説明

画像向き変更装置、画像向き変更方法、プログラム

【課題】装置の向きを回転させることによって容易且つ直感的に、所望の向きの画像データを取得することを可能とする。
【解決手段】表示制御部101は、記憶部140に記憶されている画像データを表示部110に表示させる。回転角度検出部130は、前記表示部110を含む装置の回転を検出する。画像データ変換制御部103は、表示制御部101によって表示部110に表示されている画像データの向きを、回転角度検出部130によって検出された回転角度に応じて変更する。データ記憶制御部104は、画像データ変換制御部103において画像向きが変換された画像データを記憶部140に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の向きを回転させることによって容易且つ直感的に、所望の向きの画像データを取得することができる画像向き変更装置、画像向き変更方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラや各種携帯型端末において、装置に内蔵した加速度センサ等によって検出される装置の向きに応じて画像データの表示向きを変更して表示することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−277470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、装置の方向に関わらずユーザに対して常に画像の上下方向を正しく表示させる装置が開示されている。
【0005】
上述したような装置においては、装置向きに応じた画像の表示を適切化することが目的であるため、画像データの表示処理によって表示させる向きは変更されるが、画像データとしての画像向きは変更されない。このため、この画像データを例えばPC(Personal Computer)等の他の装置において表示すると、画像でー他として装置に記録されている状態の画像向きで表示される。
【0006】
このために、ユーザが所望の画像向きの画像データを必要とする場合は、例えばPC等において回転方向の変更処理を行う必要がある。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、装置の向きを回転させることによって容易且つ直感的に、所望の向きの画像データを取得することができる画像向き変更装置、画像向き変更方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明に係る画像向き変更装置(10)は、 各種情報を表示する表示部(110)、画像データを記憶する記憶部(140)、 前記記憶部(140)に記憶されている前記画像データを前記表示部(110)に表示させる表示制御部(101)、前記表示部(110)を含む装置の回転を検出する回転角度検出部(130)、前記表示制御部(101)によって前記表示部(110)に表示されている前記画像データの向きを、前記回転角度検出部(130)によって検出された回転角度に応じて変更する画像データ変換制御部(103)、前記画像データ変換制御部(103)において画像向きが変換された前記画像データを前記記憶部(140)に記憶させるデータ記憶制御部(104)、を備えることを特徴とする。
【0009】
第2の発明に係る画像向き変更装置(10)は、第1の発明において、前記回転角度検出部(130)によって検出された回転角度に基づいて前記表示制御部(101)によって前記表示部(110)に表示させる前記画像データの表示角度が変更されることを防止する操作を行う画像ロック操作部(121)をさらに備え、前記画像データ変換制御部(103)は、前記回転角度検出部(130)によって検出された前記画像ロック操作部(121)の操作開始から操作解除までの回転角度に応じて前記画像データの向きを変更し、前記データ記憶制御部(104)は、前記画像ロック操作部(121)の操作が解除されたことによって前記画像データを前記記憶部(140)に記憶させることを特徴とする。
【0010】
第3の発明に係る画像向き変更装置(10)は、第1または第2の発明において、前記回転角度検出部(130)は、前記表示部(110)の表示面における回転を検出し、前記画像データ変換制御部(103)は、前記画像データの向きを、前記表示部(110)の表示面における回転角度に応じて変更することを特徴とする。
【0011】
第4の発明に係る画像向き変更装置(10)は、第1から第3のいずれか1の発明において、前記画像データ変換制御部(103)は、前記回転角度検出部(130)によって検出された回転角度に基づいて、前記画像データの向きを90度単位で変更することを特徴とする。
【0012】
第5の発明に係る画像向き変更装置(10)は、第1から第4のいずれか1の発明において、前記回転角度検出部(130)は、前記表示部(110)の表示面に直交した面における回転を検出し、前記画像データ変換制御部(103)は、前記画像データの向きを、前記表示部(110)の表示面に直交した面における回転に応じて変更することを特徴とする。
