説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】 複数の頁に亘ってワークフローを実行する場合に、所定の頁における処理を他の処理に反映させることの可能な柔軟な文書管理を実現する画像処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明の画像処理装置は、複数の画像を受信し前記複数の画像を保存し画像処理する画像処理装置であって、前記複数の画像から、第1の画像と第2の画像を識別する識別する識別部と、前記第1の画像から前記第2の画像に関する情報を認識する画像認識部と、前記画像認識部の認識に基づき前記第2の画像処理を設定する処理設定部とを有し、前記処理設定部による設定に基づき画像処理を行なうことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナなどから読取った画像を処理する画像処理装置およびその画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナなどから入力された画像を電子化データ文書として処理し、ハードディスクなどに保管し、これらの入力された文書を含むさまざまな文書データを効率的に整理し保管するシステムとして、文書管理システム(DMS:Document Management System)が知られている。一般的な文書管理システムにおいては、文書管理システムに文書を登録する際、文書データに検索のためのキーワードを設定することで、保管される文書をキーワードで検索することができるなどの機能や、文書が登録された際に、その種別や、保管先などの情報に従って、登録した文書に対して、ワークフローと呼ばれる処理手順を実行する機能を保有している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ここでワークフローとは、たとえば、あるユーザが文書を登録するときに、管理者の確認、承認を得るための指示および情報を記載した電子メールを管理者に送信し、部下が登録したい文書を管理者が確認して登録を承認する操作を行う処理が広く知られている。また、文書管理システムに登録する際に、文書にセキュリティの属性を設定し、特定のユーザにのみ開示可能とする機能や、文書の漏洩、改竄を防ぐための署名、暗号化の機能を有する場合もある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−126941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の文書管理システムにおいては、スキャナで入力した画像を自動的に認識して帳票ごとに分別して管理し、登録したワークフローを実行するように構成されているものの、ワークフローは帳票ごとに実行される。たとえば複数の頁で1組になる文書では、認識した最初の帳票のワークフローが実行されるか、または個々の帳票のワークフローが実行されることになる。このため、複数の頁で1組になる文書を処理する場合では、第1頁目に第2頁目以降に含まれる文書の情報が指定され、第2頁目以降の内容により異なったワークフローを実行したい場合に、意図した結果を得ることができず、人為的な作業が発生して、作業効率が悪いだけではなく、文書の把握ミスを引き起こしてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑み、複数の頁に亘ってワークフローを実行する場合に、所定の頁における処理を他の処理に反映させることの可能な柔軟な文書管理を実現する画像処理装置と、その画像処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の技術的な課題を解決するため、本発明の画像処理装置は、複数の画像を受信し前記複数の画像を保存し画像処理する画像処理装置において、前記複数の画像から、第1の画像と第2の画像を識別する識別する識別部と、前記第1の画像から前記第2の画像に関する情報を認識する画像認識部と、前記画像認識部の認識に基づき前記第2の画像の処理を設定する処理設定部とを有し、前記処理設定部による設定に基づき画像処理を行なうことを特徴とする。
【0008】
また、上述の技術的な課題を解決するため、本発明の画像処理方法は、複数の画像を受信し前記複数の画像を保存し画像処理する画像処理方法であって、前記複数の画像から、第1の画像と第2の画像を識別する識別する工程と、前記第1の画像から前記第2の画像に関する情報を認識する工程と、前記画像認識部の認識に基づき前記第2の画像の処理を設定する工程と、前記処理設定部による設定に基づき画像処理を行なう工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像処理装置を用いて任意の書式の組み合わせを有する書式群を処理する際には、多種類の書類を連続して自動的に処理することができ、作業者の用紙セット、開始指示の作業負担を大幅に減らすことができる。画像認識部の認識に基づき第2の画像処理を設定することから、書式の種類を自動で認識することができ、開始指示で書式の種類を指定する操作および、書式の種類指定ミスを減らすことができる。さらに複数枚で1組の書式群において不足ページを認識した場合に作業者に警告を表示することで人為確認ミスを軽減することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[第1の実施形態]
本実施形態の画像処理装置では、複数種類の書式で構成される書式群の中の文書を読み取り、例えば最初のページに記載されるマークにしたがって各書類を識別し、書類に応じた適切なワークフローを実行することができる。ここではMFP(Multifunction Peripheral)のスキャナで文書を読取り、ネットワーク経由で接続されたサーバー側で読取った画像を処理し、ワークフローを実行するシステム構成を示す。
【0011】
本実施形態にかかる画像処理装置によるシステムは、図1に示すように、LAN或いはインターネットなどのネットワークで接続されるMFP101と画像処理装置として機能するサーバーPC(Personal Computer)120で構成される。
【0012】
MFP101は、ネットワーク接続されたサーバーPC120とHTTPプロトコルを使用したSOAP通信にてMFPユーザの操作指示に従った情報をサーバーPC120に送信し、サーバーPC120の処理結果を受け付けるWebサービスクライアント102と、MFPの状態や使用可能な機能などを表示し、ユーザの操作指示を受ける操作パネル103と操作パネル103から入力された操作指示をWebサービスクライアント102に通知し、サーバーPC120の処理結果などを操作パネル103に表示させるパネル制御部104と、セットされた文書や書類を画像として読取るスキャナ105と、スキャナ105の画像読取を制御する画像読取制御部106と、サーバーPC120から文書の読み取りの指示を受け、画像読取制御部106を介して、スキャナ105から文書画像を読み取り、サーバーPC120に送る画像読取サービス部107で構成される。なお、MFP101は印刷機能やファクシミリ機能を搭載しているが、本実施形態ではこれらの機能は使用しないため図示を省略している。またスキャナ105は複数ページの書類を続けて読取ることができる自動用紙送り機構を装備している。更に本実施形態では、スキャナーにより画像データを入力するとしているが、他の外部装置、例えばパーソナルコンピュータ等で作成した画像データを入力することもできる。
