説明

画像形成ユニット、及び画像形成装置

【課題】 本発明は現像器ユニットを装着して印刷処理を行うプリンタ等の画像形成装置に関し、特に印字品質の優れた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 画像形成ユニットの一部を構成する現像器ユニット(トナーセットTS)に配設された廃棄トナー回収袋36が廃棄トナーで満杯になると、現像剤収容室34の上面に形成された溝を介してカバー41および廃棄トナー回収袋36に穴を開ける。この開口は、画像形成ユニットの上部に設けられたカッタ43を駆動することによって行われ、カッタ43の駆動は廃棄トナー回収袋36が満杯になったことを検知するセンサによって検知され、例えばCPUを駆動して実行される。このように構成することにより、廃棄トナー回収袋36に穴が開き、以後新品トナーを充填しても画像形成ユニットの再生を不能にする構成である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成ユニットを装着して印刷処理を行うプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、メンテナンス作業の容易さや、プリンタ装置の設計上の理由等から感光体や帯電器、現像器等の画像形成部材を一体としてユニット化し、ユニット毎に交換やメンテナンスを行う方式が採用されている。例えば、タンデム方式のプリンタ装置の場合、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色用に画像形成ユニットが配設され、各画像形成ユニットはドラムユニットと、トナーユニットで構成されている。
【0003】ドラムユニット(以下、ドラムセットで示す)は、例えば感光体ドラムと帯電器、クリーナ等を一体として構成し、トナーユニット(以下、トナーセットで示す)は現像剤収容室や現像ロールを有する。また、このドラムセットとトナーセットはそれぞれプリンタ装置に設けられた装着部に、例えばプリンタ装置の正面から装着することによってプリンタ装置にセットされる。
【0004】図6は従来の画像形成ユニットの構成を説明する断面図である。同図において、DSがドラムセットであり、TSがトナーセットである。ドラムセットDSは上記のように、感光体(感光体ドラム)61と、クリーナ62、帯電器63で構成され、トナーセットTSは現像剤収容室64や現像ロール65によって構成されている。また、現像剤収容室64には現像剤として新品トナーが収納され、現像剤収容室64の上部には廃棄トナー回収袋66が配設され、廃棄トナーパイプ67から排出される廃棄トナー68を回収する。
【0005】同図に示す状態は、トナーセットTSがプリンタ装置にセットされてそれほど時間が過ぎていない状態を示す。したがって、この状態では廃棄トナー回収袋66に溜まった廃棄トナーはそれ程多くないが、その後印刷処理を繰り返すと、廃棄トナー回収袋66には順次廃棄トナー68が溜まり、現像剤収容室64内の新品トナーの枯渇に伴なって廃棄トナー68が廃棄トナー回収袋66に満杯になるとトナーセットTSは交換される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の画像形成ユニットは、上記のように廃棄トナー回収袋66に廃棄トナー68が回収され、廃棄トナー回収袋66が満杯になると交換される。しかし、上記のように従来のトナーセットTSでは廃棄トナーを廃棄トナー回収袋66に溜める方式であり、場合によっては満杯になった廃棄トナー回収袋66内の廃棄トナーを抜き出し、現像剤収容室64内に新品トナーを補充すれば再度現像器ユニット(トナーセットTS)として使用可能である。
【0007】この為、所謂海賊版のトナーセットTSを販売しようとする者は、上記方法によってトナーセットTSを再生する。しかし、このようにして再生されるトナーセットTSは、現像ローラ等の現像器ユニットを構成する部品のチェックを行うことなく再生される。したがって、このようにして再生された現像器ユニットを使用して印刷処理を行った場合、画像品質の保証ができず、印字品質の悪い画像形成装置となる。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みなされたものであり、印字品質の優れた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は請求項1記載の発明によれば、像担持体上に担持され画像形成に寄与しなかった廃棄トナーを回収する廃棄トナー回収袋と、該廃棄トナー回収袋内へ前記廃棄トナーを排出する廃棄トナー排出手段とを少なくとも有する廃棄トナー回収装置を備え、画像形成装置に着脱自在の画像形成ユニットにおいて、前記廃棄トナー回収袋を前記画像形成ユニット外部から壊袋可能な壊袋手段を備える画像形成装置を提供することによって達成できる。
