説明

画像形成媒体及びそれに使用する材料

コーティングは、該コーティングのマトリックス相及びロイコ染料相の両方の中に均一に分散及び溶解しているアンテナを含む。アンテナは、画像形成材料に特定のパターンにて適用され得るエネルギーを容易に吸収する。この吸収されたエネルギーが混合物を加熱し、ロイコ染料と活性化剤とが混合、反応し、ロイコ染料が変色することで、マークが生成される。画像形成材料の調製法には、活性化剤とアンテナを含む粉体を設けること、活性化剤/アンテナ粉体を溶解させて活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液を形成すること、ロイコ染料アロイを設けること、及びロイコ染料アロイを活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液中に分散させて放射線硬化性ペーストを形成すること、が包含される。画像記録媒体は、アンテナと活性化剤を含むマトリックスと、独立相としてマトリックス中に分散しているアロイとを含む。アロイは、アンテナ、ロイコ染料及び促進剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
光や熱などのエネルギーで刺激されると変色する材料は、画像形成に用いることができる。そのような材料は、例えば、感熱プリント紙やインスタント画像形成フィルムにおいて見出すことができる。一般に、既知の材料及び組成物は、画像を生成するのに複数層且つ/又は複数相の膜構造及び付加処理を必要とすることがある(例えば、ポラロイドのようなインスタント画像形成フィルム)。そして、ファクシミリ及びサーマルヘッド媒体の場合は、良好な画像を得るのに1J/cmを上回る高いエネルギーを入力する必要がある。複数層/複数相媒体における組成物は、発色剤の拡散制御並びに付加処理を必要とし、且つそれらは別個の相及び層にある。ほとんどの感熱紙及びファクシミリ紙のコーティングは、少なくとも3つの成分から成る微細分散物を作ることにより作製されたコーティングから構成される。エネルギーが適用されると、その組成物は混合し反応して、着色材料となる。必要とされる混合を達成するためには、その粒子は、3つ以上の相及び層にわたって接触しなければならず、新しい相の中へ入り込まなければならない。これらの複数の相及び層のため、当該プロセスを達成するには高いエネルギーが必要となる。例えば、マークを作り出すのに、100μsよりはるかに長い時間において3J/cmというエネルギー密度を有する比較的強力な炭酸ガスレーザが必要となり得る。ある場合には、この高いエネルギーの適用によって、画像形成基材への損傷の原因となることがある。多くの場合、それほど強烈ではなく、それほど強力ではなく、且つ/又は比較的短時間の、何れかのエネルギーの適用を利用して可視マークをより効率的に作り出すことは望ましいことであろう。
【0003】
あるいはまた、レーザー光線を照射することによって成形物品の表面上に明瞭なマーキングを形成させるための、マーキング組成物を使用することも可能である。当該コーティング発色剤は、典型的には、放射線硬化可能なポリマーマトリックス又は溶媒/水性コーティング中にロイコ染料及びフェノール系現像剤(活性化剤)(それらはいずれも、溶解性が低い)を独立した相として分散させて成る。当該コーティングにはまた、アンテナも含まれ、それは、画像形成レーザーの波長に対応する吸収帯において高い吸光係数を有する化学種である。しかしながら、このアンテナは、独立した複数の相の中の1相のみに存在し、それ故、レーザー照射をさほど効率よく吸収することはない。その結果、当該コーティングをマーキングするために必要となるエネルギー密度は、比較的高い(>0.5J/cm、通常約3J/cm)。そのようなエネルギー密度を使用すると、コーティング及び/又はコーティングの下の基材が、切除されたり、ダメージを受ける可能性がある。高いエネルギー密度を必要とするそのような画像形成用コーティングを使用すると、温度やエネルギーに敏感なデータ記憶媒体(書き込み可能なCD、DVDなど)のラベリングのためにそのようなコーティングを使用することがさらに複雑になり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に鑑み、低いエネルギーの照射により開始及び書き込みが可能な、高速マーキングコーティング及び発色材料が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、画像形成化合物:アンテナ及び活性化剤を含むマトリックス;及び独立した相として前記マトリックス中に分散しているアロイ、に関し、前記アロイは、アンテナを含み、さらにアロイ中に均一に分散しているロイコ染料及び促進剤を含む。
