説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラム

【課題】適切なタイミングでリセットを行うことのできる画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する画像制御ASICを備える。画像処理装置は、出力する画像の処理または入力された画像の処理に異常が起きていることを検知した場合に(S1)、画像制御ASICを初期化するジョブであるトラブルリセットジョブを画像処理装置に登録する(S2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムに関し、より特定的には、出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する集積回路を備えた画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置には、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどがある。
【0003】
画像形成装置は、画像形成装置を制御するための制御回路が形成された制御基板を備えている。この制御基板は、各機能ブロックに区分されており、画像処理を行う機能ブロックには、画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が搭載されている。画像処理ASICは、画像の圧縮処理を行う画像圧縮モジュールと、画像の伸張処理を行う画像伸張モジュールとを含んでいる。
【0004】
従来、画像処理装置の制御基板内のある機能ブロックにトラブルが起きた場合に、制御基板全体をリセットすることによりトラブルから復帰(トラブルを解除)する技術や、トラブルが発生した機能ブロックを個別にリセットすることによりトラブルから復帰する技術がある。いずれの技術においても、トラブル発生時には画像処理を停止してリセットを行う必要がある。また、いずれの技術においても、トラブルの原因となったジョブは破棄され、トラブルが発生した機能ブロックに関連しない次のジョブが継続して実行される。トラブルを起こした機能ブロックに関連するジョブはリセットされるまで実行が保留される。
【0005】
昨今、リセットを行うと自動的に復帰するソフトウェアのトラブルや、伸長処理または圧縮処理などのトラブルが起きている。これらのトラブルが起きた場合には、ユーザがメインスイッチを一端オフした後でオンしたり、所定のリセット操作を行うことで、トラブルが起きた機能を復帰させることができる。しかし、ユーザが復帰のための操作を知らない場合や、ユーザが復帰のための操作を面倒に感じて行わない場合には、サービスマンが来るまでトラブルが起きた機能を復帰させることはできなかった。そのため、実質的に、トラブルが起きた機能が長い期間使えないことがあった。
【0006】
そこで、トラブルを検知した場合に、直ちにリセットを行うウォッチドッグ検知の技術が用いられている。この技術によれば、ユーザの操作無しに自動的にリセットが行われるので、トラブルが起きた機能を早期に復帰させることができる。
【0007】
なお、画像形成装置で異常が発生した場合に実行する処理に関する技術が、たとえば下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1の画像形成装置は、デジタル複写機の画像形成モードで使用中に異常が発生した場合に、読み取った画像データをHDD(Hard Disk Drive)に登録して保持する。そして電源をオフにして異常を解消した後、再び電源をオンにしたときに、画像形成装置はHDDに登録した内容を呼び出して、異常が発生したときの続きから作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−196627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、画像処理ASICのトラブルに上述のウォッチドッグ検知の技術を適用した場合には、以下のような問題が生じていた。
【0010】
たとえば画像圧縮モジュール側でトラブルが起きた場合、画像処理ASICがリセットされると、画像圧縮モジュールと画像伸長モジュールとが同時にリセットされる。その結果、画像圧縮モジュールを使用しなくても実行可能なジョブ(画像伸張モジュールのみを用いて実行可能なジョブ、以下、伸張ジョブと記すことがある)である印字ジョブまでもが、リセットにより破棄または停止される問題があった。逆に画像伸長モジュール側でトラブルが起きた場合にも、画像圧縮モジュールと画像伸長モジュールとが同時にリセットされるので、画像伸張モジュールを使用しなくても実行可能なジョブ(画像圧縮モジュールのみを用いて実行なジョブ、以下、圧縮ジョブと記すことがある)までもが、リセットにより破棄または停止される問題があった。
【0011】
特許文献1の技術は、異常が発生したジョブを異常からの復帰後にリカバーするものであり、上記の問題を解決することはできなかった。
【0012】
したがって、本発明の目的は、適切なタイミングでリセットを行うことのできる画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一の局面に従う画像処理装置は、出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する集積回路と、出力する画像の処理または入力された画像の処理にトラブルが起きていることを検知する検知手段と、検知手段にてトラブルが起きていることを検知した場合に、集積回路を初期化するジョブであるトラブルリセットジョブを画像処理装置に登録する登録手段とを備える。
【0014】
上記画像処理装置において好ましくは、登録手段にてトラブルリセットジョブを登録した場合に、画像処理装置に既に登録されている他のジョブの種類に基づいて、登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を変更する順序変更手段をさらに備える。
【0015】
上記画像処理装置において好ましくは、トラブルが起きている状態で他のジョブが実行可能である場合には、順序変更手段は、登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を他のジョブの実行順序よりも後に設定する。
【0016】
上記画像処理装置において好ましくは、検知手段にて出力する画像の処理にトラブルが起きていることを検知した場合において、他のジョブが、ボックス保存、ファクシミリタイマー送信登録、高機能イメージコントローラによるスキャン、Webブラウザを使用したリモートからの画像処理装置の操作機能でのボックスへの文書データ保存、またはPCアプリケーションを利用した、ボックスへの文書データ保存であるときは、順序変更手段は、登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を他のジョブの実行順序よりも後に設定する。
【0017】
上記画像処理装置において好ましくは、順序変更手段は、トラブルが起きている状態で他のジョブが実行不可能である場合には、登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を他のジョブの実行順序よりも前に設定する。
【0018】
上記画像処理装置において好ましくは、検知手段にて入力する画像の処理にトラブルが起きていることを検知した場合において、他のジョブが、ボックスプリント、ボックス送信、ファクシミリタイマー送信、高機能イメージコントローラによるスキャン、Webブラウザを使用したリモートからの画像処理装置の操作機能でのボックスへの文書データ取得、またはPCアプリケーションを利用した、ボックスからの文書データ取得であるときは、順序変更手段は、登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を他のジョブの実行順序よりも前に設定する。
