説明

画像処理装置

【課題】外部記憶装置に保存された複数の画像ファイルを読み出して一旦転送用バッファに格納して1つの画像ファイルに合成する画像処理装置において、全データサイズが転送用バッファのメモリ容量を超える複数の画像ファイルを1つの画像ファイルに合成することができる画像処理装置を提供すること。
【解決手段】本発明の画像処理装置1は、バッファ17に格納可能な分割画像データ21と、複数の分割画像データ21の属性情報を含むヘッダ22と、からなる文書データ23が複数保存されたPC15から、分割画像データ21とヘッダ22とをLAN16を介してバッファ17にファイル単位で読み出し、読み出された分割画像データ21を複製して順次PC15に転送し、複製された全複製分割データ25の属性情報を含む合成ヘッダ24をバッファ17に生成し、PC15に合成すべきデータがなくなった場合に、合成ヘッダ24をPC15に転送するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関し、詳しくは、ネットワークを介して通信可能に接続された外部記憶装置に保存された複数の画像ファイルを読み出して1つの画像ファイルとして合成したものを前記外部記憶装置に転送する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピーやファクシミリ送受信等の複数の機能を有する複合機(MFP:Multi Function Peripherals)などが備える画像処理装置には、読み取った原稿の画像データから、例えば、TIFF(Tagged Image File Format)形式等の画像ファイルを生成して自装置内の画像メモリに保存して管理するものがある。画像処理装置の画像メモリに保存されるTIFF形式等の画像ファイルは、画像データと該画像データの属性情報を含むヘッダとからなり、複数枚の原稿を読み取って得た複数の画像データを1つの画像ファイルとしてまとめることができる。したがって、このような形式の画像ファイルは、画像処理装置において読み取った原稿の画像データを保存・管理する場合に大変有用である。
【0003】
ところで、画像処理装置の画像メモリのメモリ容量は限られているため、生成した全ての画像ファイルを保存することはできない。また、画像メモリはビット単価が高く、画像メモリのメモリ容量を大きくするにはコストがかかる。そこで、生成した画像ファイルをLAN(Local Area Network)等のネットワークを介してビット単価が安いHDD(Hard Disk Drive)等の大容量のストレージを備えた外部記憶装置にSMB(Serber Message Block)プロトコル等の通信プロトコルを用いて転送することにより、多数の画像ファイルを効率的に保存・管理することができる。
【0004】
一般に、画像処理装置と外部記憶装置との間でネットワークを介してデータ転送する場合、画像処理装置にデータ転送用のバッファを設けておき、転送するデータを転送用バッファに一旦格納してから外部記憶装置に転送する(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の画像処理装置は、外部記憶装置に格納された画像データの任意の画像領域に対してフィルタ処理等の画像処理を行う場合に、該画像領域のデータを転送用バッファのメモリ容量よりも小さい所定のブロック単位で読み出して画像処理を行い、該画像処理を行ったブロック単位のデータを転送用バッファに格納し、転送用バッファに所定ブロック数のデータが格納されると外部記憶装置に転送するものである。この画像処理装置によると、前記画像領域の全データに対してブロック単位で画像処理をして転送するため、転送用バッファのメモリ容量を超えるデータサイズの画像データの処理・転送が可能である。
【特許文献1】特開2002−328881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように外部記憶装置に保存された複数の画像ファイルを1つの画像ファイルに合成して、合成した画像ファイルを外部記憶装置に転送する場合、合成した画像ファイルのヘッダを生成するために、合成する複数の画像ファイルを全て読み出して転送用バッファに一旦格納する必要がある。そのため、特許文献1の画像処理装置のように、転送用バッファのメモリ容量を超えるデータサイズの画像ファイルを処理して外部記憶装置に転送することはできず、合成可能な画像ファイルのデータサイズが転送用バッファのメモリ容量に制限されるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ネットワークを介して接続された外部記憶装置に保存された複数の画像ファイルを読み出して一旦転送用バッファに格納して1つの画像ファイルに合成する画像処理装置において、全データサイズが転送用バッファのメモリ容量を超える複数の画像ファイルを1つの画像ファイルに合成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置は、転送用バッファに格納可能なデータサイズの分割画像データと、複数の前記分割画像データの属性情報を含むヘッダと、からなる文書データが複数保存された外部記憶装置から、前記分割画像データとヘッダとをネットワークを介して転送用バッファにファイル単位で読み出す読出手段と、該読出手段により読み出された分割画像データを複製して順次前記外部記憶装置に転送する分割画像データ複製・転送手段と、該分割画像データ複製・転送手段により複製された全複製分割データの属性情報を含む合成ヘッダを転送用バッファに生成する合成ヘッダ生成手段と、前記外部記憶装置に合成すべきデータがなくなった場合に、前記合成ヘッダを前記外部記憶装置に転送する合成ヘッダ転送手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、前記合成ヘッダ生成手段は、前記読出手段によりヘッダが読み出される度に前記合成ヘッダに含まれる属性情報を更新して合成ヘッダを生成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1の画像処理装置によれば、外部記憶装置に格納された複数の文書データのヘッダと分割画像データをファイル毎に読み出し、読み出した分割画像データを複製して複製分割画像データを外部記憶装置に転送し、複製分割画像データの属性情報を含む合成ヘッダを生成し、生成した合成ヘッダを外部記憶装置に転送するため、全データサイズが転送用バッファのメモリ容量を超える複数の画像ファイルを1つの画像ファイルに合成することができる。
【0010】
請求項2記載の画像処理装置によれば、請求項1記載の画像処理装置の効果に加えて、ヘッダが読み出される度に属性情報を更新して合成ヘッダを生成するため、合成されるヘッダに含まれる属性情報を順次追加して全複製画像データの属性情報を含む合成ヘッダを効率良く生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る画像処理装置について図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置1の構成例を示したブロック図である。この画像処理装置1は、図示するように、制御部(CPU:Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、読取部4、コーデック(CODEC:Coder and Decoder)5、RAM(Random Access Memory)6、LAN I/F(Local Area Network Interface)7、画像メモリ8、通信部9、操作部10、表示部11、及び記録部12を備えており、各部2乃至12はバス13によって通信可能に接続されている。また、画像処理装置1は、大容量の記憶装置であるHDD14を備えたPC(外部記憶装置)15とLAN16を介して通信可能に接続されている。
【0012】
制御部2は、画像処理装置1を構成する各部を制御する。ROM3は、制御部2によって画像処理装置1の各部が制御されるための制御プログラムを格納している。
【0013】
読取部4は、原稿の画像データを読み取るためのものである。この読取部4は、図示しないが、原稿の画像データを読み取るためのフラットベッド読取部(FBS:Flat Bed Scanner)と、自動原稿搬送装置(ADF:Automatic Document Feeder)と、を備えている。フラットベッド読取部には、原稿が載置される透明な原稿載置板と、自動原稿搬送装置が搬送する原稿が通過する透明な透光板が設けられている。自動原稿搬送装置の原稿トレイに載置された原稿は、1枚ずつ順次透光板上に搬送され、原稿の画像がフラットベッド読取部内に設けられたCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサにより読み取られ、画像データとして出力される。なお、CCDラインセンサにより原稿載置板に載置された原稿の画像データを読み取ることもできる。
【0014】
コーデック5は、画像データをMH(Modified Huffman)、MR(Modified READ)、MMR(Modified Modified READ)、JBIG(Joint Bi-level Image Group)方式等により符号化(エンコード)・復号(デコード)する機能を有しており、読取部4で読み取られた原稿の画像データを符号化し、符号化された画像データを復号する。また、コンピュータで一般的に使用される画像フォーマットであるTIFF形式やPDF(Portable Document Format)形式にも対応して画像データを符号化、又は復号する。
【0015】
RAM6は、制御部2の主メモリ、ワークエリア等として機能するものであり、バッファ17を備えている。このバッファ17は、画像処理装置1とPC15との間でSMBプロトコル等の通信プロトコルを用いてデータ転送をする際に、転送するデータを一旦格納する転送用バッファである。
【0016】
