説明

画像形成パラメータ設定の改良

画像形成パラメータを調節するための方法は、記録ヘッド(16)を作動させて第1画像特徴群(60A)を媒体(17)に形成する工程を含む。画像形成パラメータが第1所定値に設定されている間に、第1群の画像特徴が形成される。記録ヘッドは、第2画像特徴群(60B)を媒体に形成する。第2群の特徴は、第1所定値と異なる第2所定値に画像形成パラメータが設定されている間に形成される。第1群の画像特徴が第2群の画像特徴と交互配置されて、交互配置画像特徴パターンが媒体に形成される。交互配置パターンからのデータ(47)が生成および解析されて、交互配置パターンにおける縞模様を表す数量化値が決定される。画像形成パラメータは、数量化値に基づいて調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成するのに使用される記録装置の分野に関連する。詳しく述べると、本発明は、印刷プレートなどの記録媒体に画像を形成するのに使用される記録装置の画像形成パラメータを設定することに関連する。
【背景技術】
【0002】
画像のコピーを大量に印刷するには、普通、大容量印刷機を用いた接触印刷が使用される。接触印刷機では、表面に着色剤を塗着してここに画像を形成するのに、印刷プレート、印刷スリーブ、印刷シリンダ、その他など、様々な印刷要素を使用する。表面は、受容媒体(用紙など)の一部を形成するか、表面から受容媒体へ着色剤を転写するのに適した中間部品(印刷機のブランケットシリンダなど)の一部を形成する。いずれの場合も、着色剤パターンが受容媒体へ転写されて受容媒体に画像が形成される。
【0003】
これらの印刷要素は、印刷機での使用に適した構造にするため一般的に様々な処理を受ける記録媒体の形である。例えば、光または熱の放射に感応するように適当な処理を受けた記録媒体の画像形成可能表面に画像を形成するのに、露光処理が用いられる。露光処理の一種では、フィルムマスクを使用する。マスクは一般的に、「イメージセッタ」として知られるレーザプリンタを用いて高感度フィルム媒体に露光することにより形成される。感光性を与えられた記録媒体と接触しているエリアに画像形成後のフィルムマスクが載置され、マスクを通してここが露光される。このようにして露光された印刷プレートは一般的に、「従来型印刷プレート」と呼ばれる。一般的な従来型の平版印刷プレートは、紫外線領域の光線スペクトルの放射に感応する。
【0004】
別の従来方法では、一般的にプレートセッタと呼ばれる特殊な記録装置の使用により媒体に直接露光する。プレートセッタによる使用のための画像データを受信および調節するコントローラと組み合わされたプレートセッタは、普通、「コンピュータ・トゥ・プレート(ダイレクト刷版)」または「CTP」システムとして知られる。CTPシステムは、フィルムマスクと、これに関わる関連プロセス変動とが回避されるという点で、イメージセッタを超える実質的な長所を提供する。一般的に、放射ビームを選択的に発するように画像データに従ってCTPシステム内の記録ヘッドが制御されて、画像ピクセルとして知られる画像要素を記録媒体の表面に形成する。放射ビームは一般的に、記録媒体の画像改質表面に物理的または化学的な変化を誘発する。
【0005】
記録媒体に形成される画像の品質には、様々な要因が悪影響を及ぼす。そのため、必要な画像形成作用のための様々なプロセス制御の確立が必要となっている。一般的に、所望の品質結果を達成するために任意で設定される必要のある画像形成パラメータがいくつかある。一つの重要なパラメータは、記録媒体に対して行われる放射露光のレベルである。露光は一般的に、画像形成プロセス中に記録媒体に衝突する単位面積あたりの放射エネルギーの量として定義される。記録媒体のタイプに応じて、このパラメータを数パーセント以下に制御することが必要である。
【0006】
様々な画像形成エラーまたはアーティファクトが生じないように各ビームが実質的に等しい露光を記録媒体に与える必要があるという点で、マルチビーム記録装置ではこの状況がさらに複雑となる。マルチビーム記録ヘッドのすべてのビームが同一のサイズおよび伝搬特性を有することが保証されなければ、露光は空間要素と出力または強度要素の両方を有するため、単純な出力または強度のバランスを保つことは可能ではない。ビームのサイズを直接的に測定することは可能であるが、その測定はかなり複雑で正確な結果を得るのは困難である。ビーム解析に良く適したシステムは存在するが、通常は独立型機器の形であって、CTPシステムに含めるには必ずしも適当でなく費用効果も高くない。
【0007】
普通に採用される実用的なアプローチは、記録媒体を測定ツールとすることである。人間の目はわずかな画像変動に敏感なので、熟練のオペレータが画像形成後の記録媒体の診断を行い、この観察に基づいて記録装置に必要な調節を実施することがある。画像要素によって反射または透過された放射の強度を測定することにより画像要素の光学密度を判断する器具である、濃度計の使用が採択されることもある。
【0008】
特定の画像形成パラメータについて最良または最適な設定点を選ぶための従来方法は、一般的に、一連の画像小片に分割することを必要とし、画像小片の各々は特定の画像形成パラメータ値に従って形成される。画像小片の各々の光学密度が濃度計を用いて測定され、特定の光学密度値に対応する画像形成パラメータ値が選択される。残念なことに、多くの場合に画像形成パラメータ値が変化しても光学密度はわずかしか変化せず、これらの微小な差を検出する際の濃度計の精度は制限される。これらの問題のため、特定の画像形成パラメータを最適値に正確に設定するのは非常に困難である。
【0009】
濃度計を使用するのであっても目で記録媒体を単純に判定するのであっても、そのプロセスはやはり手作業であり、熟練者の介入を必要とする。CTPシステムなどの記録装置の使用は普及しているので、最適性能のための様々な画像形成パラメータを都合よく調節するのに使用される技術がますます重要になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,137,580号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2009/0066796号明細書
【特許文献3】米国特許第6,862,414号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
記録媒体に施される画像形成作業のプロセス制御に重要な画像形成パラメータを設定するための改良型の方法および装置を提供する必要がある。
【0012】
テストパターンの主観的品質について判定を行うことに関しては特に、画像パラメータ設定プロセスへのオペレータ介入をさらに縮小する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡潔に述べると、本発明の一態様によれば、画像形成パラメータを調節するための方法は、記録ヘッドを作動させて第1画像特徴群を記録媒体に形成する工程であって、画像形成パラメータが第1所定値に設定されている間に第1画像特徴群の各画像特徴が形成される工程と、記録ヘッドを作動させて第2画像特徴群を記録媒体に形成する工程であって、第1所定値と異なる第2所定値に画像形成パラメータが設定されている間に第2画像特徴群の各画像特徴が形成される工程と、第1画像特徴群の画像特徴と第2画像特徴群の画像特徴とを交互配置して交互配置画像特徴パターンを記録媒体に形成する工程と、記録媒体に形成された交互配置画像特徴パターンからデータを生成する工程と、データを解析して交互配置画像特徴パターンの縞模様を表す数量化値を決定する工程と、少なくとも数量化値に基づいて画像形成パラメータを調節する工程からなる。
【0014】
本発明と、その目的および長所は、以下に提示される好適な実施形態についての詳細な説明において一層明白となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施形態および応用例は、添付された非限定的な図面によって説明される。添付の図面は、本発明の概念を説明することを目的とし、比率は一定でない。
【図1】本発明の実施形態例による画像形成診断システムの概略的斜視図である。
【図2】本発明の実施形態例による方法を表すフローチャートである。
【図3A】本発明の実施形態例による、記録媒体に形成された複数の画像特徴パターンを含むキャリブレーション画像を示す。
【図3B】図3Aに示された画像特徴パターンの一つの一部分の詳細A‐Aを示す。
【図4】本発明の実施形態例による、画像形成された記録媒体をスキャンするのに使用されるスキャナにより生成されるデータ構成を示す。
【図5】本発明の実施形態例で使用される高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを表すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態例により形成される画像特徴パターンから生成されるスキャン後のデータから作成される周波数領域のグラフの一例を示す。
