説明

画像形成システム

【課題】各別のインクタンクからインクが供給される複数の記録ヘッドが協働して記録を行うように配置されるシステムにおいて、それぞれのインクタンクの顔料成分の沈降状態が異なる場合でも、記録ヘッド間の記録濃度を揃えるとともに、高画像品位あるいはインク消費量抑制などのユーザの要望に応えることができるようにする。
【解決手段】複数のインクタンクのそれぞれにおける前記顔料成分の沈降状態を判定し、これに基づいて記録濃度が複数の記録ヘッド間で一様となるよう制御を行うとともに、記録媒体に形成すべき画像の記録濃度を指定できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に対して協働して記録を行うよう配置された複数のインクジェット記録ヘッドを用いる画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドとも言う)ないしはインクジェット記録装置に用いられるインクとしては、主に、着色材として染料を用いた染料インクが使用されてきた。しかしながら、染料インクによって記録された記録物は、耐光性および耐候性を重視する屋外掲示プリント物等の用途において求められる性能をもつことが難しく、その代わりに、着色材として顔料を用いた顔料インクが実用化されている。しかし、顔料は溶解系ではなく分散系であるため、顔料インクは、インクタンク中において顔料粒子の沈降が生じることが避けられない。
【0003】
例えば、インクタンクが長期間放置された場合には、そのインクタンクの内部にてインク中の顔料粒子が徐々に沈降する。そのため、インクタンク内部において、その底部から上部の方向に向かうにしたがって顔料粒子の濃度傾斜が発生する。その結果、インクタンク底部のインクは、顔料粒子濃度が高くなって色が濃い層を形成し、一方、インクタンク上部のインクは、顔料粒子濃度が低くなって色が薄い層を形成することになる。
【0004】
インクタンク底部からインクを導出する構成において、長期に一定姿勢(底部を鉛直方向下方に向けた状態)をインクタンクが保っていた場合を考える。かかるインクタンクからインクが導出される場合、そのインクタンクから導出したインクを記録ヘッドに供給したときには、顔料粒子濃度の高い層を形成するインクが最初に供給されるので、色が過度に濃い画像が記録されることになる。つまり、インクタンクの使用初期における記録画像と、その使用後期における記録画像との間に、目視される程度の記録濃度の差が生じる恐れがある。
【0005】
このような課題を解決する方法として、インクタンク内に攪拌部材を設けて攪拌を行う構成が採用される場合がある。しかしインクタンクが固定部位に配置される構成にあっては、攪拌部材を作動させるための機構が必要となり、記録装置ないしは画像形成システムの複雑化および大型化が生じる。また、インクタンク内に吸収体が配置される構成においては、攪拌効果が減殺されてしまう恐れもある。さらに、インクタンク底部において顔料粒子濃度の高い層を形成するインクを排出することで、記録濃度の差を低下させる構成が採用される場合もあるが、本来の記録動作以外にインクを消費してしまうという問題がある。
【0006】
これに対し、特許文献1には、記録装置の休止期間と、休止期間を含むインク消費進行に伴う記録濃度の変動要因についての情報とを用いて記録ヘッドの駆動電圧の補正を行う構成が開示されている。これによれば、濃度が高い場合にはインク吐出量が小さく、濃度が低い場合にはインク吐出量が大きくなるよう調整されるので、インクタンクの使用初期における記録画像と使用後期における記録画像との間の、言わば時間的な記録濃度の差を低減することができる。
【0007】
ところで、インクジェット記録装置の形態として、シリアルプリンタや、ラインプリンタが知られている。ラインプリンタは、記録媒体の幅方向に吐出口を配列してなる長尺の記録ヘッドを用い、記録媒体の搬送の過程で記録ヘッドを駆動することにより記録を行うものであり、高速記録が可能であるという特長を有している。また近年では、かかる長尺の記録ヘッドないしはこれを有する記録装置をインクタンクと組み合わせてモジュール化し、これを複数台、記録媒体に対して協働して記録を行うように配置することにより、画像形成装置が現れてきている。すなわち、幅の広い記録媒体への記録、ないしはより高速の記録が可能となるようにした画像形成装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−276179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのような画像形成装置に用いられる記録ヘッドないしは記録装置に対して特許文献1に開示の構成を適用することは、記録媒体全体に対して均一な記録濃度を実現する、言わば空間的な記録濃度の差が生じないようにする上でも有効であると考えられる。しかしながら、特許文献1に開示の構成を単純に適用した場合には、ランニングコストおよび画像品位などの点でユーザの要望に迅速かつ適切に応え得ない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、そのために本発明は、インクを吐出するための吐出口をそれぞれ有し、記録媒体に対して協働して記録を行うよう配置された複数のインクジェット記録ヘッドと、該複数のインクジェット記録ヘッドのそれぞれに接続され、それぞれが前記インクジェット記録ヘッドに供給すべき顔料成分を含むインクを収納した複数のインクタンクと、を用いる画像形成システムであって、
前記複数のインクタンクのそれぞれにおける前記顔料成分の沈降状態を判定する判定手段と、前記記録媒体に形成すべき画像の記録濃度を指定する指定手段と、当該指定された画像の記録濃度が得られるよう、前記判定手段により判定された前記沈降状態に基づいて前記複数のインクジェット記録ヘッドを制御する制御手段と、を具えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各別のインクタンクからインクが供給される複数の記録ヘッドが協働して記録を行うように配置されるシステムにおいて、それぞれのインクタンクの顔料成分の沈降状態が異なる場合でも、記録ヘッド間の記録濃度を揃えることができる。また、記録濃度の指定を可能とすることで、画像品位を重視した記録や、インク消費量を抑える記録などのユーザの要望に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの概略を示す模式的構成図である。
【図2】図1の画像形成システムに用いられる2つのプリントユニットによる記録媒体への記録態様の説明図である。
【図3】(a)および(b)は、プリントユニットの構成を説明するための模式的側面図である。
【図4】プリントユニットに配置される1つの記録ヘッドに対するインク系の構成を図3(a)の状態に対応させて示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】図5の画像形成システムに用いられるプリントユニットにおける制御系の構成例を示すブロック図である。
【図7】顔料インクを収納するインクタンクのインク使用率に応じた顔料成分の沈降状態の変化を説明するための説明図である。
【図8】異なるインク使用率に対する顔料成分沈降の経時的変化を説明するための説明図である。
【図9】(a)は、一定のインク吐出量を得る場合の顔料成分の沈降係数と吐出エネルギとの関係を示す説明図、(b)は、一定の記録濃度を得る場合の沈降係数と吐出エネルギとの関係を示す説明図である。
【図10】(a)〜(c)は、インク吐出量を制御するための駆動信号波形の説明図である。
【図11】インク吐出量を制御して記録媒体上の記録濃度を調節するための他の態様の説明図である。
【図12】記録媒体上の記録濃度を調節するための他の態様の説明図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、新たなインクタンクが装着された際に実施される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態に係る画像形成システムにおいて、インクタンクが装着された以降に実施される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】(a)〜(c)は、本発明の他の実施形態を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
1.基本構成
図1はインクジェット記録装置の形態のプリントユニット101aおよび101bを2台並べた画像形成システムの概略を示す模式的構成図である。ホスト装置であるPC200から送信した画像データは、プリンタケーブル1103を介して各プリントユニット101aおよび101bへ転送される。各プリントユニット101a,101bは、矢印Sの方向に搬送される記録媒体104に対して記録を行う。ここで、プリントユニット101aおよび101bは、搬送方向に沿って異なる位置に配置されており、搬送される記録媒体104に対して対応する領域(ページ)への記録に関与するようになっている。なお、図示の例では、記録媒体104は連続紙の形態を有するものとして示されているが、カットシート形態のものであってもよいことは言うまでもない。
【0014】
図2はプリントユニット101aおよび101bによる記録媒体104への記録態様の説明図である。プリントユニット101aおよび101bは、搬送方向に直交する方向上でも異なる位置に配置されており、記録媒体104の搬送方向に沿った中心線を境に、記録媒体104上の領域を分けて記録を行う。記録媒体104上に付したPage1〜Page7は、各プリントユニットにより記録されるページを表している。そして、プリントユニット101aにより記録されるPage1〜Page7と、プリントユニット101aにより記録されるPage1〜Page7とが、それぞれ対応しているものとする。
【0015】
