説明

画像印刷装置、ダイレクトプリントシステムおよび印刷設定方法

【課題】画像を印刷する際に、その印刷に係る複数の設定値の組合せが画像印刷装置により印刷することができない設定値の組合せになっていたとしても、その印刷指示に係る画像を印刷すること。
【解決手段】画像印刷装置2の受信手段23は、画像を用紙に印刷するための印刷設定あるいはそれを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値を受信する。判定手段30は、受信した複数の設定値が、当該画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを判定する。修正手段29は、判定手段30により複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、当該画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とする。印刷手段24は、修正手段29により生成された複数の設定値に基づいて画像を用紙に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像印刷装置、ダイレクトプリントシステムおよび印刷設定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンピュータとプリンタとをUSBケーブルで接続する構成が開示されている。コンピュータは、複数の定形印刷データの中から選択した定形印刷データにより、選択した画像を印刷するための印刷条件をプリンタへ出力する。この印刷条件では、用紙サイズや用紙種類などが指定される。また、コンピュータは、選択することができる定形印刷データの範囲を、予め取得したプリンタの印刷能力に応じて制御する。これにより、プリンタが印刷することができない印刷条件を指定してしまうことを予防することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2004/021164公報(図面、発明の詳細な説明)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように特許文献1に開示される従来の印刷システムでは、コンピュータにおいて選択することができる定形印刷データの範囲を、予め取得したプリンタの印刷能力に応じて制御することで、プリンタが印刷することができない印刷条件を指定してしまうことを予防することができる。
【0005】
このようにコンピュータとプリンタとをUSBケーブルで接続する場合とは別に、DSC(Digital Still Camera)とプリンタとをUSBケーブルで直接に接続し、DSCが選択した画像をプリンタで印刷するシステムがある。このようなシステムは、ダイレクトプリントシステムと呼ばれている。
【0006】
このダイレクトプリントシステムであっても、DSCが選択した画像をプリンタで印刷するためには、DSCからプリンタへ印刷設定を指示する必要がある。しかしながら、DSCには、コンピュータのように豊富なリソースを持たない。DSCは、コンピュータと比べてコンピュータの処理能力が低く、しかも、十分な記憶領域を持っていない。また、DSCは、小さい液晶モニタおよび少ない入力デバイスしか持っていない。そのため、特許文献1のコンピュータのように、DSCに、複数の定形印刷データを記憶させ、プリンタの印刷能力に応じて選択することができる定形印刷データの範囲を制御させることは、難しい。
【0007】
そこで、ダイレクトプリントシステムでは、たとえばプリンタからDSCへ各設定項目について設定可能な設定値を送信し、その中から設定値を選択させることで、プリンタが印刷可能な印刷設定の指示をDSCにおいて生成し、その生成された印刷設定に基づいてDSCが選択した画像をプリンタで印刷するように構成することが考えられる。
【0008】
しかしながら、このようにプリンタからDSCへ設定可能な設定値を送信し、その中から設定値を選択させることで、印刷設定指示を生成したとしても、複数の設定値の組合せによっては、プリンタは印刷を実行することができない場合がある。たとえば、用紙サイズとしてL版およびA4に対応しているが、L版サイズの用紙においては写真画質でしか印刷しないプリンタにおいて、L版および普通紙を指定する印刷設定指示がDSCにおいて生成された場合、プリンタはその印刷設定指示に基づいて印刷を実行することができない。
【0009】
本発明は、画像を印刷する際に、その印刷に係る複数の設定値の組合せが画像印刷装置により印刷することができない設定値の組合せになっていたとしても、その印刷指示に係る画像を印刷することができる画像印刷装置、ダイレクトプリントシステムおよび印刷設定方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像印刷装置は、画像を用紙に印刷するための印刷設定あるいはそれを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値を受信する受信手段と、受信した複数の設定値が、当該画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを判定する判定手段と、判定手段により複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、当該画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とする修正手段と、修正手段により生成された複数の設定値に基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段と、を有するものである。
【0011】
この構成を採用すれば、画像印刷装置は、画像の印刷に係る複数の設定値の組合せが画像印刷装置により印刷することができない設定値の組合せになっていたとしても、その印刷指示に係る画像を用紙に印刷することができる。
【0012】
本発明に係る他の画像印刷装置は、画像を用紙に印刷することを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値であって、且つ、当該画像印刷装置の所定の設定に従うことを意味する設定値を少なくとも1つ含む複数の設定値を受信する受信手段と、当該画像印刷装置が印刷可能な複数の設定値の組合せを記憶する記憶手段と、当該画像印刷装置の現時点で設定されている各設定値を記憶する設定記憶手段と、当該画像印刷装置の所定の設定に従うことを意味する設定値を設定記憶手段が記憶する設定値で置き換えて、複数の設定値からなる印刷設定を生成する生成手段と、生成手段が生成した印刷設定の複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを、記憶手段における組合せを参照して判定する判定手段と、判定手段において複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、当該画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とする修正手段と、修正手段により生成された複数の設定値に基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段と、を有するものである。
【0013】
この構成を採用すれば、画像印刷装置は、受信手段が受信した印刷設定指示に基づく複数の設定値の組合せが画像印刷装置により印刷することができない設定値の組合せになっていたとしても、その印刷指示に係る画像を用紙に印刷することができる。さらに、画像印刷装置の所定の設定に従うもの以外の設定値が可能な限り使用されるため、ユーザの意図(ユーザによる選択)が印刷可能な範囲で反映される。
【0014】