【0019】
上記画像処理装置において好ましくは、画像処理装置にトラブルリセットジョブが登録されている場合において、登録手段にてトラブルリセットジョブを画像処理装置に新たに登録したときは、順序変更手段は、登録されているトラブルリセットジョブと新たに登録したトラブルリセットジョブとを1つにまとめたトラブルリセットジョブを、実行中の他のジョブであって、トラブルが起きている状態でも継続して実行可能である他のジョブを除いて最先の順序に設定する。
【0020】
上記画像処理装置において好ましくは、画像処理装置にトラブルリセットジョブが登録されている場合において、トラブルが起きている状態で実行不可能なジョブを新たに受け付けたときは、順序変更手段は、登録されているトラブルリセットジョブを、実行中の他のジョブであって、トラブルが起きている状態でも継続して実行可能である他のジョブを除いて最先の実行順序に設定する。
【0021】
上記画像処理装置において好ましくは、画像処理装置にトラブルリセットジョブが登録されている場合において、トラブルが起きている状態で実行可能なジョブを新たに受け付けたときは、順序変更手段は、登録されているトラブルリセットジョブの実行順序を変更せず、かつ新たに受け付けたジョブの実行順序を一番後ろに設定する。
【0022】
上記画像処理装置において好ましくは、新たに受け付けたジョブは、外部装置から受け付けたジョブである。
【0023】
上記画像処理装置において好ましくは、集積回路は、スキャナで読み取った画像データの処理、プリントする画像データの処理、およびファクシミリ送信する画像データの処理を実行可能である。
【0024】
本発明の他の局面に従う画像処理装置の制御方法は、出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する集積回路を備えた画像処理装置の制御方法であって、出力する画像の処理または入力された画像の処理にトラブルが起きていることを検知する検知ステップと、検知ステップにてトラブルが起きていることを検知した場合に、集積回路を初期化するジョブであるトラブルリセットジョブを画像処理装置に登録する登録ステップとを備える。
【0025】
本発明のさらに他の局面に従う画像処理装置の制御プログラムは、出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する集積回路を備えた画像処理装置の制御プログラムであって、出力する画像の処理または入力された画像の処理にトラブルが起きていることを検知する検知ステップと、検知ステップにてトラブルが起きていることを検知した場合に、集積回路を初期化するジョブであるトラブルリセットジョブを画像処理装置に登録する登録ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、適切なタイミングでリセットを行うことのできる画像処理装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】画像圧縮モジュールにトラブルが起きた場合のジョブの実行順序を説明する図である。
【図3】画像伸張モジュールにトラブルが起きている状態で、画像圧縮モジュールにもトラブルが起きた場合のジョブの実行順序を説明する図である。
【図4】画像圧縮モジュールにトラブルが起きた場合のMFPの動作を示すフローチャートである。
【図5】画像伸張モジュールにトラブルが起きた場合のジョブの実行順序を説明する図である。
【図6】画像圧縮モジュールにトラブルが起きている状態で、画像伸張モジュールにもトラブルが起きた場合のジョブの実行順序を説明する図である。
【図7】画像伸張モジュールにトラブルが起きた場合のMFPの動作を示すフローチャートである。
【図8】画像圧縮モジュールにトラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録要求を受け付けた場合の、ジョブの実行順序を説明する図である。
【図9】画像伸張モジュールにトラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録要求を受け付けた場合の、ジョブの実行順序を説明する図である。
【図10】トラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録要求があった場合のMFPの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0029】
本実施の形態においては、画像形成装置が画像処理装置を備えている場合について説明する。この画像形成装置は、たとえば電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものであり、本実施の形態においては、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)が画像形成装置である場合について説明する。なお、画像形成装置はMFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンタなどであってもよい。
【0030】
[MFPの構成]
【0031】
図1は、本発明の一実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
【0032】
図1を参照して、MFP100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、HDD103と、操作パネル104と、ネットワークモジュール105と、スキャナ106(画像読取部)と、スキャナ用画像処理モジュール107と、画像制御ASIC108(画像処理部)と、メモリ109と、プリンタ用画像処理モジュール110と、プリンタ111(印刷部)と、ファクシミリコントローラ112とを含んでいる。メモリ102およびHDD103はCPU101に直接接続されている。操作パネル104、ネットワークモジュール105、画像制御ASIC108、およびファクシミリコントローラ112の各々は、バスを通じてCPU101に接続されている。
【0033】
CPU101は、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、ファイル(データ)送信ジョブ、およびプリントジョブなどの各種ジョブについて、MFP100全体の制御を行なう。またCPU101は、メモリ102に記憶された制御プログラムを実行する。CPU101は、所定の処理を行なうことにより、メモリ102やHDD103からのデータの読み込みや、メモリ102やHDD103へのデータの書き込みを行なう。
【0034】
メモリ102はCPU101によって使用される。メモリ102は、CPU101が制御プログラムを実行するときに必要なデータを記憶する。メモリ102は、CPU101がプログラムを動作する為に必要なデータや画像データを一時的に記憶する。
【0035】
HDD103は、各種データを記憶する領域であるボックス131を含んでいる。
【0036】
操作パネル104は、ユーザからMFP100の操作を受け付けたり、ユーザへの各種情報の表示を行ったりするユーザインタフェースである。
【0037】
ネットワークモジュール105は、CPU101からの指示に従って、TCP/IPなどの通信プロトコルによって、LANなどを介して外部装置とのネットワーク通信を行う。
【0038】
スキャナ106は、原稿の画像を読み取って電子データである画像データに変換する。
【0039】
スキャナ用画像処理モジュール107は、スキャナ106にて読み取った画像データの処理を行う。スキャナ用画像処理モジュール107は、処理後の画像データを圧縮処理するために、画像制御ASIC108へ送信する。
【0040】
