説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理システム及びプログラム

【課題】単一色で印刷した画像を基に、複数色の画像を取得することができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、予め定めた複数の色各々に対する見本画像から構成される複数色の色見本について、該複数色の色見本に含まれる見本画像の色と、特定の画像形成装置により生成した該複数色の色見本についての単一色の色見本に含まれる見本画像の情報とを対応付けて記憶する記憶手段152と、複数色の画像を前記特定の画像形成装置により単一色で印刷した印刷画像を読み取った画像である読取画像を受付ける読取画像受付手段148と、前記読取画像受付手段148により受付けた単一色の読取画像について、前記記憶手段152によって記憶されている対応付けに基づいて複数色に変換する色変換手段154と、前記色変換手段154により変換された複数色の画像を表示する表示手段160とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、モノクロ画像をカラー画像に変換する画像処理方法として、モノクロ画像の画素値(明るさ)と色とを対応付ける変換テーブルを参照して、カラー画像に変換する画像処理方法について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−49734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数色の画像を単一色で印刷した画像を基にして、複数色の画像を取得することができる画像処理装置、画像形成装置、画像処理システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[画像処理装置]
請求項1に係る本発明は、予め定めた複数の色各々に対する見本画像から構成される複数色の色見本について、該複数色の色見本に含まれる見本画像の色と、特定の画像形成装置により生成した該複数色の色見本についての単一色の色見本に含まれる見本画像の情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、複数色の画像を前記特定の画像形成装置により単一色で印刷した印刷画像を読み取った画像である読取画像を受付ける読取画像受付手段と、前記読取画像受付手段により受付けた単一色の読取画像について、前記記憶手段によって記憶されている対応付けに基づいて複数色に変換する色変換手段と、前記色変換手段により変換された複数色の画像を表示する表示手段とを有する画像処理装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記記憶手段は、前記単一色の色見本に含まれる見本画像の明度又は網点の配列の少なくともいずれか一方と前記複数色の色見本に含まれる見本画像の色を対応付けて記憶し、前記色変換手段は、前記読取画像受付け手段により受付けた単一色の読取画像の明度又は網点の配列のうち、前記記憶手段で対応付けに用いた一方に基づいて、複数色に変換する請求項1記載の画像処理装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記記憶手段は、周期的に繰り返される網点の配列について、周期に応じた大きさの単一色の見本画像の情報と、前記複数色の色見本に含まれる見本画像の色とを対応付ける請求項2記載の画像処理装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、色の指定を受付ける指定色受付手段と、色変換対象の単一色の部分画像を前記指定色受付手段が受付けた色に変換する指定色変換手段とをさらに有する請求項1乃至3記載の画像処理装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、色変換対象の単一色の部分画像に隣接する単一色の部分画像に対する前記色変換手段による色変換を参照して推測した色により、該色変換対象の単一色の部分画像の色を変換する推測色変換手段をさらに有する請求項1乃至4記載の画像処理装置である。
【0010】
[画像形成装置]
請求項6に係る本発明は、複数色の画像について、色ごとに対応付けられた網点の配列により単一色で印刷する単一色印刷手段と、前記単一色印刷手段により印刷された単一色の画像を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取った単一色の画像に含まれる少なくとも前記網点の配列に基づいて、該単一色の画像を該網点の配列に対応付けられた複数の色に変換する色変換手段と、前記色変換手段により変換された複数色の画像を複数色で印刷する複数色印刷手段とを有する画像形成装置である。
【0011】
[画像処理システム]
請求項7に係る本発明は、複数色の画像について、単一色で印刷する単一色印刷手段
を有する画像形成装置と、予め定めた複数の色各々に対する見本画像から構成される複数色の色見本について、該複数色の色見本に含まれる見本画像の色と、前記画像形成装置により生成した該複数色の色見本についての単一色の色見本に含まれる見本画像の情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、複数色の画像を前記画像形成装置により単一色で印刷した印刷画像を読み取った画像である読取画像を受付ける読取画像受付手段と、前記読取画像受付け手段により受付けた単一色の読取画像について、前記記憶手段によって記憶されている対応付けに基づいて複数色に変換する色変換手段と、前記色変換手段により変換された複数色の画像を表示する表示手段とを有する画像処理装置とを備える画像処理システムである。
【0012】
[プログラム]
請求項8に係る本発明は、予め定めた複数の色各々に対する見本画像から構成される複数色の色見本について、該複数色の色見本に含まれる見本画像の色と、特定の画像形成装置により生成した該複数色の色見本についての単一色の色見本に含まれる見本画像の情報とを対応付けて記憶する記憶ステップと、複数色の画像を前記特定の画像形成装置により単一色で印刷した印刷画像を読み取った画像である読取画像を受付ける読取画像受付ステップと、前記読取画像受付ステップにより受付けた単一色の読取画像について、前記記憶ステップによって記憶されている対応付けに基づいて複数色に変換する色変換ステップと、前記色変換ステップにより変換された複数色の画像を表示する表示ステップとをコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によれば、複数色の画像を単一色で印刷した画像を基にして、複数色の画像を表示することができる画像処理装置を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加え、本構成を有していない場合と比べ、より再現性の高い複数色の画像を表示することができる画像形成装置を提供することができる。
