説明

画像化の方法および装置

サンプルの画像をデジタル空間内で生成するため、測定レンジを有する測定システムを用いてサンプルの複数のサンプルスポットの刺激に対する反応を測定する方法を提供する。同方法は、各サンプルに対して、反応を測定すると同時に、測定された反応が測定レンジの中間部の値に対応するような刺激値が少なくとも1つ含まれるように刺激を変化させる段階、ならびに、測定レンジの中間部の値に対応する測定反応値とその測定反応値を生成した刺激値とを保存する段階を含む。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
本発明は、サンプルの画像化に関し、より具体的には、画像化システムの測定レンジを超える反応レンジを有するサンプルの画像化に関する。
【0002】
画像化検出器の測定レンジを超える反応レンジを有するサンプルとしては、マイクロアレイサンプルおよび他の種類のサンプルがある。マイクロアレイは、既知または未知のDNAサンプル、相補的DNA(cDNA)サンプル、およびメッセンジャーRNA(mRNA)サンプルを塩基対合則に基づいてマッチングするなど、遺伝子発現を解析するためのツールである。人体のほぼ全ての細胞は、染色体および全く同じ遺伝子の完全なセットを含んでいる。任意の時点において、これら遺伝子の断片がオンになり、その遺伝的目的を果たす。オンになった細胞中の遺伝子断片は典型的に「発現している」と表現され、「遺伝子発現」とは、各細胞種に特有の特性を与える、発現している遺伝子のサブセットを意味する。遺伝子発現という用語はまた、DNAに含まれている情報がmRNA分子に転写され、次に、細胞機能の大部分を行うタンパク質に翻訳されることも意味する。発現される特定の遺伝子を同定し、ひいては、環境の変化、需要の変化、および突然変異などに細胞がどのように反応するかに関する洞察を得るため、細胞により生成されるmRNAの種類および量が研究されている。遺伝子発現は複雑でありかつ厳密に制御された過程であり、環境刺激および細胞自身の需要の変化の両方に対して細胞が動的に反応することを可能にしている。この過程は、細胞内で発現する遺伝子を制御する「オン/オフ」スイッチとして機能するとともに、特定の遺伝子の発現レベルを増大または低減させる「ボリュームコントロール」としても機能する。マイクロアレイおよびマイクロアレイイメージングは、発現している遺伝子の検出、および、遺伝子がどの程度強く発現しているかの検出を可能にする。
【0003】
マイクロアレイは、典型的に小さな支持構造を含み、この支持構造上の決まった位置に、複数の異なる既知の遺伝子の配列が固定化される。これらの遺伝子はプローブとして知られ、このプローブに標的遺伝子(または標的)が取り付く可能性がある。プローブには、DNA、cDNA、またはオリゴヌクレオチドが含まれ得る。オリゴヌクレオチド(またはオリゴ)は、一本鎖DNAの比較的短い断片で、典型的にヌクレオチド5〜50個の長さである。標的には、既知および/または未知のDNA、cDNA、またはmRNAなどが含まれ得る。支持構造は、多くの場合、顕微鏡用スライドグラス、シリコンチップ、またはナイロン膜を含む。マイクロアレイのマイクロアレイスポットを形成するため、プローブを支持構造上に直接プリントまたは合成してもよい。プローブに取り付く標的により、研究者は、細胞が発現している標的および遺伝子、ならびに発現の強度を、光学的に同定することができる。
【0004】
マイクロアレイ実験の性能は、ハイブリダイゼーションのプロービングに基づいて決まる。ハイブリダイゼーションのプロービングは、典型的に、相補的なプローブを同定するため蛍光発色団で標識した標的、および互いに塩基対を形成できる標的を含む。相補的な遺伝子配列が互いに接合(またはハイブリダイズ)できるよう、相補的なプローブおよび標的(時としてモバイルプローブ(mobile probe)と呼ばれる)をインキュベートする。結合した標的の同定には、典型的に、標的中の蛍光標識に蛍光を生じさせて赤および/または緑のスペクトルバンドにあってもよい既知の放射波長を発光させるレーザー励起処理が用いられる。多くの場合、1セットの標的に連結された1セットの蛍光標識を励起させるために第一の励起スペクトルバンドが用いられ、かつ多くの場合、別のセットの標的に連結された別のセットの蛍光標識を励起させるために第二の励起スペクトルバンドが用いられる。標的のセットは、既知の対照サンプルおよび未知の標的を有するサンプルに由来していてもよい。マイクロアレイ中の各スポットは既知の相補的な標的とハイブリダイズし得る既知のプローブを含んでいるため、標的からの蛍光発光(または発光)により、サンプル中の標的を同定することが可能である。さらに、例えばマイクロアレイからの赤色発光と緑色発光との比率などの比率を用いて、遺伝子突然変異など遺伝子発現の違いを判定することも可能である。
【0005】
図1は、様々な発光強度を有するマイクロアレイスポットの画像スポットを複数含む、単純化したマイクロアレイの画像である。簡単に前述したように、各マイクロアレイスポットは特定の遺伝子配列と関連する。画像スポットの位置、画像スポットの相対的な輝度、および/または画像スポットの色は、サンプル(細胞のmRNAなど)に関連する遺伝子発現の推定値を提供する。
【0006】
マイクロアレイ画像および他のサンプルの画像は、典型的に、測定レンジが固定された検出器を有する画像化システムによって生成される。マイクロアレイスポットからの発光は、しばしば、画像化システムの固定測定レンジを超える強度レンジに含まれる。例えば、測定レンジが固定されたアナログ−デジタル(A/D)変換器を含む検出器などにおいて、発光強度は、検出器の閾値検出レベルより下、および/または飽和レベルより上に達する可能性がある。より大きな測定レンジを有するアナログ−デジタル変換器を含むように画像化システムを修正することも可能であるが、そのような解決法は多くの場合費用がかさむ。例えば、例として12ビット出力を有するA/D変換器を含む検出器を、32ビット出力または64ビット出力を有するA/D変換器に変える場合は、この新しいA/D変換器のより大きな測定レンジに対応するために、画像化システムの多数の構成部品が更新される可能性がある。例えば、A/D変換器の変更に加えて、この新しいA/D変換器を取り付けるための新しい検出器ボードも変更される可能性があり、または、新しいA/D変換器のより大きな測定レンジに対応するため画像化システムの演算プラットフォーム全体が変更される可能性すらある。そのような修正は、新しい構成部品の費用のためのみならず、アップグレード期間中に画像化システムが利用できない可能性があることからも、費用がかさむ。さらに、検出器のA/D変換器を変更することは、より大きなビット幅をもつ出力を提供し得るが、一方で、ビット幅がより大きいA/D変換器は、追加のビットがサンプル情報の増加をもたらさないような信号を提供しその一方でノイズを示すビットを提供する可能性もある。したがって、サンプル反応が検出器のバックグラウンドノイズレベルを十分上回って意味のある結果が得られ、かつ単にノイズを増大させることがないよう、サンプルを十分に刺激できる技術を提供することが望ましい。
【0007】
