説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、制御プログラム及び記録媒体

【課題】ディスク記憶装置の搭載された情報処理装置において、ディスク記憶装置の不具合によって装置が使用不可能となることを防ぐこと。
【解決手段】HDD109を接続して使用可能な画像処理装置1であって、前記画像処理装置の起動処理を制御する主制御部111と、HDD109を制御するストレージコントローラ115を有し、ストレージコントローラ115は、画像処理装置1の起動処理においてHDD109に記憶されている情報を読み出し、当該読み出しの速度を測定し、測定結果に基づいてHDD109に不具合が発生していることを判断し、不具合が発生している場合にHDD109の記憶領域を修復することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、制御プログラム及び記録媒体に関し、特にディスク型記憶装置を接続可能な画像処理装置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ、書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
【0003】
このような画像処理装置がHDD(Hard Disk Drive)を有し、出力画像及び撮像画像を蓄積することにより、利便性を高めることが近年知られている。また、HDDの記憶領域は、プリントアウトを実行する際の画像処理によって生成された画像情報のスプール領域としても用いられる。
【0004】
このようなHDDを有する画像処理装置において、HDDに加わる振動の影響を測定し、その測定結果に応じて処理を変更する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている方法においては、HDDが搭載された複合機において、振動発生時及び振動非発生時の少なくとも一方におけるHDDのデータ転送レートを測定してHDDの異常レベルを判断し、その判断結果に応じて複合機を制御する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2007−18602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている方法においては、HDDに異常が発生した場合の対応については考慮されていない。画像処理等の動作においてHDDを使用する複合機の場合、HDDが使用不可能となると、装置そのものを使用することが不可能となってしまう。ここで、画像処理装置等、所定の目的のために構成された装置の場合、汎用的なユーザインタフェースが設けられていない。そのため、HDDの障害が復旧可能な障害であっても、その装置に接続した状態では復旧することが困難であり、装置を停止してHDDを取り出して障害に対応する必要があり、装置のダウンタイムとなっていた。
【0006】
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、ディスク記憶装置の搭載された情報処理装置において、ディスク記憶装置の不具合によって装置が使用不可能となることを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ディスク型記憶装置を接続して使用可能であって起動時に前記接続されたディスク型記憶装置における不具合の有無を判断する診断処理を実行可能な画像処理装置であって、前記画像処理装置の起動処理を制御する制御部と、前記ディスク型記憶装置から読み出した情報を記憶する読み出し情報記憶部と、前記画像処理装置の起動処理において前記画像処理装置に接続された前記ディスク型記憶装置に記憶されている記憶情報を読み出して前記読み出し情報記憶部に転送する情報転送部と、前記情報転送部による前記ディスク型記憶装置から前記読み出し情報記憶部への前記記憶情報の転送の速度に関する転送速度情報を取得する転送速度情報取得部と、前記取得された転送速度情報に基づいて前記ディスク型記憶装置に不具合が発生していることを判断する不具合判断部と、前記不具合判断部によって不具合が発生していると判断された場合に前記ディスク型記憶装置の記憶領域を修復する記憶領域修復部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記転送速度情報取得部は、前記ディスク型記憶装置の記憶領域において複数の領域に分割された夫々の領域毎に前記転送速度情報を取得し、前記制御部は、前記複数に分割された領域の一について取得された前記転送速度情報について前記不具合判断部によって不具合が発生していると判断された場合、前記不具合判断部によって前記不具合が発生していると判断された領域の修復処理が実行された後、前記診断処理を終了することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像処理装置において、前記ディスク型記憶装置の記憶領域において複数の領域に分割された夫々の領域毎にアクセス履歴の情報を記憶しているアクセス履歴情報記憶部を更に有し、前記情報転送部は、前記アクセス履歴情報記憶部に記憶されている情報に基づき、前記画像処理装置の起動処理において前記夫々の領域の前記記憶情報を読み出す順番を決定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記夫々の領域毎にアクセス頻度の情報を記憶しているアクセス頻度情報記憶部を更に有し、前記情報転送部は、前記アクセス頻度情報記憶部に記憶されている情報に基づき、前記画像処理装置の起動処理において前記夫々の領域の前記記憶情報を読み出す順番を決定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像処理装置において、前記転送速度情報取得部は、前記ディスク型記憶装置の記憶領域において複数の領域に分割された夫々の領域毎に前記転送速度情報を取得し、前記不具合判断部は、前