説明

画像処理装置およびシート給送構造

【課題】重送防止機能の精度を確保しつつ、従来と比較して出荷時の調整作業や修理のための作業を容易化する。
【解決手段】シートを搬送するための搬送路と、搬送路に沿って搬送されるシートに対して所定の処理を行う処理部とを有する装置本体2と、装置本体2に着脱可能に設けられた重送検出ユニット10とを備えた構成とし、重送検出ユニット10には、搬送路に連続して設けられるシート通過部と、シート通過部に臨ませて設けられた超音波発信器と、シート通過部を挟んで前記超音波発信器に対向して設けられた超音波受信器と、を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小切手等のシートに印刷やスキャンによる画像読み取りなどの画像処理を行うための画像処理装置に係り、特にこうした画像処理装置に用いられるシートの給送構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の給送構造には、複数枚のシートが同時に搬送されること(重送)を防止するための仕組みが設けられている。特許文献1には、こうした重送防止のための仕組みの一例が示されている。特許文献1の給紙装置では、紙搬送経路に臨ませて設けられたフィードローラーの上下流に、送信側超音波センサーおよび受信側超音波センサーが紙搬送経路を挟んで対向した状態で、それぞれ配置されている。シートの重送検知を行うためには、まず、送信側超音波センサーの出力を停止した場合における受信側超音波センサーの出力値を測定し、この出力値に所定の補正値を加えた値を、重送検知のための閾値として設定する。そして、当該閾値と受信側超音波センサーからの出力値とを比較して、シート搬送時に重送が生じたか否かを判断するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−269241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした重送検知のための構成においては、受信センサーにおける検出レベルが、受信センサーおよび発信センサーの性能のばらつきや、取り付け状態に大きく依存する場合がある。このような場合、重送検知のための閾値を正確に決定しようとすると、装置ごとにセンサーの調整や閾値調整のための制御処理が必要となり、出荷時の作業が煩雑となってしまう。また、センサー類が故障した場合には、故障センサーの交換とともにセンサーの調整作業もやり直す必要があることから、修理に時間を要することとなる。
【0005】
特に、特許文献1のようにセンサーとして超音波センサーを使用した場合には、受信センサーにおいては微細なレベルの超音波を検出する必要があることから、調整作業の煩雑さが一層顕著となってしまう。
【0006】
そこで本発明は、重送防止機能の精度を確保しつつ、従来と比較して出荷時の調整作業や修理のための作業が容易な画像処理装置およびシート給送構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下のような適用例として実現することができる。
【0008】
(適用例1)シートを搬送するための搬送路と、前記搬送路に沿って搬送される前記
シートに対して所定の処理を行う処理部とを有する装置本体と、前記装置本体に着脱可能に設けられた重送検出ユニットと、を備えた画像処理装置であって、前記重送検出ユニットは、前記搬送路に連続して設けられるシート通過部と、前記シート通過部に臨ませて設けられた超音波発信器と、前記シート通過部を挟んで前記超音波発信器に対向して設けられた超音波受信器と、を備えている。
このような構成により、重送検出ユニットを別工程において組立て、超音波発信器や受信器の取り付け状態の設定や回路調整等の作業を行うことが可能となる。
【0009】
(適用例2)適用例1の画像処理装置であって、前記重送検出ユニットは、さらに、前記シート通過部を通じて前記シートを前記搬送路に給送するための給送機構を備えている。
このような構成により、重送検出ユニット単体で、給送機構の特性のばらつきに応じた調整作業を行うことができる。
【0010】
(適用例3)適用例2に記載の画像処理装置であって、前記超音波発信器及び前記超音波受信器は、前記搬送路において前記給送機構よりも下流側かつ前記処理部よりも上流側に配置されている。
このような構成により、重送が発生してすぐに重送を検出することができ、重送検出時に処理部で処理される前にシートの搬送を停止することができる。
【0011】
(適用例4)適用例3に記載の画像処理装置であって、前記超音波発信器及び前記超音波受信器は、前記処理部よりも前記給送機構に近い側に配置されている。
このような構成により、重送を検出してから処理部を停止するまでの時間的猶予を確保することができ、シートの搬送速度が速い場合でも重送検出時に確実に処理部で処理される前にシートの搬送を停止することができる。
【0012】
(適用例5)適用例1から4のいずれか一つの画像処理装置であって、前記超音波発信器及び前記超音波受信器よりも下流側かつ前記前記処理部よりも上流側には、少なくとも一つの搬送ローラーが配置されている。
このような構成により、重送発生時に搬送ローラーにより処理部へシートが侵入する前にシートを停止させることができる。
【0013】
(適用例6)適用例1から5のいずれか一つの画像処理装置であって、前記処理部は、前記シートに印刷を行う印刷ユニットと、前記シートの情報を読み取る読み取りユニットと、を有し、前記読み取りユニットは前記搬送路において、前記印刷ユニットよりも上流側かつ前記超音波発信器及び前記超音波受信器よりも下流側に配置されている。
このような構成により、重送発生時にシートに印刷が施されてしまう前にシートを停止させる時間的猶予が確保され、シートに印刷されてしまうことを防止することができる。
