説明

画像処理装置

【課題】画像ファイルについて行われる一覧情報の表示要求に対して、迅速に応答することが可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像処理装置が搭載されたMFP1は、複数の画像ファイル、及び、複数の画像ファイルそれぞれに対応する複数の管理ファイルを記憶するストレージ部21と、ストレージ部21に記憶された複数の管理ファイル毎に、該管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて、管理ファイルよりデータサイズの小さい表示データを生成する生成部23と、生成された複数の表示データを記憶し、ストレージ部21より高速でアクセス可能なRAM22と、画像ファイルの一覧表示要求が入力された場合に、RAM22から複数の表示データを読み出して、一覧表示要求に対する応答処理を行う応答制御部24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アクセス速度が比較的低速な低速記憶装置と比較的高速な高速記憶装置とを用いて、画像ファイル等の処理を行う処理装置がある。一般的に、高速記憶装置は、低速記憶装置と比較して容量当たりの価格が高いので、低速記憶装置より容量が小さい高速記憶装置が搭載されていることが多い。そのため、処理装置では、記憶する必要があるデータを全て高速記憶装置に記憶できない場合があるので、記憶する必要があるデータを低速記憶装置に記憶しておき、必要に応じて、低速記憶装置に記憶されたデータの一部を高速記憶装置にコピーして処理を行う。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、低速記憶装置に複数の文書ファイルと各文書ファイルの詳細情報を記憶しておき、低速記憶装置に記憶された複数の詳細情報の一部を高速記憶装置にコピーする文書処理装置が記載されている。この文書処理装置では、記憶された文書ファイルの一部について一覧情報が要求された場合に、一覧情報を出力すると共に、一覧情報に含まれる文書ファイルの詳細情報のうち、低速記憶装置に記憶された詳細情報を高速記憶装置にコピーする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−319902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1の文書処理装置において、例えば、各詳細情報(管理ファイル)の一部のデータを用いて一覧情報を生成する際に、一覧情報の生成時間が長くなる場合がある。それは、複数の詳細情報(管理ファイル)が、高速記憶装置に記憶されずに低速記憶装置にのみ記憶されている場合、低速記憶装置に記憶された複数の管理ファイルにアクセスする必要が生じるためである。従って、上記特許文献1の文書処理装置において、一覧情報の表示要求に対して応答を行うまでの時間が長くなる場合がある。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、画像ファイルについて行われる一覧情報の表示要求に対して、迅速に応答することが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像処理装置によれば、複数の画像ファイル、及び、複数の画像ファイルそれぞれに対応する複数の管理ファイルを記憶する低速記憶手段と、低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイル毎に、該管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて、管理ファイルよりデータサイズの小さい表示データを生成する生成手段と、生成手段によって生成された複数の表示データを記憶し、低速記憶手段より高速でアクセス可能な高速記憶手段と、画像ファイルの一覧表示要求が入力された場合に、高速記憶手段から複数の表示データを読み出して、一覧表示要求に対する応答処理を行う応答制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理装置では、複数の画像ファイルと、複数の画像ファイルそれぞれに対応する複数の管理ファイルが低速記憶手段に記憶される。この低速記憶手段に記憶されている複数の管理ファイル毎に、管理ファイルに含まれるデータの一部を用いて、表示データが生成され、高速記憶手段に記憶される。表示データは、管理ファイルよりデータサイズが小さいので、複数の管理ファイルを記憶するだけの容量がない高速記憶手段であっても、複数の表示データを記憶することができる。そして、画像ファイルの一覧表示要求が入力された場合に、高速記憶手段から複数の表示データが読み出されることにより、一覧表示要求に対する応答処理が行われる。すなわち、低速記憶手段にアクセスすることなく、一覧表示の応答処理を行うことができるので、画像ファイルについて行われる一覧情報の表示要求に対して、迅速に応答することが可能となる。
