説明

画像形成システムおよび処理プログラム

【課題】印刷作業の効率を向上させる画像形成システムを提供する。
【解決手段】印刷情報に予め設定される条件に基づいて、認証手段による認証を必要とする印刷情報であるか否かを判定する判定手段と、判定手段で認証を必要とする印刷情報であると判定された場合には、当該印刷情報に係る出力結果を受け取る受取者の認証情報を前記印刷情報に付加する付加手段と、認証情報を付加された印刷情報に関する情報を受取者に通知する通知手段と、通知に基づいて認証手段によって受取者が認証された場合に、情報管理手段から画像形成手段へ印刷情報を送信させて、画像形成を実行するように制御する制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよび処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ等の画像形成装置において、印刷物の放置による情報漏洩や、取り違えによる紛失等を防止するために、プリンタにおけるICカード等によって本人認証を行って、認証された場合にのみ印刷を実行する所謂セキュリティプリントシステム(あるいは認証プリントシステムとも呼称される)が普及しつつある。
【0003】
ここで、セキュリティプリントシステムには、大きく分けてプッシュ型とプル型という2つの形態が存在する。
【0004】
プッシュ型は、印刷データを出力するプリンタに格納し、プリンタでの認証により出力を行うシステムである(例えば特開2002−370407号公報等参照)。
【0005】
一方、プル型は、印刷データをプリントサーバに格納し、プリンタでの認証により印刷データをサーバから取得して出力を行うシステムである(例えば特開2004−220354号公報等参照)。
【0006】
プル型のシステムは、プッシュ型と比較して利用者が出力を行うプリンタを選択するというメリットがある。
【0007】
ところで、従来のプル型のシステムにおいては、印刷を行うユーザが各自のパーソナルコンピュータ等からプリンタドライバによって認証IDを付加して印刷指示を行い、プリンタにおいてICカードで認証を行うことにより印刷物を取り出す仕組みであったため、印刷を指示する者と印刷物を受け取る者とが同一である場合が多かった。
【0008】
一方で、近年はホストコンピュータからのバッチ処理等で出力されたデータをプリントサーバを経由して受取者を特定し、プリンタに送信するといった印刷指示者と受取者が異なる場合も存在する。
【0009】
また、印刷データをプリントサーバに格納し、プリンタにおける認証により印刷データをサーバから取得して出力を行うプル型システムも多く使用されている。
【0010】
このような場合に、受取者は自ら印刷指示を行っていないため、自分宛の印刷指示が印刷装置に届いていることが分からないため、何度もプリンタや複合機で認証を行って、自分宛の印刷物が届いているかどうかを確認したり、あるいは、ホストコンピュータで印刷指示を行った者が、各受取者に別途連絡を行う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−370407号公報
【特許文献2】特開2004−220354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、印刷作業の効率を向上させる画像形成システムおよび処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る画像形成システムは、通信手段を介して印刷情報を受信し、当該印刷情報を格納して管理する情報管理手段と、該情報管理手段から前記通信手段を介して取得する前記印刷情報に基づいて、記録媒体に対する画像形成を実行する1または2以上の画像形成手段と、前記画像形成手段による出力結果を受け取る受取者を認証する認証手段と、前記印刷情報に予め設定される条件に基づいて、前記認証手段による認証を必要とする印刷情報であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で認証を必要とする印刷情報であると判定された場合には、当該印刷情報に係る出力結果を受け取る受取者の認証情報を前記印刷情報に付加する付加手段と、該付加手段で前記認証情報を付加された前記印刷情報に関する情報を前記受取者に通知する通知手段と、該通知手段による通知に基づいて前記認証手段によって前記受取者が認証された場合に、前記情報管理手段から前記画像形成手段へ前記印刷情報を送信させて、画像形成を実行するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明に係る画像形成システムは、請求項1に記載の発明について、前記制御手段は、前記認証手段による認