画像形成システム、画像形成装置及びプログラム
【課題】複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置が、ユーザによって指定された画像の画像データをその記憶場所から読み出してその画像を形成する場合に、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくする。
【解決手段】ユーザが画像形成装置20Aにおいてユーザ認証を行ったときに、認証サーバ30において、認証されたユーザについてスプーラ情報が設定されていない場合、画像形成装置20Aは、他の画像形成装置20に対してこのユーザの印刷データが格納されているかを問い合わせる。肯定的な応答があった場合、画像形成装置20Aは、認証サーバ30に対して、応答を送信した画像形成装置20をこのユーザのスプーラ情報に設定するよう指示する。
【解決手段】ユーザが画像形成装置20Aにおいてユーザ認証を行ったときに、認証サーバ30において、認証されたユーザについてスプーラ情報が設定されていない場合、画像形成装置20Aは、他の画像形成装置20に対してこのユーザの印刷データが格納されているかを問い合わせる。肯定的な応答があった場合、画像形成装置20Aは、認証サーバ30に対して、応答を送信した画像形成装置20をこのユーザのスプーラ情報に設定するよう指示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された複数の画像形成装置のうち、どの画像形成装置を用いても、ユーザが指定する画像を形成可能とするための技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザによりクライアントPCを用いて印刷の指示が行われた画像データをプリントサーバが記憶し、ユーザが操作中の画像形成装置が、このユーザにより指定された画像データをプリントサーバからダウンロードして印刷を実行することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−79510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置がユーザによって指定された画像の画像データをその記憶場所から読み出してその画像を形成する場合に、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成システムは、画像を形成する複数の画像形成装置と、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される前記画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを備え、各々の前記画像形成装置は、前記ユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成システムは、各々の前記画像形成装置が、前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報が表す画像形成装置に対して、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データが当該画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に記憶されているかを問い合わせる問い合わせ手段を備え、前記記憶制御手段は、自手段を備える前記画像形成装置による前記問い合わせに対して前記画像データが前記第1の記憶手段に記憶されている旨の応答があった回数が閾値以上の場合に、問合せ先の前記画像形成装置を表す前記装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データを、当該画像データに応じた画像を形成する画像形成手段に出力する出力手段ととして機能させる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の画像形成システムによれば、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けの登録又は更新がユーザ自身の操作により行われる場合と比較して、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることができる。
請求項2に記載の画像形成システムによれば、画像データが記憶されていた回数が閾値以上である画像形成装置をその画像データの記憶場所として登録又は更新する構成を有しない場合と比較して、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることができる。
請求項3に記載の画像形成装置によれば、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けの登録又は更新がユーザ自身の操作により行われる場合と比較して、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることができる。
請求項4に記載のプログラムによれば、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けの登録又は更新がユーザ自身の操作により行われる場合と比較して、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成システムの構成を示すブロック図
【図2】通信端末のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図4】印刷データを示す図
【図5】認証サーバのハードウェア構成を示すブロック図
【図6】認証情報を示す図
【図7】画像形成システムの機能的構成を表すブロック図
【図8】画像形成システムの動作を示すフローチャート
【図9】画像形成システムの動作を示すフローチャート
【図10】更新後の認証情報を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<構成>
図1は、本発明の一実施形態である画像形成システム100の構成を示すブロック図である。画像形成システム100は、通信端末10と、画像形成装置20A、20B及び20Cと、認証サーバ30と、ネットワークNWとを備える。画像形成装置20A、20B及び20Cを区別する必要がない場合には、符号の末尾に付された文字を省略して、画像形成装置20という。また、画像形成装置20及び通信端末10の数は、図1に示したものに限らない。ネットワークNWは、例えば携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)などの移動通信網やインターネットなどの固定通信網を含む通信網である。
【0012】
通信端末10は、例えば携帯電話機、無線LANに接続可能な無線端末、通信機能を備えたPC(Personal Computer)のような、画像形成装置20と通信が可能な通信端末であって、図1ではPCの例を挙げている。画像形成装置20は、例えば電子写真方式のプリンタである。画像形成装置20は、通信端末10から送信されてきた印刷データを格納する格納場所を備えている。ここで印刷データとは、ユーザが通信端末10を用いて指示した印刷処理に関するデータであって、ユーザを識別するユーザIDや、印刷対象の画像データや、時刻情報などが含まれる。なお、ここで印刷とは、電子写真方式で画像を形成することを指す。認証サーバ30は、ユーザIDと、パスワードと、各ユーザの通信端末10から送信された印刷データを格納する格納場所であるスプーラとして指定されている画像形成装置20を識別する情報とを対応付けて記憶したサーバ装置である。画像形成装置20を識別する情報は、例えば、各々の画像形成装置20に割り当てられた名称やIP(Internet Protocol)アドレスなどのアドレス情報である。
【0013】
図2は、通信端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。通信端末10は、制御部11、記憶部12、通信部13、操作部14及び表示部15を有する。各部はバスによって電気的に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。CPUは、ROM又は記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部11と接続されている各部を制御する。記憶部12は、例えばハードディスクのような記憶装置であって、例えば制御プログラムやプリンタドライバ121を記憶する。プリンタドライバ121は、画像形成装置20を制御する機能を有するプログラムである。
【0014】
通信部13は、制御部11の制御の下で、画像形成装置20と通信を行う。操作部14は、クリック操作を受け付けるマウスや複数のキーを有しており、ユーザによってこれらのマウスやキーが操作されるとその操作内容に応じた信号を制御部11へ供給する。制御部11は、この信号に基づいて操作内容を判断して処理を行う。表示部15は、例えば液晶ディスプレイのような表示体やVRAM(Video Random Access Memory)などのメモリを備えており、制御部11の制御の下で各種の画像を液晶ディスプレイに表示する。
【0015】