【0013】
第6の発明に係る画像向き変更装置(10)は、第1から第5のいずれか1の発明において、前記画像データ変換制御部(103)は、前記回転角度検出部(130)によって検出された回転角度に応じて向きが変更された画像データに対して、画像データの解像度を変更することを特徴とする。
【0014】
第7の発明に係る画像向き変更装置(10)は、第1から第6のいずれか1の発明において、前記データ記憶制御部(104)は、前記回転角度検出部(130)によって検出された回転角度に応じて向きが変更された画像データに対して、画像データの名称を変更することを特徴とする。
【0015】
第8の発明に係る画像向き変更方法は、各種情報を表示する表示部(110)に画像データを表示させる表示ステップ、前記表示部(110)を含む装置の回転を検出する回転角度検出ステップ、前記表示ステップにおいて前記表示部(110)に表示されている前記画像デーの向きを、前記回転角度検出ステップにおいて検出された回転角度に応じて変更する画像データ変換ステップ、前記画像データ変換ステップにおいて画像向きが変換された前記画像データを記憶させるデータ記憶ステップ、を備えることを特徴とする。
【0016】
第9の発明に係るプログラムは、画像向き変更装置(10)が備えるコンピュータ(100)を、各種情報を表示する表示部(110)に画像データを表示させる表示ステップ、前記表示部(110)を含む装置の回転を検出する回転角度検出ステップ、前記表示ステップにおいて前記表示部(110)に表示されている前記画像データの向きを、前記回転角度検出ステップにおいて検出された回転角度に応じて変更する画像データ変換ステップ、前記画像データ変換ステップにおいて画像向きが変換された前記画像データを記憶させるデータ記憶ステップ、として動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、装置の向きを回転させることによって容易且つ直感的に、所望の向きの画像データを取得することができることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例に係る画像向き変更装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る画像向き変更装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る画像向き変更装置の動作を表したフローチャートである。
【図4】本発明の実施例に係る画像向き変更装置の動作を表したフローチャートである。
【図5】本発明の実施例に係る画像向き変更装置の動作により表示向きを変更した画像データとその解像度の例を表した図である。
【図6】本発明の実施例に係る画像向き変更装置の動作と変更された画像データの例を表す概念図である。
【図7】本発明の実施例に係る画像向き変更装置の動作と変更された画像データの例を表す概念図である。
【図8】本発明の実施例に係る画像向き変更装置の動作と変更された画像データの例を表す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例における画像向き変更装置10について、図1および図2を参照して説明する。
【0020】
画像向き変更装置10は、表示部に画像を表示させることができる各種装置が対象であり、例えばスマートフォン等の携帯電話、携帯型メディア装置、デジタルカメラ、携帯型ナビゲーション装置(PND)、デジタルフォトフレーム等である。
【0021】
画像向き変更装置10は、制御部100、表示部110、操作部120、回転角度検出部130、記憶部140を備え、必要に応じ入出力部150、撮像部160等を備える。
【0022】
制御部100は、画像向き変更装置10の各部の制御や画像データを含む各種データの処理を行う。
【0023】
制御部100は、例えば、演算や処理を行うためのCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)に加えて、データやプログラムの一時記憶領域や実行領域となるRAM(Random Access Memory)106およびROM(Read Only Memory)107等を備えて構成される。
【0024】
制御部100を構成するCPUは、画像向き変更装置10の各部からの操作信号やデータに基づき、ROM107に記憶された各種プログラムをRAM106上で実行することにより各部の制御を行う。
【0025】
制御部100を構成するDSPは、主に画像データや音声データのデコードやエンコード、データに対する各種演算処理等を行う。画像に関する処理等は、DSPに加えて、またはDSPに代えて専用の画像処理用プロセッサを備えてもよい。
【0026】
制御部100は、上述した構成要素によって実現される機能として、表示制御部101、操作制御部102、画像データ変換制御部103、データ記憶制御部104を備える。
【0027】
表示制御部101は、表示部110に対して各種情報を表示させる処理を行う。また、表示部110において表示される各種情報の表示サイズや表示向きを、所望のサイズや所望の向きで表示させる。
