画像処理装置および画像処理プログラム
【課題】 被写体を写真撮影した画像に基づいて、被写体の平面図をより正確に作成することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 画像G1、G2上で指定された室内Mの壁面M1〜M4に基づいて、室内Mの平面図を作成する平面図作成タスク7と、画像G1、G2上で指定された室内Mの建具に基づいて、建具の位置を算出する建具位置算出タスク8と、画像G1、G2が室内Mの外観であるか内観であるかに基づいて、平面図に肉厚を付与する壁厚付与タスク9と、建具の種類ごとに、当該建具を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベース5と、指定された建具の種類に基づいて、シンボルデータベース5から該当するシンボルを取得し、平面図上で建具位置算出タスク8によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与タスク10とを備える。
【解決手段】 画像G1、G2上で指定された室内Mの壁面M1〜M4に基づいて、室内Mの平面図を作成する平面図作成タスク7と、画像G1、G2上で指定された室内Mの建具に基づいて、建具の位置を算出する建具位置算出タスク8と、画像G1、G2が室内Mの外観であるか内観であるかに基づいて、平面図に肉厚を付与する壁厚付与タスク9と、建具の種類ごとに、当該建具を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベース5と、指定された建具の種類に基づいて、シンボルデータベース5から該当するシンボルを取得し、平面図上で建具位置算出タスク8によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与タスク10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物などの被写体を写真撮影した画像データに基づいて、被写体の平面図を作成する画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空間や立体などの3次元の存在をコンピュータの画面に投影して描画した3次元コンピュータグラフィックス(以下、「3DCG」という)は、いろいろな分野で使用されており、被写体のステレオペア画像から被写体の3DCGを作成する画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この画像処理装置は、異なる方向から被写体を撮影した2つの画像(ステレオペア画像)から特徴的な点を抽出し、これらの点の2次元座標値に基づいて被写体を写真測量して、被写体の3次元情報を取得するものである。
【0003】
また、3次元CADの作業空間に存在している3次元データから2次元の断面形状データを作成する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この方法は、断面方向を選択して複数の断面作成位置を数値で入力し、この入力情報を一時的に蓄積させ、データ入力が終了した時点でプログラムを実行させる。これにより、指示した方向と位置に断面形状を作成し、さらに断面形状をXY座標に回転するものである。
【特許文献1】特開2003−90714号公報
【特許文献2】特開平11−85830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建築関連の分野などでは、建築物の平面図に基づいて建築作業や見積などを行う場合が多い。そして、例えば、家屋のリフォームなどの際に、迅速かつ正確にリフォーム計画や見積などを立てるために、家屋を写真撮影した画像に基づいて、家屋の平面図が得られる技術が求められていた。しかしながら、上記の特許文献1に記載されているような画像処理装置では、被写体の写真画像から3DCGを作成することはできるが、平面図を得るものではない。また、3DCGを単に回転させて平面図を得ようとしても、ドアや窓などの建具が適切に表現されない。つまり、建具の存否が不明であったり、どのような建具があるのか不明であったりし、正確(適正)な平面図を得ることができない。一方、上記の特許文献2に記載されているような方法では、3次元CAD空間内の3次元データから2次元の断面形状データを作成することができるものの、写真撮影した画像に基づいて正確な平面図を得ることができるものではない。
【0005】
そこで本発明は、被写体を写真撮影した画像に基づいて、被写体の平面図をより正確に作成することができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、被写体を写真撮影した画像に基づいて、前記被写体の平面図を作成する画像処理装置であって、前記画像上で指定された前記被写体の周面に基づいて、前記被写体の平面図を作成する平面図作成手段と、前記画像上で指定された前記被写体の付帯物に基づいて、前記付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段と、前記付帯物の種類ごとに、当該付帯物を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベースと、指定された付帯物の種類に基づいて、前記シンボルデータベースから該当するシンボルを取得し、前記平面図作成手段によって作成された平面図上で前記付帯位置算出手段によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与手段と、を備えたことを特徴としている。
(作用)
画像上で被写体の周面を指定すると、平面図作成手段によって被写体の平面図が作成され、画像上で被写体の付帯物を指定すると、付帯位置算出手段によって付帯物の位置が算出される。また、付帯物の種類を指定すると、シンボル付与手段によって、平面図上で付帯物があるべき位置に、種類に対応した付帯物のシンボルが付与される。つまり、付帯物のシンボルが正しい位置に付与された平面図が作成される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記画像が前記被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、前記平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段を備えたことを特徴としている。
(作用)
画像が被写体の外観である場合には、平面図作成手段によって作成された平面図に対して内側(内向き)に肉厚が付与される。一方、画像が被写体の内観である場合には、平面図作成手段によって作成された平面図に対して外側(外向き)に肉厚が付与される。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記付帯位置算出手段によって算出された前記付帯物の位置を、数値として前記平面図上に表示する付帯位置表示手段を備えたことを特徴としている。
(作用)
付帯位置表示手段によって、付帯物の位置が数値として平面図上に表示される。
【0009】
