のフローチャートを示す。なお、図10に示された各処理のうち、図9に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図10に示すように、S302の処理で、描画データ生成部36の判定部364により、オーバーレイ画像がページに最初に描画されるものではないと判定された場合、描画データ生成部36は、S400の処理に進む。
【0071】
ステップ400(S400)において、判定部364は、オーバーレイ展開指示等に基づいて、出力画像においてオーバーレイ画像の重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域を算出する。
【0072】
ステップ402(S402)において、判定部364は、例えば一時記憶部368に記憶されている生成中の出力画像データを参照し、当該部分画像領域の各画素について、ビットが立っているか否かを確認する。ビットが立っている場合、当該画素には、少なくともいずれかの色成分で画像が描画されている。
【0073】
ステップ404(S404)において、判定部364は、当該部分画像領域の全ての画素において、いずれの色成分においてもビットが0であるか否かを判定する。描画データ生成部36は、いずれの色成分においてもビットが0である場合にはS304の処理に進み、そうでない場合にはS306の処理に進む。
【0074】
したがって、オーバーレイ画像がページに最初に描画されない場合であっても、当該領域に画像がまだ描画されていない場合においては、S304の処理で、オーバーレイ画像が、描画制御部362により、出力画像において重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域に貼り付けられる。
【0075】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置12を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置12は、オーバーレイ画像が描画される座標をマスクデータを用いて管理し、記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であるにもかかわらず当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像ではないと判定された場合、記憶されているオーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画する点で、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る画像処理装置12とは異なる。
【0076】
本実施形態では、画像処理プログラム30の描画データ生成部36において、描画制御部362は、印刷データにリソースデータが含まれている場合、オーバーレイ画像に対応するマスクデータを、データ保存部38にさらに保存する。マスクデータは、オーバーレイ画像に含まれる各画素に対応するビットの集まりである。例えば、オーバーレイ画像の所定の画素について、少なくともいずれかの色成分が描画される場合、この画素に対応するマスクデータは「1」であり、そうでない場合、「0」である。
【0077】
描画制御部362は、オーバーレイ画像を描画する場合、マスクデータの全てのビットを0で初期化し、描画した画素に対応するマスクデータを1とする。また、描画制御部362は、マスクデータの保存先アドレスをオーバーレイ管理テーブル366にさらに登録する。
【0078】
描画制御部362は、記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であるにもかかわらず、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像は正しい出力画像ではないと判定部364により判定された場合、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分(マスクデータが1である画素)を重ねて出力画像を描画する。
【0079】
図11は、オーバーレイ管理テーブル366に記憶される内容を示す図である。
図11に示すように、オーバーレイ管理テーブル366には、図6に示される項目に加えて、マスクデータの保存先アドレスがさらに記憶されている。
【0080】
図12は、本実施形態に係る画像処理装置12がリソースデータを受信した場合に実行される画像処理(S50)のフローチャートを示す。なお、図12に示された各処理のうち、図7に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図12に示すように、S100〜S102の処理で、リソースデータが受信部32により受信され、各描画データ生成部36に対して配信される。さらに、S104の処理で、描画対象の画像がオーバーレイ画像であるか否かが判定される。
【0081】
描画対象の画像がオーバーレイ画像である場合、ステップ500(S500)において、描画データ生成部36の描画制御部362は、マスクデータ用の領域をデータ保存部38に確保し、マスクデータの各ビットを0で初期化する。
【0082】
また、S112の処理で、オーバーレイ画像が描画されると、ステップ502(S502)において、描画制御部362は、描画した画素に対応するマスクデータを1とする。
さらに、S118の処理で、オーバーレイ画像が保存されると、ステップ504(S504)において、描画制御部362は、描画されたオーバーレイ画像に関するデータ、このオーバーレイ画像に対応するリソースデータに関するデータ、マスクデータの保存先に関するデータ及びROPフラグを、オーバーレイ管理テーブル366に登録する。
【0083】
図13は、本実施形態におけるオーバーレイ展開処理(S60)のフローチャートを示す。なお、図13に示された各処理のうち、図10に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図13に示すように、S404の処理で、出力画像においてオーバーレイ画像の重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域のいずれかの画素において、ビットが立っていると判定された場合、画像処理プログラム30の描画データ生成部36は、S600の処理に進む。
【0084】
ステップ600(S600)において、描画データ生成部36の描画制御部362は、データ保存部38に記憶されているオーバーレイ画像及びそのマスクデータを読み込む。
ステップ602(S602)において、描画制御部362は、出力画像において重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域のうちマスクデータのビットが1である画素に、読み込んだオーバーレイ画像の画素を貼り付けて合成し、オーバーレイ展開処理を終了する。
【0085】
次に、本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置12を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置12は、記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であるか否かを判定し、当該画像が正しい出力画像ではない場合、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であるか否かを判定する点で、第1の実施形態〜第3の実施形態に係る画像処理装置12とは異なる。
【0086】
本実施形態においては、オーバーレイ展開時に、出力画像においてオーバーレイ画像の重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域の背景画像データは、ページの初期背景画像データと一致しているものとする。即ち、当該部分画像領域には、いずれの色成分も、描画されていないものとする(例えば、画素値が全て「0」である)。また、例えば色紙が使用される際のように、所定の色補正処理が、初期背景画像データに施されている場合においても、当該初期背景画像データとの一致条件が満たされているものとする。
【0087】
図14は、本実施形態におけるオーバーレイ展開処理(S70)のフローチャートを示す。なお、図14に示された各処理のうち、図13に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図14に示すように、S300の処理は、S404の処理で、出力画像においてオーバーレイ画像の重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域のいずれかの色成分のいずれかの画素においてビットが立っていると判定された場合、実行される。
【0088】
S300の処理で、描画データ生成部36は、ROPフラグが0である場合にはS600の処理に進み、ROPフラグが1である場合にはS306の処理に進んでS600及びS602の処理とは異なる処理を行う。
【0089】
