説明

画像処理装置

【課題】カメラで撮像した画像を処理する画像処理装置において、検査処理の高速化を図ると共に、対象物の画像処理の判定データと撮像画像の画像データの整合性を高める。
【解決手段】画像処理装置1は、撮像装置2により撮像された対象物の画像データに画像番号を付加し画像処理部4と画像表示部5に分岐転送する画像分岐部31と、この画像データの画像検査の判定データに画像番号を付加して画像表示演算部52に伝送する画像処理演算部42と、この画像データを表示画像として記憶する表示画像保持部54とを備える。画像表示演算部52は、判定データの画像番号と同じ番号の画像データを表示画像保持部54で検索し、この画像データに判定データを重畳して表示出力を行う。これにより、画像処理と画像表示の並列処理による検査処理の高速化が図れると共に、判定データと撮像画像の画像データとを確実に整合して表示出力することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラで撮像した対象物の画像データを画像処理して、対象物の外観検査等の製品検査を行うために用いられる画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の画像検査装置は、製品の製造工程などにおいて、部品等の品種の識別、異種部品の混入検出、組立て作業や製品検査の自動化のため、対象物をカメラで撮像し、対象物の面積、形状、位置など、画像データの特徴を測定・認識することで、良品、不良品の判定に用いられている。このような検査において、検査対象物の微細化、検査の高精度化、及び広い視野検査の要望などに伴って、例えば、200万画素等の高精度カメラが必要とされている。しかし、このような高精度カメラの画像データは、そのデータ容量(例えば、200万画素のカラー画像で約5.8Gバイト)が極めて大きくなるため、画像処理装置のアクセスするデータの増加や、演算処理そのもののスピードの低下、及び処理ブロック間のデータ転送のスループットの限界に伴うバススピード不足などにより、検査処理速度全体の低下を招く。
【0003】
従来の画像処理システムとして、例えば、特許文献1に示されるように、カメラからの画像データを記憶する第1のVRAM(VIDEO RAM)と、これに接続された第1のCPU及びメインメモリとから成る画像処理装置と、前記と同様の画像データを記憶する第2のVRAMと、これに接続された第2のCPU及びメインメモリからなる画像出力処理部とを備え、第1のCPUによる画像処理により外観検査測定を行う一方、並行して第2のCPUによる画像データの出力処理を行い、画像処理を高速化するものが知られている。しかしながら、このシステムでは、画像処理部と通信部にそれぞれ画像データの同じ容量の記憶領域を設け、これらの記憶領域に1対1に同じ画像番号を付与し、この領域に付けた画像番号のみで画像処理の判定データと表示画像の画像データをリンクさせるので、画像処理部と通信部において、同じだけの画像メモリ量を必要とした。このため、カメラの高画質化に伴い撮像画像の画素数が増えて画像データの容量が大きくなると、画像メモリ量をますます多く必要とする。また、連写して画像を撮像し、画像処理は連写回数だけ行い、画像表示は連写した画像のうちの1つしか行わない、処理側と表示側で非同期的に動作が実行(独立した実行)される場合においては、記憶領域の画像番号が同じでも処理側と、表示側で記憶された画像がリンクしなくなり、2つの記憶領域間の対による管理が困難となる。
【0004】
また、特許文献2に示されるように、画像処理検査装置として、TVカメラからの画像データを蓄積し、検査処理を行うための処理用画像データメモリと、表示を行うための表示用画像データメモリとをそれぞれ複数画面分有し、これらの処理用画像データメモリと表示用画像データメモリとを順次、かつサイクリックに切換えて画像の処理と表示を行うものが知られている。しかしながら、この画像処理検査装置では、処理用画像データメモリ及び表示用画像データメモリにそれぞれ複数画面分のメモリを用いるので、多くの画像メモリを必要とすると共に、これらのメモリを切換えるための複数のスイッチを必要とするため、回路構成が複雑化し、コストアップとなっていた。
【0005】
また、特許文献3に示されるように、画像情報を格納する画像記憶装置と、処理する画像情報を記憶する画像処理用メモリと、記憶された画像情報の画像処理を行う画像処理部とを備えて画像処理を高速化する画像処理装置が知られている。しかし、この画像処理装置は、画像処理のみに複数の矩形領域の識別番号と、この矩形領域を格納した画像記憶装置の記憶単位のアドレスとの対応表を備えて処理するため、処理画像と表示画像との整合性を取ることが難しかった。
【特許文献1】特開2003−98098号公報
【特許文献2】特開平10−32810号公報
【特許文献3】特開平9−259262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、対象物の画像処理において、検査処理の高速化を図ると共に、表示画像の画像データと画像処理の判定データとを確実に整合して表示できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、対象物を撮像する撮像装置と、この撮像装置により撮像された画像データを後続の画像処理部と画像表示部に送出する撮像処理部と、前記撮像処理部からの画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像データによる画像を表示する画像表示部と、を備えた画像処理装置であって、前記撮像処理部は、前記撮像装置から出力される画像データを一時格納し、この画像データを分岐して前記画