説明

画像処理装置、画像形成システムおよびプログラム

【課題】スタンプ画像のような合成画像を出力画像データに合成するための画像合成処理を、大きな負担をかけることなくソフトウェア処理により実現する。
【解決手段】制御部43は、画像データ格納部41に格納されている印刷画像データを予め設定された一定量のブロックサイズ単位で分割して送信用メモリ44に格納する。制御部43は、送信用メモリ44に格納された1ブロック分の画像データの各ライン毎に合成すべき合成画像の有無を判定する。そして、制御部43は、合成すべき合成画像が有ると判定された場合に、そのラインのどのドット(画素)に合成画像を合成すべきであるかを示すアドレス情報を算出する。最後に、制御部43は、算出されたアドレス情報に基づいて、そのラインの画像データに含まれるドットの画像データに対して合成画像を合成する合成処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機や印刷装置から得られた印刷物を整理、管理するために、印刷物に番号(ナンバリング情報)等のスタンプ画像を押印することや、読み込み原稿画像に対して、「複写禁止」や「マル秘」等のスタンプ画像を押印するような画像形成システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1に開示された画像形成システムは、原稿読み取り装置から読み取った原稿画像の画像データと生成されたスタンプ画像データを画像合成回路を介して合成することにより、印刷物に対する押印を自動的に行うシステムである。
【0004】
【特許文献1】特開平8−11411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、原稿画像データとスタンプ画像データの合成処理をハードウェアの画像合成回路により実現した場合、合成処理を行うための専用のハードウェア回路が必要となりコストアップの要因となる。そのため、このような画像合成回路を必要とせずに画像合成処理を実現しようとした場合、ソフトウェア処理により画像合成処理を実現することが考えられる。
【0006】
しかし、原稿画像データとスタンプ画像データの合成処理を単純にソフトウェア処理により実現しようとすると、原稿画像データの各画素毎に合成すべき画素データの有無を判定する必要があるためソフトウェア処理に大きな負担がかかってしまう。特に、画像サイズが大きな画像形成システムにおいてソフトウェア処理により画像合成処理を実行しようとすると、このソフトウェア処理における負担はさらに大きなものとなり他の処理に遅延が生じる等の弊害が発生しかねない。
【0007】
本発明の目的は、スタンプ画像のような合成画像を出力画像データに合成するための画像合成処理を、大きな負担をかけることなくソフトウェア処理により実現可能な画像処理装置、画像形成システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[画像処理装置]
請求項1に係る本発明は、合成画像を合成しようとする画像データをある一定量のデータ毎に分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された一定量の画像データを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された一定量の画像データの各ライン毎に合成すべき合成画像の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により合成すべき合成画像が有ると判定された場合に、当該ラインのどの画素に合成画像を合成すべきであるかを示すアドレス情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出されたアドレス情報に基づいて、当該ラインの画像データに含まれる画素データに対して合成画像を合成する合成手段と、
前記格納手段に格納された一定量の画像データを順次転送する転送手段とを有する画像処理装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、合成画像の先頭画素を画像データに合成すべき位置である合成開始点と、該合成画像の幅および長さとに基づいて該合成画像の最終画素を合成すべき位置である合成終了点を算出し、この合成終了点が合成画像を合成しようとする画像の画像範囲を超えた場合には、合成終了点が画像範囲内に収まるように合成終了点を変更する変更手段をさらに有する請求項1記載の画像処理装置である。
【0010】
本発明によれば、合成終了点が合成画像を合成しようとする画像範囲を超えてしまうことを防ぐことができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記格納手段に格納された一定量の画像データ中に含まれる各ラインを、1ライン中の前側の画像データが当該一定量の画像データに含まれていない開始ライン、1ライン中の全ての画像データが当該一定量の画像データに含まれる中間ライン、1ライン中の後側の画像データが当該一定量の画像データに含まれていない終了ラインに分割するライン分割手段をさらに有する請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0012】
本発明によれば、一定量の画像データを開始ライン、中間ライン、終了ラインに分割するようにしているので、各ラインの特性に合致した処理を行うことが可能となり、ソフトウェアによる処理負担をより少なくした画像合成処理を実現することができる。
【0013】
[画像形成システム]
