説明

画像形成装置、およびその制御装置

【課題】両面印刷可能な画像形成装置において、ユーザがコンテンツを開いて内容を確認しなくても、望ましいカタログ印刷ができるようにする。
【解決手段】原稿サイズと向きが全ページ同じで総ページ数が4の倍数である場合、原稿サイズの2倍の大きさの用紙を使用し、原稿サイズの長辺かつ中綴じの両面設定をする(S112−yes)。原稿サイズが開始ページと終了ページが同じで、それ以外のページが開始ページの2倍のサイズで共通で、開始ページと終了ページとの向きが同じで、残りのページが開始ページと異なる向きである場合で、かつ全ページ数が奇数である場合、開始ページの2倍の大きさの用紙を使用し、開始ページのサイズの長辺かつ中綴じの両面設定をする一方(S118−no)、全ページ数が偶数である場合には、開始ページと同サイズの用紙を使用し、開始ページのサイズの長辺かつ片綴じの両面設定をする(S118−yes)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびその制御装置に関する。より詳細には、見開き状態の原稿と同じような形態の両面出力が可能な仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
所定のアプリケーションに基づいて処理された印刷情報をプリンタなどの画像形成装置にて出力する場合、ユーザは、印刷に先立って、画像形成装置に対して、出力サイズや向き、あるいは面付け(NアップあるいはNin1)、片面/両面、ステープル位置、出力先などの、さまざまな機能を使うための設定を行なっている(たとえば、特許文献1〜3を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平08−147118号公報
【特許文献2】特開平11−149358号公報
【特許文献3】特開平11−259264号公報
【0004】
たとえば特許文献1には、アプリケーションごとに初期設定された印刷設定情報をアプリケーション名ごとに記憶しておき、各アプリケーションからプリンタに対する印刷要求指示に基づいてプリンタドライバが起動する際には、アプリケーション名が登録されているかどうかを判定し、アプリケーション名が登録されているときにはそのアプリケーション名に従って登録しておいた印刷設定情報を呼び出して表示手段に印刷設定画面を表示する一方、アプリケーション名が登録されていないときには、デフォルトの印刷設定情報を作成し、この作成したデフォルトの印刷設定情報に基づく印刷設定画面を表示手段に表示する仕組みが開示されている。
【0005】
この仕組みによれば、アプリケーション切換ごとに必要とされる印刷設定情報の再設定処理が不要となり、登録されたあるいは変更した印刷設定情報に従う印刷処理を効率よく行なうことができる。
【0006】
また、特許文献2には、画像入力装置から受信した画像データの用紙サイズが、ユーザにより出力先として指定された画像出力装置によって出力可能であるか否かを判定し、指定された画像出力装置で画像データの出力が不可能であるときには、ネットワーク上の画像出力装置に対し出力可能な用紙サイズを問い合わせて、ネットワーク上で出力可能な他の画像出力装置を検索し、検索の結果、その用紙サイズで出力可能な他の画像出力装置が存在する場合には、他の画像出力装置に画像データを送信して印刷を行なう仕組みが開示されている。
【0007】
この仕組みによれば、ユーザが指定した出力先に希望サイズの用紙がない場合でも、入力画像の原稿サイズに応じた最適な用紙サイズで出力可能な他のプリンタを用いることで、常にユーザが本来望んでいた用紙サイズでの出力を得ることができる。
【0008】
また、特許文献3には、両面印刷モードや縮小レイアウトモードなどの紙資源を節減する処理モードを有し、入力される画像情報を何れかの処理モードに基づいて画像形成可能な画像形成装置において、画像形成装置に要求する画像形成ページ数に基づいて、画像形成装置に対して何れかの処理モードの実行を制御する仕組みが開示されている。
【0009】
この仕組みによれば、使用者が煩雑なモード設定操作をすることなく、画像形成ページ数に応じて自動で、両面印刷や縮小レイアウト印刷などの紙資源を節減する処理モードを自動実行することで紙資源を節減する。これにより、用紙節約や出力用紙保管スペースの削減などを図り、使用者の作業効率および作業環境を格段に向上することできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、ワープロソフトや図面作成ソフトなどのドキュメント作成ツールでドキュメントを電子的に作成する際、単純に同一サイズの単一用紙上にレイアウトするのではなく、実際の仕上がり形態に即するようなレイアウトで電子データを作成することがある。
【0011】
たとえば、お客様に配布するカタログなどの冊子がインターネットのWEB画面上で電子文書として提供されることがある。この場合、その電子文書のほとんどが、実際に(すなわち製版技術により作成された)紙媒体で配布されるものをそのまま見ているような用紙のレイアウト(用紙サイズや総ページ数の任意の組合せ)にすることがある。
【0012】
一例としては、紙媒体における見開き可能な(たとえば中綴じや片綴じの)カタログに対応するように、表紙がA4縦サイズで、中の見開きが左右の各ページを表すA3横サイズで奇数枚つづき、最後に裏表紙としてA4縦サイズといった流れで構成される電子文書がある。このような電子文書は、WEB画面上で閲覧する場合に、製版技術により作成されたカタログなどの冊子を捲って閲覧しているのと同じように見える。
【0013】