図3(a)および(b)は、プリントユニット101aおよび101bのそれぞれの構成を説明するための模式的側面図である。プリントユニットには、記録媒体104に対してフルカラー記録を行うべく、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のインクを吐出するための記録ヘッド103K、103C、103Mおよび103Yが設けられている。なお、プリントユニット101aおよび101bを特定しない場合には、符号101で参照する。また、記録ヘッド103K、103C、103Mおよび103Yを特定しない場合には、符号103で参照する。記録ヘッド103としては、例えば、インクの吐出口と、吐出口に連通する液路と、液路に配されてインクを吐出するために利用される熱エネルギを発生する素子(以下ヒータという)とを有するノズルが配列されてなるものとすることができる。
【0016】
各プリントユニット101において、記録ヘッド103は保持部102により保持され、保持部102とともに鉛直方向に昇降可能である。また、各記録ヘッド103に対応するキャップ106を有した回復ユニット107は水平方向に移動可能に保持されている。
【0017】
図3(a)は、保管状態もしくは記録待機中など非記録時の状態であり、各記録ヘッド103の吐出口形成面にキャップ106が接合している。図3(a)の状態から記録動作に移行する場合には、保持部102を一旦上昇させてから回復ユニット107を左方に退避させ、さらに回復ユニット107のキャップ106間に設けた開口に各記録ヘッド103が対向するようにする。そして保持部102を下降させ、図3(b)に示すように、回復ユニット107の開口から記録ヘッド103を下方に突出させ、記録媒体104と所定の間隙をもって対向する位置に設定することで、記録動作(インク吐出)が可能な状態となる。この状態から非記録時の状態に設定する場合は、逆の動作を行えばよい。
【0018】
図4は非記録時の状態において1つの記録ヘッドに対するインク系の構成を模式的に示している。非記録時に記録ヘッドの吐出口形成面が大気に曝されていると、ノズル部132のインクの溶剤が蒸発してインクの増粘・固化が生じたり、塵埃が付着したりして吐出不良が生じる恐れがある。これを防ぐために、非記録時にはノズル部132の吐出口形成面にキャップ106が接合するようにしている。また、インクジェット記録ヘッド形態の記録ヘッドはその特性上、安定したインク吐出状態が継続して得られるようにするために、インク吐出状態を良好な状態に維持または回復する処理(回復処理)を行うことが望ましい。図3(a)および図4は回復ユニット107によるそのような回復処理を可能とする状態でもある。回復処理には、記録ヘッドへのインク供給系を加圧してインクを吐出口から強制排出させたりする加圧回復動作や、記録前に記録ヘッドに予備的な吐出動作を行わせる予備吐出動作が含まれる。これらの動作によって排出されたインク(廃インク)はキャップ106内の吸収体142に受容される。そして、吸引弁144および大気開放弁146の開閉状態を適切に設定した上でポンプ150を作動させることにより、廃インクは、他の記録ヘッドからの廃インクとともに、バッファ148ないしは廃液タンク152へと導かれる。
【0019】
なお、図4において、符号154で示すものはゴム等の弾性部材でなるワイパーブレードであり、ノズル部132の吐出口形成面をワイピングすることで清浄化する動作を行う。
【0020】
また、160はインクタンクであり、記録ヘッド103に供給するインクを貯留する。すなわち、本例の場合、インクタンク160は記録ヘッド103K、103C、103Mおよび103Yのそれぞれに対応して設けられるものである。本実施形態に係るプリントモジュールの構成としては、上記4色の記録ヘッドを一体に保持するプリントユニットと、各色用インクタンクを一体に保持するタンクユニットとを含み、1つのプリントユニットに対して1つのタンクユニットが接続されている。インクはインクタンク160の底部から導出され、フィルタ134および136を介してノズル部132に供給される。162はインクタンクに配設されたEEPROM等のメモリであり、インクタンク固有の情報、例えば収納するインク色や製造年月日等の情報が記憶されている。
【0021】
図5は本発明の一実施形態に係る画像形成システムの制御系の構成例を示すブロック図である。ここで、200は形成すべき画像データの供給源をなす情報処理装置であり、記録媒体上に形成すべき画像のデータをプリントユニット101aおよび101bのそれぞれに対応させて分割し、供給する。180aはプリントユニット101aおよび対応するタンクユニットを含むプリントモジュール、180bはプリントユニット101bおよび対応するタンクユニットを含むプリントモジュールである。300は媒体搬送装置であり、プリントユニット101aおよび101bの配列によって記録可能な範囲に対応した幅方向のサイズを有する記録媒体104を搬送する。
【0022】
情報処理装置200において、CPU201は、情報処理装置200全般のシステム制御を掌る中央演算処理装置である。CPU201は、オペレーティングシステム(OS)の制御の下、画像データの生成や編集を行うためのアプリケーションプログラムや、プリントユニット101aおよび101bの制御プログラム(プリンタドライバ)等が規定する処理を実行する。また、図13および図14に示す手順に対応するプログラム等が規定する処理を実行する。
【0023】