プリンタドライバ121には、予めユーザIDとスプーラ情報とが対応付けて設定されている。スプーラ情報は、通信端末10から送信された印刷データを格納する格納場所を示す情報である。スプーラ情報には、各画像形成装置20に割り当てられたIPアドレスなどのアドレス情報や各画像形成装置20の名称が含まれる。例えば、プリンタドライバ121には、ユーザID「user01」と、画像形成装置20Aに割り当てられたIPアドレス「192.168.227.101」とが対応付けて設定されているといった具合である。なお、プリンタドライバ121に設定されたスプーラ情報は、ユーザが操作部14を用いて変更可能としてもよい。
【0016】
図3は、画像形成装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。画像形成装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、UI(User Interface)部24及び画像形成部25を有するコンピュータとして構成されている。各部はバスによって電気的に接続されている。制御部21は、CPU、ROM及びRAMを有する。CPUは、ROM又は記憶部22に記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部21と接続されている各部を制御する。記憶部22は、例えばハードディスクのような記憶装置であって、例えば制御プログラムや印刷データ221を記憶する。印刷データ221は、通信端末10から受信した印刷データである。通信部23は、制御部21の制御の下で、通信端末10及び認証サーバ30と通信を行う。UI部24は、例えばタッチスクリーンとキーとを有する。UI部24は、ユーザの操作内容に応じた信号を制御部21へ供給する。制御部21は、この信号に基づいて操作内容を判断し、例えば印刷処理を実行したり、画像をタッチスクリーンに表示させたりする。画像形成部25は、画像データに応じた画像を用紙に形成する画像形成手段の一例である。
【0017】
図4は、印刷データ221を示す図である。印刷データ221は、「ユーザID」、「格納日時」、「ファイル名」、「ページ数」及び「部数」といった複数の項目からなる。印刷データ221にはこのほかに、例えば「カラー/白黒の別」、「両面印刷の有無」及び「後処理の種類」といった情報が含まれていてもよい。「ユーザID」は、通信端末において印刷処理の指示を行ったユーザのユーザIDである。「格納日時」は、記憶部22に印刷データが記憶された日時、すなわち画像形成装置20に印刷データが格納された日時を表す時刻情報である。「ファイル名」は、印刷データに含まれる印刷対象の画像データのファイル名を表す。「ページ数」は、印刷対象のファイルのページ数を表す。「部数」は、印刷が行われる部数を表す。このほかに印刷データには、「ファイル名」でそのファイル名が表される印刷対象の画像データそのものもふくまれる。図4は、画像形成装置20Cの記憶部22Cが記憶している印刷データ221の内容を例示したものであり、ユーザID「USER01」について3件の印刷データが画像形成装置20Cに格納されていることを表す。
【0018】
図5は、認証サーバ30のハードウェア構成を示すブロック図である。認証サーバ30は、制御部31、記憶部32及び通信部33を有するコンピュータとして構成されている。各部はバスによって電気的に接続されている。制御部31は、CPU、ROM及びRAMを有する。CPUは、ROM又は記憶部32に記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部31と接続されている各部を制御する。通信部33は、制御部31の制御の下で、画像形成装置20と通信を行う。記憶部32は、例えばハードディスクのような記憶装置であって、例えば制御プログラムや認証情報321を記憶する。
【0019】
図6は、認証情報321を示す図である。認証情報321は、「ユーザID」、「パスワード」及び「スプーラ情報」といった複数の項目からなる。「ユーザID」は上述したとおりである。「パスワード」は、ユーザIDの割り当てられたユーザが、画像形成システム100における画像形成装置20を用いる際に認証を得るための、文字、数字又は記号による予め決められた文字数の組み合わせである。ユーザは、画像形成装置20において、UI部24を用いてユーザIDとパスワードとを入力して認証を行う。「スプーラ情報」は、プリンタドライバ121に設定された内容に優先して、各ユーザの通信端末10から送信された印刷データを格納する格納場所であるスプーラを表す。スプーラ情報には、優先度の最も高い「プライマリ」のスプーラと、プライマリの次に優先度が高い「セカンダリ」のスプーラとが記述されている。例えば、ネットワークNWの不具合などにより、プライマリのスプーラに設定された画像形成装置20と通信が不可能な場合、セカンダリのスプーラに設定された画像形成装置20に印刷データが格納される、といった具合である。なお、図6において、「192.168.227.101」は画像形成装置20Aに割り当てられたIPアドレスを表し、「192.168.227.102」は画像形成装置20Bに割り当てられたIPアドレスを表し、「192.168.227.103」は画像形成装置20Cに割り当てられたIPアドレスを表す。認証サーバ30には管理者が割り当てられており、管理者は認証情報321を管理する。例えば、画像形成システム100の利用者として新しいユーザが参加した場合、管理者は、このユーザの認証情報としてスプーラ情報を設定する。
【0020】
図7は、画像形成システム100の機能的構成を表すブロック図である。図7において、2つの異なる画像形成装置20を表すために、画像形成装置20A及び20Bという符号を用いているが、それぞれは特定の画像形成装置20に限定されるものではない。認証サーバ30が備える記憶部32は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置20を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段の一例である。記憶部22A及び22Bは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段の一例である。制御部21により実現される受付部211は、UI部24を協働することで、いずれかのユーザのユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段の一例として機能する。制御部21Aにより実現される第1の取得部212は、受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が記憶部32に記憶されている場合、この装置識別情報で識別される画像形成装置20の備える記憶部22に、このユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段の一例である。制御部21Aにより実現される第2の取得部213は、受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が記憶部32に記憶されていない場合、又は、第1の取得部212によって画像データが取得できなかった場合には、受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを記憶部22に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置20から、この画像データと、この画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段の一例である。制御部21Aにより実現される記憶制御部214は、第2の取得部213によって取得された装置識別情報と、受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて記憶部32に記憶させる記憶制御手段の一例である。画像形成部25Aは、第1の取得部212又は第2の取得部213により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段の一例である。
【0021】
図8は、画像形成システム100の動作を示すフローチャートであって、通信端末10が行う処理を表している。以降のフローチャートの説明において、「ユーザ」とは「User01」のユーザIDを持つユーザを指す。まず、ユーザは、通信端末10を用いて印刷の指示を行うときに、例えばページ数や部数などの印刷に関するパラメータを、操作部14を用いて指定する(ステップS1a)。次に、ユーザは、操作部14を用いて、例えば表示部15に表示された内容に従って、印刷を実行させる画像形成装置20を選択する(ステップS2a)。ここで、例えば、ユーザにより未選択の状態の初期値として、プリンタドライバ121においてスプーラとして設定された画像形成装置20が、制御部11により予め選択される。そして通信端末10の制御部11は、通信部13を用いて、ステップS2aで選択された画像形成装置20に対して、上記指示に基づく印刷データを送信する(ステップS3a)。ここでは、送信先が画像形成装置20Cであるとする。これを受けて画像形成装置20Cの制御部21Cは、受信した印刷データを記憶部22Cに印刷データ221として記憶させる、すなわち格納させる。この結果、図4に示すように、画像形成装置20Cの記憶部22Cが記憶している印刷データ221には、ユーザID「USER01」について3件の印刷データが含まれている。