【0028】
操作制御部102は、操作部120から取得した操作信号に基づいた処理を実行させる。
【0029】
画像データ変換制御部103は、画像データに対する変換指示に対する変換処理を行う。具体的には、画像データの画像向きの変更、画像データの解像度の変更、画像データの色調等の変更などである。
【0030】
データ記憶制御部104は、各種データの記憶部140への記憶処理を制御する。具体的には、画像データ変換制御部103の処理によって変更された画像データの記憶部140への記憶や、入出力部150より入力された音声データや画像データの記憶部140への記憶、撮像部160より取得した画像データの記憶部140への記憶などである。
【0031】
表示部110は、例えば液晶表示素子や有機EL(Electro Luminescence)表示素子等からなり、表示制御部101の制御によって各種情報を表示する。
【0032】
操作部120は、画像向き変更装置10に対するユーザからの操作指示を受け付け、受け付けた操作指示信号を操作制御部102に送出する。操作部120の具体例としては、画像向き変更装置10の表面に備えられた機構的スイッチやタッチセンサ、表示部110に重ねて備えられたタッチパネル、または画像向き変更装置10を有線または無線による通信によって操作する図示しないリモコン装置等である。
【0033】
操作部120は、表示制御部101の処理により画像向き変更装置10の向きに応じた画像の表示向きの変更を行わないように画像の回転表示をロックさせる画像ロック操作部121を備える。画像ロック操作部121は、操作部120における機構的スイッチやタッチセンサ、タッチパネル等のいずれに設定されていてもよい。画像ロック操作部121は、ユーザが操作を行いながら画像向き変更装置10を回転させることができるような位置および操作形態であることが望ましい。
【0034】
画像ロック操作部121は、ユーザによって操作されている間、ユーザによって表示制御部101がどのような向きに変更されても、画像ロック操作部121の操作開始時における画像の表示向きを固定させる。画像ロック操作部121の操作例としては、画像ロック操作部121が機械的スイッチである場合は、押圧している間、上記処理が行われる。画像ロック操作部121がタッチセンサやタッチパネルである場合は、タッチ操作が行われている間、上記処理が行われる。
【0035】
回転角度検出部130は、画像向き変更装置10の向きを検出する各種センサである。回転角度検出部130は、具体的には加速度センサや傾きセンサが用いられる。回転角度検出部130が検出する画像向き変更装置10の向きとは、重力方向を基準とした画像向き変更装置10の回転角度であり、回転角度検出部130から逐次出力されるデータは制御部100によって回転角度として処理される。
【0036】
記憶部140は、画像データを含む各種データを記憶し、データ記憶制御部104によって記憶処理や読み出し処理が行われる。記憶部140は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリより構成される。また、記憶部140は画像向き変更装置10に内蔵されるものに限らず、入出力部150として機能する所定のインターフェースや所定の接続端子に接続される外部の記憶デバイスであってもよい。外部の記憶デバイスの一例としては、USB(Universal Serial Bus)端子に接続されるUSBメモリや外部HDD装置、所定のメモリカードスロットにより接続されるメモリカードなどである。
【0037】
入出力部150は、画像向き変更装置10に画像データを含む各種データの入力または出力を行うインターフェースであり、具体的にはUSB端子やHDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)端子、メモリカードスロットなどである。入出力部150は、アナログデータの入出力端子であってもよい。入出力部150によって入力された各種データは、必要に応じて表示制御部101によって表示部110に表示され、データ記憶制御部104によって記憶部140に記憶されてもよい。
【0038】
入出力部150は、出力対象となるデジタルデータをアナログデータに変換するDAC(Digital Analog Converter)、入力されたアナログデータをデジタルデータに変換するADC(Analog Digital Converter)、出力対象となるデータや入力されたデータを増幅する増幅部を包含してもよい。
【0039】
撮像部160は、CCD(Charge Coupled Device)センサ等のイメージセンサや光学レンズ等によって構成され、光学レンズに入射する画像や映像をデータとして取得する。撮像部160が取得したデータは制御部100に送出され、静止画像や動画像として処理されるとともに、必要に応じて表示制御部101によって表示部110に表示され、データ記憶制御部104によって記憶部140に記憶される。
【0040】