記転送速度情報の取得に係る前記領域に不具合が発生していることを判断し、前記記憶領域修復部は、前記不具合が発生していると判断された前記領域を修復することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置において、前記記憶領域修復部は、前記不具合が発生していると判断された前記領域から前記読み出し情報記憶部に転送され保持された記憶情報を前記領域に書き込むことにより前記領域を修復することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置において、前記不具合が発生していると判断された前記領域に記憶されていた情報と同様の予備情報を記憶している予備情報記憶部を有し、前記記憶領域修復部は、前記予備情報記憶部に記憶されている予備情報を前記領域に書き込むことにより前記領域を修復することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像処理装置において、前記転送速度情報取得部は、前記ディスク型記憶装置の記憶領域において複数の領域に分割された夫々の領域毎に前記転送速度情報を取得し、前記不具合判断部は、前記転送速度情報の取得に係る前記領域に不具合が発生していることを判断し、前記記憶領域修復部は、前記ディスク型記憶装置の全記憶領域を修復することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8いずれか1項に記載の画像処理装置において、前記情報転送部は、前記記憶領域修復部が修復した記憶領域に記憶されている記憶情報を、再度前記読み出し情報記憶部に転送し、前記不具合判断部は、前記再度の転送の速度に関する転送速度情報に基づいて前記ディスク型記憶装置に不具合が発生していることを判断することを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に記載の発明は、ディスク型記憶装置を接続して使用可能な画像処理装置の制御方法であって、前記画像処理装置への電源供給を開始し、
前記画像処理装置の起動処理を制御する制御部と、前記画像処理装置の起動処理において前記画像処理装置に接続された前記ディスク型記憶装置に記憶されている記憶情報を読み出して前記ディスク型記憶装置から読み出した情報を記憶する読み出し情報記憶部に転送し、前記情報転送部による前記ディスク型記憶装置から前記読み出し情報記憶部への前記記憶情報の転送の速度に関する転送速度情報を取得し、前記取得された転送速度情報に基づいて前記ディスク型記憶装置に不具合が発生していることを判断し、前記不具合が発生していると判断された場合に前記ディスク型記憶装置の記憶領域を修復することを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に記載の発明は、制御プログラムであって、請求項10に記載の制御方法を情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に記載の発明は、記録媒体であって、請求項11に記載の制御プログラムを情報処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ディスク記憶装置の搭載された情報処理装置において、ディスク記憶装置の不具合によって装置が使用不可能となることを防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態においては、ディスク記憶装置を搭載する情報処理装置の例として、HDD(Hard Disk Drive)を搭載する画像処理装置を例として説明する。本実施形態に係る画像処理装置は、電源投入後の起動処理において、搭載されたHDDにおける不具合の有無を判断する診断処理を実行する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る画像処理装置1を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Document Feeder:原稿自動搬送装置)101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、ネットワークI/F104、ディスプレイパネル105、給紙テーブル106、プリントエンジン107、排紙トレイ108、HDD(Hard Disk Drive)ユニット109及びNVRAM(Non―Volatile Random Access Memory)110を有する。また、コントローラ100は、主制御部111、エンジン制御部112、入出力制御部113、画像処理部114及びストレージコントローラ115を有する。尚、図1においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
【0022】
ネットワークI/F104は、画像処理装置1がホスト装置等の他の機器と通信する際のインターフェースである。ホスト装置が送信した印刷ジョブは、ネットワークI/F104を介してコントローラ100に入力され、コントローラ100の制御に従って印刷ジョブに基づいた画像形成処理が実行される。ディスプレイパネル105は、画像処理装置1の状態を視覚的に表示する出力インターフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像処理装置1を直接操作する際の入力インターフェースでもある。
【0023】
NVRAM110は、不揮発性の半導体記憶媒体である。NVRAM110は、画像処理装置1においてコントローラ100を構成するための制御プログラムやプログラム動作用のパラメータ情報等が記憶される。本実施形態においては、NVRAM110に記憶されているコントローラ100を構成するための制御プログラムは、HDD109にダウンロードされる。そして、画像処理装置1の実際の運用においてコントローラ100が構成される際は、HDD109にダウンロードされた制御プログラムによりコントローラ100が構成される。NVRAM110に保存されている制御プログラムの情報は、HDD109にダウンロードされた制御プログラムを修復するための予備情報として用いられる。即ち、NVRAM110は、予備情報記憶部として機能する。
