説明

画像処理装置

【課題】有効なスムージング処理を施すことのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像領域内の曲線画像から画像領域外に連続する画像を予測し、その予測した画像および画像領域内の画像に基づいて、スムージング処理を施す。複数種類(図6(a)に示す2次曲線、図6(b)に示す3次曲線、および図6(c)に示す楕円)の画像が予測された場合には、ユーザの操作に基づいて、スムージング処理を施すか否かの選択、および、予測された複数種類の画像のうちいずれの画像を用いてスムージング処理を施すかの決定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画素ごとに量子化された濃度を表す画像データに対して、画像の画像端(エッジ部分)にスムージング処理を施すための画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画素ごとに量子化された濃度を表す画像データを取り扱う機器には、レーザビームプリンタやデジタル複写機がある。デジタル複写機を例にとれば、原稿画像を光学的に読み取る原稿読取部と、この原稿読取部によって読み取られた原稿の画像データを処理する画像処理部と、この画像処理部によって処理された後の画像データに基づいて、いわゆる電子写真プロセスにより記録シート上に画像を形成する画像形成部とを備えている。
【0003】
上記デジタル複写機やレーザビームプリンタは、画素ごとに量子化された濃度を表す画像データを取り扱うので、原稿画像中に文字や線画が含まれている場合は、その画像の画像端において、ギザギザ(凹凸)が発生することがあり、必ずしも良質な再生像を得ることはできない。
そこで、従来より、画像端を検出し、この画像端を構成する画素間に、細かく分割した画素幅を割り当ててスムージングを施すPWMスムージング処理(以下「スムージング処理」という)が行われている。
【特許文献1】特開平9−305755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記スムージング処理は、画像端の画素が画像領域の端辺(上下左右の辺をいう。)を構成する画素である場合に、その端辺の外側に画像データがないため、有効なスムージングがかからないことがあった。
図を用いて説明する。図8(a)は、整列された画素からなる画像領域の左上端辺付近を表す図であり、ハッチングを施した部分は、量子化された画像部分を表わしている。
【0005】
図8(b)は、スムージング処理後の画像部分を表わした図である。図8(b)では、画像領域の端辺部分(上辺部分や左辺部分)を構成する画素以外の画素に対しては、スムージングが有効に施されているが、Aで示した画像領域の上辺部分と、Bで示した画像領域の左辺部分に対しては、有効なスムージングがかかっていないことが分かる。すなわち、この画像領域に表れている画像は、図8(b)に破線で示すような2次曲線、または1点鎖線で示すような楕円の画像であることが予測されるが、A,Bで示した部分に有効なスムージングがかかっていないために、当該A,Bで示した部分の画素が、2次曲線または1点鎖線の画像に近似するよう修正されていない。
【0006】
また、この画像領域に表れている画像は、図8(b)に破線で示すような2次曲線の画像とも予測できるし、1点鎖線で示すような楕円の画像とも予測できる。したがって、画像領域の端辺部分を構成する画素に対してスムージングを行うことができたとしても、予測される2次曲線および1点鎖線のいずれの画像に近似させるかによって異なる画像となるため、所望の画像が得られない場合がある。
【0007】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、有効なスムージング処理を施すことのできる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、画像データに含まれる曲線画像を構成する画素が、画像領域の端辺を構成する画素であるかどうかを判定する曲線端辺画素判定手段と、上記曲線端辺画素判定手段により画像領域の端辺を構成する画素と判定された画素から画像領域外に連続する画像が存在するか否かを判別して、存在するであろう画像を予測する画像予測手段と、上記画像予測手段により予測した画像が存在することを前提として、その予測した画像および画像領域内の画像に基づいて、スムージング処理を施すスムージング処理手段とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
この構成によれば、画像データに曲線画像が含まれる場合、その曲線画像を構成する画素が画像領域の端辺を構成するときには、上記画像予測手段は、その画素から画像領域外に連続する画像が存在するか否かを判別して、存在するであろう画像を予測する。そして、スムージング処理手段は、予測した画像が存在することを前提として、その予測した画像および画像領域内の画像に基づいて、画像端の画素に対するスムージング処理を施す。
【0010】