像処理部及び画像表示部に順次転送する画像分岐部と、この画像分岐部の指示により画像番号を発生し、この画像番号を前記画像分岐部に転送する画像番号発生部と、を備え、前記画像処理部は、前記画像分岐部から転送される画像データを格納する演算用記憶部と、この演算用記憶部に格納された画像データを用いて画像検査のための画像処理を実行し、この画像処理の判定データを出力する画像処理演算部と、を備え、前記画像表示部は、前記画像分岐部から転送される画像データと画像番号を格納する表示用記憶部と、この表示用記憶部に格納された画像データを表示処理し、その表示処理結果を外部表示機器に出力する画像表示演算部と、を備え、前記画像分岐部は、分岐する画像データの画像に画像番号を付加して前記画像処理部と画像表示部に分岐転送し、前記画像処理演算部は、前記画像番号を前記画像処理の判定データに付加して前記画像表示演算部に転送し、前記表示用記憶部は、前記画像分岐部より分岐転送された画像番号の付加された画像データを記憶し、前記画像表示演算部は、前記画像処理演算部から転送された判定データに付加された画像番号を前記表示用記憶部に格納された画像データ中の画像番号と検索比較し、同一画像番号が検出された場合に、前記表示用記憶部に格納された該同一番号の画像データを画像表示するものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記画像表示部は、前記分岐転送された画像データの画像番号とその画像の格納位置を記憶する画像番号保持部をさらに備え、前記画像番号保持部は、前記画像データの画像番号を保持すると共に、この画像データの表示画像を保存する記憶場所を決定してこの表示画像を前記表示用記憶部に転送格納し、前記画像表示演算部は、前記画像処理演算部からの判定データに付加された画像番号を前記画像番号保持部で検索し、前記表示用記憶部に格納されている前記判定データの画像番号に対応する表示画像の格納位置を取得するものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置において、前記撮像処理部は、前記画像処理演算部から予め指定される画像の水平方向のライン数を保持し、前記画像分岐部からの画像データのライン数をカウントし、前記指定されたライン数の画像データを前記画像処理部に転送する転送ライン計数部をさらに備え、前記画像処理演算部は、前記転送ライン計数部から前記指定されたライン数の画像処理に必要な画像データの転送を受けると、画像処理を実行するものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記画像番号保持部は、前記画像分岐部からの画像データを前記表示用記憶部の記憶領域に格納すると、この記憶領域が格納済みであることを示すロック情報を記憶するロック情報記憶回路を備えると共に、このロック情報記憶回路に記憶されたロック情報に基づき前記画線分岐部から転送される画像データをロック状態でない前記表示用記憶部の記憶領域に格納するものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記画像表示演算部は、前記表示用記憶部の記憶領域に記憶された画像データの画像表示を実行した後、前記記憶領域が上書き可能になるように前記ロック情報記憶回路のロック情報を修正するものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の画像処理装置において、前記撮像処理部は、前記撮像装置からの画像データの入力信号を受け付けなくするための入力信号キャンセル回路をさらに備え、前記画像表示部は、前記画像番号保持部から前記画像分岐部へ撮像制御信号を伝達する撮像制御回路をさらに備え、前記ロック情報記憶回路が、前記表示用記憶部の全記憶領域がロック状態になったことを示すと、前記撮像制御回路は前記画像分岐部に撮像制御信号を送り、前記画像分岐部は、この撮像制御信号に基づき入力信号キャンセル信号を前記入力信号キャンセル回路に送り、この入力信号キャンセル回路により前記撮像処理部が入力信号を無視し、撮像された画像データの撮り込みを実行しないものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、画像処理部と画像表示部との並列処理で検査処理を高速化できると共に、画像処理部側の処理の判定データと画像表示部側の表示の画像データとをリンクさせることができるので、画像番号の検索により、常に、表示の画像データと処理の判定データとを確実に整合して表示出力することができる。また、画像処理側と画像表示側とを独立して非同期実行させた場合でも、画像番号検索により、処理結果と表示画像とを整合させて表示出力することができる。また、画像処理部は、少なくとも画像番号の付加された画像処理の判定データを保存しておけば、画像表示部で表示画像を検索できるので、画像表示部と対に同じ画像データを保持する必要がなく、必要な画像メモリを少なくできる。
【0014】
請求項2の発明によれば、画像番号検索を行うデータ管理構造の単純な画像番号保持部を備えたことにより、画像表示演算部に影響を与えることなく検索が行え、表示画像の高速検索が可能となる。また、画像番号保持部は、データ管理構造の単純であるので、ハード化が容易であり、このハード化によりさらに検索を高速化できる。
【0015】