【0014】
(適用例7)適用例2から4のいずれか一つの画像処理装置であって、前記重送検出ユニットは、さらに、前記給送機構を駆動する駆動部を備えている。
このような構成により、重送検知に際して駆動部の発する音や振動がノイズとして作用する場合においても、重送検出ユニット単体で、これらのノイズの発生特性に応じた超音波受信器の出力レベルの調整を行うことが可能となる。
【0015】
(適用例8)適用例2から4及び7のいずれか一つの画像処理装置であって、前記重送検出ユニットは、さらに、前記シートを収容するホッパーを備え、前記給送機構は、前記ホッパーに収容された前記シートを前記搬送路に給送する。
このような構成により、重送検出ユニット単体で、ホッパーにおけるシートの擦れ音などの特性に応じて、超音波受信器の出力レベルの調整を行うことができる。
【0016】
(適用例9)適用例1から8のいずれか一つの画像処理装置であって、前記重送検出ユニットは、さらに、前記超音波受信器の出力信号に所定の処理を行う受信側回路部を備えている。
このような構成により、重送検出ユニット単体で、受信器に係る回路の調整が可能となる。
【0017】
(適用例10)適用例9の画像処理装置であって、前記受信側回路部は、前記重送検出ユニットにおいて外側に面する位置に設けられている。
このような構成により、重送検出ユニット単体での受信側回路の調整作業を容易に行うことができる。
【0018】
(適用例11)適用例9または10の画像処理装置であって、前記受信側回路部は、前記超音波受信器の出力信号を増幅して増幅信号を出力する増幅回路と、該増幅信号の出力値の少なくとも一部を所定の閾値と比較する比較回路とを備えている。
このような構成により、重送検出ユニット単体で、超音波受信器の出力信号の増幅率を調整して閾値との比較を行うことができる。
【0019】
(適用例12)適用例9から11のいずれか一つの画像処理措置であって、前記重送検出ユニットは、さらに、前記超音波発信器へ駆動信号を出力する発信側回路を備えている。
このような構成により、重送検出ユニット単体で、さらに、超音波発信器の回路調整も行うことが可能となる。
【0020】
(適用例13)適用例12の画像処理装置であって、前記装置本体は、前記受信側回路部および前記発信側回路部を制御する制御部をさらに備え、前記装置本体と前記重送検出ユニットとの間には、前記制御部と前記受信側回路部および前記発信側回路部とをそれぞれ接続するコネクターが設けられている。
このような構成により、コネクターを接続するのみで、重送検出ユニットを装置本体に電気的に接続することが可能となる。
【0021】
(適用例14)搬送路に沿って搬送されるシートに対し所定の処理を行う本体部を有する装置に取り付けられて、前記搬送路に対して前記シートを給送するためのシート給送構造であって、前記本体部へ着脱可能とされた取付け台と、前記取付け台上に設けられ、前記搬送路に対して前記シートを供給するシート供給部と、前記取付け台上に設けられ、前記搬送路への前記シートの重送を検出する重送検出部と、を備え、前記重送検出部は、前記シートの重送を検出するセンサーユニットを有している。
このような構成により、取付け台と、シート供給部と、重送検出のためのセンサーユニットとをユニット化して、装置の本体部に取り付けることが可能となる。
【0022】
(適用例15)適用例14のシート給送構造であって、前記センサーユニットは、超音波発信器と、該超音波発信器に対向して設けられた超音波受信器と、少なくとも前記超音波受信器の出力信号を処理する回路部とを備えている。
このような構成により、超音波受信器の回路調整をシート給送構造単体で行うことができる。
【0023】
(適用例16)適用例15のシート給送構造であって、前記回路部は、前記シート給送構造の外部に露出した状態で取り付けられている。
このような構成により、外部から回路調整作業が行いやすくなる。
【0024】
(適用例17)適用例14から16のいずれか一つのシート給送構造であって、前記シート供給部は、前記シートを積層状態で収容するシート収容部と、前記シート収容部内の前記シートを前記搬送路へ供給するための搬送ローラーとを備えている。
このような構成により、シート給送時に発せられる音や振動の特性、あるいはシート送りの状態の特性を考慮して、センサーユニットの調整を行うことができる。
【0025】
(適用例18)適用例17のシート給送構造であって、前記搬送ローラーを駆動する駆動部をさらに備えたことを特徴とする。
このような構成により、シート給送時に駆動部から発せられる音や振動の特性を考慮して、センサーユニットの調整を行うことが可能となる。
【0026】
(適用例19)適用例14から18のいずれか一つのシート給送構造であって、前記シートは起立した状態で、前記シート供給部から前記搬送路へ供給される。
こうした構成により、センサーユニットを構成する各センサーを横向きに対向させて配置することができる。
【0027】
(適用例20)適用例14から19のいずれか一つのシート給送構造であって、前記シートは小切手であることを特徴とする。
こうした構成により、シート給送構造を小型の用紙に適した大きさに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る小切手処理装置を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示した小切手処理装置の上面図である。
【図3】図1に示した小切手処理装置の内部の外観斜視図である。
【図4】図1に示した小切手処理装置の内部の分解斜視図である。
【図5】図4に示したシート給送構造の斜視図である。
【図6】図5に示したシート給送構造の回路部の内部構造を示す斜視図である。
【図7】図1に示した小切手処理装置の回路構成を示すブロック図である。