【0010】このように構成することにより、現像器ユニットに廃棄トナーが充分回収され、現像器ユニットを交換する際には、上記壊袋手段によって廃棄トナー回収袋が壊袋され、例えば廃棄トナーが現像剤収容室に入り込み、単に廃棄トナーを取り除くだけでは現像器ユニットを再使用不可能な状態とする構成であり、現像器ユニットの安易な再生を防止する。
【0011】請求項2の記載は、前記請求項1記載の発明において、前記壊袋手段は、例えば壊袋具を押入可能な画像形成ユニットに設けられたスリット状開口である。このように構成することにより、上記スリット状開口は壊袋具によって簡単に壊袋され、廃棄トナー回収袋を壊袋することができ、現像器ユニットの安易な再生を防止することができる。
【0012】請求項3の記載は、前記請求項1記載の発明において、前記廃棄トナー回収袋は熱溶融性樹脂で構成され、前記壊袋手段は画像形成ユニットの外部に形成された電極と、該電極に接続され廃棄トナー回収袋に配設された発熱回路手段である。
【0013】このように構成することにより、電極に通電するだけで廃棄トナー回収袋に配設された発熱回路手段が発熱し、廃棄トナー回収袋を壊袋し、現像器ユニットの安易な再生を防止することができる。上記課題は請求項4記載の発明によれば、像担持体上に担持され画像形成に寄与しなかった廃棄トナーを回収する廃棄トナー回収袋と、該廃棄トナー回収袋内へ前記廃棄トナーを排出する廃棄トナー排出手段とを少なくとも有する廃棄トナー回収装置を備えた画像形成ユニットを着脱自在に備える画像形成装置において、装着された前記画像形成ユニットの前記廃棄トナー回収袋を壊袋可能な壊袋手段を備える画像形成装置を提供することによって達成できる。
【0014】このように構成することにより、画像形成装置に配設された現像器ユニットに廃棄トナーが充分回収され、現像器ユニットを交換する際には、上記壊袋手段によって廃棄トナー回収袋が壊袋され、現像器ユニットを再使用不可能な状態とする構成であり、現像器ユニットの安易な再生を防止する。
【0015】請求項5の記載は、前記請求項4記載の発明において、前記壊袋手段は本体装置に設けられた壊袋具と、画像形成ユニットに設けられた前記壊袋具を挿入可能なスリット状開口から成る。このように構成することによって、より簡単に廃棄トナー回収袋を壊袋し、現像器ユニットの安易な再生を防止することができる。
【0016】請求項6の記載は、前記請求項4記載の発明において、前記壊袋手段は本体装置に設けられ画像形成ユニット外部に形成された電極に電力を供給する電力供給手段と、画像形成ユニットに設けられた電極と接続される廃棄トナー回収袋に配設された発熱回路手段から成る。
【0017】このように構成することにより、廃棄トナー回収袋を広い範囲に壊袋でき、現像剤収容室内に廃棄トナーを落下させ、より確実に現像器ユニットの再利用を防止する。請求項7の記載は、前記請求項4記載の発明において、前記廃棄トナー回収袋に回収された廃棄トナー量が所定値に達したことを検出する検出手段と、該検出結果に基づいて前記壊袋手段を作動させる作動制御手段とを備える構成である。
【0018】このように構成することにより、廃棄トナー回収袋に所定値のトナーが確実に溜まったことを検出でき、より正確に現像器ユニットの交換時期が分かる画像形成装置を提供できる。請求項8の記載は、前記請求項4記載の発明において、前記廃棄トナー排出手段は、両端部の一方が閉鎖され、該両端部の間の中間領域に少なくとも1個の排出口を有する筒と、該筒の両端部の他方に接続され、外部から前記筒の排出口に廃棄トナーを搬送する廃棄トナー搬送部材を備える構成である。