【0024】
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM(Read Only Memory)や不揮発性メモリやHDD109、若しくは光学ディスク、NVRAM110等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU(Central Processing Unit)の制御に従って構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像処理装置1全体を制御する制御部として機能する。
【0025】
主制御部111は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。また、本実施形態において、主制御部111は、画像処理装置1に電源が投入された後、装置の起動処理を制御する制御部として機能する。エンジン制御部112は、プリントエンジン107やスキャナユニット102等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部113は、ネットワークI/F104を介して入力される印刷ジョブやディスプレイパネル105からユーザによって入力される操作情報を主制御部111に入力すると共に、主制御部111の命令に従ってディスプレイパネル105に情報表示を行い若しくはネットワークI/F104を介してホスト装置に情報を送信する。
【0026】
画像処理部114は、主制御部111の制御に従い、印刷ジョブに含まれる情報やHDD109に格納されている蓄積文書等に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、プリントエンジン107が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、画像処理部114は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物としてHDD109に格納され若しくはネットワークI/F104を介してホスト装置に送信される情報である。画像処理部114は、生成した描画情報若しくは画像情報を順次ストレージコントローラ115に送信する。ストレージコントローラ115に送信された描画情報は、HDD109にスプールされる。
【0027】
ストレージコントローラ115は、主制御部111の制御に従い、HDD109への情報の格納及びHDD109からの情報の読み出しを制御する。また、NVRAM110への情報の格納及び情報の読み出しを制御する。即ち、本実施形態においては、ストレージコントローラ115がHDD109から読み出した情報を一時的に記憶する読み出し情報記憶部として機能すると共に、読み出し情報記憶部にHDD109から読み出した情報を転送する情報転送部として機能する。HDD109には、ネットワークI/F104を介して接続されているホスト装置のネットワークアドレス情報や画像処理装置1がファクシミリとして動作する場合の送信先情報等のアドレス帳及び画像処理装置1の各種動作において参照される設定値等が格納されている。
【0028】
尚、上述したように、コントローラ100に含まれる各部は、ソフトウェアとハードウェアとによって実現されるが、ストレージコントローラ115は、本実施形態の要旨となる画像処理装置1起動時のHDD109のチェック処理を実行する。従って、ストレージコントローラ115は、ハードウェアのみ若しくはHDD109以外の不揮発性記憶媒体に格納されているプログラムによって構成されることが好ましい。本実施形態においては、ストレージコントローラ115を構成するプログラムは、画像処理装置1に設けられた不揮発性メモリに格納されている。
【0029】
画像処理装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部113がホストI/F104に接続されたUSB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)を介して印刷ジョブを受信することにより印刷ジョブが発生する。印刷ジョブが発生すると、画像処理部114が主制御部111の命令に従い、印刷ジョブ若しくはHDD109に含まれる蓄積文書等の情報に基づいて描画情報を生成する。画像処理部114によって生成された描画情報は、上述したようにストレージコントローラ115によって順次HDD109にスプールされる。即ち、ストレージコントローラ115が描画情報をHDD109に格納する情報格納部として動作する。
【0030】
エンジン制御部112は、主制御部111の制御に従い、給紙テーブル106を駆動して印刷用紙をプリントエンジン107に搬送する。また、エンジン制御部112は、ストレージコントローラ115からHDD109にスプールされた描画情報を取得し、プリントエンジン107に入力する。プリントエンジン107は、エンジン制御部112から受信した描画情報に基づき、給紙テーブル106から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン107が画像形成部として動作する。プリントエンジン107の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン107によって画像形成が施された文書は排紙トレイ108に排紙される。
【0031】