証後、前記画像形成装置から前記情報管理手段へ印刷要求が届くまで前記印刷情報を前記情報管理手段で保持するように制御することを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明に係る画像形成システムは、請求項2に記載の発明について、前記印刷要求が届いた場合に、当該印刷要求を出した前記画像形成手段に応じて前記印刷情報の変換処理を行う変換手段をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明に係る画像形成システムは、請求項3に記載の発明について、前記制御手段は、前記判定手段で、認証を必要とする印刷情報ではないと判定された場合には、前記印刷情報を前記情報管理手段で保持し、前記画像形成装置から前記情報管理手段へ印刷要求が届いた場合には、前記変換手段で当該印刷要求を出した前記画像形成手段に応じて前記印刷情報の変換処理を行い、前記情報管理手段から前記画像形成手段へ前記印刷情報を送信させて、画像形成を実行するように制御する。
【0017】
請求項5の発明に係る処理プログラムは、情報管理手段から通信手段を介して取得する印刷情報に基づいて、記録媒体に対する画像形成を実行する画像形成過程と、出力結果を受け取る受取者を認証する認証過程と、前記印刷情報に予め設定される条件に基づいて、認証を必要とする印刷情報であるか否かを判定する判定過程と、前記判定過程で認証を必要とする印刷情報であると判定された場合には、当該印刷情報に係る出力結果を受け取る受取者の認証情報を前記印刷情報に付加する付加過程と、前記認証情報を付加された前記印刷情報に関する情報を前記受取者に通知する通知過程と、前記認証過程によって前記受取者が認証された場合に、情報管理手段から画像形成手段へ前記印刷情報を送信させて、画像形成を実行するように制御する制御過程とを演算手段に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0019】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、印刷情報に関する情報を受取者に通知し、その通知に基づいて受取者が認証された場合に印刷出力を実行して、印刷情報の送信者と出力結果の受取者が異なる場合であっても手間を省いて印刷作業の効率を向上させる画像形成システムを提供することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、印刷作業の効率を向上させるプル型の画像形成システムを提供することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、扱うPDL等が異なる画像形成手段(プリンタ)が選択された場合にも印刷情報を変換して印刷作業の効率を向上させる画像形成システムを提供することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、認証を必要としない印刷情報については迅速に印刷手段して印刷作業の効率を向上させる画像形成システムを提供することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、通知に基づいて受取者が認証された場合に画像形成を実行するので、印刷情報の送信者と出力結果の受取者が異なる場合であっても手間を省いて印刷作業の効率を向上させる処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態に係る画像形成システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成システムの動作の概要を示す説明図である。
【図3】印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】プリントサーバが備える認証マップの例を示す表である。
【図5】ユーザIDと通知方法のテーブルの例を示す表である。
【図6】通知メッセージの例を示す説明図である。
【図7】印刷処理の他の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】印刷データ基本情報の例を示す説明図である。
【図9】通知メッセージの例を示す説明図である。
【図10】印刷処理の他の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】情報テーブルの例を示す説明図である。
【図12】プリンタ基本構成の例を説明する説明図である。
【図13】通知メッセージの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0026】
