説明

画像処理装置及び画像処理方法並びに電子機器

【課題】回路規模に影響を与えず、コスト増にならずに、より自然な水平方向拡大処理を行うことが可能な画像処理装置、電子機器、及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、第1アスペクト比を有する第1画像データを記憶する記憶部と、第2アスペクト比を有する表示画面において第1画像データを表示すべき表示画面を複数の領域に分け、各領域に基づいて、第1画像データを可変倍率に拡大する拡大率としての第1拡大率及び第1画像データを固定倍率に拡大する拡大率としての第2拡大率から選択された、第1画像データの隣接する画素の補間画素を求めるための補間処理方法を示す拡大座標を出力するシフトコントロール部と、シフトコントロール部からの各補間画素を求めるための補間処理方法を示す拡大座標に基づいて、記憶部に記憶された第1画像データを読み出し、拡大して第2画像データを出力する画像処理部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法並びに電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯機器の進化が著しく、インターネット等のコンピューターネットワークへの接続が可能となり、携帯機器に搭載される表示パネルには、種々のコンテンツが表示される。一方、表示パネルの画面サイズの拡大化や高精細化により、携帯機器の表示パネルとして例えばVGA(Video Graphics Array)サイズが採用されるようになっている。そのため、上述のような種々のコンテンツを表示パネルに表示させるため、近年の携帯機器には、画像のスケーラー機能を実現することが求められる。このスケーラー機能では、スケール処理後の画像の画質の低下をできるだけ抑え、かつ見やすい画像を生成する必要がある。
【0003】
関連する技術として、画像拡大処理回路の技術が開示されている(例えば、特許文献1)。この技術の画像拡大処理回路は、表示画面を水平方向に拡大して表示するために、標本化されて入力された画像データを水平方向に伸張処理する。そして、画像メモリーと、係数記憶部と、ノンリニア拡大率制御部と、フィルターとを具備することを特徴とする。ここで、画像メモリーは、入力画像データを記憶する。係数記憶部は、複数の拡大率に対応したフィルター係数を予め記憶している。ノンリニア拡大率制御部は、表示画面をn等分(nは2以上の整数)するために設定された領域幅wとn個の各領域に設定された拡大率に基づいて、画像メモリーから対応した画像データを読み出すためのイネーブル信号を出力する。それとともに、係数記憶部から対応したフィルター係数を読み出すための係数選択アドレスを出力する。フィルターは、係数記憶部から読み出されたフィルター係数に基づいて画像メモリーから読み出された画像データをフィルタリングし、水平方向に非線型に拡大処理された画像データを出力する。
【0004】
図14及び図15を用いて、上記画像拡大処理回路の技術をさらに説明する。
図14は、アスペクト比16:9の表示画面を設定領域に分割した場合を示す図である。表示画面は、水平方向に設定された領域幅wでn分割(図では16分割)される。それぞれの領域には、拡大率パラメーター(図ではm0〜m7)が設定される。そして、水平方向のリサンプリングは、それぞれの領域に対応した拡大率パラメーターを使用して行われる。パラメーターは8つ(m0〜m7)準備しておき、領域選択信号はリサンプリングポイントをカウントして、各領域の境界を比較器により一致検出することで切り換える。このとき、領域0〜7まではアップカウント、領域8〜15ではダウンカウントを行うことが提案されている。
【0005】
図15は、設定領域と拡大率との関係の一例を示す図である。縦軸は、拡大率を示す拡大率パラメーターの逆数、横軸は、画面の水平方向の位置である。この手法による拡大率パラメーターの変化は、図に示すように領域毎に異なる値を取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−148128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、拡大率パラメーターを滑らかに変化させるために画面分割数nを大きくすることで対応しようとすると、拡大率パラメーター数とその選択のためのマルチプレクサーの回路規模が増大する。
【0008】
したがって、本発明の目的は、回路規模に影響を与えず、コスト増にならずに、より自然な拡大処理を行うことが可能な画像処理装置及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0010】
[適用例1]所定のアスペクト比としての第1アスペクト比を有する表示装置用の画像データとしての第1画像データを記憶する記憶部と、前記第1アスペクト比と異なるアスペクト比としての第2アスペクト比を有する表示画面において前記第1画像データを表示すべき前記表示画面を複数の領域に分け、該各領域に基づいて、前記第1画像データを可変倍率に拡大する拡大率としての第1拡大率及び前記第1画像データを固定倍率に拡大する拡大率としての第2拡大率から選択された、前記第1画像データの隣接する画素の補間画素を求めるための補間処理方法を示す拡大座標を出力するシフトコントロール部と、前記シフトコントロール部からの各補間画素を求めるための補間処理方法を示す前記拡大座標に基づいて、前記記憶部に記憶された前記第1画像データを読み出し、拡大して第2画像データを出力する画像処理部と、を含むことを特徴とする画像処理装置。
【0011】
これによれば、従来、拡大率パラメーターを記憶するために必要とするメモリー容量を少なくすることができ、回路規模に影響を与えず、コスト増にならずに、より自然な拡大処理を行うことができる画像処理装置が提供できる。