請求項4に係る本発明は、合成画像を合成しようとする画像データをある一定量のデータ毎に分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された一定量の画像データを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された一定量の画像データの各ライン毎に合成すべき合成画像の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により合成すべき合成画像が有ると判定された場合に、当該ラインのどの画素に合成画像を合成すべきであるかを示すアドレス情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出されたアドレス情報に基づいて、当該ラインの画像データに含まれる画素データに対して合成画像を合成する合成手段と、
前記格納手段に格納された一定量の画像データを順次転送する転送手段と、
前記転送手段により転送されてきた画像データに基づいた画像を出力する画像出力手段とを有する画像形成システムである。
【0014】
[プログラム]
請求項5に係る本発明は、合成画像を合成しようとする画像データをある一定量のデータ毎に分割するステップと、
分割された一定量の画像データをメモリに格納するステップと、
メモリに格納された一定量の画像データの各ライン毎に合成すべき合成画像の有無を判定するステップと、
合成すべき合成画像が有ると判定された場合に、当該ラインのどの画素に合成画像を合成すべきであるかを示すアドレス情報を算出するステップと、
算出されたアドレス情報に基づいて、当該ラインの画像データに含まれる画素データに対して合成画像を合成するステップと、
メモリに格納された一定量の画像データを順次転送するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、スタンプ画像のような合成画像を出力画像データに合成するための画像合成処理を、大きな負担をかけることなくソフトウェア処理により実現することができるという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0017】
本発明の一実施形態の画像形成システムは、図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された画像形成システム10、および端末装置20により構成される。端末装置20は、印刷データを生成して、ネットワーク30経由にて生成した印刷データを画像形成システム10に対して送信する。画像形成システム10は、端末装置20から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。
【0018】
画像形成システム10は、図1に示されるように、システムコントローラ11と、画像形成ユニット12とにより構成されている。システムコントローラ11は、端末装置20から送信されてきた印刷データにより画像形成ユニット12の印刷動作を制御する画像処理装置として機能する。画像形成ユニット12は、システムコントローラ11による制御に基づいて印刷データに応じた画像を印刷用紙上に出力する。
【0019】
次に、本実施形態の画像形成システム10におけるシステムコントローラ11と画像形成ユニット12のハードウェア構成を図2に示す。
【0020】
システムコントローラ11は、図2に示されるように、CPU21、ハードディスクドライブ(HDD)22、データ転送部23、ROM24、RAM25、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置26を有する。
【0021】
CPU21は、ROM24、RAM25またはHDD22に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、システムコントローラ11の動作を制御する。データ転送部23は、印刷すべき画像データを画像形成ユニット12に対して転送する。
【0022】
また、画像形成ユニット12は、図2に示されるように、受信部31、HDD32、CPU33、ROM34、RAM35、プリントエンジン36を有する。
【0023】
CPU33は、ROM34、RAM35またはHDD32に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成ユニット12の動作を制御する。受信部31は、システムコントローラ11の転送部23から印刷すべき画像データを受信する。
【0024】
次に、CPU21において制御プログラムが実行されることにより実現されるシステムコントローラ11の機能構成を図3に示す。
【0025】
システムコントローラ11は、図3に示されるように、画像データ格納部41、合成画像データ格納部42、制御部43、送信用メモリ44、データ転送部23とを備えている。
【0026】
画像データ格納部41は、端末装置20等から送信されてきた印刷画像データを格納する。合成画像データ格納部42は、印刷画像データに合成するためのスタンプ画像等の合成画像データを格納する。
【0027】
制御部43は、画像データ格納部41に格納されている印刷画像データを予め設定された一定量のブロックサイズ単位で分割して送信用メモリ44に格納するとともに、合成画像データ格納部42から読み出した合成画像データを、送信用メモリ44に格納されているブロックサイズ単位の印刷画像データに対して合成する。
【0028】
送信用メモリ44は、制御部43によりブロック単位で分割された一定量の画像データを格納する。
【0029】
データ転送部23は、図4に示されるように、送信用メモリ44に格納された1ブロックサイズの画像データを順次画像形成ユニット12に対して転送する。
【0030】
このように本実施形態の画像形成システム10では、印刷画像データを一定サイズのブロック単位でシステムコントローラ11から画像形成ユニット12に転送しているため、スタンプ画像等の合成画像を合成する処理が複雑となる。
【0031】