したがって、ROPフラグが1である場合においても、オーバーレイ画像がページに最初に描画される場合及び当該領域に画像がまだ描画されていない場合のいずれかにおいては、S304の処理で、オーバーレイ画像が、描画制御部362により、出力画像において重ね合わせ処理の対象となる部分画像領域に貼り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】記憶されているオーバーレイ画像と、可変のページデータに基づくページ画像とを用いて生成された出力結果を例示する図である。
【図2】背景画像と記憶されているオーバーレイ画像とが論理演算されて生成された画像を例示する図であって、図2(A)は、背景画像が黒である場合を示し、図2(B)は、背景画像が白である場合を示し、図2(C)は、背景画像が赤である場合を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置12を含む画像形成装置10のハードウェア構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像処理装置12による画像処理方法を実現し、CPU14上で動作する画像処理プログラム30の機能構成を示すブロック図である。
【図5】描画データ生成部36C,36M,36Y,36Kの詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態においてオーバーレイ管理テーブル366に記憶される内容を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置12がリソースデータを受信した場合に実行される画像処理(S10)のフローチャートを示す。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置12がページデータを受信した場合に実行される画像処理(S20)のフローチャートを示す。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置12によるオーバーレイ展開処理(S30)のフローチャートを示す。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置12によるオーバーレイ展開処理(S40)のフローチャートを示す。
【図11】本発明の第3の実施形態においてオーバーレイ管理テーブル366に記憶される内容を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置12がリソースデータを受信した場合に実行される画像処理(S50)のフローチャートを示す。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置12によるオーバーレイ展開処理(S60)のフローチャートを示す。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置12によるオーバーレイ展開処理(S70)のフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0091】
10 画像形成装置
12 画像処理装置
14 CPU
16 メモリ
18 記憶装置
20 UI装置
22 通信IF
24 印刷IF
28 印刷部
30 画像処理プログラム
32 受信部
34 データ配信部
36 描画データ生成部
38 データ保存部
360 データ受付部
362 描画制御部
364 判定部
366 オーバーレイ管理テーブル
368 一時記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画手段と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記描画手段は、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であり、かつ、当該オーバーレイ画像がページに最初に描画される場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記描画手段は、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であり、かつ、当該オーバーレイ画像が重ねて描画される領域に画像が描画されていない場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画する
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記描画手段は、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であり、かつ、当該オーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではない場合、当該オーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画する
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像である場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではなく、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画し、前記画像記憶手段に記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではなく、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画手段と
を有する画像処理装置。
【請求項6】
オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段を有する画像処理装置において、
前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であるか否かを判定し、
前記判定により、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う
画像処理方法。
【請求項7】
オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段を有する画像処理装置において、
前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であるか否かを判定し、
前記判定により、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではないと判定され、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではないと判定され、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う
画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータと、オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置において、
前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定により、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画ステップと
を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータと、オーバーレイ画像を記憶する画像記憶手段とを有する画像処理装置において、
前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定により、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像であると判定された場合、当該オーバーレイ画像を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではないと判定され、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されずに用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像のうち少なくともいずれかの色成分が描画される画像部分を重ねて出力画像を描画し、前記記憶されているオーバーレイ画像を重ねて描画される画像が正しい出力画像ではないと判定され、かつ、当該オーバーレイ画像が背景画像と論理演算されて用いられる画像である場合、当該オーバーレイ画像を用いた描画処理とは異なる処理を行う描画ステップと
を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−141921(P2009−141921A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319227(P2007−319227)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】