画像処理装置と画像処理装置の表示方法とプログラム
【課題】 複数のスタッカを切り替えて印刷紙を排出する印刷で、ジャムの発生に対する再印刷による頁の順序の乱れや不要頁の混入の有無の確認を容易にできるようにする。
【解決手段】 印刷制御部23は、排紙先のスタッカの切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、頁管理メモリ22に保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙して、その排紙後、頁管理メモリ22に保持された情報に基づいて未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先のスタッカを示す情報を操作パネル10に表示する。
【解決手段】 印刷制御部23は、排紙先のスタッカの切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、頁管理メモリ22に保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙して、その排紙後、頁管理メモリ22に保持された情報に基づいて未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先のスタッカを示す情報を操作パネル10に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファクシミリ装置,印刷装置,複写機,複合機を含む画像処理装置と、その画像処理装置の表示方法と、画像処理装置を制御するプログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷後の印刷紙を排出して堆積する複数の排出部(「スタッカ」「排紙トレイ」等という)を備えたファクシミリ装置,プリンタ,複写機,及び複合を含む画像処理装置が多用されている。
例えば、高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、ホストコンピュータ(「ホスト」と略称する)から業務印刷として印刷済みの用紙(「印刷紙」という)の排紙先として複数のスタッカが指定された印刷ジョブ(印刷ジョブで印刷されるデータを「業務データ」と呼ぶ)の印刷において、上記指定された複数のスタッカを1つのスタッカ群に見立て、そのスタッカ群内のあるスタッカがスタッカフル(スタッカ内に堆積した印刷紙が所定枚数(あるいは所定重量)になった状態をいう。「フル」と略記する)になると、印刷を停止することなく、スタッカ群内のフル状態ではない他のスタッカに継続して印刷紙を排紙するようにしている。
【0003】
また、1つの印刷ジョブの印刷を終えたら、次の印刷ジョブの排紙を開始する前に、スタッカ群内のスタッカを他のスタッカに切り替え、1つのスタッカに印刷を終了した印刷ジョブの印刷紙と現在印刷中の印刷ジョブの印刷紙とが混在しないようにして、既に印刷を終えた業務印刷の印刷紙をスタッカから速やかに取り出せるようにしている。
さらに、相互にスタッカが重複しないことを条件に複数のスタッカ群を指定し、例えば、同じ頁(「ページ」)の画像をコピーした複数枚の印刷紙を各スタッカ群にそれぞれ振り分けて排紙するようにすれば、同一内容の複数の印刷紙を各スタッカ群毎に振り分けて堆積させることができ、業務印刷における大量部数を一度に取得することができる。
このように、排紙先にスタッカ群が指定されている場合、オペレータがフルになったスタッカ、又は排紙を終えたスタッカから速やかに印刷紙を取り出せば、カット紙印刷装置では、次に排紙できるスタッカを次々と確保することができ、印刷を停止することなく業務印刷を続けることができる。
【0004】
勿論、高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、上述のような印刷紙の排紙先としてスタッカ群を指定した印刷だけでなく、単独のスタッカのみを排紙先に指定した旧来からの印刷もできる。
この単独のスタッカを排紙先に指定した場合、用紙の出力部数が多ければ、スタッカがフルになると印刷を停止してしまう。
従って、高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、高速大量印刷向けの業務中、大量印刷業務と大量印刷業務の間で消化すればよい例外的な少量印刷業務については、印刷紙の排紙先を単独のスタッカに充てるのが一般的である。
少量印刷業務では、出力部数が少量であるため、大量印刷業務の出力が別途指定したスタッカ群に開始された後、オペレータが適宜、単独のスタッカから印刷紙を取り出して、単独のスタッカがフルにならないようにしていけば、印刷を途中で停止することなく業務印刷を続けることができる。
【0005】
スタッカ群内の排紙先のスタッカを切り替える契機には、次の第1から第5がある。
第1の契機は、スタッカ群内で排紙先にしていたスタッカがフルになった場合である。
この場合、カット紙印刷装置が、印刷時にスタッカ郡内の排紙先のスタッカがフルになったことを検出すると、他のフルでないスタッカに排紙先を切り替える。
その切り替えの際のスタッカの選択ルールについては、例えば、スタッカ郡内の各スタッカにそれぞれ順に大きくなるスタッカ番号を付与し、スタッカ番号の小さいスタッカから次に大きいスタッカを選んで行き、最も大きなスタッカの次は最も小さいスタッカを選ぶというような選択ルールを採る。
第2の契機は、印刷対象の業務データに、スタッカ群内で排紙中のスタッカから別のフルでないスタッカに排紙先を切り替えるように群内切替指示が含まれていた場合である。
【0006】
例えば、複数の業務印刷の排紙先を1つのスタッカ群にして、その各業務印刷を開始する時に、スタッカ群内における排紙先のスタッカを切り替えることにより、業務印刷単位に群内切替指示を行う場合がある。
この場合も、スタッカ群内において次に排紙先にするスタッカは、第1の契機の場合と同様に、カット紙印刷装置が決める。
第3の契機は、複数のスタッカ群を編成し、印刷対象の業務データが複数のスタッカ群を対象にして、適宜、排紙先のスタッカ群を切り替える指示を含む場合である。
この場合、あるスタッカ群と別のスタッカ群が1つのスタッカを共有することはない。
業務データがあるスタッカ群から別のスタッカ群に排紙先を切り替えるように指示すれば、当然、あるスタッカ群の配下にあるスタッカから別のスタッカ群の配下にあるスタッカに排紙先が切り替わる。
【0007】
例えば、同一頁を複数枚コピーして、各スタッカ群に一枚毎に振り分けて排紙することにより、同一内容の印刷紙を各スタッカ群に堆積して、大量部数の印刷物を一度に得ることができる。
なお、各スタッカ群においては、上述した第1の契機又は第2の契機とするスタッカ群内の排紙先の切り替えも並行して行われる。
第4の契機は、印刷対象の業務データが単独のスタッカを指定しており、単独のスタッカのみを排紙先にする場合である。また、業務データが別の単独のスタッカを指定すれば、その指定した単独のスタッカに排紙先を切り替えて排紙する。
第5の契機は、単独のスタッカとスタッカ群、もしくは単独のスタッカと複数のスタッカ群を編成する場合である。
【0008】
また、それぞれの編成における排紙先のスタッカの切り替え契機は、上述した第1〜第5のいずれかの契機に従う。
上述した第1〜第5の契機については、単独のスタッカ,スタッカ群,複数のスタッカ群を、全スタッカに対してどのように割り振ったり、どのように編成したりするかは、一般にオペレータがスケジュールされた各業務データの内容に従って決め、業務データにその指示を含ませたり、必要なら操作パネルを操作することによってスタッカの割り振りと編成を変更する指定を行う。
上述のような高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、1業務印刷を印刷中に、及び、1業務印刷を終えて次の1業務印刷の開始において、スタッカ群内の排紙先のスタッカの変更、複数のスタッカ群間における排紙先のスタッカの変更、スタッカ群と単独のスタッカとの間の排紙先のスタッカの変更が頻発することが多い。
【0009】
例えば、毎分百数十頁を印刷排紙するカット紙印刷装置にとって、10数分から20数分に1回が、排紙先のスタッカの切り替えの頻度になる。
ところで、高速大量印刷向けのカット紙印刷装置における印刷では、1業務印刷で出力される頁数は、それ以上の数千頁や数万頁に及ぶ場合が多い。
しかし、1つのスタッカに収納できる用紙の枚数は、概ねオペレータが取り扱い可能な重量であり、2千頁から3千頁程度までが一般的である。
そのため、カット紙印刷装置が、数千頁や数万頁に及ぶ業務を次々に行いながらフルを契機にスタッカ群内の排紙先を切り替えて印刷中、オペレータは、フルになったスタッカから速やかに印刷紙を取り出す必要がある。
一方、排紙先を頻繁に切り替えるカット紙印刷装置では、切り替えに伴うロスタイムの削減が望まれている。
【0010】
近年の高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、排紙先のスタッカを切り替える時、排紙先の切り替えに先立つ頁(「先行頁」と言う)の印刷と、その印刷した印刷紙の排紙の終了を待つことなく、速やかに排紙先の異なる後続する頁(「後続頁」と言う)を印刷する用紙を給紙し、印刷し、その印刷された印刷紙を指定のスタッカまで搬送して排紙し、高速印刷を続けている。
従って、スタッカの切り替えによって排紙先の異なる頁の用紙又は印刷紙が搬送路に存在するときにジャムが発生すると、例えば、搬送距離の違いや搬送ルートの違いなどにより、切り替え前の先行頁の用紙又は印刷紙が未排紙になり、切り替え後の後続頁の用紙又は印刷紙が正常に排紙される場合が出てくる。
このような印刷時のジャムに対しては、未排紙に終わった先頭の頁以降を再印刷するだけの旧来のリカバリ方法では、未排紙の先行頁以後を全て再印刷するため、オペレータが気づかなければ、後続頁の一部を重複印刷した印刷紙をそのまま残すことになる。
【0011】
しかも、排紙先のスタッカを切り替えている時のジャムであり、再印刷した頁の印刷紙をどのスタッカに排紙するかにより、頁内容が重複する印刷紙の排紙先のスタッカも変わる。
例えば、先行頁の排紙先であるべきスタッカに再印刷した先行頁の印刷紙を排紙し、続けて後続頁の印刷紙を同じスタッカに排紙すると、既に正常に排紙済みの後続頁の印刷紙が存在する別のスタッカとの間で、同じ内容の頁の印刷紙が二重に存在してしまう。
一方、正常に排紙済みの後続頁の印刷紙上に再印刷した先行頁と後続頁の各印刷紙を排紙すれば、頁内容が重複する頁の印刷紙が先行頁の印刷紙を挟んで取り残されてしまう。
このように、上述の何れの場合も見逃すと、全業務印刷を終了後、オペレータが、大量印刷物の中から不要な頁の印刷紙を見つける作業は容易ではない。
【0012】
また、ジャムによっては、搬送部の排紙口付近に停滞した印刷結果が未完成の印刷紙が、オペレータのジャム修復作業中にスタッカに入ってしまって、恰も正常に排紙されたかのように見える場合がありうる。
もし、オペレータが、印刷結果が未完成の印刷紙の混入に気づかないままリカバリを講じ、未排紙に終わった頁を再印刷すると、印刷結果が未完成の印刷紙が混入したまま取り残される。
また、オペレータが、印刷結果が未完成の印刷紙の混入に気づいても、印刷結果が未完成の印刷紙と完成している印刷紙との誤差が僅かなために誤認してしまい、印刷結果が未完成の用紙又は印刷紙をリカバリ対象頁から外してしまうと、印刷結果が未完成の用紙又は印刷紙が混入したままになる。
このように、全業務終了後、印刷結果が未完成の用紙又は印刷紙を、オペレータが大量の印刷紙の中から見つける作業は容易ではない。
【0013】
上述のように、スタッカ群内の排紙先のスタッカの切り替え、単独のスタッカとスタッカ群の間の排紙先のスタッカの切り替え、スタッカ群とスタッカ群の間の排紙先のスタッカの切り替え等が頻発し、併せて、オペレータが印刷紙をスタッカから取り出す作業が行われる環境では、再印刷した頁の印刷紙の入れ替わりの是正や重複頁の印刷紙の除去をその場で行わないと、事後の作業負担が増大する。
すなわち、印刷業務を終了した後、オペレータは、大量の印刷紙をチェックして、頁順序が入れ替わった頁の印刷紙を並び替えて揃えたり、重複して存在する頁の印刷紙を除去したり、印刷結果が未完成の頁の印刷紙を除去したりすることになり、オペレータの作業負担が大きくなる。
そこで従来、次のような画像処理装置が提案されている。
【0014】
(1)ホストコンピュータからデータを受信すると印刷を開始し、印刷開始と同時に、正常に印刷された頁をカウントし、そのカウントされた頁数を記憶する。そして、印刷途中においてジャムが発生した場合、ジャムが解消したときに、上記記憶された頁数を参照し、ジャム発生の直前までの頁を読み飛ばし、その次の頁から印刷を再開する画像処理装置(例えば、特許文献1参照)。
(2)複数ジョブを連続して印刷し、各ジョブの印刷頁をスタッカに排出して堆積する際、スタッカ内で、各ジョブ毎に印刷頁の排出位置をオフセットし、各ジョブの印刷頁毎に堆積位置をずらすようにし、ジャムなどのエラーが発生したときは、印刷内容もしくは印刷状態を表す印刷情報を印刷し、その印刷情報が印刷された頁をスタッカ内にオフセットして排出し、エラー発生前に排出された印刷頁からずらしてスタックする画像処理装置(例えば、特許文献2参照)。
【0015】
(3)連続印刷中にジャムが発生すると、印刷動作を停止させると共に、リカバリ対象となる頁データを一旦退避させる。その後、ジャムから復旧すると、退避した頁データをスキップして印刷を再開し、正常に印刷が終了したところで、退避した頁データに対する印刷を開始し、リカバリ印刷を実行する画像処理装置(例えば、特許文献3参照)。
(4)用紙毎に識別情報を付与し、給紙先や排紙先を含む搬送路から各用紙の搬送位置情報を取得し、各識別情報に対応させて搬送位置情報を作成することによって各用紙の印刷状況の詳細を管理し、上位装置に印刷状況の詳細を通知する画像処理装置(例えば、特許文献4参照)。
【0016】
(5)頁毎に識別情報を付与し、印刷の際に、給紙や搬送系の不良により正常に出力されなかった頁の画像をパネルに表示できるようにし、オペレータが、パネルに表示された画像と既にスタッカに出力された印刷紙の頁の印刷内容とを比較して見て、不良により正常に出力されなかった頁より遡って、又は未完成の頁を特定して、その頁の再印刷を可能にした画像処理装置(例えば、特許文献5参照)。
(6)第1排紙部とそれより下流に設けた第2排紙部の2つの排紙部を持ち、一方の排紙部が用紙満杯なら他の排紙部に排紙先を切り替えるようにして、第2排紙部に用紙を排紙しようとして、第1排紙部への搬送路よりも下流でジャムが発生した場合、第1排紙部が用紙満杯等に該当せず排紙可能なら、搬送中の用紙を第1排紙部に排紙し、ジャム修復後、ジャムによって欠けた頁を第2排紙部に排紙した後、第1排紙部に排紙した頁以降を第1排紙部に引き続き排紙する画像処理装置(例えば、特許文献6参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上述した従来の画像処理装置には、次のような問題があった。
まず、上記(1)と(2)の画像処理装置では、印刷時に、ジャムによってスタッカに未到達に終わった頁以後を全て再印刷することになるので、スタッカに未排紙の頁の後続の頁に正常に排紙された印刷紙があった場合、印刷の終了後、印刷紙を1頁ずつチェックして、頁順序が入れ替わった頁の印刷紙は並び替えて揃え、重複して存在する頁の印刷紙は除去するオペレータの作業負担が大きいという問題があった。
また、上記(3)の画像処理装置も、上述と同じように、印刷を終えた後でリカバリ印刷した頁の印刷紙を正常に印刷した印刷紙間に挿入する作業をしなければならないので、オペレータの作業負担が大きいという問題があった。
【0018】
さらに、上記(4)の画像処理装置は、用紙毎の印刷状況を把握することはできても、頁順序が入れ替わった頁の印刷紙は並び替えて揃え(再印刷した複数の印刷紙の頁の順序の入れ替わりがありうる。)、重複して存在する頁の印刷紙は除去する作業をしなければならないので、上述と同じように、オペレータの作業負担が大きいという問題があった。
また、上記(5)の画像処理装置は、例えば、ジャムによって正規の搬送と排紙を終了しないままスタッカへの排紙口付近に停滞した印刷品質未達成の頁の用紙又は印刷紙が、ジャムの発生から修復に至る過程でスタッカに混入してしまった場合、オペレータがスタッカにあった用紙又は印刷紙の頁の印刷内容とパネルに表示された画像を比較して印刷品質未達成を視認できないと、リカバリ印刷が実施できず、印刷物中に印刷品質未達成の頁の用紙又は印刷紙が残ってしまうし、オペレータが印刷品質未達成の用紙又は印刷紙を見つけ出す作業が繁雑になり、上述と同様に、オペレータの作業負担が大きいという問題があった。
【0019】
さらに、上記(6)の画像処理装置は、印刷紙を1枚毎に排紙先のスタッカを切り替えるものではなく、複数の印刷ジョブに跨って発生したジャムについて、各印刷ジョブに跨る頁と頁の順序のチェックを容易にすることはできず、印刷の終了後、印刷紙を1頁ずつチェックして、頁順序が入れ替わった頁の印刷紙は並び替えて揃え、重複して存在する頁の印刷紙は除去するオペレータの作業負担が大きいという問題があった。
このように、上述した従来のいずれの画像処理装置も、印刷時にジャム等の異常が発生した場合、印刷後の印刷紙の頁の並び替えや再印刷した頁の印刷紙の差し替えについて、オペレータの作業負担が大きいという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、複数のスタッカを切り替えて印刷紙を排出する印刷において、ジャムの発生に対する再印刷による頁の順序の乱れや不要頁の混入の有無の確認を容易にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この発明は上記の目的を達成するため、複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、その印刷手段によって印刷された各用紙を、上記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置であって、上記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する保持手段と、排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、上記保持手段に保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙する再印刷手段と、上記再印刷手段による排紙後、上記保持手段に保持された情報に基づいて上記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する表示手段を設けた画像処理装置を提供する。
また、上記のような画像処理装置において、上記再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止し、上記表示手段による情報を表示させる手段を設けるとよい。
【0021】
さらに、上記のような画像処理装置において、上記再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止させることなく、引き続き次の画像データの印刷及び排紙の動作を継続しながら、上記表示手段による情報を表示させる手段を設けるとよい。
また、複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、その印刷手段によって印刷された各用紙を、上記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置の表示方法であって、上記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する工程と、排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、上記保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙後、上記保持された情報に基づいて上記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する工程とからなる画像処理装置の表示方法も提供する。
【0022】
さらに、複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、その印刷手段によって印刷された各用紙を、上記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置の動作を制御するコンピュータを、上記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する保持手段と、排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、上記保持手段によって保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷させて排紙先に指定された排紙部に排紙させる再印刷手段と、上記再印刷手段による排紙後、上記保持手段によって保持された情報に基づいて上記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示させる表示手段として機能させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0023】
この発明による画像処理装置と画像処理装置の表示方法は、複数のスタッカを切り替えて印刷紙を排出する印刷において、ジャムの発生に対する再印刷による頁の順序の乱れや不要頁の混入の有無の確認を容易にできるようにすることができる。
また、この発明によるプログラムは、コンピュータに、複数のスタッカを切り替えて印刷紙を排出する印刷において、ジャムの発生に対する再印刷による頁の順序の乱れや不要頁の混入の有無の確認を容易にできるようにするための機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す印刷装置の制御部とメモリの各機能構成も示すブロック図である。
【図3】図2に示す頁管理メモリ22の内容の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示す印刷装置における2つのスタッカ群の切り替え及びスタッカ群内の排紙先の切り替えの順序の一例を示す説明図である。
【図5】図1に示す印刷装置における単独のスタッカとスタッカ群の切り替え及びスタッカ群内の排紙先の切り替えの順序の一例を示す説明図である。
【0025】
【図6】図1に示す印刷装置1の印刷処理の全体の流れを示すフローチャート図である。
【図7】図1に示す印刷装置1の印刷処理の給紙、印刷、排紙の処理を示すフローチャート図である。
【図8】図1に示す印刷装置1の排紙先スタッカを登録する処理を示すフローチャート図である。
【図9】図1に示す印刷装置1の再印刷処理を示すフローチャート図である。