【0015】
請求項3に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明の効果に加え、本構成を有していない場合と比べ、対応付けに必要とされるデータ量を抑制することができる。
【0016】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3に係る本発明の効果に加え、対応付けに基づく色変換が行なえない場合であっても、ユーザにより指定された色を用いて複数色の画像を表示することができる画像処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1乃至4に係る本発明の効果に加え、対応付けによる色変換が行なえない場合であっても、推測された色を用いて複数色の画像を表示することができる画像処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項6に係る本発明によれば、複数色の画像を単一色で印刷した画像を基にして、複数色の印刷をすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0019】
請求項7に係る本発明によれば、複数色の画像を単一色で印刷した画像を基にして、複数色の画像を表示することができる画像処理システムを提供することができる。
【0020】
請求項8に係る本発明によれば、複数色の画像を単一色で印刷した画像を基にして、複数色の画像を表示することができるプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理システム2を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る情報処理システム2における画像形成装置10の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る情報処理システム2における画像形成装置10のハードウェア構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10における画像処理部26の機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る情報処理システム2における画像処理装置6のハードウェア構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る制御プログラムが実行されることにより実現される画像処理装置6の機能構成を示すブロック図である。
【図7】色見本画像データ記憶部144が記憶する色見本画像データの一例を示す平面図である。
【図8】対応付け部150が解析する網点配列の第一の例を示す模式図である。
【図9】対応付け部150が解析する網点配列の第二の例を示す模式図である。
【図10】対応関係を示すデータであるテーブルを生成する動作を示すフローチャートである。
【図11】単一色の画像を色変換して表示する動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置10における画像処理部162の機能構成を示すブロック図である。
【図13】単一色の画像を色変換して印刷する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム2を示す模式図である。図1に示すように情報処理システム2は、無線通信ネットワーク4に無線通信により接続された画像処理装置6と、ネットワーク8に接続された画像形成装置10とを有する。
【0024】
また、無線通信ネットワーク4は、ネットワーク8と接続されており、画像処理装置6と画像形成装置10とは、互いにデータを送受信することができるようにされている。なお、画像処理装置6は、ネットワーク8に有線通信により接続されていてもよいし、ネットワーク8を介さずに直接的に画像形成装置10に接続されていてもよい。
【0025】
まず、画像形成装置10について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理システム2における画像形成装置10の断面図である。
【0026】
図2に示すように、画像形成装置10は、通信装置12、画像読取ユニット14、画像形成ユニット16、中間転写ベルト18、用紙トレイ20、用紙搬送路22、定着器24、画像処理部26及びユーザインタフェース(UI)装置28を有する。
【0027】
この画像形成装置10は、通信装置12によってネットワーク8を介して画像処理装置6などから受信した画像データを印刷するプリント機能に加えて、画像読取ユニット14を用いて読み取った画像データを印刷する複写機としての機能を備えている。ここで、画像形成装置10は、印刷機能として、複数色での印刷(カラー印刷)及び単一色での印刷(モノクロ印刷)を行なうことができる。
【0028】
まず、画像形成装置10の概略を説明すると、画像形成装置10の上部には、通信装置12、画像読取ユニット14及び画像処理部26が配設されている。通信装置12は、ネットワーク8を介して画像処理装置6等の外部の装置と通信を行う装置である。画像読取ユニット14は、原稿30に表示された画像を読み取って、画像処理部26に対して出力する。画像処理部26は、画像読取ユニット14から入力された画像データ、又は、LANなどのネットワーク8を介して画像処理装置6等から入力された画像データに対して、後述する処理を施し、画像形成ユニット16に対して出力する。
【0029】
画像形成装置10の上面には、例えばタッチパネルなどのUI装置28が設けられている。UI装置28は、画像形成装置10の制御情報や指示情報などを表示すると共に、指示情報などのユーザによる入力を受入れる。即ち、ユーザは、UI装置28を介して画像形成装置10を操作することができる。なお、UI装置28は、スイッチなどの入力のみを受入れるものであってもよいし、表示などの出力のみを行うものであってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0030】
画像読取ユニット14の下方には、カラー画像を構成する色に対応して、複数の画像形成ユニット16が配設されている。本実施形態では、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に対応して第1の画像形成ユニット16K、第2の画像形成ユニット16Y、第3の画像形成ユニット16M及び第4の画像形成ユニット16Cが、中間転写ベルト18に沿って間隔を空けて水平に配列されている。中間転写ベルト18は、中間転写体として図中矢印Aの方向に回動する。