【図7】本発明の実施形態例による複数の異なる焦点オフセットの各々について決定された様々な数量化値の分布を示す。
【図8】本発明の実施形態例による複数の放射源出力レベルの各々について決定された数量化値の分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明の全体において、個々の詳細は、より完全な理解を当業者に与えるために提示されている。しかし、開示を不必要に曖昧にするのを避けるため、周知の要素は詳しく図示または説明されていない。したがって、説明および図面は、限定的な意味ではなく例示的なものと見なされるべきである。
【0017】
図1は、本発明の実施形態例による画像形成診断システム100を概略的に示す。画像形成診断システム100は、画像19(破線で概略的に表される)を記録媒体17に形成するための記録装置10を含む。記録装置10によって様々な画像19が形成可能である。本発明の様々な実施形態例では、特定の画像形成パラメータに最良の設定点を決定するために様々なキャリブレーション画像が形成される。形成される可能性のある画像の範囲を限定することなく、画像19はここでは、本発明の実施形態を説明することを目的としてキャリブレーション画像19と呼ばれる。記録媒体17は、キャリブレーション画像19を形成するのに適当な表面を包含する様々な媒体を含む。記録装置10は、この実施形態例では外部ドラム構造としての構造を持つ媒体支持体12を含む。本発明の他の実施形態は、例えば内部ドラム構造または平面構造による構造を持つ他の形の媒体支持体を含む。
【0018】
この実施形態例では、媒体支持体12の円筒面13に記録媒体17が支持される。記録媒体17の一つ以上のエッジ部分が、クランプ28によって円筒面13に固定される。本発明の他の実施形態例では、他の方法によって記録媒体17を媒体支持体12に固定する。例えば、記録媒体17の表面の間に低圧源を設けることを含めた様々な方法によって、記録媒体17の表面が円筒面13に固定可能である。媒体支持体12は、支持体20に可動式に結合されている。この実施形態例では、媒体支持体12は支持体20に回転式に結合されている。この実施形態例では、媒体支持体12は、複数の整合特徴25を含む。整合特徴25は、媒体支持体12に対して記録媒体17を配向するのに使用される。
【0019】
記録装置10は、媒体支持体12に対して移動可能である記録ヘッド16を含む。本発明のこの実施形態例では、媒体支持体12はその回転軸を中心に回転することにより移動するのに適している。この実施形態例では、記録ヘッド16は可動キャリッジ18に装着されている。キャリッジ18は、媒体支持体12の回転軸と整合された経路に沿って記録ヘッド16を移動させるように作動する。記録ヘッド16と媒体支持体12との間に相対運動を設けるには、動作システム22が使用される。動作システム22(一つ以上の動作システムを含んでもよい)は、要求される運動に必要な適当な駆動装置を含むとよい。本発明のこの実施形態例において、動作システム22は、縦スキャン軸MSAと整合された経路に沿って媒体支持体12を移動させるのに使用されるとともに、横スキャン軸SSAと整合された経路に沿って記録ヘッド16を移動させるのに使用される。伝動部材33の影響を受けて移動するキャリッジ18を案内するのに、案内システム32が用いられる。本発明のこの実施形態例では、伝動部材33は、精密ねじ機構を含む。ある実施形態例では、記録ヘッド16の各々が相互に独立して移動するように、複数の記録ヘッド16が移動する。ある実施形態例では、複数の記録ヘッド16が縦列状態で移動する。
【0020】
当業者であれば、記録ヘッド16と媒体支持体12との間の様々な形の相対運動が本発明により使用可能であることを了解するだろう。例えば、場合によっては、媒体支持体12が移動している間に記録ヘッド16が静止していることがある。他の場合には、媒体支持体12が静止していて記録ヘッド16が移動する。さらに他の場合には、記録ヘッド16と媒体支持体12の両方が移動する。記録ヘッド16と媒体支持体12の一方または両方が対応の経路に沿って往復してもよい。記録装置10内で異なるシステムを作動させるのに別々の動作システムが用いられてもよい。
【0021】
この実施形態例では、記録ヘッド16はレーザなどの放射源(不図示)を含む。放射の波長は、画像形成される記録媒体17のタイプに適するように選択され、例えば赤外、可視、および紫外線スペクトルの波長を含む。様々な実施形態例において、記録装置10は、個別にアドレス可能な記録チャネル23を複数含み、記録チャネル23の各々は、記録媒体17に様々な画像部分を形成するように制御可能である。一次元または二次元のアレイ構造を含む多様な構造で複数の記録チャネル23が配置されればよい。
【0022】
この実施形態例では、記録媒体17をスキャンしながら様々な放射ビーム21を発してキャリブレーション画像19を形成するように、記録ヘッド16が制御可能である。放射ビームは、書き込まれる画像を指定する画像データ37に従って画像方向に調整されるとよい。この実施形態例では、キャリブレーション画像19の画像形成部分を形成するのが望ましい場合には常に、一つ以上の記録チャネル23が適切に駆動されて活性強度レベルの放射ビーム21を発生させる。画像形成部分に対応していない記録チャネル23は、対応の領域に画像を形成しないように駆動される。記録チャネル23の各々は、画像データ37により提供される情報に従って画像ピクセルまたは画像ドットと一般的に呼ばれる画像の単位要素を記録媒体17に形成するように制御可能である。様々な画像ピクセルが他の画像ピクセルと組み合わされて、様々な特徴のキャリブレーション画像19を形成する。本発明の様々な実施形態例では、例えばハーフトーンパターン、確率パターン、そしてハイブリッドパターンを含む様々な画像ピクセルパターンで画像ピクセルが配置されるとよい。
【0023】
キャリブレーション画像19は、多様な方法によって記録媒体17に形成することができる。例えば、記録媒体17が改質表面を含み、放射ビーム21により放射された時に改質表面の特性または特徴が変化するとよい。放射ビーム21は、記録媒体17の表面を融除してキャリブレーション画像19を形成するのに使用可能である。記録媒体17の表面への画像形成材料の転写を促進してキャリブレーション画像19を形成する(例えば熱転写プロセス)のに放射ビーム21が用いられてもよい。放射ビーム21は、放射源から記録媒体17への直接経路を辿っても、または一つ以上の光学要素により記録媒体17へ偏向されてもよい。
【0024】
多くの場合、単一のマーキング作業中にキャリブレーション画像19を完全に形成するのに記録チャネル23の数は不充分である。したがって、多数の部分画像を一緒に融合することによりキャリブレーション画像19が形成され、部分画像の各々が対応のマーキング作業中に形成されるとよい。部分画像は多様な方法で形成可能である。例えば、「ショット」と呼ばれる複数のマーキングからキャリブレーション画像19が形成されるとよい。各ショットの間、記録媒体17の領域に対して記録ヘッド16が位置決めされる。位置決めが済むと、記録チャネル23が起動されて画像ピクセル構成を記録媒体17の領域に形成する。画像ピクセル構成が形成されると、記録チャネル23と記録媒体17との間の相対運動が実行されて記録チャネル23を隣接領域の付近に位置決めし、別のショットが実施されて次の画像ピクセル構成が形成される。
【0025】
スキャンにより様々な部分画像が形成されてもよい。本発明のある実施形態例では、記録チャネル23により発せられた放射ビームを記録媒体17に対して偏向させることによりスキャンが実施される。ある実施形態例では、記録チャネル23が起動されて対応の画像ピクセルを形成する際に記録チャネル23と記録媒体17との間の相対運動を確立することがスキャンに含まれる。これらの実施形態例では、所与の記録チャネル23と記録媒体17との間の相対運動が確立される際に、所与の記録チャネル23により画像ピクセルの列がスキャン方向に形成される。相対運動は、記録チャネル23と記録媒体17との一方または両方を移動させることを含む。スキャンされた画像ピクセル列の各々が組み合わされて、一般的に画像帯と呼ばれる部分画像が形成される。
【0026】
画像帯を形成するには、多様なスキャン技術が使用される。例えば、「リング状」または「円形」の画像帯を形成するのに、「円形」スキャン技術が用いられる。横スキャン軸SSA上の第1位置に記録ヘッド16を維持しながら、また縦スキャン軸MSAの方向に媒体支持体12を移動させながら、コントローラ30により記録ヘッド16に放射ビーム21を発するようにさせると、円形の画像帯が形成される。これに関して、スキャンは縦スキャン方向のみで行われる。第1円形画像帯の完成後に、記録ヘッド16が横スキャン軸SSA上の第2位置へ移動する。次に、記録ヘッド16を第2位置に維持しながら、また縦スキャン軸MSAの方向に媒体支持体12を移動させながら、放射ビーム21を発するように記録ヘッド16が作動する際に、第2円形画像帯が形成される。