【0009】
本発明の画像処理装置では、低速記憶手段が、不揮発性であり、高速記憶手段は、揮発性であり、生成手段は、高速記憶手段に対する給電が停止される際に、高速記憶手段に記憶された複数の表示データを含む1つの表示ファイルを生成し、当該生成した1つの表示ファイルを低速記憶手段に記憶させ、高速記憶手段に対する給電が開始された際に、低速記憶手段に記憶された表示ファイルから複数の表示データを取得し、取得した複数の表示データを高速記憶手段に記憶させることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、高速記憶手段に対する給電が停止される際に、高速記憶手段に記憶された複数の表示データを含む1つの表示ファイルが生成され、この表示ファイルが低速記憶手段に記憶される。このため、高速記憶手段に対する給電が停止された後、高速記憶手段に記憶された表示データは失われるが、低速記憶手段に複数の表示データのバックアップを行うことができる。そして、高速記憶手段に対する給電が開始された際に、複数の表示データが、低速記憶手段に記憶された表示ファイルから取得され、高速記憶手段に記憶される。このため、高速記憶手段に対する給電が開始された際に、低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイルにアクセスすることなく、1つの表示ファイルにアクセスするだけで、複数の表示データを取得することができる。従って、高速記憶手段に対する給電が開始された際に、迅速に複数の表示データを高速記憶手段に記憶させることができる。
【0011】
本発明の画像処理装置では、高速記憶手段に対する給電が開始された際に、低速記憶手段に表示ファイルが記憶されていない場合、生成手段が、低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイル毎に、該管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて表示データを生成することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、高速記憶手段に対する給電が開始された際に、低速記憶手段に表示ファイルが記憶されていない場合、低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイルに含まれる管理データを用いて、複数の表示データが、再び生成される。このため、停電等により、高速記憶手段に対する給電が停止される際に、表示ファイルを低速記憶手段に記憶できなかった場合であっても、給電が開始された際に、複数の表示データを再び生成して、高速記憶手段に記憶させることができる。
【0013】
本発明の画像処理装置では、低速記憶手段は、不揮発性であり、高速記憶手段は、揮発性であり、生成手段は、高速記憶手段に対する給電が開始されるたびに、低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイル毎に、該管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて表示データを生成することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、高速記憶手段に対する給電が開始されるたびに、低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイルに含まれる管理データを用いて、複数の表示データが生成される。このため、高速記憶手段に対する給電が停止される際に、表示データのバックアップを行う必要がなくなる。
【0015】
本発明の画像処理装置では、画像ファイルが低速記憶手段から削除される際に、当該削除される画像ファイルに対応する管理ファイルを低速記憶手段から削除し、当該削除する管理ファイルに対応する表示データを高速記憶手段から削除する削除手段を備えることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、画像ファイルが削除される際には、対応する管理ファイル及び表示データが削除される。このため、高速記憶手段に記憶された複数の表示データと、低速記憶手段に記憶された画像ファイル及び管理ファイルとの対応をとることができる。従って、画像ファイルの一覧表示要求に対して、削除された画像ファイルの表示データを含む一覧情報が出力されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像処理装置によれば、画像ファイルについて行われる一覧情報の表示要求に対して、迅速に応答することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態に係る画像処理装置が搭載されたMFPを示すブロック図である。