LAN I/F7は、LAN16と画像処理装置1とを通信可能に接続するインターフェースである。LAN16には、HDD14を備えたPC15が設置されており、このPC15のHDD14にバッファ17から転送されたデータが格納される。画像メモリ8は、コーデック6において符号化された画像データ等を格納する。また、PC15のHDD14から読み出したデータを格納することもできる。
【0017】
通信部9は、モデム18及びNCU(Network Control Unit)19を備えている。モデム18は、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCU19は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Network)20に接続されている。この通信部9は、ファクシミリ送受信を行う際に機能する。
【0018】
操作部10は、画像処理装置1の各種設定を行うためのカーソルキーや、コピーやファクシミリ送信の指示等を入力する各種操作キー等を備えており、表示部11と連動している。ユーザによる各種の入力操作は、この操作部10において行われる。表示部11は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、LEDランプ等からなり、各種の設定画面や画像処理装置1の動作状態等を文字や図形、光等で表示する。また、表示部11の液晶表示装置をタッチパネル式のものとし、操作部10の代わりに表示部11から画像処理装置1の各種設定・操作を行うようにしてもよい。記録部12は、読取部4で読み取った原稿の画像データや、通信部9によりファクシミリ受信した原稿の画像データの画像を用紙に記録するものである。この記録部12における記録方式としては、例えば、電子写真方式やインクジェット記録方式等の各種の記録方式を用いることができる。
【0019】
以上のように構成された画像処理装置1において、読取部4の自動原稿搬送装置の原稿トレイに載置された原稿の画像データを読み取ってTIFF形式の画像ファイル(以下、「TIFFファイル」という。)としてPC15のHDD14に転送するように設定された状態で読取開始命令があった場合に行われる処理動作について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この画像処理装置1の各部の処理動作は、ROM3に格納されている制御プログラムに基づいて制御部2が発行する制御命令に従って行われる。
【0020】
まず、制御部2は、自動原稿搬送装置の原稿トレイに載置された原稿の画像データを読み取ってPC15のHDD14に転送するように設定された状態でユーザにより操作部10から読取開始命令が入力されると(S1:YES)、図3に示すように、読取部4により原稿の画像データを読み取り、読み取った原稿の画像データをコーデック5により、例えばMMR方式により符号化する(S2)。次いで、符号化された画像データを順次バッファ17に格納する(S3)。
【0021】
そして、制御部2は、バッファ17に格納された画像データのデータサイズがバッファ17に格納可能な所定のデータサイズ(以下、所定サイズともいう。)になったか否かを判断する(S4)。格納された画像データのデータサイズが所定サイズになったと判断した場合(S4:YES)、すなわち、読み取った原稿の画像データを所定サイズに分割した分割画像データ21をバッファ17に格納したと判断した場合、バッファ17にヘッダ22があるか否かを判断する(S5)。
【0022】
このヘッダ22とは、図4に示すように、TIFFファイルにおける、狭義のヘッダとIFDからなるものである。狭義のヘッダとは、TIFFファイルの先頭に1つだけ存在するものであり、TIFFファイル中のバイトオーダーや当該TIFFファイルに存在する最初のIFDへのオフセット値等が記述される。IFDは、分割画像データ21に関する様々な属性情報が記述されたエントリを含んでおり、該IFDに含まれるエントリの個数と、その個数分のエントリと、次のIFDへのオフセット値が順に記述される。エントリは、分割画像データ21に1対1に対応するものであり、分割画像データ21の型、分割画像データ21に含まれる値の数、分割画像データ21の値又は値へのオフセット値といった属性情報が記述される。
【0023】
制御部2は、S5において、バッファ17にヘッダ22がないと判断した場合(S5:NO)、ヘッダ22をバッファ17に生成する(S6)。この際のヘッダ22のIFDは、エントリの個数が0となっている。一方、バッファ17にヘッダ22があると判断した場合は(S5:YES)、S6をスキップする。また、S4において、バッファ17に格納された画像データのデータサイズが所定サイズになっていないと判断した場合は(S4:NO)、読み取った全ての原稿の画像データをバッファ17に格納したか否かを判断する(S7)。読み取った全ての原稿の画像データをバッファ17に格納したと判断した場合(S7:YES)、S5以降の処理を行う。逆に、読み取った全ての原稿の画像データをバッファ17に格納していないと判断した場合は(S7:NO)、S3以降の処理を行う。
【0024】
