画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法
【課題】画像を表示する表示装置や画像に依存することなく、いわゆる焼き付き現象を軽減できる画像処理装置等を提供する。
【解決手段】表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理装置は、当該フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して、画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御回路と、第1の焼き付け防止制御回路とは異なる制御で画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御回路とを含み、第1の焼き付け防止制御回路及び第2の焼き付け防止制御回路は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御する。
【解決手段】表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理装置は、当該フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して、画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御回路と、第1の焼き付け防止制御回路とは異なる制御で画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御回路とを含み、第1の焼き付け防止制御回路及び第2の焼き付け防止制御回路は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として液晶素子を用いたLCD(Liquid Crystal Display:LCD)パネルや、表示素子として有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:以下、OLEDと略す)(広義には、発光素子)を用いた表示パネル(表示装置)が普及している。特に、OLEDは、高い応答速度を有し、コントラスト比を向上させることができる。そのため、OLEDをマトリックス状に配置させた表示パネルによれば、視野角が広く、高画質の画像を表示できる。
【0003】
ところが、OLEDを用いた表示パネルにおいても、長時間にわたって静止画を表示させたときのように同一の発光素子が同一輝度で点灯される時間が長くなると、劣化によって輝度が低下して、いわゆる焼き付き現象が発生し、画質の劣化を招くという問題がある。
【0004】
このようなOLEDを用いた焼き付き現象を防止する技術については、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1には、画像信号として印加する電流値又は定電流の印加時間により画像の階調を制御し、且つ、所定時間間隔で表示位置を所定距離だけ移動させるようにした有機発光ディスプレイ装置が開示されている。また、特許文献2には、ディスプレイのリフレッシュレートを切り替える際の視覚的兆候を減少させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−304318号公報
【特許文献2】特開2008−197626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、入力画像の種類にかかわらず、上記のような制御を行っている。そのため、表示パネルや表示画像によっては、焼き付き防止現象を十分に軽減できない場合がある。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、画像を表示する表示装置や画像に依存することなく、いわゆる焼き付き現象を軽減できる画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法等を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様は、表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理装置が、当該フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御回路と、前記第1の焼き付け防止制御回路とは異なる制御で前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御回路とを含み、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御する。
【0009】
本態様によれば、複数の焼き付け防止制御を同一フレームの画像データ又は該画像データに対応する表示タイミング制御信号に対して行うようにしたので、表示装置や表示画像に依存した焼き付け現象による影響を軽減し、表示装置や表示画像に依存することなく焼き付け現象を最小限に抑えることができるようになる。
【0010】
(2)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記第1の焼き付け防止制御回路による第1の制御開始タイミングと前記第2の焼き付け防止制御回路による第2の制御開始タイミングとのインターバル時間に対応した制御データが設定されるインターバルレジスターを含み、前記第1の焼き付け防止制御回路により前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御が開始され、前記インターバルレジスターに設定されたインターバル時間が経過した後、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御する。
【0011】
本態様によれば、インターバル時間を経過した後に焼き付け防止制御の種類を増加させるようにしたので、いわゆる焼き付け現象による影響をより一層軽減できるようになる。
【0012】
(3)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する静止画連続検出部を含み、前記静止画連続検出部によって静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御を開始する。
【0013】
本態様によれば、上記の効果に加えて、静止画であるフレームが連続しているか否かを検出し、静止画であるフレームが連続していることが検出されたときに、画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御するようにしたので、画質の劣化を招くことなく、低消費電力で、且つ、効率的に、いわゆる焼き付き現象を軽減できるようになる。
【0014】
(4)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記静止画連続検出部は、当該フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値との比較結果に基づいて、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。
【0015】
本態様によれば、上記の効果に加えて、簡素な構成により、静止画であるフレームが連続しているか否かを検出できるようになる。
【0016】
(5)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、1画面を分割した複数のブロックを構成する各ブロック内で、前記当該フレームと前記直前のフレームとの間で一致するブロック数が指定される検出条件指定レジスターを含み、前記静止画連続検出部は、ブロック単位で、当該フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値とを比較し、前記検出条件指定レジスターにより指定されたブロック数を基準に、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。
【0017】
本態様によれば、上記の効果に加えて、焼き付け防止制御によって発生する可能性のあるフリッカー等の画質劣化を抑えるように調整することができ、更に、静止画として検出される精度をブロック数により調整でき、簡素に検出精度を調整できるようになる。
【0018】
(6)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記ブロック内で一致又は不一致の画素数が指定される閾値設定レジスターを含み、前記静止画連続検出部は、前記ブロック内で一致する画素数が前記閾値設定レジスターに設定された画素数以上のとき、又は前記ブロック内で不一致の画素数が前記閾値設定レジスターに設定された画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定する。
【0019】
本態様によれば、上記の効果に加えて、厳密な静止画の連続性の検出を行うことなく、許容範囲のノイズが有する静止画連続したときでも、動画と判定されてしまう事態を回避できるようになる。
【0020】
(7)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、第1のインターバル時間経過後に元の表示画像に対して1ドットシフトさせる第1のモード、第2のインターバル時間経過毎にインターレース走査とプログレッシブ走査とを切り替える第2のモード、1ドット毎にフレームレートを低下させる第3のモード、又は所与のフレーム毎に画像表示を間引く第4のモードのうち少なくとも1つのモードにより、所与の時間を置いて前記画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を出力する。
【0021】
本態様によれば、上記の効果に加えて、より一層、表示画像や表示パネルに依存した焼き付け防止現象を軽減できるようになる。
【0022】
(8)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記第1のモードは、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の垂直走査方向に1走査ラインだけシフトする第1のシフト、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の水平走査方向に1画素だけシフトする第2のシフト、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の前記第1の垂直走査方向と反対方向に1走査ラインだけシフトする第3のシフト、及び元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の水平走査方向と反対方向に1ドットだけシフトする第4のシフトを、所与の時間経過毎に順次繰り返し行う。
【0023】
本態様によれば、表示画像や表示パネルに依存した焼き付け防止現象をより一層軽減できるようになる。
【0024】
(9)本発明の他の態様では、表示システムが、複数のロウ信号線と、前記複数のロウ信号線と交差して設けられる複数のカラム信号線と、前記複数のロウ信号線のいずれかと前記複数のカラム信号線のいずれかとにより特定され駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子とを有する表示パネルと、前記複数のロウ信号線を駆動するロウドライバーと、前記複数のカラム信号線を駆動するカラムドライバーと、前記ロウドライバー及び前記カラムドライバーに前記表示制御信号を出力すると共に、前記カラムドライバーに前記画像データを出力する上記のいずれか記載の画像処理装置とを含む。
【0025】
本態様によれば、画像を表示する表示装置や画像に依存することなく、いわゆる焼き付き現象を軽減できる表示装置を提供できるようになる。
【0026】
(10)本発明の他の態様では、電子機器が、上記のいずれか記載の画像処理装置を含む。
【0027】
本態様によれば、画像を表示する表示装置や画像に依存することなく、いわゆる焼き付き現象を軽減できる画像処理装置が適用された電子機器を提供できるようになる。
【0028】
(11)本発明の他の態様では、表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理方法が、当該フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御ステップと、前記第1の焼き付け防止制御ステップとは異なる制御で前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御ステップとを含み、前記第1の焼き付け防止制御ステップ及び前記第2の焼き付け防止制御ステップは、同一フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御する。
【0029】
本態様によれば、複数の焼き付け防止制御を同一フレームの画像データ又は該画像データに対応する表示タイミング制御信号に対して行うようにしたので、表示装置や表示画像に依存した焼き付け現象による影響を軽減し、表示装置や表示画像に依存することなく焼き付け現象を最小限に抑えることができるようになる。
【0030】
(12)本発明の他の態様に係る画像処理方法では、前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける第1の制御開始タイミングと前記第2の焼き付け防止制御ステップにおける第2の制御開始タイミングとのインターバルを設定するインターバル設定ステップを含み、前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御が開始され、前記インターバル設定ステップにおいて設定されたインターバルが経過した後、前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける及び前記第2の焼き付け防止制御ステップにおけるは、同一フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御する。
【0031】
本態様によれば、インターバル時間を経過した後に焼き付け防止制御の種類を増加させるようにしたので、いわゆる焼き付け現象による影響をより一層軽減できるようになる。
【0032】
(13)本発明の他の態様に係る画像処理方法では、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する静止画連続検出ステップを含み、前記静止画連続検出ステップにおいて静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、前記第1の焼き付け防止制御ステップ及び前記第2の焼き付け防止制御ステップは前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御を開始する。
【0033】
本態様によれば、上記の効果に加えて、静止画であるフレームが連続しているか否かを検出し、静止画であるフレームが連続していることが検出されたときに、画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御するようにしたので、画質の劣化を招くことなく、低消費電力で、且つ、効率的に、いわゆる焼き付き現象を軽減できるようになる。
【0034】
(14)本発明の他の態様に係る画像処理方法では、前記検出条件指定ステップは、前記ブロック内で一致又は不一致の画素数を指定し、前記静止画連続検出ステップは、前記ブロック内で一致する画素数が前記検出条件指定ステップにおいて指定されたブロック内で一致する画素数以上のとき、又は前記ブロック内で不一致の画素数が前記検出条件指定ステップにおいて指定されたブロック内で不一致の画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定する。
【0035】
本態様によれば、上記の効果に加えて、厳密な静止画の連続性の検出を行うことなく、許容範囲のノイズが有する静止画連続したときでも、動画と判定されてしまう事態を回避できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態における表示システムの構成例のブロック図。
【図2】本実施形態における画素回路の構成例の回路図。
【図3】本実施形態におけるOLEDの説明図。
【図4】図1のタイミングコントローラーの構成の概要を示すブロック図。
【図5】図4のタイミングコントローラーの動作説明図。
【図6】図6(A)、図6(B)は本実施形態における第1のモードの焼き付け防止制御及び第2のモードの焼き付け防止制御の説明図。
【図7】図7(A)、図7(B)は本実施形態における第3のモードの焼き付け防止制御及び第4のモードの焼き付け防止制御の説明図。
【図8】本実施形態におけるタイミングコントローラーの構成例のブロック図。
【図9】図8の静止画連続検出回路の構成例のブロック図。
【図10】図9の第1のカウンター及び第2のカウンターの動作例のタイミング図。
【図11】図11(A)、図11(B)は図9の画像比較回路の動作説明図。
【図12】図9の比較結果管理部の動作説明図。
【図13】図8のインターバルタイマー及びモード制御回路の構成例を示す図。
【図14】図13のインターバルタイマーの詳細な構成例を示す図。
【図15】図13のインターバルタイマー及びモード制御回路の動作例のタイミング図。
【図16】図13のモードデコーダーの動作説明図。
【図17】図8の表示制御回路の画像データ制御回路及び表示タイミング制御回路の構成例のブロック図。
【図18】図18(A)、図18(B)は第1のモードにおける上シフトの制御例のタイミング図。
【図19】図19(A)、図19(B)は第1のモードにおける右シフトの制御例のタイミング図。
【図20】図20(A)、図20(B)は第1のモードにおける下シフトの制御例のタイミング図。
【図21】図21(A)、図21(B)は第1のモードにおける左下シフトの制御例のタイミング図。
【図22】図22(A)、図22(B)は第2のモードにおける制御例のタイミング図。
【図23】図23(A)、図23(B)、図23(C)、図23(D)は第3のモードにおける制御例のタイミング図。
【図24】図24(A)、図24(B)は第4のモードにおける制御例のタイミング図。
【図25】図25(A)、図25(B)は本実施形態における表示システムが適用された電子機器の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の課題を解決するために必須の構成要件であるとは限らない。
【0038】
図1に、本発明に係る実施形態における表示システムの構成例のブロック図を示す。この表示システムは、表示素子としての発光素子であるOLEDを用いた表示パネル(発光パネル)を有し、各OLEDは、タイミングコントローラーにより生成された表示タイミング制御信号に基づいて、ロウドライバー及びカラムドライバーにより駆動される。
【0039】
より具体的には、表示システム10は、表示パネル20と、ロウドライバー30と、カラムドライバー40と、タイミングコントローラー50(広義には、画像処理回路又は画像処理装置)と、ホスト60と、電源回路70とを含む。表示パネル20には、Y方向に延びる複数のデータ信号線d1〜dN(Nは2以上の整数)及び複数のカラム信号線c1〜cNがX方向に配設されると共に、各カラム信号線及び各データ信号線と交差するようにX方向に延びる複数のロウ信号線r1〜rM(Mは2以上の整数)がY方向に配設される。各カラム信号線(より具体的には、各カラム信号線及び各データ信号線)と各ロウ信号線との交差位置には画素回路が形成され、表示パネル20には、複数の画素回路がマトリックス状に配置される。
【0040】
なお、図1では、X方向の隣接するR成分の画素回路PR、G成分の画素回路PG及びB成分の画素回路PBにより1ドットが構成される。R成分の画素回路PRは、赤色の表示色を発光するOLEDを有し、G成分の画素回路PGは、緑色の表示色を発光するOLEDを有し、B成分の画素回路PBは、青色の表示色を発光するOLDEを有する。
【0041】
ロウドライバー30は、表示パネル20のロウ信号線r1〜rMに接続されている。ロウドライバー30は、例えば1垂直走査期間内に、表示パネル20のロウ信号線r1〜rMを順次選択し、各ロウ信号線の選択期間に選択パルスを出力する。
【0042】
カラムドライバー40は、表示パネル20のデータ信号線d1〜dN、カラム信号線c1〜CNに接続されている。カラムドライバー40は、カラム線c1〜CNに所与の電源電圧を印加すると共に、例えば1水平走査期間毎に、1ライン分の画像データに対応した階調電圧をそれぞれ各データ信号線に印加する。これにより、第j(1≦j≦M、jは整数)行が選択される水平走査期間に、第j行の第k(1≦k≦N、kは整数)列目の画素回路に、画像データに対応した階調電圧が印加されることになる。
【0043】