画像制御ASIC108は、MFP100に入力された画像の圧縮処理と、MFP100から出力する画像の伸張処理とを実行する集積回路である。画像制御ASIC108は、具体的には、スキャナで読み取った画像データの処理、プリントする画像データの処理、またはファクシミリ送信する画像データの処理などを実行する。画像制御ASIC108は、メモリ109へのデータの読み出し、メモリ109からのデータの書き出し、およびメモリ109に含まれるDRAM(Dynamic Random Access Memory)のリフレッシュなどを行うDRAMコントローラ121と、画像の圧縮処理を実行する画像圧縮モジュール122と、画像の伸張処理を実行する画像伸張モジュール123とを含んでいる。画像圧縮モジュール122および画像伸張モジュール123は、互いに独立してそれぞれの処理を実行する。
【0041】
ここで、画像の圧縮処理を含むジョブは、画像データの入力を伴うジョブであり、たとえばコピー、ボックス保存、スキャン送信、ファクシミリ送信、またはPCプリントなどである。画像の伸張処理を含むジョブは、画像データの出力を伴うジョブであり、たとえばコピー、ボックスプリント、ボックス送信、スキャン送信、ファクシミリ送信、またはPCプリントなどである。
【0042】
コピーは、スキャナ106で読み取った画像データに基づいて画像をプリントするジョブであり、ボックス保存は、スキャナ106で読み取った画像データや外部装置200から受信した画像データをHDD103のボックス131に保存するジョブである。スキャン送信は、スキャナ106から読み取った画像データを外部装置200へ送信するジョブであり、ファクシミリ送信は、スキャナ106で読み取った画像データや外部装置200から受信した画像データを、外部のファクシミリ装置などへ送信するジョブである。PCプリントは、外部装置200から受信した画像データに基づいて画像を出力するジョブである。ボックスプリントは、HDD103のボックス131に保存された画像データをプリントするジョブであり、ボックス送信は、HDD103のボックス131に保存された画像データを外部装置200へ送信するジョブである。
【0043】
また圧縮ジョブは、たとえばボックス保存、ファクシミリタイマー送信登録、高機能イメージコントローラによるスキャン(ファイアリースキャン(Fiery Scan))、Webブラウザを使用したリモートからのMFP操作機能(以降、PSWCと呼ぶことがある)でのボックスへの文書データ保存、またはPCアプリケーションを利用した、ボックスへの文書データ保存などである。伸張ジョブは、ボックスプリント、ボックス送信、ファクシミリタイマー送信、ファイアリースキャン、PSWCでのボックスからの文書データ取得、またはPCアプリケーションを利用した、ボックスからの文書データ取得などである。
【0044】
メモリ109は、画像制御ASIC108によって使用される。
【0045】
プリンタ用画像処理モジュール110は、画像制御ASIC108において伸張処理された、プリントする画像データの処理を行う。
【0046】
プリンタ111は、印刷を行う。プリンタ111は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。プリンタ111は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。トナー像形成部は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙(記録媒体)にカラー画像を形成可能に構成される。トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部などで構成される。定着装置は、加熱ローラおよび加圧ローラを有する。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行なう。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ローラ、およびそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、MFP100の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙をMFP100の筐体から排紙トレイなどに排出する。
【0047】
ファクシミリコントローラ112は、電話回線などを通じて外部のファクシミリ機器とファクシミリ通信を行う。
【0048】
MFP100は、ネットワーク300を通じて外部装置200と接続されている。外部装置200は、MFP100への画像データの送信またはMFP100からの画像データの受信を行うことができるものであればよく、典型的にはPC(Personal Computer)である。外部装置200は、CPU201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、HDD204と、ネットワーク接続部205と、表示部206と、入力部207とを備えている。外部装置200としては、PCの他、携帯端末などであってもよい。
【0049】
ネットワーク300は、有線または無線のLAN(Local Area Network)である。ネットワーク300は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のプロトコルを用いて接続される。ネットワーク300に接続された機器は、お互いに各種データのやり取りが可能となっている。なお、ネットワーク300に代えて、インターネット・専用線などの広域ネットワークを用いて各装置を接続してもよい。
【0050】
MFP100は、画像処理の際にトラブルが起きた場合に、画像処理を継続しながらトラブルを解除する。具体的には、MFP100は、画像制御ASIC108にトラブルが起きた場合に、画像制御ASIC108をリセット(初期化)する処理をジョブとしてMFP100に登録する。そしてMFP100は、画像制御ASIC108をリセットしなくても継続して実行可能な処理やジョブが、画像制御ASIC108をリセットするジョブの前に実行されるように、画像制御ASIC108をリセットするジョブの順序を変更し、画像制御ASIC108を適切なタイミングでリセットしてトラブルから復帰させる。
【0051】
以降、画像制御ASIC108をリセットするジョブをトラブルリセットジョブと呼ぶことがある。また、トラブルリセットジョブのうち、画像圧縮モジュール122のトラブルを復帰させることを目的とするものを圧縮トラブルリセットジョブと呼び、画像伸張モジュール123のトラブルを復帰させることを目的としたものを伸張トラブルリセットジョブと呼ぶことがある。圧縮トラブルリセットジョブおよび伸張トラブルリセットジョブは、目的を異にするものの、画像制御ASIC108をリセットするという具体的な動作内容は同一である。
【0052】
ここで言うトラブルは、画像制御ASIC108内部の一部分(たとえば画像圧縮モジュール122や画像伸張モジュール123)のトラブルであり、トラブルが起きていない他の部分が実行している処理は継続可能な状態にあるトラブルである。画像制御ASIC108は、画像制御ASIC108全体をリセットすることにより、トラブルが起きた機能(トラブルが起きた機能が複数である場合を含む)を復帰させ、トラブルを一気に解除することが可能である。
【0053】
[画像圧縮モジュールにトラブルが起きた場合のMFPの動作]
【0054】
続いて、画像制御ASICの画像圧縮モジュールにトラブルが起きた場合のMFPの動作について説明する。
【0055】
図2は、画像圧縮モジュールにトラブルが起きた場合のジョブの実行順序を説明する図である。なお、以降の図2、図3、図5、図6、図8および図9においては、図中下側から上側に向かう順序がジョブの実行順序である。
【0056】