【図2】MFPが備える制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】管理ファイル及び管理データについて説明するための図である。
【図4】表示データについて説明するための図である。
【図5】表示ファイルについて説明するための図である。
【図6】表示データの作成処理を示すフロー図である。
【図7】管理ファイルの更新処理を示すフロー図である。
【図8】画像ファイルの削除処理を示すフロー図である。
【図9】シャットダウン時の処理を示すフロー図である。
【図10】電源投入時の処理を示すフロー図である。
【図11】一覧表示要求に対する応答処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1を参照して、実施形態に係る画像処理装置が搭載されたMFP(Multifunction Peripheral)1について説明する。図1は、MFPを示すブロック図である。
【0020】
MFP1は、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、FAX(ファクシミリ)機能、及び、IFAX(インターネットFAX)機能を備え、クライアント装置3とネットワーク91を介して接続されたネットワーク複合機である。MFP1は、プリントする文書の画像ファイル、スキャンした文書の画像ファイル、受信されたFAX及びIFAXの画像ファイル等、複数の画像ファイルを記憶している。この画像ファイルについて、一覧情報の表示要求がユーザからあった場合、MFP1は画像ファイルの一覧情報を生成して出力する。
【0021】
このMFP1は、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、FAX機能、及び、IFAX機能を発揮するために、プリンタ10、スキャナ11、FAX制御部12、IFAX制御部13を備えている。
【0022】
プリンタ10は、各種の画像ファイルを印刷する。画像ファイルには、スキャナ11により生成された文書の画像ファイル、FAX機能により受信された画像ファイル、及び、クライアント装置から送信されたPDL(Page Description Language)データをラスタライズすることにより生成された画像ファイル等が含まれる。スキャナ11は、CCD等によって構成され、文書を光学的に読み取って画像ファイルを生成する。
【0023】
FAX制御部12は、MFP1が備えるNCU(Network Control Unit)16及びモデム17によって行われるPSTN(Public Switched Telephone Network)92を介したFAXの送受信を制御する。IFAX制御部13は、MFP1が備えるネットワークI/F18を介して行われるIFAXの送受信を制御する。
【0024】
また、MFP1は、操作部14及び表示部15を備えている。操作部14は、操作パネル等で構成され、表示部15は、ディスプレイ等で構成されている。ユーザは、表示部15を見ながら、操作部14を操作することにより、MFP1に対して各種の入力及び要求を行うことができる。またユーザは、クライアント装置3にインストールされたMFP1用のアプリケーション及びドライバの機能によって、クライアント装置3を介してMFP1に対する操作及び要求を行うことができる。
【0025】
引き続いて、図2を参照して、MFP1が備える制御部20について説明する。図2は、制御部20の構成を説明するためのブロック図である。制御部20は、物理的には、演算を行うCPU、CPUに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、加えて、ストレージ部21及びRAM22を備えている。この制御部20は、機能的には、ユーザからの要求に応じて一覧表示に必要な表示データを生成する生成部23、表示データを出力する応答制御部24、及び、ストレージ部21及びRAM22に記憶された情報を削除する削除部25を備えている。これらの構成要素についてより詳細に説明する。
【0026】
ストレージ部21は、RAM22よりアクセス速度が低速な不揮発性の記憶手段である。このストレージ部21は、特許請求の範囲に記載の低速記憶手段に相当する。ストレージ部21は、例えば、ハードディスクドライブ等によって構成される。RAM22は、ストレージ部21よりアクセス速度が高速な揮発性の記憶手段である。このRAM22は、特許請求の範囲に記載の高速記憶手段に相当する。RAM22は、ストレージ部21と比較して記憶容量が小さい。
【0027】
ストレージ部21は、複数の画像ファイルと、複数の画像ファイルそれぞれについて生成された管理ファイルを記憶している。図3は、管理ファイルについて説明するための図である。図3は、説明のために4つの画像ファイルそれぞれについて生成された4つの管理ファイル31〜34を示している。管理ファイル31〜34には、複数の管理データが含まれている。管理データは、例えば、画像ファイルのファイル名、画像ファイルの所有者や作成者、画像ファイルの作成日時、更新日時、その他画像ファイルについての詳細情報を示す文字データである。