【0012】
[適用例2]上記画像処理装置であって、前記シフトコントロール部は、前記第1画像データの画素間距離を被除数、前記第2画像データの画素間距離を除数として算出した拡大率パラメーターに該拡大率パラメーターの倍率を変化させる倍率変化率を累積加算する第1アキュームレーターと、前記画像処理部から出力される出力画像データイネーブル信号を元に出力画像数を計数するカウンターと、前記倍率変化率の符号を反転する第1反転器と、前記カウンターの計数値に基づいて前記倍率変化率と前記第1反転器の出力とを選択して出力する第1セレクターと、前記第1アキュームレーターの出力と前記第1セレクターの出力とを加算する第1加算器と、前記カウンターの計数値に基づいて前記拡大率パラメーターと前記倍率変化率と前記第1加算器の和データとを選択して出力する第2セレクターと、前記カウンターの計数値に基づいて前記拡大率パラメーターと前記第1アキュームレーターの演算値とを選択して出力する第3セレクターと、前記拡大率パラメーターを累積加算する第2アキュームレーターと、前記第2アキュームレーターの出力と前記第3セレクターの出力とを加算する第2加算器と、を含むことを特徴とする画像処理装置。
【0013】
これによれば、シフトコントロール部の構成を簡単にすることができる。
【0014】
[適用例3]上記画像処理装置であって、前記シフトコントロール部は、複数の前記第1画像データを可変倍率に拡大する領域において各画素(ライン)における拡大率パラメーターをテーブル化するLUTをさらに含むことを特徴とする画像処理装置。
【0015】
これによれば、シフトコントロール部の構成を簡単にすることができる。
【0016】
[適用例4]上記画像処理装置であって、前記シフトコントロール部は、前記第1画像データの画素間距離を被除数、前記第2画像データの画素間距離を除数として算出した拡大率パラメーターに該拡大率パラメーターの倍率を変化させる倍率変化率を累積加算する第3アキュームレーターと、前記画像処理部から出力される出力画像データイネーブル信号を元に出力画像数を計数するカウンターと、前記倍率変化率の符号を反転する第2反転器と、前記カウンターの計数値に基づいて前記倍率変化率と前記第2反転器の出力とを選択して出力する第4セレクターと、前記第3アキュームレーターの出力と前記第4セレクターの出力とを加算する第3加算器と、前記カウンターの計数値に基づいて前記拡大率パラメーターと前記倍率変化率と前記第3加算器の和データとを選択して出力する第5セレクターと、前記カウンターの計数値に基づいて前記拡大率パラメーターと前記第3アキュームレーターの演算値とを選択して出力する第6セレクターと、をさらに含むことを特徴とする画像処理装置。
【0017】
これによれば、シフトコントロール部の構成を簡単にすることができる。
【0018】
[適用例5]上記画像処理装置であって、前記第2画像データを固定倍率に拡大する領域は、前記表示画面の中央部に位置し、前記第2画像データを固定倍率に拡大する領域を挟むように、複数の前記第1画像データを可変倍率に拡大する領域が位置し、複数の前記第1画像データを可変倍率に拡大する領域に設定された拡大率パラメーターは、前記第2画像データを固定倍率に拡大する領域に対して対称な値であることを特徴とする画像処理装置。
【0019】
これによれば、拡大率パラメーターを、表示画面の中央部に対して対称な値とすることで、シフトコントロール部の構成を簡単にすることができる。
【0020】
[適用例6]上記画像処理装置であって、前記第2画像データを固定倍率に拡大する領域に接する前記第1画像データを可変倍率に拡大する領域の拡大率パラメーターの増減は、二次関数であることを特徴とする画像処理装置。
【0021】
これによれば、可変倍率領域と固定倍率領域に変化する箇所は傾きゼロで連続するという動作が可能となる。したがって、急激な拡大率の増減はなくなり、元のソース映像に対して、より自然な拡大処理が行われる。
【0022】
[適用例7]所定のアスペクト比としての第1アスペクト比を有する表示装置用の画像データとしての第1画像データを記憶する記憶ステップと、前記第1アスペクト比と異なるアスペクト比としての第2アスペクト比を有する表示画面において前記第1画像データを表示すべき前記表示画面を複数の領域に分け、該各領域に基づいて、前記第1画像データを可変倍率に拡大する拡大率としての第1拡大率及び前記第1画像データを固定倍率に拡大する拡大率としての第2拡大率から選択された、前記第1画像データの隣接する画素の補間画素を求めるための補間処理方法を示す拡大座標を出力するシフトコントロールステップと、前記シフトコントロールステップでの各補間画素を求めるための補間処理方法を示す前記拡大座標に基づいて、前記記憶ステップで記憶された前記第1画像データを読み出し、拡大して第2画像データを出力する画像処理ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
【0023】
これによれば、従来、拡大率パラメーターを記憶するために必要とするメモリー容量を少なくすることができ、回路規模に影響を与えず、コスト増にならずに、より自然な拡大処理を行うことができる画像処理方法が提供できる。
【0024】
[適用例8]上記のいずれか一項に記載の前記画像処理装置と、前記第2アスペクト比を有する前記表示画面を含み、前記第2画像データを表示する表示装置と、を含み、前記画像処理装置は、前記表示画面の中央付近に表示されるべき前記第1画像データを前記第2拡大率で拡大し、前記表示画面の両端付近に表示されるべき前記第1画像データを左右対称に前記第1拡大率で拡大することを特徴とする電子機器。