【0019】このように構成することにより、例えば上記廃棄トナー搬送部材を介して像担持体ユニット側から使用済みの廃棄トナーを搬送し、廃棄トナー回収袋に回収することができる。請求項9の記載は、前記請求項4記載の発明において、前記画像形成ユニットは、例えばトナーによって現像される像が形成される像担持体を備えた像担持体ユニットと、現像に使用するトナーを収容する現像剤収容室の所定空間に前記廃棄トナー回収袋を備える現像器ユニットで構成される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態の画像形成ユニットが配設されたタンデム方式のプリンタ装置(画像形成装置)の例である。
【0021】同図において、プリンタ装置1は、画像形成部2、両面印刷用搬送ユニット3、及び給紙部4で構成されている。ここで、画像形成部2は4個の画像形成ユニット5〜8を並設した構成であり、同図の紙面右側から左側に向かってマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に配設されている。また、この中のマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の画像形成ユニット5〜7は減法混色によりカラー印刷を行う構成であり、ブラック(K)の画像形成ユニット8はモノクロ印刷に使用する。
【0022】ここで、上記各画像形成ユニット5〜8はそれぞれドラムセットC1とトナーセットC2で構成され、現像容器に収納された現像剤(の色)を除き同じ構成である。したがって、イエロー(Y)用の画像形成ユニット7を例にして構成を説明する。ドラムセットC1には感光体ドラム、帯電器、クリーナが収納され、トナーセットC2には現像ロールやトナーが収納されている。感光体ドラム9は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成され、感光体ドラム9の周面近傍には、帯電器10a、印字ヘッド10b、現像ロール10c、転写器10d、クリーナ10eが順次配設されている。感光体ドラム9は矢印方向に回動し、先ず帯電器10aからの電荷付与により、感光体ドラム9の周面を一様に帯電する。そして、印字ヘッド10bからの印字情報に基づく光書き込みにより、感光体ドラム9の周面に静電潜像を形成し、現像ロール10cによる現像処理によりトナー像を形成する。この時、感光体ドラム9の周面に形成されるトナー像は、現像容器10cに収納したイエロー(Y)色のトナーによる。このようにして感光体ドラム9の周面に形成されるトナー像は、感光体ドラム9の矢印方向の回動に伴って転写器10dの位置に達し、感光体ドラム9の直下を矢印方向に移動する用紙に転写される。
【0023】一方、用紙の搬送は、前述の給紙部4を構成する給紙カセット11、待機ロール12、搬送ベルト13、駆動ロール14等で構成され、給紙コロ28の回動によって給紙カセット11から搬出された用紙は、待機ロール12まで送られ、更にトナー像に一致するタイミングで搬送ベルト13上に送られ、転写器10dに達する。そして、転写器10dにおいてトナー像が転写され、トナー像が転写された用紙は搬送ベルト13の移動に従って、搬送ベルト13上を矢印方向に移動し、定着ユニット15において熱定着処理が施される。
【0024】また、用紙の上面には、上記イエロー(Y)のトナー像のみならず、他の色のドラムセットC1及びトナーセットC2によって転写されたマゼンダ(M)や、シアン(C)のトナー像も転写され、前述の減法混色に従った色の印刷が行われる。
【0025】尚、上述の用紙は給紙カセット11から搬出される用紙のみならず、MPFトレイ16から供給される用紙も含まれ、この場合には用紙は給紙コロ16aによって搬入され、前述の経路によって印刷処理が行われる。また、上記定着ユニット15は熱ロール15a、15b、及びクリーナ15cで構成され、用紙Pが上述の熱ロール15aと15b間を挟持搬送される間、用紙に転写された例えば複数色のトナー像は溶融して用紙Pに熱定着する。また、クリーナ15cは熱ロール15aに残るトナーを除去する機能を有する。尚、定着ユニット15によってトナー像が定着された用紙は切換板17を介して上方、又は紙面左方向に搬送される。