請求項3の発明によれば、全体画像ではなく、必要なライン数の部分画像のみを画像処理するので、画像処理を高速化することができる。また、画像表示部には、画像全体が転送されるため、画像処理の高速化にもかかわらず処理結果と整合して画像全体を表示することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、表示用記憶部におけるロック状態の領域が明確になるので、表示用記憶部に記憶されている表示画像への上書きを防止することができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、表示用記憶部におけるロック状態の記憶領域を上書き可能にできるので、表示用記憶部の記憶可能領域が増え、表示画像を確実に記憶し、表示出力させることができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、ロック状態になると撮像処理部において、撮像装置からの入力信号の取り込みを中止させることができるので、画像処理のみが先行することを防ぐことができ、処理結果とこれに対応する表示画像の整合性を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置について図1、図2を参照して説明する。本実施形態の画像処理装置1は、製品製造ラインでの製品を検査対象とするもので、検査対象を撮像するカメラの撮像装置2、この撮像装置2からの画像データを後続の画像処理部4と画像表示部5に送る撮像処理部3、この撮像処理部3からの画像データの検査画像を画像処理する画像処理部4、前記画像データによる全体画像を表示処理する画像表示部5、画像処理部4の出力が接続される外部機器6、画像表示部5の出力を表示する外部表示機器7、及び撮像開始信号を発生する外部信号発生装置8を備えている。外部機器6は、画像処理部4に制御信号を送るプログラマブルコントローラ(以下、PLCという)などの制御装置からなり、外部表示機器7は、変換画像を表示するディスプレイ装置であり、外部信号発生装置8は、パソコンなどの制御信号を発生できる制御機器である。また、この画像処理装置1は、例えば、製造ラインなどの検査工程において、検査対象物の撮像画像の画像処理に基く、形状、面積、位置などの画像データの特徴の測定、認識、検査等に使用されるものである。
【0020】
撮像処理部3は、撮像装置2から出力される映像信号の画像データを一時格納し、この格納された画像データを2つに分岐し順次転送して出力する画像分岐部31と、この画像分岐部31の指示により画像番号を発生し、この画像番号を画像分岐部31に転送する画像番号発生部32と、外部信号発生装置8からの撮像開始信号を受付け、撮像装置2に撮像開始信号を送る入力信号受付部33と、を備える。画像分岐部31は、分岐する画像データの画像に画像番号発生部32で発生させた同じ画像番号を付加して画像処理部4と画像表示部5にそれぞれ分岐転送する。
【0021】
また、撮像処理部3は、ハード構成として、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(以下、FPGAという)(図示なし)で形成され、このFPGAにより画像分岐部31、画像番号発生部32、入力信号受付部33を構成する。このFPGAは、基本的には映像信号を画像メモリに格納し、CPUの演算に適したデジタル量に変換したのち、必要な各種デジタル信号処理を行う。そして、例えば、取り込んだ画像に管理するための番号を付加した映像信号を画像処理部4と画像表示部5へ分岐して転送するハードウェア回路、各種データを記憶するランダムアクセスメモリ(以下、RAMという)のデータにアクセスするインターフェース回路、RAMデータを他のRAMに転送するバス制御回路、ダイレクトメモリアクセス回路、及び入力信号を受け付けるデータの入出力(I/O)等を有している(以上、図示なし)。また、これらの処理は、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)などの高速プロセッサを使ってソフト的に実施することも可能である。ここでは、画像分岐部31からのデータ分岐においてタイムラグが発生するため、実用上問題とならない範囲のタイムラグでFPGAによるハード構成により、画像データの同時分岐を実現している。このFPGAは、自己の動作を制御するレジスタであるFPGAレジスタ34を保持する。
【0022】
画像処理部4は、撮像処理部3の画像分岐部31から転送される画像データを格納する演算用記憶部41と、この演算用記憶部41に格納された画像データを用いて画像検査のための画像処理を実行し、その画像処理結果を外部機器6に出力する画像処理演算部42とを備える。また、演算用記憶部41は、RAMで構成され、CPUの動作を規定するプログラム及びデータ、FPGAから得られる生画像/変換画像を格納する。また、画像処理演算部42は、CPUで構成され、外部機器6を使用するユーザ、又は外部機器6となるプログラマブルコントローラ(以下、PLCという)などの制御装置からの指示により、FPGAのFPGAレジスタの条件設定、RAM内のプログラムに従った画像処理等を実行する。そして、この画像処理演算部42における画像演算は、例えば、対象物の外観検査等において、予め用意されたテンプレート画像とのパターンマッチングを行い、その一致度で判定等を行い、製品の良品、不良品を区別し、その画像検査処理の判定データを外部機器6に出力すると共に、この判定データを画像表示部5の画像表示演算部52に送る。この判定データは、画像処理における検査結果データとして、判定結果以外にも検査処理結果の画像データ等を含むことができる。
【0023】