【0027】
記録媒体17の表面上にスパイラルまたはヘリカル状に形成されるヘリカル画像帯を形成するには、ヘリカルスキャン技術が使用可能である。例えば、コントローラ30により記録ヘッド16に放射ビームを発するようにさせるのと同時に記録ヘッド16を横スキャン軸SSAの方向に移動させて媒体支持体12を縦スキャン軸MSAの方向に移動させると、ヘリカル画像帯が形成される。これに関して、縦スキャン方向と横スキャン方向の両方でスキャンが行われ、各ヘリカル画像帯は縦スキャン軸MSAに対して斜めになった配向を包含する。
【0028】
ヘリカルスキャン技術と類似した他の形の斜めスキャン技術が本発明の様々な実施形態で用いられることに注意すること。斜めスキャン技術は外部ドラム構造に限定される必要はなく、他の構造の記録装置とともに使用することができる。例えば、ある種の内部ドラム記録装置では、媒体支持体の中心軸上に位置決めされた光偏向器に放射ビームが向けられた状態で、媒体支持体の凹状表面に媒体が位置決めされる。中心軸上を移動しながら光偏向器が回転して、記録媒体の表面上のスパイラル経路を放射ビームが辿る。平面記録デバイスは、特に望ましい配向を持つ様々な画像帯を形成するように記録チャネルと記録媒体との間の協調運動を含む。
【0029】
場合によっては、記録チャネル23により発せられる放射ビーム21の焦点深度が制限され、そのため定期的または即時的な焦点調節を必要とする。このようなシステムでは、大きなドリフトのため放射ビーム21が焦点から外れて、望ましい画像品質に悪影響を与える。この作用はかなり顕著であり、数ミクロン程度のドリフトが画像形成性能を著しく低下させることは珍しくない。本発明のある実施形態例では、単純なグラフ間の焦点調節を実行できる焦点調節機構を、記録装置10が備える。他の実施形態例において、焦点調節機構は、焦点を所望の範囲に保つように連続的に調節を行うサーボ焦点コントローラを含む。焦点調節機構の例は、参考としてここに全体が取り入れられている、譲渡人が同じである米国特許第6,137,580号(Gelbart)に含まれている。本実施形態例では、自動焦点システム35が使用される。自動焦点システム35は、表面への入射ビーム(不図示)を発生させる二次レーザ源36と、反射ビームを受け取って表面の位置を検出する位置検知型検出器38とを含む。二次レーザ源36は、放射ビーム21の発生に用いられる一次レーザ源のものとは異なる波長である。これは、自動焦点信号を書き込み信号と分離して混信を回避するという長所を持つ。位置検知型検出器38は、光検出器、CCD検出器、または反射ビームの位置を検出するのに適した他の検出器を含む。
【0030】
画像形成診断システム100はさらに、本実施形態例ではスキャナ40を含むスキャン画像センサを含む。様々な画像取得センサを一般的に使用するスキャン画像センサは、画像をスキャンして、スキャンされる画像の一部分を表すデータを生成するのに使用される。現在のスキャナは一般的に、電荷結合素子(CCD)または接触画像センサ(CIS)を画像取得センサとして使用する。一般的なCCDタイプのスキャナは、スキャンされる所定数の画像サンプルの光線強度を検出するための光素子を少なくとも1列有する。スキャナのスキャン解像度は一般的に、スキャナごとに異なるドット毎インチ(DPI)で測定される。多くの平面スキャナでは、センサの列におけるセンサの数(一般的にはX方向スキャンレートと呼ばれる)と、スキャナのスキャン方向に沿ったアレイのサンプリングレート(一般的にはY方向スキャンレートと呼ばれる)とによって解像度が決定される。例えば、レターサイズのものをスキャンできるスキャナについて解像度が300DPI×300DPIである場合、スキャナは一般的に、2550個のセンサから成る少なくとも1列(つまり300DPI*8.5インチ)を使用するとともに、300分の1インチの増分(サンプリング空間周期)でセンサアレイを搬送するのに適した駆動装置を使用して、1インチあたり300サイクルのサンプリング空間周波数を達成するのである。本実施形態例において、スキャナ40は、X方向に配置されたセンサアレイ42を含む。センサアレイ42は、Y方向のスキャン動作中にデータ47を生成するのに適している。様々な実施形態例では、データ47はグレースケールデータである。明瞭化のため、センサアレイ42には限定数のセンサ要素が概略的に示され、図示されたその数は、スキャナ40のスキャン解像度を示すものではない。
【0031】
本発明のある実施形態例では、スキャナ40は独立型デバイスであるが、他の実施形態においてスキャナ40は、非限定的な例としての記録装置10などの画像形成診断システム100の他のサブシステムに組み込まれる。本発明のある実施形態例では、スキャナ40は経済的な診断ツールのベースとなる平面スキャナである。他の画像取得・測定デバイスが使用されてもよいが、いくつかの実施形態例では、精密な整合、一定の幾何学的縮尺、照射の均一性、そして大量並列データ取得能力のため、一般的にスキャナが好適である。スキャンされる画像がカラー属性を包含する実施形態例では、センサアレイ42の各々と関連している特定のカラーフィルタを備える多数のセンサアレイ42がスキャナ40に含まれる。一般的な用途では、赤、緑、青のカラーフィルタが使用される。
【0032】
画像形成診断システム100は、一つ以上の個別コントローラを含むコントローラ30を含む。コントローラ30は、媒体支持体12およびキャリッジ18に用いられる様々な動作システム22を限定的でなく含む一つ以上の記録装置10のシステムを制御するのに用いられる。コントローラ30は、媒体支持体12に対する記録媒体17の載置または取り出しをそれぞれ開始させる媒体操作機構も制御する。コントローラ30はまた、画像データ37を記録チャネル23に提供し、このデータに従って画像ピクセルを形成するように記録チャネル23を制御する。図1に示されているように、スキャナ40により生成されたスキャンデータ47がコントローラ30に提供される。本発明の様々な実施形態例によれば、コントローラ30はスキャナデータ47を解析するように作動可能である。様々な制御信号を用いて、または様々な方法を実行して、様々なシステムの制御が可能である。コントローラ30はプログラマブルであって、適当なソフトウェアを実行する構造を持ち、アクセス可能メモリ、論理回路、ドライバ、増幅器、A/DおよびD/A変換器、入力/出力ポート、その他を非限定的な例として含む適当なハードウェアとともに、一つ以上のデータプロセッサを含む。コントローラ30は、マイクロプロセッサ、チップ上コンピュータ、コンピュータのCPU、または他の適当なマイクロコントローラを限定ではなく包含する。コントローラ30は、各々が特定のタスクの実施専用であるいくつかの異なる論理ユニットで構成されている。
【0033】
図2は、本発明の実施形態例による方法200を表す流れ図を示す。方法200では画像形成診断システム100の使用に言及されているが、これは例示のみを目的とし、他の適当なシステムの使用を除外するものではないことを理解すべきである。ステップ210では、記録媒体17が媒体支持体12に適切に装着され、キャリブレーション画像が記録媒体17に形成される。キャリブレーション画像19は、最適な設定が行われる特定の画像形成パラメータに関連するいくつかの画像形成領域を包含する。画像形成領域は、特定の画像形成パラメータの設定に適した画像特徴パターンを含む。ある実施形態例では、キャリブレーション画像19は複数の画像形成領域を含み、画像形成領域の少なくとも一つが、別の画像領域とは異なる画像形成パラメータに対応する。ある実施形態例では、キャリブレーション画像19は複数の画像形成領域を含み、画像形成領域の各々は、画像形成プロセスの特定パラメータの変化に応じて形成される。ある実施形態例では、画像形成プロセスの他の一つ以上の画像形成パラメータが一定のままで、画像形成プロセスの被選択パラメータの変化に応じて画像形成領域の各々が形成される。非限定的な例として挙げると、記録ヘッド16と関連する放射源の出力、記録チャネル23の強度、媒体支持体12の速度、放射ビーム21の焦点合わせに関連するパラメータ、または記録装置10により形成される画像に影響を与えるいくつかのパラメータの一つのうちのいずれか一つとなるように、画像形成パラメータが選択されるとよい。
【0034】