【図8】シート給送構造の回路の調整を行う場合の調整装置の回路構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係るシート給送構造の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る小切手処理装置(画像処理装置)1の外観斜視図である。小切手処理装置1は、装置本体(本体部)2に対して、小切手等のシート3を起立した状態で積層収容するホッパー(シート収容部)4が設けられた構成となっている。さらに、小切手処理装置1には、ホッパー4から送出されたシート3を搬送する搬送路5と、搬送路5に沿って搬送されるシート3に対して画像印刷、磁気データの読み取り、あるいはスキャニング等を行う処理部6と、処理部6における処理が終了し、搬送路5を通じて排出されたシート3等を搬送路5から受けるための排出部7とが備えられている。
【0030】
図2は、小切手処理装置1の上面図である。図2に示すように、小切手処理装置1は、搬送路5の上流端にホッパー4が設けられ、搬送路5に沿って処理部6としての磁気スキャナー6a、印刷ユニット6b、光学スキャナー6cが上流側から順に配置されている。また、搬送路5の下流端には排出部7が設けられている。
【0031】
搬送路5には、後述するモーター18(図5参照)によって駆動される第1〜第3搬送ローラー8a〜8c及び第1〜第3従動ローラー9a〜9cが上流側から順に配置されている。シート3は、これらの第1〜第3搬送ローラー8a〜8c及び第1〜第3従動ローラー9a〜9cによって案内され、搬送路5を搬送される。
【0032】
図3は、小切手処理装置1の内部の構成を示す斜視図である。図3に示すように、ホッパー4が設けられた部分の周囲は、シート3を搬送路5に送り出すためのシート給送構造(重送検出ユニット)10として形成されている。図4に示すようにシート給送構造10は装置本体2から分離可能に形成されている。
【0033】
図5は、シート給送構造10の詳細斜視図である。図中に示すように、シート給送構造10は、取付け台12と、取付け台12上に設けられ搬送路5へシート3を供給するシート供給部13と、取付け台12上に設けられてシート3の重送を検出する重送検出部14と、を備えた構成となっている。取付け台12は、板状に形成されて、装置本体2の基板部2a(図4参照)にネジ等を用いて着脱可能とされている。
【0034】
また、シート供給部13は、取付け台12上に設けられたホッパー4と、ピックアップローラー16と、シート3を搬送路5へ搬送するためのフィードローラー17と、リタードローラー19とを備えている。
【0035】
ピックアップローラー16は、ホッパー4内に図示せぬ出没機構を介して出没可能に配置されている。ピックアップローラー16が回転駆動されることにより、ホッパー4内に起立した状態で収容されているシート3がシート通過部29(図1参照)に向かって送り出される。
【0036】
フィードローラー17は、ピックアップローラー16の下流側に配置されている。フィードローラー17は、その一部がシート通過部29に露出されている。フィードローラー17が回転駆動されることによりシート通過部29を通過するシート3が搬送路5に向かって送り出される。
【0037】
リタードローラー19は、シート通過部29においてフィードローラー17に対向するように配置されている。リタードローラー19は所定値以上のトルクが作用したときにのみ回転するように構成されている。これにより、シート3が重送されたままでシート通過部29を通過しようとするとき、フィードローラー17側のシート3はフィードローラー17との間に十分な摩擦力が生じるので、このシート3はフィードローラー17に保持されながら搬送路5へ搬送される。ところが、リタードローラー19に接するシート3はフィードローラー17に接するシート3との間で十分な摩擦力が生じないので、このシート3からリタードローラー19へ十分なトルクが伝達されない。したがって、シート3が重送されている場合は所定値以上のトルクが付与されないのでリタードローラー19は回転せず、フィードローラー17に接しているシート3のみが搬送路5へ搬送される。これにより、シート3の重送を防止することができる。
【0038】
さらに取付け台12の下方には、モーター(駆動部)18が取り付けられている。モーター18は、上述したピックアップローラー16、フィードローラー17及び第1〜3搬送ローラー8a〜8cと図示しないギアや無端ベルトにより接続され、これらが回動する際の駆動源となる。
【0039】
また、シート通過部29のすぐ下流側に設けられた重送検出部14は、シート3が搬送路5へ重送されることを検出するためのセンサーユニット20を有している。センサーユニット20は、超音波発信器21と、超音波受信器22と、超音波受信器22からの出力信号を処理するための受信側回路基板(受信側回路部)23を有する回路部24とを備えた構成となっている。超音波発信器21はシート通過部29に臨ませて設けられ、超音波受信器22はシート通過部29を挟んで超音波発信器21と対向するように設けられている。また、回路部24は、シート給送構造10の外部に露出する構成となっている。本実施形態では、これら超音波発信器21と超音波受信器22はそれぞれ、フィードローラー17及びリタードローラー19のすぐ下流に隣接して設けられている。
【0040】
図6は、取付け台12および回路部24の構造をより詳細に示す図である。図中に示すように、回路部24は取付け台12上に設けられた基板固定部26に対して設けられている。受信側回路基板23は、基板固定部26に対して、その素子搭載面が重送検出部14の外側に面するように取り付けられている。また、その上から受信側回路基板23を保護する保護カバー27(図5参照)がネジ等により基板固定部26に取り付けられている。
【0041】
