説明

画像形成システム、画像形成装置、携帯端末

【課題】画像形成装置の状態を携帯端末の表示部に表示して、正確、容易に画像形成装置の状態を確認できるようにして、使いやすさを向上させる。
【解決手段】画像形成システムは、画像形成装置と携帯端末と、を含み、画像形成装置は、画像形成装置の状態を検知するための状態検知部と、状態を表示する発光素子を複数含み、複数の発光素子の点消灯パターンを切り替えて携帯端末に向けての画像形成装置の状態情報を含む光信号を発信するパネル部と、を含み、携帯端末は、撮像部と、アプリケーションを記憶する記憶部と、画像、画面を表示する表示部と、アプリケーションに基づき、パネル部を撮像部で撮影することにより得られた画像データから光信号に含まれる画像形成装置の状態情報を認識し、画像形成装置の状態を表示部に表示させる処理部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と、撮像部や撮像結果を表示する表示部を有する携帯端末を含む画像形成システムに関する。又、画像形成装置や携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、画像形成装置などでは、エラー発生などの状態を使用者に知らせるため、液晶パネルを用いた表示部が設けられることがある。液晶パネルを用いると、文字や記号や画像などを表示して、状態を知らせることができる。一方、例えば、新興国や途上国向けのものなど、需要者の要求に応え、できるだけ価格を抑えた製品を製造する場合もある。そして、少しでも製造コストを抑えて低価格を実現するため、低価格帯の製品では、液晶パネルに代えて複数のLEDを設け、LEDにより状態を表示することがある。
【0003】
しかし、設けるLEDの個数が多くなると、製造コストが高くなる。そこで、LEDの点消灯パターンを工夫して、LEDの設置数を抑えつつ、より多種類のメッセージを使用者に報知することがある。このようなLEDの点消灯パターンにより、多種類のメッセージを報知する発明が特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1には、装置警報を表示するための1つの表示用素子と、自装置の障害を種別毎に検出する障害検出手段と、前記障害検出手段により検出された障害の種別に対応する回数分の点滅が得られる点滅パターンで前記表示用素子を点滅駆動する点滅駆動制御手段とを具備する通信装置が記載されている。この構成により、複数種類の障害に関する警報表示を実現しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0007]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−306445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、液晶パネルを有さず、LEDのような発光素子のみで状態を表示する画像形成装置では、複数のLEDの点消灯パターンにより数字や文字を表現し、点灯パターンを複数回切り替えて、複数桁のエラーコード(例えば、数字4桁)を表現することがある。例えば、4つのLEDを有するとき、4つのLEDの点消灯により4ビット(1/2バイト)の情報を伝達できる。例えば、4回に分けてLEDの点消灯パターンを切り替えることで、2バイト分のエラーコードのようなメッセージを表示することができる。このように、LEDのような発光素子のみで状態を表示する画像形成装置では、複数回、複数のLEDの点消灯パターンを切り替えて、数字等を表現し、エラーの報知を行っている。
【0006】
しかし、使用者は、複数のLEDの各点消灯パターンを認識し、マニュアル等を見ながら、画像形成装置がいかなるメッセージを発しているか翻訳しなければならない。このとき、使用者は正確にLEDの点消灯パターンを翻訳できるとは限らない。従って、画像形成装置から発せられるメッセージを正確に認識しづらく、使いづらいという問題がある。
【0007】
尚、画像形成装置には、発生したエラーなど、画像形成装置の状態を示す情報を画像形成装置と通信可能なコンピューター(例えば、自席のコンピューター)に送信するものもある。この場合、使用者は、LEDの点消灯パターンを翻訳せずに、画像形成装置の状態を認識できる。しかし、使用者は、画像形成装置の状態を認識するために、コンピューターの場所まで移動しなくてはならない。このように、コンピューターに画像形成装置の状態を表示するようにしても、使用者にとっての使いづらさは残るという問題がある。
【0008】
ここで、特許文献1記載の発明を見ると、1つの表示用素子を用いて、1つの表示用素子の点滅の回数で障害の種別を表示する。しかし、障害の種別が多数ある場合(例えば、十数個〜数十個)、1つの障害を伝えるのに、表示用素子の点滅回数は非常に多くなり、多すぎる点滅回数を数える作業は煩わしい。又、1つの表示用素子しか用いないので、詳細な状態を伝えるには適さない。従って、特許文献1記載の発明は、現実的、実用性の点で問題があり、使用者にとって煩わしく使いづらいという問題を解決できない。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、画像形成装置から複数の発光素子の点消灯パターンを切り替えて発せられる光信号を、撮像部を有する携帯端末で認識し、認識した画像形成装置の状態を携帯端末の表示部に表示して、正確、容易に画像形成装置の状態を確認できるようにして、使いやすさを向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題解決のため、請求項1に係る画像形成システムは、画像形成装置と携帯端末と、を含み、前記画像形成装置は、印刷を行う印刷エンジン部と、前記画像形成装置の状態を検知するための状態検知部と、前記画像形成装置の状態を表示する発光素子を複数含み、前記発光素子により使用者に対し前記画像形成装置の状態を表示している途中で、複数の前記発光素子の点消灯パターンを切り替えて前記携帯端末に向けての前記画像形成装置の状態情報を含む光信号を発信するパネル部と、を含み、前記携帯端末は、撮像部と、アプリケーションを記憶する記憶部と、画像、画面を表示する表示部と、前記アプリケーションに基づき、前記パネル部を前記撮像部で撮影することにより得られた画像データから前記光信号に含まれる前記画像形成装置の状態情報を認識し、前記画像形成装置の状態を前記表示部に表示させる処理部と、を含むこととした。
【0011】
この構成によれば、画像形成システムでの画像形成装置は、複数の発光素子の点消灯パターンを切り替えて、画像形成装置の状態を示す光信号を発信するパネル部と、を含み、携帯端末は、アプリケーションに基づき、パネル部を撮像部で撮影することにより得られた画像データから光信号に含まれる画像形成装置の状態情報を認識し、画像形成装置の状態を表示部に表示させる処理部と、を含む。これにより、携帯端末で画像形成装置の各発光素子を撮影するだけで、使用者は、携帯端末で画像形成装置の状態を認識することができる。従って、使用者は、従来のように、複数回切り替わる発光素子の点消灯パターンを逐一正確に認識し、マニュアル等を見ながら、画像形成装置がいかなるメッセージを発しているか翻訳せずに済む。又、光信号に含ませる画像形成装置の状態情報が多くても、使用者の負担の増大は無い。又、使用者は、従来のように、画像形成装置の状態を知るために、画像形成装置の状態を表示するコンピューターの設置場所まで移動しなくてもよい。そして、使用者は、画像形成装置から発せられるメッセージを正確、容易に携帯端末で認識することができる。このように、簡易、正確に画像形成装置の状態を認識することができ、使用者の使いやすさを向上させることができる。
【0012】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記画像形成装置は、前記画像形成装置の機種に対応した前記アプリケーションのダウンロード先を示す情報を含むコード表示体を有し、前記携帯端末は、外部と通信を行うための通信部を有し、前記携帯端末の前記処理部は、前記撮像部で前記コード表示体を撮影することにより得られた画像データに基づき、前記アプリケーションのダウンロード先を認識し、前記携帯端末の前記通信部は、認識されたダウンロード先から、前記画像形成装置に対応した前記アプリケーションを取得することとした。
【0013】
この構成によれば、画像形成装置は、機種に対応したアプリケーションのダウンロード先を示す情報を含むコード表示体を有し、携帯端末の通信部は、認識されたダウンロード先から、画像形成装置に対応したアプリケーションを取得する。これにより、複雑な操作、作業無しに、画像形成装置の形式、タイプに対応したアプリケーションを携帯端末にダウンロードすることができる。従って、撮像部を用いた画像形成装置の状態認識を携帯端末で容易に行えるようにすることができる。
【0014】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記パネル部は、複数の前記発光素子のうち、何れか1つの前記発光素子を前記光信号が発信中であることを前記携帯端末に伝えるための基準発光素子として用いるとともに、前記光信号の発信中、前記基準発光素子を点灯又は消灯させ、前記携帯端末の前記処理部は、前記基準発光素子が点灯している又は消灯している状態で前記光信号発信中の前記撮像部による撮影で得られた画像データから光信号に含まれる状態情報を認識することとした。
【0015】
この構成によれば、パネル部は、複数の発光素子のうち、何れか1つの発光素子を光信号が発信中であることを携帯端末に伝えるための基準発光素子として用いるとともに、光信号の発信中、基準発光素子を点灯又は消灯させる。これにより、パネル部の光信号の発信(発光)の開始時点と終了時点を基準発光素子により携帯端末に対して示すことができる。従って、携帯端末の処理部は、光信号に含まれる情報を正確に認識できる。