CPU201のシステムバスは階層的なバス構成を有する。例えば、CPU201は、ホスト/PCIブリッジ202を介してローカルバスとしての例えばPCIバスに接続され、さらにPCI/ISAブリッジ205を介してISAバスと接続されて、各バス上の機器と接続される。
【0024】
メインメモリ203はOS、アプリケーションプログラムおよび上記制御プログラムの一時的記憶領域が設けられるRAMであり、さらに各プログラム実行のための作業用メモリ領域としても用いられる。これらのプログラムは、例えばハードディスクドライブHDD204から読み出されてロードされるものである。なお、システムバスにはキャッシュメモリ220と呼ばれる高速のメモリをもち、CPU201が常時アクセスするようなコードおよびデータはここに保存される。
【0025】
ROM212は入出力回路(図示せず)を介して接続されるキーボード214、マウス215、CDD211およびFDD210等の入出力機器を制御するプログラム等を格納する。EEPROM213は恒久的に利用する各種のパラメータを記憶させるための不揮発性のメモリである。
【0026】
ビデオコントローラ206はVRAM207に書き込まれたRGBの表示データを連続的且つ循環的に読み出し、ディスプレイ208に画面リフレッシュ信号として継続的に転送する。
【0027】
プリントモジュール180aおよび180bとの通信インタフェース209はPCIバスに接続されており、使用可能なインタフェースとしては例えばUSB接続等がある。図5では通信インタフェース209を介してハブ240が接続され、さらにこのハブ240がプリントモジュール180a、180bおよび媒体搬送装置300のそれぞれに接続された構成が示されている。また、本実施形態では有線タイプの通信インタフェース209を使用しているが、無線LAN等の通信インタフェースが用いられるものでもよい。
【0028】
印刷プログラム(プリンタドライバ)は、情報処理装置200に接続されているプリントモジュールのプリントユニットが記録を担当する領域を設定する手段を有している。そして、この設定手段によって設定された内容に基づいて1ページの画像を分割し、各々のプリントユニット101aおよび101bへ画像データを転送し、記録を指示する。
【0029】
図6は本実施形態に係る各プリントユニット101における制御系の構成例を示す。各プリントユニットは、情報処理装置200から送られてくる分割画像データに基づいて、他のプリントユニットとは独立に記録動作を実行できる、それ自体がインクジェット記録装置の機能を有する。すなわち、CPU800、ROM803、RAM805および付加的な構成部としてのEEPROM814を有している。ここで、CPU800は図13および図14に示す処理手順に対応したプログラム等に従ってプリントユニット101の全体的な制御を行う。ROM803はそのプログラムや固定データを格納している。RAM、805は作業用メモリ領域として用いられる。不揮発性のメモリであるEEPROM814は、各プリントユニット固有のパラメータ等を記憶する。
【0030】
802はUSBケーブルを介して情報処理装置200に対しプリントユニット101を接続するためのインターフェースコントローラ、801は各色の記録ヘッド毎の記録データを展開するためのVRAMである。804はメモリコントローラであり、インターフェースコントローラ802に受信した分割画像データをVRAM801に転送する。またこれとともに、画像形成の進捗に従って各色記録ヘッドで記録する記録データを読み出すための制御を行う。情報処理装置200からUSBケーブルを介して分割画像データがインターフェースコントローラ802に受信されると、CPU800は、その分割画像データに付加されたコマンドを解析する。そして、各色成分毎のイメージデータ(各色記録ヘッド毎の記録データ)をVRAM801にビットマップ展開する指示を行う。この指示を受けて、メモリコントローラ804は画像データをインターフェースコントローラ802からVRAM801に高速に書き込み、さらに各色記録ヘッド毎の記録データにビットマップ展開させる。
【0031】
810は各色記録ヘッド103Y、103M、103Cおよび103Kを制御するための制御回路である。809は上述したキャッピング機構の駆動源であるキャッピングモータである。808はインク系のポンプやバルブ等を含む作動部である。807はこれらインク系作動部808およびキャッピングモータ809を駆動するための駆動部である。プリントユニット101の非使用時等においては、キャッピングモータ809を駆動することにより記録ヘッド103とキャッピング機構とを相対移動させてキャッピングが行われる。一方、記録すべき画像データがVRAM801に展開された場合には、不図示の記録ヘッド昇降(U/D)モータ、およびキャッピングモータ809を相互に駆動する。これにより、記録ヘッド103とキャッピング機構とを相対移動させてキャッピング状態を解除し、記録開始信号を待つことになる。
【0032】