本発明に係る第三の画像印刷装置は、画像を用紙に印刷することを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値であって、且つ、当該画像印刷装置が印刷するために必要とする複数の設定値より少ない数の複数の設定値を受信する受信手段と、当該画像印刷装置が印刷可能な組合せの複数の設定値の組合せを記憶する記憶手段と、当該画像印刷装置の現時点で設定されている各設定値を記憶する設定記憶手段と、受信手段が受信した複数の設定値に、設定記憶手段が記憶する設定値を追加して、当該画像印刷装置が印刷するために必要とする複数の設定値からなる印刷設定を生成する生成手段と、生成手段が生成した印刷設定の複数の設定値が、当該画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを、記憶手段における組合せを参照して判定する判定手段と、判定手段において複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、当該画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とする修正手段と、修正手段により生成された複数の設定値に基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段と、を有するものである。
【0015】
この構成を採用すれば、画像印刷装置は、受信手段が受信した印刷設定指示に基づく複数の設定値の組合せが画像印刷装置により印刷することができない設定値の組合せになっていたとしても、その印刷指示に係る画像を用紙に印刷することができる。さらに、画像印刷装置の所定の設定に従うもの以外の設定値が可能な限り使用されるため、ユーザの意図(ユーザによる選択)が印刷可能な範囲で反映される。
【0016】
本発明に係る画像印刷装置は、上述した各発明の構成に加えて、受信手段が、画像供給装置に接続され、この画像供給装置において印刷のために選択された画像の指定とともに印刷設定指示を受信するものである。
【0017】
この構成を採用すれば、画像印刷装置は、画像供給装置において印刷のために選択された画像を、用紙に印刷することができる。
【0018】
本発明に係る画像印刷装置は、上述した各発明の構成に加えて、修正手段が、ダイレクトプリントシステムにおいて最も汎用的な組合せの複数の設定値に置き換えるものである。
【0019】
この構成を採用すれば、画像印刷装置は、当該画像印刷装置で印刷することができる組合せの複数の設定値であって、且つ、印刷設定の複数の設定値をダイレクトプリントシステムにおいて最も汎用的な組合せの複数の設定値を生成することができる。しかも、置き換えない設定値については、画像供給装置において設定された設定値を使用するので、ユーザが画像供給装置において印刷のために設定した意思を尊重しつつ、その印刷指示に係る画像を用紙に印刷することができる。
【0020】
本発明に係る画像印刷装置は、上述した各発明の構成に加えて、判定手段が、少なくとも用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトを含む複数の設定値について判定を行い、修正手段が、用紙のサイズ、用紙の種類、印刷レイアウトの順番でそれぞれの設定値の置き換えの要否を判定し、置き換えの必要な設定値を置き換えるものである。
【0021】
この構成を採用すれば、画像印刷装置は、ユーザが画像供給装置において印刷のために設定した用紙のサイズおよび用紙の種類を印刷レイアウトより優先的に使用し、且つ、用紙の種類より用紙のサイズを優先的に使用することになる。これにより、画像印刷装置は、ユーザが印刷設定時に意図した設定に近い印刷をすることができる。
【0022】
本発明に係る画像印刷装置は、上述した各発明の構成に加えて、修正手段が、用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトの設定値の置き換えの要否を判定し、置き換えの必要な設定値を置き換えてから、画質および/または画像補正についての設定値を置き換えるものである。
【0023】
この構成を採用すれば、ユーザが画像供給装置において印刷のために設定した用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトを、その他の設定値より優先的に使用することになる。これにより、ユーザが印刷設定時に意図したものに近い印刷をすることができる。しかも、その他の設定値の置き換えるときには、用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトが確定しているので、用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトの組合せに応じて当該その他の設定値を異なる値に置き換えることができる。その結果、画像印刷装置は、ユーザが印刷設定時に意図した設定を生かしつつ、最適な印刷を実行することができる。
【0024】
本発明に係るダイレクトプリントシステムは、複数の設定値を含む印刷設定指示を受信し、この印刷設定指示の複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷可能な組合せである場合には、その受信した印刷設定指示の複数の設定値にて画像を印刷する上述したいずれか1つの発明に係る画像印刷装置と、画像印刷装置に、選択した画像の指定とともに印刷設定指示を送信する画像供給装置と、を有するものである。
【0025】
この構成を採用すれば、画像印刷装置は、画像供給装置において選択された画像を、その画像の印刷設定指示の複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷することができるものであるか否かにかかわらずに、印刷することができる。
【0026】
本発明に係る印刷設定方法は、画像印刷装置の印刷設定を行う印刷設定方法において、画像を用紙に印刷するための印刷設定あるいはそれを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値を受信するステップと、受信した複数の設定値が画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを判定するステップと、複数の設定値が画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とするステップと、を備えるものである。
【0027】
この方法を採用すれば、画像印刷装置は、画像の印刷に係る複数の設定値の組合せが画像印刷装置により印刷することができない設定値の組合せになっていたとしても、その印刷指示に係る画像を用紙に印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係るダイレクトプリントシステムの斜視図である。
【図2】図1のダイレクトプリントシステムの機能ブロック図である。
【図3】ダイレクト印刷における全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図1中のDSCの背面を示す背面図である。
【図5】印刷オペレーションの一例を示す図である。
【図6】図2中の印刷ジョブ生成部の印刷設定の生成処理のフローチャートである。
【図7】図2中の印刷ジョブ生成部による設定値の組合せ処理の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態に係る画像印刷装置、ダイレクトプリントシステムおよび印刷設定方法を、図面に基づいて説明する。画像印刷装置は、プリンタを例として説明する。ダイレクトプリントシステムの画像供給装置は、DSCを例として説明する。印刷設定方法は、プリンタの動作の一部として説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係るダイレクトプリントシステムを示すシステム斜視図である。ダイレクトプリントシステムは、画像供給装置としてのDSC1と、画像印刷装置としてのプリンタ2と、を有する。このダイレクトプリントシステムは、DSC1において選択された画像を、DSC1においてなされた印刷設定指示に基づいて、プリンタ2で印刷するものである。
【0031】
図1中のプリンタ2は、用紙トレイ3に載置される用紙にインクジェット方式によりインクを付着させることで、その用紙にフルカラーの画像を形成するものである。このようなインクジェット方式のプリンタ2は、レーザプリンタなどにくらべて小型であり、しかも、安価にフルカラーの画像を印刷することができる。
【0032】
