画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体
【課題】本発明は、読み取り画像の細線を精度よく再現する。
【解決手段】MFP1は、読み取り部12の読み取った原稿のRGB画像データから、画像処理部3で、文字領域を抽出して、該文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定する。次に、画像処理部3は、該低彩度の色文字であると判定した該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定するとともに、該低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定し、さらに、RGBの画像データから黒細線の領域を検出して、該低彩度の色文字が該黒細線領域であると、該第2判定条件による判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が非黒細線領域であると、該第1判定条件による判定結果を該色文字に対する判定結果として採用する。
【解決手段】MFP1は、読み取り部12の読み取った原稿のRGB画像データから、画像処理部3で、文字領域を抽出して、該文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定する。次に、画像処理部3は、該低彩度の色文字であると判定した該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定するとともに、該低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定し、さらに、RGBの画像データから黒細線の領域を検出して、該低彩度の色文字が該黒細線領域であると、該第2判定条件による判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が非黒細線領域であると、該第1判定条件による判定結果を該色文字に対する判定結果として採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、読み取りカラー画像の黒細線を精度よく再現する画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー複写装置、カラープリンタ装置、カラー複合装置等のカラー画像形成装置においては、従来から画像データに対して像域分離処理を施して、画像の文字領域や有彩/無彩領域を検出し、この検出結果に基づいた適応型の画質向上処理を行う画像処理部を搭載している。例えば、画像処理部は、画像データに像域分離処理を施して、黒文字と判定されると、K版(黒版)のみで再現する色消し処理を行う。また、このような画像処理部は、従来、例えば、原稿画像の黒文字が、スキャナでの読み取り時に発生する色ずれによって色文字で再現されることがあることを考慮して、無彩寄りに有彩/無彩領域を検出することで、黒文字を適切に黒文字として再現する処理を行っている。
【0003】
そして、従来、入力画像の白黒/カラーの判定と、黒文字の判定とを切り替えて入力画像信号に対して施すことで、再現性を向上させた画像処理を行うことを目的とした技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、画像全体の判断条件を切り替えて画像処理を行っているため、例えば、黒細線の密集部(黒文字)の色ずれを無彩とする判定条件と、低彩度部の色文字を有彩とする判定条件を両立させることができず、黒文字と低彩度文字が混在した原稿画像に対して、最適な画像処理を施すことができず、画像品質を向上させる上で、改良の必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、黒細線の密集部の色ずれを無彩とする判定条件と、低彩度部の色文字を有彩とする判定条件と、を両立させて、最適な画像処理を施すことのできる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、RGBの画像データから文字領域を抽出して、該文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定して、該低彩度の色文字であると判定された該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定するとともに、該低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定して、該RGBの画像データから黒細線の領域を検出して、該低彩度の色文字が該黒細線領域であると、該第2判定条件による判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が非黒細線領域であると、該第1判定条件による判定結果を該色文字に対する判定結果として採用することを特徴としている。
【0007】
また、本発明は、前記第2判定条件が、検出された前記黒細線の画素を中心とするN×NのマトリクスにおけるRGB画像データの各画素のGデータを所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定する条件であることを特徴としてもよい。
【0008】
さらに、本発明は、前記第2判定条件が、検出された前記黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおける各画素のRGB画像データの最小値を所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定する条件であることを特徴としてもよい。
【0009】
また、本発明は、前記第2条件に基づく有彩/無彩の判定として、検出された前記黒細線の画素を中心として、所定の範囲の周囲画素を強制的に無彩であると判定することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、黒細線の密集部の色ずれを無彩とする判定条件と、低彩度部の色文字を有彩とする判定条件と、を両立させて、最適な画像処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を適用したMFPのブロック構成図。
【図2】画像処理部の像域分離処理部のブロック構成図。
【図3】色判定部のブロック構成図。
【図4】色判定部の判定テーブルを示す図。
【図5】第2有彩/無彩判定部のブロック構成図。
【図6】第2有彩/無彩判定部による判定処理の説明図。
【図7】第2有彩/無彩判定部における黒白変化点のカウント方向の説明図。
【図8】第2有彩/無彩判定部の他の例を示すブロック構成図。
【図9】第2有彩/無彩判定部のさらに他の例を示すブロック構成図。
【図10】膨張L×M部による膨張処理の説明図。
【図11】膨張L×M部による膨張処理適用例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0013】
図1〜図11は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したMFP(Multi Functional Products:複合装置)1のブロック構成図である。
【0014】
図1において、画像形成装置としてのMFP1は、読み取り部2、画像処理部3、バス制御部4、HDD(ハードディスク)5、CPU(Central Processing Unit )6、メモリ7、プロッタI/F部8、プロッタ部9、操作表示部10、回線I/F部11、外部I/F部12、SB(サウスブリッジ)13、ROM(Read Only Memory)14及び外部メディア用スロット15等を備えている。
【0015】
読み取り部2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を利用したラインイメージセンサ、アナログ/デジタル(A/D)変換回路及びこれらを駆動する駆動回路等を備えており、コンタクトガラス上にセットされた原稿を、移動型読み取りセンサ部が主走査方向に走査しながら副走査方向に移動して原稿全体を走査して、該原稿の画像を読み取るいわゆるブック型読み取り部と、停止している固定型読み取りセンサ部によって搬送される原稿を主走査して該原稿の画像を読み取るDF型読み取り部と、を備えている。また、読み取り部2は、ADFを備えており、ADFには、複数枚の原稿がセットされて、ADFは、セットされた原稿を1枚ずつ読み取り部2のDF型読み取り部の原稿読み取り位置に送給する。読み取り部2は、DF型読み取り部で読み取る場合、ADFから搬送されてきた原稿を主走査及び副走査して原稿の濃淡情報から画像を所定の解像度で読み取って、RGB各所定ビット(例えば、各8ビット)のカラーの画像データを生成して画像処理部3に出力する。なお、読み取り部2は、CCDを用いたものに限るものではなく、例えば、CIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を用いたものであってもよい。
【0016】
画像処理部(画像処理装置)3は、読み取り部2からのデジタル画像データに対して、予め定められている特性に統一する画像処理を施す。この画像処理部3の統一する特性は、画像データをMFP1内部に蓄積し、再利用する場合に出力先の変更に適した特性であって、その詳細については後述する。
【0017】
バス制御部4は、MFP1内で必要な画像データや制御コマンド等の各種データのやり取りを行うデータバスの制御を司り、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。バス制御部4は、本実施例のMFP1では、画像処理部3及びCPU6とはPCI(Peripheral Component Interconnect)−Expressバス、HDD5とはATAバスで接続し、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)化されている。
【0018】
HDD5は、通常のパーソナルコンピュータ等にも用いられている大容量記憶装置のハードディスクであり、主にデジタルの画像データ及び該画像データの付帯情報(例えば、設定モード等)を蓄積する。また、本実施例のHDD5は、IDE(Integrated Development Environment)を拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクが用いられている。なお、大容量の記憶装置としては、HDD5に限るものではなく、例えば、近年大容量化してきているフラッシュメモリを用いたシリコンディスク等を用いてもよい。
【0019】