【0006】
本発明の他の態様には、画像形成材料の調製方法が包含される。当該方法は、活性化剤及びアンテナを含む粉体を設けること、活性化剤/アンテナ粉体を溶解させて、活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液を形成すること、ロイコ染料アロイを設けること、及び、ロイコ染料アロイを活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液に溶解させて、放射線により硬化可能なペーストを形成すること、を包含する。
【0007】
本発明の他の態様には、基材、該基材上のマトリックスを含んで成る画像記録媒体が包含され、前記マトリックスは、アンテナ及び活性化剤、並びに独立相としてマトリックス中に分散するアロイを含み、前記アロイは、アンテナを含み、さらに当該アロイ中に均一に分散しているロイコ染料及び促進剤を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明とみなすものを具体的に指摘し、明瞭に主張しているところの特許請求の範囲にまとめられているが、以下の発明の説明を添付の図面を参照しながら読むことによって、本発明をより容易に確認できよう。
【0009】
本発明には、任意の好適なエネルギー源、例えば、IR照射、UV照射、又は可視光線を用いてマーキングした場合に、明瞭なマーキング並びに優れた画像品質をもたらすコーティングが包含される。エネルギーにより刺激されると変色を生じるのに用いられる材料には、基材に適用されているマトリックス(放射線硬化アクリレートのオリゴマー及びモノマーなど)中に分散している、ロイコ染料のような発色剤と活性化剤を含むことができる。詳細な実施形態では、ロイコ染料及び活性化剤のどちらかは、周囲条件下で、マトリックス中に実質的に不溶性とし得る。エネルギーを吸収し且つそれを反応物質に伝える機能を有する効果的な照射エネルギー吸収剤もまた、当該コーティング中に存在する。そして、エネルギーを適用すると、活性化剤及び発色剤のどちらか、又はそれらの両方が加熱、混合され、その結果、ロイコ染料が活性化され、マーキングが生成される。
【0010】
本明細書で用いるとき、用語「ロイコ染料」とは、非活性化状態で無色又は第1の色を示し、次いで活性化状態にすると、着色又は第1の色から第2の色への変化を示す発色性物質を意味する。本明細書で用いるとき、用語「活性化剤」とは、ロイコ染料と反応し、ロイコ染料の化学構造を変化させ、色を変化又は付けさせる物質である。単なる例として、活性化剤は、当該変化をもたらし得るフェノール系又はその他のプロトン供与種とし得る。用語「アンテナ」は、任意の放射線吸収性化合物を意味する。当該アンテナは、マーキング放射線の所望の特定の波長を容易に吸収する。
【0011】
本発明のコーティングの具体的な実施形態は、放射線硬化可能なポリマーマトリックス、例えば、UV硬化性プレポリマーをベースとするマトリックスを含むことができる。アンテナは、前記マトリックス中に均一に分散又は溶解している。本明細書で用いるとき、用語「アンテナ」とは、画像形成用レーザーからの照射を効果的に吸収する各種化合物が含まれる。具体的な一実施形態では、このアンテナは、赤外(IR)染料である。アンテナの例としては、限定はしないが、IR780(Aldrich 42,531−1)、IR783(Aldrich 54,329−2)、Syntec 9/1、Syntec 9/3、又は金属錯体(ジチオラン金属錯体及びインドアニリン金属錯体など)が挙げられる。マトリックスにはまた、酸性(プロトン供与性)活性化剤(例えば、現像剤)も溶解している。