図2に、本実施形態における画素回路PRの構成例の回路図を示す。図2では、画素回路PRの電気的な等価回路の構成例を示すが、画素回路PRと共に1画素を構成する画素回路PG及び画素回路PBも図2と同様の構成を有する。また、図1の表示パネル20の他の画素を構成する画素回路も、図2と同様の構成を有する。
【0044】
図2の画素回路PRは、ロウ信号線rjとカラム信号線ckとの交差位置に形成される。画素回路PRは、駆動トランジスターTRjkと、スイッチトランジスターSWjkと、キャパシターCjkと、赤色の表示色を発光する発光素子LRjkとを含む。スイッチトランジスターSWjkのゲートにはロウ信号線rjが接続され、スイッチトランジスターSWjkのソースにはデータ信号線dkに接続され、スイッチトランジスターSWjkのドレインには駆動トランジスターTRjkのゲートが接続される。駆動トランジスターTRjkのソースは、発光素子LRjkのアノードに接続され、駆動トランジスターTRjkのドレインは、カラム信号線ckに接続される。発光素子LRjkのカソードは、接地される。また、駆動トランジスターTRjkのゲートにはキャパシターCjkの一端が接続され、駆動トランジスターTRjkのドレインにはキャパシターCjkの他端が接続される。
【0045】
このような構成において、ロウ信号線rjに選択パルスが印加されると、スイッチトランジスターSWjkが導通状態となり、データ線dkに印加された画像データに対応した電圧が駆動トランジスターTRjkのゲートに印加される。このとき、カラム信号線ckに所与の電源電圧が印加されていると、駆動トランジスターTRjkが導通状態となって、発光素子LRjkに駆動電流が流れる。このとき、発光素子LRjkからは赤色の表示色を発光される。
【0046】
図3に、図2の発光素子LRjkの原理的な構成例を模式的に示す。
【0047】
発光素子LRjkは、ガラス基板GLjk上に、陽極PEjkとなる透明電極(例えばITO(Indium Thin Oxide))が形成される。陽極PEjkの上方には、陰極NEjkが形成される。そして、陽極PEjkと陰極NEjkとの間に、発光層等を含む有機層が形成される。有機層は、陽極PEjkの上面に形成された正孔輸送層PHjkと、正孔輸送層PHjkの上面に形成された発光層EMjkと、発光層EMjkと陰極NEjkとの間に形成された電子輸送層EHjkとを有する。
【0048】
例えば、ロウ信号線rjに選択パルスを印加し、データ信号線dkの印加電圧に応じて駆動トランジスターTRjkにドレイン電流を発生させると、図3の陽極PEjkと陰極NEjkとの間の電位差が与えられる。陽極PEjkと陰極NEjkとの間の電位差を与えると、陽極PEjkからの正孔と陰極NEjkからの電子とが発光層EMjk内で再結合する。このとき発生したエネルギーにより発光層EMjkの分子が励起状態となり、基底状態に戻るときに放出されるエネルギーが光となる。この光は、透明電極で形成された陽極PEjkとガラス基板GLjkとを通る。
【0049】
図1において、タイミングコントローラー50は、ロウドライバー30及びカラムドライバー40に対し、表示タイミング制御信号を供給すると共に、カラムドライバー40に対して、表示画像に対応した画像データを供給する。本実施形態では、タイミングコントローラー50が、単独で1フレーム分の画像に対して制御可能な焼き付け防止制御を複数種類組み合わせて、同一フレームの画像に対して制御を行うことで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を出力することができる。このため、表示パネル20や表示画像に依存した焼き付け現象の影響を軽減し、表示パネル20や表示画像に依存することなく焼き付け現象を最小限に抑えることができるようになる。
【0050】
更に、タイミングコントローラー50にはバッファーメモリー80が接続され、ホスト60からの画像データをバッファーメモリー80に1フレーム分の画像データを一時的に保存して静止画が連続するか否かを検出し、静止画が連続されていることを条件に複数種類の焼き付け防止制御を開始する。なお、バッファーメモリー80を設けることなく、バッファーメモリー80と同様の機能を有するメモリーがタイミングコントローラー50に内蔵されていてもよい。
【0051】
このようなタイミングコントローラー50により、ロウドライバー30及びカラムドライバー40は、1垂直走査期間内に順次選択したロウ信号線に接続された画素を構成する発光素子に、画像データに対応する駆動電流を供給することができるようになる。また、表示パネル20の各画素が所定の時間、同一輝度で連続して点灯し続けないように、カラムドライバー40に供給する画像データ、又はロウドライバー30及びカラムドライバー40に供給する表示タイミング制御信号が制御される。
【0052】
ホスト60は、表示画像に対応した画像データを生成すると共に、タイミングコントローラー50内の各種制御レジスターに制御データを設定して、ロウドライバー30及びカラムドライバー40による表示パネル20の表示制御を行う。
【0053】
電源回路70は、複数種類の電源電圧を生成し、表示パネル20、ロウドライバー30、カラムドライバー40、及びタイミングコントローラー50の各部に電源電圧を供給する。
【0054】
図4に、図1のタイミングコントローラー50の構成の概要を示すブロック図を示す。なお、図4では、タイミングコントローラー50が4種類の焼き付け防止制御回路を含む構成を有しているが、少なくとも2種類の焼き付け防止制御回路を含んでいればよい。
図5に、図4のタイミングコントローラー50の動作説明図を示す。図5は、横軸に時間軸をとり、タイミングコントローラー50が含む4種類の焼き付け防止制御回路のそれぞれの制御期間を表す。
【0055】
タイミングコントローラー50は、静止画連続検出回路(静止画連続検出部)110と、インターバルレジスター140と、表示制御回路(表示制御部)160とを含む。静止画連続検出回路110は、ホスト60から供給される画像データに基づいて、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する。表示制御回路160は、当該フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号に対して複数種類の焼き付け防止制御を行って、各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示する制御を行う。そして、表示制御回路160は、静止画連続検出回路110によって静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、上記の制御を行う。インターバルレジスター140には、画像データ又は表示タイミング制御信号の焼き付け防止制御間の制御開始タイミングのインターバル時間が指定され、表示制御回路160は、インターバルレジスター140に設定されたインターバル時間に対応した制御データに基づいて、各焼き付け防止制御の制御開始タイミングを決定する。例えば、インターバル時間として、図5に示すように、1垂直走査期間の整数倍とすることができる。
【0056】
このような表示制御回路160は、第1の焼き付け防止制御回路(第1の焼き付け防止制御部)162と、第2の焼き付け防止制御回路(第2の焼き付け防止制御部)164と、第3の焼き付け防止制御回路(第3の焼き付け防止制御部)166と、第4の焼き付け防止制御回路(第4の焼き付け防止制御部)168とを含み、それぞれが異なる焼き付け防止制御を行う。例えば第2の焼き付け防止制御回路164は、第1の焼き付け防止制御回路162と異なる制御で、画像データ又は表示タイミング制御信号を制御して、各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように焼き付け防止制御を行う。そして、少なくとも第1の焼き付け防止制御回路162及び第2の焼き付け防止制御回路164は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御する。この場合、インターバルレジスター140には、第1の焼き付け防止制御回路162による第1の制御開始タイミングTG1(図5参照)と第2の焼き付け防止制御回路164による第2の制御開始タイミングTG2(図5参照)とのインターバル時間TM1に対応した制御データが設定され、第1の焼き付け防止制御回路162により画像データ又は表示タイミング制御信号の制御が開始され、インターバルレジスター140に設定されたインターバル時間TM1(図5参照)が経過した後、第1の焼き付け防止制御回路162及び第2の焼き付け防止制御回路164は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御す。
【0057】
なお、図5は、第2の焼き付け防止制御回路162、第3の焼き付け防止制御回路164及び第4の焼き付け防止制御回路166は、それぞれ同じインターバル時間経過後に順次制御が開始される様子を表している。即ち、本実施形態では、これらの複数の焼き付け防止制御のいずれか、又は組み合わせて同時に実行できるようになっている。こうすることで、1種類の焼き付け防止制御を行う場合に比べて、表示パネル20や表示画像に依存することなく焼き付け現象を最小限に抑えることができるようになる。
【0058】
ここで、第1の焼き付け防止制御回路162は、第1のモードの焼き付け防止制御を行い、第2の画像用焼き付け防止制御回路164は、第2のモードの焼き付け防止制御を行い、第3の画像用焼き付け防止制御回路166は、第3のモードの焼き付け防止制御を行い、第4の画像用焼き付け防止制御回路168は、第4のモードの焼き付け防止制御を行う。
【0059】
図6(A)、図6(B)に、本実施形態における第1のモードの焼き付け防止制御及び第2のモードの焼き付け防止制御の説明図を示す。図6(A)は、第1のモードの焼き付け防止制御における表示パネル20の画面の表示画像の変化を模式的に表したものである。図6(B)は、第2のモードの焼き付け防止制御における表示パネル20の画面の走査方法の変化を模式的に表したものである。
図7(A)、図7(B)に、本実施形態における第3のモードの焼き付け防止制御及び第4のモードの焼き付け防止制御の説明図を示す。図7(A)は、第3のモードの焼き付け防止制御における表示パネル20の画面の表示画像の変化を模式的に表す。図7(B)は、第4のモードの焼き付け防止制御における表示パネル20の画面のフレームレートの変化を模式的に表す。
【0060】
図6(A)に示すように、第1のモードは、第1のインターバル時間経過後に元の表示画像に対して1ドットシフトさせることで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードである。より具体的には、図6(A)に示すように、第1のモードは、元の表示画像に対して表示パネル20の画面の第1の垂直走査方向に1走査ラインだけシフトする上シフト(第1のシフト)、元の表示画像に対して表示パネル20の画面の第1の水平走査方向に1ドットだけシフトする右シフト(第2のシフト)、元の表示画像に対して表示パネル20の画面の第1の水平走査方向と反対方向に1走査ラインだけシフトする下シフト(第3のシフト)、及び元の表示画像に対して表示パネル20の画面の第1の水平走査方向と反対方向に1ドットだけシフトする左シフト(第4のシフト)を、所与の時間経過毎に順次繰り返し行うことで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードであることが望ましい。第1の焼き付け防止制御回路162は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、図6(A)に示すように、所与の時間を置いて、画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0061】
これに対して、第2のモードは、図6(B)に示すように、第2のインターバル時間経過毎にインターレース走査とプログレッシブ走査とを切り替えることで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードである。第2の焼き付け防止制御回路164は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、図6(B)に示すように、所与の時間を置いて、画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0062】
また、第3のモードは、図7(A)に示すように、1ドットを構成する1画素毎に又は1ドット毎にフレームレートを低下させることで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードである。第3の焼き付け防止制御回路166は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、図7(A)に示すように、所与の時間を置いて、画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0063】
第4のモードは、図7(B)に示すように、所与のフレーム毎に画像表示を間引くことで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードである。第4の焼き付け防止制御回路168は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、図7(B)に示すように、所与の時間を置いて、画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0064】
続いて、本実施形態におけるタイミングコントローラー50の具体的な構成例について説明する。
【0065】
図8に、本実施形態におけるタイミングコントローラー50の構成例のブロック図を示す。図8において、図1又は図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0066】
タイミングコントローラー50は、バッファーコントローラー100、PLL(Phase-Locked Loop)回路102、ライトFIFO(Fist-In First-Out)104、リードFIFO106、静止画連続検出回路110、閾値設定レジスター120、比較値設定レジスター122、インターバルレジスター140、表示制御回路160を含む。表示制御回路160は、インターバルタイマー130、モード制御回路150、画像データ制御回路170、表示タイミング制御回路180を含む。
【0067】
タイミングコントローラー50には、ホスト60又は図示しないクロック信号生成回路から、データイネーブル信号DE、画像データD及びドットクロックDCLKが入力され、ロウドライバー30及びカラムドライバー40に対して、画像処理後の表示用の画像データDD、ドットクロックDCLK及び画像データDDに同期した表示タイミング制御信号を供給する。本実施形態では、表示タイミング制御信号として、例えば1水平走査期間を指定する水平同期信号HSYNC、1垂直走査期間を指定する垂直同期信号VSYNC、水平走査方向のスタートパルスSTH、垂直走査方向のスタートパルスSTV、ドットクロックDCLK等がある。
【0068】
バッファーコントローラー100は、データイネーブル信号DEやPLL回路102にからの同期クロックに同期してバッファーメモリー80に対してアクセス制御信号を出力し、バッファーメモリー80へのアクセス制御を行う。PLL回路102は、ドットクロックDCLKに基づいて、バッファーコントローラー100、ライトFIFO104及びリードFIFO106を同期させる同期クロックを生成し、これらに供給する。ライトFIFO104は、ホスト60からの画像データをバッファーメモリー80に格納するためのライトバッファーとして機能し、バッファーコントローラー100からの制御により、ホスト60からの画像データをバッファリングすると共に、バッファリングした画像データをバッファーメモリー80に出力する。リードFIFO106は、バッファーメモリー80から読み出した画像データのリードバッファーとして機能し、バッファーコントローラー100からの制御によりバッファーメモリー80から読み出した画像データをバッファリングすると共に、バッファリングした画像データを静止画連続検出回路110に出力する。
【0069】
静止画連続検出回路110は、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する。そのため、静止画連続検出回路110は、ライトFIFO104に入力されるホスト60からの画像データDを現フレームの画像データCDとし、リードFIFO106から出力される画像データを直前のフレームの画像データPDとして、現フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値との比較結果に基づいて、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。
【0070】
比較値設定レジスター122は、静止画連続検出回路110の検出条件指定レジスターとして機能し、このレジスターの設定値を検出条件として、静止画連続検出回路110は、静止画が連続しているか否かを検出する。このレジスターには、1画面内で、現フレームと、該現フレームの直前のフレームとの間で一致する領域又は不一致の領域が指定される。ここで、一致する領域又は不一致の領域とは、現フレームと直前のフレームとの間で一致する領域の面積又は該面積に対応した情報を意味する。そして、静止画連続検出回路110は、このレジスターに設定される領域における各画素の比較結果に基づいて、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。これにより、静止画として検出される精度を調整できるようになる。
【0071】
検出条件指定レジスターとしての比較値設定レジスター122には、1画面を分割した複数のブロックを構成する各ブロック内で現フレームと該現フレームの直前のフレームとの間で一致するブロック数が指定される。そして、静止画連続検出回路110は、ブロック単位で、現フレーム(当該フレーム)の画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値とを比較し、比較値設定レジスター122により指定されたブロック数を基準に、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。例えば、不一致と判定されたブロック数が比較値設定レジスター122により指定されたブロック数に達したら、静止画ではなく動画であると判定される。これにより、焼き付け防止制御によって発生する可能性のあるフリッカー等の画質劣化を抑えるように調整することができる。更に、静止画として検出される精度をブロック数により調整でき、より簡素に検出精度を調整できるようになる。
【0072】
更に、本実施形態では、閾値設定レジスター120を用いて、ブロック単位の一致判定又は不一致判定の精度を制御できるようになっている。例えば、閾値設定レジスター120には、ブロック内で不一致の画素数が指定され、ブロック内の不一致の画素数が閾値設定レジスター120に設定された画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定することができる。或いは、閾値設定レジスター120には、ブロック内で一致する画素数が指定され、ブロック内の一致する画素数が閾値設定レジスター120に設定された画素数以上のとき、当該ブロックが一致すると判定することができる。こうすることで、厳密な静止画の連続性の検出を行うことなく、許容範囲のノイズが有する静止画連続したときでも、動画と判定されてしまう事態を回避できるようになる。
【0073】
静止画連続検出回路110による検出結果に対応した検出結果信号matchは、インターバルタイマー130に入力される。インターバルタイマー130には、インターバルレジスター140が接続される。インターバルレジスター140には、複数の焼き付け防止制御の各焼き付け防止制御の実行開始タイミングのインターバル時間に対応した制御データが設定される。インターバルタイマー130は、検出結果信号matchにより静止画であるフレームが連続していることが検出されたこと条件に計時を開始し、インターバルレジスター140に設定されたインターバル時間が経過する毎に、複数のイネーブル信号のうち焼き付け防止制御に対応したイネーブル信号enをアクティブに変化させる。
【0074】
インターバルタイマー130からのイネーブル信号enは、モード制御回路150に入力される。モード制御回路150には、モード設定信号modeも入力されており、イネーブル信号enとモード設定信号modeとに基づいて、モードイネーブル信号menを出力する。モード設定信号modeは、複数の焼き付け防止制御のいずれを実施するかを指定する信号であり、例えばホスト60がタイミングコントローラー50の図示しない制御レジスターに設定することにより指定される。
【0075】
