説明

画像処理装置

【課題】原稿の読取データの受信者が、読取データの全てに目を通すことなく、原稿の概要を把握できるようにする画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置1は、原稿4を読み取って画像データ36を出力する読取部40と、画像データ36中の文字を認識し、テキストデータ37を出力する文字認識部50と、テキストデータ37から予め設定されたキーワードを抽出し、テキストデータ37中のキーワードを特定するキーワードデータ38を作成するキーワード抽出部60と、キーワードデータ38を含む電子メールを作成するメール作成部80と、電子メールを送信するメール送信部90とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を読み取って、読み取った画像を他の装置に送信する画像処理装置に関し、特に、読み込んだ画像の文字認識により得られた文字データを他の装置に送信する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿を読み取って、原稿を画像データに変換し、画像データを他の装置に送信する画像処理装置は、幅広く用いられている。
【0003】
特許文献1(特許第3160177号公報)には、FAX画像を電子メールで送信できる画像処理装置が開示されている。特許文献1に記載の画像処理装置は、原稿のイメージデータを圧縮し、さらに、電子メールのフォーマットへ変換し、フォーマット変換されたイメージデータを電話回線を用いてファクシミリ送信もしくはネットワークを用いて電子メール送信する。
【0004】
特許文献2(特開2006−33405号公報)では、読み込んだ画像を文字認識し、抽出したキーワードや宛先を基に、テーブルを参照して、宛先、件名、本文を自動的に設定する画像読取送信装置が開示されている。この画像読取送信装置は、検索対象の書類種別名や送信先名と、定型文もしくはメールアドレスやコメントとを対応付けて格納する記憶部と、原稿を読み取る読取部と、読取部が得た画像データを文字認識またはパターン認識して、画像データ中の文字または記号と一致する検索対象の文字又は記号を記憶部から検索する検索部と、検索部により検索された文字または記号に基づいてメールを作成するメール作成部とを備える。
【0005】
特許文献3(特許第3554271号公報)には、データの受け手が文字認識が正確に行なわれたか容易に判断できるように、原稿の文字認識結果情報と文字が認識された部分に対応する画情報とを送信する情報通信装置が開示されている。
【0006】
特許文献4(特開2003−114855号公報)には、読み取った原稿の画像データを電子メールに添付可能なファイル形式に変換して電子メールの添付ファイルとするととともに、画像データを電子メール本文に埋め込み可能なファイル形式に変換して電子メールの本文中に埋め込んだ電子メールを作成するネットワークスキャナが開示されている。
【特許文献1】特許第3160177号公報
【特許文献2】特開2006−33405号公報
【特許文献3】特許第3554271号公報
【特許文献4】特開2003−114855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1〜4に記載されているような画像処理装置からのデータの受信者は、送られてきたデータの大半または全てに目を通さないと、原稿の内容を把握しにくい。
【0008】
特に、ページ数の多い原稿を変換した画像データまたは文書データを受け取った受信者は、原稿の内容を把握するために、多くの労力と時間を費やす必要があった。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、原稿の読取データの受信者が、読取データの全てに目を通すことなく、原稿の概要を把握できるようにする画像処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの局面に係る本願発明は、原稿を読み取り、前記原稿の画像データを出力する読取手段と、前記画像データ中の文字を認識し、文字データを出力する文字認識手段と、前記文字データから所定のキーワードを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記キーワードに基づいて、前記文字データ中の前記キーワードを特定するためのキーワードデータを作成する作成手段と、前記キーワードデータを記憶する記憶手段とを備える。
【0011】
好ましくは、前記キーワードデータは、前記文字データ中の前記キーワードを含む。
さらに好ましくは、前記抽出手段は、前記文字データから前記キーワードおよび前記キーワードから所定の範囲内にある文字からなる文字列を抽出し、前記キーワードデータは、前記文字列を含む。
【0012】
好ましくは、前記キーワードデータは、前記画像データまたは前記文字データ中の、前記キーワードを含むページへのリンクである。
【0013】
さらに好ましくは、前記抽出手段は、前記画像データまたは前記文字データ中の前記キーワードが存在する箇所にアンカーを作成し、前記作成手段は、前記アンカーに基づいて、前記リンクを作成する。
【0014】
好ましくは、前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データ中の前記キーワードがある箇所を開くアプリケーションを前記キーワードデータとして作成する。
【0015】
さらに好ましくは、前記アプリケーションは、前記キーワードがある箇所を順次開く。
好ましくは、前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、前記キーワードを含む所定のページが開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを前記キーワードデータとして作成する。
【0016】
さらに好ましくは、前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、最も多くの前記キーワードを含むページを開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを作成する。
【0017】
さらに好ましくは、前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、前記キーワードを含むページのうち最もページ番号の小さいページを開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを作成する。
【0018】
さらに好ましくは、前記キーワードは複数あり、各前記キーワードには重要度が設定されており、前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、前記重要度が最も大きい前記キーワードを含むページを開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを作成する。
【0019】
さらに好ましくは、前記キーワードは複数あり、各前記キーワードには重要度が設定されており、前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、各ページについて、前記各ページに含まれる前記キーワードの前記重要度の合計を算出し、前記合計の最も大きい前記ページを開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを作成する。
【0020】
好ましくは、前記キーワードデータを含む本文をもつ電子メールを作成するメール作成手段と、前記電子メールを送信する送信手段とをさらに備える。
【0021】
好ましくは、前記キーワードデータが添付された電子メールを作成するメール作成手段と、前記電子メールを送信する送信手段とをさらに備える。