次に、図2に示す画像向き変更装置10の外観斜視図について説明する。図2は画像向き変更装置10の一例として、ポータブル型の装置に適用したときの外観斜視図である。図2の例で示す画像向き変更装置10は、矩形の筐体を有し、その筐体の1面に表示部110を備える。また、画像向き変更装置10のいずれかの面には操作部120および画像ロック操作部121が備えられている。操作部120および画像ロック操作部121は、ユーザが操作しやすい位置に配置されていることが望ましく、特に画像ロック操作部121はユーザが画像ロック操作部121を操作しながら画像向き変更装置10の回転操作を行いやすい位置および形状として備えられていることが望ましい。
【0041】
次に、本発明に係る画像向き変更装置10の動作例について、図3および図4に基づき説明する。
【0042】
先ず、制御部100は表示制御部101によって表示部110に画像データに基づく画像が表示されているか否かを判断する(ステップS100)。ステップS100において表示されていると判断される画像は、記憶部140に記憶されている画像であり、画像データの形式はどのようなものであってもよい。また、ステップS100において表示されていると判断される画像は、制御部100の制御によって画像表示アプリケーションによって表示されているものを対象とする。このため、ステップS100の処理は、画像表示アプリケーションによって画像データに基づく画像が表示されているか否かと置き換えてもよい。
【0043】
また、ステップS100において表示されていると判断される画像は、表示部110のほぼ全面を利用して表示されていることが好ましいが、表示部110の一部分に表示されている画像であってもよい。
【0044】
さらに、ステップS100において表示されていると判断される画像は、単一の画像データに基づく画像であることが好ましいが、複数の画像データに基づく複数の画像であってもよい。この場合、本発明に係る処理を行う画像は、表示部110に表示されている複数の画像全てであってもよく、複数の画像のうち一部の画像または一の画像であってもよい。
【0045】
ステップS100において、画像データに基づく画像が表示されていないと判断された場合は(ステップS100:No)、ステップS100の処理を再度実行する。このため画像向き変更装置10は、画像の表示有無を逐次確認し、画像が表示され次第本発明に係る処理を実行することができる。
【0046】
また、本発明に係る処理が特定の画像表示アプリケーションの機能として実行される場合は、画像向き変更装置10は、特定の画像表示アプリケーションによる画像の表示有無を逐次確認し、特定の画像表示アプリケーションによって画像が表示され次第本発明に係る処理を実行することができる。
【0047】
ステップS100において、画像が表示されていると判断された場合は(ステップS100:Yes)、操作制御部102は画像ロック操作部121が操作されたか否かを判断する(ステップS101)。
【0048】
ステップS100において、画像が表示されていると判断された後または画像向き変更装置10の電源が入っている間、回転角度検出部130は逐次画像向き変更装置10の回転角度に基づく出力値を制御部101に供給し続ける。これによって、画像向き変更装置10は常に装置の回転角度に基づく処理を行うことができる。
【0049】
ステップS101において、画像ロック操作部121が操作されたと判断された場合は(ステップS101:Yes)、制御部100はステップS101における画像ロック操作部121が操作された時点における画像向き変更装置10の回転角度をΦ1として、例えばRAM106に記憶する(ステップS102)。
【0050】
また、ステップS101において、画像ロック操作部121が操作されたと判断された場合は(ステップS101:Yes)、制御部100はステップS102の処理と同時にまたは前後して、回転角度検出部130からの出力に基づく表示部110に表示されている画像の表示角度の変更を禁止する(ステップS103)。この処理は、回転角度検出部130からの出力が表示部110における表示角度を変更させる角度である場合であっても、表示制御部101が画像の表示角度を変更した表示を行わないようにする。ステップS103の処理によって、ユーザが画像ロック操作部121を操作している間、画像向き変更装置10がどのような角度に回転された場合であっても、表示部110に表示されている画像はロック操作部121を操作する前における表示角度を維持する。
【0051】
ステップS102およびステップS103の処理後、操作制御部102は画像ロック操作部121の操作が解除されたか否かを判断する(ステップS104)。ステップS104において画像ロック操作部121の操作が解除されていないと判断された場合は(ステップS104:No)、ステップS104の判断を継続する。
【0052】
ステップS104において画像ロック操作部121の操作が解除されたと判断された場合は(ステップS104:Yes)、制御部100はステップS104における画像ロック操作部121が解除された時点における画像向き変更装置10の回転角度をΦ2として、例えばRAM106に記憶する(ステップS105)。