【0022】
次に、ユーザが、通信端末10がある位置から画像形成装置20Aがある位置まで移動し、この画像形成装置20Aを用いて印刷データに基づく印刷を実行しようとしたとする。図9は、画像形成システム100の動作を示すフローチャートであって、画像形成装置20Aが行う処理を表している。ユーザは、UI部24Aを用いてユーザID及びパスワードを入力して画像形成装置20Aに対するユーザ認証を行う(ステップS1b)。ユーザ認証が完了すると、画像形成装置20Aの制御部21Aは認証されたユーザIDをRAMに記憶させる。次に制御部21Aは、通信部23Aを用いて、認証されたユーザIDをキーとして認証情報321を検索する指示を認証サーバ30に送信し、検索結果として認証情報を受信する(ステップS2b)。
【0023】
次に制御部21Aは、ステップS2bで取得した認証情報において、認証されたユーザに対応付けられたスプーラ情報が設定済みであるか否かを判定する(ステップS3b)。
スプーラ情報が設定済でない場合(ステップS3b;No)、制御部21Aは処理をステップS5bへ進める。ここでは、図6に示すように、「User01」のユーザIDには、IPアドレスが「192.168.227.101」である画像形成装置20Aがプライマリのスプーラとして設定されているものとする。つまり、スプーラ情報が設定済みであるため(ステップS3b;Yes)、制御部21Aは、設定されたスプーラに、このユーザの印刷データが格納されているか否かを判定する(ステップS4b)。ここでは、スプーラとして設定されているのが操作中の画像形成装置20Aであるため、具体的には、ステップS4bで制御部21Aは、ユーザID「User01」をキーとして記憶部22Aに記憶された印刷データ221を検索する。ここでは、記憶部22Aに記憶された印刷データ221に、ユーザID「User01」と対応付けられたものは格納されていなかったものとする。
【0024】
認証されたユーザの印刷データが認証情報に設定されたスプーラに格納されていた場合には(ステップS4b;Yes)、制御部21Aは、認証されたユーザの印刷データをこのスプーラから取得する(ステップS10b)。具体的には、ステップS10bで制御部21Aは、ユーザにより操作中の画像形成装置20Aとスプーラとが同一である場合、操作中の画像形成装置20Aの記憶部22Aに記憶された印刷データ221のうち、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データを読み出す。一方、ステップS10bで制御部21Aは、ユーザにより操作中の画像形成装置20Aとスプーラとが異なる場合、スプーラである画像形成装置20に対して、ユーザID「User01」をキーとして印刷データ221を検索する旨を指示する。通信部23を用いてこれを受信した画像形成装置20の制御部21は、記憶部22に記憶された印刷データ221のうち、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データを、通信部23を用いて画像形成装置20Aに送信する。制御部21Aは、通信部23Aを用いてこれを受信する。
【0025】
ステップS10bの次に制御部21Aは、取得した印刷データを表す情報を、例えばリスト形式でUI部24Aに表示させる(ステップS11b)。印刷データを表す情報には、例えば、ファイル名、ページ数、部数及び印刷データの格納場所である画像形成装置20を識別する名称やIPアドレスといった情報が含まれる。次に、ユーザが、UI部24Aを用いて上記リストから印刷を実行する印刷データを選択すると、制御部21Aは選択された印刷データを特定する(ステップS12b)。そして制御部21Aは、特定した印刷データに基づいて画像形成部25Aを用いて印刷を実行する(ステップS13b)。
【0026】
一方、認証されたユーザの印刷データが認証情報に設定されたスプーラに格納されていなかった場合(ステップS4b;No)、制御部21Aは、通信部23Aを用いて、このユーザの印刷データが格納されているか否かの問い合わせを自装置とは異なる他の画像形成装置20に対して送信する(ステップS5b)。具体的には、ステップS5bで制御部21Aは、例えば自装置と共通のサブネットマスク内に存在する、自装置とは異なる他の画像形成装置20に対して、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データが格納されているか否かの問い合わせを送信する。通信部23を用いてこれを受信した画像形成装置20の制御部21は、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データが記憶部22に記憶されている場合、通信部23を用いて、ユーザID(User01)と、この画像形成装置20のIPアドレスと、肯定的な応答とを画像形成装置20Aに送信する。一方、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データが記憶部22に記憶されていない場合、制御部21は、通信部23を用いて、否定的な応答を画像形成装置20Aに送信する。
【0027】
受信した応答が全て否定的なものであった場合(ステップS6b;No)、制御部21Aは、例えば、自装置と共通のサブネットマスク内に存在する、自装置とは異なる全ての他の画像形成装置20から問い合わせに対する応答を受信しているか否かを判定する(ステップS7b)。ステップS7bの判定は、例えば制御部21AがRAMに記憶した問い合わせリストなるものを用いて行われる。問い合わせリストには、自装置と共通のサブネットマスク内に存在する、自装置とは異なる全ての他の画像形成装置20のIPアドレスと、問い合わせに対する応答を受信済みであるか否かを表す受信フラグとの組が記述される。全ての他の画像形成装置20から問い合わせに対する応答を受信している場合(ステップS7b;Yes)、制御部21Aは、例えば「該当するユーザの印刷データが存在しません」といったエラーメッセージをUI部24に表示させて(ステップS8b)、図9に示す処理を終了する。一方、全ての他の画像形成装置20から問い合わせに対する応答を受信していない場合(ステップS7b;No)、制御部21Aは処理をステップS5bに戻す。
【0028】
一方、受信した応答に肯定的なものが含まれていた場合(ステップS6b;Yes)、制御部21Aは、ステップS5bで肯定的な応答とともに受信したIPアドレス及びユーザID「User01」を用いて認証情報321を更新する旨を認証サーバ30に指示する(ステップS9b)。通信部33を用いてこれを受信した認証サーバ30の制御部31は、認証情報321において受信したユーザIDと対応付けられた認証情報のうちスプーラ情報を、受信したIPアドレスを用いて更新する。ここでは、ステップS6bで肯定的な応答とともに受信したIPアドレスが「192.168.227.103」であったとする。図6に示すように、ユーザID「User01」のセカンダリのスプーラ情報が未設定であるため、制御部31は、これに「192.168.227.103」を記述して記憶部32に記憶させる。図10は、更新後の認証情報321を示す図である。図6と比較しても分かるように、更新後の認証情報321において、ユーザID「User01」のセカンダリのスプーラ情報に設定がなされている。認証情報321の更新の方法は、上述した内容に限ったものではなく、例えば上記例の場合、ユーザID「User01」のプライマリのスプーラ情報が「192.168.227.103」で上書きされてもよい。このとき、元々プライマリのスプーラ情報に設定されていたものと同じ内容が、セカンダリのスプーラ情報に記述されてもよい。
【0029】
図9に戻る。次に制御部21Aは、スプーラである画像形成装置20Cに対して、ユーザID「User01」をキーとして印刷データを検索する指示を送信する(ステップS10b)。通信部23Cを用いてこれを受信した画像形成装置20Cの制御部21Cは、記憶部22Cに記憶された印刷データのうち、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データを、通信部23Cを用いて画像形成装置20Aに送信する。制御部21Aは、通信部23Aを用いてこれを受信する。以降、上述したステップS11b〜S13bまでの処理が行われる。
【0030】
実施形態によれば、認証されたユーザのスプーラ情報が認証情報321に設定されており、且つ、このユーザの印刷データがスプーラとして設定された画像形成装置20に格納されている場合、制御部21は、スプーラから画像データを取得する。一方、認証されたユーザのスプーラ情報が認証情報321に設定されていない場合、又は、認証されたユーザのスプーラ情報が認証情報321に設定されているが、このユーザの印刷データがスプーラとして設定された画像形成装置20に格納されていない場合、制御部21は他の画像形成装置20に問い合わせを送信する。そして問い合わせに対して認証されたユーザの印刷データが格納されている旨の応答があると、制御部21は、この応答を送信した画像形成装置20をスプーラ情報に設定して認証情報321を更新する。このとき、認証情報321においてスプーラ情報が設定されていないユーザであっても、このユーザの印刷データを格納している画像形成装置20があれば、ユーザ及び認証サーバ30の管理者の操作を介さずに、スプーラ情報が設定されて認証情報321が更新される。また、例えば或るユーザが、それまで設定していたものと異なる画像形成装置20をスプーラとして設定したい場合には、この画像形成装置20を指定して印刷の指示を行うと、このユーザの印刷データがそれまでに設定されていたスプーラに存在しないときに、指定された画像形成装置20がスプーラとして設定される。これにより、例えば、オフィスで席替えがあり、ユーザが、席替え後の自席の近くに設置されている画像形成装置20をスプーラとして設定したい場合には、この画像形成装置20を指定して印刷の指示を行うだけでよい。