モード制御回路150からのモードイネーブル信号menは、画像データ制御回路170及び表示タイミング制御回路180に入力される。画像データ制御回路170は、ライトFIFO104に入力される画像データをモードイネーブル信号menに応じて制御することで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように静止画に対応した画像データを制御する。表示タイミング制御回路180は、タイミングコントローラー50に入力されたり内部で生成されたりした表示タイミング制御信号をモードイネーブル信号menに応じて制御することで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように静止画に対応した画像データに同期する表示タイミング制御信号を制御する。
【0076】
ここで、タイミングコントローラー50の各部について詳細に説明する。
【0077】
図9に、図8の静止画連続検出回路110の構成例のブロック図を示す。なお、静止画連続検出回路110の構成は、図9に示す構成に限定されるものではない。図9では、図8の閾値設定レジスター120及び比較値設定レジスター122もあわせて図示している。
図10に、図9の第1のカウンター及び第2のカウンターの動作例のタイミング図を示す。
図11(A)、図11(B)に、図9の画像比較回路の動作説明図を示す。図11(A)、図11(B)は、所与の水平走査ラインを構成する各画素の画素値の一例を表す。
図12に、図9の比較結果管理部の動作説明図を示す。
【0078】
静止画連続検出回路110は、第1のカウンター112、第2のカウンター114、画像比較回路116、比較結果管理部118を含む。
【0079】
第1のカウンター112は、1垂直走査期間中の水平走査ライン数をカウント値vcとしてカウントするためのカウンターである。第2のカウンター114は、1水平走査ライン中の画素数をカウント値hcとしてカウントするためのカウンターである。カウント値vc、hcは、比較結果管理部118に入力される。図10に示すように、第1のカウンター112は、データイネーブル信号DEの立ち下がりでカウントアップを開始し、例えば垂直走査方向のスタートパルス等により生成されたリセット信号rstに基づいてカウント値を初期化する。また、図10に示すように、第2のカウンター114は、データイネーブル信号DEの立ち下がりを基準にドットクロックDCLKに同期してカウントアップを開始し、例えばデータイネーブル信号DEの立ち下がりでカウント値をリセットする。このような第1のカウンター112及び第2のカウンター114からのカウント値vc、hcにより、画像比較回路116において比較される画素が特定される。
【0080】
画像比較回路116は、現フレームの画像データCDと現フレームの直前のフレームの画像データPDとに基づいて、両画像を構成する各画素の画素値を比較することで、これらのフレーム間で静止画が連続しているか否かを判定する。画像比較回路116の比較結果は、比較結果管理部118に入力される。例えば画像比較回路116は、ドットクロックDCLKに同期して、図11(A)に示すように、画像データCD、PDの各画素の画素値を比較して両者の値が一致するか否かを比較する。図11(A)では、両画像が一致している例を表しており、図11(B)では、両画像が不一致である例を表している。
【0081】
比較結果管理部118は、第1のカウンター112からのカウント値vcと第2のカウンター114からのカウント値hcとに基づいて、画像比較回路116からの比較結果を、画像内の画素位置と関連付けて管理する。本実施形態では、1画面を複数のブロックに分割したブロック単位毎に、両画像が一致したか否かを、比較結果管理部118で管理する。そのため、比較結果管理部118は、順次更新されるカウント値vc、hcの上位ビットを参照して画像内のブロック位置を特定し、当該ブロック内で各画素が一致するか否かを管理する。例えば、比較結果管理部118は、図12に示すように、1画面を水平方向に8分割、垂直方向に4分割して得られたブロック毎に、不一致の画素が存在しているか否かを管理し、その管理結果に基づいて検出結果信号matchを生成する。
【0082】
更に、上記のように、比較結果管理部118は、比較値設定レジスター122に設定された比較値に対応した制御データに基づいて、検出結果信号matchを生成する。この比較値として、両画像が一致するブロック数が指定される。従って、全体のブロック数が分かっているので、比較値として一致するブロックの割合を指定できることを意味する。例えば、図12において、不一致の画素が存在するブロックがマーキングされ、比較値として「30」が指定された場合、比較結果管理部118は、両画像が一致しないことを意味する検出結果信号matchを出力し、比較値として「25」が指定された場合、比較結果管理部118は、両画像が一致することを指定する検出結果信号matchを出力する。比較結果管理部118は、このような検出結果信号matchを、内部の垂直同期信号vsyncのアクティブタイミングで変化させる。
【0083】
なお、比較値設定レジスター122に設定される比較値として、両画像が不一致のブロック数が指定されてもよい。この場合においても、全体のブロック数が分かっているので、比較値として不一致のブロックの割合を指定できることを意味する。例えば、図12において、不一致の画素が存在するブロックがマーキングされ、比較値として「3」が指定された場合、比較結果管理部118は、両画像が一致しないことを意味する検出結果信号matchを出力し、比較値として「5」が指定された場合、比較結果管理部118は、両画像が一致することを指定する検出結果信号matchを出力する。比較結果管理部118は、このような検出結果信号matchを、内部の垂直同期信号vsyncのアクティブタイミングで変化させる。
【0084】
また、比較結果管理部118は、閾値設定レジスター120に設定される制御データに基づいて、ブロック単位の一致判定又は不一致判定を行うことが望ましい。即ち、閾値設定レジスター120に設定された閾値に対応した制御データを基準に、両画像が一致するブロックであるか、両画像が不一致のブロックであるかを判定することが望ましい。こうすることで、ブロック内のノイズによる影響を無くして、フレーム間で静止画連続していることを検出できるようになる。
【0085】
なお、本実施形態では、静止画連続検出回路110が、ブロック単位で両画像を比較するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。静止画連続検出回路110が、両画像を画素単位で比較し、その比較結果に基づいて静止画が連続しているか否かを検出するようにしてもよい。この場合、静止画連続検出回路110は、比較値設定レジスター122に設定された比較値に対応した制御データを基準に、両画像を画素単位で比較した結果に基づいて、静止画が連続しているか否かを検出することが望ましい。
【0086】
図13に、図8のインターバルタイマー130及びモード制御回路150の構成例を示す。以下では、2ビットのモード設定信号mode[1:0]により単独の焼き付け防止制御又は複数の焼き付け防止制御の組み合わせが指定されるものとする。
図14に、図13のインターバルタイマー130の詳細な構成例を示す。
図15に、図13のインターバルタイマー130及びモード制御回路150の動作例のタイミング図を示す。
【0087】
インターバルタイマー130は、検出結果信号matchにより静止画が連続していると検出されている間、内部の垂直同期信号vsyncの数を計測する。図14に示すように、インターバルタイマー130は、第3のカウンター132、第4のカウンター134、カウンターデコーダー136を含み、このインターバルタイマー130には、インターバルレジスター140に設定された制御データitime[7:0]が入力される。第3のカウンター132は、内部の垂直同期信号vsyncに同期して検出結果信号matchにより静止画が連続していると検出されてから、所定時間毎に出力信号outを4回アクティブにする。この出力信号outは、第4のカウンター134のイネーブル端子に入力され、図15に示すように、制御データitime[7:0]に設定された時間を経過する毎に、内部信号ceが1ドットクロックの期間だけLレベルとなる。なお、図15では、60垂直走査期間毎に、内部信号ceが1ドットクロックの期間だけLレベルとなる例を表している。
【0088】
カウンターデコーダー136は、第4のカウンター134からの内部信号ceがLレベルとなる毎に、イネーブル信号en[0]、en[1]、en[2]、en[3]を順番にLレベルに変化させる。イネーブル信号en[3:0]は、モード制御回路150に入力される。このようなインターバルタイマー130の第3のカウンター132、第4のカウンター134及びカウンターデコーダー136では、検出結果信号matchが同期リセット端子srstに入力され、検出結果信号matchにより静止画が連続しないと検出されると、内部状態が初期化されるようになっている。
【0089】
図13に示すように、モード制御回路150は、モードデコーダー152と、組み合わせ回路154とを含む。モードデコーダー152には、モード設定信号[1:0]、内部の垂直同期信号vsync、検出結果信号match等が入力される。モード設定信号[1:0]は、4種類の焼き付け防止制御のいずれか、又は組み合わせの指定をエンコードした信号である。
【0090】
図16に、図13のモードデコーダー152の動作説明図を示す。
【0091】
モードデコーダー152は、検出結果信号matchにより静止画が連続していることが検出されたとき、例えば内部の垂直同期信号vsyncに同期して、モード設定信号mode[1:0]を、図16に示すように4ビットのモード設定デコード信号m[3:0]にデコードする。モード設定デコード信号m[3:0]は、各ビットの信号は4種類の焼き付け防止制御の1つに対応している。各ビットの信号は、「0」のとき、これに対応する焼き付け防止制御は実行されず、「1」のとき、これに対応する焼き付け防止制御は実行される。従って、モード設定デコード信号m[3:0]のうち少なくとも2つのビットが「1」のとき、同時に焼き付け防止制御が実行される。図15は、モード設定信号mode[1:0]が2´b01である例を示している。
【0092】
モード制御回路150は、組み合わせ回路154において、モード設定デコード信号m[3:0]とイネーブル信号en[3:0]の各ビット同士を演算することで、モードイネーブル信号men[3:0]を出力する。その結果、図15に示すように、イネーブル信号enがアクティブとなったモード設定デコード信号mがLレベルとなり、これらに対応した焼き付け防止制御が実行されるようになる。
【0093】
以上のようにして生成されたモードイネーブル信号men[3:0]は、図8に示すように表示制御回路160に入力される。
【0094】
図17に、図8の表示制御回路160の画像データ制御回路170及び表示タイミング制御回路180の構成例のブロック図を示す。図17では、図8において図示されないタイミングコントローラー50内の表示タイミング生成回路190もあわせて図示している。なお、図17では、4種類の焼き付け防止制御のそれぞれに対して焼き付け防止回路が設けられ、それぞれが画像データ又は表示タイミング制御信号を制御するものとして模式的に示したが、画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することなく焼き付け防止制御を行うことができる場合には、前段からの画像データ又は表示タイミング制御信号が焼き付け防止回路を通ってそのまま後段に出力されるようにしてもよい。この場合、画像データ又は表示タイミング制御信号の制御を行わない焼き付け防止回路を、図17の構成から省略した構成を採用してもよい。
【0095】
画像データ制御回路170は、第1の画像用焼き付け防止回路172、第2の画像用焼き付け防止回路174、第3の画像用焼き付け防止回路176、第4の画像用焼き付け防止回路178を含む。第1の画像用焼き付け防止回路172、第2の画像用焼き付け防止回路174、第3の画像用焼き付け防止回路176、及び第4の画像用焼き付け防止回路178は直列に接続されており、第1の画像用焼き付け防止回路172には、現フレームの画像データCDと直前のフレームの画像データPDとが入力され、焼き付け防止制御を行う場合には画像データPDに対して所定の制御を行い、焼き付け防止制御を行わない場合には画像データCDをそのまま出力する。残りの各画像用焼き付け防止回路は、前段で制御された画像データに対して制御を行う。このとき、各画像用焼き付け防止回路には、対応するモードイネーブル信号menが入力されており、該モードイネーブル信号menがアクティブのとき、各画像用焼き付け防止回路特有の制御を行い、該モードイネーブル信号menが非アクティブのとき、前段からの画像データをそのまま後段の焼き付け防止回路に出力するようになっている。
【0096】
表示タイミング生成回路190は、内部の水平同期信号hsync、内部の垂直同期信号vsync、内部の水平走査方向のスタートパルスsth、内部の垂直走査方向のスタートパルスstvを生成し、これらを表示タイミング制御回路180に出力する。
【0097】
表示タイミング制御回路180は、第1のタイミング用焼き付け防止回路182、第2のタイミング用焼き付け防止回路184、第3のタイミング用焼き付け防止回路186、第4のタイミング用焼き付け防止回路188を含む。第1のタイミング用焼き付け防止回路182、第2のタイミング用焼き付け防止回路184、第3のタイミング用焼き付け防止回路186、及び第4のタイミング用焼き付け防止回路188は直列に接続されており、第1のタイミング用焼き付け防止回路182には、表示タイミング生成回路190によって生成された内部の水平同期信号hsync、内部の垂直同期信号vsync、内部の水平走査方向のスタートパルスsth、及び内部の垂直走査方向のスタートパルスstvが入力され、これらの表示タイミング制御信号に対して所定の制御を行う。残りの各タイミング用焼き付け防止回路は、前段で制御された表示タイミング制御信号に対して制御を行う。このとき、各タイミング用焼き付け防止回路には、対応するモードイネーブル信号menが入力されており、該モードイネーブル信号menがアクティブのとき、各タイミング用焼き付け防止回路特有の制御を行い、該モードイネーブル信号menが非アクティブのとき、前段からの表示タイミング制御信号をそのまま後段の焼き付け防止回路に出力するようになっている。
【0098】
第1の画像用焼き付け防止回路172及び第1のタイミング用焼き付け防止回路182は、図4の第1の焼き付け防止制御回路162の機能を実現し、これらが画像データ及び表示タイミング制御信号を制御することで第1のモードの焼き付け防止制御を行う。第2の画像用焼き付け防止回路174及び第2のタイミング用焼き付け防止回路184は、図4の第2の焼き付け防止制御回路164の機能を実現し、これらが画像データ及び表示タイミング制御信号を制御することで第2のモードの焼き付け防止制御を行う。第3の画像用焼き付け防止回路176及び第3のタイミング用焼き付け防止回路186は、図4の第3の焼き付け防止制御回路166の機能を実現し、これらが画像データ及び表示タイミング制御信号を制御することで第3のモードの焼き付け防止制御を行う。第4の画像用焼き付け防止回路178及び第4のタイミング用焼き付け防止回路188は、図4の第4の焼き付け防止制御回路168の機能を実現し、これらが画像データ及び表示タイミング制御信号を制御することで第4のモードの焼き付け防止制御を行う。
【0099】
このような構成により、画像データ制御回路170及び表示タイミング制御回路180は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0100】
次に、各モードにおける画像データ及び表示タイミング制御の制御例について具体的に説明する。
【0101】
<第1のモード>
図18(A)、図18(B)に、第1のモードにおける上シフトの制御例のタイミング図を示す。図18(A)、図18(B)は、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDD、スタートパルスSTHを表す。また、図18(A)は、ライン数n(nは2以上の整数)の画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図18(B)は、ライン数nの画面を表示する場合の第1のモードにおける上シフトの制御例のタイミングを表す。
【0102】
上シフトの場合、画像データ制御回路170の第1の画像用焼き付け防止回路172は、リードFIFO106からの画像データの読み出し制御を変更することなく、表示タイミング制御回路180の第1のタイミング用焼き付け防止回路182は、水平走査方向のスタートパルスSTH又は垂直走査方向のスタートパルスSTVを1ライン分遅延させる制御を行う。なお、第1の画像用焼き付け防止回路172は、最後のnライン目の1ラインは、例えば画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ラインを表示させるように画像データを制御する。これにより、図18(B)に示すように、図18(A)の1ライン目が非表示となり、最後のラインに黒ラインが表示される。
【0103】
図19(A)、図19(B)に、第1のモードにおける右シフトの制御例のタイミング図を示す。図19(A)、図19(B)は、図18(A)、図18(B)と同様に、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDD、スタートパルスSTHを表す。また、図19(A)は、1ラインがn(nは2以上の整数)ドットで構成される画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図19(B)は、1ラインがnドットで構成される画面をライン数nの画面を表示する場合の第1のモードにおける右シフトの制御例のタイミングを表す。
【0104】
右シフトの場合、画像データ制御回路170の第1の画像用焼き付け防止回路172は、リードFIFO106からの画像データの読み出しを1ドットクロック分遅延させて読み出し制御を行う。或いは、表示タイミング制御回路180の第1のタイミング用焼き付け防止回路182は、水平走査方向のスタートパルスSTHを1ドットクロック分早めて出力する制御を行う。例えば図19(B)では、第1の画像用焼き付け防止回路172が、スタートパルスSTHを1ドットクロック分早めて各ラインの1ドット目を、例えば画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ドットとなるように画像データを制御することで、図19(A)に示した各ラインの最後のドットが非表示となり、各ラインの1ドット目に例えば黒ドットを表示させることができる。
【0105】
図20(A)、図20(B)に、第1のモードにおける下シフトの制御例のタイミング図を示す。図20(A)、図20(B)は、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDD、スタートパルスSTHを表す。また、図20(A)は、ライン数n(nは2以上の整数)の画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図20(B)は、ライン数nの画面を表示する場合の第1のモードにおける下シフトの制御例のタイミングを表す。
【0106】
下シフトの場合、画像データ制御回路170の第1の画像用焼き付け防止回路172は、リードFIFO106からの画像データの読み出し制御を変更することなく、表示タイミング制御回路180の第1のタイミング用焼き付け防止回路182もまた、表示タイミング制御信号の制御を行わない。ただ、第1の画像用焼き付け防止回路172は、1ライン目に、例えば画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ラインを表示させるように画像データを制御し、ラインメモリーに該画像データを保持して、1ライン遅れで制御後の画像データを出力する。これにより、図20(B)に示すように、図20(A)の1ライン目に黒ラインが表示され、図20(A)に示した最後のラインから1つ前のラインを最終ラインとして表示とすることができる。
【0107】
図21(A)、図21(B)に、第1のモードにおける左シフトの制御例のタイミング図を示す。図21(A)、図21(B)は、図18(A)、図18(B)と同様に、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDD、スタートパルスSTHを表す。また、図21(A)は、1ラインがn(nは2以上の整数)ドットで構成される画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図21(B)は、1ラインがnドットで構成される画面をライン数nの画面を表示する場合の第1のモードにおける左シフトの制御例のタイミングを表す。
【0108】
