画像処理装置
【構成】CPU26は、被写界像を取り込み、取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索し、発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する。CPU26はまた、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持し、指定された顔画像の表情を検出する。CPU26はまた、指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持された複数の顔特徴と検出された表情とに基づいて推定し、取り込まれた被写界像の品質を推定結果を参照して調整する。
【効果】被写界像の品質が向上する。
【効果】被写界像の品質が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置に関し、特に、被写界像に現れた人物の年齢を推定する、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、画像入力装置によって撮影された測定対象者の顔の画像に対して画像処理を行い測定対象者の年齢の推定を行う年齢推定装置において、測定対象者の顔の画像が撮影されて、取得された顔の画像からそれぞれ異なる複数の特徴量が抽出される。抽出されたそれぞれ異なる複数の特徴量に基づき、複数の年齢推定手段によって、年齢が推定される。これら複数の年齢推定手段で推定された複数の年齢の分布に基づき、推定年齢が決定される。決定された推定年齢は、表示手段によって表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−318632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、顔画像から抽出された特徴量に基づき年齢を推定するにあたって、顔の表情が参照されることはない。このため、推定された年齢を参照して被写界像の品質を調整する場合、被写界から検出された顔の表情によっては、被写界像の品質が低下するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、被写界像の品質を向上させることができる、画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う画像処理装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、被写界像を取り込む取り込み手段(16, S181~187)、取り込み手段によって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索手段(S93~S123)、探索手段によって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定手段(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持手段(44)、第1指定手段によって指定された顔画像の表情を検出する検出手段(S151)、第1指定手段によって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持手段によって保持された複数の顔特徴と検出手段によって検出された表情とに基づいて推定する推定手段(S153~S163, S165~S171)、および取り込み手段によって取り込まれた被写界像の品質を推定手段の推定結果を参照して調整する調整手段(S47, S197)を備える。
【0007】
好ましくは、取り込み手段は被写界を捉える撮像面を有して被写界像を出力する撮像手段(16)を含み、調整手段は撮像条件を調整する撮像条件調整手段(S47)を含む。
【0008】
さらに好ましくは、複数の年齢のいずれか1つを指定する第2指定手段(S25~S27)をさらに備え、撮像条件調整手段は第2指定手段によって指定された年齢に対応する年齢を有する人物の顔画像を基準として撮像条件を調整する。
【0009】
好ましくは、取り込み手段は被写界像を記録媒体から再生する再生手段(S181~187)を含み、調整手段は探索手段によって発見された顔画像毎にスムージング処理を施すスムージング処理手段(S197)を含む。
【0010】
好ましくは、推定手段は、第1指定手段によって指定された顔画像の特徴および/または保持手段によって保持された複数の顔特徴の各々を検出手段によって検出された表情を参照して修正する顔特徴修正手段(S153)、および第1指定手段によって指定された顔画像の特徴に符合する顔特徴を保持手段によって保持された複数の顔特徴の中から検出する処理を顔特徴修正手段の修正処理の後に実行する顔特徴検出手段(S155~S163, S165~S171)を含む。
【0011】
この発明に従う画像処理プログラムは、画像処理装置のプロセッサ(26)に、被写界像を取り込む取り込みステップ(16, S181~187)、取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ(S93~S123)、探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ(44)、第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ(S151)、第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持ステップによって保持された複数の顔特徴と検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ(S153~S163, S165~S171)、および取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップ(S47, S197)を実行させるための、画像処理プログラムである。
【0012】
この発明に従う画像処理方法は、画像処理装置(10)によって実行される画像処理方法であって、被写界像を取り込む取り込みステップ(16, S181~187)、取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ(S93~S123)、探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ(44)、第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ(S151)、第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持ステップによって保持された複数の顔特徴と検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ(S153~S163, S165~S171)、および取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップ(S47, S197)を備える。
【0013】
この発明に従う外部制御プログラムは、メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像処理装置(10)に供給される外部制御プログラムであって、被写界像を取り込む取り込みステップ(16, S181~187)、取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ(S93~S123)、探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ(44)、第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ(S151)、第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持ステップによって保持された複数の顔特徴と検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ(S153~S163, S165~S171)、および取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップ(S47, S197)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う画像処理装置(10)は、外部制御プログラムを受信する受信手段(50)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像処理装置(10)であって、外部制御プログラムは、被写界像を取り込む取り込みステップ(16, S181~187)、取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ(S93~S123)、探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ(44)、第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ(S151)、第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持ステップによって保持された複数の顔特徴と検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ(S153~S163, S165~S171)、および取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップ(S47, S197)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、顔画像の年齢を推定するにあたって、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴に加えて、推定対象である顔画像の表情が参照される。こうして推定された年齢を参照して被写界像の品質を調整することで、被写界像の品質の向上が図られる。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用される年代指定レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例に適用される標準顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例に適用される顔枠レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】年代指定タスクおよび再生タスクにおいて用いられる顔検出枠の一例を示す図解図である。
【図8】年代指定タスクおよび再生タスクにおける顔検出処理の一例を示す図解図である。
【図9】撮像モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の一例を示す図解図である。
【図10】図2実施例に適用される認識顔レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用される確定レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図12】図2実施例に適用される年齢性別辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図13】(A)は修正前の顔画像の一例を示す図解図であり、(B)は修正後の顔画像の一例を示す図解図である。
【図14】図2実施例に適用されるフォーカスレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図15】撮像モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の他の一例を示す図解図である。
【図16】再生モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の一例を示す図解図である。
【図17】(A)は修正前の顔画像の他の一例を示す図解図であり、(B)は修正後の顔画像の他の一例を示す図解図である。
【図18】再生モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の他の一例を示す図解図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図21】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図22】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図23】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図24】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図25】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図26】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図27】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図28】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図29】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図30】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図31】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図32】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0019】
図1を参照して、この実施例の画像処理装置は、基本的に次のように構成される。取り込み手段1は、被写界像を取り込む。探索手段2は、取り込み手段1によって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する。第1指定手段3は、探索手段2によって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する。保持手段4は、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する。検出手段5は、第1指定手段3によって指定された顔画像の表情を検出する。推定手段6は、第1指定手段3によって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持手段4によって保持された複数の顔特徴と検出手段5によって検出された表情とに基づいて推定する。調整手段7は、取り込み手段1によって取り込まれた被写界像の品質を推定手段6の推定結果を参照して調整する。