806は入出力(I/O)ポートであり、807はモータ駆動部807のほか所要の作動部の駆動手段や、所要のセンサなど(不図示)が接続されて、CPU800との間で信号の授受を行う。812は媒体搬送装置300から記録媒体の頭出し信号と媒体の移動に同期した位置パルス信号を受信し、これらに適切に同期して記録動作を実行するためのタイミング信号を発生する同期化回路である。すなわち、記録媒体の搬送に伴う位置パルスに同期してVRAM801のデータがメモリコントローラ804にて高速に読み出され、記録ヘッド制御回路810を介して記録ヘッド103に転送されることで、カラー記録が行われる。
【0033】
なお、プリントユニット101に組み合わされるタンクユニットにおけるインクタンクの装着の有無を示す情報、インクタンクが収納しているインク色の情報および製造年月日の情報などは、プリントユニット101を介して情報処理装置200に伝達可能である。あるいは、これらの情報がインクタンクから情報処理装置200に直接伝達されるようにしてもよい。
【0034】
2.特徴構成
上述のように、本実施形態では、2つのプリントユニット101aおよび101bが協働して画像形成を行うように配置され、これらのプリントユニットには各別のタンクユニットが組み合わされた構成を有している。ここで、タンクユニットに配されるインクタンクのインク量がなくなったような場合には、新たなインクタンクに交換されることになる。しかしプリントユニット101a側のものと101b側のものとで交換時期が一致するとは限らず、むしろ一致していない場合が多いと考えられる。そして、顔料インクが用いられる場合には、プリントユニット101a側のインクタンクとプリントユニット101b側のインクタンクとで、顔料成分の沈降状態が異なり、異なる濃度勾配が生じていることが考えられる。すると、プリントユニット101aが担当する領域(例えば図2におけるPage1)とプリントユニット101bが担当する領域(同じくPage1)とで、形成される画像の濃度ないしは色味が異なってしまうことになる。
【0035】
ここで、顔料の沈降状態はインクタンク内のインク量によって異なる。また、沈降状態はインクタンクを製造してからシステムに装着されるまでの時間(以下、これを放置時間という)、ないしは、システムに装着してからの時間(以下、これを経過時間という)に応じて変化して行く。
【0036】
図7は、例えば、内部に吸収体を有し、これに顔料インクを含浸させてなるインクタンクのインク使用率が0%、50%および80%の場合の顔料の沈降状態をグラデーションにて模式的に示している。なお、インク使用率0%とは、インクが実質的に完全充填されたインクタンクがシステムに未装着ないしは未使用である状態を言う。そして図7に示すように、一般にインク使用率が低いほどインクタンク底部における顔料濃度が高くなっている。なお、インクタンクは内部に吸収体を有することを必須とするものではない。そのような吸収体を有さない場合でも、沈降状態が変化することは勿論である。
【0037】
図8はインク使用率が0%、50%および80%のそれぞれの場合の顔料成分沈降の経時的変化を、インクタンク内のインクの顔料成分の沈降状態を示す指標(以下、沈降係数という)の変化曲線A、BおよびCとして示したグラフである。ここで、横軸は放置時間ないしはこれに経過時間を加えた時間を、縦軸は沈降係数を表す。また、ε1、ε2およびε3は、それぞれ、使用率0%、50%および80%のインクタンクの時間αにおける沈降係数である。また、ω1、ω2およびω3は、それぞれ、使用率0%、50%および80%のインクタンクの時間β(>α)における沈降係数である。さらに、λ1、λ2およびλ3は、それぞれ、使用率0%、50%および80%のインクタンクの時間γ(>β)における沈降係数である。顔料成分は鉛直方向下向きに沈降して行くものである一方、インクはインクタンクの底部から導出されるものであるので、沈降係数は当該導出されるインクの濃度を表すものにほかならない。つまり、沈降係数が大であるほど導出インクの顔料成分濃度が高いことを表すものである。
【0038】
本実施形態では、インク使用率と、放置時間ないしはこれに経過時間を加えた時間とに基づいて沈降係数を決定し、これに応じてプリントユニット101a側の記録ヘッドおよびプリントユニット101b側の記録ヘッド間で記録濃度の差が生じないようにする。さらに本実施形態では、かかる制御にあたってユーザの要望が適切に反映されるようにする。
【0039】
放置時間ないしはこれに経過時間を加えた時間と沈降係数とを対応付けたテーブルを異なるインク使用率毎に用意し、インク使用率に応じたテーブルを参照することで、放置時間ないしはこれに経過時間を加えた時間に対応する沈降係数を求めることができる。例えば、使用率0%のインクタンクが放置時間αの状態で装着された場合、沈降係数変化曲線Aに対応したテーブルが選択され、沈降係数はε3と決定される。その後、インクが使用されて行くとともに、装着時間も経過することで、インクタンク内の顔料成分の含有率が変化するので、インク使用率が50%のときには沈降係数変化曲線Bに対応したテーブルが選択される。そして、放置時間と装着時間との和がβであったとすると、沈降係数はω2と決定される。同様に、インク使用率が80%されたときにはのときには沈降係数変化曲線Cに対応したテーブルが選択され、放置時間と装着時間との和がγであれば、沈降係数はλ1と決定される。