左シフトの場合、画像データ制御回路170の第1の画像用焼き付け防止回路172は、リードFIFO106からの画像データの読み出しを1ドットクロック分早めて読み出し制御を行う。或いは、表示タイミング制御回路180の第1のタイミング用焼き付け防止回路182は、水平走査方向のスタートパルスSTHを1ドットクロック分遅延させて出力する制御を行う。例えば図21(B)では、第1の画像用焼き付け防止回路172が、スタートパルスSTHを1ドットクロック分遅延させて各ラインの最後のドットを例えば画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ドットとして表示されるように画像データを制御することで、図21(A)に示した各ラインの最初のドットが非表示となり、各ラインの最後のドットに例えば黒ドットを表示させることができる。
【0109】
第1の画像用焼き付け防止回路172は、以上のような画像データの制御を行う4方向のシフトを順次行うことを繰り返すことができるようになっている。第1のタイミング用焼き付け防止回路182もまた、以上のような表示タイミング制御信号の制御を行う4方向のシフトを順次行うことを繰り返すことができるようになっている。
【0110】
<第2のモード>
図22(A)、図22(B)に、第2のモードにおける制御例のタイミング図を示す。図22(A)、図22(B)は、内部の垂直同期信号vsync、内部のフレーム判別信号foe、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDDを表す。また、図22(A)は、ライン数n(nは2以上の整数)の画面を表示する場合のプログレッシブ走査時の制御例のタイミングを表し、図22(B)は、ライン数nの画面を表示する場合の第2のモードにおけるインターレース走査時の制御例のタイミングを表す。
【0111】
ここで、例えば表示タイミング生成回路190が、データイネーブル信号DEがLレベルである期間が所定期間より長い場合に垂直ブランキング期間として検出すると共に、内部の垂直同期信号vsyncを生成する。また、フレーム判別信号foeは、垂直同期信号vsync毎に反転し、奇数フレームであるか偶数フレームであるかを示す信号である。
【0112】
第2のモードでは、プログレッシブ走査時には、偶数フレームであるか奇数フレームであるかにかかわらず、画像の各ラインを表示する。これに対して、インターレース走査時に切り替えられたときには、フレーム判別信号foeにより、例えば偶数フレームであることが示されているときには偶数ラインを表示し、奇数フレームであることが示されているときには奇数ラインを表示する。より具体的には、整数p、qに対してf=2×p、h=2×qとすると、第2の画像用焼き付け防止回路174は、fフレームの(h+1)ラインでは、画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ラインを生成し、(f+1)フレームのhラインでは、同様の黒ラインを生成する。これにより、図22(B)に示すように、例えば偶数フレームであることが示されているときには偶数ラインを表示し、奇数フレームであることが示されているときには奇数ラインを表示して、インターレース走査を実現できる。
【0113】
第2の画像用焼き付け防止回路174は、プログレッシブ走査においては通常通り画像データを出力し、第2のインターバル時間経過したときにインターレース走査に切り替えられたときに、以上のような画像データの制御を行う。
【0114】
<第3のモード>
図23(A)、図23(B)、図23(C)、図23(D)に、第3のモードにおける制御例のタイミング図を示す。図23(A)、図23(B)、図23(C)、図23(D)は、内部のデータイネーブル信号DE、ドットクロックDCLK、出力する画像データDDを表す。図23(A)は、通常動作時の偶数フレームの制御例を表し、図23(B)は、通常動作時の奇数フレーム制御例を表す。図23(C)は、1ドットおきに制御する場合の偶数フレームの制御例を表し、図23(D)は、1ドットおきに制御する場合の奇数フレームの制御例を表す。
【0115】
第3のモードでは、通常動作時には、偶数フレームであるか奇数フレームであるかにかかわらず、画像の各ラインを表示する。これに対して、1ドットおきに制御する場合には、整数p、q、rに対してf=2×p、h=2×q、d=2×rとすると、第3の画像用焼き付け防止回路176は、fフレームのhラインのdドットの画像データとして、画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ドットの画像データを生成し、fフレームの(h+1)ラインの(d+1)ドットの画像データとして黒ドットの画像データを生成し、(f+1)フレームのhラインの(d+1)ドットの画像データとして黒ドットの画像データを生成し、(f+1)ラインの(h+1)ラインのdドットの画像データとして黒ドットの画像データを生成する。これにより、図23(C)及び図23(D)に示すように、例えば偶数フレームでは、偶数ラインの偶数ドットと奇数ラインの奇数ドットを黒ドットとして表示とすることができ、奇数フレームでは、偶数ラインの奇数ドットと奇数ラインの偶数ドットを黒ドットとして表示することができる。
【0116】
第3の画像用焼き付け防止回路176は、通常動作時には通常通り画像データを出力したり、上記のような制御後の画像データを出力したりすることを繰り返すことができる。なお、第3のモードにおいて、第2のモードと同様に偶数フレームと奇数フレームの判別を行うことができる。
【0117】
<第4のモード>
図24(A)、図24(B)に、第4のモードにおける制御例のタイミング図を示す。図24(A)、図24(B)は、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDDを表す。図23(A)は、ライン数n(nは2以上の整数)の画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図23(B)は、ライン数nの画面を表示する場合の第3のモードにおける制御例のタイミングを表す。なお、図23(B)では、1/2フレーム間引きの例を示しているが、1/3フレーム間引きで2/3フレーム表示を行ったり、1/4フレーム間引きで3/4フレーム表示を行ったり、1/5フレーム間引きで4/5フレーム表示を行ってもよい。
【0118】
第4のモードでは、通常動作時には、偶数フレームであるか奇数フレームであるかにかかわらず、画像の各ラインを表示する。これに対して、第4の画像用焼き付け防止回路178は、偶数フレームのみを元の画像の画素値のまま画像データを出力し、奇数フレームのみ画像全体の全ドットとして画像データとして、各ドットを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒画像の画像データを生成して出力する。これにより、図24(B)に示すように、奇数フレームでは黒画像が表示され、実質的にフレームレートが半分になる。なお、その他のフレーム間引きの場合には、間引いたフレームにおいて黒画像を適宜挿入することで実現できる。
【0119】
第4の画像用焼き付け防止回路178は、通常動作時には通常通り画像データを出力したり、上記のような制御後の画像データを出力したりすることを繰り返すことができる。
【0120】
以上説明したように、本実施形態では、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出し(静止画連続検出ステップ)、静止画のフレームが連続していることが検出されている間、所与の時間を置いて前記画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように前記静止画に対応した画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して出力する(表示制御ステップ)ことができる。本実施形態によれば、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出し、静止画のフレームが連続していることが検出されている間、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように静止画に対応した画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して出力することができる。これにより、OLEDを用いた表示パネルの表示画像の画質の劣化を招くことなく、低消費電力で、且つ、効率的に、いわゆる焼き付き現象を軽減できるようになる。
【0121】
本実施形態における表示システム10は、例えば次のような電子機器に適用することができる。
【0122】
図25(A)、図25(B)に、本実施形態における表示システム10が適用された電子機器の構成を示す斜視図を示す。図25(A)は、モバイル型のパーソナルコンピューターの構成の斜視図を表す。図25(B)は、携帯電話機の構成の斜視図を表す。
【0123】
図25(A)に示すパーソナルコンピューター800は、本体部810と、表示部820とを含む。表示部820として、本実施形態における表示システム10が実装される。本体部810は、表示システム10のうちホスト60を含み、この本体部810にはキーボード830が設けられる。即ち、パーソナルコンピューター800は、少なくとも上記の実施形態におけるタイミングコントローラー50を含んで構成される。キーボード830を介した操作情報がホスト60によって解析され、その操作情報に応じて表示部820に画像が表示される。この表示部820は、OLEDを表示素子としているため、視野角が広い画面を有するパーソナルコンピューター800を提供できる。
【0124】
図25(B)に示す携帯電話機900は、本体部910と、表示部920とを含む。表示部920として、本実施形態における表示システム10が実装される。本体部910は、表示システム10のうちホスト60を含み、この本体部910にはキーボード930が設けられる。即ち、携帯電話機900は、少なくとも上記の実施形態におけるタイミングコントローラー50を含んで構成される。キーボード930を介した操作情報がホスト60によって解析され、その操作情報に応じて表示部920に画像が表示される。この表示部920は、OLEDを表示素子としているため、視野角が広い画面を有する携帯電話機900を提供できる。
【0125】
なお、本実施形態における表示システム10が適用された電子機器として、図25(A)、図25(B)に示すものに限定されるものではなく、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS(Point of sale system)端末、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0126】
以上、本発明に係る画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法等を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0127】
(1)本実施形態では、焼き付け防止制御として4種類の例を示したが、焼き付け防止制御の内容や種類に限定されるものではなく、複数の焼き付け防止制御を同時に実行できるものであればよい。
【0128】
(2)本実施形態では、図1〜図3に示す構成を有するOLEDが適用された表示システムを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0129】
(3)本実施形態における静止画連続検出回路110は、図9に示す構成のものに限定されない。即ち、本実施形態は、静止画が連続していることを検出する手法に限定されるものではない。
【0130】
(4)本実施形態では、焼き付け防止制御として、1ドット又は1走査ライン単位でシフトさせていたが、これに限定されるものではなく、1画素、複数ドット、又は複数走査ライン単位でシフトさせるようにしてもよい。
【0131】
(5)本実施形態において、本発明を、画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法等として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記の画像処理方法の処理手順が記述されたプログラムや、該プログラムが記録された記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0132】
10…表示システム、 20…表示パネル、 30…ロウドライバー、
40…カラムドライバー、 50…タイミングコントローラー、 60…ホスト、
70…電源回路、 80…バッファーメモリー、 100…バッファーコントローラー、
102…PLL回路、 104…ライトFIFO、 106…リードFIFO、
110…静止画連続検出回路、 112…第1のカウンター、
114…第2のカウンター、 116…画像比較回路、 118…比較結果管理部、
120…閾値設定レジスター、 122…比較値設定レジスター、
130…インターバルタイマー、 132…第3のカウンター、
134…第4のカウンター、 136…カウンターデコーダー、
140…インターバルレジスター、 150…モード制御回路、
152…モードデコーダー、 154…組み合わせ回路、 160…表示制御回路、
162…第1の焼き付け防止制御回路、 164…第2の焼き付け防止制御回路、
166…第3の焼き付け防止制御回路、 168…第4の焼き付け防止制御回路、
170…画像データ制御回路、 172…第1の画像用焼き付け防止回路、
174…第2の画像用焼き付け防止回路、 176…第3の画像用焼き付け防止回路、
178…第4の画像用焼き付け防止回路、 180…表示タイミング制御回路、
182…第1のタイミング用焼き付け防止回路、
184…第2のタイミング用焼き付け防止回路、
186…第3のタイミング用焼き付け防止回路、
188…第4のタイミング用焼き付け防止回路、 800…パーソナルコンピューター、
810,910…本体部、 820,920…表示部、 830,930…キーボード、
900…携帯電話機
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として液晶素子を用いたLCD(Liquid Crystal Display:LCD)パネルや、表示素子として有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:以下、OLEDと略す)(広義には、発光素子)を用いた表示パネル(表示装置)が普及している。特に、OLEDは、高い応答速度を有し、コントラスト比を向上させることができる。そのため、OLEDをマトリックス状に配置させた表示パネルによれば、視野角が広く、高画質の画像を表示できる。
【0003】
ところが、OLEDを用いた表示パネルにおいても、長時間にわたって静止画を表示させたときのように同一の発光素子が同一輝度で点灯される時間が長くなると、劣化によって輝度が低下して、いわゆる焼き付き現象が発生し、画質の劣化を招くという問題がある。
【0004】
このようなOLEDを用いた焼き付き現象を防止する技術については、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1には、画像信号として印加する電流値又は定電流の印加時間により画像の階調を制御し、且つ、所定時間間隔で表示位置を所定距離だけ移動させるようにした有機発光ディスプレイ装置が開示されている。また、特許文献2には、ディスプレイのリフレッシュレートを切り替える際の視覚的兆候を減少させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−304318号公報
【特許文献2】特開2008−197626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、入力画像の種類にかかわらず、上記のような制御を行っている。そのため、表示パネルや表示画像によっては、焼き付き防止現象を十分に軽減できない場合がある。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、画像を表示する表示装置や画像に依存することなく、いわゆる焼き付き現象を軽減できる画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法等を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様は、表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理装置が、当該フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御回路と、前記第1の焼き付け防止制御回路とは異なる制御で前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御回路とを含み、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御する。
【0009】
本態様によれば、複数の焼き付け防止制御を同一フレームの画像データ又は該画像データに対応する表示タイミング制御信号に対して行うようにしたので、表示装置や表示画像に依存した焼き付け現象による影響を軽減し、表示装置や表示画像に依存することなく焼き付け現象を最小限に抑えることができるようになる。
【0010】
(2)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記第1の焼き付け防止制御回路による第1の制御開始タイミングと前記第2の焼き付け防止制御回路による第2の制御開始タイミングとのインターバル時間に対応した制御データが設定されるインターバルレジスターを含み、前記第1の焼き付け防止制御回路により前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御が開始され、前記インターバルレジスターに設定されたインターバル時間が経過した後、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御する。
【0011】
本態様によれば、インターバル時間を経過した後に焼き付け防止制御の種類を増加させるようにしたので、いわゆる焼き付け現象による影響をより一層軽減できるようになる。
【0012】
(3)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する静止画連続検出部を含み、前記静止画連続検出部によって静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御を開始する。
【0013】
本態様によれば、上記の効果に加えて、静止画であるフレームが連続しているか否かを検出し、静止画であるフレームが連続していることが検出されたときに、画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御するようにしたので、画質の劣化を招くことなく、低消費電力で、且つ、効率的に、いわゆる焼き付き現象を軽減できるようになる。
【0014】
(4)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記静止画連続検出部は、当該フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値との比較結果に基づいて、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。
【0015】
本態様によれば、上記の効果に加えて、簡素な構成により、静止画であるフレームが連続しているか否かを検出できるようになる。
【0016】
(5)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、1画面を分割した複数のブロックを構成する各ブロック内で、前記当該フレームと前記直前のフレームとの間で一致するブロック数が指定される検出条件指定レジスターを含み、前記静止画連続検出部は、ブロック単位で、当該フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値とを比較し、前記検出条件指定レジスターにより指定されたブロック数を基準に、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。
【0017】
本態様によれば、上記の効果に加えて、焼き付け防止制御によって発生する可能性のあるフリッカー等の画質劣化を抑えるように調整することができ、更に、静止画として検出される精度をブロック数により調整でき、簡素に検出精度を調整できるようになる。
【0018】
(6)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記ブロック内で一致又は不一致の画素数が指定される閾値設定レジスターを含み、前記静止画連続検出部は、前記ブロック内で一致する画素数が前記閾値設定レジスターに設定された画素数以上のとき、又は前記ブロック内で不一致の画素数が前記閾値設定レジスターに設定された画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定する。
【0019】