【0020】
顔画像の年齢を推定するにあたって、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴に加えて、推定対象である顔画像の表情が参照される。こうして推定された年齢を参照して被写界像の品質を調整することで、被写界像の品質の向上が図られる。
[実施例]
【0021】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が生成される。
【0022】
電源が投入されると、CPU26は、キー入力装置28に設けられたモード切り換えスイッチ28mdの設定(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別する。現時点の動作モードが撮像モードであれば、撮像タスクおよび年代指定タスクが起動される。現時点の動作モードが再生モードであれば、再生タスクが起動される。
【0023】
撮像モードが選択されると、CPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、撮像タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0024】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の生画像エリア32aに書き込まれる。
【0025】
後処理回路34は、生画像エリア32aに格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。後処理回路34はさらに、YUV形式に従う画像データに対して表示用のズーム処理と探索用のズーム処理とを並列的に実行する。この結果、YUV形式に従う表示画像データおよび探索画像データが個別に作成される。表示画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の表示画像エリア32bに書き込まれる。探索画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の探索画像エリア32cに書き込まれる。
【0026】
LCDドライバ36は、表示画像エリア32bに格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0027】
図3を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0028】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。
【0029】
AF評価回路24は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0030】
シャッタボタン28shが非操作状態のとき、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理を撮像タスクの下で実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0031】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく厳格AE処理を撮像タスクの下で実行し、最適EV値を算出する。最適EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。厳格AE処理が完了すると、CPU26は、後述する年代指定レジスタRGST1に何も登録されていない限り、撮像タスクの下で通常のAF処理を実行する。AF処理はAF評価回路24の出力を参照した山登り方式で実行され、フォーカスレンズ12は合焦点に設定される。これによって、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0032】
シャッタボタン28shが全押しされると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの表示画像データは、静止画取り込み処理によって静止画エリア32dに取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって静止画エリア32dから読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0033】
再生モードが選択されると、CPU26は、記録媒体42に記録された最新の画像ファイルを指定し、指定画像ファイルに注目した再生処理の実行をI/F40およびLCDドライバ36に命令する。
【0034】
I/F40は、指定された画像ファイルの画像データを記録媒体42から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32の表示画像エリア32bに書き込む。LCDドライバ36は、表示画像エリア32bに格納された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データに対応する光学像を生成する。この結果、生成された光学像は、LCDモニタ38に表示される。
【0035】
操作者によるキー入力装置28の操作によって、CPU26は、後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルを再生画像ファイルとして指定する。指定画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、LCDモニタ38の表示が更新される。
【0036】
CPU26はまた、簡易AE処理によるスルー画像の表示中に、キー入力装置28を通じて操作者によって年代指定操作が行われると、指定された年代を図4に示す年代指定レジスタRGST1に撮像タスクの下で登録する。年代指定操作は、操作者の所望の年代に属する年齢を有する人物の顔位置を優先したAF処理を実行するための、操作である。
【0037】
CPU26は、撮像タスクと並列して実行される年代指定タスクの下で、探索画像エリア32cに格納された探索画像データから人物の顔画像を探索して人物の年齢を推定するべく、年齢推定処理を実行する。年齢推定処理においては、CPU26は、処理速度を高めるために、探索画像エリア32cに格納された探索画像データを水平320画素×垂直240画素(解像度:QVGA)のQVGAデータに変換する。そして、QVGAデータから人物の顔画像を探索する。このような年齢推定処理のために、図5に示す標準顔辞書STDCと図6に示す顔検出枠レジスタRGST2と図7に示す複数の顔検出枠FD,FD,FD,…とが準備される。
【0038】
顔検出枠FDは、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、QVGAデータの画像上を評価エリアEVAに対応してラスタ走査態様で移動する(図8参照)。顔検出枠FDのサイズは、ラスタ走査が終了する毎に“200”から“20”まで“5”刻みで縮小される。
【0039】
CPU26は、顔検出枠FDに属する画像データをQVGAデータから読み出し、読み出された画像データの特徴量を算出する。算出された特徴量は、標準顔辞書STDCに登録された顔画像の特徴量と照合される。照合度が基準値REF1を上回ると、顔検出枠FDから顔画像が発見されたとみなされ、変数CNTがインクリメントされる。さらに、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズが、発見された顔画像を囲う顔検出枠の位置およびサイズとして、顔検出枠レジスタRGST2に登録される。
【0040】
したがって、図9に示す被写界が捉えられたときは、人物H1,H2およびH3の顔画像が検出され、検出された顔画像を囲う顔検出枠FDの位置およびサイズが顔検出枠レジスタRGST2に登録される。人物H1に対応する顔検出枠FDの位置およびサイズは顔検出枠レジスタRGST2の1番目のカラムに記述され、人物H2に対応する顔検出枠FDの位置およびサイズは顔検出枠レジスタRGST2の2番目のカラムに記述され、人物H3に対応する顔検出枠FDの位置およびサイズは顔検出枠レジスタRGST2の3番目のカラムに記述される。人物H3に対応する顔検出枠FDの位置およびサイズが記述された時点で、変数CNTは“3”を示す。
【0041】
CPU26は続いて、顔検出枠レジスタRGST2に登録されたCNT個の顔検出枠を順に指定する。指定された顔検出枠に属する画像データは、以下の顔認識処理を施される。
【0042】
顔認識処理に先立って、CPU26は、処理速度を高めるために、探索画像エリア32cに格納された探索画像データを水平640画素×垂直480画素(解像度:VGA)のVGAデータに変換する。CPU26は次に、顔検出枠レジスタRGST2に登録された顔検出枠の位置およびサイズをVGAデータ上におけるものに変換し、顔検出枠レジスタRGST2を書き換える。また、顔認識処理のために、図10に示す認識顔レジスタRGST3,図11に示す確定レジスタRGST4および図12に示す年齢性別辞書ASDCが準備される。
【0043】
年齢性別辞書ASDCにおいては、例えば0歳から80歳までの各々の年齢における平均的な人物の顔画像の特徴量が、性別毎に収められる。なお、図12では、人物の顔画像が割り当てられているが、実際には人物の顔画像の特徴量が割り当てられる。また、この実施例では人物の年齢の推定にあたって顔画像の笑顔度を参照するが、年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量が示す顔画像の笑顔度は、すべて0である。
【0044】
顔認識処理においてはまず、指定顔検出枠に属する画像データがVGAデータから読み出され、読み出された画像データの笑顔度が算出される。指定顔検出枠に属する画像データの特徴量は、算出された笑顔度と年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度との相違が抑制ないし解消されるように、修正される。年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度は0であるので、指定顔検出枠に属する画像データの特徴量は、笑顔度が0となるように修正される。
【0045】
図9に示す人物H1の顔画像の特徴量を修正する場合を例に挙げると、算出される笑顔度は例えば70である。この笑顔度は年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度(=0)と相違するので、人物H1の顔画像の特徴量は、笑顔度が0となるように修正される。この結果、人物H1の顔画像の表情は図13(A)から図13(B)に変化する。
【0046】
次に、変数Kが“1”〜“Kmax”の各々に設定され、修正された特徴量は、年齢性別辞書ASDCのK番目のカラムに記述された特徴量と照合される。なお、“Kmax”は、年齢性別辞書ASDCに収められた特徴量の総数に相当する。照合度が基準値REF2を上回れば、照合先の特徴量のカラム番号(=K)と照合度とが図10に示す認識顔レジスタRGST3に登録される。
【0047】
少なくとも1つのカラム番号が認識顔レジスタRGST3に登録されていれば、最大照合度に対応する顔検出枠の位置およびサイズと最大照合度に対応するカラム番号が示す年齢性別辞書ASDCのカラムに記述された年齢および性別とが、図11に示す確定レジスタRGST4に登録される。確定レジスタRGST4に登録された年齢は、顔検出枠に属する顔画像の人物の年齢と推定される。
【0048】
CNT個の顔検出枠に属する画像データに対して顔認識処理が完了すると、CPU26は、確定レジスタRGST4に登録があるか否かを判別する。登録がある場合は、CPU26は、フラグFLG_RCGに“1”を設定し、確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠の位置およびサイズを探索画像データ上におけるものに変換して、確定レジスタRGST4を書き換える。一方、確定レジスタRGST4に何も登録されていなければ、フラグFLG_RCGは“0”に設定される。
【0049】
このようにして年齢推定処理が完了すると、フラグFLG_RCGが“1”に設定されてかつ年代指定レジスタRGST1に指定年代が登録されている場合、CPU26は、年代指定タスクの下で、年代指定レジスタRGST1と確定レジスタRGST4との比較を行う。変数Mが“1”〜“Mmax”の各々に設定され、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された推定年齢と年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代とが比較される。推定年齢が指定年代に含まれる場合は、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された顔検出枠の位置およびサイズが、図14に示すフォーカスレジスタRGST5に登録される。なお、“Mmax”は、確定レジスタRGST4の登録年齢の総数に相当する。
【0050】
シャッタボタンが半押しされて厳格AE処理が完了した時点で年代指定レジスタRGST1に指定年代が登録されている場合、CPU26は、撮像タスクの下で指定年代表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。指定年代表示命令には、年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代が記述される。指定年代表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、指定年代を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。この結果、年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代が、図15に示す要領で、モニタ画面の右下においてスルー画像とともに表示される。
【0051】