DSC1とプリンタ2とは、USB(Universal Serial Bus)ケーブル4で直接に接続される。なお、DSC1とプリンタ2とは、USBケーブル4以外のケーブル、たとえばイーサネット(登録商標)ケーブルなどの有線通信路で接続されていてもよい。DSC1とプリンタ2とは、たとえばブルートゥース(Bluetooth)などによる無線通信路によって直接に通信できるように構成されていてもよい。
【0033】
図2は、図1のダイレクトプリントシステムにおいて実現される機能を示すブロック図である。
【0034】
DSC1は、画像をフルカラーで表示可能な液晶モニタ11と、操作に応じた入力指示を出力する入力デバイス12と、USBケーブル4が接続されるUSB通信I/F(インタフェース)13と、を有する。DSC1には、半導体メモリ14を挿抜できる。DSC1に挿入されている半導体メモリ14には、DSC1で撮像した複数の画像ファイル15が記憶される。
【0035】
DSC1では、図示外の内蔵コンピュータが図示外の内蔵メモリに記憶されるプログラムを実行することで、印刷クライアント部16と、PTP(Picture Transfer Protocol)通信部17と、USBスティルイメージクラス(USB_SIC)通信部18と、が実現される。なお、このメモリに記憶されるプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムであり、DSC1の出荷時にメモリに記憶されたものであっても、DSC1の出荷後に図示外の記録媒体や伝送媒体を介してメモリに記憶されたものであってもよい。
【0036】
USB通信I/F13、USB_SIC通信部18およびPTP通信部17により、DSC1の通信部19が構成される。通信部19は、USBケーブル4で接続されるプリンタ2の後述する通信部35との間で、データを送受信する。通信部19,35同士が送受信するデータには、後述する印刷オペレーションや画像ファイル15のデータなどがある。
【0037】
なお、DSC1のUSB通信I/F13は、USBケーブル4が接続されるとUSBデバイスとして機能するものであり、USBホストとの間でデータ通信のためのコネクションを確立する。DSC1のUSB_SIC通信部18は、USBホスト側のUSB_SIC通信部と通信することでUSBスティルイメージクラス用のエンドポイントなどを生成する。DSC1のPTP通信部17は、先のエンドポイントなどを使用してUSBホスト側のPTP通信部との間でPTPコマンドやファイルを送受信する。
【0038】
印刷クライアント部16は、半導体メモリ14に記憶されている画像ファイル15の画像を選択し、その選択した画像をプリンタ2に印刷させるための印刷設定指示の生成処理を実行し、その印刷設定指示を含む印刷オペレーションをプリンタ2へ送信する。
【0039】
プリンタ2は、簡易的な文字の表示が可能な液晶モニタ21と、操作に応じた入力指示を出力する入力デバイス22と、USBケーブル4が接続される受信手段としてのUSB通信I/F(インタフェース)23と、印刷ジョブに基づいて用紙への印刷をする印刷手段としての印刷部24と、を有する。
【0040】
プリンタ2では、図示外の内蔵コンピュータが図示外の内蔵メモリに記憶されるプログラムを実行することで、印刷サーバ部25と、PTP通信部26と、USB_SIC通信部27と、印刷オペレーション保存部28と、生成手段および修正手段としての印刷ジョブ生成部29と、判定手段としての設定値不整合判定部30と、が実現される。なお、このメモリに記憶されるプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムであり、DSC1の出荷時にメモリに記憶されていても、DSC1の出荷後に図示外の記録媒体や伝送媒体を介してメモリに記憶されていてもよい。
【0041】
また、プリンタ2の図示外の内蔵メモリには、設定項目別設定値記憶部31と、記憶手段としての設定値組合記憶部32と、設定記憶手段としての現設定値記憶部33と、丸め込み設定値記憶部34と、が設けられる。
【0042】
設定項目別設定値記憶部31は、プリンタ2が印刷可能な設定値を設定項目別に記憶するものである。設定項目としては、たとえば、印刷可能な用紙のサイズや種類、印刷可能な画像の印刷レイアウトや印刷画質、画像の補正処理などがある。用紙のサイズの設定値としては、たとえば、A4、B5、A5、2L版、L版、はがき、名紙などがある。用紙の種類の設定値としては、たとえば、普通紙、はがき用紙、光沢紙、インクジェット用紙、写真用紙、高画質用紙などがある。画像の印刷レイアウトの設定値としては、たとえば、1アップ(画像1つ)、2アップ(画像2つ)、4アップ(画像4つ)、サムネイル(たとえば画像16個)や、縁なし、縁ありなどがある。画像の印刷画質の設定値としては、たとえば、通常、高品質などがある。画像の補正処理の設定値としては、たとえば、補正あり、補正なしなどがある。
【0043】
設定値組合記憶部32は、プリンタ2が印刷可能な設定値の組合せを記憶するものである。なお、この設定値組合記憶部32は、プリンタ2が印刷できない設定値の組合せを記憶するようにしてもよい。設定値組合記憶部32が記憶するプリンタ2が印刷可能な設定値の組合せとしては、たとえば、「A4−普通紙−1アップ縁なし−高画質−補正なし」などがある。この例の設定値の組合せは、A4サイズの普通紙に、画像補正をしないで画像を1つ高画質にて縁なし印刷することができることを意味する。他にもたとえば、設定値組合記憶部32がプリンタ2の印刷できない設定値の組合せとして、たとえば「L版−普通紙」を記憶する場合、そのプリンタ2では、L版サイズの普通紙に、画像を印刷できないことを意味する。
【0044】
現設定値記憶部33は、ダイレクトプリントなどにおいてプリンタ2が画像を印刷する際に、その印刷のための画像の印刷設定指示が無い場合などに使用する各設定項目の設定値を記憶する。現設定値記憶部33が記憶する設定値は、設定値組合記憶部32が記憶する印刷可能な1つの組合せ設定値である。また、この現設定値記憶部33は、デフォルト値またはユーザがプリンタ2の入力デバイス22を操作して選択した値である。この実施の形態では、現設定値記憶部33は、たとえば「A4−普通紙−1面縁なし」という設定値を記憶する。
【0045】
丸め込み設定値記憶部34は、ダイレクトプリントなどにおいて画像を印刷する際に、その印刷に係る印刷設定がプリンタ2の印刷することができない設定値の組合せであった場合に、その不整合のある印刷設定をプリンタ2の印刷することができる設定値の組合せへ丸め込むための設定値の組合せを記憶する。丸め込み設定値記憶部34が記憶する設定値の組合せは、設定値組合記憶部32が記憶するプリンタ2の印刷可能な設定値の組合せの中の1つの組合せである。特にこの実施の形態では、丸め込み設定値記憶部34は、たとえば「L版−写真用紙−1面縁なし」という設定値の組合せを記憶する。この「L版−写真用紙−1面縁なし」という設定値の組合せは、ダイレクトプリントにおいて最も市場使用率が高く汎用的な設定値の組合せである。
【0046】
プリンタ2のUSB通信I/F23、USB_SIC通信部27およびPTP通信部26により、プリンタ2の通信部35が構成される。プリンタ2のUSB通信I/F23は、USBケーブル4が接続されるとUSBホストとして機能するものである。したがって、このプリンタ2の通信部35とDSC1の通信部19とをUSBケーブル4で接続すると、これらの通信部19,35は、互いにデータを送受信することができる。
【0047】
印刷サーバ部25は、印刷クライアント部16がプリンタ2へ送信した印刷オペレーションなどが供給される。印刷サーバ部25は、この印刷オペレーションなどが供給されると、その供給されたオペレーションに応じた処理を実行する。たとえば、印刷サーバ部25は、印刷オペレーションが供給されると、その供給された印刷オペレーションを印刷オペレーション保存部28へ供給し、印刷ジョブ生成部29に印刷オペレーションの受信通知をする。
【0048】
印刷オペレーション保存部28は、印刷サーバ部25に供給された印刷オペレーションを記憶する。この印刷オペレーションには、DSC1で生成した印刷設定指示が含まれる。
【0049】
印刷ジョブ生成部29は、印刷オペレーション保存部28に記憶されている印刷設定指示などを用いて印刷設定を生成し、この生成した印刷設定およびDSC1で選択された画像ファイルの画像に基づいて印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを印刷部24へ供給する。