例えば、図5に示すような印刷画像データに対して、スタンプ画像等の合成画像50を合成しようとする場合について説明する。
【0032】
この図5に示した印刷画像データは、600dpi、A0サイズ(69770592バイト)のイメージデータであり、幅が2484バイト、長さが28088ラインとなっている。そして、データ転送部23から受信部31に対して送信される1ブロックサイズを、16kバイト(16×1024バイト)であるものとする。
【0033】
このような場合、制御部43は、画像データ格納部41に格納されている印刷画像データから、16kバイト分の画像データを1ブロックサイズの画像データとして分割して、送信用メモリ44に格納する。
【0034】
ただし、図5に示すように、合成画像50は、かならずしも1つのブロック内の画像データに対して合成されるわけではなく、複数のブロックに分割された画像データに対して合成しなければならない場合も発生する。
【0035】
そのため、本実施形態の画像形成システム10では、制御部43は、送信用メモリ44に格納された1ブロック分の画像データの各ライン(列)毎に合成すべき合成画像の有無を判定する。そして、制御部43は、合成すべき合成画像が有ると判定された場合に、そのラインのどのドット(画素)に合成画像を合成すべきであるかを示すアドレス情報を算出する。最後に、制御部43は、算出されたアドレス情報に基づいて、そのラインの画像データに含まれるドットの画像データに対して合成画像を合成する合成処理を行う。
【0036】
次に、本実施形態の画像形成システム10の動作を図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本実施形態の画像形成システム10の画像合成処理の全体動作を示すフローチャートである。以下の説明では、図7(A)に示すような印刷画像データに、図7(B)に示すような合成画像を合成する場合を用いて説明する。ここでは、図5と同様に、画像の長さの単位をラインとして、画像幅の単位をバイトとして説明する。
【0037】
また、印刷画像データの情報である印刷画像情報としては下記のような情報が予め分かっているものとする。
・メモリ上のアドレス
・データサイズ(バイト)
・画像の幅(バイト数)
・画像の長さ(ライン数)
【0038】
また、合成画像データの情報である合成画像情報としては下記のような情報が予め分かっているものとする。
・メモリ上のアドレス
・データサイズ(バイト数)
・画像の幅(バイト数)
・画像の長さ(ライン数)
・合成開始点(ライン番号、ビット番号)
【0039】
まず、ある印刷画像データに対して、合成開始点を指定されて合成画像を合成する指示が行われた場合、制御部43は、合成終了点を算出する(ステップS101)。合成開始点とは、合成画像を合成する際に合成画像の先頭画素を合成すべき位置を示している。また、合成終了点とは、合成画像の最終画素を合成すべき位置を示している。
【0040】
この合成終了点の算出処理の詳細を図8のフローチャートに示す。
まず、合成開始点のバイト値に合成画像幅を加算することにより合成終了点のバイト値(合成終了バイト)を算出する(ステップS201)。もし、合成終了バイトが、印刷画像の幅を超えている場合には(ステップS202)、合成終了バイトを印刷画像幅の値とする(ステップS203)。
【0041】
次に、合成開始点のライン値に合成画像長さを加算することにより合成終了点のライン値(合成終了ライン)を算出する(ステップS201)。もし、合成終了ラインが、印刷画像の長さを超えている場合には(ステップS205)、合成終了ラインを印刷画像幅の値とする(ステップS206)。
【0042】
この合成終了点の算出処理では、図9(A)に示すように、合成開始点と合成画像の幅および長さに基づいて合成終了点を算出し、もし、図9(B)に示すように合成終了点が印刷画像の範囲を超えてしまった場合には、合成終了点が印刷画像範囲内に収まるように合成終了点を変更するようにしている。
【0043】
このように合成終了点が算出された後、制御部43は、図6のフローチャートに示すように、送信済みサイズAを0として(ステップS102)、印刷画像データから1ブロックサイズ部の画像データをコピーして送信用メモリ44に格納する(ステップS103)。
【0044】
そして、送信用メモリ44に格納された1ブロックサイズ分の画像データに対して合成画像を合成するブロック合成処理を行う(ステップS104)。このブロック合成処理の詳細については後述する。
【0045】
そして、ブロック合成処理が終了した後の送信用メモリ44の画像データは、データ転送部23により画像形成ユニット12に送信される(ステップS105)。すると、制御部43は、送信済みサイズAにブロックサイズ分のデータサイズを加算して(ステップS106)、送信済みサイズAが印刷画像データのデータサイズを超えるまでステップS103〜S106の処理を繰り返す(ステップS107)。
【0046】
次に、上記で説明したブロック合成処理の詳細を図10のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
このブロック合成処理が行われる場合、制御部43は、まずブロック単位で分割されて送信用メモリ44に格納されている画像データに対してライン分割処理を行う(ステップS301)。このライン分割処理とは、図11に示すようなブロック単位の画像データ中に含まれる各ラインを、1ライン中の前側の画像データがブロック単位の画像データに含まれていない開始ライン、1ライン中の全ての画像データがブロック単位の画像データに含まれる中間ライン、1ライン中の後側の画像データがブロック単位の画像データに含まれていない終了ラインに分割する処理である。
【0048】