画像処理装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル105の操作若しくはネットワークI/F104を介して外部のホスト装置から入力されるスキャン実行指示に応じて入出力制御部113が主制御部111にスキャン実行信号を送信する。主制御部111は、入出力制御部113から受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部112を制御する。エンジン制御部112は、ADF101を駆動し、ADF101にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット102に搬送する。また、エンジン制御部112は、スキャナユニット102を駆動し、ADF101から搬送される原稿を撮像する。また、ADF101に原稿がセットされておらず、スキャナユニット102に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット102は、エンジン制御部112の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット102が撮像部として動作する。
【0032】
撮像動作においては、スキャナユニット102に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部112は、スキャナユニット102が生成した撮像情報を画像処理部114に転送する。画像処理部114は、主制御部111の制御に従い、エンジン制御部112から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。画像処理部114が生成した画像情報は順次HDD109にスプールされる。画像処理部114によって生成され、HDD109にスプールされた画像情報は、ユーザの指示に応じてHDD109に格納され若しくは入出力制御部113及びネットワークI/F104を介して外部のホスト装置に送信される。
【0033】
また、画像処理装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部112がスキャナユニット102から受信した撮像情報若しくは画像処理部114が生成しHDD109に格納された画像情報に基づき、画像処理部114が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部112がプリントエンジン107を駆動する。
【0034】
本実施形態に係るHDD109は、その記憶領域が複数の領域に区別されており、格納するデータの種類に応じて格納すべき領域を分けている。図2は、HDD109の記憶領域毎に格納されるデータの種類を模式的に示す図である。図2に示すように、本実施形態に係るHDD109に含まれる記憶媒体である磁気ディスクは、その外周側から“画像領域”、“作業領域”、“プログラム領域1”、“プログラム領域2”及び“プログラム領域3”として割り当てられている。
【0035】
“画像領域”とは、図2に示すようにローカルストレージとして用いられる領域であり、ユーザが画像処理装置1によりスキャンした画像の情報等、画像処理装置1に蓄積された情報が格納される。“作業領域”とは、システムプログラム実行時のワークエリアとしてや、画像作成におけるワークエリアとして使用される。即ち、上述したスプール処理において用いられるのはこの“作業領域”である。
【0036】
画像処理装置1のコントローラ100においては、上述したように、プログラムが動作することによりエンジン制御部112や画像処理部114等を構成され、コピー、プリンタ及びファクシミリ等の機能を実現する。これらの機能を実現するプログラムは、コピー用アプリケーション、プリンタ用アプリケーション、ファクシミリ用アプリケーション等、夫々のアプリケーション・プログラムである。HDD109において各種のアプリケーション・プログラムが格納される領域は、図2に示す“プログラム領域1”、“プログラム領域2”、“プログラム領域3”・・・、のように、夫々のアプリケーション毎に分割されている。
【0037】
このような画像処理装置1において、本実施形態は、電源投入時のHDD109のチェック動作がその要旨となる。以下、図面を参照して、本実施形態に係る画像処理装置1の電源投入時の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る画像処理装置1の電源投入時の動作を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態に係る画像処理装置1は、電源が投入されると(S301)、POR(Power On Reset)処理の1つとして、HDD109のチェックを行なう。本実施形態に係る画像処理装置1のHDD109のチェック処理においては、まず、ストレージコントローラ115が主制御部111の制御に従い、HDD109の記憶領域のうち、チェックを行なう領域を決定する(S302)。
【0038】
S302の処理において、ストレージコントローラ115は、図2において説明したHDD109における各記憶領域毎のアクセス履歴の情報(以降、アクセス履歴情報とする)及び各記憶領域毎のアクセス頻度の情報(以降、アクセス頻度情報とする)に基づいてチェックを行なう領域を決定する。ここで、HDD109のアクセス履歴情報及びアクセス頻度情報について図4、図5を参照して説明する。図4は、本実施形態に係るHDD109のアクセス履歴情報に含まれる情報の例を示す図である。また、図5は、本実施形態に係るHDD109のアクセス頻度情報に含まれる情報の例を示す図である。これらの情報は、ストレージコントローラ115が蓄積し、記憶している。即ち、ストレージコントローラ115が、アクセス履歴情報記憶部及びアクセス頻度情報記憶部として機能する。
【0039】
図4に示すように、本実施形態に係るアクセス履歴情報には、HDD109へのアクセス日時、図2に示す各記憶領域のうちアクセスした領域、及び夫々のアクセス履歴を一意に識別するIDの情報が互いに関連付けられて記憶されている。また、図5に示すように、本実施形態に係るアクセス頻度情報には、図2に示す各記憶領域と各記憶領域のアクセス頻度の順位とが関連付けられて記憶されている。図5に示すように、本実施形態においては、“画像領域”、“作業領域”、“プログラム領域1”、“プログラム領域2”、“プログラム領域3”、・・・の順のアクセス頻度となっている。尚、図5に示すアクセス頻度情報は、図4において説明したアクセス履歴情報に基づいて生成されるものである。即ち、広義には、図5に示すアクセス頻度情報もアクセス履歴情報と言うことができる。