次いで、制御部2は、図3に示すように、バッファ17に格納した分割画像データ21をファイルとして、例えばSMBプロトコルを用いてPC(外部記憶装置)15に転送する(S8)。例えば、自動原稿搬送装置の原稿トレイに載置された3枚の原稿を読み取る際に、バッファ17に格納可能な所定サイズが原稿4分の3枚分の画像データのデータサイズの場合は、読み取った原稿3枚分の画像データを4分の3枚分ずつのデータサイズに分割した分割画像データ21がバッファ17に格納される度に順次ファイル名が付されてPC15のHDD14に転送され、HDD14に分割画像データ21のファイルが4つ保存される。
【0025】
制御部2は、分割画像データ21の転送後、ヘッダ22に含まれる属性情報を更新する(S9)。具体的には、ヘッダ22のIFDに記述されたエントリの個数を1つ増加させるとともに、転送した分割画像データ21に対応するエントリをIFDに追加して属性情報を更新する。そして、読み取った全ての画像データをバッファ17に格納したか否かを判断する(S10)。読み取った全ての画像データをバッファ17に格納していないと判断した場合(S10:NO)、S3以降の処理を行う。一方、読み取った全ての画像データをバッファ17に格納したと判断した場合は(S10:YES)、全分割画像データ21の属性情報を含むヘッダ22をファイルとしてPC15に転送する(S11)。
【0026】
以上の処理によって、読取部4により読み取った原稿の画像データは、図5に示すように、1つのヘッダ22のファイルと複数の分割画像データ21のファイルの集まりである文書データ23としてPC15のHDD14に保存される。なお、この文書データ23は、ファイル毎のデータの集まりであって1つのTIFFファイルとしては保存されていない。しかし、ヘッダ22は、当該文書データ23中の全分割画像データ21の属性情報を含んでおり、画像処理装置1によりHDD14から文書データ23を読み出して所定の処理を行うことによってTIFFファイルとして扱うことができる。
【0027】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態に係る画像処理装置1によれば、全データサイズがバッファ17のメモリ容量を超える画像データをファイルとしてバッファ17からPC15のHDD14に転送して保存することができる。また、読み取った画像データをTIFFファイルとしてPC15のHDD14に転送して保存した場合と同様に、HDD14に保存された文書データ23を読み出して紙に記録したり、ファクシミリ送信する等、管理することができる。
【0028】
次に、PC15のHDD14に文書データ23が複数保存されており、画像処理装置1において、それら複数の文書データ23を1つの合成文書データに合成する命令が入力された場合の各部の処理動作について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この画像処理装置1の各部の処理動作は、ROM3に格納されている制御プログラムに基づいて制御部2が発行する制御命令に従って行われる。
【0029】
まず、制御部2は、PC15のHDD14にファイル毎に保存された複数の文書データ23を1つの合成文書データに合成する命令がユーザにより操作部10から入力されると(S21)、PC(外部記憶装置)15のHDD14に合成すべきデータがあるか否かを判断する(S22)。HDD14に合成すべきデータがあると判断した場合(S22:YES)、HDD14からファイル単位で合成すべきデータをバッファ17に読み出す(S23)。一方、HDD14に合成すべきデータがないと判断した場合は(S22:NO)、処理を終了する。
【0030】
制御部2は、ファイル単位のデータの読出し後、読み出したデータがヘッダ22であるか否かを判断する(S24)。読み出したデータがヘッダ22であると判断した場合(S24:YES)、バッファ17に合成ヘッダ24があるか否かを判断する(S25)。この合成ヘッダ24とは、新規に生成されるヘッダと、読み出したヘッダ22に含まれるIFDからなるものである。バッファ17に合成ヘッダ24がないと判断した場合(S25:NO)、読み出したヘッダ22に基づいて合成ヘッダ24をバッファ17に生成する(S26)。一方、バッファ17に合成ヘッダ24があると判断した場合は(S25:YES)、読み出したヘッダ22に基づいて合成ヘッダ24に含まれる属性情報を更新する(S27)。具体的には、読み出したヘッダ22中のIFDを合成ヘッダ24のIFDに付加することによって属性情報を更新する。
【0031】
また、制御部2は、S24において、読み出したデータがヘッダ22でないと判断した場合は(S24:NO)、すなわち、読み出したデータが分割画像データ21であると判断した場合は、分割画像データ21を複製した複製分割画像データ25をファイルとしてPC15に転送する(S28)。この複製分割画像データ25とは、読み出した分割画像データ21に別のファイル名を付して複製したものであり、読み出した分割画像データ21のファイルをそのままHDD14に転送して上書きしないようにしている。具体的には、図7に示すように、文書データA23と文書データB23を合成する場合に、バッファ17から読み出したデータが分割画像データ(A_1)21であるとき、分割画像データ(A_1)を複製した複製分割画像データ(A_1’)25をPC15に転送する。なお、最初に複製分割画像データ25をPC15に転送する際に、PC15のHDD14内に新規にディレクトリを作成し、そのディレクトリ内に生成した合成ヘッダ24及び複製分割画像データ25を転送して書き込むようにしてもよい。