画像化システムの検出器の構成部品(例、A/D変換器)の変更を回避しつつサンプルを画像化するために複数の方法が用いられているが、これらの方法は速度が遅くかつ計算集約的である傾向がある。例えば、アナログ−デジタル測定レンジが制限された検出器を用いて、サンプルから広範囲の発光強度を収集し、したがってサンプルの画像データの比較的完全なセットを収集するための従来技術の1つは、サンプルスキャンごとに放射強度を変化させてかつ/または放射検出器(例、光電子増倍管)を異なる感度に設定してサンプルを複数回スキャンする段階を含む。放射強度および/または検出器感度を変化させることにより、検出器のA/D変換器の測定レンジを超えないことがもたらされる。しかし、サンプルを複数回スキャンすることは、典型的に、比較的長時間を要する。例えば、サンプルの画像データの比較的完全なセットを収集するのに10回のスキャンが用いられる可能性がある。各スキャンは例えば30〜50分を要する可能性があり、したがって、サンプルを10回スキャンすることは少なくとも300〜500分を要する。これらの時間は、放射源の放射強度を変更する時間および/または放射検出器の感度レベルを調整する時間を考慮に入れていないため、画像データのセットを収集する時間はさらに長くなる可能性がある。
【0008】
サンプルの画像データの比較的完全なセットを収集するための前述の各方法は、この他にも難点をもたらす。例えば、サンプルのスキャン時間が長くなると、放射露光時間の延長によりサンプルの光退色が生じる傾向がある。したがって、各スキャンに対するサンプルは真に同じものではなくなり、むしろ異なるベースライン反応を有することになる。光退色を補正するため画像データに種々のアルゴリズムを適用することも可能であるが、そのようなアルゴリズムは複雑でかつ時間を要する傾向がある。
【0009】
したがって、測定レンジが固定されたA/D変換器を備えた検出器を有する画像化システムを用いて、サンプル反応がA/D変換器の測定レンジを超える場合に、サンプルの画像を生成するための新しい方法および装置が必要とされている。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本発明の態様は、サンプルの画像を生成するための方法およびシステムを提供し、より具体的には、測定レンジを有する測定システムを用いて複数のサンプルスポットの刺激に対する反応を測定することによってサンプルの1回のスキャンで画像が生成され;反応が測定システムの中間測定レンジ内に入り、かつ反応と関連しかつ反応の最大刺激値により変倍される刺激値のセットによって正規化され;正規化および変倍された反応が測定レンジを超えかつデジタル空間内で画像を形成するように、サンプルの画像を生成するための方法およびシステムを提供する。
【0011】
1つの態様において、サンプルの画像をデジタル空間内で生成するため、測定レンジを有する測定システムを用いてサンプルの複数のサンプルスポットの刺激に対する反応を測定する方法が提供され、同方法は、各サンプルに対して、反応を測定すると同時に、測定された反応が測定レンジの中間部の値に対応するような刺激値が少なくとも1つ含まれるように刺激を変化させる段階、ならびに、測定レンジの中間部の値に対応する測定反応値およびその測定反応値を生じた刺激値を保存する段階を含む。特定の態様において、同方法は、保存された各測定反応値を対応する刺激値で除算して正規化反応値を提供する段階をさらに含む。別の特定の態様において、同方法は、各正規化反応値について、各正規化反応値に保存された最大刺激値を乗算して画像を生成する段階をさらに含み、保存された最大刺激値を乗算されるこれらの正規化反応値は画像スポットと呼ばれる。画像スポットはデジタル空間内で画像を形成する。別の特定の態様において、刺激を変化させる段階および測定反応値を保存する段階は、サンプルの1回のスキャン中に実施される。別の特定の態様において、測定システムは、特定のレンジの反応値を収容できる特定のビット数を有するA/D変換器を含む。そして、画像スポットのうち少なくとも1つは、A/D変換器の特定のビット数を上回るビット数を有する。特定の態様において、サンプルスポットは、蛍光標識を有する標的とハイブリダイズしたプローブを有する領域であり;刺激は可視光またはUV光の放射であり;反応は蛍光発光のレベルである。
【0012】
別の態様において、画像反応値を含むデジタル空間内で画像を生成するため、刺激に供した拡張サンプルについて画像反応値を取得する方法が提供される。同方法は、複数のスポットの各々について、スポットの1回のスキャンにおいてサンプルを複数の刺激値に供する段階、対応する反応値を測定する段階、望ましいレンジ内の反応値をもたらす刺激値を決定する段階、および、こうして決定された刺激値とその刺激値によりもたらされた反応値とを保存する段階;ならびに、複数のスポットについて正規化データセットを提供する段階であって、各スポットの正規化値が、保存された反応値と対応する刺激値との比を表すものである段階、を含む。特定の態様において、複数のスポットについて正規化データセットを提供する段階は、正規化値に保存された最大刺激値を乗算する段階を含み、これらの値は画像反応値である。別の特定の態様において、望ましいレンジは、特定のレンジの反応値を収容できる特定のビット数を有するA/D変換器の中間レンジであり、かつ画像反応値のうち少なくとも1つは、A/D変換器の特定のビット数を上回るビット数を有する。
【0013】
別の態様において、レーザー放射で照射される複数のマイクロアレイスポットを含むサンプルのマイクロアレイ画像を生成する方法であって、各マイクロアレイスポットからの放射が、照射されたことへの反応である方法が提供される。同方法は、マイクロアレイの1回のスキャン中に各マイクロアレイスポットについて、値のレンジ内でレーザー放射の強度値を変化させる段階、その放射の放射値とその放射値に対応する強度値とを保存する段階であって、放射値が検出器の飽和レベル未満である段階、および、保存された放射値を保存された強度値で除算して正規化放射値を生成する段階;ならびに、正規化放射値に保存された最大放射値を乗算する段階を含む。特定の態様において、検出器は、放射値を生成するよう構成されたA/D変換器を含み、かつ飽和レベルはA/D変換器の飽和レベルである。保存された最大放射値を乗算される正規化放射値は、A/D変換器の測定レンジに依存しない。
【0014】
別の態様において、サンプルのデジタル空間画像を生成するための画像生成器が提供される。同生成器は、照射されたことへの反応としてサンプルスポットが放射するように、放射を生成しかつサンプルスポットを照射するよう構成された放射源;放射の強度を変調するよう構成された変調器;サンプルスポットからの放射から放射値を生成するよう構成され、かつ測定レンジを有する検出器;測定レンジの中間部に対応する放射値と、その放射値に対応する生成放射の放射値とを保存するよう構成されたメモリ;ならびに、保存された放射値をそれに関連する生成放射の放射値で正規化すること、および、これらの値に、デジタル空間画像の中に保存された生成放射の最大放射値を乗算することによって、デジタル空間画像の画像スポットを生成するよう構成されたプロセッサを含む。特定の態様において、検出器は、放射値を生成するよう構成されたアナログ−デジタル(A/D)変換器を含み、かつ測定レンジの中間部は、A/D変換器の測定レンジの中間部である。別の特定の態様において、A/D変換器は、特定のレンジの放射値を収容できる特定のビット数を有し、かつ画像スポットのうち少なくとも1つは、A/D変換器の特定のビット数を上回るビット数を有する。画像スポットはA/D変換器の測定レンジに依存しない。さらなる態様において、システムは、第二のマイクロアレイ画像を生成するため、言及された第一のレーザーのレーザー放射と異なる波長を有するレーザー放射でサンプルスポットを照射するよう構成された第二のレーザーをさらに含む。
【0015】
本発明の本質および利点に関するさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することに得られるものと思われる。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、サンプルの画像を生成するための画像化システムおよび画像化技術を提供し、より具体的には、励起と蛍光発光、後方散乱、または伝送過程(例、吸収もしくは前方散乱)など様々なスキャン技術によってデジタル画像データのセットから画像を形成するための画像化システムおよび画像化技術であって、デジタル画像データのセットが、サンプルの1回のスキャンで生成され、続いて、検出器の測定レンジ(アナログ−デジタル変換器の測定レンジおよび出力ビット幅など)を超えるレンジに合わせて正規化および変倍されるような画像化システムおよび画像化技術を提供する。