請求項4に記載の発明は、被写体を写真撮影した画像に基づいて、前記被写体の平面図を作成する画像処理プログラムであって、コンピュータを、前記画像上で指定された前記被写体の周面に基づいて、前記被写体の平面図を作成する平面図作成手段と、前記画像上で指定された前記被写体の付帯物に基づいて、前記付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段と、前記付帯物の種類ごとに、当該付帯物を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベースと、指定された付帯物の種類に基づいて、前記シンボルデータベースから該当するシンボルを取得し、前記平面図作成手段によって作成された平面図上で前記付帯位置算出手段によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、コンピュータを、前記画像が前記被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、前記平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段として機能させるための請求項4に記載の画像処理プログラムである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、前記付帯位置算出手段によって算出された前記付帯物の位置を、数値として前記平面図上に表示する付帯位置表示手段として機能させるための請求項4または5のいずれか1項に記載の画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1および4に記載の発明によれば、画像上で被写体の周面と付帯物を指定し、さらに、付帯物の種類を指定すると、付帯物があるべき位置に付帯物のシンボルが付与された平面図が作成される。例えば、被写体が家屋の場合には、ドアや窓などの建具(付帯物)のシンボルが正しい位置に付与、表示された平面図が作成される。すなわち、付帯物の位置や種類などが正確に表示された平面図を得ることができる。
【0013】
請求項2および5に記載の発明によれば、例えば、被写体が家屋で、画像が被写体の内観である場合には、平面図作成手段で作成された屋内の平面図に対して外側に壁厚(肉厚)が付与される。このため、被写体の肉厚を含むより正確な平面図を得ることができる。
【0014】
請求項3および6に記載の発明によれば、付帯物の位置が数値として平面図上に表示されるため、付帯物の位置を正確に知得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施の形態に係る画像処理装置1の概略構成ブロック図である。この画像処理装置1は、被写体を写真撮影した画像に基づいて、被写体の平面図を作成する装置であって、主として、表示部2と、入力部3と、記憶部4と、シンボルデータベース5と、部屋名データベース6と、平面図作成タスク(平面図作成手段)7と、建具位置算出タスク(付帯位置算出手段)8と、壁厚付与タスク(肉厚付与手段)9と、シンボル付与タスク(シンボル付与手段)10と、建具位置表示タスク(付帯位置表示手段)11と、部屋名付与タスク12と、これらを制御などするCPU13とを備えている。ここで、この実施の形態では、家屋を被写体とし、その部屋の平面図を作成する場合を例にして説明し、また、異なる方向から家屋の室内Mを撮影した2つの画像G1、G2(以下、適宜「G」を称する)に基づいて、平面図を作成するものとする。つまり、画像G1、G2は、被写体の内観であるとする。
【0017】
表示部2は、写真撮影した画像Gや操作メニューなどを表示するディスプレイである。入力部3は、後述するように画像G上で室内Mの壁面(周面)や建具(付帯物)などを指定したり、メニューを選択したりするためのキーボードやマウスである。記憶部4は、読み込んだ画像Gや作成した平面図などを記憶するメモリである。
【0018】
シンボルデータベース5は、建具の種類ごとに、建具を略図化したシンボルを記憶したデータベースであり、図2に示すようなデータ構成となっている。すなわち、第1のデータレイヤ51には、ドア、引違、引戸、折戸、間仕切、洋窓、出窓、雨戸などの建具の種別が記憶され、第2のデータレイヤ52には、建具の種別ごとに、当該建具の様式(型式)が記憶されている。例えば、建具がドアの場合には、片開、自由、片袖、両袖、両開、親子などの様式が記憶されている。さらに、第3のデータレイヤ53には、建具の様式ごとに、当該建具を略図化したシンボルが記憶されている。例えば、建具がドアの場合には、図3に示すようなシンボルが様式ごとに記憶されている。
【0019】
部屋名データベース6は、部屋番号ごとに部屋名(部屋用途名)を記憶したデータベースであり、例えば、リビング、キッチン、居間など、図4に示すような部屋名が記憶されている。
【0020】
平面図作成タスク7は、画像G上で指定された室内Mの壁面に基づいて、室内Mの平面図を作成するタスク(プログラム)であり、図5に示すフローチャートに基づいている。まず、読み込まれた画像Gの歪、つまり画像Gの撮影時にカメラレンズに起因して発生した樽型の歪を補正する(ステップS1)。すなわち、図6に示すように、画像G内に基準線Lを設け(図6(a)参照)、この基準線Lが画像G内の任意の1辺と重なるように基準線Lを変形させ(図6(b)参照)、その変形率(歪率)を算出する。そして、その変形率だけ画像Gを逆変形(逆変換)させて(図6(c)参照)、歪を補正するものである。
【0021】
次に、画像G上に3次元座標軸(X、Y、Z軸)を設定する(ステップS2)。すなわち、図7に示す第1の画像G1においてX、Z軸方向に各2辺を指定すると、3点透視図法によって消点が算出され、室内Mの2つの壁面と床面との境である内コーナー部に、図示のように3次元座標軸が設定される。そして、2点透視図法や3点透視図法によって、3次元座標軸の相互間角度から視点および相互の位置関係が算出できるものである。続いて、室内Mの壁面を指定して、壁面に対応する壁面枠を作成する(ステップS3)。すなわち、図8(a)に示すように、第1の画像G1上に第1の壁面M1に平行な第1の壁面枠F1が表示され、この壁面枠F1の各辺は、先に設定した3次元座標軸に沿って移動、拡大・収縮できるようになっている。そして、この壁面枠F1を移動、拡大・収縮させて、図8(b)に示すように、壁面枠F1を第1の壁面M1の周辺と一致させることで、第1の壁面M1が指定され、第1の壁面枠F1が作成(決定)される。次に、第1の壁面M1に接する第2の壁面M2の1辺である壁面枠F1の1辺F1aを指定すると、図9(a)に示すように、第2の壁面M2と平行な第2の壁面枠F2が表示される。そして、当該1辺F1aと対向する第2の壁面枠F2の1辺F2aを移動させると、壁面枠F2が拡大・収縮し、図9(b)に示すように、壁面枠F2を第2の壁面M2の周辺に一致させることで、第2の壁面M2が指定され、第2の壁面枠F2が作成される。同様にして、第1の壁面M1に接する他方の第3の壁面M3を指定し、図10に示すように、第3の壁面枠F3を作成するものである。
【0022】
このようにして作成された壁面M1〜M3の壁面枠F1〜F3が、図11に示すように、第2の画像G2上に表示される。そして、この壁面枠F1〜F3を移動、回転させて、図12に示すように、壁面枠F1〜F3の基準点Pが第2の画像G2上で位置すべき点に位置させる。例えば、室内Mのドアが画像G1、G2上にともに撮影されている場合に、ドアの下頂点を基準点Pとし、この基準点Pを第2の画像G2上のドアの下頂点に位置させる。次に、基準点Pを固定させた状態で、図13に示すように、壁面枠F2、F3が第2の画像G2上の壁面M2、M3の各辺に一致するように壁面枠F1〜F3を拡大させる。そして、第2の画像G2上の表面の壁面、つまり第4の壁面M4に対向する第2の壁面枠F2の1辺F2aと第3の壁面枠F3の1辺F3aとが、図14に示すように、壁面M4の周辺に一致するまで壁面枠F2、F3を延長させる。これにより、辺F2a、F3aを対向する2辺とする第4の壁面枠F4が作成され、第4の壁面M4の周辺に一致することになる。なお、図14中の破線は、延長する前の辺F2a、F3aの位置を示すものである。
【0023】
以上により、室内Mのすべての壁面M1〜M4に対する壁面枠F1〜F4が作成され、これらの壁面枠F1〜F4を連結する(ステップS4)。この際、壁面枠F1〜F4間に隙間がある場合には、その隙間を埋めるように壁面枠F1〜F4を連結する。これにより、室内Mの3次元空間が連結(連続)した壁面枠F1〜F4によって表され、この壁面枠F1〜F4を真上から投影する(ステップS5)ことで、図15に示すような室内Mの内側の平面輪郭図、つまり平面図が作成されるものである。