【0025】
これによれば、従来、拡大率パラメーターを記憶するために必要とするメモリー容量を少なくすることができ、回路規模に影響を与えず、コスト増にならずに、より自然な拡大処理を行うことができる画像処理装置が適用された電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係る入力画像を拡大表示して出力画像とする概念図。
【図2】本実施形態に係る携帯電話機の構成例を示す図。
【図3】本実施形態に係る拡大縮小を示す概念図。
【図4】本実施形態に係る拡大座標を示す概念図。
【図5】本実施形態に係る拡大率パラメーターの変化過程を示す図。
【図6】本実施形態に係る全体ブロックを示す図。
【図7】本実施形態に係る第2画像処理回路(スケーラー)ブロックを示す図。
【図8】本実施形態に係るシフトコントロールブロックを示す図。
【図9】本実施形態に係る表示画像のイメージ図と拡大率パラメーターの変化過程を示す図。
【図10】本変形例に係るシフトコントロールブロックを示す図。
【図11】本変形例に係るシフトコントロールブロックを示す図。
【図12】本実施形態に係る電子機器のブロック図。
【図13】本実施形態に係る電子機器の外観図。
【図14】従来技術におけるアスペクト比16:9の表示画面を設定領域に分割した場合を示す図。
【図15】従来技術における設定領域と拡大率との関係の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本実施形態に係る図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0028】
(概要)
図1は、本実施形態に係る入力画像を拡大表示して出力画像とする概念図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理装置は、入力画面を拡大表示する場合に、中心付近を固定倍率領域Bとして定倍率で表示し、定倍率で表示される固定倍率領域Bの境界から、画像の端までを可変倍率領域A,Cとして段階的に倍率を変えて表示させることに特徴がある。
【0029】
(液晶表示装置)
図2は、本実施形態に係る携帯電話機の構成例を示す図である。本実施形態に係る携帯電話機のベースバンドエンジン(BBE)10は、図2に示すように、携帯電話機2の基本機能を司る中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)を搭載するLSI(Large Scale Integration)であり、インターネット経由で受信した動画や静止画、カメラで撮影した自然画、携帯電話機2の操作上で必要なメニュー画面、アイコンなどの文字・図形情報等の各種画像データの出力源である。
【0030】
図2において、携帯電話機2のディスプレイとして液晶表示パネル(広義には表示パネル)12が設けられている。この液晶表示パネル12は、2枚のガラス基板14,16間に液晶を封入したものである。大きなガラス基板14は、例えばアクティブマトリクス基板であり、各画素にアクティブ素子であるTFT(Thin Film Transistor)が設けられている。各画素のTFTのドレイン端子に透明画素電極が、ソース端子にデータ線であるソース線が、ゲート端子に走査線であるゲート線がそれぞれ接続されている。このガラス基板14と対向するガラス基板16には、透明電極が設けられている。ガラス基板16上には、ガラス基板14の短辺に沿って、液晶表示パネル12を駆動する表示ドライバー(広義には駆動部)18がCOG実装されている。表示ドライバー18は、液晶表示パネル12のゲート線に走査信号を、ソース線にデータ信号を供給して液晶表示パネル12を表示駆動する。
【0031】
ベースバンドエンジン10と表示ドライバー18との間には、画像処理コントローラー(広義には画像処理装置)20が設けられている。ベースバンドエンジン10と画像処理コントローラー20との間、画像処理コントローラー20と表示ドライバー18との間は、複数本のバスラインで接続され、画像データ、水平・垂直同期信号、クロック信号、各種コマンドが転送される。
【0032】
本実施形態では、ベースバンドエンジン10がネットワーク上のコンテンツデータを受信し、該コンテンツデータに含まれる画像データを画像処理コントローラー20に供給する。画像処理コントローラー20は、ベースバンドエンジン10からの画像データにより表される画像のサイズを拡大又は縮小して、拡大処理後又は縮小処理後の画像データを表示ドライバー18に供給する。
【0033】
図3は、本実施形態に係る拡大縮小を示す概念図である。先ず、入力画像の単位画像距離が拡大像画像距離の中に何個入るかを計算する。例えば、図3に示すように、入力画像の単位画像距離をDi、拡大像画像距離をDoとする。
【0034】
次に、上記を実現するために、Di/Do=Sを毎回足しこむ機構を有する。本実施形態においてSを拡大率パラメーターと呼ぶことにする。また本実施形態においてこの機構を拡大座標累積器と呼ぶことにする。
【0035】
次に、拡大座標累積器において、拡大率パラメーターSの和が1を越えた時点で新たな画像データを画像供給もとへ要求する。
【0036】
このとき、拡大率パラメーターSの和の小数点以下が拡大されたピクセルの座標となる。本実施形態においてこれを拡大座標と呼ぶことにする。
【0037】
ここで、拡大座標について説明する。
図4は、本実施形態に係る拡大座標を示す概念図である。この例では3ピクセルの画像を2倍して6ピクセルの画像にする場合について説明する。この場合、拡大率パラメーターSは、単位画像距離Di=3と拡大像画像距離Do=6とから、Di/Do=3/6=0.50である。
【0038】