【0032】
次いで、制御部2は、HDD14に合成すべきデータがあるか否かを判断する(S29)。HDD14に合成すべきデータがあると判断した場合(S29:YES)、S23以降の処理を行う。一方、HDD14に合成すべきデータがないと判断した場合は(S29:NO)、合成ヘッダ24をファイルとしてPC15に転送して(S30)、1つの合成ヘッダ24のファイルと複数の複製分割画像データ25のファイルの集まりである合成文書データをHDD14に保存する。なお、この合成文書データは、文書データ23と同様に、画像処理装置1によりHDD14から読み出して所定の処理を施すことによって1つのTIFFファイルとして扱うことができる。
【0033】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態に係る画像処理装置1によれば、バッファ17のメモリ容量に制限されることなく、PC15のHDD14に保存された複数の文書データ23を1つの合成文書データに合成することが可能である。
【0034】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施の形態では、ヘッダ22及び合成ヘッダ24は、TIFFファイルにおけるヘッダを含むものとしたが、例えばPDF(Portable Document Format)形式等の画像ファイルのヘッダを含むものとしてもよい。また、ヘッダ22は、1つのIFDに複数のエントリが含まれるものとしたが、1つのIFDに1つのエントリが含まれるものとして、1つのヘッダ22に複数のIFDが含まれるものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、ネットワークを介して外部記憶装置と通信可能に接続された画像処理装置を備える複合機等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成例を示したブロック図である。
【図2】原稿の画像データを読み取ってTIFFファイルとして外部記憶装置に転送するように設定された状態で読取開始命令が入力された場合に画像処理装置において行われる処理動作を示すフローチャートである。
【図3】読取部により読み取った原稿の画像データの流れを示す模式図である。
【図4】ヘッダ及び分割画像データのデータ構造を示す説明図である。
【図5】外部記憶装置に保存された文書データを示す説明図である。
【図6】外部記憶装置に格納された複数の文書データを1つの合成文書データに合成する命令が入力された場合に画像処理装置において行われる処理動作を示すフローチャートである。
【図7】外部記憶装置に格納された複数の文書データを1つの合成文書データに合成する場合のデータの流れを示す模式図である。
【符号の説明】
【0037】
1 画像処理装置
2 制御部
4 読取部
6 RAM
14 HDD
15 PC
16 LAN
17 バッファ
21 分割画像データ
22 ヘッダ
23 文書データ
24 合成ヘッダ
25 複製分割画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送用バッファに格納可能なデータサイズの分割画像データと、複数の前記分割画像データの属性情報を含むヘッダと、からなる文書データが複数保存された外部記憶装置から、前記分割画像データとヘッダとをネットワークを介して転送用バッファにファイル単位で読み出す読出手段と、該読出手段により読み出された分割画像データを複製して順次前記外部記憶装置に転送する分割画像データ複製・転送手段と、該分割画像データ複製・転送手段により複製された全複製分割データの属性情報を含む合成ヘッダを転送用バッファに生成する合成ヘッダ生成手段と、前記外部記憶装置に合成すべきデータがなくなった場合に、前記合成ヘッダを前記外部記憶装置に転送する合成ヘッダ転送手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記合成ヘッダ生成手段は、前記読出手段によりヘッダが読み出される度に前記合成ヘッダに含まれる属性情報を更新して合成ヘッダを生成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−94152(P2006−94152A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277267(P2004−277267)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】