【0031】
このように本実施形態によれば、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けの登録又は更新がユーザにより行われる場合と比較して、複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置において、ユーザが指定する画像を形成する場合に、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けを登録又は更新する手間を少なくすることができる。
【0032】
<変形例>
以上の実施形態は次のように変形可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせて実施されてもよい。
(変形例1)
画像形成システム100が認証サーバ30を備えずに、認証情報321が各々の画像形成装置20の記憶部22に記憶されるようにしてもよい。この場合、画像形成装置20の制御部21は、ステップS2bにおいて、自装置の記憶部22に記憶された認証情報321を取得する。また、この場合、画像形成装置20の制御部21は、ステップS9bで、自装置の記憶部22に記憶された認証情報321を更新する。
【0033】
また、複数の画像形成装置20に認証情報321が記憶されることになるため、画像形成システム100全体で認証情報321の同一性が失われる可能性があるという問題があるが、これに対しては次のようにすればよい。例えば、認証情報321に更新があった画像形成装置20の制御部21が、予め決められたタイミングで、通信部23を用いて、自装置内に記憶された認証情報321を他の画像形成装置20に対して送信する。通信部23を用いてこれを受信した他の画像形成装置20の制御部21は、記憶部22に記憶されている認証情報321を受信した内容で更新する。この予め決められたタイミングとは、例えば、30分毎や1時間毎といった時刻間隔に基づいて設定されてもよいし、昼休み又は深夜などの特定の時間帯に含まれる時刻が設定されてもよい。
【0034】
変形例1によれば、認証サーバ30を用いないことで画像形成システム100の構成を簡易なものとしながら、実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0035】
(変形例2)
ステップS5bで問い合わせの送信先となる画像形成装置20は、自装置と共通のサブネットマスク内に存在するものに限らず、次のようなものとしてもよい。例えば、画像形成装置20Aの記憶部22Aに、自装置から通信可能な他の画像形成装置20のIPアドレスが記憶されている場合、制御部21Aは、この記憶されたIPアドレスが割り当てられた画像形成装置20に対して、通信部23Aを用いて問い合わせを送信する。また、例えば、通信プロトコルにSLP(Service Location Protocol)やZeroconf(Zero Configuration Networking)が用いられることで、ネットワークNW上に存在する自装置とは異なる他の画像形成装置20に問い合わせが送信されてもよい。このようにしても、実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0036】
(変形例3)
制御部21Aによって認証情報321におけるスプーラ情報が更新されたときに、設定されたスプーラが、ユーザが一時的に使用したものであった場合、ユーザは、通常使用する他の画像形成装置20を指定して再び印刷の指示を実行する手間が生じる。これに対して、次のようにしてもよい。変形例3において、ユーザは、認証情報321におけるスプーラ情報に設定されていない画像形成装置20毎に、このユーザの印刷データが格納されている旨の通知を受けた回数をカウントするか否かのモードであるカウントモードのオン・オフを、UI部24を用いて設定することが可能である。また、変形例3において制御部21Aは、ステップS5bで肯定的な応答とともに受信したIPアドレスと、各IPアドレスから肯定的な応答、すなわち通知を受信した回数とを対応付けた回数リストを、ユーザIDごとに記憶部22Aに記憶させる。ここで、各IPアドレスから肯定的な応答を受信した回数の初期値は、例えば0である。
【0037】
変形例3において、ステップS5bで受信した応答に肯定的なものが含まれており(ステップS6b;Yes)、カウントモードがオフであった場合、制御部21Aは処理をステップS9bに進める。一方、上記タイミングでカウントモードがオンであった場合、制御部21Aは、認証されたユーザIDの回数リストのうち、ステップS5bで受信したIPアドレスの画像形成装置20から肯定的な応答を受信した回数に所定値(ここでは「1」)を加算して、処理をステップS9bへ進める。変形例3のステップS9bにおいて、制御部21Aは、認証されたユーザIDの回数リストのうち、肯定的な応答を受信した回数が予め決められた閾値(例えば「3」)以上であるIPアドレスがあるか否かを判定する。このようなIPアドレスが回数リストに記述されていない場合、制御部21Aは、認証情報321を更新する指示を認証サーバ30に送信することなく、処理をステップS10bに進める。一方、このようなIPアドレスが回数リストに記述されている場合、制御部21Aは、このIPアドレスと認証されたユーザのユーザIDとを用いて認証情報321を更新する旨を認証サーバ30に指示する。通信部33を用いてこれを受信した認証サーバ30の制御部31は、認証情報321において受信したユーザIDと対応付けられた認証情報のうちスプーラ情報を、受信したIPアドレスを用いて更新する。そして、ステップS10b以降の処理が行なわれる。制御部21Aは、回数リストに記述された各IPアドレスの画像形成装置20から肯定的な応答を受信した回数を、例えば1日毎や1週間毎などの予め決められたタイミングで初期化(ここでは「0」)する。
【0038】
変形例3によれば、一時的に使用されただけの画像形成装置20は認証情報321においてスプーラとして設定されにくくなるため、ユーザは、一時的に他の画像形成装置20を用いて印刷を行っても、通常使用するスプーラを設定し直すための手間を減らすことができる。
【0039】
(変形例4)
また、本発明は、コンピュータを制御装置として機能させるためのプログラムとしても特定され得るものである。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用するなどの形態で提供されたりしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…通信端末、11,21,31…制御部、12,22,32…記憶部、13,23,33…通信部、14…操作部、15…表示部、20A,20B,20C…画像形成装置、24…UI部、25…画像形成部、30…認証サーバ、100…画像形成システム、121…プリンタドライバ、221…印刷データ、321、321a…認証情報、NW…ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された複数の画像形成装置のうち、どの画像形成装置を用いても、ユーザが指定する画像を形成可能とするための技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザによりクライアントPCを用いて印刷の指示が行われた画像データをプリントサーバが記憶し、ユーザが操作中の画像形成装置が、このユーザにより指定された画像データをプリントサーバからダウンロードして印刷を実行することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−79510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置がユーザによって指定された画像の画像データをその記憶場所から読み出してその画像を形成する場合に、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成システムは、画像を形成する複数の画像形成装置と、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される前記画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを備え、各々の前記画像形成装置は、前記ユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成システムは、各々の前記画像形成装置が、前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報が表す画像形成装置に対して、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データが当該画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に記憶されているかを問い合わせる問い合わせ手段を備え、前記記憶制御手段は、自手段を備える前記画像形成装置による前記問い合わせに対して前記画像データが前記第1の記憶手段に記憶されている旨の応答があった回数が閾値以上の場合に、問合せ先の前記画像形成装置を表す前記装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データを、当該画像データに応じた画像を形成する画像形成手段に出力する出力手段ととして機能させる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の画像形成システムによれば、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けの登録又は更新がユーザ自身の操作により行われる場合と比較して、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることができる。