しかし、この電子文書に基づいてプリンタなどで印刷する場合、製版技術により作成された冊子(以下実際の冊子ともいう)と同じ形態の構成にすることが困難なことが起こり得る。何故なら、カタログなどの冊子に対応するように印刷処理を実行するには、ページ数や原稿サイズや向きといった印刷するコンテンツの内容や、印刷装置で利用可能な用紙サイズや両面印字の可否といった多くの条件を満たした場合にのみ処理が可能となるからである。
【0014】
このような制約条件の厳しいカタログ印刷可能な印刷設定に沿うように、最適な出力結果を得るための出力設定を、印刷処理を指示するユーザが決定することは困難を伴う。特にコンテンツのダイレクトプリントのように、コンテンツの内容を確認することなく印刷指示を発するような場合には、電子文書中の総ページ数やサイズや向きなどがカタログ印刷可能なものでない場合には、カタログ印刷指示を発しても、正常な形態での出力結果を得ることが事実上できなくなる。
【0015】
この問題を解消するべく、上記特許文献1〜3の何れかもしくは任意の組合せを利用することも考えられるが、必ずしも、ユーザが希望する形態や出力先で正常なカタログ印刷結果が得られるようにはならない。
【0016】
たとえば、特許文献1に記載の仕組みは、プリケーションごとに印刷設定情報の登録をしておき、使用するアプリケーションとその登録内容に応じて印刷設定画面を表示するものであるから、実際に使用するアプリケーションに対応付けられている印刷設定がカタログ印刷仕様でなければ正常なカタログ印刷結果が得られない。
【0017】
また、アプリケーション名が登録されていないときには、デフォルトの印刷設定が先ずユーザに提示されることになるが、そのデフォルトの印刷設定がカタログ印刷仕様でない場合にも同様である。結局、提示された印刷設定をユーザが変更することが必要になるが、前述のように、その設定変更は困難を伴う。
【0018】
また、特許文献2に記載の仕組みは、画像データの用紙サイズでは使用しようとしている装置で対応できないときには他の対応可能な装置を検索して出力処理を実行することになるが、カタログ印刷指示を発した電子文書に原稿サイズの混在があったときの対処に関しては記載がなく、カタログ印刷指示を発した電子文書の用紙サイズでは使用しようとしている装置で対応できないときには、そのままでは、各サイズに応じた個別の他の装置で出力されてしまい、正常なカタログ印刷結果が得られない。
【0019】
また、特許文献3に記載の仕組みは、紙資源を節減する処理モードに関わるものであり、カタログ印刷に適した処理モードに関しては記載がなく、この特許文献3に記載の仕組みでは、制約条件の厳しいカタログ印刷可能な印刷設定に沿う処理モードにすることはできない。
【0020】
本発明は、ユーザがコンテンツを開いて内容を確認しなくても、望ましいカタログ印刷ができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係る制御装置は、画像形成装置を制御する制御装置、具体的には、電子的に生成された複数のページを表す文書データに基づいて所定の記録媒体上に画像を形成するための出力データを生成するように制御するであって、文書データにより表される用紙レイアウト上の原稿のサイズ、原稿の向き、および総ページ数に基づいて、記録媒体上の出力結果が見開き可能な冊子となるように、記録媒体に配置するページサイズ、ページの向き、およびページ順序を含む出力設定を決定するページ配置制御部と、ページ配置制御部が決定した出力設定を、出力を指示したユーザに提示する出力設定提示部とを備えるものとした。
【0022】
また本発明に係る画像形成装置は、文書データにより表される用紙レイアウト上の原稿のサイズ、原稿の向き、および総ページ数に基づいて、記録媒体上の出力結果が見開き可能な冊子となるように、記録媒体に配置するページサイズ、ページの向き、およびページ順序を含む出力設定を決定するページ配置制御部を備えるものとした。
【0023】
ここで、ページ配置制御部は、見開き可能な冊子となるように、電子データのページ順を組み替えて印刷用紙などの記録媒体に配置するページ構成を決定するものであればよい。要するに、出力処理するコンテンツ全てのページの原稿のサイズ、原稿の向き、総ページ数に基づいて、カタログ印刷が可能かどうかを判定する。またカタログ印刷が可能なコンテンツの場合には、推奨印刷設定として最適な印刷設定をユーザに提示する。
【0024】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る制御装置や画像形成装置のさらなる有利な具体例を規定する。
【0025】
なお、本発明に係る制御装置や画像形成装置は、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現することもでき、このためのプログラムやこのプログラムを格納した記録媒体を発明として抽出することも可能である。たとえば、画像形成装置用のプリンタドライバとして提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介した配信により提供されてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、カタログ印刷が可能かどうかを、原稿サイズ、原稿向き、および総ページ数に基づいて、装置が自動的に判別し、最適な印刷設定をユーザに提示するようにしたので、ユーザがそのコンテンツを開いて内容を確認しなくとも、望ましいカタログ印刷結果を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、後述するページ再配置処理を適用して所定の記録媒体に可視画像を形成する画像形成システムの概要について説明する。
【0028】
<システム構成の概要>