CPU6は、MFP1全体の制御を行うマイクロプロセッサであり、本実施例では、近年普及してきているCPUコア単体に+αの機能を追加したIntegrated CPUを使用している。このIntegrated CPUは、汎用規格I/Fとの接続機能やクロスバースイッチを使用したこれらバス接続機能がインテグレイトされたCPUである。
【0020】
メモリ7は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータの記憶やCPU6がMFP1の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPU6には高速処理が求められるため、通常起動時にROM14に記憶されたブートプログラムによってシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ7に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施例のMFP1では、メモリ7として、規格化されパーソナルコンピュータに使用されているDIMMが使用されている。
【0021】
プロッタI/F部8は、CPU6にインテグレイトされた汎用規格I/F経由で送られてくるCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、該画像データをプロッタ部9の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行い、この汎用規格I/Fとしては、PCI−Expressバスが用いられている。
【0022】
プロッタ部9は、CMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、レーザビームを用いた電子写真プロセスによって、記録材に該画像データの画像を記録出力する。プロッタ部9は、その画像形成プロセスが電子写真プロセスに限るものではなく、任意の画像形成プロセスであってよく、例えば、インク噴射プロセスであってもよい。
【0023】
SB14は、パーソナルコンピュータに使用されるチップセットのひとつであり、サウスブリッジ(South Bridge)と呼ばれる汎用の電子デバイスである。SB14は、主にPCI−Expressである汎用規格の拡張バス16とISA(Industrial Standard Architecture)ブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したものであり、ROM14との間をブリッジしている。
【0024】
ROM14は、MFP1の基本プログラム及び後述する本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラム等のプログラム(ブートプログラムを含む。)及び必要なシステムデータが格納されており、CPU6が、該ROM14内のプログラムに基づいて上記メモリ7をワークメモリとして利用しつつ、MFP1の各部を制御して、MFP1の基本動作制御及び後述する画像処理を実行する。
【0025】
操作表示部10は、ユーザへのインターフェイスを行う部分であって、タッチパネル付きディスプレイ、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)及び各種処理モード設定キー、置数キー、スタートキー等のキースイッチ等を備えている。操作表示部10は、PCI−Expressバスである拡張バス16を介してCPU6と接続されており、CPU6の制御下で、MFP1の各種状態や操作方法及び操作ボタンをディスプレイに表示し、また、ユーザからのキースイッチ入力操作やタッチパネルでのボタンのタッチ操作を検知する。操作表示部10では、ユーザは、処理モードとして、例えば、カラー/モノクロモード、アプリケーションモードや画質モードを選択操作することができ、具体的には、カラー/モノクロモードは、フルカラーモード、シングルカラーモード、白黒モード等が、アプリケーションモードは、コピーモード、スキャナモード、FAXモード、スキャナ配信モード等が、画質モードは、文字モード、文字写真モード、写真モード等がある。また、操作表示部10は、原稿を濃くする、薄くする等のノッチ情報等の表示部分を有している。
【0026】
回線I/F部11は、PCI−Expressバスである拡張バス16と電話回線(公衆回線)を接続し、MFP1の電話回線を介した各種データのやり取り、例えば、外部のファクシミリ装置FXとのファクシミリ通信を可能としている。
【0027】
外部I/F部12は、PCI−Expressバスである拡張バス16と外部装置GSを接続し、外部装置GSと各種データのやり取りを行う。外部I/F部12は、例えば、ネットワーク(イーサネット:登録商標)に接続され、該ネットワーク上の外部装置GSと接続される。また、外部I/F部12は、USB(Universal Serial Bus)等の外部メディア用スロット15によって、外部メディアGMに接続されている。外部装置GSは、例えば、パーソナルコンピュータ等であり、ユーザは、パーソナルコンピュータ等の外部装置GSにインストールされているアプリケーションソフトやドライバを利用して、外部I/F部12を介して、MFP1の各種制御や画像データの入出力を行うことができる。外部メディアGMは、いわゆるコンパクトフラッシュ(登録商標)カードやSDカード等のメモリデバイスであり、画像データを含む各種電子データを記録している。外部I/F部12は、外部メディアGMとの間で、画像データの入出力を行う。
【0028】
上記画像処理部3は、図2に示すような像域分離処理部20を備えており、像域分離処理部20は、エッジ判定部21、網点判定部22、色判定部23及び総合判定部24等を備えている。
【0029】
エッジ判定部21、網点判定部22及び色判定部23には、読み取り部2で読み取られた原稿のRGB画像データがそれぞれ入力され、エッジ判定部21は、白画素と黒画素の連続性によりエッジ判定を行う。網点判定部22は、画像中の山/谷ピーク画素の繰り返しパターンにより網点画像を判定し、色判定部23は、入力されるRGB画像データに有彩/無彩の判定処理を行う。
【0030】
総合判定部24は、エッジ判定部21、網点判定部22及び色判定部23の判定結果に基づいて、RGB入力画像データを、黒文字、色文字及びその他の領域に分類する。上記エッジ判定部21、網点判定部22及び色判定部23は、全体として文字領域抽出手段及び彩度判定手段として機能している。
【0031】
そして、色判定部23は、図3に示すようにブロック構成されており、2つの第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32、黒細線検出部33及びセレクタ(SEL)34等を備えている。
【0032】
色判定部23は、入力されたRGB画像データの各画素に対して、第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32により、有彩か無彩かを判定し、セレクタ34が、第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32の何れの判定結果を適用するかを、黒細線検出部33で黒細線が検出されたか否かに基づいて決定する。
【0033】
第1有彩/無彩判定部(第1有彩/無彩判定手段)31は、入力された画像データ(RGB信号)の各画素について、所定の第1判定条件に基づいて、色相分割を行い、有彩画素をパターンマッチングすることにより、有彩/無彩を判定する。第2有彩/無彩判定部32については、後で詳細に説明する。
【0034】
セレクタ(選択手段)34は、図4の判定テーブルに示すように、黒細線検出部33で黒細線が検出されないときには、第1有彩/無彩判定部31の判定結果を該画素に適用する。第1有彩/無彩判定部31は、第1判定条件である有債/無彩の判定条件が、彩度が高い画素を有彩と判定するだけでなく、彩度が低い画素であっても有彩判定しやすい判定条件となっている。そして、セレクタ34は、黒細線検出部33で黒細線が検出されると、第2有彩/無彩判定部32での有彩/無彩の判定結果を該画素に適用する。すなわち、第1有彩/無彩判定部31の判定条件は、彩度が高い画素を有彩と判定するとともに、彩度が低い画素であっても有彩判定しやすい判定条件であるため、第1有彩/無彩判定部31の判定結果を原稿上の黒細線部に適用すると、色ずれが発生した場合に、黒細線を無彩ではなく有彩と判定してしまうことがあり、黒細線部には第2有彩/無彩判定部32の判定結果を適用する。
【0035】
例えば、色判定部23は、第1有彩/無彩判定部31の判定結果が無彩(「0」)、第2有彩/無彩判定部32の判定結果が有彩(「1」)、黒細線検出部33の判定結果が黒細線(「1」)であると、セレクタ34が、第2有彩/無彩判定部32の判定結果である有彩(「1」)を採用して、色判定部23の判定結果とし、第1有彩/無彩判定部31の判定結果が有彩(「1」)、第2有彩/無彩判定部32の判定結果が無彩(「0」)、黒細線検出部33の判定結果が非黒細線(「0」)であると、セレクタ34が、第1有彩/無彩判定部31の判定結果である有彩(「1」)を採用して、色判定部23の判定結果とする。
【0036】
黒細線検出部(黒細線検出手段)33は、注目画素を中心にNxNのマトリクスの画素について、閾値に基づいて、3値化(黒画素、中間画素、白画素)を行い、パターンマッチングによって、黒細線を検出する。
【0037】
そして、上記第2有彩/無彩判定部(第2有彩/無彩判定手段)32は、図5に示すように、NxNマトリクスGデータ抽出部41、2値化部42、白黒画素カウント部43及びAND回路44等を備えており、第2有彩/無彩判定部32に入力される画像データ(RGB信号)は、Gデータについて、黒:0、白:255としたとき、Gデータが大きいほど、彩度が高く、Gデータが小さいほど、彩度が低いことになる。
【0038】
N×NマトリクスGデータ抽出部41は、図6に示すように、入力画像データの画素のGデータを中心画素として、N×Nの画素を抽出し、2値化部42は、N×NマトリクスGデータ抽出部41が抽出した画素を、予め設定されている閾値thAと比較して、閾値thA以上の画素は白画素、閾値thA未満の画素は黒画素として2値化する。なお、図6は、閾値thAが「128」、マトリクスが、7x7とした場合を示している。
【0039】
そして、白黒画素カウント部43は、図6に示す2値化後の画素の白黒画素カウント方向に従って、白黒、または、黒白の変化点の個数をカウントし、白黒変化点カウント数を予め設定されている所定値thBと比較して、白黒変化点カウント数が所定値thB以上であると、該画素を黒細線の密集部候補(無彩画素:0)、白黒変化点カウント数が所定値thBを超えていると、黒細線の非密集部(有彩画素:1)とする。
【0040】