コーティングはまた、ロイコ染料、促進剤(好ましくは低融点芳香族化合物)及びアンテナを含んで成るアロイ(非晶質共融物又は多結晶質)も含む。本発明の具体的な実施形態において使用されるロイコ染料は、フルオラン系の化合物である。促進剤を存在させることによって、高融点のフルオラン染料の融点を低下させるのに役立ち、それによって、加熱時の反応性が向上する。促進剤を使用することによって、ロイコ染料アロイ中にアンテナを均一に溶解させることも容易となる。当該コーティングには2つの独立した相が含まれる。第1の相には、放射線硬化可能なポリマーマトリックスと、そのポリマーマトリックス中に溶解している酸性活性化剤とが含まれる。第2の相には、マトリックス中に不溶性であるか又は比較的低溶解性(例えば、溶解度5%未満、最も好ましくは2%未満のような)であるが、微細な分散体としてマトリックス中に均一に分散している、ロイコ染料の低融点共融物が含まれる。
【0012】
本発明の他の実施形態には、放射線により硬化可能で、画像形成可能なコーティングを調製する方法が包含される。当該方法は、活性化剤/アンテナアロイの調製を包含する。活性化剤を加熱して溶融させ、その溶融物中にアンテナを溶解させる。任意に、アンテナを少量の低融点有機溶媒(溶融助剤)中に予め溶解させておいて、次いで活性化剤を添加、溶融させ得る。当該ホットメルトを周囲温度にまで冷却してから、粉砕して、より細かい(典型的には約20〜約50μm未満の)粒子径とする。具体的な一実施形態においては、活性化剤には、フェノール基を有する酸性(プロトン供与性)化合物が含まれる。本発明で使用するのに適する活性化剤には、任意の酸性化合物、例えば、ビスフェノールA、安息香酸p−ヒドロキシベンジル、TG−SA(フェノール、4,4’−スルホニルビス[2−(2−プロペニル)])、及びポリフェノールなどが含まれる。本発明で使用するのに好適な活性化剤は、アンテナに対して良好な溶解性を有するべきである。
【0013】
任意に、溶融助剤をコーティングに添加して、コーティング中の結晶性有機物質の融点を、約50℃〜約120℃の範囲に低下させることもできる。本発明で使用するのに好適な溶融助剤としては、活性化剤とアンテナの双方に対して良好な溶媒として機能する任意の化合物を挙げることができる。溶融助剤の例としては、エチレングリコールのm−トリルエーテル、シュウ酸ジベンジル、テレフタル酸ジベンジルなどが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【0014】
次いで、粉砕した活性化剤/アンテナアロイをUV硬化性マトリックスのプレポリマー溶液中に溶解させることにより、活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液を調製する。プレポリマー溶液中の活性化剤/アンテナアロイの含量は、(プレポリマー溶液の全重量を基準として)約2重量%〜約90重量%、望ましくは約3重量%〜約60重量%、最も望ましくは5〜45重量%の範囲である。粉砕した活性化剤/アンテナアロイは、当該成分が液相中に均一且つ均質に分散されるように、プレポリマー相の中に溶解させるべきである。活性化剤/アンテナアロイを調製することによって、液状プレポリマー中へのアンテナの溶解性が改良される。多くの通常のIR染料は高粘度のプレポリマー中における溶解度が低いため、このことは特に有用である。活性化剤溶融物中へアンテナを溶解させ、次いで、プレポリマー中へその溶融物を溶解させることによって、マトリックス中へのアンテナの均一/均質な分散が可能となり、画像形成レーザーの照射に対するアンテナの感度を向上させることができる。
【0015】
ロイコ染料アロイ(共融物)は、促進剤溶融物中にアンテナを溶解させることによって調製される。次いでロイコ染料を促進剤溶融物中に溶解させると、ロイコ染料/促進剤/アンテナアロイが形成され、それを冷却、粉砕して、微細な粉体、好ましくはその粒子径が約20μm以下、より好ましくは10μm未満とする。本発明の具体的な実施形態において使用されるロイコ染料は、フルオランタイプのものである。本発明で使用するのに適する、許容できるフルオランロイコ染料の例には、次式の構造が含まれる。
【0016】
【化5】