本態様によれば、上記の効果に加えて、厳密な静止画の連続性の検出を行うことなく、許容範囲のノイズが有する静止画連続したときでも、動画と判定されてしまう事態を回避できるようになる。
【0020】
(7)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、第1のインターバル時間経過後に元の表示画像に対して1ドットシフトさせる第1のモード、第2のインターバル時間経過毎にインターレース走査とプログレッシブ走査とを切り替える第2のモード、1ドット毎にフレームレートを低下させる第3のモード、又は所与のフレーム毎に画像表示を間引く第4のモードのうち少なくとも1つのモードにより、所与の時間を置いて前記画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を出力する。
【0021】
本態様によれば、上記の効果に加えて、より一層、表示画像や表示パネルに依存した焼き付け防止現象を軽減できるようになる。
【0022】
(8)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記第1のモードは、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の垂直走査方向に1走査ラインだけシフトする第1のシフト、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の水平走査方向に1画素だけシフトする第2のシフト、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の前記第1の垂直走査方向と反対方向に1走査ラインだけシフトする第3のシフト、及び元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の水平走査方向と反対方向に1ドットだけシフトする第4のシフトを、所与の時間経過毎に順次繰り返し行う。
【0023】
本態様によれば、表示画像や表示パネルに依存した焼き付け防止現象をより一層軽減できるようになる。
【0024】
(9)本発明の他の態様では、表示システムが、複数のロウ信号線と、前記複数のロウ信号線と交差して設けられる複数のカラム信号線と、前記複数のロウ信号線のいずれかと前記複数のカラム信号線のいずれかとにより特定され駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子とを有する表示パネルと、前記複数のロウ信号線を駆動するロウドライバーと、前記複数のカラム信号線を駆動するカラムドライバーと、前記ロウドライバー及び前記カラムドライバーに前記表示制御信号を出力すると共に、前記カラムドライバーに前記画像データを出力する上記のいずれか記載の画像処理装置とを含む。
【0025】
本態様によれば、画像を表示する表示装置や画像に依存することなく、いわゆる焼き付き現象を軽減できる表示装置を提供できるようになる。
【0026】
(10)本発明の他の態様では、電子機器が、上記のいずれか記載の画像処理装置を含む。
【0027】
本態様によれば、画像を表示する表示装置や画像に依存することなく、いわゆる焼き付き現象を軽減できる画像処理装置が適用された電子機器を提供できるようになる。
【0028】
(11)本発明の他の態様では、表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理方法が、当該フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御ステップと、前記第1の焼き付け防止制御ステップとは異なる制御で前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御ステップとを含み、前記第1の焼き付け防止制御ステップ及び前記第2の焼き付け防止制御ステップは、同一フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御する。
【0029】
本態様によれば、複数の焼き付け防止制御を同一フレームの画像データ又は該画像データに対応する表示タイミング制御信号に対して行うようにしたので、表示装置や表示画像に依存した焼き付け現象による影響を軽減し、表示装置や表示画像に依存することなく焼き付け現象を最小限に抑えることができるようになる。
【0030】
(12)本発明の他の態様に係る画像処理方法では、前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける第1の制御開始タイミングと前記第2の焼き付け防止制御ステップにおける第2の制御開始タイミングとのインターバルを設定するインターバル設定ステップを含み、前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御が開始され、前記インターバル設定ステップにおいて設定されたインターバルが経過した後、前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける及び前記第2の焼き付け防止制御ステップにおけるは、同一フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御する。
【0031】
本態様によれば、インターバル時間を経過した後に焼き付け防止制御の種類を増加させるようにしたので、いわゆる焼き付け現象による影響をより一層軽減できるようになる。
【0032】
(13)本発明の他の態様に係る画像処理方法では、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する静止画連続検出ステップを含み、前記静止画連続検出ステップにおいて静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、前記第1の焼き付け防止制御ステップ及び前記第2の焼き付け防止制御ステップは前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御を開始する。
【0033】
本態様によれば、上記の効果に加えて、静止画であるフレームが連続しているか否かを検出し、静止画であるフレームが連続していることが検出されたときに、画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御するようにしたので、画質の劣化を招くことなく、低消費電力で、且つ、効率的に、いわゆる焼き付き現象を軽減できるようになる。
【0034】
(14)本発明の他の態様に係る画像処理方法では、前記検出条件指定ステップは、前記ブロック内で一致又は不一致の画素数を指定し、前記静止画連続検出ステップは、前記ブロック内で一致する画素数が前記検出条件指定ステップにおいて指定されたブロック内で一致する画素数以上のとき、又は前記ブロック内で不一致の画素数が前記検出条件指定ステップにおいて指定されたブロック内で不一致の画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定する。
【0035】
本態様によれば、上記の効果に加えて、厳密な静止画の連続性の検出を行うことなく、許容範囲のノイズが有する静止画連続したときでも、動画と判定されてしまう事態を回避できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態における表示システムの構成例のブロック図。
【図2】本実施形態における画素回路の構成例の回路図。
【図3】本実施形態におけるOLEDの説明図。
【図4】図1のタイミングコントローラーの構成の概要を示すブロック図。
【図5】図4のタイミングコントローラーの動作説明図。
【図6】図6(A)、図6(B)は本実施形態における第1のモードの焼き付け防止制御及び第2のモードの焼き付け防止制御の説明図。
【図7】図7(A)、図7(B)は本実施形態における第3のモードの焼き付け防止制御及び第4のモードの焼き付け防止制御の説明図。
【図8】本実施形態におけるタイミングコントローラーの構成例のブロック図。
【図9】図8の静止画連続検出回路の構成例のブロック図。
【図10】図9の第1のカウンター及び第2のカウンターの動作例のタイミング図。
【図11】図11(A)、図11(B)は図9の画像比較回路の動作説明図。
【図12】図9の比較結果管理部の動作説明図。
【図13】図8のインターバルタイマー及びモード制御回路の構成例を示す図。
【図14】図13のインターバルタイマーの詳細な構成例を示す図。
【図15】図13のインターバルタイマー及びモード制御回路の動作例のタイミング図。
【図16】図13のモードデコーダーの動作説明図。
【図17】図8の表示制御回路の画像データ制御回路及び表示タイミング制御回路の構成例のブロック図。
【図18】図18(A)、図18(B)は第1のモードにおける上シフトの制御例のタイミング図。
【図19】図19(A)、図19(B)は第1のモードにおける右シフトの制御例のタイミング図。
【図20】図20(A)、図20(B)は第1のモードにおける下シフトの制御例のタイミング図。
【図21】図21(A)、図21(B)は第1のモードにおける左下シフトの制御例のタイミング図。
【図22】図22(A)、図22(B)は第2のモードにおける制御例のタイミング図。
【図23】図23(A)、図23(B)、図23(C)、図23(D)は第3のモードにおける制御例のタイミング図。
【図24】図24(A)、図24(B)は第4のモードにおける制御例のタイミング図。
【図25】図25(A)、図25(B)は本実施形態における表示システムが適用された電子機器の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の課題を解決するために必須の構成要件であるとは限らない。
【0038】
図1に、本発明に係る実施形態における表示システムの構成例のブロック図を示す。この表示システムは、表示素子としての発光素子であるOLEDを用いた表示パネル(発光パネル)を有し、各OLEDは、タイミングコントローラーにより生成された表示タイミング制御信号に基づいて、ロウドライバー及びカラムドライバーにより駆動される。
【0039】
より具体的には、表示システム10は、表示パネル20と、ロウドライバー30と、カラムドライバー40と、タイミングコントローラー50(広義には、画像処理回路又は画像処理装置)と、ホスト60と、電源回路70とを含む。表示パネル20には、Y方向に延びる複数のデータ信号線d1〜dN(Nは2以上の整数)及び複数のカラム信号線c1〜cNがX方向に配設されると共に、各カラム信号線及び各データ信号線と交差するようにX方向に延びる複数のロウ信号線r1〜rM(Mは2以上の整数)がY方向に配設される。各カラム信号線(より具体的には、各カラム信号線及び各データ信号線)と各ロウ信号線との交差位置には画素回路が形成され、表示パネル20には、複数の画素回路がマトリックス状に配置される。
【0040】
なお、図1では、X方向の隣接するR成分の画素回路PR、G成分の画素回路PG及びB成分の画素回路PBにより1ドットが構成される。R成分の画素回路PRは、赤色の表示色を発光するOLEDを有し、G成分の画素回路PGは、緑色の表示色を発光するOLEDを有し、B成分の画素回路PBは、青色の表示色を発光するOLDEを有する。
【0041】
ロウドライバー30は、表示パネル20のロウ信号線r1〜rMに接続されている。ロウドライバー30は、例えば1垂直走査期間内に、表示パネル20のロウ信号線r1〜rMを順次選択し、各ロウ信号線の選択期間に選択パルスを出力する。
【0042】
カラムドライバー40は、表示パネル20のデータ信号線d1〜dN、カラム信号線c1〜CNに接続されている。カラムドライバー40は、カラム線c1〜CNに所与の電源電圧を印加すると共に、例えば1水平走査期間毎に、1ライン分の画像データに対応した階調電圧をそれぞれ各データ信号線に印加する。これにより、第j(1≦j≦M、jは整数)行が選択される水平走査期間に、第j行の第k(1≦k≦N、kは整数)列目の画素回路に、画像データに対応した階調電圧が印加されることになる。
【0043】
図2に、本実施形態における画素回路PRの構成例の回路図を示す。図2では、画素回路PRの電気的な等価回路の構成例を示すが、画素回路PRと共に1画素を構成する画素回路PG及び画素回路PBも図2と同様の構成を有する。また、図1の表示パネル20の他の画素を構成する画素回路も、図2と同様の構成を有する。
【0044】
図2の画素回路PRは、ロウ信号線rjとカラム信号線ckとの交差位置に形成される。画素回路PRは、駆動トランジスターTRjkと、スイッチトランジスターSWjkと、キャパシターCjkと、赤色の表示色を発光する発光素子LRjkとを含む。スイッチトランジスターSWjkのゲートにはロウ信号線rjが接続され、スイッチトランジスターSWjkのソースにはデータ信号線dkに接続され、スイッチトランジスターSWjkのドレインには駆動トランジスターTRjkのゲートが接続される。駆動トランジスターTRjkのソースは、発光素子LRjkのアノードに接続され、駆動トランジスターTRjkのドレインは、カラム信号線ckに接続される。発光素子LRjkのカソードは、接地される。また、駆動トランジスターTRjkのゲートにはキャパシターCjkの一端が接続され、駆動トランジスターTRjkのドレインにはキャパシターCjkの他端が接続される。
【0045】
このような構成において、ロウ信号線rjに選択パルスが印加されると、スイッチトランジスターSWjkが導通状態となり、データ線dkに印加された画像データに対応した電圧が駆動トランジスターTRjkのゲートに印加される。このとき、カラム信号線ckに所与の電源電圧が印加されていると、駆動トランジスターTRjkが導通状態となって、発光素子LRjkに駆動電流が流れる。このとき、発光素子LRjkからは赤色の表示色を発光される。
【0046】
図3に、図2の発光素子LRjkの原理的な構成例を模式的に示す。
【0047】
発光素子LRjkは、ガラス基板GLjk上に、陽極PEjkとなる透明電極(例えばITO(Indium Thin Oxide))が形成される。陽極PEjkの上方には、陰極NEjkが形成される。そして、陽極PEjkと陰極NEjkとの間に、発光層等を含む有機層が形成される。有機層は、陽極PEjkの上面に形成された正孔輸送層PHjkと、正孔輸送層PHjkの上面に形成された発光層EMjkと、発光層EMjkと陰極NEjkとの間に形成された電子輸送層EHjkとを有する。
【0048】
例えば、ロウ信号線rjに選択パルスを印加し、データ信号線dkの印加電圧に応じて駆動トランジスターTRjkにドレイン電流を発生させると、図3の陽極PEjkと陰極NEjkとの間の電位差が与えられる。陽極PEjkと陰極NEjkとの間の電位差を与えると、陽極PEjkからの正孔と陰極NEjkからの電子とが発光層EMjk内で再結合する。このとき発生したエネルギーにより発光層EMjkの分子が励起状態となり、基底状態に戻るときに放出されるエネルギーが光となる。この光は、透明電極で形成された陽極PEjkとガラス基板GLjkとを通る。
【0049】
図1において、タイミングコントローラー50は、ロウドライバー30及びカラムドライバー40に対し、表示タイミング制御信号を供給すると共に、カラムドライバー40に対して、表示画像に対応した画像データを供給する。本実施形態では、タイミングコントローラー50が、単独で1フレーム分の画像に対して制御可能な焼き付け防止制御を複数種類組み合わせて、同一フレームの画像に対して制御を行うことで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を出力することができる。このため、表示パネル20や表示画像に依存した焼き付け現象の影響を軽減し、表示パネル20や表示画像に依存することなく焼き付け現象を最小限に抑えることができるようになる。
【0050】
更に、タイミングコントローラー50にはバッファーメモリー80が接続され、ホスト60からの画像データをバッファーメモリー80に1フレーム分の画像データを一時的に保存して静止画が連続するか否かを検出し、静止画が連続されていることを条件に複数種類の焼き付け防止制御を開始する。なお、バッファーメモリー80を設けることなく、バッファーメモリー80と同様の機能を有するメモリーがタイミングコントローラー50に内蔵されていてもよい。
【0051】
このようなタイミングコントローラー50により、ロウドライバー30及びカラムドライバー40は、1垂直走査期間内に順次選択したロウ信号線に接続された画素を構成する発光素子に、画像データに対応する駆動電流を供給することができるようになる。また、表示パネル20の各画素が所定の時間、同一輝度で連続して点灯し続けないように、カラムドライバー40に供給する画像データ、又はロウドライバー30及びカラムドライバー40に供給する表示タイミング制御信号が制御される。
【0052】
ホスト60は、表示画像に対応した画像データを生成すると共に、タイミングコントローラー50内の各種制御レジスターに制御データを設定して、ロウドライバー30及びカラムドライバー40による表示パネル20の表示制御を行う。
【0053】
電源回路70は、複数種類の電源電圧を生成し、表示パネル20、ロウドライバー30、カラムドライバー40、及びタイミングコントローラー50の各部に電源電圧を供給する。
【0054】
図4に、図1のタイミングコントローラー50の構成の概要を示すブロック図を示す。なお、図4では、タイミングコントローラー50が4種類の焼き付け防止制御回路を含む構成を有しているが、少なくとも2種類の焼き付け防止制御回路を含んでいればよい。
図5に、図4のタイミングコントローラー50の動作説明図を示す。図5は、横軸に時間軸をとり、タイミングコントローラー50が含む4種類の焼き付け防止制御回路のそれぞれの制御期間を表す。
【0055】
タイミングコントローラー50は、静止画連続検出回路(静止画連続検出部)110と、インターバルレジスター140と、表示制御回路(表示制御部)160とを含む。静止画連続検出回路110は、ホスト60から供給される画像データに基づいて、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する。表示制御回路160は、当該フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号に対して複数種類の焼き付け防止制御を行って、各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示する制御を行う。そして、表示制御回路160は、静止画連続検出回路110によって静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、上記の制御を行う。インターバルレジスター140には、画像データ又は表示タイミング制御信号の焼き付け防止制御間の制御開始タイミングのインターバル時間が指定され、表示制御回路160は、インターバルレジスター140に設定されたインターバル時間に対応した制御データに基づいて、各焼き付け防止制御の制御開始タイミングを決定する。例えば、インターバル時間として、図5に示すように、1垂直走査期間の整数倍とすることができる。
【0056】
このような表示制御回路160は、第1の焼き付け防止制御回路(第1の焼き付け防止制御部)162と、第2の焼き付け防止制御回路(第2の焼き付け防止制御部)164と、第3の焼き付け防止制御回路(第3の焼き付け防止制御部)166と、第4の焼き付け防止制御回路(第4の焼き付け防止制御部)168とを含み、それぞれが異なる焼き付け防止制御を行う。例えば第2の焼き付け防止制御回路164は、第1の焼き付け防止制御回路162と異なる制御で、画像データ又は表示タイミング制御信号を制御して、各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように焼き付け防止制御を行う。そして、少なくとも第1の焼き付け防止制御回路162及び第2の焼き付け防止制御回路164は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御する。この場合、インターバルレジスター140には、第1の焼き付け防止制御回路162による第1の制御開始タイミングTG1(図5参照)と第2の焼き付け防止制御回路164による第2の制御開始タイミングTG2(図5参照)とのインターバル時間TM1に対応した制御データが設定され、第1の焼き付け防止制御回路162により画像データ又は表示タイミング制御信号の制御が開始され、インターバルレジスター140に設定されたインターバル時間TM1(図5参照)が経過した後、第1の焼き付け防止制御回路162及び第2の焼き付け防止制御回路164は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御す。
【0057】
なお、図5は、第2の焼き付け防止制御回路162、第3の焼き付け防止制御回路164及び第4の焼き付け防止制御回路166は、それぞれ同じインターバル時間経過後に順次制御が開始される様子を表している。即ち、本実施形態では、これらの複数の焼き付け防止制御のいずれか、又は組み合わせて同時に実行できるようになっている。こうすることで、1種類の焼き付け防止制御を行う場合に比べて、表示パネル20や表示画像に依存することなく焼き付け現象を最小限に抑えることができるようになる。