【0024】
建具位置算出タスク8は、画像G上で指定された建具に基づいて、建具の位置と大きさとを算出するタスクであり、図16に示すフローチャートに基づいている。まず、建具が存在する壁面M1〜M4(壁面枠F1〜F4)を指定すると(ステップS11)、図17に示すようなその壁面M1〜M4に平行な建具枠F5が表示される(ステップS12)。この建具枠F5を移動させるとともに、拡大・収縮させて(ステップS13)、図18に示すように、建具の位置と大きさに合わせる。建具の位置と大きさとが決定されると、建具の位置と大きさとが算出される(ステップS14)。すなわち、この実施の形態では、室内Mのある一辺を実測した値に基づいて、位置(X、Y,Z座標)と大きさ(幅と高さ)とが算出される。なお、画像G1、G2を2方向から撮影した際のカメラ間の距離(位置関係)から三角測量の原理(写真測量)に基づいて、算出するようにしてもよい。このような建具の指定と算出とをすべての建具に対して(ステップS15で「Y」になるまで)行い(図19参照)、その算出結果が記憶部4に記憶される。そして、各建具の建具枠F5の位置と大きさとが、図20に示すように、先に作成した平面図上に付与される(ステップS16)ものである。
【0025】
壁厚付与タスク9は、画像Gが被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、平面図上の輪郭線に壁厚(肉厚)を付与するタスクである。この実施の形態では、上記のように画像Gが被写体の内観であるため、図20(図15)の平面図の各壁面M1〜M4に対して、図21に示すように、外側(外向き)に壁厚を付与する。ここで、壁厚の厚みは、予め設定登録された一律の値となっているが、壁面M1〜M4ごとに設定することも可能である。
【0026】
シンボル付与タスク10は、指定された建具の種類に基づいて、該当する建具のシンボルを平面図上に付与するタスクであり、図22に示すフローチャートに基づいている。まず、図21の平面図上で建具枠F5(ステップS21)を指定し、この建具枠F5に位置すべき建具の種類を指定する(ステップS22)。すなわち、この実施の形態では、表示部2に、まず建具の種別(シンボルデータベース5の第1のデータレイヤ51に記憶されている種別)が表示され、建具の種別を指定(選択)すると、当該種別(建具)の様式(シンボルデータベース5の第2のデータレイヤ52に記憶されている様式)が表示され、この様式のなかから該当する様式を指定する。このようにして建具の種類を指定すると、シンボルデータベース5から該当するシンボルが取得され(ステップS23)、図23に示すように、指定された建具枠F5に当該シンボルが付与、表示される(ステップS24)。そして、このようなシンボル付与をすべての建具(建具枠F5)に対して(ステップS25で「Y」になるまで)行うものである。
【0027】
建具位置表示タスク11は、建具位置算出タスク8によって算出された建具の位置と大きさとを、数値として平面図上に表示するタスクである。すなわち、この実施の形態では、シンボル付与タスク10によってシンボルが平面図上に付与された際に起動され、図24に示すように、記憶部4に記憶された建具(建具枠F5)の位置を平面上の位置寸法と取付高さとして表示し、建具の大きさを平面上の寸法(幅)と建具高さとして表示するものである。
【0028】
部屋名付与タスク12は、平面図上に部屋名を付与、表示するタスクである。すなわち、部屋名の候補リスト(部屋名データベース6に記憶された部屋名)を表示部2に表示し、図25に示すように、指定された部屋名(この実施の形態では「ホール」)を平面図上の指定された位置に付与、表示するものである。
【0029】
ところで、上記のようにして作成された平面図や建具などはレイヤ分けされている。すなわち、平面図作成タスク7によって作成された平面図である壁面枠F1〜F4(壁面M1〜M4)は、壁レイヤとして割り当てられ、シンボル付与タスク10によって付与された建具(シンボル)は、建具レイヤとして割り当てられている。また、建具位置表示タスク11によって表示された数値は、寸法レイヤとして割り当てられ、部屋名付与タスク12によって付与された部屋名は、文字レイヤとして割り当てられている。そして、このようにレイヤ分けすることで、平面図などの修正やグループ(レイヤ)ごとの変換などがしやすいようになっている。なお、この実施の形態では、各タスク7,10、11、12においてレイヤを割り当てているが、任意の時点で任意のレイヤを割り当てるようにしてもよい。
【0030】
次に、このような構成の画像処理装置1の作動などを、図26に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、異なる2方向から家屋の室内Mを撮影し(ステップS31)、撮影した2つの画像G1、G2(画像データ)を画像処理装置1に読み込む(ステップS32)。次に、平面図作成タスク7を起動し(ステップS33)、上記のようにして画像G1、G2上で室内Mの壁面M1〜M4を指定することで、壁面枠F1〜F4が作成され、室内Mの平面図(平面輪郭図)が作成される。続いて、建具位置算出タスク8を起動し(ステップS34)、上記のようにして画像G1、G2上で室内Mの建具を指定することで、建具の位置と大きさとが算出される。次に、壁厚付与タスク9を起動すると(ステップS35)、上記のようにして平面図の各壁面M1〜M4に壁厚が付与される。さらに、シンボル付与タスク10を起動し(ステップS36)、上記のようにして建具の種類を指定することで、該当する建具のシンボルが平面図上に付与され、続いて、建具位置表示タスク11が起動され(ステップS37)、建具の位置と大きさとが、数値として平面図上に表示される。次に、部屋名付与タスク12を起動し(ステップS38)、部屋名と表示位置とを指定することで、部屋名が平面図上に付与、表示される。そして、このようにして作成された平面図を所定のフォーマットに変換して(ステップS39)、記憶部4や外部の記憶媒体に記憶(出力)する(ステップS40)ものである。
【0031】
以上のように、この画像処理装置1によれば、画像G上で室内Mの壁面M1〜M4と建具とを指定し、さらに、建具の種類を指定することで、建具があるべき位置に建具のシンボルが付与された平面図が作成される。つまり、図25に示すように、ドアや窓などの建具のシンボルが正しい位置に付与、表示された室内Mの平面図が作成され、建具の位置や種類などが正確に表示された平面図を得ることができる。
【0032】
しかも、平面図の各壁面M1〜M4に壁厚が付与されるため、室内Mの壁厚を含むより正確な平面図を得ることができる。また、建具の位置と大きさとが数値として平面図上に表示されるため、建具の位置と大きさとを正確に知得することができる。さらに、部屋名が平面図上に付与されるため、作成された平面図の種別を一目で知得することができる。
【0033】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、この実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、この実施の形態では、2つの画像G1、G2に基づいて平面図を作成しているが、さらに多くの画像に基づいて作成することや、撮影方向や被写体などによっては1つの画像に基づいて作成することも可能である。また、この発明では、平面図には上面図を含むものとし、平面図と同様にして上面図を作成することができる。さらに、家屋(被写体)の外観を撮影した画像に基づいて平面図を作成することも可能であり、造園などのその他の被写体にも適用できることは勿論である。
【0034】