【0050】
設定値不整合判定部30は、印刷に使用される設定値の組合せの不整合を判断するものである。設定値不整合判定部30は、たとえば以下のように動作する。すなわち、設定値不整合判定部30は、現設定値記憶部33に記憶されている設定値の組合せを液晶モニタ21に表示する。設定値不整合判定部30は、その現設定値記憶部33に記憶されている設定値の組合せを表示している状態において入力デバイス22から設定変更の入力指示が入力されると、設定項目別設定値記憶部31を参照して、その変更に係る設定値を含む設定項目のすべての設定値を読み出して液晶モニタ21に表示する。その表示している設定値の中から1つを選択する指示が入力デバイス22から入力されると、設定値不整合判定部30は、設定値組合記憶部32を参照して、その設定項目を選択された設定値に置き換えた設定値の組合せがプリンタ2の印刷可能な設定値の組合せになっているか否かを確認する。そして、その置き換えた設定値の組合せがプリンタ2の印刷可能な設定値の組合せである場合には、設定値不整合判定部30は、その置き換えた設定値の組合せを現設定値記憶部33に記憶させる。これにより、ユーザは、自分がこのプリンタ2において使用したい設定値の組合せをプリンタ2に記憶させることができる。なお、置き換えた設定値の組合せがプリンタ2の印刷可能な設定値の組合せでない場合には、設定値不整合判定部30は、ユーザに再度設定値を選択させたり、設定値の変更処理を中止したりすればよい。なお、現時点での設定値を変更する場合に、設定項目別設定値記憶部31で参照してすべての設定値を表示する代わりに、設定値組合記憶部32を参照して選択可能な設定値を液晶モニタ21に表示するようにしてもよい。
【0051】
次に、以上のような構成を有する図1のダイレクトプリントシステムの、ダイレクト印刷における動作を説明する。
【0052】
図3は、ダイレクト印刷におけるDSC1およびプリンタ2の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。文字「DSC(1)」の下に記載される直線上のボックスは、ダイレクト印刷においてDSC1が実行する主な処理を示すものである。文字「プリンタ(2)」の下に記載される直線上のボックスは、ダイレクト印刷においてプリンタ2が実行する主な処理を示すものである。この2つの直接の間にある矢線は、ダイレクト印刷においてDSC1とプリンタ2との間で送受される主なデータなどを示すものである。
【0053】
ダイレクト印刷をする場合、まず、図1および図2に示すように、DSC1とプリンタ2とをUSBケーブル4で接続する(ステップST1)。DSC1とプリンタ2とがUSBケーブル4で接続されると、DSC1の通信部19とプリンタ2の通信部35との間で所定の通信が行われて、それらの間でファイルやコマンドなどのデータを送受信できる状態になる。
【0054】
通信部19,35同士がデータの送受信をできる状態になると、ディスカバリ処理が実行される(ステップST2)。具体的には、DSC1の印刷クライアント部16とプリンタ2の印刷サーバ部25とは、それらの通信部19,35を使用して所定のファイルを互いに送受する。互いの所定のファイルが送受されることで、DSC1の印刷クライアント部16とプリンタ2の印刷サーバ部25とは、USBケーブル4により接続された相手方の機器が互いに所定のダイレクトプリントに対応する機器であることを認識する。
【0055】
その後、DSC1の印刷クライアント部16は、画像選択処理を開始する。なお、印刷クライアント部16は、入力デバイス12からのダイレクトプリントの開始指示や、ダイレクトプリントに対応する機器が接続されたことを認識したことなどに基づいて、画像選択処理を開始すればよい。
【0056】
印刷クライアント部16は、まず、半導体メモリ14に記憶されている画像ファイル15の画像を液晶モニタ11に表示する。印刷クライアント部16は、液晶モニタ11に画像を表示している状態で入力デバイス12から画像を選択する選択指示が入力されると、その表示している画像の画像ファイル15を印刷する画像として選択する(ステップST3)。
【0057】
印刷する画像の画像ファイル15を選択すると、印刷クライアント部16は、印刷設定指示の生成処理を開始する。印刷クライアント部16は、まず、リクエストプリンタケーパビリティを生成する。リクエストプリンタケーパビリティは、後述する印刷オペレーションと同様に、XML(eXtensible Markup Language)形式のテキストデータである。リクエストプリンタケーパビリティは、プリンタ2が印刷可能な設定項目別の設定値を取得するためのオペレーションコマンドである。たとえば、リクエストプリンタケーパビリティは、用紙サイズを設定項目として指定する。DSC1の通信部19は、印刷クライアント部16が生成したリクエストプリンタケーパビリティを、プリンタ2の通信部35へ送信する(ステップST4)。プリンタ2の通信部35は、リクエストプリンタケーパビリティを受信し、印刷サーバ部25へ供給する。
【0058】
プリンタ2の印刷サーバ部25は、リクエストプリンタケーパビリティが供給されると、設定項目別設定値記憶部31から、要求に係る設定項目の設定値をすべて読み出す。また、印刷サーバ部25は、その読み出したすべての設定値にプリンタ2の所定の設定を使用する設定値(たとえば「プリンタ標準設定」など)を追加した、複数の設定値を含むプリンタケーパビリティを生成する。プリンタケーパビリティは、たとえば、用紙サイズの設定値として、「A4、L版、A5、プリンタ標準設定」の4つの設定値を含むプリンタケーパビリティを生成する。プリンタ2の通信部35は、印刷サーバ部25が生成したプリンタケーパビリティを、DSC1の通信部19へ送信する(ステップST5)。DSC1の通信部19は、プリンタケーパビリティを受信し、印刷クライアント部16へ供給する。
【0059】
DSC1の印刷クライアント部16は、プリンタケーパビリティが供給されると、プリンタケーパビリティに含まれる設定値を、液晶モニタ11に表示する(ステップST6)。印刷クライアント部16は、プリンタケーパビリティに含まれる各設定値を、入力デバイス12を用いて選択可能な状態で液晶モニタ11に表示する。
【0060】
図4は、図1中のDSC1の背面を示す背面図である。DSC1の背面には、液晶モニタ11と、入力デバイス12の一種としての十字キー41と、が配置されている。図4の液晶モニタ11には、表示画面の一例として、用紙サイズの選択画面が表示されている。この選択画面には、縦一列に4つの表示オブジェクトが並べられている。各表示オブジェクトには、プリンタケーパビリティに含まれる各設定値に対応する文字が割り付けられている。具体的には、一番上の表示オブジェクトには、設定値「A4」の文字が割り付けられている。上から二番目の表示オブジェクトには、設定値「L版」の文字が割り付けられている。上から三番目の表示オブジェクトには、設定値「A5」の文字が割り付けられている。上から四番目の表示オブジェクトには、設定値「プリンタ標準設定」の文字が割り付けられている。
【0061】
また、図4の選択画面には、その一列の設定値の表示オブジェクトの左側に、矢印形状の表示オブジェクトが表示される。ユーザが十字キー41の上部を操作すると、矢印形状の表示オブジェクトは、表示画面内で上方向に移動する。ユーザが十字キー41の下部を操作すると、矢印形状の表示オブジェクトは、表示画面内で下方向に移動する。これにより、ユーザは、設定値が割り付けられた任意の1つの表示オブジェクトの横に、矢印形状の表示オブジェクトを移動させることができる。
【0062】
そして、たとえば、ユーザは所望の設定値の表示オブジェクトの横に矢印形状の表示オブジェクトが並んでいる状態で、十字キー41の右部を操作すると、印刷クライアント部16は、その操作に基づいて入力デバイス12が出力する選択指示に基づいて、その矢印形状の表示オブジェクトが並んでいる設定値の表示オブジェクトの設定値を、印刷設定指示のための設定値として選択する(ステップST7)。たとえば図4の表示画面の状態において十字キー41の右部が操作されると、印刷クライアント部16は、印刷設定指示のための用紙サイズの設定値として、「L版」を選択する。
【0063】