次に、以上のように構成された小切手処理装置1の動作を図2を参照しながら説明する。
まず、ホッパー4に積層状態で収容されたシート3は、ピックアップローラー16によりシート通過部29へ繰り出される。シート通過部29に繰り出されたシート3は、リタードローラー19により一枚ずつに分離されながらフィードローラー17により搬送路5に搬送される。
【0042】
次に、シート通過部29を通過したシート3は、フィードローラー17及びリタードローラー19のすぐ下流に設けられた超音波発信器21及び超音波受信器22の間を通過し、更に磁気スキャナー6aまで搬送される。超音波発信器21及び超音波受信器22を備えたセンサーユニット20の動作については後に詳述する。
【0043】
シート3が磁気スキャナー6aを通過する際に、磁気スキャナー6aはシート3に書き込まれている磁気情報を読み取り、読み取った磁気情報は小切手処理装置1のCPU34(図7参照)や図示しない外部の端末などに送信する。
【0044】
磁気スキャナー6aを通過したシート3は、更に第1搬送ローラー8a及び第1従動ローラー9aにより案内されて、印刷ユニット6bに搬送される。印刷ユニット6bは、CPU34からの指令に基づき、シート3に必要な情報を書き込む。
【0045】
印刷ユニット6bにより印刷処理が行われたシート3は更に、第2搬送ローラー8b及び第2従動ローラー9bにより案内されて、光学スキャナー6cに搬送される。シート3が光学スキャナー6cを通過する際に、光学スキャナー6cはシート3の光学情報を読み取り、読み取った光学情報を小切手処理装置1のCPU34や図示しない外部の端末などに送信する。
【0046】
光学スキャナー6cを通過したシート3は、更に第3搬送ローラー8c及び第3従動ローラー9cにより案内されて、排出部7に排出される。これにより、シート3に対して小切手処理装置1で行われる一連の処理が終了する。
【0047】
このように動作する小切手処理装置1において、シート3が重送されたままで搬送路5を搬送されてしまうと、以下のような問題が生じる。例えば、重送されたままシート3が磁気スキャナー6aや光学スキャナー6cを通過すると、磁気情報や光学情報を正確に読み取ることができない。また、印刷ユニット6bは本来印刷すべきシート3に印刷できず、誤ったシート3に印刷処理を施してしまう。特にシート3が小切手である場合には、誤って印刷してしまった小切手は再使用できないように確実に廃棄処理を施す必要があり、リカバリーの作業が煩雑となる。
【0048】
上述したリタードローラー19によってシート3の重送は防止されているが、意図せずにシート3の重送が発生することもある。そこで、シート3が重送されたまま一連の処理が確実に実行されないようにするため、本実施形態に係る小切手処理装置1には、シート3の重送を検出するセンサーユニット20が設けられている。
【0049】
シート供給部13のすぐ下流に設けられたセンサーユニット20がシート3の重送を検出すると、センサーユニット20は小切手処理装置1のCPU34(図7参照)に重送の検出を送信する。CPU34はこの重送の検出を受信すると、モーター18の駆動を停止してフィードローラー17や第1搬送ローラー8aの駆動を停止させ、また、磁気スキャナー6a、印刷ユニット6b、光学スキャナー6cの処理を停止させる。これにより、シート3が重送されたまま搬送路5内を搬送されることがなく、上述の一連の動作が停止するので、シート3に誤って一連の処理がなされることがない。
【0050】
特に本実施形態においては、超音波発信器21及び超音波受信器22と印刷ユニット6bとの間に、第1搬送ローラー8aが配置されている。センサーユニット20がシート3の重送を検出した時に、CPU34がモーター18の駆動を停止あるいは逆回転させることにより、第1搬送ローラー8aを停止あるは逆回転させ、処理部6にシート3が進入することを防止することができる。これにより、シート3の重送時に、印刷ユニット6bへシート3が進入しないので、印刷ユニット6bによりシート3へ印刷されてしまうことを防止することができる。
【0051】
また、CPU34は重送の検出を受信すると、警告音を鳴らしたり、表示ランプ11(図1参照)を点滅させるなどして重送の発生をユーザーに報知する。これにより、ユーザーは重送されたシート3を取り出す等、必要な復帰作業を行う。このとき、シート3には印刷が施されていないので、シート3を再びホッパー4に戻すことにより、シート3へ正常な処理をし直すことができる。また、煩雑なリカバリー作業が不要となるのでユーザーの負担も軽減される。
【0052】
図7は、重送検出部14の回路構成を示すブロック図である。図中に示すように、搬送路5と連続して設けられたシート通過部29を挟んで、超音波発信器21と超音波受信器22とが対向配置されている。超音波発信器21には、超音波発信器21へ駆動信号を供給するための発信側回路基板(発信側回路部)31が、超音波受信器22には超音波受信器22から出力された出力信号を処理するための受信側回路基板23が、それぞれ接続されている。発信側回路基板31および受信側回路基板23は、コネクター32および33を介して、装置本体2に設けられたCPU(制御部)34に対して接続されている。
【0053】
CPU34には、ROM36およびRAM37が接続されるとともに、モーター18を駆動するためのモータードライバー38が接続されている。また、受信側回路基板23には、超音波受信器22から出力された信号を増幅するための増幅回路40と、増幅回路40によって増幅された出力信号のピーク値をサンプリングし保持するサンプルホールド回路41と、サンプルホールド回路41によって保持された出力信号の出力値と所定の電圧とを比較してその高低を二値信号として出力するコンパレーター回路42とが備えられている。
【0054】