図示を割愛するが、システム構成としては、たとえば、ワープロソフトなどのドキュメント作成ツールで作成したドキュメントデータを、ページ記述言語(PDL:Page Description Language) に変換することなく、そのままプリンタなどの画像形成装置にネットワークを介して送り、画像形成装置側にて、直接受け取った文書データに基づいて冊子の見開き状態を維持できるように、ページ画像を再配列する第1のシステム構成を採ることができる。
【0029】
あるいは、ホスト側装置において、ワープロソフトなどのドキュメント作成ツールで作成したドキュメントデータに基づいて、冊子の見開き状態を維持できるようにした新レイアウトの印刷データ(PDLデータ;プリントジョブ)にしてから、この新しいレイアウトの印刷データを画像形成装置にネットワークを介して送信する第2のシステム構成を採ることもできる。
【0030】
あるいは、ホスト側装置において、ワープロソフトなどのドキュメント作成ツールで作成した文書データに基づいて、冊子の見開き状態を維持できるようにした新レイアウトの文書データに変換(編集)してから、この新しいレイアウトの文書データに基づいてプリンタドライバにてPDLなどの印刷データを生成し、この印刷データを画像形成装置にネットワークを介して送信する第3のシステム構成を採ることもできる。
【0031】
第2あるいは第3のシステム構成の場合、画像形成装置側に特別な処理機構がなくても、電子データ上の用紙レイアウトと、画像形成装置にて利用可能な印刷用紙Pのサイズに基づいて、見開き可能な冊子状態とするためのレイアウトすなわちカタログ印刷可能なレイアウトを自動的に決定し、電子データ上の1ページを分割、ページの入れ替え、再配置してから印刷することで、容易に見開き可能な冊子状態の出力結果を得ることができる。
【0032】
なお第2および第3のシステム構成の場合、出力に利用可能な用紙を考慮に入れてレイアウトを自動生成するようにする場合には、画像形成装置にて利用可能な印刷用紙Pのサイズに関する情報は利用者がホスト側装置に入力する形態であってもよいし、画像形成装置からその情報を自動的に取得する形態としてもよい。ただし後者の場合、画像形成装置にて利用可能な印刷用紙Pのサイズ情報を取得するための通信などの機構が必要になる。
【0033】
また、ページ再配置処理に関わる種々の機能要素の構成としては、個々の処理を行なう専用のハードウェア回路で構成することもできるし、CPU,RAM,ROMなどを有するパーソナルコンピュータなどの電子計算機と同様に、処理手順を記述したプログラムに基づいてソフトウェア処理にて実現することもできる。
【0034】
第1〜第3のシステム構成の場合、画像形成装置とネットワーク接続されたホスト装置が、画像形成装置に対して出力指示を発する指示装置に該当する。一方、画像形成装置に指示装置を組み込んだ第4のシステム構成を採ることもできる。この場合、指示装置は、画像形成装置に内蔵されてもよいし、画像形成装置の外部に載置してもよい。特に外部に載置する場合、CPU,RAM,ROM、表示装置などのユーザインタフェースを有するパーソナルコンピュータなどの電子計算機を利用して指示装置を構成するとよい。
【0035】
なお、電子的に生成された複数のページを表す文書データに基づいて所定の記録媒体上に画像を形成するための出力データを生成するように制御する制御装置を構成するに当たっては、文書データにより表される用紙レイアウト上の原稿のサイズ、原稿の向き、および総ページ数に基づいて、記録媒体上の出力結果が見開き可能な冊子となるように、記録媒体に配置するページサイズ、ページの向き、およびページ順序を含む出力設定を決定するページ配置制御部と、ページ配置制御部が決定した出力設定を、出力を指示したユーザに提示する出力設定提示部の何れをも1つの装置が備えた一体型の構成に限らず、それぞれが別体の装置(システム)構成を採ることもできる。
【0036】
この場合、指示装置は、出力指示を発するが、ページ配置制御部は、画像形成装置側に搭載することができる。なお、この場合でも、ページ配置制御部が決定した出力設定をユーザに提示する出力設定提示部やその他の通知部は指示装置側に設けられる。もちろん、指示装置がページ配置制御部を備え、決定した出力設定で画像形成装置に出力を指示する構成を採ることもできる。
【0037】
<カタログ印刷可能なページレイアウト例>
図1は、見開き可能な(たとえば中綴じの)カタログに対応するような両面印刷(カタログ印刷)が可能なページレイアウト状態を説明する図である。ここでは、カタログ印刷する場合の各印刷用紙P上のページ画像の配列順の決定方法を示している。
【0038】
ここで、図1(A)は、電子データで表わされた見開き原稿の左右の各ページの画像と、その見開きサイズと略同じ大きさの印刷用紙Pに元のページ順と同じくかつ中綴じ可能なように両面印刷する場合の、各印刷用紙P上のページ画像の配列順の決定方法を説明する図である。また図1(B)は、見開き原稿の左右の各ページの画像と、その見開きサイズの半分の大きさすなわち個々の原稿サイズと同サイズの印刷用紙Pに元のページ順と同じくかつ見開き可能なように片綴じで両面印刷する場合の、各印刷用紙P上のページ画像の配列順の決定方法を説明する図である。
【0039】
図1(A)に示すように、中綴じ可能に両面印刷する場合、基本的には、印刷用紙Pの表裏両面で、4ページ分の画像が印刷される。したがって、中綴じ原稿Gの表紙および裏表紙を含む総ページ数をNとしたとき、必要な印刷用紙Pの枚数QはN/4となる。
【0040】
また、印刷用紙P上の表面あるいは裏面で対となるページは、原稿Gの開きの方向に関わらず、ページ番号nとページ番号4Q−(n−1)=N−(n−1)となる。たとえば、総ページ数N=12のとき、n=3ページと対になるのは、12−(3−1)=10ページとなる。
【0041】