印刷設定指示のための設定項目の設定値を選択すると、印刷クライアント部16は、その選択によって印刷設定指示の生成処理が完了したか否かを判断する(ステップST8)。そして、印刷設定指示の生成処理が完了していない場合には、印刷クライアント部16は、所定の設定項目のリクエストプリンタケーパビリティの送信処理(ステップST4)から、表示に基づく設定値の選択処理(ステップST7)までの処理を繰り返す。
【0064】
印刷設定指示の生成処理が完了したか否かの判断の基準は、DSC1に応じて異なる。あるDSC1は、用紙のサイズのみをDSC1において設定するように構成されている。この場合には、DSC1は、用紙のサイズの選択が完了することで、印刷設定指示の生成処理が完了したと判断する。他のDSC1は、用紙のサイズおよび種類、画像の印刷レイアウトおよび印刷品質、並びに、画像の補正処理をDSC1において設定するように構成されている。この場合には、DSC1は、この5つの設定項目の設定値の選択が完了することで、印刷設定指示の生成処理が完了したと判断する。
【0065】
なお、この図3および上記説明では、DSC1の印刷クライアント部16は、設定項目毎にリクエストプリンタケーパビリティを生成し、それに応じて取得したその要求に係る設定項目の設定値を液晶モニタ11に表示して、設定値をユーザに選択させている。この他にもたとえば、印刷クライアント部16は、設定するすべての設定項目のリクエストプリンタケーパビリティを生成し、それに応じて取得したその要求に係る設定項目の設定値を設定項目毎に順番に液晶モニタ11に表示し、ユーザに設定値を選択させるようにしてもよい。
【0066】
印刷設定指示の生成処理が完了すると、印刷クライアント部16は、印刷オペレーションを生成する(ステップST9)。
【0067】
図5は、図2中の印刷クライアント部16が生成する印刷オペレーション52の一例を示す図である。印刷オペレーション52は、XML形式のテキストデータである。印刷オペレーション52は、XMLのバージョンを示すタグ(<?xml version=”1.0”?>)と、その印刷オペレーション52がリクエストであることを示す一対のタグ(<Request>,</Request>)と、を有する。リクエストであることを示す一対のタグの間には、そのリクエストが印刷ジョブのリクエストであることを示す一対のタグ(<PrintJob>,</PrintJob>)と、を有する。
【0068】
印刷ジョブのリクエストであることを示す一対のタグの間には、印刷設定指示に係る設定値が、その設定値の設定項目毎に固有の一対のタグに挟まれて記述されている。図5の印刷オペレーション52では、印刷品質の設定値「Best」が印刷品質を示す一対のタグ(<PrintQuality>,</PrintQuality>)に挟まれ、用紙サイズの設定値「L」(L版)が用紙サイズを示す一対のタグ(<PaperSize>,</PaperSize>)に挟まれ、用紙種類の設定値「Default」(プリンタの現時点での所定の設定に従うの意味)が用紙種類を示す一対のタグ(<PaperType>,</PaperType>)に挟まれ、画像ファイル15のタイプの設定値「Jpeg」が画像ファイル15のタイプを示す一対のタグ(<FileType>,</FileType>)に挟まれ、画像の撮影年月日の印刷の設定値「on」(印刷するの意味)が画像の撮影年月日の印刷を示す一対のタグ(<DatePrint>,</DatePrint>)に挟まれ、画像ファイル15のファイル名の印刷の設定値「off」(印刷しないの意味)が画像ファイル15のファイル名の印刷を示す一対のタグ(<FileNamePrint>,</FileNamePrint>)に挟まれ、画像処理印刷品質の設定値「Best」が印刷品質を示す一対のタグ(<PrintQuality>,</PrintQuality>)に挟まれ、画像の補正処理の設定値「on」が画像の補正処理を示す一対のタグ(<ImageEnhancement>,</ImageEnhancement>)に挟まれ、印刷枚数の設定値「0030」(30枚印刷するの意味)が印刷枚数を示す一対のタグ(<Copy>,</Copy>)に挟まれ、画像ファイル15のファイルID(半導体メモリ14の画像ファイル15のファイル名と1対1対応で生成される識別番号)の設定値「00000001」が画像ファイル15のファイルIDを示す一対のタグ(<ImageFileID>,</ImageFileID>)に挟まれ、印刷設定指示を行った年月日の設定値「2002/05/30」が印刷設定指示を行った年月日を示す一対のタグ(<Date>,</Date>)に挟まれている。
【0069】
印刷クライアント部16が印刷オペレーション52を生成すると、DSC1の通信部19は、生成された印刷オペレーション52をプリンタ2の通信部35へ送信する(ステップST10)。プリンタ2の通信部35は、受信した印刷オペレーション52を印刷サーバ部25に供給する。印刷サーバ部25は、供給された印刷オペレーション52を印刷オペレーション保存部28へ供給する。印刷オペレーション保存部28は、供給された印刷オペレーション52を記憶する。なお、印刷オペレーション保存部28は、印刷オペレーション52において、少なくとも印刷ジョブのリクエストであることを示す一対のタグの間に挟まれているデータを記憶すればよい。
【0070】
印刷オペレーション保存部28が印刷オペレーション52を記憶すると、印刷ジョブ生成部29は、印刷ジョブの生成処理を開始する(ステップST11)。印刷ジョブの生成処理では、まず、印刷設定を生成する。
【0071】
図6は、図2中の印刷ジョブ生成部29の印刷設定の生成処理を示すフローチャートである。
【0072】
印刷ジョブ生成部29は、印刷設定の生成処理において、まず、印刷オペレーション保存部28から、DSC1において生成された印刷設定指示を読み込み、その印刷設定指示の設定値に「Default」(プリンタの現時点での所定の設定に従う)が含まれているか否かを判断する。また、印刷オペレーション保存部28は、印刷設定指示に印刷に必要となるすべての設定値が含まれているか否かを判断する(ステップST21)。
【0073】
印刷設定指示の設定値に「Default」が含まれている場合、印刷ジョブ生成部29は、現設定値記憶部33からプリンタ2に設定されている設定値を読み込み、その「Default」という設定値をこの読み込んだ設定値に置き換える。また、印刷設定指示に印刷に必要となる設定項目の設定値がふくまれていない場合、印刷ジョブ生成部29は、現設定値記憶部33からその設定項目の設定値を読み込み、この読み込んだ設定値を、不足する項目の設定値として追加する。たとえば、用紙のサイズおよび種類のみが指定されている印刷設定指示である場合には、印刷ジョブ生成部29は、印刷レイアウトの設定項目について現設定値記憶部33に記憶されている印刷レイアウトの設定値を追加する(ステップST22)。
【0074】
これにより、印刷に必要なすべての設定項目の設定値(「Default」を除く)が含まれている印刷設定が生成される。
【0075】
図7は、図2中の印刷ジョブ生成部29が実行する設定値の組合せ処理の一例を説明する説明図である。
【0076】
図7(A)は、DSC1において設定される印刷設定指示の一例を示すものである。このDSC1において設定される印刷設定指示の一例は、用紙サイズの設定値として「L版」、用紙種類の設定値として「プリンタ設定にしたがう(Default)」および印刷レイアウトの設定値として「一面ふちなし」が設定されたものになっている。
【0077】
図7(B)は、プリンタ2の現設定値記憶部33に記憶されているプリンタ2の設定値の組合せの一例を示すものである。この現設定値記憶部33に記憶されている設定値の組合せの一例は、用紙サイズの設定値として「A4」、用紙種類の設定値として「普通紙」および印刷レイアウトの設定値として「一面ふちなし」になっている。
【0078】
図7(C)は、図7(A)のDSC1において設定される印刷設定指示に、図7(B)のプリンタの所定の設定値を組み合わせたものを示すものである。この組合せの一例は、用紙サイズの設定値として「L版」、用紙種類の設定値として「普通紙」および印刷レイアウトの設定値として「一面ふちなし」になっている。
【0079】