指定年代表示命令の発行後、CPU26は、撮像タスクと並列して実行される年代指定タスクの完了を待つ。年代指定タスクの処理によって顔検出枠の位置およびサイズがフォーカスレジスタRGST5に登録された場合は、CPU26は、顔枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に向けて発行する。顔枠表示命令には、フォーカスレジスタRGST5に登録された顔検出枠の位置およびサイズが記述される。フォーカスレジスタRGST5に登録がない場合、つまり、年齢推定処理で推定された年齢が年代指定操作で指定された年代にいずれも含まれない場合は、顔枠表示命令は非発行とされる。
【0052】
顔枠表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、顔枠KFを表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。グラフィックデータは、顔枠表示命令に記述された位置およびサイズを参照して作成される。この結果、年代指定操作で指定された年代に属する推定年齢を有する人物の顔画像を囲うように、顔枠KFが表示される。
【0053】
図9に示す例において、例えば人物H1,H2およびH3が20歳,60歳および40歳と各々推定され、年代指定操作において“60歳代”が指定された場合は、人物H2の顔画像を囲うように顔枠KFが表示される(図15参照)。CPU26は次に、人物H2の顔位置を優先したAF処理を実行する。この結果、人物H2の顔画像の鮮鋭度が向上する。なお、顔枠表示命令が非発行とされたときは、通常のAF処理が実行される。シャッタボタン28shが全押しされた後の処理は、上述の通りである。
【0054】
再生モードが選択されている場合において、キー入力装置28を通じて美肌処理操作がなされると、再生中の画像ファイルの画像データがSDRAM32の探索画像エリア32cに書き込まれる。CPU26は次に、再生タスクの下で、年齢推定処理を実行する。なお、ここで実行される処理は、撮像タスクの下で実行される年齢推定処理と同様である。
【0055】
したがって、図16に示す再生画像P_bfrに対して美肌処理操作がなされたときは、人物H4およびH5の顔画像が検出され、検出された顔画像を囲う顔検出枠FDの位置およびサイズが顔検出枠レジスタRGST2に登録される。顔検出枠レジスタRGST2に登録された顔検出枠は順に指定され、各々について顔認識処理が施される。
【0056】
図16に示す人物H5の顔画像を例に挙げると、算出される笑顔度は例えば60であり、人物H5の顔画像の特徴量は、笑顔度が0となるように修正される。この結果、人物H5の顔画像の表情は図17(A)から図17(B)に変化する。
【0057】
修正された特徴量は、年齢性別辞書ASDCに収められた各々の特徴量と照合され、照合度が基準値REF2を上回る毎に、照合先の特徴量のカラム番号と照合度とが認識顔レジスタRGST3に登録される。照合が完了すると、最大照合度に対応する顔検出枠の位置およびサイズと最大照合度に対応するカラム番号が示す年齢性別辞書ASDCのカラムに記述された年齢および性別とが、確定レジスタRGST4に登録される。
【0058】
確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠の位置およびサイズが探索画像データ上におけるものに変換されて年齢推定処理が完了すると、CPU26は、美肌処理を実行する。美肌処理は、確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠に属する画像に対して、確定レジスタRGST4に登録された年齢または性別に基づいて、実行される。美肌処理においては、例えば、推定された年齢が高いほど補正の度合いを強める。また、女性の顔画像に対しては、男性に比べて補正の度合いを強め、肌色を明るく修正するなどの美白処理をも行う。
【0059】
図16の例において人物H4およびH5の顔画像が検出された場合は、各々の顔画像について、年齢推定がなされた上で美肌処理が施され、図18に示す画像P_aftが生成される。
【0060】
CPU26は、図19に示すメインタスク,図20〜図21に示す撮像タスク,図22〜図23に示す年代指定タスク,および図30〜図31に示す再生タスクを含む複数のタスクを実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0061】
図19を参照して、ステップS1では現時点の動作モードが撮像モードであるか否かを判別し、ステップS3では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。ステップS1でYESであればステップS5で撮像タスクを起動し、ステップS3でYESであればステップS7で再生タスクを起動する。ステップS1およびS3のいずれもNOであればステップS9でその他の処理を実行する。ステップS5,S7またはS9の処理が完了すると、モード切り換え操作が行われたか否かをステップS11で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、起動中のタスクをステップS13で停止し、その後にステップS1に戻る。
【0062】
図20を参照して、ステップS21では動画取り込み処理を実行する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCDモニタ38に表示され、探索画像データが探索画像エリア32cに繰り返し書き込まれる。ステップS23では年代指定タスクを起動し、ステップS25ではキー入力装置28を通じて操作者によって年代指定操作が行われたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS29に進む一方、判別結果がYESであれば指定された年代をステップS27で年代指定レジスタRGST1に登録する。
【0063】
ステップS29では、シャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS31で簡易AE処理を実行する。スルー画像の明るさは、簡易AE処理によって適度に調整される。
【0064】
フラグFLG_FINは、起動された年代指定タスクの下で“0”に初期設定され、年代指定タスクの処理が完了するときに、“1”に更新される。ステップS33ではこのようなフラグFLG_FINが“1”に更新されたか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOである限り、ステップS31で簡易AE処理を繰り返し実行する。ステップS33の判別結果がNOからYESに更新されるとステップS23に戻る。
【0065】
ステップS29の判別結果がYESであればステップS35で厳格AE処理を実行する。スルー画像の明るさは、厳格AE処理によって最適値に調整される。ステップS37では年代指定レジスタRGST1に指定年代が登録されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS39に進み、指定年代表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行される。指定年代表示命令には、年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代が記述される。この結果、年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代が、モニタ画面の右下においてスルー画像とともに表示される。
【0066】
ステップS41ではフラグFLG_FINが“1”を示すか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、フォーカスレジスタRGST5に顔検出枠の位置およびサイズが登録されているか否かをステップS43で判別する。ステップS45では顔枠表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行される。顔枠表示命令には、フォーカスレジスタRGST5に登録された顔検出枠の位置およびサイズが記述される。この結果、年代指定操作で指定された年代に属する推定年齢を有する人物の顔画像を囲うように、顔枠KFが表示される。
【0067】
ステップS47では、顔枠KFが囲う顔位置を優先したAF処理を実行する。この結果、顔枠KFに囲まれた顔画像の鮮鋭度が向上する。ステップS37またはステップS43の判別結果がNOであればステップS49に進み、通常のAF処理を実行する。フォーカスレンズ12は、AF処理によって合焦点に配置される。
【0068】
ステップS47またはステップS49の処理が完了すると、ステップS51でシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS53ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS51でYESであれば、ステップS55で静止画取り込み処理を実行し、ステップS57で記録処理を実行する。ステップS53の判別結果がYESの場合はステップS59に進む。ステップS55の処理の結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す1フレームの画像データが静止画エリア32dに取り込まれる。また、ステップS57の処理の結果、静止画像エリア32dに取り込まれた画像データがファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0069】
指定年代または顔枠KFが表示されていた場合は、ステップS59で指定年代非表示命令または顔枠非表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、この結果、指定年代または顔枠KFの表示が中止される。その後にステップS23に戻る。
【0070】
図22を参照して、ステップS61ではフラグFLG_FINに“0”を設定し、ステップS63ではフォーカスレジスタRGST5をクリアする。ステップS65では年齢推定処理を実行し、ステップS67ではフラグFLG_RCGが“1”を示すか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS69でフラグFLG_FINに“1”を設定し、その後に処理を終了する。判別結果がYESであれば、年代指定レジスタRGST1に指定年代が登録されているか否かをステップS71で判別する。ステップS71の判別結果がNOであればステップS69に進み、判別結果がYESであればステップS73で変数Mを“1”に設定する。
【0071】
ステップS75では、変数Mが最大値Mmax(=確定レジスタRGST4の登録年齢の総数)を上回るか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS69に進み、判別結果がNOであればステップS77に進む。ステップS77では、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された推定年齢と年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代とを比較する。ステップS79では、ステップS77の比較の結果、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された推定年齢が年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代に含まれるか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS83に進む一方、判別結果がYESであれば、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された顔検出枠の位置およびサイズをステップS81でフォーカスレジスタRGST5に登録する。ステップS83では変数Mをインクリメントし、その後にステップS75に戻る。
【0072】
図22のステップS65および図31のステップS193の年齢推定処理は、図24〜図27に示すサブルーチンに従って実行される。まず、探索画像エリア32cに格納された探索画像データをステップS91でQVGAデータに変換し、ステップS93では評価エリアEVAの全域を探索エリアとして設定する。ステップS95では、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxを“200”に設定し、最小サイズSZminを“20”に設定する。可変範囲の定義が完了すると、ステップS97で変数CNTを“0”に設定し、ステップS99で顔検出枠FDのサイズを“SZmax”に設定する。
【0073】
ステップS101では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS103で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置する。ステップS105では顔検出枠FDに属する一部のQVGAデータを読み出し、読み出されたQVGAデータの特徴量を算出する。
【0074】
ステップS107では算出された特徴量を標準顔辞書STDCに収められた顔画像の特徴量と照合し、ステップS109では照合度が基準値REF1を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればそのままステップS115に進み、判別結果がYESであればステップS111およびステップS113を経てステップS115に進む。ステップS111では、変数CNTをインクリメントする。ステップS113では、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズを、顔検出枠レジスタRGST2に登録する。
【0075】
ステップS115では、顔検出枠FDが探索エリアの右下位置に到達したか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS117で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS105に戻る。判別結果がYESであれば、ステップS119で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、顔検出枠FDのサイズが“SZmin”未満であるか否かをステップS121で判別する。ステップS121の判別結果がNOであれば、ステップS123で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置し、その後にステップS105に戻る。ステップS121の判別結果がYESであれば、ステップS125に進む。