【0013】
MFP101の操作パネル103の構成例を図15に示す。MFPの機能を選択するCopyキー1201、FAXキー1202、SCANキー1203、DMSキー1204と、選択された機能の操作の詳細を表示およびユーザが操作を画面に触れることで指示する操作表示と指示のための液晶タッチパネル1210と、MFPの状態を簡潔に表す状態表示LED1220と、動作中の操作をすべて元に戻すResetキー1221と、MFPの設定メニューを表示するメニューキー1222と、操作時の文字入力を行うテンキー1223と、操作の開始を指示するStartキー1224と、操作を中止するStopキー1225で構成される。
【0014】
サーバーPC120は、ネットワーク接続されたMFP101からHTTPプロトコルを使用したSOAP通信にてMFPユーザの操作指示に従った情報を受付け、その指示に従った処理を行うWebサービス部121と、MFP101のユーザが操作開始時にシステムを使用可能なユーザであることを認証するユーザ認証部122と、MFP101の画像読取サービス部107から読取った画像を保存する読取画像保存ファイル125と、1ページ分の画像の特徴を抽出し、帳票の特徴として帳票を認識させるための属性と、そのページ内で文字やマークなどを認識させる矩形領域と矩形を認識する属性とを関連付けて、帳票定義プロファイル131に保存する帳票定義ユーティリティ部132と、MFP101から読み出した文書画像から切り出された1ページ分の画像の特徴を抽出し、帳票定義プロファイル部131に事前に定義された帳票の特徴とから帳票を認識して、認識した帳票に関連付けられる文字やマークなどを認識させる矩形領域の画像から文字やマークなどを認識する帳票認識OCR部130と、MFP101から読み取った文書画像と、帳票認識OCR部130で認識した結果を関連付けして、データベースサービス部141を介して、データベース142に保存する文書管理サービス部140と、文書管理サービス部140が保存した文書の種類に関連付けられている承認処理などのワークフローを実行するワークフローサービス部150とワークフローで行う処理手順を定義するワークフロー定義部151とで構成される。
【0015】
Webサービス部121には、読取画像保存ファイル125に保存された画像ファイルから1つの文書を抽出する文書抽出分類処理部123と、文書抽出分類処理部123で抽出した文書の情報が保存される文書情報テーブル124とが含まれる。なお、1ページ分の画像の特徴を抽出し、帳票の特徴とから帳票を認識して、認識した帳票に関連付けられる文字やマークなどを認識させる矩形領域の画像から文字やマークなどを認識する帳票認識OCR部130に関する技術は、従来より公知の罫線の特徴を基にした技術を使用することができ、例えば帳票全体の罫線の特徴を自動的に抽出して識別を行うことができる技術であって、特徴が存在する場所や特徴の具体的な定義を行うというような特別なスキルを必要とする操作は不要とされる。ワークフロー定義部151には、正常処理時のワークフローである申請区分毎のワークフロー152と、エラー処理のワークフローであるエラーのワークフロー153が格納されている。
【0016】
図1に示す構成を有する本実施形態の画像処理装置が動作する例について、図2に示す申請書の例を用いて説明する。図2は複数のページからなる文書の様式を示しており、様式1の用紙を1ページ目とする。様式1のページ内の申請区分の欄211で、申請区分の記載を求めており、申請者は申請する区分を手書きでチェックするものであり、そのチェック内容に従って2ページ目以降に必要な様式の用紙、様式2、様式3、様式4のいずれか、またはすべてに記入する。ここで各様式は異なる書式であり、書式ごとに記入する内容も異なっている。2ページ目以降には様式1の申請区分の欄211で指定された様式の用紙が添付され、それらを合わせた書式群が1つの文書とされる。すなわち、図2に示す申請書は、4つの書式が任意に組み合わされた書式群を構成しており、その組み合わせは申請区分211に依存して変化するものとなっている。
【0017】
本実施形態では、文書ごとのID識別が用いられるが、このIDは書式群ごとに付与されたユニークな文字列となっている。すなわち、1回に連続して読取った画像データからなる書式群を1セットとし、1セットには複数の書式(様式)が存在し、さらに1つの書式が連続してまとまっていない場合にも処理できるように、図2の文書識別ID欄220に記載されるID(ABC00123)により、書式群を識別し、複数の書式が、乱雑に混在する読取画像からなる書式群のセット内から特定の1文書を抽出する。文書識別ID欄220に記載がない文書も、ID記載がない文書として1つの文書として扱うことも可能である。なお、本実施例では、各様式のページは、1様式は1ページ(1枚)であらわされるものとし、かつ、1つの文書に含まれる各様式のページは1ページのみ有効とし、1つの文書の1つの様式のページが複数存在した場合は、最初に抽出されたページを有効としている。この図2に示す書式群において、申請区分221としてAが指定された場合は、保険会社への申請依頼管轄部門に申請の依頼が行われ、申請区分221がBとCの場合についてもそれぞれBの場合はカード会社への申請管轄部門、Cの場合は自治体届出管轄部門への申請依頼が行われるものとする。
【0018】
次に、本実施形態の画像処理装置の動作について説明する。ユーザの運用の事前に、サーバーPC120にて次の作業を行っておく。第一に、帳票定義ユーティリティ部132にて、図2で示される運用時に認識する書式の基になる内容未記入の文書を各様式のページごとに特徴を抽出して帳票の名称と、帳票を認識するための属性とともに、様式1の帳票については、図3のように申請区分のチェックマークの部分である領域の矩形状のボックス301、302、303として、この領域をチェックマークとして認識するための属性を領域認識情報として定義し、また様式1、2、3、4すべてにおいて、文書識別ID取得用認識領域に示す矩形領域310を文書識別IDとして認識するための属性を領域認識情報として定義して、帳票定義プロファイル131に保存する。なお、帳票定義するための画像はMFP101から手動で読取りしてもよい。
【0019】
次に、文書管理サービス部140を使用して文書を保存する文書ライブラリを生成しておく。生成する文書ライブラリは、(1)申請区分A用、(2)申請区分B用、(3)申請区分C用、(4)エラー用の4種類である。文書ライブラリの実際のデータはデータベースサービス141部を介して、データベース142に格納される。