図1(a)では、図8(a)と同じく、画像領域の左上端辺付近に曲線画像が存在している。図1(b)は、画像領域に表れている画像が2次曲線の画像であると仮定してスムージング処理を施した場合のスムージング処理後の画像部分を表わした図である。図1(b)では、画像の端辺部分(上辺部分や左辺部分)以外の部分のみならず、Aで示した画像領域の上辺部分と、Bで示した画像領域の左辺部分とで、破線で示す2次曲線の画像に近似するよう修正されており、有効なスムージング処理が施されていることが示されている。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記画像予測手段は、上記曲線端辺画素判定手段により画像領域の端辺を構成する画素と判定された画素から画像領域外に連続する画像が存在するか否かを判別して、画像領域外に存在するであろう1ライン分の画像を予測するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置である。
画像領域の端辺を構成する画素のスムージングのためには、この発明の構成のように、画像領域外の1ライン分の画素を予測すれば十分である。これにより、画像領域外に連続する画像を予測するために用いるメモリ(たとえば、ラインメモリ)の使用量を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図2は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置が備えられたデジタル複写機の電気的構成を説明するためのブロック図である。このデジタル複写機は、CPUによりその動作を制御するものであり、CPUには、原稿画像を読み取って得られた画像データ(画素ごとに量子化された濃度を表す画像データ)を記憶する画像メモリ1と、画像メモリ1に記憶された画像データの複数行分を一時的に蓄えるラインメモリ2と、ラインメモリ2に蓄えられた画像データを取り出して画像端の画素のデータであるかどうかを判別する画像端画素判別部3と、スムージング処理のための演算を行うスムージング演算部4と、画像データを構成する画素に対して、レーザパルス波形の幅を調整するPWM処理部5と、LSU出力部7に供給する駆動信号を生成するレーザコントローラ6と、LSU出力部7とが接続されている。スムージング演算部4およびPWM処理部5は、スムージング処理を施すためのスムージング処理手段とを構成している。
【0013】
上記LSU出力部7のレーザ装置の照射光線は、回転する感光体に照射され、ここに原稿画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置に収納されたトナーの付着によって現像され、この現像されたトナー像が記録シートの表面に転写される。さらに、記録シート上のトナー像は熱を加えられることにより定着される。これにより、原稿画像が記録シートの上に形成される。
【0014】
画像メモリ1は、CCD等のイメージセンサにより原稿画像を読み取って得られた画像データを記憶するものである。イメージセンサは一次元に配列されたセンサであり、この一次元に配列方向を主走査方向、それと直角に原稿画像が照明光源により照明走査される方向を副走査方向という。なお、照明光源が固定されていて、原稿が搬送されて画像が読み取られる場合は、原稿が搬送される方向が副走査方向となる。
【0015】
ラインメモリ2は、画像メモリ1に記憶された画像データの複数行分を一時的に蓄えるものであり、高速で書き込み読み出しができるSRAM,DRAMなどが使われる。
画像端画素判別部3は、ラインメモリ2に蓄えられた画像データを取り出して、マスク(たとえば、3×3画素)をかけることによってマスクの中心の画素が、画像端の画素であるかどうかを判別する。
【0016】
スムージング演算部4は、画像端の凹凸を軽減して、画像の輪郭を滑らかにする。具体的には、画像端の画素およびそれに隣接する画素に対して、周辺の画素の配置に応じて中間の輝度値を決定する。たとえば、輝度値を0〜3の4段階で表わす場合、地の明るい部分を0、ベタ黒の部分を3とすると、画像端の画素およびそれに隣接する画素に対しては、周辺の画素の配置パターンに応じて1または2の中間の値を与える(特開2002−165097号公報など参照)。
【0017】
PWM処理部5は、画像端の画素およびそれに隣接する画素に対して、上記輝度に応じて、1つの画素内でのレーザ照射ドットのサイズを決定し、ドットを寄せる方向(主走査方向または副走査方向)および寄せ幅を決定する。
レーザコントローラ6は、PWM処理部5で決められたドットのサイズと位置に対応したレーザ駆動信号を生成し、LSU出力部7は、このレーザ駆動信号に基づいて感光体にレーザ照射する。
【0018】
画像処理装置は、上記の構成の他、画像データに対して平滑化処理またはエッジ強調処理を施すフィルタ処理部、出力エンジンのγ特性を補正する階調補正処理部、ディザ処理や誤差拡散処理などを行う擬似中間調処理部などを備えているが、これらは周知の構成であるので、ここでは説明を省略する。
図3は、ラインメモリ2に記憶された画像左上端近くの画像を表す図である。主走査方向および副走査方向に並ぶ複数のマスは画素を表しており、画像部分にはハッチングを施している。