AND回路44は、白黒画素判定部43からの無彩/有彩の画素判定結果と黒細線検出部3からの黒細線検出結果(1:有彩、0:無彩)のANDを取って、判定結果をセレクタ34に出力する。
【0041】
なお、MFP1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラムを読み込んでROM14やHDD5に導入することで、後述する読み取り画像を高品質に再現する画像処理方法を実行するMFP1として構築されている。この画像処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0042】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のMFP1は、読み取り画像を高品質に再現する画像処理を行う。
【0043】
すなわち、MFP1は、読み取り部2を利用した機能として、コピー機能、スキャナデータ転送機能、ファクシミリ送信機能等があり、これらの機能においては、読み取り部2でカラー原稿を主走査及び副走査して該原稿の画像を読み取って、RGBの画像データを画像処理装置3に出力する。
【0044】
画像処理装置3は、図2に示したように、その像域分離処理部20のエッジ変底部21、網点判定部22、色判定部23及び総合判定部24が読み取り部2からのRGBの画像データを、黒文字、色文字及びその他の領域に分類する。
【0045】
そして、色判定部23は、図3に示したように、その第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32により、入力されるRGB画像データの各画素に対して、有彩か無彩かを判定し、そのセレクタ34が、第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32の何れの判定結果を適用するかを、黒細線検出部33で黒細線が検出されたか否かに基づいて決定する。
【0046】
この第1有彩/無彩判定部31は、入力されたRGB画像データの各画素について、色相分割を行い、有彩画素をパターンマッチングするという第1判定条件によって、有彩/無彩を判定する。また、第2有彩/無彩判定部32は、図5に示したように、そのN×NマトリクスGデータ抽出部41が、入力画像データの画素のGデータを中心画素として、図6に示したようなN×Nの画素を抽出し、2値化部42が、N×NマトリクスGデータ抽出部41の抽出した画素を、予め設定されている閾値thAと比較して、閾値thA以上の画素は白画素、閾値thA未満の画素は黒画素として2値化する。そして、第2有彩/無彩判定部32は、その白黒画素カウント部43が、図6に示した2値化後の画素の白黒画素カウント方向に従って、白黒、または、黒白の変化点の個数をカウントし、白黒変化点カウント数を予め設定されている所定値thBと比較して、白黒変化点カウント数が所定値thB以上であると、該画素を黒細線の密集部候補(無彩画素:0)、白黒変化点カウント数が所定値thB未満であると、黒細線の非密集部(有彩画素:1)として、AND回路44に出力する。第2有彩/無彩判定部32は、そのAND回路44が、白黒画素判定部43からの無彩画素と有彩画素判定結果及び黒細線検出部3からの黒細線検出結果(1:有彩、0:無彩)のANDを取って、判定結果を、色判定部23のセレクタ34に出力する。すなわち、第2有彩/無彩判定部32の白黒画素カウント部43は、図7に示すように、N×Nマトリクスにて各画素のRGB信号を白黒2値化後の黒白変化点をカウントする方向として、原稿読み取り方向に対して並行である副走査方向を色ずれの発生しやすい方向として、カウントしている。
【0047】
そして、セレクタ34は、図4に示したように、黒細線検出部33で黒細線が検出されないときには、第1有彩/無彩判定部31の判定結果を該画素に適用し、黒細線検出部33で黒細線が検出されると、第2有彩/無彩判定部32での有彩/無彩の判定結果を該画素に適用する。すなわち、第1有彩/無彩判定部31の判定条件は、彩度が高い画素を有彩と判定するとともに、彩度が低い画素であっても有彩判定しやすい判定条件であるため、第1有彩/無彩判定部31の判定結果を原稿上の黒細線部に適用すると、色ずれが発生した場合に、黒細線を無彩ではなく有彩と判定してしまうことがあり、黒細線部には第2有彩/無彩判定部32の判定結果を適用する。
【0048】
例えば、色判定部23は、第1有彩/無彩判定部31の判定結果が無彩(「0」)、第2有彩/無彩判定部32の判定結果が有彩(「1」)、黒細線検出部33の判定結果が黒細線(「1」)であると、セレクタ34が、第2有彩/無彩判定部32の判定結果である有彩(「1」)を採用して、色判定部23の判定結果とし、第1有彩/無彩判定部31の判定結果が有彩(「1」)、第2有彩/無彩判定部32の判定結果が無彩(「0」)、黒細線検出部33の判定結果が非黒細線(「0」)であると、セレクタ34が、第1有彩/無彩判定部31の判定結果である有彩(「1」)を採用して、色判定部23の判定結果とする。
【0049】
なお、上記説明においては、第2有彩/無彩判定部32における白黒画素カウント部43の白黒画素カウント方向として、原稿読み取り方向に対して平行であり、また、色ずれが発生しやすい副走査方向を想定しているが、白黒画素カウント方向は、副走査方向に限定するものではなく、主走査方向であってもよい。
【0050】
このようにすると、例えば、図6において、白黒変化点カウント数と比較する所定値thBを「40」とした場合(thB=40)、白黒画素の変化点の合計が44個であるため、黒細線の密集部候補(無彩画素)となる。
【0051】
また、第2有彩/無彩判定部32は、図8に示すように、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部51、2値化部52、白黒画素カウント部53及びAND回路54を備えた第2有彩/無彩判定部50としてもよい。この第2有彩/無彩判定部50は、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部51に読み取り部2からのRGB画像データが入力されて、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部51が、第2有彩/無彩判定部50に入力された画像データ(RGB信号)の最小値min(RGB)を抽出し、2値化部52が、閾値thBにより2値化を行う。そして、第2有彩/無彩判定部50は、その白黒画素カウント部53が、2値化後の画素の白黒画素カウント方向に従って、白黒、または、黒白の変化点の個数をカウントして、白黒変化点カウント数を予め設定されている所定値thBと比較して、白黒変化点カウント数が所定値thB以上であると、該画素を黒細線の密集部候補(無彩画素:0)とし、白黒変化点カウント数が所定値thB未満であると、黒細線の非密集部(有彩画素:1)として、AND回路54に出力する。第2有彩/無彩判定部50は、そのAND回路54が、白黒画素判定部43からの無彩画素と有彩画素判定結果及び黒細線検出部3からの黒細線検出結果(1:有彩、0:無彩)のANDを取って、判定結果を、色判定部23のセレクタ34に出力する。
【0052】
さらに、第2有彩/無彩判定部32は、図9に示すように、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部61、2値化部62、白黒画素カウント部63、膨張L×M部64及びAND回路65を備えた第2有彩/無彩判定部60としてもよい。この第2有彩/無彩判定部60は、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部61に読み取り部2からのRGB画像データが入力されて、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部61は、第2有彩/無彩判定部50に入力された画像データ(RGB信号)の最小値min(RGB)を抽出し、2値化部62が閾値thBにより2値化を行う。そして、第2有彩/無彩判定部50は、その白黒画素カウント部63が、2値化後の画素の白黒画素カウント方向に従って、白黒、または、黒白の変化点の個数をカウントして、白黒変化点カウント数を予め設定されている所定値thBと比較して、白黒変化点カウント数が所定値thB以上であると、該画素を黒細線の密集部候補(無彩画素:0)とし、白黒変化点カウント数が所定値thB未満であると、黒細線の非密集部(有彩画素:1)とする。第2有彩/無再販知恵部60は、さらに、膨張L×M部64が、Lライン×M画素ブロックの無彩判定領域の膨張を行うことにより、色ずれが発生した場合の色ずれ画素を黒画素に置き換えて、AND賀露65に出力する。
【0053】
すなわち、図10に示すように、原稿の画像が、主走査方向M画素について、Lラインにおいて色ずれが発生している場合、膨張L×M部64で、無彩判定領域の膨張処理を施すことにより、黒画素に置き換えることができる。
【0054】
例えば、膨張L×M部64は、図12(a)に示すように、黒ライン>色ラインの場合には、文字の太りが発生するため、膨張量を、3x3に、図12(b)に示すように、黒ライン=色ラインの場合には、文字の太りも細りも発生しないため、膨張量を、5x5に、そして、図12(c)に示すように、黒ライン<色ラインの場合には、文字のホスト装置利が発生するため、膨張量を、7x7として、膨張処理を行うことにより、色ずれ量に応じた黒画素への置き換えを行う。
【0055】
第2有彩/無彩判定部60は、そのAND回路65が、膨張L×M部64からの無彩画素と有彩画素の判定結果及び黒細線検出部3からの黒細線検出結果(1:有彩、0:無彩)のANDを取って、判定結果を、色判定部23のセレクタ34に出力する。
【0056】
また、第2有彩/無彩判定部32、50、60において判定に用いるマトリクスサイズN×Nとして、7×7を用いた場合について説明したが、マトリクスサイズは、7×7に限るものではなく、例えば、画像の変倍率の拡大や縮小に応じて、マトリクスサイズを、10x10や5x5に変更してもよい。
【0057】
このように、本実施例のMFP1は、像域分離処理部20によって、RGBの画像データから文字領域を抽出して、該文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定して、色判定部23の第1有彩/無彩判定部31が、該低彩度の色文字であると判定された該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定するとともに、第2有彩/無彩判定部32が、該低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定し、色判定部23の黒細線検出部33が、該RGBの画像データから黒細線の領域を検出して、セレクタ34が、該低彩度の色文字が該黒細線領域であると、該第2判定条件による第2有彩/無彩判定部32の判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が非黒細線領域であると、該第1判定条件による第1有彩/無彩判定部31の判定結果を該色文字に対する判定結果として採用している。
