説明

画像処理装置

【課題】回路規模が小さく且つ低EMI化が実現できる汎用性の高い画像処理方法及び画像処理装置を実現する。
【解決手段】多ビットデータ出力を行う画像処理装置は、出力データD[n]〜D[n+7]の遷移方向により出力位相を分割できる出力データ処理回路10と、出力位相を制御する出力クロック位相変更回路40とを有している。出力データ処理回路10は、内部出力データDA[n]〜DA[n+7]の遷移方向を判定して判定結果を出力するデータ遷移判定部13と、前記判定結果に基づき、内部出力データDA[n]〜DA[n+7]における上位ビットのデータ値に応じてその内部出力データDA[n]〜DA[n+7]の位相を変化させて出力データD[n]〜D[n+7]を出力する位相変更手段(ANDゲート14,15、位相制御ツール部20、セレクタ25、及び位相選択部30)とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁遮蔽(Electro Magnetic Interference、以下「EMI」という。)ノイズの発生を低減できる画像処理装置、特に、その出力データ処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載機器に搭載される画像処理用の集積回路(例えば、大規模集積回路(LSI))には、テレビジョン(TV)受信電波、FMラジオ電波やカーオーディオの画質、音質を低下させる周波数帯や、キーレスエントリーシステムに影響を与える周波数帯等に、EMIノイズを低減する低EMI対策の必要性が高まっている。
【0003】
従来、LSIより発するEMIを低減する手段としては、フェーズロックループ(PLL)回路の発振周波数をわずかに変動させることにより、出力周波数に含まれるEMIスペクトラムの最大ピークを下げるスペクトラム拡散クロックジェネレータ(SSCG)や、LSIの出力データの振幅を抑えてEMIノイズを低減するLVDS技術等が提案されている。又、下記の特許文献1には、画像読み取り装置において、信号の同時スイッチングによるEMIノイズの増幅を低減するために、ビット毎に遅延量が異なる可変遅延手段を出力段に設けた技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−190884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のSSCGやLVDS技術等は、効果的に低EMI化が実現できるが、回路規模が増大したり、駆動周波数が高くなる可能性があり、システムとして専用のLSIが必要となる可能性がある。EMIへの対策がない場合、画像データ出力は、赤緑青(RGB)各6ビットで18ビット出力、RGB各8ビットで24ビット出力、RGB各10ビットの30ビット出力といった、多ビット出力が一般的であり、出力データの同時スイッチングによる出力電流ピークの増加に伴い、EMIノイズが増加するといった課題があった。
【0006】
又、特許文献1の技術では、ビット毎の遅延量を変更することはできるが、入力データに対応して、各ビット毎に遅延量を変化させることができず、入力データによってEMIノイズの低減効果が異なり、汎用性に欠けるという課題があった。
【0007】
本発明は、従来の課題を解決し、回路規模が小さく且つ低EMI化が実現できる汎用性の高い画像処理方法及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理方法は、複数ビットからなる入力データの遷移方向を判定して判定結果を出力する判定処理と、前記判定結果に基づき、前記入力データにおける上位ビットのデータ値に応じて前記入力データの位相を変化させて出力データを出力する位相変更処理とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の画像処理装置は、複数ビットからなる入力データの遷移方向を判定して判定結果を出力する判定手段と、前記判定結果に基づき、前記入力データにおける上位ビットのデータ値に応じて前記入力データの位相を変化させて出力データを出力する位相変更手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、出力データが、例えば“0”→“1”へ遷移する場合と、“1”→“0”へ遷移する場合、それぞれのデータ遷移状態において独立に出力位相を制御し拡散するようにしたので、LSIの出力バッファの同時スイッチングにおけるピーク電流を拡散することができ、これにより、回路規模が小さく且つ低EMI化が実現できる汎用性の高い画像処理方法及び画像処理装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0012】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1における画像処理装置を示す概略の構成図である。