図2(a)を参照して、MFP100にジョブ1、ジョブ2、およびジョブ3がこの順序で登録されており、ジョブ1および2が同時に実行中であり、ジョブ3が実行待ちである。ジョブ1は、圧縮処理を含むジョブであり、たとえばPCプリントなどのジョブである。ジョブ2およびジョブ3は、伸張ジョブであり、たとえばボックス送信などのジョブである。ジョブ1の圧縮処理を実行している時に、画像圧縮モジュール122にトラブルが起きている。
【0057】
MFP100は、画像圧縮モジュール122にトラブルが起きたことを検知すると、圧縮トラブルリセットジョブRJ1を新たに登録する。圧縮トラブルリセットジョブRJ1は、たとえばジョブ3の後に一時的に登録されてもよい。そしてMFP100は、圧縮処理を含むジョブであるジョブ1をキャンセルする。画像圧縮モジュール122にトラブルが起きた状態では、圧縮処理の継続が不可能であるためである。
【0058】
圧縮トラブルリセットジョブRJ1をジョブとして登録することによって、ユーザは、たとえば操作パネル104のジョブリスト表示にて、このトラブルがいつ解除されるのかを知ることができる。またMFP100は、操作パネル104を通じて圧縮トラブルリセットジョブRJ1の実行順序の変更の指示を受け付け、受け付けた指示に従って圧縮トラブルリセットジョブRJ1の実行順序を変更してもよい。
【0059】
次にMFP100は、画像伸張モジュール123が伸張処理を実行中であるか否かを判別する。画像伸張モジュール123が伸張処理を実行中の場合には、MFP100は実行中の伸張処理を継続する。画像伸張モジュール123の伸張処理は、圧縮機能のトラブルの影響を受けないためである。図2(a)では、ジョブ2の伸張処理が継続される。ジョブ2がボックス送信の他、たとえばボックスプリント、ファクシミリタイマー送信(送信対象となる画像の入力が完了しており、設定された時間にファクシミリ送信するジョブ)、またはファイアリースキャンなどの伸張ジョブである場合にも、圧縮機能のトラブルの影響を受けないので、伸張処理が継続される。
【0060】
続いてMFP100は、MFP100に既に登録されている他のジョブの種類に基づいて、圧縮トラブルリセットジョブRJ1の実行順序を変更する。具体的にMFP100は、(b)に示すように、登録されている実行待ちのジョブの中で、伸張ジョブであるジョブ2およびジョブ3の実行順序を、圧縮トラブルリセットジョブRJ1よりも前に設定し、圧縮トラブルリセットジョブRJ1をジョブ2およびジョブ3の後に設定する。つまりMFP100は、トラブルリセットジョブが登録された場合、登録されているジョブの中で、トラブルが発生している状態でも実行可能なジョブの実行順序を繰上げ、実行可能なジョブの後にトラブルリセットジョブが行われるように各ジョブの実行順序を変更する。これにより画像制御ASIC108の一部にトラブルが起きた状態であっても、実行可能なジョブの実行を継続することができる。
【0061】
ジョブ2およびジョブ3を実行した後、MFP100は圧縮トラブルリセットジョブRJ1を実行する。圧縮トラブルリセットジョブRJ1は、画像制御ASIC108(圧縮器、伸張器が内蔵されたASIC)のリセット処理を行い、画像制御ASIC108の設定を再初期化するものである。これにより、画像制御ASIC108のトラブル状態が解除され、画像制御ASIC108は圧縮処理と伸張処理の両方の機能を実行可能な通常動作状態に復帰する。MFP100は、画像出力制御もしくは画像入力制御を再開する。
【0062】
なお、圧縮機能を使用するジョブであるジョブ1は、キャンセルされる代わりに、圧縮トラブルリセットジョブRJ1の後の実行順序に設定されてもよい。この場合ジョブ1は、圧縮トラブルリセットジョブRJ1により画像圧縮モジュール122の圧縮機能が復帰した後に実行される。
【0063】
図3は、画像伸張モジュールにトラブルが起きている状態で、画像圧縮モジュールにもトラブルが起きた場合のジョブの実行順序を説明する図である。
【0064】
図3(a)を参照して、MFP100にジョブ1、伸張トラブルリセットジョブRJ2、およびジョブ2がこの順序で登録されており、ジョブ1が実行中であり、伸張トラブルリセットジョブRJ2およびジョブ2が実行待ちである。ジョブ1は、圧縮ジョブであり、たとえばボックス保存などのジョブである。ジョブ2は、伸張ジョブであり、たとえばボックス送信などのジョブである。ジョブ1の圧縮処理を実行している時に、画像圧縮モジュール122にトラブルが起きている。
【0065】
MFP100は、画像圧縮モジュール122にトラブルが起きたことを検知すると、圧縮トラブルリセットジョブRJ1を新たに登録する。このように、伸張トラブルリセットジョブRJ2が登録されている場合において、圧縮トラブルリセットジョブRJ1を新たに登録したときは、MFP100は、(b)に示すように、圧縮トラブルリセットジョブRJ1と伸張トラブルリセットジョブRJ2とを1つにまとめて圧縮・伸張トラブルリセットジョブRJ3とし、このジョブが最優先で実行されるよう実行順序を設定する。画像圧縮モジュール122と画像伸張モジュール123との両方にトラブルが起きた状態ではMFP100が実行可能なジョブがほとんど無いので、画像制御ASIC108は圧縮処理と伸張処理の両方の機能を早期に復帰させるためである。
【0066】
ここで、「最優先で実行する」とは、実行中の他のジョブであってトラブルが起きている状態でも継続して実行可能であるジョブを除いて、最先に実行することを意味している。たとえば、図3(a)の状態で、画像制御ASIC108の圧縮機能も伸張機能も使用しないジョブを実行中である場合には、そのジョブは継続して実行可能である。この場合、最優先で実行するとは、そのジョブを除いて最先に実行すること(そのジョブの直後の実行順序に設定すること)を意味する。
【0067】
図4は、画像圧縮モジュールにトラブルが起きた場合のMFPの動作を示すフローチャートである。
【0068】
図4を参照して、画像制御ASIC108の画像圧縮モジュール122(画像制御ASIC108の圧縮機能)にトラブルが起きたことを検知すると(S1)、MFP100のCPU101は、画像制御ASIC108をリセットする処理を圧縮トラブルリセットジョブとして登録し(S2)、画像制御ASIC108の画像伸張モジュール123が伸張処理を実行中(伸張機能の処理中)であるか否かを判別する(S3)。
【0069】
ステップS3において、伸張処理を実行中と判別した場合(S3でYES)、CPU101は、実行中の画像制御ASIC108の伸張処理を継続する(S4)。次にCPU101は、登録済みのジョブの中で、圧縮トラブルリセットジョブより前に、画像制御ASIC108の圧縮機能を使用しなくても実行することができるジョブが登録されているか否かを判別する(S5)。
【0070】
ステップS5において、圧縮機能を使用しなくても実行することができるジョブが登録されていると判別した場合(S5でYES)、CPU101は、そのジョブが優先して実行されるようにジョブの実行順序を変更する(S6)。すなわちCPU101は、圧縮機能を使用しなくても実行することができるジョブが圧縮トラブルリセットジョブよりも前に実行されるように、ジョブの実行順序を変更する。続いてCPU101は、変更した実行順序に従って、圧縮機能を使用しなくても実行することができるジョブを実行し(S7)、圧縮トラブルリセットジョブを実行し(S8)、画像処理装置(画像制御ASIC108)のトラブルを解除し(S9)、圧縮処理と伸張処理とが行える通常動作状態に復帰する。その後、CPU101は処理を終了する。
【0071】
ステップS3において、伸張処理を実行中でないと判別した場合(S3でNO)、画像制御ASIC108の画像伸張モジュール123(画像制御ASIC108の伸張機能)にトラブルが起きている可能性がある。この場合CPU101は、伸張トラブルリセットジョブが登録されているか否かを判別する(S10)。
【0072】