現設定値記憶部33に記憶されている設定値を組み合わせて印刷設定を生成すると、印刷ジョブ生成部29は、その印刷設定がプリンタ2が印刷可能な設定値の組合せであるか否かを確認する(ステップST23)。具体的には、印刷ジョブ生成部29は、設定値不整合判定部30に生成した印刷設定の設定値の組合せに不整合があるか否かを判断させる。設定値不整合判定部30は、設定値組合記憶部32を参照して、印刷ジョブ生成部29により生成された印刷設定がプリンタ2の印刷可能なものであるか否かを判断する。
【0080】
図7(C)の印刷設定の例の場合、L版の普通紙は存在しないのでプリンタ2はその用紙に印刷が可能な設定とはなっていない。そのため、設定値不整合判定部30は、印刷ジョブ生成部29により生成された印刷設定がプリンタ2の印刷可能なものではないと判定することになる。
【0081】
現設定値記憶部33の設定値を使用して生成した印刷設定がプリンタ2の印刷可能なものではない場合、印刷ジョブ生成部29は、プリンタ2で印刷することができる印刷設定を生成するために、丸め込み処理(ステップST24〜ST33)を開始する。
【0082】
具体的には、まず、印刷ジョブ生成部29は、印刷オペレーション保存部28に保存されている受信した印刷設定指示の用紙サイズの設定値が「Default」(プリンタの設定にしたがう)であるか否かを判断する(ステップST24)。受信した印刷設定指示の用紙サイズの設定値が「Default」である場合、印刷ジョブ生成部29は、用紙サイズの設定値を丸め込み設定値記憶部34に記憶されている用紙サイズの設定値(たとえば「L版」)に置き換えた印刷設定を生成する(ステップST25)。その後、印刷ジョブ生成部29は、その生成した印刷設定がプリンタ2の印刷可能な設定値の組合せであるか否かを設定値不整合判定部30に判断させる(ステップST26)。
【0083】
受信した印刷設定指示の用紙サイズの設定値が「Default」以外の場合、および、受信した印刷設定指示の用紙サイズの設定値を「Default」から丸め込み用の設定値(たとえば「L版」)に置き換えたものがプリンタ2の印刷可能なものではない場合、次に、印刷ジョブ生成部29は、印刷オペレーション保存部28に保存されている受信した印刷設定指示の用紙種類の設定値が「Default」(プリンタの設定にしたがう)であるか否かを判断する(ステップST27)。受信した印刷設定指示の用紙種類の設定値が「Default」である場合、印刷ジョブ生成部29は、用紙種類の設定値を丸め込み設定値記憶部34に記憶されている用紙種類の設定値(たとえば「写真用紙」)に置き換えた印刷設定を生成する(ステップST28)。その後、印刷ジョブ生成部29は、その生成した印刷設定がプリンタ2の印刷可能な設定値の組合せであるか否かを設定値不整合判定部30に判断させる(ステップST29)。
【0084】
受信した印刷設定指示の用紙種類の設定値が「Default」以外の場合、および、受信した印刷設定指示の用紙種類の設定値を「Default」から丸め込み用の設定値(たとえば「写真用紙」)に置き換えたものがプリンタ2の印刷可能なものではない場合、次に、印刷ジョブ生成部29は、印刷オペレーション保存部28に保存されている受信した印刷設定指示の印刷レイアウトの設定値が「Default」(プリンタの設定にしたがう)であるか否かを判断する(ステップST30)。受信した印刷設定指示の印刷レイアウトの設定値が「Default」である場合、印刷ジョブ生成部29は、印刷レイアウトの設定値を丸め込み設定値記憶部34に記憶されている印刷レイアウトの設定値(たとえば「1面ふちなし」)に置き換えた印刷設定を生成する(ステップST31)。その後、印刷ジョブ生成部29は、その生成した印刷設定がプリンタ2の印刷可能な設定値の組合せであるか否かを設定値不整合判定部30に判断させる(ステップST32)。
【0085】
受信した印刷設定指示の印刷レイアウトの設定値が「Default」以外の場合、および、受信した印刷設定指示の印刷レイアウトの設定値を「Default」から丸め込み用の設定値(たとえば「1面ふちなし」)に置き換えたものがプリンタ2の印刷可能なものではない場合、次に、印刷ジョブ生成部29は、丸め込み設定値記憶部34に記憶されている設定値の組合せ(たとえば、「L版−写真用紙−1面ふちなし」)を印刷設定として生成する(ステップST33)。
【0086】
なお、図6のフローチャートにおいて、生成した印刷設定がプリンタ2で印刷することができるか否かを判断する各ステップ(ステップST23,ST26,ST29,ST32)において、その生成した印刷設定がプリンタ2で印刷することができるものである場合には、丸め込み処理を終了する。
【0087】
以上の丸め込み処理が完了することによって、印刷ジョブ生成部29は、DSC1から受信した印刷設定指示がそのままプリンタ2で印刷することができないものであったとしても、そのプリンタ2で印刷することができる印刷設定を生成する。
【0088】
図7(A)の印刷設定指示の例の場合、用紙種類の丸め込み処理により、用紙種類を「写真用紙」に丸め込み、その丸め込んだ印刷設定がプリンタ2の印刷可能なものとなることで、丸め込み処理が完了する。そして、その結果、印刷設定は、図7(D)に示すように、用紙サイズの設定値として「L版」、用紙種類の設定値として「写真用紙」および印刷レイアウトの設定値として「一面ふちなし」になる。
【0089】
なお、図6のフローチャートでの丸め込み処理では、印刷設定指示の設定値が「Default」(プリンタの設定にしたがう)の場合にのみ、その設定値を丸め込むようにステップST24からステップST32を実行しているが、これ以外にも、印刷設定指示で不足していた設定項目の設定値を追加した場合に、その追加した設定値を丸め込むようにしてもよい。また、すべての設定指示を丸め込むようにステップST24からステップST32を実行するようにしてもよい。また、印刷設定指示ではなく、印刷ジョブ生成部29がステップST22で生成した印刷設定のすべての設定値についてステップST24からステップST32を実行するようにしてもよい。
【0090】
印刷設定の生成処理が終了すると、印刷ジョブの生成処理(図3のステップST11)の第二段階の処理として、印刷ジョブ生成部29は、印刷オペレーション保存部28に記憶されているファイルIDを含む画像ファイルの送信要求を生成する。プリンタ2の通信部35は、生成された画像ファイルの送信要求をDSC1の通信部19に送信する(ステップST12)。DSC1の通信部19は、要求されたファイルIDに対応する画像ファイル15を半導体メモリ14から読み込み、プリンタ2の通信部35へ送信する(ステップST13)。
【0091】
次に、印刷ジョブ生成部29は、生成した印刷設定と、受信した画像ファイル15を用いて、その画像ファイル15の画像を生成した印刷設定で印刷する印刷ジョブを生成する。印刷部24は、この印刷ジョブ生成部29が生成する印刷ジョブに基づいて、用紙トレイ3に載置される用紙にインクジェット方式によりインクを付着させ、用紙に画像ファイル15の画像を印刷する(ステップST14)。
【0092】
以上のように、この実施の形態に係るダイレクトプリントシステムは、DSC1において選択された画像を、DSC1においてなされた印刷設定指示に基づいて、プリンタ2で印刷することができる。
【0093】
しかも、プリンタ2の印刷ジョブ生成部29は、たとえば、DSC1から送信されてきた印刷設定指示がプリンタ2の印刷処理のための印刷設定として不完全なものである場合や、その不完全な印刷設定指示をプリンタ2の設定値で補完した印刷設定がプリンタ2の印刷可能なものでない場合には、可能な限りユーザ操作によりDSC1において設定された設定値(図4では、用紙サイズの設定値)を変更せずに、その印刷設定を、丸め込み設定値記憶部34に記憶されている設定値を用いて丸め込む。これにより、DSC1を操作するユーザの意図がプリンタ2の設定値より印刷条件に反映される。また、プリンタ2の印刷部24は、そのプリンタ2で印刷することができる印刷設定に丸め込んだ印刷設定で印刷をする。
【0094】
したがって、この実施の形態に係るダイレクトプリントシステムは、DSC1において選択された画像を、その画像の印刷オペレーションに含まれる複数の設定値がプリンタ2において印刷することができるものであるか否かにかかわらずに、印刷することができる。その結果、この実施の形態に係るダイレクトプリントシステムは、DSC1を用いて画像の印刷指示をしたユーザの手をわずらわせることなく、そのユーザによる印刷設定の指示がそのプリンタ2で印刷することができないものであったとしても、その画像を印刷することができる。