画像表示部5は、画像分岐部31から転送される画像番号が付加された全体画像の画像データを格納する表示用記憶部51と、この表示用記憶部51に格納された画像データを画像表示処理する画像表示演算部52と、この画像表示演算部52からの表示処理結果を外部表示機器に出力する画像表示出力部53とを備え、表示用記憶部51は、判定データに対応する表示画像の全体画像データを保持する表示画像保持部54を有する。表示用記憶部51は、RAMで構成され、グラフィック表示処理ICであるグラフィックスプロセッシングユニット(以下、GPUという)におけるグラフィック表示処理の動作を規定するデータ、FPGAから得られる生画像及び変換画像、さらにオーバーレイなどを施した表示画像を格納する。表示用記憶部51は、判定データに対応する表示画像の全体画像データを保持する表示画像保持部54と、画像分岐部31から転送さた画像番号が記憶されると共に表示画像保持部54に記憶された画像データを管理するためのFPGAによる管理レジスタ55と、を備える。表示画像保持部54は、RAMで構成され、各画像データを記憶する画像記憶領域56を有する。画像表示演算部52は、GPU又は高速描画ができるDSPなどから構成され、機能的には、画像に対し文字やメニューなどのオーバーレイ、画像の拡大及び縮小等を実行する。
【0024】
上記のように構成された画像処理装置1の動作手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。先ず、入力信号受付部33は、外部信号発生装置8からの撮像開始信号である外部信号を受信すると、入力信号受付部33内に設けられたノイズキャンセル回路(図示なし)で、外部信号に含まれる不要ノイズを低減した後(S1)、外部信号を受理し(S2)、撮像装置2に撮像開始のカメラトリガを与える(S3)。このカメラトリガにより撮像装置2で撮像された検査対象の画像データは、画像分岐部31に入力されて(S4)一時格納されると共に、その画像がカウントされて、画像データの中の各画像に画像番号発生部32で発生させた撮像順のシリアル番号が順次付加された後(S5)、2つに分岐されて画像処理部4と画像表示部5にバス転送される(S6)。これにより、画像処理部4と画像表示部5において、ともに同じ画像番号を持った画像データが両者間で同期して入力される。
【0025】
画像処理部4は、この転送された画像番号が付加された画像データを演算用記憶部41に格納し、画像処理演算部42がこの格納された画像データを用いて画像検査のための画像処理を実行する(S7)。この画像処理演算部42における画像処理では、予め用意されたテンプレート画像とのパターンマッチングを行いその一致度により良否を判定し、検査対象の画像検査を行う。さらに、画像処理演算部42は、この画像データの検査処理の判定データを外部機器6を出力すると共に、この判定データに対して処理された画像データの画像番号を付加し、結果に応じたグラフィック表示データを含む結果表示データを生成し(S8)、この結果表示データを含む判定データがどの画像データの判定データに対応するかを明確にして画像表示部5の画像表示演算部52に転送する。
【0026】
画像表示部5において、表示用記憶部51は、転送されてきた画像データより画像番号を取得し(S9)、この画像番号を管理レジスタ55に保存する(S10)。管理レジスタ55は、画像データの表示画像を保存する画像保存アドレスを算出し(S11)、表示画像保持部54に、この表示画像を保存する(S12)。画像表示演算部52は、画像処理演算部42から転送された判定データに付加された画像番号を表示画像保持部54に記憶された画像データ中の画像番号と検索比較し(S13)、同一画像番号が検出された場合に、表示用記憶部51に記憶された同一番号の画像データの画像格納アドレスを算出し(S14)、抽出した画像データに画像検査の判定データをオーバーレイして出力する。そして、このオ−バーレイされた画像は、画像表示出力部53に画像表示される(S15)。
【0027】
ここで、撮像された画像データにおける画像表示される画像データと画像検査の判定データの整合について説明する。撮像装置2で撮像された画像データA1は、画像分岐部31で画像番号(例えば、画像0)が付加された2つの同じ画像データのA2、A3に分岐されて、それぞれ画像処理部4と画像表示部5に転送されされる。先ず、画像処理部4に転送された画像番号付きの画像データA2(画像0)は、画像処理演算部42で演算処理されて検査され、その検査結果の判定データA4(結果0)は、入力された画像データA2(画像0)と同じ画像番号が付加されて画像表示演算部52に転送される。他方、画像表示部5に転送された画像データA3(画像0)は、図2に示すように、管理レジスタ55により画像データA3の画像番号に対応する同じ管理番号で管理されて、表示画像保持部54の画像記憶領域56に記憶され、表示画像として保持される。従って、画像処理演算部42からの判定データA4(結果0)の画像番号と、同じ画像番号の画像データA5(画像0)を検索して、この画像データA5(画像0)と判定データA4(結果0)を整合させ、両データをオーバーラップさせて画像データA6として画像表示出力部53に出力することができる。
【0028】
この整合された表示画像の画像データと判定データのオーバレイ表示により、撮像された検査対象物の全体画像のどこに欠陥があるかを即座に、明確に視認することができる。また、たとえ、2系統に分かれた並列処理において、画像処理プロセス及び画像記憶プロセスの途中で時間的ずれが生じたとしても、画像表示を行う最終表示においては、表示の画像データとその判定データとを整合させて表示することができる。また、表示画像の画像データの検索は画像番号だけで行うので、画像処理部4の演算用記憶部41では、少なくとも画像番号付きの判定データのみ記憶すればよく、表示用記憶部51のように記憶容量の大きい画像データの記憶を必要としないので、メモリ容量をさらに少なくすることができる。
【0029】