【図10】図3に示す頁管理メモリにおけるスタッカ群を切り替え中のジャムによる状態事例を示す図である。
【0026】
【図11】図3に示す頁管理メモリにおける単独のスタッカとスタッカ群を切り替え中のジャムによる状態事例を示す図である。
【図12】図3に示す頁管理メモリから抽出した排紙先スタッカと未排紙フラグの情報の一例を示す図である。
【図13】ジャム検出時の操作パネルの表示形式事例と表示実施事例の一例を示す図である。
【図14】再印刷処理が正常に終了した時の操作パネルの表示形式事例と表示実施事例の一例を示す図である。
【図15】再印刷処理中のジャムによる操作パネルの表示形式事例と表示実施事例の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の実施例に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
この実施例の印刷装置(「カット紙印刷装置」ともいう)1は、プリンタであり、画像処理装置に相当し、用紙を供給する給紙部2と、給紙した用紙に印刷を行う印刷部3とを備えている。この印刷部3が、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段の機能を果たす。
また、印刷済みの用紙(「印刷紙」という)を排紙する排紙先である複数のスタッカ(「排紙部」に相当する)、図1では、第1スタッカ6、第2スタッカ7、第3スタッカ8、第4スタッカ9の4基のスタッカよりなる排紙部5と、給紙部2より供給され印刷部3で印刷された印刷紙を排紙部5の排紙先のスタッカ(第1スタッカ6〜第4スタッカ9のいずれかのスタッカ)まで搬送して排紙する搬送部4を備えている。
【0028】
また、この印刷装置1の状態を示す情報や各種の操作画面を表示し、この印刷装置1に対する操作情報を入力する操作パネル10と、CPU,ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、CPUが、RAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、この印刷装置1の全体の制御を司り、この発明に係る機能を含む各種の機能を実現する制御部11と、印刷部3で用紙に印刷する印刷データ(以下「業務データ」ともよぶ)の指示する排紙先のスタッカの情報と業務データより抽出され作成されたビットマップデータと排紙部5の排紙先のスタッカの状態(印刷紙が満杯状態であることを示す「フル」か否かの情報を含む)などを格納して管理するメモリ12を備えている。
なお、排紙部5にある4基のスタッカの第1スタッカ6、第2スタッカ7、第3スタッカ8、第4スタッカ9は、一例としてあげたものであり、高速大量印刷を行う印刷装置では、スタッカ数は4基を超えるものもある。
【0029】
図2は、図1に示す印刷装置1の制御部11とメモリ12の各機能構成も示すブロック図である。
図3は、図2に示す頁管理メモリ22の内容の一例を示す説明図である。
図2には、制御部11とメモリ12には、印刷に関係する機能部分のみを示している。
この図2及び図3に基づいて、印刷装置1の機能について説明する。
メモリ12の入力データメモリ20は、制御部11の入力処理部21が上位装置(図示を省略)等より入力された業務データを格納するメモリである。
上記上位装置とは、この実施例の印刷装置1に直接又はネットワークを介して接続された基幹業務向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置であり、「ホストコンピュータ」「上位ホスト」ともいう。
【0030】
制御部11の入力処理部21は、上位装置との間で入力処理を行って印刷する文書データや画像データを含む業務データを入力データメモリ20に蓄積し、その業務データをビットマップに展開して頁データを作成し、メモリ12の頁管理メモリ22に登録する。
その登録内容については、図3に示すように、頁管理メモリ22の頁ポインタ33がアサインするブロックに格納する。
入力処理部21は、もし、図3の頁ポインタ33がアサインするブロックの頁有効フラグが「1」ならば、頁ポインタ33が次のブロックに更新されることによって頁有効フラグが「0」になったら、上記ブロックに頁データを格納し、上記ブロックの頁有効フラグを「1」にする。
また、入力処理部21は、業務データが上記ブロックの頁データの排紙先に指示している単独のスタッカ又はスタッカ群について、上記ブロックの第1スタッカフラグ39から第4スタッカフラグ42にあるそれぞれ1つ又は複数のスタッカフラグを「1」にして残りのスタッカフラグを「0」にする。
【0031】
さらに、入力処理部21は、業務データが上記ブロックの頁データの排紙先をスタッカ群にして、且つ、スタッカ群内の排紙先の切り替えを指示していれば、上記ブロックの群内切替指示38を「1」にし、切り替え指示がなければ「0」にする。
メモリ12の頁管理メモリ22には、図3に示すように、頁ポインタ33と、第1群目に指定されたスタッカ群の編成を示す第1群編成34と、第2群目に指定されたスタッカ群の編成を示す第2群編成35が含まれている。
また、第1群編成34より選ばれている第1群排紙スタッカ36と、2群編成35より選ばれている第2群排紙スタッカ37よりなるスタッカ群情報と、搬送可能な最大頁数Mを超えるN個のブロック(図3の例では、ブロック47からブロック64)と、各ブロックの群内切替指示38と、各ブロックの頁データ46における業務データの指定排紙先である第1スタッカフラグ39と第2スタッカフラグ40と第3スタッカフラグ41と第4スタッカフラグ42よりなる指定編成が含まれている。
【0032】
さらに、各ブロックについて頁データ46が格納済みなら「1」であり未格納なら「0」である頁有効フラグ43と、各ブロックについて排紙先のスタッカ番号を示す排紙先スタッカ44と、各ブロックの頁が排紙済みなら「0」であり未排紙なら「1」である未排紙フラグ45と、頁データ46が含まれている。
すなわち、上記排紙先スタッカ44が、各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報に相当し、上記未排紙フラグ45が、各画像データ毎に、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報に相当する。
また、上記印刷制御部23と搬送部4が、印刷手段によって印刷された各用紙を、各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段の機能を果たす。
さらに、上記頁管理メモリ22と印刷制御部23が、各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報(排紙先スタッカ)と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報(未排紙フラグ)とを保持する保持手段の機能を果たす。
【0033】
また、上記印刷制御部23,印刷部3,頁管理メモリ22が、排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、保持手段に保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙する再印刷手段の機能を果たす。
さらに、上記印刷制御部23,操作パネル10が、再印刷手段による排紙後、保持手段に保持された情報に基づいて未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する表示手段の機能を果たす。
また、上記印刷制御部23は、停止条件の拡張モードが指定されると、再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止し、表示手段による情報を表示させる手段の機能を果たす。
【0034】
さらに、上記印刷制御部23は、無停止モードが指定されると、再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止させることなく、引き続き次の画像データの印刷及び排紙の動作を継続しながら、表示手段による情報を表示させる手段の機能を果たす。
ここで、第1群編成34と第2群編成35のビット形式は、第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成のビット形式に等しく、第1群排紙スタッカ36と第2群排紙スタッカ37のスタッカ番号の形式は排紙先スタッカ44のスタッカ番号の形式に等しいものである。
図3に示すスタッカ群情報、及び、指定編成は、以後の説明のために便宜的に示したものである。
【0035】
印刷制御部23は、操作パネル10から印刷スタートの指示の入力を受け、図3の頁ポインタ33のアサインするブロックの頁有効フラグ43が「1」であると搬送部4を駆動して駆動済みの応答を待ち、搬送部4から駆動済みの応答を受けると、頁管理メモリ22より排紙先のスタッカを決めて上記ブロックの排紙先スタッカ44に登録し、搬送部4に排紙先スタッカ44を通知することにより給紙指示を行い、上記給紙指示に続いて印刷部3に頁データ46を送信し、排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の各スタッカより排紙済みの通知を受けると、頁ポインタ33のアサインする頁有効フラグ43を「0」にする。
また、印刷制御部23は、排紙部5にあるスタッカからフルの通知を受けてフルと認識し、もしくは、スタッカ群の群内切替指示によってスタッカ群内のスタッカを切り替えると切り替え前の旧排紙先であったスタッカをフルと認識し、フルと認識したスタッカにフル解除を通知し、上記スタッカよりフル解除の通知を受けるとフル解除を認識することにより、各スタッカがフルかどうか状態を管理、識別する。
【0036】
さらに、印刷制御部23は、搬送部4からジャム発生の通知を受けると、搬送部4に直ちに駆動停止を指示し、搬送部4の駆動停止を待って操作パネル10にジャム発生の表示を指示し、ジャム発生以外の停止要因を検出すると搬送部4に搬送中の頁の用紙又は印刷紙があれば全て排紙されるまで待って駆動停止を指示し、搬送部4の駆動停止を待って操作パネル10に駆動を停止させた要因の表示を指示する。
また、印刷制御部23は、操作パネル10より頁管理メモリ22の第1群編成34、及び、第2群編成35の設定更新の要求を受けると頁管理メモリ22を見て、全ブロックの頁有効フラグ43と未排紙フラグ45が「0」なら、操作パネル10に許可の応答をして要求された設定更新の内容を頁管理メモリ22に設定し、ブロックの頁有効フラグ43か未排紙フラグ45のどれかが「1」なら、操作パネル10に拒否の応答をする。
【0037】
さらに、印刷制御部23は、操作パネル10より停止条件の拡張モード、又は無停止モードを含むモード情報の通知を受けて、最後に通知されたモード情報を記憶し、操作パネル10よりモード情報の解除の通知を受けて記憶したモード情報を抹消する。
給紙部2は、搬送部4から駆動指示を受けると頁を印刷する用紙の供給を可能な状態にし、用紙の供給が可能な状態になると搬送部4に駆動応答を返し、搬送部4の用紙要求を受けて搬送部4に用紙を供給し、搬送部4から駆動停止を指示されると用紙供給が可能な状態を解除して駆動を停止する。
搬送部4は、印刷制御部23から駆動を指示されると搬送路の駆動を開始し、給紙部2と印刷部3と排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカに駆動を指示し、給紙部2と印刷部3と排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカより駆動済みの応答を受け取ると印刷制御部23に駆動済みを応答し、印刷制御部23から排紙先スタッカの通知を待つ。
【0038】
また、搬送部4は、印刷制御部23から上記排紙先スタッカが通知されると給紙間隔を揃えるために一定間隔で給紙部2に用紙要求を出して用紙を受け取り、用紙を印刷部3に向けて搬送する。
なお、上記一定間隔は、搬送部4が上記最大頁数Mの用紙を搬送可能にする間隔である。
さらに、搬送部4は用紙を搬送中に、定められた地点で印刷部3に印刷を指示し、印刷部3に頁データを印刷させる。
また、搬送部4は、搬送している印刷済みの複数頁の印刷紙の各々について各印刷紙毎に上記排紙先スタッカに向けて搬送する。
【0039】
さらに、搬送部4は、ジャムを検出すると印刷制御部23にジャム発生を通知し、印刷制御部23より駆動停止を指示されると、給紙部2と印刷部3と排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカに駆動停止を指示し、給紙部2と印刷部3と第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカより駆動停止の応答を受けると、動作を終了して印刷制御部23に駆動停止を通知する。
また、搬送部4は、一定時間、印刷制御部23から排紙先スタッカの通知がなく、且つ、搬送中の印刷紙がないと、搬送路の搬送を休止させて印刷制御部23からの排紙先スタッカの通知を待ち、排紙先スタッカの通知があると休止を解除して搬送動作を再開する。
印刷部3は、搬送部4から駆動の指示を受けると、頁データの受信と印刷ができる状態にし、頁データの受信と印刷ができる状態になると搬送部4に駆動を応答し、印刷制御部23から受けた頁データを順次蓄積し、搬送部4より印刷指示を受けると蓄積してある最も古い頁データを印刷し、搬送部4から駆動停止の指示を受けると、頁データの受信と印刷ができる状態を解除して搬送部4に駆動停止を応答し、蓄積した頁データを抹消する。
【0040】
排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の4基の各スタッカは、搬送部4から搬送された印刷紙を1枚収納する毎に、排紙済みを印刷制御部23に通知する。
また、各スタッカは、搬送部4が搬送可能な最大頁数Mと収納された印刷紙との総量が一定値を超えると印刷制御部23にフルを通知し、各スタッカは、フルの通知の有無に関わらず、印刷制御部23からフル解除の通知を受けると、M頁の印刷紙を搬送できる最大搬送時間を待って、もしくは、搬送部4から搬送されたM頁の印刷紙の収納を待って、オペレータが収納した印刷紙を取り出せる状態にし、収納した印刷紙が無くなると新たな印刷紙の収納を可能にして印刷制御部23にフル解除を通知する。
さらに、各スタッカは、搬送部4から駆動停止の指示を受けると、駆動を停止してオペレータが収納した印刷紙を取り出せるようにし、搬送部4に駆動停止を応答する。
【0041】
ここで、オペレータが収納した印刷紙を取り出せる状態とは、例えば、収納テーブルを上昇させて印刷紙を収納するスタッカにおいては収納テーブルをダウンさせることであり、例えば、スタッカボックスの扉の施錠開錠を自動で行うスタッカにおいては開錠することなどである。
操作パネル10は、オペレータのキー操作によって印刷スタートの指示入力を受けると、それを印刷制御部23に通知し、印刷制御部23から停止要因の表示が指示されると、停止要因を表示し、停止要因の表示解除が指示されると停止要因の表示を消す。
また、オペレータのキー操作によって、頁管理メモリ22にあるスタッカ群情報の第1群編成34、及び、第2群編成35の値の設定更新を印刷制御部23に要求し、印刷制御部23から許可の応答を受けると、上記設定更新値を印刷制御部23に通知し、拒否の応答を受けると更新無効を表示する。
【0042】
さらに、オペレータのキー操作によって、停止条件の拡張モード又は無停止モードを含むモード情報の通知指示と、モード解除の通知指示を受けると、それらを印刷制御部23に通知する。
図3の破線枠32で示す部分の左端列の「頁ポインタ」「第1群編成」「第2群編成」「第1群排紙スタッカ」「第2群排紙スタッカ」「第1スタッカフラグ」「第2スタッカフラグ」「第3スタッカフラグ」「第4スタッカフラグ」「頁有効フラグ」「排紙先スタッカ」「未排紙フラグ」「頁データ」の各項目名は、頁管理メモリ22の内容を説明するために便宜的に示している。
印刷制御部23はパワーオフに際して、この頁管理メモリ22の頁データ46以外の内容をメモリ12の不揮発性メモリ領域(例えばディスクなど)にストアしておき、パワーオン初期化で不揮発性メモリ領域より頁管理メモリ22の領域にロードする。
【0043】
図3は、4基のスタッカの場合の事例であり、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持つ場合、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成する。
図4及び図5は、それぞれ図1に示した第1スタッカ6〜第4スタッカ9に対する排紙の切り替え順序の一例を示す説明図である。
図4には、業務データの指示によって2つのスタッカ群を排紙先にして排紙先のスタッカ群を切り替え、且つ、各スタッカ群の排紙中のスタッカのフルによってスタッカ群内の排紙先を切り替えていくときの各状態を示している。
ここでは、第1スタッカ6と第2スタッカ7を1つのスタッカ群に、第3スタッカ8と第4スタッカ9をもう1つのスタッカ群にし、それぞれ2頁を各スタッカ群に交互に排紙し、各スタッカ群内の排紙中であるスタッカがフルになり、各スタッカ群内の排紙先のスタッカを切り替えて排紙を継続していく場合を説明する。
【0044】
状態41は、第1のスタッカ群の第1スタッカ6と第2のスタッカ群の第3スタッカ8を切り替え、第1スタッカ6と第3スタッカ8に印刷紙が蓄積されている状態である。
状態42は、状態41が進んで、第1スタッカ6と第3スタッカ8がフルに近づいた状態である。
状態43は、第1スタッカ6がフルになり第1のスタッカ群の第2スタッカ7に排紙先が切り替わり、1枚の印刷紙が遅れて、第3スタッカ8がやがてフルになり第2のスタッカ群の第4スタッカ9に排紙先が切り替わる状態である。
状態44は、状態43に続いて第1のスタッカ群で第1スタッカ6より第2スタッカ7に排紙先が切り替わって第2スタッカ7に印刷紙の蓄積が開始され、第2のスタッカ群では第3スタッカ8より第4スタッカ9に排紙先が切り替わり、今後、印刷紙の蓄積が開始されようとしている状態である。
【0045】
状態45は、状態44の後、引き続き第1のスタッカ群と第2のスタッカ群に2枚の印刷紙毎に排紙先を切り替え、第2スタッカ7と第4スタッカ9に印刷紙が蓄積されていて、既にオペレータによって第1スタッカ6と第3スタッカ8より印刷紙が取り出されて無くなっている状態である。
次に、図5には、単独のスタッカとスタッカ群が編成されていて、ある業務印刷は単独のスタッカを選び、また、他のある業務印刷はスタッカ群を選んで排紙先にすることによって、業務印刷単位に切り替わるスタッカと、各スタッカに排紙されて蓄積されていくときの各状態を示している。
ここでは、第1スタッカ6を単独のスタッカに、第2スタッカ7〜第4スタッカ9をスタッカ群に編成し、単独のスタッカ向けの業務印刷とスタッカ群向けの業務印刷が間断なく順次行なわれている場合を説明する。
【0046】
状態51は、単独のスタッカ向けの業務印刷が終了に近づき、スタッカ群向けの業務印刷を開始している状態である。
状態52は、状態51に続いて、第4スタッカ9に印刷紙の蓄積が進んでスタッカ群向けの業務印刷が終了しようとし、次の単独のスタッカ向けの業務印刷が開始されている状態である。
状態53は、状態52に続いて、単独のスタッカ向けの少量印刷が終了し、スタッカ群向けの次の業務印刷が開始されている状態である。
ここで、群内切替指示を受けて第2スタッカ7に排紙先を更新した結果、第1スタッカ6から第2スタッカ7に排紙先のスタッカが切り替わっている状態である。
状態54は、状態53に続いて、スタッカ群向けの業務印刷が終了してスタッカ群に排紙する次の業務印刷が開始されている状態であり、群内切替指示を受けて第3スタッカ8にスタッカ群内の排紙スタッカを更新したため、第2スタッカ7より第3スタッカ8にスタッカを切り替え中の状態である。
【0047】
状態55は、状態54に続いて、第3スタッカ8に印刷紙を蓄積中の状態であり、既にオペレータによって第4スタッカ9より業務印刷が終了した印刷紙が取り出されて無くなっている状態である。
図6乃至図9の各図は、この実施例の印刷装置1において、印刷スタートによって印刷制御部23が搬送部4を駆動した後の印刷制御の全体の流れと、その中の印刷処理の流れと、その中の排紙先スタッカの登録の流れと、その中の再印刷処理の流れとをそれぞれ示すフローチャート図である。
各フローチャート図の説明では、便宜上、頁ポインタ33を「p」、頁有効フラグ43を「V」、排紙先スタッカ44を「OS」、未排紙フラグ45を「F」、頁データ46を「PD」、指定編成を「G」、第1群編成34を「1G」、第2群編成35を「2G」、第1群排紙スタッカ36を「1OS」、第2群排紙スタッカ37を「2OS」とそれぞれ略称で示す。
【0048】
同じく、頁ポインタ33がアサインするブロックを「BLP」、BLPにおける頁有効フラグ値を「VP」、排紙先スタッカ値を「OSP」、未排紙フラグ値を「FP」、頁データ46の内容を「PDP」、指定編成を「GP」とそれぞれ略称で示す。
また同じく、1≦i≦Nである任意ブロックiの頁有効フラグ値を「Vi」、未排紙フラグ値を「Fi」、カレントスタッカ値を「CSi」、頁データ46の内容を「PDi」とそれぞれ略称で示す。
以下、図6〜図9の各フローチャート図に従って、この実施例の印刷装置1における印刷制御部23の印刷処理について説明する。
図6は、この実施例の印刷装置1の印刷制御部23が操作パネル10からの印刷スタートにより開始する印刷処理の全体の流れを示すフローチャート図である。
印刷制御部23は、操作パネル10から印刷スタートの指示入力を受けると、ステップ(図中「S」で示す)1で、搬送部4を駆動させてステップ2へ進む。
【0049】
ステップ2では、操作パネル10の表示内容を消してステップ3へ進む。
ステップ3では、ジャムにより未排紙に終わった用紙があったか否かを判断し、次のステップを決定する。この判断処理では、ΣFi=0(1≦i≦N)で未排紙の用紙又は印刷紙がないなら(「Y」の場合)、ステップ6へ進み、ΣFi(1≦i≦N)≠0で未排紙の用紙又は印刷紙があるなら(「N」の場合)、ステップ4へ進む。
ステップ4では、図9に示す「再印刷処理」を実行してリターンすると、ステップ5へ進む。
ステップ5では、再印刷処理の結果、搬送部4が駆動を停止しているか否かを判断し、搬送部4が駆動を停止していたら(「Y」の場合)、印刷処理を終了し、搬送部4が駆動を停止していないなら(「N」の場合)、ステップ6に進む。
ステップ6では、図7に示す「印刷処理」を実行して、この処理を終了する。
【0050】
図7は、この実施例の印刷装置1の印刷制御部23が実行する印刷処理を示すフローチャート図である。
印刷制御部23は、ステップ(図中「S」で示す)11で、頁データがあるか否かを判断し、次のステップを決定する。この判断で、頁ポインタ33がアサインするブロックであるBLPにおいて、頁有効フラグ43がVP=1で有効なら(「Y」の場合)、ステップ12へ進み、VP=0で無効なら(「N」の場合)、ステップ20へ進む。