また、先に印刷が完了し排出された印刷用紙Pの裏面上に、次に印刷が完了した印刷用紙Pを排出する場合、原稿Gの開きの方向に関わらず、前半のページは、奇数ページが表面に、偶数ページが裏面に印刷される。後半のページについては、対となる前半のページと同じ面に配される。
【0042】
一方、表面あるいは裏面のそれぞれについて、各ページの画像を右側に配するのか左側に配するのかは、原稿Gの開きの方向によって異なり、左綴じの場合は奇数ページが右側に、偶数ページが左側に印刷され、右綴じの場合は奇数ページが左側に、偶数ページが右側に印刷される。上綴じの場合は、左綴じを時計回りに90度回転、または右綴じを反時計回りに90度回転させた形態となるので、ここでは説明を割愛する。
【0043】
ページ配置制御処理に際しては、見開きサイズと略同じ大きさの印刷用紙Pがある場合には、図1に示したルールに従って、中綴じ可能なように、頁順並びに配置位置および向きを決定する。そしてレンダリング処理に際しては、ページ配置制御処理において決定された頁順並びに配置位置および向きに従って各ページの画像を並べ替えプリンタエンジンに入力する。
【0044】
一方、見開きサイズと略同じ大きさの印刷用紙Pがない場合には、見開きサイズの半分の大きさ、すなわち個々のページと同サイズの印刷用紙Pに片綴じで見開き可能に両面印刷する。この場合、ページ配置制御処理に際しては、図1(B)に示すルールに従って、片綴じで見開き可能なように、頁順並びに配置位置および向きを決定する。そしてレンダリング処理に際しては、ページ配置制御処理において決定された頁順並びに配置位置および向きに従って各ページの画像を並べ替えプリンタエンジンに入力する。なお、見開きサイズの半分の大きさの印刷用紙Pに両面印刷する場合、出来上がった印刷用紙Pの積層体の右側もしくは左側の一辺を綴じることで、右綴じ/左綴じを切り替えることができる。
【0045】
なお、実際には、カタログ印刷可能なページレイアウトであっても、出力用紙が用意されていないため、そのままではカタログ印刷が不可能になることもある。この場合、出力用紙も勘案して、カタログ印刷可能なページレイアウトに再配置するのがよい。あるいは、白紙ページを補充することで、カタログ印刷が可能になることもある。以下、カタログ印刷可能なページレイアウトの具体的な事例について説明する。
【0046】
<レイアウト例;その1>
図2は、電子データ上の用紙レイアウトのパターンが、2ページ目から最終ページ前までの原稿サイズが1ページ目や最終ページと同サイズである場合、たとえばA4が1枚(開始ページ;たとえば表紙)、中身もA4(偶数枚)、A4が1枚(終了ページ;たとえば裏表紙)であって、さらに全体の総ページ数が4の倍数である場合における、カタログ印刷用のページ再配置処理の一例を示す図である。
【0047】
この場合、印刷用紙PとしてA4の倍のA3サイズが利用できる場合、中綴じ可能にすることができる。そこで、ページ配置制御処理に際しては、出力にA3用紙が利用できるかどうかを判定した際に、A3用紙が利用できる場合には、図2(B)に示すように、中綴じ可能な冊子とすることができるレイアウトにして出力することを決定する。以下、この例を第1のカタログ印刷可能パターンという。
【0048】
また、中身のA4(偶数枚)が、その倍サイズの見開きA3横向きで奇数枚になる場合にも、同様のことが言える。すなわち、電子データ上の用紙レイアウトのパターンが、A4が1枚(表紙)、見開きA3が奇数枚、A4が1枚(裏表紙)の場合であって、出力にA3用紙が利用できる場合には、図2(B)に示すように、A3両面印刷によって中綴じにてカタログ冊子となる印刷結果が得られる。
【0049】
なお、図示を割愛するが、印刷用紙PとしてA4の倍のA3用紙が利用できないもののA4用紙が利用できる場合には、中綴じは不可能であるが片綴じ可能な冊子とすることができるレイアウトにして出力することを決定することもできる。なお、このパターンは、全体の総ページ数が4の倍数ではないが偶数である場合にも適用可能である。また、出力にA3用紙が利用できない代わりにA3の半分であるA4用紙が利用できる場合にも、A4両面印刷によって片綴じにてカタログ冊子となる印刷結果が得られる。
【0050】
<レイアウト例;その2>
図3は、電子データ上の用紙レイアウトのパターンが、2ページ目から最終ページ前までの原稿サイズが1ページ目や最終ページの2倍サイズで横向きである場合、たとえばA4が1枚(開始ページ;たとえば表紙)、見開きA3が偶数枚、A4が1枚(終了ページ;たとえば裏表紙)の場合における、ページ再配置処理の一例を示す図である。
【0051】
この場合、総ページ数Nは、4の倍数とならないので、そのままでは中綴じにすることはできない。そこでページ配置制御処理に際しては、たとえばA3の半分であるA4用紙が利用できる場合には、図3(B)に示すように、中綴じは不可能であるが片綴じ可能な冊子とすることができるレイアウトにして出力することを決定する。以下、この例を第2のカタログ印刷可能パターンという。
【0052】
あるいは、図示を割愛するが、A3用紙およびA4用紙が利用できる場合には、A3用紙の折り畳んだ内側にA4用紙を挟み込むことで、中綴じは不可能であるが片綴じ可能な冊子とすることができるレイアウトにして出力することを決定してもよい。
【0053】
また、A4用紙が利用できない代わりにA3用紙が利用できる場合には、A3用紙の折り畳んだ内側にA3用紙を2つ折りし袋綴じにして(白紙ページが内側になるように)挟み込むことで、中綴じは不可能であるが片綴じ可能な冊子とすることができるレイアウトにして出力することを決定してもよい。
【0054】