【0016】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記携帯端末の前記表示部は、前記撮像部の撮影により得られた画像データに基づき前記撮像部の撮影状態を表示し、前記携帯端末の前記処理部は、前記アプリケーションに基づき、前記撮影状態の表示中、前記パネル部の前記発光素子を収めるべき枠を前記表示部に表示させることとした。
【0017】
この構成によれば、携帯端末の処理部は、アプリケーションに基づき、撮影状態の表示中、パネル部の発光素子を収めるべき枠を表示部に表示させる。これにより、パネル部からの光信号を受信するうえで、使用者に好適な構図で撮像部による撮影を行わせることができる。従って、光信号に含まれる情報を携帯端末の処理部に正確に認識させることができる。
【0018】
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、印刷中、前記画像形成装置の前記パネル部は、印刷状況を示す前記光信号を発信し、前記携帯端末の前記処理部は、前記画像形成装置の印刷中の状態を前記表示部に表示させることとした。
【0019】
この構成によれば、印刷中、画像形成装置のパネル部は、印刷状況を示す光信号を発信し、携帯端末の処理部は、画像形成装置の印刷中の状態を表示部に表示させる。これにより、残りの印刷枚数等、印刷中の画像形成装置の状態を容易に知ることができる。
【0020】
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、前記状態検知部によりエラーの発生が検知されたとき、前記画像形成装置の前記前記パネル部は、少なくとも発生したエラーの種類を示す前記光信号を発信し、前記携帯端末の前記処理部は、発生したエラーを前記表示部に表示させることとした。
【0021】
この構成によれば、状態検知部によりエラーの発生が検知されたとき、画像形成装置のパネル部は、少なくとも発生したエラーの種類を示す光信号を発信し、携帯端末の処理部は、発生したエラーを表示部に表示させる。これにより、携帯端末の撮像部をパネル部にかざして撮影すれば、発生したエラーを直ちに認識することができる。
【0022】
又、請求項7に係る画像形成装置は、印刷を行う印刷エンジン部と、前記画像形成装置の状態を検知するための状態検知部と、画像形成装置の状態を表示する発光素子を複数含み、前記発光素子により使用者に対し前記画像形成装置の状態を表示している途中で、複数の前記発光素子の点消灯パターンを切り替えて前記携帯端末に向けての前記画像形成装置の状態情報を含む光信号を発信するパネル部と、を含むことしした。
【0023】
この構成によれば、画像形成装置は、発光素子を複数含み、複数の発光素子の点消灯パターンを切り替えることにより、携帯端末に対して画像形成装置の状態を示す光信号を発信するパネル部と、を含む。これにより、使用者は、携帯端末を用いて、画像形成装置の状態を認識できる。従って、使用者は、従来のように、発光素子の点消灯パターンを認識し、マニュアル等を見ながら、画像形成装置がいかなるメッセージを発しているか翻訳せずに済む。又、光信号に含ませる画像形成装置の状態情報が多くても、使用者の負担の増大は無い。又、使用者は、従来のように、画像形成装置の状態を知るために、画像形成装置の状態を表示するコンピューターの設置場所まで移動しなくてもよい。そして、使用者は、携帯端末を用いて、画像形成装置から発せられるメッセージを正確、容易に認識することができる。このように、簡易、正確に画像形成装置の状態を認識することができ、使用者の使いやすさを向上させることができる。
【0024】
又、請求項8に係る発明は、請求項7の発明において、機種に対応した前記アプリケーションのダウンロード先を示す情報を含むコード表示体を有することとした。
【0025】
この構成によれば、画像形成装置は、機種に対応したアプリケーションのダウンロード先を示す情報を含むコード表示体を有する。これにより、複雑な操作、作業無しに、像形成装置の形式、タイプに対応したアプリケーションを携帯端末にダウンロードさせることができる。従って、パネル部が発する光信号を、容易に携帯端末で認識させることができる。
【0026】
又、請求項9に係る発明は、請求項7又は8の発明において、前記パネル部は、複数の前記発光素子のうち、何れか1つの発光素子を前記光信号が発信中であることを前記携帯端末に伝えるための基準発光素子として用いるとともに、前記光信号の発信中、前記基準発光素子を点灯又は消灯させることとした。
【0027】
この構成によれば、パネル部は、複数の発光素子のうち、何れか1つの発光素子を光信号が発信中であることを携帯端末に伝えるための基準発光素子として用いるとともに、光信号の発信中、基準発光素子を点灯又は消灯させる。これにより、パネル部の光信号の発信(発光)の開始時点と終了時点を基準発光素子により、携帯端末に対して示すことができる。従って、光信号に含まれる情報を携帯端末に正確に認識させることができる。
【0028】
又、請求項10に係る発明は、請求項7乃至9の発明において、印刷中、前記パネル部は、印刷状況を示す前記光信号を発信することとした。
【0029】
この構成によれば、印刷中、パネル部は、印刷状況を示す光信号を発信する。これにより、残りの印刷枚数等、印刷中での状態を知らせることができる。
【0030】
又、請求項11に係る発明は、請求項7乃至10の発明において、前記状態検知部によりエラーの発生が検知されたとき、前記パネル部は、少なくとも発生したエラーの種類を示す前記光信号を発信することとした。
【0031】
この構成によれば、状態検知部によりエラーの発生が検知されたとき、パネル部は、少なくとも発生したエラーの種類を示す光信号を発信する。これにより、ジャムの発生等、発生したエラーを知らせることができる。
【0032】
又、請求項12に係る携帯端末は、撮像部と、アプリケーションを記憶する記憶部と、画像、画面を表示する表示部と、前記アプリケーションに基づき、画像形成装置の複数の発光素子を前記撮像部で撮影することにより得られた画像データから前記光信号に含まれる前記画像形成装置の状態情報を認識し、前記画像形成装置の状態を前記表示部に表示させる処理部と、を含むこととした。
【0033】
この構成によれば、携帯端末は、アプリケーションに基づき、画像形成装置の複数の発光素子を撮像部で撮影することにより得られた画像データから、発光素子による光信号に含まれる状態情報を認識し、画像形成装置の状態を表示部に表示させる処理部と、を含む。これにより、携帯端末で画像形成装置の発光素子を撮影するだけで、携帯端末で画像形成装置の状態を認識することができる。従って、使用者は、従来のように、発光素子の点消灯パターンを認識し、マニュアル等を見ながら、画像形成装置がいかなるメッセージを発しているか翻訳せずに済む。又、光信号に含まれる画像形成装置の状態情報が多くても、使用者の負担の増大は無い。又、使用者は、従来のように、画像形成装置の状態を知るために、画像形成装置の状態を表示するコンピューターの設置場所まで移動しなくてもよい。そして、使用者は、携帯端末を用いて、画像形成装置から発せられるメッセージを正確、容易に認識することができる。このように、簡易、正確に画像形成装置の状態を認識することができ、使用者の使いやすさを向上させることができる。
【発明の効果】
【0034】
上述したように、本発明によれば、画像形成装置から発せられる光信号に含まれる画像形成装置の状態情報を、撮像部を有する携帯端末で認識し、認識した画像形成装置の状態を携帯端末の表示部に表示する。これにより、翻訳等の複雑で煩わしい作業を無くすことができる。又、正確、容易に画像形成装置の状態を確認でき、使いやすさを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】画像形成システムの一例を示す説明図である。
【図2】プリンターの一例を示す模型的左側面断面図である。
【図3】画像形成ユニットの一例を示す模型的拡大断面図である。
【図4】画像形成システムのハードウェアの一例を示すブロック図である。
【図5】プリンターでの状態検知を説明するためのブロック図である。
【図6】パネル部のLEDの設置部分を拡大した説明図である。
【図7】パネル部の各LEDを用いた携帯端末向けの通信表示の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】パネル部の各LEDを用いた携帯端末に向けての通信表示と、携帯端末での状態表示の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】携帯端末の光信号取得中(受信中)の表示の一例を示す説明図である。
【図10】携帯端末におけるプリンターの印刷中の状態表示の一例を示す説明図である。
【図11】携帯端末におけるエラー発生時のプリンターの状態表示の一例を示す説明図である。
【図12】携帯端末におけるエラー発生時のプリンターの状態表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図1〜図12を用いて、本発明の実施形態を説明する。そして、本説明では、プリンター1(画像形成装置に相当)と携帯端末2を含む画像形成システム100を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0037】
(画像形成システム100の概略構成)
まず、図1に基づき、実施形態に係る画像形成システム100の概略構成の一例を説明する。図1は、画像形成システム100の一例を示す説明図である。
【0038】