図1から図13を参照して、本発明についての実施の形態に係る画像形成システムPS1について説明する。
【0027】
図1の機能ブロックを参照して、画像形成システムPS1の機能について説明する。
【0028】
画像形成システムPS1は、LANやWANあるいはインターネット等のネットワークN(通信手段の一例)を介して印刷データ(印刷情報)を受信し、この印刷データを格納して管理するプリントサーバSA1(情報管理手段の一例)と、プリントサーバSA1からネットワークNを介して取得する印刷データに基づいて、印刷用紙等の記録媒体に対する画像形成を実行する3台のプリンタPR1、PR2、PR3(画像形成手段の一例)と、印刷データを生成しプリントサーバSA1に送信するホストコンピュータC1とを備えている。また、ネットワークNには、後述する電子メールの送受信を行う情報処理装置の一種としてのパーソナルコンピュータPC1、PC2も接続されている。
【0029】
なお、図1に示す例では、3台のプリンタPR1、PR2、PR3を接続する場合を示したが、プリンタの数は、1台または4台以上を接続する場合であってもよい。
【0030】
また、本実施の形態において、プリンタPR1、PR2、PR3のうちPR1とPR3は同様の構成を有しているものとする。但し、各プリンタPR1、PR2、PR3はそれぞれ処理し得るデータフォーマットが異なるものとする(図14参照)。
【0031】
また、特には限定されないが、プリンタPR1、PR3をスキャナ機能等を備える複合機、プリンタPR2を連帳機としてもよい。
【0032】
図1には、プリンタPR1の機能構成を示す。
【0033】
プリンタPR1は、プリントサーバSA1から印刷データを受信する印刷データ受信部101と、受信した印刷データを保存するハードディスク装置等で構成される印刷データ保存部102を備える。
【0034】
また、出力結果(印刷物)を受け取る受取者を認証する受取者認証部103(認証手段の一例)と、後述する電子メール送信部104による通知に基づいて受取者認証部101によって前記受取者が認証された場合に、プリントサーバSA1からプリンタPR1へ印刷データを送信させて、プリントエンジン等で構成される画像形成部200で画像形成を実行するように制御するマイクロコンピュータ等で構成される制御部104(制御手段の一例)とを備える。
【0035】
さらに、受取者認証部101は、受取者が所有するICカードからIDデータ等を読み取るICカード読取装置CR1を備える。
【0036】
なお、前述のように、プリンタPR3もプリンタPR1と同様の構成を備える。
【0037】
一方、プリントサーバSA1は、ホストコンピュータC1から印刷データを受信したり、プリンタPR1〜PR3に対して印刷データ等の送信を行ったりするデータ送受信部301と、受信した印刷データを格納するハードディスク装置等で構成される印刷データ格納部302とを備える。
【0038】
また、印刷データに予め設定される条件(例えば、印刷データのアトリビュート(属性)等の情報に基づく条件など)に基づいて、プリンタPR1、PR3が備える前述の受取者認証部101による認証を必要とする印刷データであるか否かを判定する印刷データ判定部303(判定手段の一例)と、印刷データ判定部303で認証を必要とする印刷情報であると判定された場合には、当該印刷データに係る出力結果(印刷物)を受け取る受取者の認証情報を前記印刷データに付加する認証情報付加部304(付加手段の一例)と、該認証情報付加部304で認証情報を付加された印刷データに関する情報(例えば、ジョブ名、データ量、フォーマット等の情報)を前記受取者に通知する電子メール送信部305(通知手段の一例)と、印刷要求が届いた場合に、当該印刷要求を出したプリンタ(プリンタPR1〜PR3の何れか)に応じて印刷データの変換処理を行う印刷データ変換部306(変換手段の一例)とを備える。
【0039】
なお、図1に示す例では、通知手段の一例として電子メール送信部305を挙げたが、これに限定されず、指定されたIPアドレス宛にメッセージ等を送信して通知するようにしてもよい(図5参照)。
【0040】
次に、図2を参照して、画像形成システムPS1の動作例について説明する。
【0041】
まず、プリントサーバSA1がホストコンピュータC1から印刷ジョブ(印刷データ)を受信し、印刷データ格納部302に格納する。
【0042】
次いで、印刷データ判定部303は、印刷データのアトリビュート等の条件に従い、ICカード認証を行うジョブであるか否か、つまり、印刷データの中に認証情報が存在するか否かを確認する。
【0043】
そして、ICカード認証ジョブであると判定された場合には、認証情報付加部304で印刷ジョブ(印刷データ)を受け取るユーザの認証情報を印刷ジョブ(印刷データ)に付加する。
【0044】