図3Aは、本発明の実施形態例により記録媒体17に形成される複数の画像特徴パターン50を包含するキャリブレーション画像19を示す。明瞭化のため、広げられた「平坦な」配向として記録媒体17が示されている。この実施形態例では、放射ビーム21で記録媒体17をスキャンすることによって画像特徴パターン50の各々が形成される。画像形成スキャンのための基準フレームを確定するため、縦スキャン軸MSAと横スキャン軸SSAとが追加で示されている。この実施形態例では、記録媒体17およびその関連キャリブレーション画像19は、スキャナ40のサイズ限定に従った適切なサイズを持つ。形成される画像特徴パターン50の数は、様々な要因に基づいて決定される。すなわち、画像特徴パターン50の総数がこのパターンの次回解析(後述する)に従って選択されて、最適な画像形成パラメータ値が決定されるのである。本発明の発明者らは、選択された画像形成パラメータの変化と関連する性能傾向を効果的に観察するのに、通常は最低10個の画像特徴パターン50が必要であると判断した。本発明の発明者らはまた、記録媒体17の縦スキャンサイズの大部分を包含する縦スキャンサイズを画像特徴パターン50の各々が包含する場合に良好な結果が得られるとも判断した。記録媒体17の大部分における画像形成により、この画像パターンの次回解析でのエラーが減少する。
【0035】
画像特徴パターン50の各々は、様々な画像ピクセルパターンを含み得る。すなわち、本発明の発明者らは2×2のチェッカー盤状の画像ピクセルパターンが画像形成の変化に対して非常に高感度であり、これにより記録媒体17に変化が顕著に表れる。本発明の他の実施形態例では、画像特徴パターン50の各々は様々なパターンのライン、特徴、立体、その他のものを含み得る。様々な実施形態例では、各画像特徴パターン50は、検討される特定の画像形成パラメータに従って選択された特定パターンの画像ピクセルを含み得る。この図の実施形態では、画像特徴パターン50の各々が直線アレイで配置される。他の実施形態例では、例えば様々な規則的および非規則的な二次元構成を含めた他の構成で、複数の画像特徴パターン50が配置されてもよい。
【0036】
様々な画像特徴パターン50の各々は、検討される特定の画像形成パラメータの多様な所定値に従って形成される。この実施形態例では、画像特徴パターン50の各々は、焦点合わせ画像形成パラメータの変化に対応する。多くの場合、記録装置10の画像形成性能は焦点と強く関連し、他の画像形成パラメータのキャリブレーションを行う前に最適な焦点合わせが装置で行われていることを最初に確認するのが最良であることが多い。この特定の実施形態例では、記録媒体17の画像形成に適した共通の放射レベルに記録ヘッド16の放射源が維持された状態で画像特徴パターン50の各々が形成され、焦点パラメータは画像特徴パターン50の各々について所定量だけ変化する。この実施形態例では、自動焦点システム35により多様な焦点値が得られる。
【0037】
この実施形態例では、選択されたゼロ焦点値から−9μm〜+9μmの範囲内で選択された焦点オフセット値全体の一つに、画像特徴パターン50の各々の各々が対応する。ゼロ焦点値は様々な方法で選択可能である。例えば、記録ヘッド16の所与の焦点範囲内からゼロ値が任意で選択されるか、予め指定された値が選択されてもよい。この実施形態例では、全焦点値の各々が2μmのステップ幅で変化し、本発明の発明者らは、最良の焦点を決定する際にこうして充分な細分性が得られることを見出した。これらの値は例示的な性質を持ち、他の適当な値が本発明の他の実施形態例により使用されるのは容易であることは言うまでもない。
【0038】
この実施形態例では、画像特徴パターン50の各々は複数の画像特徴群から成り、各群の画像特徴の各々は異なる所定の焦点値に従って形成される。この実施形態例では、焦点値の平均値が、画像特徴群が一部を形成する対応の画像特徴パターン50について選択された特定の焦点オフセット値と等しくなるように、多様な所定の焦点値の各々が選択される。例えば、図3Bの詳細図A‐Aに示されているように、−9μmの全焦点オフセット値に対応する画像特徴パターン50(つまり画像特徴パターン50A)は、−15μmの第1焦点値(焦点値♯1で表される)に従って形成される第1画像特徴群60Aと、−3μmの第2焦点値(焦点値♯2で表される)に従って形成される第2画像特徴群60Bとから形成される。この実施形態例では、第1および第2焦点値の各々は相互に異なっている、すなわち、二つの平均値が、この場合には−9μmの目標焦点オフセット値である第3所定値と等しくなるように選択される。他の画像特徴パターン50も同様にして形成されることに注意すること。例えば、+7μmの全焦点オフセット値に対応する画像特徴パターン50は、+1μmの第1焦点値に従って形成される第1画像特徴群と、+13μmの第2焦点値に従って形成される第2画像特徴群とから形成される(つまり、第1および第2の値の平均値は+7μmに等しい)。この実施形態例では、画像特徴パターン50の各々に対応する第1および第2焦点値の各々が、12μmの幅で分離される。12μmの幅は2400DPI程度の画像形成解像度に対して良好に機能することを発明者らは発見したが、本発明の他の実施形態では他の適当な値が使用されてもよい。例えば、1200DPIの画像形成解像度には、第1および第2焦点値の間の48μmの幅が特に良好に機能することを本発明の発明者らは発見した。この実施形態例では、画像特徴パターン50の各々の第1および第2画像特徴群の各々の画像特徴は、2×2のチェッカー盤状画像ピクセルパターンから成る。
【0039】
特定の画像形成パラメータについて設定点を決定する多くの従来方法では、画像形成パラメータの特定値に従ってテスト画像の各々が形成される、複数のテスト画像の各々の光学密度を直接に数量化または定質化しようとしていた。しかし多くの場合には、テスト画像の間に存在する光学密度の差はごく微小であり、ゆえにこのような従来の調節測定技術の有効性を制限する。
【0040】
本発明は、所与の画像形成パラメータ目標値に対応する光学密度を直接的に測定することに関連する制限を解消する。本発明の様々な実施形態例では、各画像特徴パターン50は複数の多様な画像特徴を含み、画像形成パラメータの目標値を限定するいくつかの多様な画像形成パラメータ値群に従って画像特徴の各々が形成される。画像形成パラメータの目標値に対応する光学密度を直接的に測定する代わりに、所与の画像特徴パターン50に対応する複数の画像特徴の各々の光学密度の差が判断されて相対的測定が行われる。目標値が画像形成パラメータの最適設定点に対応しており、限定的パラメータ値の各々が最適設定点から等しく離間している場合には、限定的パラメータ値の各々に対応する測定光学密度の間にはほとんど差がない。目標値が最適設定点から偏った場合には、限定的パラメータ値に対応する測定光学密度の間の差は大きくなる。このような密度差は「縞模様」として知られる画像形成アーティファクトを発生する。
【0041】
縞模様は、隣接の部分画像(例えば隣接の画像帯)の間の融合点での密度変化として通常は表出する、よく見られる画像アーティファクトである。多くの場合、これらの縞模様アーティファクトは、部分画像の空間周期と関係した周期で反復される。本発明では、画像特徴パターン50の各々に縞模様タイプのアーティファクトを故意に誘発して、解析される所与の画像形成パラメータの最適設定点を決定する。この実施形態例では、多様な第1および第2の所定パラメータ値群に従って各画像特徴パターン50が形成される。画像特徴パターン50の各々における第1および第2画像特徴群の間の光学密度差が、別の画像特徴パターン50の第1および第2画像特徴群の間の光学密度差と異なるように、第1および第2所定パラメータ値群の各々が選択される。従って、異なるレベルの縞模様は異なる画像特徴パターン50と関連していることになる。
【0042】
図3Bに示されているように、第1画像特徴群60Aと第2画像特徴群60Bとは画像特徴が交互に配置されるように記録媒体に形成される。これに関して、交互配置されたこれらの画像特徴に対応する画像特徴パターン50は、交互配置画像特徴パターンと呼ばれる。第1画像特徴群60Aおよび第2画像特徴群60Bの各々が異なる焦点値に従って形成されるので、交互配置された画像特徴の中の光学密度差により縞模様パターンが作成される。この実施形態例では、第1画像特徴群60Aの画像特徴の各々が第2画像特徴群60Bの様々な画像特徴と連続して配置される。様々な実施形態例では、第1画像特徴群60Aは第2画像特徴群60Bとは別に形成される。例えば、記録媒体17の第1画像形成中(第1スキャン中など)に第1画像特徴群60Aの二つの画像特徴が形成され、記録媒体17の第2画像形成中(第2スキャン中など)に第2画像特徴群60Bの画像特徴がこの二つの画像特徴の間に形成される。本発明の他の実施形態例では、第2画像特徴群60Bの画像特徴と同時に、第1画像特徴群60Aの画像特徴が形成される。第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴が形成される方法は、形成される特定の画像特徴に従って画像形成パラメータ値(この場合は焦点値)が変更されるやり方を参考とすればよい。
【0043】
本発明の様々な実施形態例では、画像特徴パターン50の各々の縞模様のレベルが周波数領域で解析される。周波数領域での様々なテストパターンの解析は、参考として全体が取り入れられている譲受人が同じ米国特許出願公開第2009/0066796号(Karasyuk et al.)に記載されている。固有周波数に対応する要素を周波数領域で解析することに関連する特定の問題の一つは、解析されるデータのノイズに結果が左右されることである。