先ず、入力画像の1ピクセル目Pb0は、最初に拡大座標0.00へ出力画像の1ピクセル目Pa0として出力される。
【0039】
次に、拡大座標累積器に拡大率パラメーターSを1回足しこむことにより、入力画像の1ピクセル目Pb0は拡大座標0.50へ出力画像の2ピクセル目Pa1として出力される。
【0040】
次に、拡大座標累積器に拡大率パラメーターSを足しこむと拡大座標の値は1.00となる。このとき出力画像の3ピクセル目Pa2には入力画像の2ピクセル目Pb1を出力する。
【0041】
以降、整数部の値が1を超えるたびに入力画像のピクセルを1つ進めて出力画像の6ピクセル目Pa5までピクセルを出力する。このとき、拡大座標が整数倍になっていないピクセルに関してはフィルター処理を施して、図3に示すように、補間データを生成することも可能である。
【0042】
本実施形態は、図1に示すように、画像を3つの領域(可変倍率領域A、固定倍率領域B、及び可変倍率領域C)に分けて、各領域においてこの拡大率パラメーターSを変化させることを特徴とする。
【0043】
図5は、本実施形態に係る拡大率パラメーターSの変化過程を示す図である。図5に示すように、3つに分けた領域のうち両端の可変倍率領域A,Cでは拡大率パラメーターSは一定ではなく、拡大率パラメーターS自身に拡大率変化量ΔSを足しこむことにより、倍率を変化させることができる。本実施形態においてこの機構を拡大率パラメーター累積器と呼ぶことにする。
【0044】
次に、倍率の変化は拡大率パラメーターSに対して拡大率変化量ΔSを足し引きすることで行う。拡大率パラメーターSの変化の様子を図5に示す。
【0045】
次に、画像データは左から右又は上から下というように一方向で処理されてくる都合上、拡大率パラメーターSの初期値S0を予め設定し、そこから拡大率変化量ΔSを加算する。S0+NΔSの演算結果の値が拡大率パラメーターSを超える1つ手前までが可変倍率領域Aとなる。図5における原点から座標X1までの領域である。
【0046】
次に、図5において座標X1から座標X2までは固定倍率領域Bとして画像出力を続ける。
【0047】
次に、上記と同様に図5において座標X2から画像の最後までが再び可変倍率領域Cとなる。このとき拡大率パラメーターSは、拡大率パラメーターSから拡大率変化量ΔSを引くことで初期値S0まで変化する。
【0048】
本実施形態に必要なブロック図を下図に示す。
(全体ブロック)
図6は、本実施形態に係る全体ブロックを示す図である。入力インターフェース(InterFace:以下、I/Fと略す。)22は、ホストCPUなどの本画像処理装置を制御するための装置とのインターフェースである。CPUは、入力I/F22から入力された画像データを第1メモリーI/F24を介してフレームバッファー26に画像データを書き込むことが可能である。また、第1〜第3画像処理回路28〜32の動作を決定する第1〜第3設定レジスター34〜38への書き込みも可能である。
【0049】
第1メモリーI/F24では、入力I/F22から入力された画像データが適当な形式に変換されフレームバッファー26へ出力される。このときRGB形式の画素データからYUV形式の画素データへの変換なども行われる。
【0050】
第2メモリーI/F40では、フレームバッファー26から読み出された画像データがハンドシェイク方式のプロトコルにしたがい、第1〜第3画像処理回路28〜32のいずれかへ出力される。
【0051】
表示器I/F42では、ディスプレイFIFO44から読み出されたデータがLCDパネルへ出力される。このときYUV形式の画素データからRGB形式の画素データへの変換なども行われる。
【0052】
フレームバッファー26は、フレームバッファーである。
【0053】
ディスプレイFIFO44は、FIFO(First In First Out)である。
第1画像処理回路28は、第2メモリーI/F40より入力される画像データを第1設定レジスター34の設定値にしたがい、変換処理を行う回路である。
【0054】
第2画像処理回路30は、第2メモリーI/F40又は第1画像処理回路28より入力される画像データを第2設定レジスター36の設定にしたがい、変換処理を行う回路である。
【0055】
第3画像処理回路32は、第2メモリーI/F40又は第1及び第2画像処理回路28,30より入力される画像データを第3設定レジスター38の設定にしたがい、変換処理を行う回路である。
【0056】
第1設定レジスター34は、第1画像処理回路28の動作を決定する設定レジスターである。
【0057】
第2設定レジスター36は、第2画像処理回路30の動作を決定する設定レジスターである。
【0058】
第3設定レジスター38は、第3画像処理回路32の動作を決定する設定レジスターである。
【0059】
本実施形態においては画像の拡大縮小を行う画像処理回路は第2画像処理回路30である。しかしながら、本実施形態の本質は第1〜第3画像処理回路28〜32の説明から分かるとおり、第2画像処理回路30の位置や前段、後段にある回路の有無に関係なく有効である。
【0060】
(第2画像処理回路)
図7は、本実施形態に係る第2画像処理回路30を示す図である。本実施形態に係る第2画像処理回路30は、画像処理ブロック46と、シフトコントロールブロック48と、を備えている。本実施形態において第2画像処理回路30は入力画像が拡大縮小することからスケーラーと呼ぶことにする。
【0061】
画像処理ブロック46に入力する入力画像データ及び入力画像データイネーブルは、前述のとおり第2メモリーI/F40又は第1画像処理回路28より入力される。また入力画像データリクエストも第2メモリーI/F40又は第1画像処理回路28へ出力される。また、画像処理ブロック46から出力する出力画像データ及び出力画像データイネーブルは、第3画像処理回路32又はディスプレイFIFO44へ出力される。また、出力画像データリクエストも第3画像処理回路32又はディスプレイFIFO44より入力される。