【0040】
なお、図8のように沈降係数変化曲線A(インク使用率0%)、B(50%)およびC(80%)に対応した3種類のテーブルが用意されるものでもよいし、さらに使用率を細かく分けて用意することもできる。また、時間軸の刻みも任意所望に定め得ることは勿論である。さらに、テーブルはプリントユニット101または情報処理装置200のメモリ(ROMやEEPROMなど)に用意することが可能である。さらに、そのようなテーブルを設ける代わりに、インク使用率に応じた沈降係数変化曲線を時間の関数として表現できるのであれば、当該関数に基づく算出によって沈降係数が決定されるようにすることもできる。
【0041】
さて、記録濃度は、ノズルが吐出するインクの量に依存し、さらにインク吐出量は、エネルギ発生素子であるヒータがインクに付与する熱エネルギ(以下、吐出エネルギ)と、インクの粘度とに依存する。そしてインクの粘度は沈降係数が高い(顔料成分濃度が高い)ほど、高くなる傾向にある。
【0042】
図9(a)は、一定のインク吐出量を得る場合の沈降係数と吐出エネルギとの関係を示した図である。沈降係数が高いほどインクの粘度が高くなり、インクが吐出されにくくなるので、この図に示すように、一定のインク吐出量を得る場合には、沈降係数が高いほど吐出エネルギを高める必要がある。しかしプリントユニット101a側とプリントユニット101b側とで沈降係数に差がある場合、それぞれの記録ヘッドで一定のインク打ち込み量を得るべく吐出エネルギを制御すると、記録濃度が大きく異なってしまうことになる。
【0043】
一方、図9(b)は、一定の記録濃度を得る場合の沈降係数と吐出エネルギとの関係を示している。この図9(b)に示すように、一定の記録濃度を得る場合、沈降係数が高い場合には吐出エネルギを小さくして吐出量を少なくし、沈降係数が低い場合には吐出エネルギを大きくして吐出量を多くすればよいことがわかる。
【0044】
なお、吐出量の制御は、図10(a)に示すように、ヒータに印加する単一のパルス波形状の駆動信号の幅tを制御することで行うことができる。また、同図(b)に示すように、インク吐出は生じないが、インクの加熱による粘度低下に資することのできる幅t1をもつプレパルスと、インク吐出が生じる幅t3のメインパルスとを休止期間t2を挟んでヒータを駆動する場合がある。この場合は、同図(c)に示すように、幅t1およびt3を一定としたまま、休止期間t2を可変とすることで、インク吐出量を調整することが可能である。ここで、休止期間t2を可変とする代わりに、もしくはこれとともに、プレパルスの幅および/またはメインパルスの幅を可変としてもよい。
【0045】
また、記録ヘッドにインクの温度を調節する手段が付加されているのであれば、駆動信号を調節することに代えて、もしくはこれとともに、インクの温度調節によって粘度を調節することで吐出量を制御することもできる。すなわち、図11に示すように、沈降係数に応じて調節温度ひいては粘度を変え、これにより吐出量が増減するようにしてもよい。
【0046】
さらに、個々のノズルのインク吐出量を制御する代わりに、図12に示すように、記録媒体上の単位面積あたりに付与されるインク量(インク打ち込み量)を制御することで記録濃度が制御されるようにしてもよい。これは、例えばノズル配列方向および/または記録媒体搬送方向において適宜吐出データを間引くことで実現可能である。そして、沈降係数が大きい場合ほど間引き率を大きくし、インク打ち込み量が少なくなるようにすればよい。
【0047】
以上のような記録濃度を一定に保つ制御をプリントユニット101aおよび101bが独立して行う場合でも、吐出エネルギやインク打ち込み量などの制御条件を規定する適切な設定が行われていれば、双方の記録領域間での記録濃度差の発生を防止できる。しかし画像形成システムを用いるユーザの要望は様々であり、品位を重視して高画質の画像形成を望む場合や、逆に品位の向上よりもランニングコストの低下ないしは記録速度の向上を望む場合がある。前者には全体的な記録濃度を高めることで対応できる一方、後者には全体的な記録濃度を低く抑えることで対応できる。それらのような要望に応えようとする場合、プリントユニット101aおよび101bのそれぞれに対して制御条件を設定することも考えられるが、これは煩雑な操作を要し、また誤設定が生じる恐れもある。そこで本実施形態は、簡単な操作で迅速かつ確実にユーザの要望に応えることができるようにする。
【0048】
図13および図14はそのための処理を示し、図13は新たなインクタンクが装着された際に行われる処理手順、図14はその後の使用時において例えばシステムの電源オン時に行われる処理手順である。
【0049】
図13の処理手順では、インクタンク160がプリントユニット101に対して装着されると、その装着年月日などの装着時点情報を保存しておく(ステップS1)。これは、インクタンク160に設けられたメモリ162に保存するものでもよいし、プリントユニット101のEEPROM814あるいは情報処理装置200のEEPROM213に保存するものでもよい。次に、インクタンク160のメモリ162にアクセスし、製造年月日などの製造時点情報を読み出し、インクタンクが装着されるまでの放置時間を算出し(ステップS3)、図8について説明したようなテーブル参照等によって沈降係数を判定する(ステップS5)。この場合、沈降係数変化曲線A(使用率0%)に対応したテーブルが参照されるが、例えばそのインクタンクの放置時間がαであれば、沈降係数はε3と決定されることになる。