ステップ12では、搬送路に用紙搬送の余地はあるか否かを判断し、次のステップを決定する。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi(1≦i≦N)<Mで未排紙フラグ45の総和が搬送最大頁数M未満なら次の頁の搬送の余地があるため(「Y」の場合)、ステップ13へ進み、ΣFi(1≦i≦N)=Mなら搬送の余地がないため(「N」の場合)、ステップ17へ進む。
【0051】
ステップ13では、図8に示す「排紙先スタッカ登録処理」を実行し、ステップ14に進む。
ステップ14では、停止要因があるか否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で、「スタッカフルによる排紙先スタッカ未登録」の停止要因があるなら(「Y」の場合)、ステップ17へ進み、停止要因がないなら(「N」の場合)、ステップ15に進む。
ステップ15では、スタッカを指定し給紙を指示して次のステップ16へ進む。この処理では、頁ポインタ33がアサインするブロックであるBLP内の排紙先スタッカ44と未排紙フラグ45について、排紙先スタッカ44のOSPを搬送部4に通知して給紙を指示し、未排紙フラグ45をFP=1にして、ステップ16へ進む。
【0052】
ステップ16では、印刷部3に頁データを送付して次のステップ17へ進む。この処理では、印刷部3に頁ポインタ33がアサインするブロックの頁データ46であるPDPを送付し、P≡P+1(mod N)にして頁ポインタ33を更新し、ステップ17へ進む。
ステップ17では、ジャム発生か否かを判断して、次のステップを決定する。この処理では、搬送部4からジャム発生通知があったか否かを判断し、ジャム発生通知があったら(「Y」の場合)、ステップ21へ進み、ジャム発生通知がなかったら(「N」の場合)、ステップ18へ進む。
ステップ18では、スタッカから排紙済み通知があったか否かを判断し、通知があったのなら(「Y」の場合)、ステップ19へ進み、通知が無かったのなら(「N」の場合)、ステップ22へ進む。
【0053】
ステップ19では、排紙した用紙の頁データを抹消して、ステップ18へ戻る。この処理では、排紙済みを通知してきたスタッカ番号に等しい排紙先スタッカ44がOSXである時、全ブロック内のOSX=OSi且つFi=1となる最も古いBLi(1≦i≦N)について、頁有効フラグ43と未排紙フラグ45の各々をVi=0、Fi=0とし、OSXからの排紙済み通知を解除して、ステップ18へ戻る。
ステップ18の判断で排紙済み通知があり、まだ排紙済み通知が残っていれば、ステップ19の処理を上述のようにして繰り返し、ステップ18の判断で排紙済み通知が無いなら、ステップ22へ進む。
ステップ20では、搬送中の用紙が有るか否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi(1≦i≦N)≠0で搬送中の用紙又は印刷紙が残っているなら(「Y」の場合)、ステップ17へ進み、ΣFi=0(1≦i≦N)で搬送中の用紙又は印刷紙が無いなら(「N」の場合)、ステップ11へ戻る。
【0054】
もし、用紙又は印刷紙を搬送中であるが、次の頁データ46が無いため、排紙済み通知を待つだけの状態なら、ジャムが発生しない限り、ステップ17→ステップ18→ステップ22→ステップ11→ステップ20→ステップ17→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知を1つ受け取ると、ステップ17→ステップ18→ステップ19→ステップ18→ステップ22→ステップ11→ステップ20の処理を実行し、未排紙の用紙又は印刷紙がなくなるとステップ11→ステップ20→ステップ11→・・・の処理を繰り返す。
ステップ21では、停止要因を「ジャム発生」にして、ステップ18へ進む。
ステップ22では、停止要因なしか否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で、「ジャム発生」又は「スタッカフルによる排紙先スタッカ未登録」の停止要因があるなら(「N」の場合)、ステップ23へ進み、停止要因がないなら(「Y」の場合)、ステップ11へ戻る。
【0055】
もし、搬送部4が動作中であり、次の頁データ46があり、次の用紙を搬送させる余地があり、排紙先にできるスタッカがあり、排紙済み通知がないなら、「ジャム発生」の停止要因が生じない限り、ステップ11→ステップ12→ステップ13→ステップ14→ステップ15→ステップ16→ステップ17→ステップ18→ステップ22→ステップ11→・・・の処理を繰り返す。
ステップ23では、停止要因が「ジャム発生」か否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で、停止要因がジャム発生なら(「Y」の場合)、ステップ25へ進み、停止要因が「ジャム発生」ではなく、「スタッカフルによる排紙先未登録」なら(「N」の場合)、ステップ24へ進む。
【0056】
ステップ24では、搬送中の用紙があるか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi≠0(1≦i≦N)で搬送中の用紙又は印刷紙が残っているなら(「Y」の場合)、ステップ17へ戻り、ΣFi=0(1≦i≦N)で搬送中の用紙又は印刷紙が残ってないなら(「N」の場合)、ステップ25へ進む。
もし、「スタッカフルによる排紙先未登録」の停止要因によって未排紙の用紙又は印刷紙が排紙されるのを待つ状態なら、「ジャム発生」の停止要因が生じない限り、ステップ17→ステップ18→ステップ22→ステップ23→ステップ24→ステップ17→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知を1つ受け取ると、ステップ17→ステップ18→ステップ19→ステップ18→ステップ22→ステップ23→ステップ24の処理を実行し、未排紙の用紙又は印刷紙がなくなるとステップ25へ進む。
【0057】
ステップ25では、搬送部4の駆動を停止させて、ステップ26へ進む。
ステップ26では、停止要因が「スタッカフルによる排紙先未登録」なら、操作パネル10に表示させ、処理を終了する。また、停止要因が「ジャム発生」の場合、全ブロックの未排紙フラグ45と排紙先スタッカ44において、F=1である最も古いBLkから最も新しいBLlに、Ff(k<f≦l)=0となるfが存在し、且つ、OSg≠OSh(k<g、h≦l)となるg、hが存在するなら、Fh(k≦h≦l)とOSh(k≦h≦l)を退避して内容を編集し、もし、停止条件の拡張モードの指定があるなら、Ff(k<f≦l)=0となるfの有無に関わり無く、OSg≠OSh(k<g、h≦l)となるg、hが存在すれば、Fh(k≦h≦l)とOSh(k≦h≦l)を退避して内容を編集し、もし、無停止のモードの指定があるなら、無条件にFi(k≦i≦l)とOSi(k≦i≦l)の退避して内容を編集し、編集した結果を操作パネル10に表示を指示して、この処理を終了し、リターンする。
【0058】
なお、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持つ場合、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成すれば、ステップ11〜ステップ26に従って処理することができる。
図8は、この実施例の印刷装置1の印刷制御部23が実行する排紙先スタッカ登録処理を示すフローチャート図である。
印刷制御部23は、ステップ(図中「S」で示す)31で、複数のスタッカを排紙先に指定しているか否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で否の場合は、単独のスタッカを排紙先に指定している場合である。この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックBLPの第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成GPにおいて、複数のスタッカフラグが「1」なら(「Y」の場合)、ステップ32へ進み、スタッカフラグが1つだけ「1」なら(「N」の場合)、ステップ37へ進む。
【0059】
ステップ32では、指定されたスタッカ群内にある排紙先にするスタッカがフルか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックの第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成GPと、第1群編成34である1G及び第2群編成35である2Gを比較して、GP=1Gなら第1群排紙スタッカ36である1OSに登録してあるスタッカ番号を読み、GP=2Gなら第2群排紙スタッカ37である2OSに登録してあるスタッカ番号を読み、読んだスタッカ番号のスタッカがフルでないなら(「N」の場合)、ステップ34へ進み、フルであるなら(「Y」の場合)、ステップ33へ進む。
ステップ33では、指定されたスタッカ群の全スタッカがフルか否かを判断し、次のステップを決める。この判断で否の場合は、フルでないものがある場合である。
【0060】
この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックBLPの第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成GPにおいてスタッカフラグが「1」であるスタッカが全てフルなら(「Y」の場合)、ステップ38へ進み、フルでないものがある場合なら(「N」の場合)、ステップ34へ進む。
ステップ34では、群内切替指示があるか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックの群内切替指示38が「0」なら(「N」の場合)、ステップ36へ進み、「1」なら(「Y」の場合)、ステップ35へ進む。
ステップ35では、スタッカ群内の排紙先のスタッカを更新して、次のステップ36へ進む。
【0061】
この処理では、GP=1Gなら第1群排紙スタッカ36である1OSにフル解除を通知し、第1群編成34である1G内において1OSの次に順位に当たるスタッカ番号を1OSに登録更新して上記スタッカ番号を退避し、GP=2Gなら第2群排紙スタッカ37である2OSにフル解除を通知し、第2群編成35である2G内において2OSの次に順位に当たるスタッカ番号を2OSに更新登録して上記スタッカ番号を退避し、ステップ36へ進む。
ステップ37では、排紙先に指定された単独のスタッカはフルか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックBLPの第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成GP内において「1」であるスタッカがフルであるなら(「Y」の場合)、本スタッカに対してフル解除を通知してステップ38へ進み、フルでなければ(「N」の場合)、本スタッカのスタッカ番号を退避してステップ36へ進む。
【0062】
ステップ36では、排紙先スタッカに値を登録する。すなわち、退避しておいたスタッカ番号を排紙先スタッカ44にあるOSPに登録して、リターンする。
ステップ38では、停止要因を「スタッカフルによる排紙先スタッカ未登録」にして、リターンする。
なお、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持つ場合、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成すれば、ステップ31〜ステップ38に従って処理できることは明らかである。
【0063】
このようにして、排紙先スタッカにスタッカ番号を登録することにより、上位ホストから受信した業務データに基づいて1枚の用紙に印刷するビットマップの頁データを作成し、その頁データを用紙に印刷し、その印刷した用紙を1枚単位で複数のスタッカのいずれかに排紙する機能を持ち、搬送中の用紙の頁数を超える頁データを保持し、ある頁の先行頁とある頁を含む後続頁との間で排紙先のスタッカを切り替えると、搬送中の先行頁が全て排紙されるのを待たずに後続頁を給紙及び印刷して排紙先のスタッカを切り替えながら給紙及び印刷及び排紙の動作を継続し、ジャムが発生して当該ジャムを修復して印刷を再開すると未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、排紙先のスタッカの切り替え中のジャムによって先行頁の用紙が未排紙になり、後続頁の用紙に正常に排紙されたものがある場合、未排紙に終わった先行頁とその他未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙及び印刷及び排紙の動作を停止し、操作パネルに頁の排紙先の確認要求を表示することができる。
【0064】
また、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに複数のスタッカが排紙先に指定されていた場合、その複数のスタッカからなるスタッカ群内の1つのスタッカを選んで排紙先にして印刷後の用紙を排紙し、その排紙先のスタッカが用紙で満杯状態(スタッカフル)になると、スタッカ群内からスタッカフルでない他のスタッカに排紙先を切り替え、印刷後の用紙を排紙するようにすることができる。
さらに、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに複数のスタッカが排紙先に指定されており、その複数のスタッカからなるスタッカ群内の各スタッカに対する排紙先の切り替えが指示されていた場合、スタッカ群内の1つのスタッカを選んで排紙先にして印刷後の用紙を排紙し、業務データに排紙先の切り替え指示があると、スタッカ群内からスタッカフルでない他のスタッカに排紙先を切り替え、印刷後の用紙を排紙するようにすることができる。
【0065】
また、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに、排紙先として指定された複数のスタッカからなるスタッカ群が複数群指定されており、互いの郡内のスタッカが重複しないように指定されていた場合、指定されたスタッカ群に切り替えると、先のスタッカ群内の排紙先であったスタッカから、後のスタッカ群内の排紙先であるスタッカに排紙先を切り替え、印刷後の用紙を排紙するようにすることができる。
さらに、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに排紙先として単独のスタッカが指定されていた場合、その単独のスタッカのみを排紙先にして印刷後の用紙を排紙し、業務データに他の単独のスタッカが排紙先に指定されていると、その単独のスタッカに排紙先を切り替え、印刷後の用紙を排紙するようにすることができる。
【0066】
また、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに単独のスタッカが指定されていると、その指定された単独のスタッカのみを排紙先にして印刷後の用紙を排紙し、スタッカ群が指定されていると、その指定されたスタッカ群内の1つのスタッカを選んで排紙先にし、印刷後の用紙を排紙することにより、業務データからの指示に基づいて排紙先を単独のスタッカ、又はスタッカ群のあるスタッカに切り替えるようにすることもできる。
図9は、この実施例の印刷装置1の印刷制御部23が実行する再印刷処理を示すフローチャート図である。
【0067】
印刷制御部23は、ステップ(図中「S」で示す)41で、最も古い未排紙の用紙の排紙先であったスタッカがフルであるか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45と排紙先スタッカ44において、Fi=1であるBLi(1≦i≦N)のうち最も古いBLj内のOSjに登録してあるスタッカ番号のスタッカがフルなら(「Y」の場合)、ステップ50へ進み、フルでないなら(「N」の場合)、ステップ42へ進む。
ステップ42では、最も古い未排紙の頁データ46を既に印刷部3に送付済みか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、上記BLj内の頁データ46であるPDjを印刷部3に既に送付して排紙待ち中なら(「Y」の場合)、ステップ45へ進み、排紙済みなら(「N」の場合)、ステップ43へ進む。
【0068】
ステップ43では、最も古い未排紙の用紙の排紙先であった排紙先スタッカ44を搬送部4に通知して指定し、給紙を指示し、次のステップへ進む。この処理では、上記BLj内の排紙先スタッカ44であるOSjを搬送部4に通知して給紙を指示し、ステップ44へ進む。
ステップ44では、最も古い未排紙の用紙の排紙先であった頁データ46を印刷部3に送付して排紙待ち中にし、次のステップ45へ進む。この処理では、上記BLj内の頁データ46であるPDjを印刷部3に送付して排紙待ち中にし、ステップ45へ進む。
ステップ45では、搬送部4からジャム発生通知があったか否かを判断し、ジャム発生通知があったら(「Y」の場合)、ステップ51へ進み、ジャム発生通知がなかったら(「N」の場合)、ステップ46へ進む。
【0069】
ステップ46では、スタッカから排紙済み通知が有ったか否かを判断し、通知がなかったら(「N」の場合)、ステップ52へ進み、通知があったら(「Y」の場合)、ステップ47へ進む。
ステップ47では、排紙した用紙の頁データを抹消して次のステップ48に進む。この処理では、上記BLj内の排紙先スタッカ44と頁有効フラグ43と未排紙フラグ45において、スタッカ番号OSjのスタッカ番号からの排紙済みの通知を解除し、Vj=0、Fj=0にすることで頁データ46のPDjを無効にし、排紙待ち中を解除して、ステップ48へ進む。
【0070】
ステップ48では、未排紙の用紙を残しているか否かを判断し、次のステップを決める。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi≠0(1≦i≦N)で未排紙の用紙又は印刷紙を残しているなら(「N」の場合)、ステップ46へ戻り、ΣFi≠0(1≦i≦N)で未排紙の用紙又は印刷紙が無くなったなら(「Y」の場合)、ステップ49へ進む。
ステップ49では、無停止のモードが指示されていないなら、停止要因を「用紙の排紙先の確認要求」にして、ステップ46へ戻る。この処理で、無停止のモードが指示されているなら、図7のフローチャート図のステップ26で退避したFh(k≦h≦l)とOSh(k≦h≦l)の内容を抹消してリターンする。
この無停止モードが指示されてリターンした場合は、搬送停止をしていないため、図6のフローチャート図のステップ5→ステップ6の処理を行い、従って直ちに図7の「印刷処理」を実行する。
【0071】
このようにして、印刷制御部23は、ジャムが発生した場合、そのジャムを修復して印刷を再開すると、未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、無停止モードが指定されていると、排紙先を切り替え中のジャムによって未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙,印刷及び排紙の動作を行った後、次に来た頁データの給紙,印刷及び排紙の動作を継続するようにすることができる。
このように、無停止モードが指定された場合、再印刷した印刷紙の排紙の後、給紙と印刷と排紙を停止することなく継続することができる。
ステップ50では、停止要因を「スタッカフルによる排紙先スタッカ未登録」にして、ステップ45へ進む。
ステップ51では、停止要因を「ジャム発生」にして、ステップ46へ進む。
【0072】
ステップ52では、停止要因無しか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、停止要因があるなら(「N」の場合)、ステップ53へ進み、停止要因がないなら(「Y」の場合)、ステップ41へ戻る。
もし、未排紙の用紙又は印刷紙を残していて、排紙済み通知がないなら、停止要因が発生しない限り、ステップ41→ステップ42→ステップ45→ステップ46→ステップ52→ステップ41→・・・の処理を繰り返す。もし、未排紙の頁を残していて、排紙済み通知があり、停止要因が発生しなければ、ステップ41→ステップ42→ステップ45→ステップ46→ステップ47→ステップ48→ステップ46→ステップ52→ステップ41→ステップ42→ステップ43→ステップ44→・・・の処理を行う。
ステップ53では、停止要因がジャム発生か否かを判断して、次のステップを決める。停止要因が「ジャム発生」なら(「Y」の場合)、排紙待ちを解除してステップ55へ進み、停止要因が「ジャム発生」でなければ(「N」の場合)、ステップ54へ進む。
【0073】
ステップ54では、搬送中の用紙があるか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi(1≦i≦N)≠0で排紙待ちなら(「Y」の場合)、ステップ45へ戻り、ΣFi(1≦i≦N)=0で排紙待ちでないなら(「N」の場合)、ステップ55へ進む。
停止要因が「スタッカフルによる排紙先(のスタッカ)未登録」で、既に搬送中の用紙又は印刷紙が排紙されるのを待つ状態では、「ジャム発生」の停止要因が発生しない限り、ステップ45→ステップ46→ステップ52→ステップ53→ステップ54→ステップ45→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知を受け取ると、ステップ45→ステップ46→ステップ47→ステップ48→ステップ46→ステップ52→ステップ53→ステップ54の処理を実行し、ステップ55へ進む。
停止要因が「用紙の排紙先の確認要求」の場合は、既に搬送中の用紙又は印刷紙はないため、直ちにステップ55へ進む。
【0074】
ステップ55では、搬送部4の駆動を停止させて、ステップ56へ進む。
ステップ56では、停止要因を操作パネル10に表示させ、この処理を終了する。
停止要因が「ジャム発生」の場合、頁管理メモリ22で、未排紙フラグ45が「1」である最も古いブロックより最も新しいブロックに至る内容と、対応する排紙先スタッカ44の内容を編集して操作パネル10に表示する。
その後、フルが解除されて印刷スタートを受ければ、フルにより未排紙のまま残った頁以降を印刷し、排紙先のスタッカに印刷紙を排紙して、操作パネルに印刷紙の排紙先の確認要求を表示する。
また、停止要因が「用紙の排紙先の確認要求」の場合、図7のフローチャート図のステップ26で退避しておいたFh(k≦h≦l)とOSh(k≦h≦l)の内容を編集して操作パネル10に表示させ、退避内容を抹消して処理を終了する。
【0075】
もし、停止条件の拡張モードが指定されていれば、ステップ26において未排紙に終わった印刷紙と印刷紙の間に正常に排紙された印刷紙が存在しなくても、操作パネルに印刷紙の排紙先の確認要求を表示する。
このようにして、印刷制御部23は、ジャムが発生した場合、そのジャムを修復して印刷を再開すると、未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、停止条件の拡張モードが指定されていると、排紙先を切り替え中のジャムによって未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙,印刷及び排紙の動作を停止し、操作パネル10に頁の排紙先を確認させる情報を表示するようにすることができる。