【0022】
さらに好ましくは、前記電子メールの送信前に、前記キーワードデータの内容の確認画面を表示する表示手段をさらに備える。
【0023】
さらに好ましくは、前記画像処理装置の利用者を認証する認証手段をさらに備え、前記送信手段は、認証された前記利用者に前記キーワードデータを送信する。
【0024】
好ましくは、記憶された前記キーワードデータを印字する印字手段をさらに備える。
好ましくは、前記記憶手段は、不揮発性メモリである。
【0025】
好ましくは、前記保存手段は、前記文書データをさらに保存し、保存された前記文書データから1つの前記文字データを選択する選択手段をさらに備え、前記抽出手段は、選択された前記文字データから前記キーワードを抽出する。
【0026】
好ましくは、外部からの指示を受け付ける入力手段と、前記指示に基づいて、前記キーワードを設定する設定手段とをさらに備える。
【0027】
さらに好ましくは、設定された前記キーワードの確認画面を表示する表示手段をさらに備える。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、原稿の読取データから所定のキーワードを抽出し、原稿の読取データとともに、抽出したキーワードに関するキーワードデータを送信することができる。その結果、原稿の読取データの受信者は、読取データの全てに目を通すことなく、原稿の概要を把握できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0030】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る画像処理装置1の使用態様を模式的に示した図である。以下、図1を参照して、画像処理装置1の使用態様について説明する。
【0031】
本実施の形態においては、画像処理装置1は、プリンタ、スキャナ、コピー、ファクシミリなどの複数の機能を備えた、いわゆる複合機(Multi Function Periferal:MFP)であるとする。
【0032】
画像処理装置1は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2によりパソコン3と接続されている。画像処理装置1は、原稿4を読み込んだり、電子メール5をパソコン3に送信したりすることができる。なお、パソコン3は、画像処理装置1に接続される外部端末の一例である。パソコン3のかわりに、他の装置、例えば、画像処理装置1とは別の複合機が画像処理装置1に接続されていてもよい。また、複数の外部端末が、画像処理装置1に接続されていてもよい。
【0033】
画像処理装置1の機能的構成を、図2を参照して説明する。図2は、画像処理装置1の機能的構成をブロック図形式で示した図である。
【0034】
画像処理装置1は、インターフェース部10と、設定部20と、認証部25と、記憶部30と、読取部40と、文字認識部50と、キーワード抽出部60と、印字部70と、メール作成部80と、メール送信部90とを備える。
【0035】
インターフェース部10は、ユーザからの指示を受け付ける。また、インターフェース部10は、画像処理装置1の操作画面や設定を示す画面などを表示する。
【0036】
設定部20は、インターフェース部10が受け付けた指示に基づいて、原稿のスキャンモードや、抽出対象となるキーワードなどを設定する。
【0037】
認証部25は、インターフェース部10がユーザから受け付けたパスワード入力などに基づいて、記憶部30に格納された認証データ33を参照して、ユーザの認証を行なう。
【0038】
記憶部30は、設定部20で設定されたモード設定31およびキーワード設定32、認証データ33、画像データ36、テキストデータ37、キーワードデータ38を格納する。画像データ36、テキストデータ37、キーワードデータ38については後述する。なお、本実施の形態においては、インターフェース部10への入力に応じて、画像データ36、テキストデータ37、キーワードデータ38は、画像処理装置1の処理対象のデータを長期的に格納しておく領域であるBOX35に格納されるものとする。具体的には、HDD(Hard disc drive)などの不揮発性メモリが、画像データ36、テキストデータ37、キーワードデータ38を格納するものとする。
【0039】
読取部40は、原稿4を読みとって、原稿4の画像データ35を出力する。読取部40としては、周知のスキャナなどを用いることができる。
【0040】
文字認識部50は、画像データ35に対し文字認識処理を行ない、画像データ35中の文字を抽出したテキストデータ37を出力する。文字認識部50としては、OCR(Optical Character Reader、光学式文字読取装置)などを用いることができる。
【0041】
キーワード抽出部60は、キーワード設定32を参照し、設定されているキーワードを、テキストデータ37から抽出する。また、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から抽出したキーワードに基づいて、テキストデータ37中に含まれるキーワードを特定するキーワードデータ38を作成する。
【0042】
印字部70は、キーワードデータ38を印字する。メール作成部80は、キーワードデータ38を含む電子メールを作成する。メール送信部90は、メール作成部80が作成した電子メール5をパソコン3などの外部端末に送信する。
【0043】
画像処理装置1は、インターフェース部10として、操作パネル300を備えるものとする。本実施の形態に係る操作パネル300を図3に示す。図3は、操作パネル300の一例を示す図である。ただし、インターフェース部10は、図3に示した操作パネル300に限られるわけではない。
【0044】
操作パネル300は、原稿4のスキャンモードの設定、送信先の指定、あるいは、キーワード抽出部60がテキストデータ37から抽出するキーワードの指定などの外部からの指示を受け付ける入力部310と、操作画面や設定内容を表示する表示部320とを含む。なお、表示部320は、タッチパネルであって、入力部310としても機能するものとする。
【0045】
図4を参照して、第1の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理について説明する。図4は、第1の実施の形態に係る画像処理装置1が行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【0046】
ステップS401において、設定部20は、インターフェース部10が受け付けたスキャンモードおよびキーワードの設定に基づいて、記憶部30内のモード設定31およびキーワード設定32を作成あるいは更新する。また、メール作成部80は、インターフェース部10が受け付けた入力に基づく送信先を持つ電子メールを作成する。
【0047】
ステップS403において、読取部40は、ユーザが原稿4のスキャンを開始する手続きをとると、原稿4を読み込み、画像データ36を出力する。
【0048】
ステップS405において、文字認識部50は、原稿(厳密には原稿の画像データ36)を文字認識して、テキストデータ37を作成する。
【0049】
ステップS407において、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から、キーワード設定32で指定される所定のキーワードを抽出する。また、キーワード抽出部60は、抽出されたキーワードがある箇所を特定する位置データ(ページ数、行数など)を取得する。キーワード抽出部60は、キーワードとその位置データとを関連付けたデータをキーワードデータ38として出力する。キーワードデータ38は、メール本文として送信できる形式(例えば、テキスト形式)であるものとする。
【0050】