ところで、汎用のコンピュータなどに、上記のようなデータベース5と、タスク7〜11を備えるようにしてもよい。すなわち、コンピュータを、付帯物の種類ごとに当該付帯物のシンボルを記憶したシンボルデータベース5と、画像上で指定された被写体の周面に基づいて被写体の平面図を作成する平面図作成手段(平面図作成タスク7)と、画像上で指定された被写体の付帯物に基づいて付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段(建具位置算出タスク8)と、画像が被写体の外観であるか内観であるかに基づいて平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段(壁厚付与タスク9)と、指定された付帯物の種類に基づいて平面図上に該当するシンボルを付与するシンボル付与手段(シンボル付与タスク10)と、付帯物の位置を数値として平面図上に表示する付帯位置表示手段(建具位置表示タスク11)として機能させるための画像処理プログラムをコンピュータにインストールするようにしてもよい。これにより、汎用のコンピュータなどを用いて、被写体を写真撮影した画像に基づいて、被写体の平面図をより正確に作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成ブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置のシンボルデータベースのデータ構成を示す図である。
【図3】図2のシンボルデータベースに記憶されているドアのシンボルの例を示す図である。
【図4】図1の画像処理装置の部屋名データベースに記憶されている部屋名の例を示す図である。
【図5】図1の画像処理装置の平面図作成タスクのフローチャートである。
【図6】図5の平面図作成タスクにおける画像の歪の補正処理を示す図であり、(a)は、画像内に基準線を設けた状態を示し、(b)は、基準線を画像内の任意の1辺と重なるように変形させた状態を示し、(c)は、画像を補正した状態を示す図である。
【図7】図5の平面図作成タスクにおいて、第1の画像上に3次元座標軸を設定した状態を示す図である。
【図8】図5の平面図作成タスクにおいて、第1の壁面に対応する第1の壁面枠を作成する処理を示す図であり、(a)は、第1の画像上に第1の壁面枠が表示された状態を示し、(b)は、第1の壁面枠を第1の壁面の周辺と一致させて第1の壁面枠を作成した状態を示す図である。
【図9】図5の平面図作成タスクにおいて、第2の壁面に対応する第2の壁面枠を作成する処理を示す図であり、(a)は、第2の壁面と平行な第2の壁面枠が表示された状態を示し、(b)は、第2の壁面枠を第2の壁面の周辺と一致させて第2の壁面枠を作成した状態を示す図である。
【図10】図5の平面図作成タスクにおいて、第3の壁面に対応する第3の壁面枠を作成した状態を示す図である。
【図11】図5の平面図作成タスクにおいて、第1〜3の壁面枠が第2の画像上に表示された状態を示す図である。
【図12】図5の平面図作成タスクにおいて、第1〜3の壁面枠の基準点を第2の画像上で位置すべき点に移動させた状態を示す図である。
【図13】図5の平面図作成タスクにおいて、第1〜3の壁面枠が第2の画像上の壁面の各辺に一致するように第1〜3の壁面枠を拡大させた状態を示す図である。
【図14】図5の平面図作成タスクにおいて、第2、3の壁面枠が第4の壁面の周辺に一致するまで第2、3の壁面枠を延長させた状態を示す図である。
【図15】図5の平面図作成タスクにおいて、連結した4つの壁面枠を真上から投影して得られた室内の平面輪郭図である平面図を示す図である。
【図16】図1の画像処理装置の建具位置算出タスクのフローチャートである。
【図17】図16の建具位置算出タスクにおいて、第1の画像上で建具が存在する壁面に建具枠が表示された状態を示す図である。
【図18】図16の建具位置算出タスクにおいて、第1の画像上で建具枠を移動、拡大・収縮させて、建具の位置と大きさに合わせた状態を示す図である。
【図19】図16の建具位置算出タスクにおいて、第2の画像上で建具枠を作成、決定させた状態を示す図である。
【図20】図16の建具位置算出タスクにおいて、各建具の建具枠の位置と大きさとが平面図上に付与された状態を示す図である。
【図21】図1の画像処理装置の壁厚付与タスクによって、平面図上の各壁面に対して壁厚が付与された状態を示す図である。
【図22】図1の画像処理装置のシンボル付与タスクのフローチャートである。
【図23】図22のシンボル付与タスクにおいて、指定された建具枠に該当するシンボルが付与、表示された状態を示す図である。
【図24】図1の画像処理装置の建具位置表示タスクによって、建具の位置と大きさとが数値として平面上に表示された状態を示す図である。
【図25】図1の画像処理装置の部屋名付与タスクによって、指定された部屋名が平面図上の指定された位置に付与、表示された状態を示す図である。
【図26】図1の画像処理装置の作動フローなどを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1 画像処理装置
2 表示部
3 入力部
4 記憶部
5 シンボルデータベース
6 部屋名データベース
7 平面図作成タスク(平面図作成手段)
8 建具位置算出タスク(付帯位置算出手段)
9 壁厚付与タスク(肉厚付与手段)
10 シンボル付与タスク(シンボル付与手段)
11 建具位置表示タスク(付帯位置表示手段)
12 部屋名付与タスク
13 CPU
G1 第1の画像
G2 第2の画像
M 室内(被写体)
M1〜M4 壁面(周面)
F1〜F4 壁面枠
F5 建具枠
P 基準点
L 基準線
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物などの被写体を写真撮影した画像データに基づいて、被写体の平面図を作成する画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空間や立体などの3次元の存在をコンピュータの画面に投影して描画した3次元コンピュータグラフィックス(以下、「3DCG」という)は、いろいろな分野で使用されており、被写体のステレオペア画像から被写体の3DCGを作成する画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この画像処理装置は、異なる方向から被写体を撮影した2つの画像(ステレオペア画像)から特徴的な点を抽出し、これらの点の2次元座標値に基づいて被写体を写真測量して、被写体の3次元情報を取得するものである。
【0003】
また、3次元CADの作業空間に存在している3次元データから2次元の断面形状データを作成する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この方法は、断面方向を選択して複数の断面作成位置を数値で入力し、この入力情報を一時的に蓄積させ、データ入力が終了した時点でプログラムを実行させる。これにより、指示した方向と位置に断面形状を作成し、さらに断面形状をXY座標に回転するものである。
【特許文献1】特開2003−90714号公報
【特許文献2】特開平11−85830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建築関連の分野などでは、建築物の平面図に基づいて建築作業や見積などを行う場合が多い。そして、例えば、家屋のリフォームなどの際に、迅速かつ正確にリフォーム計画や見積などを立てるために、家屋を写真撮影した画像に基づいて、家屋の平面図が得られる技術が求められていた。しかしながら、上記の特許文献1に記載されているような画像処理装置では、被写体の写真画像から3DCGを作成することはできるが、平面図を得るものではない。また、3DCGを単に回転させて平面図を得ようとしても、ドアや窓などの建具が適切に表現されない。つまり、建具の存否が不明であったり、どのような建具があるのか不明であったりし、正確(適正)な平面図を得ることができない。一方、上記の特許文献2に記載されているような方法では、3次元CAD空間内の3次元データから2次元の断面形状データを作成することができるものの、写真撮影した画像に基づいて正確な平面図を得ることができるものではない。