請求項2に記載の画像形成システムによれば、画像データが記憶されていた回数が閾値以上である画像形成装置をその画像データの記憶場所として登録又は更新する構成を有しない場合と比較して、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることができる。
請求項3に記載の画像形成装置によれば、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けの登録又は更新がユーザ自身の操作により行われる場合と比較して、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることができる。
請求項4に記載のプログラムによれば、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けの登録又は更新がユーザ自身の操作により行われる場合と比較して、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応関係を記憶手段に記憶させる手間を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成システムの構成を示すブロック図
【図2】通信端末のハードウェア構成を示すブロック図
【図3】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図4】印刷データを示す図
【図5】認証サーバのハードウェア構成を示すブロック図
【図6】認証情報を示す図
【図7】画像形成システムの機能的構成を表すブロック図
【図8】画像形成システムの動作を示すフローチャート
【図9】画像形成システムの動作を示すフローチャート
【図10】更新後の認証情報を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<構成>
図1は、本発明の一実施形態である画像形成システム100の構成を示すブロック図である。画像形成システム100は、通信端末10と、画像形成装置20A、20B及び20Cと、認証サーバ30と、ネットワークNWとを備える。画像形成装置20A、20B及び20Cを区別する必要がない場合には、符号の末尾に付された文字を省略して、画像形成装置20という。また、画像形成装置20及び通信端末10の数は、図1に示したものに限らない。ネットワークNWは、例えば携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)などの移動通信網やインターネットなどの固定通信網を含む通信網である。
【0012】
通信端末10は、例えば携帯電話機、無線LANに接続可能な無線端末、通信機能を備えたPC(Personal Computer)のような、画像形成装置20と通信が可能な通信端末であって、図1ではPCの例を挙げている。画像形成装置20は、例えば電子写真方式のプリンタである。画像形成装置20は、通信端末10から送信されてきた印刷データを格納する格納場所を備えている。ここで印刷データとは、ユーザが通信端末10を用いて指示した印刷処理に関するデータであって、ユーザを識別するユーザIDや、印刷対象の画像データや、時刻情報などが含まれる。なお、ここで印刷とは、電子写真方式で画像を形成することを指す。認証サーバ30は、ユーザIDと、パスワードと、各ユーザの通信端末10から送信された印刷データを格納する格納場所であるスプーラとして指定されている画像形成装置20を識別する情報とを対応付けて記憶したサーバ装置である。画像形成装置20を識別する情報は、例えば、各々の画像形成装置20に割り当てられた名称やIP(Internet Protocol)アドレスなどのアドレス情報である。
【0013】
図2は、通信端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。通信端末10は、制御部11、記憶部12、通信部13、操作部14及び表示部15を有する。各部はバスによって電気的に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する。CPUは、ROM又は記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部11と接続されている各部を制御する。記憶部12は、例えばハードディスクのような記憶装置であって、例えば制御プログラムやプリンタドライバ121を記憶する。プリンタドライバ121は、画像形成装置20を制御する機能を有するプログラムである。
【0014】
通信部13は、制御部11の制御の下で、画像形成装置20と通信を行う。操作部14は、クリック操作を受け付けるマウスや複数のキーを有しており、ユーザによってこれらのマウスやキーが操作されるとその操作内容に応じた信号を制御部11へ供給する。制御部11は、この信号に基づいて操作内容を判断して処理を行う。表示部15は、例えば液晶ディスプレイのような表示体やVRAM(Video Random Access Memory)などのメモリを備えており、制御部11の制御の下で各種の画像を液晶ディスプレイに表示する。
【0015】
プリンタドライバ121には、予めユーザIDとスプーラ情報とが対応付けて設定されている。スプーラ情報は、通信端末10から送信された印刷データを格納する格納場所を示す情報である。スプーラ情報には、各画像形成装置20に割り当てられたIPアドレスなどのアドレス情報や各画像形成装置20の名称が含まれる。例えば、プリンタドライバ121には、ユーザID「user01」と、画像形成装置20Aに割り当てられたIPアドレス「192.168.227.101」とが対応付けて設定されているといった具合である。なお、プリンタドライバ121に設定されたスプーラ情報は、ユーザが操作部14を用いて変更可能としてもよい。
【0016】
図3は、画像形成装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。画像形成装置20は、制御部21、記憶部22、通信部23、UI(User Interface)部24及び画像形成部25を有するコンピュータとして構成されている。各部はバスによって電気的に接続されている。制御部21は、CPU、ROM及びRAMを有する。CPUは、ROM又は記憶部22に記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部21と接続されている各部を制御する。記憶部22は、例えばハードディスクのような記憶装置であって、例えば制御プログラムや印刷データ221を記憶する。印刷データ221は、通信端末10から受信した印刷データである。通信部23は、制御部21の制御の下で、通信端末10及び認証サーバ30と通信を行う。UI部24は、例えばタッチスクリーンとキーとを有する。UI部24は、ユーザの操作内容に応じた信号を制御部21へ供給する。制御部21は、この信号に基づいて操作内容を判断し、例えば印刷処理を実行したり、画像をタッチスクリーンに表示させたりする。画像形成部25は、画像データに応じた画像を用紙に形成する画像形成手段の一例である。
【0017】
図4は、印刷データ221を示す図である。印刷データ221は、「ユーザID」、「格納日時」、「ファイル名」、「ページ数」及び「部数」といった複数の項目からなる。印刷データ221にはこのほかに、例えば「カラー/白黒の別」、「両面印刷の有無」及び「後処理の種類」といった情報が含まれていてもよい。「ユーザID」は、通信端末において印刷処理の指示を行ったユーザのユーザIDである。「格納日時」は、記憶部22に印刷データが記憶された日時、すなわち画像形成装置20に印刷データが格納された日時を表す時刻情報である。「ファイル名」は、印刷データに含まれる印刷対象の画像データのファイル名を表す。「ページ数」は、印刷対象のファイルのページ数を表す。「部数」は、印刷が行われる部数を表す。このほかに印刷データには、「ファイル名」でそのファイル名が表される印刷対象の画像データそのものもふくまれる。図4は、画像形成装置20Cの記憶部22Cが記憶している印刷データ221の内容を例示したものであり、ユーザID「USER01」について3件の印刷データが画像形成装置20Cに格納されていることを表す。
【0018】