【0017】
本発明の各態様を用いて、マイクロアレイ、組織サンプル、液体サンプル、化学サンプル、植物サンプル、または他の種類のサンプルなど、様々な種類のサンプルの画像を生成してもよい。本発明の各態様は様々な種類のサンプルの画像化に有用であるが、本明細書の説明では、マイクロアレイとマイクロアレイ画像の生成とに適用されるものとして本発明の複数の例示的な態様を説明する。本明細書の説明、特許請求の範囲、および添付の図面を検討した当業者には、本明細書の特にこの後に説明する各態様に基づいて画像化され得る広範な種類のサンプル(マイクロアレイのみでない)に対して、本発明の各態様が幅広く適用できることが理解されると思われる。
【0018】
マイクロアレイは、標的(相補的遺伝子標的など)がハイブリダイズできるプローブ(遺伝子プローブなど)を含む複数のマイクロアレイスポットを含む。ハイブリダイゼーションとは、一般的に、相補的なプローブと標的(時としてモバイルプローブと呼ばれる)とが編成することを意味する。プローブには、DNA、cDNA(相補的DNA)、またはオリゴヌクレオチドが含まれ得る。オリゴヌクレオチド(またはオリゴ)は、一本鎖DNAの比較的短い断片で、典型的にヌクレオチド5〜50個の長さである。標的には、サンプルに含まれるDNA、cDNA、またはmRNA(メッセンジャーRNA)などが含まれ得る。様々なサンプルには既知および/または未知の標的が含まれ得る。健康な標的など既知の標的を有するサンプルのマイクロアレイ画像を、例えば突然変異した遺伝子など未知の標的を有するサンプルと比較して、突然変異を検出してもよい。そのような比較は、未知の標的を有するサンプルに対する診断技術であってもよい。
【0019】
マイクロアレイ画像を生成するため、マイクロアレイ用のデジタル画像データのセットが生成される。デジタル画像データは、照射されるマイクロアレイのための放射強度情報(例、蛍光発光、後方散乱放射、透過放射など)を含んでいてもよく、マイクロアレイ画像は、デジタル空間(コンピュータのデジタル空間など)の中のデジタル画像データから形成されてもよい。従来、マイクロアレイのデジタル画像データは、マイクロアレイスポットを複数のレーザー強度で複数回スキャンすることによって生成されている。マイクロアレイの複数回のスキャンが行われる理由は、典型的に、デジタル画像データの生成用に構成される検出器の測定レンジに限界があるためである。具体的には、マイクロアレイの複数回のスキャンが従来行われているのは、デジタル画像データの生成用に構成されるアナログ−デジタル変換器の測定レンジおよびデジタルビット幅が、放射源の単一の放射強度を用いて照射されるサンプルからの放射強度または単一の感度レベルに設定された放射検出器で得られる放射強度の全レンジを収集およびデジタル化できるほど十分には広くないためである。したがって、これらの従来法は、単回のマイクロアレイスキャンにおける放射強度の比較的全部のレンジを表す、サンプルのデジタル画像データのセットを生成するようには構成されていない。さらに、マイクロアレイの毎回のスキャンごとに、マイクロアレイスポットは光劣化する傾向がある。より具体的には、放射曝露回数の増加に伴って、標的に連結された標識が光退色する蛍光がある。光退色とは一般的に、電磁放射により誘発された発色団の変化によって、特定波長においてその発色団の電磁放射の吸収が損なわれることを意味する。さらに、マイクロアレイの単回スキャンの所要時間は2、3分〜数分間であり得るため、マイクロアレイを複数回スキャンすることは、最終的なマイクロアレイ画像が生成され得るまでの時間をさらに延長させる。本発明の各態様は、以上に説明した問題およびその他の問題を解決するよう構成され、それらは本明細書および添付の図面を検討することにより容易に理解されるものと思われる。
【0020】
図2は、本発明1つの態様における、サンプルの画像を生成するよう構成された画像化システム200の簡略ブロック図である。画像化システム200は、例えばデジタル空間において、マイクロアレイ画像を生成するよう構成されたマイクロアレイ画像化システムであってもよい。1つの態様において、画像化システム200は、電磁放射(または放射)源205、強度変調器210、レンズのセット215、検出器220、コントローラ225、およびメモリ230を含む。本明細書において、セットとは、1つまたは複数の要素を含む。例えば、レンズのセット215は、1つまたは複数のレンズを含んでいてもよい。例えば、レンズのセットは、単一の対物レンズ、または対物レンズ系を形成する複数のレンズを含んでいてもよい。いくつかの態様において、検出器220はアナログ−デジタル(A/D)変換器235を含む。さらなる態様において、検出器220は電磁放射検出器(または放射検出器)240を含む。さらに別の態様において、検出器220は増幅フィルタモジュール245を含む。図2において、検出器220は放射検出器、A/D変換器、および増幅フィルタモジュールを含むものとして示されているが、本発明の種々の態様はこれら3つのモジュールの各々を含まない可能性があること、および当業者に容易に理解される他のモジュールを含む可能性があることが理解されるべきである。いくつかの態様において、画像化システム200はプロセッサ250を含む。放射源205は、種々の放射源のうち1つまたは複数を含んでいてもよく、そのような放射源としては、レーザー、ガス放電管、黒体放射体(例、白熱電球)、蛍光光源、または他の放射源などがある(ただし、それに限定されるわけではない)。本明細書において、放射とは、赤外線、可視光線、または紫外線など、電磁放射の任意の波長または波長の組み合わせを含んでいてよい。同様に本明細書において、光線とは、赤外線、可視光線、または紫外線など、電磁放射の任意の波長または波長の組み合わせを含んでいてよく、視覚的に知覚できる電磁放射に限定されるわけではない。
【0021】
1つの態様において、画像化システム200は、マイクロアレイのマイクロアレイ画像を生成するように構成される。図3は、その上にマイクロアレイスポット310のセットが形成される基質305を含む、例示的なマイクロアレイ300の簡略配置図である。各マイクロアレイスポットは、標的がハイブリダイズし得るプローブを含む。プローブは、印刷されるかまたは支持体上に直接合成されてもよく、これによりマイクロアレイのマイクロアレイスポットを形成する。図1は、複数のマイクロアレイスポット310に対応していてもよい複数の画像スポット105を含み、かつ画像化システム200により生成されたマイクロアレイ画像であってもよい簡略マイクロアレイ画像100である。図1は、マイクロアレイ用に生成されてもよくかつメモリ230に保存されてもよいデジタル画像データをグラフィカルに表したものである。各画像スポットは、放射源205の放射255(例、レーザー放射)により照射されたマイクロアレイスポットの放射強度および/または色に対応する、異なる輝度および/または色を有していてもよい。画像スポットの相対的な輝度および/または色は、サンプル中の標的濃度の推定値を提供し、ひいては細胞の遺伝子発現の推定値を提供してもよい。マイクロアレイ画像100およびマイクロアレイ300は例示的な目的で示されていることが理解されるべきである。本発明の他の態様において、マイクロアレイおよびマイクロアレイ画像は、異なる数のマイクロアレイスポットおよび画像スポットを有していてもよい。
【0022】