【0013】
この画像処理装置は、画像データである多ビット(例えば、8ビット)の内部出力データ(例えば、DA[n+7]〜DA[n])の遷移方向により出力データD[n+7]〜D[n]の出力位相を分割できる出力データ処理回路10と、数十MHzの画素(pixel)クロックである内部クロックCLKx2(pixel clkx2)の位相を変更して出力クロックCKを出力する出力クロック位相変更回路40とを有している。出力クロックCKは、例えば、画像データである出力データD[n+7]〜D[n]の出力位相を制御するために、後段の回路で使用される。
【0014】
出力データ処理回路10は、例えば、内部出力データDA[n]〜DA[n+7]をそれぞれラッチする8個のディレイフリップフロップ(以下「D−FF」という。)11を有している。各D−FF11の出力側には、このD−FF11の出力データを保持するD−FF12と位相選択部30とが、それぞれ接続されている。各D−FF11と各D−FF12との出力側には、データ遷移判定部13がそれぞれ接続されている。各データ遷移判定部13は、D−FF12から出力された1クロック前の保持データと、D−FF11から出力された現データとの比較を行い、データ遷移を判定してデータ遷移の変化有り/無しのデータ遷移判定結果を出力する回路であり、この出力側に、論理回路(例えば、2個の2入力論理積ゲート(以下「ANDゲート」という。))4,5がそれぞれ接続されている。
【0015】
各2個の2入力ANDゲート14,15のうち、一方のANDゲート14は、各D−FF11から出力された各内部出力データDA[n]〜DA[n+7]の反転データとデータ遷移判定結果(即ち、データ遷移情報)との論理積を求め、他方のANDゲート15は、各D−FF11から出力された各内部出力データDA[n]〜DA[n+7]とデータ遷移判定結果(即ち、データ遷移情報)との論理積を求める回路であり、この出力側に、位相制御ツール部20が接続されている。位相制御ツール部20は、データ遷移判定結果(即ち、データ遷移情報)と内部出力データDA[n]〜DA[n+7]とから位相調整を行って“1”の位相設定情報及び“0”の位相設定情報を出力するものである。この位相制御ツール部20において、各内部出力データDA[n]〜DA[n+7]毎の位相設定は、データ遷移が0→1用の変化位相制御機能20aと1→0用の変化位相制御機能20bとによりそれぞれ構成されており、この出力側に、各内部出力データDA[n]〜DA[n+7]毎の選択回路であるセレクタ25がそれぞれ接続されている。各セレクタ25は、各出力データD[n]〜D[n+7]から、“1”の位相設定情報又は“0”の位相設定情報を選択する回路であり、この各セレクタ25と位相制御ツリー部20により、位相制御手段が構成されている。
【0016】
各セレクタ25の出力側には、位相選択部30がそれぞれ接続されている。各位相選択部30は、各セレクタ25により選択された“1”又は“0”の位相設定情報により、出力する各出力データD[n]〜[n+7]の位相を決定する回路である。この位相選択部30は、出力クロック周波数の1/2等の周波数で動作する内部クロックCLKx2の立ち上がりで、各D−FF11から出力された各内部出力データDA[n]〜DA[n+7]を一時保存するD−FF31と、その内部クロックCLKx2の立ち下がりで、各内部出力データDA[n]〜DA[n+7]を一時保存するD−FF32と、セレクタ25から出力された“1”又は“0”の位相設定情報のうち、“1”の位相設定情報によりD−FF31の出力データを選択し、“0”の位相設定情報によりD−FF32の出力データを選択して位相差が設けられた各出力データD[n]〜D[n+7]を出力するセレクタ33とにより、それぞれ構成されている。
【0017】
出力クロック位相変更回路40は、内部クロックCLKx2の立ち上がりで入力信号をラッチするD−FF41と、このD−FF41の出力信号を反転した入力信号をそのD−FF41へ帰還入力するインバータ42と、内部クロックCLKx2の立ち下がりで入力信号をラッチするD−FF43と、このD−FF43の出力信号を反転した入力信号をそのD−FF43へ帰還入力するインバータ44と、出力クロック位相選択信号CSによりD−FF41又はD−FF43のいずれか一方を選択して出力クロックCKを出力するセレクタ45とにより構成されている。出力クロック位相選択信号CSは、例えば、外部からの通信手段(制御レジスタとの通信)によりアクセスする制御レジスタから出力される信号である。
【0018】
図2は、図1中の位相制御ツール部20を示す概略の回路図である。