本実施形態によれば、画像分岐部31で画像データに画像番号を付加したことにより、画像処理部4側の画像処理の判定データと画像表示部5側の表示画像の画像データをデータ的にリンクさせることができるので、常に、表示画像の画像データと画像処理の判定データとを整合して表示出力することができる。
【0030】
また、データバスの2重化により、画像処理部と画像表示部を並列処理できるので、表示による画像処理速度の低下を防ぎ、画像処理速度を最速に保つことができる。また、検査画像と検査結果の両方を同時に表示することができ目視による検査結果の視認性を向上することができる。
【0031】
また、画像処理部4側と画像表示部5側とを非同期実行(独立した実行)させるような場合において、処理側と表示側は、1対1の対の画像データを保持しない場合が生じるが、このような場合でも、画像番号管理により、処理結果と表示画像とを整合させて表示出力することができる。また、逆に、この非同期実行を行った場合は、1対1の画像記憶に制限されることなく、必要な画像のみを記憶すればよいので、記憶メモリを低減することができ、かつ、独立して選択的に画像処理できるので、さらに高速検査処理が可能となる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置1について、図4を参照して説明する。本実施形態の画像処理装置1は、前記実施形態と基本的には同じ構成を成し、画像表示部5は、画像分岐部31からの画像データの画像番号とその画像データの格納位置のみを記憶し、画像データの表示画像を表示画像保持部54に転送する画像番号保持部57をさらに備えている。この画像番号保持部57は、RAMで構成され、FPGAで構成されるFIFO(First in First out)バッファ及び転送回路を備え、画像番号を保持し、この画像番号を管理するFPGAによる管理レジスタ58を有している。
【0033】
画像番号保持部57は、画像分岐部31からの画像データの中の画像番号を保持すると共に、全体画像の表示画像を保存する記憶場所を決定し、この表示画像をFIFOバッファと転送回路により表示画像保持部54の格納位置に順次転送する。また、画像表示演算部52は、画像処理演算部42からの判定データに付加された画像番号と同じ画像番号を画像番号保持部57において検索し、この検索により表示画像保持部54における同じ画像番号の画像データの格納位置を検出し、この検出された格納中の画像データを画像表示出力部53に出力する。
【0034】
画像表示部5における画像データの管理について、図5を参照して説明する。画像番号保持部57は、管理レジスタ58を備える。この管理レジスタ58は、基本的には、前記管理レジスタ55と同じ機能を持ち、画像データを画像番号と同じ番号の管理番号を備えて管理する。従って、画像番号保持部57において、画像処理演算部42からの判定データの画像番号と、画像番号保持部57の画像番号とを比較して、一致する画像番号を管理番号から検索することができ、前記実施形態と同様に、この検索された管理番号により表示画像保持部54から表示画像の画像データを随時出力することができる。
【0035】
ここで、本実施形態の画像処理装置1の動作手順について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6において、上述の図3のS9〜S11、及びS13、S14がS9A〜S11A、及び、及びS13A、S14Aに変った点を除いては同等である。画像番号保持部57は、画像分岐部31より転送されてきた画像データより画像番号を取得し(S9A)、画像データから画像番号を切り離して画像番号を管理レジスタ58に保持し(S10A)、管理レジスタ58は、画像データの表示画像を保存する表示画像保持部54の画像保存アドレスを算出し(S11A)、この表示画像を表示画像保持部54に保存する(S12)。また、画像番号保持部57は、画像処理演算部42からの判定データを画像表示演算部52から受けると、その判定データの画像番号を管理レジスタ58の管理番号データから検索し(S13A)、検出された管理番号データから表示画像保持部54の画像格納アドレスを算出し(S14A)、表示画像保持部54に記憶されている表示画像の画像データと判定データとを整合し、これらをオーバーラップして画像表示出力部53に表示する(S15)。
【0036】
本実施形態によれば、画像番号保持部57において画像番号と画像データの格納位置のみを記憶して画像検索するので、画像番号保持部57のデータ管理構造が簡単になり、検索を容易に行える。このため、画像表示演算部52で画像検索を行う場合に比べ、画像表示演算部52と独立して検索動作を行えるので、高速検索が可能となる。また、このデータ管理構造の単純化によりハード化が容易になり、これによりさらに検索を高速化できる。
【0037】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置1について、図7を参照して説明する。この画像処理装置1は、前記第2の実施形態と基本的に同じ構成を成し、予め指定された画像の水平方向のライン数の範囲を保持し、画像分岐部31から転送されたライン数をカウントする転送ライン計数部35をさらに備える。この転送ライン計数部35は、指定された範囲のライン数を画像処理部4に順次転送し、指定された範囲のライン数に達したとき、画像データの全体画面が転送されなくても画像処理部4で画像処理を実行するものである。
【0038】
本実施形態の画像処理装置1は、撮像処理部3の画像分岐部31から転送される画像データの水平方向のライン数を数えて画像処理部4に転送する転送ライン計数部35を備える。この転送ライン計数部35は、FPGAで構成され、画像処理演算部42から予め指定されたライン数の範囲のライン番号を保持し、撮像された画像データのライン数をカウントして指定された範囲のライン数の画像データのみを画像処理部4に転送し演算用記憶部41で記憶する。そして、指定された範囲のライン数の画像データを転送し終わると、画像処理演算部42は、全画像が転送されなくても転送された指定のライン数の画像データの画像処理を実行する。