画像化システム200は、例えばラスタースキャンによって、マイクロアレイスポットの列を放射255で照射するように構成される。1つの態様において、マイクロアレイ(または他の種類のサンプル)は、画像化システム200により単回スキャンされて、マイクロアレイ画像が生成される。または、本発明の各態様においては(詳しくは後述)、マイクロアレイ画像を(例えばデジタル空間内で)形成するためのデジタル画像データの比較的完全なセットが、マイクロアレイ(または他の種類のサンプル)の単回スキャンにおいて生成される。デジタル画像データの比較的完全なセットがマイクロアレイの単回スキャンにおいて生成されるため、以後のスキャンは実施されなくてもよい。
【0023】
本明細書において、画像化システム200は、マイクロアレイの離散的なマイクロアレイスポットを(例えばラスタースキャンで)照射するよう構成されているものとして説明されているが、画像化システム200はまた、サンプルの選択領域(これもスポットとして参照され得る)を照射するよう構成されていてもよく、この場合、サンプルは比較的連続的なサンプルであるが(例、組織断面)、選択領域は隣接していてもまたは隣接していなくてもよい。1つの態様において、レンズ215は、マイクロアレイスポットを放射255で順次(または他の様式で)照射するため、マイクロアレイスポットの列に沿ってラスターするよう構成されていてもよい。レンズ215をラスターさせる手段は当業者に周知であるため、本明細書に示すまたは説明することはしていない。各列は、ステージ260によりスキャン用の位置へと移動させてもよい。放射255は、標的に連結された標識を励起させるよう構成された励起放射であってもよく、これにより、励起された標識が蛍光放射を発してもよい。または、マイクロアレイスポット(または他の種類のサンプルのスポット)からの放射は、後方散乱放射、透過スペクトルの放射などの透過放射(例えばサンプル照射用に構成された放射がマルチスペクトル放射である場合)、または前方散乱放射などであってもよい。
【0024】
1つの態様において、マイクロアレイ(または他の種類のサンプル)の各スポットが放射255で照射される際に、放射255の強度が変調される。放射の強度を変調するのは強度変調器210である。図2において、強度変調器210は、放射源からの発光に続いて放射255の強度を変化させるものとして示されているが、強度変調器は、放射源の1つまたは複数のパラメータを変化させるように構成されていてもよく、これにより、放射源から放出される放射の強度が変化してもよい。例えば、強度変調器は、ダイオードレーザーなどのレーザーを含む放射源の電流供給を変化させるよう構成された装置であってもよく、これにより、ダイオードレーザーにより生成されるレーザー放射の強度を変化させてもよい。強度変調器210は、放射強度を変調させるよう構成された種々の装置を含んでいてもよい。例えば強度変調器は、図4に示すように、クロス偏光子(crossed polarizer)405および410の間に配置された電気光学変調器(例、ニオブ酸リチウム結晶)400を含んでいてもよい。または強度変調器は、図5に示すように、放射源からの放射の放出に続いて放射強度を変調させるよう構成された音響光学変調器500を含んでいてもよい。強度変調器は、分布型中性フィルタ、および、分布型中性フィルタをフィルタ勾配に沿って放射を通るように動かすことによって放射強度を変調するよう構成されたコントローラを含んでいてもよい。図6Aにおいて、強度変調器は、検流計などを含んでいてもよいコントローラ605に連結された分布型中性フィルタ600を含むものとして示されている。図6Bにおいて、強度変調器は、圧電装置などを含んでいてもよいコントローラ620に連結された分布型中性フィルタ615を含むものとして示されている。いくつかの態様において、強度変調器は、放射を細断するよう構成された光学チョッパー(図には示していない)を含んでいてもよく、これにより、マイクロアレイスポットの照射と非照射が交互に起きるような時間ウィンドウが生成される。1つの態様において、放射ウィンドウの時間的長さは、標的の蛍光標識の励起遅延より長い。例えば光学チョッパーは、蛍光発光時間が例えば約2〜3ナノ秒である標識に対して、マイクロアレイスポットを約10ナノ秒から最大100マイクロ秒にわたって照射するように構成されていてもよい。
【0025】
照射されたマイクロアレイスポットからの放射275は、レンズ215によって放射検出器上に集束させてもよく、かつビームスプリッタ280および/または他の光路切替装置によって検出器へと誘導してもよい。本明細書において、放射255および放射275を、それぞれ刺激および反応と呼ぶこともある。放射275は、検出された放射に対するアナログ信号を生成するよう構成された放射検出器240により収集される。放射検出器の出力であるこれらのアナログ信号は、A/D変換器235によりデジタル化される。1つの態様において、放射検出器により生成されたアナログ信号は、デジタル化される前に、増幅フィルタモジュール245により増幅およびフィルタに通される。放射検出器240は、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、CCD(charge coupled device)アレイ、CMOS(complementary coupled device)アレイ、またはその時に利用可能な他の検出器を含んでいてもよい。
【0026】
1つの態様において、A/D変換器により生成されたデジタル放射値(または放射値)は、放射255の強度が強度変調器210により変調されるのと同時にコントローラ225(および/またはプロセッサ245)によってモニターされる。コントローラは、メモリ235への放射値の保存を制御するように構成される。コントローラは、これら放射値が検出器220の測定レンジの中間部に対応するように、各マイクロアレイスポットに対する放射値の保存を制御してもよい。例えば、コントローラは、これら放射値がA/D変換器235の測定レンジの中間部に対応するように、各マイクロアレイスポットに対する放射値の保存を制御してもよい。または、メモリに保存された放射値について、放射検出器240(または増幅フィルタモジュール245)のアナログ出力は、A/D変換器の測定レンジの中間部に入る(より詳しくは、表1の例に関連して後述する)。A/D変換器の測定レンジの中間部は、ほぼ中央の測定レベル(すなわち、A/D変換器の測定レンジのほぼ真ん中にある測定レベル)など、あらかじめ定められた測定レベルの約±20%(両端の値を含む)のレンジを含んでいてもよい。これらの放射値をメモリに保存することに加えて、これら放射値にそれぞれ対応する、放射255に対する放射強度値(例、励起値)も、メモリに保存される。関連する放射値および放射強度値は、マイクロアレイ上の関連するマイクロアレイスポットの位置に対応する記憶場所に保存されてもよい。例えば、関連する放射値および放射強度値を保存するよう構成された記憶場所(または記憶場所のアドレス)は、これらの値に関連するマイクロアレイスポットのx座標およびy座標と対応していてもよい。放射値および放射強度値をこのような様式で保存することにより、そのマイクロアレイスポットのx座標およびy座標の実際の値がメモリに保存されなくても、これら座標の情報が保持されることになる。または、対応する放射値および放射強度値を、マイクロアレイスポットの一連番号に対応する連続的な様式で保存してもよい。一連番号は、マイクロアレイスポットの既知のx座標およびy座標と関連していてもよい。前述の保存方式と同様に、そのマイクロアレイスポットのx座標およびy座標の実際の値がメモリに保存されなくても、これら座標の情報が保持される。したがて、本発明の各態様には、比較的小さなメモリを用いてもよい。
【0027】