次いで、電子メール送信部305により印刷ジョブ(印刷データ)を受け取るユーザにジョブ情報を通知する。
【0045】
その後、受取者がプリンタPR1〜PR3の何れかで認証を行って、その認証を行ったプリンタから印刷要求指令がプリントサーバSA1に届くまでは、印刷ジョブ(印刷データ)を送信しないで保持する。
【0046】
なお、ICカード認証ジョブでないと判定された場合には、プリントサーバSA1は、そのまま印刷ジョブ(印刷データ)を保持する。
【0047】
より具体的には、例えば図2に示す印刷ジョブ1では、ユーザA宛の印刷ジョブであるため、ユーザAのID(認証情報)を印刷ジョブに付加してユーザA宛へ送信する。
【0048】
その後、ユーザAが持つICカード(認証カード)で認証されたプリンタ(プリンタPR1〜PR3の何れか)からのジョブ処理要求指令(印刷指令)が届くまでは、プリントサーバSA1に保持する。
【0049】
次いで、印刷指令が届いた場合には、印刷指令を出したプリンタに応じて、印刷データ変換部306でデータ変換処理が行って、当該プリンタに印刷データを転送する。
【0050】
また、印刷ジョブ2の場合には、ユーザB宛の印刷ジョブであるので、ユーザBのID(認証情報)を印刷ジョブに付加しユーザB宛へ送信する。
【0051】
その後、ユーザBが持つICカード(認証カード)で承認されたプリンタからのジョブ処理要求指令(印刷指令)が届くまで、プリントサーバSA1に保持する。
【0052】
次いで、印刷指令が届いた場合には、印刷指令を出したプリンタに応じて、印刷データ変換部306でデータ変換処理が行って、当該プリンタに印刷データを転送する。
【0053】
また、印刷ジョブ3の場合には、ICカード認証ジョブではないと判定され、プリントサーバSA1でそのままを印刷データを保持し、印刷指令が届いた場合には、印刷指令を出したプリンタに応じて、印刷データ変換部306でデータ変換処理が行って、当該プリンタに印刷データを転送する。
【0054】
これにより、印刷データに関する情報を受取者に通知し、その通知に基づいて受取者が認証された場合に印刷出力を実行して、印刷情報の送信者と出力結果の受取者が異なる場合であっても手間を省いて印刷作業の効率が向上される。
【0055】
なお、図2に示す実施の形態では、電子メールをユーザA、Bが操作するパーソナルコンピュータPC1、PC2で受信する場合について述べたが、これに限らず、各ユーザA、Bが所有する携帯端末等で電子メールを受信するようにしてもよい。
【0056】
次に、図3のフローチャートを参照して、画像形成システムPS1で実行される印刷処理の処理手順の例について説明する。
【0057】
ステップS101では、印刷ジョブ(印刷データ)がプリントサーバSA1で受信され、ステップS102では、認証ジョブであるか否かが判定される。
【0058】
そして、「Yes」の場合にはステップS105に移行し、「No」の場合にはステップS103に移行する。
【0059】
ステップS103では、認証情報を作成し、印刷ジョブ認証情報を追加してステップS104に移行する。
【0060】
ステップS104では、受取者にジョブ情報を電子メールで通知してステップS105に移行する。
【0061】
ステップS105では、認証ジョブとしてプリントサーバSA1に保持して、ステップS106に移行する。
【0062】
ステップS106で、図2に示した手順で受取者の認証処理を行い、認証された場合にはステップS107に移行して、当該プリンタで前記認証ジョブの印刷を実行して処理を終了する。
【0063】
図4は、プリントサーバSA1が有する認証マップの例である。
【0064】
この例では、印刷データのデータフォーマット(LCDS、PS、PDF)によってユーザA、Bを認証している。即ち、データフォーマットの形式によって、認証情報の有無を判定するようにしている。
【0065】
ここで、前記LCDSは、ゼロックス社の開発に係るデータフォーマットであるが、その仕様から認証情報を含まないので、前記ステップS102で「No」と判定される場合の例となる。
【0066】
図5は、認証ユーザIDと通知方法の関係を示すテーブルの例を示す。
【0067】
この例では、ユーザAについては、電子メール(E−mail)で通知し、その通知先としてメールアドレスが格納されている。
【0068】
また、ユーザBについては、メッセージで通知し、その通知先としてIPアドレスが格納されている。
【0069】
図6には、通知メッセージの内容の例が示されている。
【0070】
これにより、例えばユーザAは、自分宛にフォーマットが「LCDS」の印刷ジョブが、提示された時間にプリントサーバSA1に保存されていることを把握し、その後、所望のプリンタ(プリンタPR1〜PR3の何れか)まで行って認証作業を行うこととなる。