ステップS10において、伸張トラブルリセットジョブが登録されていると判別した場合(S10でYES)、画像制御ASIC108の伸張機能にトラブルが起きている状態にある。この場合CPU101は、圧縮トラブルリセットジョブと伸張トラブルリセットジョブとを同一ジョブとして結合し、結合したトラブルリセットジョブが最優先で実行されるように実行順序を変更し(S11)、ステップS8の処理へ進む。一方、ステップS10において、伸張トラブルリセットジョブが登録されていないと判別した場合(S10でNO)、画像制御ASIC108の伸張機能にはトラブルが起きていない状態にある。この場合CPU101は、ステップS5の処理へ進む。
【0073】
ステップS5において、圧縮機能を使用しなくても実行することができるジョブが登録されていないと判別した場合(S5でNO)、CPU101はステップS8の処理へ進む。
【0074】
[画像伸張モジュールにトラブルが起きた場合のMFPの動作]
【0075】
続いて、画像制御ASICの画像伸張モジュールにトラブルが起きた場合のMFPの動作について説明する。
【0076】
図5は、画像伸張モジュールにトラブルが起きた場合のジョブの実行順序を説明する図である。
【0077】
図5(a)を参照して、MFP100にジョブ1、ジョブ2、およびジョブ3がこの順序で登録されており、ジョブ1および2が同時に実行中であり、ジョブ3が実行待ちである。ジョブ1は、伸張ジョブであり、たとえばボックス送信などのジョブである。ジョブ2およびジョブ3は、圧縮ジョブであり、たとえばぼボックス保存などのジョブである。ジョブ1の伸張処理を実行している時に、画像伸張モジュール123にトラブルが起きている。
【0078】
画像伸張モジュール123にトラブルが起きた場合、MFP100は、画像圧縮モジュール122にトラブルが起きた場合と類似した動作を行う。具体的には、MFP100は、画像伸張モジュール123にトラブルが起きたことを検知すると、伸張トラブルリセットジョブRJ2を新たに登録する。伸張トラブルリセットジョブRJ2は、たとえばジョブ3の後に一時的に登録されてもよい。そしてMFP100は、伸張処理を含むジョブであるジョブ1をキャンセルする。画像伸張モジュール123にトラブルが起きた状態では、伸張処理の継続が不可能であるためである。
【0079】
伸張トラブルリセットジョブRJ2をジョブとして登録することによって、ユーザは、たとえば操作パネル104のジョブリスト表示にて、このトラブルがいつ解除されるのかを知ることができる。またMFP100は、操作パネル104を通じて伸張トラブルリセットジョブRJ2の実行順序の変更の指示を受け付け、受け付けた指示に従って伸張トラブルリセットジョブRJ2の実行順序を変更してもよい。
【0080】
次にMFP100は、画像圧縮モジュール122が圧縮処理を実行中であるか否かを判別する。画像圧縮モジュール122が圧縮処理を実行中の場合には、MFP100は実行中の圧縮処理を継続する。画像圧縮モジュール122の圧縮処理は、伸張機能のトラブルの影響を受けないためである。図5(a)では、ジョブ2の圧縮処理が継続される。ジョブ2がボックス保存の他、たとえばファクシミリタイマー送信登録、またはファイアリースキャンなどの圧縮ジョブである場合にも、伸張機能のトラブルの影響を受けないので、圧縮処理が継続される。
【0081】
続いてMFP100は、MFP100に既に登録されている他のジョブの種類に基づいて、伸張トラブルリセットジョブRJ2の実行順序を変更する。具体的にMFP100は、(b)に示すように、登録されている実行待ちのジョブの中で、画像伸張モジュール123の伸張機能を使用しなくても実行可能なジョブであるジョブ2およびジョブ3の実行順序を、伸張トラブルリセットジョブRJ2よりも前に設定し、伸張トラブルリセットジョブRJ2をジョブ2およびジョブ3の後に設定する。
【0082】
そしてMFP100はジョブ2およびジョブ3を実行した後、伸張トラブルリセットジョブRJ2を実行する。これにより、画像制御ASIC108のトラブル状態が解除され、画像制御ASIC108は圧縮処理と伸張処理の両方の機能を実行可能な通常動作状態に復帰する。MFP100は、画像出力制御もしくは画像入力制御を再開する。
【0083】
なお、伸張機能を使用するジョブであるジョブ1は、キャンセルされる代わりに、伸張トラブルリセットジョブRJ2の後の実行順序に設定されてもよい。この場合ジョブ1は、伸張トラブルリセットジョブRJ2により画像伸張モジュール123の伸張機能が復帰した後に実行される。
【0084】
また、コピー、スキャン送信、ファクシミリ送信、またはPCプリントなどの、圧縮処理および伸張処理の両方を含むジョブが登録されている場合、圧縮処理(画像データの入力)のみを実行した後でジョブの実行を停止し、画像伸張モジュール123の伸張機能が復帰した後でジョブの実行を再開し、伸張処理(画像データの出力)を実行してもよい。
【0085】
図6は、画像圧縮モジュールにトラブルが起きている状態で、画像伸張モジュールにもトラブルが起きた場合のジョブの実行順序を説明する図である。
【0086】
図6(a)を参照して、MFP100にジョブ1、圧縮トラブルリセットジョブRJ1、およびジョブ2がこの順序で登録されており、ジョブ1が実行中であり、圧縮トラブルリセットジョブRJ1およびジョブ2が実行待ちである。ジョブ1は、伸張ジョブであり、たとえばボックス送信などのジョブである。ジョブ2は、圧縮ジョブであり、たとえばボックス保存などのジョブである。ジョブ1の伸張処理を実行している時に、画像圧縮モジュール122にトラブルが起きている。
【0087】
MFP100は、画像伸張モジュール123にトラブルが起きたことを検知すると、伸張トラブルリセットジョブRJ2を新たに登録する。このように、圧縮トラブルリセットジョブRJ1が登録されている場合において、伸張トラブルリセットジョブRJ2を新たに登録したときは、MFP100は、(b)に示すように、圧縮トラブルリセットジョブRJ1と伸張トラブルリセットジョブRJ2とを1つにまとめて圧縮・伸張トラブルリセットジョブRJ3とし、このジョブの実行順序を最優先に設定する。
【0088】
図7は、画像伸張モジュールにトラブルが起きた場合のMFPの動作を示すフローチャートである。
【0089】
図7を参照して、画像制御ASIC108の画像伸張モジュール123(画像制御ASIC108の伸張機能)にトラブルが起きたことを検知すると(S101)、MFP100のCPU101は、画像制御ASIC108をリセットする処理を伸張トラブルリセットジョブとして登録し(S102)、画像制御ASIC108の画像圧縮モジュール122が圧縮処理を実行中(圧縮機能の処理中)であるか否かを判別する(S103)。
【0090】
ステップS103において、圧縮処理を実行中と判別した場合(S103でYES)、CPU101は、実行中の画像制御ASIC108の圧縮処理を継続する(S104)。次にCPU101は、登録済みのジョブの中で、伸張トラブルリセットジョブより前に、画像制御ASIC108の伸張機能を使用しなくても実行することができるジョブが登録されているか否かを判別する(S105)。
【0091】
ステップS105において、伸張機能を使用しなくても実行することができるジョブが登録されていると判別した場合(S105でYES)、CPU101は、そのジョブが優先して実行されるようにジョブの実行順序を変更する。すなわちCPU101は、伸張機能を使用しなくても実行することができるジョブが、伸張トラブルリセットジョブよりも前に実行されるように、ジョブの実行順序を変更する(S106)。続いてCPU101は、変更した実行順序に従って、伸張機能を使用しなくても実行することができるジョブを実行し(S107)、伸張トラブルリセットジョブを実行し(S108)、画像処理装置(画像制御ASIC108)のトラブルを解除し(S109)、圧縮処理と伸張処理とが行える通常動作状態に復帰する。その後、CPU101は処理を終了する。