図5は、認証サーバ30のハードウェア構成を示すブロック図である。認証サーバ30は、制御部31、記憶部32及び通信部33を有するコンピュータとして構成されている。各部はバスによって電気的に接続されている。制御部31は、CPU、ROM及びRAMを有する。CPUは、ROM又は記憶部32に記憶されている制御プログラムを実行することにより制御部31と接続されている各部を制御する。通信部33は、制御部31の制御の下で、画像形成装置20と通信を行う。記憶部32は、例えばハードディスクのような記憶装置であって、例えば制御プログラムや認証情報321を記憶する。
【0019】
図6は、認証情報321を示す図である。認証情報321は、「ユーザID」、「パスワード」及び「スプーラ情報」といった複数の項目からなる。「ユーザID」は上述したとおりである。「パスワード」は、ユーザIDの割り当てられたユーザが、画像形成システム100における画像形成装置20を用いる際に認証を得るための、文字、数字又は記号による予め決められた文字数の組み合わせである。ユーザは、画像形成装置20において、UI部24を用いてユーザIDとパスワードとを入力して認証を行う。「スプーラ情報」は、プリンタドライバ121に設定された内容に優先して、各ユーザの通信端末10から送信された印刷データを格納する格納場所であるスプーラを表す。スプーラ情報には、優先度の最も高い「プライマリ」のスプーラと、プライマリの次に優先度が高い「セカンダリ」のスプーラとが記述されている。例えば、ネットワークNWの不具合などにより、プライマリのスプーラに設定された画像形成装置20と通信が不可能な場合、セカンダリのスプーラに設定された画像形成装置20に印刷データが格納される、といった具合である。なお、図6において、「192.168.227.101」は画像形成装置20Aに割り当てられたIPアドレスを表し、「192.168.227.102」は画像形成装置20Bに割り当てられたIPアドレスを表し、「192.168.227.103」は画像形成装置20Cに割り当てられたIPアドレスを表す。認証サーバ30には管理者が割り当てられており、管理者は認証情報321を管理する。例えば、画像形成システム100の利用者として新しいユーザが参加した場合、管理者は、このユーザの認証情報としてスプーラ情報を設定する。
【0020】
図7は、画像形成システム100の機能的構成を表すブロック図である。図7において、2つの異なる画像形成装置20を表すために、画像形成装置20A及び20Bという符号を用いているが、それぞれは特定の画像形成装置20に限定されるものではない。認証サーバ30が備える記憶部32は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置20を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段の一例である。記憶部22A及び22Bは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段の一例である。制御部21により実現される受付部211は、UI部24を協働することで、いずれかのユーザのユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段の一例として機能する。制御部21Aにより実現される第1の取得部212は、受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が記憶部32に記憶されている場合、この装置識別情報で識別される画像形成装置20の備える記憶部22に、このユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段の一例である。制御部21Aにより実現される第2の取得部213は、受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が記憶部32に記憶されていない場合、又は、第1の取得部212によって画像データが取得できなかった場合には、受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを記憶部22に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置20から、この画像データと、この画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段の一例である。制御部21Aにより実現される記憶制御部214は、第2の取得部213によって取得された装置識別情報と、受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて記憶部32に記憶させる記憶制御手段の一例である。画像形成部25Aは、第1の取得部212又は第2の取得部213により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段の一例である。
【0021】
図8は、画像形成システム100の動作を示すフローチャートであって、通信端末10が行う処理を表している。以降のフローチャートの説明において、「ユーザ」とは「User01」のユーザIDを持つユーザを指す。まず、ユーザは、通信端末10を用いて印刷の指示を行うときに、例えばページ数や部数などの印刷に関するパラメータを、操作部14を用いて指定する(ステップS1a)。次に、ユーザは、操作部14を用いて、例えば表示部15に表示された内容に従って、印刷を実行させる画像形成装置20を選択する(ステップS2a)。ここで、例えば、ユーザにより未選択の状態の初期値として、プリンタドライバ121においてスプーラとして設定された画像形成装置20が、制御部11により予め選択される。そして通信端末10の制御部11は、通信部13を用いて、ステップS2aで選択された画像形成装置20に対して、上記指示に基づく印刷データを送信する(ステップS3a)。ここでは、送信先が画像形成装置20Cであるとする。これを受けて画像形成装置20Cの制御部21Cは、受信した印刷データを記憶部22Cに印刷データ221として記憶させる、すなわち格納させる。この結果、図4に示すように、画像形成装置20Cの記憶部22Cが記憶している印刷データ221には、ユーザID「USER01」について3件の印刷データが含まれている。
【0022】
次に、ユーザが、通信端末10がある位置から画像形成装置20Aがある位置まで移動し、この画像形成装置20Aを用いて印刷データに基づく印刷を実行しようとしたとする。図9は、画像形成システム100の動作を示すフローチャートであって、画像形成装置20Aが行う処理を表している。ユーザは、UI部24Aを用いてユーザID及びパスワードを入力して画像形成装置20Aに対するユーザ認証を行う(ステップS1b)。ユーザ認証が完了すると、画像形成装置20Aの制御部21Aは認証されたユーザIDをRAMに記憶させる。次に制御部21Aは、通信部23Aを用いて、認証されたユーザIDをキーとして認証情報321を検索する指示を認証サーバ30に送信し、検索結果として認証情報を受信する(ステップS2b)。
【0023】
次に制御部21Aは、ステップS2bで取得した認証情報において、認証されたユーザに対応付けられたスプーラ情報が設定済みであるか否かを判定する(ステップS3b)。
スプーラ情報が設定済でない場合(ステップS3b;No)、制御部21Aは処理をステップS5bへ進める。ここでは、図6に示すように、「User01」のユーザIDには、IPアドレスが「192.168.227.101」である画像形成装置20Aがプライマリのスプーラとして設定されているものとする。つまり、スプーラ情報が設定済みであるため(ステップS3b;Yes)、制御部21Aは、設定されたスプーラに、このユーザの印刷データが格納されているか否かを判定する(ステップS4b)。ここでは、スプーラとして設定されているのが操作中の画像形成装置20Aであるため、具体的には、ステップS4bで制御部21Aは、ユーザID「User01」をキーとして記憶部22Aに記憶された印刷データ221を検索する。ここでは、記憶部22Aに記憶された印刷データ221に、ユーザID「User01」と対応付けられたものは格納されていなかったものとする。
【0024】
認証されたユーザの印刷データが認証情報に設定されたスプーラに格納されていた場合には(ステップS4b;Yes)、制御部21Aは、認証されたユーザの印刷データをこのスプーラから取得する(ステップS10b)。具体的には、ステップS10bで制御部21Aは、ユーザにより操作中の画像形成装置20Aとスプーラとが同一である場合、操作中の画像形成装置20Aの記憶部22Aに記憶された印刷データ221のうち、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データを読み出す。一方、ステップS10bで制御部21Aは、ユーザにより操作中の画像形成装置20Aとスプーラとが異なる場合、スプーラである画像形成装置20に対して、ユーザID「User01」をキーとして印刷データ221を検索する旨を指示する。通信部23を用いてこれを受信した画像形成装置20の制御部21は、記憶部22に記憶された印刷データ221のうち、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データを、通信部23を用いて画像形成装置20Aに送信する。制御部21Aは、通信部23Aを用いてこれを受信する。
【0025】