【0044】
この実施形態例では、第1画像特徴群60Aと第2画像特徴群60Bとが規則的画像特徴パターンとして記録媒体17にそれぞれ形成される。図の実施形態では、第1画像特徴群60Aの各画像特徴と第2画像特徴群の各画像特徴とが、2400DPIの画像ピクセル解像度についてインチあたり18.75サイクルとも表される128画像ピクセルあたり1サイクルの空間周波数で横スキャン方向に繰り返されている。この実施形態例では、周波数領域での将来的な解析を複雑にする可能性のある外来の周期的ノイズ要因を軽減するように、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の空間周波数が選択される。潜在的なノイズ源の一つは、画像特徴が形成される画像帯である。前述のように、隣接する画像帯の間の融合点で規則的な縞模様パターンが生じる。第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々が、画像帯の横スキャン空間周波数の高調波成分である横スキャン空間周波数を有する場合には、周波数領域での次回解析中に高調波障害が生じることがある。本実施形態例では、224画像ピクセルに等しい横スキャンサイズを各々が有する複数の画像帯を形成するように記録ヘッド16が作動し、したがって、画像帯と関連する縞模様は、2400画像ピクセル解像度について224画像ピクセルあたり1サイクルまたは1インチあたり10.71サイクルの空間周波数に対応する。この実施形態例では、画像帯の横スキャン空間周波数の非整数倍と等しくなるように、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の横スキャン空間周波数が選択された。本実施形態例では、画像帯の横スキャン空間周波数の高調波成分とならないように、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の横スキャン空間周波数が選択された。本発明の他の実施形態例では、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の横スキャン空間周波数の非整数倍と等しくなるように、画像帯の横スキャン空間周波数が選択された。他の実施形態例では、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の横スキャン空間周波数の高調波成分とならないように、画像帯の横スキャン空間周波数を選択するとよい。画像帯の横スキャン空間周波数の非整数倍または非整数因子と等しくなるように第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の横スキャン空間周波数が選択される際の選択は、例えば画像帯の各々の横スキャンサイズなど様々な要因を参考とすればよい。
【0045】
本実施形態例では、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の各画像特徴は、画像特徴の連続構成に対応する64ピクセルに等しい横スキャンサイズを包含する。本実施形態例では、図3Aに示された他の画像特徴パターン50の各々も、同様の空間的特徴を持つ交互配置画像特徴パターンである。
【0046】
ステップ220では、記録媒体17の画像形成および非画像形成領域の間のコントラストが調節される。例えば、記録媒体17の画像改質表面の不要な領域を除去してコントラストを調節するのに、様々な化学的処理ステップが使用される。熱転写プロセスにおいて供与要素を受容要素から分離することによりコントラストの調節が可能である。第1画像特徴群60Aと第2画像特徴群60Bとの間の光学密度差を向上させるのに、記録媒体17の画像形成および非画像形成領域の間のコントラストの調節が用いられてもよい。コントラストの調節はすべての記録媒体で必要とされるわけではないので、任意のものとして識別するためブロック220の輪郭が破線で描かれていることに注意すること。例えば、一部の記録媒体17は、画像形成プロセスにより不要な領域が除去される融除方式で機能する。この場合、融除された材料を記録媒体17から取り除く破片収集システムを設けることが通常は必要であるが、画像形成とコントラスト向上とが同時に達成される。
【0047】
ステップ230では、画像形成された記録媒体17からデータが生成される。本発明のこの実施形態例では、データ47を生成するのにスキャナ40が使用される。図4に概略的に表されているように、画像形成後の記録媒体を概ねスキャン方向(つまりY方向)に沿ってスキャンするのに、スキャナ40が使用される。この実施形態例では、キャリブレーション画像19の形成中に使用される横スキャン方向がY方向と整合されるように、画像形成後の記録媒体17がスキャナ40において配向される。この特定の実施形態例では、画像特徴パターン50の各々は、第1方向に延在する長形の画像特徴を包含し、実質的に直交状態で第1方向と交差する第2方向(つまりY方向)に沿って画像形成後の記録媒体17をスキャンするように、スキャン40が作動する。スキャナ40は、所望の方向における画像形成後の記録媒体17のスキャンを容易にする様々な案内機構を含むか、含むように変形されるとよい。この実施形態例では、データ47の二次元(2D)マトリックス45をスキャナ40が生成する。すなわち、データ47は、M個と記された複数のデータ列46とN個と記された複数のデータ行48とに規則的に配置されるのである。この実施形態例では、データ行48の各々はスキャン方向(つまりY方向)に対応するのに対して、データ列46の各々はスキャナ40のセンサアレイ42の配置方向(つまりX方向)に対応する。図4に示されたマトリックス45内のデータ47を表すセルの数が明瞭化のため限定されていることは言うまでもない。マトリックス45を形成するセルの数は、XおよびY方向におけるスキャナ40のスキャン解像度に関係するだろう。
【0048】
スキャン方向に沿ったスキャナ40のサンプリングレート(つまりY方向スキャンレート)は、周波数領域でのデータ47の次回解析に重大な影響を持つ。一実施形態例では、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の空間周波数がスキャナサンプリング空間周波数の整数倍で完全に表されることが望ましい。この実施形態例では、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数は、画像帯の横スキャン空間周波数の非整数倍と等しくなるように選択される。加えて、スキャン中にスキャナ40により使用されるサンプリング空間周波数が第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数の整数倍と等しくなるように、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数が選択される。この特定の実施形態例では、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数は、2400DPI画像ピクセル解像度について128ピクセルあたり1サイクルまたは1インチあたり18.75サイクルである。Yスキャン方向におけるスキャナ40のスキャン解像度は、1インチあたり300サイクルというスキャン方向のサンプリング空間周波数を提供する300DPIである。したがって、スキャナ40のスキャン方向におけるサンプリング空間周波数は、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数の16倍である。これは、スキャナ40の16個のサンプルそれぞれが、対応の第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の1回の完全サイクルに対応することを意味する。
【0049】