【0092】
ステップS103において、圧縮処理を実行中でないと判別した場合(S103でNO)、画像制御ASIC108の画像圧縮モジュール122(画像制御ASIC108の圧縮機能)にトラブルが起きている可能性がある。この場合CPU101は、圧縮トラブルリセットジョブが登録されているか否かを判別する(S110)。
【0093】
ステップS110において、圧縮トラブルリセットジョブが登録されていると判別した場合(S110でYES)、画像制御ASIC108の圧縮機能にトラブルが起きている状態にある。この場合CPU101は、圧縮トラブルリセットジョブと伸張トラブルリセットジョブとを同一ジョブとして結合し、結合したトラブルリセットジョブが最優先で実行されるように実行順序を変更し(S111)、ステップS108の処理へ進む。一方、ステップS110において、圧縮トラブルリセットジョブが登録されていないと判別した場合(S110でNO)、画像制御ASIC108の圧縮機能にはトラブルが起きていない状態にある。この場合CPU101は、ステップS105の処理へ進む。
【0094】
ステップS105において、伸張機能を使用しなくても実行することができるジョブが登録されていないと判別した場合(S105でNO)、CPU101はステップS108の処理へ進む。
【0095】
[トラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録があった場合のMFPの動作]
【0096】
続いて、画像制御ASICにトラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録があった場合のMFPの動作について説明する。
【0097】
たとえば画像圧縮モジュール122にトラブルが起きている時に、伸張ジョブが新たに登録された場合を想定する。この場合、新たに登録された伸張ジョブの実行順序が圧縮トラブルリセットジョブの実行順序よりも前に設定されると、画像圧縮モジュール122の復帰が遅れ、たとえばMFP100の前に立って圧縮処理を含むジョブ(画像データの入力を伴うジョブ、たとえば読込みジョブ)の実行を待っているユーザは、自らのジョブが実行されるまで長時間待たされ得る。具体的には、画像圧縮モジュール122にトラブルが起きている時に、たとえばコピーやスキャンなどをユーザが新たに実行した場合、ユーザは画像の読込みが開始するまで長時間待たされ得る。
【0098】
また、外部装置200を通じてPCプリントをユーザが新たに実行した場合、ユーザはMFP100が外部装置200からのプリントデータの受信を開始するまで、トラブルが起きていることを知らない状態で長時間待たされ得る。
【0099】
このように、画像圧縮モジュール122を使用しなくても実行可能なジョブがある限り、画像圧縮モジュール122をのトラブルの影響を受けるジョブは、いつまでも実行されないこととなる。
【0100】
同様に、たとえば画像伸張モジュール123にトラブルが起きている時に、圧縮ジョブが新たに登録されたときを想定する。このとき、新たに登録された圧縮ジョブの実行順序が伸張トラブルリセットジョブの実行順序よりも前に設定されると、画像伸張モジュール123の復帰が遅れ、たとえばMFP100の前に立って伸張処理を含むジョブ(画像データの出力を伴うジョブ)の実行を待っているユーザは、自らのジョブが実行されるまで長時間待たされ得る。具体的には、画像伸張モジュール123にトラブルが起きている時に、たとえばコピーやスキャン送信などをユーザが新たに実行した場合、ユーザは画像の出力(コピーのプリントやスキャン送信の送信)が開始するまで長時間待たされ得る。
【0101】
また、外部装置200を通じてPCプリントをユーザが新たに実行した場合、MFP100は外部装置200からプリントデータを受信するものの、ユーザはプリントデータのプリントをMFP100が開始するまで、トラブルが起きていることを知らない状態で長時間待たされ得る。
【0102】
このように、画像伸張モジュール123を使用しなくても実行可能なジョブがある限り、画像伸張モジュール123をのトラブルの影響を受けるジョブは、いつまでも実行されないこととなる。
【0103】
したがって、トラブルが起きている時に外部装置200から新たなジョブの登録要求を受け付けた場合に、MFP100は、以下の動作を行う。
【0104】
図8は、画像圧縮モジュールにトラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録要求を受け付けた場合の、ジョブの実行順序を説明する図である。
【0105】
図8(a)を参照して、MFP100にジョブ1、ジョブ2、圧縮トラブルリセットジョブRJ1、およびジョブ3がこの順序で登録されており、ジョブ1が実行中であり、ジョブ2、圧縮トラブルリセットジョブRJ1、およびジョブ3が実行待ちである。MFP100は外部装置200からジョブ4の登録要求を受け付けている。ジョブ1およびジョブ2は、伸張ジョブであり、たとえばボックス送信などのジョブである。ジョブ3は、圧縮処理を含むジョブであり、たとえばPCプリントなどのジョブである。
【0106】
ジョブ4の登録要求を受け付けると、MFP100は、登録要求のあったジョブ4の種別を判断する。ジョブ4が圧縮ジョブである場合には、トラブルが起きた状態でジョブ4の実行は不可能である。この場合MFP100は、(b)に示すように、圧縮トラブルリセットジョブRJ1が最優先で実行されるように、ジョブの実行順序を変更する。MFP100は、画像圧縮モジュール122がトラブルから復帰した後でジョブ4が実行されるように、ジョブ4をたとえばジョブ3の後に登録する。
【0107】
このように、自動的にトラブルリセットジョブを最優先で実行することにより、リモート操作であるためトラブルが起きていることを知らないジョブ4を登録したユーザが、長時間待たされる事態を回避することができる。
【0108】
ジョブ4が圧縮処理および伸張処理の両方を含むジョブである場合にも、トラブルが起きた状態でジョブ4の実行は不可能である。この場合にもMFP100は、(b)に示すように、圧縮トラブルリセットジョブRJ1が最優先で実行されるように、ジョブの実行順序を変更する。そしてMFP100は、画像圧縮モジュール122がトラブルから復帰した後で(圧縮処理と伸張処理が行える通常動作状態に復帰した後で)ジョブ4が実行されるように、ジョブ4をジョブ3の後に登録する。
【0109】
一方、ジョブ4が伸張ジョブである場合には、トラブルが起きた状態であってもジョブ4の実行は可能である。この場合MFP100は、(c)に示すように、圧縮トラブルリセットジョブRJ1の実行順序を変更することなく、ジョブ4をジョブ3の後に登録する。
【0110】
このように、トラブルが起きた状態でもジョブ4が実行可能なジョブであっても、リセトジョブをジョブ4よりも優先することにより、リセット後でなければ実行できないジョブであるジョブ3を登録したユーザが、長時間待たされる事態を回避することができる。
【0111】
ここで、リモートから指示可能な圧縮ジョブ(圧縮機能を使用するだけで実行可能なジョブ)としては、プリントトゥーボックス(PrintToBox、PCプリントでのボックス保存指定)、PSWCでのボックスへの文書データ保存、PCアプリケーションを利用した、ボックスへの文書データ保存などがある。リモートから指示可能な伸張ジョブ(伸張機能を使用するだけで実行可能なジョブ)としては、PSWCでのボックスからの文書データ取得、PCアプリケーションを利用した、ボックスからの文書データ取得がある。また、リモートから指示可能な、圧縮機能および伸張機能の両方を使用するジョブとしては、PCプリント、プルスキャン(Pull Scan)などがある。
【0112】
図9は、画像伸張モジュールにトラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録要求を受け付けた場合の、ジョブの実行順序を説明する図である。