【0053】
ステップS102およびステップ105において、画像ロック操作部121が操作されている間における、画像向き変更装置10の回転が検出される。回転角度検出部130は、例えば3軸の加速度センサなどが用いられるため、画像向き変更装置10の複数方向に対する回転角度を検出する。このため、ステップS102およびステップS105において記憶される回転角度は、図2のように画像向き変更装置10の上下方向をx軸方向、左右方向をy軸方向、奥行き方向をz軸方向とすると、表示部110の表示面であるxy平面上における回転方向を記憶する。
【0054】
ステップS105において、画像ロック解除時の画像向き変更装置10の回転角度Φ2を記憶した後、制御部100はステップS102において記憶したΦ1およびステップS105において記憶したΦ2に基づき、所定の演算を行う。また、制御部100は所定の演算の結果に基づき画像データ変換制御部103に表示部110に表示されている画像データの向きを変更させ、向きが変更された画像データをデータ記憶制御部104により記憶部140に記憶させる(ステップS106)。
【0055】
ステップS106におけるデータ記憶制御部104による処理は、記憶部140に記憶されている画像データに対して上書きをしてもよく、画像データ名を変更して別データとして記憶してもよい。また、画像データ名を変更して別の画像データとして記憶する場合は、画像データの解像度を同一として記憶する場合に加えて、画像データの向きを変更した別の画像データとして記憶する画像データの解像度を低くして記憶してもよい。解像度の変更を伴う場合には、画像データ変換制御部103の処理によって解像度の変更が行われる。
【0056】
向きを変更した画像データ名および画像データの解像度を下げて記憶する例を図5に示す。図5における「File001.jpg」は、記憶部140に記憶されている元の画像データであり、例えば画素数が2560×1920ピクセルの解像度を有する画像であることを示している。
【0057】
この画像データを表示部110に表示させるとともに、画像ロック操作部121を操作しながら画像向き変更装置10の向きを変更した場合、「File001_r.jpg」は、画像の向きが右90度回転に変更されることによって生成された画像データであり、例えば画素数が640×480ピクセルの解像度を有する画像であることを示している。
【0058】
同様に、「File_l.jpg」は、左90度に変更されることによって生成された画像データであり、「File_rev.jpg」は、180度回転して生成された画像データである。ここで付与される画像データの名称や解像度は、限定されない。
【0059】
このような処理によって、元の画像データはそのまま残し、例えばブログやWebデータとして利用するために画像向きを変更させた場合に、それらに用いるために適切な画像サイズの画像データとすることができる。また、ステップS202において画像向きの変更が無くとも、ステップS101からステップS104の処理を得た場合は、画像向きを変更せずに解像度のみを変更してもよい。
【0060】
図3の説明に戻り、ステップS106の処理を行った後、制御部100はステップS100において表示部110に表示された画像の表示が終了したか否かを判断する(ステップS107)。ステップS107における判断は、例えば表示部110に表示中の画像データに基づく画像が他の画像データに基づく画像に変更された場合や、画像を表示しているアプリケーションが終了されることなどによる。
【0061】
ステップS107において、画像の表示が終了したと判断された場合は(ステップS107:Yes)、本処理を終了する。ステップS107において、画像の表示が終了していないと判断された場合は(ステップS107:No)、ステップS101に推移する。
【0062】
また、ステップS101において、画像ロック操作部121が操作されていないと判断された場合は(ステップS101:No)、回転角度検出部130によって検出された画像向き変更装置10の回転角度に応じて、表示部110に表示されている画像の表示向きを変更する。画像向き変更装置10の回転角度が画像の表示向きを変更する必要の無い範囲である場合は、表示向きの変更は行わない。
【0063】
ステップS108の処理を逐次実行中に、制御部100はステップS100において表示部110に表示された画像の表示が終了したか否かを判断する(ステップS109)。ステップS109において、画像の表示が終了したと判断された場合は(ステップS109:Yes)、本処理を終了する。ステップS109において、画像の表示が終了していないと判断された場合は(ステップS109:No)、ステップS101に推移する。
【0064】
次に、図3におけるステップS106の詳細な処理を、図4に基づき説明する。先ず、制御部100はステップS102において記憶したΦ1およびステップS105において記憶したΦ2を取得し、Φ2とΦ1の差分であるΔΦを算出する(ステップS200)。ステップS200の処理によって、画像ロック操作部121が操作されている間における、表示部110における表示面における回転角度を取得することができる。