【0017】
式中、Rは、アルキル若しくはアリール基、又はH原子とし得る。
【0018】
本発明で使用される促進剤としては、結晶性の有機固体で、融点が約50℃〜約150℃の範囲、好ましくは融点が約70℃〜約120℃の範囲のものを挙げることができる。好適な促進剤としては、本発明の調合物及び方法において使用するロイコ染料やアンテナに対して良好な溶媒特性をもたらす芳香族炭化水素(又はその誘導体)がある。ロイコ染料及びアンテナを溶解させることに加えて、促進剤は、ロイコ染料の融点を低下させるのに役立ち、また、ロイコ染料アロイを非晶質状態に安定化させる(即ち、ロイコ染料アロイが、個々の成分に再結晶化する速度を低下させる)ことができる。本発明で使用するのに好適な促進剤としては、限定はしないが、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、β−ナフトールベンジルエーテル、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタンが挙げられる。
【0019】
サーモクロミックなUV硬化性ペーストは、放射線硬化可能なプレポリマー(ラッカー)中に活性化剤/アンテナアロイを溶解させた溶液中に、感光性ロイコ染料アロイの粉体を分散させることによって調製される。放射線硬化可能なプレポリマーは、活性化剤/アンテナアロイに対し溶媒として、そしてロイコ染料アロイに対し分散媒として機能する。ロイコ染料アロイは、活性化剤/ラッカー溶液中にはほとんど溶解しないため、混合物中では、ほとんどが独立した相として存在する。好適な放射線硬化可能なプレポリマー(ラッカー)の例としては、光パッケージ(photo package)を有する、アクリレートの誘導体、オリゴマー及びモノマーのような、UV硬化性マトリックスが挙げられる。光パッケージには、ラッカーを硬化させるための反応を開始させる光吸収性の化学種が含まれ、そのようなものの例としては、ベンゾフェノン誘導体を挙げることができる。モノマー及びプレポリマーをフリーラジカル重合させるための光重合開始剤の他の例には、限定はしないが、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、アセトフェノン及びベンゾインエーテルが含まれる。本発明の具体的な実施形態では、変色を引き起こさないような形態の照射により硬化するマトリックスを選択するのが望ましい。カチオン重合樹脂をベースとするマトリックスでは、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン化合物をベースとする光重合開始剤が必要である。好適なラッカー又はマトリックスとしては、Nor−Cote CDG000(UV硬化性アクリレートのモノマー及びオリゴマーの混合物)も挙げられ、これは、光重合開始剤(ヒドロキシケトン)と有機溶媒アクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ベータ−フェノキシエチルアクリレート、及びヘキサメチレンアクリレート)を含む。ラッカー又はマトリックスとして有用なその他の成分としては、限定はしないが、例えば、CN293及びCN294などのアクリレート化されたポリエステルオリゴマー、並びにCN−292(低粘度ポリエステルアクリレートオリゴマー)、SR−351(トリメチロールプロパントリアクリレート)、SR−395(イソデシルアクリレート)及びSR−256(2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート)(これらは全て、サルトマー社(Sartomer Co.)から入手可能)が挙げられる。
【0020】
サーモクロミックなUV硬化性ペーストを基材上に印刷し、次いで放射線に暴露させてそのコーティングを硬化させる。放射線硬化可能なラッカーにおいて使用するために適した光パッケージは、その光パッケージを活性化させるための波長が、当該コーティング中に存在している他の化学種により大きく妨害されないように、選択すべきである。硬化したコーティングは、アンテナの吸光特性に合わせた発光波長を有するレーザーによって、画像形成をすることが可能である。こうして、コーティングは、レーザーのエネルギーを効率よく(即ち、0.1〜0.5J/cm程度の低いエネルギー密度レベルで)吸収する。
【0021】
ここで図2に記載の実施形態を参照すると、画像形成媒体100、エネルギー110、基材120、画像形成組成物130、及び懸濁粒子140が示されている。画像形成媒体100は、基材120を含む。基材120は、その上にマーキングを作成することが望ましい任意の基材とし得、単なる例としては、例えば、紙(例えば、ラベル、チケット、レシート、又は便せん)、OHP用透明体、又はCD−R/RW/ROMあるいはDVD−R/RW/ROMなどのような記録媒体の表面ラベルなどである。
【0022】
画像形成組成物130は、マトリックス、活性化剤、及び例えばアンテナのような放射線吸収化合物を含んで成る。活性化剤とアンテナは、マトリックスに可溶性である。形成された促進剤/ロイコ染料/アンテナアロイ(図1の90)は、マトリックス中には実質的に不溶性であって、均一に分散された粒子140としてマトリックス中に懸濁又は分散する。画像形成組成物130(活性化剤及びアンテナを含む)は、任意の許容できる方法、単なる例としては、例えばロール掛け、スプレー又はスクリーン印刷などによって、基材に適用することができる。
【0023】
エネルギー110を画像形成媒体100に誘導して、マーキングや画像を形成させることができる。エネルギーの形態は、利用可能な装置、周囲条件、及び所望の目的に応じて、変更し得る。用い得るエネルギーの例としては、IR照射、UV照射、X線、あるいは可視光線などが挙げられる。アンテナはそのエネルギーを吸収して、画像形成組成物130を加熱することができる。その熱によって、懸濁粒子140は、元々粒子中に存在している発色性の化学種(例えば、ロイコ染料)の相互拡散を起こさせるのに充分な温度(例えば、粒子140及びマトリックスのガラス転移温度(T)又は融点(T))にまで達する。それによって、活性化剤と染料が反応して着色するか、又はロイコ染料が既に着色している場合には、その色が変化する。
【0024】
実施例1及び2には、本発明の例示的な実施形態を示している。本発明の範囲内で、各種の修正が可能であることを理解されたい。例えば、本発明で使用するのに適したアンテナ60は、マーキングをもたらすために画像形成媒体に適用されるタイプのエネルギーを効果的に吸収する任意の材料とし得る。単なる例としては、次のような化合物:IR780(Aldrich 42,531−1)(1)、IR783(Aldrich 54,329−2)(2)、Syntec 9/1(3)、Syntec 9/3(4)、又は金属錯体(ジチオラン金属錯体(5)及びインドアニリン金属錯体(6)など)が好適なアンテナであり得る。
【0025】
【化6】