このように、停止条件の拡張モードが指定された場合、スタッカ切り替え中にジャムが発生すると、未排紙の用紙又は印刷紙のみ指定された排紙先のスタッカに排紙して、操作パネル10によってオペレータに用紙又は印刷紙の排紙先を確認させることが可能になる。
【0076】
また、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持ち、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成している場合も、ステップ41〜ステップ56に従って処理できることは明らかである。
図10及び図11は、排紙先を切り替え中にジャムが発生して搬送動作を停止した時の頁管理メモリ22の状態例を示す説明図であり、図7のフローチャート図のステップ56における状態例である。
図10は、第1スタッカ6と第2スタッカ7を第1群編成34にし、第3スタッカ8と第4スタッカ9を第2群編成35にし、第1群のスタッカ群と第2群のスタッカ群を交互に切り替えながら3頁ずつ印刷を繰り返している時に、ジャムによりブロック51とブロック52、ブロック54〜ブロック57が未排紙に終わった事例である。
【0077】
ブロック58の頁有効フラグ43は「1」で、未排紙フラグ45は「0」であり、従って、頁ポインタ33は本ブロック58がアサインされているものである。
本事例では、第2群編成35の中で、ブロック50よりブロック51にかけて第3スタッカ8がフルになり第4スタッカ9に排紙先スタッカ44を切り替えているものであり、従って、第2群排紙スタッカ37の内容は第4スタッカ9の番号に更新されているものである。
同様に、第1群編成34の中で、ブロック54よりブロック55にかけて第1スタッカ6がフルになり第2スタッカ7に排紙先スタッカ44を切り替えているものであり、従って、第1群排紙スタッカ36の内容は第2スタッカ7の番号に更新されているものである。
【0078】
本事例のジャムは、第2群編成35の中の第3スタッカ8から第4スタッカ9へ排紙先を切り替え、更に第2群編成35より第1群編成34への切り替えによって第4スタッカ9から第2スタッカ7へ排紙先を切り替え、更に第1群編成34の中の第1スタッカ6から第2スタッカ7へ排紙先を切り替えている時に発生している。
第4スタッカ9を排紙先にするブロック51とブロック52の2頁の印刷紙が未排紙になり、第1スタッカ6を排紙先にするブロック53とブロック54の2頁の印刷紙のうち、先の1頁の印刷紙が正常に排紙を終え、ブロック54の1頁の印刷紙が未排紙になり、更に第2スタッカ7を排紙先にするブロック55の1頁の印刷紙が未排紙になり、第4スタッカ9を排紙先にするブロック56とブロック57が未排紙である。
図7のフローチャート図に従えば、本ジャムはブロック57の頁データ46をステップ16で印刷部3に送付の後、ブロック58の排紙先スタッカ44の登録をステップ13で行う前に発生したものである。
【0079】
本事例のジャムによって搬送部4に停滞した用紙を除去し、操作パネル10を操作して印刷スタートをすれば、図9のフローチャート図に示した、ブロック51→ブロック52→ブロック54→ブロック55→ブロック56→ブロック57の順に各頁データ46を1頁ずつ再印刷し、その印刷紙を排紙する。
即ち、各ブロックについて、ステップ43により排紙先スタッカ44に向けて給紙を指示し、ステップ44により頁データ46の再印刷を行い、ステップ47により排紙終了による頁有効フラグ43と未排紙フラグ45を「0」にし、以上をステップ42とステップ44とステップ47により1頁ずつ印刷処理する。
従って、再印刷処理を全て終了したとき、全ての頁有効フラグ43と未排紙フラグ45が「0」であることは明らかである。
【0080】
また、ブロック54の頁データ46の再印刷に際し、第1スタッカ6に蓄積した印刷紙がオペレータによって取り出されていなくて、ジャムが発生したときのままの状態なら、図9のフローチャート図に従うと、ステップ41で第1スタッカ6がフルであることを検出する。
この場合、ステップ54で印刷して搬送中であるブロック52の頁の印刷紙の排紙が終わると、ステップ56で操作パネル10に第1スタッカ6がフルであることを表示して処理を終了する。
この時、ブロック51とブロック52の頁有効フラグ43と未排紙フラグ45は「0」である。従って、オペレータが第1スタッカ6より印刷紙を取り出して、再度、印刷スタートすれば、ブロック54より再印刷処理を行う。
【0081】
また、再印刷処理の途中でジャムを検出すると、ブロック51、ブロック52、ブロック54、ブロック55、ブロック56、ブロック57のうち既に正常に印刷及び排紙を済ませたブロックの頁有効フラグ43と未排紙フラグ45は「0」であり、ジャムが修復されて印刷スタートを受ければ、残る未排紙のブロックについて再印刷処理を行うだけである。
なお、図9のフローチャート図の処理によれば、ステップ47においてブロック51→ブロック52→ブロック54→ブロック55→ブロック56→ブロック57の順に「1」であった各ブロックの頁有効フラグ43と未排紙フラグ45が順次「0」になり、ステップ49において全ての頁有効フラグ43と未排紙フラグ45が「0」になる。即ち、未排紙であった頁だけを全て印刷して、指定のスタッカに印刷紙の排紙を終える。
【0082】
図11は、第1スタッカ6を単独のスタッカとし、第2スタッカ7と第3スタッカ8と第4スタッカ9をスタッカ群にし、単独のスタッカとスタッカ群とを例えば業務単位毎に切り替え、更にスタッカ群内において例えば業務単位毎に排紙先を切り替えて、業務印刷を行っている時に、ジャムによりブロック55とブロック59〜ブロック61が未排紙に終わった事例である。
ブロック62の頁有効フラグ43は「1」で、未排紙フラグ45は「0」であり、頁ポインタ33は本ブロック62がアサインされているものである。
本事例では、第2スタッカ7〜第4スタッカ9のスタッカブラグを登録した第1群編成34のスタッカ群より単独のスタッカに排紙先を切り替え、更に単独のスタッカより第1群編成34のスタッカ群に排紙先を切り替え、更に群内切替指示38により第1群編成34内で排紙先を切り替えている時にジャムが発生している。
【0083】
ブロック55まで第1群編成34の排紙先スタッカ44は第4スタッカ9が続き、従ってこの時に第1群排紙スタッカ36は第4スタッカ9の番号である。
ブロック56で排紙先をスタッカ群より単独のスタッカに切り替えてブロック56とブロック57の2頁を印刷して第1スタッカ6に向けて印刷紙を搬送し、ブロック58で排紙先を単独のスタッカよりスタッカ群に切り替え、この時、群内切替指示38が「0」なら第1群排紙スタッカ36である第4スタッカ9を排紙先にするところを、群内切替指示38が「1」であるため、図8のフローチャート図のステップ34の判断によって、排紙先を第1群編成34内の第4スタッカ9の次の順位に当たる第2スタッカ7に切り替える。
更に、ブロック58〜ブロック60の頁データ46を印刷して第2スタッカ7に向けて印刷紙を搬送し、更に群内切替指示38が「1」であるため、排紙先を第1群編成34内の第2スタッカ7の次の順位に当たる第3スタッカ8に切り替え、ブロック61を印刷して第3スタッカ8に向けて印刷紙を搬送して、ジャムが発生している。
【0084】
この間、図8のフローチャート図の処理によれば、ステップ35により第1群排紙スタッカ36は第4スタッカ9より第2スタッカ7に、更に第2スタッカ7より第3スタッカ8の番号に更新しているものである。
本事例では、第4スタッカ9を排紙先にする1頁(ブロック55)の印刷紙が未排紙になり、第1スタッカ6を排紙先にする2頁(ブロック56とブロック57)の印刷紙が正常に排紙され、第2スタッカ7を排紙先にする3頁(ブロック58〜ブロック60)の印刷紙のうち、先頭1頁(ブロック58)の印刷紙が正常に排紙され、残る2頁(ブロック59とブロック60)の印刷紙が未排紙になり、更に第3スタッカ8を排紙先にする1頁(ブロック61)の印刷紙が未排紙である。
図7のフローチャート図の処理に従えば、ステップ26で、ブロック51〜ブロック57の排紙先スタッカ44と未排紙フラグ45の内容を編集して操作パネル10に表示する。
【0085】
本事例について、ジャムが修復されて操作パネル10の操作により印刷スタートを受ければ、図9のフローチャート図の処理に従って、ブロック55→ブロック59→ブロック60→ブロック61の順に各ブロックを1頁ずつ再印刷して印刷紙を排紙し、未排紙であった頁だけを全て印刷して、指定のスタッカに印刷紙の排紙を終える。
図10と図11は、ジャム発生の様態の事例であるが、図9のフローチャート図の処理に従えば、どのようなジャムの様態でも、未排紙の頁を正常に再印刷して指定のスタッカに印刷紙を排紙できることは明らかである。
また、再印刷においてフルを検出し、もしくはジャムを検出しても、再印刷処理により未排紙の頁を正常に再印刷して指定のスタッカに印刷紙を排紙できることは明らかである。
【0086】
図12は、ジャムが発生した時、又は再印刷の時に、操作パネル10に表示するための編集用の情報の一例を示す図であり、頁管理メモリ22の排紙先スタッカ44と未排紙フラグ45の一部である。
図12のブロック55からブロック61の退避範囲70は、図7のフローチャート図のステップ26において印刷制御部23が退避する排紙先スタッカ44及び未排紙フラグ45の内容であり、ブロック55〜ブロック61の間に未排紙フラグ45が「1」であるブロック56とブロック57が存在し、且つ、排紙先は一定でなく排紙先スタッカ44に第1スタッカ6と第2スタッカ7と第3スタッカ8と第4スタッカ9の番号が混在する。
そして、印刷制御部23は、上記退避範囲70を編集して操作パネル10に表示する。この場合の表示事例を図13に示す。
【0087】
図13の(a)は、ジャムが発生して、図7のフローチャート図のステップ26において印刷制御部23が操作パネル10に指示する表示形式事例である。
同じく、図13の(b)は、図12の情報に基づいて、表示形式事例の上に具体値を表示して得られる表示実施事例である。
なお、操作パネル10の表示用である頁管理メモリ22のブロックの数は搬送可能な最大頁数Mを超えないものを示している。
表示形式事例中の「□」マークの配列は具体値を記述する領域であり、以後、同様に表記する。
図13に示した表示形式は、表示実施事例に示すように、退避範囲70にある排紙先スタッカ44の遷移を表示する行と、スタッカ毎に未排紙に終わった頁の用紙又は印刷紙の数を表示する行がある。
【0088】
排紙先スタッカ44の遷移は、搬送部4が搬送可能な最大M頁分の切り替え順序を表示できる文字数分の「□」マーク領域と先頭の「・」を表示する「□」マーク分を確保すればよい。
同じく、各スタッカに対して未排紙に終わった頁の用紙又は印刷紙の数の表示は4スタッカ分の「□」マーク領域の表示行を確保すればよい。
なお、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持ち、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成している場合、Xの値に応じた行数を確保すればよい。
また、表示の具体値は、上記退避範囲70より求められる。
【0089】
次に、再印刷処理を終了した時、上記退避範囲70内の情報に基づいて操作パネル10に表示する事例を図14に示す。
図14の(a)は、再印刷を終了する時に図9のフローチャート図のステップ56において、印刷制御部23が操作パネル10に指示する表示形式事例である。
図14の(b)は、図12の事例に基づいて、表示形式事例の上に具体値を表示して得られる表示実施事例である。
表示形式事例中の「□」マークの配列は、表示実施事例に示すように、再印刷して排紙した頁の印刷紙毎に、順次、排紙先スタッカ44を表示する行と、上記退避範囲70にある排紙先スタッカ44の遷移を表示する行がある。
この2つの行とも、搬送部4が搬送可能な最大M頁の文字数分に対応する「□」マーク領域と「・」を表示する「□」マークを確保すればよい。
また、表示の具体値は、上記退避範囲70の情報により容易に求められる。
【0090】
本表示により、オペレータは、再印刷により、各排紙先スタッカに排紙された頁の印刷紙数と排紙先の変更順序を直ちに知ることができる。
更に、業務印刷における排紙先の順序を直ちに知ることが出来る。
再印刷する全頁の印刷紙数は高々M頁で示される数であり、再印刷した頁の印刷紙は所定のスタッカの最上面にある。
オペレータは、各スタッカに再印刷して出力された最上面にある頁の印刷紙と、業務印刷における次の排紙先であるスタッカの最下面にある頁の印刷紙との順序の整合性を見れば、頁順序の入れ替わり、頁の重複は直ぐに分かり、是正も容易である。
このようにして、オペレータに、大量印刷物の中で頁の順序の不正や不要頁混入をチェックして是正する作業と、大量印刷物の中で再印刷頁の印刷紙の挿入作業と、大量印刷物の中で頁の順序を是正する作業の負担を大幅に軽減することができる。
【0091】
また、各スタッカに再印刷して出力された最上面にある頁の印刷紙と、業務印刷における次の排紙先であるスタッカの最下面にある頁の印刷紙との順序の整合性を見れば、不正頁の印刷紙の存在も容易に検出できるので、不正頁の存在を容易に摘出できるようにすることができ、オペレータの検査作業の負担も大幅に軽減することができる。
次に、再印刷処理中にジャムが発生した時に、頁管理テーブル22の情報に基づいて操作パネル10に表示する事例を図15に示す。
図15の(a)は、再印刷中のジャムにより、図9のフローチャート図のステップ56において、印刷制御部23が操作パネル10に指示する表示形式事例である。図15の(b)は、図12の事例に基づいて、表示形式事例の上に、具体値を表示して得られる表示実施事例である。
【0092】
表示実施事例に示すようにスタッカ毎に未排紙に終わった頁の印刷紙の数を表示する行があり、各スタッカに対して未排紙に終わった頁の印刷紙の数の表示は4スタッカ分の表示行の「□」マーク領域を確保すればよい。
なお、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持つ場合、X=Y/2(小数点以下切捨て)に応じた行数を確保すればよいことは、既に説明した通りである。また、表示の具体値は、頁管理テーブル22の情報より求めることができる。
なお、図13乃至図15に示した表示実施事例は1つの事例であり、ジャムの発生の様態に応じて「□」マーク領域を埋める内容を変えれば、どのような様態にも対応することができる。
【0093】
この実施例の印刷装置は、業務と業務の間において排紙先のスタッカの切り替え中、及び、業務内において排紙先のスタッカの切り替え中に、ジャムが発生して各スタッカに再印刷した頁の印刷紙を排紙先に指示されたスタッカに排紙して、排紙順序、排紙先と排紙した頁の印刷紙数を表示することにより、ある業務印刷結果と次の業務印刷結果の間で頁が入れ替わった場合、及び、業務印刷結果の中で頁が重複出力されて不要頁が混入した場合、オペレータは容易に本状態を検出することができ、各排紙先の印刷紙の状態を是正することができる。
また、この実施例の印刷装置は、オペレータがついていて、スタッカより業務印刷結果を取り出して印刷業務を停止することなく進める高速大量印刷向けのカット紙印刷装置だけの適用に限らない。
【0094】
例えば、多数の利用者が、銘々の印刷結果を、排紙先のスタッカもしくはビンより取り出すオフィス向けのカット紙印刷装置にも適用することができ、ジャムを発見した当事者は容易にスタッカ内の印刷結果をチェックすることができ、当事者の求める正しい印刷結果を容易に得ることができ、当事者だけでなく他者の印刷結果を含めて各排紙先の頁の状態を容易に是正することできる。
さらに、この実施例の印刷装置は、業務印刷内や業務印刷単位に排紙先のスタッカを切り替え、複数の業務印刷に跨って発生したジャムに対し、業務印刷内や業務印刷と業務印刷を跨る頁と頁の順序のチェックを容易にすることができる。
【0095】
この実施例の印刷装置は、複数のスタッカを持ち、業務データの指示、及び、排紙中のスタッカのフルにより、排紙先のスタッカを切り替え、搬送中の先行頁の排紙を待たずに後続頁を給紙及び印刷し、スタッカを切り替え中にジャムが発生して、当該ジャムを修復して印刷を再開すると、未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、排紙先を切り替え中のジャムにより上記先行頁の用紙が未排紙になり上記後続頁の用紙に正常に排紙されたものがある時、未排紙に終わった上記先行頁とその他未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙及び印刷及び排紙の動作を停止し、操作パネルに頁の印刷紙の排紙先の確認要求を表示するため、オペレータはスタッカとスタッカに跨る印刷紙の頁順序の不正および不要頁の混入を容易にチェックできる。
【0096】
また、全てのスタッカ編成と全てのスタッカ切り替えの要因に対応するため、スタッカの切り替えに伴うジャムにより上記先行頁の用紙が未排紙になり上記後続頁の用紙に正常に排紙されたものがある場合に、上記先行頁とその他未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙及び印刷及び排紙の動作を停止し、操作パネルに頁の排紙先の確認要求を表示でき、スタッカとスタッカに跨る印刷紙の頁順序の不正や不要頁の混入を、オペレータが容易にチェックできる。
さらに、操作パネルより予め停止条件の拡張モードを指定しておくと、上記先行頁の他、上記後続頁の全てが未排紙に終わった場合も、未排紙の頁を全て印刷して操作パネルに頁の排紙先の確認要求を表示でき、スタッカとスタッカに跨る不要頁の混入を、オペレータが容易にチェックできる。
【0097】
また、操作パネルより予め無停止モードを指定しておくと、スタッカを切り替え中のジャムを修復して印刷を再開すると、未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、ジャムにより上記先行頁の用紙が未排紙になり上記後続頁の用紙に正常に排紙されたものがある場合に、上記先行頁とその他未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙及び印刷及び排紙の動作を停止せず、引き続き、次の頁データより給紙及び印刷及び排紙の動作を継続できる。例えば、同一頁のみ高速に大量印刷する場合のように、ジャムによる再印刷結果を斟酌しない運用のときに有効である。
上述の実施例では、本発明を印刷装置(プリンタ)に適用した場合を説明したが、複数のスタッカを備え、その各スタッカを切り替えて印刷紙を排紙する機能を備えたファクシミリ装置,複写機,及び複合機でも上述と同様にして実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
この発明による画像処理装置と画像処理装置の表示方法とプログラムは、ファクシミリ装置,印刷装置,複写機,複合機を含む画像処理装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1:印刷装置 2:給紙部 3:印刷部 4:搬送部 5:排紙部 6:第1スタッカ 7:第2スタッカ 8:第3スタッカ 9:第4スタッカ 10:操作パネル 11:制御部 12:メモリ 20:入力データメモリ 21;入力処理部 22:頁管理メモリ 23:印刷制御部 33:頁ポインタ 34:第1群編成 35:第2群編成 36:第1群排紙スタッカ 37:第2群排紙スタッカ 38:群内切替指示 39:第1スタッカフラグ 40:第2スタッカフラグ 41:第3スタッカフラグ 42:第4スタッカフラグ 43:頁有効フラグ 44:排紙先スタッカ 45:未排紙フラグ 46:頁データ 47〜64:ブロック 70:退避範囲
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開平08−216484号公報
【特許文献2】特開平09−255207号公報
【特許文献3】特開2007−168103号公報
【特許文献4】特開2001−88406号公報
【特許文献5】特開2002−137458号公報
【特許文献6】特開2005−335861号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファクシミリ装置,印刷装置,複写機,複合機を含む画像処理装置と、その画像処理装置の表示方法と、画像処理装置を制御するプログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷後の印刷紙を排出して堆積する複数の排出部(「スタッカ」「排紙トレイ」等という)を備えたファクシミリ装置,プリンタ,複写機,及び複合を含む画像処理装置が多用されている。
例えば、高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、ホストコンピュータ(「ホスト」と略称する)から業務印刷として印刷済みの用紙(「印刷紙」という)の排紙先として複数のスタッカが指定された印刷ジョブ(印刷ジョブで印刷されるデータを「業務データ」と呼ぶ)の印刷において、上記指定された複数のスタッカを1つのスタッカ群に見立て、そのスタッカ群内のあるスタッカがスタッカフル(スタッカ内に堆積した印刷紙が所定枚数(あるいは所定重量)になった状態をいう。「フル」と略記する)になると、印刷を停止することなく、スタッカ群内のフル状態ではない他のスタッカに継続して印刷紙を排紙するようにしている。
【0003】
また、1つの印刷ジョブの印刷を終えたら、次の印刷ジョブの排紙を開始する前に、スタッカ群内のスタッカを他のスタッカに切り替え、1つのスタッカに印刷を終了した印刷ジョブの印刷紙と現在印刷中の印刷ジョブの印刷紙とが混在しないようにして、既に印刷を終えた業務印刷の印刷紙をスタッカから速やかに取り出せるようにしている。
さらに、相互にスタッカが重複しないことを条件に複数のスタッカ群を指定し、例えば、同じ頁(「ページ」)の画像をコピーした複数枚の印刷紙を各スタッカ群にそれぞれ振り分けて排紙するようにすれば、同一内容の複数の印刷紙を各スタッカ群毎に振り分けて堆積させることができ、業務印刷における大量部数を一度に取得することができる。
このように、排紙先にスタッカ群が指定されている場合、オペレータがフルになったスタッカ、又は排紙を終えたスタッカから速やかに印刷紙を取り出せば、カット紙印刷装置では、次に排紙できるスタッカを次々と確保することができ、印刷を停止することなく業務印刷を続けることができる。
【0004】
勿論、高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、上述のような印刷紙の排紙先としてスタッカ群を指定した印刷だけでなく、単独のスタッカのみを排紙先に指定した旧来からの印刷もできる。
この単独のスタッカを排紙先に指定した場合、用紙の出力部数が多ければ、スタッカがフルになると印刷を停止してしまう。