【0031】
複数色での印刷機能を実現する場合、これら4つの画像形成ユニット16K、16Y、16M、16Cは、画像処理部26から入力された画像データに基づいて各色のトナー像を順次形成し、これら複数のトナー像が互いに重ね合わせられるタイミングで中間転写ベルト18に転写(一次転写)する。なお、各画像形成ユニット16K、16Y、16M、16Cの色の順序は、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順に限定されるものではなく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順序など、その順序は任意である。以下、複数色での印刷をカラー印刷という。
【0032】
一方、単一色での印刷機能を実現する場合、4つの画像形成ユニットのうち画像形成ユニット16Kが、画像処理部26から入力された画像データに基づいて黒色のトナー像を形成し、中間転写ベルト18に転写(一次転写)することにより単一色での印刷を行なう。なお、単一色での印刷としては、黒色のトナー像に限らず、他の単一色のトナー像を転写してもよい。以下、単一色での印刷をモノクロ印刷という。
【0033】
用紙搬送路22は、中間転写ベルト18の下方に配設されている。用紙トレイ20から供給された記録用紙32は、この用紙搬送路22上を搬送され、上記中間転写ベルト18上に多重に転写された各色のトナー像が一括して転写(二次転写)され、転写されたトナー像が定着器24によって定着され、矢印Bに沿って外部に排出される。なお、モノクロ印刷の場合は、中間転写ベルト18上に転写された黒色のトナー像のみが転写(二次転写)される。
【0034】
次に、画像形成装置10の各構成についてより詳細に説明する。
図2に示すように、画像読取ユニット14は、原稿30を載せるプラテンガラス34と、この原稿30をプラテンガラス34上に押圧するプラテンカバー36と、プラテンガラス34上に載置された原稿30の画像を読み取る画像読取部38とを有する。この画像読取部38は、プラテンガラス34上に載置された原稿30を光源40によって照明し、原稿30からの反射光像を、フルレートミラー42、第1のハーフレートミラー44、第2のハーフレートミラー46及び結像レンズ48からなる縮小光学系を介して、CCD等からなる画像読取素子50上に走査露光して、この画像読取素子50によって原稿30の色材反射光像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
【0035】
画像処理部26は、画像読取ユニット14により読み取られた画像データ、又は、ネットワーク8を介して入力された画像データに対して、後述する色空間変換処理、スクリーン処理等の画像処理を施す。なお、画像読取ユニット14により読み取られた原稿30の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の原稿反射率データであり、画像処理部26による画像処理によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の原稿色材階調データに変換される。ただし、モノクロ印刷を行なう場合にあっては、黒(K)のみの原稿色材階調データに変換される。
【0036】
第1の画像形成ユニット16K、第2の画像形成ユニット16Y、第3の画像形成ユニット16M及び第4の画像形成ユニット16Cは、水平方向に間隔をおいて並列的に配置され、形成する画像の色が異なる他は、ほぼ同様に構成されている。そこで、以下、第1の画像形成ユニット16Kについて説明する。なお、各画像形成ユニット16の構成は、K、Y、M又はCを付すことにより区別する。
【0037】
画像形成ユニット16Kは、画像処理部26から入力された画像データに応じてレーザ光を走査する光走査装置52Kと、この光走査装置52Kにより走査されたレーザ光により静電潜像が形成される像形成装置54Kとを有する。
【0038】
光走査装置52Kは、半導体レーザ56Kを黒色(K)の画像データに応じて変調して、この半導体レーザ56Kからレーザ光LB(K)を画像データに応じて出射する。この半導体レーザ56Kから出射されたレーザ光LB(K)は、第1の反射ミラー58K及び第2の反射ミラー60Kを介して回転多面鏡62Kに照射され、この回転多面鏡62Kよって偏向走査され、第2の反射ミラー60K、第3の反射ミラー64K及び第4の反射ミラー66Kを介して、像形成装置54Kの感光体ドラム68K上に照射される。
【0039】
像形成装置54Kは、矢印Aの方向に沿って所定の回転速度で回転する像担持体としての感光体ドラム68Kと、この感光体ドラム68Kの表面を一様に帯電する帯電手段としての一次帯電用のスコロトロン70Kと、感光体ドラム68K上に形成された静電潜像を現像する現像器72Kと、クリーニング装置74Kとから構成されている。感光体ドラム68Kは、スコロトロン70Kにより一様に帯電され、光走査装置52Kにより照射されたレーザ光LB(K)により静電潜像を形成される。感光体ドラム68Kに形成された静電潜像は、現像器72Kにより黒色(K)のトナーで現像され、中間転写ベルト18に転写される。なお、トナー像の転写工程の後に感光体ドラム68Kに付着している残留トナー及び紙粉等は、クリーニング装置74Kによって除去される。
【0040】
他の画像形成ユニット16Y、16M及び16Cも、上記と同様に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像を形成し、形成された各色のトナー像を中間転写ベルト18に転写する。
【0041】
中間転写ベルト18は、ドライブロール76と、第1のアイドルロール78と、ステアリングロール80と、第2のアイドルロール82と、バックアップロール84と、第3のアイドルロール86との間に一定のテンションで掛け回されており、駆動モータ(不図示)によってドライブロール76が回転駆動されることにより、矢印Aの方向に、定められた速度で循環駆動される。この中間転写ベルト18は、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等によって接続することにより無端ベルト状に形成されたものである。
【0042】
また、中間転写ベルト18には、各画像形成ユニット16K、16Y、16M、16Cに対向する位置にそれぞれ第1の一次転写ロール88K、第2の一次転写ロール88Y、第3の一次転写ロール88M及び第4の一次転写ロール88Cが配設され、感光体ドラム68K、68Y、68M、68C上に形成された各色のトナー像は、これらの一次転写ロール88により中間転写ベルト18上に多重に転写される。なお、中間転写ベルト18に付着した残留トナーは、二次転写位置の下流に設けられたベルト用クリーニング装置90のクリーニングブレード又はブラシにより除去される。