【0076】
ステップS125では変数CNTが“0”に設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであれば、探索画像エリア32cに格納された探索画像データをステップS127でVGAデータに変換する。判別結果がYESであれば上階層のルーチンに復帰する。ステップS129では顔検出枠レジスタRGST2に登録された顔検出枠の位置およびサイズをVGAデータ上におけるものに変換し、顔検出枠レジスタRGST2を書き換える。
【0077】
ステップS131では確定レジスタRGST4の登録内容をクリアし、ステップS133では変数Nを“1”に設定する。ステップS135では変数Nが変数CNTを上回るか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS137に進み、顔検出枠レジスタRGST2のN番目のカラムに設定された顔検出枠を指定する。ステップS139では、指定された顔検出枠に属する画像データに注目した顔認識処理を実行する。顔認識処理が完了すると、ステップS141で変数Nをインクリメントし、その後にステップS135に戻る。
【0078】
ステップS135の判別結果がYESであれば、確定レジスタRGST4に登録があるか否かをステップS143で判別する。ステップS143の判別結果がYESであれば、ステップS145でフラグFLG_RCGを“1”に設定し、ステップS147では確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠の位置およびサイズを探索画像データ上におけるものに変換して、確定レジスタRGST4を書き換える。ステップS143の判別結果がNOであればステップS149でフラグFLG_RCGを“0”に設定する。ステップS147またはステップS149の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0079】
ステップS139の顔認識処理は、図28〜図29に示すサブルーチンに従って実行される。まず、指定された顔枠に属する画像データの笑顔度をステップS151で算出し、算出された笑顔度が年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度との相違が抑制ないし解消されるように、ステップS153で指定顔検出枠に属する画像データの特徴量を修正する。年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度は0であるので、指定顔検出枠に属する画像データの特徴量は、その笑顔度が0となるように修正される。
【0080】
ステップS155では認識顔レジスタRGST3をクリアし、変数KをステップS157で“1”に設定する。ステップS159では、変数Kが最大値Kmax(=年齢性別辞書ASDCに収められた特徴量の総数)を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS165に進み、修正された特徴量を、年齢性別辞書ASDCのK番目のカラムに記述された特徴量と照合する。
【0081】
ステップS167では照合度が基準値REF2を上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS169に進み、照合先の特徴量のカラム番号(=K)と照合度とを認識顔レジスタRGST3に登録する。登録が完了すると、ステップS171で変数Kをインクリメントし、その後にステップS159に戻る。ステップS167の判別結果がNOであれば、ステップS171の処理を経てステップS159に戻る。
【0082】
ステップS159の判別結果がYESであれば、少なくとも1つのカラム番号が認識顔レジスタRGST3に設定されているか否かをステップS161で判別する。ステップS161の判別結果がYESであれば、最大照合度に対応する顔検出枠の位置およびサイズと最大照合度に対応するカラム番号が示す年齢性別辞書ASDCのカラムに記述された年齢および性別とを、ステップS163で確定レジスタRGST4に登録する。ステップS161の判別結果がNOであるかまたはステップS163の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0083】
図30を参照して、ステップS181では変数Pに最新の画像ファイルを示す番号を設定し、ステップS183では記録媒体42に記録されているP番目のフレームの画像ファイルを再生する。
【0084】
ステップS185では操作者による再生ファイルを更新する操作があったか否かを判別し、判別結果がYESであれば、ステップS187で変数Pをインクリメントまたはデクリメントして、ステップS183に戻る。判別結果がNOであれば、ステップS189で操作者による美肌処理操作があったか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS185に戻る一方、判別結果がYESであればステップS191に進む。
【0085】
ステップS191では再生中の画像ファイルの画像データがSDRAM32の探索画像エリア32cに書き込まれ、ステップS193で年齢推定処理を実行する。ステップS195ではフラグFLG_RCGが“1”であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS185に戻る一方、判別結果がYESであれば、ステップS197に進む。ステップS197では、確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠に属する画像に対して、確定レジスタRGST4に登録された年齢または性別に基づいて、美肌処理を実行する。美肌処理の完了後、ステップS185に戻る。
【0086】
以上の説明から分かるように、CPU26は、被写界像を取り込み(16, S181~187)、取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索し(S93~S123)、発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する (S137)。CPU26はまた、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持し(44)、指定された顔画像の表情を検出する。CPU26はまた、指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持された複数の顔特徴と検出された表情とに基づいて推定し(S153~S163, S165~S171)、取り込まれた被写界像の品質を推定結果を参照して調整する(S47, S197)。
【0087】
顔画像の年齢を推定するにあたって、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴に加えて、推定対象である顔画像の表情が参照される。こうして推定された年齢を参照して被写界像の品質を調整することで、被写界像の品質の向上が図られる。
【0088】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F50を図32に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0089】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、図19に示すメインタスク,図20〜図21に示す撮像タスク,図22〜図23に示す年代指定タスク,および図30〜図31に示す再生タスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部をメインタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0090】
また、この実施例では、ステップS151で算出された笑顔度と年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度との相違を抑制ないし解消するために、指定顔検出枠に属する顔画像の特徴量を修正するようにしている。しかし、指定顔検出枠に属する顔画像の特徴量に代えて、或いは指定顔検出枠に属する顔画像の特徴量とともに、年齢性別辞書ASDCに収められるK番目の特徴量を修正するようにしてもよい。また、修正する対象を特徴量ではなく指定顔検出枠に属する顔画像とし、修正された顔画像の特徴量を検出するようにしてもよい。
【0091】
また、この実施例では、男性の年齢毎の平均的な顔画像の特徴量と女性の年齢毎の平均的な顔画像の特徴量とを一つに収めた年齢性別辞書ASDCを用いた。しかし、男性の平均的な顔画像の特徴量と女性の平均的な顔画像の特徴量とを収めた性別辞書を用いて、年齢推定の前に、修正後の特徴量と性別辞書の特徴量とを照合して性別を判定するようにしてもよい。この場合、年齢性別辞書ASDCとの照合においては、判定された性別の特徴量のみと照合すればよい。
【符号の説明】
【0092】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
22 …AE評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
28 …キー入力装置
32 …SDRAM
44 …フラッシュメモリ
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置に関し、特に、被写界像に現れた人物の年齢を推定する、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、画像入力装置によって撮影された測定対象者の顔の画像に対して画像処理を行い測定対象者の年齢の推定を行う年齢推定装置において、測定対象者の顔の画像が撮影されて、取得された顔の画像からそれぞれ異なる複数の特徴量が抽出される。抽出されたそれぞれ異なる複数の特徴量に基づき、複数の年齢推定手段によって、年齢が推定される。これら複数の年齢推定手段で推定された複数の年齢の分布に基づき、推定年齢が決定される。決定された推定年齢は、表示手段によって表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−318632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、顔画像から抽出された特徴量に基づき年齢を推定するにあたって、顔の表情が参照されることはない。このため、推定された年齢を参照して被写界像の品質を調整する場合、被写界から検出された顔の表情によっては、被写界像の品質が低下するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、被写界像の品質を向上させることができる、画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う画像処理装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、被写界像を取り込む取り込み手段(16, S181~187)、取り込み手段によって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索手段(S93~S123)、探索手段によって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定手段(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持手段(44)、第1指定手段によって指定された顔画像の表情を検出する検出手段(S151)、第1指定手段によって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持手段によって保持された複数の顔特徴と検出手段によって検出された表情とに基づいて推定する推定手段(S153~S163, S165~S171)、および取り込み手段によって取り込まれた被写界像の品質を推定手段の推定結果を参照して調整する調整手段(S47, S197)を備える。
【0007】
好ましくは、取り込み手段は被写界を捉える撮像面を有して被写界像を出力する撮像手段(16)を含み、調整手段は撮像条件を調整する撮像条件調整手段(S47)を含む。
【0008】
さらに好ましくは、複数の年齢のいずれか1つを指定する第2指定手段(S25~S27)をさらに備え、撮像条件調整手段は第2指定手段によって指定された年齢に対応する年齢を有する人物の顔画像を基準として撮像条件を調整する。
【0009】
好ましくは、取り込み手段は被写界像を記録媒体から再生する再生手段(S181~187)を含み、調整手段は探索手段によって発見された顔画像毎にスムージング処理を施すスムージング処理手段(S197)を含む。
【0010】
好ましくは、推定手段は、第1指定手段によって指定された顔画像の特徴および/または保持手段によって保持された複数の顔特徴の各々を検出手段によって検出された表情を参照して修正する顔特徴修正手段(S153)、および第1指定手段によって指定された顔画像の特徴に符合する顔特徴を保持手段によって保持された複数の顔特徴の中から検出する処理を顔特徴修正手段の修正処理の後に実行する顔特徴検出手段(S155~S163, S165~S171)を含む。
【0011】
この発明に従う画像処理プログラムは、画像処理装置のプロセッサ(26)に、被写界像を取り込む取り込みステップ(16, S181~187)、取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ(S93~S123)、探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ(44)、第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ(S151)、第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持ステップによって保持された複数の顔特徴と検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ(S153~S163, S165~S171)、および取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップ(S47, S197)を実行させるための、画像処理プログラムである。
【0012】