従って、高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、高速大量印刷向けの業務中、大量印刷業務と大量印刷業務の間で消化すればよい例外的な少量印刷業務については、印刷紙の排紙先を単独のスタッカに充てるのが一般的である。
少量印刷業務では、出力部数が少量であるため、大量印刷業務の出力が別途指定したスタッカ群に開始された後、オペレータが適宜、単独のスタッカから印刷紙を取り出して、単独のスタッカがフルにならないようにしていけば、印刷を途中で停止することなく業務印刷を続けることができる。
【0005】
スタッカ群内の排紙先のスタッカを切り替える契機には、次の第1から第5がある。
第1の契機は、スタッカ群内で排紙先にしていたスタッカがフルになった場合である。
この場合、カット紙印刷装置が、印刷時にスタッカ郡内の排紙先のスタッカがフルになったことを検出すると、他のフルでないスタッカに排紙先を切り替える。
その切り替えの際のスタッカの選択ルールについては、例えば、スタッカ郡内の各スタッカにそれぞれ順に大きくなるスタッカ番号を付与し、スタッカ番号の小さいスタッカから次に大きいスタッカを選んで行き、最も大きなスタッカの次は最も小さいスタッカを選ぶというような選択ルールを採る。
第2の契機は、印刷対象の業務データに、スタッカ群内で排紙中のスタッカから別のフルでないスタッカに排紙先を切り替えるように群内切替指示が含まれていた場合である。
【0006】
例えば、複数の業務印刷の排紙先を1つのスタッカ群にして、その各業務印刷を開始する時に、スタッカ群内における排紙先のスタッカを切り替えることにより、業務印刷単位に群内切替指示を行う場合がある。
この場合も、スタッカ群内において次に排紙先にするスタッカは、第1の契機の場合と同様に、カット紙印刷装置が決める。
第3の契機は、複数のスタッカ群を編成し、印刷対象の業務データが複数のスタッカ群を対象にして、適宜、排紙先のスタッカ群を切り替える指示を含む場合である。
この場合、あるスタッカ群と別のスタッカ群が1つのスタッカを共有することはない。
業務データがあるスタッカ群から別のスタッカ群に排紙先を切り替えるように指示すれば、当然、あるスタッカ群の配下にあるスタッカから別のスタッカ群の配下にあるスタッカに排紙先が切り替わる。
【0007】
例えば、同一頁を複数枚コピーして、各スタッカ群に一枚毎に振り分けて排紙することにより、同一内容の印刷紙を各スタッカ群に堆積して、大量部数の印刷物を一度に得ることができる。
なお、各スタッカ群においては、上述した第1の契機又は第2の契機とするスタッカ群内の排紙先の切り替えも並行して行われる。
第4の契機は、印刷対象の業務データが単独のスタッカを指定しており、単独のスタッカのみを排紙先にする場合である。また、業務データが別の単独のスタッカを指定すれば、その指定した単独のスタッカに排紙先を切り替えて排紙する。
第5の契機は、単独のスタッカとスタッカ群、もしくは単独のスタッカと複数のスタッカ群を編成する場合である。
【0008】
また、それぞれの編成における排紙先のスタッカの切り替え契機は、上述した第1〜第5のいずれかの契機に従う。
上述した第1〜第5の契機については、単独のスタッカ,スタッカ群,複数のスタッカ群を、全スタッカに対してどのように割り振ったり、どのように編成したりするかは、一般にオペレータがスケジュールされた各業務データの内容に従って決め、業務データにその指示を含ませたり、必要なら操作パネルを操作することによってスタッカの割り振りと編成を変更する指定を行う。
上述のような高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、1業務印刷を印刷中に、及び、1業務印刷を終えて次の1業務印刷の開始において、スタッカ群内の排紙先のスタッカの変更、複数のスタッカ群間における排紙先のスタッカの変更、スタッカ群と単独のスタッカとの間の排紙先のスタッカの変更が頻発することが多い。
【0009】
例えば、毎分百数十頁を印刷排紙するカット紙印刷装置にとって、10数分から20数分に1回が、排紙先のスタッカの切り替えの頻度になる。
ところで、高速大量印刷向けのカット紙印刷装置における印刷では、1業務印刷で出力される頁数は、それ以上の数千頁や数万頁に及ぶ場合が多い。
しかし、1つのスタッカに収納できる用紙の枚数は、概ねオペレータが取り扱い可能な重量であり、2千頁から3千頁程度までが一般的である。
そのため、カット紙印刷装置が、数千頁や数万頁に及ぶ業務を次々に行いながらフルを契機にスタッカ群内の排紙先を切り替えて印刷中、オペレータは、フルになったスタッカから速やかに印刷紙を取り出す必要がある。
一方、排紙先を頻繁に切り替えるカット紙印刷装置では、切り替えに伴うロスタイムの削減が望まれている。
【0010】
近年の高速大量印刷向けのカット紙印刷装置では、排紙先のスタッカを切り替える時、排紙先の切り替えに先立つ頁(「先行頁」と言う)の印刷と、その印刷した印刷紙の排紙の終了を待つことなく、速やかに排紙先の異なる後続する頁(「後続頁」と言う)を印刷する用紙を給紙し、印刷し、その印刷された印刷紙を指定のスタッカまで搬送して排紙し、高速印刷を続けている。
従って、スタッカの切り替えによって排紙先の異なる頁の用紙又は印刷紙が搬送路に存在するときにジャムが発生すると、例えば、搬送距離の違いや搬送ルートの違いなどにより、切り替え前の先行頁の用紙又は印刷紙が未排紙になり、切り替え後の後続頁の用紙又は印刷紙が正常に排紙される場合が出てくる。
このような印刷時のジャムに対しては、未排紙に終わった先頭の頁以降を再印刷するだけの旧来のリカバリ方法では、未排紙の先行頁以後を全て再印刷するため、オペレータが気づかなければ、後続頁の一部を重複印刷した印刷紙をそのまま残すことになる。
【0011】
しかも、排紙先のスタッカを切り替えている時のジャムであり、再印刷した頁の印刷紙をどのスタッカに排紙するかにより、頁内容が重複する印刷紙の排紙先のスタッカも変わる。
例えば、先行頁の排紙先であるべきスタッカに再印刷した先行頁の印刷紙を排紙し、続けて後続頁の印刷紙を同じスタッカに排紙すると、既に正常に排紙済みの後続頁の印刷紙が存在する別のスタッカとの間で、同じ内容の頁の印刷紙が二重に存在してしまう。
一方、正常に排紙済みの後続頁の印刷紙上に再印刷した先行頁と後続頁の各印刷紙を排紙すれば、頁内容が重複する頁の印刷紙が先行頁の印刷紙を挟んで取り残されてしまう。
このように、上述の何れの場合も見逃すと、全業務印刷を終了後、オペレータが、大量印刷物の中から不要な頁の印刷紙を見つける作業は容易ではない。
【0012】
また、ジャムによっては、搬送部の排紙口付近に停滞した印刷結果が未完成の印刷紙が、オペレータのジャム修復作業中にスタッカに入ってしまって、恰も正常に排紙されたかのように見える場合がありうる。
もし、オペレータが、印刷結果が未完成の印刷紙の混入に気づかないままリカバリを講じ、未排紙に終わった頁を再印刷すると、印刷結果が未完成の印刷紙が混入したまま取り残される。
また、オペレータが、印刷結果が未完成の印刷紙の混入に気づいても、印刷結果が未完成の印刷紙と完成している印刷紙との誤差が僅かなために誤認してしまい、印刷結果が未完成の用紙又は印刷紙をリカバリ対象頁から外してしまうと、印刷結果が未完成の用紙又は印刷紙が混入したままになる。
このように、全業務終了後、印刷結果が未完成の用紙又は印刷紙を、オペレータが大量の印刷紙の中から見つける作業は容易ではない。
【0013】
上述のように、スタッカ群内の排紙先のスタッカの切り替え、単独のスタッカとスタッカ群の間の排紙先のスタッカの切り替え、スタッカ群とスタッカ群の間の排紙先のスタッカの切り替え等が頻発し、併せて、オペレータが印刷紙をスタッカから取り出す作業が行われる環境では、再印刷した頁の印刷紙の入れ替わりの是正や重複頁の印刷紙の除去をその場で行わないと、事後の作業負担が増大する。
すなわち、印刷業務を終了した後、オペレータは、大量の印刷紙をチェックして、頁順序が入れ替わった頁の印刷紙を並び替えて揃えたり、重複して存在する頁の印刷紙を除去したり、印刷結果が未完成の頁の印刷紙を除去したりすることになり、オペレータの作業負担が大きくなる。
そこで従来、次のような画像処理装置が提案されている。
【0014】
(1)ホストコンピュータからデータを受信すると印刷を開始し、印刷開始と同時に、正常に印刷された頁をカウントし、そのカウントされた頁数を記憶する。そして、印刷途中においてジャムが発生した場合、ジャムが解消したときに、上記記憶された頁数を参照し、ジャム発生の直前までの頁を読み飛ばし、その次の頁から印刷を再開する画像処理装置(例えば、特許文献1参照)。
(2)複数ジョブを連続して印刷し、各ジョブの印刷頁をスタッカに排出して堆積する際、スタッカ内で、各ジョブ毎に印刷頁の排出位置をオフセットし、各ジョブの印刷頁毎に堆積位置をずらすようにし、ジャムなどのエラーが発生したときは、印刷内容もしくは印刷状態を表す印刷情報を印刷し、その印刷情報が印刷された頁をスタッカ内にオフセットして排出し、エラー発生前に排出された印刷頁からずらしてスタックする画像処理装置(例えば、特許文献2参照)。
【0015】
(3)連続印刷中にジャムが発生すると、印刷動作を停止させると共に、リカバリ対象となる頁データを一旦退避させる。その後、ジャムから復旧すると、退避した頁データをスキップして印刷を再開し、正常に印刷が終了したところで、退避した頁データに対する印刷を開始し、リカバリ印刷を実行する画像処理装置(例えば、特許文献3参照)。
(4)用紙毎に識別情報を付与し、給紙先や排紙先を含む搬送路から各用紙の搬送位置情報を取得し、各識別情報に対応させて搬送位置情報を作成することによって各用紙の印刷状況の詳細を管理し、上位装置に印刷状況の詳細を通知する画像処理装置(例えば、特許文献4参照)。
【0016】
(5)頁毎に識別情報を付与し、印刷の際に、給紙や搬送系の不良により正常に出力されなかった頁の画像をパネルに表示できるようにし、オペレータが、パネルに表示された画像と既にスタッカに出力された印刷紙の頁の印刷内容とを比較して見て、不良により正常に出力されなかった頁より遡って、又は未完成の頁を特定して、その頁の再印刷を可能にした画像処理装置(例えば、特許文献5参照)。
(6)第1排紙部とそれより下流に設けた第2排紙部の2つの排紙部を持ち、一方の排紙部が用紙満杯なら他の排紙部に排紙先を切り替えるようにして、第2排紙部に用紙を排紙しようとして、第1排紙部への搬送路よりも下流でジャムが発生した場合、第1排紙部が用紙満杯等に該当せず排紙可能なら、搬送中の用紙を第1排紙部に排紙し、ジャム修復後、ジャムによって欠けた頁を第2排紙部に排紙した後、第1排紙部に排紙した頁以降を第1排紙部に引き続き排紙する画像処理装置(例えば、特許文献6参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上述した従来の画像処理装置には、次のような問題があった。
まず、上記(1)と(2)の画像処理装置では、印刷時に、ジャムによってスタッカに未到達に終わった頁以後を全て再印刷することになるので、スタッカに未排紙の頁の後続の頁に正常に排紙された印刷紙があった場合、印刷の終了後、印刷紙を1頁ずつチェックして、頁順序が入れ替わった頁の印刷紙は並び替えて揃え、重複して存在する頁の印刷紙は除去するオペレータの作業負担が大きいという問題があった。
また、上記(3)の画像処理装置も、上述と同じように、印刷を終えた後でリカバリ印刷した頁の印刷紙を正常に印刷した印刷紙間に挿入する作業をしなければならないので、オペレータの作業負担が大きいという問題があった。
【0018】
さらに、上記(4)の画像処理装置は、用紙毎の印刷状況を把握することはできても、頁順序が入れ替わった頁の印刷紙は並び替えて揃え(再印刷した複数の印刷紙の頁の順序の入れ替わりがありうる。)、重複して存在する頁の印刷紙は除去する作業をしなければならないので、上述と同じように、オペレータの作業負担が大きいという問題があった。
また、上記(5)の画像処理装置は、例えば、ジャムによって正規の搬送と排紙を終了しないままスタッカへの排紙口付近に停滞した印刷品質未達成の頁の用紙又は印刷紙が、ジャムの発生から修復に至る過程でスタッカに混入してしまった場合、オペレータがスタッカにあった用紙又は印刷紙の頁の印刷内容とパネルに表示された画像を比較して印刷品質未達成を視認できないと、リカバリ印刷が実施できず、印刷物中に印刷品質未達成の頁の用紙又は印刷紙が残ってしまうし、オペレータが印刷品質未達成の用紙又は印刷紙を見つけ出す作業が繁雑になり、上述と同様に、オペレータの作業負担が大きいという問題があった。
【0019】
さらに、上記(6)の画像処理装置は、印刷紙を1枚毎に排紙先のスタッカを切り替えるものではなく、複数の印刷ジョブに跨って発生したジャムについて、各印刷ジョブに跨る頁と頁の順序のチェックを容易にすることはできず、印刷の終了後、印刷紙を1頁ずつチェックして、頁順序が入れ替わった頁の印刷紙は並び替えて揃え、重複して存在する頁の印刷紙は除去するオペレータの作業負担が大きいという問題があった。
このように、上述した従来のいずれの画像処理装置も、印刷時にジャム等の異常が発生した場合、印刷後の印刷紙の頁の並び替えや再印刷した頁の印刷紙の差し替えについて、オペレータの作業負担が大きいという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、複数のスタッカを切り替えて印刷紙を排出する印刷において、ジャムの発生に対する再印刷による頁の順序の乱れや不要頁の混入の有無の確認を容易にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この発明は上記の目的を達成するため、複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、その印刷手段によって印刷された各用紙を、上記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置であって、上記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する保持手段と、排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、上記保持手段に保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙する再印刷手段と、上記再印刷手段による排紙後、上記保持手段に保持された情報に基づいて上記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する表示手段を設けた画像処理装置を提供する。
また、上記のような画像処理装置において、上記再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止し、上記表示手段による情報を表示させる手段を設けるとよい。
【0021】
さらに、上記のような画像処理装置において、上記再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止させることなく、引き続き次の画像データの印刷及び排紙の動作を継続しながら、上記表示手段による情報を表示させる手段を設けるとよい。
また、複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、その印刷手段によって印刷された各用紙を、上記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置の表示方法であって、上記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する工程と、排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、上記保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙後、上記保持された情報に基づいて上記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する工程とからなる画像処理装置の表示方法も提供する。
【0022】
さらに、複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、その印刷手段によって印刷された各用紙を、上記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置の動作を制御するコンピュータを、上記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する保持手段と、排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、上記保持手段によって保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷させて排紙先に指定された排紙部に排紙させる再印刷手段と、上記再印刷手段による排紙後、上記保持手段によって保持された情報に基づいて上記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示させる表示手段として機能させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0023】
この発明による画像処理装置と画像処理装置の表示方法は、複数のスタッカを切り替えて印刷紙を排出する印刷において、ジャムの発生に対する再印刷による頁の順序の乱れや不要頁の混入の有無の確認を容易にできるようにすることができる。
また、この発明によるプログラムは、コンピュータに、複数のスタッカを切り替えて印刷紙を排出する印刷において、ジャムの発生に対する再印刷による頁の順序の乱れや不要頁の混入の有無の確認を容易にできるようにするための機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す印刷装置の制御部とメモリの各機能構成も示すブロック図である。
【図3】図2に示す頁管理メモリ22の内容の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示す印刷装置における2つのスタッカ群の切り替え及びスタッカ群内の排紙先の切り替えの順序の一例を示す説明図である。
【図5】図1に示す印刷装置における単独のスタッカとスタッカ群の切り替え及びスタッカ群内の排紙先の切り替えの順序の一例を示す説明図である。
【0025】
【図6】図1に示す印刷装置1の印刷処理の全体の流れを示すフローチャート図である。
【図7】図1に示す印刷装置1の印刷処理の給紙、印刷、排紙の処理を示すフローチャート図である。
【図8】図1に示す印刷装置1の排紙先スタッカを登録する処理を示すフローチャート図である。
【図9】図1に示す印刷装置1の再印刷処理を示すフローチャート図である。
【図10】図3に示す頁管理メモリにおけるスタッカ群を切り替え中のジャムによる状態事例を示す図である。
【0026】
【図11】図3に示す頁管理メモリにおける単独のスタッカとスタッカ群を切り替え中のジャムによる状態事例を示す図である。
【図12】図3に示す頁管理メモリから抽出した排紙先スタッカと未排紙フラグの情報の一例を示す図である。
【図13】ジャム検出時の操作パネルの表示形式事例と表示実施事例の一例を示す図である。
【図14】再印刷処理が正常に終了した時の操作パネルの表示形式事例と表示実施事例の一例を示す図である。
【図15】再印刷処理中のジャムによる操作パネルの表示形式事例と表示実施事例の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の実施例に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
この実施例の印刷装置(「カット紙印刷装置」ともいう)1は、プリンタであり、画像処理装置に相当し、用紙を供給する給紙部2と、給紙した用紙に印刷を行う印刷部3とを備えている。この印刷部3が、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段の機能を果たす。
また、印刷済みの用紙(「印刷紙」という)を排紙する排紙先である複数のスタッカ(「排紙部」に相当する)、図1では、第1スタッカ6、第2スタッカ7、第3スタッカ8、第4スタッカ9の4基のスタッカよりなる排紙部5と、給紙部2より供給され印刷部3で印刷された印刷紙を排紙部5の排紙先のスタッカ(第1スタッカ6〜第4スタッカ9のいずれかのスタッカ)まで搬送して排紙する搬送部4を備えている。
【0028】
また、この印刷装置1の状態を示す情報や各種の操作画面を表示し、この印刷装置1に対する操作情報を入力する操作パネル10と、CPU,ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、CPUが、RAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、この印刷装置1の全体の制御を司り、この発明に係る機能を含む各種の機能を実現する制御部11と、印刷部3で用紙に印刷する印刷データ(以下「業務データ」ともよぶ)の指示する排紙先のスタッカの情報と業務データより抽出され作成されたビットマップデータと排紙部5の排紙先のスタッカの状態(印刷紙が満杯状態であることを示す「フル」か否かの情報を含む)などを格納して管理するメモリ12を備えている。
なお、排紙部5にある4基のスタッカの第1スタッカ6、第2スタッカ7、第3スタッカ8、第4スタッカ9は、一例としてあげたものであり、高速大量印刷を行う印刷装置では、スタッカ数は4基を超えるものもある。
【0029】
図2は、図1に示す印刷装置1の制御部11とメモリ12の各機能構成も示すブロック図である。
図3は、図2に示す頁管理メモリ22の内容の一例を示す説明図である。
図2には、制御部11とメモリ12には、印刷に関係する機能部分のみを示している。
この図2及び図3に基づいて、印刷装置1の機能について説明する。
メモリ12の入力データメモリ20は、制御部11の入力処理部21が上位装置(図示を省略)等より入力された業務データを格納するメモリである。
上記上位装置とは、この実施例の印刷装置1に直接又はネットワークを介して接続された基幹業務向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置であり、「ホストコンピュータ」「上位ホスト」ともいう。
【0030】
制御部11の入力処理部21は、上位装置との間で入力処理を行って印刷する文書データや画像データを含む業務データを入力データメモリ20に蓄積し、その業務データをビットマップに展開して頁データを作成し、メモリ12の頁管理メモリ22に登録する。
その登録内容については、図3に示すように、頁管理メモリ22の頁ポインタ33がアサインするブロックに格納する。
入力処理部21は、もし、図3の頁ポインタ33がアサインするブロックの頁有効フラグが「1」ならば、頁ポインタ33が次のブロックに更新されることによって頁有効フラグが「0」になったら、上記ブロックに頁データを格納し、上記ブロックの頁有効フラグを「1」にする。