【0043】
用紙搬送路22には、用紙トレイ20から記録用紙32を取り出す給紙ローラ92と、用紙搬送用の第1のローラ対94、第2のローラ対96及び第3のローラ対98と、記録用紙32を既定のタイミングで二次転写位置に搬送するレジストロール100とが配設される。
【0044】
また、用紙搬送路22上の二次転写位置には、バックアップロール84に圧接する二次転写ロール102が配設されており、中間転写ベルト18上に多重に転写された各色のトナー像は、この二次転写ロール102による圧接力及び静電気力で記録用紙32上に二次転写される。各色のトナー像が転写された記録用紙32は、第1の搬送ベルト104及び第2の搬送ベルト106によって定着器24へと搬送される。
定着器24は、上記各色のトナー像が転写された記録用紙32に対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、トナーを記録用紙32に溶融固着させる。
【0045】
図3は、本発明の実施形態に係る情報処理システム2における画像形成装置10のハードウェア構成を示す模式図である。
【0046】
図3に示すように、画像形成装置10は、CPU108、メモリ110、記憶装置112、ユーザインタフェース(UI)装置28、通信装置12、画像読取ユニット14及び画像形成ユニット16を有し、画像形成装置10は、画像処理装置6及びネットワーク8との通信が可能なコンピュータとしての構成部分を有している。
【0047】
CPU108は、メモリ110に記憶されたプログラムに基づく処理を実行する。記憶装置112は、例えば内蔵HDDなどである。なお、CPU108は、記憶装置112に記憶されたプログラムを実行してもよい。
【0048】
また、CPU108は、メモリカード等の記憶媒体114に格納されたプログラムを実行してもよく、又は通信装置12を介して提供されるプログラムを実行してもよい。
【0049】
UI装置28は、上述のとおり、例えばタッチパネルなどとして構成され、情報を表示する表示装置としての機能、及び、ユーザによってなされる入力を受付ける入力受付装置としての機能を備える。
【0050】
通信装置12は、ネットワーク8(無線通信ネットワーク4)を介して画像処理装置6等の外部の装置と通信を行う装置である。また、画像読取ユニット14及び画像形成ユニット16については、上述のとおりである。
【0051】
図4は、画像処理部26の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、画像処理部26は、入力画像受付部116、カラー色空間変換部118、カラースクリーン処理部120C、120M、120Y、120K、モノクロ色空間変換部122、網点配列記憶部124、網点配列選択部126及びモノクロスクリーン処理部128を有する。
【0052】
なお、画像処理部26に含まれる上記各構成は、上記のCPU108、メモリ110及びプログラムなどによりソフトウェア的に実現されてもよいし、ASICなどによりハードウェア的に実現されてもよい。
【0053】
画像処理部26において、入力画像受付部116は、画像読取ユニット14又は画像処理装置6等から、例えばRGB色空間で表現された入力画像データを受付ける。入力画像受付部116は、カラー印刷を行なう場合には、受付けた入力画像データをカラー色空間変換部118に出力し、モノクロ印刷を行なう場合には、受付けた入力画像データをモノクロ色空間変換部122及び網点配列選択部126に出力する。
【0054】
まず、カラー印刷を行なう場合について説明する。
カラー色空間変換部118は、入力画像受付部116が出力した入力画像データをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)の各データに変換し、カラースクリーン処理部120C、120M、120Y及び120Kに出力する。
【0055】
カラースクリーン処理部120C、120M、120Y及び120Kでは、それぞれ、カラー色空間変換部118が出力した多値画像データに対して、スクリーン処理(網点処理)を行い、濃度階調を有する多値画像データを2値画像データに変換する。カラースクリーン処理部120C、120M、120Y及び120Kのスクリーン処理により生成された2値画像データは、画像形成ユニット16に出力される。
【0056】
次に、モノクロ印刷を行なう場合について、説明する。本実施形態に係る画像形成装置10では、カラー画像を単一色で印刷する場合、カラー画像の色に基づいて選択された網点配列により、2値画像データを生成する。ここで、網点配列とは、網点の形状、スクリーン角度、解像度等により特定される網点の配列(ドットパターン)をいう。
【0057】
モノクロ色空間変換部122は、入力画像受付部116が出力した入力画像データをブラック(K)のデータに変換し、モノクロスクリーン処理部128に出力する。
【0058】
網点配列記憶部124は、複数の予め定められた色に対し、それぞれの色の画像データをスクリーン処理する際に用いる網点配列を色ごとに記憶する。この色ごとの複数の網点配列を第1の網点配列と言うこととする。また、網点配列記憶部124は、上記複数の予め定められた色以外の色の画像データをスクリーン処理する際に用いる網点配列を記憶する。この網点配列を第2の網点配列と言うこととする。ここで、第1の網点配列の各網点配列及び第2の網点配列は、いずれも相互に異なる網点配列である。
【0059】
網点配列選択部126は、入力画像受付部116が出力した入力画像データに含まれる色に基づいて、スクリーン処理する際に用いられる網点配列を網点配列記憶部124から読み出して、モノクロスクリーン処理部128に出力する。
【0060】
網点配列選択部126は、入力画像データの中で、上記予め定められた色の部分については第1の網点配列のうち当該色に対応する網点配列を網点配列記憶部124から読み出して、モノクロスクリーン処理部128に出力する。また、網点配列選択部126は、入力画像データの中で、上記予め定められた色以外の部分については第2の網点配列を網点配列記憶部124から読み出して、モノクロスクリーン処理部128に出力する。
【0061】
モノクロスクリーン処理部128は、モノクロ色空間変換部122が出力したブラック(K)の多値画像データに対し、網点配列選択部126により選択された網点配列に基づいてスクリーン処理を行い、2値画像データに変換する。モノクロスクリーン処理部128のスクリーン処理により生成された2値画像データは、画像形成ユニット16に出力される。なお、モノクロスクリーン処理部128の処理により形成される網点については、図8及び図9を用いて後述する。