【0019】
画像端画素判別部3は、1つ1つの画素に対して3×3のマスクを掛けて画像端の画素を検出する。この3×3画素のマスクを太線で示している。図3においてハッチングが施された画素は、検出された画像端の画素であることを示している。
画像端画素判別部3は、画像端の画素のうち、画像の端辺に接している画素を特定する。図3の例では、画像の左端に接する画素R1,R2,R3と、画像の上端に接する画素R4とが特定される。
【0020】
画像端画素判別部3は、後のスムージング処理を効果的に行うために、画像領域内の画像に連続する画像が画像領域外に存在するか否かを判別して、存在するであろう画像を予測する(連続画像予測)。この予測方法を、以下説明する。
図4は、連続画像予測の方法を説明するための図である。図4では、破線で示すように、画像領域の左上部に2次曲線の画像が存在している。
【0021】
連続画像予測では、画像領域の端辺に接している画素よりも1列外側の任意の位置に、予測の対象となる画素を1つ設定する。これを「被予測画素」という。
まず、連続画像予測では、画像領域の左端に接している画素よりも1列外側(左側)の被予測画素Wについて、次の処理をする。すなわち、被予測画素Wの周辺画素を参照して、画像領域内の画像が画像領域外に連続するであろうと予測される位置に被予測画素Wが存在するか否かを判定する。この判定は、画像領域内における各画素の位置関係に基づいて行われるものであってもよいし、当該画像処理装置において予め複数種類の画像パターン(直線画像や曲線画像のパターン)を記憶しておいて、いずれかの画像パターン上に被予測画素Wが位置しているか否かに基づいて行われるものであってもよい。
【0022】
被予測画素Wは画像領域の左端に沿って1画素ずつ移動され、各被予測画素Wについて上記と同様の処理が行われる。これにより、画像領域の左端に沿った全ての画素について、画像端の画素に連続する画素であるか否かが判定される。図4では、被予測画素W1が画像端の画素に連続する画素であり、それ以外の画素は画像端の画素に連続しない画素であることが分かる。
【0023】
次に、画像領域の上端に接している画素よりも1列外側(上側)の被予測画素Vについても同様の判定をする。すなわち、被予測画素Vの周辺画素を参照して、画像領域内の画像が画像領域外に連続するであろうと予測される位置に被予測画素Vが存在するか否かを判定する。この判定は、画像領域内における各画素の位置関係に基づいて行われるものであってもよいし、当該画像処理装置において予め複数種類の画像パターン(直線画像や曲線画像のパターン)を記憶しておいて、いずれかの画像パターン上に被予測画素Vが位置しているか否かに基づいて行われるものであってもよい。
【0024】
被予測画素Vは画像領域の上端に沿って1画素ずつ移動され、各被予測画素Vについて上記と同様の処理が行われる。これにより、画像領域の上端に沿った全ての画素について、画像端の画素に連続する画素であるか否かが判定される。図4では、被予測画素V1が画像端の画素に連続する画素であり、それ以外の画素は画像端の画素に連続しない画素であることが分かる。
【0025】
以上において、ラインメモリ2に記憶された左上部の画像についての連続画像予測を示したが、画像右上部の画像、画像右下部の画像、画像左下部の画像についても、同じような手順で連続画像予測を行うことができる。たとえば、画像右上部の画像については、画像領域の上端に接している画素よりも1列外側(上側)の被予測画素、および画像領域の右端に接している画素よりも1列外側(右側)の被予測画素が、画像端の画素に連続する画素であるか否かが判定される。画像右下部の画像については、画像領域の下端に接している画素よりも1列外側(下側)の被予測画素、および画像領域の右端に接している画素よりも1列外側(右側)の被予測画素が、画像端の画素に連続する画素であるか否かが判定される。画像左下部の画像については、画像領域の下端に接している画素よりも1列外側(下側)の被予測画素、および画像領域の左端に接している画素よりも1列外側(左側)の被予測画素が、画像端の画素に連続する画素であるか否かが判定される。
【0026】
画像端画素判別部3は、以上のようにして、ラインメモリ2に記憶された画像に基づいて、画像端の画素に連続する画素を特定することができる。
スムージング演算部4は、画像端の画素に連続する画素も画像端の画素とみなして、画像端の画素およびそれに隣接する画素に対して中間の輝度値を決定する。そして、PWM処理部5は、スムージング演算部4による処理後の画像端の画素およびそれに隣接する画素に対して、レーザ照射ドットのサイズを決定し、ドットを寄せる方向および寄せ幅を決定する。この結果、スムージング処理が達成され、斜線(主走査方向および副走査方向に交差する方向に連続する画素)などの直線画像はシャープに表現され、曲線画像は滑らかに表現されることとなる。
【0027】
この実施形態では、画像データに含まれる画像(たとえば、曲線画像)を構成する画素が画像領域の端辺を構成するときには、その画素から画像領域外に連続する画像が存在するか否かが判別されて、存在するであろう画像が予測される。そして、予測した画像が存在することを前提として、その予測した画像および画像領域内の画像に基づいて、画像端の画素に対するスムージング処理が施される。