【0062】
(シフトコントロールブロック)
図8は、本実施形態に係るシフトコントロールブロック48を示す図である。本実施形態に係るシフトコントロールブロック48では、第2設定レジスター36により、各初期値が設定される。必要な設定は、拡大率パラメーターS、拡大率パラメーターSの初期値S0、拡大率変化量ΔS、可変倍率中断位置の座標X1、及び可変倍率再開位置の座標X2等である。
【0063】
可変倍率中断位置の座標X1と可変倍率再開位置の座標X2とは、画面上端領域(図1:画面垂直方向において上端をA1、下端をP1とする可変倍率領域A)、画面中央付近領域(図1:画面垂直方向において上端をP1、下端をP2とする固定倍率領域B)、画面下端領域(図1:画面垂直方向において上端をP2、下端をA2とする可変倍率領域C)の境界を示している。
【0064】
カウンター52では、出力画像数がカウントされカウント値Cntが出力される。CPUは、このカウント値Cntと可変倍率中断位置の座標X1と可変倍率再開位置の座標X2とによって画像の領域(可変倍率領域A,C及び固定倍率領域B)を識別する。
【0065】
第1セレクター54では、カウンター52のカウント値Cntにより第1加算器58への入力が選択される。第1セレクター54では、拡大率変化量ΔSか第1反転器55により符号が反転した拡大率変化量ΔSかが選択される。選択肢及び選択条件を表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
第1セレクター54では、カウンター52のカウント値CntがCnt=0のとき、第1加算器58への入力として拡大率変化量ΔSが選択される。また、カウンター52のカウント値Cntが0<Cnt≦X1のとき、第1加算器58への入力として拡大率変化量ΔSが選択される。また、カウンター52のカウント値CntがX1<Cnt≦X2のとき、第1加算器58への入力として拡大率変化量(−ΔS)が選択される。また、カウンター52のカウント値CntがX2<Cntのとき、第1加算器58への入力として拡大率変化量(−ΔS)が選択される。
【0068】
第2セレクター60では、カウンター52のカウント値Cntにより第1アキュームレーター56への入力が選択される。選択肢及び選択条件を表1に示す。
【0069】
第2セレクター60では、カウンター52のカウント値CntがCnt=0のとき、第1アキュームレーター56への入力として初期値S0が選択される。また、カウンター52のカウント値Cntが0<Cnt≦X1のとき、第1アキュームレーター56への入力として第1加算器58の出力が選択される。また、カウンター52のカウント値CntがX1<Cnt≦X2のとき、第1アキュームレーター56への入力として拡大率パラメーターSが選択される。また、カウンター52のカウント値CntがX2<Cntのとき、第1アキュームレーター56への入力として第1加算器58の出力が選択される。
【0070】
第3セレクター62では、カウンター52のカウント値Cntにより第2アキュームレーター64への入力が選択される。選択肢及び選択条件を表1に示す。
【0071】
第3セレクター62では、カウンター52のカウント値CntがCnt=0のとき、第2アキュームレーター64への入力として第1アキュームレーター56の出力が選択される。また、カウンター52のカウント値Cntが0<Cnt≦X1のとき、第2アキュームレーター64への入力として第1アキュームレーター56の出力が選択される。また、カウンター52のカウント値CntがX1<Cnt≦X2のとき、第2アキュームレーター64への入力として拡大率パラメーターSが選択される。また、カウンター52のカウント値CntがX2<Cntのとき、第2アキュームレーター64への入力として第1アキュームレーター56の出力が選択される。
【0072】
第1アキュームレーター56は、上述した拡大率パラメーターSに拡大率変化量ΔSを足しこむことにより、倍率を変化させる拡大率パラメーター累積器である。
【0073】
第2アキュームレーター64は、上述した拡大率パラメーターSを足し込む拡大座標累積器である。
【0074】
第1加算器58では、第1アキュームレーター56の出力と第1セレクター54の出力とが加算される。
【0075】
第2加算器66では、第2アキュームレーター64の出力と第3セレクター62の出力とが加算される。
【0076】
(動作詳細)
先ず、第2設定レジスター36に拡大率パラメーターS、初期値S0、拡大率変化量ΔS、座標X1、及び座標X2が設定される。これらの設定値は外部より第1メモリーI/F24を介して第2設定レジスター36へ設定され、そこから第2画像処理回路(スケーラー)30へ供給される。
【0077】
次に、図8においてカウンター52は、出力画像データイネーブルを元に、出力画像数をカウントしており、このカウント値Cntと座標X1,X2を比較されることによって、第1〜第3セレクター54,60,62では出力信号が選択される。
【0078】
次に、第2アキュームレーター64の出力が1以上になった場合、入力画像データリクエストがアサートされ、新たなデータが画像処理ブロックへ供給される。ここで第2アキュームレーター64の小数部分は前述の拡大座標に相当する。
【0079】
次に、第2アキュームレーター64の出力が1以上になった場合、第2アキュームレーター64の整数部が0に戻される。
【0080】
次に、第2アキュームレーター64の出力が1以下の場合、入力された画像データが繰り返し出力されるが、拡大座標が画像処理ブロックへ送られ、補間データが生成出力される。
【0081】
(変形例)