ステップS409において、メール作成部80は、原稿4に対応するファイルを電子メールに添付し、キーワード抽出部60が抽出したキーワードを電子メールの本文にする。なお、この際に、ユーザは、必要に応じて、メール本文を作成することができる。つまり、メール作成部80は、インターフェース部10への入力に応じて、メール本文を作成する。
【0051】
ステップS409において電子メールに添付されるファイルは、画像データ36そのものまたはテキストデータ37そのものであってもよいし、画像データ36またはテキストデータ37を電子メール送信に適したファイル形式に変換したものであってもよい。例えば、メール作成部80は、画像データ36を、PDFなどのメール送信に適した形式のファイルに変換し、作成したファイルを電子メールに添付する。この際、メール作成部80は、サーチャブルPDFのように、文字認識結果のテキストデータ37を画像データあるいは画像データを変換したファイルに埋め込んでもよい。
【0052】
ステップS411において、メール送信部90は、ステップS409においてメール作成部80が作成した電子メールを送信する。つまり、メール送信部90は、原稿4中のキーワードを本文に含む電子メールを送信する。この電子メールの受信者は、添付データの全てに目を通さなくても、添付データの内容を大まかに把握することができる。
【0053】
メール作成部80が作成する電子メールについて、図5および図6を参照して説明する。図5は、原稿4の一例を示す図である。図6は、図5に示す原稿4を読み取ったときに作成される電子メールの受信画面600の一例を示す図である。受信画面600は、差出人欄610と、添付データを示す添付データ欄620と、本文表示欄630とを含む。
【0054】
ここでは、キーワード設定32には、キーワード「○○○」が抽出対象として登録されているものとする。キーワード抽出部60は、図5に示す原稿4から作成されるテキストデータ37から、キーワード「○○○」を抽出するとともに、抽出されたキーワードの位置データを取得する。キーワード抽出部60は、抽出されたキーワードと、位置データとを対応付けて、キーワードデータ38として、記憶部30に格納する。ここでは、キーワード「○○○」のみが抽出された場合について説明したが、キーワード設定32が複数種類のキーワードを抽出対象として含むならば、キーワード抽出部60が複数種類のキーワードを抽出することもある。
【0055】
メール作成部80は、キーワードデータ38を本文にもつ電子メールを作成する。メール送信部90は、メール作成部80が作成した電子メールを送信する。図6に示した本文表示欄630を参照して分かるように、この電子メールの本文は、抽出されたキーワードと位置データとを対応付けたキーワードデータ38を含む。
【0056】
なお、キーワード抽出部60は、キーワードの前後の語を含めた文字列を抽出してもよい。具体的には、キーワード抽出部60は、キーワードの前または後もしくは前後両方の所定の数の文字あるいは単語を、キーワードとあわせて抽出する。
【0057】
この場合に作成されるキーワードデータ38について、図7を参照して説明する。図7は、図5に示す原稿4を読み取ったときに作成される電子メールの受信画面600の他の例を示す図である。図7に示した本文表示欄630を参照して分かるように、このとき作成される電子メールの本文は、抽出されたキーワードの前後の語を含んだ文字列と位置データとを対応付けたキーワードデータ38を含む。このように、キーワードより大きな領域の文字データを見ることで、ユーザは、抽出されたキーワードが何の情報を表わしているのかをより詳しく知ることができる。
【0058】
(送信内容確認)
画像処理装置1は、電子メールの送信前に、送信内容をユーザに確認してもよい。例えば、画像処理装置1は、操作パネル300の表示部320に、図8に示すような確認画面を表示する。図8は、電子メール送信の確認画面の一例を示す図である。
【0059】
ユーザは、表示部320に表示された、電子メールの本文を確認し、表示部320中の「はい」「いいえ」を選択する。メール送信部90は、「はい」が選択されると、電子メールを送信する。「いいえ」が選択されると、メール送信部90は、電子メールを送信しない。メール送信部90は、送信されなかった電子メールを破棄、または、記憶部30に格納する。
【0060】
このような確認表示により、誤ったあるいは無駄な電子メールの送信を防ぐことができる。
【0061】
(中間データのBOXへの保存)
図4のステップS409において、メール作成部80は、キーワード抽出部60がテキストデータ37から抽出したキーワードをすぐにメールの本文にしてもよいし、キーワードデータ38がBOX35などの長期的にデータが保管される領域に記憶されている場合は、記憶部30に格納されたキーワードデータ38をあとから読み出して、読み出したキーワードデータ38に基づいて電子メールを作成してもよい。このようにキーワードデータ38をBOX35に保存しておけることで、ユーザは、自分の好みのタイミングでキーワードデータ38を含む電子メールを作成することができる。
【0062】
画像処理装置1が、抽出したキーワードをBOX35に保存する際の処理を図9を参照して説明する。図9は、抽出したキーワードをBOX35に保存する場合に画像処理装置1が行なう処理をフローチャート形式で示す図である。
【0063】
ステップS901において、設定部20は、インターフェース部10が受け付けたスキャンモードおよびキーワードの設定に基づいて、記憶部30内のモード設定31およびキーワード設定32を作成あるいは更新する。また、メール作成部80は、インターフェース部10が受け付けた入力に基づく送信先を持つ電子メールを作成する。
【0064】
ステップS903において、読取部40は、ユーザが原稿4のスキャンを開始する手続きをとると、原稿4を読み込み、画像データ36を出力する。
【0065】
ステップS905において、文字認識部50は、原稿(厳密には原稿の画像データ36)を文字認識して、テキストデータ37を作成する。
【0066】
ステップS907において、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から、キーワード設定32で指定される所定のキーワードを抽出する。また、キーワード抽出部60は、抽出されたキーワードがある箇所を特定する位置データ(ページ数、行数など)を取得する。キーワード抽出部60は、キーワードとその位置データとを関連付けて、キーワードデータ38として出力する。
【0067】
ステップS909において、キーワード抽出部60は、インターフェース部10が、BOX保存キーが押されているか判断する。ただし、「BOX保存キーが押されている」とは、一例であって、一般には、キーワード抽出部60は、ステップS909において、キーワードデータ38をBOX35に保存する指示を受け付けているかどうかを判断する。
【0068】
インターフェース部10が、キーワードデータ38をBOX35に保存する指示を受け付けている場合(ステップS909においてYES)、キーワード抽出部60は、ステップS911において、抽出したキーワードに関するキーワードデータ38を、BOX35に保存する。
【0069】
インターフェース部10が、キーワードをBOX35に保存する指示を受け付けていない場合(ステップS909においてNO)、キーワード抽出部60は、抽出したキーワードに関するキーワードデータ38を、BOX35に保存しない。
【0070】
また、画像処理装置1は、インターフェース部10への指示に応じて、画像データ35の文字認識結果であるテキストデータ37をBOX35に保存してもよい。キーワード抽出部60は、BOX35に保存されたテキストデータ37の中からキーワード抽出対象となるテキストデータ37が選択されると、選択されたテキストデータ37からキーワードを抽出する。
【0071】