【0065】
次に、制御部100はΔΦが315度を超えて45度以下であるか否かを判断する(ステップS201)。本実施例における回転角度は表示部110の表示面における回転角度であり、別途説明する図6および図7のように回転角度は右回りをプラスの回転角度とし、左周りをマイナスの回転角度とする。
【0066】
ステップS201において、315度とは−45度と同意であり、Φ1を基準として、画像ロック解除時の角度が結果的に±45度の範囲の回転、つまり画像データの向きを変更する必要がない程度の回転であることが判断される。ステップS201において、ΔΦが315度を超えて45度以下の範囲にあると判断された場合は(ステップS201:Yes)、制御部100は画像データ変換制御部103に画像データの向きを変更する指示は行わずに、本処理を終了する。
【0067】
ステップS201において、ΔΦが315度を超えて45度以下の範囲に無いと判断された場合は(ステップS201:No)、制御部100はΔΦが45度を超えて135度以下であるか否かを判断する(ステップS203)。ステップS203においては、Φ1を基準として、画像ロック解除時の角度が結果的に右回転方向に45度から135度の範囲に位置した回転であることが判断される。
【0068】
ステップS203において、ΔΦが45度を超えて135度以下の範囲にあると判断された場合は(ステップS203:Yes)、制御部100は画像データ変換制御部103に画像データの向きを右90度回転させる処理を行わせる(ステップS204)。ステップS203において、ΔΦが45度を超えて135度以下の範囲にないと判断された場合は(ステップS203:No)制御部100はΔΦが135度を超えて225度以下であるか否かを判断する(ステップS205)。ステップS205においては、Φ1を基準として、画像ロック解除時の角度が結果的に右回転方向に135度から225度の範囲に位置した回転であることが判断される。
【0069】
ステップS205において、ΔΦが135度を超えて225度以下の範囲にあると判断された場合は(ステップS205:Yes)、制御部100は画像データ変換制御部103に画像データの向きを180度回転させる処理を行わせる(ステップS206)。ステップS205において、ΔΦが135度を超えて225度以下の範囲にないと判断された場合は(ステップS205:No)制御部100はΔΦが225度を超えて315度以下であるか否かを判断する(ステップS207)。ステップS207においては、Φ1を基準として、画像ロック解除時の角度が結果的に右回転方向に225度から315度の範囲に位置した回転であることが判断される。
【0070】
ステップS207において、ΔΦが225度を超えて315度以下の範囲にあると判断された場合は(ステップS207:Yes)、制御部100は画像データ変換制御部103に画像データの向きを左方向に90度回転させる処理を行わせる(ステップS208)。
【0071】
また、ステップS204、ステップS206およびステップS208の処理後は、制御部100は画像データ変換制御部103によって向きが変更された画像データをデータ記憶制御部104の処理によって記憶部140に記憶させ、本処理を終了する。
【0072】
次に、図3および図4の処理によって画像データの向きが変更される具体的な例を図6から図8を用いて説明する。図6および図7は、表示部110における表示面における回転に基づき、画像データの向きを変更する例であり、図8は、表示部110における表示面に直交した面における回転に基づき、画像データの向きを変更する例である。
【0073】
図6における(A1)は、記憶部140に記憶されている画像データが横長の画像を表す画像データであることを示している。記憶部140に記憶されている画像データを、例えばPC等の装置において画像データの画像向きを再現して表示した場合のイメージを記憶画像200とする。
【0074】
図6における(A1)として示す記憶画像200を、本発明に関わる画像向き変更装置10の表示部110に表示させた場合、画像向き変更装置10を横方向として用いている場合は(B11)のように表示され、縦方向として用いている場合は(B12)のように表示される。
【0075】
先ず、(B11)の状態でユーザが画像ロック操作部121を操作し、右方向90度回転、上下反転、左方向90度回転したときに、画像ロック操作部121を解除した場合の画像向き変更装置10の表示形態と画像データ変換制御部103によって画像の向きが変更された画像データにおける記憶画像200を、各々(C11)、(D11)、(E11)として表す。
【0076】
また、(B12)の状態でユーザが画像ロック操作部121を操作し、右方向90度回転、上下反転、左方向90度回転したときに、画像ロック操作部121を解除した場合の画像向き変更装置10の表示形態と画像データ変換制御部103によって画像の向きが変更された画像データにおける記憶画像200を、各々(C12)、(D12)、(E12)として表す。