【0058】
ここで、第1の焼き付け防止制御回路162は、第1のモードの焼き付け防止制御を行い、第2の画像用焼き付け防止制御回路164は、第2のモードの焼き付け防止制御を行い、第3の画像用焼き付け防止制御回路166は、第3のモードの焼き付け防止制御を行い、第4の画像用焼き付け防止制御回路168は、第4のモードの焼き付け防止制御を行う。
【0059】
図6(A)、図6(B)に、本実施形態における第1のモードの焼き付け防止制御及び第2のモードの焼き付け防止制御の説明図を示す。図6(A)は、第1のモードの焼き付け防止制御における表示パネル20の画面の表示画像の変化を模式的に表したものである。図6(B)は、第2のモードの焼き付け防止制御における表示パネル20の画面の走査方法の変化を模式的に表したものである。
図7(A)、図7(B)に、本実施形態における第3のモードの焼き付け防止制御及び第4のモードの焼き付け防止制御の説明図を示す。図7(A)は、第3のモードの焼き付け防止制御における表示パネル20の画面の表示画像の変化を模式的に表す。図7(B)は、第4のモードの焼き付け防止制御における表示パネル20の画面のフレームレートの変化を模式的に表す。
【0060】
図6(A)に示すように、第1のモードは、第1のインターバル時間経過後に元の表示画像に対して1ドットシフトさせることで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードである。より具体的には、図6(A)に示すように、第1のモードは、元の表示画像に対して表示パネル20の画面の第1の垂直走査方向に1走査ラインだけシフトする上シフト(第1のシフト)、元の表示画像に対して表示パネル20の画面の第1の水平走査方向に1ドットだけシフトする右シフト(第2のシフト)、元の表示画像に対して表示パネル20の画面の第1の水平走査方向と反対方向に1走査ラインだけシフトする下シフト(第3のシフト)、及び元の表示画像に対して表示パネル20の画面の第1の水平走査方向と反対方向に1ドットだけシフトする左シフト(第4のシフト)を、所与の時間経過毎に順次繰り返し行うことで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードであることが望ましい。第1の焼き付け防止制御回路162は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、図6(A)に示すように、所与の時間を置いて、画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0061】
これに対して、第2のモードは、図6(B)に示すように、第2のインターバル時間経過毎にインターレース走査とプログレッシブ走査とを切り替えることで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードである。第2の焼き付け防止制御回路164は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、図6(B)に示すように、所与の時間を置いて、画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0062】
また、第3のモードは、図7(A)に示すように、1ドットを構成する1画素毎に又は1ドット毎にフレームレートを低下させることで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードである。第3の焼き付け防止制御回路166は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、図7(A)に示すように、所与の時間を置いて、画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0063】
第4のモードは、図7(B)に示すように、所与のフレーム毎に画像表示を間引くことで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データを制御するモードである。第4の焼き付け防止制御回路168は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、図7(B)に示すように、所与の時間を置いて、画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0064】
続いて、本実施形態におけるタイミングコントローラー50の具体的な構成例について説明する。
【0065】
図8に、本実施形態におけるタイミングコントローラー50の構成例のブロック図を示す。図8において、図1又は図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0066】
タイミングコントローラー50は、バッファーコントローラー100、PLL(Phase-Locked Loop)回路102、ライトFIFO(Fist-In First-Out)104、リードFIFO106、静止画連続検出回路110、閾値設定レジスター120、比較値設定レジスター122、インターバルレジスター140、表示制御回路160を含む。表示制御回路160は、インターバルタイマー130、モード制御回路150、画像データ制御回路170、表示タイミング制御回路180を含む。
【0067】
タイミングコントローラー50には、ホスト60又は図示しないクロック信号生成回路から、データイネーブル信号DE、画像データD及びドットクロックDCLKが入力され、ロウドライバー30及びカラムドライバー40に対して、画像処理後の表示用の画像データDD、ドットクロックDCLK及び画像データDDに同期した表示タイミング制御信号を供給する。本実施形態では、表示タイミング制御信号として、例えば1水平走査期間を指定する水平同期信号HSYNC、1垂直走査期間を指定する垂直同期信号VSYNC、水平走査方向のスタートパルスSTH、垂直走査方向のスタートパルスSTV、ドットクロックDCLK等がある。
【0068】
バッファーコントローラー100は、データイネーブル信号DEやPLL回路102にからの同期クロックに同期してバッファーメモリー80に対してアクセス制御信号を出力し、バッファーメモリー80へのアクセス制御を行う。PLL回路102は、ドットクロックDCLKに基づいて、バッファーコントローラー100、ライトFIFO104及びリードFIFO106を同期させる同期クロックを生成し、これらに供給する。ライトFIFO104は、ホスト60からの画像データをバッファーメモリー80に格納するためのライトバッファーとして機能し、バッファーコントローラー100からの制御により、ホスト60からの画像データをバッファリングすると共に、バッファリングした画像データをバッファーメモリー80に出力する。リードFIFO106は、バッファーメモリー80から読み出した画像データのリードバッファーとして機能し、バッファーコントローラー100からの制御によりバッファーメモリー80から読み出した画像データをバッファリングすると共に、バッファリングした画像データを静止画連続検出回路110に出力する。
【0069】
静止画連続検出回路110は、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する。そのため、静止画連続検出回路110は、ライトFIFO104に入力されるホスト60からの画像データDを現フレームの画像データCDとし、リードFIFO106から出力される画像データを直前のフレームの画像データPDとして、現フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値との比較結果に基づいて、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。
【0070】
比較値設定レジスター122は、静止画連続検出回路110の検出条件指定レジスターとして機能し、このレジスターの設定値を検出条件として、静止画連続検出回路110は、静止画が連続しているか否かを検出する。このレジスターには、1画面内で、現フレームと、該現フレームの直前のフレームとの間で一致する領域又は不一致の領域が指定される。ここで、一致する領域又は不一致の領域とは、現フレームと直前のフレームとの間で一致する領域の面積又は該面積に対応した情報を意味する。そして、静止画連続検出回路110は、このレジスターに設定される領域における各画素の比較結果に基づいて、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。これにより、静止画として検出される精度を調整できるようになる。
【0071】
検出条件指定レジスターとしての比較値設定レジスター122には、1画面を分割した複数のブロックを構成する各ブロック内で現フレームと該現フレームの直前のフレームとの間で一致するブロック数が指定される。そして、静止画連続検出回路110は、ブロック単位で、現フレーム(当該フレーム)の画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値とを比較し、比較値設定レジスター122により指定されたブロック数を基準に、静止画のフレームが連続しているか否かを検出する。例えば、不一致と判定されたブロック数が比較値設定レジスター122により指定されたブロック数に達したら、静止画ではなく動画であると判定される。これにより、焼き付け防止制御によって発生する可能性のあるフリッカー等の画質劣化を抑えるように調整することができる。更に、静止画として検出される精度をブロック数により調整でき、より簡素に検出精度を調整できるようになる。
【0072】
更に、本実施形態では、閾値設定レジスター120を用いて、ブロック単位の一致判定又は不一致判定の精度を制御できるようになっている。例えば、閾値設定レジスター120には、ブロック内で不一致の画素数が指定され、ブロック内の不一致の画素数が閾値設定レジスター120に設定された画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定することができる。或いは、閾値設定レジスター120には、ブロック内で一致する画素数が指定され、ブロック内の一致する画素数が閾値設定レジスター120に設定された画素数以上のとき、当該ブロックが一致すると判定することができる。こうすることで、厳密な静止画の連続性の検出を行うことなく、許容範囲のノイズが有する静止画連続したときでも、動画と判定されてしまう事態を回避できるようになる。
【0073】
静止画連続検出回路110による検出結果に対応した検出結果信号matchは、インターバルタイマー130に入力される。インターバルタイマー130には、インターバルレジスター140が接続される。インターバルレジスター140には、複数の焼き付け防止制御の各焼き付け防止制御の実行開始タイミングのインターバル時間に対応した制御データが設定される。インターバルタイマー130は、検出結果信号matchにより静止画であるフレームが連続していることが検出されたこと条件に計時を開始し、インターバルレジスター140に設定されたインターバル時間が経過する毎に、複数のイネーブル信号のうち焼き付け防止制御に対応したイネーブル信号enをアクティブに変化させる。
【0074】
インターバルタイマー130からのイネーブル信号enは、モード制御回路150に入力される。モード制御回路150には、モード設定信号modeも入力されており、イネーブル信号enとモード設定信号modeとに基づいて、モードイネーブル信号menを出力する。モード設定信号modeは、複数の焼き付け防止制御のいずれを実施するかを指定する信号であり、例えばホスト60がタイミングコントローラー50の図示しない制御レジスターに設定することにより指定される。
【0075】
モード制御回路150からのモードイネーブル信号menは、画像データ制御回路170及び表示タイミング制御回路180に入力される。画像データ制御回路170は、ライトFIFO104に入力される画像データをモードイネーブル信号menに応じて制御することで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように静止画に対応した画像データを制御する。表示タイミング制御回路180は、タイミングコントローラー50に入力されたり内部で生成されたりした表示タイミング制御信号をモードイネーブル信号menに応じて制御することで、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように静止画に対応した画像データに同期する表示タイミング制御信号を制御する。
【0076】
ここで、タイミングコントローラー50の各部について詳細に説明する。
【0077】
図9に、図8の静止画連続検出回路110の構成例のブロック図を示す。なお、静止画連続検出回路110の構成は、図9に示す構成に限定されるものではない。図9では、図8の閾値設定レジスター120及び比較値設定レジスター122もあわせて図示している。
図10に、図9の第1のカウンター及び第2のカウンターの動作例のタイミング図を示す。
図11(A)、図11(B)に、図9の画像比較回路の動作説明図を示す。図11(A)、図11(B)は、所与の水平走査ラインを構成する各画素の画素値の一例を表す。
図12に、図9の比較結果管理部の動作説明図を示す。
【0078】
静止画連続検出回路110は、第1のカウンター112、第2のカウンター114、画像比較回路116、比較結果管理部118を含む。
【0079】
第1のカウンター112は、1垂直走査期間中の水平走査ライン数をカウント値vcとしてカウントするためのカウンターである。第2のカウンター114は、1水平走査ライン中の画素数をカウント値hcとしてカウントするためのカウンターである。カウント値vc、hcは、比較結果管理部118に入力される。図10に示すように、第1のカウンター112は、データイネーブル信号DEの立ち下がりでカウントアップを開始し、例えば垂直走査方向のスタートパルス等により生成されたリセット信号rstに基づいてカウント値を初期化する。また、図10に示すように、第2のカウンター114は、データイネーブル信号DEの立ち下がりを基準にドットクロックDCLKに同期してカウントアップを開始し、例えばデータイネーブル信号DEの立ち下がりでカウント値をリセットする。このような第1のカウンター112及び第2のカウンター114からのカウント値vc、hcにより、画像比較回路116において比較される画素が特定される。
【0080】
画像比較回路116は、現フレームの画像データCDと現フレームの直前のフレームの画像データPDとに基づいて、両画像を構成する各画素の画素値を比較することで、これらのフレーム間で静止画が連続しているか否かを判定する。画像比較回路116の比較結果は、比較結果管理部118に入力される。例えば画像比較回路116は、ドットクロックDCLKに同期して、図11(A)に示すように、画像データCD、PDの各画素の画素値を比較して両者の値が一致するか否かを比較する。図11(A)では、両画像が一致している例を表しており、図11(B)では、両画像が不一致である例を表している。
【0081】
比較結果管理部118は、第1のカウンター112からのカウント値vcと第2のカウンター114からのカウント値hcとに基づいて、画像比較回路116からの比較結果を、画像内の画素位置と関連付けて管理する。本実施形態では、1画面を複数のブロックに分割したブロック単位毎に、両画像が一致したか否かを、比較結果管理部118で管理する。そのため、比較結果管理部118は、順次更新されるカウント値vc、hcの上位ビットを参照して画像内のブロック位置を特定し、当該ブロック内で各画素が一致するか否かを管理する。例えば、比較結果管理部118は、図12に示すように、1画面を水平方向に8分割、垂直方向に4分割して得られたブロック毎に、不一致の画素が存在しているか否かを管理し、その管理結果に基づいて検出結果信号matchを生成する。
【0082】
更に、上記のように、比較結果管理部118は、比較値設定レジスター122に設定された比較値に対応した制御データに基づいて、検出結果信号matchを生成する。この比較値として、両画像が一致するブロック数が指定される。従って、全体のブロック数が分かっているので、比較値として一致するブロックの割合を指定できることを意味する。例えば、図12において、不一致の画素が存在するブロックがマーキングされ、比較値として「30」が指定された場合、比較結果管理部118は、両画像が一致しないことを意味する検出結果信号matchを出力し、比較値として「25」が指定された場合、比較結果管理部118は、両画像が一致することを指定する検出結果信号matchを出力する。比較結果管理部118は、このような検出結果信号matchを、内部の垂直同期信号vsyncのアクティブタイミングで変化させる。
【0083】
なお、比較値設定レジスター122に設定される比較値として、両画像が不一致のブロック数が指定されてもよい。この場合においても、全体のブロック数が分かっているので、比較値として不一致のブロックの割合を指定できることを意味する。例えば、図12において、不一致の画素が存在するブロックがマーキングされ、比較値として「3」が指定された場合、比較結果管理部118は、両画像が一致しないことを意味する検出結果信号matchを出力し、比較値として「5」が指定された場合、比較結果管理部118は、両画像が一致することを指定する検出結果信号matchを出力する。比較結果管理部118は、このような検出結果信号matchを、内部の垂直同期信号vsyncのアクティブタイミングで変化させる。
【0084】
また、比較結果管理部118は、閾値設定レジスター120に設定される制御データに基づいて、ブロック単位の一致判定又は不一致判定を行うことが望ましい。即ち、閾値設定レジスター120に設定された閾値に対応した制御データを基準に、両画像が一致するブロックであるか、両画像が不一致のブロックであるかを判定することが望ましい。こうすることで、ブロック内のノイズによる影響を無くして、フレーム間で静止画連続していることを検出できるようになる。
【0085】
なお、本実施形態では、静止画連続検出回路110が、ブロック単位で両画像を比較するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。静止画連続検出回路110が、両画像を画素単位で比較し、その比較結果に基づいて静止画が連続しているか否かを検出するようにしてもよい。この場合、静止画連続検出回路110は、比較値設定レジスター122に設定された比較値に対応した制御データを基準に、両画像を画素単位で比較した結果に基づいて、静止画が連続しているか否かを検出することが望ましい。
【0086】
図13に、図8のインターバルタイマー130及びモード制御回路150の構成例を示す。以下では、2ビットのモード設定信号mode[1:0]により単独の焼き付け防止制御又は複数の焼き付け防止制御の組み合わせが指定されるものとする。
図14に、図13のインターバルタイマー130の詳細な構成例を示す。
図15に、図13のインターバルタイマー130及びモード制御回路150の動作例のタイミング図を示す。
【0087】
インターバルタイマー130は、検出結果信号matchにより静止画が連続していると検出されている間、内部の垂直同期信号vsyncの数を計測する。図14に示すように、インターバルタイマー130は、第3のカウンター132、第4のカウンター134、カウンターデコーダー136を含み、このインターバルタイマー130には、インターバルレジスター140に設定された制御データitime[7:0]が入力される。第3のカウンター132は、内部の垂直同期信号vsyncに同期して検出結果信号matchにより静止画が連続していると検出されてから、所定時間毎に出力信号outを4回アクティブにする。この出力信号outは、第4のカウンター134のイネーブル端子に入力され、図15に示すように、制御データitime[7:0]に設定された時間を経過する毎に、内部信号ceが1ドットクロックの期間だけLレベルとなる。なお、図15では、60垂直走査期間毎に、内部信号ceが1ドットクロックの期間だけLレベルとなる例を表している。
【0088】
カウンターデコーダー136は、第4のカウンター134からの内部信号ceがLレベルとなる毎に、イネーブル信号en[0]、en[1]、en[2]、en[3]を順番にLレベルに変化させる。イネーブル信号en[3:0]は、モード制御回路150に入力される。このようなインターバルタイマー130の第3のカウンター132、第4のカウンター134及びカウンターデコーダー136では、検出結果信号matchが同期リセット端子srstに入力され、検出結果信号matchにより静止画が連続しないと検出されると、内部状態が初期化されるようになっている。
【0089】
図13に示すように、モード制御回路150は、モードデコーダー152と、組み合わせ回路154とを含む。モードデコーダー152には、モード設定信号[1:0]、内部の垂直同期信号vsync、検出結果信号match等が入力される。モード設定信号[1:0]は、4種類の焼き付け防止制御のいずれか、又は組み合わせの指定をエンコードした信号である。