同様に、画像処理装置1は、インターフェース部10への指示に応じて、原稿4の読取結果である画像データ36をBOX35に保存してもよい。文字認識部50は、BOX35に保存された画像データ36の中から文字認識対象となる画像データ36が選択されると、選択された画像データ36を文字認識し、テキストデータ37を作成する。ユーザは、好みのタイミングで、BOX35に保存されたデータに対する処理を実行することができる。
【0072】
(印字処理)
さらに、本実施の形態に係る画像処理装置1は、印字部70により、キーワードデータ38を紙などに印字することができる。これにより、原稿のスキャンを行なった利用者自身が、キーワードデータ38を打ち出して、原稿の内容を確認することができる。
【0073】
キーワードデータ38を印字する場合に画像処理装置1が行なう処理を図10を参照して説明する。図10は、キーワードデータ38を印字する場合に画像処理装置1が行なう処理をフローチャート形式で示す図である。
【0074】
ステップS1001において、設定部20は、インターフェース部10が受け付けたスキャンモードおよびキーワードの設定に基づいて、記憶部30内のモード設定31およびキーワード設定32を作成あるいは更新する。また、メール作成部80は、インターフェース部10が受け付けた入力に基づく送信先を持つ電子メールを作成する。
【0075】
ステップS1003において、読取部40は、ユーザが原稿4のスキャンを開始する手続きをとると、原稿4を読み込み、画像データ36を出力する。
【0076】
ステップS1005において、文字認識部50は、原稿(厳密には原稿の画像データ36)を文字認識して、テキストデータ37を作成する。
【0077】
ステップS1007において、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から、キーワード設定32で指定される所定のキーワードを抽出する。また、キーワード抽出部60は、抽出されたキーワードがある箇所を特定する位置データ(ページ数、行数など)を取得する。キーワード抽出部60は、キーワードとその位置データとを関連付けて、キーワードデータ38として出力する。
【0078】
ステップS1009において、インターフェース部10は、印字開始指示を受け付ける。ここでは、印字開始指示は、直近に抽出されたキーワードに関するキーワードデータ38の印字を指示するものであるとする。ただし、キーワードデータ38が複数ある場合は、印字開始指示は、1つのキーワードデータ38を選択し、選択したキーワードデータ38の印字を指示するものであってもよい。
【0079】
ステップS1011において、印字部70は、印字開始指示に基づき、キーワードデータ38を印字する。本実施の形態では、印字部70は、ステップS1007で抽出されたキーワードに関するキーワードデータを印字する。
【0080】
(本人へのメール送信)
本実施の形態に係る画像処理装置1は、画像処理装置1の操作者本人にキーワードデータ38を含む電子メールを送信することができる。操作者は、受信した電子メールを分かりやすいように編集して、画像処理装置1に編集後の電子メールを送信することができる。
【0081】
このような動作は、操作者が電子メールの宛先を自分自身にすることでも実現されるが、画像処理装置1が、本人認証の結果に基づいて、自動的にこのような動作を行なってもよい。
【0082】
図11は、操作者本人に自動的にキーワードデータ38を送信する場合の画像処理装置1の処理をフローチャート形式で示した図である。図11を参照して、操作者本人に自動的にキーワードデータ38を送信する場合の画像処理装置1の処理について説明する。
【0083】
ステップS1101において、認証部25は、操作者の本人認証処理を行ない、操作者を本人認証できたかどうか判断する。
【0084】
認証部25が、操作者を認証できなかった場合(ステップS1101においてNO)、画像処理装置1は、以下のステップS1103からステップS1113までの処理を行なわない。すなわち、認証されなかった操作者は、メール送信を行なうことができない。
【0085】
認証部25が、操作者を認証できた場合(ステップS1101においてYES)、画像処理装置1は、ステップS1103からの処理を実行する。
【0086】
ステップS1103において、設定部20は、インターフェース部10への入力に基づいて、スキャンモード、キーワードを設定する。
【0087】
ステップS1105において、読取部40は、ユーザが原稿4のスキャンを開始する手続きをとると、原稿4を読み込み、画像データ36を出力する。
【0088】
ステップS1107において、文字認識部50は、原稿(厳密には原稿の画像データ36)を文字認識して、テキストデータ37を作成する。
【0089】
ステップS1109において、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から、キーワード設定32で指定される所定のキーワードを抽出する。また、キーワード抽出部60は、抽出されたキーワードがある箇所を特定する位置データ(ページ数、行数など)を取得する。キーワード抽出部60は、キーワードとその位置データとを関連付けて、キーワードデータ38として出力する。
【0090】
ステップS1111において、メール作成部80は、認証データ33に操作者のメールアドレスが登録されているかどうか判断する。
【0091】
認証データ33に操作者のメールアドレスが登録されていない場合(ステップS1111においてNO)、画像処理装置1は、処理を終了する。
【0092】
認証データ33に操作者のメールアドレスが登録されている場合(ステップS1111においてYES)、メール作成部80は、操作者を宛先とし、ステップS1109において抽出されたキーワードに関するキーワードデータ38を本文に持つ電子メールを作成する。そして、メール送信部90は、メール作成部80が作成した電子メールを送信する。
【0093】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態に係る画像処理装置1は、抽出されたキーワードそのものあるいはキーワードを含む文字列を本文に持つ電子メールを送信する。第2の実施の形態では、キーワードを抜粋したファイルを添付データに持つ電子メールを送信する画像処理装置1について説明する。
【0094】
第2の実施の形態に係る画像処理装置1の使用態様は、図1を用いて説明したものと同様である。また、第2の実施の形態に係る画像処理装置1の機能的構成は、図2を参照して説明した第1の実施の形態に係る画像処理装置1と同様である。ただし、以下で説明するように、キーワード抽出部60の動作およびキーワードデータ38の形式が異なる。
【0095】
第2の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理について、図12を参照して説明する。図12は、第2の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【0096】
ステップS1201において、設定部20は、インターフェース部10が受け付けたスキャンモードおよびキーワードの設定に基づいて、記憶部30内のモード設定31およびキーワード設定32を作成あるいは更新する。また、メール作成部80は、インターフェース部10が受け付けた入力に基づく送信先を持つ電子メールを作成する。
【0097】
ステップS1203において、読取部40は、ユーザが原稿4のスキャンを開始する手続きをとると、原稿4を読み込み、画像データ36を出力する。
【0098】
ステップS1205において、文字認識部50は、原稿(厳密には原稿の画像データ36)を文字認識して、テキストデータ37を作成する。
【0099】
ステップS1207において、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から、キーワード設定32で指定される所定のキーワードを抽出する。また、キーワード抽出部60は、抽出されたキーワードがある箇所を特定する位置データ(ページ数、行数など)を取得する。