【0028】
これにより、図1(b)に示すように、画像の中央部のみならず、AやBで示すような画像領域の端辺部分の画素が、破線で示す2次曲線の画像に近似するよう修正されることとなるので、有効なスムージング処理を施すことができる。
また、この実施形態では、画像領域の端辺に接している画素よりも1列外側の1ライン分の画素について、画像端の画素に連続する画素であるか否かが予測される。画像領域の端辺を構成する画素のスムージングのためには、この実施形態のように、画像領域外の1ライン分の画素を予測すれば十分である。これにより、画像領域外に連続する画像を予測するために用いるラインメモリ2の使用量を抑制することができる。
【0029】
図5は、画像領域の左上部に存在する画像の他の例を示す図である。また、図6は、図5に示す画像領域内の画像から予測できる画像領域外の画像の態様を示す図である。
図5に示すような画像に基づいて連続画像予測を行った場合、画像領域外に存在するであろう画像として、たとえば、図6(a)に破線で示すような2次曲線、図6(b)に破線で示すような3次曲線、および図6(c)に破線で示すような楕円といった3種類の画像を予測することができる。画像領域外に連続するであろう画像が、図6(a)に破線で示すような2次曲線であると仮定した場合には、連続画像予測により、被予測画素W2が、画像領域の左辺を構成する画素から画像領域外に連続する画素と予測され、被予測画素V2が、画像領域の上辺を構成する画素から画像領域外に連続する画素と予測される。画像領域外に連続するであろう画像が、図6(b)に破線で示すような3次曲線であると仮定した場合には、連続画像予測により、被予測画素W3が、画像領域の左辺を構成する画素から画像領域外に連続する画素と予測され、被予測画素V3が、画像領域の上辺を構成する画素から画像領域外に連続する画素と予測される。画像領域外に連続するであろう画像が、図6(c)に破線で示すような楕円であると仮定した場合には、連続画像予測により、被予測画素W4,W5,W6が、画像領域の左辺を構成する画素から画像領域外に連続する画素と予測され、被予測画素V4,V5が、画像領域の上辺を構成する画素から画像領域外に連続する画素と予測される。
【0030】
このように、画像領域内の画像から画像領域外に連続する画像が複数種類予測された場合、予測すべき画像とは異なる画像に近似させるようにスムージング処理が施されると、所望の画像が得られなくなってしまう。
そこで、この実施形態では、画像領域外に存在するであろう画像が複数種類予測された場合には、スムージング処理を施すか否かを選択することができるようになっている。したがって、スムージング処理を施さないと選択すれば、予測すべき画像とは異なる画像に近似させるようにスムージング処理が施されて、所望の画像が得られなくなるのを防止できるので、スムージング処理を施すと選択された場合にのみ有効なスムージング処理を施すことができる。
【0031】
また、この実施形態では、画像領域外に存在するであろう画像が複数種類予測された場合には、それらの複数種類の画像のうち、いずれの画像を用いてスムージング処理を施すかを決定することができるようになっている。したがって、予測すべき画像を用いてスムージング処理を施すよう決定すれば、予測すべき画像とは異なる画像に近似させるようにスムージング処理が施されて、所望の画像が得られなくなるのを防止できるので、有効なスムージング処理を施すことができる。
【0032】
スムージング処理を施すか否かの選択、および、予測された複数種類の画像のうちいずれの画像を用いてスムージング処理を施すかの決定は、たとえば、当該デジタル複写機に備えられた操作部をユーザが操作することにより行われる。すなわち、画像領域外に存在するであろう画像が複数種類予測された場合には、当該デジタル複写機に備えられた表示部にその旨の表示がされ、その表示を確認したユーザは、操作部を操作することにより、スムージング処理を施すか否かの選択、および、スムージング処理を施すのであればいずれの画像を用いてスムージング処理を施すかの決定を行うこととなる。このように、ユーザの選択操作に応じて、予測した複数種類の画像のうちいずれの画像を用いてスムージング処理を施すかを決定するような構成とすることにより、所望の画像が得られなくなるのを確実に防止できるので、有効なスムージング処理を施すことができる。
【0033】
ただし、上記のように、画像領域外に存在するであろう画像が複数種類予測された場合に、スムージング処理を施すか否かの選択、および、予測された複数種類の画像のうちいずれの画像を用いてスムージング処理を施すかの決定を同時に行うような構成に限らず、スムージング処理を施すと選択された場合にのみ、予測された複数種類の画像のうちいずれの画像を用いてスムージング処理を施すかの決定を行うことができるような構成であってもよい。
【0034】