また、入力処理部21は、業務データが上記ブロックの頁データの排紙先に指示している単独のスタッカ又はスタッカ群について、上記ブロックの第1スタッカフラグ39から第4スタッカフラグ42にあるそれぞれ1つ又は複数のスタッカフラグを「1」にして残りのスタッカフラグを「0」にする。
【0031】
さらに、入力処理部21は、業務データが上記ブロックの頁データの排紙先をスタッカ群にして、且つ、スタッカ群内の排紙先の切り替えを指示していれば、上記ブロックの群内切替指示38を「1」にし、切り替え指示がなければ「0」にする。
メモリ12の頁管理メモリ22には、図3に示すように、頁ポインタ33と、第1群目に指定されたスタッカ群の編成を示す第1群編成34と、第2群目に指定されたスタッカ群の編成を示す第2群編成35が含まれている。
また、第1群編成34より選ばれている第1群排紙スタッカ36と、2群編成35より選ばれている第2群排紙スタッカ37よりなるスタッカ群情報と、搬送可能な最大頁数Mを超えるN個のブロック(図3の例では、ブロック47からブロック64)と、各ブロックの群内切替指示38と、各ブロックの頁データ46における業務データの指定排紙先である第1スタッカフラグ39と第2スタッカフラグ40と第3スタッカフラグ41と第4スタッカフラグ42よりなる指定編成が含まれている。
【0032】
さらに、各ブロックについて頁データ46が格納済みなら「1」であり未格納なら「0」である頁有効フラグ43と、各ブロックについて排紙先のスタッカ番号を示す排紙先スタッカ44と、各ブロックの頁が排紙済みなら「0」であり未排紙なら「1」である未排紙フラグ45と、頁データ46が含まれている。
すなわち、上記排紙先スタッカ44が、各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報に相当し、上記未排紙フラグ45が、各画像データ毎に、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報に相当する。
また、上記印刷制御部23と搬送部4が、印刷手段によって印刷された各用紙を、各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段の機能を果たす。
さらに、上記頁管理メモリ22と印刷制御部23が、各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報(排紙先スタッカ)と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報(未排紙フラグ)とを保持する保持手段の機能を果たす。
【0033】
また、上記印刷制御部23,印刷部3,頁管理メモリ22が、排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、そのジャムが修復されて、保持手段に保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙する再印刷手段の機能を果たす。
さらに、上記印刷制御部23,操作パネル10が、再印刷手段による排紙後、保持手段に保持された情報に基づいて未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する表示手段の機能を果たす。
また、上記印刷制御部23は、停止条件の拡張モードが指定されると、再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止し、表示手段による情報を表示させる手段の機能を果たす。
【0034】
さらに、上記印刷制御部23は、無停止モードが指定されると、再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止させることなく、引き続き次の画像データの印刷及び排紙の動作を継続しながら、表示手段による情報を表示させる手段の機能を果たす。
ここで、第1群編成34と第2群編成35のビット形式は、第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成のビット形式に等しく、第1群排紙スタッカ36と第2群排紙スタッカ37のスタッカ番号の形式は排紙先スタッカ44のスタッカ番号の形式に等しいものである。
図3に示すスタッカ群情報、及び、指定編成は、以後の説明のために便宜的に示したものである。
【0035】
印刷制御部23は、操作パネル10から印刷スタートの指示の入力を受け、図3の頁ポインタ33のアサインするブロックの頁有効フラグ43が「1」であると搬送部4を駆動して駆動済みの応答を待ち、搬送部4から駆動済みの応答を受けると、頁管理メモリ22より排紙先のスタッカを決めて上記ブロックの排紙先スタッカ44に登録し、搬送部4に排紙先スタッカ44を通知することにより給紙指示を行い、上記給紙指示に続いて印刷部3に頁データ46を送信し、排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の各スタッカより排紙済みの通知を受けると、頁ポインタ33のアサインする頁有効フラグ43を「0」にする。
また、印刷制御部23は、排紙部5にあるスタッカからフルの通知を受けてフルと認識し、もしくは、スタッカ群の群内切替指示によってスタッカ群内のスタッカを切り替えると切り替え前の旧排紙先であったスタッカをフルと認識し、フルと認識したスタッカにフル解除を通知し、上記スタッカよりフル解除の通知を受けるとフル解除を認識することにより、各スタッカがフルかどうか状態を管理、識別する。
【0036】
さらに、印刷制御部23は、搬送部4からジャム発生の通知を受けると、搬送部4に直ちに駆動停止を指示し、搬送部4の駆動停止を待って操作パネル10にジャム発生の表示を指示し、ジャム発生以外の停止要因を検出すると搬送部4に搬送中の頁の用紙又は印刷紙があれば全て排紙されるまで待って駆動停止を指示し、搬送部4の駆動停止を待って操作パネル10に駆動を停止させた要因の表示を指示する。
また、印刷制御部23は、操作パネル10より頁管理メモリ22の第1群編成34、及び、第2群編成35の設定更新の要求を受けると頁管理メモリ22を見て、全ブロックの頁有効フラグ43と未排紙フラグ45が「0」なら、操作パネル10に許可の応答をして要求された設定更新の内容を頁管理メモリ22に設定し、ブロックの頁有効フラグ43か未排紙フラグ45のどれかが「1」なら、操作パネル10に拒否の応答をする。
【0037】
さらに、印刷制御部23は、操作パネル10より停止条件の拡張モード、又は無停止モードを含むモード情報の通知を受けて、最後に通知されたモード情報を記憶し、操作パネル10よりモード情報の解除の通知を受けて記憶したモード情報を抹消する。
給紙部2は、搬送部4から駆動指示を受けると頁を印刷する用紙の供給を可能な状態にし、用紙の供給が可能な状態になると搬送部4に駆動応答を返し、搬送部4の用紙要求を受けて搬送部4に用紙を供給し、搬送部4から駆動停止を指示されると用紙供給が可能な状態を解除して駆動を停止する。
搬送部4は、印刷制御部23から駆動を指示されると搬送路の駆動を開始し、給紙部2と印刷部3と排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカに駆動を指示し、給紙部2と印刷部3と排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカより駆動済みの応答を受け取ると印刷制御部23に駆動済みを応答し、印刷制御部23から排紙先スタッカの通知を待つ。
【0038】
また、搬送部4は、印刷制御部23から上記排紙先スタッカが通知されると給紙間隔を揃えるために一定間隔で給紙部2に用紙要求を出して用紙を受け取り、用紙を印刷部3に向けて搬送する。
なお、上記一定間隔は、搬送部4が上記最大頁数Mの用紙を搬送可能にする間隔である。
さらに、搬送部4は用紙を搬送中に、定められた地点で印刷部3に印刷を指示し、印刷部3に頁データを印刷させる。
また、搬送部4は、搬送している印刷済みの複数頁の印刷紙の各々について各印刷紙毎に上記排紙先スタッカに向けて搬送する。
【0039】
さらに、搬送部4は、ジャムを検出すると印刷制御部23にジャム発生を通知し、印刷制御部23より駆動停止を指示されると、給紙部2と印刷部3と排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカに駆動停止を指示し、給紙部2と印刷部3と第1スタッカ6〜第4スタッカ9の全スタッカより駆動停止の応答を受けると、動作を終了して印刷制御部23に駆動停止を通知する。
また、搬送部4は、一定時間、印刷制御部23から排紙先スタッカの通知がなく、且つ、搬送中の印刷紙がないと、搬送路の搬送を休止させて印刷制御部23からの排紙先スタッカの通知を待ち、排紙先スタッカの通知があると休止を解除して搬送動作を再開する。
印刷部3は、搬送部4から駆動の指示を受けると、頁データの受信と印刷ができる状態にし、頁データの受信と印刷ができる状態になると搬送部4に駆動を応答し、印刷制御部23から受けた頁データを順次蓄積し、搬送部4より印刷指示を受けると蓄積してある最も古い頁データを印刷し、搬送部4から駆動停止の指示を受けると、頁データの受信と印刷ができる状態を解除して搬送部4に駆動停止を応答し、蓄積した頁データを抹消する。
【0040】
排紙部5にある第1スタッカ6〜第4スタッカ9の4基の各スタッカは、搬送部4から搬送された印刷紙を1枚収納する毎に、排紙済みを印刷制御部23に通知する。
また、各スタッカは、搬送部4が搬送可能な最大頁数Mと収納された印刷紙との総量が一定値を超えると印刷制御部23にフルを通知し、各スタッカは、フルの通知の有無に関わらず、印刷制御部23からフル解除の通知を受けると、M頁の印刷紙を搬送できる最大搬送時間を待って、もしくは、搬送部4から搬送されたM頁の印刷紙の収納を待って、オペレータが収納した印刷紙を取り出せる状態にし、収納した印刷紙が無くなると新たな印刷紙の収納を可能にして印刷制御部23にフル解除を通知する。
さらに、各スタッカは、搬送部4から駆動停止の指示を受けると、駆動を停止してオペレータが収納した印刷紙を取り出せるようにし、搬送部4に駆動停止を応答する。
【0041】
ここで、オペレータが収納した印刷紙を取り出せる状態とは、例えば、収納テーブルを上昇させて印刷紙を収納するスタッカにおいては収納テーブルをダウンさせることであり、例えば、スタッカボックスの扉の施錠開錠を自動で行うスタッカにおいては開錠することなどである。
操作パネル10は、オペレータのキー操作によって印刷スタートの指示入力を受けると、それを印刷制御部23に通知し、印刷制御部23から停止要因の表示が指示されると、停止要因を表示し、停止要因の表示解除が指示されると停止要因の表示を消す。
また、オペレータのキー操作によって、頁管理メモリ22にあるスタッカ群情報の第1群編成34、及び、第2群編成35の値の設定更新を印刷制御部23に要求し、印刷制御部23から許可の応答を受けると、上記設定更新値を印刷制御部23に通知し、拒否の応答を受けると更新無効を表示する。
【0042】
さらに、オペレータのキー操作によって、停止条件の拡張モード又は無停止モードを含むモード情報の通知指示と、モード解除の通知指示を受けると、それらを印刷制御部23に通知する。
図3の破線枠32で示す部分の左端列の「頁ポインタ」「第1群編成」「第2群編成」「第1群排紙スタッカ」「第2群排紙スタッカ」「第1スタッカフラグ」「第2スタッカフラグ」「第3スタッカフラグ」「第4スタッカフラグ」「頁有効フラグ」「排紙先スタッカ」「未排紙フラグ」「頁データ」の各項目名は、頁管理メモリ22の内容を説明するために便宜的に示している。
印刷制御部23はパワーオフに際して、この頁管理メモリ22の頁データ46以外の内容をメモリ12の不揮発性メモリ領域(例えばディスクなど)にストアしておき、パワーオン初期化で不揮発性メモリ領域より頁管理メモリ22の領域にロードする。
【0043】
図3は、4基のスタッカの場合の事例であり、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持つ場合、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成する。
図4及び図5は、それぞれ図1に示した第1スタッカ6〜第4スタッカ9に対する排紙の切り替え順序の一例を示す説明図である。
図4には、業務データの指示によって2つのスタッカ群を排紙先にして排紙先のスタッカ群を切り替え、且つ、各スタッカ群の排紙中のスタッカのフルによってスタッカ群内の排紙先を切り替えていくときの各状態を示している。
ここでは、第1スタッカ6と第2スタッカ7を1つのスタッカ群に、第3スタッカ8と第4スタッカ9をもう1つのスタッカ群にし、それぞれ2頁を各スタッカ群に交互に排紙し、各スタッカ群内の排紙中であるスタッカがフルになり、各スタッカ群内の排紙先のスタッカを切り替えて排紙を継続していく場合を説明する。
【0044】
状態41は、第1のスタッカ群の第1スタッカ6と第2のスタッカ群の第3スタッカ8を切り替え、第1スタッカ6と第3スタッカ8に印刷紙が蓄積されている状態である。
状態42は、状態41が進んで、第1スタッカ6と第3スタッカ8がフルに近づいた状態である。
状態43は、第1スタッカ6がフルになり第1のスタッカ群の第2スタッカ7に排紙先が切り替わり、1枚の印刷紙が遅れて、第3スタッカ8がやがてフルになり第2のスタッカ群の第4スタッカ9に排紙先が切り替わる状態である。
状態44は、状態43に続いて第1のスタッカ群で第1スタッカ6より第2スタッカ7に排紙先が切り替わって第2スタッカ7に印刷紙の蓄積が開始され、第2のスタッカ群では第3スタッカ8より第4スタッカ9に排紙先が切り替わり、今後、印刷紙の蓄積が開始されようとしている状態である。
【0045】
状態45は、状態44の後、引き続き第1のスタッカ群と第2のスタッカ群に2枚の印刷紙毎に排紙先を切り替え、第2スタッカ7と第4スタッカ9に印刷紙が蓄積されていて、既にオペレータによって第1スタッカ6と第3スタッカ8より印刷紙が取り出されて無くなっている状態である。
次に、図5には、単独のスタッカとスタッカ群が編成されていて、ある業務印刷は単独のスタッカを選び、また、他のある業務印刷はスタッカ群を選んで排紙先にすることによって、業務印刷単位に切り替わるスタッカと、各スタッカに排紙されて蓄積されていくときの各状態を示している。
ここでは、第1スタッカ6を単独のスタッカに、第2スタッカ7〜第4スタッカ9をスタッカ群に編成し、単独のスタッカ向けの業務印刷とスタッカ群向けの業務印刷が間断なく順次行なわれている場合を説明する。
【0046】
状態51は、単独のスタッカ向けの業務印刷が終了に近づき、スタッカ群向けの業務印刷を開始している状態である。
状態52は、状態51に続いて、第4スタッカ9に印刷紙の蓄積が進んでスタッカ群向けの業務印刷が終了しようとし、次の単独のスタッカ向けの業務印刷が開始されている状態である。
状態53は、状態52に続いて、単独のスタッカ向けの少量印刷が終了し、スタッカ群向けの次の業務印刷が開始されている状態である。
ここで、群内切替指示を受けて第2スタッカ7に排紙先を更新した結果、第1スタッカ6から第2スタッカ7に排紙先のスタッカが切り替わっている状態である。
状態54は、状態53に続いて、スタッカ群向けの業務印刷が終了してスタッカ群に排紙する次の業務印刷が開始されている状態であり、群内切替指示を受けて第3スタッカ8にスタッカ群内の排紙スタッカを更新したため、第2スタッカ7より第3スタッカ8にスタッカを切り替え中の状態である。
【0047】
状態55は、状態54に続いて、第3スタッカ8に印刷紙を蓄積中の状態であり、既にオペレータによって第4スタッカ9より業務印刷が終了した印刷紙が取り出されて無くなっている状態である。
図6乃至図9の各図は、この実施例の印刷装置1において、印刷スタートによって印刷制御部23が搬送部4を駆動した後の印刷制御の全体の流れと、その中の印刷処理の流れと、その中の排紙先スタッカの登録の流れと、その中の再印刷処理の流れとをそれぞれ示すフローチャート図である。
各フローチャート図の説明では、便宜上、頁ポインタ33を「p」、頁有効フラグ43を「V」、排紙先スタッカ44を「OS」、未排紙フラグ45を「F」、頁データ46を「PD」、指定編成を「G」、第1群編成34を「1G」、第2群編成35を「2G」、第1群排紙スタッカ36を「1OS」、第2群排紙スタッカ37を「2OS」とそれぞれ略称で示す。
【0048】
同じく、頁ポインタ33がアサインするブロックを「BLP」、BLPにおける頁有効フラグ値を「VP」、排紙先スタッカ値を「OSP」、未排紙フラグ値を「FP」、頁データ46の内容を「PDP」、指定編成を「GP」とそれぞれ略称で示す。
また同じく、1≦i≦Nである任意ブロックiの頁有効フラグ値を「Vi」、未排紙フラグ値を「Fi」、カレントスタッカ値を「CSi」、頁データ46の内容を「PDi」とそれぞれ略称で示す。
以下、図6〜図9の各フローチャート図に従って、この実施例の印刷装置1における印刷制御部23の印刷処理について説明する。
図6は、この実施例の印刷装置1の印刷制御部23が操作パネル10からの印刷スタートにより開始する印刷処理の全体の流れを示すフローチャート図である。
印刷制御部23は、操作パネル10から印刷スタートの指示入力を受けると、ステップ(図中「S」で示す)1で、搬送部4を駆動させてステップ2へ進む。
【0049】
ステップ2では、操作パネル10の表示内容を消してステップ3へ進む。
ステップ3では、ジャムにより未排紙に終わった用紙があったか否かを判断し、次のステップを決定する。この判断処理では、ΣFi=0(1≦i≦N)で未排紙の用紙又は印刷紙がないなら(「Y」の場合)、ステップ6へ進み、ΣFi(1≦i≦N)≠0で未排紙の用紙又は印刷紙があるなら(「N」の場合)、ステップ4へ進む。
ステップ4では、図9に示す「再印刷処理」を実行してリターンすると、ステップ5へ進む。
ステップ5では、再印刷処理の結果、搬送部4が駆動を停止しているか否かを判断し、搬送部4が駆動を停止していたら(「Y」の場合)、印刷処理を終了し、搬送部4が駆動を停止していないなら(「N」の場合)、ステップ6に進む。
ステップ6では、図7に示す「印刷処理」を実行して、この処理を終了する。
【0050】
図7は、この実施例の印刷装置1の印刷制御部23が実行する印刷処理を示すフローチャート図である。
印刷制御部23は、ステップ(図中「S」で示す)11で、頁データがあるか否かを判断し、次のステップを決定する。この判断で、頁ポインタ33がアサインするブロックであるBLPにおいて、頁有効フラグ43がVP=1で有効なら(「Y」の場合)、ステップ12へ進み、VP=0で無効なら(「N」の場合)、ステップ20へ進む。
ステップ12では、搬送路に用紙搬送の余地はあるか否かを判断し、次のステップを決定する。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi(1≦i≦N)<Mで未排紙フラグ45の総和が搬送最大頁数M未満なら次の頁の搬送の余地があるため(「Y」の場合)、ステップ13へ進み、ΣFi(1≦i≦N)=Mなら搬送の余地がないため(「N」の場合)、ステップ17へ進む。
【0051】
ステップ13では、図8に示す「排紙先スタッカ登録処理」を実行し、ステップ14に進む。
ステップ14では、停止要因があるか否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で、「スタッカフルによる排紙先スタッカ未登録」の停止要因があるなら(「Y」の場合)、ステップ17へ進み、停止要因がないなら(「N」の場合)、ステップ15に進む。
ステップ15では、スタッカを指定し給紙を指示して次のステップ16へ進む。この処理では、頁ポインタ33がアサインするブロックであるBLP内の排紙先スタッカ44と未排紙フラグ45について、排紙先スタッカ44のOSPを搬送部4に通知して給紙を指示し、未排紙フラグ45をFP=1にして、ステップ16へ進む。
【0052】
ステップ16では、印刷部3に頁データを送付して次のステップ17へ進む。この処理では、印刷部3に頁ポインタ33がアサインするブロックの頁データ46であるPDPを送付し、P≡P+1(mod N)にして頁ポインタ33を更新し、ステップ17へ進む。
ステップ17では、ジャム発生か否かを判断して、次のステップを決定する。この処理では、搬送部4からジャム発生通知があったか否かを判断し、ジャム発生通知があったら(「Y」の場合)、ステップ21へ進み、ジャム発生通知がなかったら(「N」の場合)、ステップ18へ進む。
ステップ18では、スタッカから排紙済み通知があったか否かを判断し、通知があったのなら(「Y」の場合)、ステップ19へ進み、通知が無かったのなら(「N」の場合)、ステップ22へ進む。
【0053】
ステップ19では、排紙した用紙の頁データを抹消して、ステップ18へ戻る。この処理では、排紙済みを通知してきたスタッカ番号に等しい排紙先スタッカ44がOSXである時、全ブロック内のOSX=OSi且つFi=1となる最も古いBLi(1≦i≦N)について、頁有効フラグ43と未排紙フラグ45の各々をVi=0、Fi=0とし、OSXからの排紙済み通知を解除して、ステップ18へ戻る。
ステップ18の判断で排紙済み通知があり、まだ排紙済み通知が残っていれば、ステップ19の処理を上述のようにして繰り返し、ステップ18の判断で排紙済み通知が無いなら、ステップ22へ進む。
ステップ20では、搬送中の用紙が有るか否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi(1≦i≦N)≠0で搬送中の用紙又は印刷紙が残っているなら(「Y」の場合)、ステップ17へ進み、ΣFi=0(1≦i≦N)で搬送中の用紙又は印刷紙が無いなら(「N」の場合)、ステップ11へ戻る。
【0054】
もし、用紙又は印刷紙を搬送中であるが、次の頁データ46が無いため、排紙済み通知を待つだけの状態なら、ジャムが発生しない限り、ステップ17→ステップ18→ステップ22→ステップ11→ステップ20→ステップ17→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知を1つ受け取ると、ステップ17→ステップ18→ステップ19→ステップ18→ステップ22→ステップ11→ステップ20の処理を実行し、未排紙の用紙又は印刷紙がなくなるとステップ11→ステップ20→ステップ11→・・・の処理を繰り返す。
ステップ21では、停止要因を「ジャム発生」にして、ステップ18へ進む。
ステップ22では、停止要因なしか否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で、「ジャム発生」又は「スタッカフルによる排紙先スタッカ未登録」の停止要因があるなら(「N」の場合)、ステップ23へ進み、停止要因がないなら(「Y」の場合)、ステップ11へ戻る。
【0055】