【0020】
さらに、申請区分に応じたワークフローをワークフロー定義部151にて定義しておく。本実施形態では、次のワークフローを定義しておき、申請区分の文書ライブラリに関連してワークフロー定義151に保存しておく。定義されるワークフローは、申請区分A用のワークフロー(A)、申請区分B用のワークフロー(B)、申請区分C用のワークフロー(C)、及びエラーのワークフロー(D)の4つである。申請区分A用のワークフロー(A)は、操作者の上長の承認後、書類を保険会社への申請依頼管轄部門への申請依頼を行い、申請が完了したら依頼元である操作者に完了を通知するものである。この申請区分A用のワークフロー(A)による申請に必要な書類は様式1、様式2とされる。また、申請区分B用のワークフロー(B)は、操作者の上長の承認後、書類をカード会社への申請依頼管轄部門への申請依頼を行い、申請が完了したら依頼元である操作者に完了を通知するものである。この申請区分B用のワークフロー(B)による申請に必要な書類は様式1、様式3とされる。
【0021】
また、申請区分C用のワークフロー(C)は操作者の上長の承認後、書類を自治体届出管轄部門への申請依頼を行い、申請が完了したら依頼元である操作者に完了を通知するものである。この申請区分C用のワークフロー(C)による申請に必要な書類は様式1、様式4である。最後に、エラーのワークフロー(D)では申請処理ができなかった連絡を操作者に行う。動作中にエラーが発生した場合は早急にユーザにその旨を通知する必要があるため、たとえば、今回の作業のためにMFP101からログオンしたユーザのアカウントに対してエラー内容の含まれるメッセージや、メールを送付する処理を行う。前述の(A)〜(C)のワークフローは申請区分毎のワークフロー152に定義され、(D)のワークフローはエラーのワークフロー153に定義される。
【0022】
本実施形態の画像処理装置の運用時には、以上の如きワークフローを定義した後、次のような操作を行う。先ず、ユーザがMFP101の操作パネル103から、DMSキー1204を押し文書管理用の機能を選択すると、MFP101は、サーバーPCl20を用いてユーザ認証させるため、図16のようなユーザIDとパスワードを入力させる画面を操作パネル103の操作表示と指示用の液晶タッチパネル1210に表示し、ユーザの操作を待つ。
【0023】
ユーザは、図16のユーザ名入力枠1301aやパスワード入力枠1301bに、ユーザ名や、パスワードを入力する際、図15のテンキー1223から入力することも可能であり、また、ユーザ名入力枠1301aやパスワード入力枠1301bにタッチすると図17のような文字列入力用の画面を表示し、表示させるキーボードの図から文字を選択して入力することも可能である。
【0024】
前記のように操作パネル103よりユーザIDとパスワードを入力し、OK枠1302をタッチしてユーザ認証を実行をすると、Webサービスクライアント102が、サーバーPC120のWebサービス部121のユーザ認証のために、先に入力したユーザIDとパスワードを引数としてサービスを実行する。この際、ユーザIDとパスワードはセキュリティ上保護される必要があるため、SSLを使用したHTTPSなどのセキュアなプロトコルを使用してサービスを行うものとする。
【0025】
Webサービス部121は、ユーザ認証122にユーザIDとパスワードを渡し、ユーザ認証を行う。本実施形態ではユーザ認証の方法について詳細を記載しないが、ディレクトリサービスによる認証やサーバーPC120内のローカルユーザ認証などが可能である。ユーザ認証が完了したら、Webサービス121よりその結果をWebサービスクライアント102に応答する。
【0026】
Webサービスクライアント102は、ユーザ認証が成功したら、パネル制御部104を介して操作パネル103に図18のような文書管理機能メニューを表示しユーザの操作を待つ。ユーザは、スキャナ105に読み取る書式群を複数枚セットし、操作パネル103の文書管理機能メニューのStart枠1501をタッチするか、操作パネル103の図15のStartキー1224を押すことで読取開始を選択する。
【0027】
Webサービスクライアント102が、サーバーPCI20のWebサービス部121の帳票読み取りサービスを呼び出し、Webサービス部121の帳票読み取りサービスは、MFP101の画像読取サービス107を実行して、画像読取制御部106を介して、スキャナ105から文書を読取り、一度で読取った書式群である画像群1セットの画像データとしてサーバーPCl20に送信し、読取画像ファイルに125に保存する。本実施形態では、MFP101とサーバーPC120はネットワークで接続されるため、スキャナ105から読取った文書画像データは、MFP101の画像読取サービス107でサーバーPC120のあらかじめ規定される共有フォルダに、事前に規定した命名規則にしたがって生成されたファイル名のファイルに保存される。
【0028】
Webサービス部121の帳票読み取りサービスは、文書抽出分類処理部123にて、読取画像ファイル125に保存された画像群1セットのすべてのページについて、最初のページから順に帳票認識OCR部130で認識し、文書を抽出分類し、文書毎の各様式のページ画像の位置と申請区分の状態をあらわす文書情報テーブル124を生成する。画像群1セットにおける特定のページ画像の位置は、先頭ページすなわち、最初に読取った原稿のページ画像を1、2枚目に読取った原稿のページ画像を2、3枚目に読取った原稿のページ画像を3のように1つずつ増加する番号で表現し、これをページ番号と称する。帳票認識OCR部130は帳票定義プロファイル部131に保存された帳票特徴データと一番近い帳票を判定し、その帳票に関係付けられている領域認識情報で指定された領域と属性に基づき識別する。
【0029】
帳票認識の結果、帳票の種類が、様式1、2、3、4と認識された場合は、帳票認識OCR部130により領域認識情報で指定された領域と属性に基づき文書識別IDが認識されているので、この文書識別IDを取得する。また、帳票の種類が様式1と認識された場合は、帳票認識OCR部130により領域認識情報で指定された領域と属性に基づき申請区分のマーク情報が認識されているので、この申請区分のマーク情報を取得する。
【0030】
さらに、帳票認識OCR130で認識した結果から、文書毎の各様式のページ画像の位置と申請区分の状態を文書情報テーブル124に格納する。文書識別IDと、帳票の種類すなわち様式で示される該当箇所に現在処理しているページ画像の位置情報として現在処理しているページ画像を現すページ番号とを文書情報テーブル124に格納するとともに、帳票の種類が様式1であった場合、文書情報テーブル124に当該箇所の申請区分チェック情報を格納する。なお、文書識別ID、ページ番号、申請区分のマーク情報は設定すべき処理についての設定情報を含む第1の画像であり、第2の画像の処理のための設定情報を含むものとして処理される。