【0005】
そこで本発明は、被写体を写真撮影した画像に基づいて、被写体の平面図をより正確に作成することができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、被写体を写真撮影した画像に基づいて、前記被写体の平面図を作成する画像処理装置であって、前記画像上で指定された前記被写体の周面に基づいて、前記被写体の平面図を作成する平面図作成手段と、前記画像上で指定された前記被写体の付帯物に基づいて、前記付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段と、前記付帯物の種類ごとに、当該付帯物を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベースと、指定された付帯物の種類に基づいて、前記シンボルデータベースから該当するシンボルを取得し、前記平面図作成手段によって作成された平面図上で前記付帯位置算出手段によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与手段と、を備えたことを特徴としている。
(作用)
画像上で被写体の周面を指定すると、平面図作成手段によって被写体の平面図が作成され、画像上で被写体の付帯物を指定すると、付帯位置算出手段によって付帯物の位置が算出される。また、付帯物の種類を指定すると、シンボル付与手段によって、平面図上で付帯物があるべき位置に、種類に対応した付帯物のシンボルが付与される。つまり、付帯物のシンボルが正しい位置に付与された平面図が作成される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記画像が前記被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、前記平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段を備えたことを特徴としている。
(作用)
画像が被写体の外観である場合には、平面図作成手段によって作成された平面図に対して内側(内向き)に肉厚が付与される。一方、画像が被写体の内観である場合には、平面図作成手段によって作成された平面図に対して外側(外向き)に肉厚が付与される。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記付帯位置算出手段によって算出された前記付帯物の位置を、数値として前記平面図上に表示する付帯位置表示手段を備えたことを特徴としている。
(作用)
付帯位置表示手段によって、付帯物の位置が数値として平面図上に表示される。
【0009】
請求項4に記載の発明は、被写体を写真撮影した画像に基づいて、前記被写体の平面図を作成する画像処理プログラムであって、コンピュータを、前記画像上で指定された前記被写体の周面に基づいて、前記被写体の平面図を作成する平面図作成手段と、前記画像上で指定された前記被写体の付帯物に基づいて、前記付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段と、前記付帯物の種類ごとに、当該付帯物を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベースと、指定された付帯物の種類に基づいて、前記シンボルデータベースから該当するシンボルを取得し、前記平面図作成手段によって作成された平面図上で前記付帯位置算出手段によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与手段として機能させるための画像処理プログラムである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、コンピュータを、前記画像が前記被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、前記平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段として機能させるための請求項4に記載の画像処理プログラムである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、前記付帯位置算出手段によって算出された前記付帯物の位置を、数値として前記平面図上に表示する付帯位置表示手段として機能させるための請求項4または5のいずれか1項に記載の画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1および4に記載の発明によれば、画像上で被写体の周面と付帯物を指定し、さらに、付帯物の種類を指定すると、付帯物があるべき位置に付帯物のシンボルが付与された平面図が作成される。例えば、被写体が家屋の場合には、ドアや窓などの建具(付帯物)のシンボルが正しい位置に付与、表示された平面図が作成される。すなわち、付帯物の位置や種類などが正確に表示された平面図を得ることができる。
【0013】
請求項2および5に記載の発明によれば、例えば、被写体が家屋で、画像が被写体の内観である場合には、平面図作成手段で作成された屋内の平面図に対して外側に壁厚(肉厚)が付与される。このため、被写体の肉厚を含むより正確な平面図を得ることができる。
【0014】
請求項3および6に記載の発明によれば、付帯物の位置が数値として平面図上に表示されるため、付帯物の位置を正確に知得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0016】
図1は、この発明の実施の形態に係る画像処理装置1の概略構成ブロック図である。この画像処理装置1は、被写体を写真撮影した画像に基づいて、被写体の平面図を作成する装置であって、主として、表示部2と、入力部3と、記憶部4と、シンボルデータベース5と、部屋名データベース6と、平面図作成タスク(平面図作成手段)7と、建具位置算出タスク(付帯位置算出手段)8と、壁厚付与タスク(肉厚付与手段)9と、シンボル付与タスク(シンボル付与手段)10と、建具位置表示タスク(付帯位置表示手段)11と、部屋名付与タスク12と、これらを制御などするCPU13とを備えている。ここで、この実施の形態では、家屋を被写体とし、その部屋の平面図を作成する場合を例にして説明し、また、異なる方向から家屋の室内Mを撮影した2つの画像G1、G2(以下、適宜「G」を称する)に基づいて、平面図を作成するものとする。つまり、画像G1、G2は、被写体の内観であるとする。
【0017】
表示部2は、写真撮影した画像Gや操作メニューなどを表示するディスプレイである。入力部3は、後述するように画像G上で室内Mの壁面(周面)や建具(付帯物)などを指定したり、メニューを選択したりするためのキーボードやマウスである。記憶部4は、読み込んだ画像Gや作成した平面図などを記憶するメモリである。
【0018】
シンボルデータベース5は、建具の種類ごとに、建具を略図化したシンボルを記憶したデータベースであり、図2に示すようなデータ構成となっている。すなわち、第1のデータレイヤ51には、ドア、引違、引戸、折戸、間仕切、洋窓、出窓、雨戸などの建具の種別が記憶され、第2のデータレイヤ52には、建具の種別ごとに、当該建具の様式(型式)が記憶されている。例えば、建具がドアの場合には、片開、自由、片袖、両袖、両開、親子などの様式が記憶されている。さらに、第3のデータレイヤ53には、建具の様式ごとに、当該建具を略図化したシンボルが記憶されている。例えば、建具がドアの場合には、図3に示すようなシンボルが様式ごとに記憶されている。
【0019】
部屋名データベース6は、部屋番号ごとに部屋名(部屋用途名)を記憶したデータベースであり、例えば、リビング、キッチン、居間など、図4に示すような部屋名が記憶されている。