【0077】
このように、ユーザは当初の画像向きに対して、画像ロック操作部121を操作しながら画像向き変更装置10を回転させるだけで、所望の向きに変更された画像データを得ることができる。
【0078】
図7においても図6と同様に、(A2)は、記憶部140に記憶されている画像データが縦長の画像を表す画像データであることを示している。記憶部140に記憶されている画像データを、例えばPC等の装置において画像データの画像向きを再現して表示した場合のイメージを記憶画像200とする。
【0079】
図7における(A2)として示す記憶画像200を、本発明に関わる画像向き変更装置10の表示部110に表示させた場合、画像向き変更装置10を縦方向として用いている場合は(B21)のように表示され、横方向として用いている場合は(B22)のように表示される。
【0080】
先ず、(B21)の状態でユーザが画像ロック操作部121を操作し、右方向90度回転、上下反転、左方向90度回転したときに、画像ロック操作部121を解除した場合の画像向き変更装置10の表示形態と画像データ変換制御部103によって画像の向きが変更された画像データにおける記憶画像200を、各々(C21)、(D21)、(E21)として表す。
【0081】
また、(B22)の状態でユーザが画像ロック操作部121を操作し、右方向90度回転、上下反転、左方向90度回転したときに、画像ロック操作部121を解除した場合の画像向き変更装置10の表示形態と画像データ変換制御部103によって画像の向きが変更された画像データにおける記憶画像200を、各々(C22)、(D22)、(E22)として表す。
【0082】
図8において、(A3)として示す記憶画像200を、本発明に関わる画像向き変更装置10の表示部110に表示させた場合、画像向き表示装置10を横方向として用いる場合は(B3)のように表示される。
【0083】
先ず、(B3)の状態でユーザが画像ロック操作部121を操作し、表示部110に直交した面で回転させる。(B3)の状態において、表示部110の表示面をXY平面とする。このような状態から、XY平面に直交したYZ平面に沿って180度回転したときに、画像ロック操作部121を解除した場合の画像向き変更装置10の状態と画像データ変換制御部103によって画像の向きが変更された画像データにおける記憶画像200を(C31)として表す。
【0084】
(C31)における画像向き変更装置10の状態は、(B3)の状態から画像向き変更装置10が裏面を向いた状態であるとともに、上下も入れ替わった状態である。このような状態における記憶画像200は、(A3)の状態から上下が反転するとともに、裏面から見た状態、すなわち鏡像の画像となる。
【0085】
さらに、(B3)の状態から、XY平面に直交したXZ平面に沿って180度回転したときに、画像ロック操作部121を解除した場合の画像向き変更装置10の状態と画像データ変換制御部103によって画像の向きが変更された画像データにおける記憶画像200を(C32)として表す。
【0086】
(C32)における画像向き変更装置10の状態は、(B3)の状態から画像向き変更装置10が裏面を向いた状態であるとともに、左右も入れ替わった状態である。このような状態における記憶画像200は、(A3)の状態から裏面から見た状態であり左右が反転した、すなわち鏡像の画像となる。
【0087】
図8に示した実施例は、(A3)に示される記憶画像200が縦長の画像であり、(B3)の状態で画像向き検出装置10を縦方向として用いる場合であっても、同様に縦長の画像が(C31)または(C32)と同様に、上下反転した鏡像または鏡像の画像となる。
【0088】
画像向き変更装置10が(B3)の状態から(C31)または(C32)の状態となり、画像データの向きが変更されるための回転角度は、表示部110の表示面に直交した面に沿った180度の回転角度に限定されず、(C31)または(C32)の状態が180度±45度程度の幅を持たせてもよい。
【0089】
さらに、図6から図8に示した実施例は、組み合わせて実行されてもよい。例えば、表示部110の表示面における回転に加えて、表示面に直交した面における回転の双方が検出された場合、各々の回転が組み合わされた状態に画像データが変更される。
【0090】
このように、ユーザは当初の画像向きに対して、画像ロック操作部121を操作しながら画像向き変更装置10を回転させるだけで、所望の向きに変更された画像データを得ることができる。
【0091】
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更可能である。例えば、画像ロック操作部121を画像向き変更装置10の表面に設けたスイッチとして説明したが、タッチパネルによる操作として表示部110に画像と共に表示されてもよい。
【0092】
また、画像ロック操作部121の操作を解除した後、ステップS209の処理が行われた場合、例えば記憶された旨を表示する文字列を、記憶される画像の向きと同一方向の向きとして表示させてもよい。
【0093】