【0095】
また、この実施の形態に係るダイレクトプリントシステムでは、印刷設定指示に基づいて生成した複数の設定値の組合せがプリンタ2の印刷できない組合せである場合には、その生成した複数の設定値の中の少なくとも1つを、ダイレクトプリントにおいて最も市場使用率が高く汎用的な設定値へ修正する。したがって、複数の設定値をユーザが利用する可能性の高い組合せの複数の設定値へ丸め込むことができる。しかも、置き換えない設定値については、DSCにおいて設定された設定値を使用しているので、ユーザがDSC1において印刷のために設定した意思を尊重しつつ、その印刷指示に係る画像を用紙に印刷することができる。
【0096】
また、この実施の形態に係るダイレクトプリントシステムでは、プリンタ2は、ユーザがDSC1において印刷のために設定した用紙のサイズおよび用紙の種類を印刷レイアウトより優先的に使用し、且つ、用紙の種類より用紙のサイズを優先的に使用することになる。これにより、プリンタ2は、ユーザがDSC1を用いた印刷設定時に意図した設定に近い印刷をすることができる。
【0097】
また、この実施の形態に係るダイレクトプリントシステムでは、ユーザがDSCにおいて印刷のために設定した用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトを、その他の設定値より優先的に使用することになる。これにより、ユーザが印刷設定時に意図したものに近い印刷をすることができる。しかも、その他の設定値の置き換えるときには、用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトが確定しているので、用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトの組合せに応じて当該その他の設定値を異なる値に置き換えることができる。その結果、プリンタ2は、ユーザがDSC1を用いた印刷設定の際に意図した設定を生かしつつ、最適な印刷を実行することができる。
【0098】
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0099】
上記実施の形態では、DSC1の通信部19およびプリンタ2の通信部35には、PTP通信部17,26と、USB_SIC通信部18,27と、USB通信I/F13,23とで構成されるものを利用している。この他にもたとえば、DSC1の通信部19およびプリンタ2の通信部35には、サブクラスとしてSCSIコマンドを指定したUSBマスストレージクラス通信部と、USB通信I/Fとで構成されるものを利用するようにしてもよい。
【0100】
上記実施の形態では、プリンタ2の印刷サーバ部25からDSC1の印刷クライアント部16に、プリンタ2の設定項目別の設定値を送信し、DSC1の液晶モニタ11にはその送信された設定値の表示オブジェクトが選択可能に表示される。この他にもたとえば、DSC1の印刷クライアント部16は、自分が予め記憶している設定値を割り付けた表示オブジェクトを選択可能に液晶モニタ11に表示するようにしてもよい。この変形例の場合には、液晶モニタ11の表示に基づいてユーザが選択する設定値自体が、プリンタ2の印刷可能な設定値ではないものとなる可能性がある。しかしながら、このような状況が生じたとしても、つまり、そのようなプリンタ2が対応していない設定値がDSC1からプリンタ2へ送信されたとしても、プリンタ2は、本発明を利用することで、その設定を所定の丸め込み設定値に丸め込んで印刷をすることができる。
【0101】
上記実施の形態では、プリンタ2の印刷ジョブ生成部29は、たとえば受信した印刷設定指示の設定値の組合せがプリンタ2の印刷可能なものでない場合には、その印刷設定指示の設定値の組合せを、丸め込み設定値記憶部34に記憶されている設定値の組合せに丸め込んでいる。この他にもたとえば、印刷ジョブ生成部29は、たとえば受信した印刷設定指示がプリンタ2の印刷可能なものでない場合には、その印刷設定指示をプリンタ2の所定の設定値の組合せ、ユーザの利用頻度が高い設定値の組合せ、ユーザの利用回数が多い設定値の組合せ(つまり、このプリンタ2で最も利用されている組合せ)などへ丸め込むようにしてもよい。また、設定値不整合判定部30を使用して、丸め込み設定値記憶部34に記憶されている設定値の組合せをユーザが更新できるようにしてもよい。これにより、ユーザがDSC1において設定した設定値の組合せより、ユーザがプリンタ2に予め設定しておいた設定値の組合せなどを優先的に生かした設定値の組合せへ丸め込むことができる。
【0102】
上記実施の形態では、丸め込み設定値記憶部34は、1つの設定値の組合せを記憶している。この他にもたとえば、丸め込み設定値記憶部34は、複数の設定値の組合せを記憶するようにしてもよい。丸め込み設定値記憶部34は、たとえば用紙サイズ毎に、丸め込む設定値の組合せを記憶するようにしてもよい。このように丸め込み設定値記憶部34が複数の設定値の組合せを記憶する場合には、印刷ジョブ生成部29は、たとえば、DSC1から受信した印刷設定指示の設定値の組合せに最も近い組合せのものを丸め込み設定値記憶部34から選択し、その選択した設定値の組合せに丸め込むように丸め込み処理を実行すればよい。
【0103】
上記実施の形態では、印刷ジョブ生成部29は、用紙サイズ、用紙種類、印刷レイアウトの順番で設定値の組合せを丸め込んでいる。この他にもたとえば、印刷ジョブ生成部29は、他の順番で設定値を丸め込むようにしてもよい。
【0104】
上記実施の形態では、印刷ジョブ生成部29は、丸め込み設定値記憶部34を参照して、たとえば受信した印刷設定指示の設定値の組合せを丸め込んでいる。この他にもたとえば、用紙トレイ3の用紙のサイズや種類を判断できるプリンタ2である場合には、印刷ジョブ生成部29は、たとえば受信した印刷設定指示の用紙サイズや種類の設定値をその用紙トレイ3にセットされている用紙のサイズや種類へ丸め込み、且つ、その他の設定項目の設定値は、その用紙で印刷することができる代表的な設定値に丸め込むようにしてもよい。
【0105】
上記実施の形態では、印刷ジョブ生成部29は、用紙のサイズ、種類および印刷レイアウトの設定値の組合せを丸め込んでいる。この他にもたとえば、印刷ジョブ生成部29は、用紙のサイズ、種類および印刷レイアウト以外の設定項目の設定値を丸め込むようにしてもよい。そのような設定項目としては、たとえば、画質(クオリティ)の設定値(たとえば高画質、通常など)や画像補正(イメージオプティマイズ)の設定値(たとえば補正あり、補正なし)などがある。
【0106】
そして、画質の設定値などは、プリンタ2の製品単位ごとに、用紙の種類やサイズに応じて最適化がなされている。つまり、たとえば、あるプリンタでは、A4普通紙では画質の設定値は通常となり、且つ、L版写真用紙では画質の設定値は高画質となるように設定されている。また、画像補正についても、あるプリンタでは、A4普通紙では補正なしとなり、且つ、A4光沢紙では補正ありとなるように最適化されている。
【0107】
したがって、これら用紙のサイズ、種類および印刷レイアウト以外の設定項目の設定値を丸め込む場合には、印刷ジョブ生成部29は、まず、用紙のサイズ、種類および印刷レイアウトを丸め込んでこれら3つの設定値を確定した後に、その3つ以外の設定値を丸め込むように、二段階あるいはそれ以上の段階にて丸め込み処理を実行するようにするとよい。
【0108】
上記実施の形態では、印刷ジョブ生成部29は、受信した印刷設定指示やそれをプリンタ設定の設定値で補間した印刷設定が、プリンタ2の印刷可能な設定値の組合せでない場合には、丸め込み処理を実行し、その丸め込み処理に続けて印刷部24に印刷処理をさせている。
【0109】
この他にもたとえば、印刷ジョブ生成部29は、印刷設定指示あるいは印刷設定がプリンタ2の印刷可能な設定値の組合せではないと判断したりあるいは丸め込んだ印刷設定を生成したりした後に、表示メッセージをDSC1へ送信したりあるいはプリンタ2に表示したりし、さらに、その表示したメッセージの内容が承認された後にその後の処理を継続するようにしてもよい。
【0110】