このライン分割処理が行われる場合、分割された開始ライン、中間ライン、終了ライン毎に、ライン番号(印刷画像データ中において何ライン目に該当するのか)、開始バイト(このラインの先頭が何バイト目であるか)、終了バイト(このラインの最後尾が何バイト目であるか)、データサイズ等のライン情報が算出される。また、このブロック内における中間ラインの数である中間ライン数nが算出される。例えば、図11に示した例では、中間ライン数n=5となっている。
【0049】
例えば、開始ラインの開始ライン情報は下記のような方法により算出される。
(送信済みサイズA/印刷画像の幅)の商=送信が終了した印刷画像データのライン数
(送信済みサイズA/印刷画像の幅)の余り=途中まで送信が終了した最終ラインのバイト数
ライン番号=送信が終了した印刷画像データのライン数+1
開始バイト=途中まで送信が終了した最終ラインのバイト数+1
終了バイト=印刷画像の最大バイト
データサイズ=終了バイト−開始バイト+1
【0050】
また、中間ラインの中間ライン情報は下記のような方法により算出される。
ライン番号=開始ラインのライン番号+1
開始バイト=1
終了バイト=印刷画像の最大バイト
データサイズ=終了バイト−開始バイト+1
【0051】
また、中間ライン数nは下記のような方法により算出される。
中間ライン数n=((ブロックサイズ−開始ラインのデータサイズ)/印刷画像の幅)の商
【0052】
また、終了ラインの終了ライン情報は下記のような方法により算出される。
ライン番号=開始ラインのライン番号+中間ライン数n+1
開始バイト=1
終了バイト=((ブロックサイズ−開始ラインのデータサイズ)/印刷画像の幅)の余り
データサイズ=終了バイト−開始バイト+1
【0053】
そして、次に1ブロック分の画像データ内におけるライン番号iがクリアされ(ステップS302)、開始ラインに対する画像合成処理である開始ライン合成処理が行われる(ステップS303)。このライン合成処理の詳細については後述する。そして、ライン番号iに1が加算された後に、中間ラインの合成処理が行われる(ステップS304)。1つの中間ラインのライン合成処理が終了すると、ライン番号に1が加算され(ステップS305)、ライン番号が中間ライン数nとなるまでステップS304、S305の処理が繰り返される。
【0054】
そして、最後に終了ラインのライン合成処理が行われ処理が終了する(ステップS307)
次に、上述したステップS303、S304、S307において示したライン合成処理を図12のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
このライン合成処理においては、まず、合成画像が合成される可能性があるライン番号が予め分かっているため、処理対象のラインが合成画像が合成される対象であるラインが否かの判定が行われる(ステップS401)。
【0056】
このステップS401において処理対象のラインは合成画像を合成する必要が無いと判定された場合、ライン合成処理は終了する。そして、ステップS401において処理対象のラインは合成画像を合成する必要が有ると判定された場合、合成画像データを合成すべき画素のアドレス情報、つまり、1ラインの中の何バイト目から何バイト目までが合成画像を合成すべきであるかという情報を算出する(ステップS402)。また、制御部43は、今回のライン合成処理において、合成画像データ格納部42に格納されている合成画像データのうち、どのラインの何バイト目から何バイト目までの合成画像データを印刷画像データに合成すべきであるかというアドレス情報も算出する。
【0057】
そして、制御部43は、算出されたこれらのアドレス情報に基づいて、例えば図13に示すように、処理対象ラインにける合成対象画素データに対して、合成画像を合成する画像合成処理を行う(ステップS403)。図13に示した例では、処理対象ラインの第101バイトから第120バイトまでの画素データに対して合成画像が合成されている様子が示されている。
【0058】
本実施形態の画像形成システム10では、印刷画像データをブロックサイズに分割して送信用メモリ44に格納した後に、ブロックサイズの印刷画像データをライン分割し、各ラインの印刷画像データ毎に合成画像を合成する処理が必要であるか否かを判定している。ここで、合成画像を合成すべきラインというのは予め分かっているため、処理対象ラインに合成画像を合成する処理が必要であるかはライン番号の単純な比較のみで判定することが可能である。つまり、合成画像を合成する必要が無いラインのライン合成処理は、ライン番号の比較を行うステップS401の処理のみで短時間に終了する。
【0059】
そのため、スタンプ画像のような合成画像を印刷画像データに合成するための画像合成処理を、専用の合成処理回路等のハードウェアを必要とすることなく、かつ、大きな負担をかけることなくソフトウェア処理により実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成システム10のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における画像形成システム10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における画像形成システム10のシステムコントローラ11の機能構成を示すブロック図である。
【図4】システムコントローラ11と画像形成ユニット12間で行われる印刷画像データの転送の様子を示す図である。
【図5】印刷画像データに対して合成画像50を合成する場合の様子を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態の画像形成システム10の画像合成処理の全体動作を示すフローチャートである。
【図7】印刷画像データの一例を示す図(図7(A))および、合成画像の一例を示す図(図7(B))である。