【0058】
したがって、黒細線の密集部(黒文字)と、低彩度部の色文字とが混在した原稿読み取り画像データ等のRGB画像データに対して、黒細線の密集部の色ずれを無彩とする判定条件と、低彩度部の色文字を有彩とする判定条件と、を両立させて、最適な画像処理を施すことができる。
【0059】
すなわち、原稿を読み取ったRGB画像データ中にある黒細線の密集部(黒文字)において、スキャナ特性の劣化や原稿読み取り時の振動により、色ずれが発生した場合に、通常の色判定レベルでは色文字と判定されてしまう場合であっても、黒細線の密集部を検出すると、色ずれを考慮した色判定レベルを適用することで黒文字と判定することができ、最適な画像処理を施すことができる。
【0060】
また、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、検出された前記黒細線の画素を中心とするN×NのマトリクスにおけるRGB画像データの各画素のGデータを所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定している。
【0061】
したがって、黒細線の密集部で色ずれが発生した場合に、色ずれ画素を黒画素として判定することができ、より一層最適な画像処理を施すことができる。
【0062】
さらに、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、検出された前記黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおける各画素のRGB画像データの最小値を所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定している。
【0063】
したがって、黒細線の密集部で色ずれが発生した場合に、色ずれ画素を黒画素として判定することができ、より一層最適な画像処理を施すことができる。
【0064】
また、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、黒細線検出部33の検出した黒細線の画素を中心として、所定の範囲の周囲画素を強制的に無彩であると判定して膨張させている。
【0065】
したがって、黒細線の密集部で色ずれが発生した場合に、色ずれ画素を強制的に黒画素として判定して黒細線を膨張させることができ、より一層最適な画像処理を施すことができる。
【0066】
さらに、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、黒細線検出部33の検出した黒細線の画素を中心として、該黒細線のライン数と該黒細線に隣接する色細線のライン数に基づいて前記無彩判定する周囲画素数を決定している。
【0067】
したがって、原稿の搬送ムラにより、黒細線の太りや細りが発生した場合に、黒細線の太さに応じて強制的に無彩として黒細線を膨張量させる範囲を適切に調整することができ、より一層最適な画像処理を施すことができる。
【0068】
また、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、黒細線検出部33の検出した黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおいて白黒2値化した画素の白と黒の変化点数をカウントする方向として、主走査方向または副走査方向を用いている。
【0069】
したがって、黒細線の密集部において、原稿読み取り方向に対して、副走査方向だけでなく、主走査方向に色ずれが発生しても、色ずれ画素を黒画素として判定することができる。
【0070】
さらに、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、有彩/無彩の判定に用いる黒細線画素を中心とするマトリクスのサイズを、画像の拡大処理、または、縮小処理に応じて変更している。
【0071】
したがって、黒細線の密集部において、画像の拡大処理、縮小処理に適したマトリクスサイズを適用することができ、黒細線の密集部の判定精度を向上させることができる。
【0072】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、像域分離して画像処理する場合に、黒細線を密集部の色ずれを無彩とする画像処理と低彩度部の色文字を有彩とする画像処理を適切に処理して画像品質の良好な画像処理を行うスキャナ装置、複写装置、複合装置等の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 MFP
2 読み取り部
3 画像データ処理部
4 バス制御部
5 HDD
6 CPU
7 メモリ
8 プロッタI/F部
9 プロッタ部
10 操作表示部
11 回線I/F部
12 外部I/F部
13 SB
14 ROM
15 外部メディア用スロット
16 拡張バス
20 像域分離処理部
21 エッジ判定部
22 網点判定部
23 色判定部
24 総合判定部
31 第1有彩/無彩判定部
32 第2有彩/無彩判定部
33 黒細線検出部
34 セレクタ(SEL)
41 NxNマトリクスGデータ抽出部
42 2値化部
43 白黒画素カウント部
44 AND回路
50 第2有彩/無彩判定部
51 N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部
52 2値化部
53 白黒画素カウント部
54 AND回路
60 第2有彩/無彩判定部
61 N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部
62 2値化部
63 白黒画素カウント部
64 膨張L×M部
65 AND回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開平03−064272号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、読み取りカラー画像の黒細線を精度よく再現する画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー複写装置、カラープリンタ装置、カラー複合装置等のカラー画像形成装置においては、従来から画像データに対して像域分離処理を施して、画像の文字領域や有彩/無彩領域を検出し、この検出結果に基づいた適応型の画質向上処理を行う画像処理部を搭載している。例えば、画像処理部は、画像データに像域分離処理を施して、黒文字と判定されると、K版(黒版)のみで再現する色消し処理を行う。また、このような画像処理部は、従来、例えば、原稿画像の黒文字が、スキャナでの読み取り時に発生する色ずれによって色文字で再現されることがあることを考慮して、無彩寄りに有彩/無彩領域を検出することで、黒文字を適切に黒文字として再現する処理を行っている。
【0003】
そして、従来、入力画像の白黒/カラーの判定と、黒文字の判定とを切り替えて入力画像信号に対して施すことで、再現性を向上させた画像処理を行うことを目的とした技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、画像全体の判断条件を切り替えて画像処理を行っているため、例えば、黒細線の密集部(黒文字)の色ずれを無彩とする判定条件と、低彩度部の色文字を有彩とする判定条件を両立させることができず、黒文字と低彩度文字が混在した原稿画像に対して、最適な画像処理を施すことができず、画像品質を向上させる上で、改良の必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、黒細線の密集部の色ずれを無彩とする判定条件と、低彩度部の色文字を有彩とする判定条件と、を両立させて、最適な画像処理を施すことのできる画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、RGBの画像データから文字領域を抽出して、該文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定して、該低彩度の色文字であると判定された該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定するとともに、該低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定して、該RGBの画像データから黒細線の領域を検出して、該低彩度の色文字が該黒細線領域であると、該第2判定条件による判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が非黒細線領域であると、該第1判定条件による判定結果を該色文字に対する判定結果として採用することを特徴としている。
【0007】
また、本発明は、前記第2判定条件が、検出された前記黒細線の画素を中心とするN×NのマトリクスにおけるRGB画像データの各画素のGデータを所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定する条件であることを特徴としてもよい。
【0008】
さらに、本発明は、前記第2判定条件が、検出された前記黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおける各画素のRGB画像データの最小値を所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定する条件であることを特徴としてもよい。
【0009】
また、本発明は、前記第2条件に基づく有彩/無彩の判定として、検出された前記黒細線の画素を中心として、所定の範囲の周囲画素を強制的に無彩であると判定することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、黒細線の密集部の色ずれを無彩とする判定条件と、低彩度部の色文字を有彩とする判定条件と、を両立させて、最適な画像処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を適用したMFPのブロック構成図。
【図2】画像処理部の像域分離処理部のブロック構成図。
【図3】色判定部のブロック構成図。
【図4】色判定部の判定テーブルを示す図。
【図5】第2有彩/無彩判定部のブロック構成図。
【図6】第2有彩/無彩判定部による判定処理の説明図。
【図7】第2有彩/無彩判定部における黒白変化点のカウント方向の説明図。
【図8】第2有彩/無彩判定部の他の例を示すブロック構成図。