また、これらのことは、中身のA3(偶数枚)が、その半分サイズのA4縦向きで偶数枚になる場合にも、同様のことが言える。すなわち、電子データ上の用紙レイアウトのパターンが、A4が1枚(表紙)、A4が偶数枚、A4が1枚(裏表紙)の場合であって、出力にA3用紙が利用できないがA4用紙が利用できる場合には、図3(B)に示すように、A4両面印刷によって片綴じにてカタログ冊子となる印刷結果が得られる。
【0055】
なお、上述したカタログ印刷可能なページレイアウト例は、その一例に過ぎず、たとえば特開2003−162406号公報に示されているように、その他のパターンでもカタログ印刷が可能である。
【0056】
<処理手順>
図4は、両面印刷機能を有する画像形成装置を使用して、2頁分に亘る図や説明などの画像を有する、見開き可能な冊子を作成する、すなわちカタログ印刷を行なう場合についての、一連の処理手順の概要を示したフローチャートである。なお、以下の説明では、出力用紙サイズは自由に使用可能であるものとし、出力用紙サイズの判定を割愛する。
【0057】
本実施形態の処理手順においては、ページ数、原稿サイズ、ページ構成、作成アプリケーション、作成者などのコンテンツの内容に基づいて、カタログ印刷が可能なコンテンツであるか否かを判定し、望ましいと考えられる出力結果が得られる印刷設定を決定し、その決定した印刷設定をユーザに提示することにより、ユーザがコンテンツの内容を考慮しなくとも、望ましい出力結果を容易に得られるようにする。
【0058】
また、印刷時にコンテンツの内容を分析し、カタログ印刷が可能な印刷設定が存在する場合には、カタログ印刷モードに移行し、印刷を実施する。さらに、ユーザが指定したステープルの位置のように、印刷指示通りでは正しい出力結果が得られないような場合に、印刷設定を変更してカタログ印刷を行なう。その際には、適切なステープルの位置の情報をユーザに提示する。以下、具体的に説明する。
【0059】
図示を割愛するが、先ず指示装置は、電子データの印刷物を出力するよう画像形成装置に指令する。このときCPUなどの中央制御部は、プリンタドライバにより出力サイズや出力部数など、従来のシステムと同様の印刷指示を出す。また、見開き可能な冊子を作成するモードであるカタログ印刷モードかそれ以外のモードであるのかの指示も出す。なお、従来のシステムと異なり。プリンタドライバは、電子データをPDLに変換することなく、その電子データを直接に画像形成装置に送る。
【0060】
画像形成装置は、ネットワークを介して電子データを全て受信し、所定の記憶媒体に保持する。ページ配置制御処理に当たっては、指示装置により指示された印刷モードがカタログ印刷モードか否かを判定する。カタログ印刷モードでない場合、画像形成装置は、従来のプリンタと同様の処理をする。すなわち、1ページ分をラスタデータに描画展開し、この1ページ分のラスタデータをプリンタエンジンに送り印刷出力させる。画像形成装置は、この処理を全ページ分繰り返す。
【0061】
一方、カタログ印刷モードである場合、ページ配置制御処理に当たっては、受信した電子データに含まれる全てのページのページサイズと向きを判定する。具体的には、開始ページと終了ページの原稿サイズおよび向きが同じであるか否かを先ず判定する(S106)。
【0062】
開始ページと終了ページの原稿サイズおよび向きが同じである場合には(S106−yes)、次に、開始ページと終了ページ以外の原稿サイズおよび向きが全て同じであるか否かを判定する(S108)。
【0063】
開始ページと終了ページの原稿サイズおよび向きが異なる場合や、開始ページと終了ページ以外の原稿サイズおよび向きが全て同じでない場合には、カタログ印刷不可能なパターンであると判定する(S106−no,S108−no,S130)。
【0064】
一方、開始ページと終了ページ以外の原稿サイズおよび向きが全て同じである場合には、さらに、各ページの配列状態がカタログ印刷可能な特定の用紙レイアウトのパターン(カタログ印刷可能パターン)かどうかを判定する。
【0065】
具体的には、先ず、2ページ目から最終ページ前までの原稿サイズと向きが1ページ目や最終ページと同サイズであるか否かを判定する(S110)。2ページ目から最終ページ前までの全ての原稿サイズと向きが1ページ目および最終ページと同サイズである場合、すなわち全ページが同サイズで同じ向きである場合には(S110−yes)、さらに総ページ数が4の倍数であるか否かを判定する(S112)。
【0066】
総ページ数が4の倍数である場合、原稿サイズの2倍の出力用紙を使うことで、図2(B)に示した第1のカタログ印刷可能パターンに該当させることができるので、中綴じ可能な冊子とすることができるレイアウトにして出力することを決定する(S112−yes,S120)。一方、総ページ数が4の倍数でない場合には、原稿サイズの2倍の出力用紙を使うとそのままでは(たとえば白色ページを補充しないと)カタログ印刷不可能となるので、カタログ印刷不可能なパターンであると判定する(S112−no,S130)。
【0067】
つまり、原稿サイズおよび原稿の向きが全ページ同じで、ページ数が4の倍数である場合は、原稿サイズの2倍の大きさの用紙で、長辺短辺綴じの両面設定をすることで、中綴じの冊子状の出力結果が得られる。ステープルの設定が可能であれば、中綴じステープルの指定にする。これは、一般的な小冊子印刷と同じ中綴じ形態となる。
【0068】
また、2ページ目から最終ページ前までの全ての原稿サイズと向きが1ページ目および最終ページと同サイズとなっていない場合、すなわち全ページが同サイズで同じ向きである状態にない場合には(S110−no)、さらに2ページ目以降の原稿サイズが1ページ目の2倍であるか否かを判定する(S114)。2ページ目以降の原稿サイズが1ページ目の2倍である場合には、さらに2ページ目以降の原稿向きが1ページ目や最終ページと異なるか否を判定する(S116)。
【0069】