周波数領域のデータ47は有限であり、そのため周波数ビンに分離される。特定の目標周波数がビンに完全に適合している場合には、最大の振幅がもたらされる。目標周波数がそれほど整合されていない場合には、振幅強度の偏差が生じる。加えて、途中で周期信号が切断された時には、周波数スペクトルにノイズが発生する。したがって、解析される周波数の整数倍が各データ行48のデータに適合していることが好ましい。本発明のある実施形態例では、画像特徴パターン50の全幅にわたってスキャンしながらスキャナ40の各センサ要素が第1整数個のサンプルを採取するように、スキャナ40が作動する。第1整数とスキャナ40のサンプリング空間周期との積が、第2整数と第1および第2画像特徴群60A,60Bの横スキャン空間周期(横スキャン空間周波数の逆数)の積に等しくなるように、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴のスキャン解像度および空間周波数の一方または両方が変化する。例えば、前述の実施形態では、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数は、128ピクセルあたり1サイクルまたは1インチあたり18.75サイクルであった。したがって、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々は、0.0533インチの横スキャン空間周期を有する。Yスキャン方向におけるスキャナ40のスキャン解像度が300DPIから200DPIまで変化した場合には、スキャナサンプリング空間周波数は、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数の整数倍と等しくなくなる。それにもかかわらず、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周期(0.0533インチ)の3個分は、スキャナ40により使用されるサンプリング空間周期(0.005インチ)の32個分に等しいので、周波数領域のデータ47の適当な次回解析が実施される。これらの実施形態例では、スキャン中にスキャナ40により使用されるサンプリング空間周波数の第1整数倍は、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数の第2整数倍に等しい。この文脈において、「値の整数倍」は、値と等しいかこれより大きい値の整数倍を含む。
【0050】
本発明の実施形態では、画像特徴の横スキャン空間周波数と画像帯の横スキャン空間周波数と使用されるスキャナ40のサンプリング空間周波数との一部または全部が、様々に変化可能である。ある特定の実施形態例では、第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数が画像帯の横スキャン空間周波数の非整数因子または非整数倍と等しくなるとともに、スキャン中にスキャナ40により使用されるサンプリング空間周波数の第1整数倍が第1および第2画像特徴群60A,60Bの各々の画像特徴の横スキャン空間周波数の第2整数倍と等しくなるように、これら変化する値が制御可能である。
【0051】
ステップ240では、スキャン後のデータが解析される。この実施形態例では、画像特徴パターン50の各々を表すデータ47の構成が、周波数領域で解析される。この実施形態例では、データ47を解析するのに高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムが使用される。本発明の他の実施形態例では、データ47を周波数領域で解析するのに他の適当なアルゴリズムが使用可能である。この実施形態例では、コントローラ30その他により解析が実行される。
【0052】
図5は、本発明の実施形態例で使用されるFFTアルゴリズム300を表すブロック図を示す。ステップ310では選択された、一つの画像特徴パターン50に対応するマトリックス45の一部分のデータ47を包含するデータ構成が選択される。
【0053】
ステップ320では、マトリックス45のデータ行48およびデータ列46のデータ47すべてについて二乗和が計算されて、画像特徴パターン50のうち選択されたものについての全体密度値を表す値が決定される。
【0054】
マトリックス45の一部分のデータ行48の各々について、ステップ330でFFTが計算される。この実施形態例では、各FFTはM個の複素数を含み、各複素数は、対応のデータ行48と関連する空間スペクトルにおける複素フーリエ変換の偏角を表す。この一実施形態例では、複素数と等しい数は各データ行48と関連し、対応の複素数は所与のデータ列46に位置するデータ47に関係している。
【0055】
ステップ340では、複素数の各々の実部および虚部の各々から導出される絶対値が二乗される。各データ行48について計算されたFFTの各々に対して、ステップ340が実施される。
【0056】
ステップ350では、所与のデータ列46に対応する各データ行48から導出された二乗絶対値すべてが加算されて一行の二乗和絶対値が求められる。
【0057】
ステップ360では、ステップ350で決定された二乗和絶対値がステップ320で計算された値によって正規化されて、選択された画像特徴パターン50に対応するマトリックス45の一部分についての周波数領域を表す最終行の値が得られる。
【0058】
画像特徴パターン50のうち所与のパターンに対応するマトリックス45の各部分について、FFTアルゴリズム300が繰り返される。こうしてマトリックス45の各部分が周波数領域で解析されて、特定の画像形成パラメータ値(この場合は焦点値)に従って形成される対応の画像特徴パターン50における交互配置画像特徴の間の光学密度の差により生じる縞模様を表す数量化値が得られる。これに関して、各数量化値は、複数の画像特徴パターン50から決定された数量化値のグループの構成要素である。
【0059】
図6は、−3ミクロンの焦点オフセット値に対応する画像特徴パターンの周波数領域の図の例を示す。図6の図は、−3の焦点オフセット値に対応する画像特徴パターン50の縞模様の強度に関係する顕著なピーク70を示す。この場合にはFFT規模尺度でおよそ5.5である数量化値によって、縞模様の強度を表すことができる。図6に示された図には非常に細かいノイズが存在することに注意すべきである。各画像特徴パターン50の第1および第2群の各々の画像特徴の横スキャン空間周波数のうち一つ以上を適切に選択する際には、類似の周波数領域のグラフのノイズレベルを低減させるのに、画像帯の横スキャン空間周波数とスキャナ40に使用されるサンプリング空間周波数とが使用される。ある実施形態例では、各画像特徴パターン50の第1および第2群の各々の画像特徴の横スキャン空間周波数に対応する周波数値において、データ47が周波数領域で解析される。他の実施形態例では、各画像特徴パターン50の第1および第2群の各々の画像特徴の横スキャン空間周波数の高調波成分に対応する周波数値において、データ47が周波数領域で解析される。
【0060】
方法200のステップ250では、ステップ240で導出された数量化値から画像形成パラメータが少なくとも一部調節される。図7は、本発明の実施形態例による複数の異なる焦点オフセット値の各々について決定された様々な数量化値の分布を示す。この場合には全体焦点値である対応の画像パラメータ値と相関させて、数量化値の各々が示されている。パラメータ値の各々は、画像特徴パターン50の各々に対応する多様な交互配置画像特徴群を形成するのに使用される複数のパラメータ値の平均値と等しい。図7のグラフは、個々の数量化値に加えて、図示された数量化値に適した数学的曲線である「FIT」ラインも示されている。この実施形態例では、適用される「FIT」曲線は二次多項式である。本発明の発明者らは、六次多項式を含む他のより複雑な相関関係も使用したが、この特定の場合にはこれらの相関関係が一般的には必要ないことを発見した。
【0061】
数量化値の分布と「FIT」曲線とは、焦点オフセットが+9ミクロンの値から増減する際に縞模様の強度が徐々に上昇することを示している。したがって、+9ミクロンの焦点オフセット値は、この焦点画像形成パラメータについて最適な設定点に対応する。+9ミクロンの焦点オフセット値を表すのに用いられる限定的パラメータ値の各々に対応する測定光学密度の間にはわずかな差が見られることを、図7のグラフは示している。本発明の実施形態例では、記録装置10と関連する焦点パラメータが、次回画像形成のために+9ミクロンに設定される。本発明の様々な実施形態例では、決定された数量化値の分布の中での最小値の指定を受けて、画像形成パラメータが調節される。本発明の他の実施形態例では、数量化値の分布全体に適合した数学的曲線の変曲点にしたがって画像形成パラメータが調節される。
【0062】
図7のグラフの「FIT」曲線は+9ミクロンの焦点オフセット値において0よりも下がることに注意すべきである。これは、曲線適合作業のみの結果であり、周波数領域で生成される実際の数量化値の結果ではない。図7のグラフは、−3ミクロンから+23ミクロンに及ぶ焦点オフセット分布も示すのに対して、図3Aに示された画像特徴パターン50は−9ミクロンから+9ミクロンの範囲に対応する。図3Aの画像パターン特徴50の解析から決定された数量化値が図示された場合、すべての値の絶対値が概ね低下するので、オペレータは最適焦点値を明確に突き止めることができない。したがって、図7のグラフは、図3Aに示されたものから正方向にシフトされた焦点オフセット分布を有する画像特徴パターン50で形成された別の記録媒体17の第2画像形成に対応する。
【0063】
本発明に従って他の画像形成パラメータが調節されてもよい。図8は、記録ヘッド16の放射源の出力に関係する画像形成パラメータについて周波数領域で決定された数量化値のグラフを示す。この実施形態例では、いくつかの画像特徴パターンにより記録媒体17が再び画像形成され、画像特徴パターンの各々は特定の出力値に対応する。画像特徴パターンの各々は、第1画像特徴パターンの画像特徴と第2画像特徴パターンの画像特徴とを交互配置することにより形成される。第1および第2パターンの各々の画像特徴は、対応の画像特徴パターンで表される特定の出力レベルと等しい平均値を持つ多様な出力値に従って形成される。様々な実施形態例では、限定的出力レベルの間の幅および/または画像特徴パターンの各々により表される出力レベルの間の幅は、画像形成される特定の記録媒体17に関係している。