【0020】
平面図作成タスク7は、画像G上で指定された室内Mの壁面に基づいて、室内Mの平面図を作成するタスク(プログラム)であり、図5に示すフローチャートに基づいている。まず、読み込まれた画像Gの歪、つまり画像Gの撮影時にカメラレンズに起因して発生した樽型の歪を補正する(ステップS1)。すなわち、図6に示すように、画像G内に基準線Lを設け(図6(a)参照)、この基準線Lが画像G内の任意の1辺と重なるように基準線Lを変形させ(図6(b)参照)、その変形率(歪率)を算出する。そして、その変形率だけ画像Gを逆変形(逆変換)させて(図6(c)参照)、歪を補正するものである。
【0021】
次に、画像G上に3次元座標軸(X、Y、Z軸)を設定する(ステップS2)。すなわち、図7に示す第1の画像G1においてX、Z軸方向に各2辺を指定すると、3点透視図法によって消点が算出され、室内Mの2つの壁面と床面との境である内コーナー部に、図示のように3次元座標軸が設定される。そして、2点透視図法や3点透視図法によって、3次元座標軸の相互間角度から視点および相互の位置関係が算出できるものである。続いて、室内Mの壁面を指定して、壁面に対応する壁面枠を作成する(ステップS3)。すなわち、図8(a)に示すように、第1の画像G1上に第1の壁面M1に平行な第1の壁面枠F1が表示され、この壁面枠F1の各辺は、先に設定した3次元座標軸に沿って移動、拡大・収縮できるようになっている。そして、この壁面枠F1を移動、拡大・収縮させて、図8(b)に示すように、壁面枠F1を第1の壁面M1の周辺と一致させることで、第1の壁面M1が指定され、第1の壁面枠F1が作成(決定)される。次に、第1の壁面M1に接する第2の壁面M2の1辺である壁面枠F1の1辺F1aを指定すると、図9(a)に示すように、第2の壁面M2と平行な第2の壁面枠F2が表示される。そして、当該1辺F1aと対向する第2の壁面枠F2の1辺F2aを移動させると、壁面枠F2が拡大・収縮し、図9(b)に示すように、壁面枠F2を第2の壁面M2の周辺に一致させることで、第2の壁面M2が指定され、第2の壁面枠F2が作成される。同様にして、第1の壁面M1に接する他方の第3の壁面M3を指定し、図10に示すように、第3の壁面枠F3を作成するものである。
【0022】
このようにして作成された壁面M1〜M3の壁面枠F1〜F3が、図11に示すように、第2の画像G2上に表示される。そして、この壁面枠F1〜F3を移動、回転させて、図12に示すように、壁面枠F1〜F3の基準点Pが第2の画像G2上で位置すべき点に位置させる。例えば、室内Mのドアが画像G1、G2上にともに撮影されている場合に、ドアの下頂点を基準点Pとし、この基準点Pを第2の画像G2上のドアの下頂点に位置させる。次に、基準点Pを固定させた状態で、図13に示すように、壁面枠F2、F3が第2の画像G2上の壁面M2、M3の各辺に一致するように壁面枠F1〜F3を拡大させる。そして、第2の画像G2上の表面の壁面、つまり第4の壁面M4に対向する第2の壁面枠F2の1辺F2aと第3の壁面枠F3の1辺F3aとが、図14に示すように、壁面M4の周辺に一致するまで壁面枠F2、F3を延長させる。これにより、辺F2a、F3aを対向する2辺とする第4の壁面枠F4が作成され、第4の壁面M4の周辺に一致することになる。なお、図14中の破線は、延長する前の辺F2a、F3aの位置を示すものである。
【0023】
以上により、室内Mのすべての壁面M1〜M4に対する壁面枠F1〜F4が作成され、これらの壁面枠F1〜F4を連結する(ステップS4)。この際、壁面枠F1〜F4間に隙間がある場合には、その隙間を埋めるように壁面枠F1〜F4を連結する。これにより、室内Mの3次元空間が連結(連続)した壁面枠F1〜F4によって表され、この壁面枠F1〜F4を真上から投影する(ステップS5)ことで、図15に示すような室内Mの内側の平面輪郭図、つまり平面図が作成されるものである。
【0024】
建具位置算出タスク8は、画像G上で指定された建具に基づいて、建具の位置と大きさとを算出するタスクであり、図16に示すフローチャートに基づいている。まず、建具が存在する壁面M1〜M4(壁面枠F1〜F4)を指定すると(ステップS11)、図17に示すようなその壁面M1〜M4に平行な建具枠F5が表示される(ステップS12)。この建具枠F5を移動させるとともに、拡大・収縮させて(ステップS13)、図18に示すように、建具の位置と大きさに合わせる。建具の位置と大きさとが決定されると、建具の位置と大きさとが算出される(ステップS14)。すなわち、この実施の形態では、室内Mのある一辺を実測した値に基づいて、位置(X、Y,Z座標)と大きさ(幅と高さ)とが算出される。なお、画像G1、G2を2方向から撮影した際のカメラ間の距離(位置関係)から三角測量の原理(写真測量)に基づいて、算出するようにしてもよい。このような建具の指定と算出とをすべての建具に対して(ステップS15で「Y」になるまで)行い(図19参照)、その算出結果が記憶部4に記憶される。そして、各建具の建具枠F5の位置と大きさとが、図20に示すように、先に作成した平面図上に付与される(ステップS16)ものである。
【0025】
壁厚付与タスク9は、画像Gが被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、平面図上の輪郭線に壁厚(肉厚)を付与するタスクである。この実施の形態では、上記のように画像Gが被写体の内観であるため、図20(図15)の平面図の各壁面M1〜M4に対して、図21に示すように、外側(外向き)に壁厚を付与する。ここで、壁厚の厚みは、予め設定登録された一律の値となっているが、壁面M1〜M4ごとに設定することも可能である。
【0026】
シンボル付与タスク10は、指定された建具の種類に基づいて、該当する建具のシンボルを平面図上に付与するタスクであり、図22に示すフローチャートに基づいている。まず、図21の平面図上で建具枠F5(ステップS21)を指定し、この建具枠F5に位置すべき建具の種類を指定する(ステップS22)。すなわち、この実施の形態では、表示部2に、まず建具の種別(シンボルデータベース5の第1のデータレイヤ51に記憶されている種別)が表示され、建具の種別を指定(選択)すると、当該種別(建具)の様式(シンボルデータベース5の第2のデータレイヤ52に記憶されている様式)が表示され、この様式のなかから該当する様式を指定する。このようにして建具の種類を指定すると、シンボルデータベース5から該当するシンボルが取得され(ステップS23)、図23に示すように、指定された建具枠F5に当該シンボルが付与、表示される(ステップS24)。そして、このようなシンボル付与をすべての建具(建具枠F5)に対して(ステップS25で「Y」になるまで)行うものである。
【0027】
建具位置表示タスク11は、建具位置算出タスク8によって算出された建具の位置と大きさとを、数値として平面図上に表示するタスクである。すなわち、この実施の形態では、シンボル付与タスク10によってシンボルが平面図上に付与された際に起動され、図24に示すように、記憶部4に記憶された建具(建具枠F5)の位置を平面上の位置寸法と取付高さとして表示し、建具の大きさを平面上の寸法(幅)と建具高さとして表示するものである。
【0028】
部屋名付与タスク12は、平面図上に部屋名を付与、表示するタスクである。すなわち、部屋名の候補リスト(部屋名データベース6に記憶された部屋名)を表示部2に表示し、図25に示すように、指定された部屋名(この実施の形態では「ホール」)を平面図上の指定された位置に付与、表示するものである。
【0029】