図9は、本変形例に係る表示画像のイメージ図と拡大率パラメーターの変化過程を示す図である。上記実施形態において拡大率パラメーターSは各領域の境界で不連続となる。これは画像の拡大率が急激に変化することを意味する。本変形例では、これを回避するために領域を5つに分離する。この場合の表示画像のイメージと拡大率パラメーターSの変化の様子を図9に示す。横軸は、画像処理装置の垂直方向の位置を示し、左端は画像処理装置の上端であり、右端は画像処理装置の下端である。縦軸は、拡大率の逆数を示す拡大率パラメーターSである。ここで、リサンプリングポイントは画面左から右へ移動するものとする。
【0082】
直線Q1は、二点C1−P2を通る一次関数Sa1(x)、曲線Gaは、三点A1−P1−A2を通る二次関数Sb1(x)、線分Q2は、二点P1−P3を結ぶ線分、曲線Gbは、三点B1−P3−B2を通る二次関数Sb2(x)、直線Q3は、二点C2−P4を通る一次関数Sa2(x)である。
【0083】
曲線Gaは、点P2において直線Q1と接する。曲線Ga及び曲線Gbは、それぞれ点P1及び点P3において線分Q2と接する。曲線Gbは、点P4において直線Q3と接する。
【0084】
拡大率パラメーターSは、左端C1より直線Q1上を増加し、点P2から点P1まで曲線Ga上を増加し、点P1から点P3まで一定値(線分Q2上)となり、点P3から点P4まで曲線Gb上を減少し、点P4より直線Q3上を減少し右端C2に至る。
【0085】
この場合、可変倍率領域A,Cにおいては拡大率パラメーターSの変化は前述の場合と同じく拡大率変化量ΔSを逐一加算又は減算してゆき1次元的な増減を行う。
【0086】
しかし、可変倍率領域D,Eにおいては、その前後の領域における拡大率パラメーターSの変化を一次関数として、傾きが滑らかにつながるような二次関数によって増減を行う。
【0087】
可変倍率領域Aにおける拡大率パラメーターSの変化を一次関数Sa1(x)、可変倍率領域Dにおける拡大率パラメーターSの変化を二次関数Sb1(x)としてそれぞれ以下の関数を仮定する。
【0088】
Sa1(x)=ax+S0
Sb1(x)=bx2+cx+d
【0089】
このとき一次関数Sa1(x)、二次関数Sb1(x)は以下の条件にしたがって、a、b、c、及びdを決定すれば、一次関数Sa1(x)と二次関数Sb1(x)とが接続する点P2において2つの関数の傾きが等しくなる。また、二次関数Sb1(x)と線分Q2とが接続される点P1において2つの関数の傾きが等しくなる。つまり、可変倍率領域Aと可変倍率領域Dとの境界及び可変倍率領域Dと固定倍率領域Bとの境界で滑らかに接続される。
【0090】
条件1)Sa1(X1)=Sb1(X1)=S1
条件2)Sb1(X2)=S
条件3)Sb1´(X1)=ΔS
条件4)Sb1´(X2)=0
【0091】
また、可変倍率領域Eにおける拡大率パラメーターSの変化を一次関数Sa2(x)、可変倍率領域Cにおける拡大率パラメーターSの変化を二次関数Sb2(x)とした場合、各関数は次のとおりである。
Sa2(x)=−a(x−(X4−X1))+S0
Sb2(x)=b(x−(X3−X2))2+c(x−(X3−X2))+d
【0092】
このとき一次関数Sa2(x)、二次関数Sb2(x)も同様に、a、b、c、及びdを決定すれば、線分Q2と二次関数Sb2(x)とが接続する点P3において2つの関数の傾きが等しくなる。また、二次関数Sb2(x)と一次関数Sa2(x)とが接続される点P4において2つの関数の傾きが等しくなる。つまり、固定倍率領域Bと可変倍率領域Eとの境界及び可変倍率領域Eと可変倍率領域Cとの境界で滑らかに接続される。
【0093】
(変形例の実施方法)
図10及び図11は、本変形例に係るシフトコントロールブロック48を示す図である。
本変形例に係るシフトコントロールブロック48は、図10に示すように、可変倍率領域A,C及び固定倍率領域Bは前述の機構をそのまま利用する。可変倍率領域D,Eにおいては各ピクセル(ライン)における拡大率パラメーターSをテーブル化したLUT(ルックアップテーブル)68をおき、それを逐一読み出して計算を行う。その際、第6セレクター61では、カウンター52のカウント値Cntにより拡大率変化量ΔSかLUT68の読み出しかが選択される。
【0094】
他の機構による本変形例に係るシフトコントロールブロック48は、図11に示すように、可変倍率領域A,C及び固定倍率領域Bは前述の機構をそのまま利用する。可変倍率領域D,Eにおいては前述の第1アキュームレーター56の入力にもう一つ拡大率パラメーター累積器としての第3アキュームレーター70を接続して計算を行う。その際、第6セレクター61では、カウンター52のカウント値Cntにより拡大率変化量ΔSか第3アキュームレーター70の出力かが選択される。なお、第3アキュームレーター70以外の追加部分については、前述の第1アキュームレーター56の周辺機能と同様なので省略する。
【0095】
本変形例では、拡大率パラメーターの計算の部分に二次関数演算回路を用いることにより、連続性のある、より自然な拡大処理を行う画像処理装置を特徴としている。
【0096】
また、可変倍率領域と固定倍率領域に変化する箇所は傾き0で連続するという動作となる。したがって、急激な拡大率の増減はなくなり、元のソース映像に対して、より自然な拡大処理が行われるという効果が得られる。
【0097】
さらに、二次関数のa、b、cの値の変化により、P1、P2、P3、及びP4の位置及び拡大率パラメーターを所望の値に変更することが可能である。また、二次関数だけでなく、さらに他の微分係数がゼロとなる点を有する関数を用いても、同様に急激な拡大率の増減はなくなり、元のソース映像に対して、より自然な拡大処理を行うことが可能である。
【0098】
(電子機器)