【0113】
図9(a)を参照して、MFP100にジョブ1、ジョブ2、伸張トラブルリセットジョブRJ2、およびジョブ3がこの順序で登録されており、ジョブ1が実行中であり、ジョブ2、伸張トラブルリセットジョブRJ2、およびジョブ3が実行待ちである。MFP100は外部装置200からジョブ4の登録要求を受け付けている。ジョブ1およびジョブ2は、圧縮ジョブであり、たとえばボックス保存などのジョブである。ジョブ3は、伸張処理を含むジョブであり、たとえばPCプリントなどのジョブである。
【0114】
ジョブ4の登録要求を受け付けると、MFP100は、登録要求のあったジョブ4の種別を判断する。ジョブ4が伸張ジョブである場合には、トラブルが起きた状態でジョブ4の実行は不可能である。この場合MFP100は、(b)に示すように、伸張トラブルリセットジョブRJ2が最優先で実行されるように、ジョブの実行順序を変更する。そしてMFP100は、画像伸張モジュール123がトラブルから復帰した後でジョブ4が実行されるように、ジョブ4をたとえばジョブ3の後に登録する。
【0115】
ジョブ4が圧縮処理および伸張処理の両方を含むジョブである場合にも、トラブルが起きた状態でジョブ4の実行は不可能である。この場合にもMFP100は、(b)に示すように、伸張トラブルリセットジョブRJ2が最優先で実行されるように、ジョブの実行順序を変更する。そしてMFP100は、画像伸張モジュール123がトラブルから復帰した後で(圧縮処理と伸張処理が行える通常動作状態に復帰した後で)ジョブ4が実行されるように、ジョブ4をジョブ3の後に登録する。
【0116】
一方、ジョブ4が圧縮ジョブである場合には、トラブルが起きた状態であってもジョブ4の実行は可能である。この場合MFP100は、(c)に示すように、伸張トラブルリセットジョブRJ2の実行順序を変更することなく、ジョブ4をジョブ3の後に登録する。
【0117】
なお、図8および図9においては、トラブルが起きている状態で新たなジョブの登録要求を外部装置200から受け付けた場合について示したが、トラブルが起きている状態で新たなジョブの登録要求を直接MFP100を通じて受け付けた場合にも、上述と同様の処理を行ってもよい。
【0118】
図10は、トラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録要求があった場合のMFPの動作を示すフローチャートである。
【0119】
図10を参照して、外部装置200(リモート)からジョブの登録要求があると(S201)、MFP100のCPU101は、登録要求のあったジョブが、画像制御ASIC108の圧縮機能(画像圧縮モジュール122)を使用するだけで実行可能なジョブ(圧縮ジョブ)か否かを判別する(S202)。
【0120】
ステップS202において、圧縮機能を使用するだけで実行可能なジョブであると判別した場合(S202でYES)、CPU101は、画像制御ASIC108の圧縮機能にトラブルが起きているか否かを判別する(S203)。
【0121】
ステップS203において、画像制御ASIC108の圧縮機能にトラブルが起きていると判別した場合(S203でYES)、CPU101は、既に登録されている圧縮トラブルリセットジョブが最優先で実行されるように、ジョブの実行順序を変更し(S204)、圧縮トラブルリセットジョブを実行し(S205)、画像処理装置(画像制御ASIC108)のトラブルを解除する(S206)。その後CPU101は、外部装置200(リモート)から登録要求のあったジョブを登録し(S207)、処理を終了する。
【0122】
ステップS202において、圧縮機能を使用するだけで実行可能なジョブではないと判別した場合(S202でNO)、CPU101は、登録要求のあったジョブが、画像制御ASIC108の伸張機能(画像伸張モジュール123)を使用するだけで実行可能なジョブ(伸張ジョブ)か否かを判別する(S208)。
【0123】
ステップS208において、伸張機能を使用するだけで実行可能なジョブであると判別した場合(S208でYES)、CPU101は、画像制御ASIC108の伸張機能にトラブルが起きているか否かを判別する(S209)。
【0124】
ステップS209において、画像制御ASIC108の伸張機能にトラブルが起きていると判別した場合(S209でYES)、CPU101は、既に登録されている伸張トラブルリセットジョブが最優先で実行されるように、ジョブの実行順序を変更し(S210)、伸張トラブルリセットジョブを実行し(S211)、画像処理装置(画像制御ASIC108)のトラブルを解除する(S212)。その後CPU101は、外部装置200(リモート)から登録要求のあったジョブを登録し(S207)、処理を終了する。
【0125】
ステップS208において、伸張機能を使用するだけで実行可能なジョブではないと判別した場合(S208でNO)、登録要求のあったジョブは圧縮機能と伸張機能との両方を含むジョブである。この場合CPU101は、既に登録されている圧縮トラブルリセットジョブまたは伸張トラブルリセットジョブが最優先で実行されるように、ジョブの実行順序を変更し(S213)、トラブルリセットジョブを実行し(S214)、画像処理装置(画像制御ASIC108)のトラブルを解除する(S215)。その後CPU101は、外部装置200(リモート)から登録要求のあったジョブを登録し(S207)、処理を終了する。
【0126】
ステップS203において、画像制御ASIC108の圧縮機能にトラブルが起きていないと判別した場合(S203でNO)、またはステップS209において、画像制御ASIC108の伸張機能にトラブルが起きていないと判別した場合(S209でNO)、CPU101は、リセットジョブの実行順序を変更せずに、新たに登録要求を受け付けたジョブの実行順序を一番後ろに設定し、ステップS207の処理へ進む。
【0127】
[実施の形態の効果]
【0128】
上述の実施の形態によれば、画像圧縮モジュール122または画像伸張モジュール123にトラブルが起きていることを検知した場合に、画像制御ASIC108を初期化するトラブルリセットジョブをMFP100に登録する。このためユーザは、トラブルリセットジョブの実行順序を、通常のジョブと同様に所望の順序に変更することにより、適切なタイミングで画像制御ASIC108をリセットすることができ、画像制御ASIC108のトラブルを解除することができる。またユーザは、操作パネル104のジョブリスト表示などを通じて、トラブルがいつ解除され、トラブルの影響を受けるジョブがいつ実行されるのかを知ることができる。
【0129】
上述の実施の形態によれば、画像制御ASIC108の圧縮機能にトラブルが起きている場合には、既に登録されている伸長ジョブを実行した後で、画像制御ASIC108をリセットすることにより、実行可能な伸張ジョブをキャンセルせずに済む。また、画像制御ASIC108の伸張機能にトラブルが起きている場合には、既に登録されている圧縮ジョブを実行した後で、画像制御ASIC108をリセットすることにより、実行可能な圧縮ジョブをキャンセルせずに済む。
【0130】
上述の実施の形態によれば、トラブルが起きている状態で実行可能なジョブが新たに登録されても、新たに登録されたジョブより前にトラブルリセットジョブが実行されるため、トラブルで実行できない状態のジョブを実行したユーザが、長時間待たされることを回避することができる。
【0131】
[その他]
【0132】
上述の実施の形態においては、画像処理装置が画像制御ASICを備えたMFPである場合について示したが、本発明は、出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する集積回路を備えた画像処理装置全般に適用可能である。
【0133】