【0026】一方、両面印刷用搬送ユニット3は装置本体に対して着脱自在に構成され、本例のプリンタ装置1によって両面印刷を行う際装着するユニットであり、内部に複数の搬送ロール18a〜18eが配設されている。両面印刷の場合には、上記切換板17によって一旦上方に用紙が送られ、例えば用紙の後端が搬送ロール19に達した時、用紙の搬送を停止し、更に用紙を逆方向に搬送する。この制御によって、用紙は点線で示す位置に設定された切換部17の左側を下方に搬送され、両面印刷用搬送ユニット3の用紙搬送路に搬入され、搬送ロール18a〜18eによって用紙が送られ、待機ロール12に達し、前述と同様トナー像と一致するタイミングで転写器に送られ、トナー像が用紙の裏面に転写される。
【0027】図2は、上述の画像形成ユニット5〜8の断面図であり、図3は現像器ユニットの斜視図である。尚、画像形成ユニット5〜8はイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーセットTSにおいて同じ構造である。両図において、先ずトナーセットTSは現像ロール30(10c)、供給ロール31、アジテータ32、現像剤収容室34、廃棄トナー排出パイプ35で構成され、現像剤収容室34には廃棄トナー回収袋36が設けられている。現像ロール30(10c)は前述の感光体ドラム9に形成された静電潜像をトナーによって顕像化するロールであり、不図示の電源から所定のバイアス電圧が印加されている。
【0028】供給ロール31は上記現像ロール30にトナーを供給するロールであり、アジテータ32はトナーの凝固等を防止するため回動し、トナーを攪拌する。また、現像剤収容室34の上部には上記廃棄トナー排出パイプ35が配設され、廃棄トナー排出パイプ35は図3に示すように一定間隔に廃棄トナー排出穴35a〜35dが形成されている。
【0029】また、廃棄トナー排出パイプ35の一端35eは閉鎖され、他端35fはドラムセットDSの廃棄トナー排出口38に接続する廃棄トナー搬送部材39に取り付けられている。また、上記廃棄トナー回収袋36は廃棄トナー排出パイプ35に取り付けられ、廃棄トナー排出パイプ35から落下する廃棄トナーが廃棄トナー回収袋36に回収される。また、現像剤収容室34の上面には溝40が形成され、溝40の上部にはカバー41が配設されている。このカバー41は薄いシート状であり、廃棄トナーを現像剤収容室34に密封する。一方、画像形成装置1側のトナーセットTSの収納枠体には穴42が形成され、この穴42の上方には壊袋具であるカッタ43が設けられている(図1及び図2参照)。
【0030】一方、ドラムセットDSは感光体ドラム9と、感光体ドラム9の周面近傍に配設された帯電器10a、クリーナ10eで構成され、感光体ドラム9の上方には印字ヘッド10bも配設されている。尚、ドラムセットDSもプリンタ装置1に対して、例えば正面から着脱自在に構成されている。以上の構成において、上記トナーセットTSが前述のプリンタ装置1にセットされ、印刷処理が行われると、前述のように給紙カセット11から用紙は搬出され、待機ロール12を介して各画像形成ユニット5〜8に送られ、各色毎に帯電、現像、転写の各処理が実行される。
【0031】上記処理を繰り返すと、トナーセットTS内の新品トナーは消費され、前述のクリーナ10eによって除去された廃棄トナーが廃棄トナー搬送部材39を介してトナーセットTSに送られ、廃棄トナー回収袋36に回収される。その後、上記処理を継続し、廃棄トナー回収袋36に廃棄トナーが回収され、廃棄トナー回収袋36に廃棄トナーが充満すると、この状態が不図示のセンサによって検知される。この検知信号は例えばCPUに送られ、カッタ43を駆動する。図4は壊袋手段であるカッタ43等近傍のトナーセットTSの拡大図である。上記検知信号に基づいて、カッタ43は同図に示す矢印イ方向に駆動する。この駆動により、カッタ43は枠体の穴42を通してカバー41および廃棄トナー回収袋36を突き破る。したがって、カッタ43によって廃棄トナー回収袋36上部を密封していたカバー41が壊袋され、廃棄トナー回収袋36に収納されていた廃棄トナーは現像剤収容室34内に混入可能となる。したがって、上記処理の後、トナーセットTSを運搬し、解体する際、上記開口から廃棄トナーが漏れ、現像剤収容室内に混入することになる。
【0032】このように構成することによって、以後海賊版の製造業者が回収したトナーセットTSを再生するため、作業を行っても現像剤収容室34内には廃棄トナーが混じり、トナーセットTSの再生を不可能にする。したがって、新品トナーを充填しても使用することができず、安易なトナーセットTSの再生を防止することができる。