【0028】
RAM22は、複数の表示データを記憶している。表示データは、ストレージ部21に記憶された画像ファイルのファイル名、所有者等を示す情報であり、画像ファイルの一覧情報を構成する構成要素となる情報である。RAM22には、ストレージ部21に記憶された複数の画像ファイルそれぞれに対応する表示データが記憶されている。図4は、表示データについて説明するための図である。図4は、4つの画像ファイルそれぞれについて生成された4つの表示データ41〜44を示している。RAM22には、表示データ41として「abc」が記憶され、同様に、表示データ42〜44としてそれぞれ「ABC」,「あいう」,「アイウ」が記憶されている。
【0029】
複数の表示データは、生成部23によって生成される。生成部23は、特許請求の範囲に記載の生成手段として機能する。生成部23は、ストレージ部21に記憶された複数の管理ファイル毎に、該管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて、管理ファイルよりデータサイズの小さい表示データを生成する。生成部23は、管理ファイルに含まれる複数の管理データのうち、例えば、ファイル名と所有者を示す管理データをストレージ部21から取得し、表示データとする。
【0030】
また、生成部23は、RAM22に対する給電が停止される際に、RAM22に記憶された複数の表示データを含む1つの表示ファイルを生成する。すなわち、生成部23は、RAM22に対する給電が停止される前に、表示ファイルを生成する。そして、生成部23は、生成した1つの表示ファイルをストレージ部21に記憶させる。図5は、表示ファイルについて説明するための図である。図5は、図4に示す表示データ41〜44を含む表示ファイル40を示している。表示ファイルには、1つ目の表示データ41(Data1)が「abc」の文字データであり、同様に、2〜4つ目の表示データ42〜44(Data2〜4)が、それぞれ「ABC」,「あいう」,「アイウ」の文字データであることを示すデータが含まれている。
【0031】
また、生成部23は、RAM22に対する給電が開始された際に、ストレージ部21に記憶された表示ファイルから複数の表示データを取得し、取得した複数の表示データをRAM22に記憶させる。すなわち、生成部23は、RAM22に対する給電が開始された後、複数の表示データをRAM22に記憶させる。なお、RAM22に対する給電が停止されるのは、MFP1がシャットダウンする時等である。また、RAM22に対する給電が開始されるのは、MFP1に電源が投入される時等である。
【0032】
但し、停電が起こった場合など、表示ファイルを生成することができずに、MFP1がシャットダウンしてしまう場合がある。その後に電源が投入される場合、ストレージ部21に表示ファイルが記憶されていないので、この場合、生成部23は、ストレージ部22に記憶された複数の管理ファイル毎に、管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて表示データを再び生成する。
【0033】
応答制御部24は、画像ファイルの一覧表示要求が入力された場合に、RAM22から複数の表示データを読み出して、読み出した複数の表示データを含む画像ファイルの一覧情報を生成する。そして、応答制御部24は、一覧表示要求に対する応答処理を行う。すなわち応答制御部24は、特許請求の範囲に記載の応答処理手段として機能する。
【0034】
応答制御部24は、ユーザからクライアント装置3を介して画像ファイルの一覧表示要求が入力された場合には、画像ファイルの一覧情報をネットワークI/F18へ出力する。これにより、画像ファイルの一覧情報が、ネットワークI/F18を介して、クライアント装置3へ送信される。また、応答制御部24は、ユーザから操作部14を介して画像ファイルの一覧表示要求が入力された場合には、画像ファイルの一覧情報を表示部15へ出力する。これにより、画像ファイルの一覧情報が、表示部15に表示される。
【0035】
削除部25は、ユーザから画像ファイルの削除要求が入力された場合、ストレージ部21から該当する画像ファイルを削除する。そして、削除部25は、画像ファイルを削除する際に、画像ファイルに対応する管理ファイルもストレージ部21から削除し、削除した管理ファイルに対応する表示データをRAM22から削除する。すなわち、削除部22は、特許請求の範囲に記載の削除手段として機能する。
【0036】
引き続いて、MFP1の動作について説明する。まず、図6を参照して、新たな画像ファイルが登録された場合に行われる表示データの作成処理について説明する。図6は、表示データの作成処理を示すフロー図である。この作成処理は、制御部20によって所定の周期で繰り返し実行される。