【0031】
文書抽出分類処理123による文書情報テーブル124のデータ作成処理の例を図4に示す。帳票認識の結果が該当帳票なしの場合は誤認識としてワークフローサービス部のサービスを起動してエラーのワークフロー153に定義されたエラー処理のワークフローを実行することでエラー処理を実行する。なお、図4の文書情報テーブルにおいてページ番号0は該当するページがないことを示す。
【0032】
1つの連続して読み取られる書式群である画像群1セットのすべてのページについて文書抽出分類処理を終了したら、抽出した各文書について文書情報テーブル124のデータより、申請区分に対応する様式のページが存在するか申請区分に対応する様式のページ番号値をチェックし、ページ番号が0の場合は、申請に必要なページがないことになり、その旨を通知するためにワークフローサービス部150のサービスを起動してエラーのワークフロー153に定義されたエラー処理のワークフローを実行することでエラー処理を実行する。
【0033】
申請に必要なページが存在する場合は、文書情報テーブル124に保存される申請に必要なページ番号のページ画像を読取画像ファイル125に保存された画像群1セットの画像データから抽出して、ひとつのファイルに結合し、文書管理サービス140を使用してデータベース142に事前に生成した申請区分に対応した文書ライブラリにそのファイルを保存し、申請区分用に事前に定義されたワークフローをワークフローサービス150を起動して実行する。
【0034】
もし処理中にエラーが発生した場合には、文書管理サービス部140を使用してデータベース142に事前に生成したエラー用文書ライブラリに、エラーにかかる画像データのファイルを保存し、事前にエラーのワークフロー153に定義されたエラー用ワークフローをワークフローサービス部150のサービスを起動して実行する。
【0035】
ここで、読取った画像データを識別し、ワークフローを実行するまでの処理を、図5及び図6を参照しながら、先に説明した帳票認識からワークフロー実行処理までのフローチャートを使用して説明する。
【0036】
初めに、初期化を行う。手順S101では、処理中のページ番号を1に、文書情報テーブルを「なし」、文書数を0に、エラーを「なし」に初期化する。この段階で、リセット状態とされ帳票認識などが実行可能となる。
【0037】
この初期化の後、手順S102で読取った画像データの現在のページ画像を切り出す。複数ページの画像が1つのファイルに含まれる形式の場合は、ファイル内の画像を取り出し、1ページ1画像の場合は現在のページの画像が含まれるファイルから画像を取り出す。この画像の取り出し後、S102で取り出したページ画像データを帳票認識OCR部130が認識できる形式に最適化する(S103)。
【0038】
帳票認識OCR部130に帳票定義プロファイル131と、手順S103で最適化したページ画像を指定し、ページ画像の識別を行う(S104)。この帳票認識OCR部130での処理の際には、第1の画像として設定すべき処理についての設定情報を含む文書識別IDと申請区分の部分のマーク情報の部分が読み込まれると共に第2の画像として当該書式に従って処理される情報を含む各ページの画像のそれぞれが読み込まれることになる。識別時、帳票が特定できたら、領域認識情報で指定された領域と属性に基づき、文書識別IDと申請区分の部分のマーク情報の部分が認識される。
【0039】
手順S104でページ画像の識別の後、識別した結果エラーが発生した場合や、ページ画像が様式1〜様式4以外の場合か否かを判断し(S105)、該当する場合はS116に進み、それ以外の場合はS106に進む。手順S116ではエラーに誤認識エラーであることを設定する処理がなされ、エラー用ライブラリに画像データを登録する手順S117に進む。
【0040】
手順S105エラーなどが無い場合、手順S106に進んで帳票認識OCR部130でページ画像を識別する際に認識した文書識別IDと同じIDの文書が既に文書情報テーブルに登録されているか確認し、既に文書情報テーブルに登録されている場合は手順S108に進み、未登録の場合は手順S107に進む。先ず文書識別IDが未登録の場合について説明すると、先ず、文書情報テーブルに新しい文書識別IDの文書情報を追加し、文書識別IDを設定し、各様式ページ番号に0を設定し、各申請区分をチェック無しにして、文書数に1加算する(S107)。
【0041】
次いで手順S109では文書情報テーブル(図4参照)の、該当する文書識別IDを持つ文書情報のS104で識別した様式に対応するページ番号に現在処理中のページ番号をセットする。このページの設定の後、手順S104で識別した様式が文書識別申請区分A、B、Cのマーク情報を含む様式1か否かが判断され(S110)、もし様式1である場合は手順S111に進み、様式1以外の場合は手順S112に進む。手順S111ではS104で認識した文書識別申請区分A、B、Cのマーク情報から申請区分A、B、Cの状態決定し、文書情報テーブルの、該当する文書識別IDを持つ文書情報の申請区分A、B、Cの状態に設定する。
【0042】
手順S106で文書識別IDが文書情報テーブルに既に登録されている場合は手順S108に進み、手順S108では文書情報テーブルの、該当する文書識別IDを持つ文書情報から、手順S104で識別した様式に対応するページ番号を取り出し、既にその様式が抽出されているか判定する。もしページ番号が0であれば、その様式のページは未抽出であり、手順S109に進んで、現在のページ番号を設定するステップ(S109)や申請区分A、B、Cのマーク情報から申請区分の状態を決定するステップ(S112)に進む。また、ページ番号が0以外であれば既にその様式のページは抽出済みであり、重複を避けるため、手順S112に進んで、現在のページ番号を設定するステップ(S109)や申請区分A、B、Cのマーク情報から申請区分の状態を決定するステップ(S112)は省略される。
【0043】
手順S105〜手順S111までのステップにより、現在処理しているページについての書式(様式)の認識処理が完了する。すなわち、様式1の場合には、文書識別IDに加えて申請区分A、B、Cのマーク情報とページ番号が認識され、他の様式の場合にも、文書識別IDに加えてそのページ番号が認識される。この現在処理しているページについての書式(様式)の認識処理が完了したところで、読取画像1セット内のすべてのページ画像を処理して次のページが存在しないか否かが判断され(S112)、次のページが存在する場合は手順S113に進んで、ページ番号に1加算してページ番号を更新後、再び手順S102に戻る。次のページが存在しない場合はS114に進む。
【0044】