まず、プリンター1から説明する。本実施形態のプリンター1は、コンピューター200などから印刷用データを受信し印刷を行う。印刷済用紙は、プリンター1の上面の排出トレイ(上面カバー1b)に排出される。
【0039】
又、本実施形態のプリンター1は、用紙のジャム(詰まり)が発生したとき、用紙除去を行えるようにするため、正面カバー1aが開閉可能である(図1に開閉方向を実線矢印で図示)。又、図1に実線矢印で示すように、メンテナンスやトナー補給用のコンテナー6交換のため、排出トレイ(上面カバー1b部分)も開閉可能である。
【0040】
又、プリンター1の上部の右側には、プリンター1の状態を表示するパネル部11が設けられる。本実施形態のプリンター1では、6つのLED5(LED51〜56、発光素子に相当)がパネル部11に設けられる。パネル部11と各LED51〜56による状態表示の詳細は後述する。又、パネル部11の一部として、例えば、プリンター1をオンライン状態(印刷できる状態)とオフライン状態(印刷しない状態)を切り替えるオンラインキー1cや、印刷ジョブ等をキャンセルする指示を与えるためのキャンセルキー1dが設けられる。尚、本説明では、キーが2つ設けられる例を説明するが、キーは3つ以上設けられてもよい。
【0041】
次に、携帯端末2を説明する。図1に示すように、本実施形態の携帯端末2は、いわゆるスマートフォンである。図1に示すように、携帯端末2は、表示部21を含む。表示部21は、例えば、液晶パネルである。そして、表示部21での待ち受け画面には携帯端末2を利用する上で用いられるアプリケーション7(図4参照)のアイコンを表示させることができる。又、携帯端末2は、静電容量式等のタッチパネル部22を有する。使用者は、携帯端末2の表示部21をタッチすることにより様々な操作を行うことができる。例えば、アイコンにタッチする等によりアプリケーション7を起動させることができる。尚、図1では不可視であるが、携帯端末2の裏面には、撮像部26(カメラ)が設けられる。
【0042】
又、携帯端末2では、携帯電話網による通話が可能である。又、携帯端末2では、ネットワーク3を介して、サーバー4等のコンピューターにアクセスし、携帯端末2用のアプリケーション7やデータをダウンロードすることができる。
【0043】
ここで、コード1e(コード表示体に相当)が、プリンター1のパネル部11の奥側であってプリンター1の筐体に、シールとして貼り付けられる。コード1eは、プリンター1用のアプリケーション7のダウンロード先のアドレス情報を含む。例えば、コード1eは、バーコードやQRコードである。使用者が携帯端末2の撮像部26(カメラ)でコード1eを撮影すると、携帯端末2は、プリンター1用のアプリケーション7のダウンロードサイトにアクセスする。これにより、使用者は、コード1eを撮影するだけで、プリンター1用のアプリケーション7を容易にダウンロードできる。
【0044】
(画像形成装置の構成)
次に、図2及び図3に基づき、本実施形態のプリンター1の概略構成を説明する。図2は、プリンター1の一例を示す模型的左側面断面図である。図3は、画像形成ユニット150の一例を示す模型的拡大断面図である。
【0045】
図2に示すように、プリンター1内に、印刷を行う印刷エンジン部12(図4参照)として、給紙部13、搬送路14、画像形成部15、搬送ベルトユニット16、定着部17が設けられる。
【0046】
ここで、プリンター1の最下部の給紙部13は、各種サイズの各種用紙(例えば、普通紙、再生紙、はがき、OHPシート等)を積載して収容するカセット131を含む。カセット131は、用紙補給のため、取り外し可能である。給紙部13は、回転して用紙を1枚ずつ搬送路14に送り出す給紙ローラー132を含む(用紙搬送方向を破線矢印で図示)。
【0047】
そして、用紙は、搬送路14に設けられるガイド板141に案内されつつ、搬送ローラー対142により、搬送ベルト163の用紙搬送方向上流側のレジストローラー対143まで搬送される。そして、搬送路14のレジストローラー対143は、画像形成部15で形成されるトナー像の転写タイミングに合わせて、用紙を搬送ベルトユニット16に送り出す。
【0048】
搬送ベルトユニット16は、駆動ローラー161と、従動ローラー162と、これらのローラーに張架される無端状の搬送ベルト163で構成される。又、搬送ベルト163は、後述の感光体ドラム151と転写ローラー155に挟まれる。これにより、各感光体ドラム151と搬送ベルト163の間にニップが形成される。レジストローラー対143からの用紙は、このニップに進入しつつ、搬送される。
【0049】
画像形成部15は、複数の画像形成ユニット150を含む。そこで、図2と図3を用いて、各画像形成ユニット150について説明する。プリンター1内には用紙搬送方向上流側(図2に用紙搬送方向を破線矢印で図示)から順に、画像形成ユニット150M(マゼンタ用)、画像形成ユニット150C(シアン用)、画像形成ユニット150Y(イエロー用)、及び画像形成ユニット150Bk(ブラック用)が並列して設けられる。これらの画像形成ユニット150M,150C,150Y,150Bkは、それぞれ異なる色のトナー像を形成する。尚、各画像形成ユニット150M〜150Bkは、形成するトナー像の色が異なるが、その構成は同様であり、以後、特に説明する場合を除き、M、C、Y、Bkの文字は省略する。
【0050】
各画像形成ユニット150は、感光体ドラム151、帯電装置152、露光装置153、現像装置154、転写ローラー155、クリーニング装置156をそれぞれ含む。像担持体としての各感光体ドラム151は、画像形成ユニット150のほぼ中央に配され、回転駆動する。帯電装置152は、ワイヤ、ローラー、ブラシ等で感光体ドラム151を所定電位に帯電させる。露光装置153は、画像データに基づき、光を照射して各感光体ドラム151の露光を行い、感光体ドラム151上に静電潜像を形成する。又、現像装置154は、感光体ドラム151にトナーを供給し、静電潜像をトナーで現像する。そして、転写ローラー155は、各感光体ドラム151の下方に対向して配される。印刷のとき、転写ローラー155には、所定の電圧が印加される、これにより、用紙にトナー像が転写される。各画像形成ユニット150は、トナー像を形成し、用紙にトナー像を正確に重畳しつつ転写する。各クリーニング装置156はブレード、ローラー等により、転写後に感光体ドラム151に残留するトナー等を取り除く。
【0051】
図2、図3に示すように、トナーを収容するコンテナー6が各画像形成ユニット150の現像装置154に接続される。各コンテナー6は、対応する色のトナー等を収容し、対応する現像装置154にトナーを補給する。具体的に、コンテナー6Mにはマゼンタのトナーが、コンテナー6Cにはシアンのトナーが、コンテナー6Yにはイエローのトナーが、コンテナー6Bkにはブラックのトナーが、収容される。そして、各コンテナー6は、空になった場合に交換できるように、着脱自在である。
【0052】
そして、トナー像が転写された用紙は、搬送ベルト163から定着部17に搬送される。定着部17の通過時に、用紙は、加熱・加圧される。これにより、トナー像は用紙に定着する。その後、用紙は、用紙排出口144から排出トレイ(上面カバー1b)に排出される。これにより、画像形成が完了する。
【0053】
(画像形成システム100のハードウェア構成)
次に、図4を用いて、実施形態に係る画像形成システム100のハードウェア構成の一例を説明する。図4は、画像形成システム100のハードウェアの一例を示すブロック図である。
【0054】
まず、プリンター1側から説明する。プリンター1内には、プリンター制御部10が設けられる。プリンター制御部10は、プリンター1の動作制御を司る。プリンター制御部10は、例えば、CPU10a、プリンター記憶部10b等を含む。CPU10aは、中央演算処理装置であって、プリンター記憶部10bに格納され、展開される制御プログラム、制御用データに基づきプリンター1の各部を制御する。プリンター記憶部10bは、ROM、RAM等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。このプリンター記憶部10bは、プリンター1の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。そして、プリンター制御部10は、給紙部13、搬送路14、画像形成部15、搬送ベルトユニット16、定着部17、パネル部11等の各部と信号線やバス等で接続され、動作を制御する。
【0055】
又、プリンター制御部10は、各種コネクタ、ソケット等を備えたデータ通信部18と通信可能に接続される。データ通信部18は、ネットワーク3等により複数のコンピューター200(例えば、パーソナルコンピューターやサーバー。図3では便宜上1つのみ図示)から、画像データや送信元の情報や印刷での設定を示す情報を含む印刷用データを受信する。プリンター制御部10は、コンピューター200から送信された印刷用データに基づき、画像形成部15等を制御して、印刷を行わせる。
【0056】
次に、携帯端末2を説明する。携帯端末2は、携帯制御部20(処理部に相当)、ROM23a、RAM23b、フラッシュメモリー24(記憶部に相当)、表示部21、タッチパネル部22、I/F部25、撮像部26、音声処理部27、マイクロフォン27a、再生処理部28、スピーカー28a、無線通信部29(通信部に相当)等を含む。
【0057】
携帯制御部20は、携帯端末2の動作を制御する部分である。例えば、携帯制御部20は、CPU20aや画像処理部20bを含む。CPU20aは、携帯端末2のOSやアプリケーション7に基づき、携帯端末2の動作を制御する。画像処理部20bは、各種画像データに対して画像処理を行う。例えば、画像処理部20bは、撮像部26による撮影により得られた画像データの画像処理を行い、表示部21に表示させる。