【0037】
まず、ステップS101では、画像ファイルの登録要求があるか否かが判断される。例えば、ユーザから、操作部14又はクライアント装置3を介して文書のスキャン要求があり、スキャナ11によって生成された画像ファイルの格納場所として、MFP1が指定された場合に、画像ファイルの登録要求があると判断される。画像ファイルの登録要求があると判断された場合、処理がステップS102へ移行する。一方、画像ファイルの登録要求がないと判断された場合、画像ファイルの登録要求がなされるまでステップS101が繰り返し実行される。
【0038】
ステップS102では、画像ファイルがストレージ部21に記憶される。続く、ステップS103では、画像ファイルの管理ファイルが生成され、ストレージ部21に記憶される。その後、ステップS104では、ストレージ部21に記憶された管理ファイルにアクセスすることにより、画像ファイルの表示データが、生成部23によって生成される。そして、ステップS105では、表示データが、RAM22に記憶される。以上の処理により、画像ファイル及びその管理ファイルがストレージ部21に記憶された場合、画像ファイルの表示データが生成され、RAM22に記憶される。
【0039】
次に、管理ファイルの更新処理について説明する。図7は、管理ファイルの更新処理を示すフロー図である。この更新処理は、制御部20によって所定の周期で繰り返し実行される。
【0040】
まず、ステップS111では、管理ファイルの更新要求があるか否かが判断される。例えば、操作部14又はクライアント装置3を介して、ユーザから画像ファイルの上書き保存の要求があった場合、管理ファイルに上書き保存がなされた日時の管理データを追加する更新処理の要求があると判断される。管理ファイルの更新要求があると判断された場合、処理がステップS112へ移行する。一方、管理ファイルの更新要求がないと判断された場合、管理ファイルの更新要求がなされるまでステップS111が繰り返し実行される。
【0041】
ステップS112では、管理ファイルの内容が更新される。続いて、ステップS113では、更新された管理ファイルにアクセスすることにより、表示データが生成部23によって更新される。例えば、生成部23が管理ファイルにアクセスして、新たに表示データを生成することにより、表示データに用いられた管理データが更新されていた場合に、表示データの内容が変更される。本処理により、管理ファイルの更新が行われた場合、該当する表示データの更新も行われる。
【0042】
次に、画像ファイルの削除処理について説明する。図8は、画像ファイルの削除処理を示すフロー図である。この削除処理は、制御部20によって所定の周期で繰り返し実行される。
【0043】
まず、ステップS121では、画像ファイルの削除要求があるか否かが判断される。例えば、ユーザから、操作部14又はクライアント装置3を介して、画像ファイルの削除要求があった場合、処理がステップS122へ移行する。一方、画像ファイルの削除要求がないと判断された場合、画像ファイルの削除要求がなされるまでステップS121が繰り返し実行される。
【0044】
ステップS122では、要求された画像ファイルが、ストレージ部21から削除される。そして、ステップS123では、削除された画像ファイルに対応する管理ファイルが、ストレージ部21から削除される。ステップS124では、削除された画像ファイル及び管理ファイルに対応する表示データが、RAM22から削除される。以上により、画像ファイルが削除されると、削除された画像ファイルに対応する管理ファイル及び表示データが削除される。
【0045】
次に、MFP1がシャットダウンされる際に行われる処理について説明する。図9は、シャットダウン時の処理を示すフロー図である。この処理は、MFP1がシャットダウンされる際に制御部20によって行われる。
【0046】
ステップS131では、RAM22に記憶された複数の表示データを用いて、この複数の表示データを含む1つの表示ファイルが生成される。例えば、図5に示す表示ファイル40が生成される。そして、ステップS132では、生成された表示ファイルが、ストレージ部21に記憶される。これにより、MFP1がシャットダウンされる際には、表示データのバックアップが、不揮発性の記憶手段であるストレージ部21に記憶される。
【0047】
次に、電源が投入された際にMFP1において行われる処理について説明する。図10は、電源投入時の処理を示すフロー図である。この処理は、MFP1に電源が投入された際に、制御部20によって行われる。
【0048】
まず、ステップS141では、表示ファイルがストレージ部21に記憶されているか否かが判断される。ストレージ部141に表示ファイルが記憶されている場合、処理がステップS142へ移行する。ステップS142では、ストレージ部21に記憶された表示ファイルが読み出される。そして、ステップS143では、読み出された表示ファイルに含まれる複数の表示データが、RAM22へコピーされる。これにより、ストレージ部21に記憶された表示ファイルから複数の表示データが取得され、RAM22に記憶される。そして、処理が終了する。