この位相制御ツール部20は、各内部出力データDA[n]〜DA[n+7]毎(即ち、各出力データD[n]〜D[n+7]毎)に、各2個のANDゲート14,5から出力される各データ遷移情報CI[n+7]〜CI[n]に対する各上位データビットの位相設定情報PI[n+7]〜PI[n]を反転するインバータ21と、各データ遷移情報CI[n+7]〜CI[n]により、各上位データビットの位相設定情報PI[n+7]〜PI[n]とこの反転位相設定情報とのいずれか一方を選択するセレクタ22とをそれぞれ有し、これらが出力データD[n+7]〜D[n]の最上位ビット[n+7]から最下位ビット[n]方向に縦列接続されてツリー構造になっている。
【0019】
なお、最上位出力ビット[n+7]の位相設定には、画像信号中の水平同期信号により各ラインでトグルするトグル信号LTが使用される。
【0020】
(実施例1の方法)
図3は、図1の画像処理装置における動作タイミング図であり、図4は、図1の画像処理装置における出力クロックCKの動作タイミング図である。図5は、図1の画像処理装置における動作例を示す図である。
【0021】
内部出力データDA[n]〜[n+7]が出力データ処理回路10に入力されると共に、内部クロックCLKx2が出力データ処理回路10及び出力クロック位相変更回路40に入力される。出力データ処理回路10において、内部出力データDA[n]〜[n+7]は、D−FF11によりラッチされ、この出力データの1サイクル前のデータがD−FF12に保持される。保持された1サイクル前の前データと、D−FF11によりラッチされた現データとが、データ遷移判定部13により比較され、“1”から“0”又は“0”から“1”へのデータ遷移があったか否かの判定が行われる。データ遷移判定部13における判定結果において、データ遷移がある場合は“1”が出力され、データ遷移がない場合は“0”が出力される。
【0022】
次に、ANDゲート14,15において、データ遷移判定部13の判定結果と内部出力データDA[n+7]〜DA[n]との論理積演算が行われる。論理積演算は、以下のように内部出力データデータDA[n+7]〜DA[n]が“1”の場合と、内部出力データデータDA[n+7]〜DA[n]が“0”の場合との2ケースについて行われる。
出力データ“1”用=データ遷移判定結果×内部出力データDA[n+7]〜DA[n]
出力データ“0”用=データ遷移判定結果×反転内部出力データDA[n+7]〜DA[n]
【0023】
この論理積演算結果であるデータ遷移情報CI[n+7]〜CI[n」は、図2に示す位相制御ツール部20に入力される。
【0024】
位相制御ツール部20は、内部出力データDA[n+7]〜DA[n]の最上位ビット[n+7]から最下位ビット[n]までが縦列接続によるツリー構造となっており、データ遷移情報CI[n+7]〜CI[n」を基に、各出力データD[n+7]〜DA[n]の位相を決定する。この位相制御ツール部20は、内部出力データDA[n+7]〜DA[n]が“1”の場合の変化位相制御機能20aと、”0”の場合の変化位相制御機能20bとの2つを有しており、内部出力データDA[n+7]〜DA[n]の遷移があった場合は、上位ビットの情報をインバータ21で反転して出力し、内部出力データDA[n+7]〜DA[n]の遷移がない場合は、上位ビットの情報を保持する動作を行うことで、内部出力データ遷移及びこの遷移出力ビット毎に出力位相を変化する位相設定情報PI[n+7]〜PI[n]を出力する。
データ[n+7] データ[n+6] データ[n+5] データ[n+4] データ[n+3]
前内部出力データDA 1” “1” “0” “1” “0”
現内部出力データDA“0” “0” “0” “0” “0”
データ遷移判定結果 “1” “1” “0” “1” “0”
データ遷移情報CI “1” “1” “0” “1” “0”
位相設定情報PI “0” “1” “1” “0” “0”
【0025】
この位相制御ツール部20の回路構成により、位相ツリー出力は、“0”から“1”へ出力遷移する出力端子だけを交互に位相変化するように動作するため、本実施例1での8ビット出力の場合において、8ビット全ての出力端子が“0”から“1”に遷移する場合、半分の4ビットだけが同位相の出力となる。“1”から“0”へ出力遷移する場合も同様である。
【0026】
図5に、同じ出力遷移の出力ビット単位で出力位相が変化する動作例が示されている。位相制御ツール部20から得られる各ビットの位相設定情報PI[n]〜PI[n+7]は、出力データD[n]〜D[n+7]の位相を決定する位相選択部30へ送られる。位相選択部30では、出力クロック周波数の1/2で動作する内部クロックCLKx2)にて動作し、内部クロックCLKx2の立ち上がりでデータラッチするD−FF31と、立ち下りでデータラッチするD−FF32との出力を、セレクタ33で選択することにより、出力データD[n]〜D[n+7]を異なる位相で出力する。