次に、小切手処理装置1における出荷時の調整設定について説明する。小切手処理装置1の重送検出部14は、センサーユニット20において超音波発信器21および超音波受信器22を用いた構成となっているが、一般に超音波センサーの性能は、発信器や受信器の取り付け状態に大きく依存する。したがって、センサーユニット20を用いてシート3の重送検出を適切に行うためには、センサーユニット20の取り付け状態に応じた各種の回路調整、特に、超音波受信器22の出力信号を処理する受信側回路基板23の回路設定を適切に行っておくことが必要である。
【0055】
シート給送構造10を小切手処理装置1に取り付ける前に行う受信側回路基板23の回路設定は以下のように行われる。まず、図8に示すように、装置本体2から分離されたシート給送構造10のセンサーユニット20を、コネクター32、33を介して調整装置44に対して接続する。調整装置44は、図7に示したCPU34、ROM36、RAM37、モータードライバー38と同様の構成を有するものであり、CPU45、ROM46、RAM47およびモータードライバー48を備えた構成となっている。
【0056】
まず、通常のシート搬送における超音波の検出レベルに基づいて回路調整を行う。これには、調整装置44のCPU45によりモータードライバー48を通じて、シート給送構造10のモーター18を駆動させ、シート通過部29にシート3が一枚搬送される状態を再現する。同時に、調整装置44のCPU45は、発信側回路基板31に制御信号を送信する。この制御信号に基づき、発信側回路基板31は、超音波発信器21を駆動し、超音波発信器21から超音波を発信させる。
発信された超音波はシート3を通過して超音波受信器22において受信される。超音波受信器22からの出力信号は、増幅回路40において増幅されて、サンプルホールド回路41に入力される。サンプルホールド回路41は、増幅回路40の出力値のピーク値をサンプリングし保持する。
【0057】
コンパレーター回路42には、あらかじめ経験値として得られている所定の電圧値が参照電圧として入力されており、コンパレーター回路42は、この所定の電圧値をサンプルホールド回路41に保持された値と比較する。なお、この所定の電圧値としては、たとえば、同種の機器においてシートの重送を検出するために閾値として用いられている値を使用することができる。
【0058】
サンプルホールド回路41に保持された値が所定の電圧値より大きい場合には、コンパレーター回路42は所定の第一の出力値(たとえばHighレベル信号)を出力する。これに基づきCPU45は、シート3の通常搬送の検出が適切になされていると判断する。
一方、サンプルホールド回路41に保持された値が所定の電圧値より小さい場合には、コンパレーター回路42は所定の第二の出力値(たとえばLowレベル信号)を出力する。この場合は、CPU45はシート3の通常搬送の検出が適切になされていないと判断する。そこで、コンパレーター回路42から所定の第一の出力値が出力されるまで、すなわち、CPU45がシート3の通常搬送の検出が適切になされていると判定されるまで、増幅回路40のゲイン調整を行う。
【0059】
次に、シートが重送された場合おける超音波の検出レベルに基づいて回路調整を行う。これには、まず、シート通過部29にシート3が二枚挟まった状態を再現しておく。この状態で、調整装置44のCPU45は、発信側回路基板31に制御信号を送信し、これに基づき、発信側回路基板31は、超音波発信器21から超音波を発信する。超音波発信器21から発信された超音波は二重に重なったシート3を通過して超音波受信器22において受信される。超音波受信器22の出力信号は、増幅回路40において増幅されて、サンプルホールド回路41に入力される。サンプルホールド回路41は、増幅回路40の出力値のピーク値をサンプリングし保持する。
【0060】
この場合、超音波は二重のシート3を通過して超音波受信器22に入力されているので、サンプルホールド回路41に保持された値は、シート3が通常搬送される場合より小さくなっているはずである。ここでは、サンプルホールド回路41に保持された値が、所定の電圧値より小さくなっているか否かを判断する。
すなわち、サンプルホールド回路41に保持された値がコンパレーター回路42に参照電圧として入力された所定の電圧値より小さい場合には、コンパレーター回路42から所定の第二の出力値(たとえばLowレベル信号)が出力される。これにより、CPU45はシート3の重送の検出が適切になされたと判断し、センサーユニット20の回路調整は完了する。
一方、サンプルホールド回路41に保持された値が所定の電圧値より大きい場合には、コンパレーター回路42から所定の第一の出力値(たとえばHighレベル信号)が出力されるので、これに基づきCPU45はシート3の重送検出が適切になされていないと判断する。この場合、増幅回路40のゲイン調整を行い、増幅回路40における増幅率をコンパレーター回路42から所定の第二の出力値が出力されるまで減少させる。増幅回路40における増幅率を減少させた場合には、再び、シート通過部29においてシート3が通常の状態で搬送されている状態を再現し、この状態においてもシート3の通常搬送の検出が適切になされるかどうかを確認する。
【0061】
以上のような手順を繰り返すことにより、シート給送構造10を、重送検出部14において重送検出が適切に行われる状態に設定することができる。設定が完了したら、さらに、モータードライバー48を通じてシート給送構造10のモーター18を駆動して、ピックアップローラー16およびフィードローラー17を駆動させ、シート3が通常搬送される場合、および重送搬送される場合を実際にそれぞれ再現し、各々の場合に、CPU45が重送検知を正確に行うかどうかを検査する。なお、この場合、必要に応じて、センサーユニット20の取り付け状態の調整や、超音波発信器21における出力レベルの調整、あるいはコンパレーター回路42に参照値として入力する所定の電圧(閾値)の調整を行うようにしてもよい。