【図9】第2有彩/無彩判定部のさらに他の例を示すブロック構成図。
【図10】膨張L×M部による膨張処理の説明図。
【図11】膨張L×M部による膨張処理適用例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0013】
図1〜図11は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体の一実施例を適用したMFP(Multi Functional Products:複合装置)1のブロック構成図である。
【0014】
図1において、画像形成装置としてのMFP1は、読み取り部2、画像処理部3、バス制御部4、HDD(ハードディスク)5、CPU(Central Processing Unit )6、メモリ7、プロッタI/F部8、プロッタ部9、操作表示部10、回線I/F部11、外部I/F部12、SB(サウスブリッジ)13、ROM(Read Only Memory)14及び外部メディア用スロット15等を備えている。
【0015】
読み取り部2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を利用したラインイメージセンサ、アナログ/デジタル(A/D)変換回路及びこれらを駆動する駆動回路等を備えており、コンタクトガラス上にセットされた原稿を、移動型読み取りセンサ部が主走査方向に走査しながら副走査方向に移動して原稿全体を走査して、該原稿の画像を読み取るいわゆるブック型読み取り部と、停止している固定型読み取りセンサ部によって搬送される原稿を主走査して該原稿の画像を読み取るDF型読み取り部と、を備えている。また、読み取り部2は、ADFを備えており、ADFには、複数枚の原稿がセットされて、ADFは、セットされた原稿を1枚ずつ読み取り部2のDF型読み取り部の原稿読み取り位置に送給する。読み取り部2は、DF型読み取り部で読み取る場合、ADFから搬送されてきた原稿を主走査及び副走査して原稿の濃淡情報から画像を所定の解像度で読み取って、RGB各所定ビット(例えば、各8ビット)のカラーの画像データを生成して画像処理部3に出力する。なお、読み取り部2は、CCDを用いたものに限るものではなく、例えば、CIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を用いたものであってもよい。
【0016】
画像処理部(画像処理装置)3は、読み取り部2からのデジタル画像データに対して、予め定められている特性に統一する画像処理を施す。この画像処理部3の統一する特性は、画像データをMFP1内部に蓄積し、再利用する場合に出力先の変更に適した特性であって、その詳細については後述する。
【0017】
バス制御部4は、MFP1内で必要な画像データや制御コマンド等の各種データのやり取りを行うデータバスの制御を司り、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。バス制御部4は、本実施例のMFP1では、画像処理部3及びCPU6とはPCI(Peripheral Component Interconnect)−Expressバス、HDD5とはATAバスで接続し、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)化されている。
【0018】
HDD5は、通常のパーソナルコンピュータ等にも用いられている大容量記憶装置のハードディスクであり、主にデジタルの画像データ及び該画像データの付帯情報(例えば、設定モード等)を蓄積する。また、本実施例のHDD5は、IDE(Integrated Development Environment)を拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクが用いられている。なお、大容量の記憶装置としては、HDD5に限るものではなく、例えば、近年大容量化してきているフラッシュメモリを用いたシリコンディスク等を用いてもよい。
【0019】
CPU6は、MFP1全体の制御を行うマイクロプロセッサであり、本実施例では、近年普及してきているCPUコア単体に+αの機能を追加したIntegrated CPUを使用している。このIntegrated CPUは、汎用規格I/Fとの接続機能やクロスバースイッチを使用したこれらバス接続機能がインテグレイトされたCPUである。
【0020】
メモリ7は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータの記憶やCPU6がMFP1の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPU6には高速処理が求められるため、通常起動時にROM14に記憶されたブートプログラムによってシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ7に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施例のMFP1では、メモリ7として、規格化されパーソナルコンピュータに使用されているDIMMが使用されている。
【0021】
プロッタI/F部8は、CPU6にインテグレイトされた汎用規格I/F経由で送られてくるCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、該画像データをプロッタ部9の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行い、この汎用規格I/Fとしては、PCI−Expressバスが用いられている。
【0022】
プロッタ部9は、CMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、レーザビームを用いた電子写真プロセスによって、記録材に該画像データの画像を記録出力する。プロッタ部9は、その画像形成プロセスが電子写真プロセスに限るものではなく、任意の画像形成プロセスであってよく、例えば、インク噴射プロセスであってもよい。
【0023】
SB14は、パーソナルコンピュータに使用されるチップセットのひとつであり、サウスブリッジ(South Bridge)と呼ばれる汎用の電子デバイスである。SB14は、主にPCI−Expressである汎用規格の拡張バス16とISA(Industrial Standard Architecture)ブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したものであり、ROM14との間をブリッジしている。
【0024】
ROM14は、MFP1の基本プログラム及び後述する本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラム等のプログラム(ブートプログラムを含む。)及び必要なシステムデータが格納されており、CPU6が、該ROM14内のプログラムに基づいて上記メモリ7をワークメモリとして利用しつつ、MFP1の各部を制御して、MFP1の基本動作制御及び後述する画像処理を実行する。
【0025】
操作表示部10は、ユーザへのインターフェイスを行う部分であって、タッチパネル付きディスプレイ、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)及び各種処理モード設定キー、置数キー、スタートキー等のキースイッチ等を備えている。操作表示部10は、PCI−Expressバスである拡張バス16を介してCPU6と接続されており、CPU6の制御下で、MFP1の各種状態や操作方法及び操作ボタンをディスプレイに表示し、また、ユーザからのキースイッチ入力操作やタッチパネルでのボタンのタッチ操作を検知する。操作表示部10では、ユーザは、処理モードとして、例えば、カラー/モノクロモード、アプリケーションモードや画質モードを選択操作することができ、具体的には、カラー/モノクロモードは、フルカラーモード、シングルカラーモード、白黒モード等が、アプリケーションモードは、コピーモード、スキャナモード、FAXモード、スキャナ配信モード等が、画質モードは、文字モード、文字写真モード、写真モード等がある。また、操作表示部10は、原稿を濃くする、薄くする等のノッチ情報等の表示部分を有している。
【0026】
回線I/F部11は、PCI−Expressバスである拡張バス16と電話回線(公衆回線)を接続し、MFP1の電話回線を介した各種データのやり取り、例えば、外部のファクシミリ装置FXとのファクシミリ通信を可能としている。
【0027】
外部I/F部12は、PCI−Expressバスである拡張バス16と外部装置GSを接続し、外部装置GSと各種データのやり取りを行う。外部I/F部12は、例えば、ネットワーク(イーサネット:登録商標)に接続され、該ネットワーク上の外部装置GSと接続される。また、外部I/F部12は、USB(Universal Serial Bus)等の外部メディア用スロット15によって、外部メディアGMに接続されている。外部装置GSは、例えば、パーソナルコンピュータ等であり、ユーザは、パーソナルコンピュータ等の外部装置GSにインストールされているアプリケーションソフトやドライバを利用して、外部I/F部12を介して、MFP1の各種制御や画像データの入出力を行うことができる。外部メディアGMは、いわゆるコンパクトフラッシュ(登録商標)カードやSDカード等のメモリデバイスであり、画像データを含む各種電子データを記録している。外部I/F部12は、外部メディアGMとの間で、画像データの入出力を行う。
【0028】
上記画像処理部3は、図2に示すような像域分離処理部20を備えており、像域分離処理部20は、エッジ判定部21、網点判定部22、色判定部23及び総合判定部24等を備えている。
【0029】
エッジ判定部21、網点判定部22及び色判定部23には、読み取り部2で読み取られた原稿のRGB画像データがそれぞれ入力され、エッジ判定部21は、白画素と黒画素の連続性によりエッジ判定を行う。網点判定部22は、画像中の山/谷ピーク画素の繰り返しパターンにより網点画像を判定し、色判定部23は、入力されるRGB画像データに有彩/無彩の判定処理を行う。
【0030】
総合判定部24は、エッジ判定部21、網点判定部22及び色判定部23の判定結果に基づいて、RGB入力画像データを、黒文字、色文字及びその他の領域に分類する。上記エッジ判定部21、網点判定部22及び色判定部23は、全体として文字領域抽出手段及び彩度判定手段として機能している。
【0031】
そして、色判定部23は、図3に示すようにブロック構成されており、2つの第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32、黒細線検出部33及びセレクタ(SEL)34等を備えている。
【0032】