【0027】
例えば、位相設定情報PI[n]〜PI[n+7]が“1”の時は、立ち下りから出力を行い、位相設定PI[n]〜PI[n+7]が“0”の時は、立ち上がりから出力を行うための選択を行う。
【0028】
ここで、位相をずらすことにより、出力データD[n]〜D[n+7]である画像データを受信する回路への入力タイミングマージンが悪化する場合を考慮して、図4に示すように、データ[n]〜[n+7]に対して出力クロックCKを半周期ずらす出力クロック位相変更回路40が設けられているので、入力タイミングマージンの悪化が回避される。
【0029】
又、一般的に画像データは、垂直方向でのデータ変化が少ないため、各画像ライン間で同水平位置でのデータ遷移が同じとなる傾向がある。この場合、EMIノイズのライン周期性を軽減するため、図2に示す位相制御ツール部20の最上位出力ビット[n+7]の位相設定には、水平同期信号により各ラインでトグルするライントグル信号LT信号を用いている。各ラインでトグルするため、最上位出力ビット[n+7]の位相設定がライン単位で反転するので、垂直方向で同データの場合、ライン間で逆の位相で出力する動作が行える。
【0030】
本実施例1における位相設定は2個所であるが、位相制御ツール部20による位相設定情報PI[n]〜PI[n+7]のビット数を増加し、各ビット毎にカウントアップする図示しない手段を設け、位相設定を数箇所設けることにより、更に同データ遷移を分割・拡散することが可能である。
【0031】
図6は、2ビットで動作した場合の位相制御ツール部20の動作例を示す図であり、更に、図7は、その図6の動作例を示す図である。
【0032】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、出力データが、“0”→“1”へ遷移する場合と、“1”→“0”へ遷移する場合、それぞれのデータ遷移状態において独立に出力位相を制御し拡散するようにしたので、LSIの出力バッファの同時スイッチングにおけるピーク電流を拡散することができ、これにより、回路規模が小さく且つ低EMI化が実現できる汎用性の高い画像処理方法及び画像処理装置を実現できる。
【実施例2】
【0033】
(実施例2の構成)
図8が、本発明の実施例2のおける画像処理装置を示す概略の構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0034】
本実施例2では、実施例1の出力データ処理回路10及び出力クロック位相変更回路40に代えて、これとは回路構成の異なる出力データ処理回路10A及び出力クロック位相変更回路40Aが設けられている。出力データ処理回路10Aでは、実施例1の位相選択部30に代えて、これとは回路構成の異なる位相選択部30Aが設けられている。更に、出力クロック位相変更回路40Aは、実施例1とは異なる回路構成の遅延回路46により構成されている。
【0035】
位相選択部30Aは、実施例1のようなD−FF31,32による位相差ではなく、遅延素子が複数段直列接続された遅延回路34と、セレクタ25から出力された位相設定情報PI[n]〜PI[n+7]に基づき、D−FF11から出力された内部出力データDA[n]〜DA[n+7]とこれを遅延回路34にて遅延させたデータとのいずれか一方を選択して位相を異ならせた出力データD[n]〜D[n+7]を出力するセレクタ33とにより構成されている。更に、出力クロック位相変更回路40Aを構成する遅延回路46は、遅延回路34を構成する複数段の遅延素子に対して1/2段数の遅延素子により構成され、内部クロックCLKx2を遅延して出力クロックCKを出力する回路である。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0036】
(実施例2の方法)
D−FF11〜セレクタ25までは、実施例1と同様の動作が行われる。
【0037】
セレクタ25から出力された“1”又は“0”の位相設定情報PI[n]〜PI[n+7]は、出力データD[n]〜D[n+7]の位相を決定する位相選択部30Aへ送られる。位相選択部30Aでは、遅延素子を複数段接続した遅延回路34を通る出力データD[n]〜D[n+7]と、遅延回路34を通らない出力データD[n]〜D[n+7]との2系統あり、位相制御ツリー部25からの位相設定情報PI[n]〜PI[n+7]に基づき、セレクタ33により選択される。
【0038】
例えば、位相設定情報PI[n]〜PI[n+7]が“1”の時は、出力データD[n]〜D[n+7]に遅延有りが選択され、位相設定情報PI[n]〜PI[n+7]が“0”の時は、出力データD[n]〜D[n+7]に遅延無しが選択される。
【0039】