【0062】
以上のように重送検出部14の回路調整が完了したシート給送構造10は、装置本体2に取り付けられ、コネクター32、33を通じて装置本体2側の回路に接続される。これにより、小切手処理装置1の出荷時の調整設定が完了する。
【0063】
以上のように構成された小切手処理装置1においては、装置本体2に対してシート給送構造(重送検出ユニット)10が着脱可能とされているために、シート給送構造10を装置本体2の組み立て工程とは別の工程において組立て、センサーユニット20の取り付け状態の設定や回路調整等の作業を行うことができる。これにより、製品出荷時における重送検出ユニットの調整作業の簡略化、平準化を実現することができる。また、重送検出ユニットとしてのシート給送構造10の性能を保証できるために、重送検出機能が故障した場合には、シート給送構造10を交換することで対応が可能となり、修理作業の簡略化を実現することができる。
【0064】
また、シート給送構造10は、さらに、シート通過部29を通じてシート3を搬送路5に給送するためのシート供給部13を備えている。このため、給送機構におけるシート送りの特性のばらつきに応じてセンサーユニット20の設定を行うことができる。これにより、シート給送構造10ごとの重送検出の性能を容易に確保することができる。
【0065】
さらに、シート給送構造10には、シート供給部13のフィードローラー17やピックアップローラー16を駆動するためのモーター18が備えられている。このため、重送検知に際してモーター18の発する音や振動がノイズとして作用する場合においても、シート給送構造10単体で、これらのノイズの発生特性に応じた超音波受信器22からの出力レベルの調整を行うことが可能となる。これにより、超音波受信器22による重送検出の正確性を一層向上させることができる。
【0066】
また、シート給送構造10には、シート3を収容するホッパー4が備えられており、シート供給部13がホッパー4に収容されたシート3を搬送路5に給送する構成となっている。これにより、シート給送構造10単体で、ホッパー4におけるシート3の擦れ音などの特性に応じて、超音波受信器22の出力レベルの調整を行うことができ、重送検出の正確性をより一層向上させることができる。
【0067】
また、シート給送構造10には、超音波受信器22の出力信号に所定の処理を行う受信側回路基板23が備えられている。このため、シート給送構造10単体で回路調整作業が可能となり、出荷時の調整作業や修理時の対応をより一層容易なものとすることができる。
【0068】
さらに、受信側回路基板23が、シート給送構造10において外側に面する位置に設けられている。このため、回路の調整作業を容易に行うことが可能となり、出荷時作業性の向上を図ることができる。
【0069】
特に、受信側回路基板23が、増幅回路40と、その出力値の少なくとも一部を参照値として設定された所定の電圧値(閾値)と比較するコンパレーター回路42とを備えて構成されている。このため、ユニット単体で、超音波受信器22の出力信号の増幅率を調整して閾値との比較を行うことが可能となる。したがって、ユニットの特性に合わせた調整設定を容易に行うことができる。
【0070】
さらに、シート給送構造10には、超音波発信器21へ駆動信号を出力する発信側回路基板31が備えられている。このため、ユニット単体で、さらに、超音波発信器21の出力レベルを調整することも可能であり、より一層、ユニットの特性に合わせた適切な調整設定を行うことが可能となる。
【0071】
また、装置本体2とシート給送構造10との間には、CPU34と、発信側回路基板31および受信側回路基板23とをそれぞれ接続するコネクター32,33とが設けられている。このため、これらのコネクター32,33を接続するのみで、シート給送構造10を装置本体2に電気的に接続することが可能となり、シート給送構造10の装置本体2への取り付け時の作業性を向上させることができる。また、シート給送構造10と調整装置44との接続が簡便となるので、センサーユニット20の回路調整作業の作業性が向上する。
【0072】
また、上述のシート給送構造10においては、取付け台12と、シート供給部13と、重送検出のためのセンサーユニット20とをユニット化して、装置本体2へ取り付けるようになっている。このため、シート給送構造10を装置本体2とは別の工程において組立て、センサーユニット20の調整作業を行うことができる。これにより重送検出機能の性能を確保しつつ、製品出荷時作業の簡略化や、修理作業の容易化を図ることができ、小切手処理装置1に対して良好に適用することができる。
【0073】
特にセンサーユニット20が、超音波発信器21と、超音波受信器22と、回路部24とを備えた構成となっているので、検出レベルが小さく設定に微妙な調整が必要な超音波センサーを利用しつつ、確実な重送検出性能を実現することができる。
【0074】
また、シート3が起立した状態で、シート供給部13から搬送路5へ供給される構成となっているので、センサーユニット20を構成する超音波発信器21および超音波受信器22を横向きに対向させて配置することができる。これにより、超音波検出の障害となる紙粉やほこり等の影響を小さくすることが可能となり、センサーユニット20による重送検出性能を確保することができる。
【0075】
また、シート3として小切手等、小型の用紙が用いられているので、取付け台12からの高さ方向の寸法を小さくすることが可能となっており、シート給送構造10を装置本体2に対して収まりよく設置することが可能である。
【0076】