ところで、上記のようにして作成された平面図や建具などはレイヤ分けされている。すなわち、平面図作成タスク7によって作成された平面図である壁面枠F1〜F4(壁面M1〜M4)は、壁レイヤとして割り当てられ、シンボル付与タスク10によって付与された建具(シンボル)は、建具レイヤとして割り当てられている。また、建具位置表示タスク11によって表示された数値は、寸法レイヤとして割り当てられ、部屋名付与タスク12によって付与された部屋名は、文字レイヤとして割り当てられている。そして、このようにレイヤ分けすることで、平面図などの修正やグループ(レイヤ)ごとの変換などがしやすいようになっている。なお、この実施の形態では、各タスク7,10、11、12においてレイヤを割り当てているが、任意の時点で任意のレイヤを割り当てるようにしてもよい。
【0030】
次に、このような構成の画像処理装置1の作動などを、図26に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、異なる2方向から家屋の室内Mを撮影し(ステップS31)、撮影した2つの画像G1、G2(画像データ)を画像処理装置1に読み込む(ステップS32)。次に、平面図作成タスク7を起動し(ステップS33)、上記のようにして画像G1、G2上で室内Mの壁面M1〜M4を指定することで、壁面枠F1〜F4が作成され、室内Mの平面図(平面輪郭図)が作成される。続いて、建具位置算出タスク8を起動し(ステップS34)、上記のようにして画像G1、G2上で室内Mの建具を指定することで、建具の位置と大きさとが算出される。次に、壁厚付与タスク9を起動すると(ステップS35)、上記のようにして平面図の各壁面M1〜M4に壁厚が付与される。さらに、シンボル付与タスク10を起動し(ステップS36)、上記のようにして建具の種類を指定することで、該当する建具のシンボルが平面図上に付与され、続いて、建具位置表示タスク11が起動され(ステップS37)、建具の位置と大きさとが、数値として平面図上に表示される。次に、部屋名付与タスク12を起動し(ステップS38)、部屋名と表示位置とを指定することで、部屋名が平面図上に付与、表示される。そして、このようにして作成された平面図を所定のフォーマットに変換して(ステップS39)、記憶部4や外部の記憶媒体に記憶(出力)する(ステップS40)ものである。
【0031】
以上のように、この画像処理装置1によれば、画像G上で室内Mの壁面M1〜M4と建具とを指定し、さらに、建具の種類を指定することで、建具があるべき位置に建具のシンボルが付与された平面図が作成される。つまり、図25に示すように、ドアや窓などの建具のシンボルが正しい位置に付与、表示された室内Mの平面図が作成され、建具の位置や種類などが正確に表示された平面図を得ることができる。
【0032】
しかも、平面図の各壁面M1〜M4に壁厚が付与されるため、室内Mの壁厚を含むより正確な平面図を得ることができる。また、建具の位置と大きさとが数値として平面図上に表示されるため、建具の位置と大きさとを正確に知得することができる。さらに、部屋名が平面図上に付与されるため、作成された平面図の種別を一目で知得することができる。
【0033】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、この実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、この実施の形態では、2つの画像G1、G2に基づいて平面図を作成しているが、さらに多くの画像に基づいて作成することや、撮影方向や被写体などによっては1つの画像に基づいて作成することも可能である。また、この発明では、平面図には上面図を含むものとし、平面図と同様にして上面図を作成することができる。さらに、家屋(被写体)の外観を撮影した画像に基づいて平面図を作成することも可能であり、造園などのその他の被写体にも適用できることは勿論である。
【0034】
ところで、汎用のコンピュータなどに、上記のようなデータベース5と、タスク7〜11を備えるようにしてもよい。すなわち、コンピュータを、付帯物の種類ごとに当該付帯物のシンボルを記憶したシンボルデータベース5と、画像上で指定された被写体の周面に基づいて被写体の平面図を作成する平面図作成手段(平面図作成タスク7)と、画像上で指定された被写体の付帯物に基づいて付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段(建具位置算出タスク8)と、画像が被写体の外観であるか内観であるかに基づいて平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段(壁厚付与タスク9)と、指定された付帯物の種類に基づいて平面図上に該当するシンボルを付与するシンボル付与手段(シンボル付与タスク10)と、付帯物の位置を数値として平面図上に表示する付帯位置表示手段(建具位置表示タスク11)として機能させるための画像処理プログラムをコンピュータにインストールするようにしてもよい。これにより、汎用のコンピュータなどを用いて、被写体を写真撮影した画像に基づいて、被写体の平面図をより正確に作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成ブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置のシンボルデータベースのデータ構成を示す図である。
【図3】図2のシンボルデータベースに記憶されているドアのシンボルの例を示す図である。
【図4】図1の画像処理装置の部屋名データベースに記憶されている部屋名の例を示す図である。
【図5】図1の画像処理装置の平面図作成タスクのフローチャートである。
【図6】図5の平面図作成タスクにおける画像の歪の補正処理を示す図であり、(a)は、画像内に基準線を設けた状態を示し、(b)は、基準線を画像内の任意の1辺と重なるように変形させた状態を示し、(c)は、画像を補正した状態を示す図である。
【図7】図5の平面図作成タスクにおいて、第1の画像上に3次元座標軸を設定した状態を示す図である。
【図8】図5の平面図作成タスクにおいて、第1の壁面に対応する第1の壁面枠を作成する処理を示す図であり、(a)は、第1の画像上に第1の壁面枠が表示された状態を示し、(b)は、第1の壁面枠を第1の壁面の周辺と一致させて第1の壁面枠を作成した状態を示す図である。
【図9】図5の平面図作成タスクにおいて、第2の壁面に対応する第2の壁面枠を作成する処理を示す図であり、(a)は、第2の壁面と平行な第2の壁面枠が表示された状態を示し、(b)は、第2の壁面枠を第2の壁面の周辺と一致させて第2の壁面枠を作成した状態を示す図である。
【図10】図5の平面図作成タスクにおいて、第3の壁面に対応する第3の壁面枠を作成した状態を示す図である。
【図11】図5の平面図作成タスクにおいて、第1〜3の壁面枠が第2の画像上に表示された状態を示す図である。
【図12】図5の平面図作成タスクにおいて、第1〜3の壁面枠の基準点を第2の画像上で位置すべき点に移動させた状態を示す図である。
【図13】図5の平面図作成タスクにおいて、第1〜3の壁面枠が第2の画像上の壁面の各辺に一致するように第1〜3の壁面枠を拡大させた状態を示す図である。
【図14】図5の平面図作成タスクにおいて、第2、3の壁面枠が第4の壁面の周辺に一致するまで第2、3の壁面枠を延長させた状態を示す図である。
【図15】図5の平面図作成タスクにおいて、連結した4つの壁面枠を真上から投影して得られた室内の平面輪郭図である平面図を示す図である。
【図16】図1の画像処理装置の建具位置算出タスクのフローチャートである。
【図17】図16の建具位置算出タスクにおいて、第1の画像上で建具が存在する壁面に建具枠が表示された状態を示す図である。
【図18】図16の建具位置算出タスクにおいて、第1の画像上で建具枠を移動、拡大・収縮させて、建具の位置と大きさに合わせた状態を示す図である。
【図19】図16の建具位置算出タスクにおいて、第2の画像上で建具枠を作成、決定させた状態を示す図である。
【図20】図16の建具位置算出タスクにおいて、各建具の建具枠の位置と大きさとが平面図上に付与された状態を示す図である。