【0040】
図4及び図5において説明したアクセス履歴情報及びアクセス頻度情報は、ストレージコントローラ115を構成するソフトウェア・プログラムに含まれる情報として画像処理装置1に設けられた不揮発性メモリに格納されている。ストレージコントローラ115が構成されると、アクセス履歴情報及びアクセス頻度情報は、ストレージコントローラ115を構成する一部の情報として、ストレージコントローラ115によって保持される。これにより、ストレージコントローラ115は、アクセス履歴情報及びアクセス頻度情報を参照して、S302のチェック領域の選択処理を実行することができる。
【0041】
本実施形態に係るS302の処理において、ストレージコントローラ115は、図4、5に示したアクセス履歴情報及びアクセス頻度情報を参照し、アクセス履歴が最近の領域若しくはアクセス頻度の高い領域を優先的にチェック対象として決定する。S302の処理においては、アクセス履歴情報及びアクセス頻度情報のいずれの情報に基づいてHDD109の各記憶領域をチェックする順番を決定しても良い。また、アクセス履歴情報における優先度とアクセス頻度情報における優先度とを数値化し、両方の情報に基づいて決定しても良い。
【0042】
実際の装置動作において、HDD109への書き込みエラー等、HDD109に関する障害が発生した場合、装置自体が再起動する。このような場合、HDD109において最後にアクセスされた領域に不具合が生じている可能性が高い。従って、上述したように、S302の処理において、図4に示したアクセス履歴情報を参照してチェック対象の領域を決定することにより、障害の発生している可能性の高い記憶領域を優先的にチェック対象とすることができる。
【0043】
また、HDD109において、頻繁にアクセスされる記憶領域ほど、障害が発生している可能性が高いと考えられる。従って、上述したように、S302の処理において、図5に示すアクセス頻度情報を参照してチェック対象の領域を決定することにより、障害の発生している可能性の高い記憶領域を優先的にチェック対象とすることができる。
【0044】
チェック対象の記憶領域を決定すると、ストレージコントローラ115は、対象となった記憶領域に記憶されている情報を読み出し、その読み出し処理における情報の転送速度即ちアクセス速度を測定する(S303)。即ち、ストレージコントローラ115が、転送速度情報取得部として機能する。ストレージコントローラ115は、測定した転送速度に基づき、チェック対象の記憶領域の異常有無を調べる(S304)。即ち、ストレージコントローラ115が、不具合判断部として機能する。HDD109の記憶媒体である磁気ディスクに障害が発生する要因は複数考えられるが、いずれの要因においてもエラーレートの劣化やリトライ回数の増大に寄与し、最終的に情報の読み出し速度に影響する。従って、HDD109の転送速度を測定することにより、HDD109の記憶媒体の異常有無を判断することができる。
【0045】
ここで、本実施形態に係るHDD109の転送速度について、図6を参照して説明する。図6は、HDD109が正常である場合における、磁気ディスクの外周側から内周側にかけての転送速度を示す図である。図6に示すように、本実施形態に係るHDD109をはじめとして、一般的なHDDは、外周側が最も転送速度が高く、内周側に近付く程転送速度が低くなる。これは、磁気ディスクの板面における角速度の違いによる。
【0046】
本実施形態に係るストレージコントローラ115は、図6に示す情報、即ちHDD109の正常な転送速度を示す情報(以降、基本転送速度情報とする)を記憶しており、S303において測定した転送速度の情報と基本転送速度情報とを比較することにより、S303において測定した転送速度が異常であるか否かを判断する(S304)。S304の判断においては、例えば、S303において測定した転送速度が、基本転送速度情報において該当する記憶領域の転送速度の10%以下であれば、異常であると判断する。即ち、基本転送速度情報に基づいて転送速度の異常を判断するための閾値を生成する。HDD109の記憶媒体の一部が異常である場合の転送速度の例について、図7に示す。
【0047】
転送速度が異常であると判断された場合(S304/YES)、ストレージコントローラ115は、対象の記憶領域のデータ修復が可能であるか否かを判断する(S305)。ここで、対象の記憶領域とは、S304において転送速度が異常であると判断された領域であり、典型的にはセクタ毎に判断されるが、図2において説明した夫々の記憶領域毎に判断しても良いし、複数のセクタをブロックとしてまとめて判断しても良い。
【0048】
S305におけるデータ修復の可否判断処理について、図8を参照して説明する。図8は、S305におけるデータ修復の可否判断処理の動作を示すフローチャートである。図8に示すように、データ修復の可否判断において、ストレージコントローラ115は、まず対象の記憶領域について、予備データがあるか否かを判断する(S801)。ここで、予備データとは、HDD109に格納されているデータと同一のデータであって、NVRAM110や画像処理装置1に設けられたROM等、HDD109以外の記憶媒体に格納されているデータである。この予備データは、HDD109に格納されているデータのベリファイや、コントローラ100を構成するソフトウェア・プログラムの修復等のために記憶される。本実施形態においては、図2に示すプログラム領域1、2及び3に記憶されているプログラムのみ、予備データが記憶されている。
【0049】