【0064】
一つの実施形態例では、画像特徴パターンのうち最初のパターンの全体出力レベルから6%程度である、画像特徴パターンの各々により表される出力レベルの間の幅が使用されると、結果が良好である。例えば第1画像特徴パターンは4.250Wに対応する。4.250Wの6パーセントは0.255Wであり、そのため一連の画像特徴パターンは以下の一連の出力レベルに対応するだろう。4.250W,4.505W,4.760W,5.015Wなど。この場合、特定の画像特徴パターンに対応する出力レベルを表す限定的出力レベル(つまり交互配置出力値)の幅も、+/−0.255Wとなるように選択される。したがって、4.250Wの出力レベルに対応する画像特徴パターンは、3.995Wで形成される第1交互配置画像特徴群と、4.505Wで形成される第2交互配置画像特徴群とを含むだろう。同様にして、4.505Wの出力レベルに対応する画像特徴パターンは、4.250Wで形成される第1交互配置画像特徴群と、4.760Wで形成される第2交互配置画像特徴群とを含むだろう。
【0065】
図8のグラフは、記録媒体17に形成される画像特徴パターンのスキャンにより生成されるデータから周波数領域で決定されるいくつかの数量化値を示す。図8のグラフは、いくつかの第1データ点により図示されているように未露光出力では縞模様の強度が高いことを示している。図8のグラフはさらに、露光のレベルは出力増加とともに上昇するので、縞模様の強度が低下してから平坦化することを示している。この実施形態例では、グラフ化された数量化値の「平坦」領域に最適第1ライン72を、グラフの未露光領域に対応する数量化値に最適第2ライン74を描くことにより、出力画像形成パラメータの設定点が決定される。第1ライン72と第2ライン74との間の交点76は、記録媒体17の最低露光点を表す。ここから出力設定点を達成するのに乗数が用いられてもよい。
【0066】
図8のグラフに対応する実施形態例では、共通の回転速度で媒体支持体12が回転している間に、画像特徴パターンの各々が作成される。記録媒体17の露光はこの回転速度に関係しているので、この速度の変化を必要とする多様な画像形成条件が将来的に必要とされる場合に、決定された出力設定点が再計算される必要があるだろう。
【符号の説明】
【0067】
10 記録装置、12 媒体支持体、13 円筒面、16 記録ヘッド、17 記録媒体、18 キャリッジ、19 キャリブレーション画像、20 支持体、21 放射ビーム、22 動作システム、23 記録チャネル、25 整合特徴、28 クランプ、30 コントローラ、32 案内システム、33 伝動部材、35 自動焦点システム、36 第2レーザ源、37 画像データ、38 位置検知型検出器、40 スキャナ、42 センサアレイ、45 マトリックス、46 データ列、47 データ、48 データ行、50 画像特徴パターン、50A 画像特徴パターン、60A 第1画像特徴群、60B 第2画像特徴群、70 ピーク、72 最適第1ライン、74 最適第2ライン、76 交点、100 画像形成診断システム、300 高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズム、MSA 縦スキャン軸、SSA 横スキャン軸、X,Y 方向、M,N 個数。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成パラメータを調節するための方法であって、
記録ヘッドを作動させて第1画像特徴群を記録媒体に形成する工程であって、前記画像形成パラメータが第1所定値に設定されている間に前記第1画像特徴群の各画像特徴が形成される工程と、
前記記録ヘッドを作動させて第2画像特徴群を前記記録媒体に形成する工程であって、前記第1所定値と異なる第2所定値に前記画像形成パラメータが設定されている間に前記第2画像特徴群の各画像特徴が形成される工程と、
前記第1画像特徴群の画像特徴と前記第2画像特徴群の画像特徴とを交互配置して交互配置画像特徴パターンを前記記録媒体に形成する工程と、
前記記録媒体に形成された前記交互配置画像特徴パターンからデータを生成する工程と、
前記データを解析して、前記交互配置画像特徴パターンの縞模様を表す数量化値を決定する工程と、
少なくとも前記数量化値に基づいて前記画像形成パラメータを調節する工程と、
からなる方法。
【請求項2】
前記データがグレースケールデータである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像形成パラメータが、前記記録ヘッドにより発せられる放射ビームの強度である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画像形成パラメータが、前記記録ヘッドにより発せられる放射ビームの焦点である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記画像形成パラメータが、前記記録ヘッドの放射源の出力である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記記録媒体上での前記記録ヘッドのスキャンのたびに、前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群の各々を形成する工程からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記記録ヘッドを作動させて、前記第1画像特徴群の少なくとも一つの画像特徴と前記第2画像特徴群の少なくとも一つの画像特徴とを前記記録媒体に同時に形成する工程からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1所定値と前記第2所定値との平均値が第3所定値と等しくなるように前記第1所定値と前記第2所定値とを選択する工程からなり、前記数量化値を前記第3所定値と相関させる工程をさらに有する方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも前記第3所定値に基づいて前記画像形成パラメータを調節する工程からなる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記データを解析して前記数量化値を決定する工程が、前記データを周波数領域で解析する工程からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群とがそれぞれ規則的画像特徴パターンを前記記録媒体に形成し、前記規則的画像特徴パターンの各々の前記画像特徴の空間周波数に対応する周波数値において前記データを前記周波数領域で解析する工程からなる方法である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記数量化値が前記周波数値に対応する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記規則的画像特徴パターンの各々の前記画像特徴の前記空間周波数が横スキャン空間周波数であり、前記記録ヘッドを作動させて前記記録媒体の画像形成の間に規則的画像帯パターンを形成する工程からなる方法であり、前記規則的画像帯パターンの前記画像帯の横スキャン空間周波数と、前記規則的画像特徴パターンの各々の前記画像特徴の前記横スキャン空間周波数とのうち一方が、前記規則的画像帯パターンの前記画像帯の前記横スキャン空間周波数と、前記規則的画像特徴パターンの各々の前記画像特徴の前記横スキャン空間周波数とのうち他方の非整数倍に等しい、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群とがそれぞれ、規則的画像特徴パターンを前記記録媒体に形成し、前記規則的画像特徴パターンの各々の前記画像特徴の空間周波数の高調波成分に対応する周波数値において前記データを前記周波数領域で解析する工程からなる方法である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記交互配置画像特徴パターンが、前記記録媒体に形成された複数の交互配置画像特徴パターンの一つであり、前記交互配置画像特徴パターンの各々が、異なる群の所定画像形成パラメータ値に従って形成され、
複数のデータ構成を生成する工程であって、前記記録媒体に形成された前記交互配置画像特徴パターンのうち異なるものから各データ構成が生成される工程と、
各データ構成を解析して数量化値グループの中の構成要素を決定する工程であって、前記数量化値グループの中の各構成要素が、前記交互配置画像特徴パターンのうち対応するパターンにおける縞模様を表す工程と、