色判定部23は、入力されたRGB画像データの各画素に対して、第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32により、有彩か無彩かを判定し、セレクタ34が、第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32の何れの判定結果を適用するかを、黒細線検出部33で黒細線が検出されたか否かに基づいて決定する。
【0033】
第1有彩/無彩判定部(第1有彩/無彩判定手段)31は、入力された画像データ(RGB信号)の各画素について、所定の第1判定条件に基づいて、色相分割を行い、有彩画素をパターンマッチングすることにより、有彩/無彩を判定する。第2有彩/無彩判定部32については、後で詳細に説明する。
【0034】
セレクタ(選択手段)34は、図4の判定テーブルに示すように、黒細線検出部33で黒細線が検出されないときには、第1有彩/無彩判定部31の判定結果を該画素に適用する。第1有彩/無彩判定部31は、第1判定条件である有債/無彩の判定条件が、彩度が高い画素を有彩と判定するだけでなく、彩度が低い画素であっても有彩判定しやすい判定条件となっている。そして、セレクタ34は、黒細線検出部33で黒細線が検出されると、第2有彩/無彩判定部32での有彩/無彩の判定結果を該画素に適用する。すなわち、第1有彩/無彩判定部31の判定条件は、彩度が高い画素を有彩と判定するとともに、彩度が低い画素であっても有彩判定しやすい判定条件であるため、第1有彩/無彩判定部31の判定結果を原稿上の黒細線部に適用すると、色ずれが発生した場合に、黒細線を無彩ではなく有彩と判定してしまうことがあり、黒細線部には第2有彩/無彩判定部32の判定結果を適用する。
【0035】
例えば、色判定部23は、第1有彩/無彩判定部31の判定結果が無彩(「0」)、第2有彩/無彩判定部32の判定結果が有彩(「1」)、黒細線検出部33の判定結果が黒細線(「1」)であると、セレクタ34が、第2有彩/無彩判定部32の判定結果である有彩(「1」)を採用して、色判定部23の判定結果とし、第1有彩/無彩判定部31の判定結果が有彩(「1」)、第2有彩/無彩判定部32の判定結果が無彩(「0」)、黒細線検出部33の判定結果が非黒細線(「0」)であると、セレクタ34が、第1有彩/無彩判定部31の判定結果である有彩(「1」)を採用して、色判定部23の判定結果とする。
【0036】
黒細線検出部(黒細線検出手段)33は、注目画素を中心にNxNのマトリクスの画素について、閾値に基づいて、3値化(黒画素、中間画素、白画素)を行い、パターンマッチングによって、黒細線を検出する。
【0037】
そして、上記第2有彩/無彩判定部(第2有彩/無彩判定手段)32は、図5に示すように、NxNマトリクスGデータ抽出部41、2値化部42、白黒画素カウント部43及びAND回路44等を備えており、第2有彩/無彩判定部32に入力される画像データ(RGB信号)は、Gデータについて、黒:0、白:255としたとき、Gデータが大きいほど、彩度が高く、Gデータが小さいほど、彩度が低いことになる。
【0038】
N×NマトリクスGデータ抽出部41は、図6に示すように、入力画像データの画素のGデータを中心画素として、N×Nの画素を抽出し、2値化部42は、N×NマトリクスGデータ抽出部41が抽出した画素を、予め設定されている閾値thAと比較して、閾値thA以上の画素は白画素、閾値thA未満の画素は黒画素として2値化する。なお、図6は、閾値thAが「128」、マトリクスが、7x7とした場合を示している。
【0039】
そして、白黒画素カウント部43は、図6に示す2値化後の画素の白黒画素カウント方向に従って、白黒、または、黒白の変化点の個数をカウントし、白黒変化点カウント数を予め設定されている所定値thBと比較して、白黒変化点カウント数が所定値thB以上であると、該画素を黒細線の密集部候補(無彩画素:0)、白黒変化点カウント数が所定値thBを超えていると、黒細線の非密集部(有彩画素:1)とする。
【0040】
AND回路44は、白黒画素判定部43からの無彩/有彩の画素判定結果と黒細線検出部3からの黒細線検出結果(1:有彩、0:無彩)のANDを取って、判定結果をセレクタ34に出力する。
【0041】
なお、MFP1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラムを読み込んでROM14やHDD5に導入することで、後述する読み取り画像を高品質に再現する画像処理方法を実行するMFP1として構築されている。この画像処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0042】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のMFP1は、読み取り画像を高品質に再現する画像処理を行う。
【0043】
すなわち、MFP1は、読み取り部2を利用した機能として、コピー機能、スキャナデータ転送機能、ファクシミリ送信機能等があり、これらの機能においては、読み取り部2でカラー原稿を主走査及び副走査して該原稿の画像を読み取って、RGBの画像データを画像処理装置3に出力する。
【0044】
画像処理装置3は、図2に示したように、その像域分離処理部20のエッジ変底部21、網点判定部22、色判定部23及び総合判定部24が読み取り部2からのRGBの画像データを、黒文字、色文字及びその他の領域に分類する。
【0045】
そして、色判定部23は、図3に示したように、その第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32により、入力されるRGB画像データの各画素に対して、有彩か無彩かを判定し、そのセレクタ34が、第1有彩/無彩判定部31、第2有彩/無彩判定部32の何れの判定結果を適用するかを、黒細線検出部33で黒細線が検出されたか否かに基づいて決定する。
【0046】
この第1有彩/無彩判定部31は、入力されたRGB画像データの各画素について、色相分割を行い、有彩画素をパターンマッチングするという第1判定条件によって、有彩/無彩を判定する。また、第2有彩/無彩判定部32は、図5に示したように、そのN×NマトリクスGデータ抽出部41が、入力画像データの画素のGデータを中心画素として、図6に示したようなN×Nの画素を抽出し、2値化部42が、N×NマトリクスGデータ抽出部41の抽出した画素を、予め設定されている閾値thAと比較して、閾値thA以上の画素は白画素、閾値thA未満の画素は黒画素として2値化する。そして、第2有彩/無彩判定部32は、その白黒画素カウント部43が、図6に示した2値化後の画素の白黒画素カウント方向に従って、白黒、または、黒白の変化点の個数をカウントし、白黒変化点カウント数を予め設定されている所定値thBと比較して、白黒変化点カウント数が所定値thB以上であると、該画素を黒細線の密集部候補(無彩画素:0)、白黒変化点カウント数が所定値thB未満であると、黒細線の非密集部(有彩画素:1)として、AND回路44に出力する。第2有彩/無彩判定部32は、そのAND回路44が、白黒画素判定部43からの無彩画素と有彩画素判定結果及び黒細線検出部3からの黒細線検出結果(1:有彩、0:無彩)のANDを取って、判定結果を、色判定部23のセレクタ34に出力する。すなわち、第2有彩/無彩判定部32の白黒画素カウント部43は、図7に示すように、N×Nマトリクスにて各画素のRGB信号を白黒2値化後の黒白変化点をカウントする方向として、原稿読み取り方向に対して並行である副走査方向を色ずれの発生しやすい方向として、カウントしている。
【0047】
そして、セレクタ34は、図4に示したように、黒細線検出部33で黒細線が検出されないときには、第1有彩/無彩判定部31の判定結果を該画素に適用し、黒細線検出部33で黒細線が検出されると、第2有彩/無彩判定部32での有彩/無彩の判定結果を該画素に適用する。すなわち、第1有彩/無彩判定部31の判定条件は、彩度が高い画素を有彩と判定するとともに、彩度が低い画素であっても有彩判定しやすい判定条件であるため、第1有彩/無彩判定部31の判定結果を原稿上の黒細線部に適用すると、色ずれが発生した場合に、黒細線を無彩ではなく有彩と判定してしまうことがあり、黒細線部には第2有彩/無彩判定部32の判定結果を適用する。
【0048】
例えば、色判定部23は、第1有彩/無彩判定部31の判定結果が無彩(「0」)、第2有彩/無彩判定部32の判定結果が有彩(「1」)、黒細線検出部33の判定結果が黒細線(「1」)であると、セレクタ34が、第2有彩/無彩判定部32の判定結果である有彩(「1」)を採用して、色判定部23の判定結果とし、第1有彩/無彩判定部31の判定結果が有彩(「1」)、第2有彩/無彩判定部32の判定結果が無彩(「0」)、黒細線検出部33の判定結果が非黒細線(「0」)であると、セレクタ34が、第1有彩/無彩判定部31の判定結果である有彩(「1」)を採用して、色判定部23の判定結果とする。
【0049】
なお、上記説明においては、第2有彩/無彩判定部32における白黒画素カウント部43の白黒画素カウント方向として、原稿読み取り方向に対して平行であり、また、色ずれが発生しやすい副走査方向を想定しているが、白黒画素カウント方向は、副走査方向に限定するものではなく、主走査方向であってもよい。
【0050】
このようにすると、例えば、図6において、白黒変化点カウント数と比較する所定値thBを「40」とした場合(thB=40)、白黒画素の変化点の合計が44個であるため、黒細線の密集部候補(無彩画素)となる。
【0051】
また、第2有彩/無彩判定部32は、図8に示すように、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部51、2値化部52、白黒画素カウント部53及びAND回路54を備えた第2有彩/無彩判定部50としてもよい。この第2有彩/無彩判定部50は、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部51に読み取り部2からのRGB画像データが入力されて、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部51が、第2有彩/無彩判定部50に入力された画像データ(RGB信号)の最小値min(RGB)を抽出し、2値化部52が、閾値thBにより2値化を行う。そして、第2有彩/無彩判定部50は、その白黒画素カウント部53が、2値化後の画素の白黒画素カウント方向に従って、白黒、または、黒白の変化点の個数をカウントして、白黒変化点カウント数を予め設定されている所定値thBと比較して、白黒変化点カウント数が所定値thB以上であると、該画素を黒細線の密集部候補(無彩画素:0)とし、白黒変化点カウント数が所定値thB未満であると、黒細線の非密集部(有彩画素:1)として、AND回路54に出力する。第2有彩/無彩判定部50は、そのAND回路54が、白黒画素判定部43からの無彩画素と有彩画素判定結果及び黒細線検出部3からの黒細線検出結果(1:有彩、0:無彩)のANDを取って、判定結果を、色判定部23のセレクタ34に出力する。