2ページ目以降最終ページ前までの原稿向きが1ページ目や最終ページと異なる場合には、さらに総ページ数が奇数であるのか偶数であるのかを判定する(S118)。総ページ数が奇数である場合には、2ページ目以降最終ページ前までの原稿サイズと同じ(つまり開始ページや終了ページの2倍の)出力用紙を使うことで、図2(B)に示した第1のカタログ印刷可能パターンに該当させることができるので、中綴じ可能な冊子とすることができるレイアウトにして出力することを決定する(S118−no,S120)。
【0070】
つまり、原稿サイズが開始ページと終了ページが同じで、それ以外のページが開始ページの2倍のサイズで共通であり、原稿の向きは開始ページと終了ページが同じ向きで、残りのページが開始ページと異なる向きである場合で、かつ全ページ数が奇数である場合には、開始ページの2倍の大きさの用紙を使用して、開始ページサイズの長辺(使用する用紙の短辺)かつ中綴じの設定をして両面印刷することでカタログ印刷が可能となる。ステープルの設定が可能であれば、中綴じステープルの指定にする。
【0071】
一方、総ページ数が偶数である場合には、1ページ目や最終ページの原稿サイズと同じ出力用紙を使うことで、図3(B)に示した第2のカタログ印刷可能パターンに該当させることができるので、長辺を使った片綴じ可能な冊子とすることができるレイアウトにして出力することを決定する(S118−yes,S122)。
【0072】
つまり、原稿サイズが開始ページと終了ページが同じで、それ以外のページが開始ページの2倍のサイズで共通であり、原稿の向きは開始ページと終了ページが同じ向きで、残りのページが開始ページと異なる向きである場合で、かつ全ページ数が偶数である場合には、開始ページの大きさの用紙を使用して、開始ページサイズの長辺かつ片綴じの設定をして両面印刷することでカタログ印刷可能となる。ステープルの設定が可能であれば、長辺片側のステープル指定にする。これは、見開きのページが分割されて印刷されて、中綴じではない片綴じのカタログ印刷の形態となる。
【0073】
また、2ページ目以降の原稿サイズが1ページ目の2倍でない場合(S114−no)、2ページ目以降最終ページ前までの原稿向きが1ページ目や最終ページと同じ場合には(S116−no)、出力用紙に関わらずそのままでは(たとえば白色ページを補充しないと)カタログ印刷不可能となるので、カタログ印刷不可能なパターンであると判定する(S130)。
【0074】
なお、図示を割愛するが、カタログ印刷不可能なパターンである場合には、カタログ印刷が不可能である旨の警告をユーザに発する。たとえば、その旨のメッセージを画像情報でユーザに提示したり、スピーカなどの音声通知手段を介して音声メッセージでユーザに通知したりする。あるいは、出力可能なサイズに分割処理をして、通常の片面印刷もしくは両面印刷を行なう。
【0075】
一方、カタログ印刷可能パターンである場合には(S120,S122)、用紙レイアウトのパターンと照らし合わせ、出力する新しいレイアウト(ページ順の再配列とステープル位置を含む)を推奨印刷設定として決定する。
【0076】
また図示を割愛するが、出力する新しいレイアウト(ページ順の再配列とステープル位置を含む;以下適正印刷設定ともいう)を決定すると、自動モードが設定されていれば、直ちに出力処理に移行する。一方、確認モードが設定されている場合には、その決定した新しいレイアウト(適正印刷設定)を推奨印刷設定としてユーザに提示する。
【0077】
また図示を割愛するが、利用者がカタログ印刷を選択し、ステープル位置を選択している場合に、コンテンツを分析した結果、指定されたステープル位置が適正印刷設定として決定したものと異なる望ましい位置でない場合も起こり得る。つまり、コンテンツの内容によってステープルの位置がユーザが指定した印刷指示とは別の場所にした方がよい場合が発生する。たとえば、指定は中綴じであるが、中綴じのカタログにできないコンテンツであった場合である。
【0078】
このような場合には、画像形成装置側で決定した推奨印刷設定の正しいステープル位置を採用し、その位置に自動的に補正してカタログ印刷を継続実行してもよい。あるいは、出力処理を一旦停止して、推奨印刷設定のユーザへの提示に加えて、指定ステープル位置と推奨ステープル位置とが異なる旨の警告をユーザに発してもよい。たとえば、その旨のメッセージを画像情報でユーザに提示したり、スピーカなどの音声通知手段を介して音声メッセージでユーザに通知したりする。
【0079】
次にレンダリングに際しては、ページ配置制御処理により決定された出力のための新しい用紙レイアウト(適正印刷設定)に従って、出力に必要な電子データのページ情報を生成する。この際、印刷用紙Pの1ページ分の出力に必要な情報が電子データでは2ページ分の場合がある。このレンダリング処理に際しては、電子データのページ情報を解析し、印刷用紙Pの1ページ分をラスタデータに描画展開する。
【0080】
この際には、たとえば2ページ目(A3)および4ページ目(A3)をそれぞれA3サイズでラスタデータ(ビットマップデータ)に展開し、それぞれを左右のページ画像に分割してから必要なページ画像を用いてA3サイズに再配列するのではなく、電子データから直接に1枚のA3用紙に対応するようにラスタデータに展開する。出力の2枚目についても同様である。
【0081】
あるいは、A3サイズのページをA3サイズでラスタデータに展開し、左右のページ画像に分割してから、必要な分のページ画像を用いてA3サイズもしくは4サイズに再配列するようにしてもよい。すなわち一旦A3サイズでラスタデータに展開してからページ配列をソートする。この場合、A3サイズでラスタデータにしてから左右のページに対応するA4サイズに分割する分割処理が必要になる。この分割処理は、レンダリング処理と兼用してもよい。ラスタデータとしてから左右の画像に分割する具体的手法は、ラスタデータの分割、接合、順序の入替え、という公知の技術を用いることができる。