少なくとも前記数量化値グループに基づいて前記画像形成パラメータを調節する工程と、
からなる方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記数量化値グループから決定された最小値に少なくとも基づいて画像形成パラメータを調節する工程からなる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記数量化値グループの前記構成要素の分布から導出された数学的曲線の変曲点に少なくとも基づいて画像形成パラメータを調節する工程からなる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記記録媒体に形成された前記交互配置画像特徴パターンから前記データを生成するのに適したスキャナを用意する工程からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1画像特徴群の各画像特徴と前記第2画像特徴群の各画像特徴とが、第1方向に延在する長形画像特徴であり、前記スキャナを作動させて前記第1方向と交差する第2方向に前記記録媒体をスキャンする工程により前記データが生成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記記録媒体に形成された前記交互配置画像特徴パターンから前記データを生成する前に、前記記録媒体の画像形成領域と前記記録媒体の非画像形成領域との間のコントラストを調節する工程からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
記録ヘッドを作動させて複数の画像特徴パターンを記録媒体に形成する工程であって、前記画像特徴パターンの各々が、前記画像形成パラメータが第1所定値に設定されている間に形成される第1画像特徴群と、前記第1所定値と異なる第2所定値に前記画像形成パラメータが設定されている間に形成される第2画像特徴群とを包含する工程と、
前記画像特徴パターンの各々について前記第1および第2所定値の各々を選択して、前記画像特徴パターンの各々における前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群との光学密度差が、別の画像特徴パターンにおける前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群との光学密度差と異なるようにする工程と、
複数のデータ構成を生成する工程であって、前記記録媒体に形成された前記画像特徴パターンのうち異なるパターンから前記データ構成の各々が生成される工程と、
各データ構成について数量化値を決定する工程であって、前記数量化値の各々が、前記画像特徴パターンのうち対応するパターンにおける前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群との前記光学密度差を表す工程と、
少なくとも前記数量化値に基づいて前記画像形成パラメータを調節する工程と、
からなる、画像形成パラメータを調節するための方法。
【請求項22】
前記第1画像特徴群の各々からの前記画像特徴が前記第2画像特徴群のうち対応するものからの画像特徴と交互配置されるように、各画像特徴パターンが前記記録媒体に形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記画像形成パラメータが、前記記録ヘッドにより発せられる放射ビームの強度である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記画像形成パラメータが、前記記録ヘッドにより発せられる放射ビームの焦点である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記画像形成パラメータが、前記記録ヘッドの放射源の出力である、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
各データ構成を前記周波数領域で解析して前記数量化値のうち対応する値を決定する工程からなる、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
各画像特徴パターンの前記第1画像特徴群および前記第2画像特徴群の各々が、規則的画像特徴パターンを前記記録媒体に形成し、前記規則的画像特徴パターンの各々の前記画像特徴の横スキャン空間周波数に対応する周波数値において各データ構成を前記周波数領域で解析する工程からなる方法である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
各画像特徴パターンの前記第1画像特徴群および前記第2画像特徴群の各々が、規則的画像特徴パターンを前記記録媒体に形成し、前記規則的画像特徴パターンの各々の前記画像特徴の横スキャン空間周波数の高調波成分に対応する周波数値において各データ構成を前記周波数領域で解析する工程からなる方法である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
各画像特徴パターンの前記第1画像特徴群および前記第2画像特徴群の各々が、規則的画像特徴パターンを前記記録媒体に形成し、前記記録ヘッドを作動させて前記記録媒体への画像形成中に規則的画像帯パターンを形成する工程からなる方法であり、前記規則的画像帯パターンの前記画像帯の横スキャン空間周波数と、前記規則的画像特徴パターンの各々の前記画像特徴の横スキャン空間周波数とのうち一方が、前記規則的画像帯パターンの前記画像帯の前記横スキャン空間周波数と、前記規則的画像特徴パターンの前記画像特徴の前記横スキャン空間周波数とのうち他方の非整数倍と等しい、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記数量化値に対応する前記画像特徴パターンの形成中に使用される前記第1所定値と前記第2所定値との平均値に等しい画像形成パラメータ値と、各数量化値を相関させる工程からなる、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも前記数量化値に基づいて前記画像形成パラメータを調節する工程が、前記数量化値に適合する数学的曲線により画定される最小の数量化値に対応する前記画像形成パラメータ値と等しくなるように前記画像形成パラメータの設定点を調節する工程からなる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
記録媒体を収容するのに適した媒体支持体と、放射ビームを発して前記記録媒体に画像を形成するのに適した記録ヘッドとを包含する記録装置の画像形成パラメータを調節するためのコントローラであって、
前記記録ヘッドを作動させて複数の画像特徴パターンを前記記録媒体に形成し、前記画像特徴パターンの各々が、前記画像形成パラメータが第1所定値に設定されている間に形成される第1画像特徴群と、前記第1所定値と異なる第2所定値に前記画像形成パラメータが設定されている間に形成される第2画像特徴群とを包含し、前記画像特徴パターンの各々において、前記第1画像特徴群の画像特徴が前記第2画像特徴群の画像特徴と交互配置され、
前記画像特徴パターンの各々の形成中に使用される前記第1および第2所定値の各々を変化させて、前記画像特徴パターンの各々における前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群との光学密度差が、別の前記画像特徴パターンにおける前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群との光学密度差と異なるようにし、
複数のデータ構成をスキャナから受け取り、前記記録媒体に形成された前記画像特徴パターンのうち異なるパターンのスキャン中に、前記データ構成の各々が前記スキャナにより生成され、
各データ構成を前記周波数領域で解析して、解析後の前記データ構成について数量化値を決定し、前記数量化値の各々が、前記画像特徴パターンのうち対応するパターンにおける前記第1画像特徴群と前記第2画像特徴群との前記光学密度差を表し、
少なくとも前記数量化値に基づいて前記画像形成パラメータを調節する、
ように構成されたコントローラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2012−533765(P2012−533765A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520590(P2012−520590)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/001947
【国際公開番号】WO2011/008256
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】