【0050】
次に、画像形成システムの記録モードの判定が行われる(ステップS7)。記録モードは、例えば情報処理装置200のディスプレイ208に表示されるプリンタドライバの設定画面に対して、品位を優先した「画質優先モード」か、インク消費量の低減を優先した「省インクモード」かをユーザが選択することで設定することができる。ここで、「画質優先モード」が選択されていたことが判定された場合にはステップS9およびS11に進み、記録濃度が高くなる設定を行うための指定を各プリントユニットに出力する。一方、「省インクモード」が選択されていたことが判定された場合にはステップS13およびS15に進み、記録濃度が低くなる(インク消費量が少なくなる)設定を行うための指定を各プリントユニットに出力する。
【0051】
各プリントユニットでは、当該指定に対応した吐出エネルギやインク打ち込み量などの制御条件を沈降係数に応じて設定し(ステップS17)、情報処理装置200から提供される分割画像データに基づいて記録動作を実施する(ステップS19)。つまり、各プリントユニットは、指定に応じた濃度を得るのに必要な制御条件にて記録ヘッド103を駆動し、記録を実施するのである。
【0052】
図14の処理手順では、システム電源のオンに応じ(ステップS21)、インクタンク160のインク使用量を算出する(ステップS23)。これは、例えばそのインクタンクが装着され、使用され始めた以降の吐出データの数(ドットカウント値)を累積的に管理することで可能である。次に、当該インク使用量に基づいて、参照すべき沈降係数変化曲線に対応したテーブルを決定する(ステップS25)。そして、インクタンク160のメモリ162に格納されている製造時点情報と、図13のステップS1で保存した装着時点情報と、コンピュータシステムが通常持つカレンダ機能から認識できる現在日時の情報とから、放置時間および装着時間を算出する(S27)。さらに、それらの時間の和に対応した沈降係数を、上記決定したテーブルから決定する(ステップS29)。例えば、インク使用率が80%であると算出された場合には、図8の曲線Cに対応したテーブルが参照すべきものとして決定されており、放置時間と装着時間との和がγであれば、沈降係数はλ1と決定されることになる。これ以降は、図13のステップS7、S9、S11、S13、S15、S17およびS19とそれぞれ同様のステップS31、S33、S35、S37、S39、S41およびS43の処理が行われる。
【0053】
なお、図13および図14の手順で行われる各処理は、情報処理装置とプリントユニットとの間で適宜担当を定めることができる。例えば図13のステップS17および図14のステップS41までの処理を情報処理装置200側で行うこともできる。あるいは、図13のステップS7〜S15および図14のステップS31〜S39以外の処理をプリントユニット側で行うこともできる。
【0054】
以上の実施形態によれば、プリントユニット101aおよび101b間の記録濃度を揃えることで記録画像内の濃度むらの発生を防止できるとともに、画質を優先するかランニングコストの低減を優先するかなどのユーザの要望に的確に応えることができる。また、ユーザに煩雑な処理を強いることがなく、誤設定などの問題も生じないものとなる。
【0055】
3.その他
以上説明した実施形態では、システムに装着される前のインクタンクはインク導出口が設けられた面が鉛直方向の最低部となる姿勢で放置ないし保管されていることを前提としている。しかし実際には、それ以外の姿勢で保管されていることも考えられ、その場合には図8における曲線Aから単純に沈降係数を決定することが好ましくない場合がある。
【0056】
そこで、図15(a)および(b)に示すように、インクタンク160の姿勢を検出するための3Dセンサ168を取り付けるとともにその検出情報を保持しておくことができる。そして、システムへの装着時において、当該保持されている検出情報を読み出し、これに基づいて適切な沈降係数変化曲線を選択するようにしてもよい。すなわち、例えば、図15(a)に示すようにインク導出口が設けられた面が鉛直方向の最低部となる姿勢で保管されていたことが認識された場合には、上述と同様に、インク使用率に応じA、B、Cの順に沈降係数変化曲線が選択されるようにすることができる。一方、図15(a)に示すようにインク導出口が設けられた面が鉛直方向の最高部となる姿勢で保管されていた場合には、初期には顔料成分の濃度が低いインクが供給される。そこで、その場合には、インク使用率に応じC、B、Aの順に沈降係数変化曲線が選択されるようにすることができる。
【0057】