【0033】尚、上記実施形態の説明では、カッタ43によって廃棄トナー回収袋36に穴を開ける構成としたが、カッタ43を移動可能に構成し、トナーセットTSの長手方向に長くカットする構成としてもよい。また、単一のカッタ43を使用し、移動してイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各画像形成ユニット(トナーセットTS)に使用される廃棄トナー回収袋36を壊袋する構成としてもよい。
<第2の実施形態>次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0034】図5は本発明の第2の実施形態を説明する画像形成ユニットの断面図である。尚、同図において、前述の第1の実施形態と同じ部材には同じ番号を付して説明する。トナーセットTSは、前述と同様現像ロール30(10c)、供給ロール31、アジテータ32、現像剤収容室34、廃棄トナー排出パイプ35で構成され、現像剤収容室34には廃棄トナー回収袋36が設けられている。また、現像剤収容室34の上部には上記廃棄トナー排出パイプ35が配設され、廃棄トナー排出パイプ35には一定間隔で廃棄トナー排出穴35a〜35dが形成されている。
【0035】また、上記廃棄トナー回収袋36は廃棄トナー排出パイプ35に取り付けられ、廃棄トナー排出パイプ35から落下する廃棄トナーは廃棄トナー回収袋36に回収される。また、廃棄トナー回収袋36には電熱線46が周設され、この電熱線46の先端には接点47a、47bが取付けられている。この接点47a、47bは、本体側接点48a、48bと接続され、本体側接点48a、48bには、不図示の回路から電力が供給される。
【0036】尚、ドラムセットDS側の構成は前述と同様であり、感光体ドラム9と、感光体ドラム9の周面近傍に配設された帯電器10a、クリーナ10eで構成され、感光体ドラム9の上方には印字ヘッド10bも配設されている。以上の構成において、上記トナーセットTSが前述のプリンタ装置1にセットされ、印刷処理が行われると、前述のように給紙カセット11から用紙が搬出され、待機ロール12を介して各現像器ユニット5〜8に送られ、各色毎に帯電、現像、転写の各処理が実行される。そして、上記処理を繰り返すと、各現像器ユニット5〜8内のトナーセットTS内のトナーが消費され、前述のクリーナ10eによって除去された廃棄トナーが廃棄トナー搬送部材39を介してトナーセットTSに送られ、廃棄トナー回収袋36に回収される。
【0037】そして、廃棄トナー回収袋36が廃棄トナーで満たされると、この状態は不図示のセンサによって検知され、不図示のCPUから前述の本体側接点48a、48bに通電される。この通電によって、接点47a、47bを介して電熱線46に電流が流れ、廃棄トナー回収袋36が壊袋する。この壊袋によって、廃棄トナー回収袋36内の廃棄トナーは現像剤収容室34内に落下し、現像剤収容室34に混入する。
【0038】このため、以後海賊版業者が回収したトナーセットTSを再生するため、作業を行ったとしても現像剤収容室34内に新品トナーを充填することができない。また、例え新品トナーを充填したとしても、廃棄トナーと新品トナーが混じり使用することができない。
【0039】したがって、本例によれば前述の実施形態に比べてより確実に廃棄トナー回収袋36を壊袋し、廃棄トナー回収袋36の廃棄トナーを現像剤収容室34内に落下させることができ、安易なトナーセットTSの再生を確実に防止することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればトナーセットの安易な再生を防止し、画像品質の劣化を無くし、印字品質の優れた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像形成装置の断面構成図である。
【図2】第1の実施形態で使用する画像形成ユニットの断面図である。
【図3】第1の実施形態で使用する現像器ユニットの斜視図である。
【図4】第1の実施形態で使用する現像器ユニットの拡大図である。
【図5】第2の実施形態で使用する画像形成ユニットの断面図である。
【図6】従来の画像形成ユニットの断面図である。
【符号の説明】
1 プリンタ装置
2 画像形成部
3 両面印刷用搬送ユニット
4 給紙部
5〜8 画像形成ユニット