手順S114では、後述するような文書情報テーブルに抽出した文書の申請区分に対する登録とワークフロー処理を実行する。もし手順S114の処理でエラーが発生した場合(S115)は、手順S117に進む。エラーが発生しない場合は、手順S119の後処理に進む。手順S117とS118はエラー時の処理であり、エラー用ライブラリに画像データを登録し(S117)、ワークフローサービス150を起動してエラーのワークフロー153に定義されたエラー処理のワークフローを実行することでセットされているエラーに対応するエラー処理を行う(S118)。最後に、手順S119では、後処理として、確保したメモリの解放ならびに、処理の結果に関するイベントログを生成し、処理を終了する。
【0045】
以上が1つの連続して読み取られる書式群である画像群1セットのすべてのページについて文書抽出分類処理を行なって、所定の処理を実行するフローチャートであり、次に、この分類済みの画像群1セットのすべてのページについての申請区分に対する登録とワークフロー処理を抽出した文書の登録、ワークフロー処理を図7及び図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この申請区分に対する登録とワークフロー処理を抽出した文書の登録、ワークフロー処理は、先の図6のフローチャートにおける手順S114の処理に該当する。
【0046】
先ず、手順S201で文書情報テーブルの参照するためのIndexに初期値0をセットする。ここでIndexは参照する文書情報テーブルの列の番号に該当し、順番に文書情報テーブルの各項目を参照するために1つずつ増加することになる。次いで、手順S202では文書数と文書情報テーブルの参照するためのIndexを比較し、Indexが徐々に増えて文書数の方が文書情報テーブルの参照するためのIndexよりも小さくなった場合、すべての文書が処理済となり、処理を終了する。
【0047】
未だ、手順S202で全文書が処理済みではない場合(No)、手順S203に進み、文書情報テーブルのIndexで示される文書を現在処理中の文書とし、現在処理中の文書の様式1のページ番号を確認する。ページ番号が0の場合は、申請区分などの文書の基本となる様式1のページが存在しないことになるため、手順S204に進む。それ以外は手順S205に進む。S204では文書の基本となるページが存在しないため、エラー情報に申請書不足エラーを設定し終了する。
【0048】
手順S205では、現在処理中の文書の申請区分A、B、Cにチェックがついているか確認し、チェックがない場合は申請区分の記入漏れと判断し、手順S206に進んでエラー情報に申請区分指定エラーを設定し終了する。それ以外は手順S207以降に進む。
【0049】
手順S207では現在処理中の文書の申請区分Aのチェックがついているか確認し、チェックがついている場合は手順S208に進んで、申請区分Aすなわち"様式2"の申請区分の文書ライブラリ登録とワークフロー処理を行う(S208)。もし手順S208の処理でエラーが発生した場合(S209)は処理を終了し、エラーが発生しない場合は手順S210に進む。手順S207で現在処理中の文書の申請区分Aのチェックがついていない場合は、S210に進む。
【0050】
手順S210では現在処理中の文書の申請区分Bのチェックがついているか確認し、チェックがついている場合は手順S211に進んで、申請区分Bすなわち"様式3"の申請区分の文書ライブラリ登録とワークフロー処理を行う(S211)。もし手順S211の処理でエラーが発生した場合(S212)は処理を終了し、エラーが発生しない場合は手順S213に進む。手順S210で現在処理中の文書の申請区分Bのチェックがついていない場合は、S213に進む。
【0051】
手順S213では現在処理中の文書の申請区分Cのチェックがついているか確認し、チェックがついている場合は手順S214に進んで、申請区分Cすなわち"様式4"の申請区分の文書ライブラリ登録とワークフロー処理を行う(S214)。もし手順S214の処理でエラーが発生した場合(S215)は処理を終了し、エラーが発生しない場合は手順S216に進む。手順S213で現在処理中の文書の申請区分Aのチェックがついていない場合は、S216に進む。
【0052】
手順S216では文書情報テーブルの参照するためのIndexに1を加算し、加算した後、手順S202に戻る。
【0053】
以上に説明する手順により、本実施形態の画像処理装置では、分類済みの画像群1セットのすべてのページについてそれぞれ申請区分に応じたワークフロー処理が行なわれることが判る。ここで、手順S208、手順S211、手順S214の、申請区分の文書ライブラリ登録とワークフロー処理を図9の申請区分毎の文書ライブラリ登録とワークフロー実行処理フローチャートを用いて詳しく説明する。
【0054】
手順S401で申請区分がCの場合はS431に進み、手順S402で申請区分がBの場合はS421に進む。それ以外の場合は手順S411に進む。なお、S401、402は、申請区分により、処理が振り分けられることを示しているのであり、その点では先の手順S207、S210、S213と同じ機能を有している。このため図8の手順S208に対応する処理は手順S411〜手順S416の処理であり、図8の手順S211に対応する処理は手順S421〜手順S426の処理であり、図8の手順S214に対応する処理は手順S431〜手順S436の処理となる。なお、図9のフローチャートでは、申請区分毎に処理を別々に記載しているが、手順S411〜手順S416と手順S421〜手順S426と手順S431〜手順S436の処理内容は実質的に同一であり、以下の説明では申請区分Aの手順S411〜手順S416で代表させて説明する。
【0055】
先ず、手順S411(S421、S431)では文書情報テーブル内の、現在処理中の文書情報より、指定された申請区分に対応する様式のページ番号を取得する。次に手順S412(S422、S432)では直前のステップで取得したページ番号が0の場合は、当該様式のページが検出できなかったため、換言すれば、当該様式の該当ページが存在していないため、エラー処理のための手順S416(S426、S436)に進む。手順S416(S426、S436)では、申請区分に必要な様式のページが存在しないため、申請書不足のエラーをセットして終了する。
【0056】
手順S412(S422、S432)で当該様式のページが検出できた場合には、次の手順S413(S423、S433)にて指定された申請区分の申請に必要な文書画像を形成するために、画像データから、現在処理中の文書情報の書式1のページ番号で示されるページの画像と、手順S411(S421、S431)で取り出した今回の申請処理に必要な様式のページ番号で示されるページ画像データを抽出し1つのファイルに結合する。ここで結合したファイルは申請区分用の文書ライブラリに文書管理サービス140を使用して登録される(S414(S424、S434))。次に、手順S415(S425、S435)では申請区分毎のワークフロー152に定義された申請区分用のワークフローをワークフローサービス150から実行し、終了する。
【0057】