図12に、本実施形態に係る電子機器のブロック図の一例を示す。本実施形態に係る電子機器100は、マイクロコンピューター(又はASIC)102、入力部104、メモリー106、電源生成部108、LCD110、及び音出力部112を含む。
【0099】
ここで、入力部104は、種々のデータを入力するためのものである。マイクロコンピューター102は、この入力部104により入力されたデータに基づいて種々の処理を行うことになる。メモリー106は、マイクロコンピューター102などの作業領域となるものである。電源生成部108は、電子機器100で使用される各種電源を生成するためのものである。LCD110は、電子機器が表示する各種の画像(文字、アイコン、グラフィック等)を出力するためのものである。
【0100】
音出力部112は、電子機器100が出力する各種の音(音声、ゲーム音等)を出力するためのものであり、その機能は、スピーカーなどのハードウェアにより実現できる。
【0101】
図13(A)に、電子機器の1つである携帯電話120の外観図の例を示す。この携帯電話120は、入力部として機能するダイヤルボタン122や、電話番号や名前やアイコンなどを表示するLCD124や、音出力部として機能し音声を出力するスピーカー126を備える。
【0102】
図13(B)に、電子機器の1つである携帯型ゲーム装置130の外観図の例を示す。この携帯型ゲーム装置130は、入力部として機能する操作ボタン132、十字キー134や、ゲーム画像を表示するLCD136や、音出力部として機能しゲーム音を出力するスピーカー138を備える。
【0103】
図13(C)に、電子機器の1つであるパーソナルコンピューター140の外観図の例を示す。このパーソナルコンピューター140は、入力部として機能するキーボード142や、文字、数字、グラフィックなどを表示するLCD144、音出力部146を備える。
【0104】
本実施形態に係るマイクロコンピューターを図13(A)〜図13(C)の電子機器に組み込むことにより、低価格で画像処理速度の速いコストパフォーマンスの高い電子機器を提供することができる。
【0105】
なお、本実施形態を利用できる電子機器としては、図13(A)、(B)、及び(C)に示すもの以外にも、携帯型情報端末、ページャー、電子卓上計算機、タッチパネルを備えた装置、プロジェクター、ワードプロセッサー、ビューファインダー型又はモニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置等のLCDを使用する種々の電子機器を考えることができる。
【0106】
(効果)
本実施形態により、データを記憶部に記憶させる必要がないため、記憶部のリソースが不要となり、消費電力も少なくてすむ。
【0107】
また、画像の拡大又は縮小時の変換比率の逆数を累積加算した結果に基づき、変換後の画素の位置情報や変換時になされる補間の補間計数を求めるようにされているため、比較的小規模な回路構成で以て、画像の任意の変換比率での拡大又は縮小を行うことができる。
【0108】
さらに、本実施形態は縦横比の異なる画像出力装置向けに作成されたコンテンツを再生する場合に有効である。
例えば、4:3の比率で作成されたコンテンツを16:9の画面に表示する場合、全画面にコンテンツを表示するためには横方向に大きく拡大する必要がある。しかしながら、画面の注目すべき点は中央付近にあることが多く、画面端に行くほど重要性は低い。
本実施形態を利用すると、全画面に元画像を表示しながら、中央付近では縦横比を変えず、画面端のみ横方向に大きく拡大させることが可能となる。
【0109】
また、本実施形態により、固定倍率に拡大する領域と可変倍率に拡大する領域の境界における拡大率の不連続性を起こさずに、アスペクト比4:3の映像ソースをアスペクト比16:9の映像表示装置向けに水平方向拡大を行うことが、低コストで可能となる。
【符号の説明】
【0110】
2…携帯電話機 10…ベースバンドエンジン(BBE) 12…液晶表示パネル(表示パネル) 14,16…ガラス基板 18…表示ドライバー(駆動部) 20…画像処理コントローラー(画像処理装置) 22…入力インターフェース 24…第1メモリーI/F 26…フレームバッファー 28〜32…第1〜3画像処理回路 34〜38…第1〜3設定レジスター 40…第2メモリーI/F 42…表示器(LCD)I/F 44…ディスプレイFIFO 46…画像処理ブロック 48…シフトコントロールブロック 52…カウンター 54…第1セレクター 55…第1反転器 56…第1アキュームレーター 58…第1加算器 60…第2セレクター 61…第6セレクター 62…第3セレクター 64…第2アキュームレーター 66…第2加算器 68…LUT 70…第3アキュームレーター 100…電子機器 102…マイクロコンピューター 104…入力部 106…メモリー 108…電源生成部 110…LCD 112…音出力部 120…携帯電話 122…ダイヤルボタン 124…LCD 126…スピーカー 130…携帯型ゲーム装置 132…操作ボタン 134…十字キー 136…LCD 138…スピーカー 140…パーソナルコンピューター 142…キーボード 144…LCD 146…音出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のアスペクト比としての第1アスペクト比を有する表示装置用の画像データとしての第1画像データを記憶する記憶部と、
前記第1アスペクト比と異なるアスペクト比としての第2アスペクト比を有する表示画面において前記第1画像データを表示すべき前記表示画面を複数の領域に分け、該各領域に基づいて、前記第1画像データを可変倍率に拡大する拡大率としての第1拡大率及び前記第1画像データを固定倍率に拡大する拡大率としての第2拡大率から選択された、前記第1画像データの隣接する画素の補間画素を求めるための補間処理方法を示す拡大座標を出力するシフトコントロール部と、