【化7】

【0026】
式中、Mは遷移金属であり、R、R、R及びRは、ハロ置換基を有する又は有しないアルキル基又はアリール基であり、そしてA、A、A及びAは、S、NH又はSeとし得る
【0027】
【化8】

【0028】
式中、MはNi又はCuであり、R及びRはハロ置換基を有する又は有しないアリール基又はアルキル基である。
【0029】
好適なアンテナのさらなる例には、キノン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、金属錯体、アゾ、クロコニウム、スクアリリウム染料、及び6官能ポリエステルオリゴマーが含まれる。アンテナのその他の例は、Matsuoka,Masaru編「Infrared Absorbing Dyes」、Plenum Press(1990)(ISBN 0−306−43478−4)、及びDaehne,S.、Resch−Genger,U.、Wolfbeis,O.編「Near−Infrared Dyes for High Technology Applicatons」、Kluwer Academic Publishers(ISBN 0−7923−5101−0)において見出すことができ、両方とも、参照することでここに取り入れることとする。
【0030】
活性化剤(例えば、ビスフェノール−A)とロイコ染料90(例えば、BK−400)は、共働して、マーキングを形成することができる。活性化剤とロイコ染料は、互いに反応すると変色する任意の2つの物質とし得る。反応すると、活性化剤は、ロイコ染料の変色(又は、ロイコ染料の顕色)を開始させ得る。ロイコ染料は、周囲温度ではマトリックスへの溶解性は低いが、マトリックスがロイコ染料アロイ及びマトリックスの融点よりも高い温度になると、その溶解性は顕著に高くなり得る。そのため、加熱すると、ロイコ染料は、マトリックス中に溶解し得る。マトリックス中には活性化剤が溶解しているため、ロイコ染料と活性化剤は同一の相(マトリックス)の中に存在することになり、互いに反応して発色する。画像形成した後に急冷することにより、マトリックス中に溶解している発色したロイコ染料/活性化剤の錯体が安定化される。対照的に、形成されたロイコ染料/促進剤/アンテナアロイは、周囲条件下ではラッカーには実質的に不溶性であり得る。「実質的に不溶性」とは、周囲条件下ではラッカー中へのロイコ染料の溶解性が非常に低く、それ故、周囲条件下では染料と活性化剤との間の反応による変色が全く又はほとんど起きないということを意味している。従って、上述の実施形態では、周囲条件下では、活性化剤はラッカー中に溶解されており、ロイコ染料/促進剤/アンテナアロイは、マトリックス中に固体として懸濁又は分散した状態に保たれる。活性化剤としては、限定はしないが、プロトン供与体や、ビスフェノール−A及びビスフェノール−Sなどのフェノール系化合物を挙げることができる。ロイコ染料としては、フルオランロイコ染料を挙げることができる。
【0031】
本発明において使用するのに適したロイコ染料には、限定はしないが、フルオラン、フタリド、アミノ−トリアリールメタン、アミノキサンテン、アミノチオキサンテン、アミノ−9,10−ジヒドロ−アクリジン、アミノフェノキサジン、アミノフェノチアジン、アミノジヒドロ−フェナジン、アミノジフェニルメタン、アミノヒドロケイ皮酸(シアノエタン、ロイコメチン)及び対応するエステル、2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、インダノン、ロイコインダミン、ヒドロジン、ロイコインジゴイド染料、アミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン、テトラハロ−p,p’−ビフェノール、2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、フェネチルアニリン、及びそれらの混合物が含まれる。本発明の一態様においては、ロイコ染料は、フルオラン、フタリド、アミノトリアリールメタン、又はそれらの混合物とし得る。好適なフルオラン系ロイコ染料の非限定例には、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル−n−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、1(3H)−イソベンゾフラノン、4,5,6,7−テトラクロロ−3,3−ビス[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]、及びそれらの混合物が含まれる。アミノトリアリールメタンロイコ染料、例えば、トリス(N,N−ジメチルアミノフェニル)メタン(LCV);重水素−トリス(N,N−ジメチルアミノフェニル)メタン(D−LCV);トリス(N,N−ジエチルアミノフェニル)メタン(LECV);重水素−トリス(4−ジエチルアミノールフェニル)メタン(D−LECV);トリス(N,N−ジ−n−プロピルアミノフェニル)メタン(LPCV);トリス(N,N−ジ−n−ブチルアミノフェニル)メタン(LBCV);ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−(4−ジエチルアミノ−2−メチル−フェニル)メタン(LV−1);ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−(4−ジエチルアミノ−フェニル)メタン(LV−2);トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン(LV−3);重水素−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン(D−LV−1);重水素−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)(4−ジエチルアミノフェニル)メタン(D−LV−2);ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)(3,4−ジメトキシフェニル)メタン(LB−8);アミノ部分に結合した複数のアルキル置換基を有するアミノトリアリールメタンロイコ染料であって、各々のアルキル基が独立してC1〜C4アルキルから選択されるもの;及び上述の構造のいずれかを有するアミノトリアリールメタンロイコ染料であって、そのアリール環が1つ又は複数のアルキル基でさらに置換されており、その後者のアルキル基がそれぞれ独立してC1〜C3アルキルから選択されているもの、もまた本発明において使用することができる。その他のロイコ染料もまた、本発明に関連して使用することが可能であるが、これらは当業者には公知である。これらの種類のロイコ染料のいくつかについては、米国特許第3,658,543号及び第6,251,571号にさらに詳しい説明があり、参照することで、それら各々の内容の全てを本明細書に取り入れることとする。本発明で使用するのに適する他のロイコ染料の例は、Muthyala Ramaiha編「Chemistry and Applications of Leuco Dyes」、Plenum Press,NewYork,London(ISBN 0−306−45459−9)において見出すことができ、参照することで、その内容を本明細書に取り入れることとする。
【0032】
抑制されていない金属錯体活性化剤及び/又は保護されていない第2の活性化剤の存在下における、加熱により引き起こされる酸化、プロトン化、開環などにより、上述のロイコ染料は、様々な光学的特性を有する染料を形成することができる。本発明における使用には広範な組成物が適しているが、発色性組成物は、少なくとも約3重量%のロイコ染料を含むことができ、より詳細には、約4%〜約20重量%の濃度にて存在することができる。ここに示した範囲はあくまでも1例であって、所望する画像特性やその他の考慮事情に応じて、他の重量範囲を用いることも可能であることを理解されたい。
【0033】
許容し得るフルオランロイコ染料の例には、式(7)で示される構造が含まれる。
【0034】
【化9】