【0071】
次に、図7のフローチャートを参照して、印刷処理の他の処理手順について説明する。
【0072】
ステップS201では、印刷ジョブ(印刷データ)がプリントサーバSA1で受信され、ステップS202では、認証ジョブであるか否かが判定される。
【0073】
そして、「Yes」の場合にはステップS206に移行し、「No」の場合にはステップS203に移行する。
【0074】
ステップS203では、認証情報を作成し、印刷ジョブ認証情報を追加してステップS204に移行する。
【0075】
ステップS204では、印刷ジョブ(印刷データ)の基本情報を抽出する。
【0076】
図8に印刷データの基本情報の例を示す。この例では、フォーマット:LCDS、カラー:必要なし、後処理:必要、ジョブ優先度:高となっている。
【0077】
次いで、ステップS205で、受取者にジョブ情報を電子メールで通知してステップS206に移行する。
【0078】
ステップS206では、認証ジョブとしてプリントサーバSA1に保持して、ステップS207に移行する。
【0079】
ステップS207で、図2に示した手順で受取者の認証処理を行い、認証された場合にはステップS208に移行して、当該プリンタで前記認証ジョブの印刷を実行して処理を終了する。
【0080】
図9には、通知メッセージの内容の例が示されている。
【0081】
なお、図4および図5は、本例にも適用される。
【0082】
これにより、例えばユーザAは、自分宛に上述の基本情報の印刷ジョブが提示された時間にプリントサーバSA1に保存されていることを把握し、その後、所望のプリンタ(プリンタPR1〜PR3の何れか)まで行って認証作業を行うこととなる。
【0083】
次に、図10のフローチャートを参照して、印刷処理の他の処理手順について説明する。
【0084】
ステップS301では、印刷ジョブ(印刷データ)がプリントサーバSA1で受信され、ステップS302では、認証ジョブであるか否かが判定される。
【0085】
そして、「Yes」の場合にはステップS206に移行し、「No」の場合にはステップS303に移行する。
【0086】
ステップS303では、認証情報を作成し、印刷ジョブ認証情報を追加してステップS304に移行する。
【0087】
ステップS304では、印刷ジョブ(印刷データ)の基本情報を抽出する。
【0088】
基本情報の例は前述の図8が適用される。
【0089】
次いで、ステップS305で、前記基本情報とプリンタ情報(図12参照)とを比較して、受信された印刷ジョブを印刷し得るプリンタを抽出してステップS306に移行する。
【0090】
ステップS306では、受取者にジョブ情報と抽出したプリンタに関する情報を電子メールで通知してステップS307に移行する。
【0091】
ステップS307では、認証ジョブとしてプリントサーバSA1に保持して、ステップS308に移行する。
【0092】
ステップS308で、図2に示した手順で受取者の認証処理を行い、認証された場合にはステップS309に移行して、当該プリンタで前記認証ジョブの印刷を実行して処理を終了する。
【0093】
図11には、送信者、受信者またはプリントサーバSA1が各自で有する情報の例を示す。
【0094】
また、図12にはプリンタPR1〜PR3の基本構成の情報の例を示す。
【0095】
また、図13には、通知メッセージの内容の例が示されている。
【0096】
これにより、例えばユーザAは、自分宛に上述の基本情報の印刷ジョブが提示された時間にプリントサーバSA1に保存されており、且つ、その印刷ジョブを印刷し得るプリンタとして複合機(プリンタPR3)があり、その設置場所の情報を把握し、その後、プリンタPR3まで行って認証作業を行うこととなる。
【0097】
以上述べたように、本実施の形態に係る画像形成システムPS1によれば、印刷データに関する情報を受取者に通知し、その通知に基づいて受取者が認証された場合に印刷出力を実行して、印刷情報の送信者と出力結果(印刷物)の受取者が異なる場合であっても手間を省いて印刷作業の効率が向上される。
【0098】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0099】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。
【0100】
即ち、画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0101】
例えば、所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、この所定のプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0102】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0103】