【0049】
一方、ステップS141では、表示ファイルがストレージ部21に記憶されていない場合、処理がステップS144へ移行する。ステップS144では、ストレージ部21に記憶された管理ファイルから表示データが生成される。ステップS145では、ストレージ部21に記憶された全ての管理ファイルについて表示データが生成されたか否かが判断される。表示データが生成されていない管理ファイルがある場合は、ステップS144に戻って、未処理の管理ファイルについて、表示データが生成される。ステップS145では、全ての管理ファイルについて表示データが生成されたと判断された場合、一連の処理が終了する。以上の処理により、シャットダウン時に失われたRAM22の表示データが、電源投入時に再びRAM22に記憶される。
【0050】
次に、画像ファイルの一覧表示要求に対して行われる応答処理について説明する。図11は、出力処理を示すフロー図である。図11に示すフロー図は、クライアント装置3を介して要求が行われた場合のフローを示している。この処理は、MFP1によって所定の周期で繰り返し実行される。
【0051】
まず、ステップS151では、画像ファイル及び管理ファイルについて、ウェブ表示を要求するHTTP Get要求があるか否かが判断される。ステップS151では、クライアント装置3からHTTP Get要求がなされるまで、繰り返し実行される。ステップS151では、画像ファイル及び管理ファイルについて、ウェブ表示を要求するHTTP Get要求がなされた場合、ステップS152へ処理が移行する。
【0052】
ステップS152では、HTTP Get要求の内容が、画像ファイルの一覧表示か否かが判断される。ステップS152では、HTTP Get要求の内容が管理ファイルや画像ファイルの表示要求である場合、HTTP Get要求の内容が画像ファイルの一覧表示でないと判断され、ステップS153へ処理が進む。ステップS153では、ストレージ部21から該当するファイルに含まれるデータが取得される。続くステップS154では、取得されたデータを含むHTTP応答が生成される。そして、ステップS155では、生成されたHTTP応答がクライアント装置3へ送信され、処理が終了する。これにより、ユーザが、画像ファイル又は管理ファイルのデータをクライアント装置3のディスプレイで見ることができる。
【0053】
一方、ステップS152では、HTTP Get要求の内容が、画像ファイルの一覧表示である場合、ステップS156へ処理が進む。ステップS156では、RAM22から全ての画像ファイルについての表示データが取得される。その後、処理がステップS157へ移行する。ステップS157では、取得された表示データを含む一覧情報が生成され、この一覧情報を含むHTTP応答が生成される。続くステップS158では、生成された一覧情報のHTTP応答が、クライアント装置3へ送信され、処理が終了する。これにより、ユーザが、画像ファイルの一覧情報をクライアント装置3のディスプレイで見ることができる。
【0054】
以上説明した本実施形態に係るMFP1によれば、画像ファイルの一覧表示要求が入力された場合に、RAM22から複数の表示データが読み出されることにより、一覧表示要求に対する応答処理が行われる。すなわち、ストレージ部21にアクセスすることなく、一覧表示の応答処理を行うことができるので、画像ファイルについて行われる一覧表示要求に対して、迅速に応答することが可能となる。
【0055】
また、MFP1によれば、MFP1がシャットダウンされる際に、RAM22に記憶された全ての表示データを含む表示ファイルが生成され、ストレージ部21に記憶される。このため、ストレージ部21に複数の表示データのバックアップを行うことができる。そして、MFP1に電源が投入された際に、複数の表示データが、ストレージ部21に記憶された表示ファイルから取得され、RAM22に記憶される。このため、複数の管理ファイルにアクセスすることなく、1つの表示ファイルにアクセスするだけで、複数の表示データを取得することができる。従って、MFP1に電源が投入された際に、迅速に複数の表示データをRAM22に記憶させることができる。
【0056】
また、MFP1によれば、MFP1に電源が投入された際に、表示ファイルが記憶されていない場合、複数の管理ファイルに含まれる管理データを用いて、複数の表示データが再び生成される。このため、前回のシャットダウン時に、停電等により、正常な処理が行われなかった場合に、複数の表示データを再び生成して、RAM22に記憶させることができる。
【0057】
更に、MFP1によれば、画像ファイルが削除される際には、対応する管理ファイル及び表示データが削除される。このため、RAM22に記憶された複数の表示データと、ストレージ部21に記憶された画像ファイル及び管理ファイルとの対応をとることができる。従って、画像ファイルの一覧表示要求に対して、削除された画像ファイルの表示データを含む一覧情報が出力されることを防止することができる。