また、画像向き変更装置10に撮像部160が備えられている場合、本発明に関わる処理は、画像向き変更装置10に備えられている撮像部160による撮影によって取得した画像データに対してのみ実行されることとしてもよい。この場合、例えば撮像部160によって取得した画像を閲覧するアプリケーションが起動している場合に、画像ロック操作部121の操作が可能となる。
【0094】
また、本発明に係る処理をプログラムとして制御部100の制御として実行可能なように、各種記録媒体や各種ネットワークを介して供給してもよい。
【符号の説明】
【0095】
10:画像向き変更装置:制御部、101:表示制御部、102:操作制御部、103:画像データ変換制御部、104:データ記憶制御部、110:表示部、120:操作部、121:画像ロック操作部、130:回転角度検出部、140:記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種情報を表示する表示部、
画像データを記憶する記憶部、
前記記憶部に記憶されている前記画像データを前記表示部に表示させる表示制御部、
前記表示部を含む装置の回転を検出する回転角度検出部、
前記表示制御部によって前記表示部に表示されている前記画像データの向きを、前記回転角度検出部によって検出された回転角度に応じて変更する画像データ変換制御部、
前記画像データ変換制御部において画像向きが変換された前記画像データを前記記憶部に記憶させるデータ記憶制御部、
を備えることを特徴とする画像向き変更装置。
【請求項2】
前記回転角度検出部によって検出された回転角度に基づいて前記表示制御部によって前記表示部に表示させる前記画像データの表示角度が変更されることを防止する操作を行う画像ロック操作部をさらに備え、
前記画像データ変換制御部は、前記回転角度検出部によって検出された前記画像ロック操作部の操作開始から操作解除までの回転角度に応じて前記画像データの向きを変更し、
前記データ記憶部は、前記画像ロック操作部の操作が解除されたことによって前記画像データを前記記憶部に記憶させることを特徴とする、
請求項1に記載の画像向き変更装置。
【請求項3】
前記回転角度検出部は、前記表示部の表示面における回転を検出し、
前記画像データ変換制御部は、前記画像データの向きを、前記表示部の表示面における回転角度に応じて変更することを特徴とする、
請求項1または2に記載の画像向き変更装置。
【請求項4】
前記画像データ変換制御部は、前記回転角度検出部によって検出された回転角度に基づいて、前記画像データの向きを90度単位で変更することを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像向き変更装置。
【請求項5】
前記回転角度検出部は、前記表示部の表示面に直交した面における回転を検出し、
前記画像データ変換制御部は、前記画像データの向きを、前記表示部の表示面に直交した面における回転に応じて変更することを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像向き変更装置。
【請求項6】
前記画像データ変換制御部は、前記回転角度検出部によって検出された回転角度または回転に応じて向きが変更された画像データに対して、画像データの解像度を変更することを特徴とする、
請求項1から5のいずれか1項に記載の画像向き変更装置。
【請求項7】
前記データ記憶制御部は、前記回転角度検出部によって検出された回転角度または回転に応じて向きが変更された画像データに対して、画像データの名称を変更することを特徴とする、
請求項1から6のいずれか1項に記載の画像向き変更装置。
【請求項8】
各種情報を表示する表示部に画像データを表示させる表示ステップ、
前記表示部を含む装置の回転を検出する回転角度検出ステップ、
前記表示ステップにおいて前記表示部に表示されている前記画像データの向きを、前記回転角度検出ステップにおいて検出された回転角度に応じて変更する画像データ変換ステップ、
前記画像データ変換ステップにおいて画像向きが変換された前記画像データを記憶させるデータ記憶ステップ、
を備えることを特徴とする画像向き変更方法。
【請求項9】
画像向き変更装置が備えるコンピュータを、
各種情報を表示する表示部に画像データを表示させる表示ステップ、
前記表示部を含む装置の回転を検出する回転角度検出ステップ、
前記表示ステップにおいて前記表示部に表示されている前記画像データの向きを、前記回転角度検出ステップにおいて検出された回転角度に応じて変更する画像データ変換ステップ、
前記画像データ変換ステップにおいて画像向きが変換された前記画像データを記憶させるデータ記憶ステップ、
として動作させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−76965(P2013−76965A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−580(P2012−580)
【出願日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】