【0035】
式中、Rは、アルキル若しくはアリール基、又はH原子とし得る。
【0036】
ラッカー30は、活性化剤、アンテナ及び発色剤を、溶解及び/又は分散させるために好適な任意のマトリックスとし得る。許容し得るラッカーには、単なる例としては、光パッケージを有する、アクリレートの誘導体、オリゴマー及びモノマーのような、UV硬化性マトリックスが含まれる。光パッケージとしては、ラッカーの硬化反応を開始させる光吸収性の化学種を挙げることができ、例えば、ベンゾフェノン誘導体などである。モノマー及びプレポリマーをフリーラジカル重合させるための光重合開始剤の他な例としては、限定はしないが、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、アセトフェノン及びベンゾインエーテルタイプがある。変色を引き起こす種類の放射線とは異なる形態の放射線で硬化されるマトリックスを選択するのが望ましい。カチオン重合樹脂をベースとするマトリックスでは、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン化合物をベースとする光重合開始剤が必要となる。許容し得るラッカー又はマトリックスの例として、Nor−Cote CDG000(UV硬化性アクリレートのモノマー及びオリゴマーの混合物)が挙げられ、それは、光重合開始剤(ヒドロキシケトン)及び有機溶媒のアクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ベータ−フェノキシエチルアクリレート、及びヘキサメチレンアクリレート)を含む。その他の許容し得るラッカー、即ちマトリックスとしては、アクリレート化されたポリエステルオリゴマー、例えばサルトマー社(Sartomer Co.)からのCN293及びCN294を挙げることができる。
【0037】
以下の実施例では、本発明の実施形態による画像形成溶液を調製するための詳細な方法を説明する。以下の実施例は、本発明を限定するものと考えられるべきではなく、本発明の実験データに基づく、代表的な既知の実施形態並びに印刷媒体の試験として考えられるべきである。
【実施例1】
【0038】
図1の実施形態を参照すると、本発明の実施形態による画像形成溶液を調製するための方法が示されており、当該方法には、活性化剤溶融物10、活性化剤/アンテナ溶液20、UV硬化性ラッカー溶液30、ラッカー/アンテナ/活性化剤溶液40、及び2相のUV硬化性ペースト50が含まれる。図1に示す実施形態では、シュウ酸ジベンジル 2グラムを加熱し溶融させた(約85℃)。活性化剤ビスフェノール−A 20グラムと、アンテナIR780 1グラムとを、溶融したシュウ酸ジベンジルの中に溶解させた。当該活性化剤/アンテナ溶液20を冷却し、粉砕して、微細な粉体70とした。
【0039】
5グラムの粉砕した活性化剤/アンテナ粉体70を、15.3gのNor−Cote CDG000UV−ラッカー30(UV硬化性アクリレートのモノマー及びオリゴマー混合物)に溶解させて、ラッカー/アンテナ/活性化剤溶液40を形成した。
【0040】
10グラムのm−ターフェニル(促進剤)50をビーカー中で溶融させた。その溶融物50を、110゜Fに加熱した。撹拌を続けながら、100グラムのBK400 55を、その溶融物に少しずつ添加した。添加したBK−400は、ナガセ・コーポレーション(Nagase Corporation)から入手可能なロイコ染料(2’−アニリノ−3’−メチル−6’−(ジブチルアミノ)フルオラン)であり、式8として、その構造を以下に記載する。
【0041】
【化10】

【0042】
(平均粒子径、約5μm未満)。当該混合物の温度を170〜180℃にまで上げた。BK400が溶融物中に完全に溶解するまで(通常10〜15分かかる)、撹拌し続け、促進剤/ロイコ染料溶液65を形成した。撹拌を続けながら、550mgのIR780(IR染料)70を、その溶融物に添加した。IR780ヨウ素化物は次式を有する。
【0043】
【化11】