なお、インクタンクが記録ヘッドの直上に装着されてそのままノズル部132に供給する構成を有し、図15(d)のようにインク導出口配設面が鉛直方向に沿っている姿勢で保管されていた場合には、ノズル配列方向に沿って濃度むらが生じる恐れがある。そのような場合には、ノズル毎に沈降係数を算出して制御条件を設定すればよい。例えば、顔料成分の濃度が高いインクが供給される端部側のノズルには図8の沈降係数変化曲線Aのγ側の沈降係数を当てはめ、顔料成分の濃度が低いインクが供給される端部側のノズルには原点側の沈降係数を当てはめて、制御条件を設定することができる。
【0058】
また、上述した実施形態においては、記録媒体の搬送方向およびこれに交差する方向の異なる位置に2つのプリントユニットが配置されている構成について説明した。しかし記録媒体に対して協働して記録を行うものであれば、プリントユニットの配置の態様およびその個数は適宜定めることができる。例えば、記録媒体の搬送方向に交差する方向においてのみ異なる位置にプリントユニットが複数配置されるものでもよい。逆に、担当するラスタを分けるために、記録媒体の搬送方向においてのみ異なる位置にプリントユニットが複数配置されるものでもよい。
【0059】
さらに、各プリントユニットに設けられる記録ヘッドの色調に対応した種類やその個数も適宜定め得るものである。そして、複数色調のインクに対応した種類の記録ヘッドが設けられる場合、各プリントユニットに属する同色調用の記録ヘッド間で濃度を揃えるための制御条件を設定するだけでなく、同じプリントユニットに属する記録ヘッド間でも同様の処理を行うことができる。
【0060】
加えて、上例では情報処理装置から送られてくる分割画像データに基づいて独立して記録動作を行うことが可能なインクジェット記録装置(プリントユニット)を複数具えた構成について説明した。しかし本発明は基本的に、各別のタンクからインクが供給される複数の記録ヘッドが協働して記録を行うように配置される一方、それらが情報処理装置などの制御部に従属してその制御の下に記録動作を実行するような構成に対して有効に適用できるものである。
【0061】
さらに加えて、上例ではインクを吐出するために利用されるエネルギを発生する素子として熱エネルギを発生するヒータを有する記録ヘッドが用いられる場合について例示した。しかしその他のエネルギ、例えば電圧の印加に応じて変位することで機械的エネルギをインクに付与するピエゾ素子を有する記録ヘッドが用いられる場合に対しても、本発明が有効に適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
101、101a、101b プリントユニット
103、103Y、103M、103C、103K インクジェット記録ヘッド
160 インクタンク
162 メモリ
200 情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するための吐出口をそれぞれ有し、記録媒体に対して協働して記録を行うよう配置された複数のインクジェット記録ヘッドと、該複数のインクジェット記録ヘッドのそれぞれに接続され、それぞれが前記インクジェット記録ヘッドに供給すべき顔料成分を含むインクを収納した複数のインクタンクと、を用いる画像形成システムであって、
前記複数のインクタンクのそれぞれにおける前記顔料成分の沈降状態を判定する判定手段と、
前記記録媒体に形成すべき画像の記録濃度を指定する指定手段と、
当該指定された画像の記録濃度が得られるよう、前記判定手段により判定された前記沈降状態に基づいて前記複数のインクジェット記録ヘッドを制御する制御手段と、
を具えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記吐出口から吐出されるインクの吐出量を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記インクを吐出するための前記インクジェット記録ヘッドの駆動信号の調節と、前記インクの温度調節との少なくとも一方を行うことで前記吐出量を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記記録媒体上の単位面積あたりに付与されるインク量を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記インクタンクが製造されてから前記画像形成システムに装着されるまでの時間と、前記画像形成システムに装着されてからの時間と、インクの使用量と、に応じて前記沈降状態を判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記インクタンクは前記画像形成システムに装着されるまでの姿勢に関する情報を検出して保持するセンサを有し、前記判定手段はさらに、前記インクタンクが装着されたときに前記情報に基づいて前記沈降状態の判定を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−131493(P2011−131493A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292816(P2009−292816)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】