【0052】
さらに、第2有彩/無彩判定部32は、図9に示すように、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部61、2値化部62、白黒画素カウント部63、膨張L×M部64及びAND回路65を備えた第2有彩/無彩判定部60としてもよい。この第2有彩/無彩判定部60は、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部61に読み取り部2からのRGB画像データが入力されて、N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部61は、第2有彩/無彩判定部50に入力された画像データ(RGB信号)の最小値min(RGB)を抽出し、2値化部62が閾値thBにより2値化を行う。そして、第2有彩/無彩判定部50は、その白黒画素カウント部63が、2値化後の画素の白黒画素カウント方向に従って、白黒、または、黒白の変化点の個数をカウントして、白黒変化点カウント数を予め設定されている所定値thBと比較して、白黒変化点カウント数が所定値thB以上であると、該画素を黒細線の密集部候補(無彩画素:0)とし、白黒変化点カウント数が所定値thB未満であると、黒細線の非密集部(有彩画素:1)とする。第2有彩/無再販知恵部60は、さらに、膨張L×M部64が、Lライン×M画素ブロックの無彩判定領域の膨張を行うことにより、色ずれが発生した場合の色ずれ画素を黒画素に置き換えて、AND賀露65に出力する。
【0053】
すなわち、図10に示すように、原稿の画像が、主走査方向M画素について、Lラインにおいて色ずれが発生している場合、膨張L×M部64で、無彩判定領域の膨張処理を施すことにより、黒画素に置き換えることができる。
【0054】
例えば、膨張L×M部64は、図12(a)に示すように、黒ライン>色ラインの場合には、文字の太りが発生するため、膨張量を、3x3に、図12(b)に示すように、黒ライン=色ラインの場合には、文字の太りも細りも発生しないため、膨張量を、5x5に、そして、図12(c)に示すように、黒ライン<色ラインの場合には、文字のホスト装置利が発生するため、膨張量を、7x7として、膨張処理を行うことにより、色ずれ量に応じた黒画素への置き換えを行う。
【0055】
第2有彩/無彩判定部60は、そのAND回路65が、膨張L×M部64からの無彩画素と有彩画素の判定結果及び黒細線検出部3からの黒細線検出結果(1:有彩、0:無彩)のANDを取って、判定結果を、色判定部23のセレクタ34に出力する。
【0056】
また、第2有彩/無彩判定部32、50、60において判定に用いるマトリクスサイズN×Nとして、7×7を用いた場合について説明したが、マトリクスサイズは、7×7に限るものではなく、例えば、画像の変倍率の拡大や縮小に応じて、マトリクスサイズを、10x10や5x5に変更してもよい。
【0057】
このように、本実施例のMFP1は、像域分離処理部20によって、RGBの画像データから文字領域を抽出して、該文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定して、色判定部23の第1有彩/無彩判定部31が、該低彩度の色文字であると判定された該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定するとともに、第2有彩/無彩判定部32が、該低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定し、色判定部23の黒細線検出部33が、該RGBの画像データから黒細線の領域を検出して、セレクタ34が、該低彩度の色文字が該黒細線領域であると、該第2判定条件による第2有彩/無彩判定部32の判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が非黒細線領域であると、該第1判定条件による第1有彩/無彩判定部31の判定結果を該色文字に対する判定結果として採用している。
【0058】
したがって、黒細線の密集部(黒文字)と、低彩度部の色文字とが混在した原稿読み取り画像データ等のRGB画像データに対して、黒細線の密集部の色ずれを無彩とする判定条件と、低彩度部の色文字を有彩とする判定条件と、を両立させて、最適な画像処理を施すことができる。
【0059】
すなわち、原稿を読み取ったRGB画像データ中にある黒細線の密集部(黒文字)において、スキャナ特性の劣化や原稿読み取り時の振動により、色ずれが発生した場合に、通常の色判定レベルでは色文字と判定されてしまう場合であっても、黒細線の密集部を検出すると、色ずれを考慮した色判定レベルを適用することで黒文字と判定することができ、最適な画像処理を施すことができる。
【0060】
また、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、検出された前記黒細線の画素を中心とするN×NのマトリクスにおけるRGB画像データの各画素のGデータを所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定している。
【0061】
したがって、黒細線の密集部で色ずれが発生した場合に、色ずれ画素を黒画素として判定することができ、より一層最適な画像処理を施すことができる。
【0062】
さらに、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、検出された前記黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおける各画素のRGB画像データの最小値を所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定している。
【0063】
したがって、黒細線の密集部で色ずれが発生した場合に、色ずれ画素を黒画素として判定することができ、より一層最適な画像処理を施すことができる。
【0064】
また、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、黒細線検出部33の検出した黒細線の画素を中心として、所定の範囲の周囲画素を強制的に無彩であると判定して膨張させている。
【0065】
したがって、黒細線の密集部で色ずれが発生した場合に、色ずれ画素を強制的に黒画素として判定して黒細線を膨張させることができ、より一層最適な画像処理を施すことができる。
【0066】
さらに、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、黒細線検出部33の検出した黒細線の画素を中心として、該黒細線のライン数と該黒細線に隣接する色細線のライン数に基づいて前記無彩判定する周囲画素数を決定している。
【0067】
したがって、原稿の搬送ムラにより、黒細線の太りや細りが発生した場合に、黒細線の太さに応じて強制的に無彩として黒細線を膨張量させる範囲を適切に調整することができ、より一層最適な画像処理を施すことができる。
【0068】
また、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、黒細線検出部33の検出した黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおいて白黒2値化した画素の白と黒の変化点数をカウントする方向として、主走査方向または副走査方向を用いている。
【0069】
したがって、黒細線の密集部において、原稿読み取り方向に対して、副走査方向だけでなく、主走査方向に色ずれが発生しても、色ずれ画素を黒画素として判定することができる。
【0070】
さらに、本実施例のMFP1は、第2有彩/無彩判定部32が、有彩/無彩の判定に用いる黒細線画素を中心とするマトリクスのサイズを、画像の拡大処理、または、縮小処理に応じて変更している。
【0071】
したがって、黒細線の密集部において、画像の拡大処理、縮小処理に適したマトリクスサイズを適用することができ、黒細線の密集部の判定精度を向上させることができる。
【0072】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、像域分離して画像処理する場合に、黒細線を密集部の色ずれを無彩とする画像処理と低彩度部の色文字を有彩とする画像処理を適切に処理して画像品質の良好な画像処理を行うスキャナ装置、複写装置、複合装置等の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 MFP
2 読み取り部
3 画像データ処理部
4 バス制御部
5 HDD
6 CPU
7 メモリ
8 プロッタI/F部
9 プロッタ部
10 操作表示部
11 回線I/F部
12 外部I/F部
13 SB
14 ROM
15 外部メディア用スロット
16 拡張バス
20 像域分離処理部
21 エッジ判定部
22 網点判定部
23 色判定部
24 総合判定部
31 第1有彩/無彩判定部
32 第2有彩/無彩判定部
33 黒細線検出部
34 セレクタ(SEL)
41 NxNマトリクスGデータ抽出部
42 2値化部
43 白黒画素カウント部
44 AND回路
50 第2有彩/無彩判定部
51 N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部
52 2値化部
53 白黒画素カウント部
54 AND回路
60 第2有彩/無彩判定部
61 N×Nマトリクスmin(RGB)抽出部
62 2値化部
63 白黒画素カウント部
64 膨張L×M部
65 AND回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開平03−064272号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RGBの画像データから文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定する彩度判定手段と、
前記彩度判定手段によって低彩度の色文字であると判定された該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定する第1有彩/無彩判定手段と、
前記低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定する第2有彩/無彩判定手段と、
前記RGBの画像データから黒細線の領域を検出する黒細線検出手段と、