【0100】
ステップS1209において、キーワード抽出部60は、ステップS1207において抽出したキーワードを含むファイル(以下、抜粋ファイルとよぶ)をキーワードデータ38として作成する。本実施の形態では、キーワード抽出部60は、キーワードと、ステップS1207において抽出された位置データとを関連付けて表わしたファイルをキーワードデータ38として作成するものとする。
【0101】
ステップS1211において、メール作成部80は、抜粋ファイルを電子メールに添付する。また、メール作成部80は、原稿4に対応するファイルを電子メールに添付する。
【0102】
原稿4に対応するファイルとは、画像データ36そのものまたはテキストデータ37そのものであってもよいし、画像データ36またはテキストデータ37を電子メール送信に適したファイル形式に変換したものであってもよい。例えば、メール作成部80は、画像データ36を、PDFなどのメール送信に適した形式のファイルに変換し、作成したファイルを電子メールに添付する。この際、メール作成部80は、サーチャブルPDFのように、文字認識結果のテキストデータ37を画像データあるいは画像データを変換したファイルに埋め込んでもよい。
【0103】
なお、ユーザが、必要に応じて、メール本文を作成することも可能である。つまり、メール作成部80は、インターフェース部10への入力等に応じて、メール本文を作成する。
【0104】
ステップS1213において、メール送信部90は、ステップS1211において作成された電子メールを送信する。電子メールの受信者は、添付された抜粋ファイルを参照することで、原稿4の全てに目を通すことなく、概要を理解することができる。
【0105】
ここで、キーワード抽出部60が作成する抜粋ファイルについて、図13を参照して説明する。図13は、抜粋ファイルの一例を示す図である。図13に示すように、作成される抜粋ファイルは、抽出されたキーワードと、キーワードの位置データとを含む。
【0106】
なお、第1の実施の形態と同様、キーワード抽出部60は、キーワードの前後の語を含めた文字列を抽出してもよい。この場合には、図14に示すような抜粋ファイルが作成される。図14は、キーワードより大きな領域の抜粋を含む抜粋ファイルの一例である。
【0107】
第1の実施の形態と同様、画像処理装置1は、電子メールの送信前に、電子メールに添付する抜粋ファイルの内容をユーザに確認してもよい。
【0108】
また、画像データ36、テキストデータ37、キーワードデータ38をBOX35に格納しておき、選択されたBOX35内のデータに対し、文字認識、キーワード抽出、メール作成の処理を行なってもよい。
【0109】
また、印字部70は、第1の実施の形態と同様、キーワードデータ38を印字できるものとする。すなわち、印字部70は、キーワードを含む抜粋ファイルを印字可能であるとする。
【0110】
また、第1の実施の形態と同様に、画像処理装置1は、本人認証により、画像処理装置1の操作者本人にキーワードデータ38を含む電子メールを送信することができるものとする。すなわち、画像処理装置1は、キーワードを含む抜粋ファイルを添付した電子メールを、認証された操作者に自動的に送信することができるものとする。
【0111】
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る画像処理装置1は、抽出したキーワードそのもの、あるいは、抽出したキーワードを含む文字列を送信していた。すなわち、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、キーワードデータ38は、抽出したキーワードそのもの、あるいは、抽出したキーワードを含む文字列であった。
【0112】
第3の実施の形態では、キーワードデータ38として、画像データ36あるいはテキストデータ37中のキーワードがある箇所へのリンクを用いる画像処理装置1について説明する。
【0113】
第3の実施の形態に係る画像処理装置1の使用態様は、図1を用いて説明したものと同様である。また、第3の実施の形態に係る画像処理装置1の機能的構成は、図2を参照して説明した第1の実施の形態に係る画像処理装置1と同様である。ただし、以下で説明するように、キーワード抽出部60の動作およびキーワードデータ38の内容が異なる。
【0114】
第3の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理について、図15を参照して説明する。図15は、第3の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【0115】
ステップS1501において、設定部20は、インターフェース部10が受け付けたスキャンモードおよびキーワードの設定に基づいて、記憶部30内のモード設定31およびキーワード設定32を作成あるいは更新する。また、メール作成部80は、インターフェース部10が受け付けた入力に基づく送信先を持つ電子メールを作成する。
【0116】
ステップS1503において、読取部40は、ユーザが原稿4のスキャンを開始する手続きをとると、原稿4を読み込み、画像データ36を出力する。
【0117】
ステップS1505において、文字認識部50は、原稿(厳密には原稿の画像データ36)を文字認識して、テキストデータ37を作成する。
【0118】
ステップS1507において、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から、キーワード設定32で指定される所定のキーワードを抽出する。また、抽出したキーワードの位置情報を取得する。キーワード抽出部60は、位置情報に基づいてキーワードへのリンクを作成し、作成したリンクをキーワードデータ38として出力する。
【0119】
ステップS1509において、メール作成部80は、原稿4を読み取って得られた画像データ36を、PDFなどのメール送信に適した形式のファイルに変換し、作成したファイルを電子メールに添付する。この際、メール作成部80は、サーチャブルPDFのように、文字認識結果のテキストデータ37を文書ファイルに埋め込んでもよい。
【0120】
ステップS1511において、メール作成部80は、キーワードデータ38に基づいて、キーワードへのリンクを電子メールの本文に埋め込む。なお、この際に、ユーザは、必要に応じて、メール本文を作成することができる。つまり、メール作成部80は、インターフェース部10への入力に応じて、メール本文を作成する。
【0121】
ステップS1513において、メール送信部90は、ステップS1511においてメール作成部80が作成した電子メールを送信する。
【0122】
本実施の形態においてメール作成部80が作成する電子メールについて、図16を参照して説明する。図16は、第3の実施の形態に係る画像処理装置1が作成する電子メールの受信画面600の一例を示す図である。図16に示した本文表示欄630を参照して分かるように、この電子メールの本文は、抽出されたキーワードを含む文書ファイルのページへのリンクを含む。
【0123】
なお、リンクの形式は、図16に示したものに限られるわけではない。例えば、キーワード抽出部60は、文書ファイルのキーワード部分にアンカーを埋め込んでおき、アンカーへのリンクをキーワードデータ38として作成することもできる。
【0124】
このようなリンクについて、図17を参照して説明する。図17は、第3の実施の形態に係る画像処理装置1が作成する電子メールの受信画面600の他の例を示す図である。図17に示した本文表示欄630を参照して分かるように、この電子メールの本文は、抽出されたキーワードの場所へのリンクを含む。つまり、本文表示欄630の、“position1”、“position2”、“position3”が、それぞれ、文書ファイルに埋め込まれたアンカーを指定している。