さらに本実施形態においては、超音波発信器21及び超音波受信器22は、磁気スキャナー6aや印刷ユニット6b、光学スキャナー6cなどの処理部6よりもシート供給部13に近い側に配置されている。これにより、超音波発信器21及び超音波受信器22と処理部6との間隔を長く設定することができるため、シート3が処理部6に到達する前に、重送を検出してから第1搬送ローラー8aを停止させたり処理部6の処理を停止させたりする時間的猶予を確保することができる。特に、シート3の搬送速度を高速に設定しても、上記間隔を長くすることにより、処理部6により処理される前にシート3の搬送を停止することができる。
【0077】
なお、シート3が重送されたまま磁気スキャナー6aや光学スキャナー6cが磁気情報や光学情報を読み取っても、シート3自体は物理的に変化しない。したがって万一、シート3が重送されたまま磁気スキャナー6aや光学スキャナー6cを通過してしまっても、磁気スキャナー6aや光学スキャナー6cが読み取った磁気情報や光学情報をキャンセルすればよい。ところが、印刷ユニット6bにより誤ったシート3に印刷処理が施されてしまうと、シート3にインクが付着してしまいシート3を元の状態に戻すことができない。
【0078】
そこで、本実施形態においては、印刷ユニット6bの上流側に磁気スキャナー6aが配置されている。これにより、シート3が磁気スキャナー6aを通過することがあっても、シート3が印刷ユニット6bに到達する前に、第1搬送ローラー8aや印刷ユニット6bを停止させることができる。したがってシート3が磁気スキャナー6aを通過する時間を、シート3が印刷ユニット6bに到達する前に印刷処理を停止させる上記時間的猶予に加算することができる。したがって、シート3の重送検出時に、取り返しがつかない印刷ユニット6bによる誤処理をなされる前に、確実に印刷処理を停止することができる。
【0079】
以上において本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、他の構成を採用することができる。
【0080】
たとえば、上記実施の形態においては、シート給送構造10にモーター18が予め取り付けられた構成となっていたが、これに限らず、図9に示すシート給送構造50のように、モーターが取り付けられていない構成を採用するようにしてもよい。この場合、シート給送構造50は、後付けでモーターを取り付けた上で、装置本体2に対して取り付けることができる。このような構成を採用した場合、重送検出機能に故障が生じ、シート給送構造50を交換する必要が生じた際に、高価なモーターを必ずしも交換する必要がないため、修理作業をより安価に行うことが可能となる。
【0081】
なお、上述の実施形態ではモーター18を停止させて第1搬送ローラー8aやフィードローラー17の駆動を停止させる例を挙げて説明したが、本発明はこの例に限られない。例えば、フィードローラー17のみ駆動を停止して搬送路5への新たなシート3の搬送を防ぎ、磁気スキャナー6a、印刷ユニット6b、光学スキャナー6cの処理を停止させて重送されたシート3への処理がなされないようにしてもよい。
【0082】
また、上述の実施形態では装置本体2側の搬送ローラー8a〜8cと、シート給送構造10のピックアップローラー16、フィードローラー17を同一のモーター18で駆動するように構成したが、それぞれ別のモーターで駆動するように構成してもよい。
【0083】
なお、上述の実施形態では印刷ユニット6bの上流側に磁気スキャナー6aを配置した例を挙げて説明したが、印刷ユニット6bの上流側に光学スキャナー6cを配置したり、磁気スキャナー6aと光学スキャナー6cとを配置してもよい。また、小切手処理装置1の用途に応じて磁気スキャナー6aや光学スキャナー6cを省略しても良い。
【0084】
また、上述の実施形態では磁気スキャナー6aをシート供給部13と印刷ユニット6bとの間に配置した例を挙げて説明したが、本発明はこの例に限られない。例えば磁気スキャナー6aは超音波発信器21と重ね合わせて搬送路5の同じ位置に配置してもよい。
【0085】
また、この他にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構造や回路構成について他の構成を採用するようにしてもよく、また、これらの構成を適宜選択的に組み合わせてよいのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0086】
1…小切手処理装置(画像処理装置)、2…装置本体(本体部)、3…シート、4…ホッパー(シート収容部)、5…搬送路、6…処理部、6a…磁気スキャナー(読み取りユニット)、6b…印刷ヘッド(印刷ユニット)、6c…光学スキャナー、8a〜8c…搬送ローラー、9a〜9c…従動ローラー、10…シート給送構造(重送検出ユニット)、12…取付け台、13…シート供給部、14…重送検出部、16…ピックアップローラー、17…フィードローラー、18…モーター(駆動部)、19…リタードローラー、20…センサーユニット、21…超音波発信器、22…超音波受信器、23…受信側回路基板、24…回路部(受信側回路部)、29…シート通過部、31…発信側回路基板、32,33…コネクター、34…CPU(制御部)、40…増幅回路、41…サンプルホールド回路、42…コンパレーター回路、50…シート給送構造(重送検出ユニット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するための搬送路と、前記搬送路に沿って搬送される前記シートに対して所定の処理を行う処理部とを有する装置本体と、
前記装置本体に着脱可能に設けられた重送検出ユニットと、を備え、
前記重送検出ユニットは、
前記搬送路に連続して設けられるシート通過部と、
前記シート通過部に臨ませて設けられた超音波発信器と、
前記シート通過部を挟んで前記超音波発信器に対向して設けられた超音波受信器と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記重送検出ユニットは、さらに、前記シート通過部を通じて前記シートを前記搬送路に給送するための給送機構を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置であって、