この発明に従う画像処理方法は、画像処理装置(10)によって実行される画像処理方法であって、被写界像を取り込む取り込みステップ(16, S181~187)、取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ(S93~S123)、探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ(44)、第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ(S151)、第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持ステップによって保持された複数の顔特徴と検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ(S153~S163, S165~S171)、および取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップ(S47, S197)を備える。
【0013】
この発明に従う外部制御プログラムは、メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像処理装置(10)に供給される外部制御プログラムであって、被写界像を取り込む取り込みステップ(16, S181~187)、取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ(S93~S123)、探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ(44)、第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ(S151)、第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持ステップによって保持された複数の顔特徴と検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ(S153~S163, S165~S171)、および取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップ(S47, S197)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う画像処理装置(10)は、外部制御プログラムを受信する受信手段(50)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像処理装置(10)であって、外部制御プログラムは、被写界像を取り込む取り込みステップ(16, S181~187)、取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ(S93~S123)、探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ(S137)、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ(44)、第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ(S151)、第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持ステップによって保持された複数の顔特徴と検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ(S153~S163, S165~S171)、および取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップ(S47, S197)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、顔画像の年齢を推定するにあたって、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴に加えて、推定対象である顔画像の表情が参照される。こうして推定された年齢を参照して被写界像の品質を調整することで、被写界像の品質の向上が図られる。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用される年代指定レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例に適用される標準顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例に適用される顔枠レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】年代指定タスクおよび再生タスクにおいて用いられる顔検出枠の一例を示す図解図である。
【図8】年代指定タスクおよび再生タスクにおける顔検出処理の一例を示す図解図である。
【図9】撮像モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の一例を示す図解図である。
【図10】図2実施例に適用される認識顔レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用される確定レジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図12】図2実施例に適用される年齢性別辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図13】(A)は修正前の顔画像の一例を示す図解図であり、(B)は修正後の顔画像の一例を示す図解図である。
【図14】図2実施例に適用されるフォーカスレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図15】撮像モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の他の一例を示す図解図である。
【図16】再生モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の一例を示す図解図である。
【図17】(A)は修正前の顔画像の他の一例を示す図解図であり、(B)は修正後の顔画像の他の一例を示す図解図である。
【図18】再生モードにおいてモニタ画面に表示された被写界像の他の一例を示す図解図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図21】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図22】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図23】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図24】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図25】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図26】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図27】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図28】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図29】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図30】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図31】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図32】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0019】
図1を参照して、この実施例の画像処理装置は、基本的に次のように構成される。取り込み手段1は、被写界像を取り込む。探索手段2は、取り込み手段1によって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する。第1指定手段3は、探索手段2によって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する。保持手段4は、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する。検出手段5は、第1指定手段3によって指定された顔画像の表情を検出する。推定手段6は、第1指定手段3によって指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持手段4によって保持された複数の顔特徴と検出手段5によって検出された表情とに基づいて推定する。調整手段7は、取り込み手段1によって取り込まれた被写界像の品質を推定手段6の推定結果を参照して調整する。
【0020】
顔画像の年齢を推定するにあたって、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴に加えて、推定対象である顔画像の表情が参照される。こうして推定された年齢を参照して被写界像の品質を調整することで、被写界像の品質の向上が図られる。
[実施例]
【0021】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、被写界像を表す電荷が生成される。
【0022】
電源が投入されると、CPU26は、キー入力装置28に設けられたモード切り換えスイッチ28mdの設定(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別する。現時点の動作モードが撮像モードであれば、撮像タスクおよび年代指定タスクが起動される。現時点の動作モードが再生モードであれば、再生タスクが起動される。
【0023】
撮像モードが選択されると、CPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、撮像タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0024】
前処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32の生画像エリア32aに書き込まれる。
【0025】
後処理回路34は、生画像エリア32aに格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。後処理回路34はさらに、YUV形式に従う画像データに対して表示用のズーム処理と探索用のズーム処理とを並列的に実行する。この結果、YUV形式に従う表示画像データおよび探索画像データが個別に作成される。表示画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の表示画像エリア32bに書き込まれる。探索画像データは、メモリ制御回路30によってSDRAM32の探索画像エリア32cに書き込まれる。
【0026】
LCDドライバ36は、表示画像エリア32bに格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0027】
図3を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0028】
AE評価回路22は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。
【0029】
AF評価回路24は、前処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0030】
シャッタボタン28shが非操作状態のとき、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理を撮像タスクの下で実行し、適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0031】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく厳格AE処理を撮像タスクの下で実行し、最適EV値を算出する。最適EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。厳格AE処理が完了すると、CPU26は、後述する年代指定レジスタRGST1に何も登録されていない限り、撮像タスクの下で通常のAF処理を実行する。AF処理はAF評価回路24の出力を参照した山登り方式で実行され、フォーカスレンズ12は合焦点に設定される。これによって、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0032】
シャッタボタン28shが全押しされると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの表示画像データは、静止画取り込み処理によって静止画エリア32dに取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって静止画エリア32dから読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0033】
再生モードが選択されると、CPU26は、記録媒体42に記録された最新の画像ファイルを指定し、指定画像ファイルに注目した再生処理の実行をI/F40およびLCDドライバ36に命令する。
【0034】
I/F40は、指定された画像ファイルの画像データを記録媒体42から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32の表示画像エリア32bに書き込む。LCDドライバ36は、表示画像エリア32bに格納された画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された画像データに対応する光学像を生成する。この結果、生成された光学像は、LCDモニタ38に表示される。
【0035】
操作者によるキー入力装置28の操作によって、CPU26は、後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルを再生画像ファイルとして指定する。指定画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、LCDモニタ38の表示が更新される。