もし、搬送部4が動作中であり、次の頁データ46があり、次の用紙を搬送させる余地があり、排紙先にできるスタッカがあり、排紙済み通知がないなら、「ジャム発生」の停止要因が生じない限り、ステップ11→ステップ12→ステップ13→ステップ14→ステップ15→ステップ16→ステップ17→ステップ18→ステップ22→ステップ11→・・・の処理を繰り返す。
ステップ23では、停止要因が「ジャム発生」か否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で、停止要因がジャム発生なら(「Y」の場合)、ステップ25へ進み、停止要因が「ジャム発生」ではなく、「スタッカフルによる排紙先未登録」なら(「N」の場合)、ステップ24へ進む。
【0056】
ステップ24では、搬送中の用紙があるか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi≠0(1≦i≦N)で搬送中の用紙又は印刷紙が残っているなら(「Y」の場合)、ステップ17へ戻り、ΣFi=0(1≦i≦N)で搬送中の用紙又は印刷紙が残ってないなら(「N」の場合)、ステップ25へ進む。
もし、「スタッカフルによる排紙先未登録」の停止要因によって未排紙の用紙又は印刷紙が排紙されるのを待つ状態なら、「ジャム発生」の停止要因が生じない限り、ステップ17→ステップ18→ステップ22→ステップ23→ステップ24→ステップ17→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知を1つ受け取ると、ステップ17→ステップ18→ステップ19→ステップ18→ステップ22→ステップ23→ステップ24の処理を実行し、未排紙の用紙又は印刷紙がなくなるとステップ25へ進む。
【0057】
ステップ25では、搬送部4の駆動を停止させて、ステップ26へ進む。
ステップ26では、停止要因が「スタッカフルによる排紙先未登録」なら、操作パネル10に表示させ、処理を終了する。また、停止要因が「ジャム発生」の場合、全ブロックの未排紙フラグ45と排紙先スタッカ44において、F=1である最も古いBLkから最も新しいBLlに、Ff(k<f≦l)=0となるfが存在し、且つ、OSg≠OSh(k<g、h≦l)となるg、hが存在するなら、Fh(k≦h≦l)とOSh(k≦h≦l)を退避して内容を編集し、もし、停止条件の拡張モードの指定があるなら、Ff(k<f≦l)=0となるfの有無に関わり無く、OSg≠OSh(k<g、h≦l)となるg、hが存在すれば、Fh(k≦h≦l)とOSh(k≦h≦l)を退避して内容を編集し、もし、無停止のモードの指定があるなら、無条件にFi(k≦i≦l)とOSi(k≦i≦l)の退避して内容を編集し、編集した結果を操作パネル10に表示を指示して、この処理を終了し、リターンする。
【0058】
なお、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持つ場合、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成すれば、ステップ11〜ステップ26に従って処理することができる。
図8は、この実施例の印刷装置1の印刷制御部23が実行する排紙先スタッカ登録処理を示すフローチャート図である。
印刷制御部23は、ステップ(図中「S」で示す)31で、複数のスタッカを排紙先に指定しているか否かを判断して、次のステップを決定する。この判断で否の場合は、単独のスタッカを排紙先に指定している場合である。この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックBLPの第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成GPにおいて、複数のスタッカフラグが「1」なら(「Y」の場合)、ステップ32へ進み、スタッカフラグが1つだけ「1」なら(「N」の場合)、ステップ37へ進む。
【0059】
ステップ32では、指定されたスタッカ群内にある排紙先にするスタッカがフルか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックの第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成GPと、第1群編成34である1G及び第2群編成35である2Gを比較して、GP=1Gなら第1群排紙スタッカ36である1OSに登録してあるスタッカ番号を読み、GP=2Gなら第2群排紙スタッカ37である2OSに登録してあるスタッカ番号を読み、読んだスタッカ番号のスタッカがフルでないなら(「N」の場合)、ステップ34へ進み、フルであるなら(「Y」の場合)、ステップ33へ進む。
ステップ33では、指定されたスタッカ群の全スタッカがフルか否かを判断し、次のステップを決める。この判断で否の場合は、フルでないものがある場合である。
【0060】
この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックBLPの第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成GPにおいてスタッカフラグが「1」であるスタッカが全てフルなら(「Y」の場合)、ステップ38へ進み、フルでないものがある場合なら(「N」の場合)、ステップ34へ進む。
ステップ34では、群内切替指示があるか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックの群内切替指示38が「0」なら(「N」の場合)、ステップ36へ進み、「1」なら(「Y」の場合)、ステップ35へ進む。
ステップ35では、スタッカ群内の排紙先のスタッカを更新して、次のステップ36へ進む。
【0061】
この処理では、GP=1Gなら第1群排紙スタッカ36である1OSにフル解除を通知し、第1群編成34である1G内において1OSの次に順位に当たるスタッカ番号を1OSに登録更新して上記スタッカ番号を退避し、GP=2Gなら第2群排紙スタッカ37である2OSにフル解除を通知し、第2群編成35である2G内において2OSの次に順位に当たるスタッカ番号を2OSに更新登録して上記スタッカ番号を退避し、ステップ36へ進む。
ステップ37では、排紙先に指定された単独のスタッカはフルか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、頁ポインタ33のアサインするブロックBLPの第1スタッカフラグ39〜第4スタッカフラグ42の指定編成GP内において「1」であるスタッカがフルであるなら(「Y」の場合)、本スタッカに対してフル解除を通知してステップ38へ進み、フルでなければ(「N」の場合)、本スタッカのスタッカ番号を退避してステップ36へ進む。
【0062】
ステップ36では、排紙先スタッカに値を登録する。すなわち、退避しておいたスタッカ番号を排紙先スタッカ44にあるOSPに登録して、リターンする。
ステップ38では、停止要因を「スタッカフルによる排紙先スタッカ未登録」にして、リターンする。
なお、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持つ場合、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成すれば、ステップ31〜ステップ38に従って処理できることは明らかである。
【0063】
このようにして、排紙先スタッカにスタッカ番号を登録することにより、上位ホストから受信した業務データに基づいて1枚の用紙に印刷するビットマップの頁データを作成し、その頁データを用紙に印刷し、その印刷した用紙を1枚単位で複数のスタッカのいずれかに排紙する機能を持ち、搬送中の用紙の頁数を超える頁データを保持し、ある頁の先行頁とある頁を含む後続頁との間で排紙先のスタッカを切り替えると、搬送中の先行頁が全て排紙されるのを待たずに後続頁を給紙及び印刷して排紙先のスタッカを切り替えながら給紙及び印刷及び排紙の動作を継続し、ジャムが発生して当該ジャムを修復して印刷を再開すると未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、排紙先のスタッカの切り替え中のジャムによって先行頁の用紙が未排紙になり、後続頁の用紙に正常に排紙されたものがある場合、未排紙に終わった先行頁とその他未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙及び印刷及び排紙の動作を停止し、操作パネルに頁の排紙先の確認要求を表示することができる。
【0064】
また、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに複数のスタッカが排紙先に指定されていた場合、その複数のスタッカからなるスタッカ群内の1つのスタッカを選んで排紙先にして印刷後の用紙を排紙し、その排紙先のスタッカが用紙で満杯状態(スタッカフル)になると、スタッカ群内からスタッカフルでない他のスタッカに排紙先を切り替え、印刷後の用紙を排紙するようにすることができる。
さらに、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに複数のスタッカが排紙先に指定されており、その複数のスタッカからなるスタッカ群内の各スタッカに対する排紙先の切り替えが指示されていた場合、スタッカ群内の1つのスタッカを選んで排紙先にして印刷後の用紙を排紙し、業務データに排紙先の切り替え指示があると、スタッカ群内からスタッカフルでない他のスタッカに排紙先を切り替え、印刷後の用紙を排紙するようにすることができる。
【0065】
また、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに、排紙先として指定された複数のスタッカからなるスタッカ群が複数群指定されており、互いの郡内のスタッカが重複しないように指定されていた場合、指定されたスタッカ群に切り替えると、先のスタッカ群内の排紙先であったスタッカから、後のスタッカ群内の排紙先であるスタッカに排紙先を切り替え、印刷後の用紙を排紙するようにすることができる。
さらに、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに排紙先として単独のスタッカが指定されていた場合、その単独のスタッカのみを排紙先にして印刷後の用紙を排紙し、業務データに他の単独のスタッカが排紙先に指定されていると、その単独のスタッカに排紙先を切り替え、印刷後の用紙を排紙するようにすることができる。
【0066】
また、印刷制御部23は、頁管理メモリ22内の情報に基づいて、業務データに単独のスタッカが指定されていると、その指定された単独のスタッカのみを排紙先にして印刷後の用紙を排紙し、スタッカ群が指定されていると、その指定されたスタッカ群内の1つのスタッカを選んで排紙先にし、印刷後の用紙を排紙することにより、業務データからの指示に基づいて排紙先を単独のスタッカ、又はスタッカ群のあるスタッカに切り替えるようにすることもできる。
図9は、この実施例の印刷装置1の印刷制御部23が実行する再印刷処理を示すフローチャート図である。
【0067】
印刷制御部23は、ステップ(図中「S」で示す)41で、最も古い未排紙の用紙の排紙先であったスタッカがフルであるか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45と排紙先スタッカ44において、Fi=1であるBLi(1≦i≦N)のうち最も古いBLj内のOSjに登録してあるスタッカ番号のスタッカがフルなら(「Y」の場合)、ステップ50へ進み、フルでないなら(「N」の場合)、ステップ42へ進む。
ステップ42では、最も古い未排紙の頁データ46を既に印刷部3に送付済みか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、上記BLj内の頁データ46であるPDjを印刷部3に既に送付して排紙待ち中なら(「Y」の場合)、ステップ45へ進み、排紙済みなら(「N」の場合)、ステップ43へ進む。
【0068】
ステップ43では、最も古い未排紙の用紙の排紙先であった排紙先スタッカ44を搬送部4に通知して指定し、給紙を指示し、次のステップへ進む。この処理では、上記BLj内の排紙先スタッカ44であるOSjを搬送部4に通知して給紙を指示し、ステップ44へ進む。
ステップ44では、最も古い未排紙の用紙の排紙先であった頁データ46を印刷部3に送付して排紙待ち中にし、次のステップ45へ進む。この処理では、上記BLj内の頁データ46であるPDjを印刷部3に送付して排紙待ち中にし、ステップ45へ進む。
ステップ45では、搬送部4からジャム発生通知があったか否かを判断し、ジャム発生通知があったら(「Y」の場合)、ステップ51へ進み、ジャム発生通知がなかったら(「N」の場合)、ステップ46へ進む。
【0069】
ステップ46では、スタッカから排紙済み通知が有ったか否かを判断し、通知がなかったら(「N」の場合)、ステップ52へ進み、通知があったら(「Y」の場合)、ステップ47へ進む。
ステップ47では、排紙した用紙の頁データを抹消して次のステップ48に進む。この処理では、上記BLj内の排紙先スタッカ44と頁有効フラグ43と未排紙フラグ45において、スタッカ番号OSjのスタッカ番号からの排紙済みの通知を解除し、Vj=0、Fj=0にすることで頁データ46のPDjを無効にし、排紙待ち中を解除して、ステップ48へ進む。
【0070】
ステップ48では、未排紙の用紙を残しているか否かを判断し、次のステップを決める。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi≠0(1≦i≦N)で未排紙の用紙又は印刷紙を残しているなら(「N」の場合)、ステップ46へ戻り、ΣFi≠0(1≦i≦N)で未排紙の用紙又は印刷紙が無くなったなら(「Y」の場合)、ステップ49へ進む。
ステップ49では、無停止のモードが指示されていないなら、停止要因を「用紙の排紙先の確認要求」にして、ステップ46へ戻る。この処理で、無停止のモードが指示されているなら、図7のフローチャート図のステップ26で退避したFh(k≦h≦l)とOSh(k≦h≦l)の内容を抹消してリターンする。
この無停止モードが指示されてリターンした場合は、搬送停止をしていないため、図6のフローチャート図のステップ5→ステップ6の処理を行い、従って直ちに図7の「印刷処理」を実行する。
【0071】
このようにして、印刷制御部23は、ジャムが発生した場合、そのジャムを修復して印刷を再開すると、未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、無停止モードが指定されていると、排紙先を切り替え中のジャムによって未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙,印刷及び排紙の動作を行った後、次に来た頁データの給紙,印刷及び排紙の動作を継続するようにすることができる。
このように、無停止モードが指定された場合、再印刷した印刷紙の排紙の後、給紙と印刷と排紙を停止することなく継続することができる。
ステップ50では、停止要因を「スタッカフルによる排紙先スタッカ未登録」にして、ステップ45へ進む。
ステップ51では、停止要因を「ジャム発生」にして、ステップ46へ進む。
【0072】
ステップ52では、停止要因無しか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、停止要因があるなら(「N」の場合)、ステップ53へ進み、停止要因がないなら(「Y」の場合)、ステップ41へ戻る。
もし、未排紙の用紙又は印刷紙を残していて、排紙済み通知がないなら、停止要因が発生しない限り、ステップ41→ステップ42→ステップ45→ステップ46→ステップ52→ステップ41→・・・の処理を繰り返す。もし、未排紙の頁を残していて、排紙済み通知があり、停止要因が発生しなければ、ステップ41→ステップ42→ステップ45→ステップ46→ステップ47→ステップ48→ステップ46→ステップ52→ステップ41→ステップ42→ステップ43→ステップ44→・・・の処理を行う。
ステップ53では、停止要因がジャム発生か否かを判断して、次のステップを決める。停止要因が「ジャム発生」なら(「Y」の場合)、排紙待ちを解除してステップ55へ進み、停止要因が「ジャム発生」でなければ(「N」の場合)、ステップ54へ進む。
【0073】
ステップ54では、搬送中の用紙があるか否かを判断して、次のステップを決める。この判断で、全ブロックの未排紙フラグ45において、ΣFi(1≦i≦N)≠0で排紙待ちなら(「Y」の場合)、ステップ45へ戻り、ΣFi(1≦i≦N)=0で排紙待ちでないなら(「N」の場合)、ステップ55へ進む。
停止要因が「スタッカフルによる排紙先(のスタッカ)未登録」で、既に搬送中の用紙又は印刷紙が排紙されるのを待つ状態では、「ジャム発生」の停止要因が発生しない限り、ステップ45→ステップ46→ステップ52→ステップ53→ステップ54→ステップ45→・・・の処理を繰り返し、排紙済み通知を受け取ると、ステップ45→ステップ46→ステップ47→ステップ48→ステップ46→ステップ52→ステップ53→ステップ54の処理を実行し、ステップ55へ進む。
停止要因が「用紙の排紙先の確認要求」の場合は、既に搬送中の用紙又は印刷紙はないため、直ちにステップ55へ進む。
【0074】
ステップ55では、搬送部4の駆動を停止させて、ステップ56へ進む。
ステップ56では、停止要因を操作パネル10に表示させ、この処理を終了する。
停止要因が「ジャム発生」の場合、頁管理メモリ22で、未排紙フラグ45が「1」である最も古いブロックより最も新しいブロックに至る内容と、対応する排紙先スタッカ44の内容を編集して操作パネル10に表示する。
その後、フルが解除されて印刷スタートを受ければ、フルにより未排紙のまま残った頁以降を印刷し、排紙先のスタッカに印刷紙を排紙して、操作パネルに印刷紙の排紙先の確認要求を表示する。
また、停止要因が「用紙の排紙先の確認要求」の場合、図7のフローチャート図のステップ26で退避しておいたFh(k≦h≦l)とOSh(k≦h≦l)の内容を編集して操作パネル10に表示させ、退避内容を抹消して処理を終了する。
【0075】
もし、停止条件の拡張モードが指定されていれば、ステップ26において未排紙に終わった印刷紙と印刷紙の間に正常に排紙された印刷紙が存在しなくても、操作パネルに印刷紙の排紙先の確認要求を表示する。
このようにして、印刷制御部23は、ジャムが発生した場合、そのジャムを修復して印刷を再開すると、未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、停止条件の拡張モードが指定されていると、排紙先を切り替え中のジャムによって未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙,印刷及び排紙の動作を停止し、操作パネル10に頁の排紙先を確認させる情報を表示するようにすることができる。
このように、停止条件の拡張モードが指定された場合、スタッカ切り替え中にジャムが発生すると、未排紙の用紙又は印刷紙のみ指定された排紙先のスタッカに排紙して、操作パネル10によってオペレータに用紙又は印刷紙の排紙先を確認させることが可能になる。
【0076】
また、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持ち、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成している場合も、ステップ41〜ステップ56に従って処理できることは明らかである。
図10及び図11は、排紙先を切り替え中にジャムが発生して搬送動作を停止した時の頁管理メモリ22の状態例を示す説明図であり、図7のフローチャート図のステップ56における状態例である。
図10は、第1スタッカ6と第2スタッカ7を第1群編成34にし、第3スタッカ8と第4スタッカ9を第2群編成35にし、第1群のスタッカ群と第2群のスタッカ群を交互に切り替えながら3頁ずつ印刷を繰り返している時に、ジャムによりブロック51とブロック52、ブロック54〜ブロック57が未排紙に終わった事例である。
【0077】
ブロック58の頁有効フラグ43は「1」で、未排紙フラグ45は「0」であり、従って、頁ポインタ33は本ブロック58がアサインされているものである。
本事例では、第2群編成35の中で、ブロック50よりブロック51にかけて第3スタッカ8がフルになり第4スタッカ9に排紙先スタッカ44を切り替えているものであり、従って、第2群排紙スタッカ37の内容は第4スタッカ9の番号に更新されているものである。
同様に、第1群編成34の中で、ブロック54よりブロック55にかけて第1スタッカ6がフルになり第2スタッカ7に排紙先スタッカ44を切り替えているものであり、従って、第1群排紙スタッカ36の内容は第2スタッカ7の番号に更新されているものである。
【0078】
本事例のジャムは、第2群編成35の中の第3スタッカ8から第4スタッカ9へ排紙先を切り替え、更に第2群編成35より第1群編成34への切り替えによって第4スタッカ9から第2スタッカ7へ排紙先を切り替え、更に第1群編成34の中の第1スタッカ6から第2スタッカ7へ排紙先を切り替えている時に発生している。
第4スタッカ9を排紙先にするブロック51とブロック52の2頁の印刷紙が未排紙になり、第1スタッカ6を排紙先にするブロック53とブロック54の2頁の印刷紙のうち、先の1頁の印刷紙が正常に排紙を終え、ブロック54の1頁の印刷紙が未排紙になり、更に第2スタッカ7を排紙先にするブロック55の1頁の印刷紙が未排紙になり、第4スタッカ9を排紙先にするブロック56とブロック57が未排紙である。
図7のフローチャート図に従えば、本ジャムはブロック57の頁データ46をステップ16で印刷部3に送付の後、ブロック58の排紙先スタッカ44の登録をステップ13で行う前に発生したものである。
【0079】
本事例のジャムによって搬送部4に停滞した用紙を除去し、操作パネル10を操作して印刷スタートをすれば、図9のフローチャート図に示した、ブロック51→ブロック52→ブロック54→ブロック55→ブロック56→ブロック57の順に各頁データ46を1頁ずつ再印刷し、その印刷紙を排紙する。
即ち、各ブロックについて、ステップ43により排紙先スタッカ44に向けて給紙を指示し、ステップ44により頁データ46の再印刷を行い、ステップ47により排紙終了による頁有効フラグ43と未排紙フラグ45を「0」にし、以上をステップ42とステップ44とステップ47により1頁ずつ印刷処理する。
従って、再印刷処理を全て終了したとき、全ての頁有効フラグ43と未排紙フラグ45が「0」であることは明らかである。
【0080】
また、ブロック54の頁データ46の再印刷に際し、第1スタッカ6に蓄積した印刷紙がオペレータによって取り出されていなくて、ジャムが発生したときのままの状態なら、図9のフローチャート図に従うと、ステップ41で第1スタッカ6がフルであることを検出する。
この場合、ステップ54で印刷して搬送中であるブロック52の頁の印刷紙の排紙が終わると、ステップ56で操作パネル10に第1スタッカ6がフルであることを表示して処理を終了する。