さらには、画像形成装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、この所定のプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この所定のプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明による画像形成装置および処理プログラムは、高速プリンタや複合機等に適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
PS1 画像形成システム
PR1〜PR3 プリンタ
SA1 プリントサーバ
C1 ホストコンピュータ
CR1 ICカード読取装置
PC1、PC2 パーソナルコンピュータ
101 印刷データ受信部
102 印刷データ保存部
103 受取者認証部
104 制御部
200 画像形成部
301 データ送受信部
302 印刷データ格納部
303 印刷データ判定部
304 認証情報付加部
305 電子メール送信部
306 印刷データ変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段を介して印刷情報を受信し、当該印刷情報を格納して管理する情報管理手段と、
該情報管理手段から前記通信手段を介して取得する前記印刷情報に基づいて、記録媒体に対する画像形成を実行する1または2以上の画像形成手段と、
前記画像形成手段による出力結果を受け取る受取者を認証する認証手段と、
前記印刷情報に予め設定される条件に基づいて、前記認証手段による認証を必要とする印刷情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で認証を必要とする印刷情報であると判定された場合には、当該印刷情報に係る出力結果を受け取る受取者の認証情報を前記印刷情報に付加する付加手段と、
該付加手段で前記認証情報を付加された前記印刷情報に関する情報を前記受取者に通知する通知手段と、
該通知手段による通知に基づいて前記認証手段によって前記受取者が認証された場合に、前記情報管理手段から前記画像形成手段へ前記印刷情報を送信させて、画像形成を実行するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記認証手段による認証後、前記画像形成装置から前記情報管理手段へ印刷要求が届くまで前記印刷情報を前記情報管理手段で保持するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記印刷要求が届いた場合に、当該印刷要求を出した前記画像形成手段に応じて前記印刷情報の変換処理を行う変換手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記判定手段で、認証を必要とする印刷情報ではないと判定された場合には、前記印刷情報を前記情報管理手段で保持し、前記画像形成装置から前記情報管理手段へ印刷要求が届いた場合には、前記変換手段で当該印刷要求を出した前記画像形成手段に応じて前記印刷情報の変換処理を行い、前記情報管理手段から前記画像形成手段へ前記印刷情報を送信させて、画像形成を実行するように制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
情報管理手段から通信手段を介して取得する印刷情報に基づいて、記録媒体に対する画像形成を実行する画像形成過程と、
出力結果を受け取る受取者を認証する認証過程と、
前記印刷情報に予め設定される条件に基づいて、認証を必要とする印刷情報であるか否かを判定する判定過程と、
前記判定過程で認証を必要とする印刷情報であると判定された場合には、当該印刷情報に係る出力結果を受け取る受取者の認証情報を前記印刷情報に付加する付加過程と、
前記認証情報を付加された前記印刷情報に関する情報を前記受取者に通知する通知過程と、
前記認証過程によって前記受取者が認証された場合に、情報管理手段から画像形成手段へ前記印刷情報を送信させて、画像形成を実行するように制御する制御過程と、
を演算手段に実行させることを特徴とする処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−208618(P2012−208618A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72480(P2011−72480)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】