【0036】
CPU26はまた、簡易AE処理によるスルー画像の表示中に、キー入力装置28を通じて操作者によって年代指定操作が行われると、指定された年代を図4に示す年代指定レジスタRGST1に撮像タスクの下で登録する。年代指定操作は、操作者の所望の年代に属する年齢を有する人物の顔位置を優先したAF処理を実行するための、操作である。
【0037】
CPU26は、撮像タスクと並列して実行される年代指定タスクの下で、探索画像エリア32cに格納された探索画像データから人物の顔画像を探索して人物の年齢を推定するべく、年齢推定処理を実行する。年齢推定処理においては、CPU26は、処理速度を高めるために、探索画像エリア32cに格納された探索画像データを水平320画素×垂直240画素(解像度:QVGA)のQVGAデータに変換する。そして、QVGAデータから人物の顔画像を探索する。このような年齢推定処理のために、図5に示す標準顔辞書STDCと図6に示す顔検出枠レジスタRGST2と図7に示す複数の顔検出枠FD,FD,FD,…とが準備される。
【0038】
顔検出枠FDは、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、QVGAデータの画像上を評価エリアEVAに対応してラスタ走査態様で移動する(図8参照)。顔検出枠FDのサイズは、ラスタ走査が終了する毎に“200”から“20”まで“5”刻みで縮小される。
【0039】
CPU26は、顔検出枠FDに属する画像データをQVGAデータから読み出し、読み出された画像データの特徴量を算出する。算出された特徴量は、標準顔辞書STDCに登録された顔画像の特徴量と照合される。照合度が基準値REF1を上回ると、顔検出枠FDから顔画像が発見されたとみなされ、変数CNTがインクリメントされる。さらに、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズが、発見された顔画像を囲う顔検出枠の位置およびサイズとして、顔検出枠レジスタRGST2に登録される。
【0040】
したがって、図9に示す被写界が捉えられたときは、人物H1,H2およびH3の顔画像が検出され、検出された顔画像を囲う顔検出枠FDの位置およびサイズが顔検出枠レジスタRGST2に登録される。人物H1に対応する顔検出枠FDの位置およびサイズは顔検出枠レジスタRGST2の1番目のカラムに記述され、人物H2に対応する顔検出枠FDの位置およびサイズは顔検出枠レジスタRGST2の2番目のカラムに記述され、人物H3に対応する顔検出枠FDの位置およびサイズは顔検出枠レジスタRGST2の3番目のカラムに記述される。人物H3に対応する顔検出枠FDの位置およびサイズが記述された時点で、変数CNTは“3”を示す。
【0041】
CPU26は続いて、顔検出枠レジスタRGST2に登録されたCNT個の顔検出枠を順に指定する。指定された顔検出枠に属する画像データは、以下の顔認識処理を施される。
【0042】
顔認識処理に先立って、CPU26は、処理速度を高めるために、探索画像エリア32cに格納された探索画像データを水平640画素×垂直480画素(解像度:VGA)のVGAデータに変換する。CPU26は次に、顔検出枠レジスタRGST2に登録された顔検出枠の位置およびサイズをVGAデータ上におけるものに変換し、顔検出枠レジスタRGST2を書き換える。また、顔認識処理のために、図10に示す認識顔レジスタRGST3,図11に示す確定レジスタRGST4および図12に示す年齢性別辞書ASDCが準備される。
【0043】
年齢性別辞書ASDCにおいては、例えば0歳から80歳までの各々の年齢における平均的な人物の顔画像の特徴量が、性別毎に収められる。なお、図12では、人物の顔画像が割り当てられているが、実際には人物の顔画像の特徴量が割り当てられる。また、この実施例では人物の年齢の推定にあたって顔画像の笑顔度を参照するが、年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量が示す顔画像の笑顔度は、すべて0である。
【0044】
顔認識処理においてはまず、指定顔検出枠に属する画像データがVGAデータから読み出され、読み出された画像データの笑顔度が算出される。指定顔検出枠に属する画像データの特徴量は、算出された笑顔度と年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度との相違が抑制ないし解消されるように、修正される。年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度は0であるので、指定顔検出枠に属する画像データの特徴量は、笑顔度が0となるように修正される。
【0045】
図9に示す人物H1の顔画像の特徴量を修正する場合を例に挙げると、算出される笑顔度は例えば70である。この笑顔度は年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度(=0)と相違するので、人物H1の顔画像の特徴量は、笑顔度が0となるように修正される。この結果、人物H1の顔画像の表情は図13(A)から図13(B)に変化する。
【0046】
次に、変数Kが“1”〜“Kmax”の各々に設定され、修正された特徴量は、年齢性別辞書ASDCのK番目のカラムに記述された特徴量と照合される。なお、“Kmax”は、年齢性別辞書ASDCに収められた特徴量の総数に相当する。照合度が基準値REF2を上回れば、照合先の特徴量のカラム番号(=K)と照合度とが図10に示す認識顔レジスタRGST3に登録される。
【0047】
少なくとも1つのカラム番号が認識顔レジスタRGST3に登録されていれば、最大照合度に対応する顔検出枠の位置およびサイズと最大照合度に対応するカラム番号が示す年齢性別辞書ASDCのカラムに記述された年齢および性別とが、図11に示す確定レジスタRGST4に登録される。確定レジスタRGST4に登録された年齢は、顔検出枠に属する顔画像の人物の年齢と推定される。
【0048】
CNT個の顔検出枠に属する画像データに対して顔認識処理が完了すると、CPU26は、確定レジスタRGST4に登録があるか否かを判別する。登録がある場合は、CPU26は、フラグFLG_RCGに“1”を設定し、確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠の位置およびサイズを探索画像データ上におけるものに変換して、確定レジスタRGST4を書き換える。一方、確定レジスタRGST4に何も登録されていなければ、フラグFLG_RCGは“0”に設定される。
【0049】
このようにして年齢推定処理が完了すると、フラグFLG_RCGが“1”に設定されてかつ年代指定レジスタRGST1に指定年代が登録されている場合、CPU26は、年代指定タスクの下で、年代指定レジスタRGST1と確定レジスタRGST4との比較を行う。変数Mが“1”〜“Mmax”の各々に設定され、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された推定年齢と年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代とが比較される。推定年齢が指定年代に含まれる場合は、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された顔検出枠の位置およびサイズが、図14に示すフォーカスレジスタRGST5に登録される。なお、“Mmax”は、確定レジスタRGST4の登録年齢の総数に相当する。
【0050】
シャッタボタンが半押しされて厳格AE処理が完了した時点で年代指定レジスタRGST1に指定年代が登録されている場合、CPU26は、撮像タスクの下で指定年代表示命令をグラフィックジェネレータ46に与える。指定年代表示命令には、年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代が記述される。指定年代表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、指定年代を表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。この結果、年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代が、図15に示す要領で、モニタ画面の右下においてスルー画像とともに表示される。
【0051】
指定年代表示命令の発行後、CPU26は、撮像タスクと並列して実行される年代指定タスクの完了を待つ。年代指定タスクの処理によって顔検出枠の位置およびサイズがフォーカスレジスタRGST5に登録された場合は、CPU26は、顔枠表示命令をグラフィックジェネレータ46に向けて発行する。顔枠表示命令には、フォーカスレジスタRGST5に登録された顔検出枠の位置およびサイズが記述される。フォーカスレジスタRGST5に登録がない場合、つまり、年齢推定処理で推定された年齢が年代指定操作で指定された年代にいずれも含まれない場合は、顔枠表示命令は非発行とされる。
【0052】
顔枠表示命令が与えられたとき、グラフィックジェネレータ46は、顔枠KFを表すグラフィックデータを作成し、作成されたグラフィックデータをLCDドライバ36に与える。グラフィックデータは、顔枠表示命令に記述された位置およびサイズを参照して作成される。この結果、年代指定操作で指定された年代に属する推定年齢を有する人物の顔画像を囲うように、顔枠KFが表示される。
【0053】
図9に示す例において、例えば人物H1,H2およびH3が20歳,60歳および40歳と各々推定され、年代指定操作において“60歳代”が指定された場合は、人物H2の顔画像を囲うように顔枠KFが表示される(図15参照)。CPU26は次に、人物H2の顔位置を優先したAF処理を実行する。この結果、人物H2の顔画像の鮮鋭度が向上する。なお、顔枠表示命令が非発行とされたときは、通常のAF処理が実行される。シャッタボタン28shが全押しされた後の処理は、上述の通りである。
【0054】
再生モードが選択されている場合において、キー入力装置28を通じて美肌処理操作がなされると、再生中の画像ファイルの画像データがSDRAM32の探索画像エリア32cに書き込まれる。CPU26は次に、再生タスクの下で、年齢推定処理を実行する。なお、ここで実行される処理は、撮像タスクの下で実行される年齢推定処理と同様である。
【0055】
したがって、図16に示す再生画像P_bfrに対して美肌処理操作がなされたときは、人物H4およびH5の顔画像が検出され、検出された顔画像を囲う顔検出枠FDの位置およびサイズが顔検出枠レジスタRGST2に登録される。顔検出枠レジスタRGST2に登録された顔検出枠は順に指定され、各々について顔認識処理が施される。
【0056】
図16に示す人物H5の顔画像を例に挙げると、算出される笑顔度は例えば60であり、人物H5の顔画像の特徴量は、笑顔度が0となるように修正される。この結果、人物H5の顔画像の表情は図17(A)から図17(B)に変化する。
【0057】
修正された特徴量は、年齢性別辞書ASDCに収められた各々の特徴量と照合され、照合度が基準値REF2を上回る毎に、照合先の特徴量のカラム番号と照合度とが認識顔レジスタRGST3に登録される。照合が完了すると、最大照合度に対応する顔検出枠の位置およびサイズと最大照合度に対応するカラム番号が示す年齢性別辞書ASDCのカラムに記述された年齢および性別とが、確定レジスタRGST4に登録される。
【0058】
確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠の位置およびサイズが探索画像データ上におけるものに変換されて年齢推定処理が完了すると、CPU26は、美肌処理を実行する。美肌処理は、確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠に属する画像に対して、確定レジスタRGST4に登録された年齢または性別に基づいて、実行される。美肌処理においては、例えば、推定された年齢が高いほど補正の度合いを強める。また、女性の顔画像に対しては、男性に比べて補正の度合いを強め、肌色を明るく修正するなどの美白処理をも行う。
【0059】
図16の例において人物H4およびH5の顔画像が検出された場合は、各々の顔画像について、年齢推定がなされた上で美肌処理が施され、図18に示す画像P_aftが生成される。
【0060】
CPU26は、図19に示すメインタスク,図20〜図21に示す撮像タスク,図22〜図23に示す年代指定タスク,および図30〜図31に示す再生タスクを含む複数のタスクを実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0061】
図19を参照して、ステップS1では現時点の動作モードが撮像モードであるか否かを判別し、ステップS3では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。ステップS1でYESであればステップS5で撮像タスクを起動し、ステップS3でYESであればステップS7で再生タスクを起動する。ステップS1およびS3のいずれもNOであればステップS9でその他の処理を実行する。ステップS5,S7またはS9の処理が完了すると、モード切り換え操作が行われたか否かをステップS11で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、起動中のタスクをステップS13で停止し、その後にステップS1に戻る。
【0062】
図20を参照して、ステップS21では動画取り込み処理を実行する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCDモニタ38に表示され、探索画像データが探索画像エリア32cに繰り返し書き込まれる。ステップS23では年代指定タスクを起動し、ステップS25ではキー入力装置28を通じて操作者によって年代指定操作が行われたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS29に進む一方、判別結果がYESであれば指定された年代をステップS27で年代指定レジスタRGST1に登録する。
【0063】
ステップS29では、シャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS31で簡易AE処理を実行する。スルー画像の明るさは、簡易AE処理によって適度に調整される。
【0064】