【0090】
図16に、図13のモードデコーダー152の動作説明図を示す。
【0091】
モードデコーダー152は、検出結果信号matchにより静止画が連続していることが検出されたとき、例えば内部の垂直同期信号vsyncに同期して、モード設定信号mode[1:0]を、図16に示すように4ビットのモード設定デコード信号m[3:0]にデコードする。モード設定デコード信号m[3:0]は、各ビットの信号は4種類の焼き付け防止制御の1つに対応している。各ビットの信号は、「0」のとき、これに対応する焼き付け防止制御は実行されず、「1」のとき、これに対応する焼き付け防止制御は実行される。従って、モード設定デコード信号m[3:0]のうち少なくとも2つのビットが「1」のとき、同時に焼き付け防止制御が実行される。図15は、モード設定信号mode[1:0]が2´b01である例を示している。
【0092】
モード制御回路150は、組み合わせ回路154において、モード設定デコード信号m[3:0]とイネーブル信号en[3:0]の各ビット同士を演算することで、モードイネーブル信号men[3:0]を出力する。その結果、図15に示すように、イネーブル信号enがアクティブとなったモード設定デコード信号mがLレベルとなり、これらに対応した焼き付け防止制御が実行されるようになる。
【0093】
以上のようにして生成されたモードイネーブル信号men[3:0]は、図8に示すように表示制御回路160に入力される。
【0094】
図17に、図8の表示制御回路160の画像データ制御回路170及び表示タイミング制御回路180の構成例のブロック図を示す。図17では、図8において図示されないタイミングコントローラー50内の表示タイミング生成回路190もあわせて図示している。なお、図17では、4種類の焼き付け防止制御のそれぞれに対して焼き付け防止回路が設けられ、それぞれが画像データ又は表示タイミング制御信号を制御するものとして模式的に示したが、画像データ又は表示タイミング制御信号を制御することなく焼き付け防止制御を行うことができる場合には、前段からの画像データ又は表示タイミング制御信号が焼き付け防止回路を通ってそのまま後段に出力されるようにしてもよい。この場合、画像データ又は表示タイミング制御信号の制御を行わない焼き付け防止回路を、図17の構成から省略した構成を採用してもよい。
【0095】
画像データ制御回路170は、第1の画像用焼き付け防止回路172、第2の画像用焼き付け防止回路174、第3の画像用焼き付け防止回路176、第4の画像用焼き付け防止回路178を含む。第1の画像用焼き付け防止回路172、第2の画像用焼き付け防止回路174、第3の画像用焼き付け防止回路176、及び第4の画像用焼き付け防止回路178は直列に接続されており、第1の画像用焼き付け防止回路172には、現フレームの画像データCDと直前のフレームの画像データPDとが入力され、焼き付け防止制御を行う場合には画像データPDに対して所定の制御を行い、焼き付け防止制御を行わない場合には画像データCDをそのまま出力する。残りの各画像用焼き付け防止回路は、前段で制御された画像データに対して制御を行う。このとき、各画像用焼き付け防止回路には、対応するモードイネーブル信号menが入力されており、該モードイネーブル信号menがアクティブのとき、各画像用焼き付け防止回路特有の制御を行い、該モードイネーブル信号menが非アクティブのとき、前段からの画像データをそのまま後段の焼き付け防止回路に出力するようになっている。
【0096】
表示タイミング生成回路190は、内部の水平同期信号hsync、内部の垂直同期信号vsync、内部の水平走査方向のスタートパルスsth、内部の垂直走査方向のスタートパルスstvを生成し、これらを表示タイミング制御回路180に出力する。
【0097】
表示タイミング制御回路180は、第1のタイミング用焼き付け防止回路182、第2のタイミング用焼き付け防止回路184、第3のタイミング用焼き付け防止回路186、第4のタイミング用焼き付け防止回路188を含む。第1のタイミング用焼き付け防止回路182、第2のタイミング用焼き付け防止回路184、第3のタイミング用焼き付け防止回路186、及び第4のタイミング用焼き付け防止回路188は直列に接続されており、第1のタイミング用焼き付け防止回路182には、表示タイミング生成回路190によって生成された内部の水平同期信号hsync、内部の垂直同期信号vsync、内部の水平走査方向のスタートパルスsth、及び内部の垂直走査方向のスタートパルスstvが入力され、これらの表示タイミング制御信号に対して所定の制御を行う。残りの各タイミング用焼き付け防止回路は、前段で制御された表示タイミング制御信号に対して制御を行う。このとき、各タイミング用焼き付け防止回路には、対応するモードイネーブル信号menが入力されており、該モードイネーブル信号menがアクティブのとき、各タイミング用焼き付け防止回路特有の制御を行い、該モードイネーブル信号menが非アクティブのとき、前段からの表示タイミング制御信号をそのまま後段の焼き付け防止回路に出力するようになっている。
【0098】
第1の画像用焼き付け防止回路172及び第1のタイミング用焼き付け防止回路182は、図4の第1の焼き付け防止制御回路162の機能を実現し、これらが画像データ及び表示タイミング制御信号を制御することで第1のモードの焼き付け防止制御を行う。第2の画像用焼き付け防止回路174及び第2のタイミング用焼き付け防止回路184は、図4の第2の焼き付け防止制御回路164の機能を実現し、これらが画像データ及び表示タイミング制御信号を制御することで第2のモードの焼き付け防止制御を行う。第3の画像用焼き付け防止回路176及び第3のタイミング用焼き付け防止回路186は、図4の第3の焼き付け防止制御回路166の機能を実現し、これらが画像データ及び表示タイミング制御信号を制御することで第3のモードの焼き付け防止制御を行う。第4の画像用焼き付け防止回路178及び第4のタイミング用焼き付け防止回路188は、図4の第4の焼き付け防止制御回路168の機能を実現し、これらが画像データ及び表示タイミング制御信号を制御することで第4のモードの焼き付け防止制御を行う。
【0099】
このような構成により、画像データ制御回路170及び表示タイミング制御回路180は、静止画連続検出回路110の検出結果に基づいて、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように表示タイミング制御信号を制御することができる。
【0100】
次に、各モードにおける画像データ及び表示タイミング制御の制御例について具体的に説明する。
【0101】
<第1のモード>
図18(A)、図18(B)に、第1のモードにおける上シフトの制御例のタイミング図を示す。図18(A)、図18(B)は、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDD、スタートパルスSTHを表す。また、図18(A)は、ライン数n(nは2以上の整数)の画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図18(B)は、ライン数nの画面を表示する場合の第1のモードにおける上シフトの制御例のタイミングを表す。
【0102】
上シフトの場合、画像データ制御回路170の第1の画像用焼き付け防止回路172は、リードFIFO106からの画像データの読み出し制御を変更することなく、表示タイミング制御回路180の第1のタイミング用焼き付け防止回路182は、水平走査方向のスタートパルスSTH又は垂直走査方向のスタートパルスSTVを1ライン分遅延させる制御を行う。なお、第1の画像用焼き付け防止回路172は、最後のnライン目の1ラインは、例えば画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ラインを表示させるように画像データを制御する。これにより、図18(B)に示すように、図18(A)の1ライン目が非表示となり、最後のラインに黒ラインが表示される。
【0103】
図19(A)、図19(B)に、第1のモードにおける右シフトの制御例のタイミング図を示す。図19(A)、図19(B)は、図18(A)、図18(B)と同様に、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDD、スタートパルスSTHを表す。また、図19(A)は、1ラインがn(nは2以上の整数)ドットで構成される画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図19(B)は、1ラインがnドットで構成される画面をライン数nの画面を表示する場合の第1のモードにおける右シフトの制御例のタイミングを表す。
【0104】
右シフトの場合、画像データ制御回路170の第1の画像用焼き付け防止回路172は、リードFIFO106からの画像データの読み出しを1ドットクロック分遅延させて読み出し制御を行う。或いは、表示タイミング制御回路180の第1のタイミング用焼き付け防止回路182は、水平走査方向のスタートパルスSTHを1ドットクロック分早めて出力する制御を行う。例えば図19(B)では、第1の画像用焼き付け防止回路172が、スタートパルスSTHを1ドットクロック分早めて各ラインの1ドット目を、例えば画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ドットとなるように画像データを制御することで、図19(A)に示した各ラインの最後のドットが非表示となり、各ラインの1ドット目に例えば黒ドットを表示させることができる。
【0105】
図20(A)、図20(B)に、第1のモードにおける下シフトの制御例のタイミング図を示す。図20(A)、図20(B)は、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDD、スタートパルスSTHを表す。また、図20(A)は、ライン数n(nは2以上の整数)の画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図20(B)は、ライン数nの画面を表示する場合の第1のモードにおける下シフトの制御例のタイミングを表す。
【0106】
下シフトの場合、画像データ制御回路170の第1の画像用焼き付け防止回路172は、リードFIFO106からの画像データの読み出し制御を変更することなく、表示タイミング制御回路180の第1のタイミング用焼き付け防止回路182もまた、表示タイミング制御信号の制御を行わない。ただ、第1の画像用焼き付け防止回路172は、1ライン目に、例えば画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ラインを表示させるように画像データを制御し、ラインメモリーに該画像データを保持して、1ライン遅れで制御後の画像データを出力する。これにより、図20(B)に示すように、図20(A)の1ライン目に黒ラインが表示され、図20(A)に示した最後のラインから1つ前のラインを最終ラインとして表示とすることができる。
【0107】
図21(A)、図21(B)に、第1のモードにおける左シフトの制御例のタイミング図を示す。図21(A)、図21(B)は、図18(A)、図18(B)と同様に、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDD、スタートパルスSTHを表す。また、図21(A)は、1ラインがn(nは2以上の整数)ドットで構成される画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図21(B)は、1ラインがnドットで構成される画面をライン数nの画面を表示する場合の第1のモードにおける左シフトの制御例のタイミングを表す。
【0108】
左シフトの場合、画像データ制御回路170の第1の画像用焼き付け防止回路172は、リードFIFO106からの画像データの読み出しを1ドットクロック分早めて読み出し制御を行う。或いは、表示タイミング制御回路180の第1のタイミング用焼き付け防止回路182は、水平走査方向のスタートパルスSTHを1ドットクロック分遅延させて出力する制御を行う。例えば図21(B)では、第1の画像用焼き付け防止回路172が、スタートパルスSTHを1ドットクロック分遅延させて各ラインの最後のドットを例えば画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ドットとして表示されるように画像データを制御することで、図21(A)に示した各ラインの最初のドットが非表示となり、各ラインの最後のドットに例えば黒ドットを表示させることができる。
【0109】
第1の画像用焼き付け防止回路172は、以上のような画像データの制御を行う4方向のシフトを順次行うことを繰り返すことができるようになっている。第1のタイミング用焼き付け防止回路182もまた、以上のような表示タイミング制御信号の制御を行う4方向のシフトを順次行うことを繰り返すことができるようになっている。
【0110】
<第2のモード>
図22(A)、図22(B)に、第2のモードにおける制御例のタイミング図を示す。図22(A)、図22(B)は、内部の垂直同期信号vsync、内部のフレーム判別信号foe、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDDを表す。また、図22(A)は、ライン数n(nは2以上の整数)の画面を表示する場合のプログレッシブ走査時の制御例のタイミングを表し、図22(B)は、ライン数nの画面を表示する場合の第2のモードにおけるインターレース走査時の制御例のタイミングを表す。
【0111】
ここで、例えば表示タイミング生成回路190が、データイネーブル信号DEがLレベルである期間が所定期間より長い場合に垂直ブランキング期間として検出すると共に、内部の垂直同期信号vsyncを生成する。また、フレーム判別信号foeは、垂直同期信号vsync毎に反転し、奇数フレームであるか偶数フレームであるかを示す信号である。
【0112】
第2のモードでは、プログレッシブ走査時には、偶数フレームであるか奇数フレームであるかにかかわらず、画像の各ラインを表示する。これに対して、インターレース走査時に切り替えられたときには、フレーム判別信号foeにより、例えば偶数フレームであることが示されているときには偶数ラインを表示し、奇数フレームであることが示されているときには奇数ラインを表示する。より具体的には、整数p、qに対してf=2×p、h=2×qとすると、第2の画像用焼き付け防止回路174は、fフレームの(h+1)ラインでは、画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ラインを生成し、(f+1)フレームのhラインでは、同様の黒ラインを生成する。これにより、図22(B)に示すように、例えば偶数フレームであることが示されているときには偶数ラインを表示し、奇数フレームであることが示されているときには奇数ラインを表示して、インターレース走査を実現できる。
【0113】
第2の画像用焼き付け防止回路174は、プログレッシブ走査においては通常通り画像データを出力し、第2のインターバル時間経過したときにインターレース走査に切り替えられたときに、以上のような画像データの制御を行う。
【0114】
<第3のモード>
図23(A)、図23(B)、図23(C)、図23(D)に、第3のモードにおける制御例のタイミング図を示す。図23(A)、図23(B)、図23(C)、図23(D)は、内部のデータイネーブル信号DE、ドットクロックDCLK、出力する画像データDDを表す。図23(A)は、通常動作時の偶数フレームの制御例を表し、図23(B)は、通常動作時の奇数フレーム制御例を表す。図23(C)は、1ドットおきに制御する場合の偶数フレームの制御例を表し、図23(D)は、1ドットおきに制御する場合の奇数フレームの制御例を表す。
【0115】
第3のモードでは、通常動作時には、偶数フレームであるか奇数フレームであるかにかかわらず、画像の各ラインを表示する。これに対して、1ドットおきに制御する場合には、整数p、q、rに対してf=2×p、h=2×q、d=2×rとすると、第3の画像用焼き付け防止回路176は、fフレームのhラインのdドットの画像データとして、画像データを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒ドットの画像データを生成し、fフレームの(h+1)ラインの(d+1)ドットの画像データとして黒ドットの画像データを生成し、(f+1)フレームのhラインの(d+1)ドットの画像データとして黒ドットの画像データを生成し、(f+1)ラインの(h+1)ラインのdドットの画像データとして黒ドットの画像データを生成する。これにより、図23(C)及び図23(D)に示すように、例えば偶数フレームでは、偶数ラインの偶数ドットと奇数ラインの奇数ドットを黒ドットとして表示とすることができ、奇数フレームでは、偶数ラインの奇数ドットと奇数ラインの偶数ドットを黒ドットとして表示することができる。
【0116】
第3の画像用焼き付け防止回路176は、通常動作時には通常通り画像データを出力したり、上記のような制御後の画像データを出力したりすることを繰り返すことができる。なお、第3のモードにおいて、第2のモードと同様に偶数フレームと奇数フレームの判別を行うことができる。
【0117】
<第4のモード>
図24(A)、図24(B)に、第4のモードにおける制御例のタイミング図を示す。図24(A)、図24(B)は、内部のデータイネーブル信号DE、出力する画像データDDを表す。図23(A)は、ライン数n(nは2以上の整数)の画面を表示する場合の通常動作時の制御例のタイミングを表し、図23(B)は、ライン数nの画面を表示する場合の第3のモードにおける制御例のタイミングを表す。なお、図23(B)では、1/2フレーム間引きの例を示しているが、1/3フレーム間引きで2/3フレーム表示を行ったり、1/4フレーム間引きで3/4フレーム表示を行ったり、1/5フレーム間引きで4/5フレーム表示を行ってもよい。
【0118】
第4のモードでは、通常動作時には、偶数フレームであるか奇数フレームであるかにかかわらず、画像の各ラインを表示する。これに対して、第4の画像用焼き付け防止回路178は、偶数フレームのみを元の画像の画素値のまま画像データを出力し、奇数フレームのみ画像全体の全ドットとして画像データとして、各ドットを構成するR成分、G成分及びB成分の画素値がそれぞれ「0」の黒画像の画像データを生成して出力する。これにより、図24(B)に示すように、奇数フレームでは黒画像が表示され、実質的にフレームレートが半分になる。なお、その他のフレーム間引きの場合には、間引いたフレームにおいて黒画像を適宜挿入することで実現できる。
【0119】
第4の画像用焼き付け防止回路178は、通常動作時には通常通り画像データを出力したり、上記のような制御後の画像データを出力したりすることを繰り返すことができる。
【0120】
以上説明したように、本実施形態では、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出し(静止画連続検出ステップ)、静止画のフレームが連続していることが検出されている間、所与の時間を置いて前記画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように前記静止画に対応した画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して出力する(表示制御ステップ)ことができる。本実施形態によれば、表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出し、静止画のフレームが連続していることが検出されている間、所与の時間を置いて画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように静止画に対応した画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して出力することができる。これにより、OLEDを用いた表示パネルの表示画像の画質の劣化を招くことなく、低消費電力で、且つ、効率的に、いわゆる焼き付き現象を軽減できるようになる。
【0121】
本実施形態における表示システム10は、例えば次のような電子機器に適用することができる。
【0122】
図25(A)、図25(B)に、本実施形態における表示システム10が適用された電子機器の構成を示す斜視図を示す。図25(A)は、モバイル型のパーソナルコンピューターの構成の斜視図を表す。図25(B)は、携帯電話機の構成の斜視図を表す。
【0123】
図25(A)に示すパーソナルコンピューター800は、本体部810と、表示部820とを含む。表示部820として、本実施形態における表示システム10が実装される。本体部810は、表示システム10のうちホスト60を含み、この本体部810にはキーボード830が設けられる。即ち、パーソナルコンピューター800は、少なくとも上記の実施形態におけるタイミングコントローラー50を含んで構成される。キーボード830を介した操作情報がホスト60によって解析され、その操作情報に応じて表示部820に画像が表示される。この表示部820は、OLEDを表示素子としているため、視野角が広い画面を有するパーソナルコンピューター800を提供できる。