【0058】
ROM23a、フラッシュメモリー24は、携帯端末2の制御プログラムや制御データを記憶する。携帯制御部20は、ROM23aやフラッシュメモリー24に記憶される制御プログラムや制御データやアプリケーション7に従って、携帯端末2の各部を制御する。又、フラッシュメモリー24には、ダウンロードしたアプリケーション7を記憶させることができる(尚、アプリケーション7は複数記憶できるが、図4では、便宜上、1つのみ図示)。タッチパネル部22を通じた使用者のアプリケーション7の起動要求に応じ、携帯制御部20は、フラッシュメモリー24からアプリケーション7やプログラムをRAM23bに読み出し、実行できる。
【0059】
表示部21は、携帯制御部20からの要求に従い、各種情報を表示する。タッチパネル部22は携帯制御部20と接続される。携帯制御部20は、タッチパネル部22の出力に基づき、タッチされた位置を認識する。そして、携帯制御部20は、表示部21が表示しているアイコンやボタンやキーなどのうち、タッチされた対象を認識する。例えば、アイコンやボタンやキー等を押すことにより、所望するアプリケーション7を起動させることや、電話をかけることができる。
【0060】
I/F部25は、各種規格に基づくコネクタやソケットや通信用チップを実装する。I/F部25は、I/F部25に挿入された記録媒体(例えば、メモリーカード)に記憶されるデータやプログラムの読み出しや、記録媒体へのデータの書き込みを行なう。
【0061】
撮像部26は、携帯端末2に設けられたカメラである。撮像部26は、レンズの他、イメージセンサー26aや、イメージセンサー26aが出力するアナログ信号を処理してディジタルの画像データを生成するAFE(Analog Front End)や、AFEにより生成されたディジタルの画像データ(信号)を処理するディジタル信号プロセッサを含むカメラモジュール26bを含む。そして、撮像部26による撮影により得られた画像データは、携帯制御部20に送信される。
【0062】
無線通信部29は、アンテナや通信回路を含む。無線通信部29は、携帯制御部20の指示に応じて、携帯電話網にアクセスする。例えば、無線通信部29を介して、サーバー4からのアプリケーション7のダウンロード等、外部とデータの送受信を行うことができる。又、無線通信部29は、音声データの送受信を行い、相手方の電話と通話することができる。
【0063】
音声処理部27は、マイクロフォン27aから入力された音声に対して、無線通信部29から送信できる形態への信号処理を行う。再生処理部28は、無線通信部29で受信した相手型の音声データを復号し、スピーカに再生させる。
【0064】
(画像形成装置での状態検知)
次に、図2、図5を用いて、本実施形態に係るプリンター1での状態検知の一例を説明する。図5は、プリンター1での状態検知を説明するためのブロック図である。
【0065】
本実施形態のプリンター1には、プリンター1の状態を検知する状態検知部として、複数のセンサーが設けられる。例えば、プリンター1に設けられる状態検知用のセンサー(状態検知部)としては、カセットセンサー81、用紙残量センサー82、用紙切れセンサー83、用紙センサー841〜843、トナーセンサー85M〜85Bk、上面カバーセンサー86、正面カバーセンサー87等がある(図2参照)。
【0066】
カセットセンサー81は、給紙部13のカセット131が取り外されているか否かを検知するためのセンサーである。カセットセンサー81は、カセット131が取り付けられているときと取り外されているときとで出力が変化する。例えば、カセットセンサー81は、カセット131と接するインターロックスイッチである(図2参照)。しかし、カセットセンサー81は、光センサーなどでも良く、カセット131が取り外されているか否かを検知できればよい。カセットセンサー81の出力は、プリンター制御部10のI/Oポート10cを介して、CPU10aに伝えられる。これにより、CPU10aは、カセット131が取り外されているか否かを認識できる。
【0067】
用紙残量センサー82は、カセット131内の用紙残量を検知するためのセンサーである。例えば、用紙残量センサー82は、用紙が載置された載置板の位置を検知する。例えば、用紙残量センサー82は、給紙ローラー132下方に設けられた複数の反射型光センサーを含む(図2参照)。そして、載置板の位置により、反射光を受光できる光センサーの位置が異なる。しかし、用紙残量センサー82には、他のセンサーを用いても良く、用紙残量を検知できればよい。用紙残量センサー82の各センサーの出力は、プリンター制御部10のI/Oポート10cを介して、CPU10aに伝えられる。これにより、CPU10aは、段階的な用紙の残量を認識できる。
【0068】
用紙切れセンサー83は、給紙部13のカセット131の用紙の有無を検知するためのセンサーである。用紙切れセンサー83は、用紙が残っているときと無いときとで出力が変化する。例えば、用紙切れセンサー83は、載置板に設けられた穴から用紙に向けて光を照射する反射式光センサーである(図2参照)。しかし、他の方式により用紙切れを検知してもよく、用紙の有無を検知できればよい。用紙切れセンサー83の出力は、プリンター制御部10のI/Oポート10cを介して、CPU10aに伝えられる。これにより、CPU10aは、用紙の有無を認識できる。
【0069】
用紙センサー841〜843は、用紙の搬送状況を検知するためのセンサーである。例えば、用紙センサー841〜843は、用紙の到達、通過を検知する。例えば、用紙センサー841〜843は、透過型の光センサーである。しかし、用紙センサー841〜843には、他のセンサーを用いても良く、用紙の存在の有無(到達、通過)を検知できればよい。例えば、用紙センサー841〜843は、用紙の搬送経路に沿って複数設けられる。例えば、用紙センサー841はレジストローラー対143の手前に、用紙センサー842は定着部17の出口の位置に、用紙センサー843は、用紙排出口144に設けられる(図2参照)。各用紙センサー841〜843の出力は、プリンター制御部10のI/Oポート10cを介して、CPU10aに伝えられる。そして、CPU10aは、給紙から用紙の到達を検知すべき時間帯に到達を検知できないときや、用紙の通過を検知すべき時間帯に通過を検知できないとき、ジャム発生と認識する。
【0070】
トナーセンサー85M〜85Bkは、各コンテナー6内のトナーの残量を検知するためのセンサーである。トナーセンサーは、各コンテナー6に対し、1つ設けられる(図2参照)。各トナーセンサーの出力は、プリンター制御部10のI/Oポート10cを介して、CPU10aに伝えられる。これにより、CPU10aは、各コンテナー6内のトナーの残量を認識する。
【0071】
上面カバーセンサー86は、上面カバー1bの開閉状態を検知するためのセンサーである。上面カバーセンサー86は、上面カバー1bが開いているときと、閉じているときとで出力が変化する。例えば、上面カバーセンサー86は、上面カバー1bが閉じられると、上面カバー1bと接するインターロックスイッチである(図2参照)。しかし、上面カバーセンサー86は、光センサーなどでも良く、上面カバー1bの開閉を検知できればよい。上面カバーセンサー86の出力は、プリンター制御部10のI/Oポート10cを介して、CPU10aに伝えられる。これにより、CPU10aは、上面カバー1bが開いているか、閉じているかを認識できる。
【0072】
正面カバーセンサー87は、正面カバー1aの開閉状態を検知するためのセンサーである。正面カバーセンサー87は、正面カバー1aが開いているときと、閉じているときとで出力が変化する。例えば、正面カバーセンサー87は、正面カバー1aが閉じられると、正面カバー1aと接するインターロックスイッチである(図2参照)。しかし、正面カバーセンサー87は、光センサーなどでも良く、正面カバー1aの開閉を検知できればよい。正面カバーセンサー87の出力は、プリンター制御部10のI/Oポート10cを介して、CPU10aに伝えられる。これにより、CPU10aは、正面カバー1aが開いているか、閉じているかを認識できる。
【0073】
(パネル部11での状態表示)
次に、図5、図6を用いて、本実施形態に係る画像形成装置(プリンター1)での状態表示の一例を説明する。図6は、パネル部11のLED5の設置部分を拡大した説明図である。
【0074】
図5、図6に示すように、本実施形態のプリンター1のパネル部11には、プリンター1の状態を表示するための複数のLED5(発光素子)が設けられる。本実施形態のプリンター1では、ReadyLED51(発光素子、基準発光素子に相当)、DataLED52(発光素子に相当)、JamLED53(発光素子に相当)、PaperLED54(発光素子に相当)、TonerLED55(発光素子に相当)、AttentionLED56(発光素子に相当)の計6つが設けられる。尚、設けられるLED5は、5つ以下でも良いし、7つ以上でもよい。
【0075】
プリンター制御部10は、これらの各LED51〜56の点消灯を制御する。プリンター制御部10のCPU10aは、各種センサー(状態検知部)の出力に基づき、プリンター1の状態を認識する。そして、CPU10aは、プリンター1の状態に合わせ、LED制御部10dに点灯、消灯させるLED5を指示する。LED制御部10dは、各LED51〜56の点消灯を実際に制御する回路である。LED制御部10dは、CPU10aからの指示に基づき、点灯させるLED5には電流を供給し、消灯させるLED5には電流を流さない。
【0076】
オフライン状態でオンラインキー1cが押され、プリンター1をオンライン状態とするとき、プリンター制御部10は、ReadyLED51を点灯させる。又、オンライン状態でオンラインキー1cが押され、プリンター1をオフライン状態とするとき、プリンター制御部10は、ReadyLED51を消灯させる。