上述の如き、本実施形態の画像処理装置によれば、複数種類の書類を連続してセットできるため、作業者の用紙セット、開始指示の作業を減らすことができ、書類の種類を自動で認識するため、開始指示で書類の種類を指定する操作および、書類の種類指定ミスを減らすことができる。また、本実施形態の画像処理装置によれば、複数枚で1組の書類に対してもワークフローを実行することができ、複数枚で1組の書類において不足ページを認識した場合に作業者に警告を表示することで人為確認ミスを軽減できる。
【0058】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置は、複数ページで構成される文書を読み取り、最初のページに記載される文書の形式とワークフローの動作情報から文書に応じた適切なワークフローを実行することを特徴とする。第2の実施形態にかかる画像処理装置の構成は先の実施形態と実質的に同じであって図1に示した構成を有しているものとし、本実施形態の説明では同じ参照符号を用いる。ここでは所定の書式の依頼書を最初のページ(1ページ目)にし、2ページ目以降は任意の文書とする例を用いて本実施形態の動作を説明する。
【0059】
図10に示すような様式5の依頼書を最初のページ(1ページ目)にし、2ページ目以降は任意の文書とする。なお、最初のページの画像情報は、続く2ページ目以降のワークフローの設定についての情報を有している。様式5の用紙種類は、図中破線で囲む用紙種類IDの領域801の部分に記載されるコード(例えば、ABC00123)で示される。このコードはあらかじめ印刷していても良いし、依頼者が手書きで記載しても良い。なお、2ページ目以降について、様式は問わないものとされる。
【0060】
様式5のようなコード化された用紙種類IDを用いずに、図11の様式6のように用紙種類IDをコード化し罫線部分902にそのコードをバーコードとして配置した用紙や、図12の様式7のように用紙種類IDや社員番号などの情報をコード化し背景部分905の地紋に埋め込んだ用紙を事前に作成して印刷しておき1ページ目に使用しても良い。また、本実施形態では、最初のページの用紙種類に従ったワークフローを実施するが、そのワークフローの処理通知先として最初のページに記載される社員番号で表されるユーザが追加され、操作者とはべつの申請者にワークフロー状態が通知されるものとする。
【0061】
次に、本実施形態の動作について説明する。初めにユーザの運用の事前に、サーバーPCI20にて次の作業を行っておく。第一に、帳票定義ユーティリティ132にて、図10の様式5または図11の様式6または図10の様式7で示される運用時に認識する文書の元になる内容未記入の文書を各様式のページごとに特徴を抽出して帳票の名称と、帳票を認識するための属性とともに帳票定義プロファイル131に保存する。
【0062】
様式5については帳票の認識には用紙種類ID801の部分の文字を読み取り、そこに記載されたIDで示される帳票として認識する方式であることと、図10の領域802の矩形を社員番号文字列として領域認識情報として定義する。また、様式6については帳票の認識には、図9の罫線部分902の部分の罫線を読み取り、罫線に配置されるバーコードから取り出される用紙種類ID901で示される帳票として認識する方式であることと、図11の領域903の矩形を社員番号文字列として領域認識情報として定義する。さらに、様式7については帳票の認識には、図12に示す背景部分905の地紋から取り出される用紙種類IDで示される帳票として認識する方式であることと、背景部分905の地紋には社員番号文字列も含まれることを領域認識情報として定義する。
【0063】
第二に、文書を保存する文書ライブラリを文書管理サービス部140を使用して生成しておく。生成する文書ライブラリは、用紙種類IDに対応する文書保存ライブラリと、エラー用のライブラリである。文書ライブラリの実体はデータベースサービス部141を介して、データベース142に作成される。
【0064】
第三に、用紙種類IDに応じたワークフローとエラーのワークフローを定義しておく。本実施形態では、承認のワークフローを定義しておき、用紙種類IDに対応する文書ライブラリに関連して保存しておく。承認ワークフローは、操作者の上長の承認後、書類を用紙種類に従った依頼管轄部門への申請依頼を行い、申請が完了したら依頼元である操作者と社員番号から判別した依頼者に完了を通知する。エラーのワークフローでは申請処理ができなかった連絡を操作者に行う。
【0065】
以上のような予備的な設定を行った後、第2の実施形態の画像処理装置の運用時は次のような操作を行う。先ず、ユーザはMFP101の操作パネル103から、文書管理用のメニュー開始を選択するとサーバーPC120でユーザ認証させるためのユーザIDとパスワードを入力させる画面を操作パネル103に表示し、ユーザの操作を待つ。
【0066】
ユーザが、操作パネル103よりユーザIDとパスワードを入力して実行をすると、Webサービスクライアント102が、サーバーPC120のWebサービス部121のユーザ認証のために、先に入力したユーザIDとパスワードを引数としてサービスを実行する。この際、ユーザIDとパスワードはセキュリティ上保護される必要があるため、SSLを使用したHTTPSなどのセキュアなプロトコルを使用してサービスを行うものとする。
【0067】
Webサービス部121は、ユーザ認証部122にユーザIDとパスワードを渡し、ユーザ認証を行う。本例ではユーザ認証の方法について詳細を記載しないが、ディレクトリサービスによる認証やサーバーPC120内のローカルユーザ認証などが可能である。ユーザ認証が完了したら、Webサービス部121よりその結果をWebサービスクライアント102に応答する。
【0068】
Webサービスクライアント102は、ユーザ認証が成功したら、パネル制御部104を介して操作パネル103に文書管理用のメニューを表示しユーザの操作を待つ。ユーザは、スキャナ105に読取る文書を複数枚セットし、操作パネル103の文書管理用のメニューから読取開始を選択する。
【0069】
Webサービスクライアント102が、サーバーPC120のWebサービス部121の帳票読み取りサービスを呼び出し、Webサービス121の帳票読み取りサービスは、MFP101の画像読取サービス107を実行して、画像読取制御部106を介して、スキャナ105から文書を読取り、画像データとしてサーバーPCl20に送信する。本実施例では、MFP101とサーバーPC120はネットワークで接続されるため、スキャナ105から読取った文書画像データは、MFP101の画像読取サービス107でサーバーPC120のあらかじめ規定される共有フォルダに、事前に規定した命名規則にしたがって生成されたファイル名のファイルに保存される。
【0070】
Webサービス部121の帳票読み取りサービスは、読取った画像データの最初のページを切り出し、画像を最適化し帳票認識OCR部130にページ画像を認識させて帳票の種類を識別させる。帳票認識OCR部130は帳票定義プロファイル131に保存された帳票特徴データと一番近い帳票を判定し、その帳票に関係付けられている領域認識情報で、指定された領域と属性に基づき識別する。