【0082】
次に、印刷実行時には、この1ページ分のラスタデータをプリンタエンジンに送り印刷出力させる。画像形成装置は、これを全ページ分繰り返す。このときプリンタエンジンは、レンダリング処理にて生成されたラスタデータのページ順に従って、印刷用紙P上に両面印刷する。
【0083】
ユーザは、画像形成装置から出力された印刷用紙Pの積層体を、堆積した状態でそのまま中央で半分に谷折りし、折り目に沿って綴じる、もしくは積層体の一辺を綴じることによって、指示装置が想定している冊子と同じ見開き可能な冊子の形態にできる。
【0084】
このように、本実施形態のページ再配置処理によれば、文書データを全ページ分保存しておく領域(実施形態では記憶媒体)が必要になりコストがかかるものの、電子データのコンテンツ内容、具体的には、個々のページサイズおよび向き並びに総ページ数といった用紙レイアウトに基づいて、見開き可能な冊子状態とするためのレイアウトを自動的に決定し、電子データの1ページを分割、ページの入れ替え、再配置してから印刷することで、製版技術により作成された実際の冊子と同じように、容易に見開き可能な冊子状態の出力結果を得ることができる。
【0085】
カタログ印刷が可能かどうかは装置が自動的に判別し、最適な印刷設定をユーザに提示するので、ユーザがそのコンテンツを開いて内容を確認しなくとも、望ましい出力結果を容易に得ることができる。
【0086】
また、決定した適正印刷設定を推奨印刷設定としてユーザに提示すれば、ユーザが意図しない形態や出力先でカタログ印刷されることもない。また、適正印刷設定を決定できないときには、その旨の警告を提示すれば、ユーザは別の対処を考えることができる。
【0087】
また、指定ステープル位置が推奨ステープル位置と異なるときに、自動的に補正してカタログ印刷を行なうと、ユーザの手を煩わせることなく、自動的に適正なステープル処理をしてカタログ印刷ができる。
【0088】
また、出力処理を一旦停止して、その旨の警告を提示すれば、ユーザは推奨ステープル位置を許容するかあるいは別の対処を考えることができる。ユーザが意図しないステープル形態でカタログ印刷されることがない。
【0089】
なお、上記実施形態では、電子データにより表される用紙の最大サイズに対応する印刷用紙(前例ではA3サイズの用紙)を使って、できるだけ中綴じ可能な形態を選択するようにしていたが、必ずしもこのような形態に限らない。たとえば電子データが中綴じ可能な用紙レイアウトであって、画像形成装置にて利用可能な印刷用紙PとしてA4サイズおよびA3サイズが用意されていた場合であっても、出力に使用する用紙サイズとしてユーザからA4サイズが指定された場合には、図2(C)に示したように、A4サイズの印刷用紙Pを用いて見開き可能な片綴じの冊子にしてもよい。
【0090】
なお、上記実施形態では、総ページ数の不適合やサイズ違いがある場合には、カタログ印刷が不可能であるとしていたが、たとえば、白色ページを補充して総ページ数の不適合を解消すれば、カタログ印刷が可能であるとすることができる。また、サイズ違いのページに関しては、全体として適当なサイズに自動変倍して、サイズの不適合を解消すれば、カタログ印刷が可能であるとすることもできる。
【0091】
また、上記実施形態では、折り込みページの存在に関しては触れていないが、折り込みページが存在する場合には、その情報をも参照して、カタログ印刷が可能なページ再配置を行なうこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】カタログ印刷が可能なページレイアウト状態を説明する図である。
【図2】カタログ印刷用のページ再配置処理の第1例を示す図である。
【図3】カタログ印刷用のページ再配置処理の第2例を示す図である。
【図4】両面印刷機能を有する画像形成装置を使用して、カタログ印刷を行なう処理手順の概要を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
G…原稿、P…印刷用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子的に生成された複数のページを表す文書データに基づいて所定の記録媒体上に画像を形成するための出力データを生成するように制御する制御装置であって、
前記文書データにより表される用紙レイアウト上の原稿のサイズ、原稿の向き、および総ページ数に基づいて、前記記録媒体上の出力結果が見開き可能な冊子となるように、当該記録媒体に配置するページサイズ、ページの向き、およびページ順序を含む出力設定を決定するページ配置制御部と、
前記ページ配置制御部が決定した出力設定を、出力を指示したユーザに提示する出力設定提示部と
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記ページ配置制御部は、使用可能な記録媒体のサイズにも基づいて、前記出力設定を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記ページ配置制御部は、ステープル位置にも基づいて、前記出力設定を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記ステープル位置をユーザから受け付け付けるステープル位置受付部と、
前記ページ配置制御部が決定した前記出力設定のステープル位置と、前記ステープル位置受付部が受け付けたステープル位置とが異なる場合には、その旨を、出力を指示したユーザに提示する通知部
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記ページ配置制御部が、前記出力設定を決定することができない場合に、その旨を、出力を指示したユーザに提示する通知部