【0077】
又、データ通信部18でコンピューター200から印刷用データを受信しているとき、プリンター制御部10は、DataLED52を点灯(点滅でもよい)させる。一方、プリンター制御部10は、コンピューター200から印刷用データを受信していないとき、DataLED52を消灯する。
【0078】
又、用紙センサー841〜843の出力に基づき、ジャムを検知したとき、プリンター制御部10は、JamLED53を点灯させる。一方、プリンター制御部10は、ジャムを検知していない状態では、JamLED53を消灯する。
【0079】
又、用紙切れセンサー83の出力に基づき、用紙切れのエラーを検知したとき、プリンター制御部10は、PaperLED54を点灯させる。一方、プリンター制御部10は、用紙の存在を検知している状態では、PaperLED54を消灯する。
【0080】
又、トナーセンサー85M〜85Bkの出力に基づき、何れかのコンテナー6でのトナー切れのエラーを検知したとき、プリンター制御部10は、TonerLED55を点灯させる。一方、プリンター制御部10は、トナー切れを検知していなければ、TonerLED55を消灯する。
【0081】
又、カセットセンサー81の出力に基づきカセット131が取り外されていることを検知したときや、上面カバーセンサー86の出力に基づき上面カバー1bが開けられていることを検知したときや、正面カバーセンサー87の出力に基づき正面カバー1aが開けられていることを検知したときなど、使用者に対して注意を呼びかけるとき、プリンター制御部10は、AttentionLED56を点灯させる。一方、プリンター制御部10は、注意を呼びかけるべき状態を検知していなければ、AttentionLED56を消灯する。
【0082】
(パネル部11の通信表示と携帯端末2での状態表示)
次に、図7を用いて、本実施形態のパネル部11の各LED51〜56を用いた携帯端末2向けの通信表示の一例を説明する。図7は、パネル部11の各LED51〜56を用いた携帯端末2向けの通信表示の一例を示すタイミングチャートである。
【0083】
本実施形態のプリンター1のパネル部11は、使用者向けの通常のプリンター1の状態表示の途中で、各LED51〜56を用いて、携帯端末2向けのプリンター1の状態を示す光信号を発する(通信表示を行う)。この光信号では、プリンター制御部10は、各LED51〜56の点消灯パターンを切り替えることにより、光信号にプリンター1の状態情報を含める。言い換えると、パネル部11は、符号化された各LED51〜56の点消灯パターンを発信する。
【0084】
図7に示すように、プリンター制御部10は、通常の各LED51〜56を用いた使用者に対する状態表示を一定の区間行う(図7での通常表示区間t1)。そして、通常表示区間t1と通常表示区間t1の間で、携帯端末2に対する通信表示を行う区間が設けられる(図7での通信表示区間t2)。
【0085】
このように、本実施形態のプリンター1のパネル部11は、通常表示(使用者向けの表示)と通信表示(携帯端末2向けの表示)を時分割で切り替える。言い換えると、パネル部11は、予め定められた時間の間、使用者向けの通常の状態表示を行い、一旦、携帯端末2向けの通信表示を行った後、再び、使用者向けの通常の状態表示を行う。尚、携帯端末2に対して光信号を発する通信表示を行う通信表示区間t2の長さは、携帯端末2で撮影できればよく、人間の目で追えなくても良い。
【0086】
尚、通常表示区間t1の長さや、通信表示区間t2の長さは、プリンター1に接続されるコンピューター200で設定できるようにしても良い。例えば、コンピューター200にインストールされるプリンタードライバソフトウェア上で、通常表示区間t1の長さや通信表示区間t2の設定を受け付け、設定内容をプリンター1に送信する。これにより、使用者による設定に応じ、プリンター制御部10は、状態表示と通信表示を切り替える。
【0087】
そして、使用者は、スマートフォンなどの携帯端末2でパネル部11を撮影することにより、通信表示区間t2でのパネル部11が発する光信号を携帯端末2に受信、認識させる。そのため、本実施形態の携帯端末2のフラッシュメモリー24には、携帯制御部20にプリンター1から発せられ、撮像部26で受信された光信号に含まれる情報を認識させ、認識した情報に基づき、プリンター1の情報を携帯端末2の表示部21に表示させるアプリケーション7が記憶される。
【0088】
使用者のタッチ等によって、光信号に含まれる情報の認識等を行うためのアプリケーション7が起動されると、携帯制御部20は、パネル部11から発信される光信号に含まれるプリンター1の状態情報を撮像部26で受け取る。そして、アプリケーション7には、各LED51〜56の点消灯パターンが意味する内容を認識するため、パネル部11と携帯端末2間の光信号による通信の規約(プロトコル)が含まれる。そして、携帯制御部20は、光信号に含まれるプリンター1の状態情報を認識する。又、プリンター制御部10は、通信の規約に基づき、通信表示区間t2で各LED51〜56を点消灯させる。
【0089】
ここで、パネル部11がどのタイミングで携帯端末2に向けて光信号を発しているかを携帯端末2側で認識できるようにするため、本実施形態の画像形成システム100では、プリンター制御部10は、通常表示区間t1の状態からReadyLED51の発光状態を切り替えて通信表示区間t2であることを携帯端末2に知らせる。携帯制御部20は、ReadyLED51の発光状態の切り替わり(点灯→消灯、消灯→点灯)を撮像部26が撮影した画像データに基づき認識し、パネル部11が携帯端末2に向けての光信号を発しているか否かを認識する。尚、通信表示区間t2であることを携帯端末2に知らせる基準とするLED5は、ReadyLED51ではなく、他のLED5を用いてもよい。
【0090】
通常、ReadyLED51は、点灯状態で維持される。そして、プリンター制御部10は、携帯端末2向けの光信号を発する通信状態となるとき(通信表示区間t2の間)、ReadyLED51を一時的に消灯する(図7でのReadyLED(1)のタイミングチャート)。又、図7に示すように、プリンター制御部10は、ReadyLED51を消灯している区間では、携帯端末2に情報を伝達するため、残りの5つのLED52〜56の点消灯パターンに切り替える。これにより、5つのLED52〜56により符号化された情報が発せられる。
【0091】
図7に示すように、本実施形態では、プリンター制御部10は、通信表示区間t2では、5つのLED52〜56(DataLED52、JamLED53、PaperLED54、TonerLED55、AttentionLED56)を、プリンター1の状態情報に応じて、通常表示区間t1と点消灯パターンを切り替える。そして、5つのLED52〜56の符号化された点消灯パターンによって、プリンター制御部10は、携帯端末2にプリンター1の状態を示す情報を含む光信号をパネル部11に発信させる。
【0092】
このように、通常表示区間t1で、ReadyLED51が点灯状態で維持されるとき、携帯制御部20は、撮像部26により撮影された画像データでのReadyLED51が消灯しているときの各LED51〜56の点消灯パターンと規約に基づき、光信号に含まれる情報を認識して、プリンター1の状態を認識する。そして、携帯制御部20は、認識したプリンター1の状態を示す情報を表示部21に表示させる。これにより、使用者はプリンター1の状態について、詳細な内容を携帯端末2で確認できる。
【0093】
尚、ReadyLED51は、通常表示区間t1で、消灯状態で維持されている場合もある。携帯制御部20は、通常表示区間t1で、ReadyLED51が点灯状態で維持されているか、消灯状態で維持されているかを認識できる。撮像部26は、撮影により得られた画像データを仕様上定められた周期(フレームレート)で携帯制御部20に出力する。そして、通常表示区間t1は、通信表示区間t2よりも長い。携帯制御部20は、ReadyLED51が位置する画素の画素値に基づき、通常表示区間t1で、ReadyLED51が点灯状態で維持されているか、消灯状態で維持されているかを認識できる。
【0094】
そして、プリンター制御部10は、ReadyLED51が消灯状態で維持されていて携帯端末2に向けて光信号を発する通信状態となるとき(通信表示区間t2の間)、ReadyLED51を一時的に点灯する(図7でのReadyLED(2)のタイミングチャート)。又、図7に示すように、プリンター制御部10は、ReadyLED51を点灯している区間で、携帯端末2にプリンター1の状態情報を送信するため、5つのLED52〜56の点消灯パターンを切り替えて情報を伝達する。
【0095】
通常表示区間t1で、ReadyLED51が消灯状態で維持されていると認識したとき、携帯制御部20は、撮像部26により撮影された画像データでのReadyLED51が点灯しているときの各LED51〜56の点消灯パターンと規約に基づき、光信号に含まれる情報を認識して、プリンター1の状態を認識する。
【0096】
尚、図7のタイミングチャートでは、プリンター制御部10は、通信表示区間t2で、5つのLED52〜56の点消灯パターンを1パターンだけ表示する例を示している。しかし、携帯端末2の撮像部26が画像データを出力する周期(フレームレート)を越えない周期で、プリンター制御部10は、通信表示区間t2で、5つのLED52〜56の点消灯パターンを複数回切り替えても良い。これにより、1回の通信表示区間t2で発せられる情報の量を増やすことができる。
【0097】