【0062】
次に、画像処理装置6について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る情報処理システム2における画像処理装置6のハードウェア構成を示す模式図である。
【0063】
図5に示すように、画像処理装置6は、CPU130、メモリ132、記憶装置134、ユーザインタフェース(UI)装置136、通信装置138及び撮像装置140を有し、画像処理装置6は、ネットワーク8(無線通信ネットワーク4)を介して画像形成装置10との通信が可能なコンピュータとしての構成部分を有している。なお、本実施形態では、画像処理装置6は、例えば携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)などとして構成され、ユーザによって携帯される携帯端末である。
【0064】
CPU130は、例えばメモリ132に記憶された後述する制御プログラムに基づく処理を実行する。記憶装置134は、例えば内蔵HDDなどであり、後述するテーブルなどを記憶する。なお、CPU130は、記憶装置134に記憶された制御プログラムを実行してもよい。
【0065】
また、CPU130は、メモリカード等の記憶媒体142に格納された制御プログラムを実行してもよく、又は通信装置138を介して提供される制御プログラムを実行してもよい。
【0066】
UI装置136は、例えばタッチパネルなどとして構成され、情報を表示する表示装置としての機能、及び、ユーザによってなされる入力を受付ける入力受付装置としての機能を備える。
【0067】
通信装置138は、ネットワーク8(無線通信ネットワーク4)を介して画像形成装置10等の外部の装置と通信を行う装置である。
【0068】
撮像装置140は、カメラであり、対象物を撮像し、画像データとして取得する。
【0069】
図6は、制御プログラムが実行されることにより実現される画像処理装置6の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、画像処理装置6は、色見本画像データ記憶部144、印刷指示部146、読取画像受付部148、対応付け部150、対応関係記憶部152、色変換部154、指定色受付部156、指定色変換部158及び表示部160を有する。
【0070】
色見本画像データ記憶部144は、予め定めた複数の色それぞれに対する濃度の異なる複数の見本画像から構成される画像データである色見本画像データを記憶する。
【0071】
図7は、色見本画像データ記憶部144が記憶する色見本画像データの一例を示す平面図である。図7に示した例では、灰、黄、緑、青、赤、紫及び茶の7色について、それぞれ5段階の濃度の見本画像を含む色見本画像データを示している。
【0072】
なお、以下の説明において、色見本画像データ記憶部144が記憶する色見本画像データについて、カラー色見本画像と言うことがある。また、色見本画像データ記憶部144が記憶する色見本画像データを構成する見本画像(図7に示した例では、全部で35種の画像)についてカラー構成画像と言うことがある。
【0073】
印刷指示部146は、色見本画像データ記憶部144が記憶する色見本画像データを単一色で印刷する指示を画像形成装置10に対し指示し、色見本画像データを画像形成装置10に出力する。
【0074】
読取画像受付部148は、単一色で印刷された画像を撮像装置140により撮像して読み取った読取画像データを受付ける。また、受付けた読取画像データを対応付け部150又は色変換部154に出力する。ここで、読取画像受付部148は、印刷指示部146の指示により画像形成装置10が単一色で印刷した画像を撮像して読み取った読取画像データについては、対応付け部150に出力し、他の読取画像データについては、色変換部154に出力する。なお、読取画像受付部148は、単一色で印刷された画像データとして、撮像装置140に限らず、例えば通信装置138を介して受信した画像データを受付けてもよい。
【0075】
なお、以下の説明において、印刷指示部146の指示によりカラー色見本画像を画像形成装置10が単一色で印刷した画像についての読取画像データをモノクロ色見本画像と言うことがある。また、モノクロ色見本画像に含まれるカラー構成画像に相当する単一色画像をモノクロ構成画像ということがある。
【0076】
対応付け部150は、複数色の色見本に含まれる各見本画像の色を特定の画像形成装置により生成された単一色の色見本に含まれる見本画像の色と対応付ける。ここで、本実施形態では、対応付け部150は、単一色での印刷における特定の画像形成装置の特徴に基づいて対応付けを行なう構成について説明するが、対応付け部150は、必ずしも単一色で印刷された色見本について対応付けを行なう必要はなく、例えば、画像形成装置が複数色の色見本を単一色の色見本に変換したデータなどのように、画像形成装置により生成された単一色の色見本と対応付けを行なえばよい。
【0077】
本実施形態では、明度及び網点配列に基づいて対応付けを行なう。なお、対応付け部150は、明度又は網点配列のいずれか一方に基づいて対応付けを行なってもよい。また、明度又は網点配列に限らず、特定の画像形成装置が単一色の印刷をする際に色ごとに表れる当該画像形成装置固有の特徴に基づいて対応付けを行なってもよい。この場合、画像形成装置10は、カラー画像を単一色で印刷する場合、カラー画像の色に基づいて網点配列を選択する構成としなくてもよい。
【0078】
本実施形態では、読取画像受付部148が出力したモノクロ色見本画像に含まれる各モノクロ構成画像について、明度及び網点配列と色情報との対応関係を示すデータを生成して対応付けを行なう。具体的には、対応付け部150は、モノクロ構成画像の明度及び網点配列を解析し、当該モノクロ構成画像に相当するカラー構成画像の色情報と解析した明度及び網点配列とを互いに対応付けるテーブルを生成する。また、対応付け部150は、生成したテーブルを対応関係記憶部152に記憶する。
【0079】
図8は、対応付け部150が解析する網点配列の第一の例を示す模式図である。上述したとおり、画像形成装置10は、カラー画像を単一色で印刷する場合、カラー画像の色に基づいて選択された網点配列によりスクリーン処理を行なう。ここで、画像形成装置10の網点配列記憶部124は、少なくともカラー構成画像の各色について上述の第1の網点配列を記憶しているものとする。これにより、モノクロ構成画像は、カラー構成画像の色(図7に示した例では、灰、黄、緑、青、赤、紫及び茶)ごとに、それぞれ異なる網点配列により網点が形成される。
【0080】