上述の実施の形態においては、画像制御ASICにトラブルが起きている時に外部装置から新たなジョブの登録があった場合に図10に示す処理を実行する場合について示したが、このような場合に図10に示す処理を実行せず、新たに登録されたジョブがトラブルが起きている状態でも実行可能であるときは、そのジョブがトラブルリセットジョブよりも優先されるように、ジョブの実行順序を変更してもよい。
【0134】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0135】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0136】
100 MFP
101,201 CPU
102,109 メモリ
103,204 HDD
104 操作パネル
105 ネットワークモジュール
106 スキャナ
107 スキャナ用画像処理モジュール
108 画像制御ASIC
109 メモリ
110 プリンタ用画像処理モジュール
111 プリンタ
112 FAXコントローラ
121 DRAMコントローラ
122 画像圧縮モジュール
123 画像伸張モジュール
131 ボックス
200 外部装置
202 ROM
203 RAM
205 ネットワーク接続部
206 表示部
207 入力部
300 ネットワーク
RJ1 圧縮トラブルリセットジョブ
RJ2 伸張トラブルリセットジョブ
RJ3 圧縮・伸張トラブルリセットジョブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する集積回路と、
前記出力する画像の処理または前記入力された画像の処理にトラブルが起きていることを検知する検知手段と、
前記検知手段にてトラブルが起きていることを検知した場合に、前記集積回路を初期化するジョブであるトラブルリセットジョブを画像処理装置に登録する登録手段とを備えた、画像処理装置。
【請求項2】
前記登録手段にてトラブルリセットジョブを登録した場合に、前記画像処理装置に既に登録されている他のジョブの種類に基づいて、前記登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を変更する順序変更手段をさらに備えた、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
トラブルが起きている状態で前記他のジョブが実行可能である場合には、前記順序変更手段は、前記登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を前記他のジョブの実行順序よりも後に設定する、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記検知手段にて前記出力する画像の処理にトラブルが起きていることを検知した場合において、前記他のジョブが、ボックス保存、ファクシミリタイマー送信登録、高機能イメージコントローラによるスキャン、Webブラウザを使用したリモートからの前記画像処理装置の操作機能でのボックスへの文書データ保存、またはPCアプリケーションを利用した、ボックスへの文書データ保存であるときは、前記順序変更手段は、前記登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を前記他のジョブの実行順序よりも後に設定する、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記順序変更手段は、トラブルが起きている状態で前記他のジョブが実行不可能である場合には、前記登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を前記他のジョブの実行順序よりも前に設定する、請求項2〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記検知手段にて前記入力する画像の処理にトラブルが起きていることを検知した場合において、前記他のジョブが、ボックスプリント、ボックス送信、ファクシミリタイマー送信、高機能イメージコントローラによるスキャン、Webブラウザを使用したリモートからの前記画像処理装置の操作機能でのボックスへの文書データ取得、またはPCアプリケーションを利用した、ボックスからの文書データ取得であるときは、前記順序変更手段は、前記登録手段にて登録したトラブルリセットジョブの実行順序を前記他のジョブの実行順序よりも前に設定する、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置にトラブルリセットジョブが登録されている場合において、前記登録手段にてトラブルリセットジョブを前記画像処理装置に新たに登録したときは、前記順序変更手段は、登録されているトラブルリセットジョブと新たに登録したトラブルリセットジョブとを1つにまとめたトラブルリセットジョブを、実行中の他のジョブであって、トラブルが起きている状態でも継続して実行可能である他のジョブを除いて最先の順序に設定する、請求項2〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理装置にトラブルリセットジョブが登録されている場合において、トラブルが起きている状態で実行不可能なジョブを新たに受け付けたときは、前記順序変更手段は、登録されているトラブルリセットジョブを、実行中の他のジョブであって、トラブルが起きている状態でも継続して実行可能である他のジョブを除いて最先の実行順序に設定する、請求項2〜7のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像処理装置にトラブルリセットジョブが登録されている場合において、トラブルが起きている状態で実行可能なジョブを新たに受け付けたときは、前記順序変更手段は、登録されているトラブルリセットジョブの実行順序を変更せず、かつ新たに受け付けたジョブの実行順序を一番後ろに設定する、請求項2〜8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記新たに受け付けたジョブは、外部装置から受け付けたジョブである、請求項8または9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記集積回路は、スキャナで読み取った画像データの処理、プリントする画像データの処理、およびファクシミリ送信する画像データの処理を実行可能である、請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する集積回路を備えた画像処理装置の制御方法であって、
前記出力する画像の処理または前記入力された画像の処理にトラブルが起きていることを検知する検知ステップと、
前記検知ステップにてトラブルが起きていることを検知した場合に、前記集積回路を初期化するジョブであるトラブルリセットジョブを画像処理装置に登録する登録ステップとを備えた、画像処理装置の制御方法。
【請求項13】
出力する画像の処理と、入力された画像の処理とを実行する集積回路を備えた画像処理装置の制御プログラムであって、
前記出力する画像の処理または前記入力された画像の処理にトラブルが起きていることを検知する検知ステップと、
前記検知ステップにてトラブルが起きていることを検知した場合に、前記集積回路を初期化するジョブであるトラブルリセットジョブを画像処理装置に登録する登録ステップとをコンピュータに実行させる、画像処理装置の制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−217093(P2012−217093A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82075(P2011−82075)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】