【0058】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、シャットダウン時に、表示ファイルを生成してストレージ部21に表示データのバックアップを行うこととしたが、このバックアップ処理に替えて、電源投入時に表示データの生成処理を行ってもよい。この場合、MFP1に電源が投入されるたびに、生成部23が、ストレージ部21に記憶された複数の管理ファイルに含まれる管理データを用いて、複数の表示データを生成する。これにより、再度、複数の表示データを生成することができる。
【0059】
また、上記実施形態では、MFP1がシャットダウンされる際に、表示ファイルを生成してストレージ部21に表示データのバックアップを行うこととしたが、バックアップを行うタイミングは、これに限られない。例えば、省電力化のために、制御部20に対する給電が停止される際、又は、RAM22に対する給電が停止される際に、表示ファイルを生成してストレージ部21に表示データのバックアップを行ってもよい。この場合、RAM22に対する給電が開始された際に、ストレージ部21に記憶された表示ファイルから複数の表示データを取得してRAM22に記憶させることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 MFP
18 ネットワークI/F
20 制御部
21 ストレージ部
22 RAM
23 生成部
24 応答制御部
25 削除部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像ファイル、及び、前記複数の画像ファイルそれぞれに対応する複数の管理ファイルを記憶する低速記憶手段と、
前記低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイル毎に、該管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて、前記管理ファイルよりデータサイズの小さい表示データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された複数の表示データを記憶し、前記低速記憶手段より高速でアクセス可能な高速記憶手段と、
前記画像ファイルの一覧表示要求が入力された場合に、前記高速記憶手段から複数の表示データを読み出して、前記一覧表示要求に対する応答処理を行う応答制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記低速記憶手段は、不揮発性であり、
前記高速記憶手段は、揮発性であり、
前記生成手段は、
前記高速記憶手段に対する給電が停止される際に、前記高速記憶手段に記憶された複数の表示データを含む1つの表示ファイルを生成し、当該生成した1つの表示ファイルを前記低速記憶手段に記憶させ、
前記高速記憶手段に対する給電が開始された際に、前記低速記憶手段に記憶された前記表示ファイルから複数の表示データを取得し、取得した複数の表示データを前記高速記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記高速記憶手段に対する給電が開始された際に、前記低速記憶手段に前記表示ファイルが記憶されていない場合、前記低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイル毎に、該管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて前記表示データを生成することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記低速記憶手段は、不揮発性であり、
前記高速記憶手段は、揮発性であり、
前記生成手段は、前記高速記憶手段に対する給電が開始されるたびに、前記低速記憶手段に記憶された複数の管理ファイル毎に、該管理ファイルに含まれる管理データの一部を用いて前記表示データを生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像ファイルが前記低速記憶手段から削除される際に、当該削除される画像ファイルに対応する管理ファイルを前記低速記憶手段から削除し、当該削除する管理ファイルに対応する表示データを前記高速記憶手段から削除する削除手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−90093(P2012−90093A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235382(P2010−235382)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】