【0044】
IR染料が溶融物中に完全に溶解するまで、さらに約2〜3分間、加熱及び撹拌を続け、ロイコ染料/アンテナ/促進剤アロイ(共融物)75を形成した。このロイコ染料/アンテナ/促進剤アロイ75の温度を、約190℃未満に保った。
【0045】
次いで、ロイコ染料/アンテナ/促進剤アロイ75を、アルミニウム箔で覆われている、予め冷却しておいたフリーザートレーの中に注いだ。固化した溶融物を粉砕して粗粉とし、次いで、粉砕後のアロイの平均粒子径が約4μm未満になるよう、水性分散物の形態で摩擦粉砕した。粉砕したアロイを真空中で乾燥させて、ロイコ染料共融物粉体80を得た。
【0046】
ロイコ染料/アンテナ/促進剤アロイ75とラッカー/アンテナ/活性化剤溶液40とを混合して、UV硬化性ペースト90を形成し、基材上に、厚みが約5〜約7μmとなるようにスクリーン印刷して、画像形成媒体(図示せず)を形成した。次いで、その媒体上のコーティングを、水銀ランプを用いてUV硬化させた。
【0047】
得られたコーティング基材上に、45mWのレーザーを用いて、直接マーキングを実施した。エネルギーを約30μ秒〜約100μ秒間適用することで、約20μm×45μmのマーキングが得られた。直接マーキングは、画像形成媒体上に、印刷手段を用いずに所望の画像をマークする際に起こる。
【実施例2】
【0048】
20グラムのTG−SA(フェノール、4,4’−スルホニルビス[2−(2−プロペニル)]−(9Cl))(式(9)):
【0049】
【化12】

【0050】
を活性化剤として使用し、1.2グラムのアンテナIR780を、溶融したシュウ酸ジベンジル中に溶解させて、活性化剤/アンテナ溶液20を形成させ、それを冷却、粉砕して微細粉体70とした以外は、実施例1の方法を実施した。さらに、100グラムのBK400をロイコ染料55として用いる代わりに、ナガセ社から入手可能な、15グラムのS−205ロイコ染料(2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン(式(10)):
【0051】
【化13】

【0052】
(平均粒子径、5μm未満)90を用いて、促進剤/ロイコ染料溶液65を形成した。実施例1と同様に、ロイコ染料/アンテナ/促進剤アロイ75とラッカー/アンテナ/活性化剤溶液40とを混合して、UV硬化性ペースト90を形成させ、基材上に、厚みが約7μmとなるようにスクリーン印刷して、画像形成媒体(図示せず)を形成した。次いで、媒体上のコーティングを、水銀ランプを用いてUV硬化させた。得られたコーティング基材上に、45mWのレーザーを用いて、直接マーキングを実施した。エネルギーを約60μ秒〜100μ秒間適用することで、約20μm×45μmのマーキングが得られた。
【0053】
本発明には各種の修正形態及び代替形態が考えられるが、単に例を示すために、特定の実施形態に関して図面に示し、本明細書において詳細に説明してきた。しかしながら、開示した特定の形態に本発明を限定する意のないことを理解されたい。むしろ、本発明には、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれる、全ての修正物、等価物及び代替物が包含される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態による、画像形成材料の調製方法
【図2】本発明の一実施形態による画像形成媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ及び活性化剤を有するマトリックス;及び
前記マトリックス中に独立した相として分散しているアロイであって、アンテナを有し、さらに前記アロイ中に均一に分散しているロイコ染料及び促進剤を有するアロイ、
を含む、画像形成化合物。
【請求項2】
基材;
前記基材上のマトリックスであって、アンテナ及び活性化剤を有するマトリックス;及び
前記マトリックス中に独立した相として分散しているアロイであって、アンテナを有し、さらに前記アロイ中に分散しているロイコ染料及び促進剤を有するアロイ、
を含む、画像記録媒体。
【請求項3】
前記マトリックスの前記アンテナと、前記アロイの前記アンテナとが、異なる化合物である、請求項1及び2に記載の化合物及び媒体。
【請求項4】
前記ロイコ染料が、下記の構造を含む、請求項1〜3に記載の化合物及び媒体。
【化1】


式中、Rは、アルキル基、アリール基、又はH原子である。
【請求項5】
前記活性化剤が、フェノール系化合物を含む、請求項1〜4に記載の化合物及び媒体。
【請求項6】
前記アンテナが、キノン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、金属錯体、アゾ、クロコニウム、スクアリリウム染料、6官能ポリエステルオリゴマー、及び次式で表される化合物から成る群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1〜5に記載の化合物及び媒体。
【化2】