また、画像領域外に存在するであろう画像が複数種類予測された場合に、スムージング処理を施すか否かの選択は行わず、予測された複数種類の画像のうちいずれの画像を用いてスムージング処理を施すかの決定のみを行うような構成であってもよい。この場合、画像領域外に存在するであろう画像が複数種類予測された場合でも、スムージング処理が必ず行われることとなる。
【0035】
スムージング処理を施すか否かの選択、および、予測された複数種類の画像のうちいずれの画像を用いてスムージング処理を施すかの決定は、ユーザの操作により行うような構成に限らず、予め定める条件を満たすか否かに基づいて、CPUの制御により自動的に行われるようになっていてもよい。たとえば、画像領域外に存在するであろう画像が複数種類予測された場合、スムージング処理を施さないと自動的に選択されるようになっていてもよい。
【0036】
図7は、図5に示す画像に対するスムージング処理後の画像を表わした図である。
図6(a)〜(c)に示すように、画像領域外に存在するであろう画像が複数種類予測された場合に、ユーザが、図6(a)に示す被予測画素W2,V2を予測すべき画像として決定した場合には、それらの予測した画像および画像領域内の画像に基づいて、画像端の画素に対するスムージング処理が施されることにより、当該画像が図7(a)に示すような画像に修正される。このスムージング処理後の画像は、図7(a)に破線で示す2次曲線に近似するよう修正されていることが分かる。
【0037】
ユーザが、図6(b)に示す被予測画素W3,V3を予測すべき画像として決定した場合には、それらの予測した画像および画像領域内の画像に基づいて、画像端の画素に対するスムージング処理が施されることにより、当該画像が図7(b)に示すような画像に修正される。このスムージング処理後の画像は、図7(b)に破線で示す3次曲線に近似するよう修正されていることが分かる。
【0038】
ユーザが、図6(c)に示す被予測画素W4,W5,W6,V4,V5を予測すべき画像として決定した場合には、それらの予測した画像および画像領域内の画像に基づいて、画像端の画素に対するスムージング処理が施されることにより、当該画像が図7(c)に示すような画像に修正される。このスムージング処理後の画像は、図7(c)に破線で示す楕円に近似するよう修正されていることが分かる。
【0039】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、この画像処理装置は、デジタル複写機のみならず、レーザプリンタなど電子写真プロセスを利用した画像形成装置に広く適用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(a)は、画像端を構成する画素からなる画像領域の端辺付近を表す図であり、(b)は、この発明のスムージング処理後の画像部分を表わした図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る画像処理装置が備えられたデジタル複写機の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図3】ラインメモリに記憶された画像左上端近くの画像を表す図である。
【図4】連続画像予測の方法を説明するための図である。
【図5】画像領域の左上部に存在する画像の他の例を示す図である。
【図6】図5に示す画像領域内の画像から予測できる画像領域外の画像の態様を示す図である。
【図7】図5に示す画像に対するスムージング処理後の画像を表わした図である。
【図8】(a)は、画像端を構成する画素からなる画像領域の端辺付近を表す図であリ、(b)は、従来のスムージング処理後の画像部分を表わした図である。
【符号の説明】
【0041】
1 画像メモリ
2 ラインメモリ
3 画像端画素判別部
4 スムージング演算部
5 PWM処理部
6 レーザコントローラ
7 LSU出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに含まれる曲線画像を構成する画素が、画像領域の端辺を構成する画素であるかどうかを判定する曲線端辺画素判定手段と、
上記曲線端辺画素判定手段により画像領域の端辺を構成する画素と判定された画素から画像領域外に連続する画像が存在するか否かを判別して、存在するであろう画像を予測する画像予測手段と、
上記画像予測手段により予測した画像が存在することを前提として、その予測した画像および画像領域内の画像に基づいて、スムージング処理を施すスムージング処理手段と
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
上記画像予測手段は、上記曲線端辺画素判定手段により画像領域の端辺を構成する画素と判定された画素から画像領域外に連続する画像が存在するか否かを判別して、画像領域外に存在するであろう1ライン分の画像を予測するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−5750(P2006−5750A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181307(P2004−181307)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】