【0125】
以上では、画像処理装置1が、キーワードへのリンクを電子メールの本文に埋め込む例を説明してきた。しかし、キーワードデータ38の送信の仕方は、これに限られるものではなく、第2の実施の形態と同様に、画像処理装置1は、ファイル化したキーワードデータ38を添付データにもつ電子メールを送信してもよい。
【0126】
また、第1の実施の形態と同様、画像処理装置1は、電子メールの送信前に、電子メールの内容をユーザに確認してもよい。
【0127】
また、画像データ36、テキストデータ37、キーワードデータ38をBOX35に格納しておき、選択されたBOX35内のデータに対し、文字認識、キーワード抽出、メール作成の処理を行なってもよい。
【0128】
また、印字部70は、第1の実施の形態と同様、キーワードデータ38を印字できるものとする。すなわち、印字部70は、キーワードへのリンクを含むキーワードデータ38を印字可能であるとする。
【0129】
また、第1の実施の形態と同様に、画像処理装置1は、本人認証により、画像処理装置1の操作者本人にキーワードデータ38を含む電子メールを送信することができるものとする。すなわち、画像処理装置1は、キーワードを含む抜粋ファイルを添付した電子メールを、認証された操作者に自動的に送信することができるものとする。
【0130】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、文書ファイルのうちキーワードを含む箇所を次々に開く特殊なアプリケーションをキーワードデータ38として作成し、原稿4に対応する文書ファイルとともに、作成したアプリケーションを添付した電子メールを送信する画像処理装置1について説明する。
【0131】
第4の実施の形態に係る画像処理装置1の使用態様は、図1を用いて説明したものと同様である。また、第4の実施の形態に係る画像処理装置1の機能的構成は、図2を参照して説明した第1の実施の形態に係る画像処理装置1と同様である。ただし、以下で説明するように、キーワード抽出部60の動作およびキーワードデータ38の内容が異なる。
【0132】
第4の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理について、図18を参照して説明する。図18は、第4の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【0133】
ステップS1801において、設定部20は、インターフェース部10が受け付けたスキャンモードおよびキーワードの設定に基づいて、記憶部30内のモード設定31およびキーワード設定32を作成あるいは更新する。また、メール作成部80は、インターフェース部10が受け付けた入力に基づく送信先を持つ電子メールを作成する。
【0134】
ステップS1803において、読取部40は、原稿を読み込み、画像データ36を出力する。
【0135】
ステップS1805において、文字認識部50は、原稿(厳密には原稿の画像データ36)を文字認識して、テキストデータ37を作成する。
【0136】
ステップS1807において、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から、キーワード設定32で指定される所定のキーワードを抽出する。また、抽出したキーワードの位置情報を取得する。
【0137】
ステップS1809において、メール作成部80は、原稿4を読み取って得られた画像データ36を、PDFなどのメール送信に適した形式のファイルに変換し、作成したファイルを電子メールに添付する。この際、メール作成部80は、サーチャブルPDFのように、文字認識結果のテキストデータ37を画像データ36もしくは画像データを変換したファイルに埋め込んでもよい。
【0138】
ステップS1811において、キーワード抽出部60は、ステップS1807において取得したキーワードの位置情報に基づいて、文書ファイルのキーワード部分(文書ファイルのうちキーワードが含まれる箇所)が次々と開くようなアプリケーションをキーワードデータ38として作成する。
【0139】
キーワード抽出部60が作成するアプリケーションを実行すると、指定されたファイルのキーワード部分が順次開かれる。アプリケーションは、ユーザの操作(例えば、マウスのクリック)に応じて、あるキーワード部分を表示する画面を、次のキーワード部分を表示する画面に切り替えてもよいし、所定の時間経過に応じて、画面を切り替えてもよい。
【0140】
ステップS1813において、メール送信部90は、ステップS1809における添付データと、ステップS1811において作成されたアプリケーションとが添付された電子メールを送信する。
【0141】
この電子メールの受信者は、添付されたアプリケーションを実行することにより、原稿4に対応するデータ全てに目を通すことなく、原稿4の内容を大まかに把握できる。
【0142】
画像処理装置1は、電子メールの送信前に、アプリケーションの動作をデモンストレーションするなどして、電子メールに添付するファイルの内容をユーザに確認してもよい。
【0143】
また、画像データ36、テキストデータ37、キーワードデータ38をBOX35に格納しておき、選択されたBOX35内のデータに対し、文字認識、キーワード抽出、メール作成の処理を行なってもよい。
【0144】
また、印字部70は、第1の実施の形態と同様、キーワードデータ38を印字できるものとする。
【0145】
また、第1の実施の形態と同様に、画像処理装置1は、本人認証により、画像処理装置1の操作者本人にキーワードデータ38を含む電子メールを送信することができるものとする。すなわち、画像処理装置1は、作成されたアプリケーションを添付した電子メールを、認証された操作者に自動的に送信することができるものとする。
【0146】
なお、以上では、画像処理装置1が、複数のキーワードを次々開くアプリケーションを作成する場合を示したが、画像処理装置1が作成するアプリケーションの種類はこれに限られない。画像処理装置1は、例えば、所定の1つのページを開くアプリケーションを作成してもよい。
【0147】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態では、キーワードを含む所定の箇所が最初に開くように原稿4に対応するファイル(画像データまたはテキストデータ)を編集する画像処理装置1について説明する。
【0148】
第5の実施の形態に係る画像処理装置1の使用態様は、図1を用いて説明したものと同様である。また、第5の実施の形態に係る画像処理装置1の機能的構成は、図2を参照して説明した第1の実施の形態に係る画像処理装置1と同様である。ただし、以下で説明するように、キーワード抽出部60の動作およびキーワードデータ38の内容が異なる。
【0149】
第5の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理について、図19を参照して説明する。図19は、第5の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【0150】
ステップS1901において、設定部20は、インターフェース部10が受け付けたスキャンモードおよびキーワードの設定に基づいて、記憶部30内のモード設定31およびキーワード設定32を作成あるいは更新する。また、メール作成部80は、インターフェース部10が受け付けた入力に基づく送信先を持つ電子メールを作成する。
【0151】
ステップS1903において、読取部40は、ユーザが原稿4のスキャンを開始する手続きをとると、原稿4を読み込み、画像データ36を出力する。
【0152】
ステップS1905において、文字認識部50は、原稿(厳密には原稿の画像データ36)を文字認識して、テキストデータ37を作成する。