放射255の強度は、複数の方式に基づいて強度変調器210により変調してもよい。例えば、放射の強度は、連続的に変調するか、段階的に変調するか(例えば添付の図10および後述する同図の説明を参照)、またはランダムに変調するなどであってもよい。さらに、放射の強度は、線形的に変調してもまたは非線形的(例、指数関数的、対数的など)に変調してもよい。1つの強度変調方式においては、各マイクロアレイスポットについて、A/D変換器の測定閾値レベルに関連するかまたはそれ未満の強度レベルから、A/D変換器の中間レンジまたはそれ以上(例、飽和レベルより上または下)に関連する強度レベルまで、放射強度が変調される。各マイクロアレイスポットは標的濃度が異なり得るため、マイクロアレイスポットからの放射をA/D変換器の中間レンジに入れるために用いられる放射強度は異なる可能性がある。例えば、メモリに保存されている放射値がA/D変換器の中間測定レンジに入っていても、メモリに保存されている放射強度値は、放射値より比較的大幅にばらついている可能性がある。このばらつきの例を後述の表1に示す。
【0028】
放射値およびそれに関連する放射強度値をメモリに保存した後、放射値を、それに関連する放射強度値により正規化し、かつメモリに保存されている最大放射強度値により変倍する。または、このことは、最大放射強度値を放射強度値で除算(または正規化)したもので放射値を変倍するとして捉えてもよい。下の表1には、複数のサンプルスポットに対する、複数の例示的な励起値(すなわち、蛍光励起の放射強度値)およびそれに関連する例示的な発光値(例、蛍光発光に関連する放射値)が含まれている。表1にはまた、対応する励起値により正規化しかつ最大励起値(例えばこの例においては200)により変倍した、正規化発光値の列も含まれている。コントローラ230および/またはプロセッサ245は、メモリに保存された最大放射強度値を同定しかつ発光値を正規化および変倍するように構成されていてもよく、かつこれらの値のメモリへの保存を制御してもよい。
【0029】
【表1】

【0030】
この例において、表1の右端の列の正規化発光値のうち少なくとも1つは、A/D変換器235の測定レンジを超えている。例えば、A/D変換器235の測定レンジは0〜+1ボルトの測定レンジ(すなわち、閾値電圧から飽和電圧まで)であってもよく、かつ12ビットの出力を有していてもよい。12ビットの2進数で表現される最大値は4095であるため、サンプルスポット6の正規化発光値4600はこのA/D変換器の測定レンジを超えている。すなわち、正規化発光値4600は、12ビットワードでは表現されずに13ビットワードまたはそれより長いワードとして表現される可能性がある。さらに、サンプルスポット6の正規化発光値は、+1ボルト(すなわち、このA/D変換器の飽和電圧)より大きな正規化入力電圧と関連する。したがって、サンプルスポット6については、正規化入力電圧および正規化発光値がA/D変換器235の測定レンジを超えている。したがって、この例については、正規化発光値からデジタル空間内に形成されるマイクロアレイ画像は、検出器220のハードウェアの制約に依存せず、より具体的には、A/D変換器のハードウェアの制約に依存しない。簡単に前述したように、表1に示した正規化発光値は、デジタル空間(コンピュータのデジタル空間など)の中のマイクロアレイ画像の画像スポットである。したがって、本明細書に説明する本発明の各態様により、デジタル画像データの比較的完全なセットを収集しかつA/D変換器235の測定レンジを超えるレンジに対して正規化できるため、マイクロアレイの(デジタル空間内における)マイクロアレイ画像をマイクロアレイの単回スキャンで生成することができる。
【0031】
図7は、本発明の1つの態様に基づいてデジタル空間内にサンプルの画像を生成するための段階を有する高レベルフローチャートである。サンプルは、生物学的サンプル(例、マイクロアレイ、組織サンプル、植物サンプルなど)、液体サンプル、化学サンプル、または他の種類の様々なサンプルであってもよい。前述のように、サンプルの画像は、サンプルのサンプルスポットの複数の画像スポットを含む。画像スポットは、前述のように、デジタル空間内のデジタル値として表わされてもよい。図7に示す各段階は、特許請求の範囲により示される本発明を制限するものではないことが認識されるべきである。より少ない段階、代替の段階、および/または追加の段階を有する他の技術も本発明の範囲に含まれ、かつ当業者には容易に理解されるものと思われる。700において、サンプルのサンプルスポットに、レーザー放射などの刺激放射が照射される。705において、刺激放射の強度が変調される。刺激放射の強度は、検出器(例、A/D変換器)の測定閾値レベルに関連するかまたはそれ未満の強度レベルから、検出器の中間レンジまたはそれ以上(例、検出器飽和レベルより上または下)に関連する強度レベルまで、変調させてもよい。様々な強度を有する刺激放射で照射されたことの反応として、サンプルスポットからの放射は、変化する強度を有する。サンプルスポットからの放射は、蛍光放射、後方散乱放射、または透過放射などを含んでいてもよい。710では、検出器が、受け取った放射から放射値を生成する。検出器は、放射を受け取ったことに反応してアナログ放射値を生成するよう構成された光検出器を含んでいてもよく、かつアナログ放射値をデジタル化してデジタル放射値を生成するよう構成されたA/D変換器を含んでいてもよい。放射値はこれらのデジタル放射値を含んでいてもよい。サンプルスポットからの放射は変化する強度を有するため、この放射から検出器により生成される放射値は変化する放射値を有する。715では、放射値がモニタリングされ、検出器の測定レンジの中間部に入る放射値がメモリに保存される。メモリにはまた、メモリに保存された放射値の放射をもたらした刺激放射の刺激放射値も保存される。各サンプルスポットについて段階700〜715が繰り返される。サンプルのサンプルスポットは、ラスタースキャンのパターンまたは他のパターンで1回照射してもよく、これにより放射値が生成される。720では、メモリに保存された各放射値が、メモリに保存された関連する刺激放射値により除算(または正規化)される。725では、正規化された各反応値が、メモリに保存された刺激放射値のうち最大の値を乗算され、これにより、サンプル画像のデジタル空間における画像スポットが生成される。この乗算の段階は、変倍の段階と呼ばれることもある。画像スポット(すなわち、正規化および変倍された放射値)のうち少なくとも1つはA/D変換器の測定レンジを超える。詳しく前述したように、画像スポットのうち少なくとも1つは、A/D変換器により生成される2進ワードでは表現されない可能性があり、むしろより長い2進ワード(すなわち、A/D変換器により生成される2進ワードより多いビット数を有する2進ワード)で表現される可能性がある。2進で表現される画像スポットのうち少なくとも1つがA/D変換器により生成される2進ワードのビット幅を超えるため、画像スポットはA/D変換器のハードウェアの制約に依存しないということができる。さらに、これらの画像スポットがA/D変換器のハードウェアの制約に依存しないため、従来技術を用いてサンプルを複数回スキャンすることと対照的に、これらの画像スポットはサンプルの単回のスキャンで生成することができる。
【0032】
いくつかの態様においては、前述の各段階に基づき、各サンプルスポットに2つまたはそれ以上の色の放射が照射される。例えば、マイクロアレイのマイクロアレイスポットの各列に、列の1回目のラスタースキャンにおいて第一の波長の放射(例、レーザー放射)を照射し、列の2回目のラスタースキャンにおいて第二の波長の放射(例、レーザー放射)を照射してもよい。これらの異なる放射波長から、2つのマイクロアレイ画像を形成してもよい。
【0033】