ステップS10bの次に制御部21Aは、取得した印刷データを表す情報を、例えばリスト形式でUI部24Aに表示させる(ステップS11b)。印刷データを表す情報には、例えば、ファイル名、ページ数、部数及び印刷データの格納場所である画像形成装置20を識別する名称やIPアドレスといった情報が含まれる。次に、ユーザが、UI部24Aを用いて上記リストから印刷を実行する印刷データを選択すると、制御部21Aは選択された印刷データを特定する(ステップS12b)。そして制御部21Aは、特定した印刷データに基づいて画像形成部25Aを用いて印刷を実行する(ステップS13b)。
【0026】
一方、認証されたユーザの印刷データが認証情報に設定されたスプーラに格納されていなかった場合(ステップS4b;No)、制御部21Aは、通信部23Aを用いて、このユーザの印刷データが格納されているか否かの問い合わせを自装置とは異なる他の画像形成装置20に対して送信する(ステップS5b)。具体的には、ステップS5bで制御部21Aは、例えば自装置と共通のサブネットマスク内に存在する、自装置とは異なる他の画像形成装置20に対して、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データが格納されているか否かの問い合わせを送信する。通信部23を用いてこれを受信した画像形成装置20の制御部21は、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データが記憶部22に記憶されている場合、通信部23を用いて、ユーザID(User01)と、この画像形成装置20のIPアドレスと、肯定的な応答とを画像形成装置20Aに送信する。一方、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データが記憶部22に記憶されていない場合、制御部21は、通信部23を用いて、否定的な応答を画像形成装置20Aに送信する。
【0027】
受信した応答が全て否定的なものであった場合(ステップS6b;No)、制御部21Aは、例えば、自装置と共通のサブネットマスク内に存在する、自装置とは異なる全ての他の画像形成装置20から問い合わせに対する応答を受信しているか否かを判定する(ステップS7b)。ステップS7bの判定は、例えば制御部21AがRAMに記憶した問い合わせリストなるものを用いて行われる。問い合わせリストには、自装置と共通のサブネットマスク内に存在する、自装置とは異なる全ての他の画像形成装置20のIPアドレスと、問い合わせに対する応答を受信済みであるか否かを表す受信フラグとの組が記述される。全ての他の画像形成装置20から問い合わせに対する応答を受信している場合(ステップS7b;Yes)、制御部21Aは、例えば「該当するユーザの印刷データが存在しません」といったエラーメッセージをUI部24に表示させて(ステップS8b)、図9に示す処理を終了する。一方、全ての他の画像形成装置20から問い合わせに対する応答を受信していない場合(ステップS7b;No)、制御部21Aは処理をステップS5bに戻す。
【0028】
一方、受信した応答に肯定的なものが含まれていた場合(ステップS6b;Yes)、制御部21Aは、ステップS5bで肯定的な応答とともに受信したIPアドレス及びユーザID「User01」を用いて認証情報321を更新する旨を認証サーバ30に指示する(ステップS9b)。通信部33を用いてこれを受信した認証サーバ30の制御部31は、認証情報321において受信したユーザIDと対応付けられた認証情報のうちスプーラ情報を、受信したIPアドレスを用いて更新する。ここでは、ステップS6bで肯定的な応答とともに受信したIPアドレスが「192.168.227.103」であったとする。図6に示すように、ユーザID「User01」のセカンダリのスプーラ情報が未設定であるため、制御部31は、これに「192.168.227.103」を記述して記憶部32に記憶させる。図10は、更新後の認証情報321を示す図である。図6と比較しても分かるように、更新後の認証情報321において、ユーザID「User01」のセカンダリのスプーラ情報に設定がなされている。認証情報321の更新の方法は、上述した内容に限ったものではなく、例えば上記例の場合、ユーザID「User01」のプライマリのスプーラ情報が「192.168.227.103」で上書きされてもよい。このとき、元々プライマリのスプーラ情報に設定されていたものと同じ内容が、セカンダリのスプーラ情報に記述されてもよい。
【0029】
図9に戻る。次に制御部21Aは、スプーラである画像形成装置20Cに対して、ユーザID「User01」をキーとして印刷データを検索する指示を送信する(ステップS10b)。通信部23Cを用いてこれを受信した画像形成装置20Cの制御部21Cは、記憶部22Cに記憶された印刷データのうち、ユーザID「User01」と対応付けられた印刷データを、通信部23Cを用いて画像形成装置20Aに送信する。制御部21Aは、通信部23Aを用いてこれを受信する。以降、上述したステップS11b〜S13bまでの処理が行われる。
【0030】
実施形態によれば、認証されたユーザのスプーラ情報が認証情報321に設定されており、且つ、このユーザの印刷データがスプーラとして設定された画像形成装置20に格納されている場合、制御部21は、スプーラから画像データを取得する。一方、認証されたユーザのスプーラ情報が認証情報321に設定されていない場合、又は、認証されたユーザのスプーラ情報が認証情報321に設定されているが、このユーザの印刷データがスプーラとして設定された画像形成装置20に格納されていない場合、制御部21は他の画像形成装置20に問い合わせを送信する。そして問い合わせに対して認証されたユーザの印刷データが格納されている旨の応答があると、制御部21は、この応答を送信した画像形成装置20をスプーラ情報に設定して認証情報321を更新する。このとき、認証情報321においてスプーラ情報が設定されていないユーザであっても、このユーザの印刷データを格納している画像形成装置20があれば、ユーザ及び認証サーバ30の管理者の操作を介さずに、スプーラ情報が設定されて認証情報321が更新される。また、例えば或るユーザが、それまで設定していたものと異なる画像形成装置20をスプーラとして設定したい場合には、この画像形成装置20を指定して印刷の指示を行うと、このユーザの印刷データがそれまでに設定されていたスプーラに存在しないときに、指定された画像形成装置20がスプーラとして設定される。これにより、例えば、オフィスで席替えがあり、ユーザが、席替え後の自席の近くに設置されている画像形成装置20をスプーラとして設定したい場合には、この画像形成装置20を指定して印刷の指示を行うだけでよい。
【0031】
このように本実施形態によれば、ユーザを識別するユーザ識別情報とユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けの登録又は更新がユーザにより行われる場合と比較して、複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置において、ユーザが指定する画像を形成する場合に、ユーザとユーザに対応する画像データの記憶場所との対応付けを登録又は更新する手間を少なくすることができる。
【0032】
<変形例>
以上の実施形態は次のように変形可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせて実施されてもよい。
(変形例1)
画像形成システム100が認証サーバ30を備えずに、認証情報321が各々の画像形成装置20の記憶部22に記憶されるようにしてもよい。この場合、画像形成装置20の制御部21は、ステップS2bにおいて、自装置の記憶部22に記憶された認証情報321を取得する。また、この場合、画像形成装置20の制御部21は、ステップS9bで、自装置の記憶部22に記憶された認証情報321を更新する。
【0033】
また、複数の画像形成装置20に認証情報321が記憶されることになるため、画像形成システム100全体で認証情報321の同一性が失われる可能性があるという問題があるが、これに対しては次のようにすればよい。例えば、認証情報321に更新があった画像形成装置20の制御部21が、予め決められたタイミングで、通信部23を用いて、自装置内に記憶された認証情報321を他の画像形成装置20に対して送信する。通信部23を用いてこれを受信した他の画像形成装置20の制御部21は、記憶部22に記憶されている認証情報321を受信した内容で更新する。この予め決められたタイミングとは、例えば、30分毎や1時間毎といった時刻間隔に基づいて設定されてもよいし、昼休み又は深夜などの特定の時間帯に含まれる時刻が設定されてもよい。
【0034】
変形例1によれば、認証サーバ30を用いないことで画像形成システム100の構成を簡易なものとしながら、実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0035】
(変形例2)
ステップS5bで問い合わせの送信先となる画像形成装置20は、自装置と共通のサブネットマスク内に存在するものに限らず、次のようなものとしてもよい。例えば、画像形成装置20Aの記憶部22Aに、自装置から通信可能な他の画像形成装置20のIPアドレスが記憶されている場合、制御部21Aは、この記憶されたIPアドレスが割り当てられた画像形成装置20に対して、通信部23Aを用いて問い合わせを送信する。また、例えば、通信プロトコルにSLP(Service Location Protocol)やZeroconf(Zero Configuration Networking)が用いられることで、ネットワークNW上に存在する自装置とは異なる他の画像形成装置20に問い合わせが送信されてもよい。このようにしても、実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0036】