9 感光体ドラム
10a 帯電器
10b 印字ヘッド
10c 現像ロール
10d 転写器
10e クリーナ
10f イレーサ
11 給紙カセット
12 待機ロール
13 搬送ベルト
14 駆動ロール
15 定着ユニット
15a、15b 熱ロール
17 切換部
18a〜18e 搬送ロール
30 現像ロール
31 供給ロール
32 アジテータ
34 現像剤収容室
35 廃棄トナー排出パイプ
36 廃棄トナー回収袋
38 廃棄トナー排出口
39 廃棄トナー搬送部材
40 溝
41 カバー
42 穴
43 カッタ
46 電熱線
47a、47b 接点
48a、48b 本体側接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】 像担持体上に担持され画像形成に寄与しなかった廃棄トナーを回収する廃棄トナー回収袋と、該廃棄トナー回収袋内へ前記廃棄トナーを排出する廃棄トナー排出手段とを少なくとも有する廃棄トナー回収装置を備え、画像形成装置に着脱自在の画像形成ユニットにおいて、前記廃棄トナー回収袋を前記画像形成ユニット外部から壊袋可能な壊袋手段を備えることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】 前記壊袋手段は、壊袋具を押入可能な画像形成ユニットに設けられたスリット状開口であることを特徴とする請求項1記載の画像形成ユニット。
【請求項3】 前記廃棄トナー回収袋は熱溶融性樹脂で構成され、前記壊袋手段は画像形成ユニットの外部に形成された電極と、該電極に接続され廃棄トナー回収袋に配設された発熱回路手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成ユニット。
【請求項4】 像担持体上に担持され画像形成に寄与しなかった廃棄トナーを回収する廃棄トナー回収袋と、該廃棄トナー回収袋内へ前記廃棄トナーを排出する廃棄トナー排出手段とを少なくとも有する廃棄トナー回収装置を備えた画像形成ユニットを着脱自在に備える画像形成装置において、装着された前記画像形成ユニットの前記廃棄トナー回収袋を壊袋可能な壊袋手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】 前記壊袋手段は本体装置に設けられた壊袋具と、画像形成ユニットに設けられた前記壊袋具を挿入可能なスリット状開口から成ることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】 前記壊袋手段は本体装置に設けられ画像形成ユニット外部に形成された電極に電力を供給する電力供給手段と、画像形成ユニットに設けられた電極と接続される廃棄トナー回収袋に配設された発熱回路手段から成ることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項7】 前記廃棄トナー回収袋に回収された廃棄トナー量が所定値に達したことを検出する検出手段と、該検出結果に基づいて前記壊袋手段を作動させる作動制御手段とを備えることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項8】 前記廃棄トナー排出手段は、両端部の一方が閉鎖され、該両端部の間の中間領域に少なくとも1個の排出口を有する筒と、該筒の両端部の他方に接続され、外部から前記筒の排出口に廃棄トナーを搬送する廃棄トナー搬送部材を備えることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項9】 前記画像形成ユニットは、トナーによって現像される像が形成される像担持体を備えた像担持体ユニットと、現像に使用するトナーを収容する現像剤収容室の所定空間に前記廃棄トナー回収袋を備える現像器ユニットで構成されることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−122218(P2003−122218A)
【公開日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−315149(P2001−315149)
【出願日】平成13年10月12日(2001.10.12)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】