図8はマイクロアレイの簡略画像800であり、前述の各段階によっておよび/または前述した種々の数学関数を適用するなどのデコンボリューション段階によって生成されてもよい種々の輝度レベルを有するマイクロアレイスポットの画像スポット805(デジタル画像データ)を複数有する。図8のマイクロアレイ画像の画像スポットは、例えば図1のマイクロアレイ画像などの画像スポットと比較して、輝度のばらつきがより大きくてもよい。例えば、正規化、変倍、および/または他のデコンボリューション段階の適用後の、図8の画像スポットの輝度のばらつきは、比較的大きくてもよい。画像スポットの輝度のレンジが比較的大きい可能性があるため、いくつかの態様において、マイクロアレイ画像は、異なる色が種々の輝度レベルまたは種々の輝度レンジを表すという擬似カラーでグラフィカルに表される。擬似カラーで表される輝度レベルは、グレースケールで表される輝度レベルより視覚的な認識が容易である可能性があるため、輝度レベルのグラフィカル表示に擬似カラーを用いてもよい。
【0034】
図9は、本発明の別の態様による、2つの放射源(例、2つのレーザー)205aおよび205b、ならびにそれぞれ放射源に関連する2つの強度変調器210aおよび210bを有する、画像化システム200'の簡略ブロック図である。画像化システム200'と、前述の画像化システム200の各態様との相違点は、画像化システム200が1つの放射源および1つの強度変調器を含むのに対して、画像化システム200'は2つの放射源および2つの強度変調器を含むことである。各放射源は、前述のように画像を生成するため、マイクロアレイまたは他のサンプルを照射するように構成される。放射源は、異なる波長または異なる組み合わせの波長(すなわちマルチスペクトル放射)の放射を生成するように構成される。いくつかの態様において、マルチスペクトル放射(例、黒体放射など)は、放射のスペクトル幅を制限する目的で、マイクロアレイまたは他のサンプルへの誘導前にフィルタに通される。放射源は、周波数逓倍YAGレーザーおよびダイオードレーザー(例、赤色ダイオードレーザー)、または他の種類のレーザーなどのレーザーであってもよい。
【0035】
図10は、本発明の別の態様による、2つの放射源205aおよび205b、ならびにそれぞれ放射源に関連する2つの検出器220aおよび220bを有する、画像化システム200"の簡略ブロック図である。画像化システム200"と、画像化システム200および200'との相違点は、画像化システム200"が、1つの検出器ではなく2つの検出器を含むことである。各検出器は、放射源のうち1つに関連する、マイクロアレイスポットからの放射を検出するように構成される。検出器220aは、放射検出器240a、増幅フィルタモジュール245a、およびA/D変換器235aを含んでいてもよく、検出器220bは、放射検出器240b、増幅フィルタモジュール245b、およびA/D変換器235bを含んでいてもよい。画像化システム200"の各検出器は、前述のように作動するように構成される。
【0036】
前述のように、サンプルを照射するよう構成された刺激放射は、連続的に変調するか、段階的に変調するか、またはランダムに変調するなどであってもよい。段階的に変調する態様において、強度変調器210は、複数の離散的な強度にわたって放射255の強度を変調するように構成される。強度変調器210は、2つ、3つ、またはそれ以上の離散的な強度にわたって放射255の強度を変調するように構成されていてもよい。例えば、段階的減衰の方式において、強度変調器は、所定の量だけ減衰されずおよび減衰された、放射源205からの放射を、サンプルに伝達するように構成されていてもよい(例、10分の9を減衰する、すなわち、放射源から受け取った放射の10分の1を伝達する)。別の段階的減衰の方式において、強度変調器は、減衰されていない放射、3分の1だけ減衰された放射、および3分の2だけ減衰された放射をサンプルに伝達するように構成されていてもよい。これらの減衰量(すなわち強度)は例示的なものであり、他の離散的な強度レベルを本発明の各態様に基づいて用いてもよいことが理解されるべきである。強度変調器210は、放射255の強度を段階的な様式で変化させるための種々の手段を含んでいてもよい。例えば強度変調器は、各ケーブルに関連する減衰がそれぞれ異なる、2つ、3つ、またはそれ以上の光ケーブル(例、光ファイバーケーブル)を含んでいてもよい。例えば、図11に、本発明の1つの態様に基づく、異なる放射強度でサンプルを照射するよう構成された2つの光ケーブル1100aおよび1100bを有する強度変調器210を示す。光ケーブル1100aは減衰されていない放射を伝達するよう構成されていてもよく、一方、光ケーブル1100bは放射の強度を選択された量だけ減衰する(例えば10分の9、すなわち受け取った放射255の10分の1を伝達する)ように構成されていてもよい。光ケーブルが3つある減衰モジュールについては、第一の光ケーブルは受け取った放射に対して減衰を本質的にもたらさないよう構成されていてもよく、第二の光ケーブルは放射強度を3分の1だけ減衰するよう構成されていてもよく、第三の光ケーブルは放射強度を3分の2だけ減衰するよう構成されていてもよい。以上に説明した光ケーブルは、放射強度を選択された量だけ減衰するよう構成されているものとして説明したが、代替の態様において、光ケーブルは、受け取った放射強度を減衰するように構成されていなくてもよく、代わりに、受け取った放射に対して選択された量の減衰をもたらすよう構成された減衰器に光学的に連結されていてもよい。
【0037】
1つの態様において、放射源205からの放射は、光スイッチ1105によって光ケーブルへと誘導されてもよい。光スイッチ1105は、Qスイッチ、yファイバースイッチなどの電気光学的スイッチ、または他の種類のスイッチであってもよい。または(もしくは追加的に)、光スイッチ1005は、1つまたは複数の光ケーブルから出るまたはこれに入る放射を遮蔽するよう構成されたオクルーダー(occluder)(例えば圧電装置に連結されたもの)を含んでいてもよい。例えば、オクルーダーは、任意の所定の時刻に光ケーブル1100aまたは1100bを遮蔽するよう構成されていてもよい。
【0038】
1つの態様において、サンプルの各サンプルスポットについて、減衰を本質的にもたらさないよう構成された第一の光ケーブル(例、光ケーブル1100a)が遮蔽され、その間、所定の量の減衰をもたらす第二の光ケーブル(例、光ケーブル1100b)がサンプルを照射する。サンプルスポットからの放射が、A/D変換器235の選択された測定レンジ(例、A/D変換器の測定レンジの下方10%またはそれ以上、下方20%またはそれ以上、下方30%またはそれ以上など)内に入っている場合は、この放射の放射値を、オクルーダーの状態とともにメモリに保存してもよい。この放射値に対する刺激放射値もまたメモリに保存してもよい。放射が選択された測定レンジ内にない場合は、第二の光ケーブル(例、光ケーブル1100b)を遮断して、その間、第一の光ファイバーでサンプルを照射してもよい。この放射の放射値を、オクルーダーの状態とともに保存してもよい。この放射値に対する刺激放射値もまたメモリに保存してもよい。光ケーブル(または他の減衰装置)の減衰値を用いて、メモリに保存された放射値を正規化してもよい。以上は、サンプル照射用の放射を段階的に減衰させるため光ケーブルを2つ用いる技術を説明したものであるが、様々な減衰量を有する2つより多い光ケーブルを用いた同様の様式に以上の技術を用いてもよい。
【0039】
1つの態様においては、製造された画像化システムに含まれる減衰器(例、光ケーブル)の減衰の測定値が、その減衰器に関連する画像化システムに保存される。減衰値を保存することにより、製造される各画像化システムが減衰値の異なる減衰器を含み、かつ画像化システムが同様の(または実質的に同じ)作動特性を有するということが可能になる。異なる画像化システムに含まれる減衰の様々なセットが異なる減衰値を有していてもよいため、比較的安価な減衰器を使用してもよい。すなわち、減衰器の各セットの減衰値が必ずしも同じでなくてよいため、合致した減衰器のセットを製造する(または購入する)という費用のかさむ課題を回避することが可能となる。