(変形例3)
制御部21Aによって認証情報321におけるスプーラ情報が更新されたときに、設定されたスプーラが、ユーザが一時的に使用したものであった場合、ユーザは、通常使用する他の画像形成装置20を指定して再び印刷の指示を実行する手間が生じる。これに対して、次のようにしてもよい。変形例3において、ユーザは、認証情報321におけるスプーラ情報に設定されていない画像形成装置20毎に、このユーザの印刷データが格納されている旨の通知を受けた回数をカウントするか否かのモードであるカウントモードのオン・オフを、UI部24を用いて設定することが可能である。また、変形例3において制御部21Aは、ステップS5bで肯定的な応答とともに受信したIPアドレスと、各IPアドレスから肯定的な応答、すなわち通知を受信した回数とを対応付けた回数リストを、ユーザIDごとに記憶部22Aに記憶させる。ここで、各IPアドレスから肯定的な応答を受信した回数の初期値は、例えば0である。
【0037】
変形例3において、ステップS5bで受信した応答に肯定的なものが含まれており(ステップS6b;Yes)、カウントモードがオフであった場合、制御部21Aは処理をステップS9bに進める。一方、上記タイミングでカウントモードがオンであった場合、制御部21Aは、認証されたユーザIDの回数リストのうち、ステップS5bで受信したIPアドレスの画像形成装置20から肯定的な応答を受信した回数に所定値(ここでは「1」)を加算して、処理をステップS9bへ進める。変形例3のステップS9bにおいて、制御部21Aは、認証されたユーザIDの回数リストのうち、肯定的な応答を受信した回数が予め決められた閾値(例えば「3」)以上であるIPアドレスがあるか否かを判定する。このようなIPアドレスが回数リストに記述されていない場合、制御部21Aは、認証情報321を更新する指示を認証サーバ30に送信することなく、処理をステップS10bに進める。一方、このようなIPアドレスが回数リストに記述されている場合、制御部21Aは、このIPアドレスと認証されたユーザのユーザIDとを用いて認証情報321を更新する旨を認証サーバ30に指示する。通信部33を用いてこれを受信した認証サーバ30の制御部31は、認証情報321において受信したユーザIDと対応付けられた認証情報のうちスプーラ情報を、受信したIPアドレスを用いて更新する。そして、ステップS10b以降の処理が行なわれる。制御部21Aは、回数リストに記述された各IPアドレスの画像形成装置20から肯定的な応答を受信した回数を、例えば1日毎や1週間毎などの予め決められたタイミングで初期化(ここでは「0」)する。
【0038】
変形例3によれば、一時的に使用されただけの画像形成装置20は認証情報321においてスプーラとして設定されにくくなるため、ユーザは、一時的に他の画像形成装置20を用いて印刷を行っても、通常使用するスプーラを設定し直すための手間を減らすことができる。
【0039】
(変形例4)
また、本発明は、コンピュータを制御装置として機能させるためのプログラムとしても特定され得るものである。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用するなどの形態で提供されたりしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…通信端末、11,21,31…制御部、12,22,32…記憶部、13,23,33…通信部、14…操作部、15…表示部、20A,20B,20C…画像形成装置、24…UI部、25…画像形成部、30…認証サーバ、100…画像形成システム、121…プリンタドライバ、221…印刷データ、321、321a…認証情報、NW…ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する複数の画像形成装置と、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される前記画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを備え、
各々の前記画像形成装置は、
前記ユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
各々の前記画像形成装置は、
前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報が表す画像形成装置に対して、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データが当該画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に記憶されているかを問い合わせる問い合わせ手段を備え、
前記記憶制御手段は、
自手段を備える前記画像形成装置による前記問い合わせに対して前記画像データが前記第1の記憶手段に記憶されている旨の応答があった回数が閾値以上の場合に、問合せ先の前記画像形成装置を表す前記装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データを、当該画像データに応じた画像を形成する画像形成手段に出力する出力手段と
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
画像を形成する複数の画像形成装置と、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される前記画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段とを備え、
各々の前記画像形成装置は、
前記ユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
各々の前記画像形成装置は、
前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報が表す画像形成装置に対して、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データが当該画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に記憶されているかを問い合わせる問い合わせ手段を備え、
前記記憶制御手段は、
自手段を備える前記画像形成装置による前記問い合わせに対して前記画像データが前記第1の記憶手段に記憶されている旨の応答があった回数が閾値以上の場合に、問合せ先の前記画像形成装置を表す前記装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データに応じた画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と画像を表す画像データとを対応付けて記憶する第1の記憶手段と、
いずれかのユーザの前記ユーザ識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報に対応する画像データが記憶される画像形成装置を識別する装置識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されている場合、当該装置識別情報で識別される前記画像形成装置の備える前記第1の記憶手段に当該ユーザ識別情報と対応付けられて記憶された画像データを取得する第1の取得手段と、
前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた装置識別情報が前記第2の記憶手段に記憶されていない場合、又は、前記第1の取得手段によって画像データが取得できなかった場合には、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶手段に記憶している、自装置とは異なる他の前記画像形成装置から、当該画像データと当該画像形成装置を識別する装置識別情報とを取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された装置識別情報と、前記受付手段により入力が受け付けられたユーザ識別情報とを対応付けて前記第2の記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記第1の取得手段又は前記第2の取得手段により取得された画像データを、当該画像データに応じた画像を形成する画像形成手段に出力する出力手段と
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−82148(P2013−82148A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224327(P2011−224327)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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