フラグFLG_FINは、起動された年代指定タスクの下で“0”に初期設定され、年代指定タスクの処理が完了するときに、“1”に更新される。ステップS33ではこのようなフラグFLG_FINが“1”に更新されたか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOである限り、ステップS31で簡易AE処理を繰り返し実行する。ステップS33の判別結果がNOからYESに更新されるとステップS23に戻る。
【0065】
ステップS29の判別結果がYESであればステップS35で厳格AE処理を実行する。スルー画像の明るさは、厳格AE処理によって最適値に調整される。ステップS37では年代指定レジスタRGST1に指定年代が登録されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS39に進み、指定年代表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行される。指定年代表示命令には、年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代が記述される。この結果、年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代が、モニタ画面の右下においてスルー画像とともに表示される。
【0066】
ステップS41ではフラグFLG_FINが“1”を示すか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、フォーカスレジスタRGST5に顔検出枠の位置およびサイズが登録されているか否かをステップS43で判別する。ステップS45では顔枠表示命令がグラフィックジェネレータ46に向けて発行される。顔枠表示命令には、フォーカスレジスタRGST5に登録された顔検出枠の位置およびサイズが記述される。この結果、年代指定操作で指定された年代に属する推定年齢を有する人物の顔画像を囲うように、顔枠KFが表示される。
【0067】
ステップS47では、顔枠KFが囲う顔位置を優先したAF処理を実行する。この結果、顔枠KFに囲まれた顔画像の鮮鋭度が向上する。ステップS37またはステップS43の判別結果がNOであればステップS49に進み、通常のAF処理を実行する。フォーカスレンズ12は、AF処理によって合焦点に配置される。
【0068】
ステップS47またはステップS49の処理が完了すると、ステップS51でシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、ステップS53ではシャッタボタン28shの操作が解除されたか否かを判別する。ステップS51でYESであれば、ステップS55で静止画取り込み処理を実行し、ステップS57で記録処理を実行する。ステップS53の判別結果がYESの場合はステップS59に進む。ステップS55の処理の結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点の被写界を表す1フレームの画像データが静止画エリア32dに取り込まれる。また、ステップS57の処理の結果、静止画像エリア32dに取り込まれた画像データがファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0069】
指定年代または顔枠KFが表示されていた場合は、ステップS59で指定年代非表示命令または顔枠非表示命令をグラフィックジェネレータ46に与え、この結果、指定年代または顔枠KFの表示が中止される。その後にステップS23に戻る。
【0070】
図22を参照して、ステップS61ではフラグFLG_FINに“0”を設定し、ステップS63ではフォーカスレジスタRGST5をクリアする。ステップS65では年齢推定処理を実行し、ステップS67ではフラグFLG_RCGが“1”を示すか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS69でフラグFLG_FINに“1”を設定し、その後に処理を終了する。判別結果がYESであれば、年代指定レジスタRGST1に指定年代が登録されているか否かをステップS71で判別する。ステップS71の判別結果がNOであればステップS69に進み、判別結果がYESであればステップS73で変数Mを“1”に設定する。
【0071】
ステップS75では、変数Mが最大値Mmax(=確定レジスタRGST4の登録年齢の総数)を上回るか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS69に進み、判別結果がNOであればステップS77に進む。ステップS77では、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された推定年齢と年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代とを比較する。ステップS79では、ステップS77の比較の結果、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された推定年齢が年代指定レジスタRGST1に登録された指定年代に含まれるか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS83に進む一方、判別結果がYESであれば、確定レジスタRGST4のM番目のカラムに記述された顔検出枠の位置およびサイズをステップS81でフォーカスレジスタRGST5に登録する。ステップS83では変数Mをインクリメントし、その後にステップS75に戻る。
【0072】
図22のステップS65および図31のステップS193の年齢推定処理は、図24〜図27に示すサブルーチンに従って実行される。まず、探索画像エリア32cに格納された探索画像データをステップS91でQVGAデータに変換し、ステップS93では評価エリアEVAの全域を探索エリアとして設定する。ステップS95では、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxを“200”に設定し、最小サイズSZminを“20”に設定する。可変範囲の定義が完了すると、ステップS97で変数CNTを“0”に設定し、ステップS99で顔検出枠FDのサイズを“SZmax”に設定する。
【0073】
ステップS101では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS103で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置する。ステップS105では顔検出枠FDに属する一部のQVGAデータを読み出し、読み出されたQVGAデータの特徴量を算出する。
【0074】
ステップS107では算出された特徴量を標準顔辞書STDCに収められた顔画像の特徴量と照合し、ステップS109では照合度が基準値REF1を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればそのままステップS115に進み、判別結果がYESであればステップS111およびステップS113を経てステップS115に進む。ステップS111では、変数CNTをインクリメントする。ステップS113では、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズを、顔検出枠レジスタRGST2に登録する。
【0075】
ステップS115では、顔検出枠FDが探索エリアの右下位置に到達したか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS117で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS105に戻る。判別結果がYESであれば、ステップS119で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、顔検出枠FDのサイズが“SZmin”未満であるか否かをステップS121で判別する。ステップS121の判別結果がNOであれば、ステップS123で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置し、その後にステップS105に戻る。ステップS121の判別結果がYESであれば、ステップS125に進む。
【0076】
ステップS125では変数CNTが“0”に設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであれば、探索画像エリア32cに格納された探索画像データをステップS127でVGAデータに変換する。判別結果がYESであれば上階層のルーチンに復帰する。ステップS129では顔検出枠レジスタRGST2に登録された顔検出枠の位置およびサイズをVGAデータ上におけるものに変換し、顔検出枠レジスタRGST2を書き換える。
【0077】
ステップS131では確定レジスタRGST4の登録内容をクリアし、ステップS133では変数Nを“1”に設定する。ステップS135では変数Nが変数CNTを上回るか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS137に進み、顔検出枠レジスタRGST2のN番目のカラムに設定された顔検出枠を指定する。ステップS139では、指定された顔検出枠に属する画像データに注目した顔認識処理を実行する。顔認識処理が完了すると、ステップS141で変数Nをインクリメントし、その後にステップS135に戻る。
【0078】
ステップS135の判別結果がYESであれば、確定レジスタRGST4に登録があるか否かをステップS143で判別する。ステップS143の判別結果がYESであれば、ステップS145でフラグFLG_RCGを“1”に設定し、ステップS147では確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠の位置およびサイズを探索画像データ上におけるものに変換して、確定レジスタRGST4を書き換える。ステップS143の判別結果がNOであればステップS149でフラグFLG_RCGを“0”に設定する。ステップS147またはステップS149の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0079】
ステップS139の顔認識処理は、図28〜図29に示すサブルーチンに従って実行される。まず、指定された顔枠に属する画像データの笑顔度をステップS151で算出し、算出された笑顔度が年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度との相違が抑制ないし解消されるように、ステップS153で指定顔検出枠に属する画像データの特徴量を修正する。年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度は0であるので、指定顔検出枠に属する画像データの特徴量は、その笑顔度が0となるように修正される。
【0080】
ステップS155では認識顔レジスタRGST3をクリアし、変数KをステップS157で“1”に設定する。ステップS159では、変数Kが最大値Kmax(=年齢性別辞書ASDCに収められた特徴量の総数)を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS165に進み、修正された特徴量を、年齢性別辞書ASDCのK番目のカラムに記述された特徴量と照合する。
【0081】
ステップS167では照合度が基準値REF2を上回るか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS169に進み、照合先の特徴量のカラム番号(=K)と照合度とを認識顔レジスタRGST3に登録する。登録が完了すると、ステップS171で変数Kをインクリメントし、その後にステップS159に戻る。ステップS167の判別結果がNOであれば、ステップS171の処理を経てステップS159に戻る。
【0082】
ステップS159の判別結果がYESであれば、少なくとも1つのカラム番号が認識顔レジスタRGST3に設定されているか否かをステップS161で判別する。ステップS161の判別結果がYESであれば、最大照合度に対応する顔検出枠の位置およびサイズと最大照合度に対応するカラム番号が示す年齢性別辞書ASDCのカラムに記述された年齢および性別とを、ステップS163で確定レジスタRGST4に登録する。ステップS161の判別結果がNOであるかまたはステップS163の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0083】
図30を参照して、ステップS181では変数Pに最新の画像ファイルを示す番号を設定し、ステップS183では記録媒体42に記録されているP番目のフレームの画像ファイルを再生する。
【0084】
ステップS185では操作者による再生ファイルを更新する操作があったか否かを判別し、判別結果がYESであれば、ステップS187で変数Pをインクリメントまたはデクリメントして、ステップS183に戻る。判別結果がNOであれば、ステップS189で操作者による美肌処理操作があったか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS185に戻る一方、判別結果がYESであればステップS191に進む。
【0085】
ステップS191では再生中の画像ファイルの画像データがSDRAM32の探索画像エリア32cに書き込まれ、ステップS193で年齢推定処理を実行する。ステップS195ではフラグFLG_RCGが“1”であるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS185に戻る一方、判別結果がYESであれば、ステップS197に進む。ステップS197では、確定レジスタRGST4に登録された顔検出枠に属する画像に対して、確定レジスタRGST4に登録された年齢または性別に基づいて、美肌処理を実行する。美肌処理の完了後、ステップS185に戻る。
【0086】
以上の説明から分かるように、CPU26は、被写界像を取り込み(16, S181~187)、取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索し(S93~S123)、発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する (S137)。CPU26はまた、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持し(44)、指定された顔画像の表情を検出する。CPU26はまた、指定された顔画像に相当する人物の年齢を保持された複数の顔特徴と検出された表情とに基づいて推定し(S153~S163, S165~S171)、取り込まれた被写界像の品質を推定結果を参照して調整する(S47, S197)。