内部クロックCLKx2は、遅延回路46により遅延され、出力クロックCKとして出力される。遅延回路46は、出力データD[n]〜D[n+7]に位相設定のため接続される遅延回路34に対して1/2段数の遅延素子により内部クロックCLKx2を遅延した出力クロックCKを出力することにより、位相変化範囲の中心にクロックエッジがくることで画像データを受信する後段の回路に対する入力タイミングマージンを確保する。
【0040】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、出力データD[n]〜D[n+7]が“0”→“1”へ遷移する場合と、“1”→“0”へ遷移する場合、それぞれのデータ遷移状態において独立に出力位相を遅延回路34で遅延しているので、LSIの出力バッファの同時スイッチングにおけるピーク電流を拡散することができ、これにより、回路規模が小さく且つ低EMI化が実現できる汎用性の高い画像処理方法及び画像処理装置を実現できる。
【0041】
(変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、出力データ処理回路10,10A及び出力クロック位相変更回路40,40Aを図示以外の他の回路構成に変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例1における画像処理装置を示す概略の構成図である。
【図2】図1中の位相制御ツール部20を示す概略の回路図である。
【図3】図1の画像処理装置における動作タイミング図である。
【図4】図1の画像処理装置における出力クロックの動作タイミング図である。
【図5】図1の画像処理装置における動作例を示す図である。
【図6】2ビットで動作した場合の位相制御ツール部20の動作例を示す図である。
【図7】図6の動作例を示す図である。
【図8】本発明の実施例2のおける画像処理装置を示す概略の構成図である。
【符号の説明】
【0043】
10,10A 出力データ処理回路
11,12 D−FF
13 データ遷移判定部
14,15 ANDゲート
20,20A 位相制御ツール部
25 セレクタ
30,30A 位相選択部
40,40A 出力クロック位相変更回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ビットからなる入力データの遷移方向を判定して判定結果を出力する判定処理と、
前記判定結果に基づき、前記入力データにおける上位ビットのデータ値に応じて前記入力データの位相を変化させて出力データを出力する位相変更処理と、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
複数ビットからなる入力データの遷移方向を判定して判定結果を出力する判定手段と、
前記判定結果に基づき、前記入力データにおける上位ビットのデータ値に応じて前記入力データの位相を変化させて出力データを出力する位相変更手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
前記入力データに対する1クロック前の前データと現データとの比較を行い、前記入力データの遷移方向を判定して前記判定結果を出力するデータ遷移判定部により構成されていることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記位相変更手段は、
前記判定結果と前記入力データに対する前記現データとの論理演算を行ってデータ遷移情報を出力する論理回路と、
前記データ遷移情報における前記上位ビットのデータ値に基づき出力データの位相を設定して位相設定情報を出力する位相制御手段と、
前記位相設定情報に基づき、前記入力データとこの入力データの位相を変化させたデータとのいずれか一方を選択して前記出力データを出力する位相選択部と、
により構成されていることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記位相制御手段は、
前記データ遷移情報における最上位ビットのデータ値に対し、水平同期信号により前記出力データの位相を制御可能な構成になっていることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置は、更に、
前記出力データの位相を制御するための出力クロックを出力する出力クロック位相変更回路を有することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−114823(P2010−114823A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287760(P2008−287760)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】