【0153】
ステップS1907において、キーワード抽出部60は、テキストデータ37から、キーワード設定32で指定される所定のキーワードを抽出する。また、抽出したキーワードの位置情報を取得する。
【0154】
ステップS1909において、メール作成部80は、原稿4を読み取って得られた画像データ36を、PDFなどのメール送信に適した形式のファイルに変換し、作成した文書ファイルを電子メールに添付する。この際、メール作成部80は、サーチャブルPDFのように、文字認識結果のテキストデータ37を画像データ36または画像データ36を変換したファイルに埋め込んでもよい。
【0155】
ステップS1911において、キーワード抽出部60は、ステップS1807において取得したキーワードの位置情報に基づいて、文書ファイルを開く際に、文書ファイルの所定のキーワード部分(文書ファイルのうちキーワードが含まれる箇所)に自動的にジャンプする、つまり、所定のキーワード部分が最初に開くように文書ファイルを編集する。
【0156】
ステップS1913において、メール送信部90は、ステップS1811において作成された文書ファイルが添付された電子メールを送信する。この電子メールの受信者は、添付された文書ファイルを開くと、開かれる最初のページにより、原稿4に対応するデータ全てに目を通すことなく、原稿4の内容を大まかに把握できる。
【0157】
最初に開かれるページは、例えば、予め設定されたページであってもよいし、キーワードが一番最初に記載されているページや、キーワードが一番多く記載されているページであってもよい。また、複数種類のキーワードがある場合、各キーワードに予め重要度(重み)を設定しておき、最初に開くページを、重要度に応じて定めてもよい。例えば、キーワード抽出部60は、最も高い重要度を持つキーワードを最も多く含むページを開くように文書ファイルを編集してもよいし、各ページに含まれるキーワードの重要度の合計を計算し、重要度の合計が最も大きいページを開くように文書ファイルを編集してもよい。
【0158】
具体的に図5に示す原稿4を読み込んだ場合に、どのように文書ファイルが編集されるかについて説明する。
【0159】
予め設定されたページを開くアプリケーションを作成する場合、キーワード抽出部60は、原稿4の内容によらず、設定されたページを開くアプリケーションを作成する。キーワード抽出部60は、指定されたページ番号(例えば、「3ページ」)のページを開くアプリケーションを作成してもよいし、原稿4に対応するデータの最初のページや最後のページを開くアプリケーションを作成してもよい。アプリケーションが開くページは、固定のものであってもよいし、インターフェース部10への入力に応じて設定されるものであってもよい。
【0160】
キーワードが最初に記載されているページを開くように文書ファイルを編集する場合、キーワード抽出部60は、設定されているキーワードが最初に記載されているページを検索する。例えば、「○○○」が検索対象のキーワードに設定され、「△△△」が検索対象のキーワードに設定されていない場合、図5に示す原稿では、2ページが、設定されているキーワードが最初に記載されているページとなる。したがって、キーワード抽出部60は、原稿4に対応するデータの2ページ目を開くように文書ファイルを編集する。
【0161】
キーワードが最も多く記載されているページを開くように文書ファイルを編集する場合、キーワード抽出部60は、設定されているキーワードが最も多く記載されているページを検索する。例えば、「○○○」が検索対象のキーワードに設定され、「△△△」が検索対象のキーワードに設定されていない場合、図5に示す原稿では、5ページが、設定されているキーワードが最も多く記載されているページとなる。したがって、キーワード抽出部60は、原稿4に対応するデータの5ページ目を開くように文書ファイルを編集する。
【0162】
最も重要度の高いキーワードが最も多く記載されているページを開くように文書ファイルを編集する場合、キーワード抽出部60は、最も重要度の高いキーワードが最も多く記載されているページを検索する。例えば、キーワード「○○○」の重要度が“1”であり、キーワード「△△△」の重要度が“2”である場合、キーワード抽出部60は、図5に示す原稿4でから、まず、最も高い重要度を持つキーワード「△△△」を持つページである1ページ目と4ページ目とが抽出される。そして、キーワード抽出部60は、これらのページのうち、最もキーワード「△△△」の個数が多い4ページ目を抽出し、原稿4に対応するデータの4ページ目を開くように文書ファイルを編集する。
【0163】
ページに中のキーワードの重要度の合計が最も大きなページを開くように文書ファイルを編集する場合、キーワード抽出部60は、各ページについて、各ページが含むキーワードの重要度の合計を計算する。例えば、キーワード「○○○」の重要度が“1”であり、キーワード「△△△」の重要度が“2”である場合、1ページ目の重要度の合計は2、2ページ目の重要度の合計は1、3ページ目の重要度の合計は0、4ページ目の重要度の合計は4、5ページ目の重要度の合計は6である。したがって、キーワード抽出部60は、原稿4に対応するデータの5ページ目を開くように文書ファイルを編集する。
【0164】
なお、画像処理装置1は、電子メールの送信前に、ファイルを開いたときの動作をデモンストレーションするなどして、電子メールに添付するファイルの内容をユーザに確認してもよい。
【0165】
また、画像データ36、テキストデータ37、キーワードデータ38をBOX35に格納しておき、選択されたBOX35内のデータに対し、文字認識、キーワード抽出、メール作成の処理を行なってもよい。
【0166】
また、印字部70は、第1の実施の形態と同様、キーワードデータ38を印字できるものとする。
【0167】
また、第1の実施の形態と同様に、画像処理装置1は、本人認証により、画像処理装置1の操作者本人にキーワードデータ38を含む電子メールを送信することができるものとする。すなわち、画像処理装置1は、作成されたファイルを添付した電子メールを、認証された操作者に自動的に送信することができるものとする。
【0168】
[その他]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置1の使用態様を模式的に示した図である。
【図2】画像処理装置1の機能的構成をブロック図形式で示した図である。
【図3】操作パネル300の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係る画像処理装置1が行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【図5】原稿4の一例を示す図である。
【図6】図5に示す原稿4を読み取ったときに作成される電子メールの受信画面600の一例を示す図である。
【図7】図5に示す原稿4を読み取ったときに作成される電子メールの受信画面600の他の例を示す図である。
【図8】電子メール送信の確認画面の一例を示す図である。
【図9】抽出したキーワードをBOX35に保存する場合に画像処理装置1が行なう処理をフローチャート形式で示す図である。
【図10】キーワードデータ38を印字する場合に画像処理装置1が行なう処理をフローチャート形式で示す図である。
【図11】操作者本人に自動的にキーワードデータ38を送信する場合の画像処理装置1の処理をフローチャート形式で示した図である。
【図12】第2の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【図13】抜粋ファイルの一例を示す図である。
【図14】キーワードより大きな領域の抜粋を含む抜粋ファイルの一例である。
【図15】第3の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【図16】第3の実施の形態に係る画像処理装置1が作成する電子メールの受信画面600の一例を示す図である。