【0039】
転送ライン計数部35は、画像分岐部31から転送される画像番号付きの画像データを図8に示すように、水平方向の走査ラインを1ライン目から順次カウントする。そして、指定されたライン数の範囲(ここでは、画像処理領域のL3からL7の範囲とする)における最初のラインL3が入力されると画像処理部4に転送を始め、画像処理領域の最後のラインL7までの転送が完了すると画像データの転送を止める。そして、この画像処理領域範囲の計5ラインのみが転送され、演算用記憶部41に記憶されると、画像処理演算部42は、全体画像の全ライン(1画面分)が転送されなくても演算用記憶部41に記憶された指定された画像処理領域の画像の画像処理を行う。これにより、画像処理演算部42は、通常、画像分岐部31から転送される画像データの1画面分が演算用記憶部41に記憶されてから、全体画像の画像処理を始めるのに対して、本実施形態では、必要な画像処理領域だけの部分画像の処理で済むので画像処理の領域が減り、画像処理をさらに高速化することができる。
【0040】
本実施形態によれば、画像処理部4は、画像処埋に必要な画像データのライン数の画像転送を受けると、画像データの全体画像が転送されなくても画像処理を実行するので、画像処理の高速化ができ、外部機器に対して検査画像の高速応答が可能である。これにより、検査対象の画像が高解像の撮像画像による高容量画像であっても検査に必要な部分画像のみを抽出することにより、検査画像容量を少なくできるので、画像処理部4における画像処理の演算量を低減でき、データバスのスループットを大きくすることなく、高速の画像処理が可能となる。また、画像表示出力部53には、判定データに付加された画像番号により検索される全体画像と判定データが表示されるので、部分画像を画像処理するにもかかわらず、検査対象の全体画像表示が可能となり、全体画像における画像検査の状態を視覚的に分かり易くでき、視認性を向上することができる。
【0041】
次に、本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置1について、図9参照して説明する。この画像処理装置1は、前記第3の実施形態と基本的には同じ構成を成し、画像番号保持部57は、画像分岐部31からの画像データを表示用記憶部51の表示画像保持部54の記憶領域に格納すると、この記憶領域が格納済みであることを示すロック情報を記憶するロック情報記憶回路59を備える。
【0042】
画像番号保持部57は、画像分岐部31からの画像データを表示画像保持部54の記憶領域に格納すると、この記憶領域が格納済みであることを示すロック情報を記憶するFPGAで形成されるロック情報記憶回路59を備える。また、画像番号保持部57は、ロック情報記憶回路59に記憶されたロック情報に基づき、画像分岐部31から転送される画像データを表示画像保持部54のロック状態でない記憶領域に格納する。
【0043】
表示画像のロック機構を図10(a)、(b)を参照して説明する。図10(a)は、管理レジスタ58の構成を示し、管理レジスタ58は、ロック状態を判別するロックレジスタのロックフラグ58xと管理する画像データの画像番号58yで構成される。このロックフラグ58xは、ロック状態を1で表し、非ロック状態を0で表し、デジタル信号の1bitで表示される。画像番号58yは、画像データに付加される画像番号を示す。また、図10(b)に示すように、管理レジスタ58は、格納された各画像データ毎のロックフラグ58xと画像番号58yを持つ画像番号の番号別管理レジスタ58a、58b・・・58nを有する。図10(b)において、画像表示部5に画像番号0の画像データ(画像0)が入力されると、管理レジスタ58は、先ず、最初の管理番号0の番号別管理レジスタ58aのロックレジスタの状態をチェックし、ここでは、ロックフラグが1であるので、ロック状態と判断し、次の番号の番号別管理レジスタ58bのロック状態をチェックする。この番号別管理レジスタ58bでは、ロックフラグが0であるので、非ロック状態と判断されるので、画像データ(画像0)は、番号別管理レジスタ58bで管理され、この画像データの表示画像は、表示画像保持部54の管理番号1に対応する画像記憶領域56(画像1)に記憶される。
【0044】
本実施形態によれば、画像番号保持部57は、ロック情報を記憶するロック情報記憶回路59により、表示画像保持部54の画像記憶領域56のロック状態を知ることができ、画像データを記憶済みの記憶領域に重ねて格納することを阻止できるので、表示画像保持部54における表示画像への上書きを防止することができる。
【0045】
次に、本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置1について、図11を参照して説明する。この画像処理装置1は、前記第4の実施形態と基本的には同じ構成を成し、画像表示演算部52が、表示画像保持部54の画像記憶領域56に記憶された画像データの画像表示を実行した後に、この画像記憶領域56が上書き可能となるようにロック情報記憶回路59のロック情報を修正する。
【0046】
画像表示演算部52は、画像処理演算部42からの判定データの画像番号により表示画像保持部54に記憶されている画像データを検索して、この表示画像の画像データに判定データをオーバーレイして次段の画像表示出力部53に出力した後、ロック情報を記憶するロック情報記憶回路59のロック情報を修正する。即ち、管理レジスタ58のロックレジスタのロックフラグを0にして、ロックを外す。このロックが外れることにより、管理レジスタ58の管理番号に対応して記憶されている表示画像保持部54の画像記憶領域56は上書き可能となる。