【図8】ステップS101の合成終了点の算出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】合成終了点が印刷画像の範囲を超えない場合の合成終了点の算出処理の具体的を示す図(図9(A))、および合成終了点が印刷画像の範囲を超えてしまった場合の合成終了点の算出処理の具体的を示す図(図9(B))である。
【図10】ステップS104のブロック合成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】ライン分割処理の一例を説明するための図である。
【図12】ステップS303、S304、S307のライン合成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】処理対象ラインの第101バイトから第120バイトまでの画素データに対して合成画像が合成されている様子を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
10 画像形成システム
11 システムコントローラ
12 画像形成ユニット
20 端末装置
21 CPU
22 HDD
23 データ転送部
24 ROM
25 ユーザインタフェース(UI)装置
30 ネットワーク
31 受信部
32 HDD
33 CPU
34 ROM
35 RAM
36 プリントエンジン
41 画像データ格納部
42 合成画像データ格納部
43 制御部
44 送信用メモリ
50 合成画像
S101〜S107 ステップ
S201〜S206 ステップ
S301〜S307 ステップ
S401〜S403 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成画像を合成しようとする画像データをある一定量のデータ毎に分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された一定量の画像データを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された一定量の画像データの各ライン毎に合成すべき合成画像の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により合成すべき合成画像が有ると判定された場合に、当該列のどの画素に合成画像を合成すべきであるかを示すアドレス情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出されたアドレス情報に基づいて、当該列の画像データに含まれる画素データに対して合成画像を合成する合成手段と、
前記格納手段に格納された一定量の画像データを順次転送する転送手段と、
を有する画像処理装置。
【請求項2】
合成画像の先頭画素を画像データに合成すべき位置である合成開始点と、該合成画像の幅および長さとに基づいて該合成画像の最終画素を合成すべき位置である合成終了点を算出し、この合成終了点が合成画像を合成しようとする画像の画像範囲を超えた場合には、合成終了点が画像範囲内に収まるように合成終了点を変更する変更手段をさらに有する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記格納手段に格納された一定量の画像データ中に含まれる各ラインを、1ライン中の前側の画像データが当該一定量の画像データに含まれていない開始ライン、1ライン中の全ての画像データが当該一定量の画像データに含まれる中間ライン、1ライン中の後側の画像データが当該一定量の画像データに含まれていない終了ラインに分割するライン分割手段をさらに有する請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
合成画像を合成しようとする画像データをある一定量のデータ毎に分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された一定量の画像データを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された一定量の画像データの各ライン毎に合成すべき合成画像の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により合成すべき合成画像が有ると判定された場合に、当該ラインのどの画素に合成画像を合成すべきであるかを示すアドレス情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出されたアドレス情報に基づいて、当該ラインの画像データに含まれる画素データに対して合成画像を合成する合成手段と、
前記格納手段に格納された一定量の画像データを順次転送する転送手段と、
前記転送手段により転送されてきた画像データに基づいた画像を出力する画像出力手段と、
を有する画像形成システム。
【請求項5】
合成画像を合成しようとする画像データをある一定量のデータ毎に分割するステップと、
分割された一定量の画像データをメモリに格納するステップと、
メモリに格納された一定量の画像データの各ライン毎に合成すべき合成画像の有無を判定するステップと、
合成すべき合成画像が有ると判定された場合に、当該ラインのどの画素に合成画像を合成すべきであるかを示すアドレス情報を算出するステップと、
算出されたアドレス情報に基づいて、当該ラインの画像データに含まれる画素データに対して合成画像を合成するステップと、
メモリに格納された一定量の画像データを順次転送するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−218879(P2009−218879A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60852(P2008−60852)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】