【0040】
本明細書に説明した各実施例および各態様は例証のみを目的としたものであること、ならびに、当業者であれば本明細書を鑑みて種々の修正または改変が連想され、それらは本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲に含まれるものであることが理解されるべきである。例えば、画像化システムは、レーザーまたは他の放射源などの放射源を1つまたは2つ含むものとして説明したが、本発明の他の態様は、2つより多い放射源を含んでいてもよい。したがって、以上の説明は、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】様々な放射強度を有するマイクロアレイスポットの複数の画像スポットを含む、マイクロアレイの簡略画像である。
【図2】本発明の1つの態様に基づく画像化システム200の簡略ブロック図である。
【図3】その上にマイクロアレイスポットのセットが形成される基質を含む、マイクロアレイの簡略配置図である。
【図4】本発明の1つの態様に基づく、クロス偏光子の間に配置された電気光学変調器(例、ニオブ酸リチウム結晶)を含む強度変調器の簡略図である。
【図5】本発明の別の態様に基づく、音響光学変調器を含む強度変調器の簡略図である。
【図6】図6Aは、本発明の別の態様に基づく、コントローラに連結された分布型中性フィルタを含む強度変調器の簡略図であり、コントローラは、分布型中性フィルタをフィルタ勾配に沿ってレーザー放射を通るように動かすことによってレーザー放射強度を変調するよう構成された検流計などを含んでいてもよい。図6Bは、本発明の別の態様に基づく、コントローラに連結された分布型中性フィルタを含む強度変調器の簡略図であり、コントローラは、分布型中性フィルタをフィルタ勾配に沿ってレーザー放射を通るように動かすことによってレーザー放射強度を変調するよう構成された圧電装置などを含む。
【図7】本発明の1つの態様に基づいてマイクロアレイ画像を生成するための段階を有する高レベルフローチャートである。
【図8】様々な放射強度を有するマイクロアレイスポットの複数の画像スポットを含む、マイクロアレイの簡略画像である。
【図9】本発明の別の態様に基づく、2つのレーザーとこれらレーザーにそれぞれ関連する2つの強度変調器とを有する画像化システムの簡略ブロック図である。
【図10】本発明の別の態様に基づく、2つのレーザーとこれらレーザーにそれぞれ関連する2つの検出器とを有する画像化システムの簡略ブロック図である。
【図11】本発明の別の態様に基づく強度変調器の簡略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの画像をデジタル空間内で生成するため、測定レンジを有する測定システムを用いてサンプルの複数のサンプルスポットの刺激に対する反応を測定する方法であって、以下の段階を含む方法:
各サンプルについて、
反応を測定すると同時に、測定された反応が測定レンジの中間部の値に対応するような刺激値が少なくとも1つ含まれるように刺激を変化させる段階;ならびに、
測定レンジの中間部の値に対応する測定反応値およびその測定反応値を生じた刺激値を保存する段階。
【請求項2】
保存された各測定反応値を、対応する刺激値で除算して正規化反応値を提供する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
各正規化反応値について、各正規化反応値に保存された最大刺激値を乗算して画像を生成する段階であって、ここで保存された最大刺激値を乗算するこれらの正規化反応値が画像スポットと呼ばれる段階をさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
画像スポットがデジタル空間内で画像を形成する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
刺激を変化させる段階および測定反応値を保存する段階が、サンプルの1回のスキャン中に実施される、請求項3記載の方法。
【請求項6】
スキャンがサンプルスポットの各列のラスタースキャンを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
画像がマイクロアレイのマイクロアレイ画像を含む、請求項3記載の方法。
【請求項8】
測定システムが、特定のレンジの反応値を収容できる特定のビット数を有するA/D変換器を含む、請求項3記載の方法。
【請求項9】
画像スポットのうち少なくとも1つが、A/D変換器の特定のビット数を上回るビット数を有する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
複数のサンプルにわたる測定反応値のばらつきが測定レンジを上回る、請求項1記載の方法。
【請求項11】
刺激を変化させる段階が、レンジにわたって刺激を増加させる段階を含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
刺激を増加させる段階が、レーザー放射の強度を増加させる段階を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
複数のサンプルスポットのうち複数について、測定レンジの中間部の値がほぼ同じ値である、請求項1記載の方法。
【請求項14】
サンプルスポットが、蛍光標識を有する標的とハイブリダイズしたプローブを有する領域であり;
刺激が、可視光またはUV光の放射であり;かつ、
反応が、蛍光発光のレベルである、
請求項1記載の方法。
【請求項15】
刺激がレーザー放射である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
刺激が電磁放射であり;かつ、
反応が反射放射または透過放射である、
請求項1記載の方法。
【請求項17】
画像反応値を含むデジタル空間内で画像を生成するため、刺激に供した拡張サンプルについて画像反応値を取得する方法であって、以下の段階を含む方法:
複数のスポットの各々について、
スポットの1回のスキャンにおいてサンプルを複数の刺激値に供する段階、
対応する反応値を測定する段階、
望ましいレンジ内の反応値を提供する刺激値を決定する段階、および、
このように決定された刺激値とその刺激値により提供された反応値とを保存する段階;
複数のスポットについて正規化データセットを提供する段階であって、各スポットの正規化値が、保存された反応値と対応する刺激値との比を表すものである段階。
【請求項18】
複数のスポットについて正規化データセットを提供する段階が、正規化値に保存された最大刺激値を乗算する段階を含み、かつこれらの値が画像反応値である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
望ましいレンジが、特定のレンジの反応値を収容できる特定のビット数を有するA/D変換器の中間レンジであり、かつ画像反応値のうち少なくとも1つが、A/D変換器の特定のビット数を上回るビット数を有する、請求項17記載の方法。
【請求項20】
以下の段階を含む、レーザー放射で照射される複数のマイクロアレイスポットを含むサンプルのマイクロアレイ画像を生成するための方法であって、各マイクロアレイスポットからの放射が、照射されたことに対する反応であるような方法:
マイクロアレイの1回のスキャン中に各マイクロアレイスポットについて、
値のレンジ内でレーザー放射の強度値を変化させる段階、