この時、ブロック51とブロック52の頁有効フラグ43と未排紙フラグ45は「0」である。従って、オペレータが第1スタッカ6より印刷紙を取り出して、再度、印刷スタートすれば、ブロック54より再印刷処理を行う。
【0081】
また、再印刷処理の途中でジャムを検出すると、ブロック51、ブロック52、ブロック54、ブロック55、ブロック56、ブロック57のうち既に正常に印刷及び排紙を済ませたブロックの頁有効フラグ43と未排紙フラグ45は「0」であり、ジャムが修復されて印刷スタートを受ければ、残る未排紙のブロックについて再印刷処理を行うだけである。
なお、図9のフローチャート図の処理によれば、ステップ47においてブロック51→ブロック52→ブロック54→ブロック55→ブロック56→ブロック57の順に「1」であった各ブロックの頁有効フラグ43と未排紙フラグ45が順次「0」になり、ステップ49において全ての頁有効フラグ43と未排紙フラグ45が「0」になる。即ち、未排紙であった頁だけを全て印刷して、指定のスタッカに印刷紙の排紙を終える。
【0082】
図11は、第1スタッカ6を単独のスタッカとし、第2スタッカ7と第3スタッカ8と第4スタッカ9をスタッカ群にし、単独のスタッカとスタッカ群とを例えば業務単位毎に切り替え、更にスタッカ群内において例えば業務単位毎に排紙先を切り替えて、業務印刷を行っている時に、ジャムによりブロック55とブロック59〜ブロック61が未排紙に終わった事例である。
ブロック62の頁有効フラグ43は「1」で、未排紙フラグ45は「0」であり、頁ポインタ33は本ブロック62がアサインされているものである。
本事例では、第2スタッカ7〜第4スタッカ9のスタッカブラグを登録した第1群編成34のスタッカ群より単独のスタッカに排紙先を切り替え、更に単独のスタッカより第1群編成34のスタッカ群に排紙先を切り替え、更に群内切替指示38により第1群編成34内で排紙先を切り替えている時にジャムが発生している。
【0083】
ブロック55まで第1群編成34の排紙先スタッカ44は第4スタッカ9が続き、従ってこの時に第1群排紙スタッカ36は第4スタッカ9の番号である。
ブロック56で排紙先をスタッカ群より単独のスタッカに切り替えてブロック56とブロック57の2頁を印刷して第1スタッカ6に向けて印刷紙を搬送し、ブロック58で排紙先を単独のスタッカよりスタッカ群に切り替え、この時、群内切替指示38が「0」なら第1群排紙スタッカ36である第4スタッカ9を排紙先にするところを、群内切替指示38が「1」であるため、図8のフローチャート図のステップ34の判断によって、排紙先を第1群編成34内の第4スタッカ9の次の順位に当たる第2スタッカ7に切り替える。
更に、ブロック58〜ブロック60の頁データ46を印刷して第2スタッカ7に向けて印刷紙を搬送し、更に群内切替指示38が「1」であるため、排紙先を第1群編成34内の第2スタッカ7の次の順位に当たる第3スタッカ8に切り替え、ブロック61を印刷して第3スタッカ8に向けて印刷紙を搬送して、ジャムが発生している。
【0084】
この間、図8のフローチャート図の処理によれば、ステップ35により第1群排紙スタッカ36は第4スタッカ9より第2スタッカ7に、更に第2スタッカ7より第3スタッカ8の番号に更新しているものである。
本事例では、第4スタッカ9を排紙先にする1頁(ブロック55)の印刷紙が未排紙になり、第1スタッカ6を排紙先にする2頁(ブロック56とブロック57)の印刷紙が正常に排紙され、第2スタッカ7を排紙先にする3頁(ブロック58〜ブロック60)の印刷紙のうち、先頭1頁(ブロック58)の印刷紙が正常に排紙され、残る2頁(ブロック59とブロック60)の印刷紙が未排紙になり、更に第3スタッカ8を排紙先にする1頁(ブロック61)の印刷紙が未排紙である。
図7のフローチャート図の処理に従えば、ステップ26で、ブロック51〜ブロック57の排紙先スタッカ44と未排紙フラグ45の内容を編集して操作パネル10に表示する。
【0085】
本事例について、ジャムが修復されて操作パネル10の操作により印刷スタートを受ければ、図9のフローチャート図の処理に従って、ブロック55→ブロック59→ブロック60→ブロック61の順に各ブロックを1頁ずつ再印刷して印刷紙を排紙し、未排紙であった頁だけを全て印刷して、指定のスタッカに印刷紙の排紙を終える。
図10と図11は、ジャム発生の様態の事例であるが、図9のフローチャート図の処理に従えば、どのようなジャムの様態でも、未排紙の頁を正常に再印刷して指定のスタッカに印刷紙を排紙できることは明らかである。
また、再印刷においてフルを検出し、もしくはジャムを検出しても、再印刷処理により未排紙の頁を正常に再印刷して指定のスタッカに印刷紙を排紙できることは明らかである。
【0086】
図12は、ジャムが発生した時、又は再印刷の時に、操作パネル10に表示するための編集用の情報の一例を示す図であり、頁管理メモリ22の排紙先スタッカ44と未排紙フラグ45の一部である。
図12のブロック55からブロック61の退避範囲70は、図7のフローチャート図のステップ26において印刷制御部23が退避する排紙先スタッカ44及び未排紙フラグ45の内容であり、ブロック55〜ブロック61の間に未排紙フラグ45が「1」であるブロック56とブロック57が存在し、且つ、排紙先は一定でなく排紙先スタッカ44に第1スタッカ6と第2スタッカ7と第3スタッカ8と第4スタッカ9の番号が混在する。
そして、印刷制御部23は、上記退避範囲70を編集して操作パネル10に表示する。この場合の表示事例を図13に示す。
【0087】
図13の(a)は、ジャムが発生して、図7のフローチャート図のステップ26において印刷制御部23が操作パネル10に指示する表示形式事例である。
同じく、図13の(b)は、図12の情報に基づいて、表示形式事例の上に具体値を表示して得られる表示実施事例である。
なお、操作パネル10の表示用である頁管理メモリ22のブロックの数は搬送可能な最大頁数Mを超えないものを示している。
表示形式事例中の「□」マークの配列は具体値を記述する領域であり、以後、同様に表記する。
図13に示した表示形式は、表示実施事例に示すように、退避範囲70にある排紙先スタッカ44の遷移を表示する行と、スタッカ毎に未排紙に終わった頁の用紙又は印刷紙の数を表示する行がある。
【0088】
排紙先スタッカ44の遷移は、搬送部4が搬送可能な最大M頁分の切り替え順序を表示できる文字数分の「□」マーク領域と先頭の「・」を表示する「□」マーク分を確保すればよい。
同じく、各スタッカに対して未排紙に終わった頁の用紙又は印刷紙の数の表示は4スタッカ分の「□」マーク領域の表示行を確保すればよい。
なお、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持ち、X=Y/2(小数点以下切捨て)に対し、スタッカ群情報を第1群編成〜第X群編成と第1群排紙スタッカ〜第X群排紙スタッカで編成し、指定編成を第1スタッカフラグ〜第Xスタッカフラグで編成している場合、Xの値に応じた行数を確保すればよい。
また、表示の具体値は、上記退避範囲70より求められる。
【0089】
次に、再印刷処理を終了した時、上記退避範囲70内の情報に基づいて操作パネル10に表示する事例を図14に示す。
図14の(a)は、再印刷を終了する時に図9のフローチャート図のステップ56において、印刷制御部23が操作パネル10に指示する表示形式事例である。
図14の(b)は、図12の事例に基づいて、表示形式事例の上に具体値を表示して得られる表示実施事例である。
表示形式事例中の「□」マークの配列は、表示実施事例に示すように、再印刷して排紙した頁の印刷紙毎に、順次、排紙先スタッカ44を表示する行と、上記退避範囲70にある排紙先スタッカ44の遷移を表示する行がある。
この2つの行とも、搬送部4が搬送可能な最大M頁の文字数分に対応する「□」マーク領域と「・」を表示する「□」マークを確保すればよい。
また、表示の具体値は、上記退避範囲70の情報により容易に求められる。
【0090】
本表示により、オペレータは、再印刷により、各排紙先スタッカに排紙された頁の印刷紙数と排紙先の変更順序を直ちに知ることができる。
更に、業務印刷における排紙先の順序を直ちに知ることが出来る。
再印刷する全頁の印刷紙数は高々M頁で示される数であり、再印刷した頁の印刷紙は所定のスタッカの最上面にある。
オペレータは、各スタッカに再印刷して出力された最上面にある頁の印刷紙と、業務印刷における次の排紙先であるスタッカの最下面にある頁の印刷紙との順序の整合性を見れば、頁順序の入れ替わり、頁の重複は直ぐに分かり、是正も容易である。
このようにして、オペレータに、大量印刷物の中で頁の順序の不正や不要頁混入をチェックして是正する作業と、大量印刷物の中で再印刷頁の印刷紙の挿入作業と、大量印刷物の中で頁の順序を是正する作業の負担を大幅に軽減することができる。
【0091】
また、各スタッカに再印刷して出力された最上面にある頁の印刷紙と、業務印刷における次の排紙先であるスタッカの最下面にある頁の印刷紙との順序の整合性を見れば、不正頁の印刷紙の存在も容易に検出できるので、不正頁の存在を容易に摘出できるようにすることができ、オペレータの検査作業の負担も大幅に軽減することができる。
次に、再印刷処理中にジャムが発生した時に、頁管理テーブル22の情報に基づいて操作パネル10に表示する事例を図15に示す。
図15の(a)は、再印刷中のジャムにより、図9のフローチャート図のステップ56において、印刷制御部23が操作パネル10に指示する表示形式事例である。図15の(b)は、図12の事例に基づいて、表示形式事例の上に、具体値を表示して得られる表示実施事例である。
【0092】
表示実施事例に示すようにスタッカ毎に未排紙に終わった頁の印刷紙の数を表示する行があり、各スタッカに対して未排紙に終わった頁の印刷紙の数の表示は4スタッカ分の表示行の「□」マーク領域を確保すればよい。
なお、印刷装置1が4基を超えるY基のスタッカを持つ場合、X=Y/2(小数点以下切捨て)に応じた行数を確保すればよいことは、既に説明した通りである。また、表示の具体値は、頁管理テーブル22の情報より求めることができる。
なお、図13乃至図15に示した表示実施事例は1つの事例であり、ジャムの発生の様態に応じて「□」マーク領域を埋める内容を変えれば、どのような様態にも対応することができる。
【0093】
この実施例の印刷装置は、業務と業務の間において排紙先のスタッカの切り替え中、及び、業務内において排紙先のスタッカの切り替え中に、ジャムが発生して各スタッカに再印刷した頁の印刷紙を排紙先に指示されたスタッカに排紙して、排紙順序、排紙先と排紙した頁の印刷紙数を表示することにより、ある業務印刷結果と次の業務印刷結果の間で頁が入れ替わった場合、及び、業務印刷結果の中で頁が重複出力されて不要頁が混入した場合、オペレータは容易に本状態を検出することができ、各排紙先の印刷紙の状態を是正することができる。
また、この実施例の印刷装置は、オペレータがついていて、スタッカより業務印刷結果を取り出して印刷業務を停止することなく進める高速大量印刷向けのカット紙印刷装置だけの適用に限らない。
【0094】
例えば、多数の利用者が、銘々の印刷結果を、排紙先のスタッカもしくはビンより取り出すオフィス向けのカット紙印刷装置にも適用することができ、ジャムを発見した当事者は容易にスタッカ内の印刷結果をチェックすることができ、当事者の求める正しい印刷結果を容易に得ることができ、当事者だけでなく他者の印刷結果を含めて各排紙先の頁の状態を容易に是正することできる。
さらに、この実施例の印刷装置は、業務印刷内や業務印刷単位に排紙先のスタッカを切り替え、複数の業務印刷に跨って発生したジャムに対し、業務印刷内や業務印刷と業務印刷を跨る頁と頁の順序のチェックを容易にすることができる。
【0095】
この実施例の印刷装置は、複数のスタッカを持ち、業務データの指示、及び、排紙中のスタッカのフルにより、排紙先のスタッカを切り替え、搬送中の先行頁の排紙を待たずに後続頁を給紙及び印刷し、スタッカを切り替え中にジャムが発生して、当該ジャムを修復して印刷を再開すると、未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、排紙先を切り替え中のジャムにより上記先行頁の用紙が未排紙になり上記後続頁の用紙に正常に排紙されたものがある時、未排紙に終わった上記先行頁とその他未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙及び印刷及び排紙の動作を停止し、操作パネルに頁の印刷紙の排紙先の確認要求を表示するため、オペレータはスタッカとスタッカに跨る印刷紙の頁順序の不正および不要頁の混入を容易にチェックできる。
【0096】
また、全てのスタッカ編成と全てのスタッカ切り替えの要因に対応するため、スタッカの切り替えに伴うジャムにより上記先行頁の用紙が未排紙になり上記後続頁の用紙に正常に排紙されたものがある場合に、上記先行頁とその他未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙及び印刷及び排紙の動作を停止し、操作パネルに頁の排紙先の確認要求を表示でき、スタッカとスタッカに跨る印刷紙の頁順序の不正や不要頁の混入を、オペレータが容易にチェックできる。
さらに、操作パネルより予め停止条件の拡張モードを指定しておくと、上記先行頁の他、上記後続頁の全てが未排紙に終わった場合も、未排紙の頁を全て印刷して操作パネルに頁の排紙先の確認要求を表示でき、スタッカとスタッカに跨る不要頁の混入を、オペレータが容易にチェックできる。
【0097】
また、操作パネルより予め無停止モードを指定しておくと、スタッカを切り替え中のジャムを修復して印刷を再開すると、未排紙に終わった用紙の頁を再印刷し、ジャムにより上記先行頁の用紙が未排紙になり上記後続頁の用紙に正常に排紙されたものがある場合に、上記先行頁とその他未排紙に終わった頁を再印刷して排紙先であったスタッカに排紙して給紙及び印刷及び排紙の動作を停止せず、引き続き、次の頁データより給紙及び印刷及び排紙の動作を継続できる。例えば、同一頁のみ高速に大量印刷する場合のように、ジャムによる再印刷結果を斟酌しない運用のときに有効である。
上述の実施例では、本発明を印刷装置(プリンタ)に適用した場合を説明したが、複数のスタッカを備え、その各スタッカを切り替えて印刷紙を排紙する機能を備えたファクシミリ装置,複写機,及び複合機でも上述と同様にして実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
この発明による画像処理装置と画像処理装置の表示方法とプログラムは、ファクシミリ装置,印刷装置,複写機,複合機を含む画像処理装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1:印刷装置 2:給紙部 3:印刷部 4:搬送部 5:排紙部 6:第1スタッカ 7:第2スタッカ 8:第3スタッカ 9:第4スタッカ 10:操作パネル 11:制御部 12:メモリ 20:入力データメモリ 21;入力処理部 22:頁管理メモリ 23:印刷制御部 33:頁ポインタ 34:第1群編成 35:第2群編成 36:第1群排紙スタッカ 37:第2群排紙スタッカ 38:群内切替指示 39:第1スタッカフラグ 40:第2スタッカフラグ 41:第3スタッカフラグ 42:第4スタッカフラグ 43:頁有効フラグ 44:排紙先スタッカ 45:未排紙フラグ 46:頁データ 47〜64:ブロック 70:退避範囲
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開平08−216484号公報
【特許文献2】特開平09−255207号公報
【特許文献3】特開2007−168103号公報
【特許文献4】特開2001−88406号公報
【特許文献5】特開2002−137458号公報
【特許文献6】特開2005−335861号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、該印刷手段によって印刷された各用紙を、前記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置であって、
前記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する保持手段と、
排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、該ジャムが修復されて、前記保持手段に保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙する再印刷手段と、
前記再印刷手段による排紙後、前記保持手段に保持された情報に基づいて前記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する表示手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止し、前記表示手段による情報を表示させる手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止させることなく、引き続き次の画像データの印刷及び排紙の動作を継続しながら、前記表示手段による情報を表示させる手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、該印刷手段によって印刷された各用紙を、前記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置の表示方法であって、
前記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する工程と、
排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、該ジャムが修復されて、前記保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙後、前記保持された情報に基づいて前記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する工程とからなることを特徴とする画像処理装置の表示方法。
【請求項5】
複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、該印刷手段によって印刷された各用紙を、前記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置の動作を制御するコンピュータを、
前記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する保持手段と、
排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、該ジャムが修復されて、前記保持手段によって保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷させて排紙先に指定された排紙部に排紙させる再印刷手段と、
前記再印刷手段による排紙後、前記保持手段によって保持された情報に基づいて前記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示させる表示手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、該印刷手段によって印刷された各用紙を、前記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置であって、
前記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する保持手段と、
排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、該ジャムが修復されて、前記保持手段に保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙する再印刷手段と、
前記再印刷手段による排紙後、前記保持手段に保持された情報に基づいて前記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する表示手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止し、前記表示手段による情報を表示させる手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記再印刷手段による再印刷と排紙の後に印刷及び排紙の動作を停止させることなく、引き続き次の画像データの印刷及び排紙の動作を継続しながら、前記表示手段による情報を表示させる手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、該印刷手段によって印刷された各用紙を、前記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置の表示方法であって、
前記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する工程と、
排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、該ジャムが修復されて、前記保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷して排紙先に指定された排紙部に排紙後、前記保持された情報に基づいて前記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示する工程とからなることを特徴とする画像処理装置の表示方法。
【請求項5】
複数の排紙部と、複数の画像データに基づいて用紙に印刷する印刷手段と、該印刷手段によって印刷された各用紙を、前記各排紙部の中から排紙先に指定した排紙部にそれぞれ排紙する排紙手段とを備えた画像処理装置の動作を制御するコンピュータを、
前記各画像データ毎に、排紙先に指定した排紙部を示す情報と、排紙先に指定された排紙部に印刷後の用紙が排紙されたか否かを示す情報とを保持する保持手段と、
排紙先の排紙部の切り替え中にジャムが発生し、該ジャムが修復されて、前記保持手段によって保持された情報に基づいてジャム発生時に未排紙に終わった画像データについて再印刷させて排紙先に指定された排紙部に排紙させる再印刷手段と、
前記再印刷手段による排紙後、前記保持手段によって保持された情報に基づいて前記未排紙に終わった画像データについて再印刷された各用紙の排紙先の排紙部を示す情報を表示させる表示手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−194643(P2011−194643A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62142(P2010−62142)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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