【0047】
本実施形態によれば、画像表示演算部52が画像表示を実行した後、ロック情報記憶回路59のロック情報を修正することにより、表示画像保持部54の画像記憶領域56に記憶されている表示済みの画像データに上書きすることが可能となる。これにより、新しい画像データを古い表示済みの画像に上書きできるので、メモリを効率よく使用することができ、新しい画像データを確実に記憶し出力させることができる。
【0048】
次に、本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置1について、図12を参照して説明する。この画像処理装置1では、前記第5の実施形態と基本的には同じ構成を成し、画像表示部5は画像番号保持部57から画像分岐部31へ撮像制御信号を伝達する撮像制御回路60を、入力信号受付部33は撮像処理部3が画像データの入力信号を受け付けなくするための入力信号キャンセル回路36を、それぞれさらに備え、画像記憶領域56の全領域がロック状態になったとき、撮像処理部3が画像データの入力信号を受付けず、撮像動作を実行しないようにした。
【0049】
上記の構成において、ロック情報記憶回路59が、画像記憶領域56の全領域がロック状態になったことを示すと、即ち、画像番号保持部57の管理レジスタ58のロックフラグ58x(図10参照)が全て‘1’となり、その全域ロックの情報が画像番号保持部57から撮像制御回路60に伝達される。この撮像制御回路60は、画像分岐部31に撮像制御信号を送り、画像分岐部31は、この撮像制御信号に基づき入力信号キャンセル信号を入力信号キャンセル回路36に送る。そして、この入力信号キャンセル回路36は、入力信号キャンセル信号により入力信号受付部33が画像データの入力信号を無視して、新しい画像の受付を禁止し、これにより撮像処理部3が撮像動作を実行しないようにする。
【0050】
本実施形態によれば、画像番号保持部57の管理レジスタ58において、ロック情報記憶回路59のロック情報により、撮像制御回路60が画像分岐部31に撮像制御信号を送り、この撮像制御信号により入力信号キャンセル回路36において、入力信号受付け部33における新しい撮像信号の受付を停止することができる。これにより、画像記憶領域56の記憶画像に新しい画像が上書きされることを防止することができ、記憶されている画像の表示を確実に行うことができる。また、表示用記憶部51の画像記憶領域56がすべてロック状態となって、新しい画像を記憶できない状態において、画像処理部4の画像処理のみが先行することを防ぐことができるので、画像処理の判定データと表示画像の画像データとの整合性を常に保つことができる。
【0051】
上述した各種実施形態によれば、画像分岐部31が、カメラ等の撮像装置2からの検査対象の画像データの各画像に予め画像番号を付与して、画像処理を行う画像処理部4と全体画像を表示する画像表示部5に分岐転送し、表示用記憶部51が画像番号付きの画像データを記憶し、画像処理演算部42が、画像処理の判定データに同じ画像番号を付加して画像表示演算部52に転送することにより、画像表示演算部52において、この判定データの画像番号を基に、表示の画像データを表示用記憶部51から簡単に迅速に検索でき、この画像データと判定データを確実に整合して表示することができる。この整合性により、画像処理部4は、画像表示部5に記憶される画像データと同じだけの画像データを記憶する必要はなく、少なくとも画像番号の付加された画像処理の判定データのみを記憶すればよい。従って、画像処理部4における必要な画像メモリを少なくでき、カメラの高画質化に伴い画像容量が増加した場合において、画像メモリの増加を抑制して記憶メモリを低減することができる。
【0052】
また、画像処理部と画像表示部を並列処理できるので、表示による画像処理速度の低下を防ぎ、画像処理速度を最速に保つことができる。また、画像表示部には、全体画像に表示画像に検査処理の判定データをオーバーレイして表示できるため、検査処理が部分画像であっても、検査対象の視認性を高めることができる。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態等に限られるものでなく、さらに適宜に変更することができる。例えば、撮像装置は、外付けカメラでなく、内蔵カメラで構成することも可能であり、磁気共鳴、サーモグラフィなどその他の画像を出力する装置を用いてもよい。また、外部機器と外部信号発生装置は一体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の構成図。
【図2】上記画像処理装置における表示画像と画像番号の分離構成を説明する図。
【図3】上記画像処理装置の動作手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置の構成図。
【図5】上記画像処理装置における表示画像と画像番号の分離構成を説明する図。
【図6】上記画像処理装置の動作手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置の構成図。
【図8】上記画像処理装置における部分画像の画像処理領域を説明する図。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置の構成図。
【図10】(a)は上記画像処理装置の管理レジスタの構成を示す図、(b)は管理レジスタによる表示画像のロック機構を説明する図。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置のロック解除機構を説明する図。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置の構成図。