又、プリンター1側では、携帯端末2で何時からパネル部11が撮影されるかを認識できない。そこで、プリンター制御部10は、定期的に、プリンター1の状態を含む光信号のスタート地点を示す予め定められた点消灯パターンで各LED51〜56に表示させる。携帯端末2向けの光信号のスタートを示す点消灯パターンは、規約に定められる。携帯制御部20は、撮像部26から出力される通信表示区間t2での画像データで、光信号のスタートを示す点消灯パターンを認識し、光信号のスタート地点を認識する。
【0098】
(携帯端末2に向けての通信表示と、携帯端末2での状態表示の流れ)
次に、図8を用いて、本実施形態に係る携帯端末2に向けての通信表示と、携帯端末2での状態表示の流れの一例を説明する。図8は、パネル部11の各LED51〜56を用いた携帯端末2に向けての通信表示と、携帯端末2での状態表示の流れの一例を示すフローチャートである。
【0099】
まず、図8のスタートは、携帯端末2で、タッチパネル部22への操作等により、アプリケーション7が起動された時点である。
【0100】
まず、エラー発生や、印刷ジョブ実行中など、使用者によるプリンター1の状態確認が必要になると、プリンター制御部10は、通常表示区間t1の間に通信表示区間t2を設け、予め定められた通信表示区間t2で、パネル部11の各LED51〜56の点消灯パターンを切り替えて、携帯端末2に向けて、プリンター1の状態を示す状態情報を含む光信号をパネル部11に発信させる(ステップ♯1)。
【0101】
尚、プリンター制御部10は、光信号を発信するとき、まず、光信号のスタートを示す点消灯パターンでパネル部11の各LED51〜56を点消灯させる。続いて、プリンター制御部10は、規約に従って、通常表示区間t1になるごとに、パネル部11の各LED51〜56の点消灯パターンを切り替えてプリンター1の状態情報を含む光信号を順次発信する。そして、プリンター制御部10は、携帯端末2に向けて状態情報を伝えるうえで最後の光信号を発すると、再び光信号のスタートを示す点消灯パターンでパネル部11の各LED51〜56を点消灯させる。そして、再度、通常表示区間t1になるごとに、状態情報を含む光信号を順次発信する。このように、プリンター制御部10は、使用者によるプリンター1の状態確認が必要になると、光信号のスタートを示す点消灯パターンの表示と状態情報の発信をパネル部11に繰り返させる。
【0102】
一方、携帯端末2では、アプリケーション7の起動により、携帯制御部20は、撮像部26を起動、動作させる(ステップ♯2)。そして、使用者がプリンター1のパネル部11に携帯端末2をかざすことにより、携帯端末2の撮像部26は、プリンター1のパネル部11を撮影する(ステップ♯3)。
【0103】
そして、携帯制御部20は、通信表示区間t2での撮影により得られた画像データに基づき、各LED51〜56の点消灯パターンを認識する(ステップ♯4)次に、携帯制御部20は、プリンター1の状態を伝達する上で、全ての(一連の)点消灯パターンの認識を終えたか否かを確認する(ステップ♯5)。言い換えると、携帯制御部20は、撮影して、認識すべき点消灯パターンを全て認識したか否かを確認する。例えば、携帯制御部20は、スタート地点を示す点消灯パターンを認識してから、次にスタート地点を示す点消灯パターンを認識すると、認識すべき点消灯パターンを全て認識したと判断する。
【0104】
もし、全ての点消灯パターンを認識していなければ(ステップ♯5のNo)、フローは、ステップ♯3に戻る。一方、全ての点消灯パターンを認識していれば(ステップ♯5のYes)、携帯制御部20は、点消灯パターンと規約に基づき、通信表示区間t2での光信号に含まれるプリンター1の状態情報を認識する(ステップ♯6)。そして、携帯制御部20は、認識したプリンター1の状態情報を表示部21に表示させる(ステップ♯7→エンド)。
【0105】
(携帯端末2でのプリンター1の状態表示)
次に、図9〜図12を用いて、本実施形態の携帯端末2でのプリンター1の状態表示の一例を説明する。図9は、携帯端末2の光信号取得中(受信中)の表示の一例を示す説明図である。図10は、携帯端末2におけるプリンター1の印刷中の状態表示の一例を示す説明図である。図11、図12は、携帯端末2におけるエラー発生時のプリンター1の状態表示の一例を示す説明図である。
【0106】
まず、本実施形態の携帯端末2では、携帯制御部20は、撮像部26の撮影により得られ、入力される画像データ(場合により、画像処理部20bで処理後の画像データ)を表示部21に表示させる。撮像部26は、一定の周期で画像データを携帯制御部20に出力する。そのため、携帯制御部20は、一定の周期で入力される画像データに基づき、表示部21に一定周期で表示を切り替えさせる(「スルー表示」や「プレビュー表示」と呼ばれることもある)。例えば、ディジタルカメラでのシャッターを切る前の表示状態が該当する。そのため、携帯端末2の表示部21は、動画的に撮像部26の撮影状態を表示する。これにより、使用者は、携帯端末2の表示部21を見て、構図や被写体までの距離などを確認し、撮像部26の撮影状態を認識することができる。
【0107】
そして、タッチパネル部22によるタッチ等で、各LED51〜56の点消灯パターンに基づく光信号に含まれる情報を携帯端末2で認識し、プリンター1の状態表示を携帯端末2で行えるようにするためのアプリケーション7が起動されると、プリンター制御部10は、撮像部26を動作させ、撮影された画像データを表示部21に表示させる(図9等参照)。
【0108】
アプリケーション7が起動されると、使用者は、プリンター1のパネル部11に設けられた各LED51〜56の全てが撮影範囲に含まれるように、パネル部11を撮影する。ここで、携帯制御部20は、パネル部11のLED5を収めるべき枠9を表示部21に表示させる。又、図9〜図12に示すように、携帯制御部20は、表示部21に表示された枠9の説明を表示する枠説明欄91を表示させる。枠9や枠説明欄91を表示するための画像データや表示部21での枠9等の表示位置を示すデータは、アプリケーション7内に含まれる。
【0109】
図9〜図12に示すように、この枠説明欄91には、「ReadyLEDをこの枠に合わせて下さい」といった説明が含まれる。これにより、使用者は、プリンター1のパネル部11が発する光信号を正確に撮影するうえで、携帯端末2の撮像部26で撮影すべき適切な構図を認識できる。
【0110】
尚、携帯端末2の左下の位置には、アプリケーション7で、使用しているプリンター1に対応する機種を選択する機種選択欄92が設けられる。機種によっては、パネル部11のLED5の個数や設置位置が変わることもある。そこで、使用者は、機種選択欄92を押して操作することで、プリンター1の機種を選択することができる。
【0111】
携帯制御部20は、通信表示区間t2での撮像部26の撮影による画像データに基づき、パネル部11の各LED51〜56の点消灯の状態を認識する。例えば、撮像部26の撮影による画像データ中、各LED51〜56に対応する画素の位置がアプリケーション7内で定められている。そして、例えば、携帯制御部20は、各LED51〜56に対応する位置の画素の画素値(濃い、薄い)によって、各LED51〜56が点灯しているか、消灯しているかを認識する。
【0112】
そして、携帯制御部20は、DataLED52、JamLED53、PaperLED54。TonerLED55、AttentionLED56の点灯、消灯のパターンにより、プリンター1のパネル部11から発せられる光信号の内容を認識する。
【0113】
5つのLED52〜56の点消灯により、1つの点消灯パターンで、5ビット分の情報を携帯端末2は取得できる。後述のように、文字等の情報も光信号としてプリンター1のパネル部11から携帯端末2に向けて発信される。そのため、プリンター1の状態を示す情報をパネル部11が発信し終えるまで、携帯端末2の撮像部26で複数回分の点消灯パターンを撮影する必要がある場合もある。言い換えると、複数回にわたって通信表示区間t2のパネル部11を撮影し続ける必要が有る場合もある。
【0114】
そのため、一連の点消灯パターンの読み取り中、携帯制御部20は、パネル部11が発する光信号の撮影、取得を開始した旨や、光信号を受信中(読取中)である旨や、光信号による情報の取得、認識が完了した旨を表示部21に表示させてもよい。
【0115】
次に、図10〜図12を用いて、状況に応じたプリンター1のパネル部11からの光信号の発信と、携帯端末2の表示部21での表示を説明する。
【0116】
まず、図10を用いて、印刷中での光信号の発信と携帯端末2での表示を説明する。例えば、印刷中、プリンター1のパネル部11は、携帯端末2に向けて、各LED51〜56を用いて印刷中のジョブに関する情報を光信号として発信する。例えば、プリンター制御部10は、現在印刷中である旨や、印刷しているユーザー名を示す情報(印刷用データを送信したコンピューター名でもよい。図10では、ユーザー名を「Aaaa」と例示)や、印刷用データのデータ名(図10では、データ名を「報告書」と例示)を示す情報や、印刷ジョブの全ページ中、現在、何ページ目を印刷しているかを示す情報(図10では、「25/50 page」と例示)や、用紙残量センサー82の出力に基づくカセット131内の用紙残量を示す情報(図10では、「20%」と例示)を含む光信号を、5つのLED52〜56の点消灯パターンの切替により、携帯端末2に向けてパネル部11に発信させる。
【0117】
携帯制御部20は、撮像部26の撮影により得られた画像データを確認し、5つのLED52〜56の点消灯パターンを認識し、一連の点消灯パターンと規約によって、印刷中である旨や、ユーザー名、印刷用データのデータ名、全ページ中、現在、何ページ目を印刷しているかを示す情報、カセット131内の用紙残量を示す情報の内容を認識する。言い換えると、携帯制御部20は、撮像部26のパネル部11の撮影により得られた画像データに基づき、プリンター1の印刷中の状態を認識する。そして、携帯制御部20は、携帯端末2の表示部21に、新たに状態表示欄93を表示し、状態表示欄93にプリンター1の印刷中の状態を表示させる。