【図17】第3の実施の形態に係る画像処理装置1が作成する電子メールの受信画面600の他の例を示す図である。
【図18】第4の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【図19】第5の実施の形態に係る画像処理装置1の行なう処理をフローチャート形式で示した図である。
【符号の説明】
【0170】
1 画像処理装置、2 ネットワーク、3 パソコン、4 原稿、5 電子メール、10 インターフェース部、20 設定部、25 認証部、30 記憶部、31 モード設定、32 キーワード設定、33 認証データ、35 画像データ、36 画像データ、37 テキストデータ、38 キーワードデータ、40 読取部、50 文字認識部、60 キーワード抽出部、70 印字部、80 メール作成部、90 メール送信部、300 操作パネル、310 入力部、320 表示部、600 受信画面、610 差出人欄、620 添付データ欄、630 本文表示欄。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取り、前記原稿の画像データを出力する読取手段と、
前記画像データ中の文字を認識し、文字データを出力する文字認識手段と、
前記文字データから所定のキーワードを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記キーワードに基づいて、前記文字データ中の前記キーワードを特定するためのキーワードデータを作成する作成手段と、
前記キーワードデータを記憶する記憶手段とを備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記キーワードデータは、前記文字データ中の前記キーワードを含む、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記文字データから前記キーワードおよび前記キーワードから所定の範囲内にある文字からなる文字列を抽出し、
前記キーワードデータは、前記文字列を含む、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記キーワードデータは、前記画像データまたは前記文字データ中の、前記キーワードを含むページへのリンクである、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記画像データまたは前記文字データ中の前記キーワードが存在する箇所にアンカーを作成し、
前記作成手段は、前記アンカーに基づいて、前記リンクを作成する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データ中の前記キーワードがある箇所を開くアプリケーションを前記キーワードデータとして作成する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記アプリケーションは、前記キーワードがある箇所を順次開く、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、前記キーワードを含む所定のページが開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを前記キーワードデータとして作成する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、最も多くの前記キーワードを含むページを開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを作成する、請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、前記キーワードを含むページのうち最もページ番号の小さいページを開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを作成する、請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記キーワードは複数あり、各前記キーワードには重要度が設定されており、
前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、前記重要度が最も大きい前記キーワードを含むページを開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを作成する、請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記キーワードは複数あり、各前記キーワードには重要度が設定されており、
前記作成手段は、前記画像データまたは前記文字データを開くときに、各ページについて、前記各ページに含まれる前記キーワードの前記重要度の合計を算出し、前記合計の最も大きい前記ページを開くように編集された前記画像データまたは前記文字データを作成する、請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記キーワードデータを含む本文をもつ電子メールを作成するメール作成手段と、
前記電子メールを送信する送信手段とをさらに備える、請求項2から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記キーワードデータが添付された電子メールを作成するメール作成手段と、
前記電子メールを送信する送信手段とをさらに備える、請求項2から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記電子メールの送信前に、前記キーワードデータの内容の確認画面を表示する表示手段をさらに備える、請求項13または14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記画像処理装置の利用者を認証する認証手段をさらに備え、
前記送信手段は、認証された前記利用者に前記キーワードデータを送信する、請求項13から15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項17】
記憶された前記キーワードデータを印字する印字手段をさらに備える、請求項1から16のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記記憶手段は、不揮発性メモリである、請求項1から17のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記保存手段は、前記文書データをさらに保存し、
保存された前記文書データから1つの前記文字データを選択する選択手段をさらに備え、
前記抽出手段は、選択された前記文字データから前記キーワードを抽出する、請求項1から18のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項20】
外部からの指示を受け付ける入力手段と、
前記指示に基づいて、前記キーワードを設定する設定手段とをさらに備える、請求項1から19のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項21】
設定された前記キーワードの確認画面を表示する表示手段をさらに備える、請求項20に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−302741(P2009−302741A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152936(P2008−152936)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】