前記超音波発信器及び前記超音波受信器は、前記搬送路において前記給送機構よりも下流側かつ前記処理部よりも上流側に配置されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置であって、
前記超音波発信器及び前記超音波受信器は、前記搬送路において前記処理部よりも前記給送機構に近い側に配置されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記超音波発信器及び前記超音波受信器よりも下流側かつ前記前記処理部よりも上流側には、少なくとも一つの搬送ローラーが配置されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記処理部は、前記シートに印刷を行う印刷ユニットと、前記シートの情報を読み取る読み取りユニットと、を有し、
前記読み取りユニットは前記搬送路において、前記印刷ユニットよりも上流側かつ前記超音波発信器及び前記超音波受信器よりも下流側に配置されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項2から4のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記重送検出ユニットは、さらに、前記給送機構を駆動する駆動部を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項2から4及び7のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記重送検出ユニットは、さらに、前記シートを収容するホッパーを備え、
前記給送機構は、前記ホッパーに収容された前記シートを前記搬送路に給送することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記重送検出ユニットは、さらに、前記超音波受信器の出力信号に所定の処理を行う受信側回路部を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理装置であって、前記受信側回路部は、前記重送検出ユニットにおいて外側に面する位置に設けられていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の画像処理装置であって、
前記受信側回路部は、前記超音波受信器の出力信号を増幅して増幅信号を出力する増幅回路と、該増幅信号の出力値の少なくとも一部を所定の閾値と比較する比較回路とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか一項に記載の画像処理措置であって、
前記重送検出ユニットは、さらに、前記超音波発信器へ駆動信号を出力する発信側回路部を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の画像処理装置であって、
前記装置本体は、前記受信側回路部および前記発信側回路部を制御する制御部をさらに備え、
前記装置本体と前記重送検出ユニットとの間には、前記制御部と前記受信側回路部および前記発信側回路部とをそれぞれ接続するコネクターが設けられていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項14】
搬送路に沿って搬送されるシートに対し所定の処理を行う本体部を有する装置に取り付けられて、前記搬送路に対して前記シートを給送するためのシート給送構造であって、
前記本体部へ着脱可能とされた取付け台と、
前記取付け台上に設けられ、前記搬送路に対して前記シートを供給するシート供給部と、
前記取付け台上に設けられ、前記搬送路への前記シートの重送を検出する重送検出部と、を備え、
前記重送検出部は、前記シートの重送を検出するセンサーユニットを有していることを特徴とするシート給送構造。
【請求項15】
請求項14記載のシート給送構造であって、
前記センサーユニットは、超音波発信器と、該超音波発信器に対向して設けられた超音波受信器と、少なくとも前記超音波受信器の出力信号を処理する回路部とを備えていることを特徴とするシート給送構造。
【請求項16】
請求項15記載のシート給送構造であって、
前記回路部は、前記シート給送構造の外部に露出した状態で取り付けられていることを特徴とするシート給送構造。
【請求項17】
請求項14から16のいずれか一項に記載のシート給送構造であって、
前記シート供給部は、前記シートを積層状態で収容するシート収容部と、前記シート収容部内の前記シートを前記搬送路へ供給するための搬送ローラーとを備えていることを特徴とするシート給送構造。
【請求項18】
請求項17記載のシート給送構造であって、
前記搬送ローラーを駆動する駆動部をさらに備えたことを特徴とするシート給送構造。
【請求項19】
請求項14から18のいずれか一項に記載のシート給送構造であって、
前記シートは起立した状態で、前記シート供給部から前記搬送路へ供給されることを特徴とするシート給送構造。
【請求項20】
請求項14から19のいずれか一項に記載のシート給送構造であって、
前記シートは小切手であることを特徴とするシート給送構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−232844(P2012−232844A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226860(P2011−226860)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】