【0118】
次に、図11、図12を用いて、エラー発生時の光信号の発信と携帯端末2での表示を説明する。使用者は、プリンター1のパネル部11の通常の状態表示によって、何らかのエラーが発したことを認識する。
【0119】
エラーが発生したとき、印刷中、プリンター1のパネル部11は、携帯端末2に向けて、発生したエラーに関する情報を光信号として発信する。例えば、プリンター制御部10は、現在エラー発生中である旨や、発生したエラーを示す種類を発信する。
【0120】
例えば、図11は、ジャムが発生したときの携帯端末2での表示の一例を示す。プリンター制御部10は、用紙センサー841〜843の出力に基づき、用紙のジャムを検知したとき、携帯端末2に向けて、ジャムのエラーが発生した旨を示す情報や、ジャムを解消する上で開けるべきカバーを示す情報をパネル部11に光信号として発信させる。
【0121】
携帯制御部20は、撮像部26の撮影により得られた画像データを確認し、5つのLED52〜56の点消灯パターンを認識し、一連の点消灯パターンと規約によって、エラーが発生した旨や、エラーとしてジャムが発生した旨や、開けるべきカバーを示す情報を認識する。言い換えると、携帯制御部20は、撮像部26のパネル部11の撮影により得られた画像データに基づき、エラーが発生しているプリンター1の状態を認識する。そして、携帯制御部20は、携帯端末2の表示部21に、新たに状態表示欄94を表示し、状態表示欄94にプリンター1の発生したエラーや処理方法を表示させる。
【0122】
又、例えば、図12は、トナー切れが発生したときの携帯端末2での表示の一例を示す。プリンター制御部10は、トナーセンサー85M〜85Bkの出力に基づき、コンテナー6の空を検知したとき、携帯端末2に向けて、トナー切れが発生した旨を示す情報や、トナーが空になったコンテナー6を示す情報や、各色のコンテナー6の残量を示す情報をパネル部11に光信号を発信させる。
【0123】
携帯制御部20は、撮像部26の撮影により得られた画像データを確認し、5つのLED52〜56の点消灯パターンを認識し、一連の点消灯パターンと規約によって、トナー切れのエラーが発生した旨や、空になったコンテナー6を示す情報や、各色のコンテナー6の残量を示す情報を認識する。言い換えると、携帯制御部20は、撮像部26のパネル部11の撮影により得られた画像データに基づき、トナー切れのエラーが発生しているプリンター1の状態を認識する。そして、携帯制御部20は、携帯端末2の表示部21に、新たに状態表示欄95を表示し、例えば、トナー切れが発生した旨や、各色のコンテナー6の残量を状態表示欄95に表示させる。
【0124】
このようにして、本実施形態の画像形成システム100は、画像形成装置(例えば、プリンター1)と携帯端末2と、を含み、画像形成装置は、印刷を行う印刷エンジン部12(給紙部13、搬送路14、画像形成部15、搬送ベルトユニット16、定着部17等)と、画像形成装置の状態を検知するための状態検知部(例えば、カセットセンサー81、用紙残量センサー82、用紙切れセンサー83、用紙センサー841〜843、トナーセンサー85M〜85Bk、上面カバーセンサー86、正面カバーセンサー87等)と、画像形成装置の状態を表示する発光素子(各LED51〜56)を複数含み、発光素子により使用者に対し画像形成装置の状態を表示している途中で、複数の発光素子の点消灯パターンを切り替えて携帯端末2に向けての画像形成装置の状態情報を含む光信号を発信するパネル部11と、を含み、携帯端末2は、撮像部26と、アプリケーション7を記憶する記憶部(フラッシュメモリー24)と、画像、画面を表示する表示部21と、アプリケーション7に基づき、パネル部11を撮像部26で撮影することにより得られた画像データから光信号に含まれる画像形成装置の状態情報を認識し、画像形成装置の状態を表示部21に表示させる処理部(携帯制御部20)と、を含む。
【0125】
又、本発明は、画像形成システム100での画像形成装置として捉えることもできる。具体的に、画像形成装置(例えば、プリンター1)は、印刷を行う印刷エンジン部12(給紙部13、搬送路14、画像形成部15、搬送ベルトユニット16、定着部17等)と、画像形成装置の状態を検知するための状態検知部(例えば、カセットセンサー81、用紙残量センサー82、用紙切れセンサー83、用紙センサー841〜843、トナーセンサー85M〜85Bk、上面カバーセンサー86、正面カバーセンサー87等)と、画像形成装置の状態を表示する発光素子(各LED51〜56)を複数含み、発光素子により使用者に対し画像形成装置(例えば、プリンター1)の状態を表示している途中で、複数の発光素子の点消灯パターンを切り替えて携帯端末2に向けての画像形成装置の状態情報を含む光信号を発信するパネル部11と、を含む。
【0126】
又、本発明は、画像形成システム100での携帯端末2として捉えることもできる。具体的に、携帯端末2は、撮像部26と、アプリケーション7を記憶する記憶部(フラッシュメモリー24)と、画像、画面を表示する表示部21と、アプリケーション7に基づき、画像形成装置(例えば、プリンター1)の複数の発光素子(各LED51〜56)を撮像部26で撮影することにより得られた画像データから光信号に含まれる画像形成装置の状態情報を認識し、画像形成装置の状態を表示部21に表示させる処理部(携帯制御部20)と、を含む。
【0127】
これらの画像形成システム100、画像形成装置(例えば、プリンター1)、携帯端末2によれば、携帯端末2で画像形成装置の各発光素子(各LED51〜56)を撮影するだけで、使用者は、携帯端末2で画像形成装置の状態を認識することができる。従って、使用者は、従来のように、複数回切り替わる発光素子の点消灯パターンを認識し、マニュアル等を見ながら、画像形成装置がいかなるメッセージを発しているか翻訳せずに済む。又、光信号に含ませる画像形成装置の状態情報が多くても、使用者の負担の増大は無い。又、使用者は、従来のように、画像形成装置の状態を知るために、画像形成装置の状態を表示するコンピューター200の設置場所まで移動しなくてもよい。そして、使用者は、画像形成装置から発せられるメッセージを正確、容易に携帯端末2で認識することができる。このように、簡易、正確に画像形成装置の状態を認識することができ、使用者の使いやすさを向上させることができる。
【0128】
又、画像形成システム100では、画像形成装置(例えば、プリンター1)は、画像形成装置の機種に対応したアプリケーション7のダウンロード先を示す情報を含むコード表示体(コード1e)を有し、携帯端末2は、外部と通信を行うための通信部(無線通信部29)を有し、携帯端末2の処理部(携帯制御部20)は、撮像部26でコード表示体を撮影することにより得られた画像データに基づき、アプリケーション7のダウンロード先を認識し、携帯端末2の通信部(無線通信部29)は、認識されたダウンロード先から、画像形成装置に対応したアプリケーション7を取得する。又、画像形成装置の発明と捉えた場合、画像形成装置(例えば、プリンター1)は、機種に対応したアプリケーション7のダウンロード先を示す情報を含むコード表示体(コード1e)を有する。
【0129】
これにより、複雑な操作、作業無しに、画像形成装置(例えば、プリンター1)の形式、タイプに対応したアプリケーション7を携帯端末2にダウンロードすることができる。従って、撮像部26を用いた画像形成装置(例えば、プリンター1)の状態認識を携帯端末2で容易に行えるようにすることができる。
【0130】
又、画像形成システム100では、パネル部11は、複数の発光素子(各LED51〜56)のうち、何れか1つの発光素子を光信号が発信中であることを携帯端末2に伝えるための基準発光素子(例えば、ReadyLED51)として用いるとともに、光信号の発信中、基準発光素子を点灯又は消灯させ、携帯端末2の処理部(携帯制御部20)は、基準発光素子が点灯している又は消灯している状態で光信号発信中の撮像部26による撮影で得られた画像データから光信号に含まれる状態情報を認識する。又、画像形成装置の発明と捉えた場合、パネル部11は、複数の発光素子のうち、何れか1つの発光素子を光信号が発信中であることを携帯端末2に伝えるための基準発光素子として用いるとともに、光信号の発信中、基準発光素子を点灯又は消灯させる。
【0131】
これにより、パネル部11の光信号の発信(発光)の開始時点と終了時点を基準発光素子により携帯端末2に対して示すことができる。従って、携帯端末2の処理部は、光信号に含まれる情報を正確に認識できる。
【0132】
又、画像形成システム100では、携帯端末2の表示部21は、撮像部26の撮影により得られた画像データに基づき、撮像部26の撮影状態を表示し、携帯端末2の処理部(携帯制御部20)は、アプリケーション7に基づき、撮影状態の表示中、パネル部11の発光素子(各LED51〜56)を収めるべき枠9を表示部21に表示させる。これにより、パネル部11からの光信号を受信するうえで、使用者に好適な構図で撮像部26による撮影を行わせることができる。従って、光信号に含まれる情報を携帯端末2の処理部に正確に認識させることができる。
【0133】
又、画像形成システム100では、印刷中、画像形成装置(例えば、プリンター1)のパネル部11は、印刷状況を示す光信号を発信し、携帯端末2の処理部(携帯制御部20)は、画像形成装置の印刷中の状態を表示部21に表示させる。又、画像形成装置の発明と捉えた場合、印刷中、パネル部11は、印刷状況を示す光信号を発信する。これにより、残りの印刷枚数等、印刷中の画像形成装置の状態を容易に知ることができる。