前記シフトコントロール部からの各補間画素を求めるための補間処理方法を示す前記拡大座標に基づいて、前記記憶部に記憶された前記第1画像データを読み出し、拡大して第2画像データを出力する画像処理部と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記シフトコントロール部は、
前記第1画像データの画素間距離を被除数、前記第2画像データの画素間距離を除数として算出した拡大率パラメーターに該拡大率パラメーターの倍率を変化させる倍率変化率を累積加算する第1アキュームレーターと、
前記画像処理部から出力される出力画像データイネーブル信号を元に出力画像数を計数するカウンターと、
前記倍率変化率の符号を反転する第1反転器と、
前記カウンターの計数値に基づいて前記倍率変化率と前記第1反転器の出力とを選択して出力する第1セレクターと、
前記第1アキュームレーターの出力と前記第1セレクターの出力とを加算する第1加算器と、
前記カウンターの計数値に基づいて前記拡大率パラメーターと前記倍率変化率と前記第1加算器の和データとを選択して出力する第2セレクターと、
前記カウンターの計数値に基づいて前記拡大率パラメーターと前記第1アキュームレーターの演算値とを選択して出力する第3セレクターと、
前記拡大率パラメーターを累積加算する第2アキュームレーターと、
前記第2アキュームレーターの出力と前記第3セレクターの出力とを加算する第2加算器と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記シフトコントロール部は、
複数の前記第1画像データを可変倍率に拡大する領域において各画素(ライン)における拡大率パラメーターをテーブル化するLUT(ルックアップテーブル)をさらに含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記シフトコントロール部は、
前記第1画像データの画素間距離を被除数、前記第2画像データの画素間距離を除数として算出した拡大率パラメーターに該拡大率パラメーターの倍率を変化させる倍率変化率を累積加算する第3アキュームレーターと、
前記画像処理部から出力される出力画像データイネーブル信号を元に出力画像数を計数するカウンターと、
前記倍率変化率の符号を反転する第2反転器と、
前記カウンターの計数値に基づいて前記倍率変化率と前記第2反転器の出力とを選択して出力する第4セレクターと、
前記第3アキュームレーターの出力と前記第4セレクターの出力とを加算する第3加算器と、
前記カウンターの計数値に基づいて前記拡大率パラメーターと前記倍率変化率と前記第3加算器の和データとを選択して出力する第5セレクターと、
前記カウンターの計数値に基づいて前記拡大率パラメーターと前記第3アキュームレーターの演算値とを選択して出力する第6セレクターと、
をさらに含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記第2画像データを固定倍率に拡大する領域は、前記表示画面の中央部に位置し、
前記第2画像データを固定倍率に拡大する領域を挟むように、複数の前記第1画像データを可変倍率に拡大する領域が位置し、
複数の前記第1画像データを可変倍率に拡大する領域に設定された拡大率パラメーターは、前記第2画像データを固定倍率に拡大する領域に対して対称な値であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記第2画像データを固定倍率に拡大する領域に接する前記第1画像データを可変倍率に拡大する領域の拡大率パラメーターの増減は、二次関数であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
所定のアスペクト比としての第1アスペクト比を有する表示装置用の画像データとしての第1画像データを記憶する記憶ステップと、
前記第1アスペクト比と異なるアスペクト比としての第2アスペクト比を有する表示画面において前記第1画像データを表示すべき前記表示画面を複数の領域に分け、該各領域に基づいて、前記第1画像データを可変倍率に拡大する拡大率としての第1拡大率及び前記第1画像データを固定倍率に拡大する拡大率としての第2拡大率から選択された、前記第1画像データの隣接する画素の補間画素を求めるための補間処理方法を示す拡大座標を出力するシフトコントロールステップと、及び、
前記シフトコントロールステップでの各補間画素を求めるための補間処理方法を示す前記拡大座標に基づいて、前記記憶ステップで記憶された前記第1画像データを読み出し、拡大して第2画像データを出力する画像処理ステップと、
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記画像処理装置と、
前記第2アスペクト比を有する前記表示画面を含み、前記第2画像データを表示する表示装置と、
を含み、
前記画像処理装置は、前記表示画面の中央付近に表示されるべき前記第1画像データを前記第2拡大率で拡大し、前記表示画面の両端付近に表示されるべき前記第1画像データを左右対称に前記第1拡大率で拡大することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−133723(P2011−133723A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294056(P2009−294056)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】