図8に示した例では、黄のカラー構成画像についてのモノクロ構成画像の網点配列及び緑のカラー構成画像についてのモノクロ構成画像の網点配列を例示しており、両網点配列は、網点の形状はいずれもラインタイプであり同じであるが、解像度が異なった網点配列となっている。
【0081】
図9は、対応付け部150が解析する網点配列の第二の例を示す模式図である。図8示した例では、ラインタイプの形状を持ち、解像度の異なる網点配列が画像形成装置により形成された場合を例示したが、図9に示した例では、ドットタイプの形状を持ち、解像度の異なる網点配列が画像形成装置により形成された場合の例を示している。
なお、図8又は図9に示した例に限らず、画像形成装置10により、解像度は同じだが網点の形状が異なる網点配列が、異なる色に対してなされていてもよい。また、異なる色に対して、解像度も網点の形状も異なる網点配列が形成されてもよいし、スクリーン角度が異なる網点配列がなされていてもよい。
【0082】
また、図8又は図9に示した例では、黄についてのモノクロ構成画像では、4×4Pixelで示される画像領域の網点配列が周期的に並んでおり、緑についてのモノクロ構成画像では、16×16Pixelで示される画像領域の網点配列が周期的に並んでいる。対応付け部150は、網点配列が表されたモノクロ構成画像の画像データと対応付けるべき色情報とから構成されるテーブルを対応関係記憶部152に記憶するが、このとき、記憶されるモノクロ構成画像の画像データの大きさは、周期に応じた画像の大きさとしてもよい。例えば、図8又は図9に示した例では、黄についての網点の周期は、緑についての網点の周期よりも小さいため、緑について記憶する画像データ(例えば、16画素×16画素)よりも小さい大きさのモノクロ構成画像の画像データ(例えば、4画素×4画素の大きさ)を記憶すればよい。
【0083】
色変換部154は、単一色の画像を対応付け部150による対応付けに基づいて複数の色の画像に変換する。本実施形態では、対応関係記憶部152が記憶するテーブルに基づいて、読取画像受付部148が出力した単一色の画像データを複数色の画像データに変換する。具体的には、単一色の画像データから部分画像を順次切り出し、切り出した部分画像について明度及び網点配列を解析し、解析した明度及び網点配列をテーブルから検索する。そして、検索された明度及び網点配列に対応する色情報に基づいて、当該部分画像の色を変換する。また、色変換部154は、色変換した部分画像を表示部160に出力する。
【0084】
なお、切り出す部分画像の大きさは、例えば、対応関係記憶部152に記憶されるテーブルに格納されたモノクロ構成画像の画像データのうち最も大きい画像データの大きさとすればよい。具体的には、例えば、16画素×16画素の大きさの部分画像を切り出せばよい。
【0085】
また、本実施形態では、部分画像の明度及び網点配列についてテーブルから検索できなかった場合、色変換部154は、部分画像を指定色変換部158に出力する。
【0086】
指定色受付部156は、テーブルに基づいて色変換できなかった場合に、UI装置136を介してユーザから変換すべき色についての指定を受付け、指定色変換部158に出力する。
【0087】
指定色変換部158は、色変換部154が出力した部分画像について、指定色受付部156が受付けた色により色変換を行い、色変換を行なった部分画像を表示部160に出力する。
【0088】
表示部160は、色変換部154又は指定色変換部158により色変換された各部分画像を統合し、UI装置136に表示する。
【0089】
なお、上記説明では、テーブルに基づいて色変換できなかった場合に、指定色受付部156及び指定色変換部158により色変換を行なう構成としたが、指定色受付部156及び指定色変換部158を設けなくてもよい。また、指定色受付部156及び指定色変換部158に代えて、又は、指定色受付部156及び指定色変換部158とともに、下記の推測色変換部を設けてもよい。
【0090】
推測色変換部は、テーブルに基づいて色変換できなかった部分画像について、当該部分画像に隣接する周囲の部分画像のうち、テーブルに基づいて色変換を行なった部分画像の変換後の色を参照し、参照した色から推測される色により色変換を行なう。例えば、推測色変換部は、テーブルに基く色変換が行なわれた部分画像の変換後の色と同じ色により色変換を行なう。
【0091】
次に、対応関係を示すデータであるテーブルを生成する動作について説明する。
図10は、テーブルを生成する動作を示すフローチャートである。
【0092】
ステップ100(S100)において、印刷指示部146は、色見本画像データ記憶部144が記憶するカラー色見本画像を単一色で印刷する指示を画像形成装置10に対し指示し、ステップ102へ移行する。
【0093】
ステップ102(S102)において、読取画像受付部148は、画像形成装置10が色見本画像データについて印刷した印刷物を撮像したデータ(モノクロ色見本画像)を受付ける。読取画像受付部148は、受付けたデータを対応付け部150に出力し、ステップ104へ移行する。
【0094】
ステップ104(S104)において、対応付け部150は、色見本画像データ記憶部144に記憶されているカラー構成画像の総数を変数nにセットし、ステップ106へ移行する。
【0095】
ステップ106(S106)において、対応付け部150は、カラー色見本画像に含まれるn個目のカラー構成画像のカラー色見本画像内での位置情報を抽出し、ステップ108へ移行する。
【0096】
ステップ108(S108)において、対応付け部150は、ステップ106で抽出した位置に対応する位置のモノクロ構成画像をモノクロ色見本画像の中から特定し、ステップ110へ移行する。
【0097】
ステップ110(S110)において、対応付け部150は、ステップ108で特定したモノクロ構成画像の明度及び網点配列を解析し、カラー構成画像の色情報と解析した明度及び網点配列とを互いに対応付けてテーブルに追加し、ステップ112へ移行する。
【0098】
ステップ112(S112)において、対応付け部150は、変数nの値を1減少させ、ステップ114へ移行する。
【0099】
ステップ114(S114)において、対応付け部150は、変数nの値が0よりも大きい場合、ステップ106へ移行し、変数nの値が0以下である場合ステップ116へ移行する。
【0100】
ステップ116(S116)において、対応付け部150は、生成したテーブルを対応関係記憶部152に記憶する。
【0101】
次に、カラー画像を画像形成装置10により単一色で印刷した画像について、色変換した画像を表示する動作について説明する。
図11は、単一色の画像を色変換して表示する動作を示すフローチャートである。
【0102】