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記ページ配置制御部は、前記原稿のサイズおよび前記原稿の向きが全ページ同じで、前記総ページ数が4の倍数である場合は、前記原稿のサイズの2倍の大きさの前記記録媒体を使用して、前記原稿のサイズの長辺かつ中綴じの両面設定をする
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ページ配置制御部は、前記原稿のサイズが開始ページと終了ページが同じで、それ以外のページが開始ページの2倍のサイズで共通であり、前記開始ページと終了ページとの向きが同じで、残りのページが前記開始ページと異なる向きである場合で、かつ全ページ数が奇数である場合には、前記開始ページの2倍の大きさの前記記録媒体で、前記開始ページのサイズの長辺かつ中綴じの両面設定をする
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記ページ配置制御部は、前記原稿のサイズが開始ページと終了ページが同じで、それ以外のページが開始ページの2倍のサイズで共通であり、前記原稿の向きは前記開始ページと前記終了ページが同じ向きで、残りのページが前記開始ページと異なる向きである場合で、かつ全ページ数が偶数である場合には、前記開始ページと同じ大きさの前記記録媒体で長辺片綴じの両面設定をする
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
電子的に生成された複数のページを表す文書データに基づいて所定の記録媒体上に画像を形成するための出力データを生成する画像形成装置であって、
前記文書データにより表される用紙レイアウト上の原稿のサイズ、原稿の向き、および総ページ数に基づいて、前記記録媒体上の出力結果が見開き可能な冊子となるように、当該記録媒体に配置するページサイズ、ページの向き、およびページ順序を含む出力設定を決定するページ配置制御部
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記ページ配置制御部は、使用可能な記録媒体のサイズにも基づいて、前記出力設定を決定する
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ページ配置制御部は、ステープル位置にも基づいて、前記出力設定を決定する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ステープル位置をユーザから受け付け付けるステープル位置受付部と、
前記ページ配置制御部が決定した前記出力設定のステープル位置と、前記ステープル位置受付部が受け付けたステープル位置とが異なる場合には、前記出力データを生成する処理を停止する停止処理部を
さらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記ステープル位置をユーザから受け付け付けるステープル位置受付部と、
前記ページ配置制御部が決定した前記出力設定のステープル位置と、前記ステープル位置受付部が受け付けたステープル位置とが異なる場合には、その旨を、出力を指示したユーザに提示する通知部を
さらに備えたことを特徴とする請求項11または12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記ステープル位置をユーザから受け付け付けるステープル位置受付部と、
前記ページ配置制御部が決定した前記出力設定のステープル位置と、前記ステープル位置受付部が受け付けたステープル位置とが異なる場合には、前記ページ配置制御部が決定した前記出力設定のステープル位置を採用して前記出力データを生成する処理を継続する継続処理部を
さらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記ページ配置制御部は、前記原稿のサイズおよび前記原稿の向きが全ページ同じで、前記総ページ数が4の倍数である場合は、前記原稿のサイズの2倍の大きさの前記記録媒体を使用して、前記原稿のサイズの長辺かつ中綴じの両面設定をする
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記ページ配置制御部は、前記原稿のサイズが開始ページと終了ページが同じで、それ以外のページが開始ページの2倍のサイズで共通であり、前記開始ページと終了ページとの向きが同じで、残りのページが前記開始ページと異なる向きである場合で、かつ全ページ数が奇数である場合には、前記開始ページの2倍の大きさの前記記録媒体で、前記開始ページのサイズの長辺かつ中綴じの両面設定をする
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記ページ配置制御部は、前記原稿のサイズが開始ページと終了ページが同じで、それ以外のページが開始ページの2倍のサイズで共通であり、前記原稿の向きは前記開始ページと前記終了ページが同じ向きで、残りのページが前記開始ページと異なる向きである場合で、かつ全ページ数が偶数である場合には、前記開始ページと同じ大きさの前記記録媒体で長辺片綴じの両面設定をする
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−276977(P2006−276977A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91187(P2005−91187)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】