予備データが記憶されている場合(S801/YES)、その予備データによりデータ修復が可能であるため、ストレージコントローラ115は、データ修復可能(S802)と判断する。他方、予備データが記憶されていない場合(S801/NO)、ストレージコントローラ115は、S303の処理において対象の記憶領域からデータの読み出しが完了したか否かを判断する(S803)。転送速度が異常でありながらも対象の領域からのデータの読み出しが完了していれば(S803/YES)、その読み出したデータを用いてデータ修復が可能であるため、ストレージコントローラ115は、データ修復可能(S802)と判断する。データの読み出しが完了してない場合(S803/NO)、ストレージコントローラ115は、データ修復不可能(S804)と判断する。
【0050】
図8に示す処理の結果、データ修復が可能である場合(S305/YES)、ストレージコントローラ115は、対象の記憶領域のデータを上書きし(S306)、処理を終了する。ここで、データの上書きとは、対象の記憶領域に格納されているデータを再度書き込む処理である。データ修復が可能な場合は、図8において説明した予備データ若しくは読み出しが完了したデータのいずれかが保持されている。S304において転送速度が異常であると判断された記憶領域に格納されているデータを再度書き直すことにより、情報の書き込みが不完全であることによる不具合を解消することが可能となる。即ち、ストレージコントローラ115が、記憶領域修復部として機能する。
【0051】
他方、データ修復が不可能である場合(S305/NO)、ストレージコントローラ115は、記憶領域修復部として機能し、対象の記憶領域をフォーマットする(S307)。S307におけるフォーマット処理は、対象となる記憶領域を初期化する処理であり、対象となる記憶領域のフォーマット情報を書き直す処理や、修復不能なセクタを代替セクタに置換する処理等が含まれる。これにより、対象の記憶領域に格納されていたデータは失われるものの、その領域の不具合を解消し、正常な記憶領域として使用可能とすることができる。
【0052】
S303における転送速度の測定の結果、転送速度が正常であった場合(S304/NO)、HDD109の記憶媒体に含まれる全記憶領域についてS303の処理が完了するまで処理を繰り返し(S308/NO)、全領域についてS303の処理が完了していれば(S308/YES)、処理を終了する。
【0053】
このように、本実施形態に係る画像処理装置1においては、装置起動時にストレージコントローラ115がHDD109のチェック処理を実行する。そして、HDD109の装置自体、即ちハードウェア的な不具合が生じておらず、記憶媒体への書き込みミス等、ソフトウェア的な不具合を修復する。これにより、ディスク記憶装置の搭載された情報処理装置において、ディスク記憶装置の不具合によって装置が使用不可能となることを防ぐことが可能となる。
【0054】
また、本実施形態においては、上記説明したように、HDD109の不具合の発生有無を、情報の読み出しにおける転送速度に基づいて判断する。これは、上述したソフトウェア的な不具合は、主にエラーレートの劣化やリトライ回数の増大を招き、結果的に転送速度に影響するためである。即ち、情報の読み出しにおける転送速度に基づいてHDD109の不具合の発生有無を判断することにより、HDD自体を取り出して修理する必要のないソフトウェア的な不具合を効率的に検知することが可能となる。
【0055】
尚、上記の説明においては、図3において説明したように、HDD109の記憶媒体において転送速度の異常が発見された段階で修復処理を実行し、そのまま処理を終了する例を説明した。これは、一般的にHDD109においてエラーが発生する頻度がそれ程高くなく、複数の記憶領域において同時にエラーが発生する可能性が低いことによる。即ち、エラーが発見された時点で、エラーが発見された領域のみ修復処理を実行すれば、他の領域にエラーが発生している可能性は低いと考えられるからである。
【0056】
これに対して、エラーの発見有無に関わらず、HDD109の記憶媒体の全領域をチェックするようにしても良い。そのような態様において、図9に示す。図9に示すS901〜S908の処理は、図3において説明したS301〜S308における各処理と同様の処理である。図9に示す態様においては、S906若しくはS907における修復処理が完了した後、若しくは、S903において測定した転送速度が正常であった場合に、HDD109の記憶媒体の全領域に対してチェックが完了したかを判断する(S908)。このような処理により、HDD109の記憶媒体において、一度に複数の領域に不具合が発生した場合であっても対応が可能となる。
【0057】
また、上記の説明においては、図3において説明したように、S306若しくはS307において記憶領域の修復処理を実行した後、そのまま処理を終了する例を説明した。この他、修復処理を実行した領域を再度チェックしても良い。そのような態様において、図10に示す。図10に示すS1001〜S1008の処理は、図3において説明したS301〜S308における各処理と同様の処理である。図10に示す態様においては、S1006若しくはS1007における修復処理が完了した後、対象領域を再度チェックする(S1009)。
【0058】
S1009における対象領域のチェック処理においては、S1006のデータ上書き処理を経た場合、上書きしたデータを再度読み出し、その転送速度を測定する。他方、S1007のフォーマット処理を経た場合、テスト用のデータを書き込んでそのデータを読み出し、その転送速度を測定する。S1009における転送速度の測定の結果、転送速度が異常である場合(S1010/YES)、ストレージコントローラ115は、対象領域の不具合は修復不能な不具合であると判断する。この場合、主制御部111が入出力制御部113を制御し、ディスプレイパネル105にエラー画面を表示させて(S1011)処理を終了する。他方、転送速度が正常である場合(S1010/NO)、そのまま処理を終了する。
【0059】