【0087】
顔画像の年齢を推定するにあたって、複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴に加えて、推定対象である顔画像の表情が参照される。こうして推定された年齢を参照して被写界像の品質を調整することで、被写界像の品質の向上が図られる。
【0088】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F50を図32に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0089】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、図19に示すメインタスク,図20〜図21に示す撮像タスク,図22〜図23に示す年代指定タスク,および図30〜図31に示す再生タスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部をメインタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0090】
また、この実施例では、ステップS151で算出された笑顔度と年齢性別辞書ASDCに収められる各々の特徴量の笑顔度との相違を抑制ないし解消するために、指定顔検出枠に属する顔画像の特徴量を修正するようにしている。しかし、指定顔検出枠に属する顔画像の特徴量に代えて、或いは指定顔検出枠に属する顔画像の特徴量とともに、年齢性別辞書ASDCに収められるK番目の特徴量を修正するようにしてもよい。また、修正する対象を特徴量ではなく指定顔検出枠に属する顔画像とし、修正された顔画像の特徴量を検出するようにしてもよい。
【0091】
また、この実施例では、男性の年齢毎の平均的な顔画像の特徴量と女性の年齢毎の平均的な顔画像の特徴量とを一つに収めた年齢性別辞書ASDCを用いた。しかし、男性の平均的な顔画像の特徴量と女性の平均的な顔画像の特徴量とを収めた性別辞書を用いて、年齢推定の前に、修正後の特徴量と性別辞書の特徴量とを照合して性別を判定するようにしてもよい。この場合、年齢性別辞書ASDCとの照合においては、判定された性別の特徴量のみと照合すればよい。
【符号の説明】
【0092】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
22 …AE評価回路
24 …AF評価回路
26 …CPU
28 …キー入力装置
32 …SDRAM
44 …フラッシュメモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写界像を取り込む取り込み手段、
前記取り込み手段によって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索手段、
前記探索手段によって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定手段、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持手段、
前記第1指定手段によって指定された顔画像の表情を検出する検出手段、
前記第1指定手段によって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持手段によって保持された複数の顔特徴と前記検出手段によって検出された表情とに基づいて推定する推定手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた被写界像の品質を前記推定手段の推定結果を参照して調整する調整手段を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記取り込み手段は被写界を捉える撮像面を有して前記被写界像を出力する撮像手段を含み、
前記調整手段は撮像条件を調整する撮像条件調整手段を含む、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数の年齢のいずれか1つを指定する第2指定手段をさらに備え、
前記撮像条件調整手段は前記第2指定手段によって指定された年齢に対応する年齢を有する人物の顔画像を基準として前記撮像条件を調整する、請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取り込み手段は前記被写界像を記録媒体から再生する再生手段を含み、
前記調整手段は前記探索手段によって発見された顔画像毎にスムージング処理を施すスムージング処理手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記推定手段は、前記第1指定手段によって指定された顔画像の特徴および/または前記保持手段によって保持された複数の顔特徴の各々を前記検出手段によって検出された表情を参照して修正する顔特徴修正手段、および前記第1指定手段によって指定された顔画像の特徴に符合する顔特徴を前記保持手段によって保持された複数の顔特徴の中から検出する処理を前記顔特徴修正手段の修正処理の後に実行する顔特徴検出手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置のプロセッサに、
被写界像を取り込む取り込みステップ、
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持ステップによって保持された複数の顔特徴と前記検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ、および
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を前記推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップを実行させるための、画像処理プログラム。
【請求項7】
画像処理装置によって実行される画像処理方法であって、
被写界像を取り込む取り込みステップ、
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持ステップによって保持された複数の顔特徴と前記検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ、および
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を前記推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップを備える、画像処理方法。
【請求項8】
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える画像処理装置に供給される外部制御プログラムであって、
被写界像を取り込む取り込みステップ、
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持ステップによって保持された複数の顔特徴と前記検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ、および
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を前記推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項9】
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える画像処理装置であって、
前記外部制御プログラムは、
被写界像を取り込む取り込みステップ、
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持ステップによって保持された複数の顔特徴と前記検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ、および
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を前記推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、画像処理装置。
【請求項1】
被写界像を取り込む取り込み手段、
前記取り込み手段によって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索手段、
前記探索手段によって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定手段、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持手段、
前記第1指定手段によって指定された顔画像の表情を検出する検出手段、
前記第1指定手段によって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持手段によって保持された複数の顔特徴と前記検出手段によって検出された表情とに基づいて推定する推定手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた被写界像の品質を前記推定手段の推定結果を参照して調整する調整手段を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記取り込み手段は被写界を捉える撮像面を有して前記被写界像を出力する撮像手段を含み、
前記調整手段は撮像条件を調整する撮像条件調整手段を含む、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数の年齢のいずれか1つを指定する第2指定手段をさらに備え、
前記撮像条件調整手段は前記第2指定手段によって指定された年齢に対応する年齢を有する人物の顔画像を基準として前記撮像条件を調整する、請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取り込み手段は前記被写界像を記録媒体から再生する再生手段を含み、
前記調整手段は前記探索手段によって発見された顔画像毎にスムージング処理を施すスムージング処理手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記推定手段は、前記第1指定手段によって指定された顔画像の特徴および/または前記保持手段によって保持された複数の顔特徴の各々を前記検出手段によって検出された表情を参照して修正する顔特徴修正手段、および前記第1指定手段によって指定された顔画像の特徴に符合する顔特徴を前記保持手段によって保持された複数の顔特徴の中から検出する処理を前記顔特徴修正手段の修正処理の後に実行する顔特徴検出手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置のプロセッサに、
被写界像を取り込む取り込みステップ、
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持ステップによって保持された複数の顔特徴と前記検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ、および
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を前記推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップを実行させるための、画像処理プログラム。
【請求項7】
画像処理装置によって実行される画像処理方法であって、
被写界像を取り込む取り込みステップ、
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持ステップによって保持された複数の顔特徴と前記検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ、および
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を前記推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップを備える、画像処理方法。
【請求項8】
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える画像処理装置に供給される外部制御プログラムであって、
被写界像を取り込む取り込みステップ、
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持ステップによって保持された複数の顔特徴と前記検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ、および
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を前記推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項9】
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える画像処理装置であって、
前記外部制御プログラムは、
被写界像を取り込む取り込みステップ、
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像から1または2以上の顔画像を探索する探索ステップ、
前記探索ステップによって発見された1または2以上の顔画像の各々を指定する第1指定ステップ、
複数の年齢にそれぞれ対応する複数の顔特徴を保持する保持ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像の表情を検出する検出ステップ、
前記第1指定ステップによって指定された顔画像に相当する人物の年齢を前記保持ステップによって保持された複数の顔特徴と前記検出ステップによって検出された表情とに基づいて推定する推定ステップ、および
前記取り込みステップによって取り込まれた被写界像の品質を前記推定ステップの推定結果を参照して調整する調整ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2012−3539(P2012−3539A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138423(P2010−138423)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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