【化3】


式中、Mは遷移金属であり、R、R、R及びRはハロ置換基を有する又は有しないアルキル基又はアリール基であり、そしてA、A、A及びAはS、NH、又はSeである;及び
【化4】


式中、MはNi又はCuであり、R及びRはRはハロ置換基を有する又は有しないアリール基又はアルキル基である。
【請求項7】
前記アンテナが、レーザー照射又は赤外線照射を吸収するように調整されている、請求項1〜6に記載の化合物及び媒体。
【請求項8】
画像形成材料を調製するための方法であって、
活性化剤及びアンテナを有する粉体を設けること;
前記活性化剤/アンテナ粉体を溶解させて、活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液を形成すること;
ロイコ染料アロイを設けること;及び
前記ロイコ染料アロイを前記活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液中に分散させて、放射線により硬化可能なペーストを形成すること、
を含む、方法。
【請求項9】
活性化剤/アンテナ粉体を設けることが:
活性化剤を溶融させること;
前記活性化剤中にアンテナを溶解させて、活性化剤/アンテナ溶融物を形成すること;
前記活性化剤/アンテナ溶融物を周囲温度にまで冷却すること;及び
前記冷却した活性化剤/アンテナ溶融物を粉砕して粉体とすること、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ロイコ染料アロイを設けることが:
溶融した促進剤を設けること;
前記溶融した促進剤中にアンテナを溶解させること;
前記溶融した促進剤中にロイコ染料を溶解させること;
ロイコ染料/アンテナ/促進剤溶融物を固体状態にまで冷却すること;及び
前記冷却したロイコ染料/アンテナ/促進剤溶融物を粉砕して粉体とすること、
を含む、請求項8に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ及び活性化剤を有するマトリックス;及び
前記マトリックス中に独立した相として分散しているアロイであって、アンテナを有し、さらに前記アロイ中に均一に分しているロイコ染料及び促進剤を有するアロイ、
を含む、画像形成化合物。
【請求項2】
基材;
前記基材上のマトリックスであって、アンテナ及び活性化剤を有するマトリックス;及び
前記マトリックス中に独立した相として分散しているアロイであって、アンテナを有し、さらに前記アロイ中に分しているロイコ染料及び促進剤を有するアロイ、
を含む、画像記録媒体。
【請求項3】
前記マトリックスの前記アンテナと、前記アロイの前記アンテナとが、異なる化合物である、請求項1及び2に記載の化合物及び媒体。
【請求項4】
前記ロイコ染料が、下記の構造を含む、請求項1〜3に記載の化合物及び媒体。
【化1】


式中、Rは、アルキル基、アリール基、又はH原子である。
【請求項5】
前記活性化剤が、フェノール系化合物を含む、請求項1〜4に記載の化合物及び媒体。
【請求項6】
前記アンテナが、キノン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、金属錯体、アゾ、クロコニウム、スクアリリウム染料、6官能ポリエステルオリゴマー、及び次式で表される化合物から成る群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1〜5に記載の化合物及び媒体。
【化2】


【化3】


式中、Mは遷移金属であり、R、R、R及びRはハロ置換基を有する又は有しないアルキル基又はアリール基であり、そしてA、A、A及びAはS、NH、又はSeである;及び
【化4】


式中、MはNi又はCuであり、R及びRはRはハロ置換基を有する又は有しないアリール基又はアルキル基である。
【請求項7】
前記アンテナが、レーザー照射又は赤外線照射を吸収するように調整されている、請求項1〜6に記載の化合物及び媒体。
【請求項8】
画像形成材料を調製するための方法であって、
活性化剤及びアンテナを有する粉体を設けること;
前記活性化剤/アンテナ粉体を溶解させて、活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液を形成すること;
ロイコ染料アロイを設けること;及び
前記ロイコ染料アロイを前記活性化剤/マトリックスプレポリマー溶液中に分散させて、放射線により硬化可能なペーストを形成すること、
を含む、方法。
【請求項9】
活性化剤/アンテナ粉体を設けることが:
活性化剤を溶融させること;
前記活性化剤中にアンテナを溶解させて、活性化剤/アンテナ溶融物を形成すること;
前記活性化剤/アンテナ溶融物を周囲温度にまで冷却すること;及び
前記冷却した活性化剤/アンテナ溶融物を粉砕して粉体とすること、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ロイコ染料アロイを設けることが:
溶融した促進剤を設けること;
前記溶融した促進剤中にアンテナを溶解させること;
前記溶融した促進剤中にロイコ染料を溶解させること;
ロイコ染料/アンテナ/促進剤溶融物を固体状態にまで冷却すること;及び
前記冷却したロイコ染料/アンテナ/促進剤溶融物を粉砕して粉体とすること、
を含む、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−525881(P2006−525881A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518383(P2005−518383)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/029918
【国際公開番号】WO2005/044579
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
ポラロイド
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】