前記低彩度の色文字が前記黒細線検出手段の検出した黒細線領域であると、前記第2有彩/無彩判定手段の判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が該黒細線検出手段の検出した非黒細線領域であると、前記第1有彩/無彩判定手段の判定結果を該色文字に対する判定結果として採用する選択手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心とするN×NのマトリクスにおけるRGB画像データの各画素のGデータを所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおける各画素のRGB画像データの最小値を所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心として、所定の範囲の周囲画素を強制的に無彩であると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心として、該黒細線のライン数と該黒細線に隣接する色細線のライン数に基づいて前記無彩判定する周囲画素数を決定することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおいて白黒2値化した画素の白と黒の変化点数をカウントする方向として、主走査方向または副走査方向を用いることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記有彩/無彩の判定に用いる前記黒細線画素を中心とするマトリクスのサイズを、画像の拡大処理、または、縮小処理に応じて変更することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
原稿読み取り手段の読み取った原稿のRGBの画像データに対して、画像処理手段で画像処理を施した後、画像形成手段で被記録媒体に画像形成出力または外部に出力する画像形成装置において、前記画像処理手段として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
RGBの画像データから文字領域を抽出する文字領域抽出処理ステップと、
前記文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定する彩度判定処理ステップと、
前記彩度判定処理ステップで前記低彩度の色文字であると判定された該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定する第1有彩/無彩判定処理ステップと、
前記低彩度の色文字が前記黒細線検出処理ステップで検出された黒細線領域に対して、前記低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定する第2有彩/無彩判定処理ステップと
前記RGBの画像データから黒細線の領域を検出する黒細線検出処理ステップと、
前記低彩度の色文字が前記黒細線検出処理ステップで検出された黒細線領域であると、前記第2有彩/無彩判定処理ステップでの判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が該黒細線検出処理ステップで検出された非黒細線領域であると、前記第1有彩/無彩判定処理ステップでの判定結果を該色文字に対する判定結果として採用する選択処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
RGBの画像データから文字領域を抽出する文字領域抽出処理と、
前記文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定する彩度判定処理と、
前記彩度判定処理によって前記低彩度の色文字であると判定さえた該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定する第1有彩/無彩判定処理と、
前記低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定する第2有彩/無彩判定処理と
前記RGBの画像データから黒細線の領域を検出する黒細線検出処理と、
前記低彩度の色文字が前記黒細線検出処理で検出された黒細線領域であると、前記第2有彩/無彩判定処理での判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が該黒細線検出処理で検出された非黒細線領域であると、前記第1有彩/無彩判定処理での判定結果を該色文字に対する判定結果として採用する選択処理と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項11】
請求項10記載の画像処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
RGBの画像データから文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定する彩度判定手段と、
前記彩度判定手段によって低彩度の色文字であると判定された該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定する第1有彩/無彩判定手段と、
前記低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定する第2有彩/無彩判定手段と、
前記RGBの画像データから黒細線の領域を検出する黒細線検出手段と、
前記低彩度の色文字が前記黒細線検出手段の検出した黒細線領域であると、前記第2有彩/無彩判定手段の判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が該黒細線検出手段の検出した非黒細線領域であると、前記第1有彩/無彩判定手段の判定結果を該色文字に対する判定結果として採用する選択手段と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心とするN×NのマトリクスにおけるRGB画像データの各画素のGデータを所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおける各画素のRGB画像データの最小値を所定の閾値により白黒2値化して、該マトリクスの所定の一方向における白と黒の変化点数をカウントし、該変化点数が所定基準数以上であると、前記色文字が無彩であると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心として、所定の範囲の周囲画素を強制的に無彩であると判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心として、該黒細線のライン数と該黒細線に隣接する色細線のライン数に基づいて前記無彩判定する周囲画素数を決定することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記黒細線検出手段が検出した黒細線の画素を中心とするN×Nのマトリクスにおいて白黒2値化した画素の白と黒の変化点数をカウントする方向として、主走査方向または副走査方向を用いることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2有彩/無彩判定手段は、
前記有彩/無彩の判定に用いる前記黒細線画素を中心とするマトリクスのサイズを、画像の拡大処理、または、縮小処理に応じて変更することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
原稿読み取り手段の読み取った原稿のRGBの画像データに対して、画像処理手段で画像処理を施した後、画像形成手段で被記録媒体に画像形成出力または外部に出力する画像形成装置において、前記画像処理手段として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
RGBの画像データから文字領域を抽出する文字領域抽出処理ステップと、
前記文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定する彩度判定処理ステップと、
前記彩度判定処理ステップで前記低彩度の色文字であると判定された該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定する第1有彩/無彩判定処理ステップと、
前記低彩度の色文字が前記黒細線検出処理ステップで検出された黒細線領域に対して、前記低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定する第2有彩/無彩判定処理ステップと
前記RGBの画像データから黒細線の領域を検出する黒細線検出処理ステップと、
前記低彩度の色文字が前記黒細線検出処理ステップで検出された黒細線領域であると、前記第2有彩/無彩判定処理ステップでの判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が該黒細線検出処理ステップで検出された非黒細線領域であると、前記第1有彩/無彩判定処理ステップでの判定結果を該色文字に対する判定結果として採用する選択処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
RGBの画像データから文字領域を抽出する文字領域抽出処理と、
前記文字領域の文字が低彩度の色文字であるか否か判定する彩度判定処理と、
前記彩度判定処理によって前記低彩度の色文字であると判定さえた該色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第1判定条件に基づいて判定する第1有彩/無彩判定処理と、
前記低彩度の色文字が有彩であるか無彩であるかを所定の第2判定条件に基づいて判定する第2有彩/無彩判定処理と
前記RGBの画像データから黒細線の領域を検出する黒細線検出処理と、
前記低彩度の色文字が前記黒細線検出処理で検出された黒細線領域であると、前記第2有彩/無彩判定処理での判定結果を該色文字に対する判定結果として採用し、該色文字が該黒細線検出処理で検出された非黒細線領域であると、前記第1有彩/無彩判定処理での判定結果を該色文字に対する判定結果として採用する選択処理と、
を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項11】
請求項10記載の画像処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−138861(P2012−138861A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291357(P2010−291357)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]