放射の放射値とその放射値に対応する強度値とを保存する段階であって、放射値が検出器の飽和レベル未満である段階、および、
保存された放射値を保存された強度値で除算して正規化放射値を生成する段階;ならびに、
正規化放射値に保存された最大放射値を乗算する段階。
【請求項21】
検出器が、放射値を生成するよう構成されたA/D変換器を含み、かつ飽和レベルがA/D変換器の飽和レベルである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
保存された最大放射値を乗算される正規化放射値が、A/D変換器の測定レンジに依存しない、請求項21記載の方法。
【請求項23】
保存された放射値が、検出器の測定レンジの中央部にある、請求項20記載の方法。
【請求項24】
保存された放射値に約±20%のばらつきがある、請求項20記載の方法。
【請求項25】
検出器が、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、CCD(charge coupled device)アレイ、およびCMOS(complementary metal oxide)アレイのうち少なくとも1つである放射検出を含む、請求項20記載の方法。
【請求項26】
保存された放射値がほぼ同じである、請求項20記載の方法。
【請求項27】
レーザー放射が励起レーザー放射であり、かつ放射が蛍光放射である、請求項20記載の方法。
【請求項28】
励起レーザー放射が第一の波長および第二の波長を有する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
第一の波長が赤色の波長であり、かつ第二の波長が緑色の波長である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
マイクロアレイ画像が第一のマイクロアレイ画像およびサブマイクロアレイ画像(sub-microarray image)を含み、
第一のマイクロアレイ画像が第一の波長と関連し、かつ、
サブマイクロアレイ画像が第二の波長と関連する、
請求項28記載の方法。
【請求項31】
放射が後方散乱放射である、請求項20記載の方法。
【請求項32】
放射値を保存する段階が、サンプル上のマイクロアレイスポットの座標位置に対応するメモリアドレスで放射値および強度値をメモリに保存する段階を含む、請求項20記載の方法。
【請求項33】
数学関数を用いて正規化放射値をデジタル方式で操作する段階をさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項34】
以下を含む、サンプルのデジタル空間画像を生成するための画像生成器:
放射を生成し、かつ、照射されたことに対する反応として放射するサンプルスポットを照射するよう構成された放射源;
放射の強度を変調するよう構成された変調器;
測定レンジを有し、かつサンプルスポットからの放射から放射値を生成するよう構成された検出器;
測定レンジの中間部に対応する放射値と、その放射値に対応する生成放射の放射値とを保存するよう構成されたメモリ;
保存された放射値を、それに関連する生成放射の放射値で正規化すること、およびこれらの値にデジタル空間画像の中に保存された生成放射の最大放射値を乗算することによって、デジタル空間画像の画像スポットを生成するよう構成されたプロセッサ。
【請求項35】
検出器が、放射値を生成するよう構成されたアナログ−デジタル(A/D)変換器を含み、かつ測定レンジの中間部がA/D変換器の測定レンジの中間部である、請求項34記載の生成器。
【請求項36】
A/D変換器が、特定のレンジの放射値を収容できる特定のビット数を有する、請求項35記載の生成器。
【請求項37】
画像スポットのうち少なくとも1つが、A/D変換器の特定のビット数を上回るビット数を有する、請求項36記載の生成器。
【請求項38】
画像スポットがA/D変換器の測定レンジに依存しない、請求項35記載の方法。
【請求項39】
検出器が、放射を検出するよう構成された放射検出を含み、かつ放射検出器が、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、CCD(charge coupled device)アレイ、およびCMOS(complementary metal oxide)アレイのうち少なくとも1つを含む、請求項35記載の生成器。
【請求項40】
放射検出器の出力を増幅およびフィルタに通し、かつ増幅およびフィルタに通された出力をA/D変換器に提供するよう構成された増幅フィルタモジュールをさらに含む、請求項39記載の生成器。
【請求項41】
プロセッサが、正規化放射値に最大レーザー放射値を乗算してマイクロアレイ画像を生成するように構成されている、請求項34記載の生成器。
【請求項42】
プロセッサがRISK(reduced instruction set)マイクロプロセッサである、請求項34記載の生成器。
【請求項43】
強度変調器が、1対のクロス偏光子(crossed polarizer)の間に配置された電気光学変調器、音響光学変調器、および制御可能な可変中性フィルタのうち少なくとも1つを含む、請求項34記載の生成器。
【請求項44】
レーザー放射をサンプルスポット上に集束させ、かつサンプルスポットからの放射を検出器による収集のために収集するよう構成されたレンズ系をさらに含む、請求項34記載の生成器。
【請求項45】
第二のマイクロアレイ画像を生成するため、言及された第一のレーザーのレーザー放射と異なる波長を有するレーザー放射でサンプルスポットを照射するよう構成された第二のレーザーをさらに含む、請求項34記載の生成器。
【請求項46】
以下の段階を含む、刺激放射で照射される複数のスポットを含むサンプルの画像を生成する方法であって、各スポットからの反応放射が刺激放射に対する反応であるような方法:
1回のサンプルのスキャン中に各スポットについて、
値の離散的なレンジ内で刺激放射の強度値を変化させる段階、
反応放射の放射値とその放射値に対する減衰状態とを保存する段階であって、放射値が検出器の測定レンジ内であり、かつ各減衰状態が減衰値と関連する段階、および、
減衰値に基づいて放射値を正規化してデジタル空間内に画像を形成する段階。
【請求項47】
検出器が、放射値を生成するよう構成されたA/D変換器を含み、かつ測定レンジが測定レベルを上回る、請求項46記載の方法。
【請求項48】
測定レベルが、A/D変換器の閾値レベルを少なくとも10パーセント上回る、請求項47記載の方法。
【請求項49】
刺激放射がレーザー放射であり、かつ反応放射が蛍光放射である、請求項46記載の方法。
【請求項50】
反応放射が後方散乱放射である、請求項46記載の方法。
【請求項51】
放射値を保存する段階が、サンプル上のスポットの座標位置に対応するメモリアドレスで放射値をメモリに保存する段階を含む、請求項46記載の方法。
【請求項52】
数学関数を用いて画像をデジタル方式で操作する段階をさらに含む、請求項46記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−533994(P2007−533994A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509519(P2007−509519)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/012573
【国際公開番号】WO2005/104688
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(505270887)バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド (8)
【Fターム(参考)】