ステップ200(S200)において、読取画像受付部148は、印刷物を撮像して得られた画像データを受付ける。なお、撮像対象の印刷物は、画像形成装置10がカラー画像データについて単一色で印刷したものである。読取画像受付部148は、受付けた画像データを色変換部154に出力し、ステップ202へ移行する。
【0103】
ステップ202(S202)において、色変換部154は、ステップ200で読取画像受付部148が出力した画像データから部分画像データを切り出し、ステップ204へ移行する。
【0104】
ステップ204(S204)において、色変換部154は、ステップ202で切り出した部分画像データを解析し、当該部分画像の明度及び網点配列を抽出し、ステップ206へ移行する。
【0105】
ステップ206(S206)において、色変換部154は、ステップ204で抽出した明度及び網点配列に対応する色情報をテーブルから検索し、ステップ208へ移行する。
【0106】
ステップ208(S208)において、色変換部154は、抽出した明度及び網点配列をテーブルから検索できたか否かを判定し、検索できた場合はステップ210へ移行し、検索できなかった場合はステップ212へ移行する。
【0107】
ステップ210(S210)において、色変換部154は、検索された明度及び網点配列に対応する色情報に基づいて、部分画像の色を変換し、ステップ216へ移行する。
【0108】
一方、ステップ212(S212)では、指定色受付部156が、ユーザからの色の指定を受付け、ステップ214へ移行する。
【0109】
ステップ214(S214)において、指定色変換部158は、ステップ212で指定色受付部156が受付けた色により、部分画像の色を変換し、ステップ216へ移行する。
【0110】
ステップ216(S216)において、色変換部154は、ステップ200で読取画像受付部148が出力した画像データの全体について色変換が行なわれたか否かを判定し、画像データの全体について色変換が行なわれた場合はステップ218へ移行し、画像データの全体について色変換が行なわれていない場合には次の部分画像について色変換すべくステップ202へ移行する。
【0111】
ステップ218(S218)において、表示部160は、色変換がなされた画像データを表示する。
【0112】
以上説明した第1の実施形態では、対応関係記憶部152は、対応付け部150が生成したテーブルを記憶する構成として説明したが、対応関係記憶部152は、他の画像処理装置が生成したテーブルを受信し、対応関係記憶部152に記憶してもよい。この場合、単一色の印刷物の画像データを複数色で表示するにあたり色見本画像データ記憶部144、印刷指示部146、及び対応付け部150を有する必要はない。
【0113】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態における画像形成装置10の画像処理部26を画像処理部162に置き換えている点で、第1の実施形態と異なる。
【0114】
第1の実施形態では、画像形成装置10が単一色で印刷した画像について、画像処理装置6により色変換を行い表示した。
【0115】
一方、第2の実施形態では、画像形成装置10により、色ごとに対応付けられた網点の配列を用いて、複数色の画像を単一色で印刷した印刷画像に対し、以下の処理を行なう。すなわち、この印刷画像を画像読取ユニット14により読取り、印刷に用いた網点の配列に基づいて色変換を行い、複数色での印刷(カラー印刷)を行なう。
【0116】
図12は、第2の実施形態に係る画像形成装置10における画像処理部162の機能構成を示すブロック図である。
【0117】
以下、第1の実施形態に係る画像処理部26と異なる構成部分について説明する。
図12に示すように、画像処理部162は、画像処理部26の構成のうち、入力画像受付部116を入力画像受付部164に、網点配列記憶部124を対応関係記憶部166に、それぞれ置き換え、さらに色変換部168が追加されている点で、画像処理部26と異なる。
【0118】
対応関係記憶部166は、第1の実施形態に係る網点配列記憶部124と同様、単一色で印刷する場合にスクリーン処理で用いる網点配列を色ごとに記憶し、また、第1の実施形態に係る画像処理装置6の対応関係記憶部152と同様、複数の予め定められた色ごとに、明度及び網点配列と色情報とを互いに対応付ける対応関係を示すデータをテーブルとして記憶する。
【0119】
なお、明度及び網点配列と色情報とを対応付けるテーブルに格納されている網点配列と、スクリーン処理で用いる網点配列とは、同じ色については同じ網点配列である。
【0120】
入力画像受付部164は、第1の実施形態に係る入力画像受付部116の機能に加え、画像形成装置10により印刷された単一色の印刷物を画像読取ユニット14で読み取った入力画像データを色変換部168に出力する。
【0121】
なお、入力画像受付部164は、画像形成装置10により印刷された単一色の画像についての入力画像データを画像処理装置6等から受け付けた場合も、色変換部168に出力する構成としてもよい。
【0122】
色変換部168は、第1の実施形態に係る画像処理装置6の色変換部154と同様、対応関係記憶部166が記憶するテーブルに基づいて、入力画像受付部164が出力した単一色の画像データを複数色の画像データに変換する。また、色変換部168は、色変換を行なった画像データをカラー色空間変換部118に出力する。
【0123】
以上が第2の実施形態に係る画像処理部162の構成となるが、この他にも例えば、第1の実施形態の画像処理装置6と同様、画像処理部162にさらに指定色受付部156及び指定色変換部158を設けてもよい。また、指定色受付部156及び指定色変換部158に代えて、又は、指定色受付部156及び指定色変換部158とともに、上述の推測色変換部を設けてもよい。
【0124】
次に、画像形成装置10により色変換した画像を印刷する動作について説明する。
図13は、単一色の画像を色変換して印刷する動作を示すフローチャートである。
【0125】
ステップ300(S300)において、画像読取ユニット14が単一色で印刷された画像を読み取り、ステップ302へ移行する。ここで、読取対象の画像は、画像形成装置10がカラー画像データについて単一色で印刷したものである。
【0126】
ステップ302(S302)において、入力画像受付部164は、ステップ300で読み取られた画像データを受付け、色変換部168に出力し、ステップ304へ移行する。
【0127】
ステップ304(S304)において、色変換部168は、対応関係記憶部166が記憶するテーブルに基づいて、単一色の画像データを複数色の画像データに変換し、カラー色空間変換部118へ出力する。ここで、変換処理の具体的な動作の流れについては、図11に示したステップ202からステップ216と同様である。
【0128】