このように、修復処理を実行した後、再度対象領域のチェックを実行することにより、データの修復が完了していることを確認し、若しくは修復不可能な不具合がHDD109に発生している場合に、それを検出してユーザに通知することが可能となる。
【0060】
また、上記の説明においては、図3において説明したように、HDD109における夫々の記憶領域の一部に異常、即ち転送速度が遅い領域が発見された段階で修復処理を実行する例を説明した。この他、HDD109に含まれる記憶媒体の全領域の転送速度を測定してから、異常と判断された領域に対して修復処理を行なうようにしても良い。そのような態様において、図11に示す。図11に示すS1101〜S1103の処理は、図3において説明したS301〜S303における各処理と同様の処理である。
【0061】
図11に示す態様においては、HDD109に含まれる記憶媒体の全領域について、転送速度の測定が完了するまで、処理を繰り返す(S1104/NO)。全領域について転送速度の測定が完了すると(S1104/YES)、ストレージコントローラ115は、測定の結果、転送速度が異常である記憶領域の有無を判断し(S1105)、転送速度が異常な領域がなければ(S1105/NO)、そのまま処理を終了する。転送速度が異常な領域がある場合(S1105/YES)、ストレージコントローラ115は、転送速度が異常と判断された領域(以降、異常領域とする)の、全記憶領域に対する割合を求める。
【0062】
HDD109の全記憶領域に対する異常領域の割合が、所定の閾値以上である場合(S1106/YES)、ストレージコントローラ115は、HDD109に発生している不具合を修復不可能であると判断する。この場合、主制御部111が入出力制御部113を制御し、ディスプレイパネル105にエラー画面を表示させて(S1107)処理を終了する。このような場合の転送速度の例について、図12を参照して説明する。図12は、図6、図7と同様に、磁気ディスクの外周側から内周側にかけての転送速度を示す図である。
【0063】
図12に示すように、HDD109に含まれる記憶媒体である磁気ディスクの外周から内周全体にかけて転送速度の異常が発生している場合、これは記憶媒体の不具合ではなく、情報を読み出す磁気ヘッド等のその他の部分の不具合である可能性が高い。このような場合、データの再書き込みや記憶領域のフォーマットを実行しても不具合は解消しないので、修復不可能と判断することができる。尚、上記の閾値とは例えば、HDD109の全記憶領域の50%とすることができる。この他、よりエラーの検知頻度を上げる場合は、40%、30%のように低い値を設定し、エラーの権利頻度を下げる場合は、60%、70%のように高い値を設定することができる。
【0064】
HDD109の全記憶領域に対する異常領域の割合が、所定の閾値未満である場合(S1106/NO)、図3のS305の処理と同様に、修復可能か否かを判断する(S1108)。その後、S1108、S1109及びS1110は、図3のS305、S306及びS307と同様に処理される。このように、HDD109に含まれる記憶媒体の全領域のチェックを行なった上で、修復処理を実行することにより、記憶領域の全体に亘って転送速度の異常が見られるような場合等、修復処理の後再度のチェックをすることなく、修復可能な不具合であるか否かを判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置1を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るHDDに含まれる記憶媒体の記憶領域の分割態様を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置の起動処理におけるHDDの診断処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るHDDのアクセス履歴情報を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るHDDのアクセス頻度情報を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るHDDに含まれる記憶媒体の位置毎の一般的な転送速度を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るHDDに含まれる記憶媒体の位置毎の転送速度であって障害が発生している場合の例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るHDDの診断処理において、情報の修復可否を判断する動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態に係る画像処理装置の起動処理におけるHDDの診断処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態に係る画像処理装置の起動処理におけるHDDの診断処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態に係る画像処理装置の起動処理におけるHDDの診断処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係るHDDに含まれる記憶媒体の位置毎の転送速度であって障害が発生している場合の例を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 画像処理装置
100 コントローラ
101 ADF
102 スキャナユニット
103 排紙トレイ
104 ネットワークI/F
105 ディスプレイパネル
106 給紙テーブル
107 プリントエンジン
108 排紙トレイ
109 HDD
110 NVRAM
111 主制御部
112 エンジン制御部
113 入出力制御部
114 画像処理部
115 ストレージコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク型記憶装置を接続して使用可能であって起動時に前記接続されたディスク型記憶装置における不具合の有無を判断する診断処理を実行可能な画像処理装置であって、