【0124】
図25(B)に示す携帯電話機900は、本体部910と、表示部920とを含む。表示部920として、本実施形態における表示システム10が実装される。本体部910は、表示システム10のうちホスト60を含み、この本体部910にはキーボード930が設けられる。即ち、携帯電話機900は、少なくとも上記の実施形態におけるタイミングコントローラー50を含んで構成される。キーボード930を介した操作情報がホスト60によって解析され、その操作情報に応じて表示部920に画像が表示される。この表示部920は、OLEDを表示素子としているため、視野角が広い画面を有する携帯電話機900を提供できる。
【0125】
なお、本実施形態における表示システム10が適用された電子機器として、図25(A)、図25(B)に示すものに限定されるものではなく、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS(Point of sale system)端末、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0126】
以上、本発明に係る画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法等を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0127】
(1)本実施形態では、焼き付け防止制御として4種類の例を示したが、焼き付け防止制御の内容や種類に限定されるものではなく、複数の焼き付け防止制御を同時に実行できるものであればよい。
【0128】
(2)本実施形態では、図1〜図3に示す構成を有するOLEDが適用された表示システムを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0129】
(3)本実施形態における静止画連続検出回路110は、図9に示す構成のものに限定されない。即ち、本実施形態は、静止画が連続していることを検出する手法に限定されるものではない。
【0130】
(4)本実施形態では、焼き付け防止制御として、1ドット又は1走査ライン単位でシフトさせていたが、これに限定されるものではなく、1画素、複数ドット、又は複数走査ライン単位でシフトさせるようにしてもよい。
【0131】
(5)本実施形態において、本発明を、画像処理装置、表示システム、電子機器及び画像処理方法等として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記の画像処理方法の処理手順が記述されたプログラムや、該プログラムが記録された記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0132】
10…表示システム、 20…表示パネル、 30…ロウドライバー、
40…カラムドライバー、 50…タイミングコントローラー、 60…ホスト、
70…電源回路、 80…バッファーメモリー、 100…バッファーコントローラー、
102…PLL回路、 104…ライトFIFO、 106…リードFIFO、
110…静止画連続検出回路、 112…第1のカウンター、
114…第2のカウンター、 116…画像比較回路、 118…比較結果管理部、
120…閾値設定レジスター、 122…比較値設定レジスター、
130…インターバルタイマー、 132…第3のカウンター、
134…第4のカウンター、 136…カウンターデコーダー、
140…インターバルレジスター、 150…モード制御回路、
152…モードデコーダー、 154…組み合わせ回路、 160…表示制御回路、
162…第1の焼き付け防止制御回路、 164…第2の焼き付け防止制御回路、
166…第3の焼き付け防止制御回路、 168…第4の焼き付け防止制御回路、
170…画像データ制御回路、 172…第1の画像用焼き付け防止回路、
174…第2の画像用焼き付け防止回路、 176…第3の画像用焼き付け防止回路、
178…第4の画像用焼き付け防止回路、 180…表示タイミング制御回路、
182…第1のタイミング用焼き付け防止回路、
184…第2のタイミング用焼き付け防止回路、
186…第3のタイミング用焼き付け防止回路、
188…第4のタイミング用焼き付け防止回路、 800…パーソナルコンピューター、
810,910…本体部、 820,920…表示部、 830,930…キーボード、
900…携帯電話機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理装置であって、
当該フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御回路と、
前記第1の焼き付け防止制御回路とは異なる制御で前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御回路とを含み、
前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、
同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の焼き付け防止制御回路による第1の制御開始タイミングと前記第2の焼き付け防止制御回路による第2の制御開始タイミングとのインターバル時間に対応した制御データが設定されるインターバルレジスターを含み、
前記第1の焼き付け防止制御回路により前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御が開始され、前記インターバルレジスターに設定されたインターバル時間が経過した後、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する静止画連続検出部を含み、
前記静止画連続検出部によって静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御を開始することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記静止画連続検出部は、
当該フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値との比較結果に基づいて、静止画のフレームが連続しているか否かを検出することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4において、
1画面を分割した複数のブロックを構成する各ブロック内で、前記当該フレームと前記直前のフレームとの間で一致するブロック数が指定される検出条件指定レジスターを含み、
前記静止画連続検出部は、
ブロック単位で、当該フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値とを比較し、前記検出条件指定レジスターにより指定されたブロック数を基準に、静止画のフレームが連続しているか否かを検出することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記ブロック内で一致又は不一致の画素数が指定される閾値設定レジスターを含み、
前記静止画連続検出部は、
前記ブロック内で一致する画素数が前記閾値設定レジスターに設定された画素数以上のとき、又は前記ブロック内で不一致の画素数が前記閾値設定レジスターに設定された画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、
第1のインターバル時間経過後に元の表示画像に対して1ドットシフトさせる第1のモード、第2のインターバル時間経過毎にインターレース走査とプログレッシブ走査とを切り替える第2のモード、1ドット毎にフレームレートを低下させる第3のモード、又は所与のフレーム毎に画像表示を間引く第4のモードのうち少なくとも1つのモードにより、所与の時間を置いて前記画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1のモードは、
元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の垂直走査方向に1走査ラインだけシフトする第1のシフト、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の水平走査方向に1画素だけシフトする第2のシフト、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の前記第1の垂直走査方向と反対方向に1走査ラインだけシフトする第3のシフト、及び元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の水平走査方向と反対方向に1ドットだけシフトする第4のシフトを、所与の時間経過毎に順次繰り返し行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
複数のロウ信号線と、前記複数のロウ信号線と交差して設けられる複数のカラム信号線と、前記複数のロウ信号線のいずれかと前記複数のカラム信号線のいずれかとにより特定され駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子とを有する表示パネルと、
前記複数のロウ信号線を駆動するロウドライバーと、
前記複数のカラム信号線を駆動するカラムドライバーと、
前記ロウドライバー及び前記カラムドライバーに前記表示制御信号を出力すると共に、前記カラムドライバーに前記画像データを出力する請求項1乃至9のいずれか記載の画像処理装置とを含むことを特徴とする表示システム。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか記載の画像処理装置を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理方法であって、
当該フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御ステップと、
前記第1の焼き付け防止制御ステップとは異なる制御で前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御ステップとを含み、
前記第1の焼き付け防止制御ステップ及び前記第2の焼き付け防止制御ステップは、
同一フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける第1の制御開始タイミングと前記第2の焼き付け防止制御ステップにおける第2の制御開始タイミングとのインターバルを設定するインターバル設定ステップを含み、
前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御が開始され、前記インターバル設定ステップにおいて設定されたインターバルが経過した後、前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける及び前記第2の焼き付け防止制御ステップにおけるは、同一フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御することを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
請求項11又は12において、
表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する静止画連続検出ステップを含み、
前記静止画連続検出ステップにおいて静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、前記第1の焼き付け防止制御ステップ及び前記第2の焼き付け防止制御ステップは前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御を開始することを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記検出条件指定ステップは、
前記ブロック内で一致又は不一致の画素数を指定し、
前記静止画連続検出ステップは、
前記ブロック内で一致する画素数が前記検出条件指定ステップにおいて指定されたブロック内で一致する画素数以上のとき、又は前記ブロック内で不一致の画素数が前記検出条件指定ステップにおいて指定されたブロック内で不一致の画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定することを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理装置であって、
当該フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御回路と、
前記第1の焼き付け防止制御回路とは異なる制御で前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御回路とを含み、
前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、
同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の焼き付け防止制御回路による第1の制御開始タイミングと前記第2の焼き付け防止制御回路による第2の制御開始タイミングとのインターバル時間に対応した制御データが設定されるインターバルレジスターを含み、
前記第1の焼き付け防止制御回路により前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御が開始され、前記インターバルレジスターに設定されたインターバル時間が経過した後、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、同一フレームの画像データ又は該画像データに対応した表示タイミング制御信号を制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する静止画連続検出部を含み、
前記静止画連続検出部によって静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御を開始することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記静止画連続検出部は、
当該フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値との比較結果に基づいて、静止画のフレームが連続しているか否かを検出することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項4において、
1画面を分割した複数のブロックを構成する各ブロック内で、前記当該フレームと前記直前のフレームとの間で一致するブロック数が指定される検出条件指定レジスターを含み、
前記静止画連続検出部は、
ブロック単位で、当該フレームの画像を構成する各画素の画素値と直前のフレーム画像を構成する各画素の画素値とを比較し、前記検出条件指定レジスターにより指定されたブロック数を基準に、静止画のフレームが連続しているか否かを検出することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記ブロック内で一致又は不一致の画素数が指定される閾値設定レジスターを含み、
前記静止画連続検出部は、
前記ブロック内で一致する画素数が前記閾値設定レジスターに設定された画素数以上のとき、又は前記ブロック内で不一致の画素数が前記閾値設定レジスターに設定された画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記第1の焼き付け防止制御回路及び前記第2の焼き付け防止制御回路は、
第1のインターバル時間経過後に元の表示画像に対して1ドットシフトさせる第1のモード、第2のインターバル時間経過毎にインターレース走査とプログレッシブ走査とを切り替える第2のモード、1ドット毎にフレームレートを低下させる第3のモード、又は所与のフレーム毎に画像表示を間引く第4のモードのうち少なくとも1つのモードにより、所与の時間を置いて前記画像を構成する各画素が異なる輝度で表示されるように前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を出力することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1のモードは、
元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の垂直走査方向に1走査ラインだけシフトする第1のシフト、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の水平走査方向に1画素だけシフトする第2のシフト、元の表示画像に対して前記表示装置の画面の前記第1の垂直走査方向と反対方向に1走査ラインだけシフトする第3のシフト、及び元の表示画像に対して前記表示装置の画面の第1の水平走査方向と反対方向に1ドットだけシフトする第4のシフトを、所与の時間経過毎に順次繰り返し行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
複数のロウ信号線と、前記複数のロウ信号線と交差して設けられる複数のカラム信号線と、前記複数のロウ信号線のいずれかと前記複数のカラム信号線のいずれかとにより特定され駆動電流に応じた輝度で発光する複数の発光素子とを有する表示パネルと、
前記複数のロウ信号線を駆動するロウドライバーと、
前記複数のカラム信号線を駆動するカラムドライバーと、
前記ロウドライバー及び前記カラムドライバーに前記表示制御信号を出力すると共に、前記カラムドライバーに前記画像データを出力する請求項1乃至9のいずれか記載の画像処理装置とを含むことを特徴とする表示システム。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか記載の画像処理装置を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
表示装置に表示される画像の表示制御を行う画像処理方法であって、
当該フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第1の焼き付け防止制御ステップと、
前記第1の焼き付け防止制御ステップとは異なる制御で前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号を制御して、前記画像を構成する各画素が所与の時間をおいて異なる輝度で表示するように制御を行う第2の焼き付け防止制御ステップとを含み、
前記第1の焼き付け防止制御ステップ及び前記第2の焼き付け防止制御ステップは、
同一フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける第1の制御開始タイミングと前記第2の焼き付け防止制御ステップにおける第2の制御開始タイミングとのインターバルを設定するインターバル設定ステップを含み、
前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御が開始され、前記インターバル設定ステップにおいて設定されたインターバルが経過した後、前記第1の焼き付け防止制御ステップにおける及び前記第2の焼き付け防止制御ステップにおけるは、同一フレームの画像データ又は該画像データに基づく表示タイミング制御信号を制御することを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
請求項11又は12において、
表示すべき画像が静止画であるフレームが連続しているか否かを検出する静止画連続検出ステップを含み、
前記静止画連続検出ステップにおいて静止画のフレームが連続していることが検出されていることを条件に、前記第1の焼き付け防止制御ステップ及び前記第2の焼き付け防止制御ステップは前記画像データ又は前記表示タイミング制御信号の制御を開始することを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記検出条件指定ステップは、
前記ブロック内で一致又は不一致の画素数を指定し、
前記静止画連続検出ステップは、
前記ブロック内で一致する画素数が前記検出条件指定ステップにおいて指定されたブロック内で一致する画素数以上のとき、又は前記ブロック内で不一致の画素数が前記検出条件指定ステップにおいて指定されたブロック内で不一致の画素数以下のとき、当該ブロックが一致すると判定することを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−39420(P2011−39420A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188945(P2009−188945)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]