ステップ306(S306)において、ステップ304で色変換がなされた画像データについて、複数色での印刷が行なわれる。具体的には、カラー色空間変換部118による色空間の変換、カラースクリーン処理部120C、120M、120Y、120Kによるスクリーン処理が行なわれ、画像形成ユニット16による印刷が行なわれる。
【0129】
第2の実施形態では、複数色の画像を、色ごとに対応付けられた網点の配列により単一色で印刷し、この網点の配列に基づいて色変換を行なう例を示したが、色変換は特定の画像形成装置が単一色の印刷をする際に色ごとに表れる当該画像形成装置固有の特徴に基づいて行なわれればよく、網点の配列を参照して行なわなくてもよい。
【0130】
特定の画像形成装置が単一色の印刷をする際に色ごとに表れる当該画像形成装置固有の特徴に基づいて色変換を行う場合、画像形成装置は、単一色の印刷において色ごとに対応付けられた網点の配列を用いる必要はない。なお、第1の実施形態において、画像処理装置6の構成として示した色見本画像データ記憶部144、印刷指示部146、対応付け部150を画像形成装置10にさらに設け、画像形成装置10が単一色で印刷する際の固有の特徴と色との対応関係として対応関係記憶部166に記憶することで実現することができる。
【符号の説明】
【0131】
2 情報処理システム
4 無線通信ネットワーク
6 画像処理装置
8 ネットワーク
10 画像形成装置
14 画像読取ユニット
28 UI装置
116 入力画像受付部
118 カラー色空間変換部
120 カラースクリーン処理部
122 モノクロ色空間変換部
124 網点配列記憶部
126 網点配列選択部
128 モノクロスクリーン処理部
136 UI装置
140 撮像装置
144 色見本画像データ記憶部
146 印刷指示部
148 読取画像受付部
150 対応付け部
152 対応関係記憶部
154 色変換部
156 指定色受付部
158 指定色変換部
160 表示部
164 入力画像受付部
166 対応関係記憶部
168 色変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた複数の色各々に対する見本画像から構成される複数色の色見本について、該複数色の色見本に含まれる見本画像の色と、特定の画像形成装置により生成した該複数色の色見本についての単一色の色見本に含まれる見本画像の情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
複数色の画像を前記特定の画像形成装置により単一色で印刷した印刷画像を読み取った画像である読取画像を受付ける読取画像受付手段と、
前記読取画像受付手段により受付けた単一色の読取画像について、前記記憶手段によって記憶されている対応付けに基づいて複数色に変換する色変換手段と、
前記色変換手段により変換された複数色の画像を表示する表示手段と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記単一色の色見本に含まれる見本画像の明度又は網点の配列の少なくともいずれか一方と前記複数色の色見本に含まれる見本画像の色を対応付けて記憶し、
前記色変換手段は、前記読取画像受付け手段により受付けた単一色の読取画像の明度又は網点の配列のうち、前記記憶手段で対応付けに用いた一方に基づいて、複数色に変換する
請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、周期的に繰り返される網点の配列について、周期に応じた大きさの単一色の見本画像の情報と、前記複数色の色見本に含まれる見本画像の色とを対応付ける
請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
色の指定を受付ける指定色受付手段と、
色変換対象の単一色の部分画像を前記指定色受付手段が受付けた色に変換する指定色変換手段と
をさらに有する請求項1乃至3記載の画像処理装置。
【請求項5】
色変換対象の単一色の部分画像に隣接する単一色の部分画像に対する前記色変換手段による色変換を参照して推測した色により、該色変換対象の単一色の部分画像の色を変換する推測色変換手段
をさらに有する請求項1乃至4記載の画像処理装置。
【請求項6】
複数色の画像について、色ごとに対応付けられた網点の配列により単一色で印刷する単一色印刷手段と、
前記単一色印刷手段により印刷された単一色の画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取った単一色の画像に含まれる少なくとも前記網点の配列に基づいて、該単一色の画像を該網点の配列に対応付けられた複数の色に変換する色変換手段と、
前記色変換手段により変換された複数色の画像を複数色で印刷する複数色印刷手段と
を有する画像形成装置。
【請求項7】
複数色の画像について、単一色で印刷する単一色印刷手段
を有する画像形成装置と、
予め定めた複数の色各々に対する見本画像から構成される複数色の色見本について、該複数色の色見本に含まれる見本画像の色と、前記画像形成装置により生成した該複数色の色見本についての単一色の色見本に含まれる見本画像の情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
複数色の画像を前記画像形成装置により単一色で印刷した印刷画像を読み取った画像である読取画像を受付ける読取画像受付手段と、
前記読取画像受付け手段により受付けた単一色の読取画像について、前記記憶手段によって記憶されている対応付けに基づいて複数色に変換する色変換手段と、
前記色変換手段により変換された複数色の画像を表示する表示手段と
を有する画像処理装置と
を備える画像処理システム。
【請求項8】
予め定めた複数の色各々に対する見本画像から構成される複数色の色見本について、該複数色の色見本に含まれる見本画像の色と、特定の画像形成装置により生成した該複数色の色見本についての単一色の色見本に含まれる見本画像の情報とを対応付けて記憶する記憶ステップと、
複数色の画像を前記特定の画像形成装置により単一色で印刷した印刷画像を読み取った画像である読取画像を受付ける読取画像受付ステップと、
前記読取画像受付ステップにより受付けた単一色の読取画像について、前記記憶ステップによって記憶されている対応付けに基づいて複数色に変換する色変換ステップと、
前記色変換ステップにより変換された複数色の画像を表示する表示ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−81138(P2013−81138A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221202(P2011−221202)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】