【0134】
又、画像形成システム100では、状態検知部(例えば、カセットセンサー81、用紙残量センサー82、用紙切れセンサー83、用紙センサー841〜843、トナーセンサー85M〜85Bk、上面カバーセンサー86、正面カバーセンサー87等)によりエラーの発生が検知されたとき、画像形成装置(例えば、プリンター1)のパネル部11は、少なくとも発生したエラーの種類を示す光信号を発信し、携帯端末2の処理部(携帯制御部20)は、発生したエラーを表示部21に表示させる。又、画像形成装置の発明と捉えた場合、状態検知部によりエラーの発生が検知されたとき、パネル部11は、少なくとも発生したエラーの種類を示す光信号を発信する。これにより、携帯端末2の撮像部26をパネル部11にかざして撮影すれば、発生したエラーを直ちに認識することができる。
【0135】
他の実施形態を説明する。エラー発生時のプリンター1の状態として、ジャムやトナー切れを例に挙げて説明したが、例えば、プリンター1のデータ通信部18での画像データの受信エラーや、給紙部13のカセット131の用紙切れ等、他のエラーについても、プリンター1のパネル部11は、携帯端末2に向けて光信号を発し、撮影により得られた画像データに基づき、携帯端末2でプリンター1の状態表示を行ってもよい。
【0136】
又、上述の実施形態では、印刷中のプリンター1の状態やエラー発生時のプリンター1の状態となると、プリンター1のパネル部11は、携帯端末2に向けて光信号を発し、撮影により得られた画像データに基づき、携帯端末2でプリンター1の状態表示を行う例を説明した。しかし、印刷中やエラー発生時ではなく、印刷をしていない待機中にプリンター1のパネル部11は、携帯端末2に向けて光信号を発し、撮影により得られた画像データに基づき、携帯端末2でプリンター1の状態表示を行ってもよい。この場合、例えば、プリンター1のパネル部11は、携帯端末2に向けて、各コンテナー6のトナー残量やカセット131での用紙残量などの情報を含む光信号を発し、携帯端末2で、トナー残量や用紙残量などについて、プリンター1の状態表示を行ってもよい。
【0137】
又、上記実施形態では、携帯端末2として、スマートフォンを例に挙げて説明したが、撮像部26、表示部21、無線通信部29(通信部)、携帯制御部20等を備えるものであれば良く、本発明は、例えば、携帯電話、PDA(携帯情報端末)、携帯用ノートパソコン、携帯ゲーム機等にも適用可能である。
【0138】
又、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、撮像部(カメラ)を備えた携帯端末や、液晶パネルを有さないプリンター等の画像形成装置や、これらの携帯端末や画像形成装置を備えた画像形成システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0140】
100 画像形成システム 1 プリンター(画像形成装置)
1e コード(コード表示体) 11 パネル部
12 印刷エンジン部 13 給紙部(印刷エンジン部)
14 搬送路(印刷エンジン部) 15 画像形成部(印刷エンジン部)
16 搬送ベルトユニット(印刷エンジン部)
17 定着部(印刷エンジン部)
51 ReadyLED(発光素子、基準発光素子)
52 DataLED(発光素子) 53 JamLED(発光素子)
54 PaperLED(発光素子) 55 TonerLED(発光素子)
56 AttentionLED(発光素子)
81 カセットセンサー(状態検知部) 82 用紙残量センサー(状態検知部)
83 用紙切れセンサー(状態検知部) 841 用紙センサー(状態検知部)
842 用紙センサー(状態検知部) 843 用紙センサー(状態検知部)
85M トナーセンサー(状態検知部) 85C トナーセンサー(状態検知部)
85Y トナーセンサー(状態検知部) 85Bk トナーセンサー(状態検知部)
86 上面カバーセンサー(状態検知部)
87 正面カバーセンサー(状態検知部)
2 携帯端末 20 携帯制御部(処理部)
21 表示部 24 フラッシュメモリー(記憶部)
26 撮像部 29 無線通信部(通信部)
9 枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と携帯端末と、を含み、
前記画像形成装置は、
印刷を行う印刷エンジン部と、
前記画像形成装置の状態を検知するための状態検知部と、
前記画像形成装置の状態を表示する発光素子を複数含み、前記発光素子により使用者に対し前記画像形成装置の状態を表示している途中で、複数の前記発光素子の点消灯パターンを切り替えて前記携帯端末に向けての前記画像形成装置の状態情報を含む光信号を発信するパネル部と、を含み、
前記携帯端末は、
撮像部と、
アプリケーションを記憶する記憶部と、
画像、画面を表示する表示部と、
前記アプリケーションに基づき、前記パネル部を前記撮像部で撮影することにより得られた画像データから前記光信号に含まれる前記画像形成装置の状態情報を認識し、前記画像形成装置の状態を前記表示部に表示させる処理部と、を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記画像形成装置の機種に対応した前記アプリケーションのダウンロード先を示す情報を含むコード表示体を有し、
前記携帯端末は、外部と通信を行うための通信部を有し、
前記携帯端末の前記処理部は、前記撮像部で前記コード表示体を撮影することにより得られた画像データに基づき、前記アプリケーションのダウンロード先を認識し、
前記携帯端末の前記通信部は、認識されたダウンロード先から、前記画像形成装置に対応した前記アプリケーションを取得することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記パネル部は、複数の前記発光素子のうち、何れか1つの前記発光素子を前記光信号が発信中であることを前記携帯端末に伝えるための基準発光素子として用いるとともに、前記光信号の発信中、前記基準発光素子を点灯又は消灯させ、
前記携帯端末の前記処理部は、前記基準発光素子が点灯している又は消灯している状態で前記光信号発信中の前記撮像部による撮影で得られた画像データから光信号に含まれる状態情報を認識することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記携帯端末の前記表示部は、前記撮像部の撮影により得られた画像データに基づき、前記撮像部の撮影状態を表示し、
前記携帯端末の前記処理部は、前記アプリケーションに基づき、前記撮影状態の表示中、前記パネル部の前記発光素子を収めるべき枠を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
印刷中、前記画像形成装置の前記パネル部は、印刷状況を示す前記光信号を発信し、
前記携帯端末の前記処理部は、前記画像形成装置の印刷中の状態を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記状態検知部によりエラーの発生が検知されたとき、前記画像形成装置の前記前記パネル部は、少なくとも発生したエラーの種類を示す前記光信号を発信し、
前記携帯端末の前記処理部は、発生したエラーを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
印刷を行う印刷エンジン部と、
前記画像形成装置の状態を検知するための状態検知部と、
画像形成装置の状態を表示する発光素子を複数含み、前記発光素子により使用者に対し前記画像形成装置の状態を表示している途中で、複数の前記発光素子の点消灯パターンを切り替えて前記携帯端末に向けての前記画像形成装置の状態情報を含む光信号を発信するパネル部と、を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
機種に対応した前記アプリケーションのダウンロード先を示す情報を含むコード表示体を有することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記パネル部は、複数の前記発光素子のうち、何れか1つの発光素子を前記光信号が発信中であることを前記携帯端末に伝えるための基準発光素子として用いるとともに、前記光信号の発信中、前記基準発光素子を点灯又は消灯させることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
印刷中、前記パネル部は、印刷状況を示す前記光信号を発信することを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記状態検知部によりエラーの発生が検知されたとき、前記パネル部は、少なくとも発生したエラーの種類を示す前記光信号を発信することを特徴とする請求項7乃至10の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
撮像部と、
アプリケーションを記憶する記憶部と、
画像、画面を表示する表示部と、
前記アプリケーションに基づき、画像形成装置の複数の発光素子を前記撮像部で撮影することにより得られた画像データから前記光信号に含まれる前記画像形成装置の状態情報を認識し、前記画像形成装置の状態を前記表示部に表示させる処理部と、を含むことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−29980(P2013−29980A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165431(P2011−165431)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】