【図21】図1の画像処理装置の壁厚付与タスクによって、平面図上の各壁面に対して壁厚が付与された状態を示す図である。
【図22】図1の画像処理装置のシンボル付与タスクのフローチャートである。
【図23】図22のシンボル付与タスクにおいて、指定された建具枠に該当するシンボルが付与、表示された状態を示す図である。
【図24】図1の画像処理装置の建具位置表示タスクによって、建具の位置と大きさとが数値として平面上に表示された状態を示す図である。
【図25】図1の画像処理装置の部屋名付与タスクによって、指定された部屋名が平面図上の指定された位置に付与、表示された状態を示す図である。
【図26】図1の画像処理装置の作動フローなどを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1 画像処理装置
2 表示部
3 入力部
4 記憶部
5 シンボルデータベース
6 部屋名データベース
7 平面図作成タスク(平面図作成手段)
8 建具位置算出タスク(付帯位置算出手段)
9 壁厚付与タスク(肉厚付与手段)
10 シンボル付与タスク(シンボル付与手段)
11 建具位置表示タスク(付帯位置表示手段)
12 部屋名付与タスク
13 CPU
G1 第1の画像
G2 第2の画像
M 室内(被写体)
M1〜M4 壁面(周面)
F1〜F4 壁面枠
F5 建具枠
P 基準点
L 基準線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を写真撮影した画像に基づいて、前記被写体の平面図を作成する画像処理装置であって、
前記画像上で指定された前記被写体の周面に基づいて、前記被写体の平面図を作成する平面図作成手段と、
前記画像上で指定された前記被写体の付帯物に基づいて、前記付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段と、
前記付帯物の種類ごとに、当該付帯物を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベースと、
指定された付帯物の種類に基づいて、前記シンボルデータベースから該当するシンボルを取得し、前記平面図作成手段によって作成された平面図上で前記付帯位置算出手段によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像が前記被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、前記平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記付帯位置算出手段によって算出された前記付帯物の位置を、数値として前記平面図上に表示する付帯位置表示手段を備えたことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項4】
被写体を写真撮影した画像に基づいて、前記被写体の平面図を作成する画像処理プログラムであって、コンピュータを、
前記画像上で指定された前記被写体の周面に基づいて、前記被写体の平面図を作成する平面図作成手段と、
前記画像上で指定された前記被写体の付帯物に基づいて、前記付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段と、
前記付帯物の種類ごとに、当該付帯物を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベースと、
指定された付帯物の種類に基づいて、前記シンボルデータベースから該当するシンボルを取得し、前記平面図作成手段によって作成された平面図上で前記付帯位置算出手段によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与手段として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項5】
コンピュータを、前記画像が前記被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、前記平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段として機能させるための請求項4に記載の画像処理プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、前記付帯位置算出手段によって算出された前記付帯物の位置を、数値として前記平面図上に表示する付帯位置表示手段として機能させるための請求項4または5のいずれか1項に記載の画像処理プログラム。
【請求項1】
被写体を写真撮影した画像に基づいて、前記被写体の平面図を作成する画像処理装置であって、
前記画像上で指定された前記被写体の周面に基づいて、前記被写体の平面図を作成する平面図作成手段と、
前記画像上で指定された前記被写体の付帯物に基づいて、前記付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段と、
前記付帯物の種類ごとに、当該付帯物を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベースと、
指定された付帯物の種類に基づいて、前記シンボルデータベースから該当するシンボルを取得し、前記平面図作成手段によって作成された平面図上で前記付帯位置算出手段によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像が前記被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、前記平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記付帯位置算出手段によって算出された前記付帯物の位置を、数値として前記平面図上に表示する付帯位置表示手段を備えたことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項4】
被写体を写真撮影した画像に基づいて、前記被写体の平面図を作成する画像処理プログラムであって、コンピュータを、
前記画像上で指定された前記被写体の周面に基づいて、前記被写体の平面図を作成する平面図作成手段と、
前記画像上で指定された前記被写体の付帯物に基づいて、前記付帯物の位置を算出する付帯位置算出手段と、
前記付帯物の種類ごとに、当該付帯物を略図化したシンボルを記憶したシンボルデータベースと、
指定された付帯物の種類に基づいて、前記シンボルデータベースから該当するシンボルを取得し、前記平面図作成手段によって作成された平面図上で前記付帯位置算出手段によって算出された位置に、当該シンボルを付与するシンボル付与手段として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項5】
コンピュータを、前記画像が前記被写体の外観であるか内観であるかに基づいて、前記平面図に肉厚を付与する肉厚付与手段として機能させるための請求項4に記載の画像処理プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、前記付帯位置算出手段によって算出された前記付帯物の位置を、数値として前記平面図上に表示する付帯位置表示手段として機能させるための請求項4または5のいずれか1項に記載の画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−77261(P2008−77261A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253734(P2006−253734)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】
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