【0071】
帳票認識の結果が、"様式5"の場合は、帳票認識OCR部130により領域認識情報で指定された領域と属性に基づき用紙種類IDと社員番号が認識されているのでこの情報を取得する。帳票認識の結果が、"様式6"の場合は、帳票認識OCR部130により領域認識情報で指定された領域と属性に基づき罫線にバーコードとして配置されている用紙種類IDと、社員番号部分から読み取った社員番号が認識されているのでこの情報を取得する。帳票認識の結果が、"様式7"の場合は、帳票認識OCR部130により領域認識情報で指定された領域と属性に基づき背景に地紋として埋め込まれている用紙種類IDと社員番号が認識されているのでこの情報を取得する。なお、帳票認識の結果が様式5、6、7以外の場合は誤認識としてエラー処理を実行する。
【0072】
読取った画像データの2ページ以降は、本実施形態ではページ画像の認識処理は行わず、そのままページ画像を画像データから抽出して、ひとつのファイルに結合し、そのファイルおよび、最初のページで認識した社員番号を関連付けて文書管理サービス部140を使用してデータベース142に事前に生成した用紙種類IDに対応した文書ライブラリに登録し、用紙種類ID用に事前に定義されたワークフローをワークフローサービス部150を起動して実行する。
【0073】
ワークフローでは、ワークフローの処理通知先として文書ファイルに関連付けられている社員番号のユーザに対してワークフローの状態参照権限を付与するとともに、ワークフローの申請結果が通知される。認識処理中にエラーが発生していたら、画像データを文書管理サービス部140を使用してデータベース142に事前に生成したエラー用文書ライブラリにそのファイルを保存し、ワークフローサービス部150を起動して事前に定義されたエラー用ワークフローを実行する。
【0074】
ここで、読取った画像データを識別し、ワークフローを実行するまでの処理を図13及び図14の帳票認識からワークフロー実行処理までのフローチャートを参照して説明する。
【0075】
初めに、手順S1101ではエラーを「なし」に初期化する。次いで、手順S1102では、読取った画像データの最初のページを切り出す。複数ページ画像が1つのファイルに含まれる形式の場合は、ファイル内の画像を取り出し、1ページ1画像の場合は最初のページの画像が含まれるファイルから画像を取り出す。
【0076】
次に、手順S1103では手順」S1102で取り出したページ画像データを帳票認識OCR部130が認識できる形式に最適化する。この最適化の後、手順S1104では帳票認識OCR部「130に帳票定義プロファイル131と、S103で最適化したページ画像を指定し、ページ画像の識別を行う。識別時、帳票が特定できたら、領域認識情報で指定された領域と属性に基づき、用紙種類IDと社員番号が認識される。
【0077】
次に手順S1105では手順S1104で識別した結果、ページ画像が"様式5"の場合は手順S1108に進む。また手順S1106では手順S1104で識別した結果、ページ画像が"様式6"の場合は手順S1109に進む。また手順S1107においては手順Sl104で識別した結果、ページ画像が"様式7"の場合は手順S1110に進む。それ以外の場合は手順S1111に進む。
【0078】
手順S1108では様式5用の領域認識情報で指定された領域と属性に基づき用紙種類IDと社員番号が認識されているのでこの情報を取得し、手順S1112へ進む。また、手順S1109では様式6用の領域認識情報で指定された領域と属性に基づき罫線にバーコードとして配置されている用紙種類IDと、社員番号部分から読み取った社員番号が認識されているのでこの情報を取得し、手順S1112へ進む。手順S1110では様式7用の領域認識情報で指定された領域と属性に基づき背景に地紋として埋め込まれている用紙種類IDと社員番号が認識されているのでこの情報を取得し、手順S1112へ進む。ページ画像が様式5〜7でない場合、最初のページが様式5または様式6または様式7として識別されなった旨のエラーをセットする(S1111)。
【0079】
手順S1112ではエラーが発生したかチェックし、エラーが発生していたら手順S1115へ進む。エラーが発生していない場合は、手順S1113へ進む。この手順S1113においては読取った画像データをファイルにし、文書管理サービス部140を使用してデータベース142に事前に生成した用紙種類IDに対応した文書ライブラリにそのファイルおよび、最初のページで認識した社員番号を関連付けて登録する。手順S1113で登録した文書ライブラリに関連付けられている用紙種類ID用に事前に定義されたワークフローをワークフローサービス150を起動して実行し(S1114)、手順S1113でファイルに関連付けられている社員番号のユーザに対してワークフローの状態参照権限を付与し手順S1117へ進む。手順S1117では後処理として、確保したメモリの解放ならびに、処理の結果に関するイベントログを生成する。
【0080】
手順S1112でエラーが発生したかチェックした結果、エラーが発生していたらエラー用ライブラリに、画像データを登録する(S1115)。次いで手順S1116ではエラーが発生した場合は早急にユーザにその旨を通知する必要があるためたとえば、今回の作業のためにMFP101からログオンしたユーザのアカウントに対してエラー内容の含まれるメッセージや、メールを送付するエラーのワークフローを実行し、セットされているエラーに対応するエラー処理を行う。
【0081】
本実施形態の画像処理装置によれば、複数種類の書類を連続してセットできるため、作業者の用紙セット、開始指示の作業を減らすことができ、また、書類の種類を自動で認識するため、開始指示で書類の種類を指定する操作および、書類の種類指定ミスを減らすことができる。また、本実施形態の画像処理装置によれば、複数枚で1組の書類に対してもワークフローを実行することができ、ワークフローの通知先やワークフローの参照権を書類記載内容に応じて動的に変更することで手動による操作を省略でき、操作ミス、操作漏れを軽減することができる。
【0082】
以上の本発明の実施形態ではサーバーとネットワーク経由で接続されたMFPの組み合わせを使用したが、サーバーではなく単独のPCでも良い。また画像データを読取る部分はスキャナや、ファクシミリなどでも良い。また接続方法もUSBなどPCと1対1の接続での利用も可能である。さらにMFPの部分を、PCとスキャナを直接接続し、そのPCがネットワーク経由でサーバーと接続される利用形態も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の画像処理装置に使用される帳票の特徴を抽出するサンプリング文書の例を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の画像処理装置における領域認識情報の例を示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の画像処理装置における文書抽出分類処理による文書情報テーブル作成処理の例を示す模式図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の画像処理装置における帳票認識からワークフロー実行処理のフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態の画像処理装置における帳票認識からワークフロー実行処理のフローチャートであって、図5の続きのフローを示す。