ただし、ユーザによってはDSC1に印刷できませんなどの表示メッセージがいきなり表示された場合にその対処の仕方が判らないこともありえる。特に、プリンタ2では、その液晶モニタ11の表示能力が低いので、ユーザに印刷の状況を十分に理解できるように情報を表示することが難しい場合がありえる。そのため、ダイレクトプリントシステムにおいては、そのようなメッセージを表示することなく、上記実施の形態のように、印刷オペレーション52を受信したらそれに続けて丸め込み処理および印刷処理を自動的に実行するように構成するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、たとえばデジタルスチルカメラとプリンタとを直接に接続し、そのデジタルスチルカメラで選択した画像をプリンタで印刷するダイレクトプリントシステムなどに利用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 DSC(画像供給装置)、2 プリンタ(画像印刷装置)、23 USB通信I/F(受信手段)、24 印刷部(印刷手段)、29 印刷ジョブ生成部(生成手段、修正手段)、30 設定値不整合判定部(判定手段)、32 設定値組合記憶部(記憶手段)、33 現設定値記憶部(設定記憶手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を用紙に印刷するための印刷設定あるいはそれを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値を受信する受信手段と、
上記受信した複数の設定値が、当該画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により上記複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、上記複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、当該画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とする修正手段と、
上記修正手段により生成された複数の設定値に基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段と、
を有することを特徴とする画像印刷装置。
【請求項2】
画像を用紙に印刷することを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値であって、且つ、当該画像印刷装置の所定の設定に従うことを意味する設定値を少なくとも1つ含む複数の設定値を受信する受信手段と、
当該画像印刷装置が印刷可能な複数の設定値の組合せを記憶する記憶手段と、
当該画像印刷装置の現時点で設定されている各設定値を記憶する設定記憶手段と、
上記当該画像印刷装置の所定の設定に従うことを意味する設定値を上記設定記憶手段が記憶する設定値で置き換えて、複数の設定値からなる印刷設定を生成する生成手段と、
上記生成手段が生成した印刷設定の複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを、上記記憶手段における組合せを参照して判定する判定手段と、
上記判定手段において上記複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、上記複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、当該画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とする修正手段と、
上記修正手段により生成された複数の設定値に基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段と、
を有することを特徴とする画像印刷装置。
【請求項3】
画像を用紙に印刷することを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値であって、且つ、当該画像印刷装置が印刷するために必要とする複数の設定値より少ない数の複数の設定値を受信する受信手段と、
当該画像印刷装置が印刷可能な組合せの複数の設定値の組合せを記憶する記憶手段と、
当該画像印刷装置の現時点で設定されている各設定値を記憶する設定記憶手段と、
上記受信手段が受信した複数の設定値に、上記設定記憶手段が記憶する設定値を追加して、当該画像印刷装置が印刷するために必要とする複数の設定値からなる印刷設定を生成する生成手段と、
上記生成手段が生成した印刷設定の複数の設定値が、当該画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを、上記記憶手段における組合せを参照して判定する判定手段と、
上記判定手段において上記複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、上記複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、当該画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とする修正手段と、
上記修正手段により生成された複数の設定値に基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段と、
を有することを特徴とする画像印刷装置。
【請求項4】
前記受信手段は、画像供給装置に接続され、この画像供給装置において印刷のために選択された画像の指定とともに前記印刷設定指示を受信することを特徴とする請求項1から3の中のいずれか1項記載の画像印刷装置。
【請求項5】
前記修正手段は、ダイレクトプリントシステムにおいて最も汎用的な組合せの複数の設定値に置き換えることを特徴とする請求項1から4の中のいずれか1項記載の画像印刷装置。
【請求項6】
前記判定手段は、少なくとも用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトを含む複数の設定値について判定を行い、
前記修正手段は、用紙のサイズ、用紙の種類、印刷レイアウトの順番でそれぞれの設定値の置き換えの要否を判定し、置き換えの必要な設定値を置き換えること、
を特徴とする請求項1から5の中のいずれか1項記載の画像印刷装置。
【請求項7】
前記修正手段は、用紙のサイズ、用紙の種類および印刷レイアウトの設定値の置き換えの要否を判定し、置き換えの必要な設定値を置き換えてから、画質および/または画像補正についての設定値を置き換えることを特徴とする請求項1から6の中のいずれか1項記載の画像印刷装置。
【請求項8】
複数の設定値を含む印刷設定指示を受信し、この印刷設定指示の複数の設定値が当該画像印刷装置において印刷可能な組合せである場合には、その受信した印刷設定指示の複数の設定値にて画像を印刷する請求項1から7の中のいずれか1項記載の画像印刷装置と、 上記画像印刷装置に、選択した画像の指定とともに前記印刷設定指示を送信する画像供給装置と、
を有することを特徴とするダイレクトプリントシステム。
【請求項9】
画像印刷装置の印刷設定を行う印刷設定方法において、
画像を用紙に印刷するための印刷設定あるいはそれを指示するための印刷設定指示としての複数の設定値を受信するステップと、
受信した上記複数の設定値が上記画像印刷装置において印刷可能な設定値の組合せであるか否かを判定するステップと、
上記複数の設定値が上記画像印刷装置において印刷することができない設定値の組合せであると判定された場合、上記複数の設定値の中の少なくとも1つの設定値を他の設定値に置き換え、上記画像印刷装置において印刷可能な組合せの複数の設定値とするステップと、
を備えることを特徴とする印刷設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−173422(P2011−173422A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53895(P2011−53895)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【分割の表示】特願2004−241934(P2004−241934)の分割
【原出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】