【符号の説明】
【0055】
1 画像処理装置
2 撮像装置
3 撮像処理部
4 画像処理部
5 画像表示部
6 外部機器
7 外部表示機器
8 外部信号発生装置
31 画像分岐部
32 画像番号発生部
33 入力信号受付部
35 転送ライン計数部
36 入力信号キャンセル回路
41 演算用記憶部
42 画像処理演算部
51 表示用記憶部
52 画像表示演算部
57 画像番号保持部
59 ロック情報記憶回路
60 撮像制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を撮像する撮像装置と、この撮像装置により撮像された画像データを後続の画像処理部と画像表示部に送出する撮像処理部と、前記撮像処理部からの画像データを画像処理する画像処理部と、前記画像データによる画像を表示する画像表示部と、を備えた画像処理装置であって、
前記撮像処理部は、前記撮像装置から出力される画像データを一時格納し、この画像データを分岐して前記画像処理部及び画像表示部に順次転送する画像分岐部と、この画像分岐部の指示により画像番号を発生し、この画像番号を前記画像分岐部に転送する画像番号発生部と、を備え、
前記画像処理部は、前記画像分岐部から転送される画像データを格納する演算用記憶部と、この演算用記憶部に格納された画像データを用いて画像検査のための画像処理を実行し、この画像処理の判定データを出力する画像処理演算部と、を備え、
前記画像表示部は、前記画像分岐部から転送される画像データと画像番号を格納する表示用記憶部と、この表示用記憶部に格納された画像データを表示処理し、その表示処理結果を外部表示機器に出力する画像表示演算部と、を備え、
前記画像分岐部は、分岐する画像データの画像に画像番号を付加して前記画像処理部と画像表示部に分岐転送し、
前記画像処理演算部は、前記画像番号を前記画像処理の判定データに付加して前記画像表示演算部に転送し、
前記表示用記憶部は、前記画像分岐部より分岐転送された画像番号の付加された画像データを記憶し、
前記画像表示演算部は、前記画像処理演算部から転送された判定データに付加された画像番号を前記表示用記憶部に格納された画像データ中の画像番号と検索比較し、同一画像番号が検出された場合に、前記表示用記憶部に格納された該同一番号の画像データを画像表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像表示部は、前記分岐転送された画像データの画像番号とその画像の格納位置を記憶する画像番号保持部をさらに備え、
前記画像番号保持部は、前記画像データの画像番号を保持すると共に、この画像データの表示画像を保存する記憶場所を決定してこの表示画像を前記表示用記憶部に転送格納し、
前記画像表示演算部は、前記画像処理演算部からの判定データに付加された画像番号を前記画像番号保持部で検索し、前記表示用記憶部に格納されている前記判定データの画像番号に対応する表示画像の格納位置を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記撮像処理部は、前記画像処理演算部から予め指定される画像の水平方向のライン数を保持し、前記画像分岐部からの画像データのライン数をカウントし、前記指定されたライン数の画像データを前記画像処理部に転送する転送ライン計数部をさらに備え、
前記画像処理演算部は、前記転送ライン計数部から前記指定されたライン数の画像処理に必要な画像データの転送を受けると、画像処理を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像番号保持部は、前記画像分岐部からの画像データを前記表示用記憶部の記憶領域に格納すると、この記憶領域が格納済みであることを示すロック情報を記憶するロック情報記憶回路を備えると共に、このロック情報記憶回路に記憶されたロック情報に基づき前記画像分岐部から転送される画像データをロック状態でない前記表示用記憶部の記憶領域に格納することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像表示演算部は、前記表示用記憶部の記憶領域に記憶された画像データの画像表示を実行した後、前記記憶領域が上書き可能になるように前記ロック情報記憶回路のロック情報を修正することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記撮像処理部は、前記撮像装置からの画像データの入力信号を受け付けなくするための入力信号キャンセル回路をさらに備え、
前記画像表示部は、前記画像番号保持部から前記画像分岐部へ撮像制御信号を伝達する撮像制御回路をさらに備え、
前記ロック情報記憶回路が、前記表示用記憶部の全記憶領域がロック状態になったことを示すと、前記撮像制御回路は前記画像分岐部に撮像制御信号を送り、前記画像分岐部は、この撮像制御信号に基づき入力信号キャンセル信号を前記入力信号キャンセル回路に送り、この入力信号キャンセル回路により前記撮像処理部が入力信号を無視し、撮像された画像データの撮り込みを実行しないことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−46696(P2008−46696A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219083(P2006−219083)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】