前記画像処理装置の起動処理を制御する制御部と、
前記ディスク型記憶装置から読み出した情報を記憶する読み出し情報記憶部と、
前記画像処理装置の起動処理において前記画像処理装置に接続された前記ディスク型記憶装置に記憶されている記憶情報を読み出して前記読み出し情報記憶部に転送する情報転送部と、
前記情報転送部による前記ディスク型記憶装置から前記読み出し情報記憶部への前記記憶情報の転送の速度に関する転送速度情報を取得する転送速度情報取得部と、
前記取得された転送速度情報に基づいて前記ディスク型記憶装置に不具合が発生していることを判断する不具合判断部と、
前記不具合判断部によって不具合が発生していると判断された場合に前記ディスク型記憶装置の記憶領域を修復する記憶領域修復部とを有することを特徴とする、画像処理装置。
【請求項2】
前記転送速度情報取得部は、前記ディスク型記憶装置の記憶領域において複数の領域に分割された夫々の領域毎に前記転送速度情報を取得し、
前記制御部は、前記複数に分割された領域の一について取得された前記転送速度情報について前記不具合判断部によって不具合が発生していると判断された場合、前記不具合判断部によって前記不具合が発生していると判断された領域の修復処理が実行された後、前記診断処理を終了することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ディスク型記憶装置の記憶領域において複数の領域に分割された夫々の領域毎にアクセス履歴の情報を記憶しているアクセス履歴情報記憶部を更に有し、
前記情報転送部は、前記アクセス履歴情報記憶部に記憶されている情報に基づき、前記画像処理装置の起動処理において前記夫々の領域の前記記憶情報を読み出す順番を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記夫々の領域毎にアクセス頻度の情報を記憶しているアクセス頻度情報記憶部を更に有し、
前記情報転送部は、前記アクセス頻度情報記憶部に記憶されている情報に基づき、前記画像処理装置の起動処理において前記夫々の領域の前記記憶情報を読み出す順番を決定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記転送速度情報取得部は、前記ディスク型記憶装置の記憶領域において複数の領域に分割された夫々の領域毎に前記転送速度情報を取得し、
前記不具合判断部は、前記転送速度情報の取得に係る前記領域に不具合が発生していることを判断し、
前記記憶領域修復部は、前記不具合が発生していると判断された前記領域を修復することを特徴とする、請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記記憶領域修復部は、前記不具合が発生していると判断された前記領域から前記読み出し情報記憶部に転送され保持された記憶情報を前記領域に書き込むことにより前記領域を修復することを特徴とする、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記不具合が発生していると判断された前記領域に記憶されていた情報と同様の予備情報を記憶している予備情報記憶部を有し、
前記記憶領域修復部は、前記予備情報記憶部に記憶されている予備情報を前記領域に書き込むことにより前記領域を修復することを特徴とする、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記転送速度情報取得部は、前記ディスク型記憶装置の記憶領域において複数の領域に分割された夫々の領域毎に前記転送速度情報を取得し、
前記不具合判断部は、前記転送速度情報の取得に係る前記領域に不具合が発生していることを判断し、
前記記憶領域修復部は、前記ディスク型記憶装置の全記憶領域を修復することを特徴とする、請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記情報転送部は、前記記憶領域修復部が修復した記憶領域に記憶されている記憶情報を、再度前記読み出し情報記憶部に転送し、
前記不具合判断部は、前記再度の転送の速度に関する転送速度情報に基づいて前記ディスク型記憶装置に不具合が発生していることを判断することを特徴とする、請求項1乃至8いずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
ディスク型記憶装置を接続して使用可能な画像処理装置の制御方法であって、
前記画像処理装置への電源供給を開始し、
前記画像処理装置の起動処理を制御する制御部と、
前記画像処理装置の起動処理において前記画像処理装置に接続された前記ディスク型記憶装置に記憶されている記憶情報を読み出して前記ディスク型記憶装置から読み出した情報を記憶する読み出し情報記憶部に転送し、
前記情報転送部による前記ディスク型記憶装置から前記読み出し情報記憶部への前記記憶情報の転送の速度に関する転送速度情報を取得し、
前記取得された転送速度情報に基づいて前記ディスク型記憶装置に不具合が発生していることを判断し、
前記不具合が発生していると判断された場合に前記ディスク型記憶装置の記憶領域を修復することを特徴とする、画像処理装置の制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の制御方法を情報処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の制御プログラムを情報処理装置が読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−194662(P2009−194662A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33708(P2008−33708)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】