【図7】本発明の第1の実施形態の画像処理装置における抽出した文書の登録とワークフロー処理のフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態の画像処理装置における抽出した文書の登録とワークフロー処理のフローチャートであって、図7の続きのフローを示す。
【図9】本発明の第1の実施形態の画像処理装置における申請区分毎の文書ライブラリ登録とワークフロー実行処理のフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態の画像処理装置における依頼内容を指示する文書を例示する模式図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の画像処理装置における用紙種類IDを罫線のバーコードに配置した文書の例を示す模式図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の画像処理装置における用紙種類IDなどを背景地紋に埋め込んだ文書の例を示す模式図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の画像処理装置における帳票認識からワークフロー実行処理のフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態の画像処理装置における帳票認識からワークフロー実行処理のフローチャートであり、図13の続きのフローを示す。
【図15】本発明の第1の実施形態の画像処理装置の操作パネルの構成例を示す模式図である。
【図16】本発明の第1の実施形態の画像処理装置のユーザ認証入力画面を示す模式図である。
【図17】本発明の第1の実施形態の画像処理装置のユーザ名文字列入力画面を示す模式図である。
【図18】本発明の第1の実施形態の画像処理装置のユーザ認証入力画面を示す模式図である。
【符号の説明】
【0084】
101 MFP
102 Webサービスクライアント
103 操作パネル
104 パネル制御部
105 スキャナ
106 画像読取制御部
107 画像読取サービス部
120 サーバーPC
121 Webサービス部
122 ユーザ認証部
123 文書抽出分類処理部
124 文書情報テーブル
125 読取画像ファイル
130 帳票認識OCR部
131 帳票定義ファイル部
132 帳票定義ユーティリティ部
140 文書管理サービス部
141 データベースサービス部
142 データベース
150 ワークフローサービス部
151 ワークフロー定義部
220 310 文書識別ID
221 301、302、303 申請区分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を受信し前記複数の画像を保存し画像処理する画像処理装置において、
前記複数の画像から、第1の画像と第2の画像を識別する識別する識別部と、
前記第1の画像から前記第2の画像に関する情報を認識する画像認識部と、
前記画像認識部の認識に基づき前記第2の画像の処理を設定する処理設定部とを有し、
前記処理設定部による設定に基づき画像処理を行なうことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像認識部で実行される処理は文字認識処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像認識部で実行される処理はマーク認識処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像認識部で実行される処理はバーコード認識処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記処理設定部で設定される処理は複数の処理を選択するプログラムであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記処理設定部で設定する処理は承認処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記識別部はページ内の罫線の配置される特徴に応じて前記設定情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記識別部はページ内の罫線を構成するドットの組み合わせをコードとして識別することで前記設定情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記識別部はページ内の所定の位置に記載される文字をコードとして識別することで前記設定情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記識別部はページ内の所定の位置に記載されるバーコードを識別することで前記設定情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記識別部はページ内の下地模様を識別することで前記設定情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
原稿から前記複数の画像を読み取る画像読取部を備え、該画像読取部を介して前記複数の画像は受信されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項13】
外部装置にて生成された画像データを入力する入力部を備え、該入力部を介して前記複数の画像は受信されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項14】
複数の画像を受信し前記複数の画像を保存し画像処理する画像処理方法であって、
前記複数の画像から、第1の画像と第2の画像を識別する識別する工程と、
前記第1の画像から前記第2の画像に関する情報を認識する工程と、
前記画像認識部の認識に基づき前記第2の画像の処理を設定する工程と、
前記処理設定部による設定に基づき画像処理を行なう工程